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リアルワールドの成績はどう読み解くべき?

 無作為化比較試験(RCT)の結果を基に承認された薬剤が、実臨床でも開発試験と同様の成績が得られるかを確認するためのリアルワールド・エビデンス。その特性や限界、結果を読み解く際の注意点について、井上 博氏(富山県済生会富山病院 院長/富山大学名誉教授)が、6月8日都内にて、バイエル薬品株式会社主催の会合で講演した。リアルワールド・エビデンスの特性と限界 開発試験で行われるRCTはエビデンスレベルの高い試験であり、治験薬の有効性や安全性を検証するために必要である。しかし、開発試験では重篤例や高齢者など複雑な対象は除外され、また周到な監視の下で厳密な経過観察が必要とされているため、一般人口や日常診療に常に当てはめることはできない。そこで、治験薬承認後にも、レジストリ等の前向き観察研究や後ろ向きデータベース研究などで、リアルワールドでの安全性・有効性を確認することが重要である。 リアルワールド(実臨床)で得られたエビデンスの特性として、自然歴、危険因子、治療の実施状況、長期予後、真の患者集団での治療方針のリスク、広範な患者集団でのニーズとギャップ、開発試験では見つからない低頻度の有害事象が明らかになるということが挙げられる。 一方、リアルワールド・エビデンスの限界として、年齢などの交絡因子を調整できない、単一施設であることが多い、追跡期間が比較的短い、非投与群や他の治療という対照を設定しにくい、データベース解析では得られる情報に限りがある、他のリアルワールド・エビデンスとの比較が難しいといったことのほか、研究資金提供元の影響の可能性、対象集団とRCT参加集団との差なども挙げられる。井上氏は「これらを知ったうえで成績を読み解いてほしい」と述べた。複数のリアルワールド・エビデンスで確認することが重要 井上氏は、実際のリアルワールド・エビデンスの例として、ワルファリンの実臨床における有効性と安全性を検討した2つのレジストリ研究の結果を紹介した。 1つは、参加施設の多くが一般開業医であったFUSHIMI AFレジストリで、この研究では、脳卒中または全身性塞栓症、重大出血のイベントの発生率にワルファリン投与の有無による差が認められなかった。この理由として、井上氏は、ワルファリンの投与量が十分ではなかったためではないかと考察している。もう1つの研究は、主に循環器専門医によるJ-RHYTHMレジストリで、この研究ではワルファリン投与群で有意な血栓塞栓症の低下と重大出血の増加が示された。 このように、市販後、実施される臨床研究では、さまざまな特性や限界があるため、実臨床における薬剤の安全性・有効性については、複数のリアルワールド・エビデンスで確認することが重要であると強調した。DOACにおけるリアルワールド・エビデンス 現在、心房細動患者の塞栓症予防に4剤の直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC、旧名称:NOAC)が承認されており、すでにリアルワールド・エビデンスが報告されつつある。現在も、各領域の抗凝固薬使用に関する“unmet medical needs”の解決を目的として、さまざまな臨床研究が進行中であり、井上氏は「今後、さらにDOACの位置付けが明らかになることが期待される」と結んだ。

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スマホを毎日長時間利用する若者、複数眼症状の有病率3倍

 スマートフォンの利用が、若者の眼の健康に悪影響をもたらしている可能性があることを、韓国・ソウル大学校のJoowon Kim氏らが715例の調査の結果、明らかにした。近年、スマートフォンの利用は激増しているが、携帯電話としての利用よりも、画面を見つめての利用時間のほうが長く、とくに眼の健康に有害作用をもたらす可能性が示唆されていた。Ophthalmic Epidemiology誌オンライン版2016年6月2日号の掲載の報告。 研究グループは、韓国3都市の青少年被験者715例から、構造化アンケートを用いてスマートフォン利用と眼精疲労関連の眼症状(かすみ、充血、視力障害、分泌物、炎症、流涙、かわき)の情報を集めて分析した。 眼の健康について眼症状の数でスコア化し、二項および多項ロジスティック回帰モデルでオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)、p値を求めて評価した。 主な結果は以下のとおり。・眼症状の有病率が高いほど、スマートフォン曝露がより大きかった(p<0.05)。・1日当たりのスマートフォン利用時間が長いほど、複数の眼症状を有する尤度が有意に高かった(p=0.005)。・短時間利用(1日2時間未満)と比べて、長時間利用/間欠的利用(1日2時間超/2時間以下を連続的)、および長時間利用/継続的利用(1日2時間超/2時間超を連続的)は、複数の眼症状と関連、ORはそれぞれ、2.18(95%CI:1.09~4.39)、2.26(同:1.11~4.57)であった。・スマートフォン曝露期間が長年にわたるほど、複数眼症状を有する尤度はより高かった(OR:3.05、95%CI:1.51~6.19、p=0.001)。

