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高齢者未治療CLLに対するイブルチニブの有用性~化学免疫療法との比較~(解説:大田雅嗣 氏)-992

 イブルチニブ(ibrutinib:以下IBR)はブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬である。BTKは非受容体型チロシンキナーゼTecファミリーの1つで、B細胞のアポトーシス制御、B細胞の成熟・分化、活性化、細胞接着や遊走などB細胞の生存に関与し1)、慢性リンパ性白血病(CLL)細胞の細胞表面から核内遺伝子へ増殖シグナルを伝達する。BTK阻害薬はこの増殖シグナルをブロックすることで抗腫瘍効果を発揮する2)。 オハイオ州立大学からの報告(米国、カナダ219施設による共同研究)で、イブルチニブが未治療高齢者CLLに有用であることを従来の化学免疫療法と比較した第III相試験の結果としてNEJM誌に12月1日発表した3)。イブルチニブは2016年、未治療CLLの治療薬として米国FDAが認可したが、わが国では2016年5月、再発・難治性CLLに対する薬剤として薬価収載、その後2018年7月に未治療CLLに対しても保険適用となった。 従来欧米では65歳以上の高齢者CLLの治療として、chlorambucilとオビヌツズマブとの併用療法、あるいはベンダムスチン(B)とリツキシマブ(R)との併用が有用であるとされてきた。一方IBRに関しては治療抵抗性CLLでの有効性(無増悪生存期間PFSの中央値52ヵ月)4)、CLL初期治療で奏効例での2年PFSの割合が89%であったこと5)、初発CLLでchlorambucilとの比較試験での有用性6)が明らかになっているものの、これまでIBR単剤と化学免疫療法との比較はなされていなかった。またIBRにリツキシマブを加えた場合の上乗せ効果も議論となっており7)、今回の比較試験が組まれた。 2013年12月~2016年5月に新たに診断された65歳以上の未治療CLL 547例をB+R、IBR単独、IBR+Rの3群にランダムに1:1:1に割り付け、エンドポイントとして無増悪生存期間PFS、全生存期間OSを評価、また血液毒性、非血液毒性につき解析した。PFSはB+R群のみ中央値38ヵ月に達し、IRB、IBR+R群は中央値に達せず、2年推定PFSはB+R群で79%、IBR 87%、IBR+R 88%で、B+R群で有意に劣ったものの、IBR単独群とIBR+R群では有意差を認めなかった。2年OSでは3群間に有意差を認めなかった。Grade3以上の血液毒性はB+R群で高率であったものの、Grade3以上の非血液毒性はIBRあるいはIBR+R群で多かった。とくに発熱性好中球減少症、高血圧が有意に高率であった。30日以内の早期死亡もIBRあるいはIBR+R群で多かった。結論は治療効果の有用性でIBRあるいはIBR+R群が優っていたが、リツキシマブの上乗せ効果はみられなかったとされた。さらに予後不良因子とされているdel(17p)、del(11q)症例でのサブ解析でも、IBRあるいはIBR+R群でのPFSの優位性が示された。しかしながら観察期間がまだ短く、治療研究全体の評価のためには長期のフォローが必要と考えられた。 わが国では初発CLLに対してはフルダラビン(F)単独、F+エンドキサン、B単独、IBR単独療法が保険適用となっている。Rの併用はSLLでは可能である。欧米で通常用いられているchlorambucilはわが国では長らく未承認薬であり、分子標的薬である抗CD20抗体オファツムマブ、抗CD25抗体アレムツズマブも再発・難治例に使用が制限されている。日本におけるいわゆる“drug lag”の問題は解決していくべきだが、わが国では発症頻度が低く高齢者に多いCLLにおいて、いかに手持ちの治療薬を効果的に使っていくか検討すべき課題は多い。 余談だがIBRがマウス虚血脳モデルで、好中球のカスパーゼ-1活性化を媒介するインフラマソームの活性化を阻害することがわかり、虚血性脳梗塞の分子標的治療薬となりうることが示されており8)、BTK阻害薬のターゲットの多様性について注目していきたい。■参考文献1)Maas A, et al. Dev Immunol. 2001;8:171-181.2)Woyach JA, et al. Blood 2014;123:1207-1213.3)Woyach JA, et al. N Engl J Med. 2018;379:2517-2528.4)O'Brien S, et al. Blood 2018;131:1910-1919.5)Barr PM, et al. Haematologica 2018;103:1502-1510.6)Burger JA, et al. N Engl J Med. 2015;373:2425-2437.7)Burger JA, et al. Blood. 2018 Dec 7. [Epub ahead of print]8)Ito M, et al. Nat Commun. 2015;6:7360.

