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アレムツズマブ、腎移植の拒絶反応を大幅減/Lancet

 腎移植患者に対する、リンパ球枯渇抗体アレムツズマブ(国内未承認)による導入療法は、バシリキシマブ(商品名:シムレクト)導入療法に比べ、移植後6ヵ月の急性拒絶反応発生リスクが4割近く減少することが示された。英国・オックスフォード大学のPeter Friend氏ら「3C試験」共同研究グループが報告した。結果を踏まえて著者は、「今回示された効果が、移植臓器および生存に影響をもたらすかを、長期の追跡研究で評価する必要があるだろう」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告より。約850例を無作為化、6ヵ月後の急性拒絶反応発生率を比較 研究グループは、2010年10月~2013年1月にかけて、英国内18ヵ所の移植センターで、24時間以内に腎移植が予定されている患者852例について試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方(426例)にはアレムツズマブによる導入療法を、もう一方(426例)にはバシリキシマブによる導入療法を行った。被験者について、退院時と移植後1、3、6、9、12ヵ月後に評価を行った。 主要評価項目は、6ヵ月後の生検で確認された急性拒絶反応だった。腎不全や重度感染症発生率は両群で同等 結果、移植6ヵ月時点の急性拒絶反応発生率は、バシリキシマブ群で16%(68例)だったのに対し、アレムツズマブ群では7%(31例)と、約6割の減少がみられた(ハザード比[HR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.28~0.64、log-rank検定p<0.0001)。 なお、移植後6ヵ月時点の移植不全発生率は、バシリキシマブ群が3%(13例)に対しアレムツズマブ群4%(16例)、重度感染症発生率は32%(136例)、32%(135例)と、いずれも有意差はなかった(それぞれp=0.58、p=0.88)。 移植後6ヵ月間の死亡率は、バシリキシマブ群1%(6例)、アレムツズマブ群3%(11例)だった(p=0.25)。

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フリーラジカル脳損傷 増加要因は?

 フリーラジカルによる脳損傷と、ライフスタイル要因との関連性を調査したところ、人の脳におけるフリーラジカル損傷は年齢やBMI、喫煙に大きく関連していることが示唆された。ワシントン大学Elaine R Peskind氏らの報告。脳の健康のためのロードマップHealthy Brain Initiative(2013-2018)では、より良い脳の健康が模索されている。本研究では、どのようなライフスタイルがフリーラジカルによる脳損傷と関連するか調査した。JAMA neurology誌オンライン版2014年7月21日号掲載の報告。 本研究は多施設断面調査。被験者は、医学的に健康かつ認知的に正常であった21~100歳、320人(うち172人が女性)であった。脳へのフリーラジカル損傷は、年齢、人種、性別、喫煙、BMI、アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子のε4対立遺伝子の存在、アルツハイマー病の脳脊髄液バイオマーカーを関連因子として、脳脊髄液中のF2-イソプロスタン※(CSF F2-IsoP)濃度を基に評価した。※F2-イソプロスタン:プロスタグランジンF2α誘導体であり酸化ストレスマーカーとなる。 主な結果は以下のとおり。・CSF F2-IsoPの濃度は、45~71歳の年齢層において年齢が上がるごとに約3pg/mL(約10%)増加した(p<0.001)。・CSF F2-IsoP濃度は、BMIが5上昇するごとに約10%以上増加した(p<0.001)。・CSF F2-IsoP濃度と相関する因子を比較したところ、現在の喫煙は年齢に比べ約3倍の強い相関が認められた(p<0.001)。・他の因子で調整後、女性はすべての年齢層で男性よりも平均CSF F2-IsoP濃度が高かった(p=0.02)。・アポリポ蛋白E遺伝子のε4対立遺伝子、およびアルツハイマー病バイオマーカーは、共にCSF F2-IsoP濃度との関連性が示されなかった(p>0.05)。・CSF F2-IsoP濃度と人種について、喫煙状況の影響を調整したところ有意な関連性は認められなかった(p=0.45)。 今回の結果より、人の脳におけるフリーラジカル損傷は年齢依存的に増加し、損傷の程度は男性より女性で大きいことが明らかとなった。また、BMI・喫煙といった2つのライフスタイルがフリーラジカル損傷に与える影響力は、加齢よりも強いことがわかった。これらライフスタイル要因の改善は、老化プロセスの抑制よりも脳のフリーラジカル損傷を抑制するうえで、より大きな効果があると研究グループは報告した。

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腰椎椎間板ヘルニアに有効な局所麻酔薬

 腰椎椎間板ヘルニアまたは神経根痛に対する硬膜外注射の投与経路には椎間孔、椎弓間および仙骨部があるが、最近のシステマティックレビューではこれら3つの投与経路で有意な差はないことが報告されている。米国・ルイビル大学のLaxmaiah Manchikanti氏らは、経椎間孔硬膜外注射による局所麻酔薬の有効性を検討する無作為化二重盲検比較試験を行った。その結果、椎間板ヘルニアまたは神経根炎を有する患者において局所麻酔薬の経椎間孔硬膜外注射はステロイドの有無にかかわらず有効で、ステロイド併用の優越性はないことが明らかになったと報告している。Pain Physician誌2014年7・8月号の掲載報告。 慢性腰痛および下肢痛を有する椎間板ヘルニアおよび神経根炎患者120例を、次の2群に無作為化した。 局所麻酔薬単独群:防腐剤無添加1%リドカイン1.5mL+塩化ナトリウム0.5mL ステロイド併用群:1%リドカイン+ベタメタゾン3mgまたは0.5mL 主要評価項目は、疼痛(数値的評価スケールによる)および機能(オスウェストリー障害指標[ODI 2.0]による)の有意な改善(スコアの50%以上改善)であった。 主な結果は以下のとおり。・2年後に有意な改善がみられたのは、局所麻酔薬単独群65%、ステロイド併用群57%であった。・投与後初期に3週間以上の症状緩和が得られた反応者のうち、局所麻酔薬単独群では80%が有意な改善を認めた。一方でステロイド併用群では73%であった。

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パッチテスト反応の違い、アトピー vs 接触皮膚炎

 接触感作性のパターンについて、アトピー性皮膚炎を有する患者と有さない患者の違いをパッチテスト反応で検討した結果、陽性反応の頻度は同程度であることが明らかにされた。ただし、複数の陽性反応を示した割合は、重度のアトピー性皮膚炎患者が軽度/中等度の同患者と比べて有意に高かったという。デンマーク・コペンハーゲン大学のKim Katrine Bjerring Clemmensen氏らが記述研究を行い報告した。アトピー性皮膚炎と接触皮膚炎は病態が共通しているが、両者間の関連性の理解は明確になっていない。Contact Dermatitis誌2014年8月号(オンライン版2014年4月4日号)の掲載報告。 検討は2009年1月~2013年1月に、Bispebjerg and Roskilde病院でパッチテストを受けた全患者の臨床データベースを用いて行われた。その中から、パッチテストの結果、アトピー性皮膚炎の情報および人口統計学的データを入手し評価した。 重度のアトピー性皮膚炎の定義は、全身性の治療を受けている、または入院と定義した。その他のアトピー性皮膚炎を有する患者についても、軽度/中等度であるかの疾患定義を行った。 主な結果は以下のとおり。・検討には、2,221例の患者が組み込まれ。そのうちアトピー性皮膚炎患者は293例で、アトピー性皮膚炎を有さない患者は1,928例であった。・1つ以上のパッチテスト陽性反応を示したのは、アトピー性皮膚炎患者は41%、非アトピー性皮膚炎患者は46.2%であった(p=0.092)。・重度のアトピー性皮膚炎患者のほうが、それ以外のアトピー性皮膚炎患者と比べて、複数のパッチテスト陽性反応を示した(19.4%vs. 10.0%、p=0.046)。

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軽度認知障害のPET検出、実用化への課題は

 アルツハイマー型認知症に起因するMCIの診断能は、アルツハイマー型認知症の診断基準として知られるNINCDS-ADRDA最新版に従い、画像バイオマーカーを使用することで上昇している。しかし、バイオマーカーの精度に関する系統的な評価は行われていなかった。中国医科大学のShuo Zhang氏らは、軽度認知障害(MCI)を検出する手段として11C-labelled Pittsburgh Compound-B(11C-PIB)リガンドを用いたPET検査の有用性をメタ解析により検討した。その結果、いくつかの試験で良好な感度が示されたが、方法やデータの解釈が標準化されていないことも明らかになった。解析結果を踏まえて著者は、「現段階では、実臨床において日常的に使用することは推奨できない」と述べ、「11C-PIB-PETバイオマーカーは高価な検査である。その普及に際しては精度ならびに11C-PIB診断方法のプロセスを明確かつ標準化することが重要である」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年7月23日号の掲載報告。 研究グループは、バイオマーカーの1つである11C-PIBリガンドを用いたPET検査の感度、特異度およびその他の特徴に関する系統的な評価を行い、一定期間中にアルツハイマー型認知症またはその他のタイプの認知症に移行すると思われるMCI患者を検出するうえでの、11C- PIB-PETスキャンの診断精度を明らかにした。 2013年1月12日時点でMedline、Embase、Biosis Previewsなどをソースとして論文を検索。言語や試験時期、方法論についても限定せず、ベースライン時の11C-PIB-PETスキャンでMCIとの診断を受けた患者が参加していた前向きコホート試験(NINCDS-ADRDAまたはDSM-IVなどの参照基準を用いていた試験のみ)を適格とした。データの抽出、評価は2名のレビュワーが独立して行った。 主な結果は以下のとおり。・MCIからアルツハイマー型認知症への移行を評価した試験は9件あったが、エビデンスの質は限定的であった。メタ解析には274例を組み込み、そのうちアルツハイマー型認知症を発症していたのは112例であった。・9件の試験から、アルツハイマー型認知症への移行率は中央値で34%であった。・PIBスキャンの方法および解釈については、試験間で著明な違いがみられた。・感度は83~100%、特異度は46%~88%であった。・11C-PIB によるアミロイド沈着の測定法や判定基準が試験間で異なっていたため、感度と特異度について一定の結果を導くことができなかった。・11C-PIB-PETスキャンの強弱を正確に描出できなかったが、ROC曲線に基づき感度96%(95%信頼区間[CI]:87~99)、特異度58%であると推測した。陽性尤度比2.3、陰性尤度比0.07に相当するものであった。・MCIからアルツハイマー型認知症への移行率が 34%と仮定した場合、PIBスキャン100件につき、陰性例1例がアルツハイマー型認知症に移行、陽性例28例が実際にはアルツハイマー型認知症に移行しないと推定された(試験の不均一性のためデータは限定的なものである)。・2件の感度解析を行い、参照基準の種類ならびに事前に規定された閾値による影響を評価したが、影響は認められなかった。関連医療ニュース たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 軽度認知障害に有効な介入法はあるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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機能性便秘へのプロバイオティクスの効果

 機能性便秘に対するプロバイオティクス治療の研究が増加してきている。英国キングス・カレッジ・ロンドンのEirini Dimidi氏らは、ランダム化比較試験(RCT)の系統的レビューとメタ解析より、成人機能性便秘患者における腸管通過時間、排便量、便秘症状に対するプロバイオティクスの効果を検討した。その結果、とくにビフィドバクテリウム・ラクティスの有効性が示され、プロバイオティクスが全腸管通過時間、排便頻度、便の硬さを改善する可能性が示唆された。一方、これらのデータは、高い異質性とバイアスのリスクのため、解釈には注意が必要としている。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2014年8月6日号に掲載。 Dimidi氏らは、4つの電子データベースから文献リストを検索して著者に連絡し、手作業で抄録を検索して対象となるRCTを同定した(成人機能性便秘患者でのプロバイオティクスの投与が報告されたRCTが対象)。結果のデータは、ランダム効果モデルを用いた加重平均差(WMD)または標準化平均差(SMD)を用いて合成した。 主な結果は以下のとおり。・計660件の記録が同定され、そのうち14件が適格であった(1,182症例)。・プロバイオティクスにより、全消化管通過時間が-12.4時間(95%CI:-22.3~-2.5時間)と有意な減少を示した。・また、プロバイオティクスは、排便頻度を1.3回/週(95%CI:0.7~1.9回/週)増加させた。これはB. ラクティスでは有意であった(WMD:1.5回/週、95%CI:0.7~2.3回/週)が、ラクトバチルス(L)・カゼイ・シロタ(WMD:-0.2回/週、95%CI:-0.8~0.9回/週)では有意ではなかった。・プロバイオティクスは便の硬さを改善した(SMD:+0.55、95%CI:0.27~0.82)。これは、B. ラクティスで有意であった(SMD:+0.46、95%CI:0.08~0.85)が、L. カゼイ・シロタでは有意ではなかった(SMD:+0.26、95%CI:-0.30~0.82)。・重篤な有害事象は報告されなかった。・脱落バイアスと報告バイアスは高く、選択バイアスは報告の不備のため不明であった。

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分娩後の急性腎不全が増加した理由/BMJ

 カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のAzar Mehrabadi氏らは、同国2003~2010年の分娩後急性腎不全について、発生率の動向や背景要因を調べた。その結果、同期間中に同国では発生率が61%増大しており、増大は高血圧症を有する妊産婦、とくに妊娠高血圧腎症を有する妊産婦に限定されたものであったことが判明したという。著者は、「なぜ妊娠高血圧症候群の妊産婦で増加したのか、原因を特定する研究が必要である」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月30日号掲載の報告より。2003~2010年のカナダ全分娩219万3,425件の記録を分析 分娩後急性腎不全は2000年代に入り、米国およびカナダで増加が報告されていたという。同時期には分娩時異常出血も増大しており、研究グループは、それが分娩後急性腎不全増加の要因となっているのか、または妊娠高血圧症候群やその他のリスク因子が要因なのかを、後ろ向きコホート研究にて調べた。 カナダ衛生情報局から、2003~2010年に記録されたカナダ(ケベック州を除く)全病院での分娩219万3,425件の記録を入手。分娩後急性腎不全をICD-10診断コードで特定し、その動向をロジスティック回帰分析法で評価した。妊娠高血圧腎症妊産婦では171%上昇、原因特定が求められる 結果、分娩後急性腎不全の発生率は、2003~2004年は1万分娩当たり1.66であったが、2009~2010年には同2.68へと上昇していた(増大率61%:95%信頼区間[CI]:24~110%)。 分娩時異常出血、高血圧症による障害、その他因子を補正しても時間的増大に影響はみられなかった。 分析により、急性腎不全の時間的増加は、分娩時に高血圧症による障害を有することに限定されたもので(補正後増大率:95%、95%CI:38~176%)、とくに妊娠高血圧腎症を有する妊産婦に限られると断定できた(同:171%、71~329%)。 一方で、高血圧症による障害のない妊産婦では、有意な増加はみられなかった(同:12%、-28~72%)。

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消化管・頭蓋内出血リスクの新たな予測法/BMJ

 英国・ノッティンガム大学パーク大学キャンパスのJulia Hippisley-Cox氏らが開発した出血リスク予測のアルゴリズム「QBleed」は、抗凝固薬の使用・非使用患者の上部消化管出血および頭蓋内出血の絶対リスク予測に有用であることが報告された。著者は、「このアルゴリズムをプライマリ・ケアで用いるため、臨床アウトカムと費用対効果についてさらなる検討を行う必要がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告より。オープンコホート研究にて、アルゴリズムを開発・検証 研究グループは、プライマリ・ケアの成人患者(21~99歳)で抗凝固薬の使用・非使用患者について、上部消化管出血および頭蓋内出血の絶対リスクを予測するアルゴリズム「QBleed」の開発、検証作業を行った。 オープンコホート研究にて、2008年1月1日~2013年10月1日の5年間の試験期間中、一般開業医(GP)からルーチンに収集したデータを、入院エピソード統計データおよび死亡率データと結び付けて検討した。具体的に、アルゴリズム開発には、全英QResearchデータベースに関与している565人のGPから、同検証には、さらに別の188人のGPからのデータを用いて分析。試験に協力した全753人のGPは、病院エピソード統計と死亡率データを患者個人レベルで結び付けるデータを有していた。 エンドポイントは、死亡率データまたは入院データの両方とリンクした消化管出血と頭蓋内出血の記録であった。開発には1,640万人年、検証には490万人年が参加 開発コホートには、患者440万人、総計1,640万人年が参加した。追跡期間中に、上部消化管出血を呈した患者は2万1,641例、頭蓋内出血を呈した患者は9,040例だった。 検証コホートには、140万人、総計490万人年が参加した。追跡期間中に、上部消化管出血を呈した患者は6,600例、頭蓋内出血を呈した患者は2,820例だった。 検討では、Townsend階層スコアが不明な患者、試験エントリー前180日間に抗凝固薬処方を受けていた患者は除外した。 リスク因子の候補変数は、コホートへのエントリー前にGPのコンピュータシステムに記録した。因子は、パーソナル変数(年齢、性別、Townsend階層スコア、人種)、ライフスタイル変数(喫煙、飲酒)、慢性疾患、処方薬、臨床変数(BMI、収縮期血圧)、ラボ検査結果(ヘモグロビン、血小板)などだった。試験エントリー前には出血既往についても記録した。女性上位10%の高リスク群の予測の感度は上部消化管出血38%、頭蓋内出血51% QBleedアルゴリズムには最終的に21の変数が組み込まれた。これを検証コホートへ適用した結果、女性において、上部消化管出血のバラツキの40%を、また頭蓋内出血のバラツキの58%を、識別することができた。これはD統計値ではそれぞれ1.67、2.42に相当するもので、ROC曲線の統計的価値は0.77、0.86を示した。 女性の上位10%の高リスク群における感度は、上部消化管出血については38%、頭蓋内出血については51%だった。男性についても同程度であった。

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地中海食が乳がんリスクを減少

 Instituto de Salud Carlos IIIのA Castello氏らは、スペイン人女性における食事パターンと乳がんリスクの関連を、閉経状態と腫瘍のサブタイプ別に層別化し、症例対照研究で検討した(EpiGEICAM試験)。その結果、西洋食パターン(高脂肪乳製品・加工肉・精製穀物・菓子・高カロリー飲料などを高摂取、低脂肪乳製品・全粒穀物は低摂取)が乳がんリスクに悪影響を及ぼすことが認められた。さらに、すべてのサブタイプの乳がん(とくにトリプルネガティブ乳がん)の予防に、果物・野菜・豆類・多脂性魚・植物油の豊富な食事パターンによるベネフィットが示唆された。British Journal of Cancer誌オンライン版2014年8月7日号に掲載。 著者らは、乳がん患者1,017人と、乳がん既往歴のない健常コントロールとして同年齢層(±5歳)でマッチさせた1,017人を登録した。食事パターンと乳がんの関連は、全体および閉経状態・腫瘍サブタイプ(ER+/PR+かつHER2-、HER2+、ER-/PR-かつHER2-)により、ロジスティックおよび多項回帰モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・西洋食パターンは高い乳がんリスクに関連し(最低四分位に対する最高四分位のオッズ比:1.46、95%CI:1.06~2.01)、とくに閉経前女性では関連が強かった(同オッズ比:1.75、95%CI:1.14~2.67)。・逆に、地中海食パターン(魚・野菜・豆類・茹でたジャガイモ・果物・オリーブオイル・植物油を高摂取、ジュースは低摂取)は低い乳がんリスクに関連していた(最低四分位に対する最高四分位のオッズ比:0.56、95%CI:0.40~0.79)。・西洋食パターンによる有害な影響は、すべての腫瘍サブタイプで同様に観察されたが、地中海食パターンによる予防効果はトリプルネガティブ乳がんで強かった(オッズ比:0.32、95%CI:0.15~0.66、異質性のp=0.04)。・Prudent食パターン(低脂肪乳製品・野菜・果物・全粒穀物・ジュースを高摂取)と乳がんリスクの間に関連は認められなかった。

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分娩前の低分子量ヘパリン、合併症を抑制せず/Lancet

 血栓性素因を有するため合併症のリスクが高い妊婦に対する低分子量ヘパリン・ダルテパリンの分娩前予防投与は、これらの合併症の発生を抑制しないことが、カナダ・オタワ大学のMarc A Rodger氏らが行ったTIPPS試験で示された。血栓性素因は妊婦によくみられる病態で、妊娠関連静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクを増大させ、胎盤介在性妊娠合併症(重症妊娠高血圧腎症、在胎週数に比し小さい新生児、胎盤早期剥離)のリスクをも増加させる可能性がある。低分子量ヘパリンは胎盤を通過せず、大出血やヘパリン起因性の血小板減少、骨粗鬆症のリスクが低いとされるが、皮下注射の手間や費用などの問題がある。Lancet誌オンライン版2014年7月25日号掲載の報告。ダルテパリンの有用性を無作為化試験で評価 TIPPS試験は、血栓性素因を有し、妊娠合併症のリスクが高い妊婦に対するダルテパリン予防投与によるVTEおよび胎盤介在性妊娠合併症のリスクの抑制効果を検討する非盲検無作為化試験。 参加者は、分娩前に予防的にダルテパリンを投与(自己注射)する群または非投与群(対照群)に無作為に割り付けられた。ダルテパリンは、妊娠期間20週までは5,000 IU/日を1日1回投与し、その後は最短でも妊娠期間37週まで5,000 IU/日を1日2回投与した。 治療割り付け情報は患者と試験関係者にはマスクされなかったが、アウトカムの審査担当者にはマスクされた。主要評価項目は、重症または早期発症の妊娠高血圧腎症、在胎週数に比し小さい新生児(出生時体重<10パーセンタイル)、妊娠喪失、VTEの複合アウトカムとした。小出血リスクは増大 試験期間は2000年2月28日~2012年9月14日で、5ヵ国(カナダ、オーストラリア、米国、英国、フランス)の3次医療機関36施設が参加した。このうち21施設から292例が登録され、適格基準を満たさなかった3例を除く289例(intention-to-treat集団、ダルテパリン投与群:146例、非投与群:143例)が解析の対象となった。 全体の平均年齢は31.8歳、割り付け時の平均妊娠期間は11.9週、平均妊娠回数は2.2回、平均分娩回数は1.0回であり、妊娠合併症歴を有する妊婦は61%(176/289例)であった。実際に治療が行われた患者は284例(on-treatment集団、ダルテパリン投与群:143例、非投与群:141例)だった。 intention-to-treat集団およびon-treatment集団のいずれにおいても、ダルテパリンは主要複合アウトカムの発生を抑制しなかった。 すなわち、intention-to-treat集団における主要複合アウトカムの発生率は、ダルテパリン投与群が17.1%(25/146例)、非投与群は18.9%(27/143例)であり、両群のリスク差は-1.8%(95%信頼区間[CI]:-10.6~7.1%)と有意な差は認めなかった。on-treatment集団では、それぞれ19.6%(28/143例)、17.0%(24/141例)で、リスク差は2.6%(95%CI:-6.4~11.6%)であり、有意差はなかった。 安全性解析(on-treatment集団)では、大出血(ISTH基準)の発生率は両群間に差はなかった(2.1%[3/143例]vs. 1.4%[2/141例]、リスク差:0.7%、95%CI:−2.4~3.7%、p=1.0)が、小出血(大出血以外の出血)はダルテパリン投与群で多く認められた(19.6%[28/143例]vs. 9.2%[13/141例]、リスク差:10.4%、95%CI:2.3~18.4%、p=0.01)。 著者は、「分娩前のダルテパリンの予防投与は、血栓性素因を有するため、VTE、妊娠喪失、胎盤介在性妊娠合併症のリスクが高い妊婦においてこれらの合併症の発生を抑制せず、小出血のリスクを増大させた」とまとめ、「これらの知見は、既報の質の高いエビデンスと一致する」と指摘している。

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HCVに1日1回IFNフリーレジメンが有用/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染のインターフェロン(IFN)フリー治療として、シメプレビル+ソホスブビル併用療法は肝線維化の程度にかかわらず高い効果を発揮し、忍容性も良好であることが、米国・テキサス大学健康科学センターのEric Lawitz氏らが行ったCOSMOS試験で示された。HCV遺伝子型1型感染の治療は、従来のペグインターフェロン+リバビリン療法から直接作用型抗ウイルス薬を含むIFNフリーのレジメンへと進化している。シメプレビルは1日1回経口投与のNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬、ソホスブビルは1日1回経口投与のヌクレオチドアナログNS5Bポリメラーゼ阻害薬であり、いずれも未治療および既治療の遺伝子型1型感染患者の第III相試験で良好な持続的ウイルス消失(SVR)率を達成している。Lancet誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告。IFNフリーの併用レジメンの有用性を無作為化試験で評価 COSMOS試験は、慢性HCV感染患者に対するシメプレビル(SIM)+ソホスブビル(SOF)±リバビリン(RBV)併用療法の有用性を検討する非盲検無作為化試験。対象は、年齢18歳以上、血漿HCV RNA量>10,000IU/mL、HIV血清反応陰性で、代償性肝疾患がみられ、ペグインターフェロン+リバビリン療法が無効または未治療のHCV遺伝子型1型感染患者であった。 被験者は、SIM 150mg/日+SOF 400mg/日+RBV 1,000~1,200mg/日(24週)、SIM 150mg/日+SOF 400mg/日(24週)およびそれぞれを12週投与する4つの治療群に無作為に割り付けられた。さらに、肝線維化の指標であるMETAVIRスコア(F0[線維化なし]~F4[肝硬変])で2つのコホートに分けられた(コホート1[F0~F2]:前治療無効例、コホート2[F3~F4]:前治療無効例、未治療例)。 主要評価項目は、治療終了後12週時のSVR(HCV RNA量<25IU/mL、SVR12)の達成とした。安全性の解析はコホート1と2を合わせて行った。全体のSVR 12達成率は92%、RVR達成率は81% 2011年11月2日~2014年1月29日までに米国の23施設から168例が登録され、167例(コホート1:80例、コホート2:87例)が実際に治療を受けた。全体の年齢中央値は57歳、男性が64%、白人が81%、遺伝子型は1a型が78%、1b型が22%であった。 全体のSVR12達成率は92%(154/167例)であり、コホート1は90%(72/80例)、コホート2は94%(82/87例)であった。RBVの有無別のSVR12達成率は、RBV併用例が91%(98/108例)、RBV非併用例は95%(56/59例)であった。 未治療例のSVR12達成率は95%(38/40例)、前治療無効例は91%(116/127例)であった。また、12週治療例のSVR12達成率は94%(77/82例)、24週治療例は91%(77/85例)だった。 SVR12達成例は全例が治療終了後4週時のSVR(SVR4)をも達成しており、全体のSVR4達成率は91%以上であった。また、全体の迅速ウイルス消失(RVR、治療開始から4週以内のHCV RNA検出不能)の達成率は81%であった。治療期間中にウイルス再燃(viral breakthrough)を含むウイルス学的治療不成功を来した患者はいなかったが、治療終了後に6例でウイルスの再燃がみられた。重篤な有害事象、死亡は治療と関連しない 全体で最も高頻度にみられた有害事象は、疲労(31%[52/167例])、頭痛(20%[33/167例])、悪心(16%[26/167例])であった。 Grade 4の有害事象は、SIM+SOF+RBV(24週)群で1例(2%)、SIM+SOF+RBV(12週)群で1例(2%)、SIM+SOF(24週)群で3例(10%)に認められた。全体で発現率が5%を超えるGrade 3~4の有害事象は、血中アミラーゼ値上昇のみであった。血中アミラーゼ値上昇例は治療を継続したが、臨床的に膵炎を発症した患者はいなかった。 重篤な有害事象は、SIM+SOF+RBV(24週)群で3例(6%)、SIM+SOF(24週)群で1例(3%)に認められ、いずれもコホート2の患者であった。試験期間中に2例が死亡した(治療期間中は1例)。これら重篤な有害事象と死亡はいずれも治療とは関連しないと判定された。 有害事象による治療中止は4例(2%)みられた。いずれも24週治療の患者であったが、3例は12週以前に中止となった。 これらの結果に基づき、現在、リバビリンを使用しないシメプレビル+ソホスブビルの2剤併用療法の有効性と安全性を評価する第III相試験(OPTIMIST試験)が進行中だという。

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肺ノカルジア症 進行リスクはCOPD

 COPDは肺ノカルジア症を進行させるリスクファクターとなることをイタリアのサン・ドナート病院のClaudia Maggiorelli氏らが明らかにした。さらに、COPDが危険因子となる原因はCOPDによる肺の防御機構の低下や長期にわたるステロイド療法である可能性にも言及している。Journal of Chronic Obstructive Pulmonary Disease誌オンライン版2014年8月5日号の掲載報告。 ノカルジアは日和見感染病原体であり、肺ノカルジア症患者の半数以上は免疫抑制状態であることが報告されている。COPDは肺ノカルジア症を有する免疫抑制患者の合併症として最も頻度の高い疾患の1つである。  今回の研究は、1999年~2012年の間に肺ノカルジア症で入院したすべての患者の臨床症状、治療成果、合併症を検討したものである。 6,545例の入院患者のうち、肺ノカルジア症と診断された患者は、4例で、この4例のうち3例はCOPDを合併していた。また診断が遅れた患者も観察された。特異的な抗肺ノカルジア療法を1ヵ月行った後には、すべての患者で臨床の放射線学的な改善が認められていた。 著者は「われわれの経験では、肺ノカルジア症は免疫抑制状態にある患者で多いものの、正常な免疫反応を有する患者でも疑うべき希少疾患であるといえる」とまとめている。

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うつ病×腰痛高齢者への抗うつ薬の効果:カナダ

 うつ病と慢性腰痛は高齢者においてはどちらも頻度が高く、しばしば併存している。カナダ・マギル大学のSoham Rej氏らは、こうした患者に対するセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬ベンラファキシン(venlafaxine、国内未承認)の治療効果について検討した。結果、6週間のベンラファキシン投与によりうつ症状と腰痛の両方とも改善した患者の割合は約25%で、比較的少なかったが、2週時点での早期改善が6週時点の改善の予測因子となることなどが明らかになったという。著者らは、「今後、早期改善が得られない場合に増量、変更または他の治療法を追加し、改善できるかどうかを検討する必要がある」とまとめている。Pain Medicine誌7月15日号(オンライン版2014年7月4日号)の掲載報告。 研究グループの目的は、うつ病と慢性腰痛を合併している患者において低用量ベンラファキシン投与の効果を予測する、使いやすい臨床変数を明らかにすることであった。 対象は、Addressing Depression and Pain Together試験に参加したうつ病と慢性腰痛を有する60歳以上の患者140例で、第I期としてベンラファキシン150mg/日を6週間投与し、うつ症状および疼痛スコアの変化について分析した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病と腰痛のどちらも改善した患者の割合(反応率)は、26.4%であった。・2週目における早期の疼痛改善が、反応率の予測因子であった(p=0.027)。・2週目のうつ症状あるいは腰痛の軽減と、それぞれ6週後の改善が関連していた。

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統合失調症治療、ベンゾジアゼピン系薬の位置づけは

 臨床診療および臨床試験では、統合失調症患者に対してベンゾジアゼピン系薬が処方されている。それらの臨床アウトカムについて、英国キングス・カレッジ・ロンドンのFaye Sim氏らは調査を行った。その結果、総合的、精神医学的、行動学的アウトカムについてプラセボより優れていたが、より長期の総合的なアウトカムについて抗精神病薬よりも劣性であることが判明したことを報告した。また、抗精神病薬との併用に関しては相反するエビデンスが存在していた。これらの結果を踏まえて著者は、「臨床および臨床試験におけるベンゾジアゼピン系薬の使用は制限すべきであろう」と結論している。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年7月21日号の掲載報告。 システマティックレビューにて、ベンゾジアゼピン系薬とプラセボまたは抗精神病薬を比較評価していた無作為化試験、および抗精神病薬への併用について検討していた無作為化試験を特定し、関連臨床アウトカムデータを抽出して分析した。 主な結果は以下のとおり。・分析には26件の試験を組み込んだ。いくつかの報告は多重比較を含むものであった。・ベンゾジアゼピン系薬とプラセボの比較試験は、短期試験の7件で行われていた。・そのうちベンゾジアゼピン系薬の優越性について、5試験中2件で総合的な改善が報告されており、また4試験中2試験で、精神医学的/行動学的アウトカムについて優れているとの報告がみつかった。・ベンゾジアゼピン系薬と第一世代抗精神病薬(FGA)を比較した試験は、11件であった。・そのうち抗精神病薬よりもベンゾジアゼピン系薬の総合的な改善が大きかったことが報告されていたのは、9試験中4試験(2件は長期試験)であった。・一方で精神医学的/行動学的アウトカムについては、5試験中4試験において治療間の差は示されていなかった。・ベンゾジアゼピン系薬(抗精神病薬への追加療法として)vs. 抗精神病薬(大半はFGA)を比較した試験は14件であった。・そのうちベンゾジアゼピン系薬の優越性について、総合的な改善が示されたと報告されていたのは8試験中1件で、劣性であることが示されていたのは8試験中2件であった。・一方で、精神医学的/行動学的アウトカムについての優越性は12件の短期試験のうち3件で示され、非劣性も12試験中3件で報告されていた。関連医療ニュース 統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか ベンゾジアゼピン使用は何をもたらすのか 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える  担当者へのご意見箱はこちら

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50)付き合いで太るメカニズムについて、わかりやすく説明【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者付き合いが多くて、なかなかやせられなくて・・・ 医師たしかに、付き合いが多い人は、やせるのに苦労しますよね。 患者そうなんです。 医師先日、減量に成功された方で、面白い人がいましたよ。 患者えっ、どんな人ですか?(興味津々) 医師やせたきっかけが、友だちを変えたことだったそうです。 患者友だちを変えた!? 医師その人の言葉を借りると、「上品な友だちに変えたら、やせてきた」といっておられました。やせた友だちは、ランチの選択はヘルシーなお店、ご飯はかならず少し残すなどの発見があったといっておられました。 患者ハハハ。確かに、そうですね。太っている人と食べるときには気をつけます。●ポイント体重が増加しやすい人と付き合うと太りだし、体重を維持している人と付き合うと太りにくいことを理解してもらいましょう 1) Christakis NA, et al. N Engl J Med. 2007; 357: 370-379.

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事例15 特定疾患療養管理料(佐薬に対する胃炎)の査定【斬らレセプト】

解説腰痛と慢性胃炎を主病とする患者に対してB000 特定疾患療養管理料を算定したところ、F100注5特定疾患処方管理加算と併せてC査定(医学的理由による不適当:社会保険)となった。慢性胃炎は、特定疾患療養管理料対象の「生活習慣病等の別に厚生労働大臣が定める疾患を主病」に該当している。では、なぜ査定されたのであろうか?事例をよく見ると、腰痛症に対して消炎鎮痛剤のロキソニン®が7日間処方されている。それと同一処方で慢性胃炎に対してセルベックス®が7日分処方されている。ロキソニン®服用に起因する副作用の胃炎に対する予防を目的に、消化性潰瘍用剤のセルベックス®が使用されていると考えられる。明らかに「主病である慢性胃炎」ではなく、佐薬として使用されたと認められるとして査定となったものである。「慢性胃炎」の病名があるからと言って、実質主病ではないと判断できる事例では、特定疾患療養管理料の対象とならない場合もあることに留意されたい。特定疾患処方管理加算も同様の理由で査定となっている。

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事例16 ガランタミン(商品名: レミニールOD錠)の査定【斬らレセプト】

解説アルツハイマーと診断した患者に、レミニール®OD錠を投与したところ、C査定(医学的理由による不適当:社会保険)となった。同薬剤の添付文書の用法用量には、「1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する」とある。また、用法・用量に関連する使用上の注意には、「1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、原則として4週間を超えて使用しないこと」も記載されている。一見これらからレセプト上では、問題ないように見える。しかし、診療開始日が6月13日であることからカルテを確認すると、診療開始日から投与があり、4週間以上が経過していたことが判明した。査定では、電子的縦覧点検により4週以上が認められなかったものと推測できる。医師は、診療録に消化管症状や精神症状を観察しながら、増量のタイミングを計っていたことを記載していた。レミニール®OD錠など、添付文書に使用方法が厳密に定められている薬剤に対して、使用方法から外れた投与を行なった場合には、あらかじめ医学的妥当性があったその理由をレセプトに記載して、判断を委ねることになる。

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ステージIV大腸がんの位置による予後の違い

 右側結腸がんは左側結腸がんとは生物学的に異なると考えられているが、予後の違いについては矛盾する結果が報告されている。東京大学の石原 聡一郎氏らは、ステージIV結腸がんにおいて腫瘍位置が予後に及ぼす影響を明らかにするために、多施設共同研究による傾向スコア分析を実施した。その結果、ステージIVの右側結腸がんは、左側結腸がんに比べて、同じステージIVでもより進行した状態で診断され、予後が有意に不良であったことから、腫瘍学的に左側結腸がんより侵攻性であることが示唆された。International Journal of Surgery誌オンライン版2014年8月1日号に掲載。 著者らは、1997年1月~2007年12月に治療されたステージIV結腸がん治療(n=2,208)を後ろ向きに検討した。右側結腸がん(盲腸、上行結腸、横行結腸)と左側結腸がん(下行結腸、S 状結腸,直腸 S 状部)における臨床的および病理学的特徴を比較した。がん特異的生存率に及ぼす腫瘍位置の影響について、多変量解析と傾向スコア分析で分析した。 主な結果は以下のとおり。・右側結腸がんは、高齢者、女性、サイズの大きい腫瘍、低分化腺がん、粘液性腺がん、印環細胞がん、ステージIVの中でより進行した状態、より低いがん特異的生存率に関連していた。・背景の臨床病理学的特徴の傾向スコアによりマッチさせたコホートでは、姑息的原発巣切除を受けた患者において、右側結腸がんはより低いがん特異的生存率と有意に関連していた(ハザード比:1.2、95%信頼区間:1.1~1.4、p=0.008)が、R0切除あるいは非切除例では関連していなかった。

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第1回 糖尿病医療学研究会 開催のお知らせ

 本研究会は、糖尿病を持つ人、その人たちをケアする人、ケアする人をケアする人、取り巻く環境や社会、それらの人たちのこころと行動に焦点を当てて、糖尿病臨床‐医療を学ぼうとするものである。 いろいろな事例、症例を持ち寄って、通常の研究会より時間をかけて、じっくりと検討会を行うことで、その中から糖尿病治療に対する知恵と元気を得たいと考えている。 詳しい開催概要は次の通り。■開催概要・日時 2014年10月11日(土)15:00~20:00(午後のみ/定員300人):申込制        10月12日(日)09:00~17:30(午前・午後/定員600人)・会場 2014年10月11日(土)橿原市立かしはら万葉ホール        10月12日(日)奈良県立医科大学 大講堂・厳橿会館・参加対象 糖尿病診療に従事している医療者、糖尿病診療に関心のある関連領域の方々、医療系学生、研修医、各種大学院院生など。 また、守秘義務を守れる、他者を批判しないなどの方針に賛同いただける方で、ともに会を作りあげようという熱意をお持ちの方を歓迎。*なお土曜日は申込者のみとなります。・研究会内容 症例を中心とした日常臨床経験の発表とディスカッション、糖尿病医療に関連する教育講演・講義お問い合わせやお申込みは、研究会事務局(奈良県立医科大学糖尿病学講座)まで

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