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腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱へのメッシュ手術の安全性/Lancet

 スコットランドで行われた地域住民対象のコホート研究において、腹圧性尿失禁に対しては、長期転帰のさらなる調査が必要ではあるもののメッシュ手術の使用が支持され、一方、前膣壁脱および後膣壁脱に対しては単独で最初の修復として行う場合、メッシュ手術による一次脱修復は推奨されないことが示された。また、骨盤臓器脱の修復に関しては、経膣および経腹メッシュ手術はいずれも、経膣非メッシュ手術との比較において有効性および合併症は同程度であった。英国・NHS National Services ScotlandのJoanne R Morling氏らは、「今回の結果は、明確に支持できる特定の骨盤臓器脱修復術はないことを示すものである」と結論している。腹圧性尿失禁および骨盤臓器脱に対するメッシュを用いた経膣的修復術は、長期的な有効性や術後合併症に関するエビデンスが乏しく、その安全性が懸念されていた。Lancet誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。尿失禁手術約1万7,000例、骨盤臓器脱手術約1万9,000例のコホート研究を実施 研究グループは、国立病院入院データベースを用い、スコットランド在住の20歳以上の女性で、1997年4月1日~2016年3月31日の間に腹圧性尿失禁または骨盤臓器脱に対する初回かつ単独の手術を受けた患者(それぞれ1万6,660例および1万8,986例)を特定し、安全性について検討した。 主要評価項目は、手術直後の合併症、術後の合併症による入院(5年以内)、さらなる尿失禁手術または骨盤臓器脱手術であった。統計解析は、ポアソン回帰モデルを用い、メッシュ手術か否かで術後転帰を比較した。メッシュ手術は腹圧性尿失禁には推奨されるが、骨盤臓器脱には推奨されない 尿失禁手術を受けた1万6,660例中1万3,133例(79%)がメッシュ手術であった。非メッシュ開腹手術(膣断端固定術)と比較すると、恥骨後式のメッシュ手術は、術直後の合併症(補正後相対リスク[aRR]:0.44、95%信頼区間[CI]:0.36~0.55)、およびその後の脱手術(補正後発生率比[aIRR]:0.30、95%CI:0.24~0.39)のリスクが低下し、さらなる尿失禁手術(aIRR:0.90、95%CI:0.73~1.11)、および術後5年以内の合併症による入院のリスクは同程度であった(aIRR:1.12、95%CI:0.98~1.27)。 また、脱手術を受けた1万8,986例中1,279例(7%)がメッシュ手術であった。非メッシュ手術と比較すると、前膣壁脱のメッシュ手術は術直後の合併症リスクは同程度であったが(aRR:0.93、95%CI:0.49~1.79)、さらなる尿失禁手術(aIRR:3.20、95%CI:2.06~4.96)および脱手術(aIRR:1.69、95%CI:1.29~2.20)のリスクは増加し、術後5年以内の合併症による入院のリスクは大幅に増加した(aIRR:3.15、95%CI:2.46~4.04)。後膣壁脱のメッシュ手術も同様に、非メッシュ手術と比較して再脱手術や術後5年以内の合併症による入院のリスク増加を認めた。経膣非メッシュ手術と比較した場合、骨盤臓器脱に対する経膣メッシュ手術、ならびに経腹メッシュ手術の転帰に差はなかった。

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2歳未満の中耳炎、抗菌薬投与期間を短縮できるか/NEJM

 生後6~23ヵ月の急性中耳炎乳幼児において、抗菌薬の投与期間を短縮した場合の予後は標準治療と比較して良好とはいえず、有害事象の発現率低下や抗菌薬耐性の出現率低下も認められなかった。米国・ピッツバーグ大学医療センターのAlejandro Hoberman氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相試験の結果を報告した。急性中耳炎の小児で抗菌薬の投与期間を制限することは、抗菌薬耐性リスクを低下させ得る戦略と考えられているが、これまで臨床試験でその効果は確認されていなかった。NEJM誌2016年12月22日号掲載の報告。アモキシシリン・クラブラン酸の5日間投与と10日間投与を比較する非劣性試験 研究グループは、2012年1月~2015年9月に、生後6~23ヵ月の急性中耳炎患児520例を、アモキシシリン・クラブラン酸による標準治療群(10日間投与)または短期治療群(5日間投与後、プラセボ5日間投与)のいずれかに無作為に割り付け、臨床効果を評価した。 主要評価項目は、治療失敗率(無作為化後72時間~発症16日目における症状または耳鏡所見の悪化、もしくは投与終了までに急性中耳炎に起因した症状と所見のほぼ完全な消失を認めない)、再発率(16日目以降の症状発現)および鼻咽頭保菌率で、非劣性を検証した。症状はAcute Otitis Media-Severity of Symptoms(AOM-SOS)スコア(0~14点、得点が高いほど重症度が高い)を用いて評価し、統計解析はintention-to-treat解析で行った。標準治療群と比較して、短期治療群の有効性は確認されず 短期治療群は、標準治療群と比較して治療失敗率が高かった(34%[77/229例] vs.16%[39/238例]、絶対差:17%、95%信頼区間[CI]:9~25%)。6~14日目の平均症状スコアは短期治療群1.61、標準治療群1.34(p=0.07)、12~14日目ではそれぞれ1.89および1.20(p=0.001)であった。症状が改善(治療終了時の症状スコアがベースラインから50%超低下)した患児の割合は、短期治療群のほうが標準治療群より低かった(80%[181/227例] vs.91%[211/233例]、p=0.003)。 再発率、有害事象発現率、ペニシリン非感受性菌の鼻咽頭保菌率は、両群で有意差はなかった。治療失敗率は、週に10時間以上小児3人以上と接触した患児のほうがそれより接触時間が短い患児より高く(p=0.02)、また、両耳感染の患児のほうが片耳感染の患児よりも高値であった(p<0.001)。 著者は、本研究は、最も治療を失敗しやすくかつ再発を起こしやすい年齢層の2歳未満を対象としていることが強みであるが、同時に、2歳以上の年齢層には一般化できない点で限定的であると述べている。

