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QRISK vs. Framingham、心血管疾患リスクの予測はどちらが優れているか?

イギリスで近年開発された心血管疾患リスク予測アルゴリズム「QRISK」のパフォーマンス評価が、Framinghamとの比較で行われた。QRISKの独立したパフォーマンス評価はこれまで行われていなかったという。オックスフォード大学医学統計センターのGary S Collins氏らが、イギリス保健省からの依頼で行ったもので、一般開業医(GP)の患者コホートを対象に、前向きオープンコホート研究にて、心血管疾患の10年リスクについて検討した。結果は「QRISKはFraminghamと比べて、心血管疾患10年予測リスクのパフォーマンスを改善した」と報告している。BMJ誌2009年7月18日号(オンライン版2009年7月7日号)掲載より。35~74歳の540万人・年、心血管イベント43,990件を評価本研究は、イングランドとウェールズの一般開業医診療所274施設から、患者107万人が参加し行われた。被験者は、1995年1月1日~2006年4月1日の間に登録された、35~74歳の540万人・年で、心血管イベントは43,990件だった。主要評価項目は、カルテの記録から、最初に診断された心血管疾患(心筋梗塞、虚血性心疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作)。ハイリスク患者同定で、QRISKのほうが優れる結果、判別と検定統計は、QRISKがより良好だった。QRISKでは、男性では偏差が32%、女性では37%を示した。Framinghamでは、それぞれ27%、31%だった。QRISKは、男性で13%、女性で10%、予測リスクを過小したが、一方Framinghamでは、男性で32%、女性で10%、予測リスクが過大であった。全体で患者85,010例(8%)が、Framinghamでのハイリスク分類から、QRISKでは低リスクに再分類された。そしてこれらの患者で心血管疾患10年リスクが観察されたのは、男性で17.5%(95%信頼区間:16.9%~18.1%)、女性で16.8%(同:15.7%~18.0%)だった。男性の心血管疾患イベント出現率は、Framinghamでハイリスクと同定された患者では23.7例/1,000人年(同:23.2~24.1)、QRISKでハイリスクと同定された患者では30.5例/1,000人年(95%信頼区間:29.9~31.2)だった。女性では、Framinghamでハイリスクと同定された患者では22.2例/1,000人年(同:21.4~23.0)、QRISKでハイリスクと同定された患者では26.7例/1,000人年(同:25.8~27.7)だった。Collins氏は、「QRISK心血管疾患リスク因子は、心血管疾患のリスクが高い集団を同定することにおいては、長年にわたり定着しているFraminghamに対して、改善を提供するものである。QRISKは、10年心血管疾患リスクを過小に評価するが、それはFraminghamの過大評価予測よりも小さいものだ」と結論している。

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新型インフル、正しい情報を把握している人ほど感染回避の行動を実行している

世界で現在なお感染拡大が伝えられる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の発生について、人々の認識、および不安、行動に関する電話サーベイが、ロンドン大学精神医学研究所のG James Rubin氏らによって行われた。BMJ誌2009年7月18日号(オンライン版2009年7月2日号)より。2日間にわたり997人に無作為抽出電話調査本サーベイでは、新型インフルエンザ発生の認知が、人々の行動を変化させたかどうかを評価することを目的に行われた。サーベイが行われたのは、イングランド、スコットランド、ウェールズ。電話調査は、5月8日と12日に、無作為に抽出し行われた。サーベイ対象は、18歳以上で英語が話せ、新型インフルエンザに関する情報を耳にしたことがある997人だった。主要評価項目は、推奨されている行動をとっているか(手洗いやうがいの増大、あるいは「flu friend」との計画実行)、回避行動をとっているか(大勢が集まる場所や公共輸送機関を回避するなど6つのうち1つ以上を守る)とした。過度な喧伝に価値がある!?参加者のうち37.8%(n=377)は、推奨された行動を行っていると回答した。4.9%(n=49)は、あらゆる回避行動を実行していると回答した。個人の詳細データおよび不安を調整した上で、推奨された行動を行うようになる変化は、新型インフルエンザに対する認識が高いことと関連が見られた。すなわち、感染力が強いこと、発生は長期にわたるであろうこと、当局が良い情報を提供するので頼りになると認識していること、人々の感染リスクはコントロール可能であること、リスクを減らすためのなすべき行動がはっきりしていること、などである。一方、発生についてよく認識できておらず、発生は誇張されていると思っていることは、あまり行動変化が見られないことと関連していた。最も強い行動変化の因子は、民族性だった。参加者のうち少数民族の人は、行動変化が乏しい傾向が見られた(オッズ比:3.2、95%信頼区間:2.0~5.3)。回避行動もあまり見られなかった(同:4.1、2.0~8.4)。Rubin氏は、「本サーベイの結果は、国民に新型インフルエンザの感染リスクを低下するための、具体的なアクションを知らせようとする努力、および政府の方針と手段を知らせようとする努力を支持するものだった。発生情報を過度に喧伝することに対しては難しい側面もあるが、価値あることでもあるようだ。なお本調査の結果に関しては、少数民族での、発生に対する異なる行動に関して追加調査を行う必要がある」と結論している。

