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小児ADHDの合併症有病率と治療成績

 ADHDの合併症は広く研究されているが、いくつもの問題点が解決していない。イタリア・IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのLaura Reale氏らは、新規に診断された未治療の小児の臨床サンプル(ADHDの有無にかかわらず)における併存精神疾患を調査し、合併症のタイプに基づいて治療有効性を比較するため、多施設共同研究を行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 2011~16年にADHDセンター18施設より登録されたADHDレジストリデータベースを用い、特定した患者の医療記録を分析した。 主な結果は以下のとおり。・ADHDの診断基準を満たした患者は2,861例中1,919例(67%)であった。そのうちADHD単独の患者は650例(34%)、併存精神疾患を有する患者は1,269例(66%)であった(学習障害:56%、睡眠障害:23%、反抗挑発症[ODD]:20%、不安障害:12%)。・複合型で重度の障害(CGI-S:5以上)を有するADHD患者は、併存疾患を呈しやすかった。・724例中382例(53%)は、治療1年後改善が認められた。・合併症を伴うADHDは、併用療法またはメチルフェニデート単独で治療することにより、より大きな改善を示した。・具体的には、併用療法は、学習障害を伴うADHD(ES:0.66)およびODDを伴うADHD(ES:0.98)に対し有意な優位性を示し、睡眠障害または不安障害を伴うADHDでは優位性が低かった。・トレーニング介入のみでは、ADHDおよび学習障害に対し中程度の有効性しか得られなかった(ES:0.50)。 著者らは「本研究は、イタリアにおけるADHDと併存精神疾患との関連を検討した最初の研究であり、複数の臨床現場において、ADHDが複雑な疾患であることが確認された。適正かつ均一なADHDの管理を幅広く行うためには、診断や治療、サービス制度が非常に重要である」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのかADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大

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皮下膿瘍、切開排膿に抗菌薬併用が有効/NEJM

 5cm以下の単純性皮下膿瘍について、切開排膿単独と比較し、切開排膿にクリンダマイシンまたはトリメトプリム・スルファメトキサゾール(TMP-SMX)を併用することで、短期アウトカムは改善することが示された。米国・シカゴ大学病院のRobert S. Daum氏らが、成人および小児外来患者を対象とした、多施設共同二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。ただし著者は、「この治療のベネフィットとこれら抗菌薬の既知の副作用プロファイルを、比較検討する必要がある」とまとめている。合併症のない皮下膿瘍はよくみられるが、市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の時代における適切な治療は明らかになっていない。NEJM誌2017年6月29日号掲載の報告。クリンダマイシン vs. TMP-SMX vs.プラセボ、10日間投与の治癒率を評価 研究グループは2009年5月~2015年1月に、6施設にて直径5cm以下の単一の皮下膿瘍を有する成人および小児患者(ただし、6~11ヵ月児は3cm以下、1~8歳児は4cm以下)を登録した。外科的に排膿可能な膿瘍の存在、膿瘍の大きさ、皮膚感染部位の数、非化膿性蜂窩織炎の有無で患者を層別化し、膿瘍の切開排膿後に、ブロックランダム化法によりクリンダマイシン群、TMP-SMX群およびプラセボ群に1対1対1の割合で割り付け、試験薬を10日間投与した。 主要評価項目は、治療終了後7~10日時点での臨床的治癒とした。 登録された患者は計786例で、うち成人505例(64.2%)、小児281例(35.8%)であった。また、男性は448例(57.0%)であった。黄色ブドウ球菌(S. aureus)は527例(67.0%)から、MRSAは388例(49.4%)から分離された。治癒率は、プラセボ69%に対し、抗菌薬で82~83%に改善 治療後10日時点のintention-to-treat集団における治癒率は、クリンダマイシン群83.1%(221/266例)、TMP-SMX群81.7%(215/263例)で、実薬群は類似しており(p=0.73)、いずれもプラセボ群の68.9%(177/257例)より高率であった(両群ともp<0.001)。評価可能集団(試験薬を10日間服用し、治療終了後7~10日時点の評価を完遂した患者)における結果も同様であった。なお、この有益な効果は、黄色ブドウ球菌感染者に限定された。 治癒例における追跡1ヵ月後の新規感染率は、クリンダマイシン群(6.8%:15/221例)が、TMP-SMX群(13.5%:29/215例、p=0.03)またはプラセボ群(12.4%:22/177例、p=0.06)より低かった。 有害事象の発現率は、クリンダマイシン群(21.9%:58/265例)が、TMP-SMX群(11.1%:29/261例)およびプラセボ群(12.5%:32/255例)より高かった。主な有害事象は下痢と悪心で、クロストリジウム・ディフィシル関連下痢症は確認されなかった。重篤な有害事象を8例、過敏反応(発熱、発疹、血小板減少症、肝炎)をTMP-SMX群の1例で認めたが、すべての有害事象は後遺症なく消失した。

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中国人における糖尿病、前症含めると約5割に/JAMA

 先行研究で中国の糖尿病有病率の上昇が示されていたが、同国は今や世界最大の糖尿病蔓延国であることが明らかになった。2013年時点で、中国本土の成人における糖尿病有病率は10.9%、糖尿病前症有病率は35.7%と推定されたという。中国疾病予防管理センターのLumin Wang氏らが、3年ごとに実施している慢性疾患とリスク因子サーベイランス調査(China Chronic Disease and Risk Factors Surveillance study)の2013年の結果を報告したもので、JAMA誌2017年6月27日号で発表した。なお、同調査では、糖尿病および糖尿病前症の推定有病率は、中国の民族によって異なることも明らかにされている。これまで、中国の少数民族の糖尿病有病率を調べた疫学研究はほとんどなかった。約17万例が参加、全員に血液検査とブドウ糖負荷試験を実施し、有病率を分析 研究グループは、2013年の全国的な横断研究に参加した18歳以上の成人17万287例を対象に、参加者全員の空腹時血糖値およびHbA1c値を測定するとともに、経口ブドウ糖負荷試験(2時間値)を実施した。 主要評価項目は、2010年の米国糖尿病学会基準に基づく糖尿病および糖尿病前症(HbA1c 5.7~6.4%、空腹時血糖値100~125mg/dLまたはブドウ糖負荷試験140~199mg/dL)の総計とした。糖尿病治療中の参加者では、HbA1cが7.0%未満を血糖コントロール良好と判定した。また、参加者が1,000例以上の少数民族(チベット族、チワン族、満州族、ウイグル族、回族)について、漢族と比較した。糖尿病総有病率は10.9%、ただしチベット族や回族は漢族より有意に低い 中国の成人人口全体における糖尿病(未診断の糖尿病[空腹時血糖値126mg/dL以上、ブドウ糖負荷試験2時間値200mg/dL以上、HbA1c 6.5%以上]を含む総計)の標準化有病率は10.9%(95%信頼区間[CI]:10.4~11.5%)、糖尿病前症は35.7%(95%CI:34.1~37.4%)と推定された。糖尿病と確定診断されていたのは4.0%(95%CI:3.6~4.3%)で、診断結果を認識していた患者は36.5%(95%CI:34.3~38.6%)、治療を受けていた患者は32.2%(95%CI:30.1~34.2%)であった。治療を受けていた患者のうち、49.2%は血糖コントロールが良好であった。 民族別の糖尿病有病率は、チベット族4.3%、回族10.6%、チワン族12.0%、ウイグル族12.2%、満州族15.0%で、漢族の14.7%(95%CI:14.6~14.9%)と比較し満州族を除いていずれも有意に低かった(チベット族、回族、チワン族:p<0.001、ウイグル族:p=0.002)。多変量ロジスティックモデルによる解析の結果、漢族と比較した補正後オッズ比は、チベット族で糖尿病0.42(95%CI:0.35~0.50)、糖尿病前症0.77(95%CI:0.71~0.84)、回族で糖尿病0.73(95%CI:0.63~0.85)、糖尿病前症0.78(95%CI:0.71~0.86)であった。

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DEVOTE 試験の臨床的意義

 2型糖尿病治療、とくにインスリン治療において低血糖管理は重要な問題だ。重症低血糖は心血管イベントリスク増加に関与し、患者さんの心理的負担も大きい。臨床でも、低血糖リスクの低いインスリン製剤を選択することが重要となる。これに関して今後の薬剤選択に影響を与えるデータが先日、ADAで発表された。心血管系リスクの高い2型糖尿病患者を対象にしたDEVOTE試験である。 DEVOTE試験の発表を受け、2017年7月4日都内にて、「インスリン治療の最新動向と今後の展望~第77回米国糖尿病学会の最新報告より~」と題するセミナーが開かれた(主催:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社)。演者は、門脇 孝氏 (東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)。 以下、セミナーの内容を記載する。二重盲検CVOT試験であるDEVOTE 試験 DEVOTE試験は、基礎インスリンのインスリン デグルデクとインスリン グラルギンU100の2製剤を比較した二重盲検CVOT(心血管アウトカム)試験である。インスリン注射の臨床試験はオープンラベルで行われるものが多いが、本試験はバイアルを用いた二重盲検試験だ。この点について、門脇氏は「グラルギンかデグルデクか医療者側もわからない、という点は試験結果を評価するうえでも重要な点だ」とコメントした。 試験対象は、心血管リスクが高い2型糖尿病の成人患者7,637例(デグルデク群3,818例、グラルギン群3,819例)で、1日1回夕食~就寝の間に、デグルデク群またはグラルギン群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。デグルデク群はグラルギン群に対して、MACEで非劣性を示した 主要評価項目として、3-point MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)が設定された。その結果、デグルデクのグラルギンに対する非劣性が検証され(ハザード比:0.91、95%信頼区間[CI]:0.78~1.06、非劣性のp<0.001)、デグルデクはグラルギンと比較して心血管リスクを増加させないことが示された。 24ヵ月時点での2群の平均HbA1c値に有意差はなく、平均空腹時血糖値は、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低下していた(128±56 vs.136±57mg/dL、p<0.001)。重大な低血糖発現では、デグルデク群が優越性を示した 副次評価項目である重大な低血糖の発現件数に関しては、デグルデク群が優越性を示した(率比:0.60、95%信頼区間[CI]:0.48~0.76、優越性のp<0.001)。さらに、デグルデク群は夜間の重大な低血糖の発現件数を53%有意に低下させた。その他の有害事象の発生については、両群で差はなかった。 今回のDEVOTE試験では、心血管系リスクの高い2型糖尿病患者においてデグルデクが対照薬よりも重大な低血糖リスクが低いことが示された。これはデグルデクの他の臨床試験(BEGIN、SWITCH2)とも一貫性のある結果であった。「低血糖の心配がなければ、もっと積極的に治療する」と考える医師は多い インスリン治療において低血糖管理は重要な問題である。インスリン療法に対する医師の考えを調査した結果によると、「低血糖の心配がなければもっと積極的に治療する」との回答が7割を占めるという。医学的アウトカムも重要だが、低血糖への懸念が払拭され、患者さんのQOLが保たれるという、心理的アウトカムも同時に達成されることは、インスリン治療では重要といえるだろう。 門脇氏は、この点を踏まえ「DEVOTE試験で、デグルデクのMACEに関する非劣性と重大な低血糖リスクの有意な減少が検証されたことは、今後の治療選択においても意義深い結果である」と述べ、講演を終えた。

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前治療歴のあるC型慢性肝炎に対するsofosbuvir、velpatasvir、およびvoxilaprevir療法の検討(解説:中村 郁夫 氏)-697

 本論文は、direct-acting antiviral agents(DAA)を含む治療を受けたことのあるC型慢性肝炎の患者を対象として行った2種類の第III相試験(POLARIS-1、POLARIS-4)の結果の報告である。POLARIS-4では、NS5A阻害薬を含まない治療を受けたことのある、遺伝子型1型、2型、3型のHCV患者を対象とし、sofosbuvir(核酸型ポリメラーゼ阻害薬)・velpatasvir(NS5A阻害薬)・voxilaprevir(プロテアーゼ阻害薬)の3剤併用群とsofosbuvir・velpatasvirの2剤併用群に、無作為に1:1に割り付けたうえで、遺伝子型4型の19例を3剤併用群に加えた。その結果、sustained virologic response(SVR)を達成した率は3剤併用群では98%、2剤併用群では90%であった。 日本においても、前治療無効例に対するDAA併用療法の効果が、薬剤耐性変異との関連性を含めて検討されている。また、本論文で用いられた3剤のうちのsofosbuvir、velpatasvirの2剤にribavirinを加えた併用療法の治験が現在進められている。日本では、有害事象の観点からDAAの2剤併用が主流であったが、現在では、3剤併用療法も用いられ始めている。また、従来のDAA併用療法は、1種類の遺伝子型のHCVに対するものであったが、今後は、本研究でのsofosbuvir・velpatasvir・voxilaprevirの3剤併用療法のように、いわゆる「pangenomic」:複数のHCV遺伝子型に効果のある治療法が日本においても登場する予定であり、その候補のひとつとして、pibrentasvirとglecaprevirの併用療法がある。この観点からも、本研究は興味深いものであると考える。

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救急エコー最速RUSH!

