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抗凝固療法下の抗血小板療法DAPTよりもクロピドグレル単剤が出血リスクが低い:WOEST試験

心房細動(AF)など、抗凝固療法が必要な患者にステント留置を行う場合、抗血小板療法はアスピリン・クロピドグレル併用(DAPT)よりもクロピドグレル単剤のほうが、心血管系イベントを増加させることなく出血性合併症を有意に抑制することを、WOEST (What is Optimal antiplatelet and anticoagulant therapy in patients with oralanticoagulation and coronary stenting) 試験が明らかにした。この点を検討した初の無作為化試験である。8月28日の「ホットラインIII」セッションにて、聖アントニオ病院(オランダ)のWillem Dewilde氏が報告した。WOEST試験の対象は、抗凝固療法を1年以上継続し、無作為化後すぐに経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が予定されていた18歳以上の563例である。重篤な出血既往例は除外されている。平均年齢は70歳、約8割が男性だった。抗凝固療法を必要とする疾患の70%近くをAFが占めた。また抗凝固薬は7割がワルファリンだった。PCIの内訳は、薬物溶出ステントDES(ベアメタルステント [BMS]との併用含む )が70%弱、BMS単独が30%となっていた。これら563例は抗凝固療法を継続のうえ、DAPT群(284例)とクロピドグレル単剤群(279例)に無作為に割り付けられた。DAPT群ではアスピリン80mg/日+クロピドグレル75mg/日、クロピドグレル単剤群では75mg/日を服用した。抗血小板薬の服用期間は、BMS留置例では最低1ヵ月間(最大でも1年間)、DES留置例では最低1年間とした。その結果、一次評価項目である「1年間の全TIMI出血」は、DAPT群:44.9%に対しクロピドグレル単剤群では19.5%と有意に低値となっていた(ハザード比:0.36、95%信頼区間:0.26~0.50;p

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安定冠動脈疾患に対するFFRガイド下のPCI、薬物療法を上回る予後改善作用:無作為化試験FAME 2

心筋血流予備量比(FFR)を用いて心筋虚血を確認できれば、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の予後改善作用は薬物治療単独を著明かつ有意に上回ることが、無作為化試験FAME 2の結果、明らかになった。8月28日の「ホットライン III」セッションにてOLVクリニック(ベルギー)のBernard De Bruyne氏が報告した。COURAGE試験以来、疑問視されてきた「安定冠動脈疾患に対するPCIの有用性」だが、面目を一新した形だ。FFRは、冠動脈狭窄に起因する心筋虚血の良い指標である。FFRガイドを加えたPCIはすでに、従来の冠動脈造影に基づき行うPCIに比べ、急性虚血性心疾患亜急性期からの虚血性心イベントを有意に抑制することが報告されている(FAME試験)。FAME 2試験に登録されたのは、冠動脈造影所見から薬物溶出ステント(DES)の適応と考えられた安定冠動脈疾患1,220例(1~3枝病変)である。うち、FFR(≦ 0.80)にて心筋虚血が確認された888例が、「薬物治療+PCI」群(PCI群:447例)と「薬物治療」単独群(441例)に無作為に割り付けられた。なお、FFR>0.80の332例は、薬物治療のみで観察した(非虚血薬物治療群)。本試験はPCI群における早期の優位性が明らかになったため、早期中止となった。追跡期間平均値は各群ともおよそ200日だった。まず一次評価項目である「死亡、心筋梗塞、緊急冠血行再建術施行」 だが、PCI群で薬物治療単独群に比べ相対的に68%有意に減少した(ハザード比 [HR]:0.32、95%信頼区間 [CI]:0.19 ~0.53;p

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震災後の心血管系イベント発症、疾患によりタイムコースが異なる:東日本大震災

2011年3月11日、未曾有の大地震と津波がわが国を襲った。東日本大震災の被災地では、医療従事者、消防など関係者は激務の中であっても、詳細な記録を残すことを厭わなかった。その結果、震災・津波という大きなストレス後の、各種疾患の発症パターンは必ずしも一様ではないことが明らかになった。28日の「ホットライン III」セッションにて、東北大学循環器内科教授の下川宏明氏が報告した。これまでも、大地震後の突然死,心筋梗塞や肺炎の発症増加を観察した報告は存在する。しかし、今回下川氏らが企図したのは、「より大規模」、「より長期の経過観察」、「より幅広い心血管系疾患を対象」とする調査である。同氏らは、宮城県医師会とともに、2008年~2011年の2月11日~6月30日(15週間)における疾患発症情報を集めるため、県下12の広域消防本部から救急搬送に関するデータの提供を受けた。調査対象とした疾患は「心血管系全般」とし、「心不全」、「急性冠症候群(ACS)」、「脳卒中」、「心肺停止」が挙げられた。加えて、「肺炎」についても調査した。まず、上記疾患はいずれも、大震災後,著明な発症増加が認められた。下川氏は、今後同様の大ストレス下では、上記疾患全てに、医療従事者は備える必要があると述べた。また肺炎を除き、発症リスクに対し、年齢(75歳以上、75歳未満)、性別(男、女)、居住地(内陸部、海岸部)で有意な差は認められなかった。肺炎発症リスクは、海岸部で有意に増加していた。津波の影響が原因と、下川氏は考察している。興味深いのは、震災後急増したこれら疾患発症率が、正常に戻るパターンである。3つの類型が観察された。すなわち、1)速やかに発症数が低下する(ACS)、2)速やかに発症数が減少するも,余震に反応して再び増加する(脳卒中、心肺停止)、3)発症数増加が遷延し、長期にわたり発症が減少しない(心不全、肺炎)──の3つである。特にACSは震災発生3ヶ月後、震災前3年間の同時期に比べても発症率は著明に低くなっていた。震災によりACS発症が前倒しになった可能性があると、下川氏は指摘している。記者会見において、脳卒中とACSのパターンが異なる理由について質問が出た。同じくアテローム血栓症を基礎にするのであれば、同様の正常化パターンが予測されるためである。これに対し下川氏は、機序については今後の課題であると述べている。当初同氏らは、震災後に脳卒中が増加したのは、ストレスによる昇圧が脳出血を増やしたためだろうと考えていた。しかしデータを解析すると、地震に反応して増加していたのはもっぱら脳梗塞であり、脳出血の増加は認められなかった。ストレスによる凝固能亢進が示唆される。最後に下川氏は、宮城県の医師会、消防本部,そして日本循環器学会に謝意を示し発表を終えた。指定討論者であるルードイッヒ・マキシミリアン・ミュンヘン大学(ドイツ)のGerhard Steinbeck氏は、東日本大震災のようなストレスが心血管系疾患に及ぼす影響が、発生直後の数日間のみならず、数週間、数ヵ月持続する点に大いに注目していた。関連リンク

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心房細動例においてワルファリンを上回るアピキサバンの有用性──、腎機能低下例でも維持される;ARISTOTLEサブ解析