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【書籍紹介】できる男は2食主義

常識を少し変えてみると、新しいヒントが生まれるかもしれません!本書は、ダイエットをどのようにとらえるかという「考え方の本」です。「時間がきたから食べる」のではなく、「おなかがすいたら食べる」に考え方を変えてみませんかと提案する。その結果がダイエットにつながるという「考え方を変えることでダイエットできる」と!そして、食事のとり方を変えることは、仕事の効率がアップするという利点につながるといいます。たとえば、午前中乗ってきた仕事をランチタイムで中断させないからです。「できる男」とは、つまり今までの考え方に縛られない、仕事の効率を考えて行動できる男と提案します!【目次】第1章 男の能力をアップする「2食主義」という提案第2章 常識に縛られない生き方第3章 「楽しい」を判断の基準に変えてみる第4章 食生活の自立第5章 2食主義の副産物 -おしゃれ-第6章 2食主義の副産物 -料理-第7章 常識に縛られない「できる男の2食主義」 石蔵 文信 著大阪大学大学院保健学准教授 ■装丁 四六判,179ページ■定価 1,365円(本体1,300円+税)■送料 290円ISBN 978-4-89589-347-3 ●書籍詳細はこちらへhttp://www.medical-tribune.co.jp/sinkan/a/09-02.html

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PTCAバルーンカテーテル Tazuna(タヅナ)新発売

テルモ株式会社は27日、狭心症などの治療に用いるPTCAバルーンカテーテル「Tazuna」を全国の医療機関向けに発売した。カテーテルの先端をわずか0.41mmと細くするなど、血管内の通過性能を追求したことで、手首の細い血管からカテーテルを入れる治療法にも使いやすくなったという。この方法は、太ももの血管を使った時と比べて、出血が少ない、治療後の止血時間が短いなど、患者の負担が軽減されるため、国内でも普及が進んでいる。また、完全に詰まった血管にも通りやすいという。詳細はプレスリリースへhttp://www.terumo.co.jp/press/2009/018.html

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ネクサバールと化学療法剤との併用療法が、進行性乳がんの無増悪生存期間を延長する

米国のバイエル ヘルスケア社とオニキス・ファーマシューティカル社は、進行性転移性乳がんを対象とした医師主導の臨床試験グループによる無作為化第II相臨床試験において、主要評価項目である無増悪生存期間の延長が示されたと発表した。バイエル薬品株式会社が27日に報告した。この試験は、局所進行性または転移性の、HER-2陰性乳がん患者におけるネクサバール錠と経口化学療法剤カペシタビンの併用療法を評価したもの。試験結果より、ネクサバールとカペシタビンの併用療法を受けた患者群において、カペシタビンとプラセボを投与した患者群と比較して統計学的に有意に(p=0.0006)無増悪生存期間の中央値が延長されたという。この試験における併用療法の安全性と忍容性は同社が予測していた通りであり、未知あるいは予期せぬ毒性は発現しなかったとのこと。試験の最終解析結果は、今後、学会で発表される予定。ネクサバールは現在、肝細胞に対して70ヵ国以上、また進行性腎細胞に対して80ヵ国以上で承認されている。欧州では、肝細胞がんとインターフェロン・アルファあるいはインターロイキン2による治療が無効であるか、医師がこれらサイトカイン療法に不適当と認めた進行性腎細胞がんに対して承認されています。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-07-27.html