第1回 ショックの鑑別にはエコー! 第2回 ダッシュで“RUSH”をモノにする 第3回 PUMP 第4回 TANK① 第5回 TANK② 第6回 PIPES ショック患者が来たときにどう対応しますか?採血、心電図、X線、CT・・・・。CT室に運んでいるときに患者の容態が悪化・・・そんな経験はありませんか。ショックの原因をベッドサイドでルールイン、ルールアウトできるのがエコーです。そんな救急エコーのプロトコルの中でも、最も早く、最も広範囲をカバーする「RUSH Exam.」。わずか2分でショックの原因検索ができます。このDVDで、RUSHをモノにして、ショックに立ち向かいましょう!第1回 ショックの鑑別にはエコー!ショックは原因によって対応や処置が異なり、とくに素早い診断が重要となります。そこで、エコー!X線よりも、CTよりも早く、確実にショックを鑑別します。今回は、ショックの原因検索にエコーがいかに有用かを解説します。第2回 ダッシュで“RUSH”をモノにする 最速エコーテクニック「RUSH Exam.」の概要について解説します。RUSHの基本は、PUMP、TANK、PIPESの3つのコンポーネントをそれぞれ、3ステップの計9ステップで見ていくことです。まずは、ショック患者が来たとき、どのような手順で、何をどう見ていくのか確認しましょう。第3回 PUMP RUSH Exam.の3つのコンポーネントのうちの1つ「PUMP」を見ていきます。PUMPで見るべきビューとそれぞれの施行ポイント、そしてその所見の取りかたをお教えします。実際のエコー映像もたっぷり。原因がわかったらすぐに処置・治療につなげられるのも、エコーならでは!まずはPUMPをマスターしましょう!第4回 TANK① PUMPに続いて、TANKについてみていきます。TANKのメインは、“FAST”。体腔内に液体貯留がないかどうかの検索を行います。でも、もちろん、ただのFASTではなく、Step Beyond FAST!TANKの見るべきビューとそれぞれの施行ポイント、そしてその所見の取りかたをしっかりとマスターしましょう!第5回 TANK② 今回は前回のTANKの続きです。最後のビューポイント前胸部についてみていきます。前胸部では主に「気胸」を診断、あるいは否定をしていきます。X線での気胸の感度は50%程度、それに対して、超音波では90%以上!それでも、X線を使いますか?さあ、エコーを使いこなして、迅速な診断と治療につなげましょう!第6回 PIPES 最後のコンポーネントPIPESです。PIPESでは、腹部、胸部大動脈瘤、解離とDVT(肺塞栓)について診断、除外をおこないます。見るべきビューは6つ。しっかりとマスターしましょう。これで、RUSH Exam.すべてのコンポーネントが揃いました!さあ、RUSHをモノにして、ショックに立ち向かいましょう!

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笑えるシリアスゲーム【Dr. 中島の 新・徒然草】(177)

百七十七の段 笑えるシリアスゲームゲームで遊んでいるうちに夢中になって時間を忘れる、というのは誰でも経験したことがあることと思います。でも、ついついやり過ぎてしまうと、後で「貴重な時間を無駄に使ってしまった」という自己嫌悪に襲われる、というのもこれまたよくあることではないでしょうか。もし、時間を忘れて遊んでしまったが、その分、勉強になった、健康になった、というゲームがあればどうでしょうか? 楽しくてタメになる一石二鳥のゲームがあれば素晴らしいことですね。そんなムシのいいことを実現しようというのがシリアスゲームです。ある論文(Game-based training improves the surgeon's situational awareness in the operation room: a randomized controlled trial)で、外科レジデントにシリアスゲームをさせたら実際の腹腔鏡手術でのパフォーマンスがあがった、と述べられていたので、早速、そのゲームをやってみました。この "Dr. Game Surgeon Trouble" というオランダ製のアプリは簡単にスマホにインストールすることができます。ゲーム画面は3段になっており、上から下に向かって、外科の指導医、患者のバイタルサイン、そしてミニゲームという構成になっています。プレイヤーは腹腔鏡のモニターにみたてた三目並べみたいなミニゲームを開始します。ところが途中で画面が曇ってくるのです。そうすると「これは腹腔鏡のレンズが曇ったに違いない」ということで "lens" を選んで "clean" というスイッチを押さなくてはなりません。そうするとまた綺麗な画面に戻ります。しばらくすると画面の色がおかしくなってくるので、今度は "white balance" を選んで "reset" を押します。すると色が回復します。このようにして、色々な機器トラブルを乗り越えながらミニゲームをやり続けるのです。うまくいかないと顔を真っ赤にした指導医に罵られますが、うまくいくと「お前はチャンピオンだ!」と上機嫌。怒鳴るか誉めるか2つしかない、というところが外科医らしくて笑えます。このゲームは専門家の助言を得ながら実際に腹腔鏡手術中に起こりがちな機器トラブルを再現したそうです。ライティングが19、ガスが5、電気メスが2、生理モニター関連が2と数多くのトラブルを網羅しています。このゲームをやった後のレジデントは、実際にブタを使った手術で素早く機器トラブルに対応できたということでした。私もゲームをやってみたところ、腹腔鏡手術の機器トラブルについては、ちょっとばかり対応できるような気がしてきました。是非、腹部外科の先生方には、本当に役立ちそうか否かを体験していただきたく思います。医療の世界にも楽しくて役に立つゲームがどんどん普及してほしいところですね。最後に1句ゲームして トラブル学び さあ本番

