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循環器内科 米国臨床留学記 第10回

第10回 日本では使用されていない抗不整脈薬抗不整脈薬に関しては、日本と比べてアミオダロンを使用する機会が多いように感じます。おそらく、冠動脈疾患を伴う症例が多いため、フレカイニドなどのVaughan Williams分類Class Iの抗不整脈薬が使えない患者が多いことが一因だと思われます。米国では、日本では使用されていない心房細動に対する薬剤が幾つかありますので、紹介したいと思います。AHA/ACC/HRSのガイドラインに示されているように、器質的心疾患、とくに虚血性心疾患や心不全がある患者に使用できる抗不整脈薬は限られており、虚血性心疾患がある場合の選択肢はアミオダロン以外にdronedarone、dofetilide、ソタロールとなります。今回は、日本で使用されていないdofetilideおよびdronedaroneを取り上げたいと思います。dofetilide(商品名:Tikosyn)dofetilideはアミオダロンやソタロールと同じくClass IIIに分類される抗不整脈薬で、遅延整流外向きカリウムチャネルIKrに作用し心房および心室の不応期を延長します。dofetilideはQT延長作用が強いため、いろいろと制限があります。まず、開始前のQTcが440msより長い患者には使用することができません。また、腎機能によって投与量が異なり、クレアチニンクリアランスが20mL/min未満の患者では投薬できません。投薬後2時間の心電図によるQT間隔のチェックが必要で、かつ投与開始後最低3日間は入院のうえ、心電図モニターを継続することが推奨されています(いずれも添付文書より)。つまり、torsades de pointesなどが起きる可能性があるため、外来で始めることができないのです。実際、QTが著明に延長するため、標準投与量(500μg、1日2回)を投与できないこともよくあります。dofetilideの効果は用量と強く相関します。今年Heart Rhythm誌に発表された論文1)では、500μgを1日2回投与できたのは65.9%ですから、3分の1の症例で目標投与量に至らなかったようです。持続性心房細動に対してdofetilide導入入院中の薬物的除細動の成功率は41.9%で、1年後の洞調律維持は39.6%でした。同じClass IIIの抗不整脈薬のソタロールもQT延長作用が強く、米国ではdofetilideと同様、入院のうえ3日間モニタリングすることが勧められており、外来で開始することができません。dronedarone(商品名:Multaq)アミオダロンは抗不整脈薬の中でも最も有効性が高い薬剤ですが、ヨウ素剤による甲状腺や肺などに対する副作用のため、使用が難しい患者もいます。このアミオダロンからヨウ素を排除したのがdronedaroneです。半減期も13~19時間と、アミオダロンの2ヵ月前後と比べて短く、体内への蓄積が少なくて済みます。dronedaroneは薬理学的除細動の効果が低いため、除細動目的で処方することは推奨されていませんので、洞調律の維持のための処方となります。アミオダロンとの直接比較では、12ヵ月での洞調律維持がアミオダロンの75.1%に対して、dronedaroneは58.8%と有意に劣っていました2)が、最近のペースメーカーを用いた無作為化試験3)は、12週間の観察で心房細動の発生が54.4%減少することを示しています。dronedaroneは心不全を増悪させることがあり、心不全患者では注意が必要です。前述のガイドラインでは、NYHA Class IIIおよびIVの心不全患者で4週間以内に心不全のエピソードがある場合は禁忌となっています。上記のような制約のため、結果的に米国ではアミオダロンが頻繁に使われているのではないかと思われます。参考文献1) Huang HD, et al. Heart Rhythm. 2016 Feb 24. [Epub ahead of print]2) Le Heuzey JY, et al. J Cardiovasc Electrophysiol. 2010;21:597-605. 3) Ezekowitz MD, et al. J Interv Card Electrophysiol. 2015;42:69-76.

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CVIT 2016(第25回日本心血管インターベンション治療学会学術集会)会長インタビュー

