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喘息管理におけるLABAの安全性は?/NEJM

 長時間作用性β2刺激薬(LABA)+吸入ステロイド薬(ICS)併用療法は、ICS単独と比較して、重篤な喘息関連イベントリスクを有意に高めることはなく、また喘息発作が有意に少ない結果であったことが、米国・ウィスコンシン大学マディソン校のWilliam W. Busse氏らによる、4試験の統合メタ解析の結果、示された。喘息管理におけるLABAの安全性の懸念は、死亡リスクの増加が認められた市販後大規模調査で初めて認識された。そこで米国医薬品局(FDA)は2010年に、販売4社(アストラゼネカ、グラクソスミスクライン、メルク、ノバルティス)に対して、思春期(12~17歳)および成人患者を対象としたLABA+ICS vs.ICS単独の安全性に関する前向き無作為化試験の実施を命じていた。NEJM誌2018年6月28日号掲載の報告。LABA+ICS vs.ICS単独の4試験の結果を統合メタ解析 試験実施に際して製造業者は、FDAと協力して、最終的に独立合同監視委員会が4試験の統合解析(とくに主要アウトカムおよび副次アウトカムの評価)が行えるように、試験方法を調整していた。なお、アストラゼネカ、グラクソスミスクライン、メルク各社による3試験は完了し結果がそれぞれ発表されたが、ノバルティスによる試験は、同社が該当の薬剤を米国市場から撤退させたため(安全性が理由ではない)中途で終了となった。 Busse氏ら研究グループは、それら4試験に登録された患者3万6,010例(アストラゼネカの試験1万1,693例、グラクソスミスクライン1万1,750例、メルク1万1,744例、ノバルティス823例)のデータを基に、LABA+ICS併用群とICS単独群を比較するintention-to-treat(ITT)解析を行った。主要アウトカムは、事前に規定した喘息に関連した挿管または死亡の複合であった。また、割り付け試験薬を1回以上服用した患者を包含した修正ITT集団のデータを基に事後の副次統合解析も行い、重篤な喘息関連イベント(入院、挿管、死亡の複合)を評価した。重篤な喘息関連イベントリスクや発作リスクの高いサブグループ患者の解析も行った。併用群の有益性が示される結果に ITT解析で4例の患者において、喘息関連の挿管が3件(2件がICS単独群、1件が併用群)、喘息関連の死亡が2例(いずれも併用群)あった。 重篤な喘息関連イベントの副次解析では、ICS単独群では108/1万8,006例(0.60%)、併用群は119/1万8,004例(0.66%)で、少なくとも1回以上の各イベントが認められた(併用群の相対リスクは1.09、95%信頼区間[CI]:0.83~1.43、p=0.55)。また、少なくとも1回以上の喘息発作を有したのは、ICS単独群2,100例(11.7%)、併用群1,768例(9.8%)であった(相対リスク:0.83、95%CI:0.78~0.89、p<0.001)。

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不撓不屈の(?)橈骨動脈(解説:今中和人氏)-882

 橈骨動脈(RA)のCABGでの使用は長らく廃れていたが、1990年代になってオーストラリアのBuxton先生らを中心にリバイバルが起きた。その後、多くの外科医が著した雨後のたけのこのような論文の結論はひどく食い違い、内胸動脈に匹敵すると高く評価する論文もあれば、静脈と同等以下とする論文もある。グラフト開存への影響が大きい、冠動脈の狭窄度や灌流域の広さなどに関するバイアスを感じる論文も少なくないが、唱道者のBuxton先生らがRAは静脈と同等と結論した後もRA擁護論は根強く、RAが優れているのか大して違わないのか判断しかねる状態が続く中で発表されたメタ解析である。 本論文は612本ものRAの論文から、最終的に1%未満、わずか6本に厳選されたランダム化試験(LADには内胸動脈をつなぎ、回旋枝か右冠動脈に吻合したRAと静脈を比較する)をメタ解析している。ただ、2年以上の追跡が選抜条件のはずなのに、6本中1本はなぜか1年の追跡であったり(結論への影響のほどは不明だが)、過半数が2000年以前の手術症例で発表年度の古い論文が多く、厳選の割に臨床経過のみの論文、術後造影のみの論文、全例オフポンプ、内胸動脈の側枝として使う論文など、デザインはもちろん、ランダム化の根本的コンセプトさえバラバラで、何だかスッキリしない印象はある。 結論は、RAは静脈グラフトと比べ、遠隔期の心筋梗塞はp=0.04、再血行再建とグラフト閉塞はp<0.001と強い有意差をもって少なく、全死因死亡は有意差がなかった。6つの論文は平均バイパス本数が3本強なので、内胸動脈―LADの1本以外にRA群は1本のRAと1本以上の静脈(sequential吻合でなければ)、静脈群は2本以上の静脈である。RA論文の著者の大半はRA期待派なので、患者に良い結果を与えるべく、「ここぞ」という枝にRAを吻合し、他は静脈を使うことになりがち。だから遠隔開存の比較の多くは、屈強なアスリートのみの選抜チームと、メンバーの相当数がひ弱なチームの勝負のようなものである。その点、今回の6本中の1本、2012年発表のRAPS studyは、1人の患者内でRAを吻合する枝をランダム化して、このバイアスを最小化しており(この試験はRAの圧勝)、内胸動脈にcompositeしてsequential吻合を多用する韓国からのstudyも公平性が高く、感服する(この試験は静脈と同等)。 RAは筋性動脈で、内胸動脈とは全然違って壁が厚くて硬く、採取するとプラークが複数あることも多い。ぜひとも使用すべきというほど優れているのか評価が一定しないうえ、腎障害症例では将来の内シャント作成の妨げになるなどの問題もあり、日本冠動脈外科学会の集計によれば、本邦におけるRAの使用は年々減少し、2016年は3.8%(つまり3枝バイパス10例中1例)と、われもわれもという雰囲気だった10年前の1/3程度に減っている。おそらくRA期待派にややシフトした一流誌のこの1本は、影響されやすい日本人のトレンドをまたまた変えるだろうか?