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第3世代TKIの登場と肺がん再生検の現状

 EGFR-TKIはEGFR活性変異陽性非小細胞肺がん(以下、NSCLC)の1次治療薬である。しかし、初期の効果にもかかわらず、1~2年で耐性が発現し病勢進行にいたる。その耐性の60%を占める新たな変異は790Mをも標的とする第3世代EGFR-TKIオシメルチニブが本邦でも登場した。この新たなTKIの適正な使用には再生検などによるT790Mの特定が必要である。本邦の再生検では、経気管支組織による採取が一般的だが、腫瘍病巣へ到達の困難さや、侵襲性などにより、その成功率は制限される。 この研究は、本邦における進行・転移NSCLCにおける再生検の状況および成功率の調査を目的として、九州がんセンター 野崎要氏らにより行われた、本邦28施設による多施設後ろ向き観察試験である。再生検の結果・患者の年齢中央値は63歳、395例の再生検例が評価された。・再生検の成功率は79.5%であった。・経皮的生検の成功率は88.5%、経気管支生検の成功率は73.9%であった。・転移巣での成功率は85.1%で、他の部位より優れていた。・採取部位は原発巣55.7%、転移巣30.6%、所属リンパ節12.7%であった。・採取方法は経気管支組織生検が最も多く、62%を占めた。・再生検に関連した合併症は5.8%でみられ、もっとも多かった事象は気胸であった。初回生検と再生検の差異・採取部位は初回生検と再生検の間で差がみられ、転移巣が初回生検の9.1%から再生検で30.6%へ、区域リンパ節が7.1%から前出の12.7%へと比率が高まった。・採取方法についても初回生検と再生検で差がみられ、外科的切除が初回生検の1.8%から再生検で7.8%へ、経皮的組織生検が7.6%から29.1%に増加した。再生検でのT790Mの発現状況・再生検でのT790M変異は約半数に確認された。・T790Mの誘導を初期EGFR変異で層別化すると、Del19変異患者の55.6%、L858R変異患者の43.0%で起こった。・T790Mの誘導を初期治療のEGFR-TKI別で層別化すると、ゲフィチニブ単独例では52.8%、エルロチニブ単独では48.0%、と両剤で有意な差はみられなかった。一方、例数が少ないもののアファチニブ単独では20.0%であった。 オシメルチニブの登場で、再生検に注目が集まっている。今回の試験から得られた知見は、第3世代EGFR-TKIの臨床使用に際し、重要な情報となるであろう。

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高齢者のロービジョンケアへのリハビリ併用効果

 視覚機能が低下したロービジョン(LV)高齢者を対象に、基本的なデバイス使用のLVケア介入と、そこにリハビリテーションを併用する介入(LVR)の有用性を、無作為化臨床試験で比較検討した結果が報告された。結果は、LVRの有効性が顕著だったのは最良矯正遠見視力(BCDVA)が20/63~20/200の患者においてのみであることが示されたという。米国・エドワード退役軍人病院のJoan A. Stelmack氏らが明らかにしたもので、著者は、「多くを占める視覚障害が軽度のLV患者は、基礎的なLVケアで十分のようだ」とまとめている。JAMA Ophthalmologyオンライン版2016年12月15日号掲載の報告。 研究グループは2010年9月27日~2014年7月31日に、黄斑疾患を有しBCDVAが20/50~20/200の退役軍人323例(男性97.2%、平均[±標準偏差]80±10.5歳)を対象に無作為化臨床試験を行った。偏心視および環境改良についての指導や自宅での実践を含めたリハビリテーションとともにLVデバイスを使用するLVR群と、リハビリテーションなしでLVデバイスを用いた介入を行う基礎的LV群に被験者を無作為化し、介入前後に評価者盲検にて電話によるアンケート調査を行った。 評価項目は、退役軍人ロービジョン視覚機能調査票(VA LV VFQ-48)の回答から推定した視覚機能(総合および4つの機能ドメイン)の4ヵ月後におけるベースラインからの変化量、ならびにMNREADを用いた最大読書速度、臨界文字サイズ、読書能力に関する介入終了時におけるベースラインからの変化であった。視覚機能はロジット(対数オッズ)を算出し評価した(0.14ロジットの変化は、視力の1列の変化に相当する)。 主な結果は以下のとおり。・基礎的LVは、視覚機能の改善に有効であることが示された。・基礎的LVとの比較で、LVRの有意な機能改善は、移動を除く各機能ドメインで示された。両群差は、読字能力0.34ロジット(95%信頼区間[CI]:0.0005~0.69、p=0.05)、視覚情報処理0.27ロジット(0.01~0.53、p=0.04)、視覚運動能力0.37ロジット(0.08~0.66、p=0.01)、総合0.27ロジット(0.06~0.49、p=0.01)であった。・また、LVRは、読書能力(群間差:-0.11 logMAR、95%CI:-0.15~-0.07、p<0.001)、最大読書速度(平均増加21.0字/分、95%CI:6.4~35.5、p=0.005)を有意に改善することが認められたが、臨界文字サイズについての改善はみられなかった。・層別解析において、BCDVAが20/63~20/200の患者は、LVR群のほうがLV群と比較して、読字能力、視覚運動能力および総合の視覚機能の改善が大きかった(それぞれ群間差は、0.56ロジット、0.40ロジット、0.34ロジット)。しかし、BCDVAが20/50~20/63の患者は、LVR群とLV群で有意な差はなかった。

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2017年を迎えて【Dr. 中島の 新・徒然草】(151)