第25回日本心血管インターベンション治療学会学術集会(CVIT 2016)が本年(2016年)7月7日~9日開催される。今大会の開催への思いと見どころについて、会長である東邦大学医療センター 大橋病院 中村正人氏に聞いた。今回の大会は公募演題を広く集められたそうですね?従来の大会のシンポジウム、パネルディスカッションなどは指定演題がほとんどだったのですが、日常臨床で遭遇する課題を取り上げるため、今回は公募演題を数多く採用しました。それもあって、演題数は当初の予定以上に増え、1,000題以上となりました。最近は循環器系の学会でもインターベンションを取り上げる機会が減っており、インターベンションを専門とする若い医師の発表の場が少なくなってきました。そういうこともあり、今大会は若い先生方がドキドキしながら発表するチャンスをたくさん作っています。大会テーマ「The road to Professional」の意味を教えていただけますか?それぞれの道は違えども、皆さんがプロフェッショナルという同じ目的地を目指してほしい、という思いでこのテーマにしました。ただ技術や知識があるだけではプロフェッショナルとはいえません。知識を持ったうえで、それを上手に活用してこそプロフェッショナルです。そのためには、チームワークや、自分たちができないことをできるようにするものづくりの工夫が必要となります。そのような考えから、今回は特別公演を3名にお願いしています。エディンバラ大学のKeith Fox先生には全般的なエビデンスの話を、早稲田大学で介護ロボットを作っておられる藤江 正克先生には“ものづくり”とイノベーションについて、サッカー日本代表元監督の岡田 武史氏にはチームワーク作りの話をしていただく予定です。●特別講演Unmet need of NOAC7月7日(木)16:00~17:00、第1会場 ホールCチームマネージメント~今治からの挑戦~7月8日(金)10:20~11:20、第1会場 ホールCヘルスケアロボティクスにおけるイノベーション7月9日(土)11:00~12:00、第1会場 ホールC“ものづくり”についてですが、今回の学会では「“ものづくり”のセッション」を設けていらっしゃいますね?この企画は今大会の新しい取り組みの1つで、経済産業省関東経済産業局の後援で開催します。これからは日本のインターベンションも新しいシーズを見つけて形にしていくという考え方が必要になります。そのため、日本での医療機器開発の成功例を講演していただくとともに、医療機器開発の海外との違いを議論したいと思います。また、技術展示ブースに日本のものづくり企業に出展いただき、医療側のニーズを知っていただくとともに、技術相談コーナーで開発アイデアを持つ医師との接点を持っていただければと思います。●医工産連携ものづくり企画シンポジウム「医療機器開発の成功例を知ろう」7月7日(木)13:00~16:00、展示会場(地下2階「展示ホール内」)パネルディスカッション「医療機器開発で、世界の競合に勝てるにはどうしたらよいか?」7月8日(金)9:00~12:30、展示会場(地下2階「展示ホール内」)技術相談コーナー「ホールE」内(地下2階)http://www2.convention.co.jp/cvit2016/contents/event.html産官学連携のセッションもあるそうですね?今後多くのデバイスが出てきますが、それらを無制限に使うことは医療費の観点から考えると不可能です。どのように市場に導入していくか検討し工夫していく必要があります。また今後、新規性のあるデバイスを早期に導入しようとすると未知のリスクが伴います。それを踏まえ、アカデミア、関連企業、PMDA、FDAそれぞれのスタンスを明らかにして議論したいと考え、産官学の連携セッションを企画しました。Harmonization by doing(HBD)のセッションでは、米国と日本の共同試験による早期承認の取り組みについての今までの経験を説明します。次に、近々上市が予定される話題の新デバイス生体吸収性ステント(BRS)について取り上げます。BRSは、そのベネフィットとともに血栓症リスクも議論されていますが、データは依然として限られています。このデバイスを日本にどう導入するかを議論します。さらに、CT-FFRについても取り上げます。日本にはEU全土と同じ台数のCTがあります。非侵襲的な検査としての大きなメリットがありますが、すべての施設で使うと大変なことになります。医療経済の点からマッチできるシナリオを議論したいと思います。もう1つ、近年注目されている出血合併症についても取り上げます。とくに、ハイリスクサブセットの定義は論文によってまちまちです。このサブセットの定義をどう考えるか企業とアカデミアの合意を形成していきたいと思います。日米欧 産官学共催セッション:最新テクノロジー(デバイス)の福音とリスク7月7日(木) 13:30~19:00、第14会場 G610Controversyセッションではどのようなテーマを取り上げるのですか?ここでは、DAPTの投与期間、心房細動合併患者の抗血小板薬の扱い、イメージングモダリティ(CT、FFR、OCTなど)をどのように適切に使っていくか、という従来から議論されていたテーマについて取り上げます。また、インターベンションの適切な実施については世界的に議論されており、欧米でもAUC(Appropriate Use Criteria)やハートチームといった取り組みが始まっています。しかし、それをそのまま日本に当てはめることは難しいと思います。どのように日本版のStandardized PCIを作っていくか、学会として取り上げています。Optimal Medication Following PCI Duration of DAPT after DES7月7日(木)10:30~12:00、第3会場 ホールB7-2Optimal Medication Following PCI Patients with Atrial Fibrillation7月8日(金)13:10~14:40、第3会場 ホールB7-2Imaging Appropriate Use of Multimodalities in Ischemic Heart Disease7月7日(木)17:20~18:50、第3会場 ホールB7-2日本におけるPCIの標準的適応7月8日(金)17:30~19:00、第3会場 ホールB7-2今年(2016年)4月に発生した熊本地震についても取り上げていますか?被災地である熊本の済生会熊本病院の中尾 浩一先生に、この地震での循環器医としての体験をお話しいただきます。あまり報道されませんが、この地震では多くの方が肺血栓塞栓症を発症しています。さらに、搬送の途中で亡くなる方も少なくなかったそうです。中尾先生の体験を通し、われわれ医師および医療者は、どういうことを知っておくべきかを学んでいきたいと思います。緊急企画 熊本地震の経験 現況報告7月7日(木) 18:30~19:00、第15会場 ホールE内40歳未満の参加者のための「Under 40」セッションではどのようなことが行われるのですか?このセッションの副題は「10年後のカテーテル治療を語ろう」です。インターベンションの適応はどう変わっていくか? CVITはどう変わっているか? といったテーマを事前に設定し、5名の代表演者に発表いただきます。40代未満の先生に、自分たちが携わっているインターベンションが将来どうなっているか予想していただき、自由闊達に意見交換をしていただきたいと思います。会長企画1 Under 40 ~10年後のカテーテル治療を語ろう7月7日(木)17:00~18:30、ポスター会場 ホールE教育セッションについても工夫されたそうですね?教育セッションは、従来は並列で行われていましたが、見たいものが重複してしまうという声を聞いていました。そこで今回は見たいテーマが重ならないよう、1部屋を教育セッション用に充て、3日間通して開催することにしています。教育セッション7月7日(木)16:00~18:00、第10会場 G4097月8日(金)8:30~18:00、7月9日(土)8:30~14:10、第8会場 G701その他にも興味深い取り組みがあるそうですね?「子ども体験コーナー」を作ります。このコーナーでは、CT、MRI、心電図、血圧計測を子供たちに体験してもらい、医療に興味を持ってもらいたいとの思いで企画しました。子ども体験コーナー7月8日(金)10:00~18:00、7月9日(土)10:00~18:00、地下2F セミナー室1http://www2.convention.co.jp/cvit2016/contents/kodomo.html企業展示については、参加者が楽しめ出展企業にもベネフィットがあるよう工夫しました。各ブースでアンケート調査を用意していただき、スタンプラリーを行います。集まったスタンプの数で賞品をお渡しする仕組みです。参加者の息抜きになりますし、出展企業も使用者の声を聞き、マーケティングに利用していただくことができます。また、展示ブースは格子戸などをアレンジし江戸時代の街並みを演出します。ポスター会場についても、領域ごとに照明を色分けし、わかりやすくしています。こちらは、近代的デザインにして、同じフロアにある江戸時代風の展示会場との対比を楽しんでいただけるようにします。ケアネット会員の方へメッセージをお願いします。これからは日本からエビデンスを発信する時代ですから、若い世代にはリサーチマインドを持ってほしいと思います。そういう意味でも、たくさんの若い先生に参加していただきたいと考えています。今大会は、私が思い描くこと、興味のあることを企画として取り上げました。この大会を通じて皆が同じ方向を向いて歩んでいってほしいと願っています。CVIT 2016 ホームページhttp://www2.convention.co.jp/cvit2016/index.html

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青年期うつ病を予測する小児期の特徴

 カナダ・オタワ大学のMurray Weeks氏らは、16~17歳の抑うつ症状を有する青少年における4~5歳から14~15歳にかけての内在化問題、外在化問題、学力の3つのドメインについて縦断的に調査した。Journal of adolescence誌オンライン版2016年6月8日号の報告。 対象は、小児と青少年の全国縦断研究の一環として年2回フォローされたカナダの小児6,425人。 主な結果は以下のとおり。・内的ドメイン(すなわち、安定性)の影響は中程度であった。・小児期早期の内在化問題と外在化問題の間(正の相関)、および小児期後期、青年期の学力と外在化問題との間(負の相関)で、1時点(すなわち、one-lag cascades)での縦断的クロスドメインの影響を見出した。・また、4~5歳の低い学力と6~7歳の内在化問題の大きさが12~13歳以上の外在化問題を予測し、6~7歳以上の外在化問題が16~17歳以上のうつ病を予測することについて、複数時点(すなわち、multi-lag cascades)でのカスケード効果を見出した。・青年期うつ病への重要な経路は、小児期および青年期の内在化問題を通じた経路の安定性、ならびに適応のすべてのドメインを含む可能性のある複数の経路を含んでおり、これは青年期うつ病の多因子の性質を浮き彫りにするものである。関連医療ニュース 青年期うつは自助予防可能か 成人期まで持続するADHD、その予測因子は 生徒のうつ病に対する教師サポートの影響は

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エンパグリフロジン、腎症の発症・進行を抑制/NEJM

 心血管リスクが高い2型糖尿病患者において、SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)は、標準治療への追加によりプラセボと比較して腎症の進行を抑制し、臨床的な腎イベント発生率を低下させることが明らかとなった。ドイツ・Wurzburg University ClinicのChristoph Wanner氏らが、EMPA-REG OUTCOME試験で事前に規定されていた腎アウトカムの解析から報告した。糖尿病では心血管および腎イベントのリスクが増加するが、エンパグリフロジンは、EMPA-REG OUTCOME試験において標準治療への追加により、主要評価項目である心血管イベントのリスクを有意に低下させることが報告され、注目されていた。NEJM誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。約7,000例でエンパグリフロジン上乗せによる腎アウトカムを解析 EMPA-REG OUTCOME試験は、42ヵ国、590施設において、心血管イベントの発生リスクが高い2型糖尿病患者を対象に、エンパグリフロジンの標準治療への上乗せによる有効性を評価した長期無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。心血管疾患の既往歴を有し、推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/分/1.73m2以上の2型糖尿病患者7,020例が、エンパグリフロジン(10mgまたは25mg、1日1回投与)群、またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 事前に規定された腎アウトカムは、腎症の発症・悪化(微量アルブミン尿の進行、血清クレアチニン倍化、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)、ならびにアルブミン尿の新規発症であった。プラセボと比較し、腎症の発症・悪化が39%、腎代替療法導入が55%低下 治療期間中央値2.6年、観察期間中央値3.1年において、腎症の発症・悪化はエンパグリフロジン群で12.7%(525/4,124例)、プラセボ群で18.8%(388/2,061例)にみられ、エンパグリフロジン群で39%有意なリスク低下が認められた(ハザード比[HR]:0.61、95%信頼区間[CI]:0.53~0.70、p<0.001)。血清クレアチニンの倍化は、エンパグリフロジン群で1.5%(70/4,645例)、プラセボ群で2.6%(60/2,323例)にみられ、エンパグリフロジン群で44%有意にリスクが低下した(HR:0.56、95%CI:0.39~0.79、p<0.001)。また、腎代替療法の導入率はエンパグリフロジン群0.3%(13/4,687例)、プラセボ群0.6%(14/2,333例)であり、エンパグリフロジン群で55%有意にリスクが低下した(HR:0.45、95%CI:0.21~0.97、p=0.04)。アルブミン尿の新規発症率は、両群間で有意差は認められなかった(エンパグリフロジン群51.5%、プラセボ群51.2%、p=0.25)。 ベースラインに腎機能障害を有する患者におけるエンパグリフロジンの有害事象プロファイルは、患者全体で報告されたものと類似していた。 なお、著者は「今回の結果は心血管リスクの低い2型糖尿病患者にも一般化できるというわけではなく、エンパグリフロジン投与患者でみられた腎機能の違いを説明するには追跡期間が不十分である」と述べている。

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全粒穀物の摂取は、あらゆる死亡リスクを下げる/BMJ

 全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、全死亡、呼吸器疾患・感染症・糖尿病・非心血管疾患または非がんによる死亡のリスク低下と関連していることを、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDagfinn Aune氏らが、前向き研究のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。全粒穀物の摂取量の多さと、2型糖尿病、心血管疾患および体重増加のリスク低下が関連することが示唆されていたが、慢性疾患や死亡リスクを低下させるための全粒穀物の摂取量や種類はよくわかっていなかった。著者は、「慢性疾患や早期死亡のリスクを減らすために全粒穀物を多く摂取する食事ガイドラインが推奨される」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。穀物摂取と各種疾患の発症・死亡リスクとの関連を調査した45件の研究をメタ解析 研究グループは、PubMedおよびEmbaseを用い、2016年4月3日までに発表された論文を検索し、全粒穀物または他の穀物の摂取量と心血管・がん・全死因または死因別死亡リスクとの関連(補正相対リスク)を報告した前向き研究45件(64論文)を特定しデータを分析した。統計解析にはランダム効果モデルを用い、相対リスクと95%信頼区間(CI)を算出した。 全粒穀物の摂取量は、90gを3食分(1食分は全粒パン1枚、または全粒シリアル1ボウル、または全粒ピタパン1.5枚など)とした。全粒穀物90g/日摂取で、心血管疾患の発症リスクが22%、全死亡リスクが17%低下 全粒穀物の摂取量が1日90g増えた場合の発症の相対リスクは、冠動脈疾患が0.81(95%CI:0.75~0.87、I2=9%、7件)、脳卒中が0.88(0.75~1.03、56%、6件)、心血管疾患が0.78(0.73~0.85、40%、10件)であった。また、死亡の相対リスクは、全てのがん0.85(0.80~0.91、37%、6件)、全死亡0.83(0.77~0.90、83%、11件)、呼吸器疾患0.78(0.70~0.87、0%、4件)、糖尿病0.49(0.23~1.05、85%、4件)、感染症0.74(0.56~0.96、0%、3件)、神経系疾患1.15(0.66~2.02、79%、2件)、非心血管疾患または非がんによる死亡0.78(0.75~0.82、0%、5件)であった。 全粒穀物の摂取量が210~225g/日(7~7.5食/日)までは、ほとんどの評価項目でリスクの低下が観察された。また、全粒パン、全粒シリアル、ブラン添加など特定の種類の全粒穀物、およびパン全体ならびに朝食用シリアル全体で、心血管疾患や全死亡のリスク低下との関連が認められたが、精製穀物、白米、米全体あるいは穀物全体では関連がほとんどみられなかった。

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自殺リスクの高い胃がん患者の特性は

 胃がん患者の自殺リスクは米国一般住民の約4倍で、診断から3ヵ月以内が最も高いことがわかった。さらに「男性」「白色人種」「独身」「遠隔転移のある病期」が有意に自殺リスクの増加と関連していた。東海大学医学部付属八王子病院放射線治療科の菅原 章友氏らが報告した。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年6月15日号に掲載。 著者らは、SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベースを用いて、1998~2011年に胃がんと診断された患者における自殺率と標準化死亡比(SMR)を算出した。また、自殺リスクの増加に関連する因子を同定するために多変量解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・患者は合計6万5,535例で、10万9,597人年のフォローアップを行い、68例の患者が自殺した。・年齢調整後の自殺率は、10万人年当たり34.6(SMR:4.07、95%CI:3.18~5.13)で、診断から3ヵ月以内が最も高かった(SMR:67.67、95%CI:40.74~106.15)。・多変量解析の結果、以下の因子が自殺リスクの増加と有意に関連していた。  男性(発生率比:7.15、95%CI:3.05~16.78、p<0.0001)  白色人種(発生率比:3.23、95%CI:1.00~10.35、p=0.0491)  独身(発生率比:2.01、95%CI:1.22~3.30、p=0.0060)  遠隔転移のある病期(発生率比:2.90、95%CI:1.72~4.92、p<0.0001)

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AGA治療前に評価すべき項目

 男性型脱毛症(AGA)の若年男性ではボディイメージの変化が心理社会的な障害となることが多い。ボディイメージへの不満は性機能の問題の増大に関連しているが、これまで心理社会的障害がAGA男性の性機能障害に及ぼす影響についての検討はなかった。スペイン・Hospital TorrecardenasのAlejandro Molina-Leyva氏らは、AGAの若年男性を対象に、抜け毛による心理社会的障害が性機能障害に及ぼす影響を検討した。AGAの主な治療の1つであるフィナステリド(1mg)には、性機能障害の副作用が現れることがある。著者らは「とくにフィナステリド治療を検討する際に、AGA男性では精神的健康状態および性機能の評価が重要といえる」と結論付けている。Acta dermatovenerologica Croatica誌2016年4月号掲載の報告。 横断研究デザイン。対象は、インターネットのオンラインコミュニティで募集したAGAの男性190人(18~40歳)。被験者はSKINDEX-29、Massachusetts General Hospital Sex Functioning Questionnaireから成るオンライン調査に回答した。 主な結果は以下のとおり。・中等度~重度の心理社会的障害のあるAGA男性では、同障害がないもしくは軽度の男性と比較して、性機能障害のリスクが高かった(調整OR 2.1、95%CI:1.2~4.0、p=0.02)。・性欲、性的興奮は性的反応が最も影響する要素だが、勃起不全の増加および全体的な満足度の減少が報告された。・中等度~重度の心理社会的障害を有する18~40歳のAGA男性では、性機能障害のリスク増大が認められた。

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記憶障害を利用する【Dr. 中島の 新・徒然草】(124)

百二十四の段 記憶障害を利用する遠い昔、私が研修医であった頃。脳外科病棟で毎朝のように不平不満を言っている高齢女性がおられました。女性「何で私の朝ごはんを引いたん!」看護師「〇〇さん、食べたじゃありませんか」女性「食べてへん!」看護師「さっき食べているところを見ましたよ」女性「ウソばっかり!」「『朝ごはんを引く』というのは、『食べる前に下げられてしまった』という意味なのか。知らんかったわい」と漠然と思った記憶があります。この女性は毎朝のように自分だけ朝ごはんをもらっていない、と文句を言いに詰所に来ていたのです。今考えれば、認知症の一症状としての短期記憶障害だったのではないかと思います。しかし当時の病棟スタッフはどう対応してよいかわからず、もちろんわれわれ研修医も訳がわからず、「何で私の朝ごはんを引いたん!」が繰り返されていたのです。現在では認知症の方も増えてきたので、多くの家庭でこのような光景が見られるのではないでしょうか。でも、どう対応してよいのかわからないのは相変わらずだと思います。なにしろ本人は朝ごはんを食べたという記憶が残っていないのですから、たとえ「私は朝ごはんを食べました。平成〇年〇月〇日 何々太郎兵衛」といった証文を書いてもらったとしても、あるいは食べているところをビデオに録画して見せたとしても、まったく効果はありません。単に「うまく騙しやがって」と思われるだけです。ところが先日、ある研修医向け講演会でこのような時の対処法についてのお話がありました。講師「このような時には『すぐに朝ごはんを準備しますから、それまで飴ちゃんでもなめて待っといてね』と言っておけばよろしい」聴衆一同「……(そないなウソついて、バレたらえらいことやがな)」講師「朝ごはんを食べたことを忘れる人は、『朝ごはんの準備をしている』と言われたことすらすぐに忘れてしまいますから」聴衆一同「あっ、そうか。頭いい!」なるほど、その手がありましたか。この講師は、そのほかにも認知症の患者さんにありがちな、「そろそろ家に帰ります」といって自宅からどこかに行こうとする人や、台所の手伝いをしようとして皿を割ってしまう人に対して、どのように接すればいいかをうまく説明しておられました。前者に対しては、「じゃあ家まで送りましょう」と言って、そこら辺を一緒に歩いてから自宅に帰ってくればいいそうです。さっきまでいた所だという記憶は残っていないので、本人も納得です。後者に対しては、台所の手伝いの代わりに洗濯物をたたんでもらえばいいのだとか。洗濯物は落としても割れないし、御本人にも相応の役割を果たしてもらうことができます。それにしてもいろいろな方法があるもんですね。この先生も最初からうまくできたわけではなく、いろいろな試行錯誤の末にいい方法を見つけたのではないかと思います。認知症患者さんの困った行動はいろいろあるのも事実ですが、このようなコツを知れば、何とかなりそうな気もしてきます。最後に1句認知症 記憶の弱さを 活用だ

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パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果

 統合失調症治療薬であるパリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)は、日本や諸外国で承認されている。日本の市販直後調査(EPPV)期間の6ヵ月間に、死亡例が32例報告された。米国・ヤンセンファーマのPhillip Pierce氏らは、PP1M治療患者における致死的な転帰への潜在的な要因を検討した。Current medical research and opinion誌オンライン版2016年6月5日号の報告。 2013年11月19日~2014年5月18日までにEPPVを通じて得られたPP1M使用後の有害事象報告を、グローバル安全性データベースに入力し、これらの事象を分析した。 主な結果は以下のとおり。・EPPV期間中に、日本においてPP1M治療を受けた患者は1万962例と推定された。・日本でのEPPV期間中の死亡報告率(5.84/1,000人・年)は、米国(0.43/1,000人・年)やグローバル(0.38/1,000人・年)でPP1Mが承認された時よりも高率であった。しかし、日本の臨床試験や患者コホート研究で観察された死亡率と一致していた(10.2/1,000人・年)。・日本のPP1MのEPPV期間中に報告された死亡例32例のうち、19例(59.4%)は50歳以上、23例は心血管リスク因子を有し、25例(78.1%)は抗精神病薬の多剤併用が行われていた。 著者らは「日本のPP1MのEPPV期間中に報告された死亡例32例に関する本レビューに基づくと、観察された死亡率は、必ずしも日本人に対するPP1M使用リスクに起因するわけではない」とし「日本における死亡率の高さは、日本独自のEPPVプログラムの死亡報告、高齢者、心血管リスクの高さ、複数の基礎疾患、抗精神病薬の多剤併用といったさまざまな要因に起因すると考えられる」とまとめている。関連医療ニュース 月1回の持効性抗精神病薬、安全に使用できるのか 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大

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リラグルチドで2型糖尿病の心血管イベントリスク低下/NEJM

 心血管イベントの発生リスクが高い2型糖尿病患者に対し、標準治療に加えてGLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)を投与することで、心血管イベントリスクが有意に低下したことが報告された。米国・テキサス大学のSteven P. Marso 氏らによる9,000例超を対象とした国際多施設共同のプラセボ対照無作為化二重盲検試験「LEADER」の結果で、NEJM誌オンライン版2016年6月13日号で発表された。2型糖尿病患者で、標準治療に追加投与した場合のリラグルチドの心血管系の効果については明らかになっていなかった。心血管死、非致死的心筋梗塞・脳卒中の初回発生を時間事象分析 LEADER試験は、32ヵ国、410ヵ所の医療機関を通じ、2型糖尿病で心血管イベントの発生リスクが高い9,340例を対象に行われた。 被験者を無作為に2群に割り付け、一方にはリラグルチドを(1.8mgまたは最大耐容量)、もう一方の群にはプラセボを、それぞれ1日1回標準治療に加え投与した。 主要評価項目は心血管死・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中の初回発生の複合で、時間事象分析にて評価した。本試験は、主要アウトカムについてリラグルチドはプラセボに対し非劣性であると仮定して行われ、非劣性マージンの設定は、ハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)上限値1.30とされた。また、事前規定の探索的アウトカムについて、多様性に関する補正は行われなかった。リラグルチド投与で心血管死リスクが約2割低下 追跡期間中央値は3.8年だった。主要評価項目の複合イベントの発生は、プラセボ群14.9%(694/4,672例)に対し、リラグルチド群は13.0%(608/4,668例)と有意に低率だった(HR:0.87、95%CI:0.78~0.97、非劣性p<0.001、優越性p=0.01)。 個別にみると、心血管死亡の発生は、プラセボ群6.0%(278例)に対し、リラグルチド群は4.7%(219例)で有意に低率だった(HR:0.78、95%CI:0.66~0.93、p=0.007)。また全死因死亡も、それぞれ9.6%(447例)と8.2%(381例)と、リラグルチド群で有意に低かった(同:0.85、0.74~0.97、p=0.02)。 一方で、非致死的心筋梗塞(同:0.88、0.75~1.03、p=0.11)、非致死的脳卒中(0.89、0.72~1.11、p=0.30)、心不全による入院(0.87、0.73~1.05)の発生については、プラセボ群と比べてリラグルチド群で有意な低下は認められなかった。 試験薬の中断率は、リラグルチド群がプラセボ群よりも有意に多かった(9.5% vs.7.3%、p<0.001)。リラグルチド群服用中止の原因で最も頻度の高かった有害事象は、消化管イベントだった。膵炎の発生は、リラグルチド群のほうが少なかったが有意差はみられなかった(急性膵炎18例[0.4%] vs.23例[0.5%](p=0.44)。

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B型肝炎の母子感染予防、テノホビルが有効/NEJM

 B型肝炎e抗原(HBeAg)陽性で、HBV-DNA量20万IU/mL超の妊婦に対し、妊娠30~32週からテノホビル・ジソプロキシル・フマル酸塩(TDF)の経口投与を始めると、母子感染率は低下することが示された。米国・ニューヨーク大学のCalvin Q.Pan氏らが、妊婦200例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2016年6月16日号で発表された。TDFを妊娠30~32週から出産後4週まで投与 研究グループは、HBeAgが陽性でHBV-DNA量が20万IU/mL超の妊娠中の女性200例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群には抗ウイルス療法を行わない通常療法を、もう一方の群にはTDF(300mg/日)を妊娠30~32週から出産後4週まで経口投与した。すべての出生児に対して、免疫学的予防を実施。被験者のフォローアップは、分娩後28週まで行った。 主要評価項目は、母子感染率と先天異常の発生率だった。副次的評価項目は、TDFの安全性と、母体の分娩時HBV-DNA量が20万IU/mL未満だった割合、出産後28週時のHBeAgまたはB型肝炎表面抗原の消失や陽転の割合などだった。分娩後28週時の母子感染率、TDF群5%、対照群18% その結果、分娩後28週時の母子感染率は、intention-to-treat解析では対照群が18%(18/100例)に対し、TDF群が5%(5/97例)と有意に低率だった(p=0.007)。per-protocol解析では、対照群7%に対しTDF群は0%だった(p=0.01)。 分娩時のHBV-DNA量が20万IU/mL未満だった母体の割合は、対照群2%に対し、TDF群では68%と有意に高率だった(p<0.001)。 母子の安全性については両群で類似しており、クレアチンキナーゼ値の上昇は、TDF群で高率に認められた(p=0.006)が、先天性異常発生率について、対照群1%、TDF群2%と同等だった(p=1.00)。 また、TDF群では、TDF服用中止後、アラニンアミノトランスフェラーゼ値について正常値を上回る上昇がみられた人の割合が45%と、対照群の30%と比べて有意に多くみられた(p=0.03)。母体のHBV血清学的転帰は、両群で有意な差はみられなかった。

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DPP-4阻害薬は糖尿病網膜症の進行を抑制する!?

 DPP-4阻害薬による糖尿病治療は、糖尿病網膜症の進行に対し血糖コントロールの改善とは独立した防御因子であることを、韓国・亜洲大学校のYoo-Ri Chung氏らが報告した。DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症に対する有用性を示した最初の研究であり、著者らは「DPP-4阻害薬の糖尿病網膜症の進行に対する有効性について、無作為化二重盲検プラセボ比較試験によりさらなる評価を行うことを促す予備的データである」とまとめている。Retina誌オンライン版2016年6月9日号の掲載の報告。 研究グループは、2型糖尿病患者の糖尿病網膜症進行に対するDPP-4阻害薬の効果を糖尿病網膜症重症度スケールに基づいて評価する目的で、2型糖尿病患者82例について2005~15年の医療記録を後ろ向きに調査した。 眼底写真はETDRSを用いてグレード分類し、ベースラインの危険因子と糖尿病網膜症との関係について調査した。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病網膜症が進行した(ETDRSスコアで1以上)のは、DPP-4阻害薬治療群は28例中7例、他の糖尿病治療薬治療群では54例中26例であった。・DPP-4阻害薬治療についてのみ、傾向スコアマッチング後に糖尿病網膜症の進行が有意に減少することが示された(p=0.009)。・DPP-4阻害薬による治療は、糖尿病網膜症進行のリスク低下と有意な関連が認められた(p=0.011)。

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関節リウマチに対してリツキシマブはTNF阻害薬と効果は同等(非劣性)で費用対効果はむしろ高い(解説:金子 開知 氏)-554

 リツキシマブは、CD20(成熟B細胞の表面抗原)を標的としたキメラ型モノクローナル抗体であり、TNF(tumor necrosis factor)阻害薬やIL-6阻害薬とは異なる作用点を有する生物学的製剤である。リツキシマブの投与により自己抗体産生が低下し、自己免疫性疾患の治療効果が期待されている。わが国では、関節リウマチ(RA)に対するリツキシマブの保険適用はないが、欧米ではTNF阻害薬に抵抗性のRAに対して認可されている。これまでRA治療の生物学的製剤導入療法として、リツキシマブとTNF阻害薬の有効性、安全性、費用対効果などを直接比較した臨床研究はなかった。 今回、Porter氏らは、血清反応陽性で、従来型抗リウマチ薬が効果不十分の高疾患活動性のRA患者を対象に、リツキシマブとTNF阻害薬の非盲検無作為化対照非劣性試験を行った。患者をリツキシマブまたはTNF阻害薬を投与する群に1:1に無作為に割り付けた。リツキシマブ群はリツキシマブ1gの点滴静注を2回(1日目と15日目)投与し、26週後にDAS(disease activity score)28-ESRスコア>3.2の場合に再投与した。また、前投与としてリツキシマブ投与30分前にメチルプレドニゾロン100mgが投与された。TNF阻害薬群は、アダリムマブ隔週1回40mg皮下注またはエタネルセプト週1回50mg皮下注を、患者またはリウマチ専門医の選択によって投与した。治療による副作用や治療効果が乏しい場合は、治療を切り替えることを可能とした。主要評価項目は、per-protocol集団(割り付け後1年時点まで観察できた患者)におけるDAS28-ESRスコアのベースラインから12ヵ月時点までの変化とした。安全性の評価は、試験薬を少なくとも1回投与した全患者を対象とした。各治療薬の費用対効果も評価した。非劣性マージンはDAS28-ESR0.6とした。 295例の患者が無作為に割り付けられ、リツキシマブ(n=144)またはTNF阻害薬(n=151)の投与を受けた。12ヵ月後のDAS28-ESRスコアの変化はリツキシマブ群が-2.6(SD1.4)、TNF阻害薬群が-2.4(SD1.5)であり、両群差は事前規定非劣性マージン内であった。健康関連費用(薬剤費、診療費、血液検査、画像検査費用)は、リツキシマブ群はTNF阻害薬群より有意に低かった(リツキシマブ群9,405ポンドに対して、TNF阻害薬群1万1,523ポンド)。リツキシマブ群は23例がTNF阻害薬に、TNF阻害薬群は49例がリツキシマブに変更された。有害事象報告はリツキシマブ群では下痢が多く、TNF阻害薬群では注射部位反応が多かった。重篤な薬剤関連による有害事象の、発症頻度は両群に有意な差は認めなかった。死亡例は、各群1例ずつであった。 本研究では、血清反応陽性のRA患者における生物学的製剤の初期治療としての効果は、リツキシマブがTNF阻害薬に非劣性であり、12ヵ月間の費用対効果はリツキシマブが高いことを示した。しかし、さらに長期的なデータが必要であり、リツキシマブは反復投与期間が不明確であること、リツキシマブ前治療として高用量ステロイドが必要なこと、血清反応陰性のRA患者における有用性などの問題点を今後解明していく必要がある。

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カテーテル関連尿路感染症の予防プログラム(解説:小金丸 博 氏)-555

 カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)は、デバイスに関連して起こる代表的な医療関連感染症の1つである。医療関連感染症を減少させることは非常に重要な課題であり、国を挙げて取り組みが行われている。本論文では、米国において国家的プロジェクトとして行われているCAUTIの予防プログラムが、非ICU患者における尿道カテーテルの使用率およびCAUTIの発生率を有意に低下させることが示された。 本研究には、全米規模で数多くの病院、ユニット(ICU、非ICU)が参加している。ランダム化比較試験ではないこと、プログラムへの参加は自由意思でありすべての病院に一般化できないこと、データ収集が不完全であることなどのlimitationはあるものの、信頼できるデータといえる。 本研究では、CAUTIの予防プログラムによって、ICU患者における尿道カテーテルの使用率とCAUTIの発生率を低下させることはできなかった。ICUには重症患者が多く、細やかな尿量測定のために尿道カテーテルの留置が必要な患者が多い。ICUにおける尿道カテーテル留置は適切と判断されることが多いため、予防プログラムによる啓発では減らすことができず、結果として、CAUTIの発生率も低下させることができなかった可能性が考えられる。 ガイドラインでは、CAUTIの予防のために、尿道カテーテルの適正使用、無菌操作での挿入、適切なメンテナンス、不必要となった尿道カテーテルの抜去を推奨している。尿道カテーテルを留置している患者では、毎日カテーテルの必要性を評価し、抜去や代替療法(コンドームカテーテルの使用や間欠的自己導尿など)への変更を検討することが望ましい。臨床の現場では、不要なカテーテルは留置しないこと、不要となったカテーテルは早期に抜去することを常に意識しておきたい。

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広汎性発達障害に日本で使用されている薬剤は:東北大学

 日本において、広汎性発達障害(PDD)に適応を有する薬剤は、ピモジドだけである。いくつかの抗精神病薬は、日本でも適応外で使用されているが、これら薬剤の処方および使用に関する詳細は不明な点が多い。東北大学の佐藤 倫広氏らは、日本のPDD児における薬物治療の実態を明らかにするため調査を行った。World journal of pediatrics誌オンライン版2016年6月10日号の報告。 2005~10年に新規でPDD(ICD-10:F84)と診断された18歳未満の小児3,276例のデータを、日本医療データセンターの請求データより抽出した。処方率は、それぞれの薬剤が処方されたPDD患者の割合とした。 主な結果は以下のとおり。・2010年以前には、ATC分類で神経系に属する薬剤のうち、非定型抗精神病薬、他の抗精神病薬、精神刺激薬、他のすべての中枢神経系作用薬、抗けいれん薬、非バルビツール酸系薬、パーキンソン病/症候群薬の処方が有意に増加していた(trend p≦0.02)。・リスペリドンの処方率は一貫して増加しており、2010年には6.9%に達していた(trend p<0.0001)。これは、調査対象の抗精神病薬のうち最も高かった。・アリピプラゾールの処方率も増加しており、2010年には1.9%に達していた(trend p<0.0001)。・ピモジドの処方率には変化がなく、2010年は0.4%と低率であった。 著者らは「ピモジドと比較し、リスペリドン、アリピプラゾール、他の向精神薬の処方率が増加している。日本人小児に対するこれら薬物の安全性データは十分でないため、今後の安全性評価が必要とされる」としている。関連医療ニュース 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か? 抗精神病薬の適応外処方、年代別の傾向を調査 非定型抗精神病薬、小児への適応外使用の現状

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過去10年で米国女性の肥満率が上昇/JAMA

 米国成人の年齢補正後肥満の有病率は、2013~14年男性35.0%、女性40.4%であり、女性の全肥満(BMI≧30)と3度肥満(BMI≧40)の有病率は2005~2014年の間に有意な右肩上がりの上昇が認められたことを、米国疾病予防管理センター(CDC)のKatherine M. Flegal氏らが報告した。同期間中、男性については有意な傾向はみられなかったという。これまでの調査研究では、1980~2000年の米国成人の肥満の有病率は男女ともに有意な上昇が認められ、その後2003~04年まで、男性については有意な上昇がみられたが女性ではみられなかった。著者は、「さらなる研究を行い、今回の調査で認められた傾向の要因を調べる必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年6月7日号掲載の報告。2013~14年および2005~14年の成人男女の肥満の有病率動向を調査 研究グループは、性別、年齢、人種/ヒスパニック系、喫煙状態、教育レベルで補正した肥満の有病率について、2013~14年、および2005~14年の直近10年の傾向を調べた。全米の代表的市民を抽出して体重と身長などを測定して行われた断面調査の米国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いて分析した。 主要評価項目は、肥満(BMI≧30)と3度肥満(BMI≧40)の有病率であった。直近10年、女性のみ有意に有病率が上昇 分析は、NHANESの直近2年(2013~14年)の男性2,638人(平均年齢46.8歳)と女性2,817人(同48.4歳)のデータと、2005~12年の2万1,013人のデータを基に行われた。 2013~14年の年齢補正後肥満有病率は、全体では37.7%(95%信頼区間[CI]:35.8~39.7)であり、男性では35.0%(同:32.8~37.3)、女性では40.4%(同:37.6~43.3)であった。 3度肥満相当の有病率は、全体で7.7%(95%CI:6.2~9.3)であり、男性では5.5%(同:4.0~7.2)、女性では9.9%(同:7.5~12.3)であった。 2005~14年の直近10年の変化の傾向を分析した結果、年齢・人種/ヒスパニック系・喫煙状態・教育で補正後、女性の全肥満(p=0.004)、3度肥満(p=0.01)で有意な直線的な増大の傾向がみられたが、男性では全肥満(p=0.30)、3度肥満(p=0.14)ともにそのような傾向はみられなかった。

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上海の小児の8.5%がアトピー性皮膚炎、そのリスク因子とは

 中国・上海の3~6歳児のうち、8.5%がアトピー性皮膚炎(AD)を有しており、そのリスク因子として、家の改築/改装、新調した家具や室内のカビ、都心の住宅、遺伝的素因、食物アレルギーが考えられることを、復旦大学のFeng Xu氏らが報告した。アンケート断面調査の結果であるという。上海の就学前小児においてADの頻度が高いことは知られていたが、研究グループは今回、発症のリスク因子を特定することを目的に本調査を行った。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2016年5月27日号の掲載の報告。 断面調査は2010年4~6月に上海にて行われ、AD児のリスク因子を、住居環境、人口統計学および両親・祖父母のAD歴の観点から調査した。ADの診断は、U.K. Working Party's(UKWP)基準に則った。 6地区(都市2、郊外/地方都市4)で、就学前の小児の両親または保護者にアンケート協力を求め、最終的に、小児6,624例(男児51.3%)のデータを収集。多重ロジスティック回帰法にて、補正後オッズ比(AOR)と95%信頼区間(CI)値を求め分析した。 主な結果は以下のとおり。・ADを有していた小児は、8.5%であった。・約10.2%の母親が、新しく改築/改装した家(NRDH)に、胎生期(妊娠中または妊娠前1年)に住んでいた。また9.5%が同じく胎生期に家具を新調(NHF)していた。・小児にADが多かったのは、母親が胎生期にNRDHに住んでいる(AOR:1.41、95%CI:1.03~1.93)、現在住居に室内カビがある(2.00、1.48~2.70)、両親祖父母がAD(3.85、3.05~4.87)、小児自身に食物アレルギーがある(3.40、2.63~4.40)、小児が都市に住んでいる(1.52、1.18~1.96)であった。・ADとNRDH、NHFおよび室内のカビとの関連は、両親祖父母にAD歴がない場合のみ、有意であった。・両親祖父母のAD歴とNRDHには、交互作用効果が認められた(p<0.05)。

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アスピリンの脳卒中早期再発予防効果(解説:内山 真一郎 氏)-552

 一過性脳虚血発作(TIA)や急性虚血性脳卒中(AIS)に対するアスピリンの長期再発予防効果は有意ではあるものの、わずかであるが、TIAやAISは早期の再発リスクが大きいことが知られている。そこで、オックスフォード大学のRothwell教授らは、これまでに行われたアスピリンのプラセボ対照比較試験の対象となった症例の生データを用いて、TIAやAISにおけるアスピリンの早期再発予防効果を発症後の期間別にメタ解析した。また、同様な解析をアスピリンとジピリダモールの併用療法についても行った。 その結果、アスピリンにより、発症後6週間で虚血性脳卒中の再発は60%も減少し、介助を要する脳卒中や致死的脳卒中は70%も減少することが判明した。再発予防効果は6~12週まで持続したが、12週以後は有意ではなくなった。 一方、ジピリダモールとアスピリンの併用は12週までは効果がなく、ジピリダモールはそれ以後に有意な再発予防効果を認めた。 これらの結果より、著者らは、TIA発症後早期にアスピリンを自己服用する啓発教育の重要性を説いている。また、アスピリンとジピリダモールの対照的な発症後期間別の効果は、両薬剤の作用機序の相違を反映しているのではないかと考察している。 TIAや軽症AISに対するアスピリンの早期自己服薬は医療経済効果を考えれば、日本でも普及させるべき治療法であるが、日本では欧米より出血性脳卒中の比率が高いので画像診断なしの服薬は問題が残る。ただし、画像検査を行うとしてもMRIは必要なく、CTで頭蓋内出血を否定すれば十分であろう。

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