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てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務

 てんかんを持つ人は、生涯にわたってうつ病や不安症に罹患する可能性が高いが、その最大リスクは明らかとなっていない。そうした中で、潜在的に重大なリスク因子として心理社会的要因が示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のGandy氏らは、システマティックレビューを行い、心理社会的要因が予測因子となうるのか、エビデンスを精緻に評価した。J Affect Disord誌2012年11月号の報告。 MEDLINE、PsycINFO、Web of Scienceの電子データベースを検索し、実証されている質問票を用いてうつ病および不安症の症状を評価し、潜在的に重要なてんかん因子の仕組みについて対照評価している試験を解析に組み込んだ。Quality Index Scale(QIS)を評価基準として用いた11試験が同定された。 主な結果は以下のとおり。・11試験中10試験で、1つ以上の有意なうつ病予測因子がみつかった。・不安症を評価していた全6試験でも、1つ以上の有意な予測因子がみつかった。・一方で本研究は、全体のQISスコアが15点中7.5点にとどまり、解析に含んだ多くの試験のデザインに限界があった。心理社会的要因の尺度について、試験間でのばらつきも大きかった。・結論として本研究では、てんかん患者のうつ病発症について、帰属的理論とスティグマの重要性は裏付けられなかった。・疾患表出の仕組みに関する裏付けは首尾一貫していなかった。しかし、ストレスと自己効力感の役割については支持できる可能性があった。・対処戦略と認知された社会的サポートの役割については、確固たる裏付けが認められた。・心理社会的因子は潜在的に修正可能であることから、てんかんを持つ人のうつ病発症の仕組みをより理解することは、効果的な治療を導くために急を要することである。関連医療ニュース ・レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー:聖隷浜松病院 ・うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」? ・体重に関する“いじめ”はうつ病のリスクファクター

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治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションはQOLも改善する

 近年、治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションが長期間にわたって血圧を低下させることが発表されてきているが、生活の質(QOL)に及ぼす影響については明らかではなかった。Lambert氏らは腎デナベーション施行3ヵ月後のQOLについて、SF-36およびベックうつ評価尺度を用いて検証した結果、精神的側面のQOLを改善したことをHypertension誌に発表した。腎デナベーションによってQOLが改善 豪ベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のLambert氏らは、腎デナベーション施行例に対し、SF-36およびベック評価尺度を用いて、QOLへの影響を評価した。 おもな結果は下記のとおり。●3ヵ月後の診察室血圧値の変化(n=40):−16.4±4/−6±2mmHg (P<0.01)●SF-36による精神的側面のQOLサマリースコアが改善した。ベースライン:47.6±1.1 → 3ヵ月後:52.0±1.0 (P=0.001)●SF-36の項目のうち、以下の項目にて有意な改善が認められた。 活力、社会的生活機能、日常役割機能、心の健康●ベックうつ病評価尺度による以下の感情を有意に改善した。 悲壮感(P=0.01)、疲労感(P<0.01)、性欲(P=0.001)●QOLの改善と到達血圧に相関は認められなかった。

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【日本治療学会2012】わが国における泌尿器内視鏡の発展

 第50回日本治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、西松寛明氏(東京大学医学部泌尿器科)は、「わが国における泌尿器内視鏡の発展」と題して、日本における泌尿器内視鏡の進歩と今後の展望について講演を行った。●膀胱鏡の進歩 日本で最初に国産の膀胱鏡が開発されたのは1919年であり、1963年にはカラーモニターを備えた膀胱鏡が、1973年にはファイバースコープが導入された。その後、近年の膀胱鏡の開発の方向性は、ハイビジョンによる画像の向上のほか、Photodynamic Diagnosis(PDD)やNarrow Band Imaging(NBI)、STORZ Professional Image Enhancement System(SPIEs)などの診断精度の向上、そして膀胱鏡で観察している部位を明確にするため、磁気チップを用いたマッピングやナビゲーション・システムに焦点があてられている。 PDDとは、がんに親和性のある蛍光試薬を内服し、がん組織に選択的に蓄積させた後、特定波長の光を照射して発せられる蛍光色を観察して、がんの部位を特定する診断方法である。NBIは、血液の中に含まれるヘモグロビンに吸収されやすい2つの波長の光を照射することにより、腫瘍組織の新生血管や粘膜の微細模様を強調して表示する画像強調技術であるが、狭帯域光を用いるため画像が暗いという欠点があった。それに対し、SPIEsでは600nm以上の白色光を照射してコンピューターで解析するため、光量を落とさずに観察ができ、診断能の向上も期待される。 内視鏡手術を行う際のアクセス方法としては、経尿道的、経皮的、腹腔鏡手術のように腹式があり、最近では侵襲性の低い経管腔的内視鏡手術(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery: NOTES)が注目を集めている。●腹腔鏡手術の進歩 次いで、西松氏は腹腔鏡手術の進歩について概説した。1983年に虫垂炎の腹腔鏡手術が行われ、主に産婦人科領域で腹腔鏡手術は進歩してきた。1992年にバルーンが開発され、レトロアプローチによる腹腔鏡手術が安全に行えるようになった。日本では、1992年に腹腔鏡による精索静脈瘤切除術が行われ、1997年にはドナー腎摘術が腹腔鏡下で行われた。1998年に海外で前立腺全摘除術が腹腔鏡下で行われ、日本でも広く普及していった。 2001年には海外でda Vinciシステムが承認され、ロボット支援手術が注目を集めた。その後、内視鏡の性能の進歩と相まって、2007年には単孔式腹腔鏡手術(LESS)が行われ、ポート減数手術(RPS)などの低侵襲で整容性に優れた手技が開発されている。 日本でも、2012年にda Vinciシステムが保険承認され、今後、腹腔鏡下のロボット支援手術の普及が予想されるが、医療コストの高騰が懸念されることを西松氏は指摘した。 こうした泌尿器内視鏡学の普及と進歩を反映して、1987年に日本泌尿器内視鏡学会が設立された。●Engineering-based Medicine 最後に、西松氏は東京大学医学部における内視鏡手術の進歩を振り返り、もうひとつのEBMである「Engineering-based Medicine」の考え方を紹介した。 東京大学医学部では、1949年に日本で最初の胃カメラを開発し、また1971年に世界で最初に光ファイバーの腎盂尿管鏡について発表している。これらの成果は、医療機器メーカーの技術者との長年のパートナーシップに基づく技術の進歩によるものであり、こうした医療を西松氏は「Engineering-based Medicine」と称した。 現在もこのEngineering-based Medicineの一環として、東京大学医学部附属病院泌尿器科では、血管や尿管の薬剤溶出ステント(Drug-Eluting Stent: DES)の開発やヘルペスウイルスG47デルタの腫瘍内注入による前立腺がんの遺伝子治療などの研究が進んでいる。また西松氏は、da Vinciシステムを使わずとも腹腔鏡手術ができるよう、2重のベベルギア・ワイヤ機構で自由に動く持針器の開発なども行っていることを紹介した。「他の演題はこちら」

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統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが

 ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は脳内の細胞シグナルカスケードにおいて重要な役割を持つ脂肪酸である。通常の老化における脳組織の喪失は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の膜異常が関連していると言われている。また、統合失調症患者ではPUFAの膜異常が報告されている。van der Kemp氏らは、統合失調症患者の脳組織の喪失にPUFAが関連しているかについて、システマティックレビューおよびメタアナリシスを行った。その結果、統合失調症患者では赤血球膜におけるPUFA濃度の減少が認められ、使用する薬剤によっても違いがあることが明らかとなった。Schizophr Res誌2012年11月号の報告。 赤血球膜のPUFAを統合失調症患者および対照群で比較した研究を、MEDLINE検索により抽出した。患者は薬物治療が実施されていない初発エピソード統合失調症患者、および定型または非定型抗精神病薬による治療を行っている患者に分類した。14報の研究から、統合失調症患者429例、コントロール群444例が抽出された。Cohen's dエフェクトサイズはランダム効果モデルを用いて、赤血球におけるPUFAを算出した。主な結果は以下のとおり。・薬物治療経験がない患者と定型抗精神病薬使用患者では、アラキドン酸(AA)、DHA、ドコサペンタエン酸(DPA)濃度の有意な減少が認められた(p

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生活保護受給者の「医療費一部負担案」、いかがお考えですか?