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第4回 水分摂取と各飲料水の糖分について【実践型!食事指導スライド】

第4回 水分摂取と各飲料水の糖分について医療者向けワンポイント解説水分摂取と各飲料水の糖質比較これからの時期、水分摂取を意識することが増え、ペットボトルを購入する機会も多くなりますが、ここに水分摂取の落とし穴があります。1日の水分摂取量の目安として、水分制限がない場合は約1.5~2.0Lといわれています。これは、コップ1杯を200mLと換算して、8~10杯ほどです。水分には、「酸素や栄養素を運ぶ働き」「老廃物を排泄する働き」「血液を循環させる働き」「汗として体温を調整する働き」「体液の性状を一定に保つ働き」など多くの働きがあります。朝、起きがけの1杯から始め、こまめな水分摂取が必要です。夏の時期、「電解質の多いスポーツドリンクを飲んだほうが良い」と考えている糖尿病患者さんなどが、無意識下で清涼飲料水による糖分の過剰摂取で高血糖や清涼飲料水ケトーシスを引き起こすケースもあります。大手2社のスポーツドリンク(ペットボトル500mL)で清涼飲料水の糖質を比較した場合、A社は23.5g、B社は31gでした。これを1本3gのスティックシュガーで換算すると、A社は約8本分、B社は約10本分に相当します。また、最近では、水と間違えてしまうような清涼飲料水もあります。これでは、水分を摂取しているつもりで、糖質を大量に摂取してしまうことになります。飲料に入っている糖分の問題点は、もう1つあります。裏の表示を見ると「果糖ぶどう糖液糖」「果糖 砂糖」などの表記があります。果糖(フルクトース)やブドウ糖(グルコース)は単糖類に分類され、それ以上加水分解されない糖のため、体内に入るとすぐに腸管から吸収されます。また、液糖であることでより吸収がされやすくなります。吸収された糖は、血糖値の急上昇へつながるため、血糖コントロールへの影響、糖化など、生活習慣病のリスクが高くなります。また、果糖は、内臓肥満やメタボへの影響が強く、米国・カリフォルニア大学デービス校のStanhope氏らは「ヒトにエネルギー比25%のフルクトースを10週間摂取させると、内臓脂肪の増加、脂質代謝異常、インスリン抵抗性の発症が引き起こされる」と報告しています1)。さらに、フルクトースはグレリンの抑制作用がなく、満腹中枢にも働かないため、その点においても肥満を助長させる大きな要因となります。空調のきいた室内にいることが多い、運動などをあまりしないなど、大量に汗をかくような環境ではない方や、食事がきちんと食べられている方は、食事から塩やミネラルが摂れるので、水、お茶、麦茶(ミネラル含有)などを中心に水分を摂取してもらいましょう。まずは清涼飲料水の糖質量の多さを認識してもらうこと、清涼飲料水に多く含まれる果糖摂取のリスクを患者さんに認識してもらうことが大切です。飲み物を買う際には、原材料名が記載されたラベルの確認を習慣にするよう伝えることもお勧めします。1)Stanhope KL, et al. J Clin Invest. 2009;119:1322-1334.

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第8回 訪問診療同行時に医師に尋ねられたこと【はらこしなみの在宅訪問日誌】

こんにちは。在宅訪問専任の薬剤師・はらこしなみです。地域連携の会に参加したら知り合いばかり!先日、地域の認知症連携懇話会に参加したとき、100名の参加者のほとんどが関わりのある人達ばかりで驚きました。たくさんのケアマネさんや先生、訪問看護師さんが、色々な所で繋がっています。医師からはこんなことを尋ねられます医師の訪問診療に同行したときに医師から尋ねられたことを紹介します。アサコールの簡易懸濁は?Dr.:アサコールを簡易懸濁したい。溶解は?はらこし:腸溶錠なので、胃ろうからの注入はだめですが、腸ろうならばオッケーです。 取り出し後の湿気に注意する必要があります。フィルムは溶けません。pH7以上で放出、pH6.4では溶けません。カテーテルの太さはいくつですか?8Fr、14Frだと△です。詰まるかもしれませんし、フィルムが溶けないので取り除く必要があります。サラゾピリンの素錠であれば、8Frで○です。ペンタサは腸溶部分が溶けないため、カテーテルの入り口に詰まるとメーカーから聞いています。外用剤は何が一番効く?Dr.:外用剤は何が一番効く?湿布、抗真菌薬、抗炎症薬、それぞれ教えて。はらこし:それは難しいです...。外用剤は特に適正使用(方法、量)が重要だと思いますので、療養者の環境やADLを考慮して選んだり、質感の心地よいもの(クリームが好きな人、サラサラローションが良い人)などで継続しやすいものを、と考えて提案しています。麻薬処方箋には何を記載?Dr.:麻薬処方箋には何を記載するんだっけ?はらこし:患者住所と先生の免許番号です!こんな感じで、いろいろと医師とやりとりしています。専門が異なる他の医師の処方意図や薬剤の用法用量をお伝えすることもあります。医師同士の情報交換が頻繁にできない先生には参考になるようです。

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ベンゾジアゼピン依存に対するラメルテオンの影響

 一般的に、ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の減量が困難な患者では、長期間BZ系睡眠薬が処方される。ラメルテオンは、BZ受容体を介する睡眠薬とは異なる作用機序を有しており、生理的な睡眠を促す睡眠薬である。宮崎大学の長友 慶子氏らは、不眠症患者におけるラメルテオンとBZ依存について調査を行った。Asian journal of psychiatry誌オンライン版2018年6月7日号の報告。 不眠症患者42例(平均罹病期間:11.3±9.6年)を、ラメルテオン群22例(就寝前にラメルテオン8mg/日をBZに併用)と対照群20例(BZのみを継続投与)に割り付けた。データ分析には、二元配置反復測定分散分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・BZ依存および離脱症状に関するアンケートで、ラメルテオン群には、0週目と比較し、16週以上でスコアの有意な改善が認められた。・ラメルテオン群における0週目と比較した16週目の有意な改善は、ピッツバーグ睡眠質問票の抜粋版および機能の全体的評価(GAF)で観察された。・ウィルコクソンの順位和検定では、16週目以降のラメルテオン群において、BZ系睡眠薬の併用数が有意に減少していた。対照群では、このような変化は認められなかった。 著者らは「長期不眠症患者に対するラメルテオン併用療法は、BZ系睡眠薬の併用数を減少させることが可能である」としている。■関連記事2つの新規不眠症治療薬、効果の違いはメラトニン使用でベンゾジアゼピンを簡単に中止できるのか睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか

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生物学的製剤の早期導入で寛解を目指す

 冒頭では、イミュノロジー グローバルマーケティング&コマーシャルオペレーションズ ヴァイス・プレジデントのティアゴ・ロドリゲス氏が、「アッヴィの免疫領域におけるこれまでの貢献、これからの取り組み」について語り、ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)発売10周年を記念し、自己注射時の負担軽減を目的に開発された、新しいペン型デバイスを、世界で初めて日本で導入したことを発表した。現在も、安全性を確保したうえで効果を高めることができないかと考え、多くの国・適応を対象に生物学的製剤の臨床試験を続けているという。 講演では、「各疾患領域における生物学的製剤の役割と今後の展望」について、領域別(関節リウマチ・消化器・皮膚)で3人の演者がレクチャーを行った。共通していた内容は、この10年で難治性疾患の治療が劇的に変わったということ、そして、生物学的製剤は早期に導入されるほど、寛解率が上がるということであった。安全性などへの懸念により、早期導入が進まない現状 初めに、竹内 勤氏(慶應義塾大学 医学部 リウマチ・膠原病内科 教授)が、関節リウマチ領域について説明した。生物学的製剤による治療は、関節破壊の進行抑制、労働生産性の改善などといった効果を発揮する。しかし、すでに破壊された関節は元に戻らないため、発症後どの段階で生物学的製剤を導入するかが重要であり、2~3年以内の導入が望ましいという。同氏は、「早期導入が進まない原因として、医師が安全性を憂慮し過ぎていることが考えられる。データはたくさんあるので、医師は有効性・安全性などについて積極的に正しい知識を習得し、必要な患者さんには生物学的製剤を導入してほしい」と語った。 続いて、日比 紀文氏(北里大学北里研究所病院 炎症性腸疾患先進治療センター センター長)が、消化器領域について講演を行った。同氏は、「生物学的製剤は、難治性の炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)にパラダイムシフトを起こした」とその衝撃を表現した。かつては、薬物治療が無効な場合、大腸全摘の選択肢しか残されていなかった。しかし、生物学的製剤の登場で、難治性の炎症性腸疾患は激減し、寛解導入・寛解維持は容易になったという。同氏は、「今後、患者は多くの選択肢から適切な治療を選ぶことができ、体調の悪化による活動制限から解放され、通常の日常生活を送ることが可能になるだろう」と展望を述べた。発症後、時間が経つほど苦痛は蓄積する 最後に、小林 里実氏(社会福祉法人聖母会 聖母病院皮膚科 部長)が、乾癬を中心に、皮膚科領域への期待を語った。乾癬は、重症化すると関節破壊を起こすことがあり、QOLの低下はがんにも匹敵する1)という。乾癬治療は、2010年に抗TNF製剤が登場して以降、劇的に変化し、生物学的製剤による治療で、PASIスコア(乾癬の面積と重症度の指標)が90%以上改善する例も見られるようになった。しかし、小林氏は、PASIスコアが0になったからといって、生活の質が完全に回復するわけではないことを指摘した。同氏は、「乾癬は、発症後の身体的・精神的な苦痛が大きく、それらは蓄積され、経験として残る。早期の適切な治療がもっとも重要だ」と強調した。 講演の後には、生物学的製剤によって疾患の苦しみから解放された患者や患者の家族らがパネルディスカッションを行った。「これからの10年は、難治性疾患の苦しみで社会に出られなかった患者たちが、生物学的製剤の力を借りて社会に戻っていける時代だ」と締めくくった。

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膵がん患者の5%に素因遺伝子変異/JAMA

 膵がんの素因遺伝子や、その変異と関連する膵がんのリスクはよく知られていない。米国・メイヨー・クリニックのChunling Hu氏らは、膵がんと関連のある6つの遺伝子変異を同定し、これらの変異は全膵がん患者の5.5%にみられ、そのうち膵がんの家族歴のある例が7.9%、ない例は5.2%であることを示した。研究の成果は、JAMA誌2018年6月19日号に掲載された。遺伝学的に膵がんの素因を有する集団は、遺伝子検査を用いた早期発見により、ベネフィットを得る可能性があるという。約3,000例を含む症例対照研究 研究グループは、がん素因遺伝子の生殖細胞系列変異と、膵がんのリスクの増加の関連を検証する症例対照研究を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 2000年10月12日~2016月3月31日の期間に、膵管腺がんと診断されてメイヨー・クリニックのレジストリに登録され、末梢血リンパ球サンプルからゲノムDNAが抽出された患者3,030例を解析に含めた。公的なゲノム集成データベースからエクソームシーケンスのデータが得られた12万3,136例と、Exome Aggregation Consortiumのデータベースに登録された5万3,105例を対照とした。 遺伝性がんの遺伝子検査用に開発されたマルチプレックスPCRベースのパネルを用いてシーケンシングを行い、21のがん素因遺伝子のコーディング領域における生殖細胞系列変異を同定した。膵がん患者と対照群の遺伝子変異の頻度を比較することで、遺伝子と膵がんの関連を評価した。がん素因遺伝子の病的変異の保有およびがんの既往歴、家族歴の有無別に解析を行った。CDKN2A変異は膵がんリスクが12倍以上に 膵がん患者3,030例のうち、非ヒスパニック系白人が95.6%、女性が43.2%を占めた。診断時の平均年齢は65.3(SD 10.7)歳で、37.2%が70歳以上であった。がんの家族歴(第1、2度近親者)は、膵がんが11.3%に認められ、乳がんが22.3%、大腸がんが16.9%、卵巣がん以外の婦人科がんが5.3%、卵巣がんが5%にみられた。 21の膵がん素因遺伝子の候補のうち19に関して、生殖細胞系列の病的変異が249例(8.2%、253個)に認められた。最も頻度の高い変異はATM(69例、2.28%)であり、次いでBRCA2(59例、1.95%)、CHEK2(33例、1.09%)、BRCA1(18例、0.59%)、PALB2(12例、0.40%)、CDKN2A(10例、0.33%)と続いた。 対照群と比較して、膵がんと関連のある遺伝子の変異が6つ同定された。最も関連が強い変異はCDKN2A(膵がん群:0.30% vs.対照群:0.02%、オッズ比[OR]:12.33、95%信頼区間[CI]:5.43~25.61、p<0.001)であり、次いでTP53(0.20 vs.0.02%、6.70、2.52~14.95、p<0.001)、MLH1(0.13 vs.0.02%、6.66、1.94~17.53、p=0.01)、BRCA2(1.90 vs.0.30%、6.20、4.62~8.17、p<0.001)、ATM(2.30 vs.0.37%、5.71、4.38~7.33、p<0.001)、BRCA1(0.60 vs.0.20%、2.58、1.54~4.05、p=0.002)の順だった。 全体として、膵がん患者3,030例中167例(5.5%)が、これら6つの素因遺伝子のうち1つに病的変異を有していた。膵がんの家族歴のある343例中27例(7.9%)、家族歴のない2,687例中140例(5.2%)に、6つの素因遺伝子のうち1つに病的変異がみられた(p=0.06)。 6つの膵がん素因遺伝子変異と有意な関連がみられた因子として、進行したStage(p=0.04)、他の原発がんの既往歴(p=0.009)、乳がんの家族歴(p=0.01)、一般的な上皮がんの家族歴(p=0.04)が挙げられ、変異を有する集団は診断時の年齢が若かった(62.5 vs.65.5歳、p<0.001)。また、これらの変異の有無と全生存には、統計学的に有意な関連はみられなかった(p=0.09)。 著者は、「他の集団における再現性を評価するために、さらなる検討を要する」としている。

