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統合失調症患者の過体重、アジア諸国の調査

 アジア諸国の統合失調症患者における過体重の割合や人口統計学および臨床的相関を、中国・マカオ大学のFei Wang氏らが調査した。International journal of clinical pharmacology and therapeutics誌2016年6月号の報告。 東アジアにおける向精神薬の国際共同処方調査であるREAP (psychotropic prescription patterns)のデータベースより、9つのアジア諸国と地域における統合失調症入院患者1,534例のデータを収集し、1ヵ月間の臨床面接により補完した医療ファイルによりレビューした。患者の社会人口統計学、臨床的特徴、向精神薬処方、BMIを標準化プロトコルとデータ収集手順で登録した。分析では、過体重をBMI 25以上と定義した。 主な結果は以下のとおり。・過体重率は、全体で35.8%(549/1,534例)、女性で39.7%(224/564例)、男性で33.5%(325/970例)(p=0.01)であり、各国間でばらつきがあった。・試験地で調整後の多重ロジスティック回帰分析では、過体重は気分安定薬の頻繁な使用(p<0.001、OR 1.4、95%CI:1.1~1.8)、罹患期間の長さ(p<0.001、OR 1.6、95%CI:1.2~2.1)と独立して関連していたが、この傾向は男性患者ではみられなかった(p=0.003、OR:0.7、95%CI:0.5~0.8)。 結果を踏まえ、著者らは「アジアの統合失調症患者の過体重率は、欧米諸国で報告されているよりも、有意に低かった。そして、アジア諸国・地域の中でも有病率にはばらつきがある」とまとめている。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者のMets有病率を調査:新潟大学 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学

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ADHDへのメチルフェニデート、17歳未満は不整脈リスク1.6倍/BMJ

 17歳未満の注意欠如・多動症(ADHD)患者において、メチルフェニデート(商品名:リタリン、コンサータ)の使用は不整脈リスクを約1.6倍増大することが明らかになった。また、心筋梗塞リスク上昇も全期間で認められたわけではないが、治療開始前と比べて8~56日後に上昇がみられた。カナダ・Jewish General HospitalのJu-Young Shin氏らが、韓国の医療保険データベースを基に行った自己対照ケースシリーズ試験で明らかにしたもので、BMJ誌オンライン版2016年5月31日号で発表した。これまでに発表された観察試験では、小児や思春期の患者で、メチルフェニデート使用による心血管疾患イベントリスクの増大はみられなかった。メチルフェニデートを処方された1,224例について分析 研究グループは、2008年1月1日~2011年12月31日の韓国内の医療保険データベースを基に、17歳以下で心血管イベントを発症し、メチルフェニデートの処方を1回以上受けていた1,224例を対象に試験を行い、イベントリスクとの関連を分析した。 主要評価項目は、試験期間中に記録されていたあらゆる(1次性、2次性含む)心血管有害事象(不整脈、高血圧症、心筋梗塞、虚血性脳卒中、心不全)だった。 発症率は、条件付きポアソン回帰分析で求めた。併存疾患、併用療法については補正を行った。先天性心疾患のある患者では不整脈リスクが約3.5倍に 試験期間中に不整脈を発症したのは864例だった。解析の結果、全治療期間においてメチルフェニデートによる不整脈リスクの増大が認められた(罹患率比:1.61、95%信頼区間[CI]:1.48~1.74)。同リスクは、先天性心疾患のある小児患者でとくに高かった(同:3.49、同:2.33~5.22)。また、同リスクはメチルフェニデート治療開始1~3日後で高かった(同:2.01、同:1.74~2.31)。 一方で、心筋梗塞の発症リスクの増大は、治療開始8~56日間で認められたが、全治療期間を通じて認められたわけではなかった(同:1.33、同:0.90~1.98)。 高血圧症、虚血性脳卒中、心不全の発症リスク増大は認められなかった。 これらの結果を踏まえて著者は、「ADHDの小児・思春期患者において、メチルフェにデート治療開始早期で心筋梗塞と不整脈の相対リスク上昇が認められた。絶対リスクは低いようだが、とくに軽症ADHD児では、メチルフェニデートのリスクベネフィットのバランスを慎重に考慮すべきだろう」とまとめている。

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重症急性腎障害、腎代替療法の早期開始で死亡率低下/JAMA

 重症急性腎障害(AKI)患者への腎代替療法(RRT)は早期に開始したほうが、開始時期を遅らせた場合に比べ、90日死亡率が3割以上低下することが示された。ドイツ・ミュンスター大学のAlexander Zarbock氏らが、単一施設の患者231例を対象に行った無作為化比較試験「ELAIN」で明らかにしたもので、JAMA誌2016年5月24・31日号で発表した。生死に関わる状態ではない重症AKIへの、RRT開始の適切なタイミングについては明らかではなかった。今回の結果について著者は、「さらなる多施設共同研究の実施を支持するものとなった」と結論している。早期開始群はKDIGOステージ2診断から8時間以内にRRT実施 ELAIN試験は、2013年8月~2015年6月にかけて、重症AKI患者231例を対象に行われた。被験者は、KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcome)基準でステージ2(血清クレアチニンがベースラインの2倍以上、尿量は12時間以上で0.5mL/kg/時未満)、NGAL(リポカリン-2)値は150ng/mL超だった。 研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはKDIGOステージ2の診断から8時間以内にRRTを開始(早期開始群、112例)、もう一方にはKDIGOステージ3の診断から12時間以内にRRTを行った(開始遅延群119例)。 主要評価項目は、無作為化後90日の死亡率だった。副次的評価項目は、28日・60日死亡率、臓器障害の臨床的エビデンス、腎機能回復などだった。早期開始群の死亡率有意に低下、ハザード比0.66 被験者の平均年齢は67歳で、男性の割合は63.2%だった。被験者のうちRRTを行ったのは、早期開始群の全例と、開始遅延群の90.8%(108例)だった。RRT開始時間の中央値は、早期開始群が6.0時間、開始遅延群は25.5時間だった(群間差:-21.0、95%信頼区間[CI]:-24.0~-18.0、p<0.001)。 90日死亡率は、開始遅延群が54.7%(65/119例)に対し、早期開始群は39.3%(44/112例)と有意に低率だった(ハザード比:0.66、95%CI:0.45~0.97、群間差:-15.4%、95%CI:-28.1~-2.6、p=0.03)。 また、90日時点で腎機能回復が認められた人の割合も、開始遅延群38.7%(46/119例)に対し、早期開始群は53.6%(60/112例)と有意に高率だった(オッズ比:0.55、95%CI:0.32~0.93、群間差:14.9%、95%CI:2.2~27.6、p=0.02)。 RRTの期間中央値についても、開始遅延群が25日に対し、早期開始群は9日と有意に短期だった(p=0.04)。入院期間も、それぞれ82日、51日と早期開始群で有意に短期だった(p<0.001)。 なお、90日以降のRRTを要する人の割合や、臓器障害の程度、集中治療室の入室期間は、両群で同等だった。