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新規抗がん剤E7389、スイスで局所進行・転移性乳がんを適応として承認申請

エーザイ株式会社は27日、スイス子会社であるエーザイ・ファルマ・アーゲーが、新規抗がん剤 E7389(一般名:eribulin mesylate)について、211試験(フェーズII試験)等の試験結果に基づき局所進行・転移性乳がんの適応で、スイスSwissmedicに承認申請を行ったと発表した。E7389は、同社が創製した新規化合物であり、細胞分裂を含む様々な細胞内プロセスに関与する微小管の伸長を阻害することで細胞周期を停止させる、微小管ダイナミクス阻害剤。E7389は、クロイソカイメンから初めて単離された天然由来化合物ハリコンドリンBの合成誘導体である。今回のE7389の承認申請は、同社が創製した抗がん剤としては初めての申請となる。現在、乳がんを対象とした臨床試験は、欧米でフェーズIII試験、日本でフェーズII試験が進行中であり、2009年度中に日本、米国、欧州での同時申請を目指しているとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.eisai.co.jp/news/news200930.html

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【医師限定記事】「脳死は人の死」に8割近くの医師が賛成

医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「「脳死は人の死」をどう評価する?」によると、8割近くの医師が賛成と回答。アンケートは2009/06/26から2009/07/26まで行われ、519名の医師が参加した。それによると、「脳死は人の死」に対して、「賛成」39%、「条件付きで賛成」37%、「反対」20%、「わからない・その他」4%だった。コメントを見ると、「脳死が人の死であることは医学的には正しい。臓器移植が,そこに哲学的,宗教的,感情的問題を絡めてくるので,ややこしくなっているだけのハナシである。」という声の一方で、「「脳死は人の死」というなら明らかに間違っていますので反対です。この議論はそもそも前提が間違っており、臓器移植のための、最も合理的な新たな死の定義は何かという議論のはずが、いつの間にか「人の死」の議論になってしまったのです。」といった声なども聞かれた。 ●アンケートの詳細結果はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=90

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【医師限定記事】医師が白衣を着替えるのは週に2、3回

医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「先生の白衣は清潔ですか?」によると、約7割の医師が白衣を着替えるのは週に2,3回程度と回答していた。アンケートは2009/06/26から2009/07/26まで行われ、418名の医師が参加した。それによると、「白衣は毎日変える」6%、「白衣は週に1,2回変える程度」72%、「白衣は月に1、2回変える程度」14%、「白衣は年に数回変える程度」2%、「白衣は着ない」5%となった。掲示板には「勤務医にとっては、白衣は作業着です。ちなみに私はベンケーシースタイルものをずっと愛用していますが、2日に1回で洗濯に出します。汚れたままで診察されたくないから、自分もこまめに変えたりします。普段着で(白衣なしで)診療するのもいいかもしれませんが、病院ほど汚いところはないので自宅には持ち込みたくありません。さらに、白衣を着ていないと誰が医師で誰が患者か分からなくなりませんか? 」といった声や「午前、午後と交換しますので、日に二着必要です。勤務医時代は週に2度程度でしたが、それだと忘れてしまって着たきり雀になりがちでした。」という声が聞かれた。 ●アンケートの詳細結果はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=84

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日本初の治療抵抗性統合失調症治療薬 クロザリル錠発売

 ノバルティス ファーマ株式会社は29日、治療抵抗性統合失調症治療薬「クロザリル錠25mg/100mg」(一般名:クロザピン)を発売した。 クロザリルは、日本で初めて「治療抵抗性統合失調症」の適応症を認められた抗精神病薬。2種類以上の抗精神病薬を十分な量、十分な期間投与されたにも関わらず、十分な効果が得られない患者に対する治療薬として、世界97ヵ国で承認されている。 国内臨床試験においては、57~67%に改善が認められたという。また、5年近くの長期投与においても、精神症状のコントロールが可能であることが認められたとのこと。一方で、副作用は、無顆粒球症、好中球減少症、耐糖能異常、てんかん、悪性症候群、痙攣、腸閉塞などの重大なものを含めて、ほぼすべての患者に発現していた(77例中76例)。詳細はプレスリリースへ

