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4年間の記憶喪失はウソだった1例【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第111回

4年間の記憶喪失はウソだった1例 いらすとやより使用 2回続けて精神医学の論文を紹介しますが、とくに他意はありません。今回紹介するのは、詐病の1例です。「詐病って病気じゃないじゃん」と言われるとそれまでなんですが、ミュンヒハウゼン症候群とは異なり、扱いにくいですよね…。 上島 国利.全生活史健忘を装った詐病の1例精神医学. 1975;17:455-461.これは今から40年以上前の論文です。私なんてまだ生まれていませんよ。さて、“全生活史健忘”というのは、自分の名前、生い立ち、自分に関する何もかも、すべての記憶を失うことを指しています。皆さんは、ピアノマンって覚えていますか? 以下、Wikipediaからの引用です。「2005年4月8日、イングランドのケント州シアネスの浜辺で、びしょ濡れの黒いスーツとネクタイ姿の20代から30代男性が発見された。病院に収容されたが、記憶喪失だったのか、いくつかの言語で話しかけても一言も話さなかった。また、衣服からラベルが取られており、身元を証明する物が何一つなく、個人情報が一切不明であった。病院の関係者が男性に鉛筆と紙を渡したところ、精緻なグランドピアノの絵を描いた。そこで男性にピアノを弾かせてみると、上手に演奏した。ピアノ演奏が上手かったことから、[ピアノマン]と呼ばれるようになった。」「ピアノマン」(2017年9月17日(日)12:37 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』。これって紛れもなく全生活史健忘なんですよね。ですが、その後、本当に全生活史健忘だったかどうか怪しいという意見が出ており、いまだに真実は謎のままです。全生活史健忘のすべてが詐病だとは思いませんが、そういった詐病例が存在するのも事実です。通常、全生活史健忘は比較的短期間で記憶を取り戻すことが多いとされています。早ければ数日以内、長くても1ヵ月くらいでしょうか。ただ、全生活史健忘と詐病の鑑別はきわめて困難です。この精神医学の症例は、当時の精神衛生法により強制入院となった男性が、4年にわたって何ら記憶を呼び起こすことができないというものです。しかし、彼はとんでもないことを口にしました。「ええっと…、実は最初から全部ウソでした。住所氏名、生活史のすべてを最初から知っていました…」と。ええええええ! ウソやったんかーい!関わった人たちは何とも言えないため息をつくしかありませんが、こういう詐病例も紛れているので、全生活史健忘を診る場合には注意が必要かもしれませんね。まぁ、私のような内科医が診ることはないでしょうが。それにしても、彼にとってこの4年間は一体何だったのか…。

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乳がんの手術方法とうつ病発症に関するメタ解析

 術後の平均期間1年以上の乳がん女性において、異なる術式により、うつ病の発症率に違いがあるかについて、中国・上海交通大学医学院のChengjiao Zhang氏らが、文献のシステマティックレビューとメタ解析を実施した。World journal of surgery誌オンライン版2018年2月9日号の報告。 PubMed、Web of Science、EMBASE、OvidSP、EBSCO、PsycARTICLESより、システマティックに文献検索を行った。異なる術式群におけるうつ病発症率を比較し、経験的な所見を確認した観察的臨床研究を行った。 主な結果は以下のとおり。・乳がん患者のうつ病に関する研究は、乳房全摘術と乳房温存術の比較研究5件、乳房全摘術と乳房再建術の比較研究4件、乳房温存術と乳房再建術の比較研究2件、すべての術式の比較研究5件の合計16件であった。・乳がん女性のうつ病に関して多変量解析を実施した5件中、うつ病発症に対する術式の有意な影響が認められた研究は1件のみであった。・本メタ解析の結果では、いずれの術式においても、うつ病発症に有意な影響は認められなかった。 ◆乳房温存術 vs.乳房全摘術(相対リスク:0.89、95%CI:0.78~1.01、p=0.06) ◆乳房再建術 vs.乳房全摘術(相対リスク:0.87、95%CI:0.71~1.06、p=0.16) ◆乳房温存術 vs.乳房再建術(相対リスク:1.10、95%CI:0.89~1.35、p=0.37) 著者らは「術後の平均期間1年以上の乳がん患者において、うつ病の発症に、3つの術式(乳房全摘術、乳房温存術、乳房再建術)による統計学的に有意な差は認められなかった」としている。■関連記事がん患者のうつ病を簡単にスクリーニングするには抗うつ薬治療は乳がんリスクに影響しているのか抑うつ症状は、がん罹患有無に関係なく高齢者の死亡に関連

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脳卒中再発予防に望ましいLDL-C値は? J-STARS事後解析

 脳卒中の再発を予防するために望ましいLDLコレステロール値を調べるために、J-STARS研究(Japan Statin Treatment Against Recurrent Stroke、脳血管疾患の再発に対するスタチンの予防効果に関する研究、多施設共同無作為化非盲検並行群間比較試験)の事後解析が実施された。その結果、スタチン使用について調整後、無作為化後のLDLコレステロールが80~100mg/dLの群で、脳卒中および一過性虚血発作の複合リスクが低いことが示された。Stroke誌オンライン版2018年3月6日号に掲載。 本解析では、被験者(n=1,578)を無作為化後最終観察までのLDLコレステロールの平均値で20mg/dLごとにグループ分けした。ベースライン時LDLコレステロール、ベースライン時BMI、高血圧、糖尿病、スタチン使用について調整し、調整ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を各グループについて分析した。 主な結果は以下のとおり。・無作為化後最終観察までのLDLコレステロールは、プラバスタチン群で104.1±19.3 mg/dL、対照群で126.1±20.6mg/dLであった。・脳卒中および一過性脳虚血発作、全血管イベントの調整HRは、無作為化後LDLコレステロールが80~100mg/dLのグループで低かった(傾向のpはそれぞれ0.23、0.25)。・アテローム血栓性梗塞に対する調整HRは、ベースライン時LDLコレステロール値を調整後、スタチン使用により有意に減少した(HR:0.39、95%CI:0.19~0.83)。・アテローム血栓性梗塞、頭蓋内出血の調整HRは、無作為化後LDL-コレステロール値によるサブグループ間で類似していた(傾向のpはそれぞれ0.50、0.37)。・ラクナ梗塞の調整HRは、無作為化後LDLコレステロールが100~120mg/dLのグループで低かった(HR:0.45、95%CI:0.20~0.99、傾向のp=0.41)。

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小児喘息の悪化初期に吸入ステロイド5倍量、その結果は?/NEJM

 小児の軽・中等症持続型喘息患者において、吸入ステロイドによる維持療法中に喘息コントロール悪化の初期徴候を認めた場合、吸入ステロイドを5倍量としても重症喘息増悪の発生率は低下せず、その他の喘息に関する評価項目の改善も確認されなかった。米国・ウィスコンシン大学のDaniel J. Jackson氏らが、STICS(Step Up Yellow Zone Inhaled Corticosteroids to Prevent Exacerbations)試験の結果を報告した。吸入ステロイドなどの喘息管理薬を定期的に使用していても、しばしば喘息増悪が起こり、臨床医は、喘息コントロール悪化の初期徴候を認めると吸入ステロイドを増量することが一般的である。しかし、この戦略の小児に対する安全性/有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌2018年3月8日号掲載の報告。小児喘息患者約250例で、低用量と5倍量の投与を比較 STICS試験は、過去1年間に全身性ステロイド薬による治療を要した喘息増悪歴が1回以上ある、5~11歳の軽・中等症持続型喘息患者254例を対象とした。 試験は4週間の導入期と48週間の治療期からなり、導入期には全員に非盲検下でフルチカゾンプロピオン酸エステルの低用量(44μg/吸入)を投与。治療期は非盲検維持期として低用量を全員に投与しつつ、“7日間のイエローゾーン(喘息コントロール悪化の初期徴候を認める期間)”を認めた場合に、低用量投与を継続する群と5倍量(220μg/吸入)を投与する群(高用量群)に、盲検下で無作為に被験者を割り付けた。投与はいずれも1回2吸入、1日2回を投与した。 喘息コントロール悪化の初期徴候は、アルブテロール(サルブタモール)のレスキュー投与を6時間に2回(4吸入)、24時間に3回(6吸入)、またはアルブテロールのレスキュー投与を要した喘息による夜間覚醒、のいずれかの発生とした。 主要評価項目は、全身性ステロイド薬による治療を要した重症喘息発作発生率であった。高用量群と低用量群で重症喘息発作発生率に有意差なし 主要評価項目の重症喘息発作発生率は、高用量群0.48回/年、低用量群0.37回/年であり、両群間で有意差は確認されなかった(相対比:1.3、95%CI:0.8~2.1、p=0.30)。 初回増悪までの期間、治療失敗率、症状スコア、およびイエローゾーンでのアルブテロール使用についても、両群間に有意差はなかった。ステロイド総曝露量は、低用量群より高用量群で16%高値であった。 高用量群と低用量群で、身長の伸びの差が-0.23cm/年(p=0.06)認められた。 著者は研究の限界として、予想よりもイエローゾーンや全身性ステロイド薬による治療を受けた喘息発作発生率が少なかったことなどを挙げている。

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NCCNガイドラインの適応外推奨はエビデンスが弱い/BMJ

 National Comprehensive Cancer Network(NCCN)は新薬/ブランド薬について、米国食品医薬品局(FDA)未承認の適応をしばしば推奨しているが、このような適応外使用を推奨する根拠のエビデンスレベルは低いことが明らかにされた。米国・オレゴン健康科学大学のJeffrey Wagner氏らが、抗がん剤についてNCCNガイドラインでの推奨とFDA承認との差異を、また適応外使用の推奨を正当化するためにNCCNが採用したエビデンスについて、後ろ向きに調査し報告した。NCCNによる適応外使用推奨のパターンや、こうした推奨がその後、FDA承認に至っているのかを検証した解析はこれまでなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「弱いエビデンスに基づいた高価で有害ながん治療薬の保険償還を、NCCNが正当化していることに懸念を禁じ得ない」とまとめている。BMJ誌2018年3月7日号掲載の報告。FDAで承認された新薬47種の適応症とNCCNの推奨を比較 NCCNが公表しているがん診療ガイドラインは、米国のメディケア・メディケイドサービスセンターが保険償還を決定するために使用する5つの医薬品集(compendiums)のうちの1つで、民間保険会社でも使用されている。 研究グループは、2011~15年の期間にFDAが承認した新規抗がん剤47種について、2016年3月25日時点で、FDAが承認したすべての適応症(新規および追加)とNCCNの推奨を比較した。FDA承認外でNCCNが推奨していた場合、その推奨を分類し、採用されたエビデンスについて調査した。適応外推奨は約4割、その後の追加承認はわずか 47種の抗がん剤について、FDA承認の適応症は69個に対し、NCCNでは113個の適応症が推奨されていた。113個のうち69個(62%)はFDA承認の適応症と重複していたが、44個(39%)は承認適応外で追加推奨されていた。適応外推奨数の平均値は0.92であった。 追加推奨のうち無作為化試験のエビデンスに基づくものは10個(23%)で、第III相試験のエビデンスに基づくものは7個(16%)であった。 21ヵ月の追跡期間中、FDAが適応症追加を承認したのは44個のうちわずか6個(14%)であった。

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本物よりも本物らしい【Dr. 中島の 新・徒然草】(212)

二百十二の段 本物よりも本物らしい先日、某製薬会社の説明会がありました。皆が集合する前に映像が流されていたのですが、これがなかなか素晴らしい。担当のMRさんによると、チーム医療を推進している、ということで「ある看護師の一日」とか「ある薬剤師の一日」とか、いろいろな職種が4分ほどのムービーで紹介されていました。バックで流れる槇原敬之氏の歌とあいまって「なんて素晴らしいんだ、医療の世界は!」と思わされるものでした。ここで当然の如く出てくる疑問。中島「この看護師さんとか薬剤師さんたちは本物ですか、それとも俳優さん?」MR「役者さんですね」中島「うまく演じていますねえ。それじゃあ、患者さんの方は?」MR「患者さんの方も役者さんだと聞いています」中島「本物よりも本物らしいじゃないですか!」MR「恐れ入ります」実際、看護師役や薬剤師役の人たちの立ち居振る舞いは、私の目から見ても違和感がありません。まったくそのとおり、と思わされるものばかりでした。ムービーの中の看護師や薬剤師、そして医師たちも、皆、患者さんのために一生懸命です。その動作、表情からも誠実さが伝わってきます。現実の病院の中もこんな人達ばかりだったらいいのに!微かな違和感があるとしたら・・・出てくる人たちがちょっとばかり美人、ちょっとばかりイケメンすぎることでしょうか。現実の医療現場の人達は、もっと普通の姉ちゃん兄ちゃんばかりですね。読者の皆様にお勧めしたいのは、日々の仕事の中で「ちっくしょう、やってられねえよ!」と思ったときに、YouTubeでこのムービーを見ることです。とことん美化された医療現場の映像を見て、きっと「もう1回、頑張るか」とヤル気が出てくることでしょう。最後に1句映像で あるべき姿 教えられ

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統合失調症におけるパリペリドンパルミチン酸とリスペリドンの持効性注射剤の比較

 統合失調症患者の初回入院期間、再入院リスク、治療期間に関して、パリペリドンパルミチン酸(PP)またはリスペリドン持効性注射剤(RLAI)による治療の影響を、フランス・Corentin-Celton HospitalのFrederic Limosin氏らが、比較検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2018年2月号の報告。 初回入院時にPPまたはRLAI治療を開始した統合失調症患者を対象に、フランスの43施設で観察的レトロスペクティブコホート研究を実施した。フォローアップは、RLAI群では2012年9月より開始し(フォローアップ期間中央値:233日間)、PP群では2013年6月より開始した(フォローアップ期間中央値:259日間)。統計分析は、患者の特性を考慮して傾向スコア加重を用い、Cox回帰モデルに基づいて実施された。 主な結果は以下のとおり。・分析には、347例(PP群197例、RLAI群150例)が含まれた。・PP群は、RLAI群と比較し、精神疾患以外の合併症の併発、過去に抗精神病薬での治療歴、前年に精神科治療のための入院歴を有する傾向が有意に強かった。・初回入院時の在院期間は、両群間に統計学的な有意差は認められなかった(ハザード比:1.13、95%CI:0.97~1.31)。・PP群の1回目の再入院までの期間は、RLAI群と比較し同様であった(ハザード比:0.92、95%CI:0.65~1.30)。 著者らは「潜在的な統計力の欠如のため、PP群とRLAI群の間に、初回入院期間および再入院までの期間に関する有意な差は認められなかった。治療中止までの期間に関しては、PP群において良い傾向が認められたものの、この結果は、RLAIからPPへの切り替えが行われた患者において低下した」としている。■関連記事統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果

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血漿中遊離アミノ酸の変化で大腸がんリスクを予測

 大腸がん(CRC)の術後再発は依然として重要な問題である。CRCの症状は明らかなものはなく、早期では自覚症状はない。 一方、最近の液体クロマトグラフィー/質量分析といった分析技術やメタボロミクスの進歩が、がんなどのさまざまな疾患で報告されている。その結果、血漿中遊離アミノ酸(PFAA)プロファイルは、健康人と、がんなどの罹患者で異なっていることが報告されている。そのような中、血液サンプル中の6種のPFAAを定量することで、がんの早期発見を可能にした、アミノインデックスがんスクリーニング(AminoIndex Cancer Screening、以下AICS)システムが開発された。神奈川県立がんセンター片山 佳代子氏らによるこの研究では、AICSを用いて、CRC患者における手術前と手術後のPFAAを比較した。BMC Surgery誌2018年2月21日号に報告された。 この研究は、神奈川県立がんセンターでCRCの治癒切除を受けた62例の患者コホートから成る。切除1週間前および切除後0.5~6.5年に絶食状態で血液サンプルを採取し、PFAAレベルを液体クロマトグラフィー/質量分析によって測定し、AICS値を算出した(高値ほどがんの確率が高い)。AICS値から計算されたリスクは、AICSランクとしてA、B、Cに分けられた(ランクCが最高リスク)。 主な結果は以下のとおり。・すべての患者はAICSランクB(25例)かC(37例)であった。・AICS値は62例中57例(92%)で、AICSランクは62例中49例(79%)で、術前に比べ術後で有意に低下した(p<0.001)。・AICSランクCに限ってみると、AICS値は37例中35例(95%)で、AICSランクは37例中29例(78%)で、術前に比べ術後で有意に低下した(p<0.001)・StageI~IIIのすべての患者でAICS値が術前に比べ術後に低下した。・右側腫瘍のすべての患者でAICS値が術前に比べ術後に低下した。・AICS値の低下は、左側腫瘍に比べ、右側腫瘍で大きかった(右側8.0→2.3、左側8.2→4.7、p<0.001)。・腫瘍マーカー(CA19-9およびCEA)レベルが基準範囲内にあった患者は、手術前は70~80%であったが、手術後では80~90%となった。 この研究から、PFAAプロファイルは担がん状態では、変化していることが示唆される。少量の血液で測定可能なAICSは、腫瘍切除後のCRC患者の予後予測および再発のモニタリングに使用できる可能性がある、と述べている。

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吸入ステロイド4倍量を許容する自己管理で、喘息増悪リスク2割減/NEJM

 吸入ステロイド使用にもかかわらず過去1年以内に増悪を発症した成人および思春期の喘息患者について、吸入ステロイドを4倍量までの増量を含む自己管理計画(患者自身が喘息を管理する計画)を導入することで、増量を行わない計画と比べて重度増悪リスクは約2割減少することが示された。英国・National Institute for Health Research Biomedical Research CentreのTricia McKeever氏らが、1,922例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年3月8日号で発表した。1年以内の重度喘息増悪イベントまでの期間を比較 研究グループは2013年5月~2016年1月にかけて、吸入ステロイドの投与を受けている、過去12ヵ月間に1回以上の増悪を呈した成人・思春期の患者1,922例を対象に、プラグマティックな非盲検無作為化試験を開始した。被験者の、他の治療の有無については問わなかった。 被検者を無作為に2群に分け、一方には4倍量までの吸入ステロイド増量を含む自己管理計画を、もう一方には増量を行わない自己管理計画を12ヵ月間実施し、アウトカムを比較した。 主要評価項目は、初回の重度喘息増悪までの期間とし、その定義は全身性ステロイドによる治療または喘息による予定外の受診とした。重度増悪リスクはステロイド4倍量群で0.81倍 無作為化を行った被検者のうち、主要解析には1,871例を包含した。被検者の平均年齢は57歳(標準偏差:15)、うち女性は68%だった。 無作為化後1年以内に重度喘息増悪を発症したのは、ステロイド4倍量群は420例(45%)、対照群は484例(52%)だった。初回重度喘息増悪に関する4倍量群のハザード比は、0.81(95%信頼区間:0.71~0.92、p=0.002)だった。 主に吸入ステロイドの局所作用による有害事象発生率が、4倍量群で対照群より有意に高かった。

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グリソンスコア9/10の前立腺がん、最も有効な療法は?/JAMA

 グリソンスコア9~10の前立腺がん患者に対し、外照射療法+小線源治療による強化療法(EBRT+BT)+アンドロゲン除去療法(ADT)は、根治的前立腺全摘除(RP)やEBRT+ADTを行った場合に比べ、前立腺がん死亡リスクを有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らが、1,809例を対象とした後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。グリソンスコア9~10前立腺がんの至適治療は明らかになっておらず、研究グループは、同患者の最終的な治療後の臨床的アウトカムを検討した。JAMA誌2018年3月6日号掲載の報告。全摘、EBRT+ADT、EBRT+BT+ADTの臨床的アウトカムを後ろ向きに比較 研究グループは、米国11ヵ所、ノルウェー1ヵ所の3次医療センターで、2000~13年に治療を受けたグリソンスコア9~10の前立腺がん患者1,809例を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。 RP、EBRT+ADT、EBRT+BT+ADTについて、臨床アウトカムを比較した。主要評価項目は、前立腺がん死亡率で、副次的評価項目は無遠隔転移生存率と全生存率だった。前立腺がん死亡リスクはEBRT+BT群で有意に低下 被験者のうちRP群は639例、EBRT群は734例、EBRT+BT群は436例だった。被験者の年齢中央値はそれぞれ、61.0歳、67.7歳、67.5歳で、追跡期間中央値はそれぞれ4.2年、5.1年、6.3年だった。追跡10年時点で、それぞれ91例、186例、90例の死亡が報告された。 補正後5年前立腺がん死亡率は、RP群12%(95%信頼区間[CI]:8~17)、EBRT群13%(同:8~19)、EBRT+BT群3%(同:1~5)だった。EBRT+BT群の同死亡に関するハザード比(HR)は、対RP群で0.38(95%CI:0.21~0.68)、対EBRT群で0.41(同:0.24~0.71)だった。 補正後5年遠隔転移発生率は、RP群24%(95%CI:19~30)、EBRT群24%(同:20~28)に対し、EBRT+BT群は8%(同:5~11)と有意に低率だった。EBRT+BT群の同発生に関する傾向スコア補正後ハザード比は、対RP群0.27(95%CI:0.17~0.43)、対EBRT群0.30(同:0.19~0.47)だった。 補正後7.5年全死因死亡率は、RP群17%(95%CI:11~23)、EBRT群18%(同:14~24)に対し、EBRT+BT群は10%(同:7~13)と有意に低率だった。追跡調査7.5年までの期間については、EBRT+BT群の全死因死亡率は有意に低かった。死因別HRは、対RP群0.66(95%CI:0.46~0.96)、対EBRT群0.61(同:0.45~0.84)だった。7.5年より後の同関連は、対RP群1.16(95%CI:0.70~1.92)、対EBRT群0.87(同:0.57~1.32)だった。 なお、EBRT群とRP群で、前立腺がん死亡率(死因別HR:0.92[95%CI:0.67~1.26]、p=0.60)、遠隔転移率(同:0.90[0.70~1.14]、p=0.38)、全死因死亡率(7.5年以内:同1.07[0.80~1.44]、p=0.64/7.5年超:1.34[0.85~2.11]、p=0.21)のいずれについても有意差はみられなかった。

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心房細動と認知症リスク~1万3千人を20年追跡

 これまでに心房細動(AF)と認知機能低下および認知症との関連が報告されている。しかし、これらの研究は追跡期間が限られ、ほとんどが白人や選択された集団に基づいており、また認知機能の減衰を考慮していなかった。今回、ミネソタ大学のLin Y. Chen氏らは、ARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)研究において、認知機能の20年間の変化(減衰を考慮)および認知症発症との関連を評価した。その結果、虚血性脳卒中と関係なく、AFが認知機能のより大きな低下や認知症リスクの増加と関連することが示された。Journal of the American Heart Association誌2018年3月7日号に掲載。 本研究(ARIC-NCS:ARIC Neurocognitive Study)は、1万2,515人の参加者(1990~92年における平均年齢:56.9歳[SD:5.7歳]、女性56%、黒人24%)の1990~92年から2011~13年までのデータを分析。AF発症は心電図検査と退院コードで確認した。認知テストは、1990~92年、1996~98年、2011~13年に実施し、認知症発症は臨床医の判断とした。AFと認知テストにおけるZ scoreの変化および認知症発症との時間依存性の関連について、一般化推定方程式(GEE)とCox比例ハザードモデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・20年間に2,106人がAFを発症し、1,157人が認知症を発症した。・虚血性脳卒中などの心血管リスク因子を調整後、global cognitive Z scoreの20年にわたる低下の平均は、AFがない参加者よりAFのある参加者のほうが大きく、0.115 (95%CI:0.014~0.215)であった。MICE(連鎖方程式による多変量補定)により減弱を調整すると、関連はさらに強くなった。・さらに、虚血性脳卒中を含む心血管リスク因子について調整すると、AF発症は認知症リスクの増加と関連していた(ハザード比:1.23、95%CI:1.04~1.45)。 著者らは、「認知機能低下は認知症の前段階であるため、この結果から、AF患者の認知機能低下を遅らせ、認知症を予防するAFの治療法を調べるために、さらなる調査が推進される」としている。

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新規抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」発売

 塩野義製薬株式会社は3月14日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ錠10mg・20mg」(一般名:バロキサビル マルボキシル)を新たに発売した。同日付で薬価収載され、薬価は、10mg1錠が1,507.50円、20mg1錠が2,394.50円。 ゾフルーザは、塩野義製薬が創製したキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬で、既存の薬剤とは異なる新しい作用機序でインフルエンザウイルスの増殖を抑制する。1回の錠剤服用で完結し、利便性が高く、良好なアドヒアランスが期待できる。 成人および12歳以上の小児には、20mg錠2錠を、体重80kg以上の患者には20mg錠4錠を単回経口投与する。12歳未満の小児の場合、体重40kg以上には20mg錠2錠を、20kg以上40kg未満には20mg錠1錠を、10kg以上20kg未満には10mg錠1錠を、いずれも単回経口投与する。 ゾフルーザは、2015年10月に厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、18年2月23日に製造販売承認を取得していた。■参考塩野義製薬株式会社ニュースリリース■関連記事新規抗インフルエンザ薬ゾフルーザ、承認取得

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肺血栓塞栓症における診断基準導入の意義(解説:今井靖氏)-827

 肺血栓塞栓症が疑わしい場合、d-dimerなどの血液検査に加え、本邦ではCT検査で肺血管から下肢静脈までをスキャンする肺静脈血栓症・深部静脈血栓症スクリーニングが普及しているが、一方で、本来不要な検査の実施が少なからず行われている実情がある。そのような状況において本論文については一読の価値があると思われる。今回取り上げる論文においては、低リスクの救急部門受診患者における肺血栓塞栓症の除外基準を導入することで血栓塞栓症イベントが抑制されるか否かについて検討した、PROPER研究の報告である。 肺血栓塞栓症を除外するための基準(PERC:pulmonary embolism rule-out criteria)、これは8つの項目(酸素飽和度94%以下、心拍数100/分以上、年齢50歳以上、片側の下腿浮腫、血痰、最近の外傷または手術歴、過去の肺血栓塞栓症または深部静脈血栓症の既往、エストロゲン補充療法の有無)からなるが、その安全性についてランダム化比較試験での検討が今まで施行されていなかった。この研究ではPERC基準を用いて肺血栓塞栓症を除外することの有用性を前向きに検討するものであり、PERC基準で該当項目がなければそれ以上のwork-upは施行せず、1つでも該当項目があればd-dimer、CTアンギオグラフィ、血流シンチグラムといった検査を施行するというものであり、対照群は初めからwork-upするということでの比較検討がなされた。 主要エンドポイントは初期診断がなされず、3ヵ月の追跡期間の間の血栓塞栓症発症とし、副次的エンドポイントとしてCTアンギオグラフィ施行率、救急部門の滞在期間の中央値、入院率とされた。平均年齢44歳、51%が女性という背景の1,916例について、PERCガイダンス群962例、対照群954例が割り付けられた。1,749例が試験を完遂し、初期段階ではPERC群で14例1.5%、対照群で26例2.7%、p=0.052であった。経過観察後の血栓塞栓症はPERC群で1例、対照群で0例であった。CTアンギオグラフィ施行率はPERC群で13%、対照群で23%と統計的有意差をもってPERC群で少なかった(p<0.001)。PERC群において救急部門滞在時間が短く(中央値:4時間36分vs.5時間14分)、かつ入院率が低かった(13% vs.16%)。肺血栓塞栓症が疑われるが非常に低リスクの患者においては、3ヵ月を超えてフォローしたところPERCガイド治療は従来の治療法に比較して血栓塞栓症の発症において非劣性を示し、PERC基準をガイドとすることの安全性を支持する結果となった。 PERC基準は、過去に欧州でその有用性が検証された試験があり、基準陰性にもかかわらず肺血栓塞栓症発症が思いのほか多かったことがあったとされるが、少なくとも今回の検討により非常にリスクが少ない集団においてPERC基準で該当項目の有無を評価することの安全面が確認されたこともあり、日常診療における意思決定の一助になるものと思われる。その経済効果などについての検討を含め、今後のさらなる検討が期待される。

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不動産は資産の王様【医師のためのお金の話】第6回

不動産は資産の王様こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前回までは、忙しい医師であっても実践できる株式投資方法についてお話ししました。「投資=株式などの金融資産投資」と思っている方が多いと思います。しかし、経済的に自由な状況に到達するためには、避けて通れないものがあります。そう、それは「不動産」です。不動産は資産の王様昔から不動産は、資産の「王様」として君臨しています。世界的に有名な不動産投資家であるドルフ・デ・ルース氏の著書に、『世界の不動産投資王が明かす お金持ちになれる「超」不動産投資のすすめ』( 東洋経済新報社)があります。ドルフ・デ・ルース氏はこの書籍の中で、「日本を含めた世界中の富裕層で、不動産と関わりのない人はほとんどいない」と述べています。彼自身が独学で富裕層研究を行った結果、次のような結論に達しました。何らかの方法で富裕層に到達した後、資産の保全のために不動産を活用している不動産経営(投資)を行い、財を築いて富裕層に到達したこのことに関しては、洋の東西や時代を問わず普遍の事実のようです。まさに、不動産は資産の「王様」なのです。不動産投資のメリット不動産を所有することで得られる賃料収入は安定的です。毎月決まった賃料が入ってくるので、継続的に収入を得ることができます。このように、一度顧客が付くと継続的に収入を確保できる形態を、「ストック型ビジネス」といいます。その代表例として、電力・ガス事業、鉄道事業、通信事業、医療事業が挙げられます。そして、不動産賃貸業も典型的なストック型ビジネスです。一方、その都度の取引で収入を得ている形態を、「フロー型ビジネス」といいます。フロー型ビジネスのフロー(flow)は流れという意味です。フロー型ビジネスの代表例としては、居酒屋やレストランなどの飲食店、コンビニエンスストアなどの小売店が挙げられます。フロー型ビジネスは各顧客との取引が一度きりであるため、顧客から継続的な収益を得ることができません。収入が安定しにくいのがフロー型ビジネスの特徴です。ビジネスモデルとしての安定度は、ストック型ビジネス>フロー型ビジネスとなります。不動産投資のメリットはたくさんありますが、一度賃借人を確保してしまえば、何もしなくても毎月のように賃料収入があることが最大のメリットです。また、不動産は時価で売却することも可能です。そういう意味では、不動産はお金が実物資産に変化したものと考えることも可能です。さらに、不動産を売却しなくても、不動産を担保にして銀行から融資を受けることもできます。まるで不動産は銀行のATMのようですね。このような理由から、不動産は資産形成を行ううえで必要不可欠な存在といえます。不動産投資の注意点一般的に不動産は高額な商品です。株式や仮想通貨のように、数万円ほどのお小遣いを使って投資する、といった芸当はできません。このため、「投資」といえども物件の目利き能力や不動産の運営能力を習得する必要があります。医師の場合は高属性を利用できるため、その気になればいきなり1億円を超えるような収益1棟マンションを購入できることもあります。しかし、ほぼ満額に近い金額を銀行融資で賄う場合には、うまく運営しないと破綻してしまう危険性が高まります。このため、事前に不動産投資手法を勉強することが必須といえるでしょう。

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男女における握力とうつ病との関連

 筋力は、高齢者のメンタルヘルスにおける、修正可能な保護的要因である。性差のエビデンスにおいて、メンタルヘルスとその関連は限られている。アイルランド・リムリック大学のCillian P. McDowell氏らは、握力とうつ症状やうつ状態との横断的および将来的な関連について、性差の評価を行った。Experimental gerontology誌オンライン版2018年2月14日号の報告。 対象は、50歳以上の一般成人4,505例(女性:56.5%)。筋力の尺度として、ベースライン時に、手持ち式の握力計を用いて利き手の握力(kg)を測定した。対象者は、握力別に三分位に振り分けられた。ベースライン時と2年後のうつ症状は、疫学研究用うつ病尺度(CES-D:Center for Epidemiological Studies Depression Scale)で評価し、16点以上をうつ病例とした。 主な結果は以下のとおり。・うつ症状は、ベースライン時では女性において有意に高かった(p<0.001)。・将来モデルは、年齢、性別、腹囲、社会階級、喫煙、健康状態で調整した。・男性におけるうつ病発症オッズは、三分位の中位で32.9%減少し(p=0.21)、上位で9.9%減少したが(p=0.74)、それぞれ有意な関連ではなかった。・女性におけるうつ病発症オッズは、三分位の中位で28.5%減少し(p=0.13)、有意な差は認められなかったが、上位では43.4%の有意な減少が認められた(p=0.01)。・全サンプルにおけるうつ病発症オッズは、三分位の中位で31.5%減少し(p=0.04)、上位で34.1%減少しており(p=0.02)、それぞれ有意な関連が認められた。・性別と握力の相互の影響は、統計学的に有意ではなかった(p=0.25)。 著者らは「高齢者において、握力とうつ病との逆相関が認められた。この関連は、男性よりも女性において強かった」としている。■関連記事少し歩くだけでもうつ病は予防できるうつ病患者への運動介入、脱落させないコツは高齢者うつ病患者への運動療法は有効

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加齢黄斑変性の治療効果、AIで予測可能か

 ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのMarkus Rohm氏らは、加齢黄斑変性患者の治療後の視力について、機械学習を用いた予測が可能かどうか、データベース研究により検討した。著者は、「治療3ヵ月後の視力については実測値に匹敵する結果を予測でき、12ヵ月後の視力についても、その予測値が硝子体内治療の継続に対する患者のアドヒアランスを高めるのに役立つのではないか」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2018年2月14日号掲載の報告。 研究グループは、滲出型加齢黄斑変性で抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬(3種)による治療を受けた患者を対象に、初回投与後3ヵ月および12ヵ月時の視力について、機械学習を用いた予測を目的にデータベース研究を行った。 視力の予測には、5つの異なる機械学習アルゴリズム(AdaBoost.R2、Gradient Boosting、Random Forests、Extremely Randomized Trees、Lasso)を使用。臨床データは、電子カルテ(視力などの所見41項目)およびOCT測定所見(中心網膜厚など124項目)を含むデータウェアハウス(DW)から得た。患者の視力は、実測値を除外してから機械学習で予測され、その予測値をDWに記録された実測値と比較した。 主要評価項目は、3ヵ月時および12ヵ月時の視力予測値と実測値の差(平均絶対誤差[MAE]および二乗平均平方根誤差[RMSE])であった。 主な結果は以下のとおり。・3ヵ月予測は653例738眼(女性379例、平均年齢74.1歳、初回投与前の視力0.54±0.39 logMAR)を対象とした。・このうち12ヵ月予測に関する十分な追跡データが得られたのは、456例508眼(女性270例、平均年齢74.2歳、初回投与前の視力0.56±0.42 logMAR)であった。・予測値と実測値の差は、3ヵ月時に関しては、MAE 0.11 logMAR(5.5文字)/RMSE 0.14(7文字)からMAE 0.18 logMAR(9文字)/RMSE 0.2 logMAR(10文字)の範囲であった。・同様に12ヵ月時に関しては、MAE 0.16 logMAR(8文字)/RMSE 0.2 logMAR(10文字)からMAE 0.22 logMAR(11文字)/RMSE 0.26 logMAR(13文字)の範囲であった。・最も性能が良好なアルゴリズムは、Lassoプロトコールであった。

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降圧治療、自己モニタリングに効果はあるか?/Lancet

 血圧コントロールが不十分な高血圧患者における降圧薬の用量調整法として、血圧の自己モニタリングは、遠隔モニタリング併用の有無にかかわらず、診察室での用量調整に比べ、1年後の収縮期血圧を有意に低下させることが、英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが行ったTASMINH4試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年2月27日号に掲載された。自己モニタリングによる降圧薬の用量調整に関しては、相反する試験結果が報告されており、遠隔モニタリングの正確な位置付けは、明らかにされていないという。1年後の収縮期血圧を3群で比較 TASMINH4は、降圧薬の用量調整における、血圧の自己モニタリングおよび自己モニタリング+遠隔モニタリングの効果を、通常治療と比較する非盲検無作為化対照比較試験(英国国立衛生研究所[NIHR]などの助成による)。 年齢35歳以上、3剤以内の降圧薬治療を行っても診察室血圧が140/90mmHg以上の高血圧患者が、血圧の自己モニタリング、自己モニタリング+遠隔モニタリング(遠隔モニタリング群)、通常治療(診察室での医師による用量調整)の3つの群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。参加者と担当医には、割り付け情報が知らされた。 主要アウトカムは、12ヵ月後の受診時の収縮期血圧であった。 英国の142の一般医(GP)施設に1,182例が登録され、1,173例が割り付けの対象となった。ベースラインの平均年齢は66.9歳(SD 9.4)、半数強が男性で、平均収縮期血圧は153.1/85.5(SD 14.0/10.3)mmHg、高血圧診断からの平均経過期間は10.2年(SD 8.4)であった。プライマリケアへの導入が推奨される可能性 解析には、1,003例(85%、自己モニタリング群328例、遠隔モニタリング群327例、通常治療群348例)が含まれた。 12ヵ月時の平均収縮期血圧は、自己モニタリング群が137.0(SD 16.7)mmHg、遠隔モニタリング群は136.0(16.1)mmHgと、通常治療群の140.4(16.5)mmHgに比べいずれも有意に改善し、通常治療との補正平均差(AMD)は、自己モニタリング群が-3.5mmHg(95%信頼区間[CI]:-5.8~-1.2、p=0.0029)、遠隔モニタリング群は-4.7mmHg(-7.0~-2.4、p<0.0001)であった。 自己モニタリング群と遠隔モニタリング群との間には、有意な差を認めなかった(AMD:-1.2mmHg、95%CI:-3.5~1.2、p=0.3219)。多重代入を含む感度分析でも、同様の結果が得られた。 6ヵ月時の平均収縮期血圧は、自己モニタリング群が140.4(SD 15.7)mmHgと、通常治療群の142.5(15.4)mmHgとの間に差はなかった(AMD:-2.1、95%CI:-4.3~0.1、p=0.0584)が、遠隔モニタリング群は139.0(16.8)mmHgであり、通常治療群に比べ有意な改善が認められた(-3.7、-5.9~-1.5、p=0.0012)。 有害事象の発生状況は3群で類似しており、不安感にも差を認めなかった。心血管イベント(初発心房細動、狭心症、心筋梗塞、冠動脈バイパス術/血管形成術、脳卒中、末梢血管疾患、心不全)は、自己モニタリング群が12例、遠隔モニタリング群が11例、通常治療群は9例にみられた。 著者は、「自己モニタリングは、それを望むすべての高血圧患者の血圧管理法として、プライマリケアにおいて推奨可能であり、理想的には、遠隔モニタリングシステムを組み込んだ有用性の高い家庭血圧計の供給が求められる」としている。

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健康状態に関係なく余暇身体活動で死亡率低下~アジア50万人調査

 余暇身体活動(LTPA)と死亡リスクの関連を評価する研究は、ほとんど欧州系の健康人で実施されている。今回、米国・Vanderbilt-Ingram Cancer CenterのYing Liu氏らが東アジアの健康人および慢性疾患患者のコホートで調査を実施し、アジアの中高齢者において、定期的なLTPAが健康状態にかかわらず死亡率低下と関連していることが示唆された。International journal of epidemiology誌オンライン版2018年2月27日号に掲載。 本研究では、アジアコホートコンソーシアムに含まれる9件の前向きコホートに参加した東アジアの46万7,729人でプール解析を行い、LTPAと全死因および原因別死亡率の関連を調べた。年齢、性別、教育、婚姻状況、喫煙状況の調整後、Cox比例ハザード回帰を用いてLTPAに関連するハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間の13.6年に、6万5,858人の死亡が確認された。・LTPAが1時間/週未満の人と比較したところ、LTPA量と全死因および原因別死亡率との間に逆相関が認められた(傾向のp<0.001)。・逆相関は、心血管疾患による死亡、がん以外による死亡で強かった。・LTPAと全死因死亡率との逆相関については、重度でしばしば生命を脅かす疾患である、がん、脳卒中、冠動脈疾患の患者(低LTPAに対する高LTPAのHR:0.81、95%CI:0.73~0.89)と、糖尿病や高血圧などのその他慢性疾患患者(低LTPAに対する高LTPAのHR:0.86、95%CI:0.80~0.93)で認められた。・性別、BMI、喫煙状況による明らかな修飾効果は確認されなかった。