百五十一の段 2017年を迎えて昨年も一昨年も、年頭には本連載で目標らしいことを述べました。今年は敢えて「目標なし」を考えております。確かに、目標を立ててそれを達成するのは素晴らしいことです。たとえばフルマラソンを3時間以下で走るとか、TOEICで900点以上取るとか。もしそのような目標を達成できたら大威張りですね、わたしなら。しかしながら、冷静に自分の人生を振り返ってみると……何かの目標を立てて、それをやり遂げた記憶があまりないんですよ。むしろ、いろいろなことに手をつけては三日坊主に終わる、そんなことばかりでした。読者の皆様もそちらのほうが多数派ではないかと思います。ところが、手をつけたいろいろなことの中でも、少ないながらずっと続いていることもあるのです。目の前のことが楽しくて、目標などを考えている暇もないようなことです。夢中になって蝶を追いかけているうちに、随分遠くまで来てしまったなあ、と感じるようなこと。たとえば、研修医向けの院内症例検討会は、10年間で680回やりました。とある雑誌のエッセイの連載は、15年間で180回にもなります。このケアネットの連載も、3年間で150回です。そんなふうに夢中になって蝶を追いかけている時が、一番幸せな気がします。そこで今年は敢えて目標を立てず、面白そうなことにどんどん手を出してみようと考えています。その顛末は、ここで報告したいと思います。ほとんどが三日坊主になってしまうのでしょうけれど。そんなわたしの経験が、読者の皆様の参考になれば幸いです。というわけで本年もよろしくお願いいたします。最後に1句目標を 敢えて立てずに 蝶を追う

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双極性障害、再入院リスクの低い治療はどれか

 気分安定薬(MS)による抗精神病薬補助療法が再発予防につながるとされる概念は、双極性障害(BD)患者における少数の自然主義的研究により支持されている。イスラエル・テルアビブ大学のEldar Hochman氏らは、MS(リチウムまたはバルプロ酸)単独療法または非定型、定型抗精神病薬補助療法により退院した双極性障害I型の躁病患者における1年間の再入院率を比較した。Bipolar disorders誌2016年12月号の報告。 2005~13年に躁病エピソードで入院したBD I型患者201例を対象に、退院時の治療に応じて1年間の再入院率をレトロスペクティブに追跡調査した。退院時の治療は、MS単独療法、非定型抗精神病薬+MS療法、定型抗精神病薬+MS療法に分類した。また、治療群間で1年間の再入院期間も比較した。再入院に影響を及ぼすことが知られている共変量を調整した多変量生存分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・非定型抗精神病薬+MS療法における1年間の再入院率(6.3%)は、MS単独療法(24.3%、p=0.008)、定型抗精神病薬+MS療法(20.6%、p=0.02)と比較し、有意に低かった。・非定型抗精神病薬+MS療法における再入院までの期間(345.5日)は、MS単独療法(315.1日、p=0.006)、定型抗精神病薬+MS療法(334.1日、p=0.02)と比較し、有意に長かった。・非定型抗精神病薬+MS療法における調整後の再入院リスクは、MS単独療法と比較し、有意に低下した(HR:0.17、95%CI:0.05~0.61、p=0.007)。 著者らは「BD躁病エピソード患者の再入院を予防するためには、MS単独療法よりも、非定型抗精神病薬+MS療法のほうが効果的であると考えられる」としている。関連医療ニュース 双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は 双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較 精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント

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アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。 本研究は、ドイツの6都市における一般診療科における多施設コホート研究である。参加者は、軽度~中等度のprobableアルツハイマー型認知症または混合型認知症の患者で(118例、平均年齢85.6±3.4歳、範囲80~96歳)、CHDの評価は家庭医の診断に従った。認知機能は、6ヵ月ごとに最大3年間、家庭訪問時にミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SoB)を用いて測定した。観察期間中の死亡も記録した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、65例(55%)がCHDを有しているか、心筋梗塞に続く心臓の異常があった。・CHDの存在は、認知機能の低下を約66%加速し(MMSE、p<0.05)、認知機能を約83%低下させた(CDR-SoB、p<0.05)が、生存には影響しなかった。

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多発性硬化症、抗CD20抗体ocrelizumabで再発率低下/NEJM

 多発性硬化症再発患者において、ヒト化抗CD20モノクローナル抗体ocrelizumabはインターフェロンβ-1aよりも、疾患活動性および進行を有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のStephen L Hauser氏らによる、2つの第III相国際多施設共同無作為化試験OPERAIとOPERAIIの結果で、NEJM誌オンライン版2016年12月21日号で発表された。多発性硬化症にはB細胞が関与していることが知られる。ocrelizumabはCD20+B細胞を選択的に減少する作用を有している。2つの第III相試験で96週投与、年間再発率を評価 多発性硬化症再発患者計1,656例(OPERAIでは32ヵ国141施設で821例、OPERAIIでは24ヵ国166施設で835例)が、それぞれの試験で無作為に2群に割り付けられ、ocrelizumab 600mg静注を24週ごとに投与、またはインターフェロンβ-1a 44μg皮下注を週3回投与した。 試験治療期間は96週間。主要エンドポイントは、年間再発率であった。ocrelizumab群の年間再発率が46~47%低下 結果、ocrelizumab群の年間再発率は、両試験において有意に低下した。OPERAIでは、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が46%低下、p<0.001)、OPERAIIでも、0.16 vs.0.29(ocrelizumab群が47%低下、p<0.001)であった。 事前規定のプール解析の結果、12週時点で確認された障害進行を呈した患者の割合は、ocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群より有意に低かった(9.1% vs.13.6%、ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.45~0.81、p<0.001)。24週時点でも同様に有意な低下が確認された(6.9% vs.10.5%、HR:0.60、95%CI:0.43~0.84、p=0.003)。 ガドリニウム増強MRIT1強調画像で確認した平均病変数は、OPERAIではocrelizumab群0.02に対しインターフェロンβ-1a群0.29でocrelizumab群の病変数は94%少なく(p<0.001)、OPERAIIでは0.02 vs.0.42(同95%減少、p<0.001)であった。 多発性硬化症機能複合(MSFC)スコア(歩行速度・上腕運動・認知機能を複合評価、zスコアがマイナス値は増悪を示し、プラス値は改善を示す)の変化は、OPERAIIではocrelizumab群がインターフェロンβ-1a群よりも有意に良好であった(0.28 vs.0.17、p=0.004)。しかし、OPERAIでは有意差は認められなかった(0.21 vs.0.17、p=0.33)。 注入に伴う反応は、ocrelizumab群において34.3%で認められた。重篤な感染症は、ocrelizumab群では1.3%、インターフェロンβ-1a群では2.9%報告された。腫瘍発生の報告は、ocrelizumab群0.5%、インターフェロンβ-1a群0.2%であった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる大規模かつ長期の試験を行い、ocrelizumabの安全性を評価する必要がある」とまとめている。

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「前糖尿病」状態と心血管障害の関連(解説:小川 大輔 氏)-632

 前糖尿病状態と心血管障害の関連の有無についてはこれまで議論があったが、最近161万例もの前糖尿病状態を含む前向きコホート研究のメタ解析が行われ、前糖尿病状態は心血管疾患リスクの増加と関連することが報告された。 そもそも「前糖尿病状態」とはどういう状態であるのか、実のところその定義は曖昧である。空腹時の高血糖、食後の高血糖、糖負荷試験の負荷後の高血糖、HbA1cの高値など、前糖尿病であると判断する状態には種々あり、必ずしもこれらがすべてそろうわけではない。また、前糖尿病状態を「耐糖能異常」あるいは「境界型糖尿病」と別の用語で表現することもあるし、患者さんは「以前に糖尿病のけがあると言われた」と表現したりもする。さらに、糖尿病の診断は国や地域により診断基準が異なるため、どの診断基準を用いるかにより前糖尿病に判定されたり、正常型に判定されたりする。そのためこの研究では、空腹時血糖は米国糖尿病学会とWHOの基準別に、HbA1cは米国糖尿病学会と英国立臨床評価研究所の基準別に分けて解析が行われている。 以前に、前糖尿病状態は心血管障害リスクを増加するという報告がある一方、増加しないという報告もあった1)2)。今回の研究では、前糖尿病状態は心血管疾患リスクを高めることが示されたが、問題点は平均9.5年の経過中に糖尿病を発症した症例を把握できていないことである。この研究では、全症例のどの程度が糖尿病を発症したか特定できていないため、糖尿病症例が含まれて心血管障害リスクが高くなった可能性が否定できない。また、米国糖尿病学会の空腹時血糖の基準による前糖尿病状態では総死亡、冠動脈疾患、脳卒中のリスクはそれぞれ1.13倍、1.10倍、1.06倍とそれほど顕著ではなく、糖尿病を発症せずに前糖尿病状態であり続けることで心血管イベントが本当に増加するかどうかは依然として不明である。 前糖尿病状態であると、わずかに心血管疾患のリスクが増加することが今回示されたが、それでただちにイベント抑制のために前糖尿病状態でも薬物療法を開始するかというと、そうはならない。当然ながら前糖尿病状態では、食事や運動などの生活習慣の改善が最も重要である。生活習慣の改善により、前糖尿病状態から正常な状態に戻ることは日常臨床でしばしば経験するところである。また、過去に行われたDPP試験で、生活習慣強化介入群のほうが薬物療法介入群よりも糖尿病の発症をより強く抑制することが証明されている3)。

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飲み物に潜む糖尿病前症リスク

飲み物に含まれる糖分は、意外と見落としがち!?炭酸飲料を飲む習慣は糖尿病前症リスクを上昇させる!砂糖入り飲料の摂取量と糖尿病前症発症リスクの関係 糖尿病前症とは、糖尿病と診断されていないものの、血糖値(HbA1c)の値が5.7~6.4%と高く、糖尿病予備軍と考えられます。246%増に! 糖尿病前症は、砂糖の摂取量を減らすことで、完全な糖尿病への移行を防ぐことが可能です。 発 甘みを感じにくい炭酸飲料には、350mL/缶あたり、角砂糖10個相当の糖質が含まれています。炭酸飲料を飲むことが習慣化している人は、とくに注意が必要です。1.46症リ 1スク1.00砂糖入り飲料(350mL)をまったく飲まない人砂糖入り飲料(350mL)を平均6回/週 飲む人【対象】米国の中年男女1,700例年齢(平均±SD):51.9±9.2歳、BMI(平均±SD):26.3±4.4Jiantao Ma, et al. J Nutr. 2016 Nov 9. [Epub ahead of print]Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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循環器内科 米国臨床留学記 第16回

