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PET-CT検査:放射性トレーサーの違いで、冠動脈プラークの検出に差/Lancet

 18Fフルオライド陽電子放射断層撮影(PET-CT)による高リスクプラークの検出・特定能について、2種の放射性トレーサー、18Fフッ化ナトリウム(18F-NaF)と18F-フルオロデオキシグルコース(18F-FDG)の検出・特定能を比較検討した結果、18F-NaF PET-CTが非侵襲的画像診断法では最も有用である可能性が示された。英国・エジンバラ大学のNikhil V Joshi氏らによる前向き試験の結果で、著者は「この方法が、冠動脈疾患患者のマネジメントと治療の改善に役立つかどうかを立証するための、さらなる研究が必要である」とまとめている。非侵襲的画像診断法による同プラークの特定は、冠動脈疾患の予防と治療の臨床的前進に大きく寄与することを意味するものである。Lancet誌オンライン版2013年11月11日号掲載の報告より。心筋梗塞40例と安定狭心症40例の患者を対象に検証 試験は、18F-NaF PET-CT、18F-FDG PET-CTおよび侵襲的冠動脈造影を受けた、心筋梗塞(40例)および安定狭心症(40例)の患者を対象とした。 18F-NaFの集積は、症候性頚動脈疾患患者からの頚動脈内膜剥離術検体を用いて組織学的に比較検討した。また安定狭心症患者では血管内超音波を検討に用いた。 主要エンドポイントは、急性心筋梗塞患者の責任または非責任冠動脈プラークの、18Fフルオライドの組織/バックグランド比とした。責任プラークへの集積は18F-NaFが最も高い 心筋梗塞患者のうち37例(93%)の検討では、責任プラークへの集積は18F-NaFが最も高かった(最大組織/バックグランド比の中央値:責任プラーク1.66[IQR:1.40~2.25]vs. 最大非責任プラーク1.24[同:1.06~1.38]、p<0.0001)。 対照的に、18F-FDGは心筋に集積され概して不明瞭であり、責任プラークと非責任プラークについて識別の有意差はみられなかった(同:1.71 [1.40~2.13] vs. 1.58 [1.28~2.01]、p=0.34)。 著明な18F-NaFの集積は、すべての頸動脈プラーク破綻部位で認められ、石灰化活性の組織学的エビデンス、マクロファージ浸潤、アポトーシス、壊死との関連がみられた。 安定狭心症患者18例(45%)での検討では、18F-NaFのプラークへの集積は局在的で(最大組織/バックグランド比の中央値:1.90[IQR:1.61~2.17])、血管内超音波における高リスク所見と関連していた。すなわち、リモデリング陽性(リモデリング指数:プラーク集積あり1.12[IQR:1.09~1.19]vs. 同なし1.01[0.94~1.06]、p=0.0004)、微小石灰化(73%vs. 21%、p=0.002)、壊死性コア(25%[21~29]vs. 18%[14~22]、p=0.001)。

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成人バーキットリンパ腫、低強度EPOCH-Rベース療法が非常に有効/NEJM

