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HDL-C高値で冠動脈疾患リスク減、超高値では?

 HDL-コレステロール(HDL-C)が高値(~2.06mmol/L)の場合は冠動脈疾患に対して保護作用を示すが、さらに高い値では保護作用はみられなかったと、NIPPON DATA90研究グループが20年間のコホート研究の結果、報告した。Journal of atherosclerosis and thrombosis誌オンライン版2016年2月26日号に掲載。 HDL-Cが非常に高い場合、冠動脈疾患および他の原因での死亡率にどのように影響するのかを調査したコミュニティベースのコホート研究は存在しない。NIPPON DATA90研究グループでは、日本人の代表的なサンプルの20年間のコホート研究において、HDL-C超高値と原因別死亡率の関係を調査した。 日本人の一般的な集団から7,019人(男性2,946人、女性4,073人)を追跡し、HDL-C値は、低値(<1.04mmol/L)、基準値(1.04~1.55mmol/L)、高値(1.56~2.06mmol/L)、超高値(2.07mmol/L以上)に分類・定義した。全死因または原因別死亡率のための多変量調整ハザード比(HR)は、他の古典的危険因子について調整Cox比例ハザードモデルを用いて計算した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中、1,598人が死亡した。・HDL-Cと全死因死亡率および脳卒中死亡率との間に有意な関連はみられなかった。・HDL-C高値群における冠動脈疾患リスクは、HDL-C基準値群より低かった。・男性におけるHRは0.51(95%CI:0.21~1.23)、女性では0.33(95%CI:0.11~0.95)、男女合わせると0.41(95%CI:0.21~0.81)であった。・一方、HDL-C超高値群では、冠動脈疾患および他の原因別死亡率との有意な関連はみられなかった。 著者らは結論で、今回の日本人7,019人を対象とした20年間の追跡調査では、HDL-C超高値群における原因別死亡のサンプルサイズが不十分であったとし、より大規模なコホート研究が実施されるべきとしている。

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ジカウイルスとギラン・バレー症候群の関連、初のエビデンス/Lancet

 ジカウイルスがギラン・バレー症候群を引き起こすという、初となるエビデンス報告が、Lancet誌オンライン版2016年2月29日号で発表された。仏領ポリネシアのタヒチにあるInstitut Louis MalardeのVan-Mai Cao-Lormeau氏らの研究グループが、症例対照研究の結果、報告した。Cao-Lormeau氏は、「ジカウイルス感染症が南北・中央アメリカ中に広がりをみせている。リスクに曝されている国では、ギラン・バレー症候群患者を集中的に治療するための十分なベッドを確保しておく必要がある」と警告を発している。仏領ポリネシアでは2013年10月~14年4月の間に、ジカウイルス感染症の大規模なアウトブレイクを経験。同期間中に、ギラン・バレー症候群の患者が増大したことが報告され、ジカウイルスとの関連が指摘されていた。アウトブレイク中の患者を対象に症例対照研究で関与を検証 研究グループは、ギラン・バレー症候群発症において、ジカウイルス感染症およびデング熱ウイルス感染症が関与しているかを調べる症例対照研究を行った。 症例は、前述したアウトブレイク期間中に、タヒチ島の首都パペーテにあるCentre Hospitalier de Polynesie Francaiseで、ギラン・バレー症候群と診断された患者とした(症例群)。 対照は、年齢・性別・住所でマッチした非発熱性疾患患者(対照群1:98例)、年齢でマッチした急性ジカウイルス感染症患者で神経症状はみられない患者(対照群2:70例)とした。 症例群、対照群の感染ウイルス特定には、RT-PCR法、蛍光抗体マイクロスフェア(microsphere immunofluorescent)法、血清中和アッセイ法などが用いられた。ギラン・バレー症候群の診断では、ELISA法および複合マイクロアッセイを用いて、血清糖脂質抗体の測定が行われた。ギラン・バレー症候群患者98%がジカウイルスIgM/IgG陽性 試験期間中にギラン・バレー症候群と診断された患者は42例であった。そのうち41例(98%)がジカウイルスIgMまたはIgG陽性であった。 症例群の全患者(100%)が、ジカウイルス中和抗体を保有していた。一方、対照群1(98例)における保有者は54例(56%)であった(p<0.0001)。 症例群のうちジカウイルスIgM陽性は39例(93%)で、また、37例(88%)は、神経症状発症の中央値6日(IQR:4~10)前に、ジカウイルス感染症に罹患したことを示唆する一過性の疾患を有していた。 症例群では、電気生理学的検査で軸索型(AMAN)の所見、および急速進行(急速進行初期[installation phase]中央値6[IQR:4~9]日、静止期[plateau phase]中央値4[3~10]日)の所見が認められた。呼吸補助を必要としたのは12例(29%)、死亡例はなかった。 ELISA法による血清糖脂質抗体陽性は、13例(31%)で認められた。そのうちGA1抗体保有者が最も多く8例(19%)の患者で認められた。また、入院時の糖アッセイでは19/41例(46%)が陽性を示した。なお、典型的なAMANに関連する抗糖脂質抗体を有していた患者はまれであった。 デング熱ウイルス感染症歴については、症例群(95%)と、2つの対照群(89%、83%)で有意差はみられなかった。