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第22回国際血栓止血学会議にて、ザレルトの費用有効性データが裏付けされる

バイエル薬品株式会社は28日、静脈血栓塞栓症(VTE)の予防のための1日1回投与の抗凝固剤「ザレルト(一般名:リバロキサバン)」が、米国・ボストンで開催された第22回国際血栓止血学会議(ISTH-International Society on Thrombosis and Haemostasis)において、その費用有効性が様々な発表の摘要の中で強調されたと発表した。経済モデルに基づいて行われた分析で、待機的股関節全置換術(THR)または膝関節全置換術(TKR)後のザレルト投与がエノキサパリンとの比較において、よりよい患者転帰をより低いコストで達成できると証明されたという。これは、待機的股関節または膝関節全置換術を受けた成人患者のVTE予防の適応で承認を取得した経口投与可能な直接作用型第Xa因子阻害剤ザレルトの、増え続ける多数の証拠をさらに強固にするものだという。2008年9月の初の承認取得から今日までに、ザレルトは世界の50ヵ国以上の国々で承認を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-07-28.html

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golimumabは、TNFα阻害薬治療歴のある活動性関節リウマチ患者に有効

関節リウマチ(RA)の治療において、新規のTNFα阻害薬であるgolimumabは、既存のTNFα阻害薬による治療歴のあるRA患者対し有効であることが、オーストリアVienna医科大学のJosef S Smolen氏らが実施した無作為化第III相試験(GO-AFTER試験)で明らかとなった。RAの治療ではTNFα阻害薬の使用増加にともなって、TNFα阻害薬による既治療例が増えているが、このような治療中止例に対する他剤の有効性を検討したプロスペクティブな対照比較試験はないという。Lancet誌2009年7月18日号(オンライン版2009年6月29日号)掲載の報告。プラセボと2種類の用量を、ACR20で評価GO-AFTER試験の研究グループは、既存のTNFα阻害薬〔エタネルセプト(商品名:エンブレル)、アダリムマブ(同:ヒュミラ)、インフリキシマブ(同:レミケード)、など〕による治療歴を有するRA患者におけるgolimumabの有効性および安全性を評価する無作為化第III相試験を実施した。対象は、少なくとも1回のTNFα阻害薬投与歴を有することとした。メトトレキサート、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、経口コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬の安定量を投与中の患者はそのまま継続した。2006年2月~2007年9月までに、10ヵ国82施設から461例のRA患者が登録され、施設およびメトトレキサートの使用歴で層別化したうえで、プラセボ(155例)、golimumab 50mg(153例)、同100mg(153例)を4週ごとに皮下注する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、治療14週における米国リウマチ学会のRA評価基準による20%以上の改善(ACR20)とした。16週後に疼痛(圧痛)関節数、腫脹関節数の改善が20%未満の場合はレスキュー治療を行い、プラセボ群にはgolimumab 50mgを投与し、50mg群は 100mgに増量した。有効性についてはintention-to-treat解析を行い、安全性は個々の用量ごとに評価した。ACR20達成率が有意に改善、重篤な有害事象は同等前治療に使用されたTNFα阻害薬の中止理由は、無効が269例(58%)、耐用不能や医療施設への近接性など効果とは無関係の場合が246例(53%)であった。全群を合わせた腫脹関節数の中央値は14.0、疼痛関節数の中央値は26.0であり、全例が活動性の疾患を有していた。2例が治療を受けず、57例が有害事象、治療効果への不満、追跡不能、死亡などの理由で治療を途中で中止した。有効性評価の対象となったのは、プラセボ群が155例、50mg群が153例、100mg群が153例であった。14週後におけるACR20の達成率は、プラセボ群の18%(28例)に対し、50mg群が35%(54例)(オッズ比:2.5、p=0.0006)、100mg群は38%(58例)(同:2.8、p=0.0001)と、いずれも有意な改善効果を認めた。1~16週までに報告された重篤な有害事象の発現率は、プラセボ群が7%(11例)、50mg群が5%(8例)、100mg群が3%(4例)であった。1~24週までに、レスキュー治療施行後に見られた重篤な有害事象の頻度は、プラセボ群が10%(15例)、50mg群が5%(14例)、100mg群が4%(8例)であった。著者は、「golimumab は、TNFα阻害薬による治療歴を有する活動性のRA患者において、その徴候および症状を低減させる」と結論し、「既存のTNFα阻害薬やDMARDで十分な効果が得られないRA患者の治療選択肢になると考えられる」としている。(菅野守:医学ライター)