不正受給問題に端を発し、生活保護のあり方が議論されている中、現在窓口負担がゼロである医療費について患者の一部負担を求める、あるいは後発医薬品の使用を義務付けるという案も出ています。今回の「医師1,000人に聞きました!」ではこれを踏まえ、現場の立場でこの問題がどのようにとらえられているのか尋ねてみました。コメントはこちら結果概要医師の7割以上が生活保護受給者の医療費一部負担に賛成医療費一部負担案に賛成したのは全体の73.1%。勤務形態別に見ると病院医師では76.2%、一般診療所医師では64.9%と、窓口業務まで管理する立場である一般診療所医師は若干低い結果となった。賛成派からは「年金生活者や、働きながら保険料を納め医療費の一部負担をしている低所得者がいることを考えると、生活保護受給者のみ全て無料というのは不公平」といった意見が見られた。「違った方法を考えるべき」医師、『いったん支払い、後日返還しては』など次いで15.6%の医師が「違った方法を考えるべき」と回答。コスト意識を持ってもらうために『いったん支払ってもらい返還する形に』、複数の施設を回って投薬を受ける患者や、悪用する施設の存在を踏まえた『受診施設の限定』などが挙げられた。「現状のままで良い」医師、『理念を維持しながら受給認定を厳密に』一方「現状のままで良い」とした11.3%の医師からは、『生活保護の本質まで変えるべきではない』『受給認定を厳格にすることで対応すべき』といった意見のほか、『現実に支払ができなければ病院の負担になるのが見えているので』といった医師もいた。"後発医薬品の使用義務付け"、病院医師の約6割が賛成、一般診療所医師では意見割れる薬の処方にあたり、生活保護受給者へは価格の安い後発医薬品を義務付けるという案に対しては全体の54.1%が賛成、「現状のままで良い」とした医師は28.9%であったが、一般診療所医師に絞ると賛成40.3%、現状維持37.3%と割れる結果となった。賛成派からは、『後発品は国が「先発品と同等」としているので問題ない』、現状維持派からは『必ずしも薬効が同じとは限らないと考えるため』『院内処方で扱いがない場合がある』『処方の裁量権は医師にある』といったコメントが寄せられた。設問詳細生活保護受給者の医療費負担についてお尋ねします。現在、生活保護受給者が医療サービスを受ける場合、その費用は直接医療機関に支払われ本人負担はありません。市町村国保の被保険者などと比べて生活保護受給者1人当たりの医療費のほうが高いことなどを理由に、適正化のための取り組みを強化すべきだという意見も挙がっています。これに関し、10月23日の日本経済新聞では『三井辨雄厚生労働相は23日の閣議後の記者会見で、生活保護の医療費の一部を受給者に負担させることに関して「自己負担を導入すれば必要な受診を抑制する恐れがあり、慎重な検討が必要だ」と述べた。価格が安い後発医薬品の使用を義務付けることについては「一般の人にも義務付けられていないのに生活保護受給者だけに義務付けるのは難しい」との認識を示した。 生活保護受給者の医療費は全額公費で負担しており、生活保護費の約半分は医療費が占める。財務省は22日の財政制度等審議会の分科会で、医療費を抑制するために医療費の一部自己負担の導入と後発医薬品の使用を受給者に義務付けることを提案していた。』と報じられています。そこで先生にお伺いします。Q1. 医療費適正化のため、生活保護の医療費の一部を受給者に負担させることについて、いかがお考えですか。賛成違った方法を考えるべき現状のままで良いQ2. 生活保護受給者に後発医薬品の使用を義務付けることについて、いかがお考えですか。賛成違った方法を考えるべき現状のままで良いQ3. コメントをお願いします(Q1・2の選択理由、「違った方法を考えるべき」とした方は代替案、その他患者さんとの具体的なエピソード、など、どういったことでも結構です)2012年10月26日(金)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「先発品と後発品の効果がまったく同じと保証できない現状では後発品の義務は困難。感冒薬程度なら問題ないが高度医療を必要とするような患者さんでは問題が出ると思う。」(50代診療所勤務,消化器科)「全くの無料は無駄の原因。工夫の余地をなくす。」(50代病院勤務,内科)「後発品をとるか否かは自由意志とすべき、その代り 医薬品の5%(0.5割負担)でも徴収すべきと思う。そうすれば、安い方を望むなら自ら選択することになる。」(60代以上病院勤務,血液内科)「一部負担は、真面目な方には受診抑制になって、重症化する可能性が出る。生活保護に甘えている方は病院で怒って現場の混乱を生むだけで何の意味もない。それよりは、医療費の適正化をすすめるべきである。求められても不要なお薬は出さない。出さないからと暴れたり、怒ったりする方へのペナルティを明確化する方が良い。後発品義務付けは、治療内容の権利の侵害に当たる可能性があるので勧奨程度にすべき。例えば、糖尿病の治療であっても同じようにHbA1cを下げる薬はあるが、合併症などを防ぐそいう視点で新薬が使用できない場合、将来の合併症を増やし結局医療費の高騰につながる」(40代病院勤務,呼吸器科)「一部負担にしたとして、お金を払ってくれない人を診療拒否できるのなら生保の負担金をつくっても良い。」(50代診療所勤務,内科)「不正受給ばかりが報道されているが、大多数の受給者は後ろめたさから声を上げられないと思います。もちろんどんな医療機関にもフリーに何度でも受診できるということは良くないので、受診可能な機関を一定の生活圏内に制限することや、通院手段を制限するなどの方策も考えられます。」(40代病院勤務,内科)「救急外来への頻繁な来院はペナルティがあっても良い。」(50代診療所勤務,小児科)「負担がないことですべて許されていると考えている受給者が多く、一人ひとりに理解させることは極めて困難であり、一律に決めるべきである」(50代病院勤務,外科)「受給金をパチンコで使い果たし無料で入院、なんてことができないよう方策を考えてほしい。」(50代診療所勤務,腎臓内科)「医療費の負担増加とこれに対する原資の増加を期待する事の難しい情勢からみてやむを得ない事と思います。逆にそのことで負担が少しでも軽減されるのではないかと思います。」(50代病院勤務,産婦人科)「抗けいれん剤を後発品に変更して、ずっと起こっていなかった発作が起こったことがある。後発品を義務づけるなら、特定の薬品に限定すべきと思う。」(50代病院勤務,リハビリテーション科)「一部負担といっても幅があるのでどの程度負担させるのかによって意見が違うと思う」(60代以上病院勤務,腎臓内科)「先発薬と後発薬両方を揃えるのは医療機関に負担となるので反対。」(40代診療所勤務,腎臓内科)「一般の患者は医療費負担は上限ありになっている。生活保護者も基本的には同じ枠組みで良い。上限額に配慮するとか、いったん支払いさせて申請後(部分的に)返ってくるとか。」(40代病院勤務,耳鼻咽喉科)「自己負担をつけても支払いをたぶんしないで病院の負担になるので、現状のままでよい」(50代病院勤務,循環器科)「一律というのは如何か。生活保護を必要としてないのに受給されている人と 本当に必要な人がいることがそもそもおかしいのだが。この両者は区別して、必要ない人は切って欲しい」(40代病院勤務,消化器科)「医療費一部負担は受診抑制に繋がる。また、後発品を使用していない当院では、診察できないことになる。いまだに後発品に不安要素がある事を先に改善すべき。」(50代診療所勤務,内科)「最低保証賃金より保護費の方が高い現状は異常。ワーキングプアの方々が強いられている窮状は、生活保護の方々にも受け入れていただく必要がある。」(40代病院勤務,精神・神経科)「当院受診の生活保護者の半分は疑問に感じる人が多いのは事実、「魚釣りに行って風邪をひいた、点滴をしてくれ」などざら」(50代病院勤務,神経内科)「目に余るケースがあるから、と言って生活保護の本質まで変えるべきではない。取り締まるには人件費などかかるので、現状のままのほうがよい。」(60代以上診療所勤務,精神・神経科)「服薬指導を徹底させ、薬の無駄を少なくすることが大切だと思います。みんながその費用を負担していることを自覚する必要があります。生保患者さんが立て替えで支払うことも一つの案だと思います。」(50代診療所勤務,内科)「後期高齢の生活保護者は無料のままで、若年者は就労を図る意味でも有料化すべき。」(60代以上診療所勤務,内科)「今ほど生保の継続が必要な時期はない」(50代診療所勤務,内科)「他の患者さん同様に窓口負担分をとって、還付を検討すべきでしょう。」(40代病院勤務,内科)「『生活保護で自己負担がないから先発品を処方してくれ』と堂々と言う患者がいて腹が立った」(50代診療所勤務,整形外科)「生活保護でも本当に働きたい人もおり、そういう方はむしろ病気があってもギリギリまで我慢してしまう傾向が強いと思います。元々自分は生保でもそうでなくても基本的に必要不可欠なことしかせず、差はつけていない。この議論自体がおかしいと思う。」(40代診療所勤務,内科)「薬代がタダなので、あまり必要の無い薬を「念のため・・」などと言ってもらって無駄にしていることが有る。」