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アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピー性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行するエビデンスもある」と述べている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年2月18日号の掲載報告。 研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。 主な結果は以下のとおり。・66件の研究をレビューに組み込んだ。・住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究は8件で、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギーと診断された患者を対象としていた。・住民ベース研究の分析の結果、生後3ヵ月時の食物感作の可能性が、健常児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった(オッズ比:6.18、95%信頼区間:2.94~12.98、p<0.001)。・また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。・アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にものぼった。・16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。・6件の研究は、早期発症または持続性のアトピー性皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。・1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。

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わかる統計教室 第3回 理解しておきたい検定 セクション5

インデックスページへ戻る第3回 理解しておきたい検定セクション5 標準誤差(SE)とはセクション1 セクション2 セクション3 セクション4セクション4では、仮説検定の概念としてその考え方と具体的な検定手順を学習しました。引き続いてセクション5では、標準誤差を求め、データの散らばり具合をみて、検定の正確性を判断します。■標準偏差と標準誤差仮説検定で最初にすることは、標準誤差(SE)を求めることです。よく似た統計用語に標準偏差(SD)がありますね。標準誤差(standard error)とは、標準偏差を√nで割った値です。注)標準誤差と標準偏差とは類似しているので、混乱を避けるため本文では標準誤差をSE(標準誤差)あるいはSEで表します。このSEとはいったい何なのかが、気になりますね。今までの勉強で、この式の中にある標準偏差(SD)はおわかりだと思います。データの散らばりの程度を示す値です。SDが大きいと、外れ値があったり、解熱剤で言えば解熱の効き目が患者によって異なったりするという傾向が大きいということです。したがって、SDは小さいほうが良いわけです。では、サンプルサイズnの大小関係については、どう考えれば良いでしょうか。母集団のことを知るためには、サンプルサイズnは大きいほうが良いですね。SEの式を見てください。SD、nがどのような場合、SEは小さくなるでしょうか。SDが小さく、nが大きいときにSEが小さくなります。つまり、データの散らばり程度とサンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーターとなるのです。ですから、SEは重要だということです。SEについて、興味深いお話をしておきましょう。少し難しいかもしれません。●SEは標本平均の分布の散らばり程度(標準偏差)ある調査の標準偏差をsとする。SEはs÷√nである。nが十分に大きな値のときは、sは母集団の標準偏差に等しい。調査の実施は通常1回だが、多数回(たとえば1,000回)実施したとする。各調査の平均値をx1、x2、…、x1,000とする。この平均値を「標本平均」と言う。標本平均x1、x2、…、x1,000 1,000個の標準偏差をuとする。1回の調査より求められたSEであるs÷√nは、標本平均の標準偏差であるuに等 しい。調査より求められたSEは、実際には実施していない多数回(1,000回)の調査の標本平均の散らばり程度(標準偏差)を示しているということである。この法則を「中心極限定理」と言う。1730年代にフランスの数学者シモン・ラプラス(Pierre-Simon de Laplace)は、中心極限定理の法則を見出した。最終的に1930年代フィンランドのリンデベルグ(Jarl Waldemar Lindeberg)とフランスのレヴィ(Paul Pierre Levy)が、中心極限定理が成立することを証明した。このようにSEは、標本平均のSDであるという考えに基づき、仮説検定の公式が作られているということです。仮説検定を学ぶために、SEとは別にもう1つ知っておくべきことがあります。それが、「対応のあるデータ」「対応のないデータ」です。こちらについては、セクション6で学んでいきましょう。■今回のポイント1)標準偏差(SD)が小さく、サンプルサイズnが大きいときに標準誤差(SE)は小さくなる!2)データの散らばり程度、サンプルサイズnの大きさを考慮して求められたSEは、母集団のことを知るためのバロメーター!3)SEは標本平均の分布のSD!インデックスページへ戻る

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118)白衣高血圧は何が悪いのか?【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師血圧はどうでしたか? 患者普段、血圧はそんなに高くないんですが、美人の看護師さんに測ってもらったから高くなっちゃって…。(普段の血圧は正常であると強調) 医師ハハハ、そうでしたか。 患者白衣を見ると、血圧が上がるんです。 医師なるほど。緊張すると血圧が上がるわけですね。 患者そうなんです。 医師それを「白衣高血圧」と言います。そういった人も動脈硬化が進みやすいと言われていますので、緊張しても血圧が上がらない方法を一緒に考えてみましょう。 患者よろしくお願いします。●ポイント白衣高血圧も動脈硬化リスクが高いことを説明し、生活習慣改善の必要性を伝えます 1) Cuspidi C, et al. Blood Press Monit.2015;20:57-63. 2) Cuspidi C, et al. J Hypertens.2015;33:24-32.

