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重症喘息治療に新たな展望 ファセンラ承認

 2018年2月26日、アストラゼネカ株式会社主催の重症喘息プレスセミナー「患者・医師調査結果および米国の事例から考える重症化した喘息患者さんの治療の現状と展望」が開催された。 コントロール不良の重症喘息は患者QOLを大きく低下させる。アストラゼネカが実施した患者・医師への意識調査結果では、「自分の喘息の状態は中等症あるいは軽症で、コントロールが良い」と考える重症喘息患者が約6割に上る一方、約8割の患者が現在よりも喘息の症状をコントロールできる治療を望んでいることが明らかになった。 このように重症喘息治療に対する、より良いコントロールの実現を達成できる治療薬が求められるなか、先月、気管支喘息のうち既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治例に対して、新規生物学的製剤ベンラリズマブ(商品名:ファセンラ)が国内で承認された。 ファセンラは、抗IL-5受容体αモノクローナル抗体であり、従来の治療薬にある抗IL-5抗体とは異なる作用機序によりNK細胞を誘導し、喘息の重症化に関わる好酸球を直接的に除去する。それにより、速やか、かつほぼ完全に血中好酸球を除去することができるほか、気道中の好酸球に対しても高い減少効果が示されている。好酸球が除去されると、年間の喘息増悪が約8割減少するほか、経口ステロイド薬の1日服用量が約7割減少するなどの改善が期待できるという。 米国においては昨年11月にファセンラが承認され、既に使用されている。演者の1人である米国アレルギー・喘息・免疫学会 会長/キャピタルアレルギー・呼吸器疾患センター 部長のブラッドリーE.チップス氏は、自身の処方経験を基に、既存の治療法ではコントロール不良な症例に対するファセンラの奏効例を紹介した。 今回の承認により、国内においてもファセンラがコントロール不良な喘息に対する治療選択肢の1つとなる。なお、アストラゼネカは、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、薬価収載までの期間、本剤の倫理的無償提供を実施する。

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日本の乳がん長期生存率の改善度~年齢・病期別

 近年、乳がんの5年生存率は日本および他の国々で改善しているが、10年生存率の改善や年齢・病期別の改善度は不明である。今回、愛知県がんセンター中央病院の吉村 章代氏らが地域がん登録データを用いて検討し、10年相対生存率が1993~2006年で2.4%改善したことを報告した。また、年齢・病期別の分析では、15~34歳および遠隔転移での改善度が非常に小さく、これらの患者における新しい治療戦略の必要性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年2月24日号に掲載。 著者らは、6府県(山形、宮城、福井、新潟、大阪、長崎)における地域がん登録から、1993~2006年に乳がんと診断された患者のデータを用いて長期生存率を算出した。10年相対生存率の上昇は、2002~06年の期間分析の結果を1993~97年のコホート分析の結果と比較することにより評価した。また、年齢層(15~34、35~49、50~69、70~99歳)および病期(「限局」「領域」「遠隔」)により層別分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・計6万3,348例の患者を分析した。・1993年から2006年までに、10年相対生存率が2.4%(76.9% vs.79.3%)改善した。・年齢・病期別にみると、10年相対生存率は、35~49歳(+2.9%、78.1% vs.81.0%)、50~69歳(+2.8%、75.2% vs.78.0%)、「領域」(+3.4%、64.9% vs.68.3%)で明らかに改善した。・一方、15~34歳(+0.1%、68.2% vs.68.3%)、70~99歳(+1.0%、87.6% vs.88.6%)、「限局」(+1.1%、92.6% vs.93.7%)、「遠隔」(+0.9%、13.8% vs.14.7%)では改善度が小さかった。

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自閉スペクトラム症小児のうつ病や発達障害併発と兄弟姉妹の関連

 兄や姉を持つ自閉スペクトラム症(ASD)の小児において、標準的なメンタルヘルスの社会的要因(家庭の収入、親の教育、小児期の逆境的体験など)を管理した後のうつ病、不安、行動の問題または注意欠如症(ADD)や注意欠如多動症(ADHD)の有病率について、米国・セント・ジョン・フィッシャー大学のGuillermo Montes氏が調査を行った。Maternal and child health journal誌オンライン版2018年2月10日号の報告。 2011~12年の米国子ども健康調査(National Survey of Children's Health)のデータを用いて、ASD小児1,624例を、一人っ子、長子、兄姉ありの3群に分類した。クロス集計の補正デザイン、単変量・多変量ロジスティック回帰を推定した。 主な結果は以下のとおり。・3群のASD小児は、年齢を除く人口統計学的特徴、小児期の逆境的体験、親によるASD重症度の報告について同程度であった。・兄姉のいるASD小児では、うつ病、不安、行動の問題を有する割合が有意に低かった。また、ADDまたはADHD診断率も低かった。・調整されたオッズ比は、0.12~0.53の範囲であり、強い関連性が示唆された。 著者らは「兄や姉のいるASD小児は、他のASD小児と比較し、メンタルヘルスの障害を併発する可能性が低かった。逆に、長子や一人っ子のASD小児は、これらのリスクが高かった。ASD小児においてこのことがどのように寄与するか理解するため、さらなる研究が必要である。また、一人っ子や長子のASD小児に対する介入に、それが適応できるかを検討することが求められる」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較ADHD発症しやすい家庭の傾向母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

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リアルタイムCGMはハイリスク1型DM患者に有益/Lancet