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心房細動は待つのではなく見つけに行く時代(解説:矢崎義直 氏)-993

 心房細動は最もメジャーな不整脈の1つであるが、無治療だと塞栓症のリスクが高く、とくに心原性脳梗塞は重症化し死亡率も高い。心房細動を早期に診断し、適切な抗凝固療法を行うことが重要であるが、症状のない心房細動も多く、定期的な通常の心電図検査では検出が困難なこともある。そこで、心房細動のスクリーニングとして長時間の心電図モニタリングが可能なシステムの開発が進んでいる。 mSToPS試験(mHealth Screening to Prevent Strokes trial)は自己装着型の2週間記録可能なパッチ型心電計を使用し、心房細動の新規検出率を検討した。対象は年齢が75歳以上、もしくは高血圧や糖尿病などのリスクを1つ以上持った55歳以上の男性か65歳以上の女性とし、過去に心房性不整脈の既往があれば除外した。被験者の募集はAetnaやMedicareなどの医療保険システムに登録されている対象者に、郵便もしくはeメールで試験参加を勧誘した。オンラインで同意が得られれば試験に登録され、患者データなどはネット経由で得るという、登録が完全にデジタル化された新しい試みと言える。この方法により、通常の治験登録よりも登録時間を短縮でき、コストも抑えられ、普段治験とは疎遠なpopulationにもアプローチでき、よりリアルワールドに近い対象を選出できるという利点がある。 最終的に2,659例(平均年齢72.4歳、38.6%が女性)が選出され、パッチ型心電計を早期に装着する群(先行開始群)と4ヵ月遅らせて装着する群(遅延開始群)に無作為に割付をした。登録後4ヵ月の時点では、先行開始群が遅延開始群と比較し、心房細動の検出率が有意に高かった(3.9% vs.0.9%、絶対差:3.0%、95%信頼区間:1.8~4.1%)。また、この先行開始群と遅延開始群を合わせた症例の中で合計30分以上パッチ型心電計を使用し、解析ができた1,738例(全体の65.4%)を1年間フォローした。これらとマッチさせたコホート群3,476例と心房細動の検出率を比較しところ、パッチ型心電計使用群の方が、心房細動を多く検出した(6.7/100人年 vs.2.6/100人年、絶対差:4.1、95%信頼区間:3.9~4.2)。そのほか、パッチ型心電計使用群で抗凝固薬開始率、循環器科外来受診率が高かったが、心房細動による救急外来受診や入院率に差はなかった。 本試験の結論として、パッチ型心電計は心房細動発症のハイリスク群において、心房細動の検出に有用である事が示された。このように今後、長時間心電図モニタリングにより早期の心房細動の診断が可能となり、適切な治療が行われれば、脳梗塞や死亡率の減少など、clinical outcomeの改善も期待される。 一方、長時間心電図モニタリングにはまだ課題も残されている。1つは、心電計の装着率の問題である。本試験中にパッチ型心電計を少しも使用しなかった症例が917例、全体の34.5%に及ぶ。また心電計を装着した症例のうち40例がパッチによる皮膚炎を起こし、うち32例が装着中止を余儀なくされている。モニタリング期間は長ければ長いほど、当然心房細動の検出率は上がってくるが、アドヒアランスの問題も念頭に置かなければならない。 また、本試験では、長時間のモニタリングのおかげで、通常の心電図検査では到底捉えることのできなかったであろう短い持続時間の心房細動が多く検出されている。何分以上、もしくは何時間以上持続した心房細動を塞栓症のリスクと考えるかまだ明確な答えはない。 このように長時間心電図モニタリングならではの課題もあるが、その症例の塞栓症のリスク、出血のリスク、年齢、心房細動の持続時間を考慮し、抗凝固療法の適応を決める必要がある。