第16回 内科系フェローシップ選考の実際(前編)明けましておめでとうございます。今年も、臨床留学中の日本人医師として、日々のことや米国の循環器内科の最新事情などをお伝えしていきます。新年最初は、内科系のフェローシップ選考について書いてみたいと思います。米国では、内科のレジデンシー3年目の夏にフェローシップの選考が行われます。毎年7月頃から応募が始まり、12月にマッチングの発表があります。現在、内科のサブスペシャルティーのフェローシップには、循環器内科、内分泌内科、消化器内科、老年科、血液内科、血液/腫瘍複合プログラム、緩和医療、感染症内科、腎臓内科、腫瘍内科、呼吸器・集中治療、リューマチ膠原病内科があります。面白いことに、神経内科は内科のサブスペシャルティーではありません。神経内科医になるには、医学生の段階で3年間の内科のレジデンシーではなく、4年間の神経内科に応募しなければなりません。具体的には1年間のpreliminaryと呼ばれる内科インターンを行い、その後3年間の神経内科のトレーニングを行います。米国人に聞いても、なぜこういう区分になっているかはわからないと言っていました。このpreliminaryという1年間の内科のトレーニングは、麻酔科、眼科などに進むレジデントも経験しなければなりません。さて、このフェローシップの応募ですが、毎年の詳細な統計が発表されています。2015~16年のデータによると、応募者数がポジションを上回っている(倍率が1.0倍以上)のは消化器、循環器、血液腫瘍内科、呼吸器・集中治療、リューマチ膠原病などです。逆に、腎臓、感染症内科などは、ここ数年定員割れの状態が続いており、内科のレジデンシーを修了していない外国人を受け入れているプログラムもあるようです。一番人気は消化器内科で、466人に対して718人の応募があったようです。ちなみに循環器には、844人のポジションに対し1,108人の応募者がいたようです。選考する側は下記のような項目を使って、候補者の選別を行います。米国医学部卒業/外国医学部卒業出身大学レジデンシープログラム循環器フェローシップについては、米国の医学部の卒業者が93%の割合でポジションを得ている(マッチ)一方で、われわれのような外国の医学部卒業者のマッチ率は62%でした。つまり、外国の医学部を卒業しているというだけで、かなりのハンデがある一方、米国医学部卒業者が循環器のフェローシップに進むこと自体は、さほど難しいことではないと思われます。また、出身大学やレジデンシープログラムも重要で、Cleveland Clinic、 Stanford大学、Columbia大学などの医学部やレジデンシー出身だと、優秀と判断されて、面接に呼ばれる確率が上がります。USMLEの点数USMLEは医学生がレジデンシーとしての資格を得るために必要なテストです。USMLEは日本の国家試験と異なり、USMLEをすべてパスしてもレジデントを1~2年修了しない限り、米国医師免許を持てません(つまりUSMLEの合格=米国医師免許ではないということです)。この点数が良ければ優秀と判断され、レジデンシーの際はUSMLEの点数がとくに重要ですが、フェローの選考でもUSMLEは重要で、点数による足切りも行われます。ビザの有無米国に滞在するのにビザが必要なことは、それだけで不利になります。ビザ保有者をまったく取らないというプログラムもたくさんあります。USMLE、ビザ、米国医学部出身かどうか、卒業年度などの項目は、回答がありかなしか、または数字(点数)ですから、コンピューター上でプログラムが条件を絞れば、候補者を選別することが容易です。われわれのいるカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のプログラムでは、外部の候補者向けに3つのポジションがあり、そこに400人程度の応募があるので、すべての応募者に目を通すのは不可能です。そこで、「USMLEの点数が230点以上」、「米国人(ビザ不要)」、「卒業後○年以内」などの条件を付けて、候補者を100~200人に減らし、そのうえで書類を見ていく作業に入ります。ですから、外国医学部卒業、ビザありなどの条件があると、いくら研究歴などにアピールする材料があっても、書類すら見てもらえない可能性があるわけです。次回は、実際の面接からマッチングの発表までの過程を取り上げたいと思います。

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認知症者のせん妄、BPSDにより複雑化

 認知症とせん妄の精神症状が合併すると、せん妄の診断は複雑化する。シンガポール・Tan Tock Seng病院のJennifer Abengana氏らは、認知症に合併したせん妄(DSD)患者において、BPSDの有無によりせん妄の発現および転帰の差異について検討を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年12月5日号の報告。 著者らは、特別なせん妄ユニットに入院したDSD高齢者における前向きコホート研究(2010年12月~2012年8月)を行った。患者背景、併存疾患、疾患重症度、せん妄発現、認知機能スコアに関連するデータを収集した。認知症の重症度は、Delirium Rating Scale Revised-98(DRS-R-98)とCognitive Assessment Method severity score(CAM-sev)を用いて評価した。患者は、行動心理学的障害に基づきBPSD+群とBPSD-群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、BPSD合併例37例(21.3%)を含むDSD患者174例(84.4±7.4歳)。・DRS-R-98によるせん妄重症度と症状頻度は類似していたが、BPSD+群では、多くは単一のせん妄発現であったが(40.5% vs.21.9%、p=0.07)、持続時間が有意に長かった(中央値:7日 vs.5日、p<0.01)。・せん妄の解消により、BPSD+群は、睡眠覚醒障害、不安定作用、運動興奮の有意な改善を示し、BPSD-群では運動遅延を除くすべての非認知症が改善された。・BPSD+群では薬理学的抑制がより頻繁であり(62.2% vs.40.1%、p=0.03)、高用量であった(CP換算:0.95±1.8 vs.0.40±1.2、p<0.01)。 著者らは「BPSDは、認知症者のせん妄への脆弱性を増加させ、遅発性のせん妄に対する回復を遅らせる可能性がある。睡眠覚醒障害、不安定作用、運動興奮は、せん妄の疑いを強めると考えられる」としている。関連医療ニュース せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか せん妄治療への抗精神病薬投与のメタ解析:藤田保健衛生大 BPSDへの対応、どうすべきか

