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NSAIDs誘発の蕁麻疹/血管性浮腫、慢性蕁麻疹には進展せず

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)によって誘発された蕁麻疹/血管性浮腫(NIUA)が、慢性蕁麻疹(CU)発症に先行するものとは認められなかったことが、スペイン・カルロス・アヤ病院のI. Dona氏らによる12年間の追跡調査の結果、報告された。NSAIDsは、薬物アレルギー反応と関連する頻度が最も高い薬物で、なかでもNSAIDs誘発であるNIUAの頻度が最も高い。一部の患者では、NIUAが時間の経過とともにCUに至ることが示唆され、NIUAはCUに先行する疾患である可能性が指摘されていた。Allergy誌オンライン版2013年12月23日号の掲載報告。 研究グループは、長期にわたって大規模なNIUA患者群と対照群を追跡し、これまで示唆されていたような関連があるかを確認することを目的とした。 検討では次の3群を比較した。(1)NIUA既往確認患者群(エピソード2回以上:2種以上のNSAIDsで発症もしくは薬物誘発試験陽性)、(2)強作用のCOX-1阻害薬への耐性良好および/あるいは特異的IgE抗体の支持についてin vivoのエビデンスがある1種のNSAIDsでNIUAエピソードが2回以上(単一NSAIDs誘発NIUA:SNIUA)、(3)NSAIDsに耐性がある対照群であった。 主な結果は以下のとおり。・3群の全ケースについて12年間追跡した。・NIUA患者群は190例(女性64.6%、平均年齢43.71±15.82歳)、SNIUA患者群は110例、対照群は152例であった。・12年時点の評価で、NIUA群で1~8年の間にCUを発症したのは、12例(6.15%)であった。・SNIUA群、対照群でもCU発症者の割合は、同程度であった。・中期間において、NSAIDs誘発であるNIUAは、CU発症に先行するものではないようであった。・今回の観察結果を検証するために、さらなる長期間の追跡を含む検討が必要である。

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アリピプラゾールは急性躁病治療のファーストラインになりうるか

 急性躁病のファーストライン治療は薬物療法であり、まず初めに興奮、攻撃性、危険な行動を迅速にコントロールすることが目的とされている。非定型抗精神病薬アリピプラゾールは、躁病治療において、単独また他剤との併用いずれもが行われている。また、英国精神薬理学会(British Association of Psychopharmacology)のガイドラインでは、単独療法プラセボ対照試験において、アリピプラゾールを含む非定型抗精神病薬は急性躁病また混合性エピソードに有効であることが示唆されたとしている。そこで、英国・Oxford Health NHS Foundation TrustのRachel Brown氏らは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2013年12月17日号の掲載報告。 研究グループは、急性躁病症状または混合性エピソードの軽減について、アリピプラゾールの単独または他の抗躁薬との併用治療の有効性と忍容性を評価するとともに、プラセボまたは他剤との比較を行った。また、アリピプラゾール治療に対する受容性、有害反応、またアリピプラゾール治療患者における全死亡率なども調べた。 評価は、Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Group's Specialised Registerにて2013年7月末以前に発表された文献を検索して行った。また、Bristol-Myers Squibb臨床試験レジスタ、WHO試験ポータル、ClinicalTrials.gov(2013年8月まで)の検索も行った。文献の適格基準は、急性躁病もしくは混合性エピソードの治療において、アリピプラゾールをプラセボあるいは他剤と比較した無作為化試験とした。2人のレビュワーがそれぞれ、有害事象など試験報告データを抽出し、バイアスを評価した。欠落データについては、医薬品製造会社または文献執筆者に問い合わせを行った。 主な結果は以下のとおり。・レビューには、10試験(被験者3,340例)のデータが組み込まれた。・7試験(2,239例)が、アリピプラゾール単独療法とプラセボを比較したものであった。そのうち2試験が3比較アームを含んだ試験で、1試験はリチウムを(485例)、もう1つはハロペリドール(480例)を用いていた。・2試験は、アリピプラゾールを、バルプロ酸またはリチウムもしくはプラセボに追加した場合を比較したものであった(754例)。1試験は、アリピプラゾールとハロペリドールを比較したものであった(347例)。・全体のバイアスリスクは不明であった。また、大半の試験で被験者の脱落率が高く(8試験の各介入において20%超)、相対的な有効性の推定に影響がある可能性があった。・以上を前提とした解析の結果、アリピプラゾールは、プラセボと比べて、成人と小児・若者の躁症状の軽減に有効であることを示すエビデンス(格差はわずか)が認められた。軽減効果は、3週、4週時点でみられ6週時点ではみられなかった(Young Mania Rating Scale[YMRS]の3週時点のランダム効果による平均差[MD]:-3.66、95%信頼区間[CI]:-5.82~-2.05、6試験・1,819例、エビデンスの質:中程度)。・アリピプラゾールと他剤療法との比較は3試験(1試験は、成人対象のリチウム投与、2試験はハロペリドール)であった。躁症状の軽減について、アリピプラゾールと他剤療法との統計的な有意差は、3週時点(3週時点のランダム効果のYMRS MD:0.07、95%CI:-1.24~1.37、3試験・972例、エビデンスの質:中程度)、および12週までのいかなる時点においても示されなかった。・プラセボと比較して、アリピプラゾールは、運動障害をより多く引き起こしていた(Simpson Angus Scale[SAS]、Barnes Akathisia Scale[BAS]の測定と、参加者が報告したアカシジアによる、エビデンスの質:高度)。抗コリン作用性の薬物による治療を必要としていた患者で、より多く認められた(ランダム効果によるリスク比:3.28、95%CI:1.82~5.91、2試験:730例、エビデンスの質:高度)。・また、アリピプラゾール服用群は、胃腸障害(悪心[エビデンスの質:高度]、便秘)が多く、小児・若者でプロラクチン値の正常下限値以下への低下がみられた。・アリピプラゾールとその他治療とを比較した運動障害との関連に関するメタ解析には有意な不均一性があり、多くはリチウムとハロペリドールのさまざまな副作用プロファイルによるものであった。・3週間時点のメタ解析は、データ不足のためできなかった。しかし12週時点の解析において、ハロペリドールはアリピプラゾールよりも、有意に運動障害の発生が多かったことが、SAS、BASとAbnormal Involuntary Movement Scale(AIMS)、被験者報告のアカシジアの測定によって認められた。・一方12週時点までに、アリピプラゾールとリチウムとの差について、被験者報告のアカンジア(RR:2.97、95%CI:1.37~6.43、1試験・313例)を除き、SAS、BAS、AIMSに関しては研究者による報告はなかった。関連医療ニュース バイポーラの躁症状に対するアリピプラゾールの位置付けは? アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける?