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細胞接着分子CADM1は菌状息肉症の診断に有効

 菌状息肉症(MF)は、最も頻度の高い皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)であるが、早期MFの紅斑(Patch)と局面(Plaque)は、乾癬やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患(ISD)によく似ている。ヒトの非小細胞肺がんのがん抑制遺伝子として同定された細胞接着分子のCADM1は、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の診断マーカーとして報告されており、今回、新潟大学大学院医歯学総合研究科の結城 明彦氏らは、「CADM1陽性細胞は浸潤が少ない早期症例で確認され、早期MFの診断マーカーとして有用かもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年6月18日号掲載の報告。 研究グループは、早期MF腫瘍細胞におけるCADM1の発現と、それがMFの診断マーカーとして評価されるかを調査する目的で、多施設共同後ろ向き研究を行った。 免疫組織化学染色を用いて、MFのCADM1の発現を確認した。それに加え、マイクロダイセクションにより得られたMFとISDの各標本のCADM1 mRNAの発現を比較した。 主な結果は以下のとおり。・MFは58例中55例(94.8%)がCADM1陽性であった。・ISDは50例すべてがCADM1陽性を示さなかった(p<0.0001)。・MF症例の真皮内リンパ球においてCADM1 mRNAの発現を確認したが、ISD症例では見られなかった。

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デュルバルマブ、切除不能StageIII非小細胞肺がんに国内承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年7月2日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果としたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)の国内における製造販売承認を取得したことを発表。 切除不能なStage IIIの非小細胞肺がんは、同時化学放射線療法(CRT)による根治を治療目的としながらも、患者の89%はCRT後に病勢が進行、転移しており、5年生存率は15%と報告されている。本承認は第III相PACIFIC試験の無増悪生存期間(PFS)データに基づいている。 また、米国AstraZeneca社のプレスリリースによれば、2018年5月に発表された全生存期間(OS)の中間解析では、プラセボ投与群との比較でデュルバルマブ投与群において、臨床的に意味のある延長を伴う統計学的に有意な結果が示されたとのこと。この結果は今後の学会で発表される予定である。 アストラゼネカはまた、「保険外併用療養費制度」のもと、本剤の無償提供を実施する。無償提供は、適正使用の観点より、本剤開発治験実施医療機関等の限定された医療機関において、承認された効能・効果、用法・用量に従ってのみ使用すること、無償提供期間中に弊社が実施する市販直後調査に準じた活動を含む適正使用推進等の各種安全対策にご協力することを条件に実施する。提供は製造販売承認取得日以降に開始し、薬価収載前日に終了する。■関連記事durvalumab、切除不能StageIII NSCLCのOSを有意に改善(PACIFIC)durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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19)ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)【解説編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)吸入の手順を説明します。手順としては、赤い矢印を自分側に本体を持ち、キャップを外す→上部の吸入口を後ろに倒す→アルミシートからカプセルを1つ取り出す→カプセルを本体の穴にセットして、吸入口を閉じる(カチッと音がする)→青いボタンを親指と人差し指で、両側からカチッと音がするまで1回押す→本体下部の矢印部分を持つ→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→カラカラとカプセルの音が鳴る→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→吸入口を開け、粉薬が残っていないか確認する(残っている場合はなくなるまで吸入を繰り返す)→カプセルを直接ゴミ箱に捨てる(手に持たない)→カバーを閉め、キャップをする→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。※注意するポイント吸った時に少し甘みを感じても、問題はありませんカプセルは飲み薬ではありません1日1回定期的に吸入します針で穴を開けないで吸入している場合があるので、青いボタンは必ず1回だけ押します(複数回押すとカプセルが破損する恐れがあります)指を青いボタンから離して吸入します吸入時に音がしない場合は、容器を軽くたたいてから再度吸入しましょう本体は水洗いできないので、1ヵ月を目安に取り換えましょう●主な製剤(2015年3月時点のデータ)ブリーズヘラー(オンブレス、シーブリ、ウルティブロ)

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第6回 医師家系の一例【宮本研のメディア×ドクターの視座】

第6回 医師家系の一例近所の人たちに「将来は、お医者さんになるの?」と聞かれていた先生は少なくないと思います。私も幼稚園の頃、「オイシャサン」が何だか分からないものの、病院官舎へヨレヨレの白衣姿で戻ってくる父が、その人だとぼんやり認識していました。当時、某県の子ども病院へ医局派遣されていた父は、小児心臓外科の立ち上げのため、ICUに泊まり込むハードな日々を送っていたそうです。ほとんど家へ帰らない日々で、古い官舎へ戻ってくるのは着替えなど、ごく限られた時間でした。「どこかにパパがいる」と時々、病院の食堂で昼食を食べつつ、五感で学んでいました。おおらかな時代だったのか、入院中の小児患者さんたちと並んで食事ができる病院で、「ずいぶん元気そうなお子さんなのに、病気だなんてかわいそう…」と、母は周囲から何度も声をかけられたそうです。病院入口のスロープでは、小児患者の車椅子を一生懸命に押していた記憶もあります。祖父もまた胸部外科医であったことも、医療環境に幼くして馴染んだ理由かもしれません。曾祖父も内科の開業医でした。医師家系の場合、このように幼い頃から医師のリアルな姿に馴染みがあり、周囲からも跡継ぎを期待されて…という状況が珍しくないと思います。科や勤務形態は違っても、親・兄弟に医師が多くいたり、医師どうしが結婚して義理の両親も医師、という場合もあります。結婚式がまるで2つの医局の顔合わせ状態に、というのも“医師あるある”ではないでしょうか。どちらの教授から祝辞を述べてもらうか、仲人を立てるべきか、お車代はいくらにしようか、と悩んだ事例も少なくないでしょう。つまり、大人どうしの自然な恋愛で医師カップルが誕生する一方で、医師家系の継承という大前提が、相手選びに制限をもたらすことも起こりやすい。それらのメリットやデメリットを論じるのは難しいものの、“純粋な医療貢献を目指す人たち”という見方だけでは、医師家系の理解は難しいでしょう。職業が特殊であることは、キャリアも競争もごく限られたメンバー間で勝負していくことにつながります。高学歴者の集団ですから、医師業界の上位争いはとても厳しい。でも国家資格それ自体が、社会の信用を得る有効なツールであり続けます。多くの先人が築いてきた医療行為や研究成果によって、現在の私たちが社会の信認を受けていると言えるでしょう。さらに医師は富裕層の代表格として、いつもメディアで取り上げられる職業です。「社会的地位も名声もあり、稼ぎも良い。不景気でも失業しない」というイメージで、医学部人気が上昇するのは避けられず、偏差値が高止まりしている現状が、この職業の期待値をさらに高めていきます。「子供たちも医師になって欲しい」という親は、教育熱心にならざるを得ません。医師免許を取得できれば何とかなる、といった安易な風潮には懸念を持たざるを得ませんが、継承案件がある場合は切実です。「同族で継いでほしい」という気持ちから、「医師免許を取らせたい」という親なりの熱意が生まれやすくなります。昨今の医療は過去の医師たちが経験した事例とは、かなり異質な方向に発展を遂げています。WEBを中心に加速度的な進歩を遂げ、人工知能の活用やリアルワールドデータを用いた医療行為の品質改善など、数年後の状況すら現役医師が正確に予測できない事態です。世界に冠たる国民皆保険や診療報酬制度があるから大丈夫、という認識も揺るぎはじめ、既存の医業継承が将来可能なのか、見通しにくい経営環境となっています。「お子さんもお医者さんに?」と質問されたとき、医師という職業の将来を正確に予測できない点を、どのように相手へ伝えればよいのでしょうか? 余計なことは言わず、「はい、そのつもりです」と笑顔で答えれば問題ないのでしょうか? 私も子どもたちの将来を考えるとき、曾祖父以来100年以上続く医師家系を、いつどのように事実として伝えるべきか、しばし考えてしまいます。ちなみに100年以上前の医療の状況は、日本内科学会誌のアーカイブから閲覧できます。この1913年の第1巻には、巻頭で「腎臓炎」の論説が掲載されており、腎臓内科医の1人として、思わず読みふけってしまう底知れぬ魅力があります。保険診療を行う上で根拠となっている医学的な根拠は、こうして膨大な年数を経ながら、果てしない試行錯誤を先駆者たちが築いていった結果であり、今もそのアップデート中と実感できます。未知への家族的な挑戦が、医業の継承につながっている側面もあるのでしょう。私は医師家系を賞賛するわけでも否定するわけでもありませんが、実際にその一員として人生を過ごしていると、無視せずに当事者が考える複雑な意義があるとも思います。実は、古くて新しいテーマなのです。