 インスリン頻回注射(MDI)治療を受けており、低血糖症による意識障害または重症低血糖症を呈したことがある1型糖尿病患者において、リアルタイム持続血糖モニタリング(rtCGM)システムは低血糖症のイベント件数を減らすことが、多施設共同無作為化試験で示された。ドイツ・Science-Consulting in Diabetes GmbHのLutz Heinemann氏らが報告した。これまで、MDI治療を受けるハイリスクの1型糖尿病患者において、低血糖症の回避にrtCGMが有効であるのかは不明であった。Lancet誌オンライン版2018年2月15日号掲載の報告。無作為化試験で自己血糖モニタリングの場合と比較 rtCGMシステムの使用が、低血糖症の発生や重症度を抑制するかどうかを確認するため、ドイツ国内の糖尿病診療施設12ヵ所で、6ヵ月間の非盲検並行群比較による無作為化対照試験を行った。1型糖尿病で、前年に低血糖症による意識障害または重症低血糖症歴がある患者を適格とした。 全患者は、盲検下でrtCGMシステムを28日間装着・使用し(ベースライン)、その後、ブロック無作為化法を用い、試験地を層別化変数として1対1の割合で、非盲検rtCGM(Dexcom G5モバイルシステム)群または対照(連続自己血糖モニタリング:連続SMBG)群に無作為に割り付けられ、26週間の介入を受けた。対照群はフォローアップ期間中(22~26週)、盲検下でrtCGMシステムを使用した。 主要アウトカムは、フォローアップ期間中に発生した、ベースライン補正後の低血糖症イベント(グルコース値3.0mmol/L以下が20分以上と定義)の回数とした。 全データセットには、ベースラインとフォローアップの期間中にrtCGMシステムを使用した被験者が包含された。低血糖症の発生率比、rtCGM群は72%減少 2016年3月4日~2017年1月12日に、149例が無作為化を受け(対照群74例、rtCGM群75例)、141例がフォローアップ期間を完遂した(対照群66例、rtCGM群75例)。 低血糖症イベント回数(/28日間)は、rtCGM群では10.8回(SD 10.0)から3.5回(4.7)と、減少が認められた。一方、対照群では減少と呼べる回数減は認められなかった(14.4回[12.4]から13.7回[11.6])。 低血糖症イベントは、rtCGM群では有意に72%減少したことが認められた(発生率比:0.28[95%信頼区間[CI]:0.20~0.39]、p<0.0001)。 重篤有害事象は18件報告された。うち7件は対照群での報告(重症低血糖症2件、腎移植1件、心筋梗塞1件、大腸ポリープ2件、痙攣1件)で、10件はrtCGM群(重症低血糖症4件、糖尿病性足潰瘍2件、スズメバチ刺傷後のアレルギー反応1件、骨折2件、腎腫瘍切除1件)、1件は無作為化前の報告であった。試験デバイスに関連した報告例はなかった。

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人工関節全置換術後のVTE予防、アスピリンへの切り替えは有効か/NEJM

 股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後にリバーロキサバンの短期投与を受けた患者では、その後アスピリンに切り替えても、リバーロキサバンを継続した場合と比較して、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果に差はないことが、カナダ・ダルハウジー大学のDavid R. Anderson氏らが行ったEPCAT II試験で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。アスピリンは、安価で、副作用プロファイルが十分に確立されており、THA/TKA後のVTE(近位深部静脈血栓症、肺塞栓症)の予防効果を有する可能性が臨床試験やメタ解析で示されているが、退院後の延長投与の予防効果を直接経口抗凝固薬と比較した試験は、これまで行われていなかった。アスピリンへの切り替えの有用性を無作為化試験で評価 EPCAT II試験は、THA/TKA施行後のVTEの予防として、リバーロキサバンの短期投与を受けた患者において、アスピリンの延長投与の有効性と安全性を評価する二重盲検無作為化対照比較試験である(カナダ保健研究機構の助成による)。 待機的に、片側の初回または再置換(revision)THA/TKAを受ける患者が、術後5日までリバーロキサバン(10mg、1日1回)の投与を受けた後、アスピリン(81mg/日)へ切り替える群またはリバーロキサバンを継続する群にランダムに割り付けられた。TKA例は9日間、THA例は30日間の投与が行われ、追跡期間は90日であった。 有効性の主要アウトカムは症候性VTEであり、安全性の主要アウトカムは出血性合併症(大出血、大出血ではないが臨床的に問題となる出血)であった。VTE発生率:0.64% vs.0.70%、非劣性を確認 2013年1月~2016年4月の期間に、カナダにある15の大学関連医療センターに3,424例(THA:1,804例、TKA:1,620例)が登録され、アスピリン切り替え群に1,707例(THA:902例、TKA:805例)、リバーロキサバン継続群には1,717例(THA:902例、TKA:815例)が割り付けられた。 全体の平均年齢は62.8歳、47.8%が男性であった。初回手術例が90%以上を占め、術後の平均入院期間は3.5日だった。 VTEの発生率は、切り替え群が0.64%(11/1,707例)と、継続群の0.70%(12/1,717例)に比べ優越性は認めなかったが、非劣性が確認された(群間差:0.06ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.55~0.66、優越性:p=0.84、非劣性:p<0.001)。 大出血の発生率は、切り替え群が0.47%(8例)、継続群は0.29%(5例)であり(群間差:0.18ポイント、95%CI:-0.65~0.29、p=0.42)、大出血ではないが臨床的に問題となる出血の発生率は、それぞれ1.29%(22例)、0.99%(17例)であった(群間差:0.30ポイント、95%CI:-1.07~0.47、p=0.43)。 著者は、「症候性VTEの発生率は両群とも低く、ほぼ同じであった」とまとめ、「いくつかの限界はあるが、これらの知見は臨床的に重要である。本試験は規模が大きく、アスピリンのリバーロキサバンに対する非劣性を示すに十分な検出力を持っている」としている。

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脳灌流画像による選択により、発症後6~16時間の脳梗塞にも血栓除去術が有用(中川原譲二氏)-818

血栓除去術群 vs.薬物療法群で、90日後の主要アウトカムを比較 血栓除去術は、現在、発症から6時間以内に治療される適格な脳梗塞患者に推奨されている。米国・スタンフォード大学脳卒中センターのGregory W. Albers氏らが行った「DEFUSE3試験」は、発症までは元気で、梗塞に陥っていない虚血脳組織が残存する患者を対象として、発症後6~16時間の血栓除去術の有効性について検討した多施設共同無作為化非盲検試験(アウトカムは盲検評価)である。対象患者は、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞を有し、CTやMRI灌流画像で、初期の梗塞容積70mL未満、虚血/梗塞容積比1.8以上を適格とし、血管内治療(血栓除去術)+標準的薬物療法併用(血管内治療群)、または標準的薬物療法単独(薬物療法群)に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、90日後の修正Rankinスケール(mRS)の通常スコア(範囲:0~6、高スコアほど障害の程度が大きい)とされた。血栓除去術群で主要アウトカムの改善が有意に良好 この試験は、2016年5月~2017年5月に米国内38施設で行われた。182例が血管内治療群:92例、薬物療法群:90例に無作為に割り付けられ、中間解析で有効性が確認され早期終了となった。血管内治療群では、薬物療法群と比べて、90日後のmRSでみた機能的アウトカムの分布の良好なシフトがみられた(オッズ比[OR]:2.77、p<0.001)。また、mRSスコアで0~2と定義した「機能的に自立」の患者の割合も高かった(45% vs.17%、リスク比:2.67、p<0.001)。90日死亡率は、血管内治療群14%に対し、薬物療法群26%であった(p=0.05)。症候性頭蓋内出血(7% vs.4%、p=0.75)や、重篤な有害事象(43% vs.53%、p=0.18)については、両群間で有意差はみられなかった。 本研究では、中大脳動脈近位部または内頸動脈の閉塞、および虚血は認めるが梗塞に至っていない組織領域を有する患者では、発症後6~16時間でも、標準的薬物療法単独よりも血管内治療(血栓除去術)を併用したほうが、良好な機能的アウトカムに結びつくことが示された。一方、昨年報告されたDAWN試験では、症状出現から6~24時間が経過した急性脳梗塞で、臨床的障害と梗塞体積の重症度が一致しない患者では、標準的治療+血栓除去術の90日後のアウトカムが良好であることが示された。これら2試験は、血栓除去術のtime windowが6時間から16時間、24時間へと拡大する余地のあることを示すもので、血栓除去術の適格基準がtime-baseから脳灌流画像を用いたtissue-baseに変更する必要性についての議論が今後高まると思われる。しかし、脳梗塞の成立は、発症からの時間と残存脳血流に依存していることは自明であり、血栓除去術については、6時間以内はtime-baseの治療戦略、6時間以降はtissue-baseの治療戦略が奏功すると考えるのが妥当と思われる。

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宇宙語で2年間会話し続けた夫婦【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第110回

宇宙語で2年間会話し続けた夫婦 いらすとやより使用 宇宙に関する医学論文を電子データベースで調べていたら、な…な…なんと、宇宙語に関する論文を見つけました! かれこれ20年以上前の日本語の論文ですが、テーマが結構ドラマチック! 堀端 廣直ほか.Folie a deuxを呈し“宇宙語”で交話する1夫婦例精神医学. 1995;37:297-302.この論文は、夫婦で5年間続いた二人組精神病を報告したもののようです。夫婦は、2人で鍼灸治療所を開いていたそうですが、次第に妻が宇宙からの通信を受け始め、被害妄想も生じてしまったそうです。通信の内容は「宇宙から素晴らしい人がやってくる」などの理解不能のものだったようです。それだけならまだしも、なんとその後、夫も宇宙からの通信を受け始め、同様の妄想を持ったではありませんか!2人ともこういう状況になってしまいましたから、夫婦は鍼灸業を止めて近隣から孤立していくことになります。そして、約2年後に夫は“宇宙語”と称する言葉をしゃべり始め、その半年後には妻も“宇宙語”を話し始めました。そして、2年間夫婦の会話は宇宙語で続けられたのです。うわあ…、宇宙語ってどんなんだろう。「私ハ、宇宙人ダ、ハラガヘッタ」『私ハ、宇宙人ダ、ハイドウゾ』みたいな感じかな。…あ、でもこれって日本語じゃん(笑)。本文を読んでみると、宇宙語は中国語やスペイン語に似た言葉のように聞こえたとのことです。彼らには、子供が3人いましたが、全員、宇宙語は理解できなかったそうです。果たして、宇宙語だけで2年間も意思が通じるのだろうか。そう思っていたら、どうやら夫の父親が近所の人々からの苦情に対応していたおかげで、生活ができていたそうです。しかし、通行人への暴力がきっかけで妻は措置入院になってしまいます。妻と夫を分離したことで、妄想症状は次第に軽快していきました。本当に宇宙語が成立していたのかは2人にしかわかりませんが、ドラマチックな症例報告を読ませていただきました。※読者の方から一部齟齬を指摘いただきました。修正するとともにお詫び申し上げます。

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日本人医師の飲酒量に関連する因子

 日本医師会会員の男女7,500人に飲酒習慣に関するアンケートを実施したところ、喫煙、運動、睡眠障害が、飲酒もしくは大量飲酒習慣と相関していることが示された。日本大学医学部公衆衛生学の大井田 隆教授らの研究グループが報告した。Asia-Pacific Journal of Public Health誌オンライン版2018年2月1日号に掲載。 本研究では、日本医師会会員の中から、男性医師6,000人および女性医師1,500人に自記式アンケートを送付し、年齢、診療科、喫煙状況、運動状況、職場環境、睡眠障害、メンタルヘルスと飲酒習慣との相関を調べた。 主な結果は以下のとおり。・回答率は79.4%であった。・大量飲酒の習慣がある医師は、60代男性および20~50代女性で最も多かった。・飲酒もしくは大量飲酒の傾向は、年齢が上がると減少した。・喫煙は大量飲酒と相関していた。・運動は男性の飲酒、女性の飲酒/大量飲酒と相関していた。・メンタルヘルスは飲酒習慣と相関していなかった。・睡眠障害は大量飲酒習慣と相関していた。 著者らは、これらの結果は医師の飲酒率を低下させるための対策を講ずる必要があることを示唆する、としている。