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治療抵抗性高血圧に対する腎デナーベーションの治験、一時中断

 米Medtronic社は、1月9日、治療抵抗性高血圧患者を対象とした腎デナーベーションの臨床試験(SYMPLICITY HTN-3)において、試験実施前に計画していた降圧効果が得られなかったとの結果を公表した。なお、データ安全性モニタリング委員会は、試験において安全性には問題ないと発表している。この結果を受けて、倫理的な観点からMedtronic社は、腎デナーベーションに関するすべての臨床試験(日本でのHTN-Japanを含む)を一時中断し、詳細な分析結果より今後の方向性を判断するとしている。 腎デナーベーションは、脳と腎の間で血圧調整シグナルを伝えている腎交感神経を、腎動脈にカテーテルを挿入し、高周波によって遮断する治療法。腎デナーベーションが治療抵抗性高血圧患者の血圧を低下させることはすでに示されていた。治療中の高血圧者の10%以上で、異なるクラスの降圧薬を3剤以上投与しても血圧が目標値にまで下がらない治療抵抗性高血圧が存在すると報告されており、腎デナーベーションは治療抵抗性高血圧の革新的な治療法として期待されていた。【参照コンテンツ】カテーテルベースの腎除神経術、治療抵抗性高血圧の降圧に有用治療抵抗性高血圧の根治術:腎交感神経アブレーションの無作為比較試験・The Symplicity HTN-2 Trialのエビデンス治療抵抗性高血圧患者への腎アブレーション:施行3年後の成績/Lancet高血圧はカテーテルで治す時代がくるか? SYMPLICITY HTN-3 は、治療抵抗性高血圧症(収縮期血圧≧160 mmHg)を対象とし、腎デナーベーションの安全性と有効性を評価するために設計された無作為化盲検化比較試験で、腎動脈にカテーテルを挿入するが高周波を発生させないという対照群を置いた試験はこれが初めて。試験期間中、全対象が降圧薬の服用を継続するという設計であった。主要エンドポイントは、6ヵ月時点における外来血圧と主要な有害事象の発生率。 わが国でも迅速かつ慎重に本治療の導入活動をしてきた日本高血圧学会は、1月15日、このニュースを公式サイトで紹介している。腎神経焼灼術に基づいた高血圧治療についての米国からのニュース

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休日診療をやってみた【Dr. 中島の 新・徒然草】(001)

序の段 休日診療をやってみたはじめまして。独立行政法人国立病院機構大阪医療センター脳神経外科の 中島 伸 と申します。本年よりケアネットでブログを書くことになりました。といっても、2005年から約2年間、ケアネットでブログを書いていたことがあるので2回目になります。タイトルも前回を踏襲し、「スキンヘッドの脳外科医 Dr. 中島の新・徒然草」としました。間に「新」を加えただけですが、よろしくお願いいたします。想定される読者は、おそらく医師を中心とした医療関係者だと思いますので、皆様が興味を持てるような話題をとりあげたいと思います。さて、最初にとりあげるのは休日診療のことです。私が勤務する大阪医療センターでは通常、月~金を外来診療日としているのですが、2013年暮れの休日である12月23日(月)と2014年始めの休日である1月13日(月)を診療日としました。つまり、これら2日間は医師、看護師、コメディカル、事務方が通常出勤し、外来診療や手術を普通に行う、と決めたのです。そうすると手術日も外来日も増え、病院の収益も上がることが期待できます。とはいえ、休日も働いて売上があがったとしても、それだけならただのブラック企業です。当然、働いた分は休む必要があり、看護部は勤務表のやりくりで対応し、医師の方は代休を取ることによって対応することになりました。もちろん代休を取らないかわりに12月23日や1月13日を休んでもよく、それぞれの医師と各診療科の科長との間で個別に決めることになります。私自身はどうしたかというと、12月23日に出勤して別の週日に代休をとりました。こうすると普段なかなか利用できない役所や銀行にも行くことができ、懸案が一度に片づきます。とはいえ、代休の日も朝の回診だけはやりました。決して仕事熱心なわけではなく、そうする方がトラブルを未然に防ぎやすいからです。実際に休日診療をしてみると、かなり以前から周知していたにもかかわらず、外来患者数は平日よりも少な目でした。我々が診療していても、業者さんなどが休んでいるせいか、病院全体も普段の半分くらいの賑やかさです。でも、「俺は休みの日も働いているんだぜ!」と思うと、少しテンションが上がり気味になり、色々と仕事がはかどりました。一方、後日とった代休の日も世間が働いていてセカセカしているのにつられたせいか、普段できない生活上の雑事が効率よく片づいた気がします。というわけで2013年12月23日に最初の試みが行われた休日診療。若干の混乱はあったものの、私としては成功だったと思います。もっともカレンダー通りに休みたいという職員も多く、事務方の出勤は必要最小限の人数でした。次回の休日診療は2014年1月13日(月)ですが、はたしてどうなることやら。顛末は改めて報告させていただきます。(2014/01/06執筆)

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日本女性におけるBMIと乳がんの関連~大規模コホート研究のプール解析

 西洋人での研究から、閉経後の女性ではBMIと乳がんリスクの間に正の相関があることが報告され、また閉経前の女性では弱い逆相関があることが示唆されている。一方、アジアの女性、とくに閉経前の女性においては、乳がんリスクに対するBMIの影響は明らかではなかった。 わが国の「がん予防法の開発と評価」研究班では、日本における8つの大規模コホート研究からプール解析を行い、BMIと乳がん発症率の関連を検討した。その結果、BMIが高い女性で閉経後乳がんリスクの増加が確認された。また、閉経前乳がんについては、BMIとの間に正の関連(有意差は境界線上)が認められたことから、アジア女性では西洋の女性とはBMIの影響が逆である可能性が示唆された。Annals of oncology誌オンライン版2014年1月10日号に掲載。 乳がん発症率は、主に地域がん登録と主要な地域病院からの届け出の両方(またはどちらか)を通じて確認し、ICD10におけるコードC50を乳がんと定義した。また、乳がんのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、ランダム効果モデルを用いて推計した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象18万3,940人のうち、フォローアップした219万4,211人年の間に1,783人が乳がんを発症した。・BMIと閉経後乳がんリスクとの間に正の相関が認められた(傾向のp<0.001)。・閉経前乳がんのハザード比は、BMIが「19未満」「19以上21未満」「21以上27未満」「27以上23未満」「25以上30未満」「30以上」で、それぞれ、1.05(95%CI:0.56~1.99)、1.07(同:0.76~1.52)、0.91(同:0.64~1.30)、1.15(同:0.76~1.73)、1.45(同:0.71~2.94)、2.25(同:1.10~4.60)であった。・これらの結果は、フォローアップの最初の2年間で乳がんと診断された患者を除外してもほぼ変わらなかった。

