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骨粗鬆症閉経後女性に対するテリパラチド、追加投与も切り替えもベネフィットは同等

 アレンドロネート(ALN、商品名:ボナロン、フォサマック)やラロキシフェン(RLX、商品名:エビスタ)の治療を受けた骨粗鬆症閉経後女性に対して、テリパラチド(商品名:テリボン、フォルテオ)を追加併用することと同薬への切り換えとでは、同等のベネフィットをもたらすことが明らかにされた。米国・コロンビア大学のF. Cosman氏らによる無作為化試験の結果で、これまで、同アプローチ後の体積骨密度(vBMD)や骨強度への影響については明らかではなかった。Journal of Bone and Mineral Research誌オンライン版2012年12月21日号の掲載報告。 試験は、ALN投与(70mg/週、91例)またはRLX投与(60mg/日、77例)を18ヵ月間以上受けていた骨粗鬆症閉経後女性を、テリパラチド20μg/日を追加併用投与する群または切り替え投与する群に無作為に割り付け行われた。 ベースライン、6ヵ月、18ヵ月時点で定量的CTスキャンにてvBMDの変化を評価した。骨強度は、非線形有限要素解析法によって評価した。 主な結果は以下のとおり。・脊椎部では、vBMD中央値および骨強度は、すべての群でベースラインから増加した(13.2%~17.5%、p<0.01)。追加併用群と切り替え群で、有意な差はみられなかった。・RLX投与群において、股関節部vBMDと骨強度が、追加併用群では6ヵ月、18ヵ月時点で増大したが、切り替え群では増加は18ヵ月時点でのみ認められた。18ヵ月時点の骨強度は、追加併用群2.7%(p<0.01)、切り替え群3.4%(p<0.05)であった。・ALN投与群において、股関節部vBMDは追加併用群では増加したが、切り替え群では増加しなかった(6ヵ月時点0.9%対-0.5%、18ヵ月時点2.2%対0.0%、いずれも群間差のp≦0.004)。・また、18ヵ月時点で、股関節部骨強度は追加併用群では増大が認められたが(2.7%、p<0.01)、切り替え群では認められなかった(0%)。ただし、群間差は有意ではなかった(p=0.076)。・以上から、骨粗鬆症閉経後女性でALNまたはRLX治療後に、テリパラチドを追加併用または切り換えることのベネフィットは同程度である。・股関節部骨強度の増大が、より大きかった。・RLX投与群では、骨強度は追加併用群のほうがより速く増大した。ALN投与群では、ベースラインと比較した骨強度の有意な増大は、追加併用群でのみ認められた。

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エキスパートに聞く!「花粉症」Q&A part1

CareNet.comでは1月の花粉症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生より花粉症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、後藤 穣先生にご回答いただきました。2回に分けて掲載します。非専門医が外来診療でできる有用な問診や検査法を教えてください。また、どの段階から耳鼻科にまかせたほうがよいでしょうか? 内科でも確定診断のうえ積極的に介入したほうがよいのでしょうか?問診では、症状がくしゃみ・鼻漏主体なのか、鼻閉主体なのか必ず聞き取るべきです。とくに小児では、鼻閉の訴えが乏しく、専門医でも正確に把握することが困難なケースもあるので注意が必要です。皮膚テストは結果が早く出るメリットはありますが、検査手技に慣れていない看護師では難しいと思いますので、血液検査でIgE抗体検査を行うのが最も標準的だと思います。また最近、ごく少量の血液を用いて、8種類のIgE抗体を20分で診断できる検査キットも発売されています。中等症の場合には、第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬の併用を行うケースが多いですが、それでも効果が不十分の場合には、耳鼻科で鼻内の検査を受けるべきだと思います。アレルギー性鼻炎は、喘息など、他疾患の増悪因子ですので、内科の先生方の治療介入は必要なことだと考えています。通年性のアレルギー性鼻炎で治療中の患者さんが花粉症を合併している場合、花粉症の時期の治療はどうすればよいでしょうか? 薬剤を増量または他剤を併用してもよいのでしょうか?花粉症の重症化を防ぐ意味でも、通年性アレルギー性鼻炎の治療は重要です。花粉症の時期に何らかの症状が悪化するのであれば、「くしゃみ・鼻漏」なら第2世代抗ヒスタミン薬、「鼻閉」なら抗ロイコトリエン薬か抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬を追加します。鼻噴霧用ステロイド薬を頓用として使用しているケースが見受けられますが、これは定期的に使用すべき薬剤ですので、通年性アレルギー性鼻炎・花粉症を問わず、定期的に使用して症状を安定させるべきです。第2世代抗ヒスタミン薬の有効性の違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬の有効率は、治験時のデータをみるとほぼ同等です。しかし、脳内ヒスタミン受容体の占拠率や実験的な検討からは、副作用発現率や即効性に差があるという報告もあります。このような薬剤の特性だけでなく、個人差によっても、有効性、副作用発現に違いが生じる可能性もあります。明確な基準はありませんが、抗ヒスタミン薬を変更することによって症状が改善することも経験します。副作用で問題になりやすいのは眠気ですが、脳内に移行しないという薬剤でも眠いという訴えが聞かれることもあります。この場合には、抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧用ステロイド薬のようなまったく眠気の生じない薬剤・製剤への変更を試みます。常用量の抗ヒスタミン薬を処方しても、アレルギー症状がコントロール不十分の患者に対し、薬剤を増量することは有効でしょうか? また抗ヒスタミン薬の併用による効果についても教えてください。第2世代抗ヒスタミン薬のなかには重症のケースで倍量処方できるものもあり、増量も一案だと考えます。しかし、このようなケースでは抗ヒスタミン薬だけではコントロールできない病態も存在するはずですので、他剤を併用するほうがより効果的だと思います。抗ヒスタミン薬どうしの併用は、同じ理由により効果がそれほど期待できないと考えます。鼻噴霧用ステロイド薬における違い、使い分け、副作用やその対処法について教えてください。近年、鼻噴霧用ステロイド薬はバイオアベイラビリティの低い、すなわち副作用が起こりにくい製剤が、次々に発売されました。1日1回投与、液剤、パウダー製剤などの選択肢があります。液剤よりもパウダー製剤のほうが刺激も少なく、アドヒアランスがよいという報告がある一方、患者によっては、液剤が使い慣れていてよいという声も聞きます。大切なのは、いずれの薬剤でも頓用使用ではなく、定期的に毎日使用することです。内服薬は毎日使用しても、点鼻薬はひどい時だけ使用すればよいと患者は勘違いしがちです。副作用として多いのは鼻出血ですが、鼻中隔弯曲症があるとデバイスの先端が鼻中隔に当たってしまい、その刺激で出血を起こすケースが多くあります。鼻中隔弯曲症がある側に点鼻する時は、先端を外側に向けて噴霧するように指導しています。鼻噴霧用ステロイド薬を第一選択薬として使用し、それで十分だと感じていますが、抗ヒスタミン薬は必要でしょうか? ご指摘の処方の仕方は、海外のガイドラインでは推奨されている方法です。それで十分な症例には、鼻噴霧用ステロイド薬単独で治療可能と思います。

32025.

