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若年発症統合失調症への第二世代抗精神病薬治療で留意すべき点

 統合失調症患者は一般集団と比較して寿命が短く、その主な死亡原因として心血管疾患が関与している。一方で、第二世代抗精神病薬(SGA)の使用は、有意な体重増加と代謝性副作用と関係していることが知られるが、特定の診断群、とくに若年発症統合失調症における情報は限定的であった。オーストラリア・Orygen Youth HealthのBrian O'Donoghue氏らによる検討の結果、若年発症統合失調症へのSGA治療では、代謝性の副作用に関する定期スクリーニングの必要性が強調されるとともに、肥満症やメタボリック症候群に対する予防および治療の介入が必要であることが報告された。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2013年8月22日号の掲載報告。 研究グループは、若年発症統合失調症の初発エピソードを有した未治療の小児および若者コホートについて、SGA(とくにオランザピン、リスペリドン、クエチアピン)の代謝性副作用について調査した。BMI、血清コレステロール値、同トリグリセリド値を、ベースラインと追跡中央値7ヵ月時点で測定し検討した。 主な結果は以下のとおり。・コホート被験者は合計49例であった。そのうち追跡調査が完了したのは36例(74%)であった。・SGA治療開始後、任意に抽出したコホートにおいて、BMI、トリグリセリド、コレステロールの有意な上昇がみられた。・小児と若者の3人に1人は、トリグリセリドとコレステロールの値が異常値であった。用量依存反応はみられなかった。・オランザピンとクエチアピンは、トリグリセリドの上昇がより大きかった。・以上を踏まえて著者は、「若年発症統合失調症では、代謝性副作用について定期スクリーニングの必要性が強調されるとともに、肥満症やメタボリック症候群に対する予防および治療の介入が必要である」と結論した。関連医療ニュース 若年者への抗精神病薬投与、2型糖尿病リスクが3倍に 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 抗精神病薬治療中の若者、3割がADHD

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パニツムマブの負の効果予測因子、KRAS以外にもある可能性/NEJM