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ニボルマブの480mg4週ごと投与、FDAが承認

 米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2018年3月6日、米国食品医薬品局(FDA)が、480mg固定用量4週間ごと投与の追加適応を含む、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の生物学的製剤承認一部変更申請を承認したと発表。この承認により、医療者は、新バイアルによる240mgの2週間ごと投与と、480mgの4週ごと投与を、患者に合わせて選べるようになる。また、すべてのニボルマブ適応疾患で、従来より短い30分投与も承認された。 480mg固定用量4週ごと投与は、下記の適応症に対して承認されている。・転移性メラノーマ(単独投与またはイピリムマブとの併用療法後の単独投与)・既治療の転移性非小細胞肺がん・抗血管新生療法後の進行腎細胞がん・プラチナベース化学療法中または後に進行した局所進行または転移性尿路上皮がん・自家造血幹細胞移植(HSCT)とブレンツキシマブ ベドチン、または自家HSCT含む3ライン以上の全身療法の後に再発/進行した古典的ホジキンリンパ腫・プラチナベース治療後の再発/転移性の頭頸部扁平上皮がん・ソラフェニブ治療後の肝細胞がん・完全切除されたメラノーマの術後アジュバント療法■参考ブリストル・マイヤーズ スクイブ社プレスリリース

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複雑性尿路感染症に対するメロペネム/vaborbactamの効果(解説:吉田 敦 氏)-826

 多剤耐性グラム陰性桿菌、とくにカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌(CPE)の増加と蔓延は、抗菌薬療法の限界を示唆する耐性菌、いわゆる「悪魔の耐性菌」として今や人類の脅威となっている。現在使用できる抗菌薬が限られている中で、セリン型のクラスAおよびクラスC βラクタマーゼを阻害するボロン酸であるvaborbactamとカルバペネム(メロペネム)を配合したメロペネム/vaborbactam(以下MEPM/VBT)が登場し、体内動態に関する第I相試験が行われていたが、今回第III相試験の結果が発表された。 本試験は国際多施設参加ランダム化比較試験であり、18歳以上の複雑性尿路感染症あるいは腎盂腎炎の症例を無作為にMEPM/VBT投与群(2g/2gを3時間かけて投与、1日3回)とピペラシリン/タゾバクタム(PIPC/TAZ)投与群(4g/0.5gを30分で投与、1日3回)に割り付けた。15回以上投与した後、あらかじめ定めた臨床的な改善基準を満たした場合、経口のレボフロキサシンに変更可能とし、治療期間は計10日間とした。primary end pointにはFDA基準(臨床的改善・治癒と、静注薬終了時の尿細菌数が104 CFU/mL未満)とEMA(欧州医薬品庁)基準(治療終了後に治癒確認を目的に診察した際の尿細菌数が103 CFU/mL未満)を用いた。 最終的に17ヵ国550例を対象とすることができ、272例がMEPM/VBT投与群に、273例がPIPC/TAZ投与群に割り付けられた。このうち腎盂腎炎は59%、尿中菌数が105 CFU/mL以上であったのは69%であり、原因微生物のうち65%は大腸菌、15%はK. pneumoniaeであった。なお大腸菌のうちPIPC/TAZ耐性率は5%、MEPM耐性菌はなく、K. pneumoniaeのうちPIPC/TAZ耐性率は42%、MEPM耐性率は5%であった。Primary end pointを達成した成功率は、FDA基準ではMEPM/VBT群98.4%、PIPC/TAZ群94.0%であり、MEPM/VBTはPIPC/TAZに非劣性であるばかりか、それよりも優れていた。EMA基準では、MEPM/VBT群66.7%、PIPC/TAZ群55.7%であり、これでも非劣性が判明した。有害事象はMEPM/VBT群39.0%、PIPC/TAZ群35.5%で報告されたが、抗菌薬に関連したものはそれぞれ15.1%、12.8%であり、重度のものは2.6%、4.8%であった。MEPM/VBT群で多かったのは頭痛や下痢、ALT上昇などであったが、副作用のために投与を中止したのは2.6%とPIPC/TAZ群の5.1%より少なかった。 今回の報告は、βラクタマーゼ・カルバペネム配合剤のヒト感染症例でのランダム化比較試験としては、初めてのものである。この結果を受けて、FDAは2017年8月に成人の複雑性尿路感染症を対象に本剤を認可した(Vabomere)。ただし本試験にはいくつかの限界が存在する。SIRSの基準を満足している割合が1/3以下と高くないこと、原因微生物がメロペネム耐性菌である割合が低く(PIPC/TAZ耐性率は高い)、そもそもカルバペネム耐性菌を主対象とした研究でないことである。そしてこれまでの検討で、MEPM/VBTはCPEのうちKlebsiella pneumoniae Carbapenemase(KPC)には有効であるが、クラスBのメタロβラクタマーゼ産生菌(代表的なのはNDM)にはあまり有効でないことが指摘されている1)。カルバペネム耐性腸内細菌科細菌による複数の感染症に対し、本剤の有効性を調べた続発試験(TANGO II)が行われたとも聞く。KPCが多い地域と、メタロβラクタマーゼ産生菌が多い本邦やアジアでは、本剤が適応となる状況は異なると思われる。メタロβラクタマーゼ産生菌に使用できる選択肢が増えることが、さらに望まれる状況にある。

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