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第3世代バイオリムス溶出性ステントの有効性・安全性/Lancet

 第3世代の生分解性ポリマーを使用したバイオリムス溶出性ステントは、第1世代のシロリムス溶出性ステントと比較して、1年フォローアップ時点の臨床アウトカムを改善しなかったことが、デンマーク・Aarhus大学病院のEvald Hoj Christiansen氏らによる非劣性試験SORT OUT Vの結果、報告された。第3世代の生分解性ポリマー薬剤溶出性ステントは、第1世代の永続性ポリマーを使用した薬剤溶出性ステントと比べてステント血栓症のリスクを低下する可能性が示されていた。Lancet誌オンライン版2013年1月30日号掲載報告より。 第1世代シロリムス溶出性ステントと安全性・有効性を比較 研究グループは住民ベースにおいて、生分解性ポリマー・バイオリムス溶出性ステントの効果を永続性ポリマー被覆のシロリムス溶出性ステントと比較することを目的とした。 SORT OUT V試験は、多施設共同全来院者による無作為化非劣性試験で、デンマーク西部の3施設で行われた。適格患者は、慢性安定性冠動脈疾患または急性冠症候群を有し、1つ以上の冠動脈病変(径狭窄率>50%)がある18歳以上の者とした。 被験者はコンピュータにより無作為化され、生分解性ポリマー・バイオリムス溶出性ステント(ノボリ、テルモ製)または永続性ポリマー・シロリムス溶出性ステント(Cypher Select Plus, Cordis, Johnson & Johnson,Warren製)を受ける群に割り付けられた。 主要エンドポイントは9ヵ月時点の安全性(心臓死、心筋梗塞、確認されたステント血栓症)と有効性(血行再建)の複合アウトカムとし、intention to treat解析にて評価した(非劣性マージン0.02)。 1年時点での臨床アウトカムの改善認められず 2009年7月~2011年1月に、バイオリムス溶出性ステント群に1,229例(病変数1,532)が、シロリムス溶出性ステント群に1,239例(病変数1,555)が無作為化され追跡された。患者1例は移住のため追跡不能であった。 intention to treat解析の結果、主要エンドポイントを達成したのは、バイオリムス溶出性ステント群50例(4.1%)、シロリムス溶出性ステント群39例(3.1%)だった。リスク差は0.9%(95%CI上限値:2.1%)であった。 安全性について、12ヵ月時点のステント血栓症の発生が、バイオリムス溶出性ステント群(9例・0.7%)のほうがシロリムス溶出性ステント群(2例・0.2%)よりも有意に高率だった(リスク差:0.6%、95%CI:0.0~1.1、p=0.034)。 またper-protocol解析の結果、主要エンドポイントを達成したのは、バイオリムス溶出性ステント群は1,193例のうち45例(3.8%)であり、シロリムス溶出性ステント群は1,208例のうち39例(3.2%)であった。リスク差は0.5%(95%CI上限値:1.8%)だった(非劣性のp=0.03)。 以上を踏まえて著者は、「1年時点で、バイオリムス溶出性“ノボリ”ステントは、第1世代のシロリムス溶出性ステントと比べて臨床アウトカムを改善しなかった。バイオリムス溶出性ステントを日常診療に用いることを推奨するには、長期データを入手する必要があるだろう」と結論している。

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プライマリ・ケアにおける脊椎MRI検査、その意義に疑問符

 プライマリ・ケアで脊椎MRI検査の利用が増加しているが、MRI所見とその後の診療との関連についてはほとんど知られていない。カナダ・マックマスター大学/Institute for Clinical Evaluative SciencesのJohn J. You氏らは、プライマリ・ケアで脊椎MRI検査を受けた患者のうち半数近くが手術評価のため整形外科または神経外科に紹介されるが、その大半は手術を受けていないことを、後ろ向き研究により明らかにした。「プライマリ・ケアにおけるMRI検査はその後の手術の要否を判別できておらず、脊椎の愁訴を有する患者を評価する代替法を検討すべきであることが示唆される」とまとめている。Spine誌2013年1月1日号の掲載報告。 本研究の目的は、プライマリ・ケア医の指示による腰仙椎または頸椎MRI検査後の診療について調査することである。 カナダ・オンタリオ州において脊椎MRI検査を受けた外来患者の医療記録と保険データベースを分析した。 主な結果は以下のとおり。・プライマリ・ケア医の指示で腰仙椎のMRI検査を受けた647例のうち、整形外科医もしくは神経外科医の診察を受けた患者は288例(44.5%)で、その後3年以内に手術を受けた患者は42例(6.5%)であった。・同様に頸椎のMRI検査を受けた373例のうち、164例(44.0%)は整形外科医もしくは神経外科医の診察を受けたが、3年以内に手術を受けた患者はいなかった。・腰仙椎のMRI検査で重度の椎間板ヘルニアまたは脊柱管狭窄症を認めた患者は、その後手術を受ける可能性が高かった[それぞれ尤度比は5.62(95%CI:2.64~12.00)および2.34(同:1.13~4.85)]。・MRI検査で異常所見が認められた患者の多くは、手術を受けていなかった。一方で、MRI検査で異常所見がなければ、その後の手術の可能性が有意に低いということも示されなかった。【おすすめコンテンツ】~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケース解説

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クロストリジウム・ディフィシル感染症再発に健康なドナー便の注入が有効/NEJM

 クロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)感染症再発後の治療について、ドナー便の十二指腸注入が、バンコマイシン治療よりも有意に効果が高いことが示された。オランダ・アムステルダム大学のEls van Nood氏らが、C.ディフィシル感染症の再発患者について行った無作為化試験の結果で、初回便注入による下痢症状消失の割合は8割以上であったという。C.ディフィシル感染症再発の治療は困難で、抗菌薬治療の失敗率が高い。NEJM誌2013年1月31日号(オンライン版2013年1月16日号)掲載報告より。ドナー便注入群、抗菌薬単独治療群、抗菌薬治療+腸洗浄群の3群を比較 研究グループは、抗菌薬治療完了後にC.ディフィシル感染症の再発が認められた43人を無作為に、(1)バンコマイシンの短期投与(500mg経口投与、1日4回、4日間)に続き、腸洗浄の後、健康なドナー便を経鼻十二指腸管注入する群(17人)、(2)標準的バンコマイシン投与群(13人、500mg経口投与、1日4回、14日間)、(3)標準的バンコマイシン投与と腸洗浄を行う群(13人)に割り付け検討した。 主要エンドポイントは、10週間後の下痢症状の消失(C.ディフィシル感染症の再発が認められない)とした。16人中13人が、ドナー便初回注入後に下痢症状消失 試験を終了したのは、41人だった。 便注入群16人のうち13人(81%)で、初回注入後にC.ディフィシル感染症関連の下痢症状が消失した。同群残り3人のうち2人は、2回目の便注入(別のドナー便)後に同症状が消失した。 バンコマイシン投与群では単独投与群13人のうち4人(31%)と、バンコマイシン+腸洗浄群13人中3人(23%)だった(いずれも便注入群との比較でp<0.001)。 有害事象発生率については、ドナー便注入群で注入を行った当日に、軽度下痢症状と腹部痙攣が認められたが、その他についてはいずれの群とも同程度だった。 ドナー便注入群の注入後の便は、細菌が多様となり、健康なドナーと同程度となっていた。クテロイデス種とクロストリジウムクラスターIV、XIVaが増加し、プロテオバクテリア種が減少していた。

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認知症に対する非定型抗精神病薬処方、そのリスクは?

 認知症治療において、興奮症状などを抑制する目的で抗精神病薬が用いられることは少なくない。今後、認知症の増加に伴い、使用頻度がますます増加すると予想されることから、日本老年精神医学会では、認知症に対する抗精神病薬の使用状況について実態調査を行い、死亡率との関係を調べる計画である。 このたび、カナダ・Women's College HospitalのPaula A. Rochon氏らは住民ベースの後ろ向きコホート研究から、認知症における非定型抗精神病薬投与と重大なイベント発症との関係を調査した。その結果、非定型抗精神病経口薬治療について、認知症高齢者では開始直後の重大イベントの発生リスクが高いこと、また治療開始後30日までの重大イベントについては全体でも階層グループ(ケアや年齢、併存疾患などによる)別にみた場合でも、女性よりも男性のほうが一貫してリスクが高いことが示された。Journal of the American Geriatrics Society誌2013年1月号(オンライン版2013年1月10日号)の掲載報告。 研究グループは、高齢者の薬物療法における性差について明らかにすることを目的とした。カナダ、オンタリオ州に居住する認知症高齢者で、2007年4月1日~2010年3月1日の間に、新規に非定型抗精神病経口薬治療を開始した2万1,526人(女性1万3,760人、男性7,766人)を対象とした。重大イベントを、治療開始後30日までの入院または死亡と定義し、女性、男性の未調整/調整オッズ比を、全コホートならびに各階層群(治療、年齢、チャールソン併存疾患指数(CCI)、抗精神病薬投与量に基づく)において算出し、比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・調査対象の2万1,526人(年齢中央値84歳)のうち、1,889人(8.8%)が重大なイベントを有した。女性は1,044人(7.6%)、男性は845人(10.9%)であった。・死亡例は、女性363人(2.6%)、男性355人(4.6%)であった。・30日の追跡調査期間における入院または死亡は、男性のほうが女性よりも多く発生しており(補正オッズ比:1.47、95%CI:1.33~1.62)、その傾向は各階層別にみた場合も一貫していた。・女性と男性の間での重大イベント発症について、薬剤投与量に準じたリスクの勾配が認められた。関連医療ニュース ・抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う? ・認知症患者に対する抗精神病薬処方の現状は?

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第11回 転医義務:「妊婦たらい回し事件」から考える周産期救急体制とは!

■今回のテーマのポイント1.転医義務には、大きく分けて(1) 医療連携のための転医義務、(2) 専門外診療時の転医義務、(3) 診療不能時の転医義務の3種類がある2.転医義務は手段債務(転医先を探すこと)であり、結果債務(転医先を見つけること)ではない3.救急医療の整備・確保は、医師個人の努力によってカバーするものではなく、国や地方自治体の最も基本的な責務である事件の概要32歳女性(X)。妊娠41週2日。出産予定日を渡過したため、分娩目的にてY病院に入院しました。ところが、Xは午前0時頃からこめかみの痛みを訴え、同0時14分頃に意識消失しました。産科医であるA医師は、当直していた内科医であるB医師に診察を依頼したところ、B医師は失神であると診断し、経過観察をするよう助言しました。しかし、経過観察をしていたところ、午前1時37分頃、血圧上昇(200/100mmHg)に引き続きけいれん発作が生じたため、A医師は、救急車を要請しました。ところが、深夜の上に意識障害を伴う妊婦の処置ができる施設は限られていることから、転送先の確保に時間がかかり、結局、県外にある転送先病院(D病院)がみつかるまで約3時間かかってしまいました。Xは、D病院に搬送され、脳出血と診断され開頭血腫除去術および帝王切開術が行われました。しかし、児は無事に娩出されましたが、母体(X)の脳出血は脳室穿破しており、血腫除去は行われたものの、8日後に死亡しました。Xの夫および子は、Y病院およびA医師に対し、「Xの転院が遅延した過失がある」として約8,900万円の損害賠償請求を行いました。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過32歳女性(X)。妊娠41週2日。出産予定日を渡過したため、分娩目的にてY病院に入院しました。ところが、Xは午前0時頃からこめかみの痛みを訴え、同0時14分頃に意識消失しました。産科医であるA医師は、当直していた内科医であるB医師に診察を依頼しました。B医師はXのJCS100~200点であるものの、神経所見に異常はなく、バイタルサインも問題なかったことから、陣痛による精神的な反応から来る心因的意識喪失発作であり、このまま様子をみるのが相当と判断しました。その後、モニターを設置し、助産師が10分おきに経過観察をしていました。その間、Xは、意識がない状態が続いていたものの、バイタルサインに問題はなく、陣痛発作時に四肢を動かしたり、顔をしかめたりしていました。しかし、午前1時37分頃、モニター上、血圧が上昇したことから、助産師と看護師がXのもとに赴いたところ、Xは、いびきをかいており、四肢をつっぱったような形で反り返ったような姿勢を示しており、血圧は200/100mmHgでした。助産師は直ちにA医師に連絡し、駆け付けたA医師が診察したところ、Xの瞳孔は中程度の散大固定をしており、対光反射は消失していました。応援に駆け付けたB医師は、A医師に対し、頭部CT検査を行うか尋ねましたが、Y病院では、夜間にCT検査を行う場合、実際に撮影するまでに40~50分程度かかることから、A医師は、検査をするより、直ちに転送した方がよいと考え、午前1時50分頃、同県の周産期医療情報システムに則って、C大学病院に受け入れ依頼をしました。ところが、C大学病院は、ベッド満床のため受入れ不能であったことから、C大学病院の方で、他の病院を探して見つかった時点でY病院に連絡することとなりました。しかし、通常は、長くても1時間程度で搬送先が決まっていたところ、1時間たっても2時間たっても見つかりませんでした。結局、4時半頃になり、隣県のD病院が受け入れ可能であるとの連絡があり、Xは、搬送されることとなりましたが、その時点で舌根沈下が生じていたことから、気管内挿管がなされ、午前4時49分に搬送開始となりました。午前5時47分に、Xは、D病院に到着し、頭部CT検査を行ったところ、右被殻から右前頭葉に及ぶ巨大脳内血腫(約7×5.5×6 cm)が認められ、著明な正中偏位があり、脳室穿破し、脳幹部にも出血が認められると診断されました。臨床症状、CT所見とも脳ヘルニアが完成した状態であり、Xの救命は極めて厳しいと考えられましたが、Xの夫らからの強い希望もあり、午前7時55分頃、緊急開頭血腫除去術および帝王切開術が行われました。しかし、児は無事に娩出されたものの、母体(X)は、8日後に死亡しました。事件の判決問題となるのは、原告らが主張するように、頭部CT検査をしなかったために、脳出血の診断が遅れ、脳圧下降剤を投与する機会を逸したことをもって過失といえるかという点である。確かに、午前1時37分ころには脳に何らかの異常が生じていることを認識することは可能であり、現に被告A医師らにおいて認識していたと考えられるのであるから、通常直ちにCT検査を実施すべきであったといえる。しかし、被告A医師において、午前1時37分ころの時点で、一刻を争う事態と判断し、CT検査に要する時間を考慮すると、高次医療機関にできるだけ迅速に搬送することを優先させ、直ちにC大学病院に対し受入れの依頼をしているところであって、頭部CT検査を実施せずに搬送先を依頼したことが不適切であったといえるものではない。もっとも、結果的には、午前1時50分ころにC大学病院に対し受入れの依頼をし、D病院への搬送が開始されたのは午前4時49分であるから、約3時間を要しているところ、被告病院においてCT検査は40~50分程度で実施可能であることからすると、CT検査を行うことができたということができ、それにより脳に関する異常を発見してグレノール(脳圧下降剤)の投与等の措置をとることができた可能性は否定できない(ただし、本件ほどの血腫の場合、脳圧下降剤の効果があるかは疑問視される)。しかし、被告A医師のそれまでの経験では搬送先が決まるまで長くても1時間程度であったことからすると、CT検査を実施すると、その実施中に搬送先が決まる可能性が高く、その場合には、CT検査の実施が早期の搬送の妨げとなることも考えられるところであって、CT検査を実施するよりも早期に搬送することを選択した被告A医師の判断は、十分な合理性を有しているということができる。そして、CT検査は極めて有用ではあるが、検査に出室させることによるリスクや検査中不測の事態をも考慮し施行時期を慎重に選択することが重要であるとされているところであって、まず受入れを依頼し、搬送先の病院に検査をゆだねた被告A医師の判断が不適切であったということはできない。・・・・・・・(中略)・・・・・・・原告らは、Xが8日午前零時14分ころに意識を消失してから数分経過した時点で頭部CT検査を実施していれば、午前1時までには脳出血の存在が明らかになっており、脳外科救急機関は数多くあることから、搬送先を確保することは困難ではなく、より早期に治療を受けることができたとして、転送を遅延させた過失を主張し、N意見も同旨を述べる。しかしながら、CT検査を実施し、脳出血であるとの診断ができたとしても、現に分娩進行中であるから、産婦人科医の緊急措置が必須であることに変わりはなく、子癇の疑いとして搬送先を探した場合に比べて受入施設の決定がより容易であったとはいいがたい。仮に、原告において、脳外科の医療機関を希望したとしても、現に分娩が進行中であり、脳外科医が分娩を放置してXの脳出血の治療のみに専念するとは考えがたく、脳外科と産婦人科の双方の対応が可能な医療機関に転送することがやはり必要であり、CT検査を実施し、脳出血であるとの診断がついていたとしても、早期に搬送先の病院が決まったということはできない。以上のとおり、被告A医師らにおいてCT検査を実施せず、転送が遅れた過失を認めることはできない。(大阪地判平成22年3月1日判タ1323号212頁)ポイント解説今回は、転医義務についてです。医療法1条の4第3項は、「医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない」と定めています。皆さんご存知の通り、病院には、その診療機能別に一次医療機関(風邪等軽症の患者の対応をする施設(診療所等))、二次医療機関(入院、手術が必要な患者の対応をする施設(病院))、三次医療機関(重症であり、高度の医療を必要とする患者の対応をする施設(特定機能病院等))に分けられており、各医療機関が相互に連携することでそれぞれの役割を十全に果たすことが求められています。転医義務にはこのような、患者の病態が重篤であること等からより高次の医療機関へ患者を紹介する場合((1) 医療連携のための転医義務)だけでなく、「保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるとき、又はその診療について疑義があるときは、他の保険医療機関へ転医させ、又は他の保険医の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。」(療担規則16条)というような場合((2)専門外診療時の転医義務)や、入院ベッド満床や医師が他の患者の診療にあたっている等物的・人的診療能力に欠く場合((3) 診療不能時の転医義務)等があります。転医義務についての判例としては、本判決以外にも「開業医の役割は、風邪などの比較的軽度の病気の治療に当たるとともに、患者に重大な病気の可能性がある場合には、高度な医療を施すことのできる診療機関に転医させることにある」(最判平成9年2月25日民集51巻2号502頁)や、「患者の上記一連の症状からうかがわれる急性脳症等を含む重大で緊急性のある病気に対しても適切に対処し得る、高度な医療機器による精密検査及び入院加療等が可能な医療機関へ患者を転送し、適切な治療を受けさせるべき義務があったものというべき」(最判平成15年11月11日民集57巻10号1466頁)としたもの等があります。本事例は、「妊婦たらい回し事件」としてマスコミにより大々的に報道され世間の耳目を集めました。地方の医療提供体制の不備という医療政策上の問題を現場の医師の怠慢のように報道した本件報道により産科医療は大きな被害を受けました。実際、本事例を契機に同病院では、分娩の扱いを中止しており、その結果、本判決がでた時点(平成22年)においてまで同県南部には分娩施設がないという状況が生まれました。本件訴訟においては、転医義務が争われましたが、「事件の判決」で引用したように転医義務違反が認められなかったばかりか、原告が主張する午前1時37分時点で除脳硬直が生じていたとすると、その時点ですでにXの救命は著しく困難となりますので、原告の主張をすべていれてもXは救命不能であったという何とも不可思議な訴訟でした。ただ、本判決の重要な意義として転医義務は、より高度な医療が必要な場合や専門家の診療が必要な場合等に「適切な転医先を探そうとする義務」であり、適時に転医先を探し始めた以上、結果として転医先が見つからなかった又は、見つかるのが遅れたとしても、直ちに転医義務違反になることはないということです。これを法的に表現すると転医義務は手段債務(転医先を探すこと)であり、結果債務(転医先を見つけること)ではないということになります。また、本判決の特徴として、通常、裁判所が書く判決には、個別具体的な紛争解決に必要かつ最小限を記載するにとどまるところ、本件事件を含めたマスメディアや司法による医療バッシングにより、現実に医療が崩壊したことを受け、付言として、下記の様にわが国の救急医療体制や1人医長制度について言及していることがあげられます。本事件及び福島大野病院事件を契機に裁判所がようやく医療に対して本質的理解をするよう努力し始めたという点で、本判決は歴史的な判決ということができます。■判決付言「現在、救急患者の増加にもかかわらず、救急医療を提供する体制は、病院の廃院、診療科の閉鎖、勤務医の不足や過重労働などにより極めて不十分な状況にあるともいわれている。医療機関側にあっては、救急医療は医療訴訟のリスクが高く、病院経営上の医療収益面からみてもメリットはない等の状況がこれに拍車をかけているようであり、救急医療は崩壊の危機にあると評されている。社会の最も基本的なセイフティネットである救急医療の整備・確保は、国や地方自治体の最も基本的な責務であると信じる。重症患者をいつまでも受入医療機関が決まらずに放置するのではなく、とにかくどこかの医療機関が引受けるような体制作りがぜひ必要である。救急医療や周産期医療の再生を強く期待したい」*   *   *「本件で忘れてはならない問題がもう一つある。いわゆる1人医長の問題である。被告病院には常勤の産科医は被告A医師のみであり、出産時の緊急事態には被告A医師のみが対処していた。1人医長の施設では連日当直を強いられるという過重労働が指摘されている。本件で、被告A医師は夜を徹して転送の手続を行い、救急車に同乗してD病院まで行った後、すぐに被告病院に戻り、午前中の診察にあたっている。平成20年に日本産科婦人科学会が実施した調査では、当直体制をとっている産婦人科の勤務医は月間平均で295時間在院している。こうした医療体制をそのままにすることは、勤務医の立場からはもちろんのこと、過労な状態になった医師が提供する医療を受けることになる患者の立場からしても許されないことである。近時、このような状況改善の目的もあって、医師数が増加されることになったが、新たな医学生が臨床現場で活躍するまでにはまだ相当な年月を要するところであり、それまでにも必要な措置を講じる必要があるものと思う。近年女性の結婚年齢や出産年齢が上がり、相対的に出産の危険性が高まることになる。より安心して出産できる社会が実現するような体制作りが求められている。愛妻を失った原告の悲しみはどこまでも深い。Xは我が子を抱くことも見ることもなくこの世を去った。子は生まれた時から母親がいない悲しみを背負っている。Xの死を無駄にしないためにも、産科等の救急医療体制が充実し、1人でも多くの人の命が助けられることを切に望む」*   *   *本件においては、原告、病院、医師にとって非常に残念な経緯を辿りましたが、これを契機に、司法と医療の相互理解の促進が一歩ずつでも進んでいくことが強く望まれます。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)大阪地判平成22年3月1日判タ1323号212頁最判平成9年2月25日民集51巻2号502頁最判平成15年11月11日民集57巻10号1466頁

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新型PTCAバルーンカテーテル「イマージ」発売

 ボストン・サイエンティフィック ジャパンは、新型PTCAバルーンカテーテル「イマージ」を発売した。 イマージは、国内初となる1.2mm径で、RBP(Rated Burst Pressure)18気圧の耐圧性を実現した。RBP拡張時に1.2mm径の拡張径は1.45mmにまで大きくなるという。また、困難な冠動脈病変部に対処するデリバリー性能を提供するために設計された次世代前拡張用バルーンカテーテルである。さらにフレキシブルで短いチップ構造を採用し、病変部での抵抗やステントのストラットでの引っ掛かりが軽減されており、新規の親水性コーティングが施されている。 イマージは、1.2mm~3.5mm径という多様なサイズを取り揃えており、バルーン長は8mm~30mmとなっている。詳細はプレスリリースへhttp://www.bostonscientific.jp/NewsEvents/NewsRelease.bsci?method=DETAIL&id=10179982&navRelId=1006.1017

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毎日のクロルヘキシジン清拭で院内感染が有意に減少/NEJM

 単施設の観察研究から、毎日のクロルヘキシジン清拭により院内血流感染と多剤耐性微生物の発現を防ぐ可能性が示唆されている。今回、米国のMichael W Climo氏らは、多施設共同集団無作為化非盲検クロスオーバー試験を行い、毎日のクロルヘキシジン含浸手拭いでの清拭により多剤耐性微生物の発現および院内血流感染発症のリスクを有意に減少させたことを報告した。NEJM誌2013年2月7日号に掲載。 本研究では、6病院の9つの集中治療部と骨髄移植部をランダムに2群に割り付け、一方の群では患者を2%クロルヘキシジン含浸手拭いで、もう一方の群では抗微生物薬を含まない手拭いで6ヵ月間清拭し、次の6ヵ月間は手拭いを入れ替え清拭した。多剤耐性微生物の発現率と院内血流感染率は、2つの期間の間でポアソン回帰分析により比較した。 主な結果は以下のとおり。・試験には7,727例の患者が登録された。・多剤耐性微生物の発現率は、抗微生物薬なしの手拭いが1,000患者・日当たり6.60例に対し、クロルヘキシジン含浸手拭いが5.10例で(p = 0.03)、クロルヘキシジン含浸手拭いで23%低かった。・院内血流感染率は、抗微生物薬なしの手拭いが1,000患者・日当たり6.60例に対し、クロルヘキシジン含浸手拭いが4.78例で(p= 0.007)、クロルヘキシジン含浸手拭いで28%低かった。・重篤な皮膚反応は、いずれの試験期間中にも認められなかった。

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抗精神病薬多剤併用による代謝関連への影響は?

 統合失調症患者の治療において、2剤以上の抗精神病薬を併用することは少なくない。しかし、多剤併用による治療は単剤治療と比較し、副作用発現率の上昇などデメリットも大きい。このデメリットには、耐糖能異常やインスリン抵抗性などの薬剤性代謝関連の副作用も多く含まれるが、その生理メカニズムは十分に解明されていない。Heidi N. Boyda氏らは、抗精神病薬の多剤併用と代謝関連副作用との関係を検討するにあたり、動物実験での結果が実臨床に結び付くかを検証した。Experimental and clinical psychopharmacology誌オンライン版2013年1月28日号の報告。 試験には、成熟した雌ラットを用いた。第1試験では、クロザピン(5㎎/kg)群、リスペリドン(1㎎/kg)群、対照群、クロザピン+リスペリドン群を比較し、第2試験では、クロザピン(5㎎/kg)群、ハロペリドール(0.1㎎/kg)群、対照群、クロザピン+ハロペリドール群を比較した。各薬剤投与後、ブドウ糖負荷試験を行った。主な結果は以下のとおり。・リスペリドン、ハロペリドール各単独投与群は、対照群と比較し、代謝指標に影響を及ぼさなかった。・クロザピン+リスペリドン群では、クロザピン単独投与群と比較し、空腹時血糖、空腹時インスリン、インスリン抵抗性が有意に増加した。・クロザピン+ハロペリドール群では、クロザピン単独投与群と比較し、空腹時インスリンレベル、インスリン抵抗性、耐糖能異常が有意に増加した。・これらの動物実験の結果は臨床研究と一致していることから、抗精神病薬の代謝系副作用の研究は動物モデルにより正常に実施可能であることが示された。・今後の研究により、抗精神病薬と生理メカニズムの関係がさらに解明されることが望まれる。関連医療ニュース ・SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! ・第二世代抗精神病薬によるインスリン分泌障害の独立した予測因子は・・・ ・学会レポート:抗精神病薬と副作用―肥満、糖代謝異常、インスリン分泌に与える影響

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ダーモスコピー、すでに皮膚科開業医にとってルーチンアイテムに

 ダーモスコピーは皮膚科開業医でどれほど使用されているのか。フランス・Centre Hospitalier Lyon SudのC. Moulin氏らが全国調査を行った結果、有効回答者1,576人のうち94.6%が「使用している」と回答し、「女性」「45歳未満」の医師での使用が有意に高いことなどが発表された。これまで、オーストラリアやアメリカとは異なり、ダーモスコピーはヨーロッパ諸国では広く使用されていると言われていた。しかし、公式に調査発表されたデータはなく、本調査がヨーロッパで行われた初の調査となる。著者は、「分類や選別のバイアスがあるにもかかわらず、ダーモスコピーはすでにフランスの皮膚科開業医には著しく浸透しており、色素性病変と非色素性病変の両方の診療に日常的に用いていることが明らかになった」と結論している。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年1月16日号(オンライン版2012年12月17日号)の掲載報告。 調査は、フランスの皮膚科開業医におけるダーモスコピーの使用とトレーニングの実態について明らかにし、定量化することを目的とした。 調査票は、人口動態学的特性、ダーモスコピーの使用とトレーニング、ダーモスコピーに対する医師の見解などが含まれた19項目からなり、郵送でフランスの全皮膚科開業医に送付された。研究グループは、質問のキー項目として「あなたは、ダーモスコピーを使用していますか」に対して回答している調査票のみに着目した。 主な結果は以下のとおり。・調査票は3,179人に郵送され、1,611人から回答を得られた。そのうち、解析が可能であったのは1,576人分(49・6%)であった。・大半の回答者がダーモスコピーを「使用している」(94.6%)と明言し、「1日に数回使用している」(82.7%)、および/または「非色素性病変の診断に使用している」(87.7%)と回答した。・ダーモスコピーに関するトレーニングは主として、本(75.8%)、および/またはカンファレンス(88.6%)を通して行っていた。また、12.8%が専門学位を取得したことを報告していた。・ダーモスコピーは、「早期の黒色腫の検出」(86.6%)、「生検の減少」(74.6%)に役立っていた。・多変量解析の結果、「女性」(オッズ比:1.89、95%CI:1.15~3.10)「45歳未満」(同:2.85、95%CI:1.14~7.11)で、ダーモスコピーの有意に高い使用率が認められた。

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ハーセプチン、乳がん術後補助化学療法への用法・用量追加を公知申請

 中外製薬は7日、「HER2過剰発現が確認された乳」「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃」を効能・効果として販売を行っている抗悪性腫瘍剤トラスツズマブ(遺伝子組換え、販売名:ハーセプチン注射用60、同150)について、「HER2過剰発現が確認された乳における術後補助化学療法としての1週間間隔投与」の用法・用量追加の公知申請を同日付で厚生労働省に行ったことを発表した。 ハーセプチンは、2012年12月26日に開催された「第14回 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、本用法・用量について公知申請に該当と評価された。今回の公知申請は、2013年1月31日に開催された薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、本用法・用量の追加に対し、公知申請を行って差し支えないと決定されたことに基づくもの。 同社が販売しているハーセプチンは、すでにHER2過剰発現が確認された乳がんに対しては世界100ヵ国以上、HER2過剰発現が確認された胃がんに対しても32ヵ国以上で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/hc/ss/news/detail/20130207150000.html

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危険・有害な飲酒、プライマリ・ケアで介入強度を高めても改善されず/BMJ

 危険・有害な飲酒(hazardous or harmful drinking)に対する簡易介入(brief intervention)の抑制効果は、その強度を高くしても改善されないことが、英国ニューカッスル大学のEileen Kaner氏らの検討で示された。WHOが行った国際試験では、プライマリ・ケアを日常的に受診する患者の約20~30%が危険・有害な飲酒者だという。アルコール摂取に対するプライマリ・ケア医による簡易介入(簡単な助言や心理カウンセリング)により、危険・有害な飲酒が有意に低減する可能性が指摘されているが、どの程度の介入が最適かは明らかにされていない。BMJ誌2013年1月26日号(オンライン版2013年1月9日号)掲載の報告。高強度の介入の有用性をクラスター無作為化試験で評価 SIPS(Screening and Intervention Programme for Sensible drinking)試験は、簡易介入の強度が高いほうが危険・有害な飲酒の低減効果は優れるとの仮説を検証するプラグマティックなクラスター無作為化対照比較。 2008年5月~2009年7月までに、イングランド北東部と南東部およびロンドン市のプライマリ・ケア施設を受診した18歳以上の3,562人のうち、2,991人(84.0%)が登録された。このうち900人(30.1%)が危険・有害な飲酒者と判定され、756人(84.0%)が簡易介入を受けた。 全体の平均年齢は44.5歳、男性が62.2%、白人が91.7%、喫煙者が34.2%だった。説明書(http://www.sips.iop.kcl.ac.uk/pil.php)のみの対照群、5分間の簡易な助言を受ける群、20分間のライフスタイルに関する簡易なカウンセリングを受ける群の3群に分けられた。 主要評価項目は、6ヵ月の介入後にアルコール使用障害特定テスト(alcohol use disorders identification test; AUDIT)で評価した自己申告による危険・有害な飲酒の状態とした。AUDITスコア<8点の場合に陰性(非危険・非有害な飲酒)と判定された。書面による結果のフィードバックが最適な抑制戦略の可能性も フォローアップ率は6ヵ月後が83%(644人)、12ヵ月後は79%(617例)であり、いずれの時点でもintention-to-treat(ITT)集団のAUDIT陰性率は3群間で同等であった。 6ヵ月後の対照群と比較したAUDIT陰性率のオッズ比は、5分簡易助言群が0.85[95%信頼区間(CI):0.52~1.39]、20分ライフスタイル簡易カウンセリング群は0.78(同:0.48~1.25)であった。per-protocol集団の解析でも同様の結果が得られ、3群間に有意な差は認めなかった。 12ヵ月後の対照群と比較したAUDIT陰性率のオッズ比は、5分簡易助言群が0.91(95%CI:0.53~1.56)、20分ライフスタイル簡易カウンセリング群は0.99(95%CI:0.60~1.62)だった。 著者は、「参加者全員にアウトカムがフィードバックされたが、それでも説明書のみの対照群に比べ、5分簡易助言群、20分ライフスタイル簡易カウンセリング群ともに危険・有害な飲酒の抑制効果は認められなかった」とし、「プライマリ・ケアにおける最適な危険・有害な飲酒の抑制戦略は、患者への書面による結果のフィードバックである可能性がある」と指摘している。

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妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全?

 アイルランド・Royal Victoria HospitalのEllen Mawhinney氏らが、被験者670例を対象とした調査研究を行い、妊娠中のレベチラセタム単独療法は、重大先天奇形(MCM)に対するリスクは低いことを報告した。先行研究でも低リスクが示されていたが、小規模試験での報告であった。Neurology誌2013年1月22日号(オンライン版2013年1月9日号)の掲載報告。 調査は、英国とアイルランドで被験者が登録された前向き観察レジストリ追跡研究「UK and Ireland Epilepsy and Pregnancy Registers」のデータを解析して行われた。同研究は、妊娠中に服用したすべての抗てんかん薬の安全性について相対的な評価を行うことを目的としたものであった。研究グループは、2000年10月~2011年8月に、レベチラセタムを妊娠第1期に服用した被験者について検証した。 主な結果は以下のとおり。・アウトカムデータが入手できたのは671例であった。304例はレベチラセタム単独療法を、367例はその他1種類以上の抗てんかん薬との併用療法を受けていた。・MCMは、単独療法群では2例の報告であった(0.70%、95%CI:0.19~2.51)。・一方、併用療法群では19例が報告された(6.47%、95%CI:4.31~9.60)。・併用療法群のMCM発生は、抗てんかん薬の組み合わせによって異なった。+ラモトリギン(1.77%、95%CI:0.49~6.22)が、+バルプロ酸(6.90%、95%CI:1.91~21.96)や、+カルバマゼピン(9.38%、95%CI:4.37~18.98)よりも低率であった。・以上の結果から、MCMのリスクは、レベチラセタムを併用療法で用いた場合に高まることが示唆された。・特定の組み合わせのリスクについてはさらなる検証が必要である。・MCMに関してレベチラセタムの単独療法は、てんかんを持つ妊娠可能年齢の女性にとって、バルプロ酸よりも安全な選択肢とみなすことができる。関連医療ニュース ・検証!抗てんかん薬の免疫グロブリン濃度に及ぼす影響 ・レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す ・妊娠中のSSRI服用と死産、新生児・0歳時死亡には有意な関連みられず

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エンテロウイルス71ワクチン、第2相試験で免疫原性、安全性を確認/Lancet

 エンテロウイルス71(EV71)ワクチンについて、第2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、乳幼児に対する免疫原性と安全性を確認したことを中国・江蘇省疾病管理予防センターのFeng-Cai Zhu氏らが報告した。EV71は1969年に米国カリフォルニアで初めて報告された腸管ウイルスで、その後14ヵ国以上(日本も含む)から報告が寄せられている。とくに中国では過去に3度重大流行が発生し2009年には255人超が死亡したという。今回検討されたワクチンは、中国Beijing Vigoo Biologicalが開発したアラムアジュバンドワクチン製剤で、第1相試験で臨床的に認容性のある安全性プロファイルと免疫原性が示唆されたことを受けて本試験が行われた。Lancet誌オンライン版2013年1月24日号掲載報告より。生後6~36ヵ月の乳幼児を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験 EV71ワクチンの第2相試験は、江蘇省東海県の1施設で、生後6~36ヵ月の健康な男女児を適格被験者として行われた。 被験児を無作為に5群[アラムアジュバントEV71ワクチン160U、320U、640U群と、非アジュバントワクチン群、プラセボ(アラムアジュバントのみ含有)群]に、SAS9.1ブロックランダムリストを用いて割り付けた。無作為化情報は、被験児および試験担当者には知らされなかった。 主要エンドポイントは、56日時点での幾何平均抗体価(GMTs)で、プロトコルに基づき解析が行われた。320Uアラムアジュバント製剤が最適 無作為化された被験児は1,200例で、各接種群には240例ずつ(乳児:6~11ヵ月齢児120例、幼児:12~36ヵ月齢児120例)が割り付けられた。そのうち試験を完了したのは1,106例であった。被験児のドロップアウトは、同意が得られなかったことと血液サンプル提供の拒否が主な理由であった。 解析の結果、乳児640U接種群が56日時点のGMTsが最も高値であった(742.2、95%CI:577.3~954.3)。次いで乳児320U接種群が続いた(497.9、383.1~647.0)。 幼児では320U接種群が最も高値であった(1,383.2、1,037.3~1,844.5)。 全体では、ワクチン接種群が非接種群よりもGMTs値が有意に高値であった(p<0.0001)。 ベースラインで血清陰性であった被験児のサブグループについて、640U接種を受けた乳児および幼児の両群が56日時点のGMTsが最も高値であった(乳児:522.8、403.9~676.6、幼児:708.4、524.1~957.6)。次いで320U接種群であった(乳児:358.2、280.5~457.5、幼児:498.0、383.4~646.9)。 安全性について、1,200例のうち549例(45.8%)が1つ以上の注射部位あるいは全身性の副反応を報告したが、副反応発生率は接種群間で有意な差はみられなかった(p=0.36)。ただし硬結発生率について、640Uアジュバントワクチン接種群が非アジュバントと比較して有意に高率であった(p=0.001)。 以上を踏まえて著者は、「EV71ワクチンの免疫原性、安全性、製剤の生産性が確認された。おそらく第3相試験には320Uアラムアジュバント製剤が最も適しているであろう」と結論している。

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SMSを活用した教育介入で、てんかん患者の健康関連QOLが改善

 てんかん患者における健康関連QOL(HRQoL)の改善は、さまざまな治療プログラムおよび行動介入において着目すべき課題となっている。マレーシア・Sultan Zainal Abidin大学のPei Lin Lua氏らは、SMS(Short Message Service)を活用した教育プログラムのてんかん患者のHRQoLに及ぼす影響の検討、ならびに良好なHRQoLの予測因子を明らかにすることを試みた。Quality of Life Research誌オンライン版2013年1月18日号の掲載報告。 マレーシア半島東海岸にある3つの公立病院のてんかん外来患者を適格症例とし、印刷物による教育資材のみが提供された群(対照群)と、印刷物に加えてモバイルてんかん教育システム(Mobile Epilepsy Educational System:MEES)によりSMSを受信した群(介入群)に無作為化した。HRQoLはThe Malay Quality of Life in Epilepsy Inventory-30(QOLIE-30のマレー語版)を用いて評価した。統計解析ソフトSPSS 16を使用し、記述統計、ペアt検定、共分散分析および多重ロジスティック回帰分析などによりデータを解析した。 主な結果は以下のとおり。・登録されたのは、てんかん患者144例であった。・患者背景は、年齢が30.5±11.8歳、未婚者が60.4%、教育レベルはマレーシア教育検定〔Sijil Pelajaran Malaysia:SPM、ケンブリッジシステムのOレベル(中等課程)〕以下が76.4%、罹病期間5年を超える例が51.1%であった。・想定される交絡因子調整後、介入群は対照群と比べて「発作への不安」「全般的QOL」「情緒的健康」「社会的役割」「総スコア」をはじめ、HRQoLプロファイルの改善が認められた(p<0.05)。・共変量調整後、SMSを追加したてんかん教育プログラムは、てんかん患者における良好なHRQoLの有意な予測因子であることが示された。・著者は、「SMSによる継続的な情報提供は、てんかん患者のHRQoLに好影響を及ぼすようである」と結論するとともに、「本研究は将来的なイノベーションの礎となるものであり、てんかん患者・家族がウェルフェアおよびHRQoLを確保するための努力を後押しするものである」と成果を強調した。関連医療ニュース ・てんかん患者のうつ病有病率は高い ・側頭葉てんかんでの海馬内メカニズムの一端が明らかに ・抗てんかん薬、神経膠腫術後患者の言語記憶を改善

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腎同種移植片拒絶反応の未知の表現型を同定、高い移植片喪失リスク示す/Lancet

 フランス国立保健医学研究所(INSERM)のCarmen Lefaucheur氏らの研究グループは、腎同種移植片の拒絶反応の未知の表現型として、「抗体関連型血管性拒絶反応(antibody-mediated vascular rejection:ABMR/V+)」を同定したことを、Lancet誌2013年1月26日号(オンライン版2012年11月23日号)で報告した。このタイプの拒絶反応は全体の約2割を占め、移植片喪失リスクが既知のタイプの拒絶反応に比べて高いこともわかった。現在の国際分類では2つの急性拒絶反応の表現型(T細胞関連型拒絶反応、抗体関連型急性拒絶反応)が示されているが、表現型とアウトカムの臨床的関連は複雑なため、その同定は困難であり、見逃されている表現型が治療に直接悪影響を及ぼしている可能性があるという。拒絶反応のパターンを地域住民ベースの調査で評価 研究グループは、腎同種移植片拒絶反応の表現型の特性を評価して抗HLA抗体との関連を同定し、予後を正確に予測することを目的に、地域住民ベースの調査を行った。 1998年1月1日~2008年12月31日までに、パリ市のNecker病院およびSaint-Louis病院でABO適合型腎移植を受けた患者を対象とした。フォローアップは2010年3月31日まで行われた。急性拒絶反応をきたした患者の生検標本を調べ、移植片の機能低下と病変の病理組織学的な特性の関連に基づいて定義づけを行った。 主要評価項目は腎同種移植片喪失(再透析)とした。さらに、拒絶反応のパターンを検討するために、移植片の組織像、生検標本のC4d沈着、ドナー特異的抗HLA抗体を調べることで、拒絶反応エピソードのレトロスペクティブな評価を行った新たな治療法の開発につながる可能性も 2,079例が主解析の対象となり、そのうち302例(15%)が生検で急性拒絶反応を証明された。拒絶反応例の平均年齢は45歳(非拒絶反応例49歳、p<0.0001)、男性が49%(同:69%、p<0.0001)、再移植例は40%(同:12%、p<0.0001)であった。 以下の4つの腎同種移植片拒絶反応パターンが同定された。1)T細胞関連型血管性拒絶反応(TCMR/V+、26例、9%)、2)抗体関連型血管性拒絶反応(ABMR/V+、64例、21%)、3)T細胞関連型非血管炎性拒絶反応(TCMR/V-、139例、46%)、4)抗体関連型非血管炎性拒絶反応(ABMR/V-、73例、24%)。 このうちABMR/V+は、これまで認識されていない表現型であり、循環血中のドナー特異的抗HLA抗体による動脈内膜炎で特徴づけられた。 TCMR/V-と比べた場合の移植片喪失のリスクは、ABMR/V-が2.93倍(p=0.0237)で、ABMR/V+は9.07倍(p<0.0001)に達していたが、TCMR/V+ではハザード比が1.5であったものの有意差は認めなかった(p=0.60)。 著者は、「現在の腎移植片拒絶反応の分類にはないタイプの拒絶反応――抗体関連型血管性拒絶反応(ABMR/V+)――を同定した。この移植片喪失リスクが高い拒絶反応が広く知られるようになれば、抗HLA抗体を標的とした戦略など新たな治療法の開発につながり、多くの腎同種移植片が救済される可能性がある」と結論している。なお、これらの知見は、マウスモデルで確立されている動脈硬化の免疫学的な進展の概念がヒトでも支持されることを示唆するという。

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術後のAcute Pain Serviceを利用できない患者には経口オピオイド療法を

 術後痛など急性痛に対応するAcute Pain Service(APS)を受けない、すなわち局所麻酔法や患者自己管理鎮痛法を受けることができない患者は、激しい術後疼痛に苦しむ。こうした患者に対しては経口オピオイド療法が有効であり、治療アルゴリズムは外科病棟で実行可能であることがドイツ・ミュンスター大学病院のE.M. Pogatzki-Zahn氏らによる前向き観察研究で示された。Der Schmerz誌オンライン版2013年1月17日号の掲載報告。 耳鼻咽喉科、外傷外科および一般外科で手術を受ける患者を対象に、徐放性(CR)オキシコドン、速放性(IR)ヒドロモルフォンを含む経口オピオイド、および非オピオイド性鎮痛薬からなる経口療法を実施した。 手術当日術前および手術後12時間毎に最高4日間、CRオキシコドンを投与した。疼痛スケール(0~10)が安静時3または体動時5を上回り患者の希望があった場合、IRヒドロモルフォンで治療した。 手術当日および手術後4日間の計5日間アンケートを用いて評価した。また、同様の調査を手術後6ヵ月および12ヵ月に行った。 主な結果は以下のとおり。・計275例が登録された(耳鼻咽喉科163例、外傷外科82例、一般外科30例)。・疼痛スケール中央値は、安静時3以下および体動時5以下であった。・外傷外科手術を受けた患者は、耳鼻咽喉科手術および一般外科手術を受けた患者と比較してより多くのCRオキシコドンを必要とした(p<0.001)。・一般外科および外傷外科手術を受けた患者は、耳鼻咽喉科手術を受けた患者より便秘の頻度が高かった。・嘔吐は手術の種類に関係なく、手術当日20~30%からその後は10%以下まで減少した。・重篤な有害事象は観察されなかった。・手術前のうつ病スコアが高かった患者はそうでない患者に比べ、手術直後により大きな痛みを報告した。・手術後6ヵ月および12ヵ月に持続性の術後痛を訴えた患者は、それぞれ11例(15.7%)および7例(14.9%)であった。これらの患者は、手術後1日目の急性痛が大きかった。

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マンモグラフィ検診の過剰診断率情報が、受診動向に影響/BMJ

 乳がんのマンモグラフィ検診の過剰診断について知る一般女性は少なく、高い過剰診断率に関する情報は検診の受診動向に影響を及ぼす可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のJolyn Hersch氏らの検討で示された。マンモグラフィ検診では、生存中には臨床的に発現しない病変を検出する過剰診断のリスクがあるが、このリスクの程度には大きな幅がある。乳がんの過剰診断の社会的認知度は低く、一般の女性が過剰診断にどう対応するか、検診の選択の際にこれらの情報をどう活用するかに関するエビデンスはほとんどないという。BMJ誌2013年1月26号(オンライン版2013年1月23日号)掲載の報告。過剰診断の認識が、検診に対する考え方に及ぼす影響を評価 研究グループは、マンモグラフィ検診における過剰診断(生存中には臨床的に発現しない病変の検出)の実態に関する情報への女性の反応を調査し、過剰診断の認識が検診に対する考え方や意向に及ぼす影響を評価する質的研究を行った。 対象は、乳がんの既往歴のない40~79歳の女性50人で、教育歴や検診への参加歴はさまざまであった。 これらの女性が、過剰診断に関する説明を受け、過剰診断率がそれぞれ1~10%、30%、50%とする論文データと、検診がもたらすベネフィットに関するエビデンスに基づく情報を提供された。その後、グループでディスカッションを行った。慎重な情報伝達の必要性を強調すべき 50人の女性のうち、40~49歳が19人、50~69歳が16人、70~79歳は15人であった。マンモグラフィ検診歴のある女性は31人(62%)だった。 乳がんの過剰診断について事前に知っていた女性は少なかった。過剰診断の事実を知って多くの女性が驚きの反応を示したが、ほとんどが問題を理解した。 過剰診断への反応やその程度はさまざまであった。最も高い過剰診断率(50%)の場合、受診の意志決定の際はより慎重な態度が必要と考える女性がいたのに対し、過剰診断率が低~中(1~10%、30%)の場合は、女性の考え方や意向に及ぼす影響は少なく、多くの女性が検診への姿勢に変化を示さなかった。 過剰診断の情報を得ることで、別の検診法への関心や、検診でみつかったがんを治療するか、別のアプローチ[経過観察(watchful waiting)など]を考慮するかという問題への関心を示した女性もいた。 情報の受け止め方もさまざまであった。多くの女性は、過剰診断について自分で考えることが重要であり、受診の可否の選択に情報を活かそうと考えたが、誰かに検診を受けるよう強く薦めてもらいたいと考える女性も多かった。 著者は、「さまざまな社会経済的背景を持つ女性たちは、マンモグラフィ検診の過剰診断の問題を理解し、関連情報の価値を判断した。検診の受診への意思には、過剰診断率の情報が大きな影響を及ぼした」とまとめ、「過剰診断は多くの人びとにとって初耳で、思いがけないものである。それゆえ、十分に考えずに検診や治療の可否の決定をしている可能性があるため、慎重な情報伝達の必要性を強調すべきである」と指摘している。

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パニック障害 + 境界性パーソナリティ障害、自殺への影響は?

 これまでの研究では、境界性パーソナリティ障害(BPD)、パニック発作(PA)、パニック障害(PD)といった個々の疾患と自殺企図との関係は明らかされている。しかし、併発した際の自殺企図との関係はよくわかっていない。カナダ・マニトバ大学のDanielle L Turnbull氏らはこれらの疾患の併存による影響を検討した。The Journal of nervous and mental disease誌2013年2月号の報告。 対象患者は、アルコールおよび関連疾患に関する全国疫学調査(NESARC)のWEVE2のデータより抽出した34,653例を用いた。BPD(562例)、PA(253例)、PD(255例)、BPD+PD(146例)、BPD+PA(119例)と自殺企図との関係についてロジスティック回帰分析を用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・BPD、PD、PAは自殺企図と関連していた。・BPD+PD またはBPD+PAでは、BPD単独と比較し、自殺企図との関連がわずかではあるが増加した。・自殺企図との関連は、感情調整不全をコントロールしたのち大幅に減少した。・境界性パーソナリティ障害では、自殺予防を見据え、感情調節不全のコントロールが重要であると考えられる。関連医療ニュース ・日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は? ・空中浮遊微粒子濃度は自殺企図・統合失調症増悪に影響を及ぼす ・境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か?

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スパイロメトリーの活用状況などに関するアンケート

対象ケアネット会員の医師 呼吸器科162名、内科738名方法インターネット調査実施期間2013年1月24日~1月31日Q1呼吸機能を測定するスパイロメーターをお持ちですか?Q2(Q1.で「はい」と回答した先生にお聞きします)COPDスクリーニングの目的でスパイロメーターはどのくらいの頻度で使用されていますか?Q3COPDの診断・治療を行う際に、日本呼吸器学会による「COPD診断と治療のためのガイドライン」を参考にしていますか?Q4COPDの診断・治療を行う際に「GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)」を参考にしていますか?2013年1月ケアネット調べ

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