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タバコ規制、精神疾患患者には効力弱い/JAMA

 2004~2011年の間に、精神疾患患者においても喫煙率の低下はみられたが、精神疾患を有さない人の低下と比べるとその割合は有意に少なかったことが示された。一方で精神疾患患者の禁煙率は、精神科治療を受けている人が受けていない人と比べて有意に高率だったという。米国・ハーバード・メディカル・スクール/ケンブリッジ・ヘルスアライアンスのBenjamin Le Cook氏らが報告した。米国では大幅な喫煙率低下が進んできたが、「タバコ規制運動」は精神疾患患者よりも一般集団にフォーカスされてきた。精神疾患患者では喫煙率やニコチン依存の割合が高いという背景がある。JAMA誌2014年1月8日号掲載の報告より。精神疾患患者の喫煙率低下の傾向と治療と禁煙の関連を調査 精神疾患患者における喫煙率の低下傾向と、治療と禁煙との関連を調べる調査は、全米対象で行われた2つの代表的な住民サーベイ「MEPS(Medical Expenditure Panel Survey:2004~2011)」と「NSDUH(National Survey of Drug Use and Health:2009~2011)」を用いて行われた。MEPSは、精神疾患等の患者と非患者の喫煙率の傾向を比較しており、NSDUHは精神疾患治療を受けた人と受けなかった人の喫煙率を比較していた。MEPSには3万2,156例の精神疾患患者(重度の精神的苦痛、うつ病の可能性あるいは治療を受けている)と、非精神疾患の回答者13万3,113例が含まれていた。NSDUHには、精神疾患患者で生涯喫煙者である1万4,057例が含まれていた。 主要評価項目は、現在の喫煙状態(主要解析、MEPS対象)と、過去30日間喫煙しなかった生涯喫煙者の禁煙率(副次解析、NSDUH対象)であった。精神疾患のない人と比べて減少率に2.3%の有意な差 補正後喫煙率は、精神疾患のない人では有意に低下したが(19.2%から16.5%、p<0.001)、精神疾患患者ではわずかな低下にとどまった(25.3%から24.9%、p=0.50)。両者間の減少率には有意な差がみられた(2.3%、95%信頼区間[CI]:0.7~3.9%、p=0.005)。 前年までに精神科治療を受けた人は受けていない人と比べて、禁煙者の割合が多い傾向がみられた(37.2%対33.1%、p=0.005)。 以上を踏まえて著者は、「2004~2011年に、精神疾患患者の喫煙率低下は、精神疾患を有さない人と比べて有意に少なかった。一方で、喫煙率は、精神科治療を受けている人のほうが高率であった」とまとめ、「この結果は、一般集団をターゲットとするタバコ規制政策と禁煙介入が、精神疾患を有する人には効力を発揮していないことを示唆するものである」と指摘している。

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オビヌツズマブ併用療法、慢性リンパ性白血病の無増悪生存期間を延長/NEJM

 慢性リンパ性白血病(CLL)と他疾患を併存する未治療患者に対して、オビヌツズマブ(GA101)+クロラムブシル(いずれも国内未承認)の併用治療のほうが、リツキシマブ(商品名:リツキサン)+クロラムブシルの併用治療に比べ、より効果的であることが示された。ドイツ・ケルン大学病院のValentin Goede氏らによる第3相無作為化オープンラベル試験の結果、報告された。先行研究において、同患者に対して抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブが全生存期間を延長することが示されていたが、今回の結果を踏まえて著者は、「同患者集団へのクロラムブシルとの併用効果は、リツキシマブよりもオビヌツズマブのほうが優れていた」と報告している。NEJM誌オンライン版2014年1月8日号掲載の報告。クロラムブシル単独と2つの抗CD20抗体併用を比較 研究グループは、リツキシマブに関する先行研究の結果を踏まえて、他疾患併存CLLの未治療患者について、クロラムブシルとの併用において、オビヌツズマブとリツキシマブそれぞれを用いた場合のベネフィットを調べる検討を行った。オビヌツズマブは2型糖鎖改変抗CD20モノクローナル抗体。 CLL未治療で、Cumulative Illness Rating Scale(CIRS;スコア範囲0~56、高値ほど健康状態不良)のスコアが6超、または推定クレアチニンクリアランス(CCr)30~69mL/分の781例を無作為に、クロラムブシル単独群、クロラムブシル+オビヌツズマブ併用群、クロラムブシル+リツキシマブ併用群の3群に割り付けた。 主要エンドポイントは、研究者評価による無増悪生存期間であった。単独よりも併用が優れ、リツキシマブ併用よりもオビヌツズマブ併用が優れる 被験者は、ベースライン時の年齢中央値73歳、CCr62mL/分、CIRSスコア8であった。 結果、オビヌツズマブ併用群、リツキシマブ併用群はクロラムブシル単独群と比較して、奏効率、無増悪生存期間ともに増大した。無増悪生存期間は、単独群11.1ヵ月に対してオビヌツズマブ併用群26.7ヵ月(単独群に対する進行または死亡ハザード比:0.18、95%信頼区間[CI]:0.13~0.24、p<0.001)、リツキシマブ併用群16.3ヵ月(同:0.44、0.34~0.57、p<0.001)であった。 全生存期間も併用群は単独群と比べて有意な延長がみられたが、単独群に対する死亡ハザード比は、オビヌツズマブ併用群0.41(95%CI:0.23~0.74、p=0.002)、リツキシマブ併用群0.39(同:0.31~0.49、p<0.001)であった。また、完全寛解(オビヌツズマブ併用群20.7%、リツキシマブ併用群7.0%)、分子生物学的寛解の割合も高率であった。 以上を踏まえて著者は、「他疾患併存CLL患者では、抗CD20抗体との併用療法がアウトカムを改善した。また同患者においては、オビヌツズマブのほうがリツキシマブよりも、クロラムブシルとの併用において優れていた」とまとめている。

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社会保障および経済成長のエンジンとしての医療 ―二つの視点から医療問題を考えよう シンポジウムのご案内

 京都大学大学院薬学研究科 医薬産業政策学講座は、2月14日(金)午後2時から7時まで、東京駅前の丸ビルホールにてシンポジウム「社会保障および経済成長のエンジンとしての医療 ―二つの視点から医療問題を考えよう」を開催する。開催概要は以下のとおり。【日時】平成26年2月14日(金) 14:00~19:00(開場13:30)【会場】丸ビルホール(東京駅)【プログラム】14:00  開会の辞 伍藤 忠春 氏(日本製薬工業協会理事長)14:10~17:00 第1部:パネリストによる講演 第1講演:社会保障の充実と効率性の両立―国民にとっての幸せとは      橘木 俊詔 氏(同志社大学教授) 第2講演:社会保障給付と負担をどうするか      土居 丈朗 氏(慶應義塾大学教授) 第3講演:国民負担率とは何か?医療費の増大は経済成長を阻害するのか?     促進するのか?      柿原 浩明 氏(京都大学教授) 第4講演:医薬品産業を日本のリーディング産業に       中村 洋 氏(慶應義塾大学教授)17:10  社会保障および経済成長のエンジンとしての医療     ―ディスカッションに期待すること      古川 俊治 氏(参議院議員・慶應義塾大学教授)17:25~18:45 第2部:パネルディスカッション     パネリスト:橘木 俊詔 氏、土居 丈朗 氏、柿原 浩明 氏、中村 洋 氏      司会:西村 周三 氏(国立社会保障・人口問題研究所所長)18:50  閉会によせて―わが国の医療と経済のあるべき姿を求めて       佐藤 敏信 氏(厚生労働省 健康局長)【参加費】無料【定員】400名(事前申し込み)※申し込み多数の場合は抽選【申込方法】E-mailにて、①氏名 ②ご所属 ③ご連絡先(Emailアドレスまたは電話番号)をお知らせください。【申込先】E-mail:iyaku@pharm.kyoto-u.ac.jp【お問い合わせ先】京都大学大学院薬学研究科 医薬産業政策学講座 事務局TEL/FAX:075-753-9273【後援】日本製薬工業協会、日本医師会、東京都医師会、医療経済フォーラムジャパン本シンポジウムの詳細はこちら

