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脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

 n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルと精神障害との関連を調べた研究では、死後脳に関して、白質ではなく主に灰白質の分析に焦点が当てられてきた。富山大学の浜崎 景氏らは、統合失調症、双極性障害、うつ病患者の死後の脳組織において、PUFAレベルが白質の最大領域である脳梁に異常を示しているのかを調査した。European psychiatry誌オンライン版2016年11月4日号の報告。 対象患者は、統合失調症15例、双極性障害15例、うつ病15例、そして、コントロール15例とし、比較評価を行った。死後の脳梁におけるリン脂質中の脂肪酸は、薄層クロマトグラフィとガスクロマトグラフィにより評価した。 主な結果は以下のとおり。・これまでのいくつかの研究とは対照的に、患者とコントロールの脳梁内のPUFAまたは他の脂肪酸レベルとの間に有意な差は認められなかった。・性別によるサブ解析でも、同様の結果が得られた。・精神障害の診断の有無にかかわらず、自殺者と非自殺者の間のPUFAには有意な差は認められなかった。 著者らは「精神疾患患者では、健常コントロールと比較して、死後の脳梁におけるn-3PUFA欠損を示さず、脳梁はPUFA代謝異常に関連しない可能性がある。この分野における研究はまだ初期段階であり、さらなる調査が必要である」としている。関連医療ニュース 双極性障害エピソードと脂肪酸の関連を検証 EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か

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ルテインとゼアキサンチンのサプリ―美白に効果あり?

 ルテインとゼアキサンチンは食物に多く含まれる黄斑色素を構成するカロテノイドで、多くの野菜や果物が鮮やかな色彩となっているのはこれらを含有するためである。 これらカロテノイドはパソコンなどから発せられる高エネルギーのブルーライトをカットし、皮膚を保護する作用を有する。また、メラニンの生成を阻止し、サイトカインを減少させ、抗酸化物質を増加させる可能性がある。構造異性体・ルテインとゼアキサンチンを含有するサプリメント投与による肌トーンの改善と美白効果を調査した研究を紹介する。Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology誌9月号の掲載の報告。 被験者として50人の軽度~中程度の乾燥肌を有する健康成人(男女ともに年齢は18~45歳)が集められ、そのうちの46人が試験完了に至った。 被験者には、ルテイン10mgおよびゼアキサンチン2mgを含有する経口サプリメント、もしくはプラセボのいずれかを12週間連日投与した(無作為化二重盲検プラセボ対照試験)。 被験者の皮膚タイプは、フィッツパトリック(Fitzpatrick)スケール(スキンタイプII-IV)に基づき分類した。 最小紅斑量と美白度は、色彩色差計(Chromameter)を用いて計測した。皮膚の色や色素沈着の程度はIndividual Typological Angle(ITA)を用いて算出した。また、被験者による自己評価アンケートも行った。 主な結果は以下のとおり。・全体的な肌トーンは、プラセボ群と比較して、サプリメント投与群において有意に改善し(p<0.0237)、肌の美白も有意な上昇を示した。・平均最小紅斑量は12週後、サプリメント投与群において増加が認められた。・サプリメント投与群ではITAが有意に増加した。 以上の結果から、ルテインとゼアキサンチンを含有するサプリメントの摂取により美白効果が認められ、皮膚状態を改善することが示された。

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進行心不全への新規遠心流ポンプ、軸流ポンプより予後良好/NEJM

 進行心不全患者への完全磁気浮上遠心流ポンプ植込み術は、軸流ポンプに比べポンプの不具合による再手術の割合が低く、良好な転帰をもたらすことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院心血管センターのMandeep R. Mehra氏らが行ったMOMENTUM 3試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2016年11月16日号に掲載された。連続流左心補助人工心臓により、進行心不全患者の生存率が改善しているが、ポンプ血栓症の発現がみられる。血栓症を回避するために、新たな磁気浮上遠心連続流ポンプが開発された。約300例を対象とする非劣性試験 MOMENTUM 3は、進行心不全患者において、新規の遠心流ポンプと軸流ポンプの有効性を比較する非盲検無作為化非劣性試験(St. Jude Medical社の助成による)。 対象は、標準的な薬物療法を施行後に再発した進行心不全で、補助人工心臓植込み術の目的(心臓移植への橋渡し治療、心臓移植の対象外の患者への最終的治療)にかかわらず登録は可能とした。被験者は、新たな遠心連続流ポンプ(HeartMate 3)または市販の軸流ポンプ(HeartMate II)の植込み術を行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、植込み術後6ヵ月時の身体機能障害をともなう脳卒中(改訂Rankinスコア>3[0~6、数字が大きいほど機能障害が重度])のない生存と、デバイスの交換または除去のための再手術のない生存の複合エンドポイントであった。本試験は、主要エンドポイントの非劣性検定に要する検出力を有していた(非劣性マージン:-10%)。 2014年9月~2015年10月に、左心補助人工心臓植込み術の経験を持つ外科医が所属する米国の47施設に294例(ITT集団)が登録され、遠心流ポンプ群に152例、軸流ポンプ群には142例が割り付けられた。プロトコルに従って、それぞれ1例、4例には植込み術が施行されず、残りの289例(PP集団、151例、138例)にデバイスの植え込みが行われた。再手術は1例のみ、ポンプ血栓症は認めず ベースラインの年齢中央値は、遠心流ポンプ群が64.0歳(範囲:19~81)、軸流ポンプ群は61.0歳(24~78)で、男性がそれぞれ79.6%、80.3%を占めた。 ITT集団における主要エンドポイントの発生率は、遠心流ポンプ群が86.2%(131例)、軸流ポンプ群は76.8%(109例)であった。絶対差は9.4%、95%信頼下限は-2.1(非劣性検定:p<0.001)で、ハザード比(HR)は0.55(95%信頼区間[CI]:0.32~0.95、優越性の両側検定:p=0.04)であり、非劣性と優越性の双方が達成された。 死亡および身体機能障害をともなう脳卒中の発生率は両群間に有意な差はなかったが、ポンプの不具合による再手術は遠心流ポンプ群が0.7%(1例)と、軸流ポンプ群の7.7%(11例)に比べ有意に少なかった(HR:0.08、95%CI:0.01~0.60、p=0.002)。 NYHA心機能分類および6分間歩行検査による機能評価では、両群とも同様に改善が認められた。3、6ヵ月時のEQ-5D-5L、EQ-5D VAS、KCCQによるQOL評価も、両群ともに改善し、有意差はみられなかった。 ポンプ血栓症(疑い例、確定例)は、遠心流ポンプ群では発現せず、軸流ポンプ群は10.1%(14例、18イベント)に認められた(p<0.001)。 著者は、「患者と担当医は治療の割り付けを知り得るため、QOLなどの患者報告による評価項目に影響を及ぼし、ほとんどの外科医は軸流ポンプの経験は長いが、新規のポンプは米国ではこれまで使用されていないためバイアスの可能性があるなどの限界が存在する。そのため、本試験の知見を、重症度の低い心不全患者に拡大するために外挿すべきではない」と指摘している。