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脂質代謝遺伝子の発現を調節する高脂血症治療薬「パルモディア錠0.1mg」【下平博士のDIノート】第4回

脂質代謝遺伝子の発現を調節する高脂血症治療薬「パルモディア錠0.1mg」今回は、「ペマフィブラート錠0.1mg(商品名:パルモディア)」を紹介します。本剤は、フィブラート系薬に分類される高脂血症治療薬で、核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体PPARαに選択的に結合し、脂質代謝遺伝子の発現を調節することで、血中の中性脂肪(トリグリセライド:TG)を低下させるとともにHDL-コレステロール(HDL-C)を増加させる作用を有します。<効能・効果>高脂血症(家族性を含む)の適応で、2017年7月3日に承認され、2018年6月1日より販売されています。本剤は、選択的にPPARαに結合した後、PPARαの立体構造変化をもたらすことで、主に肝臓の脂質代謝に関わる遺伝子群の発現を選択的にモジュレート(調節)して、脂質代謝を改善します。なお、本剤をLDL-コレステロール(LDL-C)のみが高い高脂血症治療の第1選択薬として用いることはできません。<用法・用量>通常、成人にはペマフィブラートとして1回0.1mgを1日2回朝夕に経口投与します。年齢・症状に応じて適宜増減可能ですが、最大用量は1回0.2mgを1日2回までです。<禁忌>次の患者には投与しないこと重篤な肝障害、Child-Pugh分類B/Cの肝硬変のある患者あるいは胆道閉塞のある患者(肝障害の悪化、または本剤の血中濃度が上昇する恐れがある)胆石のある患者(胆石形成が報告されている)妊娠または妊娠している可能性のある患者シクロスポリン、リファンピシンを投与中の患者(併用により、本剤の血中濃度が著しく上昇する恐れがある)<臨床効果>第III相臨床試験であるフェノフィブラートとの比較検証試験において、TG高値かつHDL-C低値を示す脂質異常症患者223例に、本剤0.2mg/日または0.4mg/日を1日2回朝夕食後、もしくはフェノフィブラート錠106.6mg/日を1日1回朝食後で24週間投与しました。その結果、空腹時血清TGのベースラインからの変化率は、フェノフィブラート群が-39.685±1.942%であったのに対し、本剤0.2mg群は-46.226±1.977%、0.4mg群は-45.850±1.942%であり、本剤のフェノフィブラート群に対する非劣性が認められています(p≦0.01)。なお、TG高値を示す脂質異常症患者、2型糖尿病を合併した脂質異常症患者を対象とした長期投与試験において、52週にわたり空腹時血清TGの改善が維持されました。<副作用>承認時までに実施された臨床試験において、1,418例中206例(14.5%)に副作用が認められています。主な副作用は、胆石症20例(1.4%)、糖尿病(悪化を含む)20例(1.4%)、CK上昇12例(0.8%)でした。<患者さんへの指導例>1.中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを増やす薬です。2.足のしびれ・痙攣、力が入らない、覚えのない筋肉痛など、いつもと違う症状が現れたらすぐに連絡してください。3.禁煙・運動・食生活など、生活習慣の改善も併せて行いましょう。<Shimo's eyes>既存のフィブラート系薬は腎排泄型の薬剤であり、安全性の観点から腎機能障害患者、肝機能障害患者、スタチン系薬を服用中の患者では使用が制限されてきました。ペマフィブラートは、腎機能障害(eGFR:60mL/分/1.73m2未満)を有する高TG血症患者に1日0.4mgまで投与した場合であっても、正常腎機能被験者と比較して発現頻度が明らかに上昇するような有害事象は現時点では認められていません。また、本剤と各種スタチン系薬との相互作用が検討された臨床試験においても、併用による双方の薬剤の血中濃度には変化がなく、有害事象の発現頻度は上昇しなかったことが確認されています。これらのことから、本剤を腎機能障害患者が服用したり、スタチン系薬と併用したりすることによる横紋筋融解症の発現リスクは、ほかのフィブラート系薬と比較して低いことが予想されます。そのため、2022年10月に高度腎障害のある患者への禁忌が解除され、慎重投与に変更されました。本剤は胆汁排泄型の薬剤であるため、肝機能障害には注意が必要ですが、申請時資料において、フェノフィブラートに比べて肝機能障害の有害事象が少ないという可能性が示唆されるデータがあります。しかし、ペマフィブラートは、日本で開発された薬剤であり、海外では臨床試験が実施されているものの、まだ承認されていません。十分な臨床での使用経験がないため、今後の副作用報告に注視する必要があるでしょう。※2022年10月、添付文書改訂により一部内容の修正を行いました。