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インターフェロンγ1bは特発性肺線維症に無効

特発性肺線維症に対するインターフェロンγ1b治療は生存率を改善しないことが、アメリカCalifornia大学San Francisco校のTalmadge E King Jr氏らが実施した無作為化試験(INSPIRE試験)で示された。特発性肺線維症は、呼吸困難の増悪、肺容量の減少、ガス交換障害を特徴とする原因不明のびまん性実質性肺疾患で、診断後の生存率は2~5年と予後不良である。390例のメタ解析では、インターフェロンγ1bが重症例の死亡率を低減することが示唆されているという。Lancet誌2009年7月18日号(オンライン版2009年6月30日号)掲載の報告。9ヵ国から826例を登録、中間解析時の全生存率を評価INSPIRE試験の研究グループは、軽度~中等度の肺機能障害がみられる特発性肺線維症患者に対するインターフェロンγ1bの効果を評価する無作為化対照比較試験を行った。対象は、40~79歳、直近の48ヵ月以内に診断を受け、努力性肺活量予測値が55~90%、ヘモグロビン値で補正した一酸化炭素拡散能予測値が35~90%の患者とした。ヨーロッパ7ヵ国とアメリカ、カナダの81施設から特発性肺線維症患者826例が登録され、インターフェロンγ1b 200μgを週3回皮下投与する群(551例)あるいはプラセボ群(275例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、死亡率が予測の75%に達した時点で実施される第2回目の中間解析で算出された割り付け時からの全生存率とした。以前の試験のサブグループ解析に反する結果第2回中間解析におけるインターフェロンγ1b群のプラセボ群に対する死亡率のハザード比は1.15(p=0.497)で、最低限のベネフィットが達成されなかったため試験は中止すべきとされた。治療期間中央値は64週であり、インターフェロンγ1b群の80例(15%)、プラセボ群の35例(13%)が64週以降に死亡した。ほぼ全例が1回以上の有害事象を報告し、インターフェロンγ1b群では全身性の徴候や症状(インフルエンザ様疾患、疲労感、発熱、悪寒)がプラセボ群に比べ高頻度にみられた。重篤な有害事象(肺炎、呼吸不全など)の頻度は両群で同等であった。アドヒアランスは良好で、両群とも早期の治療中止例はほとんどなかった。著者は、「軽度~中等度の生理学的な肺機能障害を有する特発性肺線維症の治療では、インターフェロンγ1bは生存率を改善しないため推奨されない」と結論し、「以前に実施された試験のサブグループ解析では、インターフェロンγ1bは生存率を改善するとの知見が得られているが、本試験の結果はこれに反するものである。サブグループ解析や探索的検討の結果を検証する作業の重要性が改めて確認された」と考察している。(菅野守:医学ライター)

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欧州医薬品審査庁によるランタスの安全性への見解

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は23日(現地時間)、ランタス(インスリン グラルギン<遺伝子組換え>)の現在までに得られたエビデンスの検証の結果、欧州医薬品評価委員会(CHMP)は、同薬剤の安全性を確認し、処方に関する指導について、何ら変更の必要はないとの結論に達したことを発表した。欧州医薬品審査庁(EMEA)は、ダイアベトロジア誌に最近公表された疫学研究調査分析についての詳細な検証をもとに、先に発表された見解を再確認する内容のプレスリリースを発表。この発表において、EMEAは、4つの掲載論文の全てにおいて方法上の重大な限界があり、ランタスの使用とがんリスク増加の関連の可能性については、一貫性がなく最終結論を導き出せないと結論付けたという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/995A4C1E-FC16-4006-87D3-777B3A039450.pdf