 成人のバーキットリンパ腫の未治療患者に対して、低強度のEPOCH-Rベース治療が非常に有効であることが報告された。米国国立がん研究所(NCI)のKieron Dunleavy氏らが行った非対照前向き試験の結果、明らかになった。バーキットリンパ腫は、小児および成人にみられるアグレッシブなB細胞リンパ腫で、大部分は集中的な抗がん剤療法で治療が可能となっている。ただし現在の治療法は、成人および免疫不全を有する患者では、小児に対するよりも有効性が低い一方、重篤な副作用があった。NEJM誌2013年11月14日号掲載の報告より。連続患者30例を対象に標準レジメンと低強度レジメンについて検討 研究グループは、未治療のバーキットリンパ腫患者について、エトポシド/ドキソルビシン/シクロホスファミド/ビンクリスチン/プレドニゾン+リツキシマブ(EPOCH-R)の低強度療法について、2つのレジメンについて検討した。 1つは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)陰性患者を対象に標準的な用量調整併用レジメン(DA-EPOCH-R群)で、もう1つは、HIV陽性患者を対象に低用量で短期間、リツキシマブを2倍量とした併用レジメン(SC-EPOCH-RR群)だった。 連続患者30例(DA-EPOCH-R群19例、SC-EPOCH-RR群11例)が治療を受けた。患者は年齢中央値33歳(範囲:15~88歳)、40歳以上は40%だった。また、疾患リスクは73%が中等度、10%が高度だった。主要中毒事象発生は標準レジメン群22%、低強度レジメン群10% フォローアップ中央値は、DA-EPOCH-R群が86ヵ月、SC-EPOCH-RR群が73ヵ月だった。同時点での無増悪率は、DA-EPOCH-R群95%、SC-EPOCH-RR群100%で、全生存率はそれぞれ100%、90%だった。バーキットリンパ腫での死亡例はなかった。 主要中毒事象は、発熱と好中球減少症で、発生はDA-EPOCH-R群22%、SC-EPOCH-RR群10%でみられた。SC-EPOCH-RR群で腫瘍崩壊症候群が1例の患者でみられたが、治療関連死はみられなかった。 ドキソルビシン/エトポシド、またシクロホスファミドの累積投与量中央値は、標準レジメンのDA-EPOCH-R群よりも低強度強化レジメンのSC-EPOCH-RR群のほうが、それぞれ47%、57%低かった。 著者は、「今回の非対照前向き試験において、散発性あるいは免疫不全関連バーキットリンパ腫では、低強度のEPOCH-Rベース療法が非常に効果的であった」と結論している。

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難治性にきびへのイソトレチノイン、やはり高用量がよい?

 難治性ざ瘡患者に対するイソトレチノイン(国内未承認)治療について、累積投与量(220mg/kg未満または以上)をベースとした高用量治療群と低用量治療群の患者について比較検討した結果、高用量のほうが有意に有効で、有害事象を増大することなく再発を抑制することが示された。米国・ノースカロライナ大学のRachel C. Blasiak氏らが、前向き観察介入試験の結果、報告した。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年10月30日号の掲載報告。イソトレチノイン220mg/kg以上投与患者で再発リスクが有意に減少 イソトレチノインは、最も有効なざ瘡治療薬であるが、理想的な投薬方法は明らかではない。 研究グループは本試験において、累積投与量が高値の患者におけるざ瘡の再発およびイソトレチノイン再治療の発生割合と、副作用プロファイルの変化について調べることを目的とした。 試験は2008年8月1日~2010年8月31日まで、3次医療を提供する大学病院で複数の医療従事者の協力を得て行われた。 患者へのイソトレチノイン治療は、医師の判断に基づき行われ、評価は、累積投与量に基づき2群(220mg/kg未満群または以上群)に分類されて行われた。 主要評価項目は、12ヵ月時点のフォローアップにおける再発率(イソトレチノイン治療コース後の局所または経口のざ瘡治療薬による治療が行われていた割合)または再治療率(イソトレチノインによる再治療が行われていた割合)、および12ヵ月間の治療の間または治療後に患者が経験した副作用であった。 イソトレチノイン治療の累積投与量の主な評価は以下のとおり。・試験に登録されたのは、合計180例のほかの治療が無効のざ瘡患者であった。そのうち116例(64.4%)が12ヵ月時点のフォローアップを受けた。・12ヵ月時点で、患者の97.4%が「にきびが改善した」と報告した。・全体では12ヵ月時点の再発率は32.7%、再治療率は1.72%であった。・イソトレチノイン低用量治療群では、再発率は47.4%(95%信頼区間[CI]:32.3~63.0%)であったのに対し、イソトレチノイン高用量治療群は26.9%(同:18.3~37.8%)であった(p=0.03)。・両群におけるほぼ100%の患者が、治療期間中に口唇炎と乾皮症を呈した。・イソトレチノイン高用量治療群では皮膚炎が認められた患者の頻度が有意に高かった(53.8%対31.6%、p=0.02)。・そのほかの副作用は、両群間で有意差は認められなかった。・著者は、「本試験において投与されたイソトレチノイン量は、先行試験で使用されたものよりもかなり高値なものであった」と述べたうえで、イソトレチノイン治療完了後1年時点において、220mg/kg以上の投与を受けた患者のほうが、再発リスクが有意に減少したことが判明したことを報告した。また、高用量治療群で治療中にみられた唯一の副作用は発疹であったことも報告した。・以上を踏まえて著者は、「今回の試験の結果は、イソトレチノインによるざ瘡治療は、高用量のほうが有意な有効性を示し、副作用を増大することなく再発を抑制することを示すものである」と結論している。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第2回

