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リスペリドンの功績は、プラセボ比較試験を解析

 リスペリドンは、ジェネリック医薬品が発売された初めての新世代抗精神病薬である。オーストラリア・ローガン病院のRanganath D Rattehalli氏らは、統合失調症治療におけるリスペリドンの臨床効果、安全性、コスト効果についてプラセボとの比較を行った。The Cochrane database of systematic reviews誌オンライン版2016年12月15日号の報告。 CINAHL、BIOSIS、AMED、EMBASE、PubMed、MEDLINE、PsycINFO、臨床試験レジストリの定期的検索をベースとするCochrane Schizophrenia Group Trials Registerを2015年10月19日時点で検索した。さらに選出した試験の参考文献も調べて試験を検索し、著者と連絡して追加情報も得た。適格とした試験は、統合失調症もしくは統合失調症様障害患者を対象とし、経口リスペリドンとプラセボ治療を比較した無作為化試験であった。2人の独立したレビュアーにより試験をスクリーニングし、試験および抽出データのバイアスリスクを評価した。二分法データの場合、intention-to-treatベースでリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出した。結果要約(Summary of findings table)テーブルは、GRADEを使用し作成した。 主な結果は以下のとおり。・レビューには15件の試験(2,428例)が含まれた。・選択バイアスリスク(とくに割り付けの秘匿)は、多くの試験で不明であった。・データの欠落や選択的報告などの他のリスクは、感度分析により示されるように、主要アウトカムに影響を及ぼさなかった。・多くの試験は、企業スポンサーが関与していた。・リスペリドン群は、精神症状において有意な臨床改善を達成する可能性が高いことが示された(6RCT、864例、RR:0.64、95%CI:0.52~0.78、質的エビデンス:非常に低い)。・50%超の減衰率を有する3件の試験を分析から除外しても、この効果は示された(3RCT、589例、RR:0.77、95%CI:0.67~0.88)。・プラセボ群は、リスペリドン群と比較し、臨床全般印象度(CGI)スケールにおいて、臨床的に有意な改善が得られなかった(4RCT、594例、RR:0.69、95%CI:0.57~0.83、質的エビデンス:非常に低い)。・全体として、リスペリドン群はプラセボ群と比較し、早期退院の可能性が31%低く(12RCT、2,261例、RR:0.69、95%CI:0.62~0.78、質的エビデンス:低い)、重大な錐体外路系副作用の発現率が高かった(7RCT、1,511例、RR:1.56、95%CI:1.13~2.15、質的エビデンス:非常に低い)。・リスペリドン群、プラセボ群にクロザピン増強を行った場合、両群間の臨床応答(PANSS/BPRSスコアの20%未満の減少)に有意な差は認められなかった(2RCT、98例、RR:1.15、95%CI:0.93~1.42、質的エビデンス:低い)。試験中止(何らかの原因による試験中止)も同様であった(3RCT、167例、RR:1.13、95%CI:0.53~2.42、質的エビデンス:低い)。・1件の試験において、CGIを用いた臨床的に有意な反応が認められたが、効果は認められなかった(1RCT、68例、RR:1.12、95%CI:0.87~1.44、質的エビデンス:低い)。・錐体外路系副作用のデータは入手できなかった。 著者らは「リスペリドン治療は、プラセボと比較し、精神症状の改善に有用であるが、より多くの有害事象を引き起こすことが示されており、エビデンスの質は低かった。また、15件中8件の試験は、製薬企業スポンサーが関与していた」としている。関連医療ニュース いま一度、ハロペリドールを評価する スルピリドをいま一度評価する いま一度、抗精神病薬ピモジドを評価する

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牛乳摂取と認知障害は関連するのか~メタ解析

 牛乳摂取と認知障害との関連性を調査したいくつかの疫学研究における結果は一致していない。今回、中国人民解放軍総合病院のLei Wu氏らが牛乳摂取量と認知障害の関連についてメタ解析を行ったところ、これらに有意な逆相関を認めたが、研究のさまざまなリミテーションにより関連性を立証することはできなかった。Nutrients誌2016年12月号に掲載。 著者らは、PubMedとEMBASEのデータベース開始から2016年10月までで、牛乳摂取量と認知障害(アルツハイマー病、認知症、認知機能低下/障害)との関連を報告している観察研究を検索した。牛乳の最低摂取レベルに対する最高摂取レベルのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を逆分散ランダム効果法で統合し、またサブグループおよびメタ回帰分析を用いてサブグループ間の異質性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・計1万941人の参加者を含む7報を同定した。・牛乳の最高摂取レベルは、認知障害リスクの低下と有意に関連しており、統合OR (95%CI)は0.72(0.56~0.93)であった。なお、有意な異質性が認められた(I2=64%、p=0.001)。・サブグループ解析によると、虚血性脳卒中患者での牛乳摂取量と認知障害リスクの関連がより顕著であった(1つの研究に基づく)。・牛乳摂取量と認知障害との有意な逆相関がみられたのはアジア人のみであり、アフリカ人では有意ではないが傾向が認められた。

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研修医が行った緑内障手術の再手術・合併症の頻度

 緑内障手術を3年目の研修医が実施した場合、術後最初の90日以内における再手術率や合併症発生率はどのくらいなのか、米国・カリフォルニア大学のYen C Hsia氏らが、後ろ向き調査で調べた結果、再手術率は約4%で、受け入れられる結果であることが示された。また、手術法による再手術率および合併症発生率に差はなく、再手術を要した患者の臨床転帰も良好であったという。Journal of Glaucoma 誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。 研究グループは、2002~14年にサンフランシスコ退役軍人医療センターにおいて、3年目の研修医が緑内障手術を行った合計180例(線維柱帯切除術34例、Ex-PRESSシャント85例、Ahmed glaucoma valve[AGV]61例)について、後ろ向きに調査した。初回手術後90日以内に再手術を要した患者は対象に含み、併用手術を受けた患者は除外した。 評価項目は、手術後最初の90日以内における合併症と再手術率とした。また、再手術を要した患者については、1年間の追跡調査を行い、臨床転帰を評価した。 主な結果は以下のとおり。・180の手術例中104眼が合併症を発症した。合併症で最も多かったのは、脈絡膜滲出(65.3%)で、次いで低眼圧(45.2%)、創口漏出(32.7%)であった。・合併症は、線維柱帯切除術、Ex-PRESSおよびAGVの3群間で類似していたが、濾過手術(線維柱帯切除術、Ex-PRESS)はAGVより創口漏出が有意に多かった(p<0.001)。・180例中7例(3.9%)は、最初の手術後90日以内に再手術を必要とした。・再手術率は、線維柱帯切除術群0%、Ex-PRESS群4.7%、AGV群4.9%で、再手術の適応は、持続的な創口漏出(4例)および管内閉塞(3例)であった。・再手術を要した7例では、初回緑内障手術前と比較し再手術1年後において、緑内障治療薬の数は同数で視力は不変であったが、眼圧は有意に減少していた(p<0.001)。