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新たな人工膵臓システム、日常生活下で有用/Lancet

 1型糖尿病成人患者への新たな連続血糖測定(CGM)付きインスリンポンプの安全性と有用性について、自由生活下で検討した多施設共同無作為化クロスオーバー比較試験の結果が発表された。米国・ボストン大学のFiras H El-Khatib氏らが検討したのは、iPhone 4SとG4 Platinum CGMを連動させた人工膵臓システムで、体格の情報のみで初期化し、インスリンおよびグルカゴンを自動投与する。既存のセンサー増強型インスリンポンプとの比較において、カーボカウントの食事療法を要することなく優れた血糖コントロールを達成したことが示された。CGM付きインスリンポンプについて、これまで、自宅で自由に生活しながらという設定で安全性・有効性を調べる臨床試験は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2016年12月20日号掲載の報告。従来型インスリンポンプと無作為化クロスオーバー比較試験 研究グループは、この新たな人工膵臓システムが、食事や運動の制約を受けることなく自宅で日常生活を送る1型糖尿病成人患者の、平均血糖値や低血糖症の頻度を減じることが可能かを評価した。米国内4施設(マサチューセッツ総合病院、マサチューセッツ大学、スタンフォード大学、ノースカロライナ大学)で、車で30分圏内に住む1型糖尿病の18歳以上患者をボランティア参加で募った。 被験者は無作為に1対1の割合で、連番が付されている密封封筒を用いて2ブロックに割り付けられ、人工膵臓および通常ケア(従来型またはセンサー増強型インスリンポンプ療法)による血糖コントロールをクロスオーバーで受けた。それぞれの治療期間は11日間。期間中、被験者はスポーツやドライブなども含めてあらゆる活動に制限を受けなかった。 この人工膵臓は、被験者の体格の情報のみで初期化するようになっており、連続血糖モニターからのデータを用いた自動適応用量アルゴリズムによって、インスリンとグルカゴンが皮下注で投与される。 主要アウトカムは2つで、平均血糖値と、平均CGM血糖値が3.3mmol/L未満であった時間。両療法を完了した被験者の2~11日のデータを解析した。従来インスリンポンプ法よりも血糖コントロールが有意に優れる 2014年5月6日~2015年7月3日の間に43例が無作為化を受け、39例が試験を完了した。人工膵臓療法を最初に受けたのは20例、対照ケアを最初に受けたのは19例であった。 結果、平均CGM血糖値は、人工膵臓療法の期間中は7.8mmol/L(SD 0.6)、対照ケアの期間中は9.0mmol/L(1.6)であった(差:1.1mmol/L、95%信頼区間[CI]:0.7~1.6、p<0.0001)。 平均CGM血糖値が3.3mmol/L未満であった時間は、人工膵臓期間中では0.6%(0.6)、対照ケア期間中では1.9%(1.7)であった(差:1.3%、95%CI:0.8~1.8、p<0.0001)。 視覚アナログスケール(0~10)で評価した悪心の平均スコアは、人工膵臓療法の期間中(0.52[SD 0.83])が対照ケア期間中(0.05[0.17])よりも有意に高かった(差:0.47、95%CI:0.21~0.73、p=0.0024)。 体重および各種検査値(収縮・拡張期血圧など)の変化について、両療法期間中で有意差はみられなかった。また、人工膵臓療法期間中に、重篤または不測の有害事象の発生はなかった。 結果を踏まえて著者は、「さらなる大規模かつ長期の試験を行い、人工膵臓による自動血糖管理の長期的な有用性とリスクを確立する必要がある」とまとめている。【訂正のお知らせ】本文内の表記に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2017年1月4日)。

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セント・ジュード・メディカル、FFR測定プレッシャーガイドワイヤーを日本で上市

 セント・ジュード・メディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:ウィリアム・フィリップス)は2016年12月19日、新たな心筋血流予備量比(FFR)計測システムPressureWire X Guidewire の日本での上市を発表した。 この新たなPressureWire X Guidewireは、血管損傷リスクを軽減するためシェイピングの付けやすさおよび形状保持力が向上する設計を採用し、とくに複雑な病変に対して精度が高く簡便にPCIを行えることが期待できる。 FFR測定により冠動脈狭窄の重篤度を確認できることで、正確な診断とより適切な治療法決定の実現が可能になる。日本では年間約26万件のPCIが実施されているが、FFRガイダンスの使用は5件に1件にとどまるという。販売名:SJM プレッシャワイヤ アエリス承認番号:22300BZX00469000製造販売元:セント・ジュード・メディカル株式会社販売名:SJM プレッシャワイヤ サルタス承認番号:22300BZX00247000製造販売元:セント・ジュード・メディカル株式会社セント・ジュード・メディカル株式会社プレスリリースはこちら(PDF)

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RCTの先を行く?リアルワールドでのTAVR対象患者(解説:香坂 俊 氏)-630

循環器内科といえば冠動脈インターベンション!というわけでは現在すでになく、今は弁膜症に対してもさまざまなカテーテル手技が行われるようになってきています(こちらをストラクチャー・インターベンションといいます)。その代表例たるものこそTAVR(経カテーテル的大動脈弁置換術)ではないでしょうか?わが国でも80以上の施設で行われるようになっており、すでに2013年から4年間で5,000例近くのTAVRが施行されています。図1 TAVRはこのように行われるこのTAVRについて、臨床試験の対象となったのは術前予測死亡率8~15%程度のハイリスク患者でした(PARTNER 1試験)。だいたいこの領域の予測死亡率になると、外科医は手術することにためらいを覚えます。そうした重症例を対象としたPARTNER 1試験で、TAVRが外科手術とほぼ同等の成績を収めたため 「ではまあハイリスク患者限定ならよいだろう」 ということでTAVRは世界中で認可されました。こうした状況で、当然次のステップとしては、より予測死亡率の低い患者群でのTAVRの成績はどうなのかというところが気になります。今回のBMJ誌のメタ解析は、こうした低リスク(予測死亡率4%以下)、あるいは中等度リスク(同4~8%)の患者を対象とした前向き試験のメタ解析です。その結果ですが、全体としてみるとTAVRと外科手術はほぼ同等の成績であり、大腿動脈からアプローチできたTAVRに限ると、TAVRのほうが外科手術よりも成績が良いかもしれないというものでした(逆に、心尖部からアプローチせざるを得なかったTAVRは普通の外科手術よりも成績が悪かった)。図2 上部の心尖部アプローチのTAVR(図内ではTAVIと表記)では外科手術(SAVR)のほうが成績が良いが、下部の大腿動脈アプローチのTAVRは外科手術よりもリスクが低いとされる。こうした結果を踏まえ、おそらく今後TAVRはよりリスクの低い患者へと加速度を増して使用されることが予想されます(とくにきちんと大腿動脈からアクセスできる患者さんたち)。ただオチとして、実はリアルワールドで行われているTAVRのほとんどが中等度リスクの患者であるという報告がすでに多くなされており、たとえば、ドイツのレジストリからの報告でも、すでに2011年から2013年の間に、5,000例以上の中等度リスク患者がTAVRを受けているとされています(【Medscape】中等度リスク患者のTAVIの死亡率はSAVRよりも高い:GARYレジストリ)。さらに、わが国で行われているTAVR患者の術前予測死亡率の平均は、すでに5~6%の領域であるという学会報告もなされており、こうした RCTの結果を待つまでもなく、すでに広く中等度リスク患者へのTAVRはリアルワールドで行われているとも解釈できます(今回のメタ解析の結果はポジティブなものであったので、その先行投資は正しかったといえるのですが…)。今後、この領域で課題となるのは費用対効果、さらにまだ2~3年の追跡データからの報告がほとんどなので、さらに長期のデータがどうなのかというところではないでしょうか。また、さらにリスクの低い領域(予測死亡率4%以下、手術がほとんど失敗しない患者群)にどのくらいのスピードで浸透していくかというところも興味深いところです。