 上皮増殖因子受容体(EGFR)を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体であるパニツムマブ(Pmab、商品名:ベクティビックス)は、KRAS遺伝子エクソン2の変異を有する転移性大腸がん(mCRC)患者では効果が低いことが報告されている。フランス・Institut de Cancerologie de l’ Ouest(ICO)Rene GauducheauのJean-Yves Douillard氏らは、PRIME試験についてバイオマーカー解析を行い、KRAS遺伝子エクソン2変異以外の遺伝子変異も、Pmabの負の効果予測因子となる可能性を示した。NEJM誌2013年9月12日号掲載の報告。変異有無別の有用性を、前向き、後ろ向きに解析 PRIME試験は、mCRCの1次治療においてPmab+FOLFOX4(オキサリプラチン/フルオロウラシル/ロイコボリン)併用療法とFOLFOX4単独療法の有用性を比較する国際的な多施設共同無作為化第3相試験。 今回、研究グループは、前向きおよび後ろ向きのバイオマーカー解析を行い、RAS遺伝子(KRASとNRAS)またはBRAF遺伝子の変異の有無別に、Pmab+FOLFOX4併用の有効性と安全性をFOLFOX4単独と比較した。 KRAS遺伝子エクソン2の変異のないmCRC患者639例には、KRAS遺伝子エクソン3、4、NRAS遺伝子エクソン2、3、4、BRAF遺伝子エクソン15のうち1つ以上の変異が認められた。遺伝子変異の検査結果は、RAS遺伝子が90%(1,060/1,183例)から、BRAF遺伝子は52%(619/1,183例)から得られた。RAS遺伝子変異のない患者には有効 RAS遺伝子変異のない512例における無増悪生存期間(PFS)中央値は、Pmab+FOLFOX4併用群の10.1ヵ月に対し、FOLFOX4単独群は7.9ヵ月であり、有意な差が認められた(併用療法による病態進行または死亡のハザード比[HR]:0.72、95%信頼区間[CI]:0.58~0.90、p=0.004)。全生存率(OS)中央値も、併用群が26.0ヵ月と、FOLFOX4単独の20.2ヵ月に比べ有意に延長した(同:0.78、0.62~0.99、p=0.04)。 RAS遺伝子変異のある548例では、PFS中央値は併用群が7.3ヵ月、FOLFOX4単独群は8.7ヵ月(HR:1.31、95%CI:1.07~1.60、p=0.008)、OS中央値はそれぞれ15.6ヵ月、19.2ヵ月(同:1.25、1.02~1.55、p=0.03)であり、併用群が有意に不良であった。 KRAS遺伝子エクソン2に変異がなく、他のRAS遺伝子変異を有する108例のPFS中央値は、併用群が7.3ヵ月、FOLFOX4単独は8.0ヵ月(HR:1.28、95%CI:0.79~2.07、p=0.33)、OS中央値はそれぞれ17.1ヵ月、18.3ヵ月(同:1.29、0.79~2.10、p=0.31)であり、いずれも両群間に差を認めなかった。 KRAS遺伝子エクソン2の変異を有する440例のPFS中央値は、併用群が7.3ヵ月、FOLFOX4単独群は8.8ヵ月(HR:1.29、95%CI:1.04~1.62、p=0.02)、OS中央値はそれぞれ15.5ヵ月、19.3ヵ月(同:1.24、0.98~1.57、p=0.07)であり、KRAS遺伝子エクソン2に変異がなく他のRAS遺伝子変異のある患者とほぼ一致していた。 BRAF遺伝子変異は不良な予後の予測因子である可能性が示唆された。また、新たな有害事象の発現はなく、RAS遺伝子変異のない患者および変異のある患者の安全性プロフィールは、KRAS遺伝子エクソン2変異のない患者と同じであった。 著者は、「KRAS遺伝子エクソン2変異に加え他のRAS遺伝子変異を有する転移性大腸がん患者では、Pmab+FOLFOX4併用療法は有効ではないことが予測される。RAS遺伝子変異のない患者では本併用療法が有効であった」とまとめ、「これらの知見を確定するには抗EGFR療法に関する統合解析またはメタ解析を要する」と指摘している。

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新規静注抗血小板薬の実力はいかに/Lancet

 新規静注P2Y12阻害薬カングレロール(国内未承認)について、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後30日間の有害心イベント予防に関する臨床ベネフィットが報告された。フランス・パリ第7大学のPhilippe Gabriel Steg氏らCHAMPION研究グループが、カングロレルの有効性と安全性について検証された3つの大規模二重盲検無作為化試験「CHAMPION-PCI」「CHAMPION-PLATFORM」「CHAMPION-PHOENIX」についてプール解析を行い報告した。解析の結果、カングレロールは対照群[クロピドグレル(商品名:プラビックス)またはプラセボ]と比較して、PCI周術期の血栓合併症を減少することが示された。一方で出血の増大も認められたという。カングレロールは、強力で急速、可逆的な抗血小板作用を特徴とする。Lancet誌オンライン版2013年9月2日号掲載の報告より。カングレロールに関する3試験の結果をプール解析 本解析の実施は「CHAMPION-PHOENIX」試験前に決められていたもので、カングレロールと対照薬のPCI術中・術後の血栓合併症の予防について比較することが目的であった。 3試験に参加した被験者は、ST上昇型心筋梗塞(11.6%)、非ST上昇型急性冠症候群(57.4%)、安定型冠動脈疾患(31.0%)によりPCIを受けた患者であった。 有効性については、修正intention-to-treat集団2万4,910例を対象に評価が行われ、事前規定の主要有効性評価は、48時間時点の全死因死亡・心筋梗塞・虚血による血行再建術・ステント血栓症の複合アウトカムだった。また主要安全性評価は、48時間時点の重篤または生命に関わる非冠動脈バイパス移植関連GUSTO(Global Use of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries)基準の出血だった。カングレロールはステント血栓症を有意に41%抑制 結果、カングレロールは主要有効性複合アウトカムの発生を、オッズ比で有意に19%抑制したことが示された(カングレロール群3.8%、対照群4.7%、オッズ比[OR]:0.81、95%信頼区間[CI]:0.71~0.91、p=0.0007)。 アウトカムを個別にみるとステント血栓症の発生率の低下が最も大きく、カングレロールの投与によりオッズ比で有意に41%抑制された(0.5%vs. 0.8%、OR:0.59、95%CI:0.43~0.80、p=0.0008)。また、副次有効性複合アウトカム(48時間時点の全死因死亡・心筋梗塞・虚血による血行再建術)は19%の低下であった(3.6%vs. 4.4%、OR:0.81、95%CI:0.71~0.92、p=0.0014)。 これら有効性アウトカムの結果は、試験全体および主要サブセット患者においても一貫しており、またそのベネフィットは30日時点の解析においても維持されていた。 主要安全性評価のアウトカムについては、カングレロール群と対照群で差はみられなかった(両群とも発生率0.2%)。またGUSTO中等度出血(0.6%vs. 0.4%)、輸血(0.7%vs. 0.6%)についても有意差はみられなかったが、GUSTO軽度出血についてカングレロール群の有意な増大がみられた(16.8%vs. 13.0%、p<0.0001)。