新規Xa阻害薬アピキサバンは心房細動(AF)例において、腎機能の高低にかかわらず「脳卒中・全身性塞栓症」をワルファリンよりも抑制し、ワルファリンと比較した「大出血」リスクは、腎機能が低下するほど減少する可能性が示された。28日の「クリニカルトライアル&レジストリー・アップデートIII」セッションにて、J.W.ゲーテ大学(ドイツ)のStefan H. Hohnloser氏が、大規模試験ARISTOTLEのサブ解析として報告した。ARISTOTLE試験の対象は、脳卒中リスク因子を有する心房細動患者18,201例である。「血清クレアチニン(Cr)値>2.5mg/dL」あるいは「クレアチニン・クリアランス<25mL/分」の腎機能低下例は除外されている。これら18,201例は アピキサバン群(9,120例)とワルファリン群(9,081例)に無作為化され、二重盲検法で追跡された。アピキサバンの用量は5.0mg×2/日を基本としたが、「血清クレアチニン(Cr)値≧1.5mg/dL+他危険因子」などの出血高リスク例では、2.5mg×2/日に減量した。ワルファリン群の目標INRは、一律「2~3」である。今回の解析では、腎機能の高低別にアピキサバンの有効性と安全性が評価された。腎機能の評価には推算糸球体濾過率(eGFR)を用い、「50 (mL/分/1.73m2)以下」、「50~80 (mL/分/1.73m2)」、「80 (mL/分/1.73m2)超」の3群に分けて比較した。まず有効性として、一次評価項目である「脳卒中・全身性塞栓症」リスクを検討した。全例での検討ではワルファリン群に比べ相対的に21%、アピキサバン群で有意な減少が認められたイベントである。その結果、Cockroft-Gault式、CKD-EPI式、シスタチンCから推算したいずれのeGFRで評価しても、腎機能の高低はアピキサバンによる「脳卒中・全身性塞栓症」作用に有意な影響を及ぼしていなかった。「総死亡」で検討しても同様だった。一方、安全性については、腎機能低下例でアピキサバンがより優れる可能性が示された。Cockroft-Gault式、CKD-EPI式いずれのeGFRで評価しても、アピキサバン群における「大出血」リスクはeGFRが低値となるほど、ワルファリン群に比べ減少する有意な傾向が認められた。そこでCockroft-Gault式、CKD-EPI式で求めた「eGFR」と「大出血リスク」をそれぞれ連続変数としてプロットしてみると、いずれのeGFRも、低下に伴う大出血リスクの増加傾向は、アピキサバン群に比べワルファリン群で有意に大きかった。ただし、シスタチンCから推算したeGFRの高低は、アピキサバン群における大出血リスクに有意な影響を与えなかった。アピキサバン群ではeGFRの高低にかかわらず一貫して、ワルファリン群に比べ有意なリスク減少が観察された。Hohnloser氏は「腎機能の低下したAF例に対し、アピキサバンはワルファリンよりも有効かつ安全かもしれない」と結んだ。関連リンク

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(10)〕 糖尿病患者の生命予後に関連する因子

糖尿病患者の死亡に関連するリスク因子を検討したTRIAD (Translating Research Into Action for Diabetes) study (McEwen LN et al. Diabetes Care. 2007; 30: 1736-1741.)では、総死亡と関連するリスクとして、高齢、低収入、長期の(9年以上)罹病期間、BMI26未満、性別(男性)、喫煙、腎疾患が統計学的に有意な因子として報告されている。本論文ではFramingham Offspring Study(FOS) など5つの長期コホート研究(観察期間:7~28年)についてpooled analysis を行い、40歳以上で糖尿病を発症した2,625人についてBMI 25未満を正常体重、BMI 25以上を過体重と分類して、全死亡、心血管死、非心血管死を主要アウトカムとしてその臨床背景を検討した成績である。“Obesity paradox…” 血圧、脂質、ウエスト周囲径、喫煙について補正を行った際の死亡に関するハザード比は、正常体重/過体重で総死亡は2.08(95%信頼区間:1.52-2.85)、非心血管死は2.32(95%信頼区間:1.55-3.48)と正常対照群で2倍以上となったが、心血管死については1.52(95%信頼区間:0.89-2.58)と統計学的な有意差は認めなかったと報告されている。 今回の検討では、BMI 25未満での糖尿病の発症が多いアジア系の人種を除いており、糖尿病を発症した時点で何らかの悪性疾患が潜んでいる可能性を除くため、糖尿病を発症後2年以上の経過を追跡できたものや、登録時点に比較してBMIが2kg/m2以上低下している症例も除外している。長期にわたるコホート研究が対象であるため、データ収集の間隔も2~5年とばらつきはあるが、末期腎不全や心血管疾患の患者では非肥満者よりも肥満者のほうが生命予後は良い(”obesity paradox”)という報告とも一致する内容である。 欧米人の非肥満患者における糖尿病の発症に関連している遺伝因子、脂肪組織の分布やアディポカイン、炎症反応、膵β細胞機能などがどのように関連し、生命予後とどう結び付くのか、また、運動量や運動能力(fitness)の関与はないのかなど、「肥満=悪」とは簡単につながらない「何か」を思わせるpooled analysisである。

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「痛み」の診療に関する緊急アンケート その4 ~非がん性痛に対するオピオイド使用実態【整形外科編】~

対象ケアネット会員の整形外科医師208名方法インターネット調査実施期間2012年8月16日~8月23日Q1.非がん性の痛みに対し、オピオイドを使用することはありますか?Q2. Q1 で「B.使用しない」とお答えになった先生にお伺いします。非がん性の痛みに対し、オピオイドを使わない理由を教えてください。(いくつでも)Q3.今後、非がん性の痛みに対し、オピオイドの使用を継続、または新たに使い始めるにあたって、必要な情報がありましたら、教えてください。(自由記入)【必要な情報(一部抜粋)】保険でけずられないか?/便秘、吐き気に対する予防薬投与の保険適応について、はっきりした返答がほしい。慢性疼痛症例にオピオイドを使用した場合に、離脱できるのか?/処方をやめるに際しての患者のうまい誘導の仕方。/依存症とやめ方に不安あり、既往先行品との違いを説明ほしい/休薬の具体例副作用への対応/副作用の防止方法を具体的に教えてください。/副作用情報/副作用の発生率/副作用軽減のための対策使い方/適応/どのような患者に処方したらよいのかが分からない。/どの程度の疼痛に対してオピオイドが適応になるのか 術後鎮痛についてガイドラインみたいなオピオイド使用のマニュアルがあれば知りたいです。信頼できるメーカーからの説明がほしい他のクスリが効かない場合【ご意見(一部抜粋)】長期に使用するのに問題がある副作用がなくなればテレビ新聞などでよくでてくればみなもなれて使えるようになる。年数が必要オピオイドの適応症例があれば、使用する予定である

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現役CEOが医学生に語るキャリア形成、キャリア構築のコツ!

7月7日(土)慶應義塾大学信濃町キャンパスにおいて山本雄士氏(株式会社ミナケア 代表取締役)主催による「山本雄士ゼミ」の第4回が開催された。今回は、ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長である三谷宏幸氏をゲストに迎え、日本と世界のキャリア形成の違いやリーダーシップ論などを中心に話を聞いた。山本雄士ゼミは、ハーバード・ビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得した山本氏をファシリテーターに迎え、ケーススタディを題材に医療の問題点や今後の取組みをディスカッションによって学んでいく毎月1回開催のゼミである。産業構造の大転換講演では、三谷氏が自身のキャリアを述べた後、国際ビジネスマンとしての視点から現在の日本の産業と世界、そして医療について語った。はじめに日本の産業構造の変化について、以前なら市場は国内だけ見ていればよかったが、今では全世界を見なくてはならなくなったこと、そして、外国からの文化の流入と融合への取り組みが必要となったことなど、三谷氏の分析的視点から語られた。講演では、大手家電メーカーを例に説明し、「日本企業は時代のニーズへの対応が不得意であり、視野狭窄で国内市場しか目が向いていなかった(ガラパゴス化)。その結果、今日のような事態を招いた」と語った。日本的思考法、グローバルの思考法「日本的思考とグローバルの思考」の違いについて説明し、「日本では文化の同質性から『あ・うんの呼吸』で仮説から一気に結論までもっていくが、グローバル思考では文化が異なるため仮説から論証を積み上げて結論までもっていく。論理的な思考というものがきちんとなされている。また、組織構成とキャリアパスの違いから日本企業はなあなあの仲良しクラブになりがちだが、グローバル企業では個々人の責任の所在を明らかにし、リスクを選び、リスクに見合った利益を手にする考え方が主流である」と日本と外資系企業の違いを説明した。そのうえで、外資系企業の強さについて、その要素は3つあり、(1)規模、(2) 開発力、(3) 人材と企業文化であるとした。具体的に、製薬メーカーであれば規模が大きいほど研究・開発力が大きくなる。そして、開発に関して「規模で劣る日本の製薬メーカーが、研究・開発の分野の絞り込みをできていないところが心配だ」とコメントするとともに、(3) 人材と企業文化についてはリーダーシップ論とキャリア形成法を交えて詳しく説明を行った。求められるリーダーとは?三谷氏が以前所属していたGE(ゼネラル・エレクトリック)を例に「リーダーに求められる資質」として「『外部思考、想像力、専門性、明瞭な思考、包容力』の5つの資質が、大人数を納得させ、動かす資質である」と説明。そして、リーダーに求められる能力として「専門知識、ビジネス知識、企業価値にもとづく行動規範、リーダーシップ」が必要だと説明した。次に、混同されがちな「リーダー」と「管理職」の違いを説明し、「リーダーはアクセルであり、ビジョンを重視し、柔軟性をもっている。管理職はブレーキであり、ロジックを重視し、一貫性をもっている」とその差異を説明した。最後に主体的なキャリア構築の勧めとして、「継続的に挑戦し、学んでいくマインドが大切である」と述べ、次の言葉を聴講者に贈り、講演を終えた。“Control your destiny or someone else will”(自分の運命は自分で選べ)                                                                -Jack Welch(GE 元CEO)引き続き、質疑応答となり、多くの参加者が質問を寄せた。――人材教育は日本企業と外国企業のどちらがよいか?決して日本が劣っているわけではない。しかし、外資の戦い方やさまざまなプレゼンテーションの仕方は勉強になるし、ロジカルな思考も強くなれる。――社長になるための資格は?社長になる方程式はないので自分で作るしかない。ただロジカルな思考ができる面で、理系は有利だと思う。また、現場は人間性、リーダー力を養う場になるので現場に出て修行を積むことも大事。現場での人の動かし方や苦労を知り、失敗することで成功への意欲が出てくる。――キャリアを変えるために行うべきことは何か?キャリアの変更については、「自分の強み、将来の予想、過去の成功例」を見出すことだと思う。同じグループだけを見ているのではダメ。自分自身でいえば、自己実現の充足が今のポジションをもたらしている。学ぶことを止めないこと、私は、自分の学びの確認に海外を見ている。――医療業界で若手が元気になるには?日本の研究環境も変わりつつあるが、まだ世界レベルではないように思う。たとえば米国のボストン近郊のケンブリッジは大学、企業の研究所、ベンチャーが集積していて、研究者がお互いに刺激し合っている。日本では、価値を転換して臨床研究の評価を上げるなども必要だと思う。――医療の世界へ来た動機と今後の抱負以前いたGEで医療に関わり、興味があった。機会があれば挑戦したいと思い医療の世界に来た。これからも、さらなる自己実現と周りの人が驚くようなスピードで経営を行っていきたいと思う。『医療イノベーション 5か年戦略』とディスカッション後半のディスカッションでは、資料に『医療イノベーション 5か年戦略(案)』(医療イノベーション会議・発行)と『平成24年度診療報酬改定の概要』(厚生労働省・発行)を使い、前者の立案に参加した山本氏が、内容の要旨と今後の医療施策の動向について説明した。資料から「人口動態変動で今後は高齢者が増加し、死亡率が増加する(少子多死時代の到来)。この社会環境の中で医療をどう位置づけるかが問題。今までの日本は、低コストで効率のよい医療を提供していたが、今では国家財政的に厳しい時代に来ている」と将来への論点を提示した。次に『医療イノベーション5か年戦略』の内容を詳説し、「政府として今までの議論を基に、今後志向することは何か」を説明した。とくに今回「『広い視点から医療技術評価のあり方を検討する』、『予防から終末期に至る包括的なケアを考える』という2つの事柄が入ったことは画期的なこと」と述べた。この後、質疑応答となり、資料の内容やゼミの活動についてさまざまな質問が寄せられた。たとえば「今回の『医療イノベーション』の特色は何か?」という質問に「いままで基本理念がなかったが、健康長寿、産業振興(医薬品の開発)、世界への発信という3つを明記した。また、PDCAサイクルによるチェック機能を入れたところが大きな特色」と回答した。また、「日本の医療に明るさが見えない。さまざまなゼミや研究会で出された提案が、なかなか政策に反映されず、政府の審議会だけで決まってしまうことに、とても歯がゆさを感じている」という感想に対して、「このゼミは、いろいろな世代、立場の人が集まって議論する場であり、なかには中央省庁の方も出席されている。声が届かないことはないと思う。また、ゼミの場は、いわば道場であり、ゼミでの議論を自分のものにして、実現できるようになっていってもらいたい。今後はゼミでの議論も踏まえて、政策提言できる動きもしていきたい」と述べ、ゼミを終了した。なお今後のスケジュールは次の通り(いずれも16:00~19:00の開催予定)。第5回 9月8日(土):ワイス(製薬会社のケーススタディ)第6回 10月13日(土):後期ガイダンス&クリーブランド・クリニック(アメリカの病院のケーススタディ)第7回 11月10日(土):『医療戦略の本質』の読書会&西ドイツ頭痛センター(ドイツの病院のケーススタディ)第8回 12月8日(土):ピッツニーボウズ(アメリカの医療保険者に関するケーススタディ)第9回 1月12日(土)(仮):外部講師による講演会第10回 2月9日(土)(仮):セダケア(地域のヘルスケアシステムのケーススタディ)●ゼミ公式HP http://yamamoto.umin.jp/●ゼミ公式Facebook http://www.facebook.com/#!/groups/226064334073359/●講演者経歴■関連リンク・三谷宏幸氏著作『世界で通用するリーダーシップ』・山本雄士氏著作『医療戦略の本質』『奇跡は起こせる わが子を救うため、新薬開発に挑戦したビジネスマン』

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アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の増悪を抑制:EMBRACE試験

 アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)は、嚢胞性線維症を原因としない気管支拡張症におけるイベントベースの増悪の予防治療として有効なことが、ニュージーランド・Middlemore病院(マヌカウ市)のConroy Wong氏らが実施したEMBRACE試験で示唆された。気管支拡張症は好中球性の気道炎症、慢性的な細菌感染、繰り返す肺の病態の増悪で特徴づけられ、大量の喀痰を伴う重篤な咳嗽や進行性の肺機能低下、QOL低下をきたし、死亡率の上昇をもたらす可能性がある。アジスロマイシンは抗炎症作用および免疫調節作用を有するマクロライド系抗菌薬で、嚢胞性線維症の病態の増悪を抑制することが示されている。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。気管支拡張症に対する効果をプラセボ対照無作為化試験で評価EMBRACE(Effectiveness of Macrolides in patients with BRonchiectasis using Azithromycin to Control Exacerbations)試験は、非嚢胞性線維症に起因する気管支拡張症の治療において、アジスロマイシンは増悪率を低減して肺機能を増強し、健康関連QOLを改善するとの仮説の検証を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化試験。2008年2月12日~2009年10月15日までに、ニュージーランドの3施設に、抗菌薬治療を要する増悪の既往歴があり、高解像度CT検査で気管支拡張症と診断された18歳以上の患者が登録された。これらの患者が、アジスロマイシン500mgあるいはプラセボを週3日(月、水、金曜日)、6ヵ月間投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、6ヵ月の治療期間中のイベントベースの増悪率、気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)のベースラインからの変化、St George呼吸器質問票(SGRQ:0~100点で表し値が低いほど良好、4点以上の変化で臨床的に有意と判定)総スコアの変化の複合エンドポイントとした。増悪率が有意に改善、FEV1、SGRQ総スコアは改善せず141例が登録され、アジスロマイシン群に71例、プラセボ群には70例が割り付けられた。治療期間中の増悪率はアジスロマイシン群が0.59/人と、プラセボ群の1.57/人に比べ有意に改善した(率比:0.38、95%信頼区間[CI]:0.26~0.54、p<0.0001)。拡張薬投与前FEV1は、アジスロマイシン群はベースラインから変化はなく、プラセボ群では0.04L低下したが、この差は有意ではなかった(群間差:0.04L、95%CI:-0.03~0.12、p=0.251)。さらに、SGRQ総スコアの変化についても、アジスロマイシン群は5.17点の低下、プラセボ群は1.92点の低下で、有意差は認めなかった(群間差:-3.25点、95%CI:-7.21~0.72、p=0.108)。著者は、「6ヵ月間のアジスロマイシン治療は、増悪率の低下に加え、初回増悪までの期間もプラセボ群に比し有意に延長し、これらの改善効果は治療終了後6ヵ月の時点でも継続していた。SGRQの症状関連項目の改善効果も確認された。それゆえ、アジスロマイシンは1回以上の増悪歴のある非嚢胞性線維症性気管支拡張症における増悪の予防治療の新たな選択肢である」と結論し、「長期治療の場合は、マクロライド系抗菌薬への耐性の発現を十分に考慮して患者を選択すべきである」と指摘している。

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低・中所得国は男性喫煙率が高く、女性の開始年齢が若年化:30億人の解析

 低・中所得国は英米に比べ、男性の喫煙率が高く、女性の喫煙開始時期が男性と同じ年齢に若年化しつつあり、禁煙率も低いことが、米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のGary A Giovino氏らGATS Collaborative Groupの調査で明らかとなった。現在、喫煙に起因する死亡率は高所得国が18%、中所得国が11%、低所得国は4%だが、喫煙率は高所得国で低下傾向にあるのに対し、低・中所得国では増加し死亡率も上昇している。WHOによれば、毎年約600万人が喫煙関連の原因で死亡しており、このままでは21世紀中に世界で約10億人が喫煙が原因で若年死するとされるが、低・中所得国の喫煙状況に関する信頼性の高いデータはないという。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。14の低・中所得国と英米のデータを解析GATS Collaborative Groupは、低・中所得国における成人の喫煙パターンや喫煙関連因子を評価するために、横断的な国別の世帯調査である「世界成人喫煙調査(GATS)」のデータを用いて解析を行った。2008年10月1日~2010年3月15日までに、14ヵ国(バングラデシュ、ブラジル、中国、エジプト、インド、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、タイ、トルコ、ウクライナ、ウルグアイ、ベトナム)の15歳以上を対象に世帯調査を行い、喫煙関連情報を収集した。14ヵ国間の喫煙の重み付き点推定(weighted point estimate)と95%信頼区間(CI)を算出し、2008年の英国のGeneral Lifestyle Survey、2006~2007年の米国のTobacco Use Supplement to the Current Population Surveyのデータと比較した。喫煙率は男性48.6%、女性11.3%、禁煙率は英米で高いGATS参加国と英米を合わせた16ヵ国の約30億人が解析の対象となった。そのうち喫煙者は約8億5,200万人で、中国が3億100万人、インドが2億7,500万人を占めた。GATS 14ヵ国の喫煙率は男性が48.6%(95%CI:47.6~49.6)、女性は11.3%(同:10.7~12.0)であった。そのうち、葉巻やパイプなどを除くタバコ製品の喫煙率は男性が40.7%(範囲:ブラジルの21.6%からロシアの60.2%)、女性は5.0%(同:エジプトの0.5%からポーランドの24.4%)だった。喫煙者の多く(82%)が既製のタバコ製品を好んだが、インドやバングラデシュでは無煙タバコや巻きタバコが一般的だった。ほとんどの国では、調査時に55~64歳の女性は同年代の男性に比べ喫煙開始年齢が高かったが、25~34歳では男女間の喫煙開始時期に差はなかった。禁煙率(喫煙経験があるが調査時は喫煙していない者の割合)は中国、インド、エジプト、ロシア、バングラデシュで低く(5ヵ国全体で20%未満)、英国、米国、ブラジル、ウルグアイで高かった(5ヵ国全体で35%以上)。著者は、「GATS参加14ヵ国は英米に比べ、男性の喫煙率が高く、女性の喫煙開始時期が若年化しており、禁煙率が低いことが示された」と結論し、「これらの知見は、喫煙関連の罹病率や死亡率を低下させるには、喫煙開始の予防や禁煙の促進に向けた努力が必要とのこれまでの見解を補強するもの」と指摘している。

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せん妄の早期発見が可能に

 高齢入院患者におけるせん妄発現は患者や家族の苦痛だけでなく、入院期間の延長や医療事故、医療スタッフの負荷増大などさまざまな弊害をもたらす。そのため対応方法の確立が急がれる。せん妄に対応するためには、早期発見が重要である。海外では、せん妄評価法(Confusion Assessment Method:CAM)が一般病棟におけるせん妄の早期発見に用いられている。Thomas氏らは、高リスク患者のせん妄のスクリーニングと診断についてICD-10およびDSM-IVと比較して、CAMアルゴリズムのせん妄判定基準が有用であるかを検討した。J Am Geriatr Soc誌オンライン版2012年8月6日号の報告。 対象は、大学病院に急性期内科疾患で入院した102名(年齢:80~100歳)。CAM診断アルゴリズム4項目を使用し、記録した。せん妄の診断は、専門家のコンセンサスによりDSM-IV、ICD-10に基づき評価を行った。主な結果は以下のとおり。・79名の入院患者にせん妄スクリーニングのためCAMを実施した(せん妄有病率はDSM-IV:24% 、ICD-10:14%)。・全CAM項目のうち、「急性発症または症状の動揺」は診断のために最も重要である(DSM-IV:AUC=0.92 、ICD-10:AUC=0.83)。・CAM診断アルゴリズムは、DSM-IVとの比較において感度74%、特異性100%、AUC=0.88であり、ICD-10との比較では感度82%、特異性91%、AUC=0.85であった。・ICD-10との比較においてCAMアルゴリズムに精神運動の変化を加えることで、特異性は97%に改善したが、感度は55%に減少した(AUC=0.96)。CAMアルゴリズムでせん妄でないと識別された群のみにそれぞれ精神運動の変化を適応すると、感度91%、特異性85%に改善した(AUC=0.95)。関連医療ニュース ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(9)〕 小児心臓移植待機患者の生存率が独ベルリンハート社補助人工心臓で改善

小児重症心不全患者に対する機械的循環補助は、体外式心肺補助装置(ECMO)が標準的である。しかしECMOによる長期補助は困難であるために、欧米を中心に小児用補助人工心臓の臨床応用が進められている。ベルリンハート社補助人工心臓(Excor)は新生児から成人まで装着可能で、世界で800例以上の装着が行われ、1年生存率は約70%と良好である。米国・テキサス小児病院のCharles D. Fraser, Jr.らの前向き試験により、心臓移植待機リスト上位に位置する重症心不全の小児に対し、Excorは、ECMOと比べて高い生存率を示したことが報告された。しかし、重篤な合併症である大出血は40~50%、感染症50~60%、脳卒中30%と高率であった。 わが国でも平成22年7月に施行された改正臓器移植法に伴い、小児患者への心臓移植が可能となった。しかし、小児においては脳死下での臓器提供数はまだ1例で、待機期間が長期に及ぶことは免れず、小児用人工心臓は必須である。わが国では,小児用人工心臓がないために成人用の体外式人工心臓を使用しているのが現状であるが、3歳以下体重15kg未満では困難である。したがって、わが国でも早急に小容量の小児用人工心臓が承認され市販される必要がある。このような状況のなかでベルリンハート社補助人工心臓導入を目指した、医師主導治験が開始されており、26年度には承認を受けて臨床現場へ導入される予定である。また小児用植込み型補助人工心臓の研究開発も進行中であり、将来は成人と同じように小児心臓移植待機患者においても自宅療養が可能となる可能性がある。

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ケアネット白書~糖尿病編2012

株式会社ケアネットでは、このほど「ケアネット白書 糖尿病編(以下、糖尿病白書2012)」をまとめた。本調査は、2型糖尿病患者を1ヵ月に1人以上診察している医師を対象に、2012年3月にインターネット調査を実施し、その回答をまとめたものである。以下、(1)調査方法(2)患者背景(3)治療現状(4)糖尿病治療薬の選択と重要視する事項―などを中心に、「糖尿病白書2012」の概要を紹介する。CONTENTS1.調査目的と方法2.結果1)回答医師の背景2)2型糖尿病患者の背景3)2型糖尿病の治療4)薬剤の使用状況5)薬剤選択の際に重要視する項目6)新薬の情報源として役に立つもの

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ケアネット白書~糖尿病編2012

1.調査目的と方法本調査の目的は、糖尿病診療に対する臨床医の意識を調べ、その実態を把握するとともに、主に使用されている糖尿病治療薬を評価することである。2型糖尿病患者を1ヵ月に10人以上診察している全国の医師502人を対象に、(株)ケアネットのウェブサイトにて、アンケート調査への協力を依頼し、2012年3月19日~26日に回答を募った。2.結果1)回答医師の背景回答医師502人の主診療科は、一般内科が36.5%で最も多く、次いで糖尿病・代謝・内分泌科で35.9%、循環器科で12.4%である。それら医師の所属施設は、病院(20床以上)が72.7%、診療所(19床以下)が27.3%となっている。医師の年齢層は40-49歳が最も多く33.1%、次いで50-59歳以下が30.9%、39歳以下が30.1%と続く。40代から50代の医師が全体の6割以上を占めている(表1)。表1画像を拡大する2)2型糖尿病患者の背景1ヵ月に診察している2型糖尿病患者数最近(2012年3月基準)1ヵ月に、外来で診察している2型糖尿病患者は全体平均138.0人である。診療科別で見ると、糖尿病・代謝・内分泌科は平均266.8人、その他の診療科では平均65.9人であった。その2型糖尿病患者について、過去1~2ヵ月の血糖コントロールの指標であるHbA1c(NGSP:以下同)値をそれぞれ層別に分類して患者数を聞いている。HbA1c値別の2型糖尿病患者数HbA1c値については、糖尿病治療ガイド2012-2013(日本糖尿病学会編)に基づき、6.2%未満(血糖コントロール優)6.2%以上6.9%未満(血糖コントロール良)6.9%以上7.4%未満(血糖コントロール不十分)7.4%以上8.4%未満(血糖コントロール不良)8.4%以上(血糖コントロール不可)――の5つの階層に分けた。最近1ヵ月に診察している2型糖尿病患者(平均138.0人)のうち、HbA1c 6.9%未満と血糖コントロールが比較的良好なのは36.2%で、全体の63.8%は良好な血糖コントロールが得られていない状態である。その中でも血糖コントロールの指標で『不可』に相当するHbA1c 8.4%以上の患者が14.5%みられている(図1)。図1画像を拡大する3)2型糖尿病の治療管理目標値2型糖尿病治療におけるHbA1c値の管理目標値を患者の年代別に聞いたところ、患者が「若年者・中年者(65歳未満)」の場合には6.65%であったのに対し、「高齢者(65歳以上)」では7.05%であった。若年・中年者と比べて、高齢者の管理目標値はやや甘く設定されている実態が明らかになった。血糖コントロールの指標血糖コントロール指標として、HbA1c値に加えてとくに重要視する項目としては、「空腹時血糖値」「食後2時間血糖値」が多く、次いで「随時血糖値」「SMBGでの血糖変動」が続いた。診療科別では、糖尿病・代謝・内分泌科では「食後2時間血糖値」を重視する割合が最も高く、その他の診療科では「空腹時血糖値」を重視する割合のほうが高かった(図2)。図2画像を拡大する初期治療最近1ヵ月に診察している2型糖尿病患者(平均138.0人)のうち、約9%が食事・運動療法のみで治療を行っており、約90%は食事・運動療法に加え、何らかの薬物療法を行っている(図3)。図3画像を拡大する4)薬剤の使用状況2型糖尿病患者に対する薬剤の併用状況「食事・運動療法+薬物療法で治療している患者数」を100%としたとき、1剤のみを処方している患者は32.6%で、2剤併用が39.8%、3剤以上の併用が27.5%であった。薬物治療を行っている約2/3にあたる67.3%の患者では、何らかの薬剤を併用している(図4)。図4画像を拡大する2型糖尿病に対する糖尿病治療薬の使用状況について2型糖尿病に対する糖尿病治療薬をSU薬、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)、ビグアナイド(BG)薬、チアゾリジン薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤、その他――のカテゴリーに分けて、食事・運動療法に加えて薬物療法を実施する際の第一選択薬を聞いた(図5)。図5画像を拡大する使用が最も多いのはDPP-4阻害薬で、回答した医師全体の26.9%が第一選択薬として使っている(図5上)。次いで多いのがBG薬で、20.9%。以下、SU薬が18.4%、α-GIが15.0%、速効型インスリン分泌促進薬が5.7 %となっている。<糖尿病・代謝・内分泌科での第一選択薬>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、最も選択の多いのがBG薬で33.4%であった(図5中央)。次いで多いのがDPP-4阻害薬で28.5%、SU薬13.0%、α-GIは8.1%であった。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での第一選択薬>回答医師の属性がその他の診療科の場合、最も選択の多いのがDPP-4阻害薬で26.0%を占めている(図5下)。以下、SU薬が21.4%、α-GIが18.9%、BG薬が14.0%などとなっている。糖尿病・代謝・内分泌科(図5中央)と比べると、SU薬、α-GIの割合が増加し、その分、BG薬の割合が減少している。5)薬剤選択の際に重要視する項目なお、薬剤を選択する際に重要視する項目についても聞いている(複数回答)。最も多いのは「低血糖をきたしにくい」で、69.5%の医師が挙げている。以下、インスリン抵抗性改善(66.9%)、食後高血糖改善(66.3%)などが主なものである(図6左)。図6画像を拡大する<糖尿病・代謝・内分泌科での重要視項目>回答医師の属性が糖尿病・代謝・内分泌科の場合、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「低血糖をきたしにくい」で、78.9%の医師が挙げている(図6中央)。以下、体重増加をきたしにくい(73.9%)、血糖降下作用(70.6%)などが主なものである。<その他の診療科(糖尿病・代謝・内分泌科以外)での重要視項目>回答医師の属性がその他の診療科の場合、薬剤選択で重要視する項目として最も多いのは「インスリン抵抗性を改善する」で、70.5%の医師が挙げている(図6右)。以下、食後高血糖を改善する(68.0%)、低血糖をきたしにくい(64.3%)などが主なものである。全体的な傾向をまとめると、専門医の方が「低血糖をきたしにくい」薬剤を最重要視し、「体重増加をきたしにくい」薬剤を重要視することが多く、非専門医の場合は「インスリン抵抗性を改善する」薬剤を重要視する傾向がある。とはいえ、診療科を問わず、「低血糖をきたしにくい」薬剤が重要視されていることが明らかとなった。6)新薬の情報源として役に立つものここ数年、糖尿病領域においては新薬の発売が続いている。そこで、糖尿病の新薬の情報を得る際に、役に立つと感じる情報源についても調査した(図7)。最も多いのは、製薬会社MRで66.9%、次いで製薬会社主催の講演会(65.3%)であった。以下、研究会(46.4%)、学会のセミナー(43.8%)、医療専門サイト(41.4%)と続いた。図7画像を拡大する

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PSAスクリーニング、QALを考慮した場合のベネフィット

 前立腺特異抗原(PSA)スクリーニングによる前立腺がん死亡率減少というベネフィットは、過剰診断やその後の長期にわたる治療で失われる質調整生存年(QALY)によって減じてしまうことが示された。オランダ・エラスムス医療センターのEveline A.M. Heijnsdijk氏らが、欧州前立腺がんスクリーニング無作為化試験(ERSPC)の追跡データをベースに作成したモデルを用いて解析した結果で、「スクリーニングを勧告する前に、より長期のERSPCとQOL解析の両者の追跡データが必須である」と結論している。NEJM誌2012年8月16日号掲載報告より。前立腺がん死亡27%減少のベネフィットがどれほど影響を受けるかを検証ERSPCの11年追跡の報告では、PSAスクリーニングを受けた男性の前立腺がん死亡率は29%減少したと報告されている。しかし、このベネフィットが、スクリーニングによるQOLへの悪影響を加味した場合、どれぐらい相殺されるかは明らかになっていなかった。Heijnsdijk氏らはERSPC追跡データをベースに、複数のPSAスクリーニング戦略モデル(55~69歳で年1回実施、55~74歳で年1回実施、55~69歳で4年ごとに実施、55歳時に1回実施、60歳時に1回実施、65歳時に1回実施)を作成。マイクロシミュレーションスクリーニング解析(MISCAN)にて、各モデルのスクリーニング後の前立腺がん検出、治療、死亡、およびQALYの予測値を算出した。55~69歳で年1回実施群の獲得QALYは未補正獲得生存年より23%減少結果、ベースモデルのスクリーニング戦略(55~69歳で年1回実施)では、寿命追跡した全年齢男性1,000人当たり、非スクリーニング群と比較して、前立腺がん死亡は9例(28%)減少、緩和ケアを受けた人は14例(35%)減少し、獲得生存年は総計73年(前立腺がん死亡を平均8.4年延長)と予測された。しかし、獲得QALYは56年(範囲:-21~97)で、未補正獲得生存年より23%減少することが示された。前立腺がん死亡1例を回避するには、スクリーニング実施98例中5例で前立腺がんが検出される必要があることが示された。55~74歳で年1回実施のスクリーニングモデルでは、獲得生存年はより大きく総計82年だったが、獲得QALYは56年とベースモデルと変わらなかった。

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統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか?

 統合失調症患者の喫煙率がなぜ高いのか? この理由に関してはいまだ明らかになっていない。従来、この疑問を評価した研究では、不均一な集団をサンプリングし、不一致な所見を示していた。Krishnadas氏らはスコットランドのNithsdale在住の統合失調症患者131例を対象に臨床像、社会的適応とニコチン依存の関係を横断的に調査した。Br J Psychiatry誌オンライン版2012年8月9日号の報告。主な結果は以下のとおり。・喫煙者は若く、主に男性、3回以上の失業経験があった。・ニコチン依存が重症であった患者は、PANSSの陽性尺度スコアがより高かった。また、抗精神病薬が高用量で投与されていた。・ニコチン依存が軽症であった患者は、PANSSの陰性症状スコアがより高かった。・ニコチン依存の重症度は社会的な適応不足と相関していた。 本研究では、統合失調症患者におけるニコチン依存と臨床症状・社会的適応との関係が示唆された。今後、これらの関係がさらに解明されれば、統合失調症治療における喫煙管理の意義が明らかになるかもしれない。関連医療ニュース ・統合失調症の病態にメラトニンが関与? ・メチルフェニデート使用で“喫煙”が加速 ・長期の睡眠薬服用、依存形成しない?

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CKDを有する心房細動患者では脳卒中・全身性血栓塞栓症・出血リスクが高い

 デンマーク・コペンハーゲン大学Gentofte病院のJonas Bjerring Olesen氏らが13万人強のデンマークナショナルレジストリデータを解析した結果、心房細動患者において、慢性腎臓病(CKD)は、脳卒中、全身性血栓塞栓症、出血のリスクを増大することが明らかにされた。また、CKD患者では、ワルファリン治療、アスピリン治療は出血リスクを増大するが、脳卒中あるいは全身性血栓塞栓症リスクはワルファリン治療によって低下が認められることも報告された。心房細動およびCKDは、脳卒中や全身性血栓塞栓症リスクを増大することが知られている。しかし、これらのリスクや抗血栓治療の影響について、両疾患を有する患者ではこれまで十分に調査されていなかった。NEJM誌2012年8月16日号掲載報告より。デンマーク13万人強のレジストリデータを解析解析は、1997~2008年に非弁膜症性心房細動と診断された入院歴のある全患者を特定し、脳卒中、全身性血栓塞栓症、出血のリスクと、非末期CKDとの関連、および末期CKD(腎代替療法を要するなど)との関連について、時間依存性Cox回帰分析を用いて推定した。また、ワルファリン治療、アスピリン治療の影響、あるいは両治療の影響について、CKDを有する患者と腎疾患を有さない患者とで比較した。解析対象は13万2,372例で、そのうち非末期CKD患者は3,587例(2.7%)、末期CKD患者は901例(0.7%)だった。非腎疾患患者と比較しリスクは1.49~2.70倍非腎疾患患者との比較で、非末期CKD患者は、脳卒中あるいは全身性血栓塞栓症リスクが有意に増大した(ハザード比:1.49、95%信頼区間:1.38~1.59、p<0.001)。腎代替療法を必要とした患者も同様に増大した。(同:1.83、1.57~2.14、p<0.001)。脳卒中あるいは全身性血栓塞栓症リスクは、両群(非末期CKD患者、腎代替療法患者)でワルファリン療法受けていた人では有意に低下したが、アスピリン療法を受けていた人では低下しなかった。出血リスクについても、非末期CKD患者(ハザード比:2.24、p<0.001)、腎代替療法患者(同:2.70、p<0.001)で増大が認められ、ワルファリン、アスピリンあるいは両治療を受けている場合はさらに出血リスクの上昇が認められた。

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「身体のために禁煙しましょう」、さて先生ご自身は?医師の喫煙率2012

分煙化、禁煙エリアの拡大と、社会全体として嫌煙モードが高まる一方の昨今。もちろん院内も例外ではなく、全館禁煙という施設も増加している様子。2011年の「全国たばこ喫煙者率調査」(JT実施)によると、日本全体では21.1%。2010年10月の値上げの影響を受けて大幅に下がった2011年調査と比較すると、減少率は鈍化しているようです。そんな中、患者さんに禁煙を勧める立場にある先生方の喫煙率はどうなのか?ケアネットで2011年9月に実施したアンケートでは8.6%。さて約1年後の今回の結果はいかに?「医師の喫煙率2012」、前回と比較しながらご覧下さい。また、疾患リスクとの関係から少しずつ高まりつつある「喫煙者は医療の負担額を上げるべき」という考え方についても賛否をうかがってみました!結果概要はこちらコメントはこちら設問詳細タバコについてお尋ねします。JTが2012年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、現在の全国の喫煙者率は21.1%でした。うち男性は32.7%(前年比-1.0ポイント)、女性は10.4%(同-0.2ポイント)と、男女とも漸減傾向にあります。なお対前年比で見ると、昨年調査時は2010年10月の値上げの影響を受け全体で2.8ポイント下がりましたが、今年度調査では0.6ポイントの減少に留まりました。そこで先生にお尋ねします。Q1. 先生は喫煙されていますか。喫煙している以前喫煙していた喫煙したことがないQ2. 「喫煙は医療費増につながっているため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき」という考え方がありますが、いかがお考えですか。賛成反対どちらともいえないQ3. コメントをお願いします(ご自身の喫煙に関して、禁煙された方はそのきっかけ、院内の喫煙環境、禁煙外来を含め患者・家族からの要望や状況など、タバコに関わることでしたら何でも結構です)アンケート結果Q1. 先生は喫煙されていますか。Q2. 「喫煙は医療費増につながっているため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき」という考え方がありますが、いかがお考えですか。2012年8月17日(金)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員結果概要医師の喫煙率は7.1%、国民全体での変化に比較し高い減少率調査対象者の喫煙率は7.1%、2011年9月に実施した同調査では8.6%であり、1.5ポイントの減少となった。国民全体では2012年21.1%(前年比-0.6ポイント)、2011年21.7%(同-2.8ポイント)と減少率の鈍化が見られる一方(JT実施「全国たばこ喫煙者率調査」より)、医師の喫煙者は着実に減りつつあることが見て取れる。なお「喫煙したことがない」医師は、前回と変わらず56.7%という結果となった。「喫煙者は医療の負担額を上げるべき」 、考え方には約6割が賛成"喫煙は医療費増につながるため、喫煙者は保険料や医療費などの負担額を上げるべき"という考え方に対する賛否を尋ねたところ、賛成58.1%、反対15.5%となった。賛成医師からは「なぜ非喫煙者が喫煙による疾患の医療費も負担しなければならないのか」「疾患リスクが上昇することは証明されているため、応分の負担を求めるべき」といった意見が多く寄せられた。反対派からは、「飲酒・肥満・塩分過多など他の生活習慣や嗜好品の扱いはどうするのか」「喫煙者確認が困難」などのコメントが寄せられた。禁煙のきっかけ「患者からの視線」「子供のため」「院内の禁煙拡大」など様々以前吸っていたが禁煙に成功した医師は全体の36.2%。きっかけとしては、「自身が禁煙を勧める側にあるため」「COPDの患者を見て」など立場上の理由のほか、「子供ができたこと」「院内が完全禁煙となり、喫煙のたびに外出しては仕事にならない」など環境の変化によるものも多く挙がった。CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「結婚を機に禁煙しました。家族への影響を考えると喫煙を続けるという選択肢はなく、喫煙歴は10年でしたが、あっさり禁煙できました。 今では嫌煙家で海外のように禁煙者をもっと守るような環境に日本も早くなってほしいと切に願っています。」(30代,男性,耳鼻咽喉科)「もともと喫煙していないが、医療費の増大につながっていることは明らかで、喫煙者に応分の負担を求めるべき。」(50代,男性,消化器科)「自動車保険のようにリスク細分化するのも手かと思う。不健康な人の負担を上げるよりも、健康な人にメリットが出る制度が望まれる。」(30代,男性,呼吸器科)「禁煙のきっかけは子供が生まれたことでした。 精神科病院なので病棟の全面禁煙はできておりません。」(40代,男性,精神・神経科)「禁煙に一番影響を与えるのは周囲の環境変化だと思う。実際自分の場合も結婚や子供の誕生がきっかけであった。そういうきっかけを利用すると不思議と難なく禁煙できるのではないか?」(40代,男性,内科)「職員の反対があり、禁煙外来が開設できていません。抵抗勢力が身内に多いです。」(30代,男性,神経内科)「体に何もいいことがないのに、いつまでも販売して続ける国の考えがさっぱりわからない」(30代,男性,外科)「喫煙をするのであればそのリスクとコストをかぶる覚悟が必要な時代なのでしょうね」(30代,男性,産業医)「勤務時間に喫煙している医師を見かけるが1回10分としても6回で1日1時間となり、非喫煙者に比べ労働時間も少なくなっている。喫煙者については保険料、医療費、たばこ税の増額は当然のこと。」(40代,男性,血液内科)「喫煙は嗜好の問題なので、他人に迷惑をかけない限りは許容されるべきと考えます。医療費増につながっているのは喫煙の他にも過食やアルコール多飲などもあるわけですから、喫煙者のみ負担額を上げるというのはおかしな話です。わたし自身は運動を始めたため、必然的に禁煙に至りました。喫煙していると運動が苦しかったからです。」(50代,男性,外科)「自分では喫煙歴はありません。あそびで1回ふかしたことがある程度。 個人的には喫煙には非常に冷たい気持ちですが、喫煙したい人が喫煙する場所が全くなってしまっているのはちょっとかわいそうに思うと気もあります。私に迷惑がかからないところで勝手に吸うことまで制限して欲しいとは思いません。」(40代,男性,耳鼻咽喉科)「患者によくないという以上、医者が喫煙していたらまったく信頼が得られない。」(40代,男性,外科)「喫煙が健康に悪いことはわかっていても医師が喫煙しているケースは多い。現在病院敷地内は禁煙だが、入り口の外に出て並んで吸っている人を多数見かけ、非常に印象が悪いと常々思っている。」(40代,男性,基礎医学系)「喫煙は百害あって一利無しなのは一目瞭然のため、とにかく全国民を強制的に禁煙させるように強く働きかけるべきである」(30代,男性,循環器科)「たばこ1箱1,000円に」(40代,男性,小児科)「自分だけへの影響であれば自己責任だが、間接喫煙として周囲へ悪影響を及ぼすため、売られていること自体間違い。」(30代,男性,総合診療科)「マナーの悪い喫煙者はどこにでもいます。喫煙は百害あって一利なし、健康にも、環境にも、有害です。喫煙自体を法律で禁じてもらいたいくらいです。」(30代,女性,形成外科)「禁煙した人にメリットがあるよう示してあげることも大切である。」(50代,男性,循環器科)「本人以外にも多大な影響を与える以上、一定の制限は止むを得ないと思います。本人の喫煙する権利とのバランス考量は必要と思いますが、原則として新規に習慣喫煙者が登場しない方向へ政策的に誘導すべきだと考えます。」(40代,男性,呼吸器科)「自分自身は喫煙しないから喫煙者がどう扱われても影響ないが,何でも厳しくしようという風潮はいずれ自分の身にも及ぶと予想されるので,一種の防波堤として喫煙者にそう厳しく当たるな,と思っている,」(50代,男性,皮膚科)「婚約時期に禁煙し、その後1度も喫煙したことがない。健康のためだけの禁煙は難しいのでは。家族などの大切なひとのための禁煙であれば、うまくいく可能性が高いと思う。」(50代,男性,泌尿器科)「全面禁煙に賛成です、ある意味、周りの人に迷惑がかかると考えると麻薬より悪いかも」(40代,男性,循環器科)「中途半端な値上げではなく、海外並に価格をあげるべき」(40代,男性,小児科)「今は禁煙の場所が増えたので、自分の家以外で吸おうと思うと、院外や学外へ行かなければならず、そうなると仕事にならないので、医者の喫煙者も本当に少なくなったと思います。」(30代,女性,神経内科)「30年前医局で禁煙の風が吹き、外来の机から突然灰皿がなくなったことをきっかけにやめました。」(60代,男性,内科)「喫煙者はリスクが高いので当然。また、禁煙治療が保険で行われるのもどうかと思う。タバコを吸わない人がなぜ喫煙者の禁煙にともなう治療費を払わないといけないのか」(50代,男性,呼吸器科)「30年前になりますが、病院の勤めが昼夜問わずで忙しすぎて、このままでは、恐らく健康を害してしまうと判断し、禁煙をしました。以後は全く吸っていません。喫煙する人の気持ちもわかりますし、喫煙したことのない人の気持ちもわかります。ただ、今の風潮ではやはり喫煙環境が悪くなるのは致し方ないことかと思います。」(60代,男性,小児科)「COPDの患者さんから「先生、俺みたいになりたくないなら、タバコはやめたほうがいいよ」と言われたのがきっかけで、ニコチンパッチやガムを使ってやめました。」(40代,男性,麻酔科)「受動喫煙による疾病リスクの増加の問題も有り,この厳しい財政状況の中では,喫煙者に多くの財政負担を求めるのは必然の流れ.」(40代,男性,内科)「喫煙は明らかにやCOPD、心血管疾患のリスク上げることが証明されているので、自己負担を上げ、責任を取らせるべき。非喫煙者が喫煙者の負担を強いられるのは問題。」(30代,男性,循環器科)「高校生の頃タバコ吸ってましたが、医学部に入って辞めました。あのころは運動していたんで、禁煙で成績が良くなったのが励みでした。禁煙は減塩と同じで個々人への働きかけとともに社会への働きかけも必要です。製薬メーカーももっと禁煙に力を入れてほしいです。MRさんでタバコを吸っているのは論外でしょう。 タバコはひと箱2000円でもいいと思います。」(40代,男性,代謝・内分泌科)「『タバコは嗜好品ではなく薬物』 『喫煙者は病気であり治療が必要』 『その害を国が率先してお墨付きを与え国民にまき散らしている』 という啓発が必要」(30代,男性,神経内科)「喫煙する人が疾患にかかりやすいのだから、受益者負担で高くすべきだと思う。父は吸っているから肺気腫のような症状が出ているが、自業自得であるし、医療費が高くても仕方がないと感じる。私自身はそれを見ているので吸いたくもないし周囲ですっているのも嫌である。」(40代,男性,神経内科)「喫煙者かどうか正しく申告するはずがないので、タバコの販売価格に上乗せする形で徴収し医療費へ回すべきだと思いますね。」(50代,男性,耳鼻咽喉科)「医療に従事する者として禁煙は早くしたかった。が、なかなかできなかった。子供ができたことで一念発起し、自分のためでなく、子供のために、とやめた。 現在院内では看護師と事務職の喫煙率が高い。喫煙後うがいなどをしているようだが、時々においが残り、そのまま患者さんのところに行くので、患者さんがどう思っているのか、気になる。」(40代,男性,産業医)「個人の嗜好なので、条例・法律規制しないかぎり個人の自由。副流煙・受動喫煙に対する配慮は必要。」(40代,男性,整形外科)「税金をたくさん払っているのだから、そこは考慮してほしい。やはり分煙。 喫煙者を悪者にするなら販売自体をやめてほしい」(40代,男性,泌尿器科)「禁煙外来の充実が望ましいが、労力の割には点数が少ないように感じられ、余裕のある医療施設でないと普及が難しいと思います。」(40代,男性,内科)「10数年間1日20本吸っていましたが30歳代後半に不整脈を自覚したのをきっかけに禁煙しました。当時は禁煙補助薬もなく、禁煙の最初の1-2週間がとてもつらかったのを今でも覚えています。」(50代,男性,内科)「禁煙外来をしたいが,保険で診療ではCO測定を必須としているが測定器は10万円以上もするため断念している。また,喫煙を止めた者の割合等を、社会保険事務局長に報告しなければならないなど敷居を高くしすぎている。当局は医師を全く信用していない。」(50代,男性,循環器科)「生活保護を受けている人が、明らかにタバコが原因になっているCOPDの治療を受けつつもタバコを吸い続けているのをみると、今の医療制度はおかしいんじゃないかと思う。」(30代,女性,外科)「保険料の設定において、各個人のリスクを勘案するのは現実的でない。 それよりもタバコが健康にすごい害をもたらす、タバコから市民権を奪うような風潮になってほしい。そのためにはマスコミの力が必要であるが、マスコミは大スポンサーであるJTに遠慮してタバコの真実の姿を視聴者に伝えられないところに大きな問題がある。」(30代,男性,呼吸器科)「受益者負担を考えると喫煙は医療費を押し上げているのだから押し上げている分は喫煙者に負担してもらうのが合理的。」(40代,男性,腎臓内科)「入院患者が職員の自転車置き場などでたむろしてたばこを吸っているのは何とかならないのかなぁと思います。小児の患者に付き添っている患者の母親が、患児を連れて他の人たちといっしょに吸っているのを見ると、受動喫煙の知識とかもないのかと唖然とします。」(40代,男性,その他)「まず、歩きタバコは傷害罪にしたほうがいい。」(40代,男性,精神・神経科)「健診学会、ドック学会のデータを見ても、喫煙の害は明らかです。健康を害して国民総生産を押し下げているものと思います。国の対応も甘くもっと積極的に禁煙キャンペーンをはるべきと思います。」(50代,男性,その他)「喫煙していたのは若いころだけで、特に抵抗なく禁煙しました。院内は室内禁煙で、喫煙所が1か所のみあります。医療費(保険診療)はリスクのある人にも平等に負担される仕組みが日本での前提ですから、これを崩せばいくらでもリスクを考えた負担(あるいは加入拒否)がまかり通るように思います。保険者に加入者の健康維持を働きかけさせるという観点からは、喫煙者が加入したら保険者に補助をして、そのかわり禁煙にどれだけ導いたかを評価してもよいかもしれません。」(50代,男性,小児科)「保険料や医療費をどのくらいにするのかを決めるのが大変でしょうし、現場も大変でしょう。「私は喫煙者です」という自己申告制ですね。 それよりもタバコの値段を上げる。 喫煙のきっかけは何だったのでしょうか。好奇心・大人ぶりたいなどではないでしょうか?」(70代以上,男性,産婦人科)「喫煙したことで医療費の増加に影響しているかもしれないが、1日1本の人と1日0本の人では程度が変わってくると思います。喫煙量に関係なくでは不満が出るでしょうし、その際にその人個人の喫煙量がどのくらいかを証明することができないでしょうし、難しいと思います。喫煙した結果の医療費を上げるよりも、喫煙する際のたばこ税を相当額上げることの方がいいと思います。」(30代,男性,救急医療科)「医師になった時に禁煙しました 喫煙が法律で禁止されているわけではないので、負担増については少し疑問です 喫煙だけでなく飲酒も問題ですし」(50代,男性,内科)「タバコや副流炎の害悪をアピールすることや分煙,禁煙の徹底が大切なのであって,喫煙者の医療費を上げることは当然,患者が嘘をつくことにつながるため反対である.金銭的に負のインセンティブをつけるならたばこ税を調整・増額すればよい.」(40代,男性,神経内科)「喫煙は中毒(依存症)です。誰かが適切に指導すれば禁煙もその継続も可能です。個人的には、あの臭いはもう受け付けないです。」(40代,男性,内科)「喫煙者のマナーの悪さ(道端でたばこを吸って吸殻はそのままポイ・・・など)は耐え難いものがある。たばこ税はもっともっと上げるべきだし喫煙者の医療費負担を上げてもいいぐらいだと思う。」(40代,男性,小児科)「自分は健康にかなり気を遣っているが、喫煙者と同じ保険料、医療費を払うのは解せない。喫煙者の負担を増やすべきである。たばこ関連税は全て医療保険に回すべきである。 目の前で吸わなくても、外で吸ってから部屋に入られると、それだけで部屋の中がタバコ臭くなり、迷惑である。」(40代,男性,放射線科)「禁煙してみると生活があまりに快適になるので、他人にも勧めたくなります。」(60代,男性,神経内科)「明らかな発ガン物質を"堂々と""合法的に""PRまでして"売っているなんて信じられない。」(50代,男性,産業医)「喫煙する医師は患者からどう見られているか考えた事が無いのだろうか?また人に迷惑をかけてはいないという言い訳は成立しない。」(40代,男性,代謝・内分泌科)「85歳です。40年ほど前完全禁煙しました。 小児科は忙しく余り吸う暇がありませんでしたが、当時タバコを吸うことは男のステイタスであったような気がします。まだ煙草の害が余り説かれていなかったころでしたが、医師の中にたばこの害を説く熱心な方がいて禁煙を勧めていました。その方の影響を受けました。それから強引に、喫煙する方の子供は診察しません。と張り紙をして禁煙運動をしてきました。3,40年も前ことです。少しは効き目があったようです。」(70代以上,男性,小児科)「全ての疾患をタバコにつなげる風潮がある。実際診療していてタバコはそれほどrisk factorになっているのか疑問をもつことが少なくない。今のところ健康寿命も世界一だがこの世代の人々は喫煙率は非常に高かった。日本の医療レベルが制度・技術ともに抜きんでていたから、と言えばそれまでだが果たしてそれが全てなのだろうか?」(40代,男性,外科)「咳が止まらないと受診した患者さんが喫煙を続けていることがよくあります。咳止め薬を希望されますが無駄だと思います。」(40代,男性,循環器科)

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他SSRI切替、どの程度の効果?:北海道大学

 現在わが国では、うつ病患者に対し複数のSSRIが使用可能である。また、SNRIやNaSSAなど新たな作用機序を有する抗うつ薬も発売され、うつ病の治療選択肢は広がった。うつ病治療においては、寛解を目指すことが求められるが、最初に選択した薬剤で必ずしも寛解を達成できるわけではない。そのような際、第1選択薬のSSRIから同様なセロトニンの再取り込みを阻害作用を有するほかのSSRIへ切り替えることは、臨床的にメリットがあるのだろうか? 北海道大学 井上氏らは未寛解や治療不耐性の大うつ病患者に対し、ほかのSSRIからセルトラリンに切り替えた際の、長期有効性および安全性を検討した。Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry誌2012年8月7日号の報告。 対象は、パロキセチンまたはフルボキサミンを十分な量、十分な期間投与したにもかかわらず寛解未達成またはSSRIに耐性を示した大うつ病患者25例(非寛解例:22例[88%])。セルトラリンへの切り替えは漸増漸減法にて行われた。評価は、QIDS-SRJ(自己記入式簡易抑うつ症状尺度日本語版)、HDRS(ハミルトンうつ病評価尺度)、CGI(臨床全般印象度)を用い、試験開始時および切り替え後1、2、3、4、6、8、12、16、20、24週目に行った。主な結果は以下のとおり。・副作用および効果不十分のため8週目以前に治療を中止した症例は5例(20%)であった。・QIDS-SRJ、HDRSの平均スコアはベースラインと比較し、切り替え後8、24週目で有意に改善した。・寛解(QIDS-SRJが5点以下)を達成した症例は、8週目で2/25例(8%)、24週目で4/25例(16%)であった。・8、24週目の治療反応例(QIDS-SRJがベースラインから 50%以上低下)は、11/25例(44%)であった。関連医療ニュース ・うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」 ・抗うつ薬切替のベストタイミングは? ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?!

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治験、臨床研究データをリアルタイム入力 EDCシステム開発

先端医療振興財団 臨床研究情報センター(以下、TRI)は24日、治験、臨床研究の症例データを、インターネットを介してリアルタイムで入力することで、スピードアップと効率化を図れるEDC(Electronic Data Capture)システム『eClinical Base』を独自に開発し、提供を開始したことを発表した。『eClinical Base』の大きな特徴は、症例報告書に関する内容を記載した設定仕様書(エクセル)をシステムにインポートすることにより試験設定が完了すること。つまり、試験設定が非常に簡便であり、症例報告書の変更等にも迅速に対応することができるという。登録割付機能や、SASデータセット出力機能のほか、「Part11(21CFR Part11)システム仕様対応」「GCP(Good Clinical Practice)システム仕様対応」「ERES(Electronic Records and Electronic Signature)準拠」さらに国際共同治験に適合するため、「CDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)」や多言語での運用も可能だ。 これらもすべてTRIが開発し、運用している。TRIでは2003年の発足以来、一貫してアカデミアの臨床研究の立ち上げと運営を支援し、その数は2012年8月現在で165件に達している。また、EDCシステムを積極的に活用することで効率化を進め、現在稼動している研究の70%以上でEDCを利用している。今後『eClinical Base』を利用し、100%EDCにて実施する予定とのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.tri-kobe.org/news/pdf/20120824_PressRelease.pdf

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