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うつ病の寛解率、職業で差があるか

 うつ病は、仕事のストレスにより悪化し、職場における障害の主な原因である。有効な治療を行っても、最初の治療で寛解する患者は全体の3分の1に過ぎず、約半数は治療に反応しない。職業レベルは、一般集団における健康アウトカムの確かな予測因子であるといわれている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、大規模国際サンプルを用い、うつ病の治療反応と職業レベルの潜在的な関連について調査した。European neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年5月19日号の報告。 うつ病患者654例を、職業レベル別に階層化した(高、中、低)。現在エピソードに対する直近の治療反応や治療抵抗性うつ病(2つ以上の適切な治療に対し非応答)は、アウトカム変数で考慮された。 主な結果は以下のとおり。・高職業レベルのうつ病患者は、学業成績のレベルが高かった。・高職業レベルは、低寛解率であった直近の治療に対する反応が有意に低く、その他の職業レベル群よりも治療抵抗性が多かった。・また、高職業レベルは、セロトニン再取り込み阻害薬による治療が少なかった。・潜在的な交絡因子は、主効果に影響を及ぼさなかった。 結果を踏まえ、著者らは「本知見により、高職業レベルの仕事に従事する患者は、うつ病の薬物療法に対する治療反応不良の危険因子であることが示された。臨床医や患者だけでなく雇用者や公共政策のためにも、今後のさらなる研究が重要である」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 重症うつ病の寛解率、治療法により違いがあるか うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学

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視覚・聴覚とも障害があると認知障害になりやすい?

 認知障害は視覚・聴覚の両方の障害のある人で最も多くみられ、この二重の感覚障害と認知障害のある人では死亡率が高いことが、人間環境大学(愛知県)の三徳 和子氏らの集団ベースのコホート研究で示された。BMC geriatrics誌2016年5月27日号に掲載。 高齢者では視覚と聴覚の障害が多く、また認知障害も懸念される。著者らは、介護保険受給者において、視覚および聴覚障害が認知機能障害と死亡率に関連するかどうかを評価した。 著者らは、郡上市介護保険データベースにおける65歳以上の1,754人(平均追跡期間4.7年)のデータを分析した。訓練を受け認定された研究者が国の評価ツールを使用して感覚障害や認知障害を評価し、また視覚障害と聴覚障害を5段階のスケールで測定した。認知機能はコミュニケーション/認知と問題行動で評価した。視覚・聴覚障害と認知障害との関連について、オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定するためにロジスティック回帰分析を行い、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて死亡率のハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・高齢者1,754人のうち、773人(44.0%)は感覚機能が正常であり、252人(14.4%)は視力障害、409人(23.3%)は聴覚障害、320人(18.2%)は二重の感覚障害があった。・潜在的交絡因子調整後において、感覚機能正常者と比べた認知障害のオッズ比は視力障害者で1.46(95%CI:1.07~1.98)、聴覚障害者で1.47(同:1.13~1.92)、二重の感覚障害者で1.97(同:1.46~2.65)であった。・感覚機能と認知機能が正常な人と比べ、二重の感覚障害と認知障害のある人の全死亡率の調整HRは1.29(同:1.01~1.65)であった。

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“テレヘルス”は第4の医療になりうるか/BMJ

 心血管疾患高リスクの患者に対しデジタル医療技術を駆使した“テレヘルス(telehealth)”による介入は効果があるのか。英国・ブリストル大学のChris Salisbury氏らが、プラグマティックな多施設共同無作為化試験を行った結果、エビデンスベースに基づくテレヘルスでも臨床的効果は小さく、平均リスクの全体的改善には結び付かなかったことが示された。ただし、一部の心血管リスク因子や健康行動、またケアサポート・アクセスの患者認識について改善が認められたという。慢性疾患の増大で、低コストでケア提供を拡大するための新たな医療供給や自己管理サポートの方法が必要とされている。政策立案者の間では、テレヘルスの利用拡大が有効な策になると楽観視されているが、テレヘルス介入効果のエビデンスはあいまいで、リアルワールドでの効果のエビデンスはほとんど示されていないのが現状だという。BMJ誌オンライン版2016年6月1日号掲載の報告。非医療スタッフでもテレヘルスで患者管理が可能かを検証 研究グループは、非医療スタッフがテレヘルスを活用することで、心血管疾患高リスク患者の管理を効果的に行うことができるかを調べる試験を行った。 英国内3地域、42人の一般医(GP)の協力を得て、2012年12月3日~2013年7月23日に、40~74歳で10年心血管疾患リスクが20%以上、心血管イベントの既往歴はなく、1つ以上の修正可能なリスク因子(収縮期血圧140mmHg以上、BMI 30以上、現在喫煙)を有し、電話・インターネット・電子メールにアクセス可能な641例を集めた。被験者を自動無作為化法にて、介入群(325例)または対照群(316例)に割り付けた。その際、試験地による層別化、実地医療およびベースラインリスクスコアによる最小化も行われた。 介入群には、「Healthlines」(alongside usual care)サービスが提供された。これは、専門家ではない訓練を受けた健康アドバイザーからの定期的な電話連絡が、インタラクティブなソフトウェアによって生成されたスクリプトに従って行われるというもの。アドバイザーは、リスク因子を減らすオンラインリソース使用をサポートしたり、薬物使用の最適化や治療アドヒアランスの改善を図り、より健康的なライフスタイルを奨励するなどして患者の自己管理の促進を図った。一方、対照群には通常ケアのみが行われた。 主要アウトカムは、治療効果(12ヵ月後の心血管リスクの保持または減少で定義)が認められた患者の割合とした。アウトカムは、盲検下で無作為化後6ヵ月、12ヵ月時点で集められ解析が行われた。治療効果の有意差は認められず、ただし一部の臨床値改善や行動変容に効果 治療効果が認められた患者の割合は、介入群50%(148/295例)、対照群43%(124/291例)で、実質的な差は認められなかった(補正後オッズ比[OR]:1.3、95%信頼区間[CI]:1.0~1.9、治療必要数[NNT]:13、p=0.08)。 介入により、血圧の低下(平均差;収縮期血圧-2.7mmHg[95%CI:-4.7~-0.6]、拡張期血圧-2.8mmHg[同:-4.0~-1.6])、体重減(-1.0kg、95%CI:-1.8~-0.3)、BMI低下(-0.4、同:-0.6~-0.1)がみられたが、コレステロール値(-0.1、-0.2~1.0)、喫煙状態(補正後OR:0.4、0.2~1.0)の改善はみられなかった。また、全体的な心血管リスクも保持されたままであった(-0.4、-1.2~0.3)。 ただし、介入により、食事、運動、服薬アドヒアランスが改善し、ケアアクセス、受療、ケアコーディネーションに関する満足感は認められた。 重篤な有害事象の発生は、血圧低下による入院の1件が報告された。