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目標達成の方法【Dr. 中島の 新・徒然草】(254)

二百五十四の段 目標達成の方法皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。さて、ここ数年間、目標を立てずに過ごしてきた私ですが、今年は目標を立ててみようかと思っています。というのは、ネットで「目標達成の方法」といった内容の記事を読んで、「なるほど! これなら僕にもできるかも」と思ったからです。残念ながら元の記事がどこにあったのか、今となっては分かりません。が、記憶の範囲で再現してみましょう。(1)目標は具体的に決める。数字で示すことができればなお良い。漠然と「もう少し痩せよう」とか「英語が上手になりたいなあ」と思っても、それだけではなかなか頑張れません。「6ヵ月間で体重を6キロ減らす」とか「字幕なしで洋画の内容を理解する」とか、具体的に決めておくことが達成のコツなのだそうです。(2)短期的な目標に分割するまず最初の1ヵ月にどこまで達成するか、確かにそれも大切ですね。上記の例であれば、「1月末までに1キロ痩せる」「1ヵ月で『トロン・レガシー』を字幕なしで完全に聞き取れるようになる」といったところ。脂肪を毎日30グラムずつ減らせばちょうど1ヵ月で1キロになる、というのはあちこちのダイエット記事にも紹介されています。(3)方法を決めること痩せようとすれば、カロリーのインを減らしアウトを増やすというのが大原則ですが、その方法が問題です。学生時代のように倒れるまでトレーニングした後に大食いをするというわけにはいきません。私の場合、インを減らすほうがアウトを増やすよりも簡単なので、それぞれの力の入れ具合は、「控えめな食事が7割で、毎日の運動が3割」と考えています。もう少し具体的には「朝昼晩は腹七分目で間食なし」「毎日4,000歩の散歩。もし雨が降ったり寒かったりして散歩ができないときは、Wii Sports Resort のピンポンやチャンバラを30分間プレーして代用する」などとすればいいかもしれません。ちなみにWiiのピンポンもチャンバラも30分もやると結構ヘトヘトになります。とりあえず1ヵ月間、頑張ってみましょう。果たして思った通りにいきますでしょうか。まずは新年最初の1句目標は 細かく短く 具体的

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第4回 痛みの強さの測定法【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第4回 痛みの強さの測定法痛みは第5のバイタルサインと呼ばれています。そのために、患者さんを診察するうえで痛みについての関心が高まってきておりますが、痛みは患者さん自身にしかわからない主観的な感覚であるために、それを科学的に研究する対象とはなりにくかったと思われます。その一方で、痛みは病気の兆候として最も多く、誰もが苦しむ原因となっています。「痛みはない」と患者さんがおっしゃれば、それでよろしいと思われますが、痛みが存在する場合には、その強さの程度を測定することは、痛みを治療するためにも重要な検査となります。今回は、現在用いられている「痛みの強さの測定法」についてお話しします。痛みの強さを測る代表スケール1)視覚的評価スケール(Visual Analogue Scale:VAS)従来、臨床の場で広く使用されている評価尺度です。100mmの直線上に、左端(0mm)を「痛みなし」、右端(100mm)を「想像できる最高の痛み」あるいは「今まで経験した最大の痛み」として、患者さん自身に現在の痛みがその直線の上でどの位置にあるかをチェックしてもらう測定法です。痛みの強さを左端からの長さ(mm)で表示します。画像を拡大する2)顔表現的評価スケール(Face Pain Rating Scale:FRS)VASに比較して小児や高齢者にとって、わかりやすく痛みの強さを示すことが期待できます。「0:痛みのない顔」から「5:我慢ができない流涙の顔」までの5ないし6段階の顔の苦痛表現を用いて、患者さんに自分の痛みの程度に相当する表情の顔を指し示してもらう測定法です。3歳から判定できると考えられています。もちろん顔と顔の間は、患者さんに想像していただかなくてはなりません。画像を拡大する3)数値的評価スケール(Numerical Rating Scale:NRS)痛みの強さを0~10までの11段階で表し、0は「痛みなし」、10は「これ以上ない痛み」として、現在の痛みの強さを数値で記載する測定法です。VASに比較して数値が明確なので、患者さんにもわかりやすいようