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ミノサイクリンの投与は統合失調症に本当に有用か:藤田保健衛生大学

 近年、統合失調症患者にミノサイクリンを投与することで精神症状が改善するといわれている。藤田保健衛生大学の大矢 一登氏らは、抗精神病薬による治療を受けている統合失調症患者に対するミノサイクリン増強療法に関する総合的なメタ解析を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2014年8月4日号の報告。ミノサイクリンは統合失調症の精神病理を改善 PubMed、PsycINFO、Google Scholar、Cochrane Library databasesから、2014年6月2日までに公表されたデータを抽出した。ミノサイクリンとプラセボを比較した無作為化比較試験(RCT)から得られた患者データを用い、系統的レビューおよびメタ解析を行った。相対リスク(RR)、標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(95%CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・4件のRCT、330例の患者データが抽出された。・ミノサイクリンはプラセボと比較し、PANSS総スコア(SMD:-0.70)、陰性尺度(SMD:-0.86)、総合精神病理尺度(SMD:-0.50)の減少で優れていた。しかし、陽性尺度(SMD:-0.26)、うつ症状(SMD:-0.28)では差が認められなかった。・ミノサイクリンは、すべての原因による中止(RR:1.10)、効果不十分による中止(RR:0.42)、有害事象による中止(RR:1.56)、死亡による中止(RR:3.18)においてプラセボと同等であった。・ミノサイクリンは、錐体外路系副作用のスコアにおいてプラセボよりも優れていた(SMD:-0.32)。 今回の結果から、ミノサイクリンは統合失調症の精神病理(とくに陰性症状)を改善し、忍容性も良好であることが示唆された。■関連記事統合失調症治療に抗炎症薬は有用かテストステロンは統合失調症治療の標的となるか治療抵抗性統合失調症に対する漢方薬「抑肝散」の有用性:島根大学

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国民の3分の1はロコモ予備軍-日整会プレス説明会

 9月11日、都内において日本整形外科学会主催によるプレス説明会が10月8日の「骨と関節の日」を前に開催された。説明会では、わが国における骨・運動器関連疾患の現状や今後の対策のほか、「ロコモティブシンドロームの要因としての上・下肢の痛みとしびれ」と題して、日常の愁訴から考えるロコモティブシンドロームについてのレクチャーが行われた。■日本人の約3分の1が運動器に障害あり 最初に、同学会の理事長である岩本 幸英氏(九州大学大学院医学研究院整形外科 教授)が、理事長挨拶として骨・運動器疾患の概要を述べ、変形性腰椎症や骨粗鬆症などの患者数が4,700万人を超え、トタールでみたとき、運動器の障害が脳血管疾患や認知症を抑え寝たきり原因の1位になっていることを説明した。そして、学会では、平成19年より「運動器の障害により、移動機能の低下を来した状態」を「ロコモティブシンドローム」(以下「ロコモ」)と呼び、広く啓発してきたことを説明。さらにロコモの認識・理解の普及を行い運動機能が衰える高齢者には早めの診療を促すことで、国民の健康寿命を延長していきたいと抱負を述べた。■約6割が治療に消極的 続いて「ロコモティブシンドロームの要因としての上・下肢の痛みとしびれ」と題して、持田 譲治氏(東海大学医学部外科系整形外科学 教授)が、レクチャーを行った。 ロコモは、健康寿命を脅かすものとして、厚生労働省が提唱している「健康日本21」でも認知度の向上と足腰に痛みを持つ高齢者割合の減少がうたわれている。背骨に異常があると手足の痛みやしびれに結び付き、これが患者のQOLを低下させ、さらにロコモの要因となる。 しかし、日本整形外科学会が実施した運動器の慢性痛有症者へのアンケート調査によると「主な治療機関」は民間療法(21%)という回答が一番多く、「特になし」(57%)という回答も過半数を占め、患者自身が治療に消極的である面をうかがわせた。 その他、持田氏が監修した「からだに痛み・しびれがある成人男女」(n=1,030)のWEB調査によれば、44%の回答者が毎日症状を感じており、約57%がその期間が1年以上続いていると回答。上肢に痛み・しびれの部位があると回答した人は30.9%。そして、上肢に痛み・しびれのある318人のうち医療機関に受診している人は、わずか11.9%しかおらず、鍼灸院、接骨院や整体への通院が16.4%、市販薬の服用などが24.8%、特段対処しないが18.6%など多くの人が自己判断による対処で済ませている実態が明らかとなった。仕事や家事への影響では65.7%の人が、仕事や家事に集中力の低下や作業内容、勤務時間の変更などの影響を受けていると回答した。 ■しびれの治療は時間を要する ロコモへの病状進行は、手足の痛み・しびれの後、次第に筋力低下や筋萎縮という運動系障害が現れることが多く、その際、身体を支える機能や身体を曲げる機能の障害を合併し、運動系障害で移動機能の低下が起こり、ロコモの要因となることを説明。診療では、患者さんの自覚症状(痛み、しびれ、筋力減少、変形などの愁訴)の正確な把握が重要であると述べた。 また、一般の方にも理解してもらいたいこととして、日常生活で立位や座位を保つためにも、上肢のロコモ対策が重要であり、痛み・しびれ、筋力低下の中で「しびれ」が一番回復には時間がかかること、急性期と慢性期では、内服薬の違いなど治療法が異なること、痛み・しびれの治療におけるゴールは8割程度であることなど理解のポイントを説明した。 最後に10月8日の「骨と関節の日」には、運動器の健康が体の健康維持にいかに大切かを啓発するさまざまな催しが全国で開催されるので、この機会にロコモへの理解を深めてほしいと語りレクチャーをまとめた。

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ベストマッチの合成薬とベストな試験デザインがもたらした心不全治療のパラダイムシフト(解説:原田 和昌 氏)-245

ここ10年間にFDAより認可された新規の経口心不全治療薬はない(ivabradineも認可せず)。アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるLCZ696は駆出率の低下した心不全(HFrEF)患者において、β遮断薬などの標準治療に上乗せして、ACE阻害薬エナラプリルよりも、死亡および入院リスクを20%有意に抑制した。 McMurray氏らのPARADIGM-HF研究グループは、47ヵ国1,043施設からの8,442例における二重盲検無作為化試験(第III相)の結果をNEJM誌に発表した。試験は、LCZ696の圧倒的な有益性により早期に中断された。 ACE阻害薬およびARBを中止し、run-in期間に忍容性を確認してLCZ696群200mg 2回/日(バルサルタン320mg/日に相当)かエナラプリル群10mg 2回/日にランダム化した。 LCZ696群で全死亡が16%、心血管系の死亡が20%減少した。また、エナラプリルと比較して心不全による入院リスクを21%抑制し、心不全の症状も緩和した。腎機能の低下や血清カリウム値の上昇はより少なく、症候性低血圧がより多かったが血管浮腫に差はなかった。LCZ696群で血圧は3.2mmHg多く低下したが心拍数に差はなかった。LCZ696群で尿中cGMP排泄が増加した(補遺)。 慢性心不全患者では、レニン・アンジオテンシン系(RAS)、交感神経系が活性化し悪循環が形成される。Na利尿ペプチド系(NPs)は、慢性心不全患者でむしろ活性化が不十分であり、NPsを分解するネプリライシンが亢進しているとされる。 ネプリライシンはNPs(とくにANPとCNP)、サブスタンスP、ブラジキニン、エンドセリン-1、アンジオテンシンI、アンジオテンシンII、アドレノメデュリンなどを分解する中性エンドペプチダーゼであり、その阻害薬はNPsやブラジキニンなどを活性化する。しかし、基質の特性からネプリライシン阻害薬にはRAS阻害薬を併用する必要がある。 Packer氏、McMurray氏らが2002年に報告したOVERTURE試験では、HFrEF患者にACE、ネプリライシン、アミノペプチダーゼPを阻害するomapatrilatを用いたが、これは血管浮腫の副作用により開発が中止となった。 血管浮腫は主としてブラジキニンとサブスタンスPの過剰によるが、ブラジキニンはACE、ネプリライシン、アミノペプチダーゼPにより分解されるためomapatrilatで血管浮腫が増強したものと考えられる。これに対しLCZ696はACEやアミノペプチダーゼPを阻害しないためブラジキニンの過剰を来さない。また、本試験の結果は心不全におけるACE阻害薬の効果が“適度な”ブラジキニンの活性化で代用できる可能性を示唆している。 これまでLCZ696の高血圧症や駆出率保持の心不全(HFpEF)を有する患者を対象とした小規模試験(PARAMOUNT試験)において、ARB単剤よりも血行動態およびNT-proBNPに関する効果が大きいこと、1日2回投与が望ましいことが示唆されていた。また、run-in期間の設定、エントリー基準にBNPやNT-proBNPを用いる試験デザインもよい結果につながった可能性がある。 今話題のバルサルタンであること、症状の軽いNYHAのI、II度でより有効であること、血管浮腫の多いアジア人でどうか(高血圧患者では確認済み)、長期的に脳内アミロイドβペプチドに影響はないかなどの問題は残されているが、心不全治療においてLCZ696がACE阻害薬やARBに取って代わるかもしれないという本試験の結果の意義を毀損するものではないと考える。

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びまん性汎細気管支炎〔DPB : diffuse panbronchiolitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)は病理組織学的には両側びまん性に分布する呼吸細気管支領域の慢性炎症像を特徴とし、臨床的には慢性副鼻腔炎を伴う慢性気道感染症の形を取る疾患である。そもそもDPBの疾患概念は1960年代に、わが国で確立されたものであるが、欧米においてDPBがほとんど存在しないため、長く認知されてこなかった。しかしながら、1983年、本間氏らによりChest誌上に紹介されて以来1)、徐々に理解が深まり、現在では広く認知され欧米の主要な教科書でも必ず触れられる疾患となっている。■ 疫学以前はそれほどまれな疾患ではなく、1970年代には人口10万人対11という有病率の報告もあったが、近年では典型例は激減し、めったに見ることがなくなった2)。男女差はなく、発症年齢は10~70代まで広く分布するが、発症のピークは中年である。多くの例で、幼小児期にまず慢性副鼻腔炎にて発症し、長い年月を経て下気道症状の咳、膿性痰が加わって症状が完成する。近年DPBが激減した背景には、戦後の日本人の生活水準が急速に向上し、栄養状態が大きく改善したことと、後述するマクロライド療法が耳鼻科領域の医師にも普及し、慢性副鼻腔炎の段階で治癒してしまうことの2つが大きな原因と考えられる。■ 病因明確な発症のメカニズムはまったく不明であるが、本症が病態として副鼻腔気管支症候群(sino-bronchial syndrome: SBS)の形を取ることから、背景には何らかの呼吸器系での防御機構の低下・欠損が推定される。さらにDPBでは親子・兄弟例が多く報告され、また家族内に部分症ともいえる慢性副鼻腔炎のみを有する例が多発することから、何らかの強い遺伝的素因に基づいて発症する疾患と考えられる。この観点からHLAの検討が行われ、日本人DPB患者では、一般人にはあまり保有されていないHLA-B54が高頻度に保有されていることが見出された3)。B54は特殊なHLAで、欧米人やアフリカ人にはまったく保有されず、東アジアの日本を含む一部の民族でのみ保有される抗原であり、このことがDPBという疾患が、欧米やアフリカにほとんど存在しないことと関連があると考えられる。■ 症状最も重要な症状は、慢性的な膿性の喀痰である。この症状のない例ではDPBの診断はまったく考えられない。痰に伴って咳があるのと、併存する慢性副鼻腔炎由来の症状である鼻閉、膿性鼻汁、嗅覚の低下が主症状である。疾患が進行していくと、気管支拡張や肺の破壊が進行し、息切れが増強し、呼吸不全状態となっていく。■ 予後1980年代以前のDPBはきわめて予後不良の疾患であり、1981年の調査では初診時からの5年生存率は42%、喀痰中の細菌が緑膿菌に交代してからの5年生存率はわずかに8%であった。しかしながら、1980年代半ばに工藤 翔二氏によるエリスロマイシン少量長期投与法が治療に導入されると予後は著明に改善し、早期に診断されてマクロライドが導入されれば、むしろ予後のよい疾患となった4)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)病歴と特徴ある画像所見から、典型例では診断は難しくない。画像所見としては、胸部X線所見で中下肺野に強い、両側びまん性の辺縁不鮮な小粒状影の多発を認め、これにさまざまな程度の中葉・舌区から始まる気管支拡張像と過膨張所見が加わる。CT(HR-CT)は診断上、きわめて有用であり、(1) びまん性小葉中心性の粒状影、(2) 分岐線状陰影、(3) 気道壁の肥厚と拡張像がみられる。DPBの診断基準(表1)を示す。表1 びまん性汎細気管支炎の診断の手引き1. 概念びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis: DPE)とは、両肺びまん性に存在する呼吸細気管支領域の慢性炎症を特徴とし、呼吸機能障害を来す疾患である。病理組織学的には、呼吸細気管支炎を中心とした細気管支炎および細気管支周囲炎であり、リンパ球、形質細胞など円形細胞浸潤と泡沫細胞集簇がみられる。しばしばリンパ濾胞形成を伴い、肉芽組織や瘢痕巣により呼吸細気管支炎の閉塞を来し、進行すると気管支拡張を生じる。男女差はほとんどなく、発病年齢は40~50代をピークとし、若年者から高年齢まで各年代層にわたる。慢性の咳・痰、労作時息切れを主症状とし、高率に慢性副鼻腔炎を合併または既往に持ち、HLA抗原との相関などから遺伝性素因の関与が示唆されている#1。従来、慢性気道感染の進行による呼吸不全のため不良の転帰を取ることが多かったが、近年エリスロマイシン療法などによって予後改善がみられている。2. 主要臨床所見(1) 必須項目1)臨床症状:持続性の咳・痰、および労作時息切れ2)慢性副鼻腔炎の合併ないし既往#23)胸部X線またはCT所見: 胸部X線:両肺野びまん性散布性粒状影#3 胸部CT:両肺野びまん性小葉中心性粒状病変#4(2) 参考項目1)胸部聴診所見:断続性ラ音#52)呼吸機能および血液ガス所見:1秒率低下(70%低下)および低酸素血症(80Torr以下)#63)血液所見:寒冷凝集素価高値#73. 臨床診断(1) 診断の判定確実上記主要所見のうち必須項目1)~3)に加え、参考項目の2項目以上を満たすものほぼ確実必須項目1)~3)を満たすもの可能性あり必須項目のうち1)2)を満たすもの(2) 鑑別診断鑑別診断上注意を要する疾患は、慢性気管支炎、気管支拡張症、線毛不動症候群、閉塞性細気管支炎、嚢胞性線維症などである。病理組織学的検査は本症の確定診断上有用である。[付記]#1日本人症例ではHLA-B54、韓国人症例ではHLA-A11の保有率が高く、現時点では東アジア地域に集積する人種依存症の高い疾患である。#2X線写真で確認のこと。#3しばしば過膨張所見を伴う。進行すると両下肺に気管支拡張所見がみられ、時に巣状肺炎を伴う。#4しばしば細気管支の拡張や壁肥厚がみられる。#5多くは水泡音(coarse crackles)、時に連続性ラ音(wheezes、rhonchi)ないしスクウォーク(squawk)を伴う。#6進行すると肺活量減少、残気量(率)増加を伴う、肺拡散能力の低下はみられない。#7ヒト赤血球凝集法で64倍以上。(厚生省特定疾患びまん性肺疾患調査研究班班会議、平成10年12月12日)SBSの形を取り、画像上、前述のような所見がみられれば、臨床的に診断がなされる。寒冷凝集素価の持続高値、閉塞性換気障害、HLA-B54(+)といった所見が診断をさらに補強する。通常、病理組織検査を必要としないが、非典型例、関節リウマチ合併例、HTLV-1陽性例、他のSBSとの鑑別が難しい例などでは、胸腔鏡下肺生検による検体が必要となる場合もある。近年、DPBが激減していることから経験が不足し、COPD、気管支喘息などと診断されてしまっている例もみられ、注意を要する。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)表2 びまん性汎細気管支炎(DPB)に対するマクロライド療法の治療指針(2000年1月29日)マクロライド少量療法はDPBに対する基本療法であり、早期の症例ほどより高い臨床効果が得られることから、診断後は速やかにマクロライド少量治療法を開始すべきである。 なおマクロライド薬のうち、第1選択薬はエリスロマイシン(EM)である。(投与量及び用法)EM 1日投与量は400または600mgを分2または分3で経口投与する。(効果判定と治療期問)1.臨床効果は2~3ヵ月以内に認められることが多いが、最低6ヵ月は投与して、その臨床効果を判定する。2.長期投与により自覚症状、臨床検査所見(画像、肺機能など)が改善、安定し、重症度分類で4または5級(付記1)程度になれば、通算2年間の投与で終了する。3.終了後症状の再燃がみられれぱ、再投与が必要である。4.広汎な気管支拡張や呼吸不全を伴う進行症例で有効な場合は、通算2年間に限ることなく継続投与する。(付記)1.4級:咳・痰軽度。痰量10mL以下、息切れの程度はH-J II~III。安静時PaO2は70~79 Torrで、呼吸器症状のため社会での日常生活活動に支障がある。5級:呼吸器症状なし。安静時にPaO2は80 Torr以上。日常生活に支障なし。2.マクロライド薬のうち、現在までに本症に対する有効性が確認されているのは14員環マクロライド薬であり、16員環マクロライド薬は無効である。EMによる副作用や薬剤相互作用がある場合、あるいはEM無効症例では、14員環ニューマクロライド薬の投与を試みる。投与例 1)クラリスロマイシン(CAM)200または400mg 分1または分2経口投与2)ロキシスロマイシン(RXM)150または300mg 分1または分2経口投与炎症が強い例では、殺菌的な抗菌薬の静注やニューキノロン経口薬を短期間投与し、感染・炎症を抑えてから基本的治療に入る。基本的治療はエリスロマイシン、クラリスロマイシンを中心とした14員環マクロライドの少量長期投与である。これらの薬剤の抗炎症効果による改善が、通常投与後2週間くらいから顕著にみられる。エリスロマイシンでは400~600mg/日を6ヵ月~数年間以上用いる。著効が得られた場合はさらに減量して続行してもよい。ただし、気管支拡張が広範囲に進展し、呼吸不全状態にあるような例では、マクロライドの効果も限定的である。有効例では、投与後2週間くらいからまず喀痰量が減少し、この時点ですでに患者も自覚的な改善を認める。さらに数ヵ月~6ヵ月で呼吸機能、胸部X線像の改善がみられていく。同時に慢性副鼻腔炎症状も改善するが、嗅覚に関しては、やや改善に乏しい印象がある。マクロライドは一般的には、長期間投与しても何ら副作用を認めないことが多いが、まれに肝障害や時に胃腸障害を認める。元来マクロライドは、緑膿菌にはまったく抗菌力がないと考えられるが、近年の研究から14員環マクロライドが緑膿菌のquorum sensingという機能を抑制し、毒素産生やバイオフィルム形成を阻害することが解明されてきている。4 今後の展望典型例はほとんどみられなくなったが、日本人にはDPBの素因が今なお確実に受け継がれているはずであり、軽症例や関節リウマチなどの疾患に合併した例などが必ず出現する。 SBSをみた場合には、必ずDPBを第1に疑っていく必要がある。5 主たる診療科呼吸器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本呼吸器学会 呼吸器の病気のコーナー(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Homma H, et al. Chest. 1983; 83: 63-69.2)Kono C, et al. Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2012; 29: 19-25.3)Sugiyama Y, et al. Am Rev Respir Dis. 1990; 141: 1459-1462.4)Kudoh S, et al. Am J Respir Crit Care Med. 1998; 157: 1829-1832.

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久山町研究における脂肪酸解析-医薬品としての高純度EPA製剤の重要性-

久山町研究とは、日本の全国平均とほぼ同じ年齢・職業分布を示す福岡県糟屋郡久山町の住民を対象に1961年から実施されている脳卒中・心血管疾患などの発症を検討した疫学調査です。その一環として行われた脂肪酸解析で、EPA/AA比と心血管イベントリスクとの関連について、新たな知見が得られました。本コンテンツでは、主にその研究結果と、高純度EPA製剤を服用することの重要性について、動画で詳しく解説します。

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新規抗てんかん薬単剤療法-治療戦略は変わる?-

2014年9月3日(水)、グラクソ・スミスクライン株式会社は「てんかんの薬物療法の課題と今後の展望」をテーマに、都内で第2回てんかんメディアセミナーを開催した。本セミナーでは、大澤 真木子氏(日本てんかん学会理事長)より「学会・医師の立場から見た本邦のてんかん診療における課題・背景」と題した講演、山本 貴道氏(聖隷浜松病院院長補佐/てんかんセンター長)より「本邦におけるてんかん診療の現況と新規抗てんかん薬ラミクタール単剤療法認可の意義」と題した講演が行われた。てんかん治療の現状わが国のてんかん患者の割合は、およそ100人に1人と言われている。てんかんは、子供に多いが、近年高齢者における発症率も上昇傾向にあり1)、幅広い年齢で発症する脳神経の疾患である。てんかんの治療には薬物治療と外科治療があるが、通常は薬物治療が行われ、これは基本的に単剤治療が主である。その理由としては、約6割の患者が1剤で発作をコントロールできていること2)、副作用や薬物間相互作用の軽減による安全性の確保などが挙げられる。新規抗てんかん薬の課題しかしながら、近年相次いで発売されている新規抗てんかん薬は、わが国では併用療法での承認にとどまり、単剤で用いることができていなかった。そのため、いまだに旧来薬中心の治療が行われ、新規抗てんかん薬における単剤療法時の副作用データや、単剤療法の第一選択薬としての治療実績に関するデータが十分に収集できていない現状であった。新規抗てんかん薬単剤治療の利点わが国とは異なり欧米などでは、単剤療法の第一選択薬として新規抗てんかん薬が処方されるケースも少なくない3)。これは、新規抗てんかん薬は、従来の抗てんかん薬よりも、重篤となりやすい晩期型の副作用(脳症、白血球減少、再生不良性貧血など)が現れにくいという特徴があるためである4)。このような状況の中、ようやくわが国でも、先月初めて新規抗てんかん薬ラミクタールの単剤療法が承認された。現時点でラミクタール単剤療法の経験は未だ多くはないが、投与初期の漸増段階から効果が発揮され、患者の約9割が発作の消失ないし減少に至ることが報告されている5)。とくに、全身けいれんを起こすような症例では有効性が高く、第一選択となりうる。また、妊娠を希望している、もしくは将来的に妊娠を視野に入れている女性も、ラミクタール単剤療法が適していると言え、今回の単剤療法の承認によって従来薬からラミクタールへのさらなるシフトが起こる可能性がある。今回の承認により、てんかん患者が受ける身体的負担が軽減し、患者の生活の質をより高く保つことができる可能性が出てきた。さらに、医療者側にとっても、てんかんを治療するうえで薬剤の選択肢が広がったことは喜ばしく、このたびの承認の意義は大きいと言えよう。1)Cloyd J, et al. Epilepsy Res. 2006; 68 suppl 1: S39-S48.2)Kwan P, et al. N Engl J Med. 2000; 342: 314-319.3)Pickrell WO, et al. Seizure. 2014; 23: 77-80.4)Schmidt D, et al. BMJ. 2014; 348: g254.5)Yamamoto T, et al. Brain & Nerve. 2014; 66: 59-69.

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双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較

 スペイン・Health Value社のCarlos Rubio-Terres氏らは、双極性障害の治療薬としてのアリピプラゾールとオランザピンについて、有害事象の側面から医療費比較の検討を行った。その結果、アリピプラゾールのほうが、有害事象に関連するコストが低いことを報告した。Actas Espanolas Psiquiatria誌2014年9月号(オンライン版2014年9月1日号)の掲載報告。 検討は、Markovモデルを用い、「有害事象なし(NAE)」「錐体外路症状(EPS)」「体重増加(WG)」「性機能障害(SD)」を考慮に入れたコスト解析を実施した。 双極性障害の病態変化の移行確率は、臨床試験のメタ解析およびスペインでのレトロスペクティブな研究から推定した。また、それぞれの病態に関連する医療費は、公表されているスペインの研究を参考にした。コスト比較には、病院薬局の効率性という観点から、1日平均用量における1mg当たりの最低取得コストを使用。解析適用の計画対象期間は12ヵ月とした。モンテカルロシミュレーションを用いて、解析に含まれるすべての変数に対し確率的感度分析を実施。なおSpanish Health System price indexを用い、2013年に更新されたコストを使用した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールを用いた治療はオランザピンに比べ、患者1人当たりの年平均コストを289ユーロ(95%信頼区間[CI]:271~308ユーロ)削減した。・アリピプラゾールによる性機能障害発現率が、クエチアピン(非定型経口抗精神病薬の中で最も低頻度)と同程度と仮定した場合、患者1人当たりの追加コストは323ユーロ(95%CI:317~330ユーロ)であった。・アリピプラゾールによる治療はオランザピンと比較して有害事象に関連するコストが低かった。この差は双極性障害患者の治療において、スペインの医療システムに大きなコスト節減をもたらす可能性が示された。・結果の頑健性は、確率論的解析により検証された。関連医療ニュース アリピプラゾールと気分安定薬の併用、双極性障害患者の体重増加はどの程度 双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場 双極性障害、退院後の自殺リスクが高いタイプは

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安定冠動脈疾患のPCI、冠血流予備量比で適応判断~2年後の結果/NEJM

 安定型冠動脈疾患の治療では、冠動脈造影時に冠血流予備量比(fractional flow reserve; FFR)を測定し、心筋虚血の可能性が高いと判定された患者のみに経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と薬物療法を行うアプローチが、薬物療法単独よりも良好な予後をもたらすことが、ベルギー・アールスト心血管センターのBernard De Bruyne氏らが行ったFAME 2試験で示された。血行再建術の成果は心筋虚血の範囲や程度に依存する。FFRが0.80以下(狭窄による最大血流量の20%以上の減少)では、心筋虚血が誘発される可能性が示唆され、このような患者では冠動脈造影のみによる血行再建術よりもFFRガイド下血行再建術のほうが、臨床アウトカムは良好とのデータがあるという。NEJM誌オンライン版2014年9月1日号掲載の報告。FFRガイドの有用性を無作為化試験で評価 FAME 2試験は、安定型冠動脈疾患および狭心症の患者において、FFRガイド下PCI+薬物療法の有用性を評価する非盲検無作為化試験。臨床的に安定した3枝までの冠動脈疾患(冠動脈造影で確認)で、FFR≦0.80の1つ以上の狭窄を有し、PCIの適応と考えられる患者を対象とした。 被験者は、FFRガイド下PCI+薬物療法を施行する群または薬物療法のみを行う群に無作為に割り付けられた。FFRはプレッシャーワイヤを用いて測定し、PCIは第2世代薬剤溶出ステント留置を行った。狭窄のFFRが>0.80の患者には薬物療法のみが行われた。 主要評価項目は、2年以内の全死因死亡、非致死的心筋梗塞、緊急血行再建術による入院の複合エンドポイントとした。主要評価項目:PCI群8.1%、FFR>0.80の薬物療法群9.0% 2010年5月15日~2012年1月15日までに1,220例が登録された。このうちFFR≦0.80は888例で、PCI群に447例、薬物療法単独群には441例が割り付けられた。残りの332例はFFR>0.80だった。 主要評価項目の発生率は、PCI群が8.1%と、薬物療法単独群の19.5%に比べ有意に低かった(ハザード比[HR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.26~0.57、p<0.001)。 PCI群では、緊急血行再建術が有意に少なかった(4.0 vs. 16.3%、HR:0.23、95% CI:0.14~0.38、p<0.001)が、全死因死亡(1.3 vs. 1.8%、0.74、0.26~2.14、p=0.58)および心筋梗塞(5.8 vs. 6.8%、0.85、0.50~1.45、p=0.56)の発生率には有意な差はなかった。また、心筋梗塞または心電図上の虚血変化に起因する緊急血行再建術はPCI群で有意に少なかった(3.4 vs. 7.0%、p=0.01)。 ランドマーク解析を行ったところ、0~7日の主要評価項目の発生率はむしろPCI群で高い傾向が認められた(HR:2.49、95%CI:0.78~8.00)が、8日~2年ではPCI群で有意に低かった(0.29、0.18~0.45)(交互作用検定:p<0.001)。また、8日~2年までの死亡または心筋梗塞の発生率はPCI群で有意に低く(4.6 vs. 8.0%、0.56、0.32~0.97、p=0.04)、緊急血行再建術もPCI群で有意に少なかった(3.6 vs. 15.6%、0.21、0.12~0.37、p<0.001)。 FFRが>0.80で薬物療法のみを受けた患者の主要評価項目の発生率は2年間で9.0%だった。 プロトコルで規定された臨床イベントまたは重篤な有害事象が1つ以上みられた患者は、PCI群が薬物療法単独群よりも少なかった(33.8 vs. 52.6%、p<0.001)。非心血管系の重篤な有害事象の発生率は両群で同等であった(17.2 vs. 17.2%、p=0.98)が、心血管系の重篤な有害事象はPCI群で有意に少なかった(24.6 vs. 46.3%、p<0.001)。 著者は、「冠動脈造影画像上の狭窄の有無にかかわらず、FFR>0.80の患者では、至適な薬物療法の臨床アウトカムが良好であった」としている。

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重症好酸球性喘息に新規抗IL-5抗体が有効/NEJM

 重篤な好酸球性喘息の治療において、メポリズマブ(国内未承認)は病態の増悪を有意に低減することが、グラクソ・スミスクライン社・米国Research Triangle ParkのHector G Ortega氏らが行ったMENSA試験で示された。重症喘息患者は、高用量吸入グルココルチコイドの継続治療を行っても、経口グルココルチコイドの併用の有無にかかわらず、持続性の好酸球性炎症によって頻繁に増悪を来す場合がある。メポリズマブはインターロイキン(IL)-5に対するヒト化モノクローナル抗体で、好酸球性炎症を選択的に阻害し、喀痰や血中の好酸球数を減少させることで、増悪の頻度を低下させるとともにグルココルチコイド全身投与の必要性を低減するという。NEJM誌オンライン版2014年9月8日号掲載の報告。増悪の抑制効果を無作為化試験で評価 MENSA試験は、重症好酸球性喘息に対するメポリズマブの有用性を評価する二重盲検ダブルダミー・プラセボ対照無作為化試験。対象は、年齢12~82歳、高用量吸入グルココルチコイド治療でも喘息の増悪を繰り返し、好酸球性炎症が確認された患者であった。 被験者は、メポリズマブ75mg(静脈内投与)、同100mg(皮下投与)またはプラセボを4週に1回投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は増悪の頻度で、増悪の定義は担当医がグルココルチコイド全身投与を3日以上行った場合や、患者が救急診療部を受診または入院した場合とした。 試験は、1~6週間の導入期間後に割り付けを行い、32週の治療期間後に主要評価項目を評価し、さらに8週のフォローアップを実施した。両投与法とも増悪の頻度がほぼ半減 2012年10月~2014年1月までに576例が登録され、静脈内投与群に191例(平均年齢50歳、女性55%)、皮下投与群に194例(51歳、60%)、プラセボ群には191例(49歳、56%)が割り付けられた。539例(94%、それぞれ175例、185例、179例)が治療を完遂した。 患者1例当たりの臨床的に重篤な増悪の年間発生率は、静脈内投与群が0.93、皮下投与群が0.81、プラセボ群は1.75であり、プラセボ群に比べ静脈内投与群は47%(95%信頼区間[CI]:29~61%)、皮下投与群は53%(37~65%)減少した(いずれも、p<0.001)。 入院または救急診療部の受診を要する増悪は、プラセボ群に比し静脈内投与群が32%(95%CI:-41~67%、p=0.30)、皮下投与群は61%(17~82%、p=0.02)低下し、入院を要する増悪はそれぞれ39%(-66~77%、p=0.33)、69%(9~89%、p=0.03)低下しており、いずれも皮下投与群で有意な改善効果が認められた。 1秒量(FEV1)のベースラインからの増加は、プラセボ群よりも静脈内投与群が100mL(p=0.02)、皮下投与群は98mL(p=0.03)高く、いずれも有意に改善した。 健康関連QOLの指標であるSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコア(0~100点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が6.4点(p<0.001)、皮下投与群は7.0点(p<0.001)大きく、いずれも有意に改善した。 また、喘息コントロールの指標である5-item Asthma Control Questionnaire(ACQ-5)スコア(0~6点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が0.42点(p<0.001)、皮下投与群は0.44点(p<0.001)大きく、いずれも有意な改善を示した。 治療期間中の有害事象は、静脈内投与群が84%、皮下投与群が78%、プラセボ群は83%に発現し、鼻咽頭炎(17~24%)と頭痛(17~24%)の頻度が最も高かった。このうち、担当医判定による治療関連有害事象は、それぞれ17%、20%、16%だった。 注射部位反応の発現率は、皮下投与群が9%であり、静脈内投与群の3%、プラセボ群の3%に比べ高かった。喘息関連イベントを含む重篤な有害事象は、静脈内投与群が7%、皮下投与群が8%、プラセボ群は14%に認められた。 著者は、「重症好酸球性という喘息のサブグループにおいて、メポリズマブは静脈内投与と皮下投与の双方で増悪の頻度を抑制するとともに、QOLや喘息コントロールを改善した」とまとめている。

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ガイドラインの正当性の検証は、大規模登録観察研究で!~219万3,425件に上る分娩登録からみた、分娩後急性腎不全のリスクと対策(解説:石上 友章 氏)-244

医療、医学の進歩によって、出産、分娩の安全性が高くなったにもかかわらず、米国・カナダでは、分娩後急性腎不全が増加している。カナダでは、1,000分娩あたり1.6の発生率(2003年)であったのが2.3(2007年)に、米国では、2.3(1998年)が4.5(2008年)に増加している。分娩後急性腎不全は、母親の約2.9%もの高い死亡率をもたらしており、先進国として異例の事態を呈している。 そこで著者らは、同時期に発生率が増加している分娩時異常出血による循環血液量減少、あるいは妊娠高血圧のいずれかが、この逆説的な分娩後急性腎不全の増加に寄与しているのではないかと仮説を立てて、今回の解析を行った。 このような仮説を着想するに至った背景には、周産期の高血圧性疾患の管理ガイドライン(カナダ)において、肺水腫予防のための水分制限、ならびに疼痛管理のための薬剤のコンビネーションが変更されたことがあり、hypovolemia, renal hypoperfusion, nephrotoxicityに由来する急性腎不全が増加した懸念があるためである1)。 ケベック州を除いた全カナダにわたるレジストリーを解析した結果は、分娩時異常出血は、分娩後急性腎不全の増加を説明するものではなかった。意外にも、その増加の原因は、分娩時高血圧、なかでも蛋白尿・子癇前症を伴った高血圧(いわゆる妊娠中毒症)にあった。 ガイドラインは、エビデンスによる最適な治療方針を提供している。分娩時高血圧に対しても、適切な降圧薬や、水分制限を推奨している。本研究の結果からは、こうしたガイドラインの推奨が、現実の分娩時高血圧の臓器保護に無力であったことを示している。 観察研究は、探索的に応用することで、疾病の予後改善につながる治療介入を仮説的に提示することも可能である。本邦でも、本研究のような精度の高い、大規模データベースを実用化することで、医療の標準化につながる重要な仮説提示がなされることが期待されている。

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PT-INR値とイベントの関係

ワルファリンは、医師の指導に従いきちんと服薬することが必要です。(100人・年)302520事故比PT-INR分布と脳梗塞・大出血大梗塞小梗塞大出血151050ワルファリンは、PT-INR1.6~2.6でコントロールされた時、脳卒中になりにくい。~1.591.60~1.99 2.00~2.592.60~PT-INRYasaka M, et al. Intern Med. 2001; 40: 1183-1188.Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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デンマークの医療安全学会報告 その1【Dr. 中島の 新・徒然草】(034)

三十四の段 デンマークの医療安全学会報告 その1デンマークで行われた RHCN(Resilient Health Care Network)という医療安全の学会に出席してきたので、その時の様子を3回に分けて報告いたします。まず、デンマークという国です。私は今回が初めての訪問になり、曖昧なイメージしかありませんでした。人口 約560万人面積 約4.3万平方キロメートルつまり九州程度の面積に兵庫県程度の人口が住んでいるということになります。ヨーロッパ大陸から北の方角に突き出してスカンジナビア半島に向きあっており、いわゆる北欧の一部です。首都のコペンハーゲンで北緯55度、ということはおおよそ樺太の北端に相当します。ただし、グリーンランドもデンマーク領です。こちらは人口わずか5万人ですが、面積は216万平方キロメートルあるので日本の5倍ほどの大きさです。デンマークについて面白いのはEU(欧州連合)に所属していながら、通貨はユーロではなく、独自のデンマーククローネ(DKK)を発行していることです。デンマーククローネはユーロ(EUR)に対するレートが人為的に固定されているので、物の値段は DKK と EUR の両方で表示されており、どちらでも使えます。それなら独自通貨を発行する意味があるのでしょうか。おそらくギリシャのような経済危機に見舞われたときに、通貨発行権を持っていれば政府や中央銀行が舵取りをしやすいのだと思います。国土はフラットで山らしい山がなく、あちこちで風力発電の羽根が回っています。人々は北欧らしく長身、金髪で、日本人が張り合おうという気にならないくらいの美男美女揃い。しかも仕事ぶりが真面目で、どこもかしこも掃除が行き届いているのには感心しました。多くのヨーロッパ人がそうであるように、デンマークの人も複数の言語を操ります。少なくとも英語は皆さんペラペラでした。地続きであるドイツ語もペラペラなのではないかと思います。以前はドイツとの間に国境の検問所があり、パスポートのチェックもあったそうですが、今はありません。車を運転していて気づいたら周囲の看板がドイツ語になっていたということもよくあるそうです。「EUの中だったらどこで仕事しようが家を買おうが自由なんだ。いい時代になったものだ」と、あるデンマーク人男性が言っていました。首都のコペンハーゲンですらのんびりしており英語も通じるので、旅行するにはいい所だと思います。ちゃんと世界三大「がっかり名所」の人魚姫像もあり、多くの観光客が写真を撮っていました。この像のモデルはデンマーク王立劇場のプリマドンナのエレン・プライスですが、彼女が裸体を拒否したので首から下は製作した彫刻家エリクセンの奥さん、エリーネが代わりにモデルをつとめたそうです。デンマークの話はこのくらいにして、学会の話をしましょう。なにしろ時差ボケに苦しみながら4日間の英語責めだったので、死にそうな思いをしました。ミゼルファートという風光明媚な村の古城での三食付きの学会ですが、単なるカンヅメ合宿だったのです。resilient というのは、状況に応じて柔軟に対応する能力のことです。会長のホルナゲル先生は漢字の「弾」をあてているので、「柔軟」というよりも「弾力的」という表現がいいのかもしれません。すでに多くの産業において、安全を実現する目的で resilient という考え方が入ってきているそうです。これまでの医療安全と違っているのは、「失敗から学ぶ」のではなく、「成功からも学ぶ」。言い換えれば、成功も失敗も含めたすべての過程から学ぶ人体も医療も線型システム(linear system)ではなく、複雑系(complex system)である。したがって、因果関係で説明できないことはたくさんある。というか、その方が多い医療安全の実現は、単に医療事故のない状態をつくることではないという共通認識を前提にしていることです。「複雑系」というのは知っているような知らないような言葉です。定義するのは難しいので例を挙げたいと思います。複雑系として知られている世界としては、金融、戦争やテロなどの紛争、交通渋滞、台風の発生や地震など、多くのものがあります。生物の構成はそもそも複雑系ですが、とくに典型的なものとしてはの成長、菌糸類の成長、免疫系の機能、感染症の流行などが挙げられます。株の暴落や地震の発生、疾病の発生などは、複雑系の中で突如起こってくる創発(emergence)と呼ばれる現象ですが、これを予測したり制御したりするのは極めて困難です。ほとんど不可能といってもいいでしょう。地震の発生や金融バブルの崩壊がいつどのような形で起こるのかを予測できれば多くの悲劇が防げるはずですが、地球物理学者や経済学者などの専門家をもってしても確実に予測することはできていません。逆に、予測できない創発が突如起こるのが典型的な複雑系なのです。それはさておき、resilient という合言葉のもとに世界中から集まった約50人が、朝から晩までそれぞれの主義主張を発表しては議論するさまは壮観でした。なんせ医療界にとっては全く新しい概念であり、各自が好きなように解釈しては自らの成果、というかアイデアを披露するわけですから、座って聴いている方はまことに苦しいものがあります。まずは複雑系を描写する FRAM(The Functional Resonance Analysis Method)という概念図。これは六角形をパズルのように組み合わせて、たとえば「輸血を行う」といった事象を記述するものです。「正しい血液をとってくる」「電子カルテで確認する」「輸血前に照合する」「輸血ラインにつなぐ」など、1つ1つの行為に input(入力)と output(出力)があるのは当然ですが、これに影響を及ぼすものとして time(時間的制約)、preconditions(準備)、control(制御)、resources(資源)などがあるとしています。頭文字をとって順に I O T P C R で6つになり、この6つで六角形を構成するのです。現実世界を複雑系として理解するためには相互に複雑に絡み合った多数の六角形を用いる必要があり、「輸血」という一見単純な医療行為であっても、FRAM を用いて記述するには10個以上の六角形を要します。その一方、正確に記述すれば複雑怪奇な図となってしまう「輸血」を、われわれがさほど難しく考えることもなくやってしまえるのは、現場の1人1人の「弾力的な」働きによるのです。つまり、医療従事者は非常に resilient なので、無意識のうちに複雑な行程をこなしているのです。もちろん各医療機関には輸血マニュアルというものがあり、それを守って輸血をしているには違いないのですが、実際の現場が万事想定どおりになっているとは限りません。機械の不調とか、バーコードの読み取りがうまくいかないとか、同じ処置室に別の急患が搬入されたとか、時々刻々と変わっていく状況の中で時間に追われながら輸血せざるを得ないのが現実です。ほとんどの場合、現場の人たちがうまく微調整を行い、結果として正しく輸血が行われているのです。ところが残念なことに、ごく稀に異型輸血のような事故が起こってしまいます。一見、単純に見える間違いが、実は機械やバーコードや他の患者など、思いもよらないいろいろな要素が複雑に絡まり合って起こっていることが FRAM からは読み取れます。世の中にはこの FRAM を駆使し、原子力発電から宇宙飛行、国際紛争に至るまでどのように記述するかを研究している人達がいるのは驚きです。そのうちの1人は学会の事務局を兼任していたデンマーク人女性ですが、もともとは化学プラントの安全を専門としており、数年前から医療安全にかかわっているとのこと。アメリカ人やオーストラリア人の医師たちに対し、一歩も引かずに英語で議論するところなど、只者ではありませんでした。

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デング熱での解熱剤に注意~厚労省がガイドライン配布

 9月16日、厚生労働省より全国の地方公共団体の衛生主管部局宛てに「デング熱診療ガイドライン(第1版)」が配布された。本ガイドラインは、全国で131名(9月17日現在)の患者が確認されている中で、一般医療機関への問い合わせも多いことから、9月3日に公開された診療マニュアルの内容を刷新し、あらためて作成されたものである。■妊婦、乳幼児、高齢者は重症化のリスク因子 ガイドラインは、デング熱の概要、症状・所見、診断、治療、予防、参考文献、図表の順で記載されている。 すでに多くのメディアで報道されているように、デング熱の臨床経過について通常は1週間前後の経過で回復すること、典型症状は急激な発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などであることなどの説明が記されている。 注意すべきは、一部の患者が経過中に重症型デングを呈することである。とくにリスク因子としては、妊婦、乳幼児、高齢者、糖尿病、腎不全などがあり、これらの患者では、経過観察でショック、呼吸不全、出血症状、臓器障害がないかどうかの注意が必要となる(なお1999年以降、日本国内で発症した同疾患での死亡者は記録されていない)。■解熱剤はアセトアミノフェンを推奨 デング熱では上記の症状のほか、血液検査で血小板減少、白血球減少が認められる。確定診断では、ウイルス分離やPCR法によるウイルス遺伝子の検出などが用いられるのは、既知のとおりである。症状を認めた時点で、必要に応じ、適切な治療が可能な医療機関への紹介が必要となる。 また、治療では、有効なウイルス薬はなく、輸液などによる対症療法が行われる。その際に投与する解熱剤について、アスピリンは出血傾向やアシドーシスを助長するため使用するべきでなく、同じくイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)も胃炎、出血を助長するために使用すべきではないとされている。投与する解熱剤としては、アセトアミノフェンなどが推奨されている。■医療者は診療時にも注意 デング熱には現時点で有効なワクチンがないため、有効な予防対策は蚊に刺されないことである。外出の際は、露出の少ない服装で虫よけスプレーなどによる対策を講じることになる。 1つ注意が必要なことは、患者診療時の医療者への感染である。疑わしい患者の診療時に針刺し事故などの血液曝露で感染する危険があるため、十分に注意するよう促している。 また、患者が出血を伴う場合には、医療従事者は不透過性のガウンおよび手袋を着用し、体液や血液による眼の汚染のリスクがある場合にはアイゴーグルなどで眼を保護する、としている。詳しくは厚生労働省 報道発表資料デング熱、患者さんに聞かれたら・・・

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効果不十分なうつ病患者、次の一手のタイミングは

 既存治療で十分な効果が得られないうつ病患者に対し使用される、アリピプラゾール。その使用にあたり、どのタイミングで既存治療の効果判定を行い、使用を検討すべきなのかは定められていない。米国・オレゴン健康科学大学のD E Casey氏らは、8週間の抗うつ薬単剤療法で効果不十分な大うつ病性障害(MDD)患者を対象に、アリピプラゾール補助療法の有用性を検討した。International journal of clinical practice誌オンライン版2014年9月6日号の報告。 3つの同様に設計された第III相試験(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)の事後解析により、1~3剤の抗うつ薬治療(ADT)で効果不十分なMDD患者におけるアリピプラゾールの補助療法の有効性、安全性の調査を実施した。抗うつ薬単剤療法6週時および8週時における「わずかな改善」は臨床全般改善度(CGI-I)スコア3 、「非改善」はCGI-Iスコア4で定義した。 主な結果は以下のとおり。・ADTで「わずかな改善」がみられた患者におけるエンドポイントの奏効率は、アリピプラゾール補助療法群38.8%、プラゼボ群26.6%であった(p<0.05、NNT=9 [95%CI:4.8~27.7])。また、ADTで「非改善」であった患者では、それぞれ24.0%、10.3%であった(p<0.05、NNT=8 [95%CI:4.4~21.5])。・ADTで「わずかに改善」または「非改善」の患者に対するアリピプラゾール補助療法は、単独治療と比較して、それぞれ早くとも1週間後、2週間後に有意な改善がみられた。・ADTで「わずかな改善」がみられた患者におけるエンドポイントの寛解率は、アリピプラゾール補助療法群34.2%、プラゼボ群21.0%であった(p<0.05、NNT=8)。また、ADTで「非改善」であった患者では、それぞれ16.0%、5.9%であった(p<0.05、NNT=10)。・アリピプラゾール補助療法による最も一般的な有害事象は、アカシジア、焦燥感、不眠であった。 8週間の抗うつ薬単剤療法で「わずかな改善」または「非改善」のMDD患者に対する、アリピプラゾール補助療法は有効であることが示された。関連医療ニュース 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学 難治性うつ病にアリピプラゾールはどの程度有用か 抗うつ薬+アリピプラゾール、長期忍容性は  担当者へのご意見箱はこちら

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