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ブロークンハート症候群は幸せでも発症する恐れ

 たこつぼ型心筋症は“ブロークンハート症候群”とも呼ばれ、一般に悲しみや不安などの精神的ストレスによって引き起こされるといわれるが、楽しい出来事の後でも発症することが明らかになった。European Heart Journal誌オンライン版2016年3月2日号に掲載の報告。 著者らは、9ヵ国から25施設が参加するInternational Takotsubo Registryに登録された、ブロークンハート症候群とも呼ばれるたこつぼ型心筋症(Takotsubo Syndrome:TTS)患者、計1,750例中485例で何らかの心理的な出来事が発症の誘因となったことを特定した。このうち結婚や孫の誕生といった喜ばしい出来事の後にTTSを発症した20例(4.1%)を“ハッピーハート”群、配偶者の死や家族との言い争いなどの精神的ストレスによりTTSを発症した465例(95.9%)を“ブロークンハート”群と定義した。ブロークンハート症候群の症状にハッピーハートとブロークンハートで差なし ブロークンハート症候群患者が発症した心理的な出来事を特定した主な結果は以下のとおり。・登録者は圧倒的に女性が多く、“ハッピーハート”群、“ブロークンハート”群の両群間の女性が占める割合に差はみられなかった(95.0% vs.94.6%)。全体の年齢(71.4±11.2 vs. 65.0±12.5歳)、BMI(23.4±3.0 vs. 25.1±4.9)にも“ハッピーハート”群と“ブロークンハート”群に差はなかった。・“ハッピーハート”群と“ブロークンハート”群の胸痛(89.5% vs.90.2%、p=1.0)や呼吸困難(26.3% vs.44.6%、p=0.12)などの臨床所見は類似しており、心電図パラメーター、検査所見、1年後の転帰も差がなかった。・“ハッピーハート”群と“ブロークンハート”群のTTSタイプの分布に統計学的有意差はみられなかった(p=0.21)が、事後解析の結果、“ハッピーハート”群は“ブロークンハート”群と比べてmid-ventricular型が多いことがわかった(35.0 vs.16.3%、p=0.030)。

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黄斑下血腫、ラニビズマブ硝子体内注射は有用

 黄斑下血腫に対し、組み換え組織プラスミノーゲン活性化因子(rt-PA)ラニビズマブおよびガス硝子体内注射は血腫の移動と病変改善に有用であることを、日本大学 医学部視覚科学系眼科学分野の北川 順久氏らが前向き研究により示した。著者は、「視力の改善・維持には、治療後の再発を早期に発見し、必要に応じて血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬硝子体注射を行うことが大切」とまとめている。Ophthalmology誌2016年6月号(オンライン版2016年3月2日号)の掲載の報告。 研究グループは、加齢黄斑変性(AMD)またはポリープ状脈絡膜血管症(PCV)に伴う黄斑下血腫患者連続20例(20眼)を対象に、rt-PA(25μg/0.05mL)ラニビズマズおよび100%パーフルオロプロパン(0.3mL)の硝子体内注射を行った。注射後2日間はうつ伏せとした。 主要評価項目は、治療6ヵ月後の最高矯正視力(BCVA)、副次的評価項目は中心窩網膜厚、中心窩網膜色素上皮剥離厚、中心窩ellipsoid zoneの検出率、再発率および合併症であった。 主な結果は以下のとおり。・基礎疾患は滲出性AMD1眼、PCV19眼、黄斑下血腫は2~31乳頭径の大きさであった。・黄斑下血腫の完全移動は17眼(85%)、部分移動は3眼(15%)で得られた。・BCVAは、治療前20/139から治療6ヵ月後には20/65まで改善した(p=0.0061)。・ETDRSスコアのベースラインからの平均変化量は、+13文字(p=0.0040)であった。・中心窩網膜厚平均値は治療前599μm、治療6ヵ月後208μm(p<0.0001)、中心窩網膜色素上皮剥離厚はそれぞれ188μmおよび88μm(p=0.0140)で、いずれも有意に改善した。・術後合併症は硝子体出血が3眼、網膜剥離が1眼に認められたが、いずれも手術により6ヵ月後にはBCVAの有意な改善が得られた(p=0.0012)。・治療6ヵ月以内に10眼(50%)で再発したが、視力はVEGF阻害薬硝子体内注射の必要に応じた(PRN)投与により維持された。・治療6ヵ月後のBVCAに影響する要因は、治療前および治療後中心窩ellipsoid zone検出率(それぞれp=0.0366およびp=0.0424)、治療前BCVA(p=0.0015)、治療前および治療後中心窩網膜色素上皮剥離厚(p=0.0046、p=0.0021)であった。

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ジャガイモ摂取の効果・効能は有用か(解説:三浦 伸一郎 氏)-543

 Borgi氏らは、ジャガイモ料理をよく食べる人で高血圧発症のリスクが増大することをコホート研究のデータを基に、BMJ誌に報告した。 この研究では、ジャガイモ料理(焼き、ゆで、マッシュポテト)を、非でんぷん質の野菜に切り替えると高血圧のリスクが有意に低下することを、多くの高血圧に関わる因子で補正した置換解析により証明した点が興味深い。 ジャガイモには、カリウムと食物繊維が多く含まれている。ナトリウムを過剰摂取すると血圧は上昇するが、その場合、カリウムを摂取すると余分なナトリウムは尿から排泄され、また、食物繊維がナトリウムを吸着し、便として出すため血圧上昇を防ぐことができる。しかし、ジャガイモは、グリセミック指数(炭水化物を摂取した際の血糖値上昇の度合い)が非常に高く、2型糖尿病や心血管病リスクが高くなる可能性がある。また、その摂取が多いと肥満傾向を示す。したがって、ジャガイモの積極的摂取が生命予後を改善するかは今のところ明らかではない。 この報告では、Nurses’Health Study(NHS)、NHS II、Health Professional Follow-up studyの3つのコホート研究のデータを使用している。対象者が数十万人と大規模研究ではあるが、前者の2つのコホートが女性、最後のコホートは男性のみを対象としており、男女で嗜好が異なるにもかかわらず、性別が偏った3つのコホートの検討となっている。ジャガイモ料理の種類は、焼き、ゆで、マッシュポテト、フライドポテトとポテトチップスであり、調理法によるリスクの違いも検討し、フライドポテトで高血圧発症リスクが最も高くなっているが、その理由は明らかでない。したがって、ジャガイモを野菜に含めるか否かの議論とともに、ジャガイモ摂取と高血圧発症リスクの関連性についてさらなる注意深い検討が必要である。