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生体吸収性ステント初回報告を特集:TCT 2016

 第28回年次経カテーテル心臓血管治療法(TCT)、循環器病研究財団(CRF)の年次学術シンポジウムは、次世代の生体吸収性ステントとなりうる、新たなステントに関する数多くの初回報告研究を特集した。FANTOM II:放射線不透過性のデスアミノチロシン・ポリカーボネートベースのシロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドの臨床および血管造影の6ヵ月、9ヵ月結果Alexandre Abizaid氏 FANTOM II試験は、放射線不透過性のデスアミノチロシン・ポリカーボネートベースのシロリムス溶出生体吸収性血管スキャフォールド(Fantom)による、冠動脈ステント留置の安全性と性能を調べた。主要エンドポイントは、6ヵ月時の主要有害心イベント(MACE)と晩期内腔損失(LLL)の発生率であった。 この前向き多施設共同試験では、8ヵ国28の試験実施施設から合計240例の患者が登録された。患者は6ヵ月の血管造影評価(コホートA)と9ヵ月のコホートBに登録された。コホートA は117例、コホートB群は123例であった。コホートAのLLL平均値は0.25±0.40mmであった。6ヵ月の時点での、双方のコホートにおけるMACEの発生率は2.1%であった。MeRes-1: PLLAベース薄型ストラットのシロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドの臨床、血管造影、IVUSおよびOCTの6ヵ月結果Ashok Seth氏 PLLAベース薄型ストラットの新たなシロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(MeRes100)のファースト・イン・マン試験の結果、6ヵ月で主要有害心イベント(MACE)はみられず、安全かつ有効であることが示された。 MeRes100は、中央のオープンセルとエッジのクローズドセルという独特なハイブリッドデザインの100μm薄型ストラットPLLAベースのロープロファイルBRSである。追従性と側枝へのアクセスを改善している。また、各端の3つの放射線不透過性円周マーカーが視認性を高めている。 このMeRes100 BRSの前向き多施設単群試験では、2015年5月から2016年4月にかけて、インドの16カ所から108例の患者(116病変)が登録された。主要評価項目は、心臓死、心筋梗塞、虚血による標的病変血行再建(ID-TLR)、および虚血による標的血管血行再建(ID-TVR)の複合による主要有害心イベント(MACE)。副次的評価項目は、6ヵ月時点のスキャフォールド血栓症(ST)であった。当試験では、スキャフォールド留置後6ヵ月の追跡期間でMACEまたはSTはみられなかった。6ヵ月の定量的冠動脈解析(QCA)では、晩期内腔損失は0.15±0.26mmと非常に良好であった。IVUS、OCT分析では、リコイルはみられず、ほぼ完全な新生内膜による被覆(99.3%)を示した。FUTURE-I:PLLAベース薄型ストラットのシロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド6ヵ月の臨床的、血管造影、IVUS、OCTの結果Bo Xu氏 FUTURE-Iは、PLLAベース薄型ストラット(100~125μm)シロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(Firesorb BRS)による単独のde novo冠動脈病変患者に対する、実現可能性、安全性と有効性の予備的な評価を試みた前向き単一施設ファースト・イン・マン試験である。 2016年1~3月に合計45例の患者の標的病変45個が登録された。BRSの留置成功後、45例を2つの異なる追跡コホートに2:1で無作為に割り付けた。コホート1の患者30例は6ヵ月と24ヵ月に、残りのコホート2の患者は、12ヵ月と36ヵ月に血管造影、IVUS、OCTによるイメージングの追跡を受ける。主要評価項目の30日間の標的病変不全の発生率は0%で、スキャフォールド血栓症もみられなかった。コホート1における患者指向の複合評価項目(全死亡、全心筋梗塞、または血行再建術)は、6ヵ月で3.3%であった。 そのうち1例の患者には、非STEMIのため、初回治療の1日後に非標的血管の血行再建術を施行した。6ヵ月追跡における晩期内腔損失は0.15mm、IVUSで確認した晩期リコイルの発生率は0.76%、OCTで確認した7患者の完全被覆を含めストラット被覆率は98.4%であった。循環器病研究財団(CRF)のニュースはこちら

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わかる統計教室 第4回 ギモンを解決!一問一答 質問4

インデックスページへ戻る第4回 ギモンを解決!一問一答質問4 カプランマイヤー法では、なぜ経時的に症例数が減少するのか?質問1 質問2 質問3■カプランマイヤー法とは?イベントが発生するまでの時間を解析する方法で、医学においては生存率を評価するときによく用いられます。たとえば、致死的な疾患へのある薬剤の治療効果をみる場合に、薬剤投与による生存率の推定薬剤対薬剤、薬剤対プラセボといった2群間の生存率の差を把握することができます。■生存率を算出するには仮に5年後の生存率を算出するには、本来、薬剤を投与した患者全員について、5年後の生死を把握することができればベストです。たとえば、観察開始日から5年が経過した症例のみを集計対象とし、その中の生存患者の割合を求めるなど、ある薬剤を投与した患者全員を5年間追跡すればいいのです。このような方法を「直接法」といいます。しかし、臨床試験では、そのように患者をきちんとエントリーし、フォローすることができません。直接法は、患者全員が臨床試験の観察開始時に存在していれば適用できますが、とても難しく現実的ではありません。■カプランマイヤー法による生存曲線の例カプランマイヤー法による生存率の評価の例をみてみましょう(本データは学習用に作成した架空データです)。【例】NYHA class III以上の重症心不全患者1,251例を対象に、従来の標準治療に加えて、製品Aまたはプラセボを投与し、36ヵ月間の経過観察を行いました。この臨床試験の目的は、重症心不全に対する薬剤の治療効果を、治療後の生存期間の延びで確認することです。図1は、製品A群(640例)とプラセボ群(611例)の観察開始から36ヵ月間(3年間)の生存率をカプランマイヤー法で求め、折れ線グラフで表したものです。この折れ線グラフを生存曲線といいます。図1 カプランマイヤー法で算出した累積生存率の例この結果から、製品A群ではプラセボ群に比べて総死亡率が26ポイント減少し、従来の標準治療への製品Aの追加により生命予後の改善がみられたことが読み取れます。■被験者によって試験の開始時期や観察期間が異なる図1を読むとき、3つのポイントがあります。1つ目のポイントは、この図の下にある観察時期ごとのn数に着目してください。臨床試験の観察時期ごとに、しかも製品A群とプラセボ群でもn数が全部違います。通常、患者全員が36ヵ月から経過観察しているわけではなく、24ヵ月、12ヵ月、あるいはつい先月から経過観察し始めた人もいるわけです。2つ目のポイントは、この試験では36ヵ月で経過観察を打ち切っていますが、さらに試験を12ヵ月延ばして48ヵ月にしたらどうなっていたでしょうか?「打ち切る」や「打ち切られた」という用語は、対象が何か不適切なことをしたかのような印象を与えますが、この言葉は単にある時点以降の生存について情報がないことを意味しています。ちなみに打ち切られた患者のことを「センサー」ということもあります。では、試験期間を48ヵ月にしたらどうなるでしょうか?観察期間の長い人では死亡する人が出るかもしれませんし、観察期間の短い人は生存している可能性が高いかもしれません。ということは、試験をどこで打ち切るかによって生存率が変わってしまうということです。さらに3つ目のポイントです。試験の打ち切りとは別に、患者によっては観察自体が不可能になる場合もあります。たとえば、交通事故で死亡してしまったなど、試験とは無関係の理由で死亡した場合や観察患者が別の施設に移ったとか、別の疾患を併発してプロトコルとは異なる治療をせざるを得なくなって試験を中止したとか、いろいろと考えられます。直接法の場合、これら3つによって生存率の値は変化します。言い換えれば、真の生存率を導くことはできないのです。ですから、患者の観察時期が異なったりしても、カプランマイヤー法によって、ある一定のルールの中で生存率を推計するのです。■カプランマイヤー法では、なぜ経時的に症例数が減少するのか?このように、カプランマイヤー法の生存曲線の生存率は、累積生存率です。生存率には、「期別生存率」と「累積生存率」があることを知っておきましょう。期別生存率とは観察から1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目の各時期について、製品Aを投与した対象患者数と生存者数が観察された場合、期別生存率は、その時期ごとに「生存者数を対象患者数で割った値」となります。図2は期別生存率の算出を表したものですが、1ヵ月目は110÷110で100%、2ヵ月目は90÷100で90%、3ヵ月目は72÷90で80%となります。図2 期別生存率の算出例累積生存率とは仮に、ある人が交通事故に遭って死亡する確率を1ヵ月当たり10%とすると、生存率は90%なので、3ヵ月間で交通事故に遭わずに生存している確率は、90%×90%×90%=73%と計算できるのと同じことです。これを「3ヵ月間の累積生存率」と表現します。先ほどの簡単な事例の1ヵ月目の累積生存率は100%、n数は対象患者数で110、生存者数で110、2ヵ月目の累積生存率は100%×90%=90%、n数は対象患者数で100、生存者数で90、3ヵ月目の累積生存率は、100%×90%×80%=72% となり、n数は対象患者数で90、生存者数で72となります。ですから、カプランマイヤー法では、このように継時的に症例数(n数)が減少していくのです。カプランマイヤー法での累積生存率の計算方法については、『わかる統計教室 第3回 セクション2 カプランマイヤー法で累積生存率を計算してみる』をご参照ください。今回のポイント1)生存率を算出する方法には「直接法」と「カプランマイヤー法」がある!2)直接法は、患者全員が臨床試験の観察開始時に存在していれば適用できるが、実際にはとても難しく現実的ではない!3)カプランマイヤー法では被験者によっては、試験の開始時期や観察期間が異なる!4)生存率には、期別生存率と累積生存率があり、カプランマイヤー法の生存曲線の生存率は累積生存率である!5)カプランマイヤー法では、継時的に症例数(n数)が減少していく!インデックスページへ戻る

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147)感情は如実に血圧に反応します【高血圧患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師家庭での血圧記録をみせてもらってもいいですか? 患者はい。これです、どうぞ(血圧記録を差し出す)。 医師このとき、いつもより血圧が高いですね。何かあったんですか? 患者ハハハ…ばれましたか。妻とちょっとしたことで、夫婦喧嘩をしてしまって…。 医師そうでしたか。ストレスと血圧は密接に関係していますからね。この間、面白い論文がありましたよ。 患者それは、どんな研究ですか?(興味津々) 医師夫婦で意見の合わないときはあると思うんですが、そういったときに「怒り」を前面に押し出す人は、胸痛や高血圧になりやすいんだそうです。 患者それ、私ですね。 医師逆に、感情を抑える人は、背中の痛みや肩こりなどを訴えるそうです。 患者へー、そんなこともあるんですね。やっぱり、夫婦円満が一番ですね。●ポイント夫婦円満が健康的な生活につながることをわかりやすく説明します1)Haase CM, et al. Emotion. 2016 May 23. [Epub ahead of print]

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循環器内科 米国臨床留学記 第15回

第15回 トランプ次期大統領への反応今回は循環器を少し離れて、注目度が高いトランプ次期大統領の話題を取り上げたいと思います。ご存じのように、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれました。私のいるCaliforniaは移民が多い州ですから、投票前は大方の市民は、トランプ氏が大統領になるはずはないと思っていたようです。開票当日も、仕事をしながら皆、速報をチェックしていましたが、トランプ氏の優勢が決まると落胆している人がほとんどでした。とくにCaliforniaには移民やムスリムが多く、人種や宗教差別的な発言を繰り返すトランプ氏の人柄を疑問視している人が身の回りにも多くいるため、いまだに声に出してトランプ支持を言い出しにくい雰囲気はあると思います(実際は半数近くがトランプ氏に投票しているはずなのですが)。病院関係者はやはり、トランプ氏が掲げている医療政策についてとくに注目しています。トランプ氏は“Healthcare Reform to Make America Great Again”と題する政策プラン1)を発表しました。なかでもよく報道されていたのが、1 番目の項目の「Obama careの廃止」です。“Completely repeal Obamacare. Our elected representatives must eliminate the individual mandate. No person should be required to buy insurance unless he or she wants to.”オバマケアの完全廃止。われわれが選んだ代表は、強制加入を除外しなければならない。何人も自分が望まないかぎり、保険を買うことを義務付けられるべきでない。オバマ大統領が心血を注いで達成したObama careは、保険会社が保険市場を牛耳っている中において、国民皆保険に近づこうとするオバマ大統領の強い意志の下で導入され、無保険者の削減に成功しました。もちろん、オバマケアの保険に入っていても、良質な保険ではないため、病院が限られるなどの問題もありますが、個人的には劇的な変化であり、大きな成果だったと感じています。何よりも、国民皆保険が必要だと主張するオバマ大統領の強い理念を感じました。しかしながら、多くの共和党支持者は自由主義を望んでいます。つまり、強制されることを良く思っていませんし、健康を信じて、もしくは病気になるリスクを取って保険を買わないことは、個人の自由であるという考えです。しかし、実際はどうでしょうか? 無保険者も、病気になれば病院に来ますし、緊急であれば病院も受け入れるでしょう。その結果、患者に支払う能力がなければ、困るのは病院です。この自由主義がどこまでも通用するとは思えません。ただ一方で、トランプ氏の案にも個人的に賛成できるものもあります。一般にVAと呼ばれる退役軍人病院には様々な問題があることは以前にもこの連載で取り上げましたが(第4回:大学病院、退役軍人病院、プライベート病院2))トランプ氏は退役軍人を非常に重んじている様に感じます。国を守るために、命をかけた人たちを手厚く扱わなければならないという意思を感じますし、そのためにトランプ氏はVAの改革3)にも言及しています。その中に、こんな一文があります。“Ensure every veteran has the choice to seek care at the VA or at a private service provider of their own choice. Under a Trump Administration, no veteran will die waiting for service.”全ての軍人がVAか私的な病院かを選ぶ権利を保証する。トランプ政権の下では、軍人が医療サービスを待っている間になくなるという事態は起こさせない。先の連載でも書いたように、退役軍人が医療サービスを受けるまでに不当に待たされ、死亡するという事件が相次ぎました。今でも、退役軍人の患者の多くはVAしか選択肢がないために、他の病院と比較して、同じ外来での予約や治療を受けるために、考えなれないくらいの時間を待たされています。医療費が安いということを考えても、VAはとてもよい質の医療を提供していると個人的には思いません。この点に関しては、私はトランプ氏の意見に賛成ですし、彼らがより良い医療を受けられるように改革が進めばと思います。以上のように、医療だけをとってもみても劇的な変化が見込まれ、そのプラン1つひとつに賛否両論があります。発言に問題があり、前途多難なトランプ氏ですが、大統領に選ばれた以上、4年間は任期があるわけです。少しでも、医療システムの改善に取り組んでくれればと切に願っています。参照先URL1)https://www.donaldjtrump.com/policies/health-care2)https://www.carenet.com/series/airmail/cg001392_004.html3)https://www.donaldjtrump.com/policies/veterans-affairs-reform

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リスペリドン使用で乳がんリスクは上昇するか

 いくつかの抗精神病薬、とくにリスペリドンは、血清プロラクチンを増加させることが知られている。高プロラクチン血症は、動物実験において、乳腺腫瘍の発生に関連していることが知られている。スウェーデン・カロリンスカ大学のJohan Reutfors氏らは、リスペリドンまたは他の抗精神病薬を使用した女性の全国コホートにおける乳がんリスクを調査した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年11月4日号の報告。 2006~12年にリスペリドンまたは他の抗精神病薬による治療を開始した18歳以上のすべての女性を、スウェーデン全国レジスターより抽出した。対象者は、3ヵ月以内に同じ抗精神病薬を2回連続で投与された、がんでない患者とした。なお、パリペリドン投与患者は含まなかった。最終コホートは、リスペリドン投与患者2万2,908例、他の非定型抗精神病薬投与患者2万4,527例、定型抗精神病薬投与患者8,544例の合計5万5,976例の女性となった。抗精神病薬と乳がんとの関連は、ハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を推定するために、Cox回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・患者はプロスペクティブに追跡し、平均追跡期間は2.4~2.8年であった。・年齢調整後、リスペリドン投与患者の乳がんリスクは、他の非定型抗精神病薬投与患者(HR:0.94、95%CI:0.72~1.22)、定型抗精神病薬投与患者(HR:1.25、95%CI:0.94~1.66)と比較し、増加していなかった。・積極的治療経過時間を用いた腫瘍ステージ別に層別化された分析、または治療未経験患者のみの分析では、結果に顕著な変化は認められなかった。 著者らは「リスペリドンの使用は、他の抗精神病薬と比較し、短期的な乳がんリスク上昇を来すことはない」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か 各種非定型抗精神病薬、プロラクチンへの影響を比較

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毎食後の歯磨きで糖尿病と脂質異常症リスクが減少

 歯磨き頻度と生活習慣病の関連について調査したところ、毎食後の歯磨きが男性での糖尿病と女性での脂質異常症の発症を有意に抑制することがわかった。聖路加国際病院における5年間の後ろ向きコホート研究の結果を、虎の門病院の桑原 政成氏らが報告した。歯磨きは心血管疾患発症の危険因子を減少させるために有益と考えられる。Journal of cardiology誌オンライン版2016年11月15日号に掲載。 著者らは以前、横断研究で歯磨きと糖尿病と脂質異常症の関連を報告しているが、今回、歯磨き頻度の低さが糖尿病および脂質異常症の独立した危険因子であるかどうかを検討した。 本研究は、2004年と2009年に年次健康診断を受け、2004年時点で30~85歳の人を調査した。歯磨きの頻度が「毎食後」「少なくとも1日1回」「1日1回未満」の3群における2004年から2009年の糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症の累積発症率を比較した。さらに、「毎食後磨く」群と「毎食後は磨かない」群の2群間で、年齢、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症の調整後に、糖尿病と脂質異常症の発症リスクの男女別のオッズ比(OR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・1万3,070人の対象者のうち、2004年に糖尿病(575人)、脂質異常症(5,118人)、高血圧症(2,599人)、高尿酸血症(1,908人)であった人を除外した。・2004年と2009年の間の累積発症率は、糖尿病が318人(2.5%)、脂質異常症が1,454人(18.3%)、高血圧症が1,108人(10.6%)、高尿酸血症が489人(4.4%)であった。・「毎食後磨く」群に比べて、「毎食後は磨かない」群では男性の糖尿病発症(OR:1.43、95%信頼区間[CI]:1.040~1.970)、女性の脂質異常症発症(OR:1.18、95%CI:1.004~1.383)のリスクが有意に高かった。

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バスオイルは本当に乾燥肌に効く?

 乾燥肌(皮膚乾燥症)は、日常生活や保健・介護に関連する健康問題として認識されつつある。乾燥肌は、バスオイルなどの入浴剤の使用により軽減されることが知られているが、その効果を示す経験的エビデンスは限られている。 そこで本研究では、市販のバスオイルと入浴・シャワー用の非オイル系スキンクレンザーにおいて皮膚バリア機能および乾燥肌の改善効果を比較、調査した。International Journal of Nursing Studies誌オンライン版2016年10月26日号の掲載の報告。<試験デザイン> 単一施設、無作為化、観察者盲検、実用的並行群間試験<方法> 試験対象は軽度~中程度の乾燥肌を有する健康な小児および成人60人(ベルリン市在住)。 対象者をバスオイル使用群、普段使用している非オイル系スキンクレンザーの継続使用群に無作為に割り付けた。どちらも試験期間28日中、1日おきの使用とした。 皮膚バリアパラメーターと乾燥皮膚の重症度は、臨床研究センターの訪問(初回と2回のフォローアップ訪問)によって評価された。主要評価項目は経皮水分蒸散量(TEWL)とした。 主な結果は以下のとおり・60人の参加者全員が試験を完了した。・対象者の年齢の中央値は32.5歳(四分位範囲:8.3~69)であった。・試験終了時のTEWLは、バスオイル群で有意に低かった(非オイル系スキンクレンザー群との平均差-1.9g / m2 /時[95%信頼区間:-3.1~-0.8])。・試験終了時の角質層の水和は、バスオイル群において非オイル系スキンクレンザー群と比較し、有意に高かった。・皮膚表面のpHおよびきめの粗さは、両群で同程度であったが、両群ともに皮膚乾燥症状の改善傾向を示した。 今回の試験から、バスオイルの定期的使用で軽度~中程度の乾燥肌を有する小児および成人の皮膚バリア機能が改善することが示された。また、広範囲に及ぶ乾燥肌の基礎ケアとしても、バスオイルの使用が支持されることも示唆された。

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PCI後の心房細動患者、リバーロキサバン+抗血小板薬は有効か/NEJM

 ステント留置により冠動脈インターベンション(PCI)を受けた心房細動患者に対し、低用量のリバーロキサバン(商品名:イグザレルト)+P2Y12の12ヵ月間投与、および超低用量リバーロキサバン+2剤併用抗血小板療法(DAPT)の1、6、12ヵ月投与はいずれも、標準療法のビタミンK拮抗薬+DAPT(P2Y12+アスピリン)の1、6、12ヵ月投与と比べて、臨床的に有意に出血リスクを抑制することが示された。有効性については3群で同等だった。米国・ハーバード・メディカル・スクールのMichael C. Gibson氏らが行った2,124例を対象とした無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2016年11月14日号で発表された。標準療法のビタミンK拮抗薬+DAPTは、血栓塞栓症および脳卒中のリスクを抑制するが、出血リスクを増大する。抗凝固薬リバーロキサバン+抗血小板薬(単剤または2剤併用)の有効性、安全性は確認されていなかった。リバーロキサバン+P2Y12、リバーロキサバン+DAPT、標準療法を比較 試験は、非弁膜性心房細動でステント留置によるPCIを受けた2,124例を、1対1対1の割合で無作為に3群に割り付けて行われた。1群は、低用量リバーロキサバン(15mgを1日1回)+P2Y12を12ヵ月間、2群は超低用量リバーロキサバン(2.5mgを1日2回)+DAPTを1、6または12ヵ月間、3群は標準療法の用量調整にて投与するビタミンK拮抗薬(1日1回)+DAPTを1、6または12ヵ月間、それぞれ投与した。 主要安全性アウトカムは、臨床的に重大な出血(TIMI基準に基づく重大出血または小出血もしくは医学的介入を要した出血の複合)であった。標準療法との比較によるハザード比は0.59、0.63 結果、リバーロキサバンを併用した1群(低用量リバーロキサバン+P2Y12)と2群(超低用量リバーロキサバン+DAPT)はいずれも、3群(標準療法)と比べて臨床的に重大な出血の発生が低下した。発生率は1群が16.8%、2群が18.0%、3群は26.7%で、ハザード比は1群 vs.3群は0.59(95%信頼区間[CI]:0.47~0.76、p<0.001)、2群vs.3群は0.63(95%CI:0.50~0.80、p<0.001)であった。 心血管系が原因の死亡、心筋梗塞、脳卒中の発生率については、3群間で同等だった(Kaplan-Meier法による推定発生率:1群6.5%、2群5.6%、3群6.0%、すべての比較のp値に有意差なし)。ただし95%CI値の幅が大きく、有効性に関する結論は限定的なものだとしている。

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CABGにおける内胸動脈の使用、両側 vs.片側/NEJM

 冠動脈バイパス術(CABG)における両側内胸(乳)動脈の使用と、片側内胸動脈+静脈グラフトの使用について、5年フォローアップの結果、死亡率や心血管イベント発生率について、有意な差はみられなかった。縦隔炎の発生は、両側群のほうが片側群よりも多く認められた。英国・オックスフォード大学のDavid P. Taggart氏らART研究グループが、多施設共同無作為化試験の結果、報告した。これまで観察試験のプール解析において、両側内胸動脈の使用のほうが長期アウトカムを改善する可能性が示されていた。しかし、手技が複雑、縦隔炎リスクが高い、無作為化試験によるエビデンスが不足しているとの理由から、両側内胸動脈の使用は、広く採用されていなかった。NEJM誌オンライン版2016年11月14日号掲載の報告。7ヵ国28施設で10年フォローアップを計画した無作為化試験 試験は、7ヵ国28の心臓手術センターで、CABGが予定されている患者を、片側内胸動脈を使用して手術を受ける(片側移植片)群、または両側内胸動脈にて手術を受ける(両側移植片)群に、無作為に割り付けて行われた。 主要アウトカムは、10年時点の全死因死亡。副次アウトカムは、全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合とした。本稿では、5年フォローアップの中間解析の結果が報告されている。中間解析(5年時点)では、主要アウトカムの全死因死亡に有意差なし 試験には3,102例が登録。1,554例が片側移植片群に、1,548例が両側移植片群に無作為に割り付けられた。 フォローアップ5年時点で、死亡率は両側移植片群8.7%、片側移植片群8.4%であった(ハザード比[HR]:1.04、95%信頼区間[CI]:0.81~1.32、p=0.77)。また、全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合アウトカムの発生率は、それぞれ12.2%、12.7%であった(HR:0.96、95%CI:0.79~1.17、p=0.69)。 縦隔炎の発生率は、両側移植片群3.5% vs.片側移植片群1.9%であった(p=0.005)。また、胸骨再建術はそれぞれ1.9% vs.0.6%であった(p=0.002)。 本試験は、フォローアップ10年に向けて現在も進行中である。

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完全磁気浮上型HeartMate IIIは第4世代のLVADとなるか?(解説:絹川 弘一郎 氏)-617

コメント対象論文Mehra MR, et al. N Engl J Med. 2016 Nov 16. [Epub ahead of print] 植込み型左室補助人工心臓LVADは、第1世代の拍動流型(Novacor、HeartMate I)、第2世代の軸流ポンプ型(HeartMate II、Jarvik 2000)、第3世代の遠心ポンプ型(EVAHEART、DuraHeart、HVAD)に分類されることが多い。内科治療抵抗性の重症心不全に対して、REMATCH試験という金字塔を打ち立てた第1世代の拍動流型HeartMate Iは、第2世代のHeartMate IIに瞬く間に駆逐されたが、2008年以来世界中で植込まれ、現在でもベストセラーとなっているのは実はそのHeartMate IIのままである。より新しい技術と考えられた第3世代の遠心ポンプ型で、動圧浮上と磁気浮上を組み合わせたHVADは、ADVANCE試験の結果をみると脳血管障害やポンプ血栓症などの重大合併症はHeartMate IIと同等かむしろ多いという結果で、第3世代が第2世代を凌駕するには至っていない。 そこに今回登場したのがHeartMate IIIである。遠心ポンプという点で第3世代に属し、さらに完全磁気浮上を電磁石により達成し、非接触軸受であるばかりかその間隙がHVADよりも20倍程度大きいということで、小型化を実現しながら血液成分に対する機械的影響がきわめて少ないという想定であった。その効果は、このMomentum 3試験で期待を裏切らず遺憾なく発揮されるところとなり、HeartMate IIで植込み後6ヵ月間に約10%の患者で認められたポンプ血栓症はHeartMate IIIではゼロ!であった。HeartMate IIIの1次エンドポイントの優越性を支えているのはポンプ血栓症によるデバイス交換の回避ということに尽きるようで、全死亡やよく知られた重大なその他の合併症(右心不全、不整脈、消化管出血、脳血管障害、ドライブライン感染)に関しては、基本的にHeartMate IIと差がない。植込み型LVADの最大の問題点として上記のさまざまな合併症による再入院率が、植込み後1年で75%にも上ることが指摘されている。 したがって、HeartMate IIIにおいても一定程度の再入院は引き続きケアする必要があるということになるが、ポンプ交換を必要とする医療コスト的にもまた患者の生命リスクにとっても重大イベントであるポンプ血栓症がデバイスの進化によってほとんど駆逐できたということは著しい進歩といえる。また、ポンプ血栓症がほぼ皆無ということになれば、抗凝固療法を一定程度緩和することで少なくとも重大な消化管出血や一部の脳出血の発症を減らすことができると考えられ、この結果を受けたHeartMate III植込み後のさらなる抗凝固プロトコル最適化が期待される。 実は、HeartMate IIIにはもう1つ回転数を周期的変化させるモードにより連続流型LVADの問題点である脈圧の狭小化を回避できる可能性がある。消化管出血の大きな原因となっている消化管の動静脈奇形出現は、少なくとも一部はこの連続流型LVADの脈圧狭小化によって生じるとの意見が強く、今回のMomentum 3試験6ヵ月時点で消化管出血に差は出ていないものの、予定されている長期フォローデータでは異なる結果になる可能性もある。いずれにせよ、NEJM誌に掲載されたことからすでにCEマークは取得しているがFDAの認可も間もなくではないか。 さて、最後にわが国の対応である。日本での植込み型LVADは、2016年12月現在保険償還されている機種はEVAHEART、HeartMate II、Jarvik 2000であり、Duraheartは2017年3月販売終了の予定で、今後の新規植込みはまずないものと思われる。HVADも治験終了し、製造販売承認手続き中である。しかしながら、Momentum 3試験のデータは、HeartMate IIIが今後第4世代のLVADとなりうる可能性を十分予想させるものであり、どのような形でわが国に導入されていくか、黒船襲来ともいうべきインパクトを感じる。

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太り過ぎると高血圧になりやすい

太り過ぎると高血圧になりやすい太り過ぎないよう心掛けましょう!【対象】30~79歳の日本人 2,547人(2010年の調査)高血圧になる確率3.482.821.00正常体重男性女性BMIが25以上の人正常体重者(BMI:18.5~24.9)と比較した過体重者/肥満者(BMI:25.0以上)の高血圧症のオッズ比Nagai M, et al. Hypertension research. 2015;38;790-795.より作図Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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うつ病とビタミンDとの関連、どこまで研究は進んでいるのか