うつ病の差別経験、社会参加や受療機会の障壁に:ASPEN/INDIGO試験/Lancet

 うつ病に関連する差別経験は、病態の増悪や社会的機能の低下だけでなく、うつ病の非公表を助長して支援や受療の機会をも奪うことが、イタリア・ベローナ大学のAntonio Lasalvia氏らの調査で示された。現在、うつ病は世界的な疾病負担の第3位を占める(中~高所得国では第1位)。診断はプライマリ・ケアでも十分に可能であり、抗うつ薬や心理療法は60~80%の患者に有効なことが知られているが、実際に治療を受けている患者は半数に満たないという。有効な治療に対する障壁には種々の要因があるが、なかでも精神疾患に関連するスティグマ(罹患者に対する否定的な態度を誘引する不名誉の烙印・象徴)は重要な課題とされる。Lancet誌2013年1月5日号(オンライン版2012年10月18日号)掲載の報告。大うつ病性障害患者の差別経験を横断的調査で検討 ASPEN(Anti Stigma Programme European Network)/INDIGO(International Study of Discrimination and Stigma for Depression)試験は、大うつ病性障害の成人患者における差別経験の特徴や程度を評価する横断的調査。差別経験と病歴、医療供給、診断名公表との関連や、差別予測と差別公表や過去の差別経験との関連についても調査を行った。 35ヵ国39施設(ASPEN試験:18ヵ国19施設、INDIGO試験:日本を含む17ヵ国20施設)で大うつ病性障害と診断された患者に対し、差別およびスティグマ尺度(第12版、DISC-12)に関する聞き取り調査を行った。対象は18歳以上、母国語の理解および会話の能力がある者とした。データの解析には多変量回帰モデルを用いた。差別経験はうつ病の公表にも悪影響、非公表が受療の大きな障壁に 2010年6月1日~12月31日までに1,082例(平均年齢:44.9歳、男性:34%、単身者:18%、就業者:39%)のデータが収集された。そのうち855例(79%)が「差別経験がある」と答えた。 親密な人間関係の構築を断念したと答えたのが405例(37%)で、271例(25%)は就職活動を、218例(20%)は教育や訓練を諦めたと回答した。 差別経験の程度が大きいほど、生涯うつ病エピソード数との関連性が高く[陰性二項回帰係数:0.20、95%信頼区間(CI):0.09~0.32、p=0.001]、1回以上の精神病院入院(同:0.29、0.15~0.42、p=0.001)や社会的機能の低さ(配偶者との死別/別居/離婚:0.10、0.01~0.19、p=0.032、無報酬就労:0.34、0.09~0.60、p=0.007、就職活動中:0.26、0.09~0.43、p=0.002、失業:0.22、0.03~0.41、p=0.022)と有意な関連が認められた。 差別経験は、うつ病の診断を公表する意欲をも失わせた(平均差別スコア:うつ非公表4.18 vs うつ公表2.25、p<0.0001)。 差別の予感は実際の差別経験とは必ずしも関連せず、就職活動中や就業中に差別を予測した者の47%(147/316例)および親密な相手からの差別を予測した者の45%(160/353例)は、実際には差別を経験しなかった。 著者は、「うつ病に関連する差別は、社会参加や職業的な統合に対する障壁として機能しており、うつ病の非公表はそれ自体が支援の探索や有効な治療の受療に対するいっそうの障壁となっている」と結論付け、「うつ病患者におけるスティグマ化を防止し、すでに確立されたスティグマの作用を減弱するには、新たな持続的アプローチが必要なことが示唆される」としている。

32026.

【ご案内】「第20回 未病・エニグマ症例検討会」 総合診療医のための参加者と考える謎解きの4症例

 日本未病システム学会は、博慈会 老人病研究所、東和薬品の共催で、医師および医療従事者を対象とした「第20回 未病・エニグマ症例検討会」を2月22日に開催する。【プログラム】座長:相馬 正義 氏(日本大学医学部 総合内科 教授)   萩原 万里子 氏(都立大塚病院 内科〔神経内科〕医長)1)「のどの渇きと多尿が気になる60歳男性」  立川相互病院 内分泌代謝内科 青木 由貴子 氏2)「なかなか治らないしゃっくりでしびれが出てきた42歳女性」  日本大学医学部付属病院 消化器肝臓内科 岩本 真帆 氏3)「2年間で26kgの体重減少を呈した51歳女性」  国立国際医療研究センター国府台病院 内科 箱島 有輝 氏4)「母親が肺炎で亡くなったことにショックを受けた血小板低下の続く44歳男性」  土浦協同病院 内科 高部 和彦 氏日時:平成25年2月22日(金)19:00~(開場18:30)会場:八重洲富士屋ホテル 2階 桜・東の間   〒104-0028 東京都中央区八重洲2-9-1 TEL:03-3273-2111参加費:500円 (検討会終了後に情報交換会があります)*未病医学認定医・未病専門指導師の更新単位(8単位)が取得できます●申し込み:未病・エニグマ症例検討会事務局までFAXまたはMailでお申込みください      FAX:03-5825-4888      E-Mail:r-kenkyusho@ninus.ocn.ne.jp●締め切り:平成25年2月15日(金)【先着60名】●共催:日本未病システム学会/財団法人 博慈会 老人病研究所/東和薬品株式会社●後援:NPO法人 ジェネリック医薬品協議会詳細はこちら日本未病システム学会

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新型インフルエンザワクチン、てんかん発作のリスクを増大しない/BMJ