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父親の産後うつ病、日本での有病率は

 父親の産後うつ病は、自身のメンタルヘルスやウェルビーイングだけでなく、妻子にも影響を与える可能性がある。津田塾大学の須藤 茉衣子氏らは、父親の産後うつ病の発症ポイントと期間および妊娠中に測定された要因との関連を、愛知県西尾市における地域縦断研究(2012年12月1日~2013年4月30日)により調査した。Research in nursing & health誌オンライン版2016年5月22日号の報告。 妊娠中に1回、産後3ヵ月間に5回のデータを収集した。父親のうつ病を評価するためエジンバラ産後うつ病自己評価票を用いた。人口統計学的、心理社会学的要因のデータは、妊娠中に収集した。 主な結果は以下のとおり。・産後5回の評価データのうち少なくとも1回は収集可能であった父親215人中、36人(17%)は、出生後の最初の3ヵ月間においてうつ症状を報告した。・ロジスティック回帰分析では、あらかじめ調査した人口統計学的および心理社会的特性のうち、精神科治療歴と妊娠中のうつ症状のみが父親の産後うつ病と関連していた。 著者らは、「本結果は、父親の産後うつ病の有病率に関するエビデンスに加わるものであり、妊娠中から父親の評価やサポートが重要であることが示された」としている。関連医療ニュース 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は 妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法 産後女性の精神症状軽減へ、ハーブティーの可能性

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抗凝固薬選択のためのリスク予測モデルを開発/BMJ

 無作為化試験でダビガトランまたはワルファリン治療を受ける人の血栓塞栓症の推定発生率は、ルーチンケアを受ける人で観察された発生率と近接しており、一方、重大出血の発生率は、過小に評価していることが、米国ハーバード・メディカル・スクールのShirley V Wang氏らが2万1,934例のデータを解析し、報告した。心房細動患者における血栓塞栓症や重大出血のリスクについては、CHADS2やHAS-BLEDという確立されたリスクスコアがあり、ベースラインでのリスク推定、および抗凝固薬治療の導入ガイドとして用いられている。しかし、これらのスコアでは、抗凝固薬の選択肢は不明である。一方で、最近の無作為化試験により、ダビガトランまたはワルファリン治療下での血栓塞栓症および重大出血の推定リスクが示されており、研究グループは、それらのデータを統合解析することで、新たなリスクモデルの開発を試みた。BMJ誌オンライン版2016年5月24日号掲載の報告。心房細動を呈した2万1,934例のデータを解析 研究グループは、無作為化試験からのイベント発生率を層別化し、観察データから開発したモデルのイベント予測率と比較すること、また同モデルが、ルーチンケアの一部としてダビガトランまたはワルファリンを受ける患者の血栓塞栓症および重大出血の発生を正確に捕捉できるかを評価した。 検討はUnited Healthのデータ(2009年10月~2013年6月)と、米国の民間医療費支払データベースを活用して、新規導入コホート研究法を用いて行われた。被験者は、心房細動を呈した2万1,934例で、ダビガトラン(用量150mgのみ)またはワルファリン治療をルーチンケアの一部として受けた。 主要評価項目は、血栓塞栓症または重大出血の年間予測発生率で、無作為化試験からの推定値に基づくもの、ルーチンケア患者群で開発したモデルに基づくもの、およびベースラインリスクスコア(CHADS2、CHA2DS2-VASc、HAS-BLED)に基づくものとした。血栓塞栓症は、虚血性または脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、肺塞栓症、深部静脈血栓症、全身性塞栓症などの複合アウトカムで評価した。重大出血は、入院中の脳出血発生コード、泌尿器等の重大出血とした。無作為化試験データでは重大出血を過小評価か ダビガトラン新規導入患者は6,516例(30%)、ワルファリン新規導入患者は1万5,418例(70%)であった。年間イベント発生率は、100患者当たり血栓塞栓症が1.7例、重大出血は4.6例であった。 血栓塞栓症について、無作為化試験からの推定値の検定結果は、予測ベースモデルの検定結果と類似していた。しかし、重大出血については、試験からの推定値は、ルーチンケア患者における出血発生率を一環して過小に見積もることを示すものであった。出血率についての過小評価は、とくにHAS-BLEDスコア高値でワルファリンを導入した場合に認められた。この場合、過小評価は、最大100人年当たり4.0件まで認められた。 Harrell's c指数で評価した、ダビガトランおよびワルファリン導入による血栓塞栓症または重大出血に関する識別能は、無作為化試験をベースにした予測では0.59、0.66、交差確認されたモデルベースの予測では0.52、0.70であった。

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日本人の死因の約6割を占めるNCD関連疾患、改善のカギは…