第2回:鼠径ヘルニアは問診と診察で診断を <一般的な内容> 鼠径ヘルニアは、プライマリ・ケアで目にする一般的な外科的疾患の一つです。しかし患者さんやご家族にはあまり知られているとはいえず、とくに患児の保護者が心配して受診することがしばしばあります。 鼠径ヘルニアは9:1の割合で男性に多く、とくに40歳~59歳の男性に好発します。鼠径部の膨隆がはっきりしない場合、痛みなどの症状に乏しい場合もあります。姿勢によって膨隆が消失する場合もあるので、診察の際は息こらえなどをさせると症状がはっきりします。画像の意義は大きくなく、病歴と身体診察で診断をつけるべき疾患といえます。外科的治療にはラパロスコピーと開腹術がありますが、経験豊富な術者であれば両者に大きな成績の差はないようです1)。 以下、本文 American Family Physician 2013年6月15日号1)より鼠径ヘルニア1.概要 鼠径ヘルニアは、プライマリ・ケアにおいて外科への紹介を要する最もよくある原因の一つ。 病歴と診察で診断可能。 症状としては鼠径部痛や異常感覚がある。 ヘルニアの膨隆が消えることもあるが、咳込みやいきみなどで腹圧が上がると出現する。 小さく最低限の症候性のヘルニアでは外科的介入が必ずしも必要ではない。 外科的整復には開腹術とラパロスコピーがある。2.症状と臨床所見 身体診察の感度と特異度はそれぞれ75%、96%という報告がある。 鼠径ヘルニアの症状は時間とともに徐々に、または嵌頓により突然増強する。 鼠径ヘルニアは、無症候性であったり、ルーチンの身体診察の際にたまたま見つかることもある。 通常は、ヘルニア部の局所痛を引き起こす。痛みはValsalva手技で増悪することがある。 診察は、立位で鼠径部と大腿部の膨隆を注意深く探すことから始めるべきである。そして術者が膨隆を観察しながら、患者にいきませる(Valsalva手技)。Valsalva手技でも膨隆を見つけられなければ、ヘルニアは疑わしくない。 スポーツ選手の鼠径部痛で膨隆がない場合は、スポーツヘルニア(組織線維の断裂)が考慮される。 急性発症の鼠径部痛が出現したら絞扼を考慮する。絞扼は疼痛や発赤、嘔気・嘔吐の存在で疑うべきであり、外科的緊急である。3.画像 画像はヘルニアの診断にはあまり必要とならない。 スポーツヘルニアや、ヘルニアの再発や水腫の可能性があるとき、診断が不確かなとき、外科的合併症のときは役立つ。 鼠径ヘルニア検索への超音波の感度は90%以上、特異度は82%。 MRIは、鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアの鑑別に、高感度・高特異度で有用。4.手術 小さく、最小限の症候性で、初発のヘルニアでは必ずしも外科的整復は必要ではなく、嵌頓や絞扼に注意しながら待機的にフォローできる。 症候性、大きい、再発の場合は、一般的に1ヵ月以内に外科的整復が必要。 外科的整復には、妊娠可能年齢の女性を除いて、ほとんどの場合補綴材料(メッシュなど)が使われる。 外科的整復にはラパロスコピーと開腹術がある。米国ではラパロスコピーはわずか10%。術者が経験豊富であればどちらも同等に有効であり、再発率は0~9.4%である。 最も一般的な外科的整復の合併症は血腫(陰茎や陰嚢の斑状出血を含む)と創感染である。 慢性疼痛は5~12%に起こり、神経損傷やメッシュの収縮や慢性炎症や恥骨骨炎に関連する。5.術後ケア 現在の術後の標準的なケアは、一般的な創のケアである。 安静を要する期間は外科医の好みによって大きく異なるが、通常は力仕事の人の場合2~4週間、デスクワークの人の場合は10日程度で仕事復帰してよい。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) LeBlanc KE, et al. Am Fam Physician. 2013 Jun 15;87:844-848.

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ACE阻害薬とARBの併用は危険!(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(151)より-

 NEPHRON-Dは、ARB(ニューロタン)を1ヵ月以上服用している糖尿病腎症の症例を、ACE阻害薬(リシノプリル)併用群とプラセボ併用群にランダマイズして追跡したトライアルであるが、併用療法群に高度な高カリウム血症と急性腎障害という生命を脅かす重篤な有害事象が多くみられたため、試験開始から2.2年で安全性の観点から中止された。この結果は、これまでのレニン・アンジオテンシン系抑制薬(ACE阻害薬)、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、直接的レニン阻害薬(DRI)の2剤併用は有害事象を増加させるという、これまでの臨床試験ONTARGET、ALTITUDEの結果を確認する結果となった。 理論的には、Volume depletionの状態ではレニン・アンジオテンシン(RA)系が賦活して糸球体輸出細動脈を収縮させ、近位尿細管からのナトリウム再吸収の亢進と、アルドステロン分泌促進によってこの血管内容量を維持しようとする代償機序が作動するが、RA系薬剤の併用によってその代償機構を阻害してしまうために、腎障害や高カリウム血症という臨床上重篤な有害事象をもたらすと考えられる。 2.2年の中止時点で、腎機能悪化と末期腎不全への進展が試験開始後24ヵ月時点では併用療法で良好であったが、48ヵ月後では両群で差がなくなっており、長期的にみて併用療法のメリットはなく、有害事象を増加させるというデメリットの方が大きい結果を示した。 この試験結果はACE阻害薬とARBの安易な併用による有害事象を避けるためにも、「糖尿病腎症に対するARBとACE阻害薬の併用は禁忌」として保険診療にも反映されるべきである。

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慢性腎臓病における2つのエンドポイントを予防するために

 わが国の慢性腎臓病(CKD)患者数は2005年に1,330万人に達し、成人の8人に1人がCKDといわれている。CKDは、腎機能が悪化すると透析が必要な末期腎不全に進行するだけではなく、心血管疾患の発症リスクが高まる。そのリスク因子であるリンの管理について、2013年11月19日に都内にてプレスセミナーが開催された(主催・バイエル薬品株式会社)。そのなかで、東京大学医学部附属病院 腎疾患総合医療学講座 特任准教授の花房 規男氏は、CKDという概念が提唱された経緯やCKD治療の目的、リンコントロールを介したCKD-MBD(CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)対策について講演した。CKDの概念とは CKDには糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症などさまざまな疾患があるが、どの疾患においても、腎機能の低下は最終的に共通の経路をとる。そのため、CKDとして共通の対策がとられることになる。また、CKDは末期腎不全や心血管合併症という予後に関連する疾患である。CKDの治療目的はこれら2つのエンドポイントの予防であり、早期の対策が望まれる。 CKDは「わかりやすく」をモットーに提唱された概念であり、大きく分けて3つの条件(尿所見をはじめとする腎疾患に関連する異常、eGFR 60mL/min/1.73m2未満、3ヵ月以上継続)を満たす場合に診断される。従来明らかになっていなかった数多くのCKD患者が存在するため、花房氏は「診療は腎臓専門医だけでは難しく、かかりつけ医による診療が重要」と訴えた。CKD対策には生活習慣関連が多い CKDに対する治療介入のなかには、「生活習慣の改善」「食事指導」「高血圧治療」「糖尿病の治療」「脂質異常症の治療」「骨・ミネラル代謝異常に対する治療」「高尿酸血症に対する治療」といった生活習慣に関連する項目が多い。 近年、生活習慣に起因する腎疾患が増加しており、透析患者の原疾患も糖尿病性腎症が増加している。また、BMIが高い患者は末期腎不全に移行しやすいなど、生活習慣とCKDは深く関わっている。そのため、「生活習慣を最初の段階で改善することがポイントである」と花房氏は指摘した。CKD-MBD(CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)という新たな概念が提唱される 骨・ミネラルについても腎臓と深く関連している。CKDで生じるミネラル代謝異常は、骨や副甲状腺の異常のみならず、血管の石灰化を介して、生命予後に大きな影響を与えることが認識され、CKD-Mineral and Bone Disorder(CKD-MBD:CKDに伴う骨・ミネラル代謝異常)という新しい概念が提唱されている。リンの高値が血管の石灰化をもたらし心血管合併症の原因となるため、CKD-MBD対策として、リンをコントロールし、生命予後の改善および末期腎不全への進行を予防することが重要である。リンをコントロールするには CKD患者のリンをコントロールするには、食事中のリンを減らしたり、リン吸着薬で腸からの吸収を減らすことにより、体の中に入ってくるリンを減らすことが重要である。リンはタンパク質を多く含む食物に多いため、タンパク質を制限すればリンも制限されるはずである。しかし、実際には食事制限だけでは十分ではなく、また食事量低下による低栄養のリスクもあるため、必要に応じてリン吸着薬を使用することが有効である。リン吸着薬には、カルシウム含有リン吸着薬(炭酸カルシウム)とカルシウム非含有吸着薬(炭酸ランタン、セベラマー、ビキサロマー)がある。このうち、炭酸カルシウムが以前より使用されているが、花房氏は「持続的なカルシウム負荷は異所性石灰化を生じ、心血管合併症が発症する可能性がある」と指摘し、「保存期の長い過程においては、カルシウム非含有吸着薬が有効なのかもしれない」と述べた。

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食生活の改善は本当にうつ病予防につながるか

 これまで行われた単体の栄養成分とうつ病との研究では、相反する結果が報告されており、また栄養成分間の複雑な相互作用を考慮することができなかった。最近の研究では、食事の構成要素全体とうつ病の関連を検討している試験が増えている。オーストラリア・Priority Research Centre for Gender, Health and AgeingのJun S Lai氏らが、成人住民ベースで、食事構成とうつ病との関連を評価するシステマティックレビューとメタ解析を行った。American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2013年11月6日号の掲載報告。 研究グループは、2013年8月までに発表された、成人を対象として食事(全構成)とうつ病との関連を調べていた試験を、6つの電子データベースを使って検索した。試験は方法論が厳密であるもののみを対象とした。2名の独立したレビュワーが、試験の選択、質の評価、データの抽出を行い、適格となった試験の効果サイズをランダム効果モデルを用いてプールした。所見サマリーが、試験概要を示しただけのものであったものはメタ解析から除外した。 主な結果は以下のとおり。・合計21試験が特定され、13件の観察研究の結果がプールされた。・食事パターンは、2つが特定された。・解析の結果、健康食(healthy diet)は、うつ病リスクの低下と有意に関連していた(オッズ比[OR]:0.84、95%信頼区間[CI]:0.76~0.92、p<0.001)。・西洋風の食事(Western diet)とうつ病には統計学的に有意な関連はみられなかった(OR:1.17、95%CI:0.97~1.68、p=0.094)。しかしながら、試験数が少なく効果を正確に推定できなかった。・著者は、「果物、野菜、魚、全粒穀物の高摂取は、うつ病リスクの低下と関連している可能性があることが示唆された」と述べたうえで、「より質の高い無作為化比較対照試験とコホート研究を行い、今回の知見、とくに時間的連続性の関連について確認する必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 日本人のうつ病予防に期待、葉酸の摂取量を増やすべき 1日1杯のワインがうつ病を予防 うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」

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新規ソホスブビル+レジパスビル合剤、遺伝子1型HCV治療に有望/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の大半の患者は、治療歴や代償性肝硬変の有無にかかわらず、新規合剤[ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+HCV NS5A阻害薬レジパスビル(ledipasvir)]単独または+リバビリン併用による治療が有効である可能性が報告された。米国・テキサス大学のEric Lawitz氏らによる、非盲検無作為化第2相試験LONESTARの結果、示された。インターフェロンベースの治療は、精神疾患があったり有害イベントの負荷が高いため、HCV患者の多くについて適していない。研究グループは、インターフェロンを使わない新規開発の合剤の有効性と安全性について評価を行った。Lancet誌オンライン版2013年11月5日号掲載の報告より。患者100例について層別化のうえ、合剤単独、リバビリン併用の5レジメンについて検討 試験は、遺伝子型1型のHCVで未治療またはプロテアーゼ阻害薬レジメンによる治療歴のある患者について、ソホスブビル(400mg)+レジパスビル(90mg)の合剤単独療法およびリバビリン併用療法の有効性と安全性を評価することを目的とし、2012年11月2日~12月21日の間に米国の単施設にて、18歳以上患者100例を登録して行われた。 Aコホートでは、60例の患者(非硬化、未治療)をHCV遺伝子型で層別化したうえで(1a対1b)、合剤単独8週間治療群(第1グループ)、合剤+リバビリン併用8週間治療群(第2グループ)、または合剤単独12週間群(第3グループ)に無作為に割り付けた。 Bコホートでは、40例の患者(既治療失敗、22例[55%]が代償性肝硬変)を遺伝子型および肝硬変有無別に層別化したうえで、合剤単独12週間治療群(第4グループ)、合剤+リバビリン併用12週間治療群(第5グループ)に無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、intention to treat解析による、治療後12週時点の持続性ウイルス学的著効(SVR 12)だった。SVR 12達成率は95~100% Aコホートにおいて、SVR 12達成率は、第1グループ19/20例・95%(95%信頼区間[CI]:75~100)、第2グループ21/21例・100%(同:84~100)、第3グループ18/19例・95%(同:74~100)だった。 Bコホートでは、第4グループ18/19例・95%(同:74~100)、第5グループ21/21例・100%(同:84~100)だった。 ウイルス再燃を呈したのは2例だった。1例の患者は、治療後8週時点でSVR達成をしたのち追跡不能となった。 最も頻度の高い有害事象は、悪心、貧血、上気道感染症、頭痛であった。 第5グループのうち1例の患者が、重篤な有害イベントとして貧血を呈した。リバビリン治療と関連すると思われるものであった。 著者は、さらなる臨床試験にて、治療期間の検討を行うとともに、リバビリン併用の寄与について検討する必要があると述べている。

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生分解性ポリマー薬剤溶出ステントの実力/BMJ

 米国・ニューヨーク大学のSripal Bangalore氏らはメタ解析にて、冠動脈疾患に対する生分解性ポリマー薬剤溶出ステントの有効性と安全性について、ベアメタルステント(BMS)および耐久性ポリマー薬剤溶出ステントと比較する検討を行った。その結果、標的血管血行再建術の減少について、生分解性ポリマー薬剤溶出ステントは、初期の耐久性ポリマー薬剤溶出ステントよりも優れるが、新世代の耐久性ポリマー薬剤溶出ステントよりも劣性であることなどを明らかにした。BMJ誌オンライン版2013年11月8日号掲載の報告より。耐久性ポリマー、生分解性ポリマー、BMSの無作為化試験をメタ解析 メタ解析は、PubMed、Embase、Centralをデータソースに、米国食品医薬品局(FDA)の承認を得ている耐久性ポリマー薬剤溶出ステント(シロリムス溶出、パクリタキセル溶出、コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出、プラチナ・クロミウム・エベロリムス溶出、ゾタロリムス溶出「Endeavor Sprint」、ゾタロリムス溶出「Resolute Integrity」)、生分解性ポリマー薬剤溶出ステントについて、いずれか同士あるいはBMSと比較している無作為化試験を検索・選定して行われた。 長期有効性(標的血管血行再建術、標的病変血行再建)および安全性(死亡、心筋梗塞、ステント血栓症)について評価した。1年以上のランドマーク解析を評価し、生分解性ポリマー薬剤溶出ステントのほうが長期的ベネフィットがあるかを判定した。 解析には126試験、登録患者10万6,427例、フォローアップ平均2.3年(範囲:0.5~5年)の、合計25万8,544患者・年のデータが組み入れられた。最も有効・安全なのはコバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステント 結果、長期有効性(標的血管血行再建術)について、生分解性ポリマー薬剤溶出ステントは、パクリタキセル溶出ステント(率比:0.66、95%信頼区間[CI]:0.57~0.78)、ゾタロリムス溶出エンデバー(同:0.69、0.56~0.84)よりも優れていたが、新世代の耐久性ポリマー薬剤溶出ステントには優らなかった(例:コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステントと比較した率比は1.03[95%CI]:0.89~1.21)。 同様に、長期安全性(確認されたステント血栓症)について、パクリタキセル溶出ステントよりも優れていたが(同:0.61、0.37~0.89)、コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステントよりも劣性だった(同:2.04、1.27~3.35)。 また、ステント血栓症について1年後ランドマーク解析において、生分解性ポリマー薬剤溶出ステントは、シロリムス溶出ステントよりも優れていたが(同:0.29、0.10~0.82)、コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステントと比べると死亡の増大がみられた(同:1.52、1.02~2.22)。 全タイプのステント全体でみると、新世代耐久性ポリマー薬剤溶出ステント(ゾタロリムス溶出ステント-リゾリュート、コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステント、プラチナ・クロミウム・エベロリムス溶出ステント)が最も有効な(標的血管血行再建術が最も低い)ステントであった。 また、BMSとの比較で、ステント血栓症(率比:0.35、95%CI:0.21~0.53)、心筋梗塞(同:0.65、0.55~0.75)、死亡(同:0.72、0.58~0.90)が有意に低下し、最も安全であったのは、コバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステントだった。 これらの結果を踏まえて著者は、「生分解性ポリマー薬剤溶出ステントは、標的血管血行再建術の減少について、初期の耐久性ポリマー薬剤溶出ステントよりも優れるが、新世代の耐久性ポリマー薬剤溶出ステントよりも劣性である。また、より新しい耐久性ポリマーステント、とくにコバルト・クロミウム・エベロリムス溶出ステントが、有効性と安全性を最も兼ね備えている」と述べ、「より新しい世代の耐久性ポリマーステントに対して優れた臨床アウトカムを有するのだという生分解性ポリマー薬剤溶出ステントの有用性について、試験を行う必要がある」とまとめている。