 パンデミックA/H1N1インフルエンザ、いわゆる新型インフルエンザのワクチンについて、てんかん発作のリスクを増大するエビデンスはみられなかったことが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のLisen Arnheim-Dahlstrom氏らによる検証の結果、報告された。同ワクチンについては先行研究で、ギラン・バレー症候群など神経学的イベントのリスク増大およびナルコレプシーのリスク増大の可能性が報告されていた。また、百日咳ワクチンの接種後のてんかん発作が報告されており、研究グループは、新型インフルエンザワクチンのてんかん発作リスクの増大について調査した。BMJ誌2013年1月5日号(オンライン版2012年12月18日号)掲載より。てんかんあり・なし含む接種者37万人超について調査 研究グループは自己対照ケースシリーズ研究にて、新型インフルエンザの単価AS03アジュバンドワクチン(商品名:パンデムリックス〔国内未承認〕)のてんかん発作リスクを評価した。 評価の対象は、スウェーデンの3つの州(人口約75万人)で2009年10月~2010年5月にワクチン接種を受けた、てんかんの有無を問わない37万3,398人(0~106歳、年齢中央値41.2歳)だった。 それらのうち、接種前90日間および接種後90日間に、入院患者あるいは外来患者としててんかん発作を診断された人を調べた。エンドポイントは、てんかん発作を主病として入院または外来治療を受けたこととした。 評価は、ワクチン接種後のてんかん発作の発生率とワクチン接種前後の2つの期間におけるてんかん発作の発生とを比較して算出した推定エフェクト相対発生率にて行った。てんかん既往者のリスクも、増大はみられず 試験期間中にてんかん発作を認めた人は859人だった。 1~7日のリスク期間中(1日目がワクチン接種日)において、てんかん既往者の発作のリスク増大は認められなかった(相対発生率:1.01、95%信頼区間:0.74~1.39)。 また、非既往者の発作リスクの有意な低下は認められなかった(同:0.67、0.27~1.65)。 8~30日のリスク期間においては、非既往の人の発作リスクの有意な増大はみられず(同:1.11、0.73~1.70)、既往者のリスクは増大しなかった(同:1.00、0.83~1.21)。

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小児アトピー性皮膚炎予防にLGG菌やGLA含有サプリメントが有効

 Negar Foolad氏らは、栄養サプリメントによる小児のアトピー性皮膚炎への効果について、システマティックレビューの結果、特定の乳酸菌や脂肪酸を含む栄養サプリメントに、発症予防や重症度軽減のベネフィットがあることを報告した。解析結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、アトピー性皮膚炎への栄養サプリメントの基礎的な作用について、そのメカニズムを明らかにすることが求められる」と述べている。Archives of Dermatology誌オンライン版2012年12月17日号の掲載報告。 本研究の目的は、プロバイオティクスやプレバイオティクス、フォーミュラ(人工乳)や脂肪酸などを含有した栄養サプリメントが、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎発症を阻止または重症度を軽減するかどうかを、システマティックレビューにて明らかにすることであった。 MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、LILACS(Latin American and Caribbean Health Science Literature)にて、1946年1月1日~2012年8月27日の間の発表論文を検索し、さらに手動での検索も行った。 適格とした試験は、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎の栄養サプリメントの予防や改善の効果について検討した無作為化試験とコホート研究とした。 主な結果は以下のとおり。・検索にて論文92本が選ばれ、適格基準に達した21本を解析に組み込んだ。・21の研究におけるサプリメント摂取者は合計6,859人(乳児または妊娠中か授乳中の母親)であった。対照群は、乳児または母親合計4,134人であった。・解析の結果、栄養サプリメントは、アトピー性皮膚炎の発症を阻止すること(11/17研究)、重症度の軽減(5/6研究)に有効な手段であることが示された。・エビデンスが最も良好であったのは、母親と乳児にプロバイオティクス含有サプリメントを与えた場合であった。・とくに、LGG菌(Lactobacillus rhamnosus GG、ラクトバチルス・ラムノーサス GG)は、アトピー性皮膚炎発症の長期予防に有効であった。・GLA(γ-Linolenic acid、ガンマ・リノレン酸)は、アトピー性皮膚炎の重症度を軽減した。・プレバイオティクスとクロスグリのシードオイル(GLAとω-3を含有)のサプリメントは、アトピー性皮膚炎発症の抑制に有効であった。・一方、アミノ酸ベースのフォーミュラ含有サプリメントについては、異なる研究グループから相反する所見が報告されていた。

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重度の認知障害を有する高齢者、視力検査は行うべき?

 カナダ・モントリオール大学のEstefania Chriqui氏らは、重度の認知障害を有する高齢者の視力検査の可否について検証した。30人を対象に行った試験の結果、19人が視力検査に対応でき、まったく反応しなかった人は1人であった。著者は「認知症がありコミュニケーション能力が低下した高齢者であっても、視力検査は行うことができ、少なくとも試みるべきである」と提言している。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2012年12月27日号の掲載報告。 認知障害のある高齢者の視力検査は、共同作業やコミュニケーション能力の低下を理由に制限される可能性がある。研究グループは、施設に入居する重度の認知症高齢者について、さまざまな視力検査表を用いて視力の評価を行った。試験は、30人ずつの3グループ[(1)若者、(2)認知障害やコミュニケーション障害歴のない高齢者、(3)重度認知症で長期ケア施設に入居するなど認知障害のある高齢者]を対象に行われた。施設入居者はMMSEで評価が行われていた。視力検査には、6つの検査表[スネレン視力表、Teller cards、ETDRS(Early Treatment Diabetic Retinopathy Study)の文字・数字・Patty Pics・Tumbling表]を用いた。多重比較のためのBonferroni法とHolm法で調整後、非母数テストにて視力表間の視力スコアを比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・グループ(1)と(2)は、すべての視力検査表に応じることができた。・認知症を有する人も大半(19人)がすべての視力検査表に応じることができた。いずれの視力検査表にも応じることができなかったのは1人のみであった。・グループ(3)において、最も視力スコアが低かったのは、認知障害の程度を問わず、Teller cards(20/65)とPatty Pics(20/62)であった。一方で、最も高いスコアが得られたのは、スネレン(20/35)とETDRS文字表(20/36)であった。・全グループにわたって、標準的なスネレン視力表で得られたスコアとETDRS文字表でのスコアとが異なっていなかった人は1人だけであった。関連医療ニュース ・認知症患者へタブレットPC導入、その影響は? ・認知症の原因疾患のひとつ「シェーグレン症候群」その関連は? ・認知症ケアでプライマリケア・リエゾンに求められる3つのポイント

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(47)〕 FREEDOM試験がもたらした「開放」とは?

複雑な冠動脈疾患患者にバイパス(CABG)か?PCIか?という問題は90年代のBARI試験から最近のSYNTAX試験まで、いろいろな側面から検討がなされ、さながら不整脈のreentry回路のように外科医と内科医の頭を悩ませてきた。だが、このFREEDOM試験はその回路(circuit)に楔を打ち込んだ研究といえるのではないか。【これまでに行われてきた研究との比較】糖尿病患者の再灌流療法に関しては、10年ほど前にBARI試験で単純なバルーン拡張術(Plain Old Balloon Angioplasty; POBA)が初めてCABGと比較された。さらに、5年ほど前にBARI-2D試験で非薬剤性のステント(Bare Metal Stent; BMS)がCABGと比較されている。周知のとおり、いずれの試験でも長期的にはCABGが予後改善効果に優れたという結果が得られている。FREEDOMは、PCIが薬剤溶出性ステント(Drug Eluting Stent; DES)の時代を迎え、三度その長期的な予後の比較が糖尿病患者で行われたものであるが、端的に言うとこれまでの結果を覆すものではない。これは、POBAからBMS、そしてDESに至るまで、いずれも再狭窄の抑制のためのデバイスの進歩であり、明確なイベントの抑制(急性心筋梗塞や心臓突然死)がもたらされていないことを踏まえると、驚くにはあたらない。【SYNTAXによるスコア化について】また、糖尿病患者限定ではなかったが、最近行われたSYNTAX試験サブ解析の結果、リスク層別の有力なツールとしてSYNTAX スコアが提唱されている。三枝病変もしくは左主幹部病変患者で、その病変複雑性がSYNTAXスコアにして0~22の間であればおそらくはPCIとCABGは同程度に有効であり、22以上であれば、その点数の上昇にしたがって、CABGのほうがPCIよりも予後改善に有用となる。FREEDOMの平均のSYNTAX スコアは26であり、病変の複雑性というところからもCABGが有利な患者群を扱っている。しかも、標準偏差は8と枠は狭い。したがってFREEDOMでは、このSYNTAXスコア26±8というCABGに有利な枠内で、やはり予想通りの結果が得られたということになる。しかし、このように予想通りの結果であったからといってFREEDOMの価値が減じられるわけではない。BARIやSYNTAXとはまったく別のグループが組んだ臨床試験でその結果が検証された意義は大きい。しかも、個々の患者にとって大きな価値を持つ「長期的予後」という観点から、である。このことだけでも、やはりFREEDOMの結果は特筆に値する。言うまでもなく、糖尿病患者、あるいはそれに類する複雑な患者へのアプローチで推奨されているのは、外科医と内科医を含めたHeart Teamによる総合的な検討である。わが国でこの試験の結果を適用するためには注意点がいくつか存在するが(文末の三点)、FREEDOMは間違いなく患者サイドへのインフォームドコンセントに有用であり、医療者側からより強く自信をもった提言を行うことを可能とした。現場でこの試験の結果を公平な判断へとつなげて初めて、「無知から開放(FREEEDOM from ignorance)」は達成される。FREEDOM試験の注意点1.わが国の糖尿病患者の予後は、おそらくは欧米のそれよりも良好である可能性があり(Kohsaka S,et al.Diabetes Care. 2012 ;35:654-659.)、CABGによる予後改善効果が「薄まる」可能性も捨てきれない。2.さらにこの試験は二度にわたりプロトコールの変更を行い、かなり患者の登録に難渋した形跡がみられる。その影響か、最後まで(7年間)追跡することができた症例は200例強にすぎない。今後、他のデータで長期的な検証が必要である。3.さらに、MIとStrokeのイベントの「重さ」がこの試験では同等に扱われているが、これは現実のケースでは必ずしもイーブンではない。心筋梗塞エンドポイント定義(30日以内)myocardial infarction was defined as the presence of new Q waves in 2 or more contiguous leads on electrocardiography, as compared with baseline.脳梗塞エンドポイント定義Stroke was defined as the presence of at least one of the following factors: a focal neurologic deficit of central origin lasting more than 72 hours or lasting more than 24 hours with imaging evidence of cerebral infarction or intracerebral hemorrhage.(執筆協力:循環器内科CRC 植田育子)

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ATLAS - 10 v 5 years of adjuvant tamoxifen (TAM) in ER+ disease: Effects on outcome in the first and in the second decade after diagnosis

ATLAS - エストロゲン受容体陽性乳における術後タモキシフェン5年対10年の比較:診断後10年間およびさらにその後10年間の効果ATLASはAdjuvant Tamoxifen: Longer Against Shorterの略である。本試験の結果は発表と同時にLancet oncologyに論文掲載された。EBCTCGのメタアナリシスによれば、タモキシフェン(商品名:ノルバデックスほか)を服用する群とまったく使用しない群を比較したとき、服用終了5年以降も15年以上にわたって生存率の差が開き続けており(Lancet. 2012; 378: 771-784)、これをCarryover effectと表現している。本試験では約5年間タモキシフェンを服用した乳女性15,244例が、世界36の国あるいは地域から1996年~2005年の間に登録された。そのうちエストロゲン受容体陽性の6,846例(53%)を解析対象とし、受容体不明(4,800例、37%)、受容体陰性(1,248例、10%)は除外した。アジアおよび中東から25%が登録されていた。対象者の89%が閉経後であった。また19%で子宮摘出術が行われていた。10年継続群と5年中止群で、再発は617対711例(2p=0.002)、乳死は331対397例(2p=0.01)、全生存率は639対722例(2p=0.01)であった。期間毎にみたとき乳死のハザード比は5年から10年未満で0.97(95%CI:0.79~1.18)、10年以上で0.71(同0.58~0.88、p=0.0016)となっており、より長期間の観察で有意差がみられていた。つまりCarryover effectが認められている。解析時点で77%が診断後15年まで経過観察中であり、今後より差が開く可能性もある。タモキシフェン服用率は、割り付けから2年経過した時点で10年服用群84%、中止群80%と4%の差であった。15年での子宮内膜と肺塞栓症による死亡は10年服用群で0.2%の上昇がみられた。これは乳死亡が3%減少するのと比べて、非常に少ないと判断される。本試験の特徴はpragmatic trial(実際的な試験)と表現され、世界的規模であり、組み入れ基準がゆるく、シンプルな実施および経過観察であり,死亡率のわずかな差をみるために非常に大きな登録数であることである。一般的に行われてきた無作為化比較試験のような厳格な基準でないということは、裏返せば実際の臨床により即した試験であると言える。そういった意味から、この結果はわれわれの日常臨床にすぐに適応できるものであると考えられる。症例の89%が閉経後であり、実際ほとんどの方は、MA.17試験の結果よりタモキシフェン5年終了後には、レトロゾール(商品名:フェマーラ)へのスイッチが推奨される。閉経前は11%と少なくみえるが、それでも630例であり、サブセットアナリシスをみても、閉経前と閉経後でのばらつきはない。さらに“閉経後”の定義は記載されておらず、タモキシフェン服用中の判断はかなり慎重でなければならないことから、実際には閉経後と判断しにくい方は相当数いる可能性がある。そういった場合には、やはりタモキシフェンの継続が推奨されることになろう。また、薬剤変更することによる有害事象への不安がある場合などは、やはりタモキシフェン延長を考えてよいと思われる。ATLAS試験以外にaTTom試験があり、来年報告される予定とされているが、ほとんどがエストロゲン受容体不明で、規模も7,000例であることから有意差はより出にくい可能性がある。さらにEBCTCGのメタアナリシスの結果も来年報告される予定であり、その中にはATLAS、aTTom、NSABP B-14、Scottish trialなども含まれると思われるが、いわゆる“ごちゃまぜバイアス”にも注意して解釈していく必要があろう。現時点で、タモキシフェン10年服用をどのような患者さんに適応するのがよいだろうか。そもそも絶対リスク減少は非常に小さいことから、予後良好なグループ、たとえばリンパ節転移陰性、腫瘍径2cm以下、核グレード1といったような場合にはほとんど差が出ない可能性が高い。逆に再発高危険群では絶対リスク減少は大きくなると予想される。これらのことを患者さんと話し合いながら決めていくのが現実的であろう。レポート一覧

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Association between the 21-gene recurrence score (RS) and benefit from adjuvant paclitaxel (Pac) in node-positive (N+), ER-positive breast cancer patients (pts): Results from NSABP B-28

リンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性乳における21遺伝子再発スコア(RS)とパクリタキセルの追加効果との関連:NSABP B-28の結果からNSABP B-14/B-20、SWOG 9914およびTransATAC試験から、21遺伝子再発スコア(RS)分析はリンパ節転移陰性/陽性のエストロゲン受容体陽性乳における10年の遠隔転移および生存率を予測することが証明されている。また、NSABP B-14/B-20、SWOG 9914試験から化学療法の上乗せ効果を予測することも示されている。さらに、E2197試験から、内分泌療法と化学療法を行ったリンパ節転移0から3個陽性のホルモン受容体陽性乳の再発率と死亡率も予測する。本試験のプライマリーエンドポイントは、内分泌療法と化学療法を行ったリンパ節転移陽性、エストロゲン受容体陽性乳の、局所再発の予後因子としてのRSの意義を評価することである。セカンダリーエンドポイントは、ACにパクリタキセル(PAC、商品名:タキソール)を追加する効果を予測する因子としてのRSの意義を評価することである。今回の報告はセカンダリーエンドポイントの評価であった。 NSABP B-28はリンパ節転移陽性の3,060例においてACとAC→PACを比較した試験である。ホルモン受容体陽性ではタモキシフェンを化学療法と同時に服用していた。乳房部分切除術を受けた患者は術後に放射線治療を実施し、乳房切除術後は行われなかった。5年の時点で、AC→PACはAC単独と比べてDFSでの年間ハザード比が、6.6%から5.5%に減少した(HR=0.83、95% CI:0.72~ 0.95、p=0.006)。エストロゲン受容体陽性乳2,007例では、5.2%から3.9%に減少した(HR=0.78、95% CI:0.63~0.91、p=0.003)。OSの改善は小さく統計学的に有意ではなかった(HR=0.93、95% CI:0.78~1.12、p=0.46)。本試験の適格基準は、組織マイクロアレイにてエストロゲン受容体陽性、タモキシフェンで治療され、21遺伝子再発スコア分析が可能であることである。観察期間の中央値は11.2年であった。1,065例が解析可能であり、AC(519例)、AC→PAC(546例)であった。年齢は50歳未満が46%対46%、リンパ節転移1~3個は68%対71%、腫瘍径は2.0cm以下が57%対50%(p

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Chemotherapy prolongs survival for isolated local or regional recurrence of breast cancer: The CALOR trial (Chemotherapy as Adjuvant for Locally Recurrent breast cancer; IBCSG 27-02, NSABP B-37, BIG 1-02)

化学療法は局所または領域リンパ節の単独再発に対して予後を延長する:CALOR試験乳における局所または領域リンパ節の単独再発(Isolated local or regional recurrence, ILRR)は、予後不良の予測因子である。しかしILRRに対する術後化学療法に関する前向き比較試験は過去30年間行われてこなかった。CALOR試験適格基準は、乳房内、胸壁、乳房切除創または皮膚、腋窩または胸骨傍リンパ節の初回再発であり、再発部位が病理学的に完全に切除され、鎖骨上リンパ節や遠隔再発が認められていないことである。原発性乳術後の化学療法の有無、ホルモン受容体、ILRRの部位で層別化し、再発巣切除後に化学療法の有無について無作為化比較試験を行った。化学療法後はホルモン受容体陽性については内分泌療法を行い、HER標的療法は選択可能とした。化学療法剤の種類は責任医師の選択としたが、3~6ヵ月で2剤以上使用することが推奨された。放射線治療は全例に40Gy以上が推奨された。プライマリーエンドポイントはDFS、セカンダリーエンドポイントはOSであり、ITT解析が行われた。最初に設定されたハザード比は0.74で、997例の登録と347例のDFSイベントが予想されたが、患者登録の割合が低く、より有効な化学療法が確立されてきたことから、2008年3月に修正され、ハザード比0.6でサンプルサイズが再設定され、265例に対して124のイベントが起こること(観察群の5年DFS 50%)が予想された。しかし2010年1月に試験がクローズされ、その時点で162例であり、中間解析は行われなかった。分析は少なくとも2.5年以上の経過観察を必要とした。国際的共同試験として行われ、BIG 89例、GEICAM 20例、BOOG 12例、NSABP 73例であった。ベースラインの背景は化学療法群と観察群で、化学療法歴58対68%、LRR時閉経後状態76対82%、年齢中央値56対56歳、再発部位は乳房55対53%、切開創/胸壁32対34%、領域リンパ節13対13%、再発創のエストロゲン受容体陽性66対62%、ILRRに対する治療は、放射線治療44対39%、内分泌療法(エストロゲン受容体陽性例)91対92%、HER2標的療法7対5%、化学療法は単独療法としてタキサン20%、カペシタビン11%、複合療法としてアンスラサイクリンベース48%、アンスラサイクリン+タキサンベース1%、タキサンベース16%であった。5年DFSは化学療法(CT)群69%、観察(no CT)群57%であり、 CT群で有意に予後良好であった(p=0.0455、 HR=0.59、95%CI:0.35~0.99)。エストロゲン受容体別にみると、陽性ではCT群70%、no CT群69%と差がなく(p=0.87、HR=0.94、95%CI:0.47~1.89)、陰性ではCT群67%、no CT群35%と有意差がみられた(p=0.007、HR=0.32、95%CI:0.14~0.73)。多変量解析ではエストロゲン受容体、再発部位、化学療法歴の有無、初回手術からの期間では差がなく、再発後の化学療法の有無でのみ有意差が認められた(p=0.01、HR=0.50)。5年OSでもCT群88%、no CT群76%であり、CT群で有意に予後良好であった(p=0.02、HR=0.41、95%CI:0.19~0.89)。多変量解析ではやはり再発後の化学療法の有無でのみ有意差が認められた(p=0.02、HR=0.37)。結論として、再発後の化学療法はDFSイベントを41%減少させ、死亡を59%減少させる。エストロゲン受容体陰性の再発においてより効果が高く、受容体陽性についてはより長期の経過観察が必要と考えられた。局所再発に対する全身化学療法の意義というクリニカルクエスチョンに対し、複数の国にまたがる臨床試験を施行し、局所再発時の治療について再考すべき話題を提供してくれたことの意義は大きい。従来は局所再発時の全身療法に対するエビデンスがないということで、全く行っていなかった施設もあったかと思う。それにしても、これだけ世界の臨床試験グループが集まっても患者登録が進まなかったのは、患者が試験への参加を望まなかったか、医師が組み入れをかなり選定した可能性があり、選択バイアスがかなり大きいのかもしれない。再発時の受容体の状況が異なっていれば、実際は再発ではなく新規原発かもしれないし、初発時に行われた化学療法のレジメンと再発時に行われたレジメンの違いについて言及されていないため、どのような状況においてどのような化学療法を用いることがよいのか、不明のままである。アンスラサイクリン+タキサンベースがわずか1%であったところをみると、初回化学療法と異なるレジメンが採用されたものと考える。したがって現時点では個人的な治療の選択には変更はない。個々の場面に応じて、有効かもしれない全身治療の選択を考えるのが妥当と考えている。以下に例を挙げてみる。StageIのルミナルタイプ乳で術後内分泌療法のみを行っていた、あるいはT1bN0M0のトリプルネガティブ乳で術後経過観察のみを行っていたとする。3年後胸壁に2cmの浸潤または腋窩リンパ節再発を来したとすれば、内分泌療法抵抗性であり、また局所再発の時点で化学療法の適応になったと考えることができる。初回術後CMF療法を行っていて、浸潤の局所再発を来した場合、ルミナルタイプであればCMFとACの治療効果に通常差がないので、化学療法を選択するとすればタキサンベースであろう。しかしHER2陽性やトリプルネガティブ乳であれば、そもそもCMFでは効果が不十分であった可能性もあり、アンスラサイクリンとタキサン(+/-トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン))を選択したい。StageIIのHer2陽性乳で、乳房部分切除術後にアンスラサイクリンおよびタキサン+トラスツズマブを行っていて、早期に局所再発した場合、術後補助療法として十分な治療を行ったうえでの再発であり、局所再発後にさらに別の化学療法とハーセプチンを上乗せすることは、過剰治療の可能性が高い。まずは局所治療を十分に行って、慎重な経過観察を行うことが妥当であろうと考えられる。ルミナルタイプでアンスラサイクリンとタキサンを行い、その後アロマターゼ阻害剤を服用している最中に局所再発した場合も、局所治療をまずはしっかり行って、経過観察を行っていくのがよいのではないかと思う。反対にタモキシフェン服用中の再発であれば、アロマターゼ阻害剤が予後を改善する可能性があり、局所再発後に内分泌療法の変更を考える余地がありうる。カペシタビンを行う根拠は非常に弱いと考えられ、11%に行われていたのはどのような意志決定があったのか知りたいところである。これらの考え方には異なった意見もあるかと思うが、心配だからなんとなく行うのではなく、前治療と後治療とのバランスや予後を改善しうるパワーを持ちうる治療であるのかを十分考慮して、過小または過剰治療にならないようチームで十分吟味して決めることが大切であろう。レポート一覧

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サン・アントニオ乳シンポジウム2012 〔会員聴講レポート〕

2012年12月4日から8日まで米国テキサス州サン・アントニオにて第35回サン・アントニオ乳シンポジウム2012が開催された。ケアネットでは、幅広く、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネット会員の現役ドクターによるシンポジウム聴講レポートを企画した。乳がん診療に携わる医療者の先生方に、現在そして今後の乳診療トレンドを紹介する。レポーター2012年第35回サン・アントニオ乳シンポジウムは、12月4日(火)から8日(土)の5日間の会期で行われた。ここ数年は会期中いつも寒くコートが必要であったが、今年はとても暖かく日中は半袖でも過ごせるくらいの陽気であり、とても過ごしやすい天候であった。会期後は急に寒くなったと聞いている。初日の午後は教育的なレクチャーがあり、実際の演題発表は2日目からであった。また最終日の午前中は学会内容の総括であった。ここでは、分子生物学的な話題を最新の報告をもとにわかりやすくまとめていたが、逆に臨床的な話題の要約としては物足りないものであった。時間的な制約があったからかもしれない。演題は非常に多彩であり、分子生物学的手法を用いた予後因子、効果予測因子の検討やさまざまな分子標的療法、幹細胞、マイクロRNAの話題なども多くみられた。ここでは臨床に関わるものからピックアップして報告したい。レポート一覧

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Meta-analysis Results from the Collaborative Trials in Neoadjuvant Breast Cancer (CTNeoBC)