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喫煙に対する感受性がバイオマーカーでわかる可能性:日本人男性における検討

 血清鉄(sFe)の値は喫煙に対する感受性のバイオマーカーとなりうることが山形大学の柴田 陽光氏らにより報告された。PLoS One誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は喫煙習慣のある高齢者では一般的な疾患である。しかし、タバコ煙の曝露期間に応じて呼吸機能が低下する、喫煙に対する感受性の高い人々がいる一方で、呼吸機能が低下しない高齢者もいる。しかしながら、これまで、こうした喫煙に対して感受性のない人々に関する研究はあまりなかった。 本研究では、喫煙しているにもかかわらず、肺の健康状態が維持されている人々を識別するバイオマーカーを同定することを目的とした。 2004年~2006年に山形県高畠町で定期健康診断を受けた3,257人を対象に、血液のサンプリングとスパイロメトリーを実施した。このうち、(1)年齢が70歳以上(2)ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上(3)喫煙歴が30年以上、の3つに該当する117人の喫煙者を対象とした。喫煙感受性なしの定義はFEV1(1秒量)/FVC(努力性肺活量)≧0.7かつFEV1%predicted(1秒量対予測値)≧80とした。 主な結果は以下のとおり。・喫煙感受性のないグループは感受性のあるグループに比べ、ベースラインの血清鉄(sFe)の値が高かった。・男性では、血清鉄(sFe)の値が低いとFEV1/FVCも低かった。・男性では、呼吸機能の測定値と血清鉄(sFe)の値の間に明らかな関連が認められた。・多重線形回帰分析においても、他の臨床的な因子とは独立して、血清鉄(sFe)が呼吸機能の値の予測因子となることが明らかとなった。・血清鉄の値はFEV1の低下に対する予測因子にもなっていた。