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ベンゾジアゼピン部分アゴニスト、新たなてんかん治療薬として期待

 ドイツ・Drug-Consult.NetのChris Rundfeldt氏らは、てんかんに対する新たな治療薬として、ベンゾジアゼピン(BZD)受容体部分アゴニストの可能性について言及した。現在、BZD受容体部分アゴニストとしてイミダゾロン誘導体のイメピトインが、イヌのてんかん治療薬として承認されており、従来のBZDでみられる有害事象、忍容性、依存性などの問題を解決する新たな治療薬としてヒトへの応用が期待されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2013年12月号の掲載報告。 BZDは、多様なてんかん発作に対し幅広い抗てんかん活性を示すが、てんかんの治療に際しては、有害事象、有効性の欠如(忍容性)、身体および精神依存の形成などから使用に限界がある。BZDは、GABAA受容体のBZD認識部位(BZD受容体)に結合することにより、抑制性神経伝達物質GABAの正のアロステリック調節因子として機能する。従来のBZDであるジアゼパムやクロナゼパムなどは、同部位においてフルアゴニストとして作用する。そこでRundfeldt氏らは、これら化合物による前述のデメリットを解決する手段として、GABAA受容体のBZD認識部位において、より低い固有活性を有する部分アゴニストの開発が考えられることを指摘した。 部分アゴニストに関して得られている知見は以下のとおり。・ブレタゼニル、アベカルニル、アルピデム(いずれも国内未承認)を含む数種のBZD受容体の部分アゴニストまたはサブタイプの選択的化合物が、選択性の高い抗不安薬として開発されたが、適応症に「てんかん」は含まれていない。・最近、イミダゾロン誘導体のイメピトイン(ELB138)およびELB139が、GABAA受容体のBZD部位において低親和性の部分アゴニストとして作用することが示され、てんかん治療薬としてイメピトインの開発が進められた。・イメピトインは、げっ歯類および霊長類のモデルを用いた検討で、多様なけいれん発作に対し耐用量で広い抗けいれん活性を示した。・イメピトインは、その作用メカニズムから予想されるように、忍容性が不十分で、乱用傾向もみられた。・イメピトインは、ヒトよりもイヌで好ましい薬物動態プロファイルを示したことから、イヌのてんかん治療薬として開発が進んだ。イヌのてんかんモデルを用いた無作為化対照試験で示された抗てんかん薬としての有効性と高い忍容性、安全性に基づき、最近ヨーロッパでイメピトインがイヌのてんかん治療薬として承認された。・イヌのてんかんに対するイメピトインの好ましいプロファイルをきっかけに、ヒトのてんかんに対する新たな治療としてBZD受容体部分アゴニストへの関心が再び高まるものと期待される。関連医療ニュース 新規の抗てんかん薬16種の相互作用を検証 ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?

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冠動脈プラーク評価におけるフッ化ナトリウムおよびFDG‐PETの比較(コメンテーター:近森 大志郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(170)より-

近年の基礎研究の発展により、動脈硬化は慢性的な炎症性疾患であると理解されるようになってきた。そして、分子生物学的にはマクロファージ・血管新生・細胞アポトーシス・サイトカインなどが重要な役割を果たしており、これらの反応過程をイメージングするmolecular imagingの進歩が著しい。 なかでも、活性化したマクロファージの代謝を利用してイメージングするfluorodeoxyglucose(FDG) 陽電子放射断層撮影(PET)が、高リスク動脈硬化病変の検出に有用である。とくにFDGは、施設へのデリバリーが可能であるため、非常に高額なサイクロトロンを設置する必要がなく、臨床的汎用性に優れている。 しかしながら、FDG‐PETによる動脈硬化病変の評価ができるのは、動きが少なく、ある程度の大きさを持つ動脈、すなわち、大動脈や頸動脈に限られる。とくに心臓については、冠動脈の周囲は心筋であり、グルコース代謝によるFDGの取り込みがあることから、プラーク病変のイメージングは困難であるとされていた。 エジンバラ大学のNikhil V Joshi氏らは18Fを利用したPETによる高リスク・プラーク病変の検出・特定能について、2種の放射性トレーサー、フッ化ナトリウム(18F-NaF)と18F-FDGの検出・特定能を比較検討した。なお18F-NaF PET-CTは、費用は高いが骨新生のイメージング化の手段として優れており、サイクロトロンが装備された一部の施設では、がんの骨転移の早期診断などに利用されている。 この研究は、18F-NaF PET-CT、18F-FDG PET-CTおよび侵襲的冠動脈造影を受けた心筋梗塞(40例)および安定狭心症(40例)の患者を対象としている。主要エンドポイントは、急性心筋梗塞患者の責任または非責任冠動脈プラークの、18Fフルオライドの組織/バックグランド比とした。 心筋梗塞患者のうち37例(93%)の検討では、責任プラークへの集積は18F-NaFが最も高かった(最大組織/バックグランド比の中央値:責任プラーク1.66[IQR:1.40~2.25]vs. 最大非責任プラーク1.24[同:1.06~1.38]、p<0.0001)。対照的に、18F-FDGは心筋に集積され概して不明瞭であり、責任プラークと非責任プラークについて識別の有意差はみられなかった(同:1.71 [1.40~2.13] vs. 1.58 [1.28~2.01]、p=0.34)。安定狭心症患者18例(45%)での検討では、18F-NaFのプラークへの集積は局在的で(最大組織/バックグランド比の中央値:1.90[IQR:1.61~2.17])、血管内超音波における高リスク所見と関連していた。 なお、18F-NaFの集積の組織学的意味付けを考察するために、症候性頸動脈疾患患者からの頸動脈内膜剥離術検体を用いて組織学的に比較検討した。その結果、著明な18F-NaFの集積がすべての頸動脈プラーク破綻部位で認められ、石灰化活性の組織学的エビデンス、マクロファージ浸潤、アポトーシス、壊死との関連がみられた。 本研究は、動脈硬化の過程においてカルシウムが中膜に沈着すること、18F-NaF PETが骨新生に対して高い感度を示すイメージング方法であること、正常の心筋ではカルシウム代謝は関与しないこと、心電図同期PETの融合画像を用いればmotion artifactを低減できることなどに着目して実施されたのであろう。そして、仮説通りに18Fフルオライド集積の組織/バックグランド比は18F-NaFの方が18F-FDGよりも優れていた。正常心筋でもFDGの取り込みがあることを考慮すれば当然ともいえる。 しかしながら、イメージングを主題とした研究論文の常ではあるが、急性心筋梗塞症例や頸動脈内膜剥離手術症例のfigureとして提示されたPET-CT融合画像・病理組織・冠動脈造影の対比は説得力を持つ。ただし、すべてがこのような明瞭な画像とは思えず、境界領域の画像についてどのようにデータ処理がなされているかについても考慮する必要がある。とくに、PETは陽電子カウントの客観的な定量化に優れているが、この基礎となるstandard uptake value(SUV)について18F-NaFでは確立しておらず、論文のsupplementary appendixにも詳細は記載されていない。 次に、動脈硬化の分子イメージングでは、まずターゲットとする生化学反応および細胞・分子が明確化される必要がある。フッ化ナトリウムは動脈硬化のどの時点でどの反応に関与するのかは不明であり、筆者らもカルシウム沈着による細胞アポトーシスの誘導という一般的な仮説しか提示できていない(Ewence AE et al. Circ Res. 2008; 103: e28-34.)。この弱点を補強するために、頸動脈摘出標本からイメージングと組織像の対比のデータが追加されている。 筆者らは、論文タイトルにもあるように、冠動脈への18F-NaFの集積を高リスク・プラークと提案している。しかしながら、安定狭心症における血管内超音波の個々の指標との比較による横断的検討を基にして、上記の仮説を出すのは尚早と思われる。なぜならば、安定狭心症と診断された症例中の約5割にも高リスク・プラークがあるというのは、臨床の実情とは大きな乖離があるからでる。冠動脈CTのプラーク評価と予後についての重要な研究では、892人中で不安定プラークの特徴を有していたのは72人(8%)でしかない(Motoyama S et al. J Am Coll Cardiol. 2009; 54: 49-57.)。しかも約2年間の経過観察中、CTにて特徴的な不安定プラークを有する症例の15%で急性冠症候群を発症したのに対して、このようなプラークを持たない症例では僅か0.5%と著しく低い発症率であった(p