術前化学療法を行った乳の共同試験からのメタアナリシスpCRはEFSやOSのような長期間の臨床的予後と関連している可能性があるが、意見が分かれているところである。本演題は無作為化比較試験における術前化学療法のメタアナリシスであり、 pCRの定義が明確で、すべての必要なデータがそろっている12の試験が選択された。GBG/AGO 7試験―6,377例、NSABP 2試験―3,171例、EORTC/BIG 1試験―1,856例、ITA 2試験―1,589例、計12,993名の解析である。pCRの定義は、ypT0ypN0:乳房/腋窩の浸潤部、非浸潤部すべてが消失、ypT0/TisN0:乳房/腋窩の浸潤部が消失、ypT0/Tis:乳房の浸潤部が消失とした。pCR対no pCRの割合は、ypT0ypN0:1,554(13%)対10,401(87%)、ypT0/TisN0:2,131(22%)対9,824(82%)、ypT0/Tis:2,599(22%)対9,356(78%)であった。ypT0/TisN0をpCRと定義したとき、 pCRとno pCRとでEFS、OSともに有意な差が認められた(HR=0.48、p

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The role of sentinel lymph node surgery in patients presenting with node positive breast cancer (T0-T4, N1-2) who receive neoadjuvant chemotherapy - results from the ACOSOG Z1071 trial

リンパ節転移陽性(T0-T4)で術前化学療法を受けた乳患者でのセンチネルリンパ節生検の役割―ACOSOG Z1071試験本研究の適格基準は、18歳以上、経過観察可能、cT0-4/N1-2/M0、細胞診またはコア針生検で腋窩リンパ節転移陽性、浸潤性乳、術前化学療法(NAC)終了後12ヵ月以内の手術、インフォームドコンセントであり、除外基準は妊娠期/授乳期、鎖骨上/鎖骨下/胸骨傍リンパ節転移疑い、同側腋窩手術の既往、センチネルリンパ節生検/化学療法前の腋窩リンパ節生検の既往、炎症性乳である。センチネルリンパ節生検として推奨される方法は少なくとも2個のリンパ節摘出、RIと青い色素の2つの標識の使用である。病理学的評価はHE染色を用い、0.2mmより大きいものをリンパ節転移陽性とした。主目的は、センチネルリンパ節を2個以上摘出したcN1の乳女性で、偽陰性率が10%未満であるか決定することである。10%の偽陰性率を選択した理由は、NACを行っていない早期乳でのセンチネルリンパ節生検の偽陰性率がNSABP B-31で9.8%であったこと、NACではNSABP-B-27で10.7%、21試験のメタアナリシスで12%であったことからである。136施設から756例が登録され、除外基準となった53例を除く701例を対象とした。腋窩郭清が完全に行われなかった1例、腋窩郭清でリンパ節が1つもなかった1例、センチネルリンパ節生検が行われなかった12例を除くと687例となり、さらにセンチネルリンパ節が同定できなかった50例を除くと、637例(cN1:603例、cN2:34例)となった。701例の患者背景は、年齢49(23~93)歳、人種は白人が80.6%、腋窩診断はコア針生検61.2%、細胞診38.8%、cT2が54.9%、おおよそのサブタイプはHER2+が30.1%、トリプルネガティブが24.1%、HR+/HER2-が45.4%であった。センチネルリンパ節同定率は92.7%(639/689例)であった。637例中リンパ節転移陰性となったものが255例(40%)、センチネルリンパ節転移陽性が326例、センチネルリンパ節転移陰性で腋窩郭清時陽性が59名であり、センチネルリンパ節は転移状況を91.2%で正確に同定できた。cT1かつセンチネルリンパ節2個以上の患者では偽陰性率は12.6%であった。色素のみ22.2%、RIのみ20.0%、RIと色素の両方を使用10.8%(p=0.046)、センチネルリンパ節2個21.1%、3個9.0%、4個6.7%、5個以上11.0%(p=0.004)であった。cT1でセンチネルリンパ節1個のみでは偽陰性率31.5%であった。cT1かつセンチネルリンパ節2個以上で、リンパ節内にクリップを挿入した患者では、センチネルリンパ節内にクリップがあった96例のうち54例で転移が残存しており、偽陰性率は7.4%であった。サマリーとしてリンパ節の状態を正確に判定できたのは91.2%、pCRは40.0%、cT1かつセンチネルリンパ節2個以上での偽陰性率12.6%(RIと色素の併用で10.8%、センチネルリンパ節3個以上で9.1%)であった。これらのデータから、リンパ節転移陽性乳におけるNAC後のセンチネルリンパ節生検はリンパ節転移の状況を検出するのに有用な方法であり、手技としてRIと色素の併用、2個以上の摘出が重要であると結論づけている。また、リンパ節の診断時にクリップを挿入することや、治療効果をみるためのセンチネルリンパ節の病理学的検索をするなどのさらなる工夫で、より精度が上がるかもしれないとも述べている。患者数も多く非常に重要な試験ではあるが、後付けでさまざまなサブ解析をしたデータで結論づけるのは無理がある。T1かつセンチネルリンパ節2個以上かつRIと色素の併用と患者選択しても偽陰性率10.8%であり、本研究から、リンパ節転移陽性乳における化学療法後のセンチネルリンパ節生検は有用であるとはとても言い難い。これに引き続いて、ドイツからもセンチネルリンパ節と術前化学療法の関係について報告があった。 レポート一覧

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Sentinel lymph node biopsy before or after neoadjuvant chemotherapy - final results from the prospective German, multiinstitutional SENTINA-trial