 ビタミンDの欠乏や不足がうつ病と関連しているのか、また、ビタミンD補充がうつ病の有効な治療法であるのかを、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のGordon B Parker氏らが検討を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2016年10月11日号の報告。うつ病の病因と管理におけるビタミンDの役割 3つの検索エンジンとオンラインデータベース(PubMed、Google Scholar、コクランデータベース)を用いて、近年出版された経験的研究を抽出した。検索キーワードは、ビタミンD、うつ病、治療とし、ビタミンD欠乏/不足とうつ病との関連、うつ病治療薬としてビタミンDサプリメントやビタミンDを使用した文献を選択した。本レビューは、以前の研究も考慮したものの、2011年以降の最近の研究に比重を置いた。 主な結果は以下のとおり。・経験的研究では、ビタミンD欠乏とうつ病の関連、ビタミンD不足のうつ病患者に対するビタミンDサプリメントやビタミンD増強に関するエビデンスが増加していた。・多くの研究に関連する方法論的限界が述べられていた。・研究は、英語論文に限られており、出版バイアスは、肯定的な所見を持つ研究が多い可能性がある。・うつ病の病因と管理におけるビタミンDの役割を明らかにし、現在示唆されている関連が臨床的に適合されるのかを証明するために、横断的デザインを超え、無作為化された縦断研究を実施する必要がある。

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タウ凝集阻害薬の軽度~中等度アルツハイマー病への効果/Lancet

 ロイコメチルチオニニウムビス(LMTM)の第III相臨床試験の結果は否定的なものであり、軽度~中等度アルツハイマー病に対するLMTMのアドオン療法の有益性は示されなかった。カナダ・ダグラス精神保健大学研究所のSerge Gauthier氏らが、LMTMの安全性および有効性を評価する15ヵ月間の無作為化二重盲検比較試験の結果、報告した。先行研究で、塩化メチルチオニニウム(=メチレンブルー:酸化型メチルチオニニウムの塩化物)は、タウ凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病に対し単独療法で有効である可能性が示唆されている。LMTMはメチルチオニニウムの安定還元体で、塩化メチルチオニニウムより溶解性や吸収性が良好で、塩化メチルチオニニウムと同様、in vitroおよび遺伝子導入マウスモデルにおいて選択的タウ凝集阻害剤として作用することが確認されていた。なお、軽度のアルツハイマー病患者を対象としたLMTMの18ヵ月間の臨床試験の結果がまもなく報告される予定である。Lancet誌オンライン版2016年11月15日号掲載の報告。LMTM併用による認知機能およびADLの変化を評価 本試験は、16ヵ国(欧州、北米、アジア、ロシア)の大学および民間研究病院115施設において実施された。対象は、90歳未満の軽度~中等度アルツハイマー病患者で、他のアルツハイマー病治療薬を併用している患者も組み込まれた。ただし、メトヘモグロビン血症に関する警告のある薬剤を服用中の患者は除外された。 対象患者は、LMTMを75mg1日2回投与群(75mg群)、同125mg1日2回投与群(125mg群)または対照群(尿または便の変色に関して盲検化を維持するためLMTMを4mg1日2回投与)に、疾患重症度・地域・アルツハイマー病治療薬併用の有無・PET撮影の可否で層別化して3対3対4の割合で無作為割り付けされた。 主要評価項目は、アルツハイマー病評価尺度の認知機能スコア(ADAS-Cog)およびアルツハイマー病共同研究日常生活動作質問票スコア(ADCS-ADL)の、65週時におけるベースラインからの変化であった。修正intention-to-treat集団を対象として解析が行われた。LMTMの有効性は確認されず 2013年1月29日~2014年6月26日に、891例が無作為割り付けされた(75mg群268例、125mg群266例、対照群357例)。 主要評価項目に関して、どの群も治療効果は認められなかった。ADAS-Cogスコアの変化量は、対照群6.32(354例、95%信頼区間[CI]:5.31~7.34)に対し、75mg群-0.02(257例、95%CI:-1.60~1.56、p=0.9834)、125mg群-0.43(250例、95%CI:-2.06~1.20、p=0.9323)であった。ADCS-ADLスコアの変化量は、それぞれ-8.22(95%CI:-9.63~-6.82)、-0.93(95%CI:-3.12~1.26、p=0.8659)、-0.34(95%CI:-2.61~1.93、p=0.9479)であった。 75mg群および125mg群の安全性については、消化器および泌尿器系の有害事象の頻度が高く、投与中止理由としても最も多かった。臨床検査値異常で最も頻度が高かったのは、臨床的に重要ではないヘモグロビン濃度の用量依存的減少であった。アミロイド関連画像異常が確認された患者は1%未満(8/885例)であった。

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冠動脈疾患の遺伝的リスクは生活習慣で抑制できる/NEJM

 3件の前向きコホート研究と1件の横断研究の計5万5,685例全体で、遺伝的要因と生活習慣要因は、それぞれ独立して冠動脈疾患(CAD)の感受性と関連していることが示された。高遺伝子リスク群でも、生活習慣が悪い群よりも良い群でCADの相対リスクが約50%低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のAmit V. Khera氏らが、CADの遺伝子リスクを定量化し生活習慣との関連を解析し、報告した。遺伝的要因と生活習慣の要因はどちらも、個人のCADリスクに関与するが、高遺伝子リスクが健康的生活習慣によってどのくらい相殺されるかはこれまで不明であった。NEJM誌オンライン版2016年11月13日号掲載の報告。約5万6,000例の遺伝子リスクを定量化し生活習慣因子との関連を解析 研究グループは、DNA多型の多遺伝子スコアを用い、3件の前向きコホート研究(Atherosclerosis Risk in Communities[ARIC]研究7,814例、Women’s Genome Health Study [WGHS]研究2万1,222例、Malmo Diet and Cancer Study[MDCS]研究2万2,389例)、ならびに遺伝子型と共変量データが利用できる1件の横断研究(BioImage研究4,260例)の計4研究のデータを用いて、CAD遺伝子リスクを定量化する検討を行った。米国心臓協会(AHA)の戦略的目標から、4つの健康的生活習慣因子(現在喫煙なし、肥満なし、定期的な運動、健康的な食生活)で構成される評価法を作成し、健康的生活習慣の遵守を判定した。生活習慣が良い群で、悪い群より冠動脈イベントリスクが低い CADイベント発症の相対リスクは、低遺伝子リスク(多遺伝子スコアの第1五分位)群と比較して、高遺伝子リスク(多遺伝子スコアの第5五分位)群で91%高かった(ハザード比[HR]:1.91、95%信頼区間[CI]:1.75~2.09)。 また、生活習慣が良い(健康的生活習慣因子4つのうち3つ以上遵守)群は、遺伝子リスクに関係なく、悪い(健康的生活習慣因子が1つ以下)群と比較して、実質的にCADイベント発症のリスクが低かった。 高遺伝子リスク群において、生活習慣が悪い群と比較して、良い群はCADイベント発症の相対リスクが46%低かった(HR:0.54、95%CI:0.47~0.63)。10年間のCADイベントの標準化発症率は、ARIC研究では生活習慣が悪い群10.7%に対し、良い群5.1%、WGHS研究ではそれぞれ4.6%および2.0%、MDCS研究では8.2%および5.3%と、良い群で低かった。また、BioImage試験では、いずれの遺伝子リスクにおいても良い生活習慣は、冠動脈石灰化の有意な減少と関連していた。 なお著者は、各研究が無作為化試験ではないため、生活習慣要因とCADイベントリスクの関連性を因果関係として捉えることはできないこと、各コホート研究で生活習慣の評価方法がわずかに異なることなどを研究の限界として挙げている。