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突然の呼吸困難で死亡した肺梗塞のケース

呼吸器最終判決判例時報 1670号58-65頁概要突然呼吸困難、意識障害、チアノーゼを発症した33歳女性。胸腹部X線写真、心電図、頭部CTスキャンなどが施行されたが、明らかな異常はなく、経過観察のため入院となった。ところが入院後も状態は改善せず、血圧低下(70~80mmHg台)、努力様呼吸、低酸素血症などが継続した。初診から約20時間後の深夜になってはじめて肺塞栓症の疑いがもたれ、肺血流シンチグラフィーにより確診に至った。ただちに抗凝固剤や血栓溶解薬の投与が開始されたが、やがて危篤状態となり、初診から約27時間後に死亡に至った。詳細な経過患者情報33歳女性経過1992年9月6日06:40寝床で呼吸困難、意識障害が出現した33歳女性。07:20総合病院内科を受診し、当直医に全身冷汗、顔色不良、胸の苦しさを訴えた。初診時チアノーゼ、喘鳴はなく、血圧、脈拍、呼吸数、体温は正常。胸腹部X線写真、心電図に特別な異常なし。血管確保、制吐薬の静脈注射を行った。09:00日直医の診察。血圧82/54mmHg、脈拍88、中枢神経系の異常を疑ったが頭部CTスキャン異常なし。諸検査の結果から現時点で病名の特定は困難と感じ、当面経過観察とした。12:30意識は清明だが、吐き気、呼吸困難感が持続。動脈血ガスではpH 7.387、pO2 67.1、pCO2 33.1と低酸素血症があり、酸素吸入開始、呼吸心拍監視装置を装着。15:30一時的に症状は軽減。血圧82/54mmHg、意識は清明で頭重感があり、吐き気なし。心電図の異常もみられなかったが、意識障害と吐き気から脳炎などの症状を疑い、濃グリセリン(商品名:グリセオール〔脳圧降下薬〕)投与開始。その後もしばらく血圧は少し低いものの(80-90)、小康状態にあると判断された。21:15ナースコールがあり、呼吸微弱状態で発見され、頬をたたくなどして呼吸再開。血圧74/68mmHg、発語なし、尿失禁状態。しばらくして呼吸は落ち着く。以後は15分おきに経過観察が行われた。9月7日00:00苦しいとの訴えあり。心拍数が一時的に60台にまで低下。血圧74/68mmHg、昇圧剤の投与開始。00:40全身硬直性けいれん、一時的な呼吸停止。01:00動脈血ガスpH 7.351、pO2 59、pCO2 27、この時点で肺塞栓症を疑い、循環器専門医の応援を要請。02:30循環器医師来院。動脈血ガスpH 7.373、pO2 85.7、pCO2 30、最高血圧60-70、酸素供給を増量し、抗凝固剤-ヘパリンナトリウム(同:ヘパリン)、血栓溶解薬-アルテプラーゼ(同:グルトパ)投与開始。03:15緊急でX線技師を召集し、肺シンチ検査を実施、右上肺1/3、左上下肺各1/3に血流欠損がみられ、肺塞栓症と確定診断された。03:25検査中に全身硬直があり、危篤状態。救急蘇生が行われた。09:10死亡確認。当事者の主張患者側(原告)の主張初診時から約5時間の診療情報を総合して、肺塞栓症を含む肺循環障害を疑い、FDP検査や肺シンチ検査を行うなどして肺塞栓症であることを診断する注意義務があったにもかかわらずこれを怠った。そして、速やかに血栓溶解薬や抗凝固剤の投与などの治療を実施すべき注意義務も果たさなかった(裁判ではこの時点で肺塞栓症を疑わなければならないと判断)。もし適切な診断・治療が行われていれば、救命することが可能であった。病院側(被告)の主張肺塞栓症は特異的所見に乏しく、実践的医療の場において診断が困難とされている病気であり、この疾患の専門医でない担当医師にとって確定診断をすることは当時の医療水準からいって困難である。ショックを伴う急性肺塞栓症の予後は一般的に悪いとされており、もし遅滞なく治療が行われていたとしても救命できた可能性は低い。裁判所の判断1.病院受診前からショック状態を呈し入院後も低血圧が持続していたこと、動脈血ガスで低酸素血症および低炭酸ガス血症を呈したこと、胸部X線写真で異常所見がなかったことから、9月6日13:00の時点で肺塞栓症を含む肺循環障害を疑うことは十分可能であった(患者側の主張を採用)2.早期に診断され、ある程度の救命可能性はあったとしても、救命し得た蓋然性があるとまでは認められない3.死亡率が高く救命が比較的困難である場合であっても、救命についてある程度の期待がもたれ臨床医学上有用とされる治療方法がある以上、その時点の医療水準に照らしてもっとも期待される治療を受ける救命期待権があるが、本件では診断・治療の遅れにより救命期待権が侵害された原告側合計8,500万円の請求に対し、550万円の判決考察まずこの症例の背景について述べますと、死亡された女性はこの病院に勤務していた看護師であり、入院したのは日曜日の早朝、そして、直接治療を担当して「肺塞栓症の診断・治療が遅れた」と訴えられたのは、同病院の内科部長でした。いわば身内同士の争いであり、死亡という最悪の結果を招いたことに納得できなかったため裁判にまで発展したのではないかと思います。全経過を通じて、医療者側が不誠実な対応をとったとか、手抜きをしたというような印象はなく、それどころか、同僚を助けるべく看護師は頻回に訪室し、容態が悪くなった時には、深夜を厭わずに循環器科の医師や肺シンチを行うためのX線技師が駆けつけたりしています。確かに後方視的にみれば、裁判所の判断である発症5時間後の時点で肺塞栓症を疑うことはできますが、実際の臨床場面では相当難しかったのではないかと思います。手短にいえば、このときの血液ガス所見pH 7.387、pO2 67.1、pCO2 33.1と呼吸困難感をもって肺塞栓症を疑い(胸部X線、心電図は異常なし)、休日でもただちに肺シンチ検査を進めよ、ということになると思いますが、呼吸器専門医師ならばまだしも、一般内科医にとっては難しい判断ではないでしょうか。しかも、問題の発症5時間後に呼吸状態が悪化して酸素投与が開始された後、一時的ではありますが容態が回復して意識も清明になり、担当医は「小康状態」と判断して帰宅しました。その約2時間後から進行性に病状は悪化し、対応がすべて後手後手に回ったという経過です。裁判ではこの点について、「内科部長という役職は、(専門外ではあっても)必然的に肺塞栓症について一般の医療水準以上の臨床的知見を相当程度高く有することが期待される地位である」とし、「内科部長」である以上、専門外であることは免責の理由にはならないと判断されました。このような判決に対して、先生方にもいろいろと思うところがおありになろうかと思いますが、われわれ医師の常識と裁判の結果とは乖離してしまうケースがしばしばあると思います。本件のように医師の側が誠心誠意尽くしたと思っても、結果が悪いと思わぬ責任問題に発展してしまうということです。この判例から得られる教訓は、「呼吸困難と低酸素血症があり、なかなか診断がつかない時には肺塞栓症を念頭に置き、できうる限り肺シンチを行う。もし肺シンチが施行できなければ、施行可能な施設へ転送する」ということになろうかと思います。呼吸器

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08)患者さんの興味から説明する合併症のポイント【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者肥満になると、どんな合併症が出るんですか?医師肥満と関係の深い11の合併症があります。患者それは何ですか?医師糖尿病、心筋梗塞、睡眠時無呼吸症候群などです。(イラストを示しながら)患者なるほど。医師この中で、どんな合併症が気になりますか?患者そうですね。「睡眠時無呼吸」ですね。医師それでは、「睡眠時無呼吸」について詳しく説明させてもらいますね。患者よろしくお願いします。●ポイント合併症のすべてを説明せず、患者の興味に絞って説明する

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サン・アントニオ乳シンポジウム2013〔会員聴講レポート〕

米国テキサス州サン・アントニオにて第36回サン・アントニオ乳シンポジウム2013が開催された。ケアネットでは、幅広く、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネット会員の現役ドクターによるシンポジウム聴講レポートを企画した。乳がん診療に携わる医療者の先生方に、現在そして今後の乳診療トレンドを紹介する。レポーター2013年のサン・アントニオ乳シンポジウムは、12月10日から14日の5日間で開催された。会期中気温は低く、外は寒かったが、会場内は例年より暖かく、比較的心地よく演題を聴くことができた。一般演題ではTumor infiltrating lymphocytes(TILs)に関するものが続けて3題あり、その重要性がアピールされていた。私が病理をみていた限りでは、臨床的にあまり有用なものであるとは考えていなかったが、将来的には治療方針の決定に関わってくるのかもしれない。また、アロマターゼ阻害剤について、ベースラインの症状とアドヒアランスの関係、ジェネリックとアドヒアランスの関係、エクササイズと関節痛への影響なども一般演題として採用されており、こういったことが非常に重要な課題として認識されているのだと感じられ、自身の診療を見直すきっかけになるものであった。アドヒアランスの低下は患者のQOLだけでなく、再発率の上昇や生存率の低下を招くため、内分泌療法開始前から注意を払う必要がある。今回は5日間を通してとても勉強になる演題が多かったように思う。その中で特に臨床的に重要だと思うものをピックアップした。レポート一覧

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An international study to increase concordance in Ki67 scoring -- Nielsen TO, et al.

Ki67スコアの一致率を高めるための国際的な研究 ほか1題2012年のサン・アントニオ乳シンポジウムでも報告された内容の続きであり、Ki67スコアの一致度を高めるための国際研究である。増殖マーカーはエストロゲン受容体陽性乳において予後因子と考えられている。Ki67は免疫染色にて、サブタイプ、予後、治療予測、術前化学療法の評価項目などで広く用いられている。EGAPP(Evaluation of Genomic Applications in Practice and Prevention)ワーキンググループでは、分析的妥当性が臨床的有用性の側面から重要であることを述べており、ASCO(米国臨床腫瘍学会)は再現性の面からKi67を日常臨床として用いることを推奨していない。Ki67評価に関する推奨についてはDowsett M, et al.J Natl Cancer Inst.2011; 103: 1656-1664.に記載されている。中央で染色された乳100症例のTMA(tissue microarrays)連続切片でのローカルのスコア法(第1相)から学んだことは、観察者内の一致率は良好(級内相関係数、ICC=0.94、95%CI: 0.93~0.97)だが、観察者間の再現性は満足すべきものではなかった(ICC=0.71、95%CI: 0.47~0.78)。Ki67の相違は主にスコアリングの方法によるものであった。正式な測定法がより一致した結果をもたらした(Polley MY, et al. J Natl Cancer Inst. 2013; 105: 1677-1683.)。第2相(a)では、トレーニングにより再現性が改善するかどうか検討された。共通の可視化スコアリング法でKi67をスコアする者を訓練できるか、臨床研究のために共通のツールを開発できるかが課題である。まずガラス上のTMAスライドで標準的なスコアリングを行い、次にWebベースで補正を行った。補正は、webベースのTMAイメージ(9のトレーニングと9の試験)で、Ki67は中央で染色され、スコアの範囲を評価している。良好な内的一致性を示す実際的なスコアリング法、陽性と陰性の核を可視化したサンプルからなるシンプルな構成、2つの関連施設を含む世界から19施設で評価を一致させるためにあらかじめ確立された特定の基準が設けられた。補正結果:施設によって茶色(陽性と判断する濃さ)の閾値が異なっていた。そのため、さらに陽性/陰性を考えるための染色サンプルイメージを追加した。スコアを行う者は、ばらつきと異常値が、あらかじめ決められた基準を満たすまでトレーニングセット分析を繰り返した。その結果、新たな症例でのテストにより17のうち12の施設で一致基準を満たした。結論として、施設はトレーニング可能であり、webベースの補正ツールを用いることで成績は改善傾向を示した。第2相(b)では、補正され、トレーニングされ、標準的な公式の可視化測定法をもった観察者により、一貫性のあるKi67インデックスを提供することは可能かどうかが評価された。第1相で用いられた50例の中央で染色された1mm TMAブロックを用いて、同一標本から3切片作成し、カナダ、英国、欧州、日本の16施設において、最初にウェブイメージで補正を完了し、同様のスコアリング法をガラス上で適応し、キーボードで入力したカウントデータを収集した。500の細胞核をカウントするまでの時間は中央値5.6分であった。ICCの目標値は0.9で有意に0.7を超えることである。結果はICC 0.92(95%CI: 0.88~0.95)であり、第1相でICC 0.75であった7施設も第2相でICC 0.90と上昇していた。施設間での個々の症例でのKi67インデックス10~20%のばらつきも、第2相ではかなり一致していた。Ki67のよく知られたカットオフ値のためのカッパ値(一致性の指標、1に近いほど一致)は、たとえば14%のカットオフ値ではカッパ0.73と良好であるにもかかわらず、17%において、ある施設でhighと判定されたものが、別の施設ではlowと判定されることになっていた。結論として、webベースの補正システムは有用なツールである。Ki67のカウント法は実臨床に適用できそうであり、研究デザインにおいてICCが0.7より有意に高いことを目標としたが、実施は0.9以上であった。これらの結果は、中央で染色されたTMAを適用したものであり、針生検(第3相)、全切片、染色の多様性の追加でも同様の成績が得られるか、が挙げられ、このスコアリング法の臨床的な妥当性はまだ確定されていない。本邦では病理医が非常に不足している。そのため病理医にかかっている負担は大変なものであり、その上に繊細な測定が求められるKi67はさらに負担を上乗せすることになろう。このような研究によって、世界的に基準が統一され、良好な一致率がみられるようになることが理想だが、一般病理医のレベルにこれらが適応されたときどうなるか、非常に疑問ではある。以下、個人的意見ではあるが、Ki67については病理医が測定部位を選定し、訓練された細胞検査士がカウントするのがよいのではないかと考える次第である。なぜなら一般的傾向として、細胞検査士は医師より基準に忠実であり、また細胞や核をよく見慣れている。臨床細胞学会などが主導で測定訓練を行い、基準を満たしたものをKi67測定認定検査士とすれば、技師の雇用にもつながり、病理医の負担軽減にもなり、Ki67測定の質も上がり、乳腺医にとっても依頼しやすくなるであろう。Ki67の染色性に関して、本邦から以下の報告があったが大切な内容であると考えられるため紹介する。Pre-analytical setting is critical for an assessment of the Ki-67 labeling index for breast cancer -- Arima N, et al.本邦からの報告である。本研究では、一般にKi-67の染色に関して組織管理の重要性についての注意が不十分であることから、組織固定の影響について検討している。(1)固定のタイプ:665例の切除標本は10%中性緩衝ホルマリンまたは15%で固定。(2)固定時間:A:固定までの時間:数時間から一晩。B:固定時間B-1.短い固定時間:腫瘍の一部を3時間ホルマリン固定後パラフィンブロックへ。48時間の固定と比較B-2.長い固定時間:腫瘍の一部を長時間固定(3)外科的に切除された腫瘍のKi-67ラベリングインデックス値への影響A:固定の前に新鮮な腫瘍組織の中央をカットした時の影響B:136例のコア針生検と外科的切除標本の比較結果:Ki-67値は15%よりも10%ホルマリン固定で有意に高かった。固定までの時間が長いと徐々に値は低下した。不十分な固定は劇的な低下の原因となった。逆に過固定は徐々に低下する原因となった。固定の直前に腫瘍の中央に割を入れた場合、コントロールと比べて有意に値が高かった。コア針生検と外科的切除標本とで有意な差はなかった。本報告ではいくつかの例を供覧し、Ki-67の染色性はエストロゲン受容体やHER2タンパクよりもはるかに固定条件の影響を受けやすいことを示していた。まとめると、最も良くないのは固定不良であり、固定の直前に腫瘍に割を入れること、標本を長時間(たとえば半日)固定しないまま放置しないことが大切である。過固定も望ましくないが、48時間くらいでは大きな変化はないようである。しかし、1週間も固定しているとやや染色性が低下してくるので注意が必要である。ホルマリンは10%の濃度が望ましいようである。意外だったのはエストロゲン受容体やHER2タンパクの染色性はかなり安定していたことであった。Ki-67は染色も評価も繊細であることを臨床医、病理医ともに肝に命じる必要がある。少なくとも記載された数値を、臨床医が盲目的に信じ臨床適応することだけはしてはならない。

