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患者の性格と認知症タイプでBPSDを予測可能:旭川医大

 レビー小体型認知症(DLB)とアルツハイマー型認知症(AD)における患者の発症前の性格特性とBPSD(behavioral and psychological symptoms in dementia:認知症の行動・心理症状)との関連について、旭川医科大学の田端 一基氏らが検討を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年2月8日号の報告。 対象は、DLB患者41例、AD患者98例。対象患者のBPSD評価には、NPI(Neuropsychiatric Inventory)を用いた。各患者の中年期の性格特性は、NEO-FFI(NEO Five-Factor Inventory)を用いて、患者家族より評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・DLB患者の重回帰分析において、NPI総スコアおよび不安と病前の開放性、妄想と病前の協調性、興奮と病前の勤勉性が有意に関連していた。・AD患者のうつ症状と病前の情緒不安定性、興奮、無関心、過敏性と病前の協調性が有意に関連していた。 著者らは「病前性格は、DLBおよびADにおいて、BPSDに異なった影響を及ぼしていることが示された。BPSDに対する病前性格の影響差を考慮すると、これら症状を軽減するための介入を開発するには、さらなる研究が必要である」としている。関連医療ニュース 認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 統合失調症患者の性格で予後を予測

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白斑と甲状腺がんは有意に関連:韓国の住民ベース研究

 白斑は、自己免疫性甲状腺疾患および甲状腺がんと有意に関連していることが、韓国・カトリック大学校のJung Min Bae氏らによる、国民健康保険支払データベースを用いた調査研究の結果、報告された。これまでにも繰り返し白斑と甲状腺疾患の関連については報告があるが、今回研究グループは、全国的な住民ベース研究にて両者の関連について調査を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年2月23日号掲載の報告。 調査はデータベースにおいて2009~13年に、主病名診断が白斑で4人以上の医師の受診記録がある患者を白斑患者と定義し、年齢および性別で適合した非白斑患者を対照患者(白斑患者1例に対し対照2例)として、バセドウ病と橋本病の併発(対象患者は至適薬物による治療中)、甲状腺がんについて評価した。 主な結果は以下のとおり。・本研究には、白斑患者7万3,336例、対照患者14万6,672例が登録された。・白斑患者は対照患者と比較して、バセドウ病(オッズ比[OR]:2.610、95%信頼区間[CI]:2.319~2.938)、橋本病(OR:1.609、95%CI:1.437~1.802)、甲状腺がん(OR:1.127、95%CI:1.022~1.242)のいずれの評価項目についてもリスク増加が認められた。・関連性は、男性、若年患者で、一貫してより強かった。・今回の研究では個々の患者の臨床的情報を入手しておらず、また均一性集団という点で、結果の一般化可能性は限定的なものである。

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「3大がん」死亡リスクが高い職業は?:日本人男性

 肺がん・胃がん・大腸がんは、日本人男性におけるがん関連死亡原因のトップ3となっている。北里大学の江口 尚氏らは、これらの3大がんによる死亡リスクが高い職業および産業を特定することが、健康に関する社会的マーカーを解明するための第一歩であると仮定し、調査を行った。Scientific Reports誌2017年2月23日号の報告。 日本人男性(25~64歳)における3大がんによる死亡リスクの職業および産業別の差異について、2010年の全国職業調査データおよび産業別死亡率データを用いて検討した(調査対象:2,697万4,828人)。また、調査対象のうち、従事者が最も多い「製造業」を対照分類とし、ポアソン回帰モデルを用いて年齢調整後の死亡率比を推定した。 主な結果は以下のとおり。<職業・産業別の死亡率>・肺がんおよび大腸がんの死亡率は、職業別では「行政・管理」、産業別では「鉱業」の男性で最も高かった。・胃がんの死亡率は、職業別では「農林水産業」、産業別では「鉱業」の男性で最も高かった。・「失業者」の3大がんによる死亡率は、全職業・全産業の中で最も高かった。<職業・産業別の相対死亡リスク>・職業別の3大がんによる死亡の相対リスクは、「サービス業」、「行政・管理」、「農林水産業」、「専門職・エンジニア」の男性で高かった。・産業別の3大がんによる死亡の相対リスクは、「鉱業」、「電力・ガス」、「水産業」、「農業・林業」の男性で高かった。<製造業を対照とした職業別の死亡率比>・失業者:8.07~11.40倍・サービス業:2.96~3.65倍・行政・管理:2.42~3.49倍・農林水産業:2.11~2.49倍・専門職・エンジニア:1.99~2.48倍・建築・鉱業:1.35~1.61倍・営業:1.06~1.29倍・運輸・機械操作:1.05~1.31倍・事務:0.74~0.87倍・警備:0.61~0.79倍・運送・清掃・梱包:0.53~0.64倍

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日本における急性心筋梗塞のDoor to Balloon Time、90分を切るためには

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の管理において、90分以内のDoor to Balloon Time(DTBT)は重要な指標となるが、とくに米国や欧州以外の国では、多くの患者がこの目標を達成していない。慶應義塾大学の池村 修寛氏らは、国内の現状とDTBT遅延の予測因子について分析を行った。Circulation journal誌オンライン版2017年2月23日号の報告。ST上昇型心筋梗塞の半数はDoor to Balloon Timeが90分以内に達していない 2008~13年にJCD-KiCS多施設レジストリに登録された患者より、症候発症12時間以内にプライマリPCIを施行したSTEMI症例2,428例を分析した。レジストリにおける本コホート内のDTBT推移と90分超のDTBT遅延の独立した予測因子を分析した。 DTBT遅延の予測因子について分析を行った主な結果は以下のとおり。・研究期間中のDTBT中央値は90分(IQR:68~115分)であり、年による有意な変化は認められなかった。・DTBT遅延の予測因子は、末梢動脈疾患(PAD)、血管再建術歴、時間外搬送、75歳以上、搬送時の心不全、IABPまたはVA-ECMOの使用であった。・とくに、大規模なPCI対応施設(PCI200件/年以上)は、小規模の施設(PCI200件/年未満)と比較し、DTBTが短縮されていた。 著者らは「現在、STEMI症例の半数は、DTBTが90分以内に達していなかった。高齢者や複数の併存疾患を有する患者、時間外にPCIを実施した患者をターゲットとすることが、この改善に役立つ可能性がある」としている。

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RAS阻害薬によるクレアチニン値増加、30%未満でもリスク/BMJ

 RAS阻害薬(ACE阻害薬またはARB)服用開始後のクレアチニン値の上昇は、ガイドラインで閾値とされる増大幅が30%未満であっても、末期腎不全や心筋梗塞などの心・腎臓有害イベントや死亡リスクが漸増する関連があることが明らかにされた。クレアチニン値10%未満との比較で、10~19%の増加で死亡リスクは約1.2倍に、20~29%の増加で約1.4倍に増大することが示されたという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学校のMorten Schmidt氏らが、RAS阻害薬(ACE阻害薬・ARB)の服用を開始した12万例超について行ったコホート試験の結果、明らかにした。BMJ誌2017年3月9日号掲載の報告。RAS阻害薬と末期腎不全、心筋梗塞、心不全、死亡との関連を検証 研究グループは1997~2014年の、英国プライマリケア医の電子診療録を含むデータベース「Clinical Practice Research Datalink」(CPRD)と病院エピソード統計「Hospital Episode Statistics」(HES)を基に、RAS阻害薬(ACE阻害薬またはARB)の服用を開始した12万2,363例を対象に、ACE・ARB開始後のクレアチニン値上昇と、心・腎臓アウトカムとの関連を調べた。 ポアソン回帰分析法を用いて、クレアチニン値30%以上の増加や10%増加ごとと、末期腎不全、心筋梗塞、心不全、死亡との関連についてそれぞれ検証した。解析では、年齢、性別、歴期間、社会経済状況、生活習慣、CKD、糖尿病、心血管の併存疾患、その他の降圧薬、NSAIDsの使用で補正を行った。RAS阻害薬服用後のクレアチニン値増加に伴い心・腎イベントリスクも段階的に増加 RAS阻害薬服用後にクレアチニン値が30%以上増加したのは、被験者の1.7%にあたる2,078例だった。クレアチニン値の30%以上の増加は、評価項目としたすべての心・腎イベントの発症と関連が認められた。 クレアチニン値の増加30%未満での発生と比較した補正後罹患率比は、末期腎不全については3.43(95%信頼区間[CI]:2.40~4.91)、心筋梗塞は1.46(同:1.16~1.84)、心不全は1.37(1.14~1.65)、死亡は1.84(1.65~2.05)だった。 クレアチニン値の増加幅に応じた心・腎アウトカムについて調べたところ、10%未満、10~19%、20~29%、30~39%、40%以上と段階的にすべての評価アウトカムについてリスクが増加する傾向が認められた(いずれも傾向のp<0.001)。 死亡に関する補正後罹患率比は、クレアチニン値10%未満の増加との比較で、10~19%の増加で1.15(1.09~1.22)、20~29%の増加で1.35(1.23~1.49)だった。 これらの結果は、歴期間、サブグループ、服用継続の有無などで検討した場合も一貫して認められた。

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試験登録されたRCTはポジティブな結果となるのか?/BMJ

 無作為化比較試験の臨床試験レジストリへの登録の有無と、試験結果が肯定的であるかどうかについては、ほとんど関連がないとの研究結果が示された。登録時期の違いでみた場合も関連は認められないという。また、試験の資金提供が企業か非企業かの違いによる推定相対リスクは不明確であった。英国・オックスフォード大学のAyodele Odutayo氏らが、約600件の無作為化比較試験について調査した結果で、BMJ誌2017年3月14日号で発表した。593例のレジストリ登録無作為化試験について調査 検討は、2012年12月までに発表され、2013年11月までにPubMedに索引付けされた主要無作為化比較試験を対象に行われた。 試験の臨床試験レジストリへの登録と、肯定的な試験結果との関連について、横断研究にて検証した。試験レジストリは、発表論文ベースで登録番号を確認、または試験登録検索で識別して確認。番号が明記されていない場合でも、世界保健機関臨床試験レジストリ(WHO ICTRP)や、欧州連合(EU)臨床試験レジスター、clinicaltrials.govなどで検索を行い、登録有無について確認した。登録については事前、事後で分けての検討も行った。 適格であった無作為化試験は1,122例で、そのうち登録試験は593例(52.9%)、非登録試験は529例(47.1%)であった。事前・事後登録で層別化後も、試験結果と登録有無の関連見られず 全体的に、試験登録と肯定的な試験結果の関連は、統計的に有意だがわずかであった(補正後リスク比:0.87、95%信頼区間[CI]:0.78~0.98)。試験実施以前または以後の登録で層別化した場合にも有意差はみられなかった(それぞれ、補正後リスク比:0.87[0.74~1.03]、0.88[0.78~1.00])。 全体的に試験登録と資金源の相互作用は、わずかであるが統計的に有意であることが認められた(相互作用のp=0.046)。資金源が非企業の試験についてみると、登録された試験は非登録試験に比べ、試験結果が肯定的である傾向は低かった(補正後リスク比:0.75、同:0.63〜0.89)。一方で、資金源が企業の試験で、登録試験と肯定的試験結果との関連は認められず(1.03、0.79~1.36)、推定相対リスクは不明確であった。

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乳がん化学療法においてタキサン系薬剤による脱毛の予防に頭皮冷却が有効(解説:矢形 寛 氏)-654

 乳がん術前後の化学療法には、通常アントラサイクリン系とタキサン系薬剤が使用され、脱毛は必発である。脱毛は患者にとって最も辛い副作用の1つであり、これを回避することができれば治療後の生活の質の改善にもつながりうる。 頭皮冷却による脱毛予防は以前より研究されてきたが、今回は乳がんの標準的化学療法に的を絞った質の高い試験結果の報告であり、本格的に臨床応用を考えていく段階に入ったといえる。 しかしながら、頭皮冷却によって十分な効果が認められたのはタキサン系薬剤のみであり、アントラサイクリン系薬剤では有効性は低そうである。現在私たちは、アントラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤を併用し、6ヵ月間の治療を行うことが多く、頭皮冷却による脱毛予防効果は期待しにくい。現状では、アントラサイクリン系薬剤を用いず、タキサン系薬剤を柱とする治療(TC、TCHなど)を行う場合によい適応となろう。 ただし、本邦において臨床応用にはさまざまな課題が残る。頭皮冷却は化学療法前から始まり終了後もしばらく継続するため、患者1人当たりの化学療法室占有時間が長くなる、冷却装置を複数台置くための十分なスペースが必要であり管理するための医療者の労働負担も大きくなる、冷却装置自体決して安価なものではなく保険適応外のため、病院または患者に一定の費用負担がかかる、などである。

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循環器内科 米国臨床留学記 第19回

第19回 点滴に1日数百万円!? 拝金主義にまつわるアメリカのダークサイド先日、1本の電話が薬剤部からかかってきました。「この薬は一晩で数百万以上かかるのですぐにやめてほしい」。日本でもよく使用している薬だったので、まさに寝耳に水でした。その薬とは、イソプロテレノールという点滴です。日本ではプロタノールとして販売されています。事の成り行きはこうです。心拍数30前後の洞不全症候群の患者が入院してきました。心拍数が継続的に30以下になり、めまいを訴えたため、日本でもよく使用していたイソプロテレノールの点滴静脈注射を開始しました。患者の心拍は上昇し、朝まで問題なく経過したのですが、翌日の昼になり薬剤部から上記の苦情が入り、ドパミンに切り替えました。なぜ、そんな値段になるのか半信半疑で計算してみました。イソプロテレノールを、体重50Kgの患者に対し0.2μg/kg/min(最大投与速度)で1日使用したとすると、1時間当たり0.6mg必要となり、0.2mg入りのバイアルが3A必要となります。日本では、1バイアル226円ですから、時間当たり678円となります。これを一晩12時間使用しても8,136円です。ところがアメリカでは、0.2mg/mLの1mLの価格が1,766ドル(20万円!!)で、日本の約1,000倍近い値段です(「UpToDate」記載の価格による)。したがって、12時間使用すると確かに6万3,576ドル (724万円)となります。薬剤部と製薬会社との交渉で多少ディスカウントがあるようですが、それでも数百万はかかります。数年前までは1A当たり 44.5ドルで、現在の日本の価格の4倍程度でした。ところが、Marathon Pharmaceuticals社が権利を買収し、218.3ドルまで値段を釣り上げます。さらに、この会社はValeant Pharmaceuticals社に買収されます。この会社はなんと1A当たりの値段を1,200ドルまで値上げします。つまり、たった数年の間に30倍にまで値段が上昇したわけです。実は、このことは米国不整脈学会(HRS)でも問題視されています。HRSはロビー活動を行い、製薬会社に対し、必要な薬を常識的な価格で供給するよう働きかけています。ご存じかも知れませんが、このようなことは、他の薬でも起きています。少し前の話になりますが、コルヒチンもその一つです。古代ギリシャ時代から3,000年以上も使用されているコルヒチンですが、1ドル10セント程度だったのが、突然5ドルに値段が引き上げられました(詳細は、Aaron Kesselheim医師によるNew England Journal of Medicineの論文をご参照ください)。日本でもニュースになっていましたが、マラリアやトキソプラズマ症などの寄生虫感染症治療薬であるダラプリム(商品名:ピリメタミン)もその一つです。Turing Pharmaceuticalsという2015年に新しく作られた製薬会社は、ダラプリムの権利を買い占めます。その後、1錠当たり13.5ドルだったダラプリムは、一晩で750ドル、50倍以上に釣り上げられました。Martin ShkreliというCEOは批判を浴びますが、「Aston Martinを自転車の値段で売っている会社があれば、その会社を買収し、Toyotaの値段をつける。これが罪になるとは思えない」と主張しています。彼は投資家であり、最初からこのスキームで売り上げを上げるために会社を買収しているわけですから、悪いとも思っていないでしょう。消費者から反感を買ったMartin Shkreliは、結局、証券取引にまつわる詐欺容疑で逮捕され、CEOを辞めることになりました。Turing社も一度は値下げをすると発表しましたが、いまだに1錠750ドルのままです。日本と違い、米国では製薬会社が薬剤の値段を自由に決められます。複数の製薬会社が同じ薬剤を製造しているのなら、競争原理が働くため問題はありませんが、これらの会社はそういった複数の会社を買収することで、その薬の販売権利を独占します。そのようなCEOや会社は、いかにお金を稼ぐかしか考えていませんから、患者や国にどのような負担が増えるかは気にしていません。悲しいことですが、これが米国の拝金主義の現実です。医師としては、使用する前に薬の値段をチェックすればよかったと反省しています。拝金主義者の常識はずれな値段決定と比べると、厚生労働省が価格を決定する日本のような価格統制のほうが好ましいように感じます。【訂正のお知らせ】本文内に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2017年5月23日)。

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第3回 情報の共有に至るインフォームド・コンセントとは【患者コミュニケーション塾】

医師の説明不足を訴える患者が後を絶たない意外な理由インフォームド・コンセントが「説明と同意」と日本医師会生命倫理懇談会によって訳され、「これからの日本の医療現場に普及する必要がある」と記者発表されてから四半世紀が過ぎました。それにもかかわらず、電話相談に届く医師への苦情として「説明不足」を訴える相談者がいまだに後を絶たないということが、数年前から気になっています。しかも、非常に基本的な内容を「説明されていない」と訴える方が多いのです。私自身、患者・家族として医療を受ける機会もありますが、最近、説明してくれない医師に出会う機会はまずないと言っていいほど、詳しく丁寧に説明する医師が増えました。それだけに、多くの患者が説明不足を訴えることを不思議に思い、相談者には必ず「説明の時間を取ってもらえなかったのですか?」と確認するようにしています。すると、大きな決断を要するような疾患の場合は、ほとんどの方が「いえいえ、説明は1時間ほど受けました」とおっしゃるのです。“日本版インフォームド・コンセント”の定着が原因!?さらに深く相談者の話に耳を傾け、分析した結果、皮肉にも説明不足という訴えの原因の1つは、“インフォームド・コンセント”の定着だということがわかりました。インフォームド・コンセントは本来、患者の権利に関する概念ですが、日本に上陸して以来、「説明すること」と解釈されて広まりました。そのため、現在の日本の医療現場におけるインフォームド・コンセントの多くは、医師が必要だと思った情報の一方通行になってしまっているのです。しかも、長時間にわたり、専門的で詳細な内容を口頭で患者は聞きます。冷静に考えてみれば、医療についてまったくの素人がそれらの説明のすべてを理解し、記憶に留められるわけがありません。そのため、医師が説明し、患者も一度は耳を通過させた内容であっても、理解が足りず、結果的に「聞いていない」ことになってしまっているのです。患者の理解を確認するための方法とは?それでは、せっかく長い時間と多大なエネルギーをかけて説明した内容も生かされません。それだけに、十分な説明を患者が理解し、情報の共有に至るインフォームド・コンセントのあり方を考える必要があると思います。その具体的な方策として、医師が説明した後、研修医や看護師から「今日、先生から大切な説明があったと思いますが、どのような治療で、どれくらいの治療効果が期待できるとイメージされましたか?」などと患者に確認し、自ら言語化してもらうようにしてはどうでしょうか。そうすれば、もし患者が誤って思い込んでいる内容があれば浮き彫りになり、まだ足りない情報が何かが見えてきます。その後は、チーム医療で情報の補填をする。治療を始める前の、できるだけ早い時期に、このような情報の共有を図ることが大切だと考えています。

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うつ病スクリーニングがたった2つの質問で可能

 高齢者に対するうつ病のスクリーニングは推奨されている。中国・香港中文大学のKelvin K F Tsoi氏らは、高齢者における2項目スクリーン(Two-Question Screen)の診断精度を評価し、ほかのうつ病スクリーニング法と比較した。2項目スクリーンの質問項目は、「過去1ヵ月間で、気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分、絶望的な気分になりましたか」および「過去1ヵ月間で、しばしば小さなことに悩まされたり、何をしても楽しくないと感じますか」である。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年2月16日号の報告。うつ病スクリーニングにおいて、2項目スクリーンが診断精度良好 高齢者における、うつ病スクリーニング法の診断精度を評価した研究の、文献検索を行った。主要アウトカムは、感受性と特異性を含む総合的な診断精度とした。潜在的なバイアスリスクと研究の質についても評価した。 うつ病スクリーニング法の診断精度評価の主な結果は以下のとおり。・133件の研究において、4万6,651例が16種類のスクリーニング法により評価されていた。・大部分の研究(64/133件)において、さまざまなバージョンの老年期うつ病評価尺度(Geriatric Depression Scale:GDS)が使用されており、2項目スクリーンは6件で使用されていた。・2項目スクリーンの総合感受性と特異性は、91.8%(95%CI:85.2~95.6)と67.7%(95%CI:58.1~76.0)であった。また、診断精度のAUCは90%であった。・2項目スクリーンは、臨床医評価尺度を含むほかの尺度と同等の精度を示した。・1項目スクリーンは、AUCが78%であり、診断精度が最も低かった。・サブグループ解析においても、うつ病のスクリーニングにおいて、2項目スクリーンの良好な診断精度が示された。 著者らは「2項目スクリーンは、うつ病スクリーニングのためのシンプルかつ簡便な診断法である。その診断精度は、ほかの診断法と同等であり、高齢者のスクリーニングプログラムに使用することが好ましい」としている。

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インスリン療法の脱落理由、日本人における特徴は?