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経皮吸収型鎮痛消炎剤「セルタッチ」販売権許諾契約および販売委託契約締結

ワイス株式会社(以下「ワイス」)とあすか製薬株式会社(以下「あすか製薬」)は27日、ワイスの経皮吸収型鎮痛消炎剤「セルタッチパップ70、140」(以下「セルタッチ」)に関する販売権許諾契約を締結したと発表した。また、同日、あすか製薬と武田薬品工業株式会社は、セルタッチの販売およびプロモーションに関する委託契約を締結したとのこと。セルタッチは、ワイスと帝國製薬が共同で開発し1993 年に発売を開始したパップ剤で、フェルビナクを含有する経皮吸収型の非ステロイド系鎮痛消炎剤。詳細はプレスリリースへhttp://www.aska-pharma.co.jp/news/pdf/news200907271.pdf(あすか製薬/PDF)http://www.wyeth.jp/news/2009/0727.asp(ワイス株式会社)http://www.takeda.co.jp/press/article_34923.html(武田薬品工業)

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アクトスとスルホニルウレア系薬剤(SU剤)の合剤、製造販売承認申請へ

武田薬品工業株式会社は27日付けで、2型糖尿病治療剤「アクトス」(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩)と同治療剤であるスルホニルウレア系薬剤(SU剤)との合剤について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。アクトスは、同社が発見したチアゾリジンジオン骨格を有する糖尿病治療剤で、2型糖尿病に特徴的な病態であるインスリン抵抗性を改善することによって効果を発揮する薬剤。一方、SU剤は主に膵臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促進する薬剤。作用機序の異なる両剤の合剤は、2型糖尿病患者の服薬利便性を高め、飲み忘れを防ぐことにより、より良好な血糖コントロールが得られるものと考えられるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_34926.html

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CABGにおける静脈グラフト採取、内視鏡下 vs. 切開の長期転帰

冠動脈バイパス移植術(CABG)の際、術後創合併症を減らすため、静脈グラフトの内視鏡下採取が広く行われているが、その影響については明らかにされていない。米国デューク大学医療センター臨床研究所のRenato D. Lopes氏らは、切開採取との比較で、静脈グラフト不全の発生率や長期転帰の評価を行った。NEJM誌2009年7月16日号より。3,000例の静脈グラフト不全、死亡・心筋梗塞・再度の血行再建の発生率を検討本試験は、CABGの臨床試験(PREVENT IV)に参加した被験者3,000例を対象に行われた2次解析試験。被験者の転帰を、静脈グラフトが内視鏡下で採取された群(1,753例)と、直視下で切開採取された群(1,247例)とで比較した。グラフト採取の方法は、執刀医が決定した。静脈グラフト不全発生の定義は、術後12~18ヵ月の血管造影で、グラフト径の75%以上に狭窄が認められた場合とした。臨床転帰は、死亡、心筋梗塞、再度の血行再建術とした。一般化推定方程式を用いて、静脈グラフト不全に関する基線の共変量で補正され、同一患者のグラフト間の関連性が検討された。長期臨床的は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価された。3年時点でも、内視鏡下採取群の不全および転帰発生率が高い基線特性は、両群で同等だった。術後の血管造影データは、内視鏡下採取群995例、切開採取群822例の計1,817例、グラフト径データは4,290個(内視鏡下採取群2,321個、切開採取群1,969個)が得られた。静脈グラフト不全発生率は、内視鏡下採取群46.7%、切開採取群38.0%で、内視鏡下採取群のほうが高かった(P

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カプセル内視鏡、病変検出の力量は?