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ステージ4乳がんの原発巣切除について

Surgical removal of primary tumor and axillary lymph nodes in women with metastatic breast cancer at first presentation: A randomized controlled trial -- Badwe R, et al. India転移性乳がんにおける原発巣切除の影響インドで行われた臨床試験である。従来より緩和のための外科治療としては潰瘍と出血のコントロールが挙げられる。動物実験では原発巣の切除は有害かもしれないというデータがある(Fisher B, et al. Cancer Res. 1989; 49: 1996-2001.)。一方で、最近の後ろ向きレビューでは、局所領域の治療が有効かもしれないことが示されている。本試験の目的は転移性乳において原発巣の切除が与える生存率への影響を評価することである。サンプルサイズはベースラインの中央生存期間が18ヵ月、生存期間の改善が6ヵ月とし、α=0.05、1-β=80%と仮定したとき、N=350が必要であると考えられた。転移性乳に対しアンスラサイクリン+/-タキサンを行ってCRまたはPRのとき無作為化割付を行い、局所領域治療を行う群と行わない群に割り付けた。無作為化は転移部位、転移個数、ホルモン受容体の有無で層別化した。350例のうち、手術群は173例で乳房部分切除術または乳房切除術を行い、卵巣切除を40例に行った。さらに放射線治療と内分泌療法を84例に行った。無手術群は177例で内分泌療法は96例に行い、卵巣切除は34例に行った。全生存率(中央観察期間の記載がないが5年は観察しているものと思われる)は、手術群(19.2%)、無手術群(20.5%)であり、有意差はなかった(p=0.79)。閉経状況、転移部位、ホルモン受容体の有無、HER2発現の有無でサブグループ解析を行ったが、いずれも差はみられなかった。遠隔転移の初回進行までの期間は手術群で有意に短かった(p=0.01)。以上から、局所領域治療は生存率への寄与はなく、転移性乳においてルーチンに行うことは控えるべきであり、局所コントロールと転移部の進行とのバランスの中で得失を考えながら行うべきと結んでいる。Early follow up of a randomized trial evaluating resection of the primary breast tumor in women presenting with de novo stage 4 breast cancer; Turkish Study (Protocol MF07-01) -- Soran A, et al.新規ステージ4乳がんにおける局所療法の評価(早期観察)トルコの臨床試験である。新規のステージ4乳における外科治療に関する試験のメタ分析では、外科治療を行ったほうが生存率は良好であったが、外科治療を行わなかったほうで予後不良因子が多い傾向がみられている(Harris E, et al. Ann Surg Oncol 2013; 20: 2828-2834)。すなわち選択バイアスがあるということである。本試験(MF07-01)の試験デザインとしては、新規のステージ4乳を全身治療群と初回局所治療(乳房+/-腋窩)+全身治療群に分け、プライマリーエンドポイントとして全生存期間、セカンダリーエンドポイントとして局所の無増悪生存期間、QOL、局所治療に伴う合併症を評価した。過去の後ろ向き研究から、3年生存率の違いが18%であることが想定され、脱落率は10%、α=0.05、β=0.9と仮定して、サンプルサイズは271例が必要であると考えられた。312例がリクルートされ、293例が適格であり、278例(局所治療群140例、全身治療のみ138例)が評価可能であった。局所治療は患者と医師の好み/の広がりによって乳房部分切除か乳房切除が選択され、腋窩リンパ節転移が臨床的/生検/センチネルリンパ節生検のいずれかで確認されたときには腋窩郭清が行われた。断端陰性であることが必要であり、乳房部分切除後は全乳房照射が行われ、乳房切除後はの進行度や施設の方針で照射が追加された。化学療法は、局所治療群ではその後に、全身治療群は割付後すぐに開始された。ホルモン受容体陽性のすべての患者は内分泌療法を受けた。C-erb-B2陽性(IHC3+ or FISH+)ではトラスツズマブが投与された。転移巣の局所治療(手術-放射線)は研究者の判断によって決められた。ビスフォスフォネートは治療する臨床医の判断によって使用された。全生存率は中央観察期間(局所治療群46ヵ月、全身治療群42ヵ月)において両群で有意差はなかった(HR=0.76、95%CI: 0.490~1.16、p=0.20)。ホルモン受容体別、HER2発現別、さらにトリプルネガティブに限ってみても差はなかった。年齢別、転移臓器1つのみ、骨転移のみに限っても差はなかったが、骨転移1ヵ所のみに限ると局所治療群のほうが有意に生存期間が長かった(p=0.02)。逆に多発肝転移/多発肺転移では局所治療群のほうが生存期間が短かい可能性がある。結論として、早期経過観察では全生存率に有意差はなく、さらに長期間の観察が必要である。サブグループの検討から、局所療法群は骨転移において生存期間が長い傾向かもしれない。とくに1つの骨転移でその傾向がより強い。55歳以下で生存期間を改善する可能性がある。進行の早いフェノタイプではベネフィットを得にくいようにみえる。多発肝転移/多発肺転移ではむしろ予後を有意に悪化させる可能性がある、ことが示唆された。TBCRC 013: A prospective analysis of the role of surgery in stage IV breast cancer -- King TA, et al.ステージ4乳がんにおける原発巣切除の役割(TBCRC 013)前向きの無作為化比較試験の結果が明らかになるまでの間、私たちはステージ4乳におけるマネージメントの前向きデータを集めることが求められた。TBCRC 013は、新規ステージ4乳の原発巣切除の役割を評価する多施設前向きレジストリー研究である。新規ステージ4乳をコホートA、原発巣術後3ヵ月以内に同定された転移性乳をコホートBとした。初回全身治療で効果があった場合には、外科治療について患者と話し合い決定され、無増悪生存期間、局所の緩和治療の必要性、生存期間が評価された。2009年7月から2012年4月までに14の施設から127例の患者がエントリーされた(コホートA:112例、コホートB:15例)。年齢中央値52歳、原発巣の腫瘍径中央値3.2cmであった。観察期間中央値は28ヵ月であった。多変量解析にて全生存期間は外科治療(p=0.01)、エストロゲン受容体陽性(p=0.01)、HER2陽性(p=0.01)で有意に予後良好であった。しかし、全身治療に反応した症例に限ると外科治療はもはや有意差はなかった。この結果は、初回またはセカンドライン以降の全身治療に反応せず、緩和的に外科治療を行った場合に予後改善効果がみられる、という解釈になると思われたのだが、その記載はなかった。いずれにしても症例数が少なく、外科治療の有効性を考えるには至らない研究であると考えられる。転移性乳における外科治療の役割については、以前にASCO 2012の報告で一度述べたが、それらはいずれも後ろ向きの研究結果である。今回のRCTの結果をみても、やはりやみくもに局所治療すべきはない。しかし、局所におけるの進行は患者のQOLを低下させるため、外科医と腫瘍内科がよく協議して、手術や放射線治療との組み合わせについて、そのタイミングを逸することなく、適応を考えていくべきであろう。本邦でも岡山大学の枝園忠彦先生が研究代表者として臨床試験(JCOG1017、PRIM-BC)が行われているので、それが完遂され、さらに有意義な結果が加わることを期待したい。

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患者に「歩け、歩け運動」を勧める具体的なエビデンス(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(169)より-

糖尿病や耐糖能障害例では運動療法が推奨されているが、本研究は「運動療法が心血管イベントを減少させる」というエビデンスを世界規模のコホート研究で実証した点で価値がある。 NAVIGATOR試験は、高リスクの耐糖能障害例において、1)インスリン分泌促進薬であるメチグリニド系血糖降下薬ナテグリニド と、2)ARBバルサンタン が各々心血管イベントを抑制するか否かを検討した2×2の介入試験であり、いずれの薬物も心血管合併症を抑制するという結果をもたらさなかった。 しかし本研究では、日常活動度と心血管イベントの発症との関連を観察するという検討も行っており、これはその成果である。ベースライン時と試験開始1年後の万歩計で運動度を評価し、その運動量と将来の心血管イベント発症率の関連を検討したサブ研究である。 万歩計での歩数が2,000歩上がるにつれて心血管合併症発症率は10%づつ減少し、1年の間に運動量が減少すると心血管イベントは増加、逆に運動量が増えるとイベントは減少するという負の相関を示した。 お互いの関連は肥満の有無、元来有している心血管疾患などで影響されるが、それらで補正したモデルでも、運動量とイベント発症の逆相関は変わらなかったという。万歩計データの欠損が非常に多いなどのリミテーションはあるものの、臨床的には意義のある研究と思われる。

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