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小児の神経線維腫症1型に有望なMEK阻害薬/NEJM

 神経線維腫症1型と手術不能な叢状神経線維腫の小児患者に対し、開発中の経口selumetinibを投与することで、約7割で腫瘍容積が2割以上減少することが示された。米国国立がん研究所のEva Dombi氏らが、第I相臨床試験の結果、明らかにした。神経線維腫症1型関連の叢状神経線維腫は、RASマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達が活発であるのが特徴で、現状では有効な薬物療法はない。NEJM誌2016年12月29日号掲載の報告。1日2回、20~30mg/m2を長期に投与 研究グループは、神経線維腫症1型と手術不能な叢状神経線維腫の小児・年少患者(範囲:3.0~18.5歳)を対象に試験を行い、selumetinibの最大耐用量と血漿中薬物動態について評価を行った。 selumetinibは、1日2回(20~30mg/m2)、28日サイクルで継続投与した。また、神経線維腫症1型関連の神経線維腫のマウスモデルにも、同様にselumetinibの投与と評価を行った。 ベースラインからの叢状神経線維腫容積の増減について、容積測定MRI解析法を用いてモニタリングを行い、治療に対する反応を評価した。最大耐用量は25mg/m2と推奨成人用量の約6割 被験者は24例で年齢中央値は10.9歳、ベースラインの腫瘍容積中央値は1,205mL(範囲:29~8,744mL)だった。投与サイクル中央値は30回と長期的に行われ、最大耐用量は25mg/m2と、推奨成人用量の約60%だった。 結果、selumetinib投与によって、腫瘍容積がベースラインから20%以上減少(部分奏効)が認められたのは、24例中17例(71%)だった。マウスでは18匹中12匹(67%)で神経線維腫容積の減少が認められた。 なお、腫瘍容積がベースラインから20%以上増大(疾患進行)例は報告されていない。一方でベースラインでは認められた、腫瘍関連の疼痛、身体の美観的損傷(disfigurement)、運動機能障害が、投与後に改善するという事例的エビデンスが観察された。

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EGFR T790Mの血漿検査結果を提供:アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:デイヴィド・フレドリクソン、以下、アストラゼネカ)は、2017年1月5日より、タグリッソ 40mg/80mg(一般名:オシメルチニブメシル酸塩、以下、タグリッソ)のコンパニオン診断薬 コバスEGFR変異検出キットv2.0(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)を用いたT790M血漿検査結果の倫理提供(T790M血漿検査結果提供プログラム)を開始すると発表した。 この取り組みは、既存の腫瘍組織採取によるT790M遺伝子変異検査の実施が困難なEGFR-TKI耐性患者の緊急の治療ニーズを支援する倫理的観点から、2016年12月26日に薬事承認されたコバスEGFR変異検出キットv2.0によるT790M血漿検査が保険適用されるまでの期間、タグリッソが納入または採用されている医療施設に限定して、アストラゼネカがT790M血漿検査結果を無償提供するもの。 タグリッソは、治療開始前に十分な経験を有する病理医または検査施設において、患者のEGFR T790M変異陽性を確認する必要がある。検査にはコンパニオン診断薬 コバスEGFR変異検出キットv2.0、以下、T790M検査が用いられるが、現在本邦での保険適用は組織検体による検査のみである。そのため、再生検による腫瘍組織採取の侵襲性から組織採取が困難な場合があり、EGFR-TKI耐性獲得患者のおよそ40%が、T790M組織検査を受けられず、治療機会を逸してしまう可能性があるという。プログラム実施概要 名 称:T790M血漿検査結果提供プログラム 開始日:2017年1月5日 終了日:コバスEGFR変異検出キットv2.0を用いたT790M血漿検査の保険適用日前日   (予測困難な諸般の事情により、やむを得ず本プログラムを中止することがある) 対象施設:以下のいずれかの要件を満たす施設  1. タグリッソが納入されている施設  2. タグリッソが薬事審議会等の院内規定に基づいて正式採用   または仮採用(臨時採用等含む)されている施設 対象患者 :以下のすべての要件を満たす患者  1. EGFR-TKIに抵抗性の手術不能又は再発非小細胞肺がん患者  2. 腫瘍組織の採取(再生検)が困難なため、T790M組織検査を実施できない患者  3. T790M血漿検査を用いた臨床研究等により、検査費用が負担されていない患者アストラゼネカ株式会社プレスリリースはこちら