(40代病院勤務,内科)「受診できる病院を限定するとか、カルテを1つにするとか、不正な薬剤処方をなくしたり、不要な受診を減らしたりの工夫が必要」(30代以下病院勤務,小児科)「コンビニ受診は避けるべきだが、本当に加療の必要なひとには受診萎縮にならないようすべき」(50代診療所勤務,口腔外科)「低収入であるが故に受診を控えて病状の悪化を招いたり、経済的理由で後発医薬品しか選択できない勤労者が存在することを考えれば、生活保護受給者が何の躊躇もハンディも無く医療を求めることは問題である」(40代診療所勤務,呼吸器科)「行政側から患者(生保受給者)に説明し、後発品使用を了解(同意)させ、医療機関にその旨「書面で」申し出る。しかし、その場合も最終的には医師の処方権は留保される。」(60代以上診療所勤務,消化器科)「小額でも一部負担とすることで、毎日不要な点滴をしたりする方は減るでしょう。」(40代病院勤務,内科)「薬品は、好みもあり人によっては効果の違いもあるので、義務付けは賛成しかねます。」(50代病院勤務,整形外科)「働ける様な若者も生活保護を受け、日中ぷらぷらしやたらと必要以上に病院へ来る方、結構見かけます。生活保護を受ける基準や負担額なども細かく等級を設けて、等級に応じて設定したらいいのではないか。」(40代診療所勤務,内科)「生活保護を受けている割に子供にピアス、アクセサリーがジャラジャラ・・・本当に必要な家族への受給を充実させ、このような家庭へ受給はしないようにしっかりした制度設計をやり直すべき」(40代病院勤務,小児科)「『どうせタダなんだから薬だしてよ、検査してよ、病院のもうけになるんでしょ』という患者もいる。町のドラッグストア感覚(それよりも手軽)みたいに思っている。一部でも自己負担させるべき。後発品は合う・合わないもあるので義務づけはちょっと乱暴。」(40代診療所勤務,内科)「どの医院も薬局もすべてのものに対応できるものではないので、義務付けではなく、やはり努力目標にせざるを得ないと思う」(50代診療所勤務,泌尿器科)「生活保護になりやすくなっている状態を検討すべき。ならなくていい人もなっている感じと一度生活保護になってしまった人がぬけたくなるような部分も必要なのではないか」(40代病院勤務,血液内科)「『おいしい』ことはなるべく少なくしていくことで、本当に必要な人が「仕方なく受ける」最後の砦にするべき。」(40代病院勤務,内科)「薬を貰うために何軒も医療機関を回るので、公的な指定医療機関を設置しては」(50代診療所勤務,循環器科)「生活保護一歩手前の患者様(化学療法中)を何人か診ているが、その方のほうが、よっぽど生活は苦しいと思います。高額の治療を断念している方もおられます。生活保護受給者は、医療に関しては恵まれすぎ!です。生保以外の方で後発薬を希望される方は多いですし、私自身も抵抗はありません。一部でも自分で負担できないなら後発薬で我慢するべきだし、一時金を払うことは、むやみな受診の抑制に効果あると思います。 上記のような何らかの対策をとらないと、さらに他の人たちの負担が増えてしまうと思います」(40代病院勤務,外科)「一部負担といっても現実に負担できない患者がいれば、それは結局支払われずに病院の負担になる。末端の医療機関への責任転嫁である。現状の後発品制度には多大な問題がある。制度自体に根本的な議論がなされない限り簡単に賛成とはいえない。」(50代病院勤務,循環器科)「国策として後発医薬品の使用を推進するのであれば、先発品にこだわる必要はないはず。生活保護とはあくまでも援助なのだから受給者に選択権はないはずである。」(40代病院勤務,皮膚科)「一旦納付→後日給付にすべき.疾患によっては(アレルギー疾患等)後発薬を使うことは避けるべきで全て義務付けというのは不適切」(40代病院勤務,内科)「風邪などの軽症疾患は自己負担を導入し、慢性疾患や重症疾患はこれまでどおりにしては。」(30代以下病院勤務,小児科)「生活保護が本当に必要な人もいることを忘れてはいけない。」(40代病院勤務,精神・神経科)「働いて健康保険料などを納め、医療費の一部負担をしている、生活保護とあまり年収のかわらない人もいるのだから、何らかの負担は必要と思います」(50代診療所勤務,内科)「ともに、大いに賛成です。 現場の目から見て、「生保だから必要のない受診を気軽に繰り返している人がいる」ということは明白。必要な受診を抑制する可能性も皆無とは言えませんが、本当に必要な場合には、収入や家庭環境などについて綿密な精査を行った上で、自己負担金の免除を決める制度を別途設ければ良いと思います。 もっといえば、不適切受診の内容や明らかに贅沢な生活実態などを医師側から通報できる制度があれば良い」(30代以下病院勤務,循環器科)「基本は後発品とし、医師の判断で変更できればと思います。一部負担で受診抑制を心配するのであれば、その前にワーキングプアといわれきちんと保険料を収めているのに窓口負担を心配して受診できない方々に補助すべきだ。生活保護は最低限の生活を保証すればよいのだから、そうしたものをもらわず働くワーキングプアの方々以上の保護は要らないはず。」(30代以下病院勤務,小児科)「一部の不心得者のために、真に保護が必要な人への援助を削るべきではない。マクロの視点しか持っていない役人やマスコミの怠慢が世の中をどんどん歪めている。不正受給をなくすべく、役人がきっちりと精査することだ」(50代診療所勤務,内科)「生活に必要なお金を受給されているのだから、医療機関の受診、薬代も他の方と同様に支払うべきである。」(40代病院勤務,内科)「不必要に多くの薬をもらって余っていてもなくなったと主張し、さらに多く持って帰る患者がいる。量や種類の制限は必要と思う。」(30代以下病院勤務,整形外科)「経済的理由からジェネリックを希望する人が多い中、全額免除の人だけが高い薬を使うのはヒトとして納得できない。」(30代以下病院勤務,呼吸器科)「生活保護受給者は高価な治療薬を使えるが、通常の被保険者はお金の関係で使いたい薬も使わないでいることがある。何かおかしいです。」(50代病院勤務,呼吸器科)「生活保護受給者が時間外に不必要な受診をすることが度々みうけられるので、時間外受診料などに自己負担を導入すればよいと思う」(30代以下病院勤務,整形外科)「多くの人に不正がないと信じるが、隣人などから薬をもらうよう頼まれてくる人もいるようである。」(50代診療所勤務,内科)「望ましいことではないが、すべてのことについて性悪説にたった制度が必要になってきていると思う。」(50代病院勤務,内科)「生活保護がsafety-netとしての役割を担っていることを考えると、生活保護の医療費の一部を受給者に負担させることは少し賛成しにくい。しかし生活保護を延々と受け取って無料であることを良いことに薬の処方を欲しがる患者がいることは事実であり、それを悪用して薬を無駄に処方させている病院があるのも事実なので、必要以上の処方を行なっていると判断された医師に厳罰が発生するような仕組みのほうが抑制効果があるのではないかと思う。ただし、その基準を明確にする必要があるが、その基準は非生活保護受給者よりも厳しい基準であるべきだと思う。」(30代以下病院勤務,外科)「生活保護の患者さんがブランド物のバッグをもって受診しましたが、このような人に私たちが支払った税金が使われていると思うと、憤りを感じます。」(50代診療所勤務,内科)「もともと、病気で仕事ができないことによる生保受給が多く、一般人に比べ医療費が高くなるのは当然だと思います。 むしろ、何万円ものタクシー代や、飛行機利用を許した対応など、自治体側の対応の仕方が不適切なことの方が問題かと思います。」(50代診療所勤務,消化器科)「医療費の膨張に歯止めをかけるためにはやむを得ないと思う。ただ、原疾患で働けなくて生活保護になっている人は別に扱う事が必要。」(50代診療所勤務,皮膚科)「後発品の場合、特に呼吸器系後発医薬品に変更した際に効果が落ちる例も経験している。効果が落ちた場合は、受診回数の増加や時間外受診の発生などに繋がる場合があるので、義務づけはあまり賛成できない。」(30代以下その他医師,呼吸器科)「奈良の山本病院の事例を含め悪用が目に余り歯止めが利かない」(50代診療所勤務,内科)「利益を享受する分の負担は当然」(30代以下病院勤務,神経内科)「本当に医療を必要とする患者の医療費公費負担と、無料をよいことに安易に行なわれる受診やそれを食い物にする医療機関を選別する方法が必要である。」(50代病院勤務,内科)「低所得者、年金生活者などの方たちは、少ない収入の中で保険料も払い、さらに医療費の何割かを負担している。生活費を切りつめてもいるわけで、生活保護費を丸々自由に使える生活保護者と比べると非常に不公平。 後発医薬品は、無料であるならば選択の自由はなくしてもいいと思っています。厚労省の認可していない薬ならいざ知らず、認可されている薬品なので義務付けてもいいのではないでしょうか。 」(50代病院勤務,泌尿器科)「薬を多めにもらっては売って酒代に換える患者がいますし、月の前半でパチンコをして下旬はお金がなくなり栄養失調の病名で入院、月が変わった受給日には必ず退院する無料の宿泊施設としている患者もいます。ごくごくわずかでも良いので自己負担とすれば少しは抑制できるのでは。本当に必要な人の負担にならないくらいわずかな手数料が必要。」(30代以下病院勤務,脳神経外科)「無料では不必要受診を生む。昔のお年寄りの健康保険無料化のときと同じ弊害。 後発医薬品は薬効が低いというわけではないので、生活保護に関しては当然安い薬に限定するべきでしょう。」(50代病院勤務,その他診療科)「生活保護に限らずまるっきりただはよくない。 ワンコインでも負担すべき」(50代病院勤務,小児科)「タダだからとビタミン剤や感冒薬、睡眠薬などの無駄な薬や検査など何でも要求してくる。負担金を取ったほうが医療費の抑制になる。」(50代病院勤務,内科)

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第8回 説明義務 その2:説明するのは主治医? 執刀医?

■今回のテーマのポイント1.法的な説明義務の主体は、契約の当事者である医療機関であり、必ずしも当該患者におけるチーム医療の総責任者たる医師が行わなければならないわけではない2.他の者が説明を行う場合においては、チーム医療の総責任者は、条理上、患者やその家族に対し、手術の必要性、内容、危険性等についての説明が十分に行われるように配慮すべき義務を有する3.当該配慮義務の内容は、(1) 説明をするのに十分な知識、経験を有する者にこれを当たらせること(人選の妥当性)、(2) 必要に応じてその者を指導・監督すること(指導・監督の妥当性)である事件の概要患者(X)(死亡時67歳男性)は、平成10年8月頃から労作時に前胸部圧迫感が認められたため、同年9月にA病院の外来を受診しました。平成11年1月にA病院に検査入院したところ、大動脈弁閉鎖不全症があり、大動脈弁置換術が必要であると診断されました。その後、Xの自覚症状が持続していたことからA病院のB医師から同手術を受けるよう繰り返し勧められた結果、Xは、同年9月頃には手術を受ける決心をしました。Xは、A病院のB医師よりZ大学病院の心臓外科を紹介され、同年9月20日にZ大学病院に入院しました。Xに対する手術の執刀医はY1教授を予定し、入院主治医はY2となりました。主治医であるY2医師は、同月27日にX及びその家族に対し、翌28日に予定された手術の必要性、内容、危険性等について説明しました。同月28日、Xに対する大動脈弁置換術がY1教授の執刀で行われましたが、Xの大動脈壁が脆弱であったため、術中に縫合部より出血が生じ、その後心室細動を繰り返し、最終的には周術期心筋梗塞を発症してしまいました。周術期心筋梗塞に対し、大動脈冠状動脈バイパス術も行われましたが、ICUに戻った後もXの循環動態は改善せず、翌29日14時34分に死亡しました。これに対し、Xの家族は、執刀医であったY1教授及び主治医であったY2医師に対し、手術ミス及び説明義務違反があった等として、約4,200万円の損害賠償請求を行いました。第1審では、手術上のミスもなく、説明義務違反もないとして原告の請求を棄却しましたが、第2審では、術前にXの大動脈壁が脆弱である可能性が予見し得たのであるから、その点につき説明がなされていないとして説明義務違反を認め、315万円の損害賠償責任を認めました。この原審(第2審)で問題となったのは、直接、患者に説明したY2医師の説明義務違反があったとすることはまだしも、執刀医であったY1教授(Y2による説明時に同席していなかった)にも直接説明する義務があるとした点です。これに対し、Y1教授のみが上告したところ、最高裁は、Y1教授の説明義務違反につき、原審を破棄し、下記の通り判示しました。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過患者(X)(死亡時67歳男性)は、高血圧、高脂血症及び脳梗塞の既往がありました。平成10年8月頃から労作時に前胸部圧迫感が認められたため、同年9月にA病院の外来を受診しました。心エコー上大動脈弁閉鎖不全を認めたため、平成11年1月にA病院に検査入院しました。Xは、検査の結果、大動脈弁置換術が必要であると診断されました。その後、Xの自覚症状が持続していたことからA病院のB医師から同手術を受けるよう繰り返し勧められた結果、Xは、同年9月頃には手術を受ける決心をしました。Xは、A病院のB医師よりZ大学病院の心臓外科を紹介され、同年9月20日にZ大学病院に入院しました。Xに対する手術の執刀医はY1教授を予定し、入院主治医はY2となりました。Xに対し、同月25日まで術前検査が行われ、その結果、Z大学病院心臓外科でのカンファランスにおいても、大動脈弁置換術の手術適応があると判断されました。主治医であるY2医師は、同月27日にX及びその家族に対し、翌28日に予定された手術の必要性、内容、危険性等について説明しました。同月28日、Xに対する大動脈弁置換術がY1教授の執刀で行われましたが、Xの大動脈壁が脆弱であったため、術中に縫合部より出血が生じ、その後、心室細動をくり返し、最終的には、周術期心筋梗塞を発症してしまいました。周術期心筋梗塞に対し、大動脈冠状動脈バイパス術も行われましたが、ICUに戻った後もXの循環動態は改善せず、翌29日14時34分に死亡しました。事件の判決「一般に、チーム医療として手術が行われる場合、チーム医療の総責任者は、条理上、患者やその家族に対し、手術の必要性、内容、危険性等についての説明が十分に行われるように配慮すべき義務を有するものというべきである。しかし、チーム医療の総責任者は、上記説明を常に自ら行わなければならないものではなく、手術に至るまで患者の診療に当たってきた主治医が上記説明をするのに十分な知識、経験を有している場合には、主治医に上記説明をゆだね、自らは必要に応じて主治医を指導、監督するにとどめることも許されるものと解される。そうすると、チーム医療の総責任者は、主治医の説明が十分なものであれば、自ら説明しなかったことを理由に説明義務違反の不法行為責任を負うことはないというべきである。また、主治医の上記説明が不十分なものであったとしても、当該主治医が上記説明をするのに十分な知識、経験を有し、チーム医療の総責任者が必要に応じて当該主治医を指導、監督していた場合には、同総責任者は説明義務違反の不法行為責任を負わないというべきである。このことは、チーム医療の総責任者が手術の執刀者であったとしても、変わるところはない。これを本件についてみると、前記事実関係によれば、上告人〔Y1〕は自らX又はその家族に対し、本件手術の必要性、内容、危険性等についての説明をしたことはなかったが、主治医であるY2医師が上記説明をしたというのであるから、Y2医師の説明が十分なものであれば、上告人が説明義務違反の不法行為責任を負うことはないし、Y2医師の説明が不十分なものであったとしても、Y2医師が上記説明をするのに十分な知識、経験を有し、上告人が必要に応じてY2医師を指導、監督していた場合には、上告人は説明義務違反の不法行為責任を負わないというべきである。ところが、原審〔第2審〕は、Y2医師の具体的な説明内容、知識、経験、Y2医師に対する上告人の指導、監督の内容等について審理、判断することなく、上告人が自らXの大動脈壁のぜい弱性について説明したことがなかったというだけで上告人の説明義務違反を理由とする不法行為責任を認めたものであるから、原審の判断には法令の解釈を誤った違法があり、この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである」(最判平成20年4月24日民集62巻5号1178頁)※〔 〕は編集部挿入ポイント解説今回は説明義務の2回目となります。今回のテーマは、説明義務の主体についてです。前回指摘した通り、診療契約は、患者と医療機関(例外として、診療所でかつ、医師がひとりで法人化されていない場合等は当該医師個人との契約となります)との間で締結されています。したがって、医局、診療科などの病院内でのセクションの別や教授、准教授、診療部長等の雇用契約上の職位のほか、主治医、執刀医等の具体的な業務の割り振りは、原則的には、あくまで医療機関内部の問題にとどまります。医療従事者としては違和感を覚えるかと思われますが、一般の企業になぞらえれば理解しやすいかもしれません。顧客は、企業と契約をしているのであり、その場合、営業部か総務部かであったり、部長か課長かであったり、当該顧客の担当者か否かは企業内部の問題でしかなく、あくまで顧客は企業に対して契約上の権利を有しているのです。法的には、患者に対する説明義務は、診療契約上の義務として行われることになっています。したがって、診療契約の相手方である医療機関は適切な方法で説明義務を履行すればよく、必ずしも医療機関の一スタッフである主治医が、一から十までのすべてを口頭で説明する義務はないと考えられます。本判決の1つ目のポイントは、法的には当然ではありますが、まさにこの点について初めて明確に示された最高裁判決であるという点です。すなわち、「チーム医療の総責任者は、上記説明を常に自ら行わなければならないものではなく、手術に至るまで患者の診療に当たってきた主治医が上記説明をするのに十分な知識、経験を有している場合には、主治医に上記説明をゆだね、自らは必要に応じて主治医を指導、監督するにとどめることも許されるものと解される。そうすると、チーム医療の総責任者は、主治医の説明が十分なものであれば、自ら説明しなかったことを理由に説明義務違反の不法行為責任を負うことはないというべきである」と判示しており、このことは、実際に説明をするのが看護師であれ、ビデオであれ、文書であれ同様に言えることと考えられます。わが国では、法と倫理が混同されたまま議論されることが多々あるため、しばしば混乱が生じています。しかし、法的義務は、民事であれば適法/違法の問題であり、ひとたび違法と判断された場合には、本人がいくら真実は異なるからと拒否しても、国家権力により強制的に国民の財産を奪い取ることができるものであり、だからこそ、適法行為の予見可能性は国民の自由を確保するために必要不可欠なのです。一方、倫理の問題はそれとは異なり、たとえ倫理上不適切であったとしても、それがゆえに国民の自由が制限されることはありません。また、倫理観自体が国、宗教や時代によって大きく異なり、国民個々人がどのような倫理観を持つかは、思想信条の自由として憲法上保障されていますし、その結果、他人が異なる倫理観を持っていてもお互い尊重することが求められます。確かに、あるべき医師と患者の関係やインフォームド・コンセントの在り方はあると思いますし、わが国の国民感情として、主治医に懇切丁寧に説明してもらいたいという価値観があり、医師は、時間外だろうが、無給だろうが、無休だろうが、患者のために滅私せよという価値観もあります。しかし、このような説明義務の主体に関する事柄は、あくまで倫理的な問題であり、医師という職業集団として定める倫理規範によって規定すれば足りることです。これを超えて、契約概念を捻じ曲げてまで法的義務として国家権力が強制力をもって介入する問題ではないのです。本判決の2つ目のポイントは、上記のとおり説明義務の主体は、契約相手である医療機関内の誰がどのように行っても構わないが、それを実際に行う者を管理・監督すべき立場の医師はどのような責任を負うかです。この点について、本判決は、「チーム医療の総責任者は、条理上、患者やその家族に対し、手術の必要性、内容、危険性等についての説明が十分に行われるように配慮すべき義務を有するものというべきである。・・・主治医の上記説明が不十分なものであったとしても、当該主治医が上記説明をするのに十分な知識、経験を有し、チーム医療の総責任者が必要に応じて当該主治医を指導、監督していた場合には、同総責任者は説明義務違反の不法行為責任を負わないというべきである。このことは、チーム医療の総責任者が手術の執刀者であったとしても、変わるところはない」と判示しています。すなわち、管理・監督すべき医師は、患者やその家族に対し適切な説明がなされるよう配慮すべき義務があり、当該配慮義務の具体的な内容として、(1) 説明をするのに十分な知識、経験を有する者にこれを当たらせること(人選の妥当性)、(2) 必要に応じてその者を指導・監督すること(指導・監督の妥当性)としています。そして、この配慮義務がはたされた場合には、当該医師自らが説明していなくても責任を負うことはなく、また、万が一実際に説明を行った者の説明内容に不足があったとしても、それは当該説明を行った者の責任であり、管理・監督する医師は責任を負わないと判示しているのです。本判決においては、(1) 人選の妥当性及び(2) 指導・監督の妥当性の具体的な内容について判示していませんので、今後の判例の積み重ねによることとなりますが、(1) については、少なくとも法律上定められた教育を受け、国家資格を有する者に対して、なお知識、経験が足りないとすることは、国家資格制度を否定することにもなりかねませんので、有資格者に対しては謙抑的に判断すべきと考えます。また、(2) についても同様に判断すべきものと考えます。ただし、文書やビデオを用いて定型的、一般的な内容を伝える場合においては、当該患者の個別具体の病状に応じた説明を、自ら又は当該患者個人の病態を理解している、適切な者が補充する必要があることに注意していただきたいと思います。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。最判平成20年4月24日民集62巻5号1178頁

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第50回日本治療学会学術集会レポート 「泌尿器がん治療の過去と未来」

10月25日~27日にパシフィコ横浜(横浜市)にて第50回日本治療学会学術集会が開催された。ここでは、シンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」の中から、前立腺がん、腎がん、膀胱がん、泌尿器内視鏡についてレポートする。コンテンツ

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速報!! AHA 2012

AHA(米国心臓協会)学術集会が、11月3~7日に開催された。興味深い演題を厳選。速報で伝えます。また、後日、その発表に対し、J-CLEARによる解説を予定しています。発表は、日々の臨床にどのような影響を与えるのか?今後、どのように進展していくのか?演題一覧11月7日発表演題EndOVascular Treatment for Infra-inguinal Vessel, in Patients With Critical Limb Sichemia (olive) Registry in Japan日本における下肢虚血に対する血管内治療の成績発表:OLIVEレジストリRandomized Comparison of the Effects of Two Doses of Dabigatran Etexilate on Clinical Outcomes Over 4.3 Years: Results of the Rely-able Double-blind Randomized Trialダビガトラン長期投与で、脳梗塞リスクと出血リスクはどう変わる?11月6日発表演題LAPLACE-TIMI 57 Primary Results期待の『抗PCSK9抗体』の最大規模第II相試験、報告される -LAPLACE-TIMI57試験-Effect of Cardiac Stem Cells in Patients with Ischemic Cardiomyopathy: Interim Results of the SCIPIO Trial Up to 2 Years After Therapy虚血性心不全に対する初の心筋幹細胞移植、2年目成績が明らかに!-SCIPIO試験-11月5日発表演題Effects of the Cholesteryl Ester Transfer Protein Inhibitor Dalcetrapib in Patients with Recent Acute Coronary SyndromeCETP阻害薬によるHDL-C増加、今度は有用性を示せたか?:dal-OUTCOMESEnligHTN™ I, First-in-man Multi-center Study of a Novel Multi-electrode Renal Denervation Catheter in Patients with Drug-Resistant Hypertension同時複数箇所焼灼カテーテルを用いた腎動脈アブレーションの安全性:降圧効果は?:EnligHTN 111月4日発表演題A Randomized Trial of Bedside Platelet Function Monitoring to Adjust Antiplatelet Therapy Versus Standard of Care in Patients Undergoing Drug Eluting Stent Implantation: The ARCTIC Study待機的ステント留置例におけるVweyfi-Nowによる血小板活性測定の有用性、認められず:ARCTICResults of the Trial to Assess Chelation Therapy心筋梗塞後慢性期に対するキレート療法、有用性を確立するには至らず:TACT

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【日本治療学会2012】膀胱がん治療の過去と未来(筋層非浸潤性膀胱がん)

 第50回日本治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、大園 誠一郎氏(浜松医科大学泌尿器科)は、「筋層非浸潤性膀胱がんの治療」と題して、筋層非浸潤性膀胱がんの治療における、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の意義、BCGの維持療法、高齢者などに対する副作用を考慮した低用量BCG、そして今後の展望について講演を行った。TURBT再手術(セカンドTURBT)の意義 大園氏はまず、NCCNや日本泌尿器科学会による膀胱がんの診療ガイドラインを紹介した。筋層非浸潤性がんでは、膀胱の温存を目的としてTURBTが施行される。その後リスク分類に応じて、低リスクでは抗がん剤即時単回注入のみ、中リスクでは抗がん剤即時単回注入に続いて抗がん剤あるいはBCGの注入が行われ、中~高リスクに対してはセカンドTURBTが推奨される。 TURBTで完全切除を行っても残存腫瘍が認められることが多い。すなわち、初回TURBT後には76%に残存腫瘍があるとした報告(Herr HW. J Urol. 1999; 162: 74-76)に始まり、諸家により追試が行われ、まとめるとT1(粘膜下結合組織までの浸潤)腫瘍ではセカンドTURBTにより約45%の残存腫瘍が認められることが明らかになった(Schwaibold HE, et al. BJU Int. 2006; 97: 1199-1201)。さらに、セカンドTURBTの有用性を検討したプロスペクティグなランダム化試験も行われ(Divrik RT, et al. Eur Urol. 2010; 58: 185-190)、無再発生存率(59% vs. 32%、p=0.0001)および無増悪生存率(93% vs. 79%、p=0.0001)ともに、セカンドTURBTをルーチンに施行した群が非施行群に比較して有意に優っていた。 これらのエビデンスに基づいて、欧州泌尿器科学会(EAU)のガイドラインでは、多発および大きい腫瘍、病理組織に筋層が含まれていない場合、高グレードTa/T1またはT1腫瘍に対し、セカンドTURBTを考慮すべきとしている。NCCNガイドラインでも高グレードTaまたはT1腫瘍ではセカンドTURBTが施行される。日本泌尿器科学会の診療ガイドラインでも、高グレードT1腫瘍または病理組織に筋層が含まれていない場合には、セカンドTURBTが推奨レベルAとなっている。 さらに大園氏は、グレード3T1腫瘍に対してセカンドTURBTを施行して、T0となった症例をBCG膀胱内注入群と非注入経過観察(Watchful Waiting)群とにランダム化割り付けを行い、膀胱内再発率および進展率を比較するJCOG-1019試験が進行中であることを紹介した。BCG膀胱内注入および維持療法の意義と課題 米国におけるBCG膀胱内注入維持療法の無作為化比較試験(SWOG8507試験、Lamm DL, et al. J Urol. 2000; 163:1124-1129)では、高リスクのpTaT1上皮内がん(CIS)においては、コンノート株を用いたBCG導入療法単独群に比べ、導入療法に続いて維持療法を施行した群(導入療法開始から3年間)において有意な予後改善効果が得られた。とくに無再発生存期間中央値は2倍以上に延長し(77ヵ月vs. 36ヵ月、p<0.0001)、無増悪生存率にも有意差が認められた。 その後、9つの無作為化試験に登録された2,820例のメタ解析(Malmstrom PU, et al. Eur Urol. 2009; 56: 247-256)から、再発予防においてマイトマイシンCに比べBCG維持療法が優ることが報告された。 日本におけるBCG膀胱内注入維持療法の無作為化比較試験としては、エピルビシン群を対照群とし、コンノート株を用いた導入療法のみの群と維持療法を加えた群を比較する試験(PMCJ-9第Ⅲ相試験、Hinotsu S, et al. BJU Int. 2011; 108: 187-195)が実施されている。本試験では、エピルビシン群と比較して、BCG群(BCG導入療法群+維持療法群)で膀胱内無再発生存期間において有意な改善が認められた。また、維持療法施行群が導入療法のみの群よりも再発までの期間を有意に延長した。 これらのエビデンスより、日本泌尿器科学会の診療ガイドラインでBCG維持療法はTURBT施行後の高グレードの筋層非浸潤性膀胱がん、および上皮内がんに対して推奨レベルBとされている。 BCG膀胱内注入においては、副作用低減の目的から、BCGの減量が検討されている。BCG 81mgと27mgの比較では再発までの期間に差が認められず、全身性・局所性ともに有害事象が認められなかった症例の割合は、81mg群に対し、27mg群では有意に少ないことが示された(Martinez-Pineiro JA, et al. J Urol. 2005; 174: 1242-1247)。 日本でもBCG東京172株を用いたヒストリカル・コホート研究が行われ(Yoneyama T, et al. Urology. 2008; 71: 1161-1165)、80mgと40mgでは無再発生存率と無増悪生存率に差はなかった。現在、BCG日本株を用いて80mgと40mgの有用性を比較する医師主導型の無作為化第III相試験が進行中であり、2011年1月に160例の登録が完了した。 また、大園氏は、BCG膀胱内注入の課題として、病勢増悪を抑制できていないことを挙げた。一方、T1グレード3の高リスク筋層非浸潤性膀胱がんを対象として、TURBT後にBCG注入を行った群と診断後ただちに膀胱全摘術を行った群を比較した試験(De Berardinis E, et al. Int Urol Nephrol. 2011;43:1047-1057)では、無増悪生存率および膀胱がん特異的生存率には両群で差はなかったものの、全生存率はBCG群のほうが高いという結果であったことから、高リスク筋層非浸潤性膀胱がんに対して、まずBCG注入療法によるコントロールを試みることの重要性を強調した。 大園氏はBCG膀胱内注入療法の限界として、「約20%の患者が副作用のためにBCGに忍容性がないこと」、「約30%の患者がBCGに奏効しないか、5年以内に再発すること」、「セカンドラインのBCG注入を行っても長期間治療できるのは20~30%であること」などを挙げた。今後、これらの課題の克服と、BCGに対する効果予測因子の同定ならびにBCG注入療法の適切な注入レジメンの検討が求められる。「他の演題はこちら」

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高齢男性の大腿骨頸部骨折予防には地中海式ダイエットが効果あり!?

 大腿骨頸部骨折予防は重大な公衆衛生の課題である。ギリシャ・アテネ大学医学部WHO共同・食と栄養政策センターのBenetou V氏らは、欧州8ヵ国からなる成人コホートを対象に、地中海式ダイエットと大腿骨頸部骨折発生との関連を前向きに調査した。その結果、地中海式ダイエットの遵守と、とくに男性における大腿骨頸部骨折発生減少とに関連するエビデンスを見出したと報告した。これまで大腿骨頸部骨折発生に関与する食事内容のエビデンスはほとんど報告されていなかった。Osteoporos Int.誌オンライン版2012年10月20日号の掲載報告。 European Prospective Investigation into Cancer and nutrition studyの参加者合計18万8,795人(男性4万8,814人、女性13万9,981人)を適格とし解析に組み込んだ。 食生活について、ベースラインで食事評価ツールを用いて評価し、地中海式ダイエットの遵守については、地中海式ダイエットスコア(MDs:10点スケール、一価不飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸で置き換え)で評価した。 大腿骨頸部骨折発生との関連は、潜在的交絡因子で補正後のCox回帰モデルで評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者の平均年齢は48.6(±10.8)歳、追跡期間中央値9年間であった。その間に、802例の大腿骨頸部骨折発生が記録された。・地中海式ダイエットの遵守度の増加に伴い、大腿骨頸部骨折発生率は7%減少していた[MDs 1単位増加ごとのハザード比(HR):0.93、95%CI:0.89~0.98]。・この関連は、男性でエビデンスが明白で、高齢者でやや強かった。・1日の摂取量の1標準偏差に近づく増加量を用いた検討では、全サンプル中で、野菜を多く摂ること(HR:0.86、95%CI:0.79~0.94)、果物を多く摂ること(同:0.89、0.82~0.97)が、大腿骨頸部骨折発生率の低下と関連していた。・一方で、肉を多く摂ること(同:1.18、1.06~1.31)は、大腿骨頸部骨折の発生率の増加と関連した。過度の飲酒もリスク因子であった(中程度に対する高度のHR:1.74、95%CI:1.32~2.31)。

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ベンゾジアゼピンと認知症リスクの関連:PAQUID試験

 ベンゾジアゼピンの新規使用により認知症リスクが増大することが、フランス・ボルドー・セガレン大学のSophie Billioti de Gage氏らが実施したPAQUID試験で示された。多くの先進国では、診療ガイドラインの有無にかかわらず、高齢者へのベンゾジアゼピンの処方が広く行われ、習慣化している場合も多いという。ベンゾジアゼピンの短期投与の効果はよく知られているが長期投与の有害作用は明確ではなく、認知機能に対する遅発性の有害作用(認知機能低下、認知症)をもたらす可能性が、症例対照試験やコホート試験で指摘されている。BMJ誌2012年10月27日号(オンライン版2012年9月27日号)掲載の報告。認知症リスクを前向きコホート試験で評価 PAQUID試験は、加齢に伴う脳の変化の検討を目的に、南フランスで実施されたプロスペクティブなコホート試験。1987~1989年に、ジロンド県とドルドーニュ県に居住する65歳以上の一般住民から無作為に選ばれた3,777人が登録された。 今回の検討では、登録開始から3年間はベンゾジアゼピン系薬剤を使用しておらず、5年目までに認知症を発症していない住民1,063人(平均年齢78.2歳)を解析の対象とした。フォローアップ期間15年、ハザード比は1.60 15年のフォローアップ期間中に253人が認知症と診断された。ベンゾジアゼピンの新規使用により認知症のリスクが有意に増大した[多変量調整後ハザード比(HR):1.60、95%信頼区間(CI):1.08~2.38]。うつ症状の存在を考慮した感度分析でも同様の関連を認めた(HR:1.62、95%CI:1.08~2.43)。 フォローアップ期間中にベンゾジアゼピンの使用を開始した参加者のプール解析では、認知症の発症との有意な関連が認められた(HR:1.46、95%CI:1.10~1.94)。補足的なコホート内症例対照研究を行ったところ、ベンゾジアゼピン使用者は非使用者に比べ認知症のリスクが50%以上増大していた[調整オッズ比(OR):1.55、95%CI:1.24~1.95]。 使用歴があるが現在は使用していない者(OR:1.56、95%CI:1.23~1.98)と、現在使用中の者(OR:1.48、95%CI:0.83~2.63)の認知症リスクはほぼ同じだったが、有意差は前者にのみ確認された。 著者は、「ベンゾジアゼピンの新規使用により認知症リスクが増大することが示された」と結論し、「医師は有害事象の可能性を考慮しつつ、過度な頻用は慎むよう患者に注意をうながすべき」と指摘する。

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【速報!AHA2012】ダビガトラン長期投与で、脳梗塞リスクと出血リスクはどう変わる?

 非弁膜症性心房細動(AF)例を対象とした大規模試験 "RE-LY" において、直接的トロンビン阻害薬ダビガトランは、220mg/日と300mg/日の2用量が用いられた。その結果、300mg/日は220mg/日に比べ脳梗塞リスクは有意に減少させるも、大出血は増加傾向にあった(ただしいずれの用量でもワルファリンよりは低出血率)。この結果は、より長期の服用においても維持されるようだ。Stuart J. Connolly氏(マクマスター大学:カナダ)がRELY-ABLEの結果として、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションで報告した。  RELY-ABLEはRE-LYの延長試験である。対象は、RE-LY参加18,113例中、終了時にダビガトランを服用していた9011例のうち、RELY-ABLE参加施設に登録され、かつ同意の得られた5,851例である(RE-LY全体の32.3%)。RE-LYと同様の「脳卒中・全身性塞栓症の抑制率」・「出血リスク」が維持されるか検討した。その結果、下記のデータからConnolly氏は、「RE-LYで示された傾向は維持されている」と結論している。  すなわち、平均2.3年間のRELY-ABLE追跡期間中、「脳卒中・全身性塞栓症」発生率は、300mg/日群:1.46%、220mg/日群:1.60%、だった(RE-LYではそれぞれ1.11%、1.53%)。 この結果をRE-LY参加18,113例のデータと併せると、平均3年間の追跡期間で、ダビガトラン300mg/日群の「脳卒中・全身性塞栓症」発生率は1.25%/年、220mg/日群は1.54%となり、300mg/日群で有意に低かった(ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66~0.96)。  次に大出血は、RELY-ABLE追跡期間中、300mg/日群で3.74%/年、220mg/日群は2.99%/年だった(RE-LYではそれぞれ3.11%、2.71%)。リスクを比較すると、300mg/日群で有意に高かった(ハザード比:1.26、95%信頼区間:1.04~1.53)。 こちらもRE-LY全例のデータと併合すると、大出血の年間発生率は、300mg/日群:3.38%、220mg/日群:2.83%となり、やはり300mg/日群のリスクが有意に高かった(ハザード比:1.20、95%信頼区間:1.07~1.35)。頭蓋内出血も同様の傾向を示した(ハザード比:1.45、95%信頼区間:0.98~2.16)。 生存率は、RELY-ABLE追跡期間中、RELY-ABLE+RE-LY全例のいずれにおいても、300mg/日群と220mg/日群で同等だった。  この成績について指定討論者のRobert P Giugliano氏(ハーバード大学:米国)は、RELY-ABLEに参加する時点で対象は多くのセレクションを経ているため、300mg/日群と220mg/日群の背景はRE-LY開始時のように揃っていない(無作為化は維持されていない)点を指摘。さらに、RELY-ABLEでは服用中止時点で追跡も終了するため、「レジストリ研究というよりは観察研究」に近いと指摘した。取材協力:宇津貴史(医学レポーター)「他の演題はこちら」

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【日本治療学会2012】腎がん治療の過去と未来

 第50回日本治療学会学術集会(2012年10月25日~27日)のシンポジウム「泌尿器がん治療の過去と未来」にて、金山博臣氏(徳島大学大学院HBS研究部泌尿器科学)は、「腎がん:サイトカイン、分子標的治療など」と題して、腎がんのサイトカイン療法および分子標的治療の歴史と現在の標準治療、今後の展望について講演を行った。●サイトカイン療法の時代 日本では2008年に腎がんに対して最初の分子標的治療薬であるソラフェニブが承認されるまで、腎がんの治療はインターフェロンα(IFNα)または低用量インターロイキン2(IL-2)、あるいは両剤の併用療法によるサイトカイン療法が中心であった。 肺転移を有する淡明細胞がんを対象としたIL-2とIFNα併用療法の多施設共同研究(Akaza H, et al. Jpn J Clin Oncol. 2010; 40: 684-689)によると、全症例での奏効率は35.7%、NC以上は73.8%と腫瘍縮小効果が高く、6ヵ月時点での無増悪生存率は60%以上であり、奏効した症例ではその効果が長く持続することが示された。 また、1,463例を対象としてサイトカイン療法の予後を検討した日本の40施設の共同研究(Naito S, et al. Eur Urol. 2010; 57: 317-325)の成績によると、生存期間中央値21.4ヵ月、5年生存率22.5%であり、poor riskの患者群でも生存期間中央値9.8ヵ月という良好な成績が得られている。 金山氏は、これらの分子標的治療が登場する以前の日本の腎細胞がんのエビデンスをまとめ、IFNαや低用量IL-2、あるいはその併用療法によるサイトカイン療法は、肺転移を伴う淡明細胞がんに対して有効であり、転移巣の切除や腎摘除術が予後の改善に寄与したと述べた。その他の治療(ミニ移植、ペプチドワクチン療法、樹状細胞療法)ではサイトカイン以上の有効性を示すエビデンスは得られなかった。●分子標的療法の時代 日本では現在、VEGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)としてソラフェニブ、スニチニブ、およびアキシチニブ、mTOR阻害薬としてエベロリムスとテムシロリムスの5剤が承認されている。金山氏は、それらの薬剤の主要なエビデンスをレビューした。 転移性の淡明細胞がんの患者750例を対象とし、ファーストライン治療においてスニチニブとIFNαを比較した第III相試験(Motzer RJ, et al. N Engl J Med. 2007; 356: 115-124)の結果から、スニチニブはIFNαに比べ無増悪生存期間(PFS)を有意に延長させ(ハザード比0.42、95%CI:0.32~0.54、p<0.001)、奏効率もスニチニブ群で有意に高い(Central reviewにて、31% vs. 6%、p<0.001)ことが示された。Grade 3/4の倦怠感の発現率はIFNα群で高く、下痢はスニチニブ群で多かったが、QOLの評価はスニチニブ群で有意に良好であった。 N Engl J Med誌の同じ号には、サイトカイン療法に抵抗性を示す進行淡明細胞がん患者903例を対象として、ソラフェニブとプラセボを比較した第III相試験(Escudier B, et al. N Engl J Med. 2007; 356: 125-134)の結果が掲載された。それによると、PFS中央値はソラフェニブ群5.5ヵ月に対しプラセボ群2.8ヵ月(ハザード比0.44、95%CI:0.35~0.55、p<0.01)であった。2005年5月の解析時の全生存期間(OS)でも延長が認められたが(ハザード比0.72、95%CI:0.54~0.94、p=0.02)、統計学的に有意ではなかった。主なソラフェニブによる有害事象は、下痢、発疹、倦怠感、手足症候群であった。 Poor riskの淡明細胞がん患者626例を対象に、ファーストライン治療においてmTOR阻害薬のテムシロリムス、IFNαの単剤、および両剤の併用療法を比較した第III相試験(Hudes G, et al. N Engl J Med. 2007; 356: 2271-2281)の結果によると、テムシロリムス群はIFNα群に比べて、OS(ハザード比0.73、95%CI:0.58~0.92、p=0.008)、およびPFSともに有意な延長が認められた。一方で、併用療法群はIFNα群に比べて有意なOSの延長は示されなかった。IFNα群、テムシロリムス群、併用群の生存期間中央値はそれぞれ7.3ヵ月、10.9ヵ月、および8.4ヵ月であった。テムシロリムス群の有害事象として、発疹、末梢浮腫、高血糖、高脂血症が多く出現したが、重篤な有害事象の発症頻度はIFNα群に比べて低かった。 転移性腎細胞がん患者649例を対象として、ファーストライン治療で抗VEGF抗体のベバシズマブ+IFNαの併用療法とIFNαを比較した第III相試験(Escudier B, et al. Lancet. 2007; 370: 2103-2111)によると、併用群で有意なPFS中央値の延長が認められた(10.2ヵ月 vs. 5.4ヵ月、ハザード比 0.63、95%CI:0.52~0.75、p=0.0001)。併用群で多く認められたGrade 3以上の有害事象は倦怠感と無力症であった。 また、スニチニブやソラフェニブによる治療後に増悪した転移性腎細胞がん患者410例を対象に、エベロリムスとプラセボを比較した第III相試験(Motzer RJ, et al. Lancet. 2008; 372: 449-456)では、エベロリムス群で有意なPFSの延長が示された(4.0ヵ月 vs. 1.9ヵ月、ハザード比0.3、95%CI:0.22~0.40、 p

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初回エピソード統合失調症患者におけるGABA機能への影響

 統合失調症患者では皮質内抑制ネットワークの障害がしばしば認められる。これは、γ‐アミノ酪酸(GABA)作動性の伝達機能障害と関連すると考えられる。これまで初回エピソード発現リスクの高い未治療患者を対象とした研究は行われていなかったが、ドイツのHasan氏らによる断面研究の結果、リスクが高まった時には皮質抑制性の障害がすでに出現していることから、疾患進行と共に起きているようにみえるGABAの機能障害が、疾患早期から起きている可能性が示唆された。Biol Psychiatry誌2012年11月1日号の報告。 統合失調症リスクが高い18例、初回エピソードを呈した18例、健常対照者18例を本研究に組み込んだ。左主要運動野への経頭蓋磁気刺激にて、短潜時皮質内抑制、皮質内亢進、対側性の静止期間(CSP)を判定した。短潜時皮質内抑制はGABA A型[GABA(A)、抑制を伝達]を指標とみなすことができるとし、CSPはGABA B型[GABA(B)、皮質内抑制ネットワークを伝達]を調べることとした。主な結果は以下のとおり。・統合失調症の発症リスクが高い状態および初回エピソード時には、皮質内抑制ネットワークに特異的変化があらわれていることが明らかになった。・リスクが高い状態および初回エピソードを呈した被験者は、健常対照者と比べて、GABA(A)が低下を示し、短潜時皮質内抑制の低下が示された。・初回エピソード患者は、その他2つのグループと比較して、CSP期間が長期であった。これは、GABA(B)アンバランスが統合失調症顕在発症の患者でのみ認められることを意味する。・解析では、皮質内亢進について群間差はみられなかった。関連医療ニュース ・なぜ?第二世代抗精神病薬投与による“強迫症状”発現機序 ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」 ・統合失調症患者の「自傷行為」に関連する予測因子

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【速報!AHA2012】日本における下肢虚血に対する血管内治療の成績発表:OLIVEレジストリ

 近時、下肢虚血に対する血管内治療(EVT)の進歩が著しい。その一方、網羅的な実態は必ずしも明らかではなかった。そのため、わが国では”OLIVE”レジストリが組織され、 重症下肢虚血例に対するEVTの実態把握にのりだした。その成績が、学会最終日となる7日、Clinical Science:Special Reportsセッションにて、中村正人氏(東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授)により報告された。  OLIVEレジストリは、鼠径靭帯下へのEVT施行例を追跡したプロスペクティブな多施設登録研究である。対象はRatherfold分類4群以上の重症虚血、バイパス術施行は除外されEVT施行例のみが対象である。全国19施設から、312例が登録された。 責任病変は17%が膝上、42%が膝下、残り41%は膝上・膝下にまたがっていた。膝下病変のみを除外しても、TASC II分類はType Dが35%、Type Cが24%を占めていた。 背景因子を見ると、糖尿病合併の高さ(71%)と透析導入例の多さ(52%)が特徴的だった。  さて、本レジストリの一次評価項目である1年間の「下肢大切断回避・生存率」は、74%だった。多変量解析で求めたところ、「BMI<18.5」、「心不全」、「創傷感染」が有意なリスク増加因子となっていた。 なお二次評価項目の「生存率」は81%、「下肢大切断・バイパス術回避」率は88%、「VET再施行回避率」は63%だった。 中村氏はこの結果を、VET再施行率は低くないが、「下肢大切断回避・生存率」と「下肢大切断・バイパス術回避」率は申し分ないと評した。  これに対し、指定討論者のMichael Conte氏(UCSFメディカルセンター)は、以下を指摘した。同氏は血管外科医である。 まず、本レジストリが、重症虚血肢「一般」を反映しているか問われた。同氏曰く、糖尿病合併例52%は桁外れに高い。加えて、バイパス術を施行された重症下肢虚血例は本レジストリには含まれていない。また同氏は、本当に「重症」虚血肢のみが対象となっていたかについても疑義を呈した。そして神経性潰瘍例が一定数含まれていたのではないかと述べた。 加えて、37%を占めた「VET再施行」では、再施行の回数と時期を明らかにすべきだとの注文もついた。 さらに同氏は、観察期間はより長期であるべきとも考えているようだ。VETをバイパス術と比較した大規模試験BASILにおいて、VETとバイパス術の優劣が明らかになったのは、施行後2年間が経過した時点だった。取材協力:宇津貴史(医学レポーター)「他の演題はこちら」