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夢遊病に関するシステマティックレビュー

 夢遊病を誘発する薬剤は、患者自身だけでなく他人に対しても傷害のリスクをもたらし、服薬アドヒアランスに対しても影響を及ぼす。オーストラリア・南オーストラリア大学のHelen M. Stallman氏らは、夢遊病リスクを高める可能性のある薬剤を特定するため、文献のシステマティックレビューを行った。Sleep medicine reviews誌2018年2月号の報告。 夢遊病(「sleepwalking」「somnambulism」)をキーワードとして、CINAHL、EMBASE、PsycINFO、PubMed、ScienceDirectより検索を行った。83件が抽出され、そのうち基準を満たした62件をレビュー対象とした。 主な結果は以下のとおり。・主に以下の4クラス(29薬剤)が、夢遊病のトリガーであると同定された。 (1)ベンゾジアゼピン受容体アゴニストおよび他のGABAモジュレーター (2)抗うつ薬および他のセロトニン作動薬 (3)抗精神病薬 (4)β遮断薬・薬剤誘発性夢遊病の最も強力なエビデンスは、ゾルピデムとsodium oxybateであった。・その他すべての関連は、症例報告に基づいていた。 著者らは「本研究は、臨床試験のリスクプロファイルにおける夢遊病の重要性を示唆しており、とくにGABAA受容体でのGABA活性およびセロトニン作動活性の増強、β遮断薬によるノルアドレナリン活性の遮断を伴う薬剤で注意が必要である。薬剤による夢遊病リスクの懸念がある場合には、患者に対し安全な睡眠環境についての教育を行い、夢遊病の発症または悪化を報告することが推奨され、発症した際の代替治療の検討を行うべきである」としている。■関連記事夢遊病にビペリデンは有望!?がん患者の悪夢に有効な治療法はベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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がん患者の生命予後改善で、どうなる脳転移全脳照射

 都内で2月に行われたエレクタ株式会社主催のプレスセミナーにて、東京大学医学部附属病院 放射線治療部門の中川 恵一氏が「脳転移をめぐるパラダイムシフト」と題して講演を行った。日本人の脳転移にはEGFR変異陽性が大きく寄与 日本人がん患者の10人に1人が転移性脳腫瘍を発症する。転移性脳腫瘍で最も多い原発巣は肺がんで、46%を占める。その中でもEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)が30%を占めており、日本人の転移性脳腫瘍の約14%はEGFR変異が原因となっている。 EGFR変異陽性NSCLCでは、脳転移の発現リスクが高い。この患者集団の脳転移の特徴は、腫瘍周囲の浮腫が少なく、小さな転移が多数あることだ。従来、このような多発脳転移は、全脳照射(WBRT)が適応である。しかし、近年、WBRTに問題が指摘され出しているという。浮かび始めたWBRTの問題点 転移性脳腫瘍で、定位放射線治療(SRS)とSRS+WBRTを比較した無作為化試験をみると、頭蓋内増悪率ではSRS+WBRTが優れているものの、全生存期間(OS)はSRS単独でも変わらない。さらに、主要評価項目である3ヵ月後の認知機能増悪は、SRS単独の63.5%に対し、SRS+WBRTでは91.7%であり、SRS+WBRTで有意に増悪していた(p=0.0007)。つまり、WBRTは延命効果を示さず、認知機能を低下させてしまうこととなる。EGFR-TKIが実現した長期生存が、放射線療法の選択基準を変える 薬物療法に目を向けてみると、EGFR変異陽性NSCLCにはEGFR-TKIが非常に良く奏効する。本邦でも4つのEGFR-TKIが使用できる。種類を変えながら、これらの薬を使い続けていくことで、今まででは考えられなかった長期成績が実現している。本邦の脳転移を有するNSCLCについての試験では、第1世代EGFR-TKIであるゲフィチニブとエルロチニブを連続して使用することで21.9ヵ月、脳転移があっても約2年のOSが得られた。さらに、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブを脳転移NSCLCの初回治療に単剤で使った試験においては、15.2ヵ月のPFSを達成した。このような薬が、これからも次々と開発されていくことで、脳転移があっても5年、10年生存する患者がますます増えていくと予想される。 一方、WBRTによる認知機能低下は、治療後数年経って現れる。脳転移患者の長期生存が実現できない時代には顕在化されなかった認知機能低下という弊害が、長期生存が可能となる今後は、より大きな問題となることは間違いない。まして、若年者、女性に多いEGFR変異肺がんではなおさらである。 日本肺学会ガイドラインでも、「手術やSRSにWBRTの併用を行わないことを勧める」としているなど、WBRTの役割が少なくなりつつあると中川氏は述べる。SRSとEGFR-TKIの応用 SRSであるガンマナイフは従来、単発の脳転移を適応としていたが、複数の転移があっても一つひとつつぶしていくという有効活用法が考えられている。では、SRSとEGFR-TKIの共存についてはどうか。NSCLCの脳転移例でEGFR-TKIと放射線照射の順序を検討した後ろ向き試験で、SRS先行群(SRS→EGFR-TKI)、WBRT先行群(WBRT→EGFR-TKI)、EGFR-TKI先行群(EGFR-TKI→SRSまたはWBRT)を比較している。結果は、SRS先行群が、WBRT先行群、EGFR-TKI先行群に比べ、有意にOSを延長した。本邦の臨床現場では、EGFR-TKIから始めるという施設が圧倒的に多いと思われるが、SRSを先行し、EGFR-TKIを続けることで、今以上の良好な生存ベネフィットが得られることになる。 「脳転移イコール死」は過去の図式となりつつある。脳は人間にとって一番守りたい臓器である。そのためにWBRT一辺倒ではなく、SRSと薬剤の有効活用で、正常の脳組織を守りながら治療していくという動きになっていくであろうと中川氏は述べた。

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超加工食品の摂取量、全がんリスク上昇と関連/BMJ

 食事における超加工食品(ultra-processed food)の割合が10%上昇すると、全がんリスクおよび乳がんリスクが10%以上有意に上昇することを、フランス・パリ第13大学のThibault Fiolet氏らが、前向き大規模コホート研究の結果で報告した。超加工食品は、低栄養価、添加物、食品と接触するパッケージの材質、製造・加工・貯蔵で生成される化合物によって特徴付けられる。がんリスクとの関連についての疫学データは不足しているが、これまでの研究では、一般に超加工食品と認識される特徴要素の中に発がん作用がある可能性が示唆されていた。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。超加工食品とがんリスクとの関連性を18歳以上の約10万人を対象に評価 研究グループは、フランスのNutriNet-Santeコホート(2009~17年)に参加した、18歳以上の10万4,980例(年齢中央値42.8歳)を対象に、前向きコホート研究を実施した。 さまざまな食品3,300種類について、24時間の食事記録(通常摂取量の記録)を繰り返し使用することで食事摂取量を収集し、NOVA分類による食品加工の程度に従って4つのカテゴリーに分類した。 超加工食品と全がんリスク、乳がんリスク、前立腺がんリスク、大腸がんリスクとの関連を、既知のリスク因子で補正した多変量Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。超加工食品の割合が10%増で、全がんリスクが12%、乳がんリスクは11%上昇 超加工食品の摂取量は、全がんリスクの上昇と関連していた(2,228例、超加工食品の割合の10%増加に対するハザード比[HR]:1.12[95%信頼区間[CI]:1.06~1.18]、傾向のp<0.001)。また、乳がんリスクの上昇との関連も認められた(739例、HR:1.11[95%CI:1.02~1.22]、傾向のp=0.02)。食事の栄養価(脂質、ナトリウム、炭水化物の摂取量、または西洋型の食事)を調整後も、同様に統計的有意差が認められた。前立腺がん、大腸がんとの関連性は確認されなかった。 著者は研究の限界として、志願者に基づいたコホートであること、超加工食品への誤分類や残余交絡の可能性、追跡調査期間が比較的制限されたことなどを挙げたうえで、今後の課題として、「さまざまな加工の程度(栄養成分、食品添加物、接触物質、熱処理された加工食品中にある発がん性物質)による相対的影響を明らかにするため、さらなる研究が必要である」と述べている。

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抗うつ薬21種の有効性と忍容性を検討~522試験のメタ解析/Lancet

 うつ病(大うつ病性障害)成人患者において、検討した21種の抗うつ薬は、すべてプラセボより有効であることが確認された。ただし、プラセボに対するオッズ比は有効性が2.13~1.37、忍容性(中止率)が0.84~1.30と幅があった。英国・オックスフォード大学のAndrea Cipriani氏らが、これまでに実施された抗うつ薬21種に関する比較臨床試験計522件のシステマティックレビューとメタ解析で明らかにした。うつ病は、世界的に最も頻度が高く、疾病負荷が大きな、医療費がかかる精神障害の1つで、一般的に心理学的介入よりも抗うつ薬による治療が行われている。新規抗うつ薬の増加に伴い、個々の患者に最善の治療薬を選択するためのエビデンスが必要とされていた。著者は、「今回の結果は、エビデンスに基づいた治療を行ううえで患者と医師にとって重要なものであり、ガイドラインや医療政策の策定においてもさまざまな抗うつ薬の相対的なメリットを参照すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版、2018年2月21日号掲載の報告。抗うつ薬の無作為化二重盲検比較試験のデータを統合 研究グループは、Cochrane Central Register of Controlled Trials、CINAHL、EMBASE、LILACS database、MEDLINE、MEDLINE In-Process、PsycINFO、規制当局のウェブサイトにて、2016年1月8日までに報告された抗うつ薬の無作為化二重盲検比較試験(非公表も含む)について検索し、うつ病成人患者(18歳以上の男女)の急性期治療として使用された第1および第2世代の抗うつ薬21種に関するプラセボまたは実薬対照比較試験を解析に組み込んだ。準ランダム化試験や、双極性障害、精神病性うつ病または治療抵抗性うつ病患者を20%以上組み込んだ試験などは除外した。 Cochrane Handbook for Systematic Reviews of Interventionsに従い試験のバイアスリスクを評価するとともに、GRADE frameworkを用いてエビデンスの質を評価した。主要評価項目は、有効性(奏効率)と忍容性(治療中止率:あらゆる理由で治療を中止した患者の割合)とし、ランダム効果モデルによるペアワイズおよびネットワーク・メタ解析を用い、要約オッズ比(ORs)を算出した。21種の抗うつ薬すべてがプラセボと比較すると有効 検索した論文2万8,552報から、適格試験522件(計11万6,477例)が解析に組み込まれた。有効性については、ネットワーク・メタ解析の結果、プラセボと比較すると21種の抗うつ薬すべてが有効であった。ORsはアミトリプチリンの2.13(95%確信区間[CrI]:1.89~2.41)が最も高く、reboxetineの1.37(95%CrI:1.16~1.63)が最も低かった。忍容性については、agomelatine(0.84、95%CrI:0.72~0.97)とfluoxetine(0.88、0.80~0.96)のみがプラセボより有意に中止が少なく、クロミプラミン(1.30、95%CrI:1.01~1.68)はプラセボより有意に中止が多かった。 実薬の直接比較では、agomelatine、アミトリプチリン、エスシタロプラム、ミルタザピン、パロキセチン、ベンラファキシン、vortioxetineは他の抗うつ薬よりも有効であったが(ORs範囲:1.19~1.96)、fluoxetine、フルボキサミン、reboxetine、トラゾドンは効果が低かった(ORs範囲:0.51~0.84)。 忍容性については、agomelatine、シタロプラム、エスシタロプラム、fluoxetine、セルトラリン、vortioxetineは他の抗うつ薬よりも良好であったが(ORs範囲:0.43~0.77)、アミトリプチリン、クロミプラミン、デュロキセチン、フルボキサミン、reboxetine、トラゾドン、ベンラファキシンは中止率が高かった(ORs範囲 1.30~2.32)。 522試験中、46試験(9%)はバイアスリスクが高く、エビデンスの質は「非常に低い」~「中」にわたるもので、380試験(73%)が「中」、96試験(18%)が「低」であった。

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Real World Evidenceからみたカナグリフロジンの有用性(解説:吉岡成人 氏)-819