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飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸による置換は冠動脈疾患リスクを低下させる!(解説:島田 俊夫 氏)-631

 私たちは、炭水化物、脂肪、タンパク質と少量のミネラル、ビタミンを摂取することによりエネルギーを獲得している。しかしながら、炭水化物の過剰摂取と運動不足が糖尿病・肥満の主要因になっている。糖質制限は治療上重要だが、適切な供給カロリーを維持するためには炭水化物以外の栄養素からエネルギーを獲得することが必要となる1)。1g当たりの産生カロリーは、炭水化物4kcal、脂肪9kcal、タンパク質4kcalのエネルギーを産生する。単純計算から、糖質制限食は代替エネルギーを脂肪またはタンパク質から取らざるを得ない。飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸置換することは冠動脈疾患死を減らす 今回取り上げた、BMJ誌2016年11月23日号に掲載された米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のGeng Zong氏らが、米国男女大規模コホート2試験で1984~2012年の看護師健康調査に参加した女性7万3,147例と、1986~2010年の医療従事者追跡調査に参加した4万2,635例の2つのコホートによる前向き縦断コホート試験により、飽和脂肪酸の冠動脈疾患への関与に対して解析を行った。本研究の被験者はベースラインでは主たる慢性疾患を認めない人のみを対象とした。 被験者のうち、冠動脈疾患の発生(n=7,035)は自己申告により、関連死は全米死亡記録や親戚縁者、郵便局からの報告により裏付けられた。冠動脈疾患症例については診療記録により確認が行われた。 その結果、追跡期間中の総エネルギー摂取量に占める飽和脂肪酸の割合は9.0~11.3%で、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)とステアリン酸(18:0、8.8~10.7%エネルギー)が主な構成脂肪酸であった。これら4種の脂肪酸は、冠動脈疾患発症と強い相関を示し、スペアマンの順位相関係数は0.38~0.93(すべてのp<0.001)であった。 生活習慣要因と総エネルギー摂取量については多変量調整後、各々の飽和脂肪酸の摂取量の最高5分位数群 vs.最小5分位数群のハザード比は、タウリン酸が1.07(95%信頼区間[CI]:0.99~1.15、傾向p=0.05)、ミリスチン酸が1.13(1.05~1.22、傾向p<0.001)、パルミチン酸が1.18(1.09~1.27、傾向p<0.001)、ステアリン酸が1.18(1.09~1.28、傾向p<0.001)、4種複合飽和脂肪酸で1.18(同:1.09~1.28、傾向p<0.001)であった。 4種の飽和脂肪酸から摂取するエネルギーの1%相当分を、多価不飽和脂肪酸で置換することにより同ハザード比は0.92(p<0.001)に、また1価不飽和脂肪酸で置換すると0.95(p=0.08)、全粒炭水化物で0.94(p<0.001)、植物性タンパク質で0.93(p=0.01)とリスクの減少がみられた。また、単体ではパルミチン酸での置換がリスクを最も低下させ、ハザード比は多価不飽和脂肪酸の置換で0.88(p=0.002)、1価不飽和脂肪酸で0.92(p=0.01)、植物性タンパク質で0.89(p=0.01)であった。糖質制限食使用上の注意点 糖質制限食の重要性がクローズアップされている今日、代替エネルギーを脂肪から取ることは一見理にかなっているが、本論文の結果から脂肪酸の質が重要となり2)3)、飽和脂肪酸の摂取を抑え、多価不飽和脂肪酸または1価不飽和脂肪酸、植物性タンパク質を糖質代替エネルギー源とすることは、糖質制限食の弱点強化につながる可能性を示唆する。

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2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析

 安定期統合失調症患者に対するアリピプラゾール400mg月1回製剤(AOM400)とパリペリドンパルミチン酸(PP)の改善を評価した、28週間無作為化オープンラベル直接比較試験(QUALIFY)について、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSteven G Potkin氏らが、機能的アウトカムに関する多次元的評価を実施した。その結果、AOM400はPPと比較し、良好な改善を示し、より多くの患者が試験終了後、就労可能であることが示唆された。The international journal of neuropsychopharmacology誌オンライン版2016年12月8日号の報告。 副次的有効性は、Work Readiness Questionnaire、CGI-S、CGI-Iスコア、Heinrichs-Carpenter QOLスコアを用いて評価した。患者の治療満足度は、Subjective Well-Being under Neuroleptic Treatment-short version、忍容性、QOLアンケートにより評価した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール群は、パリペリドン群と比較し28週目に就労の準備ができていた割合が有意に高かった(調整オッズ比:2.67、95%CI:1.39~5.14、p=0.003)。・アリピプラゾール群は、ベースライン、パリペリドン群と比較し、すべてのQOL項目において有意な改善効果を示した。・28週目において、アリピプラゾール群は、パリペリドン群と比較し、CGI-S(調整オッズ比:2.26、p=0.010)、CGI-I(調整オッズ比:2.51、p=0.0032)のレスポンスが有意に多く、CGI-Iスコアが有意に良好であった(最小二乗平均差:-0.326、95%CI:-0.60~-0.05、p=0.020)。・アリピプラゾール群は、パリペリドン群と比較し、Subjective Well-Being under Neuroleptic Treatment-short version、忍容性、QOLについて大幅な改善が認められた。関連医療ニュース 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大

