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日本糖尿病学会:ワークショップ「輝け!女性糖尿病医」を開催【ご案内】

 日本糖尿病学会「女性糖尿病医をpromoteする委員会」は11月27日、福岡で行われる第53回九州地方会内で、ワークショップ「輝け!女性糖尿病医」を開催する。ワークショップ「輝け!女性糖尿病医」 開催概要 【日時】  11月27日(金) 14:00 ~ 15:30 【会場】  アクロス福岡 1F 円形ホール  (日本糖尿病学会 第53回九州地方会:D会場)  交通アクセス情報はこちら 【座長】  南 昌江氏(南昌江内科クリニック)  中山 ひとみ氏(久留米大学)【講演】「医師として、母として、一人の女性として」  江頭 絵里奈氏(九州大学)「妻として、母として、医者として」  柿野 聡美氏(久留米大学)【特別講演】「女性糖尿病に向けたエール ~何よりも大切な周囲からの理解と支援~」  田嶼 尚子氏(東京慈恵会医科大学) 【主催】   日本糖尿病学会「女性糖尿病医をpromoteする委員会」 【共催】   日本医師会 なお、同学会ホームページ内「女性糖尿病医サポートの取り組み」では、同ワークショップ開催にあたり「企画者からのメッセージ」を掲載している。以下「関連リンク」より閲覧可能。関連リンク「おすすめのイベント情報 :第53回九州地方会」(日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」内)

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遺伝子変異陽性NSCLCに分子標的薬+抗がん剤治療

 日本イーライリリー株式会社は2015年11月13日、都内でプレスセミナー「非小細胞肺がん治療の現状と今後の展望」を開催した。演者である和歌山県立医科大学 呼吸器内科・腫瘍内科 教授の山本信之氏は、その中で、EGFR変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)における分子標的治療薬と抗がん剤の併用の可能性について、以下のように解説した。 肺がんの5年生存率はStageIで80.5%。しかし、StageIVでは4.6%となり、多くは遠隔転移により生存が増悪する。StageIV非小細胞肺がんの生存期間は、化学療法の進化により30年で1.5倍に延長した。そして、分子標的治療薬の登場により、その後の10年間でさらに3倍に延長。最近の第2世代EGFR-TKIの試験結果では、日本人の代表的なEGFR変異であるex19del患者の全生存期間中央値は46ヵ月を超える。このようにドライバー遺伝子の変異に適合する分子標的治療薬を使うことで、治療成績は著しく向上している。肺診療ガイドラインでも非扁平上皮NSCLCの初回治療にあたっては、EGFR、ALKの遺伝子変異が陽性であれば、EGFR-TKI、ALK阻害薬などの分子標的治療薬を優先して投与することとなっている。 だが、治療成績は向上したものの、現在でも進行がんではほとんど治癒に至らず、分子標的治療薬だけでは、完全に進行を抑えることはできないことがわかる。そのようななか、EGFR遺伝子変異例であっても、分子標的治療薬に加え抗がん剤を十分投与することにより、生存期間が延長する可能性が示唆されている。本年(2015年)の世界肺学会(WCLC)において、抗がん剤の中でも非扁平上皮NSCLCへの有効性が確立しているペメトレキセドを用いた、無作為化比較第II相試験が発表された。EGFR変異陽性NSCLC患者において、ゲフィチニブ・ペメトレキセド併用群とゲフィチニブ単独群を比較したものである。結果、併用群が単独群に比べ、無増悪生存期間中央値を有意に延長させた(HR=0.68、p=0.029)。第II相試験の結果であり、今後も検討が必要だが、抗がん剤の併用の有効性を示唆したものといえる。本邦でも、未治療のEGFR変異陽性NSCLCにおいて、ペメトレキセド・カルボプラチン・ゲフィチニブ併用群とペメトレキセド・カルボプラチン併用群を比較する第III相比較試験(NEJ009)が開始される。 非扁平上皮NSCLCでは、第2第・3世代EGFR-TKIの活用とともに、遺伝子変異陽性例における抗がん剤と分子標的治療薬の組み合わせが検討されていくであろう。

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原発開放隅角緑内障へのファーストライン、効果が高いのは?

 原発開放隅角緑内障(POAG)は世界的に罹患率が高く、不可逆的な視力喪失の原因で最も多い。米国・ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のTianjing Li氏らは、POAGに対するファーストライン(第1選択薬)の効果についてシステマティックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。その結果、ビマトプロスト、ラタノプロストおよびトラボプロストで有効性が高いことを報告した。ただし、「薬剤の選択にあたっては、副作用や患者の好み、あるいは医療費などすべての因子を考慮しなければならない」と著者はまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2015年10月31日号の掲載報告。 研究グループは、POAGまたは高眼圧患者に対する第1選択薬の有効性を比較検討し、相対的な順位を明らかにする目的で、実薬点眼単剤治療と無治療/プラセボまたは他の実薬点眼単剤治療と比較した無作為化比較試験をCENTRAL、MEDLINE、EMBASEおよびFDAのWEBサイトから検索した。 2人の研究者が独立して試験の適格性を評価し、データをまとめ、バイアスリスクを評価するとともに、ベイジアン・ネットワークメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・無作為化比較試験114件(計2万275例)をレビューに組み込んだ。・バイアスリスクは全体的に混在していた。・すべての第1選択薬は、治療3ヵ月時の眼圧低下の点で、プラセボより有効であった。・治療3ヵ月時の眼圧低下平均値(95%信頼区間)[mmHg]が大きい薬剤から順に並べると以下のとおり。  ビマトプロスト5.61(4.94~6.29)  ラタノプロスト4.85(4.24~5.46)  トラボプロスト4.83(4.12~5.54)  レボブノロール4.51(3.85~5.24)  タフルプロスト4.37(2.94~5.83)  チモロール3.70(3.16~4.24)  ブリモニジン3.59(2.89~ 4.29)  カルテオロール3.44(2.42~4.46)  レボベタキソロール2.56(1.52~3.62)  アプラクロニジン2.52(0.94~4.11)  ドルゾラミド2.49(1.85~3.13)  ブリンゾールアミド 2.42(1.62~3.23)  ベタキソロール2.24(1.59~2.88)  ウノプロストン1.91(1.15~2.67)・上位3剤(ビマトプロスト、ラタノプロスト、トラボプロスト)は、同一種類で差は少なく、順位に臨床的な意義はないと思われる。

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近未来のうつ病治療に、会話システム「Help4Mood」

 英国・アバディーン大学のChristopher Burton氏らは、インターネットのアバターを介して会話をするシステム「Help4Mood」の、うつ病患者に対する有用性を明らかにするため、パイロット無作為化比較試験(RCT)を行った。その結果、標準治療単独に比べ、Help4Moodの併用はうつ症状の改善に寄与する可能性があることを報告した。Journal of telemedicine and telecare誌オンライン版2015年10月9日号の掲載報告。 Help4Moodは、うつ病の治療を受けている患者のセルフモニタリングを援助するために開発された、双方向会話システムである。自己報告やバイオメトリックモニタリングをサポートし、認知行動療法の要素も含んでいる。 研究グループは、システムの活用と受容性を評価し、臨床試験登録の簡便性および継続率の探索、さらに将来的な治療手段としての活用を見据えてRCT実施の可能性について調べた。Help4MoodのパイロットRCTは、ルーマニア、スペイン、英国・スコットランドの3施設で実施した。うつ病(大うつ病性障害)と診断され、現在は軽度/中等度のうつ症状を有する患者を、標準治療に加えて同システムを4週間使用する群と、標準治療単独群に無作為化し評価した。 主な結果は以下のとおり。・27例が無作為化され、21例(Help4Mood群:12/13例、標準治療単独群:9/14例)で追跡データが得られた。・Help4Mood群の半数が、システムを定期的に利用していた(10回以上)。毎日の利用者はいなかった。・受容性は利用者間でさまざまであり、システムの感情的な反応を評価する者もいれば、ワンパターンだと評する者もいた。・intention to treat 解析により、ベックうつ評価尺度II(BDI-2)スコア変化に、わずかな差がみられた(Help4Mood群-5.7点、標準治療単独群-4.2点)。・治療に関する事後解析では、Help4Moodの定期利用者で、BDI-2スコアの中央値が-8ポイント変化していることが示された。・以上より、意図したほどの定期的利用者はいなかったものの、うつ病治療を受けている人の一部においてHelp4Moodの受容性があることが示された。・システムを定期的に使用している人のうつ症状の変化は、意味のあるレベルにまで達していた。関連医療ニュース これからのうつ病治療、どんな介入を行うべきか これからのうつ病治療はWebベース介入で変わるのか うつ病の精神療法、遠隔医療でも対面療法と同程度  担当者へのご意見箱はこちら

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球脊髄性筋萎縮症〔SBMA : Spinal and Bulbar Muscular Atrophy〕

1 疾患概要■ 概念・定義緩徐進行性の筋力低下・筋萎縮や球麻痺を示す成人発症の遺伝性運動ニューロン疾患である。単一遺伝子疾患であり、発症者には後述する原因遺伝子の異常を必ず認める。本疾患の病態にはテストステロンが深く関与しており、男性のみに発症する。国際名称はSpinal and Bulbar Muscular Atrophy(SBMA)であるが、報告者の名前からKennedy diseaseとも呼ばれる1)。わが国ではKennedy-Alter-Sung症候群と呼ばれることも多いが、本症は単一疾患であるため、症候群という表現は適切ではないとの意見もある。■ 疫学有病率は10万人あたり2人程度で、わが国の患者数は2,000~3,000人程度と推定されている。人種や地域による有病率の差は明らかではない。■ 病因X染色体上にあるアンドロゲン受容体(AR)遺伝子のCAG繰り返し配列の異常延長が原因である。正常では36以下の繰り返し数が、SBMA患者では38以上に延長している。このCAG繰り返し数が多いほど、早く発症する傾向が認められる。CAG繰り返しの異常延長の結果、構造異常を有する変異ARが生じる。この変異ARは男性ホルモン(テストステロン)依存性に下位運動ニューロンなどの核内に集積し、最終的には神経細胞死に至る。同様の遺伝子変異はハンチントン病や脊髄小脳変性症などの疾患でも認められ、CAGはグルタミンに翻訳されることから、これらの疾患はポリグルタミン病と総称される。SBMAでは他のポリグルタミン病とは異なり、世代を経るに従って発症が早くなる表現促進現象は軽度である。■ 症状1)神経症状初発症状として手指の振戦を自覚することが多く、しばしば筋力低下に先行する。四肢の筋力低下は30~60代で自覚され、下肢から始まることが多い。同じ時期に有痛性筋痙攣を認めることも多い。脳神経症状として代表的なものは、嚥下障害や構音障害などの球麻痺である。むせなどの嚥下障害の自覚がなくても、嚥下造影などで評価すると潜在的な嚥下障害を認めることが多い。喉頭痙攣による短時間の呼吸困難を自覚することもある。その他の脳神経症状として、顔面筋や舌の筋力低下・線維束性収縮を認める。線維束性収縮は安静時には軽度であるが、筋収縮時に著明となり、contraction fasciculationと呼ばれる。顔面や舌のほか、四肢近位部でも認められる。眼球運動障害は認めない。感覚系では下肢遠位部で振動覚の低下を認めることがある。腱反射は低下、消失し、Babinski徴候は一般に陰性である。小脳機能には異常を認めない。高次機能は保たれることが多いが、一部障害を認めるとした報告もある。2)随伴症状代表的な随伴症状として、女性化乳房を半数以上に認める。また、肝機能障害、耐糖能異常、高脂血症、高血圧症などをしばしば合併する。女性様皮膚変化、睾丸萎縮などを認めることもある。■ 分類とくに分類はされていない。同じ運動ニューロン疾患である筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)は、球麻痺型など発症部位で分類することもあるが、SBMAでは一般的に行われていない。■ 予後四肢の筋力低下は緩徐に進行し、筋力低下の発症からおよそ15~20年の経過で、歩行に杖を必要としたり、車いすでの移動になったりすることが多い2)。進行に伴い球麻痺も高度となり、誤嚥性肺炎などの呼吸器感染が死因の大半を占める。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)厚生労働省の神経変性疾患に関する調査研究班が作成した診断基準を表に示す。家族歴がない症例の場合、特徴的な症状から臨床的な診断は可能だが、特定疾患の申請には遺伝子検査が必要となる。血液検査では、血清CKが異常高値を示す。また、血清クレアチニンは異常低値となることが多い。随伴症状に伴い、血液検査でもALT(GOT)やAST(GPT)、グルコース、HbA1c、総コレステロールの上昇などがしばしば認められる。髄液検査は正常である。筋電図では高振幅電位、interferenceの減少など神経原性変化を認める。感覚神経伝導検査において、活動電位の低下や誘発不能がみられることが多い3)。SBMA患者の約10%においてBrugada型心電図異常を認める報告がある4)。特に、失神の既往歴や突然死の家族歴がある症例では、検出率を上げるため右側胸部誘導を一肋間上げて、心電図を測定することが推奨される。病理学的には、下位運動ニューロンである脊髄の前角細胞および脳幹の神経核の神経細胞が変性・脱落するとともに5)、残存する神経細胞には核内封入体を認める6)。CAG繰り返しの異常延長によって生じる変異ARが、この核内封入体の主要構成成分である。筋生検では、小角化線維や群集萎縮といった神経原性変化が主体であるが、中心核の存在など筋原性変化も認める。鑑別診断として、ALSや脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)の軽症型であるKugelberg-Welander病、多発性筋炎などがあげられる。とくに、進行性筋萎縮症(progressive muscular atrophy: PMA)と呼ばれる成人発症の下位運動ニューロン障害型の運動ニューロン疾患は、ALSよりも進行がやや遅いことがあり、SBMAとの鑑別が重要である。本症の臨床診断は、遺伝歴が明確で、本疾患に特徴的な身体所見を呈していれば比較的容易であるが、これらが不明瞭で鑑別診断が困難な症例では、遺伝子検査が有用である。現在、遺伝子検査は保険適用となっている。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)かつては男性ホルモンの補充療法や蛋白同化ステロイド投与、TRH療法などが試みられたこともあるが、これらの治療の有効性は確認されていない。現在のところ有効な治療法はなく、耐糖能異常や高脂血症などの合併症に対する対症療法が中心である。また、四肢の筋力低下に対する対症療法として、筋力維持のためのリハビリテーションを行うことも多い。球麻痺に対し、嚥下リハビリを行うこともある。これらのリハビリの具体的内容に関するエビデンスは確立されていない。重度の嚥下障害がある場合、胃瘻を造設するなどして経管栄養を導入する。呼吸障害が進行した症例では、NIPPVや気管切開を行ったうえでの人工呼吸管理が必要となるが、患者本人や家族に対するインフォームド・コンセントが重要となる。SBMAのモデルマウスを用いた研究によって、変異ARが下位運動ニューロンの核内に集積する病態が、男性ホルモン(テストステロン)依存性であることが解明された。テストステロンの分泌を抑制する目的でオスのSBMAモデルマウスに対して去勢術を施行したところ、核内に集積する変異ARの量は著しく減少し、運動障害などの神経症状が劇的に改善した。この治療効果は、黄体形成ホルモン刺激ホルモン(LHRH)アゴニストであるリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリンほか)の投与による薬剤的去勢でも再現された7)。リュープロレリン酢酸塩は前立腺がんなどの治療薬として、すでに保険適用となっている薬剤であるため、SBMA患者で薬剤の有効性と安全性を検討するフェーズII試験が行われ、さらにフェーズIII試験に相当する医師主導治験(JASMITT)が実施された。その結果、リュープロレリン酢酸塩がSBMAの病態を反映するバイオマーカーとして重要な陰嚢皮膚における変異ARの核内集積を抑制するとともに、血清CKも低下させることが判明した8)。また、有意差は認めなかったものの嚥下機能の改善を示唆する結果が得られたため、追加の治験も実施され、今後の承認申請を目指している。リュープロレリン酢酸塩とは作用機序は異なるものの、男性ホルモン抑制作用をもつ5α還元酵素阻害薬であるデュタステリド(同:アボルブ)の臨床応用を目指した第II相試験が、アメリカで実施された。この試験でも嚥下機能などで改善傾向が示されるなど、前述したリュープロレリン酢酸塩の治験に近似した結果が得られたが、これも承認には至っていない9)。4 今後の展望最近では、SBMA患者からもiPS細胞が樹立され10)、治療薬のスクリーニングやSBMAの病態解明に寄与することが期待されている。また、マイクロRNAや片頭痛の治療に用いられるナラトリプタンもSBMAモデルマウスの表現型を改善することが報告されており、今後の臨床応用が期待されているが、具体的な臨床試験の計画には至っていない。5 主たる診療科神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究情報難病情報センター 球脊髄性筋萎縮症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報SBMAの会(患者とその家族向けのまとまった情報)1)Kennedy WR, et al. Neurology.1968;18:671-680.2)Atsuta N, et al. Brain.2006;129:1446-1455.3)Suzuki K, et al. Brain.2008;131:229-239.4)Araki A, et al. Neurology.2014;82:1813-1821.5)Sobue G, et al. Brain.1989;112:209-232.6)Adachi H, et al. Brain.2005;128:659-670.7)Katsuno M, et al. Nat Med.2003;9:768-773.8)Katsuno M, et al. Lancet Neurol.2010;9:875-884.9)Fernandez-Rhodes LE, et al. Lancet Neurol.2011;10:140-147.10)Nihei Y, et al. J Biol Chem.2013;288:8043-8052.公開履歴初回2013年04月25日更新2015年11月17日

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降圧目標120mmHg vs.140mmHgの結果:SPRINT/NEJM

 50歳以上で非糖尿病・心血管イベント高リスクの患者について、収縮期血圧目標120mmHg未満の厳格降圧療法が同140mmHg未満の標準降圧療法よりも、致死的・非致死的重大心血管イベントおよび全死因死亡の発生を有意に抑制したことが、米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のJackson T. Wright氏らによるSPRINT試験(米国立衛生研究所[NIH]助成)の結果、示された。一方、厳格降圧療法群では、低血圧症、失神、電解質異常、急性腎障害/腎不全といった重度有害事象の有意な増大がみられた。NEJM誌オンライン版2015年11月9日号掲載の報告。9,361例を対象に無作為化試験 本検討は、非糖尿病患者の心血管疾患の罹患および死亡を抑制するための至適降圧目標値を明らかにすることを目的に行われた。 被験者は、50歳以上、収縮期血圧130~180mmHg、心血管イベント高リスク(脳卒中以外の臨床的/不顕性心血管疾患、CKD、フラミンガム10年冠動脈疾患リスク15%以上、75歳以上のいずれか1つ以上に該当)を適格とした。糖尿病または脳卒中既往の患者は除外した。 2010年11月~2013年3月に9,361例を登録し、厳格降圧療法群(4,678例)、標準降圧療法群(4,683例)に無作為に割り付けて、当初3ヵ月間は月に1回、その後は3ヵ月ごとにフォローアップを行った。 主要アウトカムは、心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、またはあらゆる心血管死の複合とした。 両群のベースライン特性は類似していた。厳格降圧療法群について、平均年齢67.9歳、女性比36.0%、心血管疾患20.1%、CKD 28.4%、フラミンガム10年冠動脈疾患リスク15%以上61.4%、75歳以上28.2%、またベースライン血圧値139.7/78.2mmHg、非喫煙43.8%/元喫煙42.3%、BMI値29.9、降圧薬数1.8などであった。120mmHg群で主要複合アウトカム、全死因死亡の発生が有意に低値 試験は当初、平均追跡期間5年を予定していたが、中央値3.26年で厳格降圧療法群の主要複合アウトカム発生が有意に低いことが確認され、早期に中断となった。 両治療戦略による収縮期血圧値の差は、急速かつ持続的に認められた。追跡1年時点の評価における平均収縮期血圧値は、厳格降圧群121.4mmHg、標準群136.2mmHg、追跡期間中の平均値は121.5mmHg、134.6mmHgであった。平均降圧薬数は2.8、1.8であった。 主要複合アウトカム発生は、厳格降圧群1.65%/年、標準群2.19%/年で、厳格降圧療法による有意な抑制が確認された(ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.64~0.89、p<0.001)。 全死因死亡の発生も、厳格降圧群(1.03%/年)が標準群(1.40%/年)よりも有意に低かった(HR:0.73、95%CI:0.60~0.90、p=0.003)。 重度有害事象の発生は、厳格降圧群1,793例(38.3%)、標準群1,736例(37.1%)で有意差はなかった(HR:1.04、p=0.25)。しかし、個別にみた場合に厳格降圧群で、低血圧症(2.4%、HR:1.67、p=0.001)、失神(2.3%、1.33、p=0.05)、電解質異常(3.1%、1.35、p=0.02)、急性腎障害/腎不全(4.1%、1.66、p<0.001)の発生頻度の有意な増大が認められた。転倒外傷(2.2%、0.95、p=0.71)、徐脈(1.9%、1.19、p=0.28)の有意差はみられなかった。また、これら重度有害事象の発生パターンの差は、75歳以上被験者についてみた場合も同様であった。

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ロコモと骨粗鬆症と痛みの関係

 ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは運動機能が低下し、要介護につながる可能性がある高齢者の危険状態のことを指す。運動機能障害と骨粗鬆症や筋骨格系慢性疼痛などの疾患がどう関連するのかはいまだ十分に研究されていない。そこで、群馬大学の飯塚 陽一氏らは、それらの関連性について調査を行った。その結果、運動機能障害と骨粗鬆症・筋骨格系慢性疼痛の間には有意な関連性があることがわかった。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年9月7日号の掲載報告。 調査は、25-question geriatric locomotive function scale(GLFS-25)により運動機能障害と評価された287例の日本人被験者を対象に、定量的超音波(QUS)法により骨の状態を測定し、さらに、3ヵ月以上に渡って筋骨格系慢性疼痛に関するアンケート調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。・運動機能障害がある43例では、運動機能障害がない244例と比較して、若年成人平均値(YAM値)が有意に低かった(p<0.001)。・運動機能障害がある群では、腰痛(p<0.01)肩痛(p<0.05)膝痛(p<0.001)が有意に高頻度でみられた。・YAM値はGLFS-25スコアと相関していた(β=-0.212、p=0.001)。・年齢・性別・BMIを調整した分析結果から、腰痛(オッズ比2.60、95%CI:1.29~5.24)、肩痛(2.16、95%CI:1.00~4.66)、膝痛(2.97、95%CI:1.41~6.28)は運動器障害と関連があることが示された。

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小児のIgE感作と疾患の関連 4分の1が疾患を有さず

 小児は皮膚炎、喘息および鼻炎に罹患することが多いが、それらの有病率は年齢とともに変化する。また、IgE抗体保有と疾患との関連もよくわかっていない。スウェーデン・カロリンスカ研究所のNatalia Ballardini氏らは、感作と疾患との関連を明らかにする目的で、出生コホート研究にて16歳まで追跡された小児を調査した。その結果、特異的IgE抗体は小児期全体における皮膚炎およびアレルギー性疾患の複数罹患と関連していること、また4歳からの喘息および鼻炎と強く関連していたことを報告した。一方で、IgE感作を認める小児の23%が、小児期にいかなる疾患も呈しないことも判明したという。Allergy誌オンライン版2015年10月27日号の掲載報告。 対象は、スウェーデンの出生コホート研究BAMSEに登録された小児2,607例であった。 1~16歳の間6評価時点で、親の報告に基づき皮膚炎、喘息、鼻炎の罹患を確認した。また、4、8、16歳時の採血結果からIgE感作の有無を調査。一般的な食物または吸入アレルゲンに対するアレルゲン特異的IgE≧0.35kUA/Lの場合を感作ありと定義した。 一般化推定方程式を用い、感作による皮膚炎、喘息、鼻炎および複数罹患のオッズ比を算出した。 主な結果は以下のとおり。・16歳までに少なくとも1回の感作が報告された小児は、51%であった。・感作を受けている小児の約4分の1(23%)が、いかなる疾患も有していなかった。・潜在的な交絡因子を補正後、感作と次の有意な関連が認められた。 (1)小児期全体に及ぶ皮膚炎 (2)1~16歳時の皮膚炎・喘息・鼻炎の複数罹患(オッズ比:5.11、95%信頼区間[CI]:3.99~6.55) (3)4~16歳における喘息および鼻炎

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抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

 抗精神病薬誘発性の体重増加は、クロザピンやオランザピンなどの抗精神病薬治療で一般的にみられる副作用である。オレキシン遺伝子および受容体は、視床下部に局在し、エネルギー恒常性の維持と関連している。カナダ・Centre for Addiction and Mental HealthのArun K Tiwari氏らは、オレキシン1および2受容体の一塩基変異多型(SNP)をターゲットとし、抗精神病薬誘発性体重増加との関連を解析した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2015年10月8日号の報告。 対象は、主にクロザピンまたはオランザピンで治療(最大14週間)を行った統合失調症患者または統合失調感情障害218例。レプリケーションは、最大190日間オランザピンまたはリスペリドンで治療したCATIEサンプルのサブセットを用い、実施した。SNPと抗精神病薬誘発性体重増加との関連は、ベースラインの体重と治療期間を共変量として、共分散分析(ANCOVA)を用い評価した 主な結果は以下のとおり。・いくつかのオレキシン2受容体のSNPは、クロザピンまたはオランザピンのいずれかで治療したヨーロッパ系の患者において、抗精神病薬誘発性の体重増加との関連が認められた(p<0.05)。・レプリケーション分析では、2つのSNP rs3134701(p=0.043)、rs12662510(p=0.012)は、抗精神病薬誘発性の体重増加と関連していた。・オレキシン1受容体のSNPは、抗精神病薬誘発性の体重増加との関連が認められなかった。関連医療ニュース 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 クロザピン誘発性好中球減少症、アデニン併用で減少:桶狭間病院 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学  担当者へのご意見箱はこちら

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心筋梗塞のNSAIDsに関連した上部消化管出血に対するPPIの役割(解説:上村 直実 氏)-449

 日本とは異なり欧米では、心筋梗塞(MI)の再発予防のために抗血栓薬を内服している患者の中で、心血管リスクを伴うにもかかわらず、関節痛などの疼痛緩和目的で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を併用しているものが非常に多い。抗血栓薬とNSAIDsの併用は、消化管とくに上部消化管出血のリスクが増大することが知られており、消化管出血のハイリスク患者に対してプロトンポンプ阻害薬(PPI)の併用が推奨されているが、リスクが不明な通常患者に対するPPIの有用性は明らかになっていない。 今回、デンマーク全土の入院データベース(DB)のうち30歳以上の初発MIで入院し、退院後30日時点で生存していた患者データを用いた解析研究が報告されている。 入院DBのうち、抗血栓療法を受けていたMI後患者8万2,955例(平均年齢67.4歳、男性64%)のうち、3万5,233例(42.5%)がNSAIDsを1回以上処方されており、3万7,771例(45.5%)がPPI投与を受けていた。平均追跡期間5.1年の間に、消化管出血の発生は3,229例(3.9%)であった。NSAIDs+抗血栓薬における出血の粗発生率(イベント/100人年)は、PPI服用患者1.8、PPI非服用患者2.1であり、抗血栓治療のレジメン、NSAIDsおよびPPIの種類にかかわらず、PPI使用群における補正後消化管出血リスクの低下が認められた(ハザード比:0.72、95%信頼区間:0.54~0.95)。以上の結果から、MI後で抗血栓薬とNSAIDsを併用する場合、薬剤の種類や消化管リスクの高低にかかわらずPPIの併用により消化管出血のリスクを軽減することが示唆された。 最近、欧米や台湾ではおなじみとなってきた全国データベースを用いた大規模コホート研究の結果であり、現状の課題を大ざっぱに把握することに有用である。しかし、臨床現場では、個々の患者背景は千差万別であり、個別化した対応が重要である。

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双極性障害のうつ症状改善へ、グルタミン酸受容体モジュレータの有用性は

 グルタミン酸系経路の障害が、双極性うつ病の病態生理に重要な役割を果たしている可能性を示すエビデンスが新たに出てきている。英国・オックスフォード大学のTayla L McCloud氏らは、双極性障害のうつへのグルタミン酸受容体モジュレータの使用に着目し、その有用性についてレビューを行った。ケタミン、メマンチン、cytidineについて、それぞれプラセボを対照としたランダム化比較試験(RCT)についてレビューしたところ、ケタミン単回静脈内投与が、24時間後の反応率においてプラセボと比べ有意に良好な反応率を示したことを報告した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年9月29日号の掲載報告。 レビューは、(1)双極性障害患者の急性うつ症状軽減における、ケタミンおよびその他のグルタミン酸受容体モジュレータの影響を評価する、(2)急性うつ症状を認める双極性障害患者におけるケタミンおよびその他のグルタミン酸受容体モジュレータの忍容性をレビューすることを目的とした。Cochrane Depression, Anxiety and Neurosis Review Group's Specialised Register (CCDANCTR、2015年1月9日時点)を介して、Cochrane Library(すべての年)、MEDLINE(1950年~現在)、EMBASE(1974年~現在)、PsycINFO(1967年~現在)のデータベースからRCTを検索した。また、関連文献およびシステマティックレビューの引用文献リストも照合。日付、言語、公表形式に関する制限は設けなかった。検索では、成人双極性障害を対象にケタミン、メマンチン、その他のグルタミン酸受容体モジュレータと、他の精神病薬あるいは生理食塩水のプラセボを比較したRCTを対象とした。2人以上のレビュワーがそれぞれレビュー対象試験を選択し、試験の質を評価したうえでデータを抽出した。本レビューの主要アウトカムは、反応率と有害事象、副次アウトカムは寛解率、うつの重症度スコアの変化、自殺傾向、認知能、QOL、脱落率とした。さらなる情報を得るため、著者に問い合わせを行った。 主な結果は以下のとおり。・5件の試験 (被験者329例)がレビューの対象となった。・すべての試験がプラセボを対照とした2アーム試験で、グルタミン酸受容体モジュレータ(ケタミン:2試験、メマンチン:2試験、cytidine:1試験)を気分安定薬に併用して用いていた。治療期間は単回静脈内投与(ケタミンを用いたすべての試験)、メマンチンおよびcytidineの反復投与(それぞれ8~12週、12週)であった。・3試験は米国で実施され、台湾が1件、実施場所を特定できないものが1件あった。被験者の大半 (70.5%) は台湾からの参加であった。・全例がDSM-IVあるいはDSM-IV-TRにより最初に双極性障害と診断され、現在はうつ期にあった。・うつの重症度は、1件の試験を除き、すべて中等度以上であった。・レビューの対象としたグルタミン酸受容体モジュレータの中で、ケタミンだけがプラセボと比べ主要アウトカムである反応率(注射後24時間)において良好な結果を示した(オッズ比[OR]:11.61、95%信頼区間[CI]:1.25~107.74、p=0.03、I2=0%、2試験、33例)。この結果は、低いエビデンスの質に基づくものであった。・統計学的有意差は3日目で消滅したが、平均推定値ではケタミンの優位性が示された(OR:8.24、95%CI:0.84~80.61、2試験、33例、エビデンスの質は非常に低い)。・1週目において、ケタミンとプラセボ間で反応率における差異は認められなかった (同:4.00、0.33~48.66、p=0.28、1試験、18例、エビデンスの質は非常に低い)。・メマンチンとプラセボの反応率において、治療1週後(同:1.08、0.06~19.05、p=0.96、1試験、29例)、2週後(同:4.88、0.78~30.29、p=0.09、1試験、29例)、4週後(同:5.33、1.02~27.76、p=0.05、1試験、29例)、3ヵ月後(同:1.66、0.69~4.03、p=0.26、I2=36%、2試験、261例)に有意差は認められなかった。これらの結果は、非常に低いエビデンスの質に基づくものであった。・3ヵ月時点での反応率においてcytidineとプラセボ間で有意差は認められなかった(同:1.13、0.30~4.24、p=0.86、1試験、35例、エビデンスの質は非常に低い)。・副次アウトカムである寛解に関しては、ケタミンとプラセボ間、メマンチンとプラセボ間のいずれにおいても有意差は認められなかった。・副次アウトカムであるうつ重症度スコアのベースラインからの変化に関して、24時間時点でケタミンはプラセボに比べ高い有効性を示した(MD:-11.81、95%CI:-20.01~-3.61、p=0.005、2試験、32例)が、その効果は治療1~2週後には確認されなかった。また、メマンチンとプラセボ間で、本アウトカムに関する差異はみられなかった。・プラセボとケタミン、メマンチン、cytidineの間に有害事象に関する有意差は認められなかった。・ケタミンとプラセボ、メマンチンとプラセボあるいはcytidineとプラセボの間で、脱落例数に差はなかった。ケタミンあるいはcytidineの有害事象による脱落例について活用可能なデータはないが、メマンチンとプラセボ間に差はなかった。・本レビューで得られた結論は、解析可能なデータが少なく、非常に限定的なものとなる。・双極性障害におけるグルタミン酸受容体モジュレータに関するエビデンスは、単極性うつ病に関するものより少ない。・全体としては、ケタミンの単回静脈内投与(気分安定薬への追加薬として)において、24時間後の反応率という点でプラセボより良好という限定的なエビデンスが得られた。双極性うつの寛解という点では、ケタミンによる優れた効果は示されなかった。・ケタミンは迅速で短期的な抗うつ作用を有する可能性があるが、単回静脈内投与の効果は限られたものであると思われた。・ケタミンには精神異常発現様作用があるため、試験の盲検化に支障をきたす可能性があった。実薬を比較薬とした試験をレビューに含めなかったため、このことが本レビューにおける特別な論点となった。またそのため、不適正な盲検化過程によりもたらされるバイアスを排除することができていない。・ケタミンの有害事象を結論付けるエビデンスは見出せなかった。・より強力な結論を得るためには、ケタミンについて、反復投与など、抗うつ反応を維持するさまざまな方法を検討する、より詳細なRCT(適切な盲検化を伴う)が必要である。・他の2つのグルタミン酸受容体モジュレータ(メマンチンとcytidine)に関しては、有意義な結論を導く十分なエビデンスはなかった。・本レビューはエビデンスの完全性という面だけでなく、使用可能なエビデンスの質が非常に低かったという点で、限定的なものとなった。関連医療ニュース グルタミン酸受容体阻害薬、気分障害での可能性は 精神疾患におけるグルタミン酸受容体の役割が明らかに:理化学研究所 ケタミンは難治性うつ病に使えるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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日本COPDサミット~健康寿命延長に向けて変わるCOPD予防・治療の最前線~

 11月5日都内(文京区)にて、2015年度日本COPDサミットが開催された(主催:一般社団法人GOLD日本委員会/一般社団法人日本呼吸器学会/公益財団法人日本呼吸器財団)。 本年の世界COPDデーは11月18日であり、この日に向け、世界各国でさまざまな啓発イベントが実施されている。本サミットもその一環として企画された。 冒頭、三嶋 理晃氏(日本呼吸器学会 理事長)は、「各団体がタッグを組むことにより、インパクトある啓発活動につなげ、各メディア・自治体・医療関係者・一般市民への情報発信を高める後押しをする」と本サミットの目的を述べた。 以下、当日の講演内容を記載する。COPDはもはや肺だけの疾患ではない COPDはタバコの煙を主因とする閉塞性の肺疾患であるが、近年COPDは全身性の炎症疾患と考えられるようになってきた。実際、COPDは肺がん・肺炎・肺線維症などの肺疾患だけでなく、糖尿病、動脈硬化、骨粗鬆症、消化器病、うつ・記銘力低下などへの影響が報告されている。 この点について、長瀬 隆英氏(GOLD日本委員会 理事)は、なかでも糖尿病には注意が必要だと述べた。糖尿病患者がCOPDを併存すると生命予後が悪くなること1)、反対に、血糖コントロールが不良であると肺機能が有意に低下することが報告されているからである2)。しかしながら、COPDがさまざまな疾患に影響を及ぼす理由については、いまだ不明な点もあるため、今後さらなる研究が必要といえそうだ。受動喫煙は他人をむしばむ深刻な問題 受動喫煙のリスクについては、これまでも問題となってきた。加藤 徹氏(日本循環器学会禁煙推進委員会 幹事)は、「さらなる受動喫煙の問題は、分煙では防ぐことができない点である」と強調した。その理由は、「受動喫煙」の10%はPM2.5粒子成分(径<2.5μm)と同じくらいの非常に小さな粒子であるため、分煙してもドアなどの隙間から漏れ出るからである。さらに、この小さな粒子は、一度肺内に侵入すると肺胞の奥深くにまで到達し、一部は呼出されるが、大部分が湿った空気で膨張して居座り、悪さをする。仮に煙を直接吸わなかったとしても、喫煙後3~5分間は喫煙者からこれらの粒子が呼出されることがわかっているため、注意が必要である。 加藤氏は「喫煙をしなくても受動喫煙に曝露することで、心筋梗塞や脳卒中、喘息、COPDになりやすくなる」と述べ、屋内全面禁煙の重要性を強調した。すでに禁煙推進学術ネットワーク(2015年10月現在、27学会が参加)から2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて「受動喫煙防止条例」制定の要望書が東京都に提出されている。今後、受動喫煙を防止するための積極的な対策が望まれる。COPDで注意すべき3つの合併症 COPDではさまざまな合併症が存在するが、石井 芳樹氏(日本呼吸器財団 理事)は「肺がん、気腫合併肺線維症、喘息にはとくに注意が必要」と述べた。【肺がん】 COPDは喫煙とは独立した肺がん発症のリスク因子であり、10年間の肺がん発生率は約5倍にもなるという3)。さらに、COPD患者では、喫煙量が同等であっても肺がんによる死亡率が7倍も増加すると報告されている4)。これに対し加藤氏は、「早期にCOPDを発見し、禁煙をすることが死亡率を低下させるうえで何より重要」と述べた。【気腫合併肺線維症】 気腫合併肺線維症の特徴は、肺気腫による閉塞性障害と肺線維症による拘束性障害が合併すると、呼吸機能の異常が相殺されマスクされる点にあるという。2つの病態が重複することで一酸化炭素拡散能の低下がさらに増強され、低酸素血症や肺高血圧が悪化する。COPDは肺がんとの合併率が高いが、肺線維症が合併すると肺がん発症率がさらに高くなるため5)、慎重な経過観察が重要である。【喘息】 近年、COPDと喘息を合併する、オーバーラップ症候群が問題となっている。COPDと喘息は異なる病態の疾患であるが、咳、痰、息切れ、喘鳴など症状の鑑別が、とくに喫煙者と高齢者においては難しい。このオーバーラップ症候群は、年齢とともに合併率が増加するといわれている6)。喘息を合併することで、COPD単独の場合よりも増悪頻度は高くなり、重症な増悪も多くなるという7)。加藤氏は、それにもかかわらず喘息患者が喫煙をしているケースが散見される、として「とくに喘息患者では禁煙指導を徹底して、オーバーラップ症候群への進展を防ぐことが重要である」と述べた。COPDにおける地域医療連携のあり方 COPDの診断には呼吸機能検査が必須であるが、一般の開業医では難しいのが現状である。このことに関して、中野 恭幸氏(滋賀医科大学内科学講座 呼吸器内科 病院教授)は、「手間がかかる」、「検査時に大きな声を出さないといけない」、「数値が多すぎて理解が難しい」などを理由として挙げた。こうしたことも相まって、COPD患者の多くが未診断・未治療であることが問題となっているが、呼吸器専門医だけでは、多くのCOPD患者を管理することは難しい。 このような事態を受けて、滋賀県では数年前から地域医療連携への取り組みを始めた。専門医が病院で呼吸機能検査やCTを行い、その結果を基に標準的治療方針を決定し、その後は、一般開業医が担当する。さらに、急性増悪で入院が必要な際には専門医が引き受ける、などの体制を整えている。 しかしながら、専門医に紹介するときには、COPDがかなり進行している場合も多く、いかに早い段階で専門医に紹介するかが焦点となりそうだ。中野氏は「この取り組みは現在、大津市医師会で実施しているが、今後は滋賀県全体のパスになることが望まれる」と述べ、そのためには医師会主導で進めることも重要だとした。 その他、滋賀県では、医薬連携にも力を入れている。近年、COPDには、さまざまな吸入デバイスが登場し、デバイス指導がより一層重要な意味を持つようになった。そのため滋賀県では、地域の関係者が連携し、吸入療法の普及と質的向上を図ることを目的として、滋賀吸入療法連携フォーラム(SKR)が結成された。本フォーラムは年7~8回開催され、会場ではさまざまなデバイスに触れることができる。その他の医療従事者に対しても講習会を開くなどして、多職種でチームとなってCOPDに向き合う体制づくりを行っている。COPDにおける運動療法の役割 「重度のCOPD患者では、呼吸機能だけでなく、精神的な悪循環にも焦点を当て、QOLを重視することが大切」と黒澤 一氏(日本呼吸器学会 閉塞性肺疾患学術部会 部会長)は述べた。そのうえで、日本での普及が十分とはいえない呼吸リハビリテーション(運動療法)の有用性について触れた。 黒澤氏は「強化リハビリテーションにより筋肉がついたり、関節が柔らかくなることにより、体を動かすときの負荷が減り、呼吸機能的にも精神的にも余裕ができる」と述べた。しかしながら、問題は、強化リハビリテーションにより一時的に改善がみられても、飽きてしまい続かないケースが多いことだという。これらのことから、「負荷の大きいリハビリテーションではなく、活動的な生活習慣を送ることを意識すべき」と黒澤氏は述べた。そのうえで、自分のペースで動作をすることができるスポーツが有効として、例として「フライングディスク」を挙げた。フライングディスクを行うことによって、身体活動性が向上し身体機能の強化にもつながるという。さらに生きがいや仲間ができることによって前向きになり、呼吸機能にも良い影響が及ぶようだ。だが、この競技へのサポート体制はまだ十分ではなく、今後の課題と言えそうだ。 最後に、福地 義之助氏(GOLD日本委員会 代表理事)は、「今後COPDの一般国民への認知率向上を推し進めていくとともに、臨床医師の疾患に対する理解や診断・治療力の向上が必要である。さらに、COPDは全身に及ぶ疾患であることから、他の診療科との連携強化にも力を入れていく」と締めくくった。(ケアネット 鎌滝 真次)参考文献1)Gudmundsson, et al. Respir Res. 2006;7:109.2)Yeh HC, et al. Diabetes Care. 2008;31:741-746. 3)Skillrud DM, et al. Ann Intern Med. 1986;105:503-507. 4)Kuller LH, et al. Am J Epidemiol. 1990;132:265-274.5)Kitaguchi Y, et al. Respirology. 2010;15:265-271.6)Soriano JB, et al. Chest. 2003;124:474-481.7)Hardin M, et al. Respir Res. 2011;12:127.

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眼由来でも黄色ブドウ球菌分離株の多くが多剤耐性、メチシリン耐性が蔓延

 米国・マウントサイナイ医科大学のPenny A. Asbell氏らは、ARMOR研究の最初の5年間に採取された眼由来臨床分離株の耐性率と傾向について調査した。ARMOR研究は、眼感染症の病原体に関する唯一の抗生物質耐性サーベイランスプログラムである。その結果、黄色ブドウ球菌分離株は多くが多剤耐性を示し、メチシリン耐性が蔓延していることを明らかにした。眼以外の感染症由来黄色ブドウ球菌株で報告されている耐性傾向と一致しており、5年間で、眼由来臨床分離株の耐性率は増加していなかったという。著者らは、「眼由来臨床分離株の継続的な調査は、眼感染症の経験的治療に用いる局所抗菌薬の選択に重要な情報を提供する」と述べている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2015年10月22日号の掲載報告。 2009年1月1日~13年12月31日の5年間に、眼由来臨床分離株(黄色ブドウ球菌、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CoNS)、肺炎レンサ球菌、インフルエンザ菌および緑膿菌)を集め、2015年1月16日~5月15日に中央の施設にて抗生物質耐性について分析した。 米国臨床検査標準委員会(CLSI)のガイドラインに基づく微量液体希釈法で、各種抗生物質に対する最小発育阻止濃度(MIC)を測定し、ブレイクポイントに基づき感受性、中間、耐性で表記した。 主な結果は以下のとおり。・72施設から眼由来臨床分離株計3,237株が集まった(黄色ブドウ球菌1,169株、CoNS 992株、肺炎レンサ球菌330株、インフルエンザ菌357株、緑膿菌389株)。・メチシリン耐性は、黄色ブドウ球菌493株(42.2%、95%信頼区間[CI]:39.3~45.1%)、CoNS 493株(49.7%、95%CI:46.5~52.9%)で確認された。・メチシリン耐性分離株は、フルオロキノロン系、アミノグリコシドおよびマクロライド系抗生物質に対しても同時に耐性を示す可能性が高かった(p<0.001)。・3種類以上の抗生物質に耐性の多剤耐性菌は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌が493株中428株(86.8%)、メチシリン耐性CoNSが493株中381株(77.3%)であった。・すべての黄色ブドウ球菌分離株は、バンコマイシン感受性であった。・肺炎レンサ球菌はアジスロマイシン耐性株が最も多く(330株中113株、34.2%)、一方、緑膿菌およびインフルエンザ菌は検査した抗生物質に対する耐性は低かった。・米国南部で分離された高齢患者由来の黄色ブドウ球菌株は、メチシリン耐性株が多かった(p<0.001)。・5年間で、黄色ブドウ球菌株のメチシリン耐性は増加しなかった。一方、CoNS株およびメチシリン耐性CoNS株のシプロフロキサシン耐性、ならびにCoNS株のトブラマイシン耐性はわずかに減少した(p≦0.03)。

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安全かつ有効な冠動脈ステント内再狭窄の治療法は?/BMJ

 冠動脈ステント内再狭窄の治療は、薬剤被膜バルーンと薬剤溶出ステントが臨床的および血管造影アウトカムに優れ、有効性は同程度であることが報告された。イタリア・カターニア大学フェラロット病院のDaniele Giacoppo氏らが、無作為化試験24件・患者4,880例を包含したシステマティックレビューと階層的ベイジアンネットワークメタ解析の結果、示した。ステント内再狭窄の治療については、過去20年間でさまざまな戦略が提案されてきたが、それらを比較した無作為化試験の結果は混合しており、断定的なものはない。研究グループは最も安全かつ有効な介入治療を明らかにすることを目的に今回の検討を行った。BMJ誌オンライン版2015年11月4日号掲載の報告。システマティックレビューとネットワークメタ解析で検討 レビューは2015年8月10日時点で、PubMed、Embase、Scopus、Cochrane Library、Web of Science、ScienceDirectおよびその他の主要科学ウェブサイトを検索して行われた。あらゆるタイプの冠動脈ステント内再狭窄を有する患者を対象とした無作為化試験を包含し、同群同時期への複数治療を包含した試験、同一介入の異型について比較した試験は除外した。 主要エンドポイントは、標的病変の血行再建と晩期損失内腔径で、いずれも6ヵ月、12ヵ月時点で評価した。 主要解析は、ネットワークサブ解析、標準的ペアワイズ比較、サブグループおよび感度解析にて行われた。薬剤溶出ステントと薬剤被膜バルーンが最も優れ有効性は同程度 検索により、24試験(患者4,880例)、7つの介入治療を特定した。 プレーン・バルーン治療と比較して、ベアメタルステント、小線源近接療法、回転性粥腫切除術、カッティングバルーン、薬剤被膜バルーン、薬剤溶出ステントは、標的病変血行再建および主要有害心イベントのリスクが低く、さらに晩期損失内腔径も低値であった。 治療ランキングは、標的病変血行再建に関する有効性は薬剤溶出ステントが最も高位と思われ(61.4%)、晩期損失内腔径については薬剤被膜バルーンが同程度に高いと見込まれた(70.3%)。 薬剤被膜バルーンと薬剤溶出ステントの有効性を比較した結果、標的病変血行再建(サマリーオッズ比[OR]:1.10、95%信頼区間[CI]:0.59~2.01)、晩期損失内腔径縮小(最小内腔径の平均差:0.04mm、95%CI:-0.20~0.10)ともに同等だった。 死亡、心筋梗塞、ステント血栓症のリスクは、全治療において類似していた。ただし解析結果はイベント数が少なく限定的なものであったと著者は追記している。 また、解析に組み込んだ試験について、介入期間、ベースライン特性、エンドポイントの報告に関して不均一性がみられ、長期フォローアップの報告が不足していたと報告。薬剤溶出ステントと薬剤被膜バルーンとの比較については、直接的および間接的なエビデンスに矛盾がみられたという。さらに、主要解析では薬剤被膜バルーンと薬剤溶出ステントの有効性は同程度であると示されたが、探索的サブグループ解析で、第2世代のエベロリムス溶出ステントが標的病変血行再建のリスクが低い傾向が示されたと言及している。

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急性虚血性脳卒中への血栓除去 vs.t-PA:メタ解析結果/JAMA

 急性虚血性脳卒中に対し、血栓除去術による血管内治療は、tPA療法による標準治療と比較して機能的アウトカムを改善し、血管造影上の血行再建率は高率だが90日時点の症候性頭蓋内出血または全死因死亡に有意差はなかった。カナダ・トロント大学のJetan H. Badhiwala氏らがメタ解析の結果、報告した。急性虚血性脳卒中に対する血管内治療は血行再建を改善する。しかし血管内治療について検討した試験での機能的アウトカムはばらつきがみられ、サブグループに対する治療効果についてはさらなる定義付けが必要とされていた。JAMA誌2015年11月3日号掲載の報告より。メタ解析で90日時点の修正Rankinスケールスコアでみた改善を評価 研究グループは、2015年8月時点で、MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Google Scholar、Cochrane Libraryで言語を問わず系統的検索を行い、急性虚血性脳卒中患者における血栓除去術による血管内治療と臨床的アウトカムの関連を調べた。検索では、同治療とtPA使用を含む標準治療を比較した無作為化試験を適格とした。 独立レビュワーが試験の質を評価しデータを抽出。研究グループが、すべてのアウトカムについてランダム効果メタ解析法を用いてオッズ比(OR)を95%信頼区間(CI)とともに算出した。またサブグループ解析、感度解析を行い、特定のイメージング、患者、治療または試験特性が、機能的アウトカムと関連しているかを調べた。すべてのアウトカムのエビデンスの強度はGRADE法を用いて調べた。 主要アウトカムは、90日時点の修正Rankinスケール(mRS)スコアでみた改善で、各試験のmRSスコアの比例ORを順位ロジスティック回帰分析法で算出して評価した。また、副次アウトカムとして、機能的独立(mRSスコア0~2)、24時間時点での血管造影血行再建術、90日間の症候性頭蓋内出血の発生、90日時点の全死因死亡も評価した。血栓除去術群が有意に改善、ORは1.56 解析には、8試験2,423例のデータが包含された。平均年齢(SD)は67.4(14.4)歳、女性が1,131例(46.7%)で、1,313例が血栓除去術、1,110例がtPA治療を受けていた。 メタ解析の結果、血管内治療はmRSスコア全体で有意な治療ベネフィットと関連していた(OR:1.56、95%CI:1.14~2.13、p=0.005)。 90日時点の機能的独立(mRSスコア0~2)は、血管内治療群では557/1,293例(44.6%、95%CI:36.6~52.8%)、標準治療群は351/1,094例(31.8%、24.6~40.0%)でみられた(リスク差:12%、95%CI:3.8~20.3、OR:1.71、95%CI:1.18~2.49、p=0.005)。 標準治療と比較して血管内治療は、24時間時点の血管造影上の血行再建が有意に高率であった(75.8% vs.34.1%、OR:6.49、95%CI:4.79~8.79、p<0.001)。一方で、90日間の症候性頭蓋内出血の発生について、有意差はみられなかった[70例(5.7%) vs.53例(5.1%)、OR:1.12、95%CI、0.77~1.63、p=0.56]。90日時点の全死因死亡についても有意差はみられなかった[218例(15.8%) vs.201例(17.8%)、OR:0.87、95%CI:0.68~1.12、p=0.27]。

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「赤肉・加工肉の発がん性」日本人の平均摂取量なら影響少:国立がん研究センター

 国立がん研究センターは2015年10月29日、国際がん研究組織(IARC)が10月26日に発表した「赤肉、加工肉の人への発がん性についての評価」についての解説を発表した。 IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね1日50~100gで、なかには200g以上にわたる非常に高い地域もあった。一方、2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は1日あたり63g(赤肉50g、加工肉13g)で、世界的に見て最も摂取量の低い国の1つである。 2011年に発表した同センターがん予防・検診研究センター予防研究グループのコホート研究によれば、女性では毎日赤肉を80g以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていない。男性では肉全体の摂取量が最も高いグループでリスク上昇がみられたが、赤肉ではとくに関連はみられていない。また、加工肉については男女ともに関連はみられていないという結果だった。 同センターのホームページでは、日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低く、日本人の平均的摂取の範囲であれば大腸がんのリスクへの影響はほとんど考えにくい。ただし、欧米でも多いとされる量の摂取であればリスクを上げる可能性は高いと考えられる、と解説している。国立がん研究センター「赤肉・加工肉のがんリスクについて」はこちら。国際がん研究組織(IARC)「赤肉、加工肉の人への発がん性についての評価」はこちら。(ケアネット 細田 雅之)関連ニュース「加工肉ががんを引き起こす可能性―WHO発表」

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カルシウムとビタミンDの摂取と大腸腺腫予防(解説:上村 直実 氏)-448

 数多くの疫学的検討の結果、ビタミンDやカルシウム(Ca)の摂取量ないしは血中濃度が高いほど大腸腺腫や大腸がんのリスクが低く、両者併用による大腸腫瘍予防効果の可能性も指摘されていた。しかし、今回、実際にビタミンDおよびCa投与を用いた介入試験の結果、両者いずれの投与によっても統計学的に有意な腫瘍抑制効果は認められなかった。 この研究は米国の11施設で施行されたもので、全大腸内視鏡検査によって遺残ポリープのないことが確認された大腸腺腫患者2,259例(平均57歳)を対象として、ビタミンD3錠剤(1,000IU/日)のみを服用する群、Ca錠剤(炭酸塩、1,200mg/日)のみを服用する群、両者併用群、いずれも服用しないプラセボ群に割り付ける方法で、ビタミンDおよびCaの大腸腺腫再発予防効果を二重盲検プラセボ対照無作為化試験で検証している。3年または5年後の大腸内視鏡によるフォローアップの結果、ビタミンD非摂取群に比べ摂取群の3~5年調整後腺腫再発リスク比は0.99(95%信頼区間[CI]:0.89~1.09)、Ca非摂取群に比べ摂取群では0.95(95%CI:0.85~1.06)、両栄養素の非摂取群に比べ併用群では0.93(95%CI:0.80~1.08)であり、いずれも有意な再発抑制効果を認めなかった。以上の結果から、中年以上になってビタミンDやCaを内服しても、大腸腺腫や大腸がんのリスクを軽減する効果が期待できないことが示唆された。 大規模な疫学研究により、腫瘍のリスクを軽減する可能性を有するものが多く報告されているが、対象の年齢や人種によっては介入試験の結果で有用性の期待が裏切られることがある。介入試験は、限られた対象設定の中での成績であることを考慮した対応が重要である。研究デザインによる相反する結果に関しても、十分に吟味して臨床現場で使いこなす能力が必要な時代となっている。

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喫煙者の口腔は「水を入れた灰皿」

口の中は「水を入れた灰皿」≒ 水を張った灰皿にタバコをつけておくとどうなりますか?口の中はまるで… タバコで茶色に染まった水を飲んだことがありますか? 口の中には唾液がありますが、タバコを吸った後、その唾液はどこにいくのでしょうか? タバコで食道がんや胃がんが増えることが知られています。社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2015 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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