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日本糖尿病学会:「キラリ☆女性医師!」に新記事を掲載

 日本糖尿病学会 「女性糖尿病医サポートの取り組み」ホームページ では、 「キラリ☆女性医師!」 コーナーに 守田 美和 氏 (島根大学)、 中嶋 千晶 氏 (なかじまちあき内科クリニック)の記事を掲載した。 同コーナーは、さまざまな女性医師を紹介するコーナーとして2015年4月に開設され、これまでに計 12 名の女性医師が登場している。各記事は以下関連リンクより閲覧可能。関連リンク「キラリ☆女性医師!」(日本糖尿病学会「女性糖尿病医サポートの取り組み」)

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検診マンモグラフィの読影順序が読影の精度に関係するか(解説:矢形 寛 氏)-548

 マンモグラフィを読影する際に問題となるのが、見落としと拾い過ぎである。基本的な読影能力はもちろんであるが、読影時の集中力によっても左右されるかもしれない。本報告は、マンモグラフィが読影の順序によって、精度が変わるかどうかを検証したものである。 結果は、読影順序によって見落としと拾い過ぎ共に増えることはなかった。過去の報告では、幾つか集中力の低下による精度低下が指摘されているが、それは方法論上の問題であり、無作為化比較試験では順序の影響はないようである。 ただし、読影はいずれもよく訓練された医師によるものであり、本邦のように第1読影医が第2読影医より未熟なことが多いような状況では、また異なるかもしれない。 いずれにしても、集中力の低下は1回の読影量や環境によって左右される可能性があり、読影の際にはそれらを十分配慮したほうが良いことには変わりない。

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気管支内コイル治療は重症肺気腫患者の運動耐容能を改善させるのか?(解説:山本 寛 氏)-549

 本研究は、肺気腫に対する気管支内コイル治療の効果と安全性を検討するため、2012年12月から2015年11月まで、北米21施設、欧州5施設が参加して315例を対象に行われた。患者は、ガイドラインに準拠した通常ケア(呼吸器リハビリテーション、気管支拡張薬の投与)のみを行う群(n=157)と、これに加えて両側気管支内にコイル治療を行う群(n=158)とに無作為に割り付けている。コイル治療群では、2回の治療を4ヵ月間隔で行い、1肺葉当たり10から14個のコイルを気管支鏡を用いて埋め込んだ。治療前と治療12ヵ月後の6分間歩行距離の変化を主要評価項目とし、6分間歩行距離の改善割合、SGRQ (St. George’s Respiratory Questionnaire)を用いたQOL(Quality of Life)の変化、そして1秒量の変化率がそれぞれ副次評価項目として設定されている。 その結果、6分間歩行距離の12ヵ月間での変化量はコイル治療群で+10.3m、通常ケア群で-7.6mであった。その群間差は14.6m(97.5%CI:0.4m~∞、片側p値:0.02)であり、有意にコイル治療群で優れていた。1秒量の変化率は中央値で7.0%(97.5%CI:3.4%~∞、片側p値0.01)であり、やはりコイル治療群で大きな改善が示された。SGRQスコアの群間差は-8.9ポイント(97.5%CI:-∞~-6.3ポイント、片側p値<0.001)で、コイル治療群において有意な改善が示された。 一方、コイル治療群において主要な合併症が34.8%も発生している。通常ケア群においては19.1%であり、コイル治療群では有意に合併症の頻度が高かった(p=0.002)。コイル治療群では、肺炎が20%(通常ケア群では4.5%)、気胸が9.7%(通常ケア群では0.6%)とそれぞれ有意に高頻度に認められた。 以上の結果から、肺気腫患者に対する気管支内コイル治療が、6分間歩行距離やQOL、肺機能の改善に有効であると結論することは早計である。主たる評価項目である6分間歩行距離の改善はわずかであり、設定されたMCID(minimal clinical important difference)=29mを超えるものではない。しかも、重大な合併症の頻度も高く、長期的な効果についても不明である。 しかし、本研究には残気量が予測値の225%以上という高度のair trappingを示す肺気腫症例が多く(235例)登録されている。探索的評価項目のうち、残気量と残気率に関しては、コイル治療を行うことによってそれぞれ0.31Lの減少、3.5%の減少が得られている。サブグループ解析の結果、air trappingが225%以上と高度で、heterogeneousな気腫症例においては、6分間歩行距離で+29.1m、1秒量で+12.3%、SGRQで-10.1ポイントと、臨床的にも意味のある効果が示されている。今後は、本治療法の長期効果についての追加報告がなされること、またheterogeneousな気腫分布を示す、air trappingが高度な肺気腫を調査対象としたランダム化比較試験が行われることが期待される。

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ビタミンDで抗精神病薬誘発性高血糖が低減か:京都大学

 非定型抗精神病薬は、高血糖リスク増加と関連しているため、臨床使用が制限される。京都大学の長島 卓也氏らは、抗精神病薬誘発性高血糖の根本的な分子メカニズムについて検討を行った。Scientific reports誌2016年5月20日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・FAERS(FDA Adverse Event Reporting System)データベースにおける薬剤の組み合わせを検索したところ、非定型抗精神病薬の高血糖リスクを低減した併用薬として、ビタミンD類似体との組み合わせが、クエチアピン誘発性糖尿病関連有害事象の発生を有意に減少させることが示された。・マウスを用いた実験検証では、クエチアピンは急性インスリン抵抗性を引き起こすことが認められ、これは、コレカルシフェロールの食事補充により軽減された。・シグナル伝達経路や遺伝子発現に関連するデータベース解析では、インスリン受容体の下流で働く重要な遺伝子であるPik3r1のクエチアピン誘発性のダウンレギュレーションを予測した。・PI3Kシグナル伝達経路に焦点を当て、Pik3r1 mRNAの発現低下は、骨格筋のコレカルシフェロール補充により逆転することが認められた。C2C12筋管へのインスリン刺激グルコースの取り込みは、クエチアピン存在下で阻害され、これは、PI3K依存的に付随するカルシトリオールにより逆転した。 結果を踏まえ、著者らは「ビタミンDの同時投与は、PI3K機能のアップレギュレーションにより、抗精神病薬誘発性高血糖およびインスリン抵抗性を防ぐことが示唆された」としている。関連医療ニュース オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体

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深部静脈血栓症後の弾性ストッキング、2年以上が理想的/BMJ

 近位深部静脈血栓症(DVT)患者に対する弾性ストッキングによる圧迫療法(ECS)は、2年以上が理想的であることが示された。オランダ・ユトレヒト大学のG C Mol氏らが多施設単盲検非劣性無作為化試験OCTAVIAの結果、報告した。1年治療群の2年治療群に対する非劣性が認められなかったという。ECSはDVT患者の血栓後症候群予防のために用いられるが、至適期間は明らかではない。現行ガイドラインでは、24ヵ月間の使用としているが、最近の試験で、この現行戦略に疑問符を呈し、より短期間とする提案がなされていた。BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告。1年治療群を中止群と継続群に割り付け、血栓後症候群の発生を評価 OCTAVIA試験は2009年2月~2013年9月に、オランダの1大学病院を含む8教育病院の外来クリニックで行われた。超音波で確認された症候性の脚部近位DVTを呈し12ヵ月間ECSを受けた患者を対象とし、研究グループは被験者を、ECSを継続する群と中止する群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、DVT診断後24ヵ月間の血栓後症候群の発生率で、標準化されたVillaltaスケールで評価(intention-to-treat解析)した。本検討は、ECSの1年群は同2年群に対して非劣性であるとの仮定に基づき行われ、事前規定の非劣性マージンは10%であった。また、主な副次アウトカムとしてQOL(VEINES-QOL/Sym)を評価した。1年治療群の2年治療群に対する非劣性認められず、QOLは両群間で有意差なし 3,603例がスクリーニングを受け、ECS治療に応じ血栓後症候群を呈していなかった適格患者518例が、DVT診断後1年後に継続群(262例)と中止群(256例)に無作為に割り付けられた。 結果、中止群では、51/256例の血栓後症候群の発生がみられ、発生率は19.9%(95%信頼区間[CI]:16~24%)であった。一方、継続群の同発生は34/262例で、発生率は13.0%(同:9.9~17%)であった。継続群では、85%が週6~7日間ECSを使用していた。 両群の発生率の絶対差は6.9%(95%CI上限値12.3%)であり、1年治療群の2年治療群に対する非劣性は認められなかった。 ECS継続群で、血栓後症候群の発生1例を予防するのに必要な治療数(NNT)は14(95%CI下限値8)であった。 副次アウトカムのQOLについては、両群間で有意差は認められなかった。■「深部静脈血栓症」関連記事下肢静脈瘤で深部静脈血栓症のリスク約5倍/JAMA

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父母両方の喫煙で出生時の低身長リスクが増大

 両親の喫煙が出生アウトカムに及ぼす影響を調査した結果、母親の喫煙は出生時の体重および身長と有意に関連し、両親とも喫煙していた場合、低身長のリスクが増加することが、岡山県立大学の井上 幸子氏らの研究で明らかになった。Journal of public health誌オンライン版2016年5月24日号に掲載。 子どもの健康に対する両親の喫煙の有害作用はこれまで研究されてきたが、両親の喫煙それぞれの交互作用を示す研究はほとんどなく、また、出生時の体重以外のアウトカムは評価されていない。そこで著者らは、出生アウトカムにおける両親それぞれの喫煙ならびにその交互作用の影響を調査した。 著者らは、1997~2010年に浜松市内の大規模な病院で出産した両親と新生児について、妊娠から出産まで、病院ベースのフォローアップ研究を実施した。喫煙と成長の関係は、ロジスティック回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・母親の喫煙は、出生時の低体重、低身長、小さい頭囲に関連していた。・父親の喫煙は、出生時の低身長と小さい頭囲に関連していた。・調整モデルにおいて、両親の喫煙は出生時の低体重(オッズ比[OR]:1.64、95%信頼区間[CI]:1.18~2.27)と低身長(-1標準偏差[SD] OR:1.38、95%CI:1.07~1.79、-2 SD OR:2.75、95%CI:1.84~4.10)と明確な関連性を示した。

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「バースデー・ブルー」で自殺が1.5倍に:大阪大学

 誕生日に自殺が増える「バースデー・ブルー」の仮説が日本人にも当てはまることを裏付ける統計結果が発表された。大阪大学の松林 哲也氏と米国・シラキュース大学の上田 路子氏は、1974~2014年に自殺や事故(交通事故、転落事故、溺死、窒息死など)により死亡した日本人207万3,656人の死亡記録をポアソン回帰分析を用いて検討した。その結果、自殺や事故による死亡者数が他の日と比べて誕生日に多いことが明らかになった。Social Science & Medicine誌オンライン版2016年4月29日号掲載の報告。 主な結果は以下のとおり。・自殺による死亡者数が、誕生日はそれ以外の日と比べて50%多かった。・誕生日に死亡する人が増加する傾向は、性別、配偶者の有無、死亡時の年齢のサブグループに関係なくみられた。・高齢者では、食事に出かけるなどの誕生日のお祝いに関連する特別な行動が事故死急増の一因になっていることが示された。対照的に、20代では誕生日の交通事故による死亡者数が著しく増加しており、報告者らによると、これは誕生日のお祝いでのドライブや飲酒に起因する可能性があるという。

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喘息様症状、COPD増悪に影響せず

 喘息様症状を有するCOPD患者は、適切な治療の下では良好な臨床経過をたどることが、北海道大学医学部の鈴木 雅氏により報告された。American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌オンライン版2016年5月25日号掲載の報告。 COPD患者の中には、喘息の臨床的診断こそつかないものの、喘息様症状を有する患者が存在する。しかし、こうした喘息様症状とCOPDが重複する病態の臨床的意義は明確ではない。本研究では、北海道COPDコホート研究による10年間の追跡結果を用いて、適切な治療を行った場合に喘息様症状がCOPD患者の臨床経過にどのような影響をもたらすのかを評価した。 対象者は、呼吸器専門医によって喘息ではないと診断されたCOPD患者268例であった。喘息様症状には、気管支拡張薬による可逆性(ΔFEV1≧12% かつ ≧200mL)、血中好酸球の増多(≧300/μL)、アトピー(抗原吸入に対するIgE陽性反応)を含めた。初めの5年間は毎年、気管支拡張薬吸入後のFEV1変化率およびCOPDの増悪を観察し、死亡率は10年間を通して追跡した。 主な結果は以下のとおり。・全対象者のうち、57例(21%)が気管支拡張薬による可逆性、52例(19%)が血中好酸球の増多、67例(25%)がアトピーを持っていた。・気管支拡張薬吸入後のFEV1年間低下速度は、血中好酸球の増多がみられた患者で有意に遅かった。気管支拡張薬による可逆性とアトピーは影響しなかった。・いずれの喘息様症状も、COPD増悪との関連はみられなかった。喘息様症状が複数ある場合でも、気管支拡張薬吸入後のFEV1低下とCOPD増悪率は喘息様症状が1つ以下の患者と同様であったが、10年死亡率は喘息様症状が1つ以下の患者と比べて有意に低かった。■「COPD増悪」関連記事COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet(ケアネット 細川 千鶴)【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2016年6月15日)。

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Ozanimodの潰瘍性大腸炎に対する寛解および維持療法の有用性(解説:上村 直実 氏)-547

 潰瘍性大腸炎(UC)に関しては5-アミノサリチル酸(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、生物学的製剤、血球成分除去療法など、さまざまな治療が寛解導入および寛解維持を目的として使用されており、最近では腸内フローラの調整を目的とした抗生物質や便移植の有用性も報告されている。 本論文で使用されたOzanimodは、スフィンゴシン-1-リン酸受容体のサブタイプ1と5の経口作動薬で、末梢リンパ球隔離を促すことで消化管内に循環する活性化リンパ球数を減少させる免疫調節作用により、UCに対する有用性が期待される薬剤である。 本臨床試験は、2012年~15年にかけて13ヵ国57施設で施行された多施設国際共同RCTで、対象とした中等症~重症の潰瘍性大腸炎197例を実薬のOzanimod 0.5mg/日(0.5mg群)、1mg/日(1mg群)およびプラセボ群の3群に分け最長32週間投与している。評価項目として、メイヨークリニックスコア(MCS)とサブスコア(MCSS)を用いて、8週時点でのMCSが2点以下でMCSSが1点を超えないと定義された臨床的寛解率を主要アウトカムとした検討である。その結果、8週時点での臨床的寛解率は1mg群16%、0.5mg群14%、プラセボ群6%であり、プラセボ群に対して1mg群は有意に(p=0.048)高率であったが、0.5mg群では有意差が認められなかった(p=0.14)。なお、32週時点の臨床的寛解率は1mg群(21%)、0.5mg群(26%)共にプラセボ群(6%)より有意に高率であった。今回の試験結果について著者らは、「臨床的有用性および安全性評価の確認において、試験規模および期間ともに十分なものではなかった」と述べている。 最初に述べたように、UCに対する治療法については数多くの治療法が開発されているが、今回の試験結果からUCに対するOzanimod単剤での有用性は大きな期待はできず、今後、他剤との併用効果の検証が必要と思われた。