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リケッチア症に気を付けろッ!その3【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。第25回となる今回は、「リケッチア症に気を付けろッ! その3」です。前回からだいぶ時間が空いてしまいましたが、おそらく誰も気付いていないと思いますので、何食わぬ顔で続けたいと思います。今回は、ツツガムシ病と日本紅斑熱の診断と治療についてですッ!鑑別診断あれこれツツガムシ病と日本紅斑熱は、流行地域が一部重複しており、また臨床像も似ています。痂皮の大きさ、リンパ節腫脹の有無、皮疹の分布など細かい差異があることについては前回(第24回)ご説明しました。さて、それではリケッチア症以外に鑑別診断として考えるべき疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。よく流行地域で問題になっているのは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)との鑑別ですね。SFTSは第1、2回でご紹介したとおり、西日本で発生がみられるマダニ媒介性感染症です。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの臨床像がリケッチア症と共通しており、またまれにSFTSでも皮疹がみられることもあるようです。流行地域は異なりますが、同様の臨床像を呈する疾患として、これまた第3、4回でご紹介したBorrelia miyamotoi感染症も挙げられます。これまでのところ報告は北海道に限られていますが、北海道以外の都道府県でもmiyamotoiを保有するマダニは分布しているといわれています。さらにさらに、第22回でご紹介したヒト顆粒球アナプラズマ症も臨床像は酷似しています。これらのマダニ媒介感染症は、リケッチア症における重要な鑑別診断すべき疾患といえるでしょう。しかし、これらのマニアックな鑑別診断だけではありません。それ以外にも発熱+皮疹があり、気道症状があれば麻疹、風疹、水痘、パルボウイルスB19感染症、髄膜炎菌感染症などを考えなければなりませんし、海外渡航歴があればデング熱、チクングニア熱、ジカ熱などを考えなければなりません。これらに加えて、いわゆる「フォーカスがはっきりしない発熱」を呈する患者さんを診た場合には、表のような感染症を考えるようにしましょう。画像を拡大するどうするリケッチア症の確定診断さて、ツツガムシ病と日本紅斑熱の診断はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査または抗体価検査で診断します。コマーシャルベースでの検査としては、ツツガムシ病の血清抗体検査があります。国内のリケッチア症検査において、ツツガムシ病の血清型Orientia tsutsugamushi Kato、Karp、Gilliamの3種の抗原のみが血清診断の体外診断薬として承認、保険適用となっています。急性期血清でIgM抗体が有意に上昇しているとき、あるいは、ペア血清で抗体価が4倍以上上昇したときが陽性となりますが、注意点としては1回の抗体検査では診断がつかないことが多いため、1回目が陰性であったとしても2〜4週後にペア血清を提出すべしッ! です。また、もはや遠い過去になりましたが「リケッチア症に気を付けろッ! その1」でお話したとおりタテツツガムシによる血清型Kawasaki/Kurokiに関しては交差反応による上昇で診断するしかなく、Kato、Karp、Gilliamの3種が上昇していないからといってツツガムシ病を否定することができないのが悩ましいところです。すなわちッ! これらの抗体検査が陰性であっても強くツツガムシ病を疑う場合や日本紅斑熱を疑った際には、保健所を介して行ういわゆる「行政検査」になりますッ! 最寄りの保健所に連絡して、検査を依頼しましょう。地方衛生研究所では、抗体検査以外にもPCRが可能なことがあります。PCRを行うための検体は一般的には全血を用いますが、痂皮のPCRも有用であるという報告があります。地方衛生研究所によっては、痂皮のPCRを施行してくれるかもしれませんので確認しましょう。リケッチア症の治療このように、ツツガムシ病や日本紅斑熱は、ただちに診断がつくものではありません。だからといって診断がつくまで治療をせずにいると、重症化することも多々ありますので、これらのリケッチア症を疑った際には、エンピリック治療を開始すべきでしょう。「治療開始の遅れが、重症化のリスクファクターとなっていた」という報告もありますので、リケッチア感染症を疑い次第、ミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)点滴もしくはドキシサイクリン(同:ビブラマイシン)内服での治療を開始しましょう。点滴であればミノサイクリン100mgを12時間ごと、内服であればドキシサイクリン100mgを1日2回になります。通常であれば72時間以内に解熱がみられることが多いとされています。妊娠や年齢などの問題でテトラサイクリン系が使用できない場合、ツツガムシ病ではアジスロマイシン(同:ジスロマック)が、日本紅斑熱ではニューキノロン系薬が第2選択薬になります。リケッチア症の種類によって第2選択薬が異なりますので、お間違えのないようにご注意ください。というわけで、3回にわたって国内の代表的なリケッチア症であるツツガムシ病と日本紅斑熱についてご紹介してきました。次回は、日本国内でみつかっているまれなリケッチア症についてご紹介したいと思いますッ! まだまだ日本には、あまり知られていないリケッチア症が存在するのですッ!!1)Lee N, et al. Am J Trop Med Hyg. 2008;78:973-978.2)Kim DM, et al. Clin Infect Dis. 2006;43:1296-1300.

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せん妄に対するリスペリドン vs. ハロペリドール vs.プラセボ

 せん妄症状に苦慮している患者に対し抗精神病薬が使用されているが、緩和ケアにおけるプラセボ対象試験では、その有効性は確立されていない。オーストラリア・フリンダーズ大学のMeera R Agar氏らは、緩和ケア患者のせん妄症状緩和に対するプラセボまたはリスペリドン、ハロペリドールの有効性を検討した。JAMA internal medicine誌2017年1月号の報告。リスペリドン、ハロペリドール、プラセボをせん妄患者に投与 本検討は、2008年8月13日~2014年4月2日の間、オーストラリアの入院施設または病院緩和ケアサービス11件で行われた二重盲検並行群間用量漸増無作為化臨床試験。対象患者は、生命を脅かす疾患でせん妄を有し、せん妄症状スコア(Nursing Delirium Screening Scaleの行動、コミュニケーション、知覚項目の合計)が1以上とした。せん妄症状に基づき、年齢で調整したリスペリドン、ハロペリドール、プラセボ内用液剤を12時間ごとに72時間、漸増用量にて投与した。対象患者には、重度の苦痛や安全のために必要とされるサポーティブケア、せん妄の鎮静に対する個別治療、ミダゾラム皮下投与を行った。主要アウトカムは、ベースラインと3日目のせん妄症状スコア(重症度範囲:0~6)の平均群間差の改善とした。副次的アウトカムは、せん妄の重症度、ミダゾラム使用、錐体外路系作用、鎮静、生存とした。 リスペリドン、ハロペリドールおよびプラセボのせん妄症状緩和に対する有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・247例(平均年齢:74.9歳[SD:9.8]、女性85例[34.4%]、がん患者218例[88.3%])がintention to treat(ITT)解析に含まれた(リスペリドン群:82例、ハロペリドール群:81例、プラセボ群84例)。・主要ITT解析では、リスペリドン群は、プラセボ群と比較し、試験終了時のせん妄症状スコアが有意に高かった(平均0.48高ユニット、95%CI:0.09~0.86、p=0.02)。・同様に、ハロペリドール群は、プラセボ群と比較し、せん妄症状スコアが平均0.24高ユニットであった(95%CI:0.06~0.42、p=0.009)。・リスペリドン群、ハロペリドール群共に、プラセボ群と比較し、錐体外路系作用がより多かった(リスペリドン群:0.73、95%CI:0.09~1.37、p=0.03、ハロペリドール群:0.79、95%CI:0.17~1.41、p=0.01)。・プラセボ群は、ハロペリドール群と比較し、より良好な生存期間を示したが(HR:1.73、95%CI:1.20~2.50、p=0.003)、プラセボ群とリスペリドン群に差はなかった(HR:1.29、95%CI:0.91~1.84、p=0.14)。関連医療ニュース 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大 せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか

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乾癬へのMTX高用量皮下投与は有効か/Lancet

 中等度~重度の尋常性乾癬患者に対するメトトレキサート(MTX)の高用量皮下投与について、52週時点のリスクベネフィットは良好であることが、英国・マンチェスター大学のRichard B Warren氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。中等度~重度の尋常性乾癬治療においてMTXは使用頻度の高い全身性薬物の1つだが、その使用に関する高度なエビデンスは少なく、また投与は経口に限られていた。研究グループは、高用量皮下投与の有効性評価を目的に本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年12月21日号掲載の報告。16週時点のPASI75達成患者の割合を評価 試験は、ドイツ、フランス、オランダ、英国の16施設で行われ、18歳以上、慢性尋常性乾癬(ベースラインから6ヵ月以上)で、現在の疾患重症度は中等度~重度の、MTX未治療患者を適格とした。 患者をコンピュータ無作為化法で2群に3対1の割合で割り付け、スタート時にMTX 17.5mg/週またはプラセボを16週間投与し、その後全患者にMTXを52週時点まで投与した(MTX-MTX vs.MTX-プラセボ)。また、8週時点の評価で、PASI50未達成の患者については、投与量を22.5mg/週まで漸増した(プラセボ群も同用量を漸増)。すべての治療群の患者には葉酸5mg/週が併用投与された。なお割付治療について、被験者、研究者共に16週まではマスキングされたが、その後はマスキングを外された。 主要有効性エンドポイントは、16週時点の評価におけるPASI75達成患者の割合。解析は修正intention-to-treat集団(NRIを含む)にて行われた。達成率プラセボ群10%に対しMTX群41%、忍容性も良好 2013年2月22日~2015年5月13日に、計120例が、MTX投与群(91例)またはプラセボ投与群(29例)に無作為に割り付けられた。 16週時点のPASI75達成率は、プラセボ群10%(3例)に対し、MTX群は41%(37例)であった(相対リスク:3.93、95%信頼区間[CI]:1.31~11.81、p=0.0026)。 MTXの皮下投与の忍容性は概して高く、死亡および重篤感染症、悪性腫瘍または主要心血管イベントの報告はなかった。 重篤な有害事象が記録されたのは、MTXを52週間続けて投与を受けた3例(3%)の患者であった。 今回の結果を踏まえて著者は、「中等度~重度の尋常性乾癬患者へMTXを使用する場合は、投与ルートおよび高用量投与の予定について検討すべきである」とまとめている。

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5~18歳の脳震盪、7日以内の運動が回復を促進/JAMA

 急性脳震盪を発症した5~18歳の小児・年少者について、受傷後7日以内に運動を行ったほうが、行わなかった患者と比べて、28日時点の持続性脳震盪後症状(PPCS)を有するリスクが低いことが、カナダ・東オンタリオ研究センター小児病院(CHEO)のAnne M Grool氏らによる前向き多施設共同コホート研究の結果、示された。脳震盪治療ガイドラインでは、受傷直後は症状が治まるまで安静を支持しており、運動が回復を促進するという明白なエビデンスはなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「適切に設計した無作為化試験で、脳震盪後の運動のベネフィットを確認する必要がある」と提言している。JAMA誌2016年12月20日号掲載の報告。カナダ9つの救急部門で前向きコホート研究 検討は、2013年8月~2015年6月に、カナダ小児救急研究ネットワークに参加する9つの救急部門(ED)を急性脳震盪で受診した5.00~17.99歳の小児・年少者3,063例を登録して行われた。 登録患者は、受傷後7日と28日にWebベースのサーベイもしくは電話のフォローアップを受け、受傷後早期の運動有無などの調査を受けた。 標準化質問票を用いてEDと7日、28日時点で、運動の有無と脳震盪後症状の重症度を評価した。主要アウトカムは、28日時点のPPCS(3つ以上の新たなまたは増悪した症状)。早期運動とPPCSの関連性の分析を、未補正解析、1対1の傾向スコア適合コホート、治療の逆確率加重(IPTW)法にて評価した。また7日時点の3つ以上の症状あり群で感度解析も行った。早期運動は28日時点のPPCSリスクの低下と関連 評価を完了したのは2,413例であった。平均年齢(SD)は11.77(3.35)歳、女子が1,205例(39.3%)。被験者のうち、早期に運動を行っていたのは1,677例(69.5%)。内訳は、軽い有酸素運動が795例(32.9%)、スポーツとしての運動214例(8.9%)、ノンコンタクトな練習運動143例(5.9%)、フルコンタクトな練習運動106例(4.4%)、試合としての運動419例(17.4%)であった。一方、736例(30.5%)が運動を行っていなかった。 28日時点で、PPCSを有した患者は733例(30.4%)であった。 未補正解析において、早期運動群は、非運動群よりもPPCSリスクが低いことが示された(24.6 vs.43.5%、絶対リスク差[ARD]:18.9%、95%信頼区間[CI]:14.7~23.0%)。 傾向スコア適合コホート(1,108例)でも、早期運動はPPCSのリスク低下と関連していた(早期運動群28.7 vs.非運動群40.1%、ARD:11.4%[95%CI:5.8~16.9%])。IPTWの分析でも同様に認められた(2,099例、相対リスク:0.74[95%CI:0.65~0.84]、ARD:9.7%[95%CI:5.7~13.7%])。 7日時点で症状(PPCS)を認めた患者は、早期運動群803例(43.0%)に対し非運動群は584例(52.9%)であった。また、運動の種類別にみたサブグループ解析においても、早期運動群のPPCS発症率は低かった。それぞれのARDは、軽い有酸素運動群が6.5%(95%CI:5.7~12.5%)、中程度運動群14.3%(同:5.9~22.2)、フルコンタクト運動16.8%(同:7.5~25.5%)。このサブグループの傾向適合解析(早期運動群388例 vs.非運動群388例の計776例)における有意な差はみられなかった(47.2 vs.51.5%、ARD:4.4%[95%CI:-2.6~11.3%])。

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ネット購入可とした薬剤の安全性懸念にどう対処するか?(後藤 信哉 氏:解説)-633