 日本の糖尿病患者と医師が認識しているインスリン療法の障壁を調査するために、京都大学の原島 伸一氏らは、8ヵ国が参加したGlobal Attitude of Patients and Physicians in Insulin Therapy(GAPP)スタディのサブ解析を実施した。その結果、インスリン療法を受けている日本人患者の多くが、おそらく低血糖への恐れやライフスタイルのために脱落する、もしくは治療を順守しないことがわかった。著者らは「患者のライフスタイルを妨げず、低血糖リスクを減少させるインスリン療法が必要」としている。Expert opinion on pharmacotherapy誌2017年1月号に掲載。 GAPPスタディは2010年に実施され、1,250人の医師がインターネット調査に参加し、そのうち日本の医師が100人、また1,530人の患者がコンピュータ利用の電話調査で回答し、日本の患者は150人であった。著者らは、日本人参加者の結果を他の7ヵ国における結果と比較した。 主な結果は以下のとおり。・日本人患者の44%がインスリン療法から脱落または非順守を報告し、他の国より多かった。・日本人医師は、インスリン治療への非順守は患者のライフスタイルによって引き起こされたと報告している。・日本では他の国に比べて低血糖の既往のある患者が多かった。・日本の医師の94%および患者の84%が、現在使用できるインスリン療法のレジメンが患者の多様なライフスタイルに適合しないと回答した。

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エボロクマブFOURIER試験、心血管アウトカム2年で有意に改善

 エボロクマブ(商品名:レパーサ)の心血管イベントの大規模研究であるFOURIER試験の結果が、米国心臓病学会(ACC.17)のLate Breaking Clinical Trialセッションで発表された。PCSK9阻害薬の追加による、主要心血管有害事象(MACE)の抑制を初めて示したこの結果は、同時にNew England Journal of Medicineにも掲載された。実臨床を反映し、高リスク患者を対象にした2万7千例の試験 FOURIERは、エボロクマブの効果と安全性を評価した無作為化プラセボ対照二重盲検第III相試験。対象は、アテローム性心血管病変を有し、LDL70mg/dL以上でスタチン治療を受けている患者2万7,564例。81.1%に心筋梗塞、19.4%に非出血性脳卒中、13.2%に症候性の末梢動脈病変の既往があり、69.3%は高強度のスタチン療法を受けているなど高リスク集団である。患者は無作為にエボロクマブ(140mg/2週間または420mg/月 )+最適スタチン群(1万3,784例)と、プラセボ+最適スタチン群(1万3,780例)の2群に無作為に割り付けられた。この研究はイベント・ドリブン型であり、主要副次的評価項目のイベント想定数1,630例を超えた時点で解析され、試験期間の中央値は2.2年である。評価委員会はTIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)試験グループで、データは試験スポンサーとは独立して解析された。2.2年で20%のMACEリスク低減 LDL-C中央値は、エボロクマブ群でベースラインの92mg/dLから48週目に30mg/dLまで低下し、その効果は試験期間を通して持続した。この2.2年の試験期間において、主要複合評価項目である心血管死、心筋梗塞、脳卒中、不安定狭心症による入院、冠動脈再建術のイベント発生は、エボロクマブ群9.8%、プラセボ群11.3%と、エボロクマブで15%有意に減少した(HR:0.85、95%CI:0.79~0.92、p<0.001)。また、一般的なMACEの指標で、試験の主要副次的複合評価項目である、心臓血管死、心筋梗塞または脳卒中の発症は、エボロクマブ群5.9%、プラセボ群7.4%と、エボロクマブ群で20%有意に減少した(HR:0.80、95% CI:0.73~0.88、p<0.001)。単独の評価項目でも確認されたリスク抑制 イベント抑制は個別の評価項目でも確認され、心筋梗塞では27%(p<0.001)、脳卒中では21%(p=0.01)、冠動脈血行再建については22%(p<0.001)、エボロクマブ群で有意な相対リスク減少がみられた。また、日本人患者429例を含む、Asia/Pacificサブグループでもイベント抑制が確認されており、主要評価項目は27%、副次的評価項目は33%、エボロクマブ群で相対リスク減少がみられた。また、このリスク低下は時間と共に増加し、Amgen社の発表によれば、致命的・非致死的心筋梗塞または脳卒中の相対リスク減少は1年目の19%(p=0.003)から1年目以降は33%(p<0.00001)に増加していた。 試験を主導したTIMI試験グループのChairで論文筆頭著者のMarc S. Sabatine氏(ブリガム&ウィメンズ病院)は、ACCのインタビューで「この結果は、イベントリスクが高いアテローム性動脈硬化症患者にとっては非常に良いニュースであり、患者がLDL-Cを現在の目標値以上に低下させることで、より利益を得ることを強く示唆している」と述べている。(ケアネット 細田 雅之)参考ACC News StorySabatine MS, et al. N Engl J Med. 2017 Mar 17. [Epub ahead of print]Amgen社(米国):ニュースリリースFOURIER試験(Clinical Trials.gov)

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ネズミ由来の小児喘息に総合的有害生物管理は有効か/JAMA

 米国では、ネズミのまん延が、都市近郊の低所得層居住区に特有の問題となっており、ネズミに感作した喘息児がネズミ由来アレルゲンに曝露すると、感作あるいは曝露がない患児に比べ喘息症状の発現頻度が高いとの報告がある。また、専門家が行う総合的有害生物管理(integrated pest management:IPM)による介入は、ネズミ由来アレルゲン濃度を低下させることが知られている。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のElizabeth C Matsui氏ら研究グループは、有害生物管理教育へのIPMの併用による喘息症状の抑制効果を検証する無作為化臨床試験(MAAIT試験)を行った。研究の成果は、JAMA誌2017年3月6日号に掲載された。361例で喘息症状の発現日数を評価 MAAIT試験の対象は、ボストン市およびボルチモア市の都市部に居住する年齢5~17歳のネズミ感作およびネズミ由来アレルゲン曝露がみられる持続型喘息の青少年で、前年に増悪がみられた患者であった。 被験者は、専門家によるIPMと有害生物管理教育を受ける群または有害生物管理教育のみを受ける群にランダムに割り付けられ、1年間の治療が行われた。IPMには、殺鼠剤の使用、侵入口となり得る穴の封鎖、捕獲罠の設置、アレルゲン曝露源の除去を目的とする清掃、アレルゲンが確認されたマットレスと枕への防御カバーの装着、移動式空気清浄機が含まれた。 3ヵ月ごとにネズミの発生状況を評価し、まん延が持続または再発生した場合は治療を追加した。すべての被験者が、捕獲罠や穴の封鎖、清掃法に関する資料や実際のやり方の説明書などを用いた有害生物管理教育を受けた。 主要評価項目は、6、9、12ヵ月時の直近2週間における3つの症状(喘息による活動性の減弱、就寝中の喘息症状による覚醒、咳嗽・喘鳴・胸部圧迫感の発現)のうち、最も多い症状の発現日数とした。 2010年5月~2014年8月に、361例(平均年齢:9.8[SD 3.2]歳、女児:38%)が登録された。IPM追加群に181例、有害生物管理教育単独群には180例が割り付けられ、それぞれ166例、168例が主要評価項目の解析に含まれた。最大症状発現日数に差はない 全体として、低所得層とマイノリティが多くを占め、直近2週間の3症状の最大発症日数中央値は3.0日、前年の喘息による緊急受診中央値は2回であった。 有害事象は、IPM追加群が4件、有害生物管理教育単独群は2件認められたが、いずれもデータ収集作業に関連するものであった。 6、9、12ヵ月時の最大症状発現日数中央値は、IPM追加群が2.0日(IQR:0.7~4.7)、有害生物管理教育単独群は2.7日(同:1.3~5.0)であり、両群間に統計学的に有意な差は認めなかった(p=0.16)。また、追加群の単独群に対する症状発現率比は0.86(95%信頼区間[CI]:0.69~1.06)だった。 副次評価項目(3つの個々の症状、運動時の症状、短時間作用型β受容体刺激薬の使用、緊急受診、入院、救急診療部受診、肺機能、経口ステロイド薬の短期投与など)は、いずれも両群間に有意な差はなかった。 また、寝室のある階のネズミ由来アレルゲンが75%以上減少した患者の割合(IPM追加群:63% vs.有害生物管理教育単独群:58%、p=0.45)および90%以上減少した患者の割合(46% vs.41%、p=0.44)に、有意差はみられなかった。空中および寝台塵中のネズミ由来アレルゲンの減少についても、同様の結果であった。 著者は、「有害生物管理教育にIPMを併用しても、有害生物管理教育単独に比べ6~12ヵ月時の最大症状発現日数は改善しなかった」とまとめ、「IPMによる喘息症状の抑制には、住居内のネズミ由来アレルゲンの実質的な減少は関連しない可能性が示唆される」と指摘している。

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妊婦の肥満、子の脳性麻痺と関連?/JAMA

 母親の過体重や肥満は、早産、新生児仮死関連合併症、先天奇形のリスクを増加させ、これらの病態が新生児の脳性麻痺と関連することが知られているが、母親の過体重、肥満の重症度と子の脳性麻痺の直接的な関連やそのメカニズムは不明とされる。この問題を解明するために、米国・ミシガン大学/スウェーデン・カロリンスカ研究所のEduardo Villamor氏ら研究グループは、地域住民をベースとするレトロスペクティブなコホート研究を実施した。研究の成果は、JAMA誌2017年3月7日号に掲載された。142万例以上の子で、脳性麻痺と母親のBMIの関連を評価 本研究では、妊娠早期のBMI値と、妊娠期間別の脳性麻痺発生率の関連が検討され、媒介因子の評価が行われた。1997~2011年にスウェーデンで単胎児として出生した子と母親の全国的な登録データが用いられた。子の脳性麻痺の追跡調査は2012年まで行われた。 妊娠早期のBMIは、妊娠中の初回受診時に妊婦によって報告された身長と体重から算出した。妊婦の90%は、妊娠14週以内に初回の受診をしていた。WHO基準に従い、低体重(BMI<18.5)、標準体重(同18.5~24.9)、過体重(同25.0~29.9)、肥満1度(同30.0~34.9)、肥満2度(同35.0~39.9)、肥満3度(同≧40.0)に分類した。妊娠期間は、正期産(≧37週)、中等度早産(32~36週)、超早産(28~31週)、極早産(22~27週)に分けて解析した。 主要評価項目は脳性麻痺の発生とした。妊婦の出産時年齢、出身国、学歴、パートナーとの同居、身長、妊娠中の喫煙、出産年で補正したハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 142万3,929人の子が解析の対象となった。平均妊娠期間は39.8(SD 1.8)週、51.4%が男児であった。母親の肥満度が上がるほど増加、早産児では関連なし フォローアップ期間中央値7.8年(IQR:4.3~11.7)の間に、3,029人の子が脳性麻痺と診断された(発生リスク:生児出生1,000人当たり2.13人、発生率:1万人年当たり2.63人)。 母親の脳性麻痺リスク因子として、低学歴、北欧以外の国の出身、パートナーと同居していない、初産および経産回数が4回以上、低身長、妊娠中の喫煙、糖尿病性疾患、高血圧性疾患が挙げられた。 また、子の脳性麻痺リスク因子は、男児、短い在胎週数、器械分娩、分娩時外傷、出生時体重が<10および>97パーセンタイル、新生児感染症、新生児仮死関連合併症(胎便吸引、低酸素性虚血性脳症と関連疾患、新生児発作)、Apgarスコアが<7点、先天奇形(染色体異常、心血管奇形、神経系奇形など)であった。 母親の妊娠早期の平均BMIは24.5(SD 4.4)であった。低体重が2.4%、標準体重が61.8%、過体重が24.8%、肥満1度が7.8%、肥満2度が2.4%、肥満3度は0.8%であった。母親のBMIカテゴリー別の脳性麻痺児の数は、低体重64人、標準体重1,487人、過体重728人、肥満1度239人、2度88人、3度38人であり、1万人年当たりの発生率は、それぞれ2.58、2.35、2.92、3.15、4.00、5.19人だった。 標準体重の母親の子との比較における脳性麻痺の補正HRは、低体重が1.09(95%CI:0.84~1.41)、過体重が1.22(同:1.11~1.33)、肥満1度が1.28(同:1.11~1.47)、2度が1.54(同:1.24~1.93)、3度は2.02(同:1.46~2.79)と、肥満度が上がるほど上昇し、有意な関連が認められた(傾向検定:p<0.001)。 脳性麻痺児のうち、正期産は71%、中等度早産は13%、超早産は10%、極早産は6%であった。脳性麻痺発生率が、母親の過体重、肥満の重症度が上がるにしたがって上昇したのは、正期産の子のみであり(傾向検定:p<0.001)、早産児では有意な関連を認めなかった。 媒介分析では、母親の肥満が正期産児の脳性麻痺を引き起こす可能性と最も関連の強い媒介因子は新生児仮死関連合併症(45%)であり、次いで低Apgarスコア(30%)、器械分娩(17%)、神経系奇形(13%)の順であった。 著者は、「母親の過体重、肥満は子の脳性麻痺の発生率と有意に関連するが、これは正期産児に限られ、新生児仮死関連合併症の寄与が大きいと考えられる」とまとめ、「高い肥満有病率と、最も重症度の高い肥満の持続的な増加を考慮すると、母親の肥満と子の脳性麻痺の用量-反応的な関連は、公衆衛生学上の深刻な問題となる可能性がある」と指摘している。

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膠芽腫〔GBM: glioblastoma multiforme〕