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ASCO2018レポート 乳がん-1

レポーター紹介2018年ASCOのテーマは、”Deliverling Discoveries:Expanding the Reach of Precision Medicine”であった。その言葉どおり、プレシジョンメディスンの言葉が随所に散りばめられていた。まさに遺伝子解析から治療を選択する時代に突入している。がん種によらず腫瘍の遺伝学的特徴から治療を決めることは当たり前の状況になっていくであろう。それに伴い、胚細胞遺伝子変異、すなわち、遺伝性腫瘍との関わりも重要視されてきており、先駆けて臨床遺伝専門医制度の指導医まで獲得しておいて良かったと思うと同時に、日本家族性腫瘍学会において家族性腫瘍専門医制度が開始されたことも時代の要請だろう。免疫療法の話題も増加している。すでにFDAが複数のがん種においてペムブロリズマブやニボルマブを認可しており、一般病院への影響についてのレクチャーもあったくらいである。乳がんというくくりでは、まだ第III相試験が行われている段階ではある。TAILORx試験最初はなんといってもプレナリーセッションからである。TAILORxは、ER+/HER2-リンパ節転移陰性乳がんに対してOncotype Dxでの中間リスクを、化学療法を追加する群としない群に分けて予後をみた大規模無作為化比較試験である。発表と同時に論文化されている(Sparano JA, et al. N Engl J Med. 2018Jun 3. [Epub ahead of print])。それ以前に低リスクでは、化学療法の追加の意義はなく、内分泌療法だけで良いことが示されている。本研究での中間リスクはリスクスコア11~25としていて、メーカーが設定しているスコアとは範囲が異なることは注意する必要がある。非劣性試験であり、全6,711名の患者が割り付けられた。化学療法はTCが56%でアントラサイクリン含むレジメンは36%であった。63%は腫瘍径1~2cm、57%は腫瘍グレードが中間であった。結果は主要評価項目である浸潤DFS、副次評価項目である遠隔RFIともまったく差はなく、非劣性が証明された。もちろんRFI、OSも非劣性である。発表の中では、探索的分析が行われており、年齢50歳以下では、リスクスコア16~25で2群間の差は浸潤DFS 9%、遠隔再発2%、21~25で浸潤DFS 6%であった。結論として、リスクスコア16~25では50歳以下で化学療法のベネフィットがあるかもしれないと要約している。しかしこれは後付けの解析であることから、さまざまな因子のサブ解析の中で、たまたま年齢だけ差が出た可能性もあり、あくまで参考程度にみておくのが良いだろう。また、化学療法群で18.4%が化学療法を受けておらず、非化学療法群で5.4%が化学療法を受けていたところが気にはなる。ASTRRA試験ASTRRA試験は化学療法後に卵巣機能が残っている方に対して、タモキシフェン(5年)に卵巣機能抑制(2年)を追加することの効果をみたもので、韓国からの報告である。化学療法後2年のうちに卵巣機能が回復したり、生理がある方をそれぞれ無作為に割り付けしている。症例数の蓄積に時間がかかったようで登録期間は2年から5年に延長された。計1,293名が割り付けされた。年齢中央値は40歳で、50%以上がn+であった。またHER2陽性が10%以上存在した。化学療法はAC-Taxaneが50%以上であった。5年DFSは有意に卵巣機能抑制群で優っていた(HR=0.686、0.483~0.972、p=0.033)。サブ解析でも一定の傾向はみられなかった。OSも卵巣機能抑制群で有意に優れていた(HR=0.310、0.102~0.941、p=0.029)。SOFT試験と比較するというより、SOFT試験と組み合わせて治療方針を練ると、卵巣機能抑制の適応をより選択的に決めることであろう。すなわち、化学療法により卵巣機能が抑制されなかった、あるいは抑制されていても2年のうちに回復したハイリスク患者に対してLHRHaを用いる価値があるものと思われる。しかし、問題点はタモキシフェンを使用していると卵巣機能の回復がわかりにくいことであるが、本試験ではFSH<30U/mLを卵巣機能ありとしている。BRCA変異を有する早期乳がん患者における術前タラゾパリブタラゾパリブはPARP阻害剤であり、第III相試験であるEMBRACA試験において、医師選択の化学療法と比較して有意にPFSを延長したことが報告されている。また初期のfeasibility試験においてタラゾパリブは腫瘍量を2ヵ月で88%減少させていた。今回は術前治療としてタラゾパリブを6ヵ月内服し、手術を行った結果が報告された。BRCA1変異が17名、BRCA2が3名であり、TNBCが15例であった。pCRは53%であり、pCRまたはほぼpCRは63%であった。BRCA1か2かにかかわらず、またTNBCかHR+かにかかわらず良い効果を示していた。安全性に関しては貧血、好中球減少が主なもので、非血液毒性はほぼ軽微であった。輸血例も8例いた。9例で減量を要していた。かなり高いnear pCR率であり、早期乳がんの補助療法におけるPARP阻害剤の役割が今後注目を集めていくであろう。本剤の至適使用期間も課題である。PERSEPHONE試験PERSEPHONE試験はHER2陽性乳がんに対して術前術後補助療法としてのトラスツズマブ6ヵ月と12ヵ月を比較する、サンプルサイズ4千例の大規模な非劣性試験である。4年DFSが12ヵ月のトラスツズマブで80%と評価され、非劣性として3%を下回らないことが条件である。片側有意差5%、検出力85%である。実際に4,089例がリクルートされ、4,088例が解析された。ER陽性が69%と高くアントラサイクリンベースが41~42%、アントラサイクリン-タキサンベースが48~49%であった。トラスツズマブのタイミングは同時が47%、逐次投与が53%であった。また、58~60%がリンパ節転移陰性であった。結果は中央値5.4年でDFSが非劣性であった(HR=1.07、0.93~1.24)。予定されていたサブ解析では目立つものはなかったが、タキサンベースまたはトラスツズマブ同時投与で12ヵ月投与が良好であった。もちろんOSも完全に非劣性である。心毒性のためにトラスツズマブを中止したのは6ヵ月投与で4%、12ヵ月投与で8%であった。今まで複数のトラスツズマブ投与期間に関する試験の結果が明らかとなっており、はじめて非劣性が証明された。しかし、今回のPERSEPHONE試験の結果をもって診療が変わるわけではない。ASCO2017の報告でトラスツズマブ1年投与の適応について詳しく述べており、またSABCS2017の報告でメタアナリシスとSOLD試験の結果をまとめているので参照してほしい。