 英国の医療システムは、米国よりも日本に近い。日本では、健康保険システムの支払いを受けるために医療機関は医療経済データベースの構築に寄与せざるを得ない。レセプト電算化により医療経済データベースはさらに充実すると想定される。しかし、「厚生労働省英文発表課」などがないので、蓄積された情報が広く英文論文として発表される仕組みがない。日本の医療は均質、かつ自動的に質が高いデータベースが構築されるのに世界の診療ガイドラインに影響を及ぼすことがない。 英国でも、電子カルテの情報は本邦の支払基金のように各地域ごとに集積される。経済情報のみならず、リスク因子、薬剤服用、臨床アウトカム情報も集積される。筆者も完全には理解していないが、University College of London, Oxford大学、Birmingham大学などは、これらの診療情報を英文論文として定期的に発表している。日本以外の各国では静脈血栓塞栓症はまれな疾病ではない。入院して動かなくなるだけで静脈血栓ができる体質の人も多い。膨大なデータベースが集積されている英国では、1万9 ,215例の静脈血栓塞栓症と年齢を調整した90万9, 530例もの大規模なコントロールの比較研究が可能となる。日本でも全国のレセプト情報を使えば、人口規模から考えれば英国よりも大規模な観察研究、ケースコントロール研究は容易にできると想定される。「英文での論文発表」が世界の「標準治療」を決めるEBMの世界は、大規模なデータベースを発信できる国が主導する。日本には世界を主導するチャンスがあった。 エストロゲン使用時の静脈血栓リスク増加は広く知られた問題である。性ホルモンの分泌は加齢とともに低下するので、血栓イベントが高齢者に多い状況にてテストステロンが静脈血栓リスクとなるとの仮説を思いつくのは難しい。実際、本邦ではテストステロン製剤はインターネット販売も可能な第1類医薬品とされている。処方薬であれば薬剤の安全性情報は医師を通じて患者に届く。今回は観察研究とはいえ、英国の大規模臨床研究の結果である。使用開始後6ヵ月にて血栓リスクが高いというのは英国において事実と理解される。第1類医薬品の安全性情報をどのように薬剤使用者に届けるのか? 日本には早速課題が生まれた。第1類医薬品をネット購入した場合でも薬剤師の確認が入る。広告規制よりは専門家を通じた情報共有が好ましいとも思われる。静脈血栓塞栓症が時に致死的な疾病だけに、リスクの社会との共有法を考えるよい機会である。 グローバル化は経済にとどまらない。国家の規制があっても、海外の情報は容赦なく入ってくる。第1類医薬品としてのテストステロンが静脈血栓塞栓症リスクを増加させることが事実であった場合、英国から発信された情報は企業を通じて市場に公表するか? 日本人と英国人は異なるとして無視するか? 日本でも同様の調査を早急に行って情報の類似性を確認するか? 選択肢は多いが決めるのは難しい。 他国から影響を受けるよりも他国に影響を与えるほうが好ましいと私は考えるので、日本の医療データベースを自動的に英文論文化して公表するシステムを作るのが得と私は考える。