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医学の進歩はてんかん発症を予防できるようになったのか

 てんかんの新規発症の予防は、重要な公衆衛生上の問題であり、緊急のアンメットニーズである。しかし、その予防が進んでいるかは不明である。フィンランド・トゥルク大学のMatti Sillanpaa氏らは、この40年間の医学の発展による、フィンランドにおけるてんかん予防の進展を検討した。JAMA neurology誌オンライン版2016年2月15日号の報告。 504万人のフィンランドの長期的国家レジスタ研究を使用し、1973~2013年にフィンランドで新規にてんかんと診断された入院患者を検討した。てんかん患者は、2回以上の非誘発性発作の発生により定義した。本研究は、2015年7月に実施された。なお、フィンランドではてんかん患者は診断時にルーチンに入院していることから、てんかん発症のエビデンスが存在する。 主な結果は以下のとおり。・1973~2013年にフォローアップされたフィンランド人平均504万人のうち、10万792人がてんかんと同定された。・このうち、4万6,995人(47%)は、焦点てんかんであった。・研究に含まれた患者の平均年齢は、男性45歳(四分位範囲:24~65歳)、女性46歳(同:23~71歳)であった。・年齢範囲65歳未満のてんかん発症率に変化は認められなかった(1973年:10万人当たり60人、2013年:同64人)。・しかし、65歳超では、有意なてんかんの増加が認められた(1973年:10万人当たり57人、2013年: 同217人)。 著者らは「本研究では、この40年間で、65歳未満の新規てんかん発症が予防されたとのエビデンスは見受けられなかった。むしろ実際には、高齢者では、新規てんかん発症が約5倍に上昇していた」とまとめている。関連医療ニュース てんかんの原因遺伝子発見により臨床にどのような変化が起こったか 薬剤抵抗性てんかんに関する新たな定義を検証 てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

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生活習慣病予防プログラム、40年の成果/BMJ

 冠動脈疾患の主要かつ古典的なリスク因子である喫煙・脂質異常症・高血圧症(3リスク)を低減することを目的とした集団ベース介入の1次予防プログラムは、疾患発症や死亡の低下に寄与する有効な手段なのか。フィンランド国立健康福祉研究所のPekka Jousilahti氏らが、同国東部住民を対象とした40年にわたる観察研究(FINRISK研究)の結果、同プログラムが冠動脈疾患死の低下に寄与したことを確認したと報告した。また、高リスクの人への2次予防および急性冠症候群の治療の介入についても分析し、それらが付加的ベネフィットをもたらしたことも確認されたという。BMJ誌オンライン版2016年3月1日号掲載の報告より。喫煙・脂質異常症・高血圧症への介入による変化と死亡への影響を調査 フィンランドでは、1950年代から食事や生活習慣の変化に伴い、冠動脈疾患死亡率の上昇がみられ、60年代後半には世界で最も同死亡率が高い国となった。とくに働き盛り世代の東部住民男性で高率だったという。そこで72年から冠動脈疾患予防プロジェクトをスタート。その主目的は、働き盛り世代男性の3リスクを低減するというもので、地域保健活動を介し行動変容を促すこと、および高リスクの人のスクリーニングと薬物治療をサポートするというものであった。 研究グループは94年に、介入の成果を評価。20年(72~92年)の間に死亡率は低下し、リスク因子の変化が寄与したことを報告している。 今回、同一サンプルを対象に、その後の20年間の冠動脈疾患死亡の傾向を調べ、3リスクの影響を調べた。 FINRISK研究(1972~2012年)の参加者は、30~59歳のフィンランド東部住民男女3万4,525例であった。 主要評価項目は、年齢で標準化した冠動脈疾患の予測死亡率と実際の死亡率であった。予測変化を、リスク因子データ(72年から5年ごと計9回行われたサーベイ対象集団から集めたデータ)を用いたロジスティック回帰分析で算出。実死亡率を、National Causes of Death Registerから入手し分析した。直近10年の冠動脈疾患死低下、約3分の2は3リスク低減が寄与 40年の間、2007~12年に血清コレステロール値が男女共わずかに上昇していたことを除けば、3リスクの値は低下した。男性の3リスクデータは、1972年当時は喫煙52.6%、血清総コレステロール(TC)値6.77mmol/L、収縮期血圧(SBP)値147.1mmHgであったが、2012年には29.3%、5.44mmol/L、135.9mmHgにいずれも低下した。女性については、喫煙者はもともと70年代は非常に少なく11.4%であった。2002年に22%まで上昇したが、その後は低下し12年は19.4%であった。TC値は6.69から5.30mmol/Lに、SBP値は149.2から129.1mmHgに低下した。 1969-72~2012年の間に、35~64歳住民の冠動脈疾患死亡率は、男性が82%減少(10万人当たり643例から118例)、女性が84%減少(同114例から17例)していた。 研究開始当初10年間で、3リスク因子の変化が、実死亡率の低下に寄与したことが確認された。また80年代中旬以降は、予測死亡率よりも実死亡率が下回った。 直近10年のデータの分析から、死亡減少の約3分の2(男性69%、女性66%)は3リスクの変化によるもので、残る3分の1がその他の要因であることが確認されたという。 これらの結果を踏まえて著者は、「集団ベース介入の1次予防プログラムにより、冠動脈疾患の疾病負荷および死亡は低減可能である。高リスクの人の2次予防や急性冠症候群の治療が、付加的ベネフィットをもたらす」と結論している。