大腸ポリープと大腸がんの検出について、カプセル内視鏡と光学大腸内視鏡との比較検討が、ベルギーのブリュッセル自由大学Erasme大学病院胃腸病部門のAndre Van Gossum氏らによって行われた。カプセル内視鏡は、ほとんどの患者の大腸粘膜の検出を可能とするが、大腸内視鏡と比べて、病変検出の感度は劣ると報告している。NEJM誌2009年7月16日号より。光学大腸内視鏡とで、ポリープ・進行腺腫・がんの検出力を比較本研究は、大腸疾患が確認されている患者および疑われる患者を対象とした前向き多施設共同研究。患者は、検査前処置の後、大腸清浄度(不良、普通、良、優良)が4段階で評価された。また、ポリープ、進行腺腫、がんの病変検出に関して、カプセル内視鏡の感度と特異度を算出し検討された。感度は、6mm以上ポリープ64%、進行腺腫73%、大腸がん74%検討されたのは、328例(平均年齢58.6歳)だった。カプセル内視鏡は、飲み込んでから10時間以内に排出された。バッテリー切れになる前に92.8%が排出された。大腸内視鏡と比べ、カプセル内視鏡の6mm以上ポリープ検出の感度は、64%(95%信頼区間:59~72)、特異度は84%(同:81~87)であった。進行腺腫検出に関しては、感度73%(同:61~83)、特異度79%(同:77~81)だった。大腸がんに関しては、大腸内視鏡で検出した19例のうち、カプセル内視鏡で検出できたのは14例だった(感度74%、95%信頼区間:52~88)。カプセル内視鏡の病変検出感度は、清浄度が不良・普通の人に比べて、良・優良の人で高かった。軽症・中等症の有害事象が26例(7.9%)で報告され、大部分は検査試料に関係することだった。(武藤まき:医療ライター)

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乳幼児向けの13価肺炎球菌結合型ワクチン「Prevenar 13」世界で初の承認

米国ワイス (本社:米国ニュージャージー州マディソン)の医療用医薬品事業部門であるワイス・ファーマシューティカルズは、7月14日、乳幼児向けの13価肺炎球菌結合型ワクチン「Prevenar 13」が世界で初めて、チリ保健省より承認されたことを発表した。Prevenar13は生後6週間から5歳までの乳幼児に対し、13種の肺炎球菌血清型に起因する侵襲性の肺炎球菌感染症、肺炎、中耳炎を予防するワクチン。肺炎球菌感染症は、世界的にみて5歳以下の子どもにおけるワクチンで予防できる死亡の主要原因であり、その死亡者数は毎年最大100万人と推定されている。Prevenar13は、7価肺炎球菌結合型ワクチンPrevenarを基に、より幅広い血清型をカバーできるように開発。Prevenar13にはPrevenarに含まれる7種(4,6B,9V,14,18C,19F,23F)の血清型に加え、重い侵襲性感染症に関わる6種(1,3,5,6A,7F,19A)の血清型が含まれている。なかでも、血清型19Aは世界の多くの地域で高い頻度で認められ、また、薬剤耐性化が進んでいるという。なお、日本において、7価肺炎球菌結合型ワクチンは現在承認申請中で、また13価肺炎球菌結合型ワクチンは第II/III相試験中とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.wyeth.jp/news/2009/0724.asp

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術中PFOは、長期生存とは無関係ばかりか術後脳卒中を増大させる可能性がある