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今だから聞きたいバイオシミラーの基礎

 2018年6月20日、ファイザー株式会社は、「バイオ医薬品・バイオシミラーの基礎と医療制度を取り巻く環境について」をテーマに、第1回バイオシミラー勉強会を都内で開催した。 バイオ医薬品は、遺伝子組み換え技術や細胞培養技術を用いて製造される医薬品であり、「生物学的製剤」とも呼ばれる。2000年頃から医薬品市場に登場して以来、関節リウマチの寛解率やがん患者の生存率を改善するなど、医療の質を大きく向上させた。近年、売上高は右肩上がりで大幅に推移しており、今後も重要な治療選択肢となりうる。バイオシミラーはバイオ医薬品と同等の品質管理体制 バイオ医薬品の特性の1つとして、不均一性がある。微生物や細胞を用いて製造するため、製品に含まれる薬効成分は、わずかに構造がばらついた分子の混合物と考えられている。しかし、この不均一性に対しては、あらかじめ許容域が定められており、各種の試験結果が許容範囲内に収まる製品のみが市場に出ている。 バイオシミラーとは、国内ですでに承認されたバイオ医薬品(先行品)の後続品である。バイオシミラーの開発ガイドラインは、バイオ医薬品の製造工程変更に関する国際的なガイドライン(ICH Q5E)に基づいて策定されており、先行品と「同等/同質」の品質、安全性、有効性を有する医薬品として、バイオシミラーが開発・承認される。同等/同質とは、まったく同一ということではなく、品質特性において類似性が高く、安全性・有効性に有害な影響を及ぼさないことを示している。 つまり、バイオシミラーの開発では、臨床的に同等/同質であることを検証する必要があり、品質特性解析に重点が置かれ、非臨床試験、臨床薬理試験、臨床試験と段階的に試験が行われる。また、承認・販売後は、免疫原性の問題などに留意し、製造販売後調査の実施も求められる。バイオシミラー市場の拡大で、医療費の負担軽減へ 本セミナーでは、益山 光一氏(東京薬科大学 薬学部 薬事関係法規研究室 教授)が、講演を行った。同氏は、バイオ医薬品について「生命を脅かす重篤な疾患や慢性疾患の治療薬として、多大な恩恵をもたらした」とたたえたが、同時に、2017年における世界の医薬品売り上げで、トップ3をバイオ医薬品が占めることなど、医療費にかかる負担を指摘した。わが国の国民医療費は、2013年以降40兆円を超えているが、バイオ医薬品の市場が今後も拡大していくことを考えると、医療費が下がるとは考えにくい。そこで、平等な医療制度を継続していくためにも、バイオシミラーの存在が重要になるという。 売り上げ上位のバイオ医薬品における特許期間は、2020年までに続々と終了していく見込みであり、国の支援方針としては、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太方針)に、「2020年度末までに、バイオシミラーの品目数倍増(成分数ベース)を目指す」と明記されている。しかし、安かろう悪かろうと思われてしまうとバイオシミラー使用率の向上は難しいため、国民への認知推進とともに、医療者が、有効性だけでなく、免疫原性など安全性についての情報も、収集・提供していくことが重要である。 益山氏は、厚生労働省で勤務していた頃を振り返り、「ジェネリック医薬品の使用推進には20年かかった。バイオシミラーではもう少し早く達成できるように発信していきたい。バイオシミラーについて、まず医療に携わる者が正しい知識を身に付け、新規バイオ医薬品とバイオシミラーを適切に選択し、バイオ医療の発展による治療アウトカムのいっそうの向上を期待する」と、講演を締めくくった。 同社によるバイオシミラー勉強会は、8月に第2回、9月に第3回が開催予定(全3回)。■参考ファイザー株式会社 医薬開発部門の取り組み

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ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの体重変化への影響

 統合失調症に対する単独療法および大うつ病(MDD)に対する補助療法として、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールを使用した際の体重への影響について、米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のCatherine Weiss氏らは、短期研究(4、6週)および長期研究(52週以下)により検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2018年6月6日号の報告。 体重データは、統合失調症およびMDDの補助療法におけるブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの臨床研究より抽出した。データをプールし、分析を行い、各薬剤の使用による平均体重の変化を評価した。また、ベースラインからの各薬剤による臨床的に関連する体重変化(7%以上の体重の増減)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・短期および長期の統合失調症およびMDDの補助療法における、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールによる体重増加プロファイルは、全体的に類似していた。・短期の統合失調症の研究における平均体重は、ブレクスピプラゾールで+1.2kgアリピプラゾール+0.6kgであった。・短期のMDDの研究における平均体重は、ブレクスピプラゾールで+1.5kgアリピプラゾール+1.6kgであった。・長期の統合失調症の研究における平均体重(52週時)は、ブレクスピプラゾールで+2.1kgアリピプラゾール+3.0kgであった。・長期のMDDの研究における平均体重(52週時)は、ブレクスピプラゾールで+3.2kgアリピプラゾール+4.0kgであった。・臨床的に関連する体重の増減についても、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールは同様であった。 著者らは「総合的にみて、統合失調症に対する単独療法およびMDDに対する補助療法としてのブレクスピプラゾールとアリピプラゾール治療は、1年間にわたって体重への影響が同様である」としている。■関連記事オランザピンおよびリスペリドンの体重増加に関するメタ解析抗精神病薬の体重増加リスクランキング抗精神病薬誘発性体重増加に対するトピラマート治療のメタ解析

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偶発腫の検出頻度が高い画像検査は?悪性の割合は?/BMJ

 偶発腫(incidentalomas)は、急速に現代の医療危機の1つになりつつあるという。英国・オックスフォード大学のJack W. O'Sullivan氏らは、偶発腫の検出頻度が高い画像検査は、胸部CT、大腸CT、心臓MRIであり、偶発腫が悪性腫瘍である可能性が高い臓器は乳房、卵巣、甲状腺であるとの研究結果を、BMJ誌2018年6月18日号で報告した。画像検査の需要が急速に増大するとともに、画像の解像度の改善が進み、偶発腫に遭遇する機会が急上昇しているが、その有病率やアウトカムの評価にはばらつきがあることが知られている。20件の系統的レビューを包括的にレビュー 研究グループは、偶発的画像所見(incidental imaging finding)として見つかった“偶発腫”の有病率とそのアウトカムの全体像を知るために、240試験(62万7,073例)に関する20件の系統的レビューについて、包括的レビュー(umbrella review)を行った(特定の研究助成は受けていない)。 2017年8月までに医学データベースに登録された論文を検索し、入手した論文の引用文献も調査した。偶発的異常(incidental abnormality)=“偶発腫”の有病率に関する観察研究の系統的レビューおよびメタ解析を対象とした。 偶発的画像所見は、健常者、無症状の患者における画像上の異常、および有症状患者における症状とは明確な関連がない画像上の異常と定義した。感度分析には、悪性腫瘍の既往歴のある患者における偶発腫の有病率を評価した試験も含めた。6種の画像法と、データが得られた10の臓器について解析した。有病率、アウトカムとも各データ間に大きな異質性 解析の対象となった20件の系統的レビューのうち、15件は偶発腫の有病率を定量的に評価し、18件は偶発腫のアウトカムを定量的に評価した研究であった(13試験は両方)。 偶発腫の有病率は、画像法によって実質的にばらつきが認められた。胸部CTによる偶発的な肺塞栓症の有病率は2%であった。X線および超音波による偶発腫の有病率を検討した系統的レビューおよびメタ解析はなかった。 偶発腫の有病率が最も低い画像法は全身PET/PET-CTの2%(甲状腺、大腸)であった。これに対し、偶発腫の有病率が最も高い画像法は、胸部CTの45%(胸部、腹部、脊椎、心臓)であり、次いで大腸CTが38%(大腸外)、心臓MRIが34%(心臓外)の順であり、3分の1を超えていた。脊椎MRIの偶発腫の有病率は22%(脊椎)、脳MRIも22%(脳)だった。 偶発腫のアウトカムについては、臓器によって悪性腫瘍が占める割合に大きなばらつきがみられた。悪性腫瘍の有病率は、脳が0%、副腎が0.0007%、耳下腺が5%と低く、大腸外が14%、前立腺が11%、大腸は17%であった。これに対し、腎臓は25%、甲状腺は28%、卵巣は28%といずれも約4分の1を占め、最も悪性腫瘍の割合が高かったのは乳房の42%であった。 研究データ間には高い異質性が認められ、20件のメタ解析のうち15件がI2>50%であった。一貫性があり、異質性のないエビデンスと大規模データを持つメタ解析はほとんどなかった。 著者は、「これらの知見は、画像検査を要請する際に、医師と患者がその長所と短所を勘案する一助となり、偶発腫診断後の管理の決定に役立つと考えられる。今回の結果は、これらの決定を支援するガイドラインの策定を支持するものである」と指摘している。

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小細胞肺がんへのペムブロリズマブ単独投与、PD-L1陽性例でより高い効果(KEYNOTE-158)/ASCO2018

 ペムブロリズマブは、PD-L1陽性固形がんに対するマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-028で、化学療法歴のある小細胞肺がん(SCLC)に対する有効性と高い忍容性が認められている。このKEYNOTE-028に続く試験として、SCLCを含む10種類とMSI-Hの固形がんを対象としたマルチコホート第II相試験KEYNOTE-158が行われた。そのSCLCの解析結果を、韓国・延世大学医学部延世がんセンターのHyun Cheol Chung氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。 試験に登録されたSCLC患者は107例。患者は、3週ごとにペムブロリズマブ200mgを最大2年間投与された。追跡期間中央値は9.3ヵ月(0.5~22.3ヵ月)。前治療歴は1次治療が42%、2次治療が34%、3次治療以上が23%。PD-L1陽性は39%、陰性が47%、不明が14%であった。主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効期間(DOR)、安全性。 主要評価項目のORRは18.7%(95% CI:11.8~27.4%)。PD-L1発現状況別ORRは、陽性が35.7%(21.6~52.0%)、陰性が6.0%(1.3~16.5%)、MSI-H以外が91%を占めた。 副次評価項目は、全症例でのPFS中央値が2.0ヵ月(1.9~2.1ヵ月)。PD-L1発現状況別では陽性が2.1ヵ月(2.0~8.1ヵ月)、陰性が1.9ヵ月(1.6~2.0ヵ月)。また、全体のOS中央値8.7ヵ月(5.6~12.0ヵ月)、PD-L1陽性では14.9ヵ月(5.6ヵ月~未達成)、陰性が5.9ヵ月(3.3~10.1ヵ月)。DORは未達成。 治療関連有害事象の発現率は60%で、発現率10%以上のものは疲労感(14%)、皮膚掻痒(12%)、甲状腺機能低下症(12%)、食欲不振(10%)、悪心(10%)。Grade3~4の有害事象発現率は12%で、頻度が多かったものは急性膵炎(2%)だった。 ■参考ASCO2018Abstract※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’Picksはこちら

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第1回 炎症疾患疑いの検査/頓服薬の期間算定/腫瘍マーカーの検査/皮膚科特定疾患指導管理料【レセプト査定の回避術 】

事例1 炎症疾患疑いの検査慢性疾患で通院している患者に対し、炎症疾患を疑いCRPを実施した。●査定点レセプト請求では、炎症疾患疑いを病名に追記しなかったため査定された。解説を見る●解説病名漏れに対するCRP査定(16点)ですが、同時に免疫学的検査判断料(144点)も査定されるので、CRPを実施したときは、必ず、炎症疾患疑いを病名追記するようにしてください。事例2 頓服薬の期間算定頓服薬として、30日分を請求した。●査定点20日間が査定された。解説を見る●解説10日以上の頓服薬は査定の対象になります。電子カルテの普及に伴い、内服薬の用法を間違えて、頓服薬として30日分、60日分などで請求してしまうことがあります。これは、「医療機関側のミス」となるので、医師の入力ミス防止策の検討、医事課の点検を強化する必要があります。事例3 腫瘍マーカーの検査慢性疾患で通院している患者が、4月にα-フェトプロテイン(107点)を施行した。6月に肝がんが確定し胎児性抗原(CEA)(105点)とCA19-9(130点)を施行し、悪性腫瘍特異物質治療管理(360点)+初回月加算(150点)を算定した。●査定点初回月加算(150点)が査定された。解説を見る●解説初回月加算の条件に、「悪性腫瘍特異物質治療管理料を算定する当該初回月の前月において、区分番号「D009」腫瘍マーカーを算定している場合は、当該初回月加算は算定できない」と通知されています。この前月とは、「事例3 腫瘍マーカーの検査」でいうと5月にあたるので、6月の初回月加算(150点)は算定できます。事例4 皮膚科特定疾患指導管理料アトピー性皮膚炎で、先月処方した外用薬を使用するよう患者に指導し、皮膚科特定疾患指導管理料(II)を算定した。●査定点皮膚科特定疾患指導管理料(II)が査定された。解説を見る●解説アトピー性皮膚炎で、皮膚科特定疾患指導管理料(II)を算定するには、「外用療法を必要とする場合に限り算定できる」となっています。先月、処方した外用薬の使用範囲が少なくなり、今月も先月処方した外用薬を継続使用することになりましたが、レセプトに外用薬または院外処方箋が算定されていないため、外用療法をしていないと審査され、査定されました。レセプトに、簡単なコメント、たとえば「薬剤は先月分の薬剤を継続使用しています」と記載することが望まれます。

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