1 疾患概要 ■ 概念・定義 膠芽腫(glioblastoma multiforme: GBM)は、悪性脳腫瘍の中で最も頻度が高く、かつ生物学的にもっとも未分化な予後不良の悪性新生物(brain cancer)である。高齢者の大脳半球、ことに前頭葉と側頭葉に好発し、浸潤性増殖を特徴とする。 病理学的に腫瘍細胞は異型性が強く、未分化細胞、類円形細胞、紡錘形細胞、多角細胞および多核巨細胞より構成され、壊死を取り囲む偽柵状配列を特徴とする(pseudopalisading necrosis)。 WHO grade IVに分類され5年生存率は10%、平均余命は15ヵ月。分子生物学的特徴から2型に分類される。イソクエン酸脱水素酵素(IDH1: isocitrate dehydrogenase 1)遺伝子のコドン132のアルギニン(R)がヒスチジン(H)に点変異を有することにより、分化度の高いWHO grade II、IIIの星細胞腫から悪性転換(malignant transformation)した続発性膠芽腫(secondary GBM)とIDH1の変異を伴わない原発性膠芽腫(primary GBM)とに区別される。両者ともGBMとしての予後に差異はなく、半年から1年程度である(表)。 前者では、TP53 mutation(>65%)、ATRX mutation(>65%)に続いてLOH 19q(50%)、LOH 10q(>60%)、TERT mutation(30%)が引き起こされる。一方、後者の遺伝子異常とその頻度はTERT mutation(70%)、EGFR amplification(35%)、TP53 mutation(30%)、PTEN mutation(25%)、LOH 10p(50%)、LOH 10q(70%)である。 画像を拡大する Grade Iは、小児に多い分化型腫瘍で予後が良い(10年生存は80%以上)。 Grade II、IIIは、1年から数年でGrade IVに悪性転換する。これとは別に、初発から神経膠芽腫として発症するタイプがある。いずれの神経膠芽腫も予後はきわめて悪い(5年生存率10%)。 BRAF: B-Raf proto-oncogene、serine/threonine kinaseでRAS/RAF/MEK/MAPKシグナル伝達の主要な役割を担う。 TP53: p53をコードする遺伝子 G-CIMP: CpG island methylation phenotype DNA修復酵素MGMTのプロモーター領域のメチル化を示す表現型。この表現型ではMGMTの蛋白発現は抑制されるため、予後良好のマーカーとなる。GBM患者でCIMP+は若年者、腫瘍の遺伝子表現型がproneural typeに多く全生存期間の延長に寄与する。 ATRX: alpha-thalassemia/mental retardation syndrome x-linked geneで、この遺伝子の変異は、テロメアの機能異常からテロメアの伸長(alternative lengthening of telomeres: ATL)を来す。 なお、遺伝子表現型とグリオーマ予後との関連は、次の文献を参考にした。Siegal T. J Clin Neurosci. 2015;22:437-444. 欧州で施行された臨床試験においてテモゾロミド(TMZ[商品名:テモダール])併用群(2年生存率26.5%、平均全生存期間14.6ヵ月)が、放射線治療(RT)単独治療群(2年生存率10.4%、平均全生存期間12.1ヵ月)に比して、有意差をもって生存期間の延長が認められ、TMZ + RTがGBMの標準治療とされている。 GBMは、このように予後不良で“がんの中のがん”といい得るため、創薬の対象となり、さまざまな臨床試験や新規治療薬が開発されている。GBMの根本治療の創出が今後の大きな課題である。 ■ 疫学 国内における原発性脳腫瘍患者(年間2万人、人口10万人につき14人)のうち、GBMは2,220人で、悪性脳腫瘍の中で最も多く、11.1%を占める。 大脳半球白質に好発し(前頭葉35%、側頭葉25%、頭頂葉18%、後頭葉6%)、時に脳梁を介して対側半球へ浸潤する。平均発症年齢は60歳、45~75歳の中高年に多く、 原発性膠芽腫が9割を占め、その平均発症年齢は62歳、続発性膠芽腫は平均45歳と若い。男性が女性の1.4倍多く、小児ではまれであり、成人と異なり脳幹部、視床、基底核部に好発する。 ■ 病因 発生起源細胞の同定および腫瘍形成の分子機構は解明されていない。 BaileyとCushing(1926年)は、組織発生を念頭に起源細胞に基づいた組織分類を提唱し、脳腫瘍を16型に分類し、glioblastomaの起源細胞をbipolar spongioblast(双極性突起を持つ紡錘型細胞)とした。 WHO脳腫瘍分類に貢献した群馬大学の石田陽一は、膠芽腫を星細胞腫とともに星形グリアの腫瘍と定義した1)。石田の正常な星形グリアとグリオーマの電顕像での詳細な観察によると、 血管壁まで伸び足板を壁におく太い細胞突起には、8~9nmの中間径フィラメントと少量の20~25nmの微小管とグリコーゲン顆粒を有する星形グリアとしての形質が、分化型の星細胞種でよく保たれており、膠芽腫でも保持されていることから、グリオーマを腫瘍性グリアと考察した。さらに星芽細胞腫(astroblastoma)は、腫瘍細胞が血管を取り囲んで放射冠状に配列されていることから、血管足が強調された腫瘍型とした。このように多くの病理学者が、星細胞腫をアストロサイトの脱分化した腫瘍と定義している。 発生学的には、げっ歯類の観察から、成体脳においても脳室周囲の脳室下帯(SVZ)や海馬歯状回(DG)において、neural stem cell/glial progenitorの活発な嗅球や顆粒細胞層へのmigrationが確認されていた。James E Goldmanらは、グリオーマ細胞の特性である高い遊走能は、neural stem cell/glial progenitorの特性を反映していると推察している2)。Fred H Gageらは、ブロモデオキシウリジンをヒトに投与することで、高齢者においてもSVZとDGではDNA合成するNeuN陽性細胞を同定し、neural stem cell/neural progenitorの存在を確認したと報告した3)。Sanai Nらは、ヒトSVZ生検材料を用いた培養系の研究から、脳室壁ependyma直下のastrocyteが、neural progenitorであると判定した4)。状況証拠的には、 現時点で直接証明はなされていないがneural stem cell/glial progenitorが、グリオーマ細胞の起源細胞の有力な候補であると思われる。さらに原発性GBMと続発性GBMでは、前述したように遺伝子異常のパターンが異なるため、起源細胞が異なる可能性も示唆される5、6)。 以上のほか、歴史的にグリオーマの病因としては、グリア(アストロサイト)の脱分化とする考えと、前駆細胞のmaturation arrestとする説がある。 近年、携帯電話の普及に伴い、公衆衛生学的観点からは、ラジオ波電磁界の発がん性の懸念が提起されている。山口によると7)、携帯電話と神経膠腫に関する疫学調査では、デンマークの前向きコホート調査が実施されたが、10年以上の長期契約者でもリスクの上昇を認めなかった。スウェーデンにおける症例対照研究では、10年を超えて携帯電話端末を使用した群では、非使用群と比較して2.6倍のリスクが指摘された。日本も参加した国際共同研究「INTERPHONE研究」では、累積使用時間が1,640時間以上でオッズ比1.4倍と、有意な上昇を示した。 以上から、携帯電話は人にがんを生じさせる可能性があると判定されている。 ■ 症状 腫瘍塊周囲に脳浮腫を伴いながら急速に浸潤性に増殖するため、早ければ週単位で、少なくとも月単位で症状が進行する。初発症状としては頭痛(31%)が最も多く、次いで痙攣(18%)、性格変化(16%)や運動麻痺(13%)などの巣症状が多い。 症状は、腫瘍の発生した場所の脳機能の障害を反映するのが基本である。また、病変が進行し、広範に浸潤すると症状は顕著となる。たとえば両側前頭葉に浸潤する症例では、性格変化、意欲低下、尿失禁、下肢の麻痺が出現する。一側では、初期には徴候は目立たず、徐々に腫瘍塊を形成し、脳浮腫が顕著になると具現化する。側頭葉腫瘍では、優位半球の病変では失名詞などの失語症状や4分の1半盲などが出現しやすい。