米国心胸外科医に対する最近の調査で、手術中に偶然発見された卵円孔開存(PFO)を治療するために、手術予定を変更する可能性があることが示されている。これを受け、米国クリーブランドクリニック心血管部門循環器科のRichard A. Krasuski氏らは、術中にPFOが発見される頻度はどれくらいなのか、また転帰について調査を行った。JAMA誌2009年7月15日号より。術中PFOが診断されたケースは17%Krasuski氏らは、1995~2006年の間に、クリーブランドクリニック、クリーブランド、またはオハイオで、術前の診断なくPFOか心房中隔欠損症の治療を受けた患者1万3,092例の、手術時の経食道心エコー、および退院時まで前向きに集められた手術後のアウトカムを検討した。主要転帰は、全原因院内死亡率と脳卒中の発生率。副次転帰は、入院期間、ICUにいた期間、人工心肺装置の装着期間だった。術中PFOが診断されたケースは、スタディ集団のうち2,277例(17%)だった。脳卒中リスクは、術中PFO有無にかかわらず同等だった。PFO有り群vs. 無し群(傾向補正後)の比較で、患者の院内死亡率は3.4% vs 2.6%(P=0.11)、術後脳卒中発生率は2.3% vs 2.3%(P=0.84)だった。PFOの治療が行われたのは、639例(28%)だった。医師は、患者が若いほど治療を行う傾向が見られ、治療 vs. 未治療患者の年齢比は、61.1歳(SD:14) vs. 64.4歳(同13)だった(P<0.001)。手術手技の傾向については、僧帽弁手術が51%、これに対して三尖弁手術は32%だった(P<0.001)。患者の病歴に関する違いの傾向については、一過性脳虚血発作(TIA)vs. 脳卒中が、16% vs 10%だった(P<0.001)。PFO治療を受けた患者の術後脳卒中発生は、受けなかった患者の2.47倍術後脳卒中発生率は、PFOの治療を受けた患者(2.8%)が、受けなかった患者(1.2%)の2.47倍(95%信頼区間:1.02~6.00)に上った。長期転帰の解析で、PFO治療を受けることと生存率とに関連は認められないことが確認された。Krasuski氏は、「術中のPFOが診断されるケースはごく一般的なことである。そしてPFOが見つかったからといって、術後のリスクの高まりおよび術中死亡率を増大することは関連しないことが明らかになった。術中PFO処置は、長期生存とは関連がなく、むしろ術後脳卒中を増大する可能性がある」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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閉経後女性へのホルモン療法、レジメン等の違いによらず卵巣がんリスクを増大

 閉経後女性に対するホルモン療法は、剤型、レジメン、投与方法にかかわらず、卵巣がんリスクが増大することが、デンマーク、コペンハーゲン大学婦人科クリニックのLina Steinrud Morch氏らによって明らかにされた。これまでも同関係性は言われていたが、異なるホルモン療法間でのリスク評価は行われていなかった。JAMA誌2009年7月15日号より。1995~2005年にわたり、50~79歳デンマーク女性91万人を前向きに追跡評価 Morch氏らは、1995~2005年にわたって、50~79歳のデンマークの全女性を対象とする、前向きコホート研究で評価を行った。 評価対象となったのは、ホルモン感受性が高いがんの病歴、あるいは両側卵巣摘出歴のない女性90万9,946例。 処方データは、National Register of Medicinal Product Statisticsから最新情報を集め、卵巣がん発生率データは、National Cancer Register and Pathology Registerを参照した。交絡因子と効果修飾因子に関する情報は、他のレジスター情報を参照。被験者がホルモン療法を受けた、時間依存的な量は、5年単位でポアソン回帰分析を用いて解析された。現在受けている人の卵巣がんリスク、受けていない人の1.38倍 平均8.0年の追跡期間に、女性730万人・年のうち、卵巣がんが見つかった人は3,068例、上皮がんは2,681例だった。 ホルモン療法をまったく受けたことのない女性との比較で、現在ホルモン療法の投与を受けている人の卵巣がん発生率は、1.38倍(95%信頼区間:1.26~1.51)、上皮がんは1.44倍(同:1.30~1.58)だった。発生リスクは、ホルモン療法の投与を中止してから時間が経っている人ほど低下した。中止後0~2年:1.22倍(同:1.02~1.46)、2年超~4年:0.98倍(同:0.75~1.28)、4年超~6年:0.72倍(同:0.50~1.05)、6年超~:0.63倍(同:0.41~0.96)。 なお、現在もホルモン療法を受けている人の卵巣がんリスクは、ホルモン療法の違いや、期間の違いでの有意差は見られなかった。 1,000例年当たりの発生率は、現在服用中の人は0.52例、まったく受けていない人は0.40例、絶対差は0.12(95%信頼区間:0.01~0.17)だった。このことは、ホルモン療法を受けることで年間約8,300人に1人の割合で、卵巣がん発生が増えることを示す。 Morch氏は、「服用期間、剤型、エストロゲン投与量、レジメン、プロゲスチンのタイプ、投与ルートにかかわらず、ホルモン療法を受けることは、卵巣がんリスクの増大と関連していた」と報告をまとめている。

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