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35歳以上の妊婦に分娩誘発は有害か/NEJM

 高年齢妊婦では帝王切開の頻度が高いが、35歳以上の初産妊婦に対し妊娠39週での分娩誘発は、待機的管理と比べて、帝王切開率へ有意な影響をもたらすことはなく、また母体および新生児への短期的有害作用も及ぼさないことが明らかにされた。英国・ノッティンガム大学のKate F. Walker氏らが無作為化試験の結果、報告した。35歳以上の妊婦では、より若い妊婦の場合と比べて正期産における死産リスクが高い。一方で、分娩誘発によりそのリスクは低下可能だが、帝王切開リスクが上昇する可能性が示唆されていた。NEJM誌2016年3月3日号掲載の報告。619例を対象に待機的管理群と比較した無作為化試験で評価 試験は2012年8月~15年3月に、英国内の38ヵ所のNHS病院と、1ヵ所のPrimary Care Trustの施設で、35歳以上の初妊婦619例を集めて行われた。 被験者を無作為に2群に割り付けて、一方には妊娠39週0日~6日の間に分娩誘発を行い(分娩誘発群)、もう一方には待機的管理(自然陣痛の発来まで待機、もしくは医学的処置による誘発が必要と判断されるまで)を行った(待機的管理群)。 主要アウトカムは、帝王切開とした。試験は、分娩誘発の死産に対する影響を評価するようデザインされてはおらず、検出力も有していなかった。帝王切開率に有意差なし、母体・新生児の有害転帰への影響も有意差みられず 無作為化された619例を含めたintention-to-treat解析の結果、両群間で、帝王切開を受けた妊婦の割合に有意な差はみられなかった。分娩誘発群98/304例(32%)、待機的管理群103/314例(33%)で、相対リスク(RR)は0.99(95%信頼区間[CI]:0.87~1.14)であった。 また、鉗子・吸引分娩が行われた妊婦の割合についても有意差はみられなかった。分娩誘発群115/304例(38%)、待機的管理群104/314例(33%)、RRは1.30(95%CI:0.96~1.77)であった。 母体あるいは新生児の死亡の報告はなかった。出産経験に関することや母体や新生児の有害転帰の頻度についても有意差はみられなかった。

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「果実のスムージー」が肌の色を変える?

 スムージーは、生の緑の葉野菜やフルーツなどと水をブレンダーやミキサーで混ぜ合わせた飲み物ものである。野菜や果物に豊富に含まれるカロテノイドをはじめとする栄養素や、豊富な食物繊維が簡単に、おいしく摂取できるため、健康志向の人々の間で注目されている。 カロテノイドのサプリメントがアジア人の肌の色に与える影響についてはこれまでに多くの研究が報告されているが、果物や野菜中のカロテノイド摂取量が肌の色に与える影響については、ほとんど知られていない。そこで、ノッティンガム大学マレーシアキャンパスのKok Wei Tan氏らは、フルーツスムージー中のカロテノイドが肌の色に与える影響を調査した。PLOS ONEオンライン版2015年7月号の報告。 調査対象は81人の健常なマレーシア系華人の大学生(男性34人、女性47人)、平均年齢は20.48歳(SD=1.22)であった。フルーツスムージーを摂取する群(介入群)と、ミネラルウオーターを摂取する群(対照群)に無作為に割り付け、6週間毎日 500mLずつ摂取させた。被験者は肌の黄色み、赤み、輝度に関するベースラインからの変化を介入期間中2回、2週間のフォローアップ期間終了後に1回測定された。 主な結果は以下のとおり。・4週後、介入群の肌の黄色みは有意に増加した。(p<0.001)・4週後、介入群の肌の赤みは有意に増加したが、黄色みと比較すると軽度の変化であった。(p<0.001)・介入群の肌の赤み、黄色みともにフォローアップ期間後も増大したままだった。・肌の輝度は、介入群でわずかに減少したものの、対照群と有意差はみられなかった 。(p=0.013) 著者らは、本試験を「カロテノイドが豊富に含まれたフルーツスムージーはアジア人の肌の黄色み・赤みを増大させる」と結論付けた。また、肌の反射スペクトルの解析結果から、肌の色の変化は、カロテノイドの肌への沈着による肌の色の変化によるものであろうと考察した。