また、視野症状に、患者自身が気付いていないことが多い。 前述したように、腫瘍局在に応じた神経学的局在症状の出現が基本であるが、たとえば前頭葉に局在する腫瘍でも神経回路網(frontal-parietal networks)を介して、頭頂葉の症候が認められることがあるので注意しなければならない。 具体例として、右側前頭葉病変ではいつも通りに職場へ通勤できなくなるなどの空間認知能の低下や、左側前頭葉腫瘍では失書・失算や左右失認など優位半球頭頂葉症状としてのゲルストマン症状が認められるなどの例が挙げられる。このような症例では、画像検査で大脳白質を介する脳浮腫が顕著である場合が多い。 小児や若年者では、ひとたび頭痛や吐気などの頭蓋内圧亢進症状が出現すると、急速に脳ヘルニアへと進行し、致命的な事態になるので、時期を逸せず迅速に対応することが重要となる。時として脳腫瘍患者は、内科・小児科、精神科において感冒、インフルエンザ、下痢・嘔吐症、認知症、精神疾患として誤診されている場合もある。たまたま下痢・嘔吐症が、流行する時期に一致すると、症状のみの診断では見逃される可能性が高くなりやすい。 そのため、器質的疾患が強く疑わしい症例に限定して画像検査(MRI)を施行するのではなく、症状が軽快せず、進行・悪化している場合には、致命的な見逃しをなくすため、また、器質的な疾患をスクリーニングするためにも、脳画像検査を診療の早期に取り入れる視点が大切であろう。これによりカタストロフィックな見逃しは回避でき、患者の生命および機能予後の改善につなげることができるからである。強く疑わしい症例でなくとも、鑑別診断をするために、脳神経外科を紹介しておく心がけも重要である。 ■ 予後 標準治療、すなわち外科的な切除後にTMZを内服併用した放射線化学療法施行患者の全生存期間(OS)は、15ヵ月程度である。IDH1野生型で9.9ヵ月、IDH1変異型で24.0ヵ月である。ヒト化モノクロナール抗体のベバシズマブ(商品名: アバスチン)やインターフェロンの併用は、OSには寄与しない。組織学的にglioblastoma with oligodendroglioma component、giant cell GBM、 cystic GBMは悪性だが、古典的なGBMよりやや予後が良い傾向にある。分子基盤に基づいてMGMT非メチル化症例やIDH1野生型の予後不良例では、TMZに反応を示さない場合が多く、今後免疫療法や免疫チェックポイント阻害剤の応用が取り入れられるであろう。これらの治療には、腫瘍ペプチドワクチン療法WT1やさらに百日咳菌体をアジュバントしたWT1-W10、抗PD-1 (Programmed cell deah-1) 抗体療法などT細胞の免疫応答にかけられたブレーキを解除することでT細胞の活性化状態を維持し、がん細胞を細胞死に追いやる試みである。 同じくT細胞の表面に発現する抑制性因子CTLA (Cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen 4 ) に対する抗体の併用も期待されている。 2 診断 (検査・鑑別診断も含む) ■ 検査 造影MRI、 脳血管撮影、 MRS、 PET(methionine、FDG)などの検査と合わせ、総合的に判断する。 ■ 鑑別診断 造影MRIや造影CTでは、不規則なリング状の造影効果を示す。GBM、転移性脳腫瘍、脳膿瘍との鑑別が必要である。GBMでは、造影部分は壊死を取り囲む血管新生を反映するので、より不規則なリング状になる。それに比べ脳膿瘍のリングは、円形でよりスムースである。転移性脳腫瘍は、GBMと脳膿瘍の中間を取るので目安になるが、さらに拡散強調MRIやMRスペクトルスコピーなど多種類の検査で、総合的に判断することが重要である。 術中迅速診断では、壊死を取り囲む偽柵状配列が明らかでないとHGG(high grade glioma)と診断されるので、確定診断は永久標本によることになる。摘出腔内にカルムスチン(脳内留置用徐放性製剤: BCNUウェハー[商品名: ギリアデル])の使用を予定するときは、時に悪性リンパ腫との鑑別が問題となる。 悪性リンパ腫では、血管中心性の腫瘍細胞の集簇に注目して診断するが、LCA、GFAP、MIB-1など免疫組織学的検査では、迅速標本の作成が必要となる症例もある。 転移性脳腫瘍との組織上の鑑別は容易であるが、きわめてまれにadenoid glioblastomaの症例で腺腔形成や扁平上皮性分化を示すので、注意が必要である。 3 治療 (治験中・研究中のものも含む) ■ 基本治療 腫瘍容量の減圧と確定診断を目的に、まず外科治療を行う。近年、ナビゲーションと術中MRIを用いた画像誘導による外科手術が、一般的となってきている。グリオーマの外科手術の目標は、機能を損なうことなく最大限の摘出をすることにある。 MRI Gd(Gadolinium)-DTPAにて造影された腫瘍塊が、全部摘出された症例の予後では期待でき、腫瘍摘出度が高いほど予後の改善に結び付くと、複数の報告がなされている。 次いで確定診断後には、TMZ併用の化学放射線療法が標準治療である。放射線療法は、拡大局所にtotal 60Gy(2Gy×30 fractions)を週5回、6週間かけて行うのが標準である。 最近は、周囲脳の保護を目的に強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)を行うことが多い。 初期治療終了後には、TMZの内服を月5日間行う。再発時にはインターフェロンβの併用や、血管内皮増殖因子に対するベバシズマブの併用などが行われている。 ■ その他の治療 手術前日にタラポルフィンナトリウム(商品名: レザフィリン)を投与し、病巣部位に集積させ、手術により最大限の摘出後にレーザー光を照射する摘出断端の浸潤部位に対する光線力学的療法やカルムスチンの摘出腔留置などがある。 4 今後の展望 陽子線、炭素線やホウ素中性子補足療法などの、新しい線源を用いた悪性脳腫瘍への応用やウイルス療法、脳内標的部位への薬剤分布を高める技術として開発されたconvection-enhanced delivery(CED)、免疫療法などがある。 免疫療法には、がん免疫に抑制性に働くものに対する解除を目的とする、T細胞活性化抑制抗原に対する抗PD-1抗体による治療やがん遺伝子WT1(Wilms tumor 1)を抗原標的として、自己のTリンパ球にがん細胞を攻撃させるWT1ペプチドワクチン療法がある。後者は、脳腫瘍の最新治療法として安全性や有効性が確立されつつあり、ランダム化比較試験の結果が期待される。 5 主たる診療科 脳神経外科 ※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。 6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など) 診療、研究に関する情報 国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報サービス (一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報) 一般社団法人 日本脳神経外科学会、日本脳神経外科コングレス 脳神経外科疾患情報ページ (一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報) 1)石田陽一. 北関東医. 1990;40:355-361.2)Cayre M, et al. Prog Neurobiol. 2009;88:41-63.3)Eriksson PS,et al. Nat Med. 1998;4:1313-1317.4)Sanai N, et al. Nature. 2004;427:740-744.5)Louis DN, et al. WHO Classification of Tumours of the Central Nervous System. Revised 4th Edition.Lyon;IARC Press:2016.pp52-56.6)Louis DN, et al. Acta Neuropathol. 2016;131:803-820.7)Yamaguchi N. Clin Neurosci. 2013;31:1145-1146.公開履歴初回2015年02月27日更新2017年03月21日