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EUCLID試験:クロピドグレルの先進性は驚異的(解説:後藤 信哉 氏)-615

 チクロピジン、クロピドグレルは、フランスの政財官が協調して作り上げた優れた抗血小板薬であった。作用標的は未知であったが、当時の標準治療であったアスピリンに対するランダム化比較試験を、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患を対象として行い勝利した。 米国にて、1997年に広い適応を取得した時点でも薬効標的は未知であったものの、これらの疾患におけるアスピリンに対するわずかな優位性に加えて、冠動脈ステント術後のステント血栓の予防には臨床家が実感できる効果があった。薬剤としての化学構造は、複雑、体内の代謝も未知、薬効標的分子も単離されないまま臨床家には広く使用された。世界のあまたの企業は、クロピドグレルの先進性にまったく追いつくことができなかった。 2001年に、7回膜貫通型受容体蛋白P2Y12が薬効標的として単離された。P2Y12はADPの受容体である。クロピドグレルはADPと相同性のないプロドラッグであったが、アストラゼネカ社はADP/ATP類似化合物として、P2Y12 ADP受容体阻害薬チカグレロル、カングレロルを開発した。最近の抗X薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬が各社ほぼ同時に開発する「me too!」ドラッグであることと比較すると、クロピドグレルの先進性、革新性は群を抜いていた。 カングレロルは、急性冠症候群を対象とする直接的な経静脈的P2Y12 ADP受容体阻害薬である。本邦の急性冠症候群は年間10万人なので、1回投与の価格を1万円としても、企業の収益は年間1万円×10万人=10億円にすぎない。1週間継続投与としても70億円なのでは、1,000億円クラスのブロックバスターを次々開発する大企業には、微々たる利益で開発の対象にならない。 チカグレロルは経口薬なので、1年服薬を継続すると考えれば、急性冠症候群で1日1万円の薬価とすると1万円×10万人×365日=3,650億円と商売になる。1万円の薬価は“べらぼう”なので1,000円にしても365億円、クロピドグレル並の200円にして70億程度と考える。クロピドグレルは特許を喪失して値崩れするだろうから、価格の競合を考えると市場をすべてとっても数億程度で大企業には魅力がない。 企業は、患者のための存在というよりも株主のための存在でもある。株主に大きな利益の期待を語れなければ良い経営者ではない。 チカグレロルでは、急性冠症候群のほかに脳血管疾患、末梢血管疾患、過去に血管病の既往のある糖尿病など、potentialな巨大市場を狙った「パルテノン計画」を発表した。 世界で年間数千億を売り上げた先進的、革新的なクロピドグレルが一社独占から開放されて価格競争の時代になっても、クロピドグレルに優る有効性、安全性を示すことができれば広い適応の取得が可能と考えた。 急性冠症候群を対象としたPLATO試験、心筋梗塞後1年以降の症例を対象としたPEGASUS試験は成功した。日本でも年間10万例の急性冠症候群を、発症後2~3年までチカグレロルで引っぱる科学的根拠を提示した(もっとも、日本で施行したPHILLO試験では急性期の有効性、安全性は示せなかったが…)。しかし、クロピドグレルの水準に達するためには脳血管疾患、末梢血管疾患における過去の標準治療と比較した有効性、安全性を示す必要がある。残念ながら、急性期脳卒中とTIAではアスピリンとの比較におけるSOCRATES試験にてチカグレロルの優越性を示すことができなかった。日本、アジア諸国では脳血管疾患の有病率が高く、世界人口におけるアジア人の比率も増加しているので、SOCRATES試験の失敗は開発企業には打撃であった。 症候性の末梢血管疾患は、近未来の血管イベント発生率が高い。メタ解析にてアスピリンによる心血管イベント予防効果が示されているが、標準治療が確立された領域ではない。急性冠症候群では90mg×2/日の用量にて、75mg/日のクロピドグレルに優る有効性を示した。 血栓イベントの発生に血小板が重要な役割を演じること、血小板による血栓形成にP2Y12 ADP受容体が重要な役割を演じていること、の2つの仮説が正しければ、急性冠症候群により強いP2Y12 ADP受容体阻害効果を示したチカグレロルは、クロピドグレルに優るはずであった。開発企業にとっても「チカグレロルが勝って当然」の試験であったと想像される。 しかし、結果はクロピドグレルとチカグレロルは同等であった。あらためて、クロピドグレルこそが革新的新薬であったことが確認された。 PLATO試験では、チカグレロル群の死亡率はクロピドグレル群より低く、死亡率の差は時間経過とともに拡大する傾向を認めた。死亡率低減効果は、チカグレロルの普及に大きく寄与した。しかし、今回のEUCLID試験では死亡率、心筋梗塞ともにクロピドグレル群において低い傾向であった。ランダム化のキーオープンの夜は、開発責任者は眠れなかったと想像される。 EBMの世界ではやり直しはできない。1万4千例近い大規模の末梢血管疾患における、抗血小板薬の有効性を検証する試験は過去に類をみない。私が開発責任者であれば、脳血管疾患、心血管疾患合併例を増やしたかもしれない。試験の登録基準を心筋梗塞後、脳梗塞後の末梢血管疾患とすれば、症例数を減らした試験はできたかもしれない。 しかし、あらためて、先行していたクロピドグレルは優れた薬であった。特許が切れて、広く社会に還元されたクロピドグレルの使用推奨により、医療コスト削減にも役立つ本試験のインパクトは甚だしい。

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