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スーグラほかSGLT2阻害薬は高齢者に安全か

 3月3日、アステラス製薬株式会社は、「本邦の高齢者におけるSGLT2阻害薬の安全性と有効性」と題し、演者に横手 幸太郎氏(千葉大学大学院医学研究院 細胞治療内科学講座 教授)を招き、プレスセミナーを開催した。講演では、65歳以上の高齢者7,170人を対象としたSGLT2阻害薬イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)錠の大規模調査「STELLA-ELDER」の中間報告も行われた。約10年でHbA1cは下がったが… はじめに、2型糖尿病をメインにその概要や機序が説明された。わが国の糖尿病患者は、疫学推計で2,050万人(2012年)と予想され、この5年間で予備群といわれている層が減少した半面、糖尿病と確定診断された層は増加しているという。血糖コントロールについては、さまざまな治療薬の発売もあり、2002年と2013年を比較すると、2型糖尿病患者のHbA1cは7.42%から6.96%へと低下している。しかしながら、患者の平均BMIは24.10から25.00と肥満化傾向がみられる。SGLT2阻害薬の課題 これまで糖尿病の治療薬は、SU薬をはじめメトホルミン、チアゾリジン、DPP-4阻害薬などさまざまな治療薬が上市されている。そして、これら治療薬では、患者へ食事療法などの生活介入なく治療を行うと、患者の体重増加を招き、このジレンマに医師、患者は悩まされてきた。 そうした中で発売されたSGLT2阻害薬は、糖を尿中排出することで血糖を下げる治療薬であり、体重減少ももたらす。また、期待される効果として、血糖降下、膵臓機能の改善、血清脂質の改善、血圧の低下、腎機能の改善などが挙げられる。その反面、危惧される副作用として、頻尿による尿路感染症、脱水による脳梗塞などがあり、昨年、日本糖尿病会から注意を促す「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が発出されたのは記憶に新しい。 米国では、処方率においてDPP-4阻害薬をすでに抜く勢いであるが、わが国では、5%前後と低調である。今後、わが国でも適応の患者にきちんと使えるように、さらなる検証を行い、使用への道筋を作ることが大切だという。スーグラ処方の注意点 続いて、イプラグリフロジン(スーグラ)錠について、高齢者を対象に行われた全例調査「STELLA-ELDER」の中間報告の説明が行われた。 「STELLA-ELDER」は、スーグラの高齢者への安全性について確認することを目的に、2014年4月から2015年7月にかけて、本剤を服用した65歳以上(平均72.2歳)の2型糖尿病患者(n=7,170)について調査したものである。 スーグラの副作用の発現症例率は全体で10.06%(721例)であった。多かった副作用の上位5つをみてみると皮膚疾患(2.27%)が最も多く、次に体液量減少(1.90%)、性器感染症(1.45%)、多尿・頻尿(1.32%)、尿路感染症(0.77%)などであった。いずれも重篤ではなく、90%以上がすでに回復している。また、これら副作用の発現までの日数について、「脱水・熱中症」「脳血管障害」「皮膚関連疾患」「尿路/性器感染」は、投与開始後早期(30日以内)に発現する傾向が報告された。 スーグラの全例調査で注目すべきは、高齢者に懸念される「低血糖」の発現状況である。全例中23例(0.3%)に低血糖が発現し、とりわけBMIが18.5未満の患者では発現率が高い(6.8%)ことが示された。また、腎機能に中等度障害、軽度障害がある患者でも高いことが報告された。その他、体液減少に伴う副作用の発現については、75歳以上(68/2,223例)では75歳未満(68/4,947例)に比べ、発現率が約2倍高くなることも示された。 最後に、横手氏は、「これらの調査により、腎機能が低下している、痩せている高齢者(とくに75歳以上)には、処方でさらに注意が必要となることが示された。今後も適正な治療を実施してほしい」とレクチャーを終えた。アステラス製薬 「STELLA-ELDER」中間報告はこちら(pdfが開きます)「SGLT2阻害薬」関連記事SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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CTO再灌流、生存率改善はみられないものの、バイパス術施行を有意に減らす

 慢性完全閉塞(CTO)に対する経皮的冠動脈形成術(PCI)の成功率は、術者の経験の蓄積、デバイスや手技の改善により向上している。とくに薬剤溶出ステント(DES)の登場によって、ベアメタルステントに比べて再狭窄発生や再灌流療法の再施行が減少し、複雑なCTOに対するPCI施行が容易になった。これまでにも、CTOに対する再灌流療法によって、症状の改善、左室駆出率の改善、バイパス術の減少などが報告されているが、生命予後の改善に関しては一定した結果が得られていない。韓国のグループが、DESのみを用いたPCIによる研究結果をJACC Cardiovascular Interventions 誌オンライン版2016年2月25日号で発表した。CTOレジストリを使用し、nativeの冠動脈に対するCTO患者1,173例を解析 2003~14年に登録された、nativeの冠動脈(血行再建を受けていない)にCTO病変を有する患者1,173例が解析の対象となった。すべてのPCI成功患者においてDESが使用された(1,004例、85.6%)。主要安全性評価項目は、CTO-PCI成功群と非成功群間の全死亡および死亡とQ波心筋梗塞発生の複合。主要有効性評価項目は、標的血管の再灌流とバイパス手術の発生であった。4.6年のフォローアップ、全死亡および死亡と心筋梗塞の発生率もCTO-PCI成功群と不成功群で有意差なし フォローアップ期間の中央値は4.6年で、患者の平均年齢は60歳、82.7%が男性であった。全死亡率および死亡と心筋梗塞の複合発生率いずれにおいても、調整リスクはCTO-PCI成功群と非成功群で同等であった(HR:1.04、95%CI:0.53~2.04、p=0.92とHR:1.05、95%CI:0.56~1.94、p=0.89)。CTO以外の冠動脈への完全再灌流が行われた879例の全死亡および死亡と心筋梗塞発生の複合リスクも、CTO-PCI成功患者と不成功患者とで違いは認められなかった。この結果は、患者がCTOを含めた多枝病変を持っている場合、もしくはCTO単独病変の場合のいずれにおいても同様であった。CTO-PCI不成功群では再灌流、バイパス術の施行率が有意に高い PCI後のフォローアップにおいて、CTO-PCI成功群では95.2%が無症候であったのに対し、CTO-PCI不成功群では半数以上が何らかの狭心症症状を訴えていた。標的血管の再灌流療法とバイパス術の施行率は、CTO-PCI不成功群で有意に高かった(HR:0.15、95%CI :0.10~0.25、p