術前化学療法前後のセンチネルリンパ節生検―ドイツにおける多施設前向きSENTINA試験の最終結果本試験は4アームの多施設前向き試験であり、術前化学療法前後でのセンチネルリンパ節同定率、cN1からcN0になった患者での偽陰性率、同定率と偽陰性率に影響する因子を見出すことが目的である。試験デザインは、アームA:cN0→センチネルリンパ節生検でpN0→術前化学療法→郭清なし、アームB:cN0→センチネルリンパ節生検pN1→術前化学療法→センチネルリンパ節生検+腋窩郭清、アームC:cN1→術前化学療法でycN0→センチネルリンパ節生検+腋窩郭清、アームD:cN1→術前化学療法でycN1→腋窩郭清である。cNの状況は触診で転移の確定ができない場合、超音波検査にて腋窩転移陰性と判定ならcN0、不明瞭なら臨床的に決定、疑いならcN1とした。不明瞭か疑いなら細胞診かコア針生検を推奨した。センチネルリンパ節生検はRIを必須とし、色素はオプションとした。リンフォシンチグラフィを行い、注射部位は自由とし、リンパ節はパラフィン包埋し、少なくとも500μm毎に切片を作成し、免疫染色は施行しないこととした。103施設から1,737例ごとの患者が登録され、アームA:662例(64.8%)、アームB:360例(35.2%)、アームC :592例(82.8%)、アームD:123例(17.2%)であった。センチネルリンパ節の同定率はアームBでは60.8%であり、センチネルリンパ節生検を繰り返した場合同定率は非常に低かった。アームCの同定率は80.1%であり、多変量解析でみても影響を及ぼす特定の因子を同定できなかった。偽陰性率はアームBでは51.6%と非常に高く、アームCでも14.2%(95%CI : 9.9 ~19.4%)であり、多変量解析にてセンチネルリンパ節の個数(1対2個以上)が影響を及ぼす因子であった(OR=0.505、 0.306~0.833、 p=0.008)。これらの結果から、術前化学療法後のセンチネルリンパ節生検の再試行は許容できないものであった。また術前化学療法でリンパ節転移部がダウンステージしても、化学療法前に行ったセンチネルリンパ節生検と比較して成績はよくないようである。先述の報告と比較して、こちらの方は解析に無理がなく、結論がより謙虚であった。現時点で、リンパ節転移陽性乳において術前化学療法にセンチネルリンパ節生検を行うことは、偽陰性率の面から推奨できない。ただし、いずれの試験においてもセンチネルリンパ節の個数が偽陰性率に影響しそうだということは言えそうなので、この要素を含めてもう少し異なった面から研究を進めることで、正確にリンパ節の状態を判断できる患者群を見出すことは可能かもしれない。レポート一覧

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Ki67 levels in pretherapeutic core biopsies as predictive and prognostic parameters in the neoadjuvant GeparTrio trial

術前化学療法GeparTrio試験における予後因子、治療予測因子としての治療前コア針生検でのKi67の数値Ki67は腫瘍の増殖を評価する免疫組織化学的マーカーで、ルミナルAとルミナルBを分類するための指標と考えられている。しかしKi67のカットオフ値は未だ意見が一致しておらず、Ki67に関して3つの疑問点がある。1)カットオフの定義、2)Ki67分析をどのように標準化できるか、3)自動イメージ分析システムの妥当性についてである。本演題では1)について報告している。GeparTrioの研究コホートとして、TACで化学療法を開始した2072例のうちコア針生検にてKi67評価を行った1166例が対象である。Ki67ベンタナ社自動染色装置を使ってMIB-1抗体で染色し、計200の細胞を計測した。本研究は後ろ向きであり、単施設での研究である。pCRを予測するKi67の値をみてみると、94のうち93のカットオフ値で有意差を認めた。同様にDFSでは94のうち48で、OSでは94のうち58で有意であった。これら3つのパラメーターを組み合わせたとき、Ki67の値は10%から45%で有意差があり、カットオフ値の最適化はできなかった。次に15%以下をKi67低、15.1-35%をKi67中間、35%より大きいものをKi67高として再検討してみると、3つのパラメーターともにp

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An international Ki67 reproducibility study

Ki67の再現に関する国際的な研究ASCOの腫瘍マーカーに関するガイドラインでは、どの増殖マーカーの使用も推奨されていないが、それは再現性が乏しく、臨床的な妥当性が不明であるからである。一方、J Natl Cancer Inst. 2011;103: 1656-1664 に掲載された論文「Assessment of Ki67 in Breast Cancer: Recommendation from the International Ki67 in Breast Cancer Working Group」では、解析前の設定、解析の設定、解釈とスコアリング、データの分析についての推奨が述べられている。本研究では、病理学者はKi67染色をどの程度再現性をもって確実に定量化できるか、という分析的妥当性を系統的に調べるため、観察者間および観察者自身のばらつきを同定することである。そのために、組織マイクロアレイスライドで各施設の方法で計測(第1相)→ウェブベースで補正後、標準的方法で計測(第2相)→針生検と組織全体の切片で計測、という順序で検討を行った。これにより期待される成果は、Ki67を評価するための解析の正当性、臨床的に意味のある方法の普及、そしてウェブベースの補正症例の標準的なセットの確立である。第1相は、十分な経験のある各施設での方法で、Ki67値が一致しているかを検討することである、そのため乳症例100例で3つの実験、1)観察者内でスコアリングを繰り返し評価、2)中央での染色で観察者間の評価、3)各施設での染色で施設間の評価を行った。施設はカナダ、フランス、英国、米国の大学、主要なセンター、国際関連施設である。6施設で50症例を3回繰り返した結果、1)観察者内での一致率は非常によく、overall ICC(intraclass correlation coefficient、級内相関係数:連続データにおける信頼性を示すもの)=0.94(95%CI=0.93~0.97)であった。しかし2)中央での染色で、観察者間でのばらつきはかなりあり、overall ICC=0.71(95%CI=0.47~0.78)であった。Ki67のカットオフ値を仮に13.5%としたとき、32%の症例において、ある施設で低値であったのものが他の施設で高値と判定されていた。染色法もある程度のばらつきを生じさせたが、主な原因はスコアリングの方法であった。すなわち、どの領域をカウントするのか、浸潤だけをカウントしているか、どの程度茶色に染まった細胞を陽性と判定するか、である。第2相では標準化したスコアリング法をウェブベースで各施設に提供し、9つのトレーニングと9つのテストで補正を行った。結果として9の施設中4施設でテストに合格しなかった、この原因は染色性の弱い細胞に対する判定の違いからきていた。トレーニングの成功率としてはICC>0.9以上が基準として求められ、トレーニングにより測定法は改善したものの、統計学的には有意ではなかった(サンプルサイズによるものと思われる)。ウェブベースのトレーニングが成功すれば、次にコア針生検標本に適用し、臨床的有用性を確定し、臨床的に最もよいスコアリングの方法においてばらつきの範囲がどの程度みられるかが明確になるだろう。反対にもし失敗すれば、自動の画像プラットフォームとアルゴリズムが安定した結果をもたらすかテストすることになる。これらの失敗から、免疫染色によるKi67インデックスは、臨床でもリサーチでも妥当性の確認を行ってから活用されるべきである、と結んでいる。レポート一覧

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