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PCI vs.CABG―左主冠動脈狭窄に対する効果と安全性

 左主冠動脈狭窄に対する望ましい再灌流療法の戦略は、いまだに結論が出ていない。現在のガイドラインにおいて、プロテクトされていない左主冠動脈の狭窄に対しては、冠動脈バイパス術(CABG)が望ましいとされている。Monash Cardiovascular Research Centre(MCRC)のNerlekar氏らオーストラリアと英国の研究グループが、最近のランダム化比較試験を踏まえて、プロテクトされていない左主冠動脈に対し、経皮的冠動脈形成術(PCI)がCABGと同様の安全性と効果を得られるかをメタ解析を用いて評価した。Circulation:Cardiovascular Intervention誌2016年11月29日号の掲載。5研究の4,594例で全死亡、心筋梗塞、脳梗塞と再灌流療法を評価 本研究では、プロテクトされていない左主冠動脈狭窄に対するPCIとCABGのランダム化比較試験について、デジタルおよび手動でのデータベース検索を実施した。検索には、MEDLINEおよびEMBASE、PubMedのデータベースを用い、期間は2000年1月1日~16年10月31日とした。その結果、本研究に関連する可能性がある3,887試験のうち、Syntaxなど5つの研究が本研究の基準と合致した。安全性の主要評価項目は、全死亡、心筋梗塞、脳梗塞および再灌流療法とした。メタ解析にはランダム効果モデルが用いられ、患者4,594例を対象とした。主要評価項目に両群に有意差なし、再灌流療法の有効性ではPCI群が劣勢 主要評価項目においては、PCI群とCABG群とでは有意差が認められなかった(オッズ比[OR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.79~1.17、p=0.73)。しかし、CABGと比較してPCIでは再灌流療法が行われる頻度が有意に高く(OR:1.85、95%CI:1.53~2.23、p<0.001)、有効性において劣勢であった(OR:1.36、95%CI:1.18~1.58、p<0.001)。 全死亡率(OR:1.03、95%CI:0.78~1.35、p=0.61)および心筋梗塞(OR:1.46、95%CI:0.88~2.45、p=0.08)、脳梗塞(OR:0.88、95%CI:0.39~1.97、p=0.53)に関しては、両群で有意差は認められなかった。プロテクトされていない左主冠動脈に対する薬剤溶出性ステントを用いたPCIは、開心術によるリスクが低い患者においてはCABGと同様に安全な方法である。しかしながら、CABG群ではPCI群と比べて再灌流療法の施行が有意に少なかった。本研究における限界として筆者らは、フォローアップ期間が12ヵ月、36ヵ月、60ヵ月とばらつきがあること、また、再灌流療法の定義が試験によって異なることなどを挙げている。

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母親のジカウイルス感染時期と児の先天性異常リスク/JAMA

 米国のジカウイルス感染妊婦の胎児および乳幼児の6%に、ウイルス感染関連の先天性異常を認め、感染が妊娠初期の場合は11%に上り、とくに脳異常や小頭症が多いことが、米国疾病対策予防センター(CDC)のMargaret A Honein氏らUS Zika Pregnancy Registry Collaborationの調査で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2016年12月15日号に掲載された。妊娠初期のジカウイルス感染妊婦の胎児/乳幼児における小頭症のリスクは、仏領ポリネシアのデータでは約1%、ブラジル・バイア州では1~13%と報告されている。2009~13年に米国で実施されたジカウイルス感染がない妊婦の調査では、小頭症の発症率は生児出産1万人当たり約7件であったが、感染妊婦におけるリスクの程度は知られていなかった。感染妊婦442例で先天性異常のリスクを検討 研究グループは、母親の妊娠中のジカウイルス感染時期別の、胎児/乳幼児における先天性異常の発症率および母親の症状を調査した。 US Zika Pregnancy Registry(USZPR)に、2016年1月15日~9月22日にアメリカ大陸とハワイ島から登録された、ジカウイルス感染が検査で確認された母親とその胎児、乳幼児のデータを解析した。 ジカウイルス関連の先天性異常として、小頭症を伴う脳異常、これを伴わない脳異常、神経管欠損および他の早期脳形成異常、眼異常、他の中枢神経系異常について検討を行った。 ジカウイルス感染が確認された442例の妊婦が解析の対象となった。年齢中央値は28歳(範囲:15~50歳)だった。271例(61%)は無症状で、167例(38%)に症状が認められたが、4例(1%)は症状に関する情報が得られなかった。症状の有無でリスクに差ない、妊娠中期~後期感染で発症なし ジカウイルス関連の先天性異常は26例(6%、95%信頼区間[CI]:4~8%)の胎児/乳幼児に認められた。このうち、21例が395例の生児出産の乳幼児、5例が47例の妊娠損失の胎児であった。また、16例(6%、95%CI:4~9)は271例の妊娠中に無症状の妊婦、10例(6%、95%:3~11)は167例の有症状の妊婦の胎児/乳幼児であった。 26例の先天性異常を有する胎児/乳幼児のうち、4例は小頭症で、神経画像検査は行われていなかった。また、14例は小頭症を伴う脳異常、4例は小頭症を伴わない脳異常であった。脳異常には、脳内石灰化、脳梁異常、皮質形成異常、脳萎縮、脳室拡大、水頭症、小脳異常が含まれた。 小頭症は、全体で4%(18/442例)の乳幼児に認められた。母親に症状がみられるか、妊娠初期(第1三半期および妊娠前後)にウイルスに曝露した85例の胎児/乳幼児のうち、先天性異常が認められたのは9例(11%、95%CI:6~19%)であった。また、妊娠中のウイルス曝露が妊娠第2、3三半期の母親では、胎児/乳幼児に先天性異常はみられなかった。 著者は、「これらの知見は、ジカウイルスに曝露したすべての妊婦に対するスクリーニングの重要性を支持するもの」としている。

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