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過敏性腸症候群に新たな光が(解説:内藤 正規 氏)-493

 過敏性腸症候群は、日本人の約10~15%に認められる頻度の高い疾患であり、消化器症状により受診する人の約3割を占めるといわれている。内視鏡検査や血液検査で明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感を伴う便秘や下痢が長く続き、多くの人々を悩ませている。そのような人々に光を差す可能性がある、下痢型の過敏性腸症候群に対しての新たな治療薬である混合型オピオイド作用を有する製剤eluxadolineの有効性を示す第III相試験の結果が、Anthony J Lembo氏らのグループにより報告された。 オピオイド受容体には、μ・κ・δの3種類のサブタイプがあり、主な発現部位や薬理作用が異なる。μ受容体の刺激は、鎮痛作用と消化管運動の抑制作用を発揮し、κ受容体の活性化は鎮痛・鎮静作用を発揮する。一方、δ受容体は、情動・神経伝達物質の制御や依存に関与する。eluxadolineは、μ・κ受容体のアゴニスト、δ受容体のアンタゴニストであり、鎮痛・鎮静作用と消化管運動の抑制作用を有し、依存性を回避できる薬といえる。 eluxadolineの投与により、腹痛の軽減、便性状の改善が得られた症例の割合は投与期間を問わず、プラセボ群、150mg/日を投与した群、200mg/日を投与した群の順に有意に高くなり、下痢型の過敏性腸症候群に対して量依存性に有効であった。一方、悪心・便秘・腹痛といった有害事象は、有意ではないものの量依存性にプラセボ群と比較して高い傾向にあり、少ないものの膵炎の発症も認めた。 本試験の結果から、過敏性腸症候群に対してeluxadolineが有効で安全であることが示された。下痢型の過敏性腸症候群の治療に新たな光を差す薬剤であると考えられるが、有害事象に対する医療者の注意も必要である。

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タバコ有害説は江戸時代から!?

タバコの害は400年以上前から知られていた!? 日本にタバコが伝来したのは安土桃山時代。ポルトガル人宣教師らが持ち込んだといわれています。タバコを吸う人を初めてみた当時の日本人は「南蛮人は腹の中で火を焚いている」と思ったそうです。 1605年に国内で初の禁煙令が出されたという記録があります。以後、江戸時代には何度も「禁煙令」が出されています。 1713年、儒学者もタバコの害に言及しています。「烟草(タバコ)は性毒あり。烟(けむり)をふくみて、眩(めま)ひ倒るる事あり。習へば大なる害なく、少しは益ありといへ共、損多し。病をなす事あり。又火災のうれひあり。習へばくせになり、むさぼりて、後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初めよりふくまざるにしかず。貧民は費多し」「タバコには毒性がある。(中略)知ってしまうと癖になり、次から次へと吸い、そうなってしまうと止められなくなる。(中略)初めから喫煙しないのが良い」(貝原益軒『養生訓』より)社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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急性双極性うつ病に対する非定型抗精神病薬の信頼性は

 双極性障害(BD)に関連する混合性の特徴を伴う急性うつ病の治療における第2世代抗精神病薬(SGA)の使用を支持するエビデンスは乏しく、不明確である。そのような中、米国・コロンビア大学のMichele Fornaro氏らは、混合特徴を伴う急性BDのうつ病治療に対するSGAを調査した研究のシステマティックレビューと予備メタ解析を行った。International journal of molecular sciences誌2016年2月号の報告。 独立した2人の著者が、1990~2015年9月の期間で主要な電子データベースより、混合性の特徴を伴う急性双極性うつ病治療に対するSGAの有効性を調査した無作為化(プラセボ)対照比較試験(RCT)またはオープンラベル臨床試験の検索を行った。ランダム効果メタ解析により、SGAとプラセボ間のうつ症状および躁症状のスコアのベースラインからエンドポイントまでの変化に関する標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・RCT 6報、オープンラベルプラセボ対照研究(事後レポートを含む)1報から1,023例の患者が抽出された。・対象患者には、ziprasidone、オランザピン、lurasidone、クエチアピン、asenapineのいずれかが、平均6.5週間投与されていた。・Duval and Tweedie調整により出版バイアスを加味したメタ解析では、SGAは、ヤング躁病評価尺度(YMRS)総スコアの平均値により評価されるように、混合性の双極性うつ病の躁(軽躁)症状の有意な改善をもたらした(SMD:-0.74、95%CI:-1.20~-0.28、SGA:907例、対照:652例)。・メタ解析では、SGA治療患者(979例)は、プラセボ群(678例)と比較してモンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)スコアの大幅な改善が認められた(SMD:-1.08、95%CI:-1.35~-0.81、p<0.001)。 著者らは「全体的に、SGAはプラセボと比較し、MADRSやYMRSスコアの良好な改善が認められた。しかし、本報告の予備的な性質を考えると、信頼性の向上や決定的な結論を導くために追加のオリジナル研究が必要とされる」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 精神病性うつ病に、抗うつ薬+抗精神病薬は有効か

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ANGPTL4、LPL、SVEP1遺伝子変異は冠動脈疾患と関連/NEJM

 アンジオポエチン様タンパク質 4をコードしているANGPTL4の機能喪失型遺伝子変異キャリアは、非キャリアと比較してトリグリセライド値が有意に低く、同変異体が冠動脈疾患の予防と関連していることを、米・マサチューセッツ総合病院のNathan O. Stitziel氏らが大規模なゲノムワイド解析を行い、明らかにした。冠動脈疾患の発症にはリポ蛋白リパーゼ(LPL)経路が重要な役割を担っており、この経路を治療により調整することで冠動脈疾患の予防につながる可能性がある。近年、冠動脈疾患リスクに影響を及ぼす低頻度コード変異体が発見され、冠動脈疾患の治療や予防のターゲットとして注目されている。NEJM誌オンライン版2016年3月2日号掲載の報告。冠動脈疾患患者約7万人、対照者約12万人のDNA遺伝子型解析を実施 研究グループは、冠動脈疾患患者7万2,868例および冠動脈疾患を有していない対照者12万770例においてDNA遺伝子型解析を行い、1万3,715個のヒト遺伝子を含む5万4,003個(マイナー対立遺伝子頻度[MAF]>0.01%)のコード配列変異を調べるとともに、DNA配列分析により機能喪失型変異の影響を調査した。 また、心筋梗塞患者6,924例および非冠動脈疾患患者6,834例のエクソーム配列解析からANGPTL4のエクソン配列を調べ、機能喪失型対立遺伝子と血中脂質との関連を分析した。さらなるコード変異体が出現する可能性も 先行研究で、LPA遺伝子およびPCSK9遺伝子の低頻度ミスセンス変異が冠動脈疾患と関連することが示されていたが、同様の関連が確認された。また、SVEP1遺伝子の低頻度ミスセンス変異が冠動脈疾患のリスク上昇(p.D2702G;MAF:3.60%、疾患オッズ比[OR]:1.14、p=4.2×10-10)と、ANGPTL4遺伝子の低頻度ミスセンス変異が冠動脈疾患の予防(p.E40K;MAF:2.01%、OR:0.86、p=4.0×10-8)とそれぞれ関連していた。 ANGPTL4の機能喪失型対立遺伝子変異キャリアは、心筋梗塞患者6,934例中9例、対照6,834例中19例に認められ、機能喪失型対立遺伝子変異キャリアで冠動脈疾患のリスクが有意に低いことが明らかとなった(OR:0.47、p=0.04)。また、ANGPTL4機能喪失型対立遺伝子キャリアは、非キャリアと比較し、LDLまたはHDLコレステロール値に有意差はなかったものの、トリグリセライド値が35%有意に低かった(p=0.003)。 ANGPTL4はLPLを阻害することから、LPL遺伝子変異を調べた結果、冠動脈疾患のリスク増加と関連する機能喪失型ミスセンス変異(p.D36N;MAF:1.9%、OR:1.13、p=2.0×10-4)、および冠動脈疾患の予防と関連する機能獲得型ナンセンス変異(p.S447*;MAF:9.9%、OR:0.94、p=2.5×10-7)を同定した。 著者は、「より大きなデータセットとエクソン変異のより広範囲の解析により、冠動脈疾患のリスクと関連する、さらなるコード変異体が出現する可能性がある」と述べている。

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妊婦の体重増加に関する国際基準が完成/BMJ

 英国・オックスフォード大学のLeila Cheikh Ismail氏らは、INTERGROWTH-21stプロジェクト「胎児発育追跡研究(Fetal Growth Longitudinal Study:FGLS)」のデータを用い、妊娠中の体重増加量について国際基準を作成した。現在利用されている妊娠中の体重増加のガイドラインやチャートは、特定の国の研究から得られたもので、研究方法などに違いがあるため適正な体重増加量にも差があり、コンセンサスが得られていなかった。BMJ誌オンライン版2016年2月29日号掲載の報告。8ヵ国で適切な妊婦管理を受けた母親を対象に検討 FGLSは、胎児発育の国際標準を作成する目的で、健康・栄養状態が良好で教育を受けた女性を登録し、適切な妊婦管理を行い胎児の発育を前向きに追跡調査した研究である。2009年4月~14年3月に、地理的に多様な8ヵ国(ブラジル・中国・インド・イタリア・ケニア・オマーン・イギリス・アメリカ)の都市部で実施された。 今回、研究グループは、妊娠中の体重増加量(gestational weight gain:GWG)について国際基準を作成すべく、FGLSのデータを解析した。解析対象は、FGLSに登録された妊娠14週未満の妊婦4,607人のうち、先天奇形のない単胎児を出産した4,313人であった。 母親の体重は、妊娠を確認した初回受診時(妊娠14週未満)から5週(±1週)ごとに、標準化された方法および同じ体重計で測定された。妊娠40週での体重増加量は平均13.7kg 地域におけるGWGの変動を調べたところ、地域内変動が59.6%、地域間変動が9.6%で、前者が6倍高かった。 妊娠時期別の平均GWGは、妊娠14~18週1.64kg、19~23週2.86kg、24~28週2.86kg、29~33週2.59kg、34~40週2.56kgであった。また、妊娠40週時における総GWGは、妊娠初期に標準体重(BMI:18.50~24.99)であった3,097人において、平均13.7kg(標準偏差[SD]:4.5)であった。 測定したすべてのGWG値のうち、71.7%(1万639/1万4,846)は期待値の1SD内に、94.9%(1万4,085/1万4,846)は閾値である2SD内であった。測定データを基に、妊娠週数ごとのGWGパーセンタイル値(3、10、25、50、75、90、97)を算出した。

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離婚と脳卒中リスク~日本人5万人のデータ

 婚姻状態の変化と心血管疾患リスクの関連についての知見は一貫しているが、脳卒中リスク、とくに脳卒中のサブタイプ別にみた研究はほとんどない。大阪大学の本庄かおり氏らが婚姻状態の変化(離婚)と脳卒中リスクとの関連について検討した結果、これらには正の相関が認められ、その相関は生活環境や雇用状況により変化することが示された。Stroke誌オンライン版2016年3月1日号に掲載。 著者らは、多目的コホート研究(JPHC研究)のデータを用いて、ベースラインの5年前の時点で結婚していた男性2万4,162人と女性2万5,626人において、婚姻関係の変化と脳卒中リスクとの性特異的な関連を調べた。婚姻関係の変化は、ベースライン時の配偶者の有無により判定した。脳卒中リスクの加重ハザード比は、傾向スコアを用いたInverse probability of weighting法を用いてCox比例回帰分析により推定した。 主な結果は以下のとおり。・婚姻状態の変化(すなわち既婚から独身)のあった男女で、脳卒中リスク、とくに出血性脳卒中の増加が認められた。加重ハザード比(95%CI)は、男性1.26(1.13~1.41)、女性1.26(1.09~1.45)であった。・婚姻状態の変化があった参加者で子供と一緒に住んでいる人は、脳卒中リスクが増加した。・婚姻状態の変化による脳卒中リスクの増加は、男性においては両親との生活により緩和されたが、女性ではそのような効果は認められなかった。・婚姻状態の変化による脳卒中リスクの増加は、仕事のない女性で増大し、加重ハザード比は2.98(95%CI:1.66~5.33)であった。

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テロのストレスがもたらす心血管イベント増加:フランス

 2015年1月7日朝に起こった「シャルリー・エブド事件」は、3日間のパリにおけるテロ攻撃の幕開けとなった。その際、地元メディアは、攻撃の詳細な報道に、彼らのプログラムの大部分を割いた。Francesco Della Rosa氏らは、感情的なストレスが心血管関連入院の増加を引き起こすと仮定し、トゥールーズ(フランス)における2015年1月の胸痛ユニットの状況を分析した。Archives of Cardiovascular Diseases Supplements誌2016年1月号の掲載報告。 結果は以下のとおり。・2015年1月は合計346例の患者が胸痛ユニットに来診し、162例が入院あるいは最低1晩滞在、退院は184例であった。・テロ攻撃の3日間(2015年1月7~9日)の入院を要する心血管イベントの1日の罹患数は、2015年1月の他の日に比べ75%上昇した(4.85 vs.8.67、 95%CI:1.44~6.15、p=0.0025)。・翌週の同じ曜日の1日の入院率と比較しても同様の結果が得られた(3.67 vs. 8.67、95%CI:2.38~7.62、p=0.0061)。・テロ攻撃後の3日間では有意な減少が観察された(4.67 vs.8.67、95%CI:1.77~6.23、p=0.0058)。 ・心血管特異的に原因をみると、1月全体と比較してST上昇心筋梗塞は+180%(p=0.029)、非ST上昇心筋梗塞は+60.9%(p=0.014)、症候性不整脈は+71.9%(p=0.027)、心不全は+86.7%(p=0.035)と有意な増加を示した。 このデータは、メディアによるテロ攻撃の集中的な中継など、高ストレスな経験は、心血管イベントでの入院につながる胸痛の重要な受診を誘発することを示した。

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FDA、パルボシクリブのHR+ HER2-転移乳がんへの適応拡大を承認

 米ニューヨーク州ニューヨーク発、ファイザー社は2016年2月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、転移乳がん治療薬パルボシクリブ(商品名:IBRANCE)125mgカプセルの適応拡大を承認したと発表。これまでの適応症に加え、内分泌療法後に疾患が進行したホルモン受容体陽性・ヒト上皮成長因子受容体2陰性(HR+HER2-)転移乳がんに対するフルベストラントとの併用治療の承認を取得した。 今回のパルボシクリブの医薬品承認事項変更申請(sNDA)による適応拡大は、FDAによるブレークスルー・セラピー指定と優先審査プログラムの下、第Ⅲ相試験(PALOMA-3)の結果に基づいて審査・承認されたもの。 PALOMA-3試験には、内分泌療法後に疾患が進行した転移乳がん患者521名が参加し、パルボシクリブ+フルベストラント群とプラセボ+フルベストラント群に2対1で無作為割り付けされた。結果、パルボシクリブ+フルベストラント群のPFS中央値は9.5ヵ月(95%CI: 9.2‐11.0)、プラセボ+フルベストラント群は4.6ヵ月(95%CI: 3.5‐5.6)と、パルボシクリブ+フルベストラントの投与はPFSを有意に改善した(HR:0.461、95%CI: 0.360‐0.591、p

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