カナグリフロジンの新たなエビデンス ADA(American Diabetes Association)のガイドラインでは心血管リスクを持つ2型糖尿病患者に、SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンやカナグリフロジンの積極的な使用を推奨している。その根拠となる臨床試験は、EMPA-REG OUTCOME試験およびCANVASプログラムである。これらの臨床試験における主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率であり、対象となった患者も心血管疾患のハイリスクグループであった。今回紹介するのは、米国における民間の医療データベースを基に、2型糖尿病患者における投与薬剤と心血管イベントについて検討したReal World Evidenceとしてのデータである。医療データベースを基に検証 今回の研究は、米国の民間の医療データベースOptum Clinformatics Datamartを基に、18歳以上の2型糖尿病の患者で、2013年4月から2015年9月までにSGLT2阻害薬であるカナグリフロジンまたはDPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、SU薬の使用を開始したものを対象として、心血管イベントの発症を比較したものである。処方データを抽出し、患者の背景をマッチさせ、イベントの発症を検討する後ろ向きコホート試験である。 主要評価項目は心不全による入院と複合心血管イベント(急性心筋梗塞、虚血性脳卒中、出血性脳卒中による入院)となっている。カナグリフロジンは心不全の入院を減らすが、心筋梗塞や脳卒中は抑制しない Real world dataを基にした30ヵ月間の観察において、カナグリフロジンが他の薬剤に比較して心不全による入院のリスクを有意に低下させることが確認された。カナグリフロジンンとDPP-4阻害薬を比較した場合、イベントの発生頻度はそれぞれ8.9/1,000人年、12.8/1,000人年であり、ハザード比は0.70(95%信頼区間[CI]:0.54~0.92)。GLP-1アナログ、SU薬と比較したハザード比も0.61(95%CI:0.47~0.78)、0.51(95%CI:0.38~0.67)であった。しかし、複合心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中による入院)については、抑制効果は認められず、ハザード比はDPP-4阻害薬と比較して0.89(95%CI:0.68~1.17)、GLP-1アナログでは1.03(95%CI:0.79~1.35)、SU薬でも0.86(95%CI:0.65~1.13)であった。この傾向は、ベースラインにおけるHbA1c値や心疾患や心不全の既往の有無によってサブグループ解析を行っても同様であったと報告されている。 心疾患の既往の有無などを問わず、カナグリフロジンは心不全による入院を他の薬剤に比較して有意に30~49%抑制するものの、心筋梗塞や脳卒中による入院は抑制し得ないことになる。とはいえ、解析の対象となった患者の平均年齢はおよそ57±10歳前後と若く、観察期間も各群でマッチさせることができたのは0.6±0.5年ほどでしかない。これらの点を勘案すると、SGLT2阻害薬であるカナグリフロジンは、患者の年齢を問わず、投与開始後早い時期から、心不全による入院を抑制する効果を持っているといえる。 SGLT2阻害薬が新たなカテゴリーの利尿薬として心不全を抑制しているのか、それとも、利尿効果を超えた心血管イベント抑制の効果があるのか、今後の展開に期待したい。

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名著、名言【Dr. 中島の 新・徒然草】(210)

二百十の段 名著、名言医学小説というのは多々ありますが、最もリアルなものの1つに「脳外科医になって見えてきたこと」という本があります。著者のフランク・ヴァートシック・ジュニアの脳外科レジデント生活を描いたものです。著者はレジデント生活初日の午前5時にチーフ・レジデントのゲーリーから「ルール」を伝授されます。ゲーリーによれば、ユーマンズの教科書全6巻のどこにも書いていないルールだそうです。全部で5つあって、どれも「なるほど」と思わされるのですが、特によくできているのがルール2とルール4でした。原文から引用しましょう。ルール2:「小さな手術ってのは、自分以外のだれかがやる手術だけだ。もし自分がやれば、そいつはみんな大手術になる。このことは忘れるなよ」外科医にもいろいろな人がいると思いますが、私の場合、自分が術者の時には頭の中で何度もシミュレーションした上で、思いつくかぎりの神仏に祈ってから臨みます。当然のことながら、助手の時にはもっとあっさりしています。「どんな単純な手術でも、自分がやる時は大手術」、名言ですね。ルール4:「患者がなぜくたばりかかっているのかを知ろうとするなら、ナースから1,000回電話で話を聞くより本人を1回見るほうがいい」百聞は一見に如かず、とはまさにこのことです。いわゆる重症感というのは言葉では伝わりにくく、自分で見た時の印象こそが最も大切なのです。自分の目で見たら「思ったより重症だった、すぐに何とかしないと!」と思ったり、「なんだ大したことないじゃないか」と思ったりすることがよくあります。とにかく看護師さんに「急変です」「すぐ来てください」と言われた時にはもちろんのこと、「ちょっと見てもらえませんか」と言われた時にもすぐにベッドサイドに行った方がいいですね。「結局はその方が省エネである」とも言えます。私は読んだ本はすぐに捨ててしまうほうですが、この本だけはずっと本棚に置いています。脳外科医の頭の中をあますことなく描いており、何度読んでも感心させられます。最後にもう1つだけ名言を挙げておきましょう。自分の手術で患者を死なせてしまい辞職願を書いた著者に、ゲーリーが言った台詞です。「しっかりしろ! とっとと自分をかわいそうがるのはやめて、助けを求めてくる連中相手にベストを尽くせ」泣ける・・・最後に1句ゲーリーよ あんたは偉い! その通り

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第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 会長インタビュー 総会を振り返って

第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会が本年(2018年)1月20日~21日に開催された。医療者や患者も含め全国から集まったさまざまな参加者がディスカッションを行い。盛会のうちに終了した。今総会を振り返るとともに、会長である聖路加国際病院 副院長・ブレストセンター長・乳腺外科部長の山内 英子氏に伺った。 第6回HBOCコンソーシアム学術総会の初日、聖路加国際病院に通院中の方々が登壇し、市民公開講座が開催されました。登壇した患者さんたちはそれぞれの決断を信じて、しっかりと一歩一歩を進んでいらっしゃると改めて感じました。もし医療チームとしっかり議論をしていなければ、これまでの決心も揺らぐと思います。予防的切除や遺伝性腫瘍以外でも、いろいろな治療方針を決めていくうえで「あなたの場合はどうしたいですか?」「このような選択をしたい」「じゃあ、こうしましょう」といういわゆるShared Decision Makingを、それぞれの不安を拾い上げながら当院の医療チームが実践してきました。患者さんたちは過去の治療歴も将来についても、ご自身の言葉で説明されていましたね。自分と違う選択をした方の経験談も冷静に受け止めて咀嚼し、次のステップに進んでいるのですね。違う立場の人たちがガールズトークをすることによって、お互いの成長をも促すのではないでしょうか。HBOCでは、患者さんが大変な不安に直面します。「怖い、お母さんも乳がんだし、私もいつなるのかしら…」と不安で暗い部屋に閉じこもっている人たちを、「大丈夫だから。こういう道だけど、一つひとつ選択しながら一緒に歩いて行きましょうね」と細い道を歩いて行くようなものでありながら、暗い部屋から手を引いて出して差し上げるようなものなのです。患者さんと家族のやり取りを、主治医や医療チームとしてどこまで把握すべきでしょうか?遺伝性腫瘍の場合、がんの人だけを家族歴からピックアップするだけではなく、どういうご家族がいらっしゃるかも重要です。その中で「この人には言わなくていいの?」とか「お姉さんは知っているの?」などを検査前から質問します。「うちの姉は病気のことを話すと、もうそれだけで絶対駄目なのです」という場合、「うまく私たちが説明するから、連れてきなさい」と医療チームが協力しながら対応することもあります。2日目の学術総会において、シンポジウム1の医療チームの各発表では、遺伝カウンセリングに主治医が加わるべきか否かが議論になりました。第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会のテーマは「実戦!THE NEXT STEP HBOC診療」主治医が遺伝カウンセリングに入ると、患者さんも必ず受けなければいけないと受け止めてしまうのではないか、という意見もあるでしょう。地域の家庭医やプライマリケア医である開業医の先生たちが、「遺伝子検査を受ける?」「遺伝カウンセリングは?」などと関わり、遺伝性腫瘍の専門医に紹介していく。欧米はすでにそのような状況です。どこまで二段階的なことができるか、たとえば主治医がある程度の説明はしても、もう一度、治療方針と関係なく第三者が、遺伝カウンセラーとして「本当に良いですか?」と聞く、二段階式の取り組みが必要かもしれません。そういった仕組みがあれば、医療機関ごとで独自に決めなければいけない現状も改善されると。主治医が遺伝カウンセリングに参加すべきではないとの理由が「主治医は忙しいから、やるべきではない」というのも、日本の医療現場ではあるかもしれない。「患者さんの自費負担になってはいけない」という経済的な理由も考えられます。遺伝子検査結果をカルテに記載するか、意図的に書き残さないかという議論もありました。遺伝子検査を行っている医療機関が増えています。10年前の「遺伝子検査なんてしないでしょう?」「遺伝子検査が陽性なのか」と珍しく見る社会から、今は「予防的切除をしました」「そうなんですね」と一般の反応もだいぶ変わってきています。これからBRCA遺伝子検査が陽性の人にしか使えない新薬が登場する場合、診療報酬請求で検査結果を明記しなければいけませんので、カルテ記載は避けられないでしょう。ただし検査陽性の人たちが不当な差別を受けないために、日本でも米国のような法整備を進めていく必要があります。シンポジウム2では、リスク低減卵巣卵管摘出術(RRSO)をしても原発性腹膜がんは完全には防ぎきれず、生涯の発症リスクは3~4%残るという発表がありました。RRSOは、かなりの確率で発症リスクを減らすことができます。ほとんどの方にRRSOの話をすると、「リスク低減手術後にも、いつか腹膜がんが見つかることがあります」と伝えても、それは恐怖と言うよりも「防ぎきれない限界がある」と認識していただくことが大事です。乳がんの発症リスクも減少するというデータもありますので、きちんとした知識をもって理解していただくようにしています。リスク低減乳房切除術(RRM)の標準術式についても、詳しい議論がありました。乳房の予防的切除の場合、どの程度の皮膚の厚さを残すべきか、どの範囲までを切除するか、乳腺外科医のさじ加減が大変重要です。RRMによる切除部位をどこまで薄い切片で病理検査すべきか、各施設の実例紹介がありました。これまでよりもいろいろな施設でリスク低減手術が実施されるようになったことで、標準となる術式についてもディスカッションができるようになってきたと思います。シンポジウム3で、乳房MRIは月経周期に合わせていつ撮影するか、その画像をどのように読影するかというサーベイランスの議論がありました。米国で保険適用になっているHBOCの乳房MRIサーベイランスも、わが国では自費となっています。そのため、超音波検査よりもはるかに高額の支出となります。しかも未発症ですから、若い人で「なぜこんな検査をしなければならないの? 休みもつぶして、子供も預けてきて、お金もかかって」と、結局ドロップアウトしていく人もいます。社会で行われていたりする30~40代の全員に超音波検査を行うのではなく、本当にリスクが高い人にはMRIまでの検診費用をカバーするなどの、新たなサポートが必要ではないかと思います。シンポジウム4では、HBOCの前立腺がんについて議論がありました。HBOCの比率は1~2%と推定されるとの意見もあり、泌尿器がんの中で、初めて遺伝子治療が実用化されるかもしれないとの意見も出ました。乳腺外科はこれまでも産婦人科との連携は良好です。シンポジウム1で産婦人科の先生方が登壇してくださり、こうした連携が各地に広がってきました。これからは、泌尿器科の先生たちとの連携も重要ですので、今回の学術総会がその第一歩になればと考えます。会場で聴講された方々も、泌尿器科の先生たちへHBOCについて声を掛けてくださればと思います。意識的に探すことで、前立腺がんの中でHBOCが見つかるとなれば、今後も泌尿器科で前立腺がんの患者さんがいれば、乳がんや卵巣がんの家族歴を聞くことが重要になります。HBOCは多診療科にわたる疾患につき、皆で取り組み、取り上げ、拾い上げていかなければいけない問題です。CareNet会員の皆様へメッセージをお願いします。日本でのHBOC診療は、実戦となるネクスト・ステップに入ったと考えています。すべての医師の前に、BRCA遺伝子検査が陽性と判明した患者さんやご家族が、今日にも現れるかもしれません。遺伝性腫瘍に直面した方々が抱える大きな不安がこぼれ落ちないように、すべての医師にはぜひ、ご一緒に手を差し伸べていただきたいと思います。引き続き、全国の医療機関には診療体制を整えていただき、HBOCコンソーシアムでも情報を更新しながらホームページを整備していきます。また、私自身も積極的に情報提供を続けていきたいと思います。

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新しいドパミン受容体パーシャルアゴニスト、ブレクスピプラゾール

 ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールと同クラスの新規ドパミン受容体パーシャルアゴニストの抗精神病薬である。オーストラリア・モナッシュ大学のJudy Hope氏らは、ブレクスピプラゾールについてのレビューを行い、アリピプラゾールとの比較を行った。Australasian psychiatry誌2018年2月号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールと同様に、ドパミンD2およびセロトニン5-HT1A受容体に対しパーシャルアゴニストとして作用し、セロトニン5-HT2Aおよびノルアドレナリンα1B受容体に対しアンタゴニスト作用を示す薬剤である。・しかし、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは、さまざまな受容体に対する作用の強さが有意に異なる。・ブレクスピプラゾールの抗精神病作用は、アリピプラゾールと同等であると予測されるが、アカシジア、錐体外路系副作用(EPS)、賦活化がより少ない可能性がある。・承認申請時の臨床試験において、ブレクスピプラゾールは、短期的および長期的な研究で、抗精神病作用が認められており、抗うつ薬治療抵抗性うつ病患者に対する補助療法として有効であることもわかっている。・アカシジアは、軽度の体重増加やプロラクチン上昇と同様に、治療早期に発現する。 著者らは「ブレクスピプラゾールは、承認申請時の臨床試験データから、アリピプラゾールと同等の有効性を有し、アカシジアを発現しづらいことが示唆されている。また、米国においては、アリピプラゾールと同様に、統合失調症および抗うつ薬治療抵抗性うつ病に対して承認されている。今後、より多くの臨床経験が必要ではあるが、ブレクスピプラゾールは、アリピプラゾールとは異なると考えられ、精神疾患や気分障害の治療における代謝機能への影響の少ない新たな抗精神病薬の治療選択肢となりうる」としている。■関連記事開発中のブレクスピプラゾール、その実力は本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か

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低脂肪vs.低炭水化物ダイエット、体重減効果は?/JAMA

 健康的低脂肪(HLF)ダイエットと健康的低炭水化物(HLC)ダイエットについて、12ヵ月後の体重減効果は同等であることが、米国・スタンフォード大学のChristopher D.Gardner氏らが、609例を対象に行った無作為化比較試験で示された。また遺伝子型やダイエット開始前のインスリン分泌能は、いずれの食事療法の体重減効果とも関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「疾病の素因と仮定される遺伝子型およびインスリン分泌能は、HLFとHLCのどちらが至適な食事療法かを識別するのには役立たないようだ」とまとめている。JAMA誌2018年2月20日号掲載の報告。非糖尿病18~50歳を対象に無作為化試験、1年後の体重減を比較 研究グループは、2013年1月29日~2015年4月14日にかけて、BMI値28~40、非糖尿病の18~50歳、609例を対象に、無作為化試験「DIETFITS」(The Diet Intervention Examining The Factors Interacting with Treatment Success)を開始し、2016年5月16日まで追跡した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはHLFダイエットを、もう一方にはHLCダイエットをそれぞれ12ヵ月間行った。具体的には健康教育者が、ダイエットに特異的な少人数セッション(12ヵ月間で22回)を通じて、行動変容を促す介入を行った。 試験では、3つの代表的な一塩基多型(SNP)反応パターンまたはインスリン分泌能(糖負荷後30分の血中インスリン濃度:INS-30)と、体重減との関連についても検証した。体重減は同程度、遺伝子型やインスリン分泌能との関連は認められず 被験者609例の平均年齢は40歳(SD 7)、女性は57%、平均BMI値は33(SD 3)、低脂肪遺伝子型は244例(40%)、低炭水化物遺伝子型は180例(30%)、INS-30平均値は93μIU/mLだった。試験完遂者は481例(79%)だった。 12ヵ月間の多量栄養素の平均分布値は、炭水化物はHLF群48%、HLC群30%、脂肪はそれぞれ29%、45%、蛋白質は21%、23%だった。 12ヵ月時点の体重変化の平均値は、HLF群-5.3kg、HLC群-6.0kgだった(群間差平均:0.7kg、95%信頼区間[CI]:-0.2~1.6kg)。 12ヵ月の体重減について、ダイエットの種類と遺伝子型に相互関連はみられず(p=0.20)、ダイエットの種類とインスリン分泌能(INS-30)にも相互関連は認められなかった(p=0.47)。 なお、18件の有害事象が認められたが、発生の割合は両群で同程度だった。

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CKDの高齢心房細動患者への抗凝固薬投与は?/BMJ

 慢性腎臓病(CKD)があり心房細動を呈した高齢者への抗凝固薬の投与で、虚血性脳卒中や脳・消化管出血リスクはおよそ2.5倍増大し、一方で全死因死亡リスクは約2割低減することが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのShankar Kumar氏らが、約273万人分の患者データベースを基に、傾向スコア適合住民ベースの後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。現状では、透析不要のCKDで心房細動を呈した高齢患者について、信頼性の高い臨床ガイドラインや無作為化比較試験はないという。同研究グループは今回の逆説的な結果を受けて、「こうした患者を対象にした、適切な規模の無作為化試験の実施が急務である」と提言している。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。CKDで心房細動の診断を受けた約7,000例を調査 研究グループは2006年1月~2016年12月にかけて、イングランドとウェールズの110ヵ所の一般診療所に通院する約273万人分を収載する、The Royal College of General Practitioners Research and Surveillance Centreのデータベースを基に検討を行った。このうち、推定糸球体濾過量(eGFR)が50mL/分/1.73m2未満のCKDで、新たに心房細動の診断を受けた、65歳以上の6,977例を対象にコホート試験を行った。 心房細動の診断後60日以内の抗凝固薬の処方と、虚血性脳卒中、脳・消化管出血、全死因死亡率の関連について評価した。抗凝固薬処方で死亡リスクは0.82倍に 心房細動の診断を受けた6,977例のうち、診断後60日以内に抗凝固薬を処方されたのは2,434例、処方されなかったのは4,543例だった。傾向スコアマッチングを行った2,434組について、中央値506日間追跡した。 抗凝固薬を処方された患者において、虚血性脳卒中の補正前発生率は4.6/100人年、脳・消化管出血は同1.2/100人年だった。これに対して、非処方の患者では、それぞれ1.5/100人年、0.4/100人年だった。 虚血性脳卒中発生に関する、抗凝固薬処方患者と非処方患者を比較したハザード比は2.60(95%信頼区間[CI]:2.00~3.38)、脳・消化管出血の同ハザード比は2.42(同:1.44~4.05)と、処方患者における増大が認められた。一方で、全死因死亡に関する同ハザード比は0.82(同:0.74~0.91)と、処方患者で低かった。

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