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食習慣の改善項目として減塩は必要ないのか?(解説:浦 信行 氏)-546

 Lancet誌の5月20日号のEpubに掲載された4つのRCTのプール解析の結果は、食塩摂取過剰は高血圧例のみ心血管イベント・死亡リスクを増大させたが、食塩低量摂取では高血圧の有無にかかわらず、リスクを増大させたとするものであった。この結果から、摂取食塩量による心血管疾患リスクの血圧階層による差異と、過度の減塩のリスクを示した点で、興味ある研究といえる。しかし、データとして示されているのは簡易式を用いた尿中Na排泄量であり、24時間Na排泄量との相関性は保たれてはいるものの、食塩(NaCl)量に換算すると7.5g未満で高血圧の有無にかかわらずリスクが増大し、17.5g以上で高血圧例のみリスクが増大するという結果である。U字型のボトム、すなわち食塩の至適摂取量は10.0~12.5gという結果なのである。また、この数字はあくまでも尿中排泄量であり、食塩摂取量に関しては、Naの汗や糞便中の排泄も考慮に入れると、この尿中排泄量の1.15~1.20倍の摂取量ということになる。極論をいえば食塩摂取制限はほぼ必要ないともいえる結果である。 米国食品医薬品局(FDA)は6月1日に、食品業界に対し自主的に塩分の含有量を減らすことを求める指針の草案を発表している。現状での米国人の食塩摂取は8.6gであり、ガイドラインの推奨の5.8gのほぼ1.5倍である。わが国でもまだ10gを切っていない。私自身は、やはりガイドラインに示される程度の減塩は大変重要と考えている。この結果から直ちに至適食塩摂取量を10.0~12.5gにするのはどうあっても早計だが、大変解釈に困難なデータである。

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わかる統計教室 第3回 理解しておきたい検定 セクション11

インデックスページへ戻る第3回 理解しておきたい検定セクション11 対応のない場合の仮説検定セクション1 セクション2 セクション3 セクション4 セクション5セクション6 セクション7 セクション8 セクション9 セクション10セクション8~10では、対応のあるデータに対する仮説検定を学習しました。セクション11では、対応のないデータに対する仮説検定を学びます。復習事項もたくさん出てきますので、すでに学習したセクションと合わせてご覧ください。■仮説検定の手順今回は、対応のないデータに対する仮説検定のやり方を説明します。表31のデータは低下体温(投与前から投与後までに低下した体温)を調べたデータです。新薬Yについて調べた患者は8例、従来薬Xの患者は10例で、両者の患者は異なっています。サンプルサイズ、平均値、SD(標準偏差)を下記の記号で表すことにします。表31 対応のないデータ対応のない場合の仮説検定の手順は、対応のある場合とまったく同じです。手順の記載も同じなのですが、大切ですのでおさらいの意味でもう一度、仮説検定の手順をお示しします。●仮説検定の手順1)仮説を2つ立てる。仮説1「等しい」という仮説統計学では「帰無仮説」という。帰無仮説は統計学観点から立てる仮説。【例】母集団の「新薬Yの投与前体温平均値と投与後体温平均値は等しい」仮説2「異なる(解熱効果がある)」という仮説統計学では「対立仮説」という。対立仮説は分析者が結論(目的)とする仮説。【例】母集団の「新薬Yの投与前体温平均値と投与後体温平均値は異なる(解熱効果がある)」2)調査データについて、平均値、SD(標準偏差)、SE(標準誤差)を算出する。3)仮説検定の公式にSEを用いて検定統計量を算出する。検定統計は、信頼区間、t値、p値の3つ。4)比較する。方法1信頼区間の下限値と上限値の符号(+/-)を比較信頼区間の範囲が0を「またがる・挟む」の判断方法2t値と棄却限界値を比較方法3p値と有意点を比較(よく用いられる有意点は0.05 )5)判定する。3つの方法のいずれかで行う。どの方法を選択しても結論は同じ。(1)条件式が下記の場合、「等しい」という仮説を棄却し、「異なる」という対立仮説を採択する。方法1下限値と上限値の符号が同じ(信頼区間の範囲が0(ゼロ)をまたがない)方法2t値>棄却限界値方法3p値<有意点(0.05)対立仮説の採択によって、母集団において、異なる(解熱効果がある)といえる。このことを、「信頼度95%で有意な差がある」という言い方をする。【例】母集団の「新薬Yの投与前体温平均値と投与後体温平均値は、信頼度95%で有意な差がある。母集団において新薬Yは、解熱効果があったといえる。信頼度は95%である。(2)条件式が下記の場合、「等しい」という仮説を棄却できず、「異なる」という対立仮説を採択しない。方法1下限値と上限値の符号が異なる(信頼区間の範囲は0(ゼロ)を挟む)方法2t値<棄却限界値方法3p値>有意点(0.05)対立仮説を採択できず、母集団において、異なる(解熱効果がある)がいえない。このことを、「信頼度95%で有意な差があるといえない」という言い方をする。【例】母集団の「新薬Yの投与前体温平均値と投与後体温平均値は信頼度95%で有意な差があるといえない。母集団において新薬Yは解熱効果があったといえない。信頼度は95%である。■標準誤差(SE)対応のある場合、仮説検定で最初にすることは何だったでしょうか。SEを求めることです。そして、SEの求め方は、SDを√nで割った値です。対応のある場合は新薬Yの低下体温のSDを用いました。対応のない場合は、新薬Yの低下体温と従来薬Xの低下体温があるので、両方のSDを使います。SEの算定式は次のとおりです。s12、s22はSDの2乗ということです。このSDの2乗を「分散」といいますので、覚えておいてください。■信頼区間対応のある場合の信頼区間は、新薬Yの低下体温平均値について求めました。対応のない場合の信頼区間は、新薬Yと従来薬Xの低下体温平均値の差分について求めます。平均値はで表していますので、平均値差分はということになります。平均値差分がマイナスの場合は、プラスにすることを忘れないでください。対応のある場合同様、信頼区間の下限値と上限値は、SEを用いて求められます。1.96という定数は、サンプルサイズの大きさによって変わることは、すでに学習しました。サンプルサイズが大きければ定数は1.96、小さい場合は1.96より大きくなるということです。では、表32のデータで信頼区間を求めてみましょう。表32 データと基本統計量下記の表33のように計算されます。表33 信頼区間この結果から次のことがいえます。母集団における新薬Yと従来薬Xの低下体温の差分の信頼区間は0.083~1.517℃の間にあるといえます。その確からしさを示す信頼度は95%です。■信頼区間による仮説検定信頼区間による仮説検定は、セクション7で学んだ方法と同じです。先ほどの 表32のデータについて、信頼区間による仮説検定をしてみましょう。(再掲)表32 データと基本統計量では、表33より導いてみましょう。帰無仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの体温平均値は等しい」対立仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの体温平均値は異なる。新薬Yは従来薬Xに比べ解熱効果がある」信頼区間下限値=0.083 上限値=1.517判定下限値と上限値の符号が同じ。「等しい」という仮説を棄却し、「異なる」という対立仮説を採択する。母集団の新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値は、信頼度95%で有意な差がある。母集団において、新薬Yは従来薬Xに比べ解熱効果があったといえる。信頼度は95%である。■t値t値の求め方はどうでしたでしょうか。t値とは、差分の平均値をSEで割った値でした。対応のない場合のt値は、平均値差分をSEで割ります。それでは、同じく表32のデータでt値を求めてみましょう。(再掲)表32 データと基本統計量上記表32よりとなります。■棄却限界値棄却限界値を覚えているでしょうか。t値で仮説検定をするとき、t値と比較する値でした。この値は信頼区間の定数と一致します。次の場合の定数は2.12でした。■t値による仮説検定表32のデータについて、t値による仮説検定をしてみましょう。帰無仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの体温平均値は等しい」対立仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの体温平均値は異なる。新薬Yは従来薬Xに比べ解熱効果がある」t値t値=2.37判定t値と棄却限界値を比較する。t値=2.37>2.12「等しい」という仮説を棄却し、「異なる」という対立仮説を採択する。母集団の新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値は信頼度95%で有意な差がある。母集団において新薬Yは従来薬Xに比べ、解熱効果があったといえる。信頼度は95%である。■p値p値とは何でしたでしょうか。pの値は0~1の間の値で、pが小さいほど比較対象間(新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値)に差がある確率が高くなるp値は、統計学が定めた基準0.05より小さければ、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択する。「有意差がある」「解熱効果がある」といえるp値が0.05より大きければ、帰無仮説を棄却できず、対立仮説を採択できない。「有意差があるといえない」「解熱効果があるとはいえない」となるでした。■p値による仮説検定表32のデータについて、p値=0.0307となりました。この仮説検定をしてみましょう。帰無仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値は等しい」対立仮説母集団の「新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値は異なる。新薬Yは従来薬Xに比べ解熱効果がある」p値p値=0.0307判定p値と0.05(有意点という)を比較する。p値=0.0307<0.05「等しい」という仮説を棄却し、「異なる」という対立仮説を採択する。母集団の新薬Yの低下体温平均値と従来薬Xの低下体温平均値は、信頼度95%で有意な差がある。母集団において新薬Yは従来薬Xに比べ解熱効果があったといえる。信頼度は95%である。■対応のないt検定ここまで、対応のないデータの仮説検証を説明してきました。そして、方法として下記の3つをご説明しました。方法1信頼区間の下限値と上限値の符号(+/-)を比較信頼区間の範囲が0を「またがる・挟む」の判断方法2t値と棄却限界値を比較方法3p値と有意点を比較(よく用いられる有意点は0.05 )これを総称して「対応のないt検定(unpaired t test)」といいます。英語の論文などでは、“Independent sample T test”と記載されていることもあります。■ノンパラメトリック検定医学文献でよく出てくる「マン・ホイットニーのU検定(別名「ウィルコクソン順位和検定」と「ウィルコクソンの符号順位和検定」)について、簡単にご紹介します。母標準偏差が未知(わからない)、母集団の正規性が不明、そしてn数が30未満と少数の場合、検定統計量T値の分布はt分布にはならず、t検定を適用できません。このような場合は「ノンパラメトリック検定(ノンパラ検定ともいう)」を適用します。ノンパラメトリック検定の利点は、母集団の分布はなんでもよく、どんなデータであっても適用可能なことです。このため、データの中に飛び離れた値と思われる外れ値が含まれているような場合でも検定が行えます。一方、弱点としては、分布に関する情報を用いないので、t検定に比べ検定(検出力)が低下することです。ノンパラメトリック検定においてはデータの値を直接使わず、これを大きさの順に並べてその順位を用いることは多くあります。このことはデータの持つ情報を全部使い切っていないので情報の損失があることを意味します。他方で外れ値の影響はそれだけ受けにくくなっています。マン・ホイットニーのU検定は別名「ウィルコクソンの順位和検定」と呼ばれ、ノンパラメトリック検定の手法です。対応のない場合のデータに適用できます。ウィルコクソン符号順位和検定も、ノンパラメトリック検定の手法で対応のある場合のデータに適用できます。■ウエルチt検定t検定をマスターしたということで、少し上のレベルの話もしてみましょう。t検定は、母集団において新薬Yの低下体温と従来薬Xの低下体温の標準偏差が等しいときに使う方法です。したがって事前に母集団の分散が等しいことを調べておく必要があります。その方法には、母分散の比の検定やバートレットの検定(Bartlett's test)がありますが、この方法については省略します。母集団の分散が異なる場合は、ウエルチt検定(Welch's t test)を用います。一見新たな検定手法のようですが、t検定とほぼ同じ検定です。SEと棄却限界値の求め方が違うだけで、仮説検定の手順は一緒です。では、違いについてご説明します。t検定の場合、2つの分散は等しいので、SE(標準誤差)を求める際に、加重平均を用いています。下記の表34に詳細を記載しています。表34 t検定とウエルチt検定の違い(1)棄却限界値をExcelなどで求めるとき、代入する値が違うのです。下記式のfを自由度といいますが、ウエルチ値の自由度はすごい式になっていますね。これはExcelなどでも操作がとても大変になりますので、専用の統計解析ソフトを使った方がよいでしょう。表35 t検定とウエルチt検定の違い(2)■今回のポイント1)対応のない場合の仮説検定の手順は、対応のある場合とまったく同じ!2)対応のある場合とない場合の違いは、対応のある場合は新薬Yの低下体温の標準偏差を用いること、対応のない場合は、新薬Yの低下体温と従来薬Xの低下体温があるので、両方の標準偏差を用いること!3)母集団の分散が異なる場合はウエルチt検定(Welch's t test)を用いる!インデックスページへ戻る

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130)むくみの原因は、やっぱり塩…【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、足がむくむことがあって…。 医師ちょっと、みせて頂けますか(前脛骨面を10秒圧迫)。 患者どうですか? 医師今はそれほどひどくないようですよ。ひどいときはどうですか? 患者靴下の跡が残ることがあって…それから…(時々むくむことを述懐)。 医師なるほど。時々、ひどくむくむことがあるんですね。心臓、腎臓や肝臓など内臓には問題はないようですし、甲状腺ホルモンなども正常範囲ですから、食べ物が原因かもしれませんね。 患者食べ物ですか? 医師そうです。特に、塩分の摂り過ぎに注意が必要です。これは毎日、体重を測定することでわかります。塩分が身体から排泄されるには2、3日かかります。塩分を摂り過ぎた日や翌日には水分が身体に溜まるので、むくみとなります。 患者なるほど。それでは、毎日、体重計にのるようにします。●ポイントむくみの原因が塩分の過剰摂取にあること、そして体重測定で塩分の多い食事に気付いてもらえます

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CLIの創傷治癒を改善した足首以下の血行再建「RENDEZVOUSレジストリ」

Investigators InterviewCLIの創傷治癒を改善した足首以下の血行再建「RENDEZVOUSレジストリ」末梢動脈疾患(PAD)に対する治療は、末梢血管インターベンション(EVT:endovascular treatment)の進歩により大きく発展している。しかしながら、膝下病変については有効な治療法が確立していない。そのような中、膝下以下に病変を有する重症虚血肢(CLI:critical limbs ischemia)における足動脈形成術(PAA:pedal artery angioplasty)が創傷治癒率を改善することを明らかにした「RENDEZVOUSレジストリ」が発表された。今回は同レジストリのinvestigatorである宮崎市郡医師会病院 循環器内科 仲間達也氏に試験の背景とその結果について聞いた。講師紹介

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感情変動は食事にどの程度影響するのか

 感情のシグナルに反応しての食物摂取は、不健康な食事の摂取と関連しているといわれている。米国・セント・ボナベンチャー大学のGregory J Privitera氏らは、肥満やうつ病において、低/高カロリー食品を選択できるビュッフェスタイルを利用した場合に、食物摂取に差を生じるかを検討した。Journal of health psychology誌オンライン版2016年5月20日号の報告。 カウンターバランス・デザインを用いて、参加者154人をうつ病と肥満のカテゴリにグループ化した。そのうえで、1日目に悲しい話(vignette)を、日を改めてニュートラルな話を読ませ、満腹になるまでビュッフェで食事を行った。食物摂取量(グラム、カロリー)と食物選択(高/低カロリー食品の選択数)を記録した。 主な結果は以下のとおり。・肥満やうつ病の参加者は、楽しい話と比較して悲しい話の際に、エネルギー摂取量が有意に多く、これは高カロリー食品の摂取量増加によるところが大きかった。・本結果は、感情的な食行動に関する最近の理論を裏付けており、ビュッフェスタイルにおけるこのような影響の生物学的妥当性を拡大させるものと考えられる。関連医療ニュース うつ病患者で重要な食事指導のポイント 抗うつ薬誘発性体重増加のレビュー、その結果は 魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大

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