 不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒…。これらは、さまざまな疾患の入り口になりうる悪しき生活習慣だが、その改善により予防可能な疾患の総称であるNCD(non-communicable diseases、WHOの定義では「非感染性疾患」)への関心が世界的に高まっている。5月31日、NCD関連疾患の啓発や情報提供を行っている塩野義製薬株式会社が、国内のNCD関連疾患患者を対象にした実態調査の結果をまとめた。同日のセミナーに登壇した寺本 民生氏(帝京大学臨床研究センター)は、患者自身の疾患や治療に関するリテラシーの低さを指摘し、「前向きな治療意識と生活満足度が疾患コントロール意識と密接につながっている。医療従事者や家族、地域コミュニティの関わりなども含めたトータルケアが重要」と述べた。 NCDとは、高血圧や脂質異常症、糖尿病など、いわゆる生活習慣病を中心とした継続的な治療が必要な慢性疾患の総称である。厚生労働省の調査によれば、近年このNCDに関連した疾患は、日本人の死因の約6割、国民医療費の約3割を占めている。 塩野義製薬は今年3月、国内の20~60代のNCD関連疾患患者を対象にインターネット調査「T-CARE NCD Survey」を実施(n=3,031)。そこから、NCD関連疾患特有の患者像が浮かび上がってきた。現在抱えている病気の治療について尋ねた項目では、「治療を継続しなければならない」(77.2%)「前向きに治療に取り組んでいる」(58.1%)など、半数以上が高い意識で治療に臨んでいることをうかがわせたが、「自分なりの治療目標がきちんとある」と答えた人は27.8%にとどまっていた。さらに、「定期的に通院する」(87.1%)、「定期的に薬を服用する」(71.6%)など、治療への取り組みはきわめて真面目な人が多い一方、「自分の治療方法については、医師の判断に任せる」(66.1%)、「自分の治療方法は、自分で決めたい」(38.6%)など、受け身の姿勢で臨んでいる人が多いこともわかった。 では、こうしたNCD関連疾患患者に対して必要な施策とは一体何か。寺本氏は3つの意識を高めることが重要であると述べる。すなわち、「前向きな治療意識」「疾患コントロール意識」「生活満足度」、である。これらは、「前向きな治療意識」と「生活満足度」の高さが、相乗効果的に「疾患コントロール意識」を高めるという関係性にある。「前向きな治療意識」に影響を与えるのは、(1)薬への信頼・期待、(2)病状理解、(3)治療効果の理解、(4)医療従事者の患者視点に立った診療、(5)内科・専門内科の個人病院やクリニックにおける患者視点の診療および親しみやすさ、(6)内科・専門内科の総合病院や大学病院などの大規模病院における患者視点の診療および治療解説、の6項目である。一方、「生活満足度」には(1)治療の見通し、(2)心配事の解消、(3)家族との関係、自己開示および尊重、(4)職場や学校でのコミュニケーション、の4項目が影響するという。こうした意識をバランスよく、高く維持するには、患者の頑張りだけ、あるいは医師の一方的な働きかけだけでは不十分である。 寺本氏は、「NCDの治療は、他の疾患以上に患者自身が主体的に病気と向き合わなければならない。診療の場面で医師は、患者との“共同作業”において治療方針を考え、時には患者自身による決定を促すことが重要だ」と述べた。

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「身支度の 仕上げに虫よけ ジカ防止」 政府の今夏の防蚊対策

 政府は、中南米を中心に感染拡大が続いているジカウイルス感染症や、一昨年に国内感染で問題となったデング熱など、蚊媒介感染症に関する注意を促すため、6月を「夏の蚊対策広報強化月間」と定め、リーフレットを作成し、啓発活動を開始した。 蚊媒介感染症の対策は、「蚊の感染源をなくすこと」、「蚊に刺されないようにすること」が重要であり、医療関係者にもリーフレットの活用を通じて防蚊対策の協力を呼びかけている。 リーフレットの内容としては、一般国民向けでは「ジカ熱・デング熱対策の概要と防蚊対策」、一般国民および施設管理者向けでは「蚊の発生源の具体例とその根絶について」、児童の保護者等向けでは「防蚊対策の具体例と発生源への注意喚起」となっている。なお、本稿のタイトルは、「夏の蚊対策広報強化月間」の標語公募で最優秀賞を受賞した作品である。  詳しくは、「夏の蚊対策国民運動」における蚊の対策に関する協力依頼についてを参照のこと。(ケアネット)参考サイト新興再興感染症に気を付けろッ!:チクングニア熱に気を付けろッ! その2(防蚊対策)政府広報オンライン:何が危ない?どう防ぐ?ジカウイルス感染症(ジカ熱)予防のポイント厚生労働省ホームページ:ジカウイルス感染症について

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結節性多発動脈炎〔PAN: polyarteritis nodosa〕