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突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード集 第2回

第2回 外国人患者の本人確認は保険証では不十分?提出を拒まれたら?<Case2>ある日、肌の色や体形、服装などから、インド系の方と見受けられる患者さんが都内の医療機関へ来院。患者さんは流暢な日本語を話し、コミュニケーションに困ることはありませんでした。ところが、院内の外国人患者受付ルールに従い在留カード※の提示を求めたところ、「私は日本人です。在留カードは持っていません」の一点張りで、受付ができず…。※在留カード:適法な在留資格を有し、在留期間が3ヵ月を超える中長期滞在者に対して交付される証明書(入国管理局)対談相手NTT東日本関東病院 医療連携室 外国人向け医療コーディネーター 海老原 功氏澤田:今回は、院内で最初に患者さんの対応をする受付でのエピソードです。海老原さんの病院にも、さまざまな国籍の患者さんが来院されますよね? 受付での本人確認ルールは、どのように整備されていますか?海老原:当院では、受付における本人確認の方法を段階的に定めています。まず提示をお願いするのは、在留カード※です。外国人旅行者など、在留カードをお持ちでない場合は、写真付きの身分証明書であるパスポートの提示をお願いします。それ以外のケースとしては、外交・公用を目的とした在住と駐留米軍の在住がありますが、それぞれお持ちの公的な身分証明書(IDカード)がありますので、その提示をお願いしています。澤田:今回のケースでも、在留カードがないということで、写真付きの身分証明書の提示を何とかお願いしたそうです。その結果、最終的に患者さんのバッグから出てきたのは見慣れた赤いパスポート…なんと帰化された正真正銘の日本人の患者さんだった、ということです。見かけだけで判断せず、患者さんの話を丁寧に聞く必要もありますね。ところで、日本在住の外国人の方でしたら保険証を持っていることもありますよね。保険証を確認するだけでは、本人確認にはならないのでしょうか。海老原:はい。保険証のみでは本人確認には不十分と考えます。澤田:受付でそこまで厳密に本人確認をすることが重要である理由は何でしょうか。海老原:本人確認の一番の目的は医療事故を防ぐことです。とくに最近は、他人の保険証を利用する“なりすまし”のケースも出てきているため、万が一、当院に来院歴がある患者さんの保険証が使い回された場合、なりすまし患者と、病院に登録されている保険証の持ち主の血液型やアレルギーなどに関する情報に相違がありますので、それにより問題が発生するリスクがあります。また、患者さんの名前や住所が一致していないと、帰宅後に何か問題が発覚した際、迅速に対処することができません。澤田:なるほど。本人確認書類を提示してもらった後の流れは、どのようになりますか。海老原:患者さんから許可をいただいたうえでコピーを取り、在留カードの場合は入国管理局のシステムを利用して照会し、有効であるかを確認します。それにより、不法滞在であることが発覚する場合もありますね。澤田:不法滞在者の場合は、どのような対処をされているのでしょうか?海老原:患者さんの状態をみて、緊急性が高いと判断した場合は、医療優先で対応をします。緊急性がない場合には、有効な身分証明書がない限り当院では診察出来ないことを伝え、しかるべき手続きをしたうえで、再来院するようお願いしています。 澤田:本人確認の方法も、患者さんの状況や状態に合わせて行われるのですね。海老原:はい。患者さんが適切な医療を受けられるようにすることが目的ですので、患者さんに寄り添えるだけ寄り添うようにしています。しかし最終的には、医療機関として譲らないラインを設定しておくことが、患者さんの安全のために重要だと思います。澤田:患者さん自身には想定できないリスクも多いですので、おっしゃるとおりですね。ありがとうございました。<本事例からの学び>受付では本人確認ルールの徹底を! 患者さんの安全のためには譲らない姿勢で

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重度な精神疾患+物質使用障害、自殺リスクへの影響

 重度の精神疾患患者における物質使用障害(SUD:substance use disorder)と自殺や自殺企図との関連性について、デンマーク・コペンハーゲン大学のMarie L D Ostergaard氏らが評価を行った。Addiction誌オンライン版2017年2月13日号の報告。 時間変動を共変量して、SUDの調整されたCox回帰を用いた、デンマークにおけるレジストリベースのコホート研究として実施した。対象者は、1955年からデンマークで生まれた統合失調症患者3万5,625例、双極性障害患者9,279例、うつ病患者7万2,530例、パーソナリティ障害患者6万3,958例。アルコールおよび非合法物質のSUD治療、自殺企図は、治療レジストリより確認した。自殺は、死亡原因レジストリより確認した。共変量は、診断時の性別および年齢とした。 主な結果は以下のとおり。・いずれかのSUDを有する患者は、非SUDと比較して、自殺リスクが3倍以上であった。・アルコールの乱用は、ハザード比(HR)1.99(95%CI:1.44~2.74)~2.70(95%CI:2.40~3.04)のすべての集団において、自殺リスク増加と関連していた。・他の非合法物質は、双極性障害を除く集団において、自殺リスクの2~3倍の増加と関連していた。大麻は、双極性障害患者における自殺企図リスクの増加とのみ関連していた(HR:1.86、95%CI:1.15~2.99)。・アルコール(HR:3.11[95%CI:2.95~3.27]~3.38[95%CI:3.24~3.53])および非合法物質(HR:2.13[95%CI:2.03~2.24]~2.27[95%CI:2.12~2.43])は、それぞれ自殺企図と強い関連性を示した。・大麻は、統合失調症患者の自殺企図とのみ関連していた(HR:1.11、95%CI:1.03~1.19)。関連医療ニュース 双極性障害の自殺企図、“だれ”よりも“いつ”がポイント 日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か

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FXa阻害剤の抗炎症作用:日本のNVAF患者

 非弁膜症性心房細動(NVAF)例に対する第Xa因子(FXa)阻害剤の投与は、血液凝固マーカーだけでなく、血管炎症マーカーであるペントラキシン3(PTX3)も改善させることが、横浜栄共済病院の加藤 大雅氏らによる研究で明らかになった。これらのマーカーの変化が将来の心血管イベントリスクの低下と関連するかどうかを評価するためには、さらに大規模な前向き研究が必要である。Heart and vessels誌オンライン版2017年3月10日号の報告。 FXa阻害剤は、凝固カスケードだけでなく、炎症誘導性応答においても重要な役割を果たす。しかし、FXa阻害剤の抗炎症作用に関する臨床試験はほとんど行われていない。 そのため著者らは、日本人のNVAF患者におけるFXa阻害剤の抗炎症作用および抗アテローム硬化作用を評価する目的で調査を行った。 対象は、2013年3月~2015年3月までにFXa阻害剤を用いて治療を行ったNVAF患者83例のうち、ワルファリンまたはダビガトランによる治療を行っていない患者55例(リバーロキサバン投与23例、アピキサバン投与32例)。ベースラインおよびFXa阻害剤による治療を6ヵ月間行った後のさまざまな炎症マーカーおよび凝固マーカーを測定した。主な結果は以下のとおり。・治療6ヵ月後、PTX3、フィブリン/フィブリノゲン分解産物(FDP)、D-ダイマーの血清濃度は有意に減少し、血中トロンボモジュリン(TM)濃度は有意に増加した。・各マーカーの変化は、リバーロキサバンとアピキサバンの両剤で同様の傾向を示した。・以上の結果から、FXa阻害剤は、NVAF例に対する抗凝固作用だけでなく、抗炎症作用も有することが示唆された。

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