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軽~中等症アトピー治療にピメクロリムスの選択肢も

 ドイツ・ミュンスター大学のThomas Luger氏らは、アトピー性皮膚炎(AD)に対するピメクロリムス1%クリーム(国内未承認)の公表された臨床データのレビューを行った。その結果、小児および成人の軽症~中等症ADの治療において、とくに敏感肌の部分について、ピメクロリムスは治療選択薬の一つとなりうる可能性があることを報告した。European Journal of Dermatology誌オンライン版2013年11月4日号の掲載報告。 ピメクロリムス1%クリームは、ADに有効な非ステロイド局所抗炎症治療薬だが、研究グループは、AD患者の医療ニーズに、ピメクロリムスはどのように当てはまるのか、レコメンデーションを明らかにすることを目的にレビューを行った。 主な所見は以下のとおり。・臨床試験において、ピメクロリムスを早期に用いることが病状再燃への進行を抑制し、迅速にかゆみを改善し、QOLを有意に高めることが実証されていた。・患者は、塗布が容易な薬剤を求めていた。そしてそのことが治療アドヒアランスを改善することに結びついていた。・局所ステロイド薬とは対照的に、ピメクロリムスは皮膚萎縮や表皮バリア機能障害を引き起こさず、敏感肌のAD治療において高い有効性を示した。・また、ピメクロリムスは局所ステロイド薬と比べて皮膚感染症を抑制し、そのほかのステロイド関連の副作用(皮膚線条、末梢血管拡張、視床下部・下垂体・副腎系抑制など)がなかった。・さらに、ピメクロリムスには、相当量のステロイド用量減量効果があることが、付加的ベネフィットとして示された。・著者は、「これらのデータに基づき、軽症~中等症のAD患者(疾患徴候や症状が軽症ADと確認された患者)の新たな治療アルゴリズムとして、ピメクロリムスは第一選択薬として推奨される」、また「局所ステロイド薬の治療後の軽症~中等症ADに対してもピメクロリムスは推奨される」と提案した。・そのほかにも、病変消退後のピメクロリムスによる維持療法は、病状再燃予防に効果がある可能性も示唆されていた。・以上を踏まえ著者は、「ピメクロリムスの臨床プロファイルは、小児および成人の軽症~中等症AD(とくに敏感肌部分)の第一選択薬となりうる可能性を示唆していた」と結論している。

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