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統合失調症患者の雇用獲得に必要なこと

 一般と比較すると、統合失調症患者の失業率は、全年齢層において高くなっている。これまでの研究では、統合失調症患者の失業や作業不良に対し、神経認知機能に焦点が当てられてきた。しかし、最近のいくつかの研究では、雇用困難を理解するうえで、認知機能障害と同等以上に臨床症状が重要であることが示唆されている。米国・David Geffen School of MedicineのKatiah Llerena氏らは、統合失調症患者の就職や仕事の成果を妨げる陰性症状への理解を深めることは、雇用を向上させる治療法の開発に不可欠であるとし、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年6月7日号の報告。 対象は、雇用支援サービスを受けている統合失調症または統合失調感情障害患者112例。就労の有無に基づき、経験的および表現的な陰性症状が異なるかを判断した。さらに、労働者のサブセットにおいて、経験的「動機づけ」の陰性症状と労働成果との関連を調査した。神経認知機能は、MATRICS コンセンサス認知機能評価バッテリーを用いて評価し、臨床症状は、陰性症状評価尺度およびBPRSを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・表現的でない、経験的な陰性症状は、就職、就業時間、賃金と関連していた。・これらの結果は、年齢で調整した後に減弱し、有意な差は認められなかった。 著者らは「これらの結果は、雇用支援サービスを受けている統合失調症患者の雇用結果をより理解するうえで、経験的な陰性症状が重要であることを示唆している。他者との関わり、環境的、プログラム的要因との重要性を解くためには、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事統合失調症へのメマンチン追加療法のメタ解析:藤田保健衛生大精神科再入院を減少させるには、雇用獲得がポイント抗精神病薬の副作用、医師にどれだけ伝えられているか:藤田保健衛生大

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重症喘息へのbenralizumab、経口ステロイドを減量/NEJM

 重症喘息患者において、抗インターロイキン-5受容体αサブユニット・モノクローナル抗体benralizumabの8週ごとの皮下投与は、年間喘息増悪率も大幅に低下し喘息コントロールを維持しながら、経口ステロイドの服用量を減少可能であることが、無作為化二重盲検並行群プラセボ対照試験の結果、示された。なお、示された効果には、1秒量(FEV1)への持続的効果は伴わなかった。カナダ・マックマスター大学のParameswaran Nair氏らによる検討で、NEJM誌2017年6月22日号(オンライン版2017年5月22日号)で発表した。benralizumabを4週ごとまたは8週ごとに皮下投与 vs.プラセボ投与 研究グループは、重症喘息患者で、中~高用量吸入ステロイド+長時間作用性β2刺激薬(LABA)を12ヵ月以上、さらに高用量吸入ステロイド+LABAを6ヵ月以上服用したことがある成人を対象に、無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に3群に分け、benralizumab(30mgを4週ごとまたは8週ごと[最初の3回は4週ごと]に皮下投与)、またはプラセボを投与し、喘息症状をコントロールしながら、経口ステロイド服用量を減少できるかどうかを比較した。 主要評価項目は、28週までの経口ステロイド用量の変化の割合。合わせて、年間喘息増悪率や、肺機能、症状、安全性の評価も行った。benralizumab群のステロイド減量のオッズ比は4倍超 試験に参加した369例のうち、220例について無作為化を行い、benralizumabまたはプラセボを投与した。 benralizumab群は4週ごと投与群、8週ごと投与群ともに、経口ステロイドの最終服用量の中央値が、ベースラインから75%減少した。一方、プラセボ群の同減少率は25%だった(p<0.001)。経口ステロイド減量に関するオッズは、benralizumab群がプラセボ群の4倍超だった(4週群:4.09、8週群:4.12、いずれもp<0.001)。 副次的評価項目について、benralizumab 4週ごと投与群の年間喘息増悪率は、プラセボ群に比べ55%低く(限界増悪率:0.83 vs. 1.83、率比:0.45、p=0.003)、benralizumab 8週ごと投与群はプラセボ群に比べ70%低かった(同:0.54 vs. 1.83、0.30、p<0.001)。 一方で、28週時点のFEV1については、benralizumabの両群ともにプラセボ群と比較して有意な効果は認められなかった。その他の喘息症状の指標に対する効果は混在しており、benralizumab群で有意な効果を示すものもあれば、示さないものもあった。 なお、有害事象の頻度は、benralizumab群とプラセボ群で同程度だった。

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子癇前症ハイリスク妊婦への低用量アスピリンは?/NEJM

 早期子癇前症リスクの高い妊婦に対し、妊娠11~14週から36週にかけて低用量アスピリンを投与することで、妊娠37週以前の子癇前症リスクはおよそ6割減少することが示された。英国・キングス・カレッジ病院のDaniel L. Rolnik氏らが、1,776例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2017年6月28日号で発表した。早期子癇前症は、母体および周産期の死亡や合併症の重大要因である。低用量アスピリン服用で、そのリスクが低下可能か、これまで確認されていなかった。アスピリン150mg/日を投与しアウトカムを比較 研究グループは、早期子癇前症リスクの高い単胎妊娠の妊婦1,776例を無作為に2群に分け、一方にはアスピリン(150mg/日)を、もう一方にはプラセボを、それぞれ妊娠11~14週から36週まで投与した。 主要評価項目は、妊娠37週前の子癇前症を伴う出産で、intention-to-treat(ITT)解析にて評価した。子癇前症発症率、アスピリン群1.6%に対しプラセボ群4.3% 被験者のうち、152例が試験開始後に離脱し、また4例が追跡できなかった。そのため、分析対象はアスピリン群798例、プラセボ群822例だった。 妊娠37週前に子癇前症を発症したのは、プラセボ群の35例(4.3%)に対し、アスピリン群は13例(1.6%)と、有意に減少した(オッズ比:0.38、95%信頼区間:0.20~0.74、p=0.004)。 試験開始後に離脱した152例と、追跡できなかった4例を含む感度分析を行ったが、結果は実質的に同様だった。 服用順守率も高く、被験者の79.9%で、服用すべき錠剤数の85%以上を服用していた。なお、新生児有害アウトカムやその他の有害イベント発生率については、両群で有意差はなかった。

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進行ALK遺伝子陽性肺がんの治療について(解説:小林 英夫 氏)-693

 元来、anaplastic lymphomaや炎症性筋線維芽細胞性腫瘍で報告されていた受容体チロシンキナーゼであるALKは、肺がんの数%程度で遺伝子変異が認められ、とりわけ腺がんで検出されやすい。そして、ALK阻害薬は従来の化学療法に比べ、ALK遺伝子を有する肺がんに大きな治療効果をもたらしている。初めて上梓されたクリゾチニブ(ザーコリ)はマルチキナーゼ阻害薬でALK阻害活性も有する薬剤だが、一方、アレクチニブ(アレセンサ)はALKを標的として創薬された二番目のALK阻害薬である。日本肺学会編 肺診療ガイドライン2016では、ALK遺伝子転座陽性でPS(performance status)2までのIV期非小細胞肺がんに対する一次治療は、アレクチニブ(グレードA)またはクリゾチニブ(グレードB)が推奨されている。 本論文(ALEX試験)はNEJMに発表されたもので、切除不能ALK陽性肺がんに対して両薬剤のいずれが有効性、認容性、中枢神経病変制御に優れるかを比較した国際共同無作為化非盲検第III相試験の途中報告である。全生存期間の解析が終了していないため、あくまで中間報告的論文であることを意識しておきたい。また、分子標的治療薬のなかでもEGFR(epidermal growth factor receptor、上皮成長因子受容体)阻害薬の効果には人種差があるが、ALK阻害薬に明確な人種差はないようで欧米からの報告を本邦でも取り入れることが可能と思われる。 結果はある程度予想されたように、PFS(無増悪生存期間)中央値はアレクチニブ群未到達、クリゾチニブ群11.1ヵ月であり、アレクチニブ群でPFSの有意な延長が認められた。また、中枢神経病変の進行は、アレクチニブ群18例(12%)、クリゾチニブ群68例(45%)で確認され、アレクチニブ群で有意に低かった。さらに薬剤関連有害事象もアレクチニブ群で少なかった。加えて、日本でも同様の比較試験(J-ALEX試験)が実施されており、その中間報告が2017年5月10日にLancetにEpub掲載された。やはりアレクチニブ投与群で明確なPFS延長が示されたため、中間解析において早期有効中止に至っている。なお、J-ALEXのアレクチニブ投与はALEXの半量である。 現時点で、進行したALK遺伝子陽性肺がん治療のファーストラインがアレクチニブであることはほぼ確実と思われる。ただし、本論文も肺診療ガイドラインもALK阻害薬投与対象はPS 2までであり、PS不良例については確認できていない。また、本邦で三番目のALK阻害薬セリチニブ(ジカディア)はクリゾチニブ既投与症例でも効果が期待できることが特性とされ、今後、アレクチニブとの有効性比較が待たれるところである。

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カナグリフロジンによる心血管・腎イベントの抑制と下肢切断、骨折の増加(解説:吉岡 成人 氏)-694

SGLT2阻害薬による心血管イベント抑制 SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、心血管イベントの既往がある2型糖尿病患者において心血管死、総死亡、さらに腎イベント(顕性腎症の発症、血清クレアチニン値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)を抑制するとEMPA-REG OUTCOME試験およびそのサブ解析で示されて以降、カナダ糖尿病学会、米国糖尿病学会の提唱するガイドラインでは、心血管リスクの高い患者におけるSGLT2阻害薬の使用を推奨している。 心血管イベント、腎イベントの抑制の機序に関しては、SGLT2阻害薬の利尿作用、腎における腎尿細管糸球体フィードバック機構への影響のみならず、血中ケトン体が増加することによる心筋や腎におけるエネルギー代謝の変化、ヘマトクリットの増加による腎への酸素供給の増加などの、一般の臨床医が想像しなかったようなメカニズムが提唱されている。このような背景をもとに、エンパグリフロジン以外のSGLT2阻害薬でも同様な臨床効果が期待されるのかどうか、カナグリフロジンを用いたCANVAS(Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study)プログラムの結果に大きな興味が持たれていた。CANVASプログラムとCANVAS試験、CANVAS-R試験 CANVASプログラムはカナグリフロジンの第III相試験として2009年に開始されたCANVAS試験と、米国でのカナグリフロジン発売後に開始されたCANVAS-R試験によって構成されている。CANVAS試験のみでは心血管安全性を評価するための追跡人・年が不足するためにCANVAS-Rが追加試験として2014年に開始され、アルブミン尿の進展抑制を主要評価項目とし、心血管安全性を副次評価項目としている。 今回の心血管安全性の評価では、CANVASとCANVAS-Rを統合して解析がなされている。対象は心血管疾患リスクが高い2型糖尿病10,142例。標準的な薬物療法にカナグリフロジンないしはプラセボを追加する無作為化二重盲検試験で、追跡期間は平均3.6年であった。主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率であり、カナグリフロジン投与によりこれらの心血管リスクが有意に低下(カナグリフロジン群:26.9/1,000人年、プラセボ群:31.5/1,000人年、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.75~0.97、p=0.02)しており、非劣性のみならず優越性が示された。さらに、カナグリフロジン群ではアルブミン尿の進展が27%抑制され、腎複合エンドポイント(eGFR低下、腎代替療法の開始、腎疾患による死亡)において40%の抑制が認められた。下肢切断と骨折のリスク 心血管イベントや腎リスクの低下は確認されたものの、カナグリフロジン群で下肢切断のリスクが約2倍に増加していた(カナグリフロジン群:6.30/1,000人年、プラセボ群:3.37/1,000人年、ハザード比:1.97、95%信頼区間:1.41~2.75)。足趾、中足骨レベルでの切断のみならず、足関節、膝下、膝上のレベルでの切断の総計も2.03倍増加している(カナグリフロジン群:1.82/1,000人年、プラセボ群:0.93/1,000人年、ハザード比:2.03、95%信頼区間:1.08~3.82)。さらに、骨折についても転倒骨折の頻度がCANVAS試験単独で1.56倍(カナグリフロジン群:12.98/1,000人年、プラセボ群:8.31/1,000人年、ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.18~2.06)増加しており、全骨折の頻度もCANVAS試験単独で1.55倍、CANVASプログラムとして1.26倍に増加している。 平均年齢63.3歳、女性比率35.5%という対象において、下肢切断の頻度、骨折の頻度は日本人よりもはるかに高い。足病変の進展については体内の水分量の減少に伴う下肢末梢における血圧や血液循環の低下、骨折については、Ca利尿の増加、血中リン濃度やPTHの上昇による骨塩量の減少などが原因として推定されるが結論は得られていない。米国保健局(FDA)からは、2015年9月、2016年5月にカナグリフロジンと骨折、下肢切断に関する安全性情報がすでに報告されており、今回さらにリスクが強調される結果となった。カナグリフロジンの投与量と国内における情報提供 CANVASプログラムはカナグリフロジン100mg、300mg、プラセボ群がそれぞれ1:1:1の割合で、CANVAS-Rでは、100mgから開始され300mgまで増量が可能な群とプラセボ群が1:1の割合で構成されている。日本国内におけるカナグリフロジンの投与量は100mgであり、国内で認められている用量を超えた試験であるため、CANVASプログラムについて製薬メーカーが国内でプロモーションを行うことが規制されている。「ディオバン事件」の影響かと思われるものの、事実を歪曲した広告は厳に慎むべきではあるが、過剰とも思われる規制もいかがなものであろうか。

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NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果/ASCO2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における、化学療法+ペムブロリズマブ群と化学療法群を比較した第II相試験KEYNOTE-021コホートGの更新結果が、米国MD Anderson Cancer CenterのVassiliki Papadimitrakopoulou氏らによりASCO2017で発表された。 同試験では、Stage IIIB~IVで化学療法未治療の非扁平上皮NSCLC(EGFR変異またはALK転座を伴わない)123例を、カルボプラチン+ペメトレキセド(CP)群とペムブロリズマブ追加(pembro+CP)群に、無作為に割り付けて比較している。初回解析では、主要評価項目の客観的奏効率(ORR)(55%対29%、p=0.0016)、主たる副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)(HR:0.53、p=0.0102)共に、pembro+CP群で有意に改善されている。全生存期間(OS)は、両群とも6ヵ月OSで92%と同等であった。 今回の発表は2016年12月31日時点でのもので、フォローアップ中央値は14.5ヵ月(0.8~24.0)である。ORRはpembro+CP群56.7%(43.2~69.4)、CP群30.2%(19.2~43.0)で、初回解析と同様にpembro+CP群で有意に高かった(p=0.0016)。 PFSはpembro+CP群は未達(9.7~NR)、CP群では8.9ヵ月(6.2~10.3)で、pembro+CP群で有意に長かった(HR:0.49、95%CI:0.2~0.83、p=0.0035)。OS については、CP群の75.0%がクロスオーバーしたという条件の下、12ヵ月推定値はpembro+CP群76.0%、CP群69.3%と、統計的有意ではないものの、pembro+CP群で高い傾向であった(HR:0.69、95%CI:0.36~1.31、p=0.13)。また、9ヵ月推定値のpembro+CP群84.6%、CP群82.3%と比較すると、OSの差は拡大傾向にあった。奏効期間は、pembro+CP群では中央値に達しておらず(1.4+〜18.6+)、CP群では16.2ヵ月(2.8〜20.7+)であった。■参考ASCO2017 AbstractKEYNOTE-021試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブの追加が非小細胞肺がん1次治療の結果を改善:ESMOペムブロリズマブ、化学療法併用でPD-L1発現問わず肺がん1次治療に承認:FDA

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ニボルマブ、転移・再発NSCLCの1次治療で予後改善せず/NEJM

 未治療のStage IVおよび再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、抗PD-1抗体製剤ニボルマブは標準的な化学療法と比較して予後を改善しないことが、米国・オハイオ州立大学総合がんセンターのDavid P. Carbone氏らが行ったCheckMate 026試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年6月22日号に掲載された。ニボルマブは、既治療の転移のあるNSCLCの2つの第III相試験でドセタキセルよりも全生存(OS)期間が優れ、未治療のNSCLCの第I相試験では持続的奏効や良好な安全性プロファイルが報告されている。一方、PD-L1を超えるバイオマーカーの探索が進んでおり、腫瘍の遺伝子変異負荷(tumor-mutation burden:TMB)が高度な患者は、免疫療法からベネフィットを得る可能性が高いことが示唆されている。541例で有用性を直接比較する無作為化試験 本研究は、Stage IV・再発NSCLCの1次治療におけるニボルマブの安全性と有効性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験である(Bristol-Myers Squibb社などの助成による)。 対象は、組織学的に扁平上皮がんまたは非扁平上皮がんが確認されたStage IV・再発NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、登録前6ヵ月以内の生検で採取された検体のPD-L1発現が、中央判定で1%以上の患者であった。 被験者は、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに静脈内投与する群または担当医が選択したプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法を3週ごとに4~6サイクル施行する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられた。化学療法群の患者は、病勢進行後、ニボルマブへのクロスオーバーが可能とされた。 主要評価項目はPD-L1の発現が≧5%の患者における無増悪生存(PFS)とし、評価は独立審査委員会によって盲検下の中央判定で行われた。また、探索的検討として、TMB別の有効性の解析も行った(全エクソームシーケンスで検出された腫瘍の体細胞ミスセンス変異数が0~99個の場合を低TMB、100~242個を中TMB、243個以上を高TMBと定義)。 2014年3月~2015年4月に1,325例が登録され、541例(41%)がランダム化の対象となった。ニボルマブ群に271例が、化学療法群には270例が割り付けられた。実際に治療を受けたのは530例(98%)だった。ベースラインの全体の年齢中央値は64歳(範囲:29~89歳)、女性が39%であった。Stage IVが92%、再発は8%だった。PFS期間中央値、ニボルマブ群4.2ヵ月、化学療法群5.9ヵ月  PD-L1≧5%の423例(ニボルマブ群:211例、化学療法群:212例)の解析では、PFS期間中央値はニボルマブ群が4.2ヵ月と、化学療法群の5.9ヵ月に比べむしろ短かった(ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:0.91~1.45、p=0.25)。1年PFS率は、それぞれ24%、23%であった。 PD-L1≧5%の患者のOS期間中央値にも、有意な差は認めなかった(14.4 vs. 13.2ヵ月、HR:1.02、95%CI:0.80~1.30)。1年OS率は、それぞれ56%、54%だった。なお、化学療法群212例のうち128例(60%)が、後治療としてニボルマブの投与を受けていた。 PD-L1≧5%の患者の最良総合効果は、ニボルマブ群が26%(完全奏効[CR]:4例、部分奏効[PR]:51例)、化学療法群は33%(1例、70例)であった。奏効までの期間中央値は両群でほぼ同様であった(2.8 vs. 2.6ヵ月)のに対し、奏効期間中央値はニボルマブ群が2倍以上長かった(12.1 vs. 5.7ヵ月)。 TMB別の探索的解析では、高TMB例においてニボルマブ群が化学療法群に比べ奏効率(47 vs. 28%)、PFS期間中央値(9.7 vs. 5.8ヵ月)が良好であった。しかし、OS期間に差は認めなかった。 治療関連有害事象は、ニボルマブ群が71%、化学療法群は92%に発現した。このうちGrade 3/4は、それぞれ18%、51%であった。ニボルマブ群で最も頻度の高い有害事象は疲労(21%)であり、次いで下痢(14%)、食欲減退(12%)、悪心(12%)、皮疹(10%)の順であり、皮疹は免疫学的原因による可能性が示唆された。 著者は、「化学療法群は、患者の多くがニボルマブによる後治療を受け、ベースラインの背景因子のうちいくつかが良好な予後と関連した可能性が高い(わずかだが肝転移例が少なく、標的病変径和が小さく、女性が多い)が、ニボルマブ群は、ニボルマブ治療で予後が良好となる可能性が高い因子(PD-L1≧50%、高TMB)を持つ患者が少なかったことが、これらの結果に影響を及ぼした可能性がある」と考察している。

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ステント血栓症リスク、BVS vs.EES

 最近の研究から、生体吸収性スキャフォールド(BVS)による経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、エベロリムス溶出性金属製ステント(EES)と比べ、血栓症の合併症が多いことが示唆されている。米国マウントサイナイ・アイカーン医科大学のSorrentino氏らは、FDAが承認したBVSと金属製EESの効果を、長期フォローアップで比較した。Journal of the American College of Cardiology誌2017年4月12日号に掲載。7つのランダム化試験を解析 本研究では、MEDLINE、Scopus、およびウェブ上で検索し、BVSとEESを比較したランダム化試験を解析した。有効性および安全性の主要エンドポイントは、標的病変不全と、確定的もしくは疑いの高いステント血栓症だった。検索の結果、7つの試験において、計5,583例の患者がBVS(3,261例)もしくはEES(2,322例)の植込みを受けていた。フォローアップの平均中央値は2年(2~3年の範囲)であった。標的病変不全、ステント血栓症がBVS群で有意に多かった 金属製EES群と比べて、標的病変不全(9.6% vs.7.2%、絶対リスク差:2.4%、リスク比:1.32、95%信頼区間[CI]:1.10~1.59、有害必要数[NNH]:41、p=0.003、I2:0%)、ステント血栓症の発生(2.4% vs.0.7%、絶対リスク差:1.7%、リスク比:3.15、95%CI:1.87 ~5.30、NNH:60、p<0.0001、I2:0%)は、共にBVS群で有意に高かった。全死亡率や心血管関連死亡率は、有意差は2群間で認められなかった。BVS群におけるステント血栓症の増加は、初期(~30日)、中期(30日~1年)、後期(1年~)と、全期間を通して認められた。BVSが植込まれる患者は抗血小板剤2剤併用の期間の延長が望ましい 時間が経つにつれ、金属製EES群と比較して、BVS群は有効性がより低く、血栓症リスクがより高くなっていた。 フォローアップ期間中、BVS群においてスキャフォールド血栓症は持続的に高い頻度で起こっていた。このことは最近出されたFDAの安全性に関するアラートの推奨とも一致しており、筆者らは、BVSが植込まれる患者に対しては抗血小板剤2剤併用の期間延長が望ましいと考えられると述べている。■関連記事循環器内科 米国臨床留学記

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肺がんEGFRリキッドバイオプシー保険収載

 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、2016年12月26日に一部変更承認(適応追加)を取得したコバスEGFR 変異検出キットv2.0のEGFR T790M血漿検査が、6月28日の中医協総会で審議され、7月1日付保険適用が承認されたと発表。 コバスEGFR変異検出キットv2.0は、ゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を定性的に検出するキット。非小細胞肺がん治療において、EGFR-TKI投与前の初回検査に使用するとともに、EGFR-TKI耐性患者のEGFR T790M変異の検出の際、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)のコンパニオン診断薬として使用する。当キットは、組織検体ですでに保険適用されているが、今回、EGFR遺伝子検査(血漿)として、新たに血漿検査が保険適用された。保険収載の内容・区分:E3(改良項目)・測定項目:EGFR 遺伝子検査(血漿)・測定方法:アレル特異的リアルタイムPCR法・主な測定目的:組織又は血漿から抽出したゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異(T790M)の検出(オシメルチニブメシル酸塩の非小細胞肺患者への適応を判定するための補助に用いる)・保険点数:2,100点留意事項:1.本検査は、肺の再発や増悪により、EGFR遺伝子変異の2次的遺伝子変異が疑われ、再度治療法を選択する必要があり、血漿を用いてリアルタイムPCR 法で測定した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。ただし、本検査の実施は、医学的な理由により、肺の組織を検体として、区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査の「イ」EGFR 遺伝子検査(リアルタイムPCR法)又は「ロ」EGFR遺伝子検査(リアルタイムPCR法以外)を行うことが困難な場合に限る。本検査の実施にあたっては、関連学会が定める実施指針を遵守すること。2.本検査を実施した場合には、肺の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。3.本検査、区分番号「D004-2」悪性腫瘍組織検査の「1」悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査又は区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。承認・保険適用を受けている検体種と検査・組織:EGFR-TKI投与前の初回検査、EGFR T790M変異検査(オシメルチニブメシル酸塩)・血漿:EGFR T790M変異検査(オシメルチニブメシル酸塩)■参考ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社プレスリリース中央社会保険医療協議会 総会(第354回)

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脈絡膜新生血管は積極的な早期治療がカギ

 米国眼科学会(AAO)によるIRIS(Intelligent Research in Sight)レジストリを用いた後ろ向きコホート研究の結果、未治療の近視性脈絡膜新生血管(mCNV)に対する初回治療としては、抗VEGF硝子体内注射が最も多く行われており、治療により視力の改善が得られているが、一方で4人に1人は経過観察のみで治療が行われず、視力が低下していたことが明らかとなった。著者の米国・UC Davis Medical Center のJeffrey Willis氏らは、「mCNVを有する患者への抗VEGF療法の実施を取り巻く社会的障壁や医療制度上の制約を明らかにするために、さらなる研究を行う必要がある」とまとめている。Ophthalmology誌2017年7月号(オンライン版2017年3月31日号)掲載の報告。 研究グループは、米国における未治療mCNVに対する治療パターンと予後を明らかにする目的で、IRISレジストリに登録されている18歳以上の患者を対象に、2012年1月1日~2014年12月31日のデータを解析した。 未治療のmCNVは、網膜下/脈絡膜の新生血管を伴う-6.00Dを超える近視(国際疾病分類第9版臨床修正版[ICD-9-CM]の診断コード362.16:特定不能の網膜新生血管)と定義し、mCNVに対する初回治療は、診断日から365日以内に行われた最初の治療(次の4つのうちの1つ)とした。(1)観察(すなわち、治療なし)、(2)抗VEGF硝子体内注射、(3)ベルテポルフィン光線力学的療法(vPDT)、(4)レーザー光凝固。 診断日(ベースライン)から1年後におけるlogMAR視力のベースラインとの差、ならびに抗VEGF硝子体内注射が行われた場合は1年間の注射頻度(1眼当たり)も評価した。 主な結果は以下のとおり。・片眼または両眼に未治療のmCNVを認める患者185例が解析対象となった。・診断日から1年以内に治療が記録されていた患者は73.0%(135/185例)で、残りは「観察」であった。・治療のほとんど(99.3%:134/135例)は抗VEGF硝子体内注射で、0.7%(1/135例)がvPDTであった。・抗VEGF硝子体内注射を受けた患者は、1年後に視力が有意に改善していた(平均logMAR視力0.17単位改善、95%信頼区間[CI]:0.12~0.20、p<0.01)。・観察群の患者は、1年後に視力が有意に低下していた(平均logMAR視力0.03単位低下、95%CI:0.008~0.05、p<0.01)。・診断日から最初の1年間におけるmCNVに対する抗VEGF硝子体内注射の回数は、平均2.8回(標準偏差2.5)であった(中央値:2.0、四分位範囲:1.0~4.0)。

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妊婦へのリチウム使用、幼児への影響は

 妊娠初期のリチウム曝露は、幼児のEbstein奇形や全体的な先天性心疾患のリスク増加と関連している可能性があるが、そのデータは相反し、限定的である。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らは、メディケイドのデータより、2000~10年に出産した女性における132万5,563件の妊娠に関するコホート研究を行った。NEJM誌2017年6月8日号の報告。 妊娠第1三半期においてリチウムに曝露された幼児の心臓奇形リスクを、曝露されていない幼児と比較した。2次分析では、他の一般的に使用される気分安定薬であるラモトリギン曝露との比較を行った。リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)は、精神医学的状態、薬物療法、他の潜在的な交絡因子に関してコントロールし、推定した。 主な結果は以下のとおり。・心臓奇形が認められた幼児は、リチウムに曝露された663例中16例(2.41%)、曝露されていない132万2,955例中1万5,251例(1.15%)、ラモトリギンに曝露された1,945例中27例(1.39%)であった。・リチウムに曝露された幼児における曝露されていない幼児と比較した心臓奇形に関する調整RRは、1.65(95%CI:1.02~2.68)であった。・リチウムの用量別にみると、600mg/日以下のRRは1.11(95%CI:0.46~2.64)、601~900mg/日のRRは1.60(95%CI:0.67~3.80)、900mg/日超のRRは3.22(95%CI:1.47~7.02)であった。・右室流出路障害の有病率は、リチウムに曝露された幼児では0.60%であったのに対し、曝露されていない幼児では0.18%であった(調整RR:2.66、95%CI:1.00~7.06)。・ラモトリギンに曝露された幼児を対照として用いた場合、その結果は類似していた。 著者らは「妊娠初期における母親のリチウム使用は、幼児のEbstein奇形を含む心臓奇形リスクの増加と関連していた。この効果値は、以前に考えられていたよりも小さかった」としている。■関連記事妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は双極性障害、リチウムは最良の選択か

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高血圧家族歴を心血管病予防にどう生かすか?(解説:有馬 久富 氏)-695

 高血圧は遺伝することがよく知られている。しかし、過去に行われた研究では、問診による家族歴(両親の高血圧の有無)を用いて高血圧の遺伝性が検討されてきた。問診による家族歴は、記憶に基づいているために不正確であることが少なくない。とくに、健診や降圧療法が今ほど普及していなかった時代には、高血圧の診断自体が不正確であったと推測される。したがって、高血圧の遺伝性に関する信頼性の高いエビデンスは非常に限られていた。 今回、米国Framingham研究が、親世代および子供世代を対象に継続してきた健診成績を用いて高血圧の有無および発症年齢を正確に推定し、高血圧の遺伝性を検討した。1948年から70年近く継続してきたFramingham研究ならではの検討といえよう。その結果、母親あるいは父親が55歳未満で高血圧を発症している子供は、高血圧を発症するリスクが2倍(片親のみの場合)あるいは3.5倍(両親の場合)と有意に上昇していた。また、親世代を対象としたケース・コントロール解析では、高血圧を若年で発症するほど心血管病死亡のリスクが高かった。 今回のFramingham研究における検討から、比較的若年で発症する高血圧は遺伝性が強く、心血管病死亡のリスクが高いことが確認された。母親あるいは父親が55歳未満で高血圧を発症した場合、その子供は高リスク者と考えられるので、若いうちから生活習慣の改善を働きかけるとともに、高血圧の早期発見・早期治療を心掛け、心血管病を予防していくことが重要であろう。

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