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脊髄空洞症〔syringomyelia〕

1 疾患概要■ 定義脊髄空洞症とは、さまざまな原因により脊髄に空洞性病変を形成する慢性進行性の疾患である。原因の約半数は、キアリ奇形が原因と言われており、脊髄損傷、脊髄腫瘍に伴うものがそれぞれ約10%、脊髄くも膜炎に伴うものが約6%と言われている。■ 疫学成人10万人あたり8.4人/年という報告があるが、近年、MRIの普及により小児例での早期発見が増えているため、実際はもう少し多いことが想定される。■ 病因脊髄空洞症は、高率に後頭蓋窩の形態異常の合併を認めることがわかっており、後頭蓋窩の狭小化により小脳扁桃下垂が起こりやすくなる。現在のところ小脳扁桃下垂による脊髄空洞症のメカニズムは、完全には解明されていない。小脳扁桃下垂により大孔部で髄液循環障害が起こることは明らかであるが、なぜ髄液循環障害により脊髄空洞症が生じるかはわかっていない。過去にはさまざまな病因説が提唱されているが、現在は脳脊髄液と脊髄細胞外液の動的平衡状態の破綻が、空洞形成の要因となるという説が有力となっている。■ 症状受診の契機については、腕から手にかけてのしびれ、痛みなどを主訴に来院することが多く、息こらえ、咳など腹圧の上昇による頭痛を訴えることもある。脊椎外科、脳神経外科、整形外科のみならず神経内科、一般内科など内科を受診する患者さんも少なくない。小児期の脊椎側弯症の精査で偶然発見される場合もある。症状としては、進行性の四肢知覚鈍麻、筋力低下が多く、とくに温痛覚は初期段階から障害されることが多い。進行すると巧緻運動障害、筋萎縮、上下肢のしびれ、痛み、歩行障害、膀胱直腸障害が出現することがある。また、キアリ奇形合併例では、めまい、嚥下障害、嗄声など小脳や脳幹部圧迫症状の併発を認めることもある。高齢発症例では、術後空洞の縮小を認めるにも関わらず疼痛が残存することがある。■ 分類病因に基づいた分類が用いられることが多い。それぞれの原因により手術方法を決定する。1)交通性:画像上第四脳室と空洞の交通を認める2)非交通性(髄液の流出障害によるもの)(1)後頭蓋窩、頭蓋頸椎移行部での流通障害a.キアリ1型奇形b.脳底部くも膜炎c.腫瘍、くも膜嚢胞、ダンディーウォーカー症候群などd.頭蓋底陥入症(2)脊髄くも膜下腔での流通障害a.腫瘍、くも膜嚢胞b.癒着性くも膜炎3)脊髄自体への損傷(1)外傷、出血、感染(2)椎間板変性疾患、脊柱管狭窄症4)神経管閉鎖障害(二分脊椎)5)原因不明■ 予後基礎疾患による影響もあるが、治療による症状の改善はMRIなどの画像上の空洞の縮小よりも早期にみられることが多い。とくに怒責時の疼痛の緩和は、術後早期より緩和される。また、運動障害は、感覚障害よりも回復しやすいと言われている。ただし、診断されるまでの時間が長くかかった場合、空洞の縮小を認めた場合でも症状が改善しない場合もある。そのためにも早期診断が望まれる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)一番大事な事は病歴、身体所見をしっかりととる事である。症状の進行を詳細に聴取し、とくに感覚障害については温痛覚、振動覚、位置覚など詳しく神経所見をとる必要がある。これにより現在どの段階まで神経障害を受けているのかを推測することができる。また、既往歴、外傷歴より空洞の発生原因がないかを追求することも大事である。画像的診断のゴールドスタンダードはMRIであり、空洞性病変の確認を行う(図1)。腫瘍性病変を伴う場合は造影MRIも実施する。キアリ奇形の合併精査のため頭蓋内および頸髄移行部のMRIも実施する必要がある。図1 空洞症病変のMRI所見画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)現時点では空洞縮小に有効な薬剤は報告されていない。治療について、キアリ奇形を伴うものと脊髄外傷など、その他を伴うものに分けて考える。まず、キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の治療について、小児例では患児の成長とともに後頭蓋窩の容積増加が期待できるため、保存的加療を行うことも多い。成人例でも軽微な神経兆候、軽度の側弯症の場合、経過観察をすることもある。ただし、神経徴候や側弯症の増悪、著明な小脳扁桃下垂、限局性ではなく全脊髄に広がる空洞の場合は、手術を行う必要がある。手術の目的は、大孔部における髄液通過障害を改善し、空洞を縮小させることである。後頭蓋窩の骨削除と環椎後弓切除を行い、拡大硬膜形成術を行う方法がもっとも多く施術されている。通常の後頭下減圧術と異なり、十分に外側部まで減圧を行う必要がある(図2)。くも膜下腔に血液が流入すると、癒着性くも膜炎や空洞再発の原因となるため、手術の際にはくも膜を損傷しないように十分に留意する必要がある。図2 拡大硬膜形成術の例画像を拡大する次にその他要因に伴う脊髄空洞症の治療について、腫瘍性病変など原疾患の治療を行うことにより空洞の縮小を認める場合がある。脊髄外傷後に空洞の出現を認めかつ症候性である場合は、空洞短絡術を行う。空洞とくも膜下腔にシャントを作る場合と空洞と腹腔内にシャントを作る場合がある。4 今後の展望前述の通り病因に関して完全な解明はなされていない。脳脊髄液と脊髄細胞外液の動的平衡状態の破綻が空洞形成の要因と考えられている。しかし、なぜ平衡状態の破綻が生じるかはわかっていない。脊髄実質内の静脈圧上昇による髄液吸収障害が一因となっているという報告やアクアポリン受容体の関与などが報告されているが、解明には至っていない。さらなる研究報告が待たれる。原因遺伝子の解析については、家族歴が認められることから、いくつかの候補遺伝子の報告がされている。後頭骨の遺伝子形成や頭蓋頸椎移行部の発生に関与すると言われているHox遺伝子やPax遺伝子が候補とされているが、確定されていない。また、同様の病態が動物でも報告されており、小型犬のキャバリア種において後頭蓋低形成、脊髄空洞症が生じることがわかっている。小動物では純血が保たれ世代交代も早いため、こちらの研究においても今後の発展が期待される。手術方法の進歩の反面、脊髄空洞症に伴う難治性疼痛については、われわれが最も悩まされる問題の1つであり、手術を行っても耐え難い痛みが残存することがある。術前より患者本人および家族に十分な説明を行っておく必要がある。痛みの特徴としては、幻肢痛や視床痛と同じような求心路遮断性疼痛に分類される。高齢発症のケースや術前より激しい痛みがある場合、術後も残存しやすいと言われている。痛みの治療としては通常の消炎鎮痛薬が効きにくく、プレガバリン(商品名:リリカ)、ガバペンチン(同:ガバペン)などの神経障害性疼痛に対する治療薬が第1選択となる。三環系抗うつ薬も一定の効果があると考えられる。星状神経節ブロックや後根侵入部遮断術(DREZ)も選択肢にあがる。いずれにしても痛みとうまく付き合っていく必要があり、手術を行う担当科のみならず、かかりつけ医、ペインクリニック医、心療内科医、看護師、リハビリスタッフなど多角的な立場から治療に当たる必要がある。5 主たる診療科脊椎脊髄外科、脳神経外科への紹介を必要とする。非常に専門性の高い分野であり、ホームページなどで診療実績を確認する必要がある。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療・研究情報難病情報センター 脊髄空洞症(医療従事者向けのまとまった情報)神経変性疾患領域における基盤的調査研究班(医療従事者向けのまとまった情報)日本脊髄外科学会 脊髄空洞症(医療従事者向けのまとまった情報)亀田グループ 医療ポータルサイト キアリ奇形と脊髄空洞症について(一般向け、医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報脊髄空洞症友の会(脊髄空洞症患者とその家族向けの情報)公開履歴初回2017年01月10日

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米国の認知症有病率が低下、その要因は

 高齢化は、認知症者数の増加につながる。しかし、米国や他の高所得国における近年の研究では、認知症の年齢別リスクが過去25年間で減少している可能性があることが示唆されている。認知症の有病率やリスクの現在および今後の人口動向を明らかにすることは、患者、家族、国家プログラムにおいて重要な意味を持つ。米国・ミシガン大学のKenneth M Langa氏らは、2000年と2012年の米国における認知症有病率の比較を行った。JAMA internal medicine誌2017年1月号の報告。 米国で代表的なHealth and Retirement Study(HRS)のデータより、2000年(1万546人)と2012年(1万511人)の65歳以上の米国人口縦断調査を行った。認知症は、HRS認知尺度を毎年実施し、自己回答者と代理人を分類するための方法で検証された。ロジスティック回帰を用いて、2000年と2012年の認知症有病率の変化に関連する社会経済的および健康的変数を特定した。 主な結果は以下のとおり。・コホートの平均年齢は、2000年75.0歳(95%CI:74.8~75.2歳)、2012年74.8歳(95%CI:74.5~75.1歳)であった(p=0.24)。女性の割合は、2000年58.4%(95%CI:57.3~59.4%)、2012年56.3%(95%CI:55.5~57.0%)であった(p<0.001)。・65歳以上の認知症有病率は、2000年11.6%(95%CI:10.7~12.7%)、2012年8.8%(95%CI:8.2~9.4%、年齢および性別で標準化:8.6%)であった(p<0.001)。・教育年数の多さが認知症リスク低下と関連しており、2000年と2012年で教育年数は11.8年(95%CI:11.6~11.9年)から12.7年(95%CI:12.6~12.9年)へ有意に増加していた(p<0.001)。・認知症有病率は、米国高齢者の心血管リスクプロファイル(たとえば、高血圧、糖尿病、肥満の有病率)の年数が、年齢、性別で調整した後でも有意に増加していたにもかかわらず、低下していた。 著者らは「米国における認知症有病率は、2000年から2012年にかけて有意に減少していた。認知症有病率の低下には、教育年数の増加が一部関連していたが、有病率低下に寄与する社会的、行動的、医学的要因は明らかになっていない。認知症の発症や有病率の傾向を継続的にモニタリングすることは、将来的な社会的影響を評価するために重要である」としている。関連医療ニュース アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は 認知症の世界的トレンドはどうなっているか 軽度認知障害、5年後の認知症発症率は