1 疾患概要■ 概念・定義主として中型の筋性動脈が侵される壊死性動脈炎である。国際的な血管炎の分類であるChapel Hill Consensus Conference 2012分類(CHCC2012)1)では、血管炎を障害される血管のサイズにより分類しており、本疾患はmedium vessel vasculitis(中型血管炎)に分類されている。剖検時に動脈に沿って粟粒大から豌豆大の小結節が多発して認められる場合があり、KussmaulとMaierにより結節性動脈周囲炎として1866年に提唱された。現在では、結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa:PAN)の呼称が一般的に用いられている。本症の壊死性動脈炎は、肝臓、胆嚢、脾臓、消化管、腸間膜、腎泌尿生殖器、皮膚、骨格筋、中枢神経系、心臓、肺など全身に認め、とくに血管の分岐部が侵されやすい。肺では気管支動脈に病変を認め、肺動脈が侵されることはまれである。原則として腎糸球体は侵されない。■ 疫学50~60歳に好発し、男女比では男性にやや多い。厚生労働省より結節性動脈周囲炎として、特定疾患医療受給者証を交付された患者数は2011年の時点でおよそ9,000人であるが、この中には顕微鏡的多発血管炎の患者も含まれているので、PANの患者が実際にどのくらい存在するかは不明である。しかしながら、PANの患者数は顕微鏡的多発血管炎に比べて圧倒的に少なく、500人未満と推定される。2006年以降、PANと顕微鏡的多発血管炎は別個に登録されるようになったため、今後その実数が明らかになるものと思われる。■ 病因不明である。アデノシンデアミナーゼ2(adenosine deaminase 2: ADA2)の一塩基多型による先天的機能欠損が、小児期のPAN類似血管症の原因となることが報告されている2、3)が、成人例でADA2の量的または質的異常があるとの報告はない。本疾患に特徴的な自己抗体は知られていない。■ 症状発熱や全身倦怠感、体重減少のほか、急速進行性腎障害、高血圧、中枢神経症状、消化器症状、紫斑、皮膚潰瘍、末梢神経障害などの多彩な症状を呈する。■ 分類本症の組織学的病期はArkinにより、I期:変性期、II期:炎症期、III期:肉芽期、IV期:瘢痕期に分類されている(Arkin分類)。変性期には内膜から中膜にかけて、浮腫とフィブリノイド変性が認められる。炎症期には中膜から外膜にかけて、好中球、時に好酸球、リンパ球、形質細胞が浸潤し、フィブリノイド壊死は血管全層に及ぶ。その結果、内弾性板は破壊され、断裂、消失する。炎症期が過ぎると、組織球や線維芽細胞が外膜より侵入し、肉芽期に入る。肉芽期には内膜増殖が起こり、血管内腔が閉塞するほど高度になることがある。瘢痕期では、炎症細胞浸潤はほとんどみられず、血管壁は線維性組織に置換される。このような場合でも、弾性線維染色を行うと内弾性板の断裂が認められ、診断に有用である。また、これら各期の病変が、同一症例内に同時期に混在して認められることも特徴である。■ 予後本症の予後は急性期の治療によるところが大きい。副腎皮質ステロイドによる治療を基本としたフランスの臨床研究では、57例中48例(84.2%)が初期治療により寛解し、残りの9例中8例も免疫抑制薬の併用などにより寛解導入されている4)。しかしながら、寛解導入された56例中、26例(46.4%)で再燃しており、再燃率は比較的高いといえる。5年生存率は90%強である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)厚生労働省指定難病診断基準(難治性血管炎に関する調査研究班2006年改訂)に基づいて行われる(表1)。重症度に応じて、1度~5度に分類される(表2)。表1 結節性多発動脈炎の診断基準(厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班2006年改訂)【主要項目】1) 主要症候(1)発熱(38℃以上、2週以上)と体重減少(6ヵ月以内に6kg以上)(2)高血圧(3)急速に進行する腎不全、腎梗塞(4)脳出血、脳梗塞(5)心筋梗塞、虚血性心疾患、心膜炎、心不全(6)胸膜炎(7)消化管出血、腸閉塞(8)多発性単神経炎(9)皮下結節、皮膚潰瘍、壊疽、紫斑(10)多関節痛(炎)、筋痛(炎)、筋力低下2) 組織所見中・小動脈のフィブリノイド壊死性血管炎の存在3) 血管造影所見腹部大動脈分枝(とくに腎内小動脈)の多発小動脈瘤と狭窄・閉塞4) 判定(1)確実(definite)主要症候2項目以上と組織所見のある例(2)疑い(probable)(a)主要症候2項目以上と血管造影所見の存在する例(b)主要症候のうち(1)を含む6項目以上存在する例5) 参考となる検査所見(1)白血球増加(10,000/μL以上)(2)血小板増加(400,000/μL以上)(3)赤沈亢進(4)CRP強陽性6) 鑑別診断(1)顕微鏡的多発血管炎(2)多発血管炎性肉芽腫症(旧称:ウェゲナー肉芽腫症)(3)好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(旧称:アレルギー性肉芽腫性血管炎)(4)川崎病動脈炎(5)膠原病(SLE、RAなど)(6)IgA血管炎(旧称:紫斑病性血管炎)【参考事項】(1)組織学的にI期:変性期、II期:急性炎症期、III期:肉芽期、IV期:瘢痕期の4つの病期に分類される。(2)臨床的にI、II期病変は全身の血管の高度の炎症を反映する症候、III、IV期病変は侵された臓器の虚血を反映する症候を呈する。(3)除外項目の諸疾患は壊死性血管炎を呈するが、特徴的な症候と検査所見から鑑別できる。表2 結節性多発動脈炎の重症度分類●1度ステロイドを含む免疫抑制薬の維持量ないしは投薬なしで1年以上病状が安定し、臓器病変および合併症を認めず、日常生活に支障なく寛解状態にある患者(血管拡張剤、降圧剤、抗凝固剤などによる治療は行ってもよい)。●2度ステロイドを含む免疫抑制療法の治療と定期的外来通院を必要とするも、臓器病変と合併症は併存しても軽微であり、介助なしで日常生活に支障のない患者。●3度機能不全に至る臓器病変(腎、肺、心、精神・神経、消化管など)ないし合併症(感染症、圧迫骨折、消化管潰瘍、糖尿病など)を有し、しばしば再燃により入院または入院に準じた免疫抑制療法ないし合併症に対する治療を必要とし、日常生活に支障を来している患者。臓器病変の程度は注1のa~hのいずれかを認める。●4度臓器の機能と生命予後に深く関わる臓器病変(腎不全、呼吸不全、消化管出血、中枢神経障害、運動障害を伴う末梢神経障害、四肢壊死など)ないしは合併症(重症感染症など)が認められ、免疫抑制療法を含む厳重な治療管理ないし合併症に対する治療を必要とし、少なからず入院治療、時に一部介助を要し、日常生活に支障のある患者。臓器病変の程度は注2のa~hのいずれかを認める。●5度重篤な不可逆性臓器機能不全(腎不全、心不全、呼吸不全、意識障害・認知障害、消化管手術、消化・吸収障害、肝不全など)と重篤な合併症(重症感染症、DICなど)を伴い、入院を含む厳重な治療管理と少なからず介助を必要とし、日常生活が著しく支障を来している患者。これには、人工透析、在宅酸素療法、経管栄養などの治療を要する患者も含まれる。臓器病変の程度は注3のa~hのいずれかを認める。注1:以下のいずれかを認めることa.肺線維症により軽度の呼吸不全を認め、PaO2が60~70Torr。b.NYHA2度の心不全徴候を認め、心電図上陳旧性心筋梗塞、心房細動(粗動)、期外収縮あるいはST低下(0.2mV以上)の1つ以上を認める。c.血清クレアチニン値が2.5~4.9mg/dLの腎不全。d.両眼の視力の和が0.09~0.2の視力障害。e.拇指を含む2関節以上の指・趾切断。f.末梢神経障害による1肢の機能障害(筋力3)。g.脳血管障害による軽度の片麻痺(筋力6)。h.血管炎による便潜血反応中等度以上陽性、コーヒー残渣物の嘔吐。注2:以下のいずれかを認めることa.肺線維症により中等度の呼吸不全を認め、PaO2が50~59Torr。b.NYHA3度の心不全徴候を認め、胸部X線上CTR60%以上、心電図上陳旧性心筋梗塞、脚ブロック、2度以上の房室ブロック、心房細動(粗動)、人口ペースメーカーの装着のいずれかを認める。c.血清クレアチニン値が5.0~7.9mg/dLの腎不全。d.両眼の視力の和が0.02~0.08の視力障害。e.1肢以上の手・足関節より中枢側における切断。f.末梢神経障害による2肢の機能障害(筋力3)。g.脳血管障害による著しい片麻痺(筋力3)。h.血管炎による肉眼的下血、嘔吐を認める。注3:以下のいずれかを認めることa.肺線維症により高度の呼吸不全を認め、PaO2が50Torr 未満。b.NYHA4度の心不全徴候を認め、胸部X線上CTR60%以上、心電図上陳旧性心筋梗塞、脚ブロック、2度以上の房室ブロック、心房細動(粗動)、人口ペースメーカーの装着、のいずれか2つ以上を認める。c.血清クレアチニン値が8.0mg/dLの腎不全。d.両眼の視力の和が0.01以下の視力障害。e.2肢以上の手・足関節より中枢側の切断。f.末梢神経障害による3肢以上の機能障害(筋力3)、もしくは1肢以上の筋力全廃(筋力2以下)。g.脳血管障害による完全片麻痺(筋力2以下)。h.血管炎による消化管切除術を施行。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)2006~2007年度合同研究班による『血管炎症候群の診療ガイドライン』の中で、「寛解導入療法と寛解維持療法の指針」が示されているので、以下に示す。■ 寛解導入療法1)副腎皮質ステロイドプレドニゾロン0.5~1mg/kg/日(40~60mg/日)を重症度に応じて経口投与する。腎、脳、消化管など生命予後に関わる臓器障害を認めるような重症例では、パルス療法すなわちメチルプレドニゾロン大量点滴静注療法(メチルプレドニゾロン500~1,000mg + 5%ブドウ糖溶液500mLを2~3時間かけ点滴静注、3日間連続)を行う。後療法としてプレドニゾロン0.5~0.8mg/日の投与を行う5)。2)ステロイド治療に反応しない場合シクロホスファミド点滴静注療法(intravenous cyclophosphamide:IVCY)または経口シクロホスファミド(CY)の経口投与(0.5~2mg/kg/日)を行う。IVCYは、シクロホスファミド500~600mg/生理食塩水または5%ブドウ糖溶液500mLを2~3時間かけて点滴静注し、4週間間隔、計6回を目安に行う6、7)。IVCY治療中は白血球減少に注意し3,000/㎜3以下にならないように次回のIVCY量を減量する。なお、CYは腎排泄性のため腎機能低下に応じて減量投与を行う(クラスIIb、レベルC)8)。表3に年齢、腎機能に応じたIVCY量を示す。なお、IVCYは経口CYに比べて有効性は同等だが副作用が少ないと報告されている9)。画像を拡大するその他の免疫抑制薬としてアザチオプリン、メトトレキセートも用いられる(クラスIIb、レベルC)9)。いずれも腎排泄性である。アザチオプリンは腎機能低下時には減量が必要であり、メトトレキセートは腎不全には禁忌である。3)重要臓器傷害の重症例肺・腎・消化管・膵などの重要臓器を2ヵ所以上傷害された重症例では、ステロイドパルスと共に血漿交換療法を行い、生命予後を改善させるようにする(クラスIIb、レベルC)10、11)。4)HBウイルス肝炎併発例活動性のHBウイルス肝炎を伴っている場合には、抗ウイルス薬および免疫複合体除去目的で血漿交換療法を併用する(クラスIIb、レベルC)5、6)。■ 寛解維持療法初期治療による寛解導入後は、再燃のないことを確認しつつ副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン)を漸減し維持量(5~10mg/日)とする。副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の治療期間は原則として2年を超えない(クラスIIb、レベルC)12)。CYは3ヵ月間用い、その後寛解維持薬として、より副作用の少ないアザチオプリンに変更し、半年~1年間用いる(クラスIIb、レベルC)13)。なお、免疫抑制薬、血漿交換療法は、本疾患に対する保険適用薬でないため、投薬時には十分なインフォームドコンセントが必要である。4 今後の展望血管炎症候群の中でも、顕微鏡的多発血管炎などのANCA関連血管炎の病因・病態解明が進み、新規治療法が考案されてきているのに対し、PANに対する基礎研究ならびに臨床研究は、ここ数年あまり大きな進展が得られていないのが実情である。とはいえ、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班をはじめとする地道な基礎的・臨床的研究が継続されており、その中からブレイクスルーが生まれることが期待される。5 主たる診療科膠原病・リウマチ科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 結節性多発動脈炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本血管病理研究会(医療従事者向けのまとまった情報)1)Jennette JC, et al. Arthritis Rheum. 2013;65:1-11.2)Zhou Q, et al. New Engl J Med.2014;370:911-920.3)Navon Elkan P, et al. New Engl J Med.2014;370:921-931.4)Samson M, et al. Autoimmun Rev. 2014;13:197-205.5)中林公正ほか. ANCA関連血管炎の治療指針. 厚生労働省厚生科学特定疾患対策研究事業難治性血管炎に対する研究班(橋本博史編). 2002;19-23.6)Gayraud M, et al. Br J Rheumatol. 1997;36:1290-1297.7)Guillevin L, et al. Arthritis Rheum. 2003;49:93-100.8)難病医学研究財団/難病情報センター 免疫疾患調査研究班(難治性血管炎に関する調査研究班). IVCY治療における年齢、腎機能に応じたシクロホスファミドの投与量設定表. 難病情報センター. (参照 2015.1月26日)9)Jayne D. Curr Opin Rheumatol. 2001;13:48-55.10)Guillevin L, et al. Arthritis Rheum. 1995;38:1638-1645.11)寺田典生ほか. 日内会誌. 1988;77:494-498.12)Guillevin L, et al. Arthritis Rheum. 1998;41:2100-2105.13)Jayne D, et al. N Engl J Med. 2003;349:36-44.公開履歴初回2015年05月15日更新2016年06月07日

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第1回 食事療法・運動療法のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第1回】食事療法・運動療法のキホン-糖尿病の食事・運動療法のポイントを教えてください。 糖尿病では、食事・運動療法は治療の大前提です。食事・運動療法を行っても目標とする血糖コントロールが達成できない場合は薬物療法を行いますが、その場合でも、食事・運動療法、とくに食事療法が守られなければ、薬剤の十分な効果を得ることはできません。食事療法が薬物療法の効果を左右する、といっても過言ではありません。ですので、私は患者さんに、“食事療法の代わりになる薬はない”こと、“食事療法が守られないと、どんな薬を使っても十分な効果が得られない”ことを必ず伝えています。 患者さんの血糖値にもよりますが、まず、食事・運動療法を数ヵ月行います。最初は1ヵ月に1回来院していただき、こまめに効果を確認します。HbA1cの低下が認められる間は、食事・運動療法のみで十分効果が得られていますので、そのまま継続します。HbA1cの低下が横ばい状態になり、低下する様子が2~3ヵ月みられなくなったら、食事・運動療法のみではこれ以上改善しないと判断し、薬物療法を開始します。-食事・運動療法を継続してもらうのが困難です。外来で短時間に行うことができる指導のコツはありますか。 最初に頑張りすぎてしまう人の場合、すぐに息切れしてダメになってしまうということは往々にしてあることです。食事・運動療法は糖尿病治療の根幹で、治療を続ける限りやっていく必要があります。そのために、“無理なく続けられる食事・運動療法”をやっていく、ということが大切です。食事・運動療法は、患者さんの欲求や嗜好、年齢や健康状態、生活スタイルが大きく影響します。そのため、いずれも通り一遍の方法を指導するのではなく、患者さんの置かれている環境の中で継続できる方法を一緒に考え、選んでいきます。効果が出ると、動機付けにもなります。 血糖コントロールが悪化した場合には、生活習慣が乱れている可能性があるので、食事・運動療法の状況を確認し、問題点を見つけて、是正する方法を一緒に考えます。また、そのときに「できていないですね」などと否定するのではなく、きちんとできているところを見つけて「ここはよくできていますね」などと褒め、「一緒に頑張りましょう」というのもよいでしょう。-高齢者にも、厳密な食事管理・運動を行ってもらうべきでしょうか。 高齢患者さんは、高齢になって発症した場合と、青壮年発症で高齢になった場合に分けて考えます。後者はとくに問題がなければ、それまでの食事・運動療法を続けていただきます。 高齢者の血糖コントロールについて、2015年4月に設置された「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」で、まずその目標値について議論され、2016年5月20日に、「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が発表されました1)。 基本的な考え方として、 1.血糖コントロール目標は患者の特徴や健康状態年齢、認知機能、身体機能(基本的ADLや手段的ADL)、併発疾患、重症低血糖のリスク、余命などを考慮して個別に設定すること、2.重症低血糖が危惧される場合は、目標下限値を設定し、より安全な治療を行うこと、 としたうえで、 3.高齢者ではこれらの目標値や目標下限値を参考にしながらも、患者中心の個別性を重視した治療を行う観点から、今回新たに設定された目標値を下回る設定や上回る設定を柔軟に行うことを可能としたこと、 を挙げています。具体的には、患者を認知機能やADL、併存疾患や機能障害によって、カテゴリーI~IIIに分類し、それぞれ重症低血糖が危惧される薬剤(インスリン製剤、SU薬、グリニド薬など)の使用有無で分けて考えます。これら薬剤を使用していない場合は、カテゴリIおよびIIとも7.0%未満、カテゴリIIIでは8.0%未満が目標値となります。一方、これら薬剤を使用している場合は、カテゴリIでは65歳以上75歳未満7.5%未満(下限6.5%)/ 75歳以上8.0%未満(下限7.0%)、カテゴリIIは8.0%(下限7.0%)、カテゴリIIIは8.5%未満(下限7.5%)となっています。 高齢患者さんの場合、上述の高齢者糖尿病の血糖コントロール目標にあるように、年齢や余命、合併症、ADL、腎・肝機能を中心とした生理機能の低下、運動能力の低下といった身体的特徴や、うつ状態やストレス状態といった心理的特徴、さらに家族との関わりや経済状態といった社会的特徴を考慮する必要があります。私は、これらを考慮しながら、まず、HbA1c 8%以下を目指します。しかし、いずれにしても、食事・運動療法は治療の大前提で、薬物治療の効果にも大きく影響しますので、個々の高齢患者さんのできる範囲で守っていただくようにします。-食事・運動療法は個人差が大きく、効果がばらばらです。患者の性別や体格、年齢によって運動と食事の指導をきめ細かに行うべきでしょうか。 前述したように、食事・運動療法は、患者さんの欲求や嗜好、年齢や健康状態、生活スタイルが大きく影響します。そのため、すべての患者さんに対して同じように指導しても、思うような効果が得られません。とくに、生活スタイルは非常に重要で、すでにリタイアされていて時間があり、食事・運動療法にかける時間が取れる方と、お仕事をされていらっしゃる方とでは異なります。その患者さんの生活の中で、できることを考えていく必要があります。また、合併症の有無や、高齢者であれば生理機能や運動能力の低下、家族の有無なども影響します。性別に関しては、私は、女性は男性に比べて比較的真面目に取り組むという印象を持っています。-糖質制限食を患者さんに勧めてよいでしょうか。本当に有効なのか教えてください。 近年、炭水化物(糖質)の摂取制限の体重減少が注目されており、私も患者さんから聞かれることがあります。糖質制限に関しては、これまでにさまざまに議論されており、現時点で糖尿病に関して有効であるという明確な根拠は見いだせていません。 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」2)では、糖尿病の食事として、三大栄養素の摂取比率を定めており、炭水化物の摂取比率を50~60%エネルギーとしたうえで、1日摂取量150g/日以上を目安とすることを勧めています3)。 しかし、夜遅く摂取した炭水化物は翌朝の空腹時血糖値に影響し、それが続けば、ひいてはHbA1cの値に影響します。そのため、私は、朝・昼の炭水化物は普通に摂取し、夕食の炭水化物は少し控え目にするよう(子供用茶碗に軽く一杯程度)、指導しています。昼食の炭水化物を制限してしまうと、どうしても、夕食までにおなかが空き過ぎてしまい、強い空腹感から、かえって炭水化物を多く取ってしまいかねません。「昼間の炭水化物は、夜の炭水化物摂取を抑えるための薬だと思って、しっかり食べてください」と患者さんに指導しています。 夕食は早めに、寝るまでに時間を空けること、とよくいわれますが、働いている方の場合、どうしても帰宅してからの遅い夕食になり、食べてからすぐ寝てしまいがちです。また、昼食と夕食の間に時間が空いてしまうと、空腹感から、炭水化物を多く摂取してしまう可能性があるため、そのような方の場合は、職場で午後6~7時くらいに、軽く炭水化物を取り(おにぎり1~2個程度)、帰宅してからは、海藻類やきのこ類、緑黄色野菜、豆類などを食べるよう、指導するとよいでしょう。 「糖質を制限したら、後は何を食べてもよい」ということをよく聞きますが、糖尿病患者さんの場合、合併症として腎症がありますので、タンパク質の量は非常に重要になってきます。また、脂質を取り過ぎれば、動脈硬化や脂肪毒性※の問題も出てきます。 ※脂肪毒性:脂肪細胞から遊離される脂肪酸によってインスリン抵抗性が生じ、血糖が上昇する、また、インスリン分泌が減少し、膵β細胞が障害されること。-患者さんの何を指標に、どれくらいの負荷の運動をどれだけ勧めればいいのか、教えてください。 一般的に、健康状態に問題がなければ、中等度の強度の有酸素運動が勧められており、強度の目安として、最大酸素摂取量の50%前後、運動時の心拍数が50歳未満では1分間100~120拍、50歳以上は100拍以内とされています1)。しかし、適切な強度を見極めるのは難しいと思いますので、「ちょっときつい」と思う程度、少し息切れする程度・汗ばむ程度を目安としていただければと思います。 また、運動の頻度、負荷量としては、できれば毎日、少なくとも週に3~5回、強度が中等度の有酸素運動を20~60分間、計150分以上運動をすることが勧められています。また、同時に、腹筋や腕立て伏せ、スクワット、ダンベルを使ったレジスタンス運動、いわゆる筋トレですが、これを週に2~3回行うことが推奨されています。歩行運動であれば1回15~30分を1日2回、1日の運動量として、歩行は約1万歩(消費エネルギー約160~240kcal)が適当とされています1)。 これらを踏まえたうえで、患者さんの年齢や身体能力、合併症の有無や生活スタイルに合わせ、その方の日常生活に組み入れ、継続できる運動を一緒に考えていくとよいと思います。 私は、リタイアされて時間に余裕がある方であれば、毎食後のウオーキング(速歩)をお勧めしています。食事の食べ始めを0とし、1~2時間の間に、20分程度のウオーキングをします。食後1時間半~2時間で血糖値がピークを迎えますが、食後に20分程度のウオーキングをすることによって、食後の急激な血糖上昇を抑え、緩やかにするという効果が得られます。 働いている方であれば、このような運動を取り入れるのは難しいので、たとえば、電車で通勤されている方ならば一駅分歩く、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うなど、普段の生活の中でできる運動を考えます。1)日本糖尿病学会編・著.糖尿病治療ガイド2016-2017.文光堂;2016.2)健康局がん対策・健康増進課栄養指導室.「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書.2014年3月28日.3)日本糖尿病学会.日本人の糖尿病食事療法に関する日本糖尿病学会の提言.2013年3月.

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日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学

 ADHD児は、生活するうえで複数の問題を抱えている。そのため、早期に発見し、適切な介入を行うことが重要である。弘前大学の髙柳 伸哉氏らは、5歳児のADHDをスクリーニングするため、家庭および学校でのADHD-Rating Scale-IV日本語版(P- and T-ADHD-RS)の心理的特性を評価した。Research in developmental disabilities誌オンライン版2016年5月7日号の報告。 子供838人(男児:452人[ADHD:28人]、女児:386人[ADHD:18人])の親および教師は、ADHD-RSおよびStrengths and Difficulties Questionnaireを行った。 主な結果は以下のとおり。・P- and T-ADHD-RSより、2因子モデル(不注意と多動性衝動性)と内部整合性を確認した(CFI:0.968、980、RMSEA:0.049、0.055、SRMR:0.030、0.024、α=0.86~0.93)。・日本の男児、女児は、米国児と比較し、P- and T-ADHD-RS総スコアが有意に低かった(d=0.65~1.14、0.36~0.59)。・P-ADHD-RSは、T-ADHD-RSと比較し、AUC(0.955、0.692)、感度(89.13%、30.23%)、PPV(46.59%、16.05%)の高い精度を示した。 著者らは、「P-ADHD-RSは、集団よりADHDの可能性がある子供をスクリーニングするうえで、高い信頼性と妥当性を示した。学校での子供の生活適応の予測妥当性を検討するために、縦断的研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 2つのADHD治療薬、安全性の違いは 小児ADHD、食事パターンで予防可能か 成人期まで持続するADHD、その予測因子は

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食塩高摂取でイベントリスクが増大するのは高血圧者のみ/Lancet

 ナトリウム(Na)摂取と心血管イベント・死亡リスクとの関連を調べた結果、高血圧の人においてのみ、Na摂取量が多い人は適量摂取の人と比べて同リスクの増大がみられた。正常血圧の人ではそうした関連はみられず、また、Naの低量摂取は高血圧の有無にかかわらず同リスクを増大するとの結果が示されたという。カナダ・Hamilton Health SciencesのAndrew Mente氏らが、4つの大規模な前向き試験(PURE、EPIDREAM、ONTARGET/TRANSCEND)の参加者13万例超のデータをプール解析し、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「示されたデータは、減塩は、食塩摂取量の多い高血圧の人が最適なターゲットであることを示唆するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年5月20日号掲載の報告より。尿中Na排泄量とイベント発生、血圧との関連を調査 解析は、13万3,118例(高血圧6万3,559例、非高血圧6万9,559例)を包含して行われ、被験者は、年齢中央値55歳(IQR:45~63)、49ヵ国から参加していた。 研究グループは、24時間尿中Na排泄量を推算してグループ分けし(3.00g/日未満、3.00~3.99g/日、4.00~4.99g/日、5.00~5.99g/日、6.00~6.99g/日、7.00g/日以上の各群に)、追跡期間中央値4.2年(IQR:3.0~5.0)における死亡・主要心血管疾患イベントの複合アウトカム、および血圧との関連を評価した。高摂取でリスク増大は高血圧の人だけ 結果、Na摂取と収縮期血圧上昇との関連は、高血圧の人のほうが(2.08mmHg上昇/Na排泄量1分位増大)、非高血圧の人と比べて(1.22mmHg上昇/Na排泄量1分位増大)より、より大きかった(交互作用p<0.0001)。 高血圧の人(イベント発生6,835件)では、Na排泄量最大分位(7.00g/日以上)群および最小分位(3.00g/日未満)群の両群が、排泄量4~5g/日の集団参照値群(高血圧群の25%が該当)と比べて、いずれもイベント発生リスクが有意に高かった。それぞれ発生率は、7.00g/日以上群が11%(7,060件)、ハザード比(HR)1.23(95%信頼区間[CI]:1.11~1.37、p<0.0001)、3.00g/日未満群も11%(7,006件)、HRは1.34(1.23~1.47、p<0.0001)であった。 非高血圧の人(イベント発生3,021件)では、4~5g/日の集団参照値群(同集団の27%が該当)と比べて、7.00g/日以上群における主要複合アウトカムリスクとの関連はみられなかった。同群でのイベント発生率は9%(6,271件)、HRは0.90(0.76~1.08、p=0.2547)であった。一方、3.00g/日未満群では有意なリスク増大がみられた。イベント発生率は11%(7,547例)、HRは1.26(1.10~1.45、p=0.0009)であった。【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年6月8日)。

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