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化学療法への誤解、医師とのコミュニケーションが良い人が悪い人の約2倍

 転移性肺がん・大腸がん患者の大半は、化学療法によってがんが治癒すると誤解していることが明らかになった。また誤解をしている人の割合は、医師・患者間のコミュニケーションが良いと感じている患者の方が高かった。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のJane C. Weeks氏らが、約1,200人の転移がん患者を対象に行った調査で明らかにしたもので、NEJM誌2012年10月24日号で発表した。転移性の肺がんや大腸がんに対する化学療法は、数週間から数ヵ月の延命効果は期待でき症状が緩和される可能性はあるが、治癒は得られない。転移性の肺がん・大腸がんで化学療法を受けた1,193人を調査 研究グループは、がん患者についての全米前向き観察コホート試験である「Cancer Care Outcomes Research and Surveillance」(CanCORS)の参加者で、転移性の肺がんまたは大腸がんで、診断後4ヵ月時点で生存しており転移性がんに対する化学療法を受けた1,193人を対象に調査した。  化学療法によって、がんが治癒する可能性があると期待している人の割合と、そうした人の臨床的、社会経済的特徴などの関連を分析した。誤解は、大腸がん患者のほうが肺がん患者より多い その結果、化学療法によって、自分のがんが治癒する可能性が全くないことを理解していると回答しなかった人の割合は、肺がん患者の69%、大腸がん患者の81%に上った。  多変量ロジスティック回帰分析の結果、化学療法に対するこうした不正確な確信を持っている人の割合は、大腸がん患者の方が肺がん患者より多かった(オッズ比:1.75、95%信頼区間:1.29~2.37)。また、非白人とヒスパニック系が、非ヒスパニック系白人に比べて多く(黒人に対するオッズ比:2.93、同:1.80~4.78、ヒスパニック系に対するオッズ比:2.82、同:1.51~5.27)、医師とのコミュニケーションが非常に良いと評価した上位3分の1が、下位3分の1の人に比べて多かった(オッズ比:1.90、同:1.33~2.72)。  一方、教育レベルや身体機能の状態、意思決定における患者の役割などは、化学療法に対する不正確な確信の割合との関連はみられなかった。 結果を受けてWeeks氏は、「不治のがんに対する化学療法を受けている患者の多くは、治癒する可能性は低いことを理解していない可能性がある。そのため十分な情報に基づき、自らの意向に沿った判断ができていない可能性がある。医師は患者の満足度を犠牲にするかもしれないが、患者の理解を改善できるだろう」とまとめた。

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血中ビタミンD値が高くても、抗皮膚がん効果は認められず

 ビタミンDは、抗皮膚がん効果を有する可能性があるとされるが、これまで住民ベースの検討によるエビデンスはほとんどなかった。オーストラリア・クイーンズランド医学研究所のJolieke C van der Pols氏らは、同国の亜熱帯地域住民を対象に、血中ビタミンDレベルと皮膚がんリスクの関連について評価。その結果、血中ビタミンDが高いと、高い日光曝露の発がん性を打ち消すという可能性は示されなかったことを報告した。J Invest Dermatol誌オンライン版2012年10月18日号の掲載報告。 オーストラリア亜熱帯地域に住む、ベースラインで血中25(OH)ビタミンDの評価を受けた成人を11年間、前向きに追跡し、皮膚がん発生率について解析した。 年齢、性、普段外で過ごす時間、表現型特性、その他の可能な限りの交絡因子を補正後、多変量ロジスティック回帰分析を用いてリスクを算出し検討した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、1,191例(平均年齢54歳)であった。・血中25(OH)ビタミンD値が75nmol/L超であった被験者は、75nmol/L以下であった被験者と比べ、基底細胞がん[オッズ比(OR):1.51、95%CI:1.10~2.07、p=0.001]、メラノーマ(OR:2.71、0.98~7.48、p=0.05)を発症した頻度が高かった。・一方で、扁平上皮がんの発症は、75nmol/L超であった被験者のほうが低い傾向がみられた(同:0.67、0.44~1.03、p=0.07)。・血中25(OH)ビタミンD値を50nmol/L超または以下で階層化した場合も、ビタミンDと皮膚がん発生との関連はみられなかった。・高い日光曝露の発がん性が、高いビタミンD状態によって相殺される可能性は示されなかった。高いビタミンD状態を達成する手段として、高い日光曝露は回避されるべきである。

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睡眠薬、長期使用でも効果は持続

 一般的に睡眠薬の長期使用にあたっては耐性や依存などに留意すべきである。また、長期使用時に効果の減弱が認められることもある。Randall氏らは世界で汎用されている睡眠薬であるゾルピデムの長期有効性を無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験で検証した。Sleep誌2012年11月1日号の報告。 対象は、DSM-IV-TRにて原発性不眠症の基準を満たす健康成人91例(年齢23~70歳)。毎夜就寝30分前にゾルピデム10㎎(60歳超の患者では5㎎)またはプラセボを8ヵ月間投与した。1ヵ月目および8ヵ月目の2夜に睡眠ポリグラフ検査と朝の睡眠の評価を行った。主な結果は以下のとおり。・1ヵ月目と8ヵ月目の評価において、ゾルピデム群はプラセボ群と比較し、総睡眠時間と睡眠効率は有意に増加し、睡眠潜時と入眠後の覚醒は減少した。・全体として、効果の主観的評価は治療群間で差が認められなかった。・ゾルピデムの治療効果は8ヵ月間の継続使用期間においても維持された。関連医療ニュース ・【学会レポート】2012日本臨床精神神経薬理学会・日本精神神経薬理学会合同年会 ・不眠症に対する“はり治療”そのエビデンスは? ・寝不足は事故のもと!不眠による経済損失は他疾患より高い

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【速報!AHA2012】虚血性心不全に対する初の心筋幹細胞移植、2年目成績が明らかに!-SCIPIO試験-

 学会3日目となる6日のLate Breaking Clinical Trialsセッションでは、昨年の本学会で報告されたSCIPIO試験の2年追跡データが報告された。心筋梗塞後の左室機能低下例に対する、初の心筋幹細胞移植の安全性・有効性を検討した第 I 相試験である。2年間追跡後も、1年間追跡時と同様の有用性が確認された。ルイビル大学(米国)のRoberto Bolli氏が報告した。  SCIPIO試験の対象は、心筋梗塞既往を認め、2週間以内のCABG施行が予定されていた左室機能低下例(左室駆出率≦40%)である。今回報告されたのは移植20例、対照13例のデータである。 移植する心筋幹細胞は、CABG施行時に採取した心筋からc-kit陽性細胞を単離して培養。経カテーテル的にバルーンを用いて、冠動脈から心筋に注入した。  その結果、NYHA分類は、移植4か月後に平均0.68と、移植前に比べ有意に改善したのに引き続き、1年後は0.89、さらに2年後には0.92と、改善していた(いずれも移植前に比べ有意)。対照群では、このような有意な改善は認められなかった。またQOL(ミネソタ心不全QOL質問票スコア)も、心筋幹細胞移植群でのみ、有意な減少を認めた。  心機能を見ると、3次元エコーで評価した左室駆出率(EF)は移植1年後と同様、2年経過後も、移植群でのみ有意に改善した(対照群では不変)。また移植群のEFは、経時的に増加する傾向を認めた。移植群における経時的EFの増加は、MRI評価可能例での検討でも認められた。  心筋幹細胞移植による心機能改善の可能性を示した本試験だが、わが国からは東海大学特任准教授 細田 徹氏が参加している。同氏はc-kitを用いた心筋幹細胞単離法を確立したグループの一員である。 また本セッションでは、心筋幹細胞移植を検討したもう一つの臨床試験ALCADIAを、京都府立医科大学客員講師の竹原有史氏が報告している。こちらはc-kit陽性細胞ではなく生検で摘出したcardiosphereを用いて、CABG施行時に移植。さらに生体溶解シートを用いたbFGF(線維芽細胞増殖因子)持続投与を組み合わせている。こちらも虚血後左室機能低下例に対する有用性が示唆されており、心筋幹細胞移植医療における日本人研究者の活躍が光るセッションとなった。取材協力:宇津貴史(医学レポーター)「他の演題はこちら」

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