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双極性障害「初期診断はうつ病 65%」「正確な診断まで平均4年」

 双極性障害は、最初の医療機関を受診時に正しく診断される患者が約4分の1しかおらず、初診から正確な診断に至るまでには平均4年かかることが、杏林大学の渡邊 衡一郎氏らによる調査で明らかになった。Neuropsychiatric disease and treatment誌2016年11月21日号の報告。 双極性障害は、再発や躁病・うつ病エピソードを繰り返す疾患である。そのため、正確な診断・適切な治療開始までに時間がかかる場合が多い。この要因としては、双極性障害に対する医師の理解不足も考えられるが、患者の洞察力不足により、症状を医師へ正確に伝えることができないという可能性も考えられる。また、誤った診断から正しい診断に至った要因がどのようなものかは不明である。 そこで著者らは、これらを明らかにするため、日本の双極性障害患者1,050例を対象にインターネット上でアンケート調査を実施した(2013年2月~3月)。結果は、記述統計を用いて分析した。主な結果は以下のとおり。・457例(男性226例、女性231例)が回答した。・最初の医療機関を受診時、専門医(精神科医、心身医学科医)を受診していたのは86%であった。・最初の医療機関を受診時の症状は、うつ症状が70%、混合状態が15%、躁状態は4%であった。・最初の医療機関で双極性障害と正しく診断されていたのは約4分の1であった。・初期診断で最も多かったのは、うつ病/うつ状態(65%)であった。そのほかに多かったのは、自律神経失調症(14%、日本で未定義の精神疾患の診断に使われる)、パニック障害(11%)であった。・70%が最初または2件目に受診した医療機関で双極性障害の診断がついたが、残りの30%は正確な診断に至る前に3件以上の医療機関を受診していた。・初診から正確な診断に至るまでの平均時間差は4年(標準偏差±4.8年)であった。3分の1は5年以上の時間差があった。・正確な診断に至るまでに時間がかかった主な要因は以下の3つであった。  「躁の症状を病気として認識しておらず、医師に伝えなかった」(39%)  「双極性障害という疾患を知らなかった」(38%)  「医師とのコミュニケーションが欠如していた」(25%)・70%以上の患者が、双極性障害の診断に至る前に診断が変更された(1回変更 33%、2回変更 25%)。・正確な診断に至った主な要因は以下の3つであった。  「治療の過程で医師が双極性障害の可能性を疑った」(57%)  「躁状態に切り替わった」(30%)  「他の医師を受診したら、診断が変更された」(28%)・最初に誤って診断され、不適切な治療が行われたと考えられる患者は、長期就労や学校での勉強ができない(65%)など、社会経済的な問題を最も多く抱えていた。

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先天奇形の出産は長期死亡率を高めるか/JAMA

 先天奇形を有さない児を出産した母親と比べて、先天奇形を有する児を出産した母親の長期死亡率は、わずかだが統計的に有意に高いことが、カナダ・トロント大学のEyal Cohen氏らが行った、デンマーク住民ベースのコホート研究で明らかにされた。ただし、著者は「今回の結果について臨床的重要性は不明である」と述べている。先天奇形のある児の出産は、女性にとって深刻なライフイベントだが、そうした女性の長期的な健康への影響についてはほとんど知られていない。JAMA誌2016年12月20日号掲載の報告。デンマークの女性4万1,508例について住民ベースコホート研究 研究グループは、デンマークの個人レジストリデータを用いて、1979~2010年に主要な先天奇形(European Surveillance of Congenital Anomalies分類による)のある児を出産した母親4万1,508例(曝露群)について、2014年12月31日までフォローアップする住民ベースコホート研究を行った。比較コホート(非曝露群)は、同レジストリから無作為抽出した、曝露群1例につき、出産年齢、出産経歴、出産年で最大10例を適合した41万3,742例であった。 主要アウトカムは全死因死亡率、副次アウトカムは死因別死亡率などで、ハザード比(HR)を算出して評価。HR算出では、婚姻状況、移民状況、所得四分位値(1980年以降)、学歴(1981年以降)、糖尿病、修正チャールソン併存疾患指数スコア、高血圧、うつ病、アルコール関連疾患歴、自然流産、妊娠合併症、喫煙(1991年以降)、BMI値(2004年以降)について補正を行った。中央値21年追跡で1.22倍高率 両群(45万5,250例)の母親の出産時平均年齢(SD)は28.9(5.1)歳であった。 中央値21(IQR:12~28)年追跡における死亡は、曝露群1,275例(1,000人年当たり1.60)に対し、非曝露群は1万112例(同1.27)であった。すなわち絶対死亡率差は1,000人年当たり0.33(95%信頼区間[CI]:0.24~0.42)、補正前HRは1.27(95%CI:1.20~1.35)、補正後HRは1.22(同:1.15~1.29)であった。 死因別にみると、曝露群の死亡が多い傾向がみられたのは、心血管系疾患死(率差は1,000人年当たり0.05[95%CI:0.02~0.08]、補正後HR:1.26[同:1.04~1.53])、呼吸器系疾患死(同:0.02[0.00~0.04]、1.45[1.01~2.08])、その他自然死(同:0.11[0.07~0.15]、1.50[1.27~1.76])であった。

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新生児期の飼い犬との触れ合いがアトピーのリスク低下に関与

 デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood:COPSAC)から2つの独立した出生コホートを用い、生後3年間における室内犬への曝露がアトピー性皮膚炎発症に影響を及ぼすかどうかを検討した。その結果、新生児の室内犬への曝露はアトピー性皮膚炎のリスク減少と強く関連しており、その関連は飼犬頭数に依存的であることを明らかにした。著者は、「機序は不明だが、今回の結果は胎児のときの曝露量がアトピー性皮膚炎のリスクに影響を及ぼす可能性を提起するもので、疾患の経過について早期における環境要因の重要性を強調するものである」とまとめている。Allergy誌2016年12月号(オンライン版2016年8月9日号)掲載の報告。 COPSACは、進行中の前向き出生コホート研究で、研究グループは、COPSAC2000から喘息を有する母親から生まれた児411例と、COPSAC2010から任意抽出した児700例のデータを解析した。 児のアトピー性皮膚炎はHanifin-Rajka基準に従って診断され、親の喘息、皮膚炎または鼻炎の既往歴は自己申告に基づく医師の診断と定義された。8つの吸入性アレルゲンに対する母体の特異血清IgEは、COPSAC2000コホートでは児の出生後、COPSAC2010では妊娠24週に評価された。 Cox比例ハザード回帰モデルを用い、室内犬への曝露とアトピー性皮膚炎との関連を検討した。 主な結果は以下のとおり。・COPSAC2000およびCOPSAC2010の両コホートにおいて、アトピー性皮膚炎のリスクは室内犬曝露がある小児で有意に低かった。COPSAC2000コホートの補正ハザード比(HR)は0.46(95%信頼区間[CI]:0.25~0.87、p=0.02)、COPSAC2010は同0.58(0.36~0.93、p=0.03)であった。・COPSAC2010において、アトピー性皮膚炎のリスクは飼犬頭数の増加に伴って減少した(補正後HR:0.58、95%CI:0.38~0.89、p=0.01)。・防御効果は、任意抽出のCOPSAC2010コホートにおいて、アトピー性疾患を有する母親から生まれた児に限定され(補正後HR:0.39、95%CI:0.19~0.82、p=0.01)、アトピー性疾患のない母親から生まれた児ではみられなかった(補正後HR:0.92、95%CI:0.49~1.73、p=0.79)。・父親のアトピー性疾患の状況、アトピー性皮膚炎のリスクによる影響はみられなかった。・両コホートとも、室内犬曝露とCD14のT/T遺伝子型との間に、重要な相互作用は認められなかった(COPSAC2000のp=0.36、COPSAC2010のp=0.42)。

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増加する訪日外国人!対応に欠かせない医療通訳の真の役割とは

 多言語遠隔医療通訳サービスを全国の医療機関に提供している一般社団法人JIGH (代表理事:東京大学大学院医学系研究科国際保健政策教室 教授 渋谷健司氏)は、2016年12月に都内で日本語・中国語医療通訳者向けの研修会を開催した。2016年に訪日外国人旅行者数は初めて年間2,000万人を突破したが、政府はこれを2020年に4,000万人、2030年に6,000万人に増やす目標を掲げている。それに伴い医療機関でも訪日外国人へ対応する機会が今後増えることが予想され、体制を整えることが求められている。  研修会で講師を務めた明星漢方クリニックの西原可欣氏は中国、日本両国における医療通訳経験から「医療通訳というと、“医療用語がわかればよい”と考えるかもしれないが、それだけでは不十分である」と述べ、通訳者の役割は、単に言葉を訳すだけではなく、疾病に深く関係する生活習慣や文化背景などに配慮し、患者が安心して医療を受けるための環境整備をすることや、医師・患者間の信頼関係を構築するためのサポートをすることであると説明した。なぜ日本へ? 訪日目的は“医療水準の高さ”とは限らない 西原氏によると、医療通訳ニーズが高いのは日本に長期滞在している外国人よりも、言語・文化障壁が高い短期滞在者である。昨今、医療ビザを取得し、治療などを受けることを目的とするいわゆる医療ツーリズムで来日する外国人も増加傾向にあるとみられており、中国人の場合は主に、がんに対する粒子線(重粒子線、陽子線)治療や免疫療法、循環器疾患に対する心臓カテーテル治療などといった専門性の高い治療を受けに来ることが多いという。 ただし、これらの治療の多くは中国でも提供されており、来日理由は「自国で同様の治療が受けられないから」とは限らない点に注意が必要である。ではなぜ高額な医療費と渡航費を負担してまで日本へ来るのかというと、近年中国では、医療提供者と患者の信頼関係が希薄になってきており、支払いが可能であるか確認が取れてから診療する、などといった対応に対する患者の不満が背景にあると西原氏は説明する。これらの状況から、とくに中国人富裕層が、より質の高いサービスと医療者との信頼関係の下に安心して受けられる医療を求めて日本に来るということだ。よって、医療者も通訳者もこのような患者の思いを理解したうえで対応しないと、不満やクレームにつながる可能性があることを同氏は指摘した。 また、通訳者として医療者・患者間の信頼関係構築をサポートするために、すべてのコミュニケーションは必ず患者を介して行うことや、文化の違いからお互いが不快な思いをすることで信頼関係が崩れることのないよう、日本におけるマナーなどについても、患者に説明し、守るようサポートすることの重要性を強調した。

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統合失調症はがんになりにくいといわれていたが

 ほぼ一世紀の間、統合失調症患者におけるがんの罹患率は、一般人より低いといわれてきた。しかし、ここ10年間で、がんと統合失調症との関係は明確ではなくなってきている。台湾・台北市病院のL Y Chen氏らは、若者や中年の統合失調症患者におけるがんリスクを調査した。Epidemiology and psychiatric sciences誌オンライン版2016年11月21日号の報告。女性の統合失調症患者は乳がん罹患率が高かった 台湾の精神科入院患者医療記録データより、2000年1月~2008年12月の新規入院統合失調症患者3万2,731例を対象とし、同期間における各患者の最初の精神科入院をベースラインと定義した。2010年12月までにがん症例514例が抽出された。統合失調症患者と一般人のがんリスクを比較するため、標準化罹患率(SIR)を算出した。性別、罹患部位、ベースライン(最初の精神科入院)からの経過期間により層別分析を行った。 統合失調症のがんリスクを調査した主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者の全部位のがん罹患率は、同期間の一般人よりもわずかに高かった(SIR:1.15、95%CI:1.06~1.26、p=0.001)。・男性の統合失調症患者では、結腸直腸がんの罹患率が有意に高かった(SIR:1.48、95%CI:1.06~2.06、p=0.019)。・女性の統合失調症患者では、乳がん罹患率が高かった(SIR:1.47、95%CI:1.22~1.78、p<0.001)。・興味深いことに結腸直腸がんリスクは、精神科入院早期よりも5年後でより顕著であった(SIR:1.94、95%CI:1.36~2.75、p<0.001)。乳がんリスクも同様であった(SIR:1.85、95%CI:1.38~2.48、p<0.001)。・統合失調症ががんを保護していたとの考えに反して、統合失調症患者ではがん罹患率が高かった。 著者らは「本分析では、統合失調症の男女は特定のがん種に対し脆弱であり、性別特異的なスクリーニングプログラムの必要性が示唆された。男性において結腸直腸がんリスクが精神科入院後5年目に顕著となったことは、不健全な生活習慣やがん診断の遅れの可能性がある」としている。関連医療ニュース リスペリドン使用で乳がんリスクは上昇するか 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は 統合失調症、男と女で妄想内容は異なる

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