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爪真菌症にアルバコナゾールが奏効

 新たなトリアゾール系経口抗真菌薬アルバコナゾール(国内未承認)について、足親指の遠位爪甲下型爪真菌症に対する高い有効性と安全性が確認されたことが報告された。アイスランド大学のBarour Sigurgeirsson氏らによる4つの用量レジメンについて検討した第2相無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験の結果、示された。爪真菌症に対する有効な治療としては、テルビナフィン(商品名:ラミシールほか)、イトラコナゾール(同:イトリゾールほか)があるが、頻繁な反復投与を必要とする頻度が高く、肝・心臓の有害事象を引き起こす可能性がある。今回の試験ではアルバコナゾールの4レジメンともに肝・心臓の重大有害事象はみられなかったという。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年9月号(オンライン版2013年5月22日号)の掲載報告。 研究グループは、足親指の遠位爪甲下型爪真菌症に対するアルバコナゾール週1回投与の有効性と安全性について検討した。試験は、584例の患者を、アルバコナゾール100~400mg、またはプラセボをそれぞれ週1回投与する二つの群に割り付け行われた。治療期間は24週間または36週間であった。 有効性の指標は、52週時点での菌学的治癒および爪が透明またはほぼ透明であることとした。 主な結果は以下のとおり。・52週時点の有効率は、4つの用量レジメンすべての治療群(21~54%)がすべてプラセボ(1%)よりも有意に高かった(すべての群のp<0.001)。・ほとんどの群で患者の5%以上が、治療奏効を24週時点で達成していた。・有害事象の大部分は軽度~中程度であった。・治療関連の有害事象は3%以内であった。また、治療関連の肝・心臓の重大有害事象はみられなかった。・今回の試験は、追跡調査期間が短く有効性の最大値を評価することができなかったこと(治癒率が試験終了時点で増大していた)、アルバコナゾールの有効性と忍容性についてほかの治療薬との比較は行われなかったこと、目標病変の足指の爪の変化は主観的評価であったという点について限界があった。・以上を踏まえて著者は、「アルバコナゾールは爪真菌症に対して、いずれの用量でも忍容性は良好で高い治癒率を示した」と結論している。

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ヨガはうつ病補助治療の選択肢になりうるか

 ヨガは、うつ病患者またはうつレベルが高い人の補助的治療の選択肢となりうることが、ドイツ・デュイスブルグ-エッセン大学のHolger Cramer氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。心身医学的介入は、うつ病への対応として一般的に用いられており、なかでもヨガは最も高頻度に用いられる心身医学的介入の1つである。Depression and Anxiety誌オンライン版2013年8月6日号の掲載報告。 研究グループは、2013年1月時点でのMedline/PubMed、Scopus、Cochrane Library、PsycINFO、IndMEDを介して、うつ病障害を有する患者またはうつレベルが高い人に対するヨガ介入の無作為化比較試験(RCT)を検索した。主要アウトカムは、うつ病重症度と寛解率、副次アウトカムは、不安症、QOL、安全性についてであった。 主な結果は以下のとおり。・12件のRCT、被験者合計619例が解析に組み込まれた。3件のRCTは、バイアスリスクが低かった。・うつ病重症度に関しては、ヨガのほうが通常ケアと比較して、わずかだが短期的効果のエビデンスが認められた(標準化平均差[SMD]:-0.69、95%信頼区間[CI]:-0.99~-0.39、p<0.001)。・リラクゼーション法との比較(SMD:-0.62、95%CI:-1.03~-0.22、p=0.003)、また有酸素運動との比較(同:-0.59、-0.99~-0.18、p=0.004)に関するエビデンスは限定的であった。・不安症に関して、リラクゼーション法と比較したヨガの短期的効果のエビデンスも限定的であった(同:-0.79、-1.3~-0.26、p=0.004)。・サブグループ解析では、うつ病性障害を有する患者、うつレベルの高い人への効果に関するエビデンスが示された。・長期的効果についてのメタ解析は、RCTの不足と不均一性により実行できなかった。また安全性については、データ報告をしたRCTがなかった。・上記を踏まえて著者は、「解析に含んだ試験には方法論的欠陥があるが、ヨガはうつ病患者およびうつレベルの高い人に対する補助的治療の選択肢と考えられた」と結論している。関連医療ニュース 1日1杯のワインがうつ病を予防 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 抗うつ薬による治療は適切に行われているのか?:京都大学  担当者へのご意見箱はこちら

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予後予測能が高まるeGFR算出法/NEJM

 シスタチンC値の単独またはクレアチニン値との併用による推定糸球体濾過量(eGFR)算出は、多様な集団において、死亡および末期腎不全(ESRD)リスクなどの転帰予測を改善することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のMichael G. Shlipak氏らがメタ解析の結果、報告した。これまで、シスタチンC値にクレアチニン値を加味することが、eGFR算出精度を改善することは知られていた。しかし、多様な集団における慢性腎臓病(CKD)患者の検出や病期分類およびリスク層別化にもたらす効果については明らかではなかった。NEJM誌2013年9月5日号掲載の報告より。クレアチニン値またはシスタチンC値の単独、または両者の組み合わせを評価 研究グループは解析に組み込む試験について、ベースラインの血清クレアチニン値またはアルブミン尿のデータが入手可能であった被験者を1,000例以上含むもの、また何らかの重大なアウトカムのイベント件数が50件以上あるものを適格とした。検索の結果、11件の一般集団対象試験(被験者総計9万750例)、5件のCKDコホート試験(被験者計2,960例)を解析に組み込んだ。 クレアチニン値単独またはシスタチンC値単独、あるいは両者を組み合わせて算出したeGFRについて、死亡率(15コホート、1万3,202例)、心血管系の原因による死亡率(12コホート、3,471例)、ESRD発生率(7コホート、1,654例)との関連を比較し、シスタチンC値を用いた場合の再分類の改善の程度を評価した。シスタチンC値を用いたネット再分類改善度は、死亡0.23、ESRDは0.10 結果、一般集団コホートにおいて、eGFR 60mL/分/1.73m2未満であった人の割合は、シスタチンCベース算出のほうがクレアチニン・ベース算出よりも高かった(13.7%対9.7%)。 クレアチニン値ベースのeGFR分類カテゴリ(0~14、15~29、30~44、45~59、60~89、90以上[mL/分/1.73m2])と比較した、シスタチンC値を用いた再分類(高値または低値への再分類、または変動なし)によるアウトカムリスクへの影響についてみた結果、すべてのeGFR分類カテゴリにおいて、高値へのeGFR再分類は、本検討の3つのアウトカム(全死因死亡、心血管系死亡、ESRD)のリスク減少と関連していた。一方で、低値へのeGFR再分類は同リスク増大と関連していた。 クレアチニン値ベースと比較したシスタチンC値を用いた場合のネット再分類改善度は、死亡について0.23(95%信頼区間[CI]、0.18~0.28)、ESRDについては0.10(同:0.00~0.21)であった。 結果は、5つのCKDコホートにおいても、またクレアチニン値とシスタチンC値の両者を用いた場合においてもほぼ変わらなかった。

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女性にも薬剤溶出ステントは有効か?/Lancet

 冠動脈疾患の男性患者だけでなく女性患者においても、薬剤溶出ステント(DES)はベアメタルステント(BMS)に比べ有効性と安全性が優れることが、スイス・ベルン大学病院のGiulio G Stefanini氏らの検討で確認された。冠動脈疾患の治療におけるDESの安全性と有効性はさまざまな無作為化試験で検討されているが、登録患者に占める女性の割合が約25%と低いため、女性におけるDESの有用性を評価する十分なパワーを有する単一の試験はないという。Lancet誌オンライン版2013年9月2日号掲載の報告。日本人女性患者を含む26試験の統合解析 研究グループは、女性におけるDESの有用性を評価するために、2000~2013年に実施された26件のDESに関する無作為化試験に参加した女性のデータを収集し、統合解析を行った。解析には、日本のRESET試験(3,197例、女性23%、2012年)が含まれた。 BMS、旧世代DES[シロリムス溶出ステント(Cypher)、パクリタキセル溶出ステント(Taxus)]、新世代DES[エベロリムス溶出ステント(Xience、Promus)、ゾタロリムス溶出ステント(Endeavor、Resolute)、バイオリムス溶出ステント(Biomatrix、Nobori)、シロリムス溶出ステント(Yukon)]の3群に分けてアウトカムを解析した。 安全性の主要評価項目は、死亡と心筋梗塞の複合エンドポイントとし、副次評価項目は、ステント血栓症(疑い例を含む)であった。有効性の主要評価項目は標的病変再血行再建術の施行とした。死亡/心筋梗塞:12.8 vs 10.9 vs 9.2%、ステント血栓症:1.3 vs 2.1 vs 1.1% 26試験に参加した4万3,904例のうち女性は1万1,557例(26.3%)で、BMS留置例が1,108例(9.6%)、旧世代DES留置例が4,171例(36.1%)、新世代DES留置例は6,278例(54.3%)であった。 全体の平均年齢は67.1歳で、BMI 28.1、糖尿病31.2%、高血圧75.6%、高コレステロール血症67.6%、喫煙者26.7%、冠動脈疾患家族歴39.5%、心筋梗塞の既往19.0%、PCI施行歴20.6%、CABG施行歴5.0%、多枝病変28.8%であった。平均フォローアップ期間は2.9年だった。 留置後3年時の安全性の複合エンドポイントの累積発生率は、BMS留置例が12.8%(132例)、旧世代DES留置例が10.9%(421例)、新世代DES群は9.2%(496例)であった(全体:p=0.001、旧世代と新世代DESの比較:p=0.01)。ステント血栓症の発症率は、BMS留置例が1.3%(13例)、旧世代DES留置例が2.1%(79例)、新世代DES群は1.1%(66例)だった(同:p=0.01、p=0.002)。 3年時の標的病変再血行再建術の施行率は、BMS留置例が18.6%(197例)、旧世代DES留置例が7.8%(294例)、新世代DES群は6.3%(330例)であり、DESの使用により有意に低下した(全体:p<0.0001、旧世代と新世代DESの比較:p=0.005)。これらの結果は、多変量解析にてベースラインの患者背景で調整しても変わらなかった。 著者は、「女性患者では、BMS留置例に比べDES留置例で長期的な有効性と安全性が優れ、新世代DESは旧世代DESに比べ良好な安全性を示した」と結論し、「新世代DESは女性患者における経皮的冠動脈再建術の標準治療とみなされる」と指摘している。

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RSウイルス増加の兆しか

 「RSウイルス・オンライン・サーベイ +hMPV(運営管理・開発責任者 西藤なるを氏 西藤小児科こどもの呼吸器・アレルギークリニック 滋賀県守山市)」の報告によると、ここ数週間RSウイルスが増加している傾向がみられるという。 先週(第38週:2013年9月16日~9月22日)の同メーリングリストへのRSウイルスの報告は42件。その前週である第37週は50件、第36週も40件以上の報告があり、ここ数週間にわたり多数の報告が続いているという。運営責任者の西藤氏は、「乳幼児で、顕著な咳嗽や喘鳴のお子さんはRSウイルスの感染も疑ってほしい」と同サイトのメールマガジンで述べている。 「RSウイルス・オンライン・サーベイ +hMPV」は、日本全国の有志医師からの自主的な報告を集計している。集計報告の地域分布や定量性については、実際の流行と乖離している可能性があるものの、同システムを用いている「MLインフルエンザ流行前線情報DB(ML-flu)」は国立感染症研究所のデータとの相関性が認められている。http://rsv.children.jp/rsdata/index.php

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成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から

 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。 疼痛のため大学病院の疼痛専門クリニックを新たに受診した、成人患者1,045例(平均年齢49.5±15.4歳)を対象に、自己評価質問票を用い疼痛の特性を小児期も含めて調査した。 主な結果は以下のとおり。・成人慢性疼痛患者の約17%(176例)が小児期(または青年期)に慢性疼痛の既往があり、そのうち約80%の患者は小児期の疼痛が現在まで続いていた。・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は、68%が女性で、85%は広範痛を有していた。・同患者は小児期慢性疼痛の既往がない患者に比べ、線維筋痛症のリスクが約3倍(オッズ比[OR]:2.94、95%信頼区間[CI]:2.04~4.23)であり、慢性疼痛の家族歴がある場合のリスクは約2倍(同:2.03、1.39~2.96)、精神疾患を有する近親者がいる場合のリスクは約3倍(同:2.85、1.97~4.11)であった。・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は既往がない患者に比べ、疼痛に関して神経障害性疼痛をうかがわせる表現を用い(OR:1.82、95%CI:1.26~2.64)、やや身体機能状態が悪く(p=0.002)、不安が増加していた(OR:1.77、95%CI:1.24~2.52)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?

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「てんかんと社会」国際シンポジウム

2013年8月24日、国際シンポジウム「てんかんと社会」が都内にて開催された。100人に1人が発症する「てんかん」は、患者によって原因・症状・予後はさまざまであるが、てんかんへの誤解・偏見の問題はいまだに解消されていない。シンポジウムでは、てんかんへの偏見・治療・ケアに対する、国内外での取り組みについて討論された。てんかんが生活の妨げにならない社会とするための、現状の課題と今後の展望について報告する。

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てんかんと偏見 ~その本質は何か~

中里 信和氏(東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野 教授)は「てんかんと偏見 ~その本質は何か~」と題して講演を行った。てんかんは反復性の脳の異常活動(てんかん発作)を特徴とする疾患で、さまざまな臨床症状および検査所見が伴うことも忘れてはならない。有病率は約1%であり、発症率では乳幼児期と高齢期で高い。一言で「てんかん」といっても、原因や発作型、合併症、予後などは患者さんによりさまざまであり、「病名だけで一括りにできない」ことを中里氏は強調した。てんかん診療においては、問診が非常に重要であり、中里氏は病歴、生活歴などの聞き取りを含め、一人の患者さんに1時間ほどかけて診察するという。脳波検査も必須であるが決して万能ではない。理想的には入院の上、発作の瞬間を捕捉するビデオ脳波モニタリング検査が重要であるとした。てんかんでは、適切な治療で約7割の症例は発作をコントロールできるという。また、てんかんは誤解や偏見・差別と深い関係がある疾患でもある。中里氏は、Twitterで積極的な情報発信をしていることで知られており、フォロワーとのやりとりを踏まえ、誤解や偏見・差別を解消させるには教育が重要であると説いた。てんかんの患者のすべてが適切な治療を受けられれば、GNP(国民総生産)が0.4%上昇するというデータを、中里氏は最後に紹介し、てんかんの診療改革は、日本社会全体にとっても有益であることを訴え、講演を結んだ。(ケアネット 有田衣里)

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高齢化社会とてんかん

赤松 直樹 氏(産業医科大学 神経内科 准教授)は、「高齢化社会とてんかん」と題して講演を行った。まず冒頭で、てんかんはかつて「小児の疾患」と捉えられることが多かったが、高齢者人口の増加に伴い、高齢者のてんかんの発症率も増加傾向にあるという現況を紹介した。高齢者のてんかんについて、わが国における大規模研究のデータはまだないものの、米国てんかん協会(American Epilepsy Society: AES)の研究によれば、てんかん治療患者の約3分の1は高齢者であるという。高齢者てんかんで多くみられる複雑部分発作は、認知症による異常行動との鑑別が難しく、誤診される場合も多いため、結果としててんかんが見逃され、診断の遅れや誤りにつながっている。また、認知症患者ではてんかん発症リスクが10~20%と高いが、この発症率の高さはあまり知られていないようである。赤松氏は、てんかん診断のポイントについて、まず基本として「問診」と「脳波」を挙げた。また、発作型を念頭においた診断、鑑別診断も重要であり、高齢者てんかんでは初発発作から治療を開始することも多いという。また赤松氏は、高齢者てんかんの臨床的特徴を明らかにするべく、産業医科大学てんかん専門外来を受診した高齢者てんかん患者125人を対象として行った比較検討において、高齢者てんかんは65歳以上で発症する割合が高い症候群診断は、発症年齢にかかわらず側頭葉てんかんが最も多い発作型は複雑部分発作、二次性全般化発作が多いが、高齢発症では複雑部分発作の割合がより高くなる発症原因は明らかでない症例が最も多く、発症時期が高齢であるほどその確率が高い傾向にある。原因が明らかな症例では、脳血管障害が最も多い高齢発症では9割近くの症例が単剤で治療されているといった結果をデータと共に紹介した。最後に、てんかんの診断が高齢者に与える影響として、発作による転倒・骨折、内服による副作用といった「日常生活」に関するもの、偏見や不安などの「心理面」に関するものを挙げた。そして、「高齢者てんかん治療の際にはこうした高齢者特有の問題に配慮することが重要である」という言葉で講演を結んだ。(ケアネット 有田衣里)

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てんかんと運転免許

てんかんなどの意識障害を伴う疾患が関係する道路交通法が可決・成立し、一定の病気*と関連して生じた交通死傷事故の処罰に関する法律をまとめた刑事法新法を策定しようとする動きがある(添付資料1)。しかし、これらの法改正がてんかんやその他の疾患に対する偏見や誤解を助長する可能性があると懸念されており、日本てんかん学会をはじめ関連学会では、これらの法改正について協議を重ねている。【道路交通法改正】2013年5月に日本てんかん学会と日本てんかん協会の共催で開かれた、緊急シンポジウム(「事故をなくしたい-病気や障害と自動車社会の共存をめざして-」)の中で、道路交通法改正に関して、「排除の論理が優先しており、実効性に疑問があるばかりか、差別社会につながりかねない。関連支援法の整備や数年後の見直しなどの付帯決議が必要である」との提言が出された。これにより、2013年6月7日衆議院本会議で可決した改正道路交通法には、付帯決議が追加された(添付資料2)。詳細な通報ガイドラインや運用基準の見直しについては、関連学会と警察庁で協議を重ねている。【刑事法新法】2013年8月に開かれた法的問題検討委員会・関連学会合同会議では、今回の刑事法新法が一定の病気*を理由に刑罰が加重されるという法律であるため、問題視する声が大きかった。これらの病気による事故率が他の要因と比較して高いという医学的根拠はなく、疾患に対する差別を助長しかねず、疾患の適切な治療を阻害しかねない。今後、関連学会の連名にて、新法の慎重な運用と付帯決議追加の要望書を提出する予定である。* 一定の病気とは、統合失調症、てんかん、再発性失神、無自覚性の低血糖症、躁うつ病、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害をいう。添付資料1画像を拡大する添付資料2画像を拡大する(ケアネット 岸田有希子)

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日本のてんかん医療と社会 ~その新しい姿をめざして~

近年、てんかんと申告せずに自動車を運転したために発生した事故が多く、虚偽回答に対する罰則を強化しようとする動きもみられている。厚生労働省「てんかんの有病率等に関する疫学研究及び診療実態の分析と治療体制の整備に関する研究」班代表の大槻泰介氏(国立精神・神経医療研究センター てんかんセンター センター長)は、「罰則強化だけでは事故を減らす解決策にならない。運転をしなければならないてんかん患者への対策と、医師によるてんかんの申告が“患者への支援”と“よりよい医療”に結びつく仕組みを考える必要がある」と訴える。大槻氏は、日本のてんかん医療における問題点は、てんかんを担当する診療科および行政の担当部署が不明確であり、これまでてんかんという疾患を中軸に据えた対策がなされてこなかったことだという。具体的には以下のような問題点が挙げられる。(1)地域保健、地域医療、専門医療の整備が不十分。(2)患者が必要とする医療・福祉・生活支援の実態が把握されていない。(3)自動車運転事故等てんかん医療が直面する社会的課題に対し、組織の枠組みを超えた適切な対応がとれない。そこで厚生労働省研究班では、医療資源の有効活用と診療レベルの向上を目的とした対策に取り組んでいる。まず、スムーズに専門医・専門施設へ紹介できるように、紹介料の加算など診療報酬への反映を含めた診療連携システムの構築を行っている。また、地域のどこで誰がどのようにてんかん治療を行っているのかを医師も患者さんも把握することができるように、てんかん診療ネットワークのサイトを構築してんかん診療モデルの提案を行っている。このような対策により、新しいてんかん医療システムの提言と実現が期待されている。最後に大槻氏は、「てんかん医療と社会は深く関わらざるを得ない。しかしながら、わが国ではてんかん医療に関わる行政の責任部署が不明確なことが問題である。そのため、日本てんかん学会には日本のてんかん医療の現状を変える強いリーダーシップが求められている。」と述べている。てんかん診療ネットワーク http://www.ecn-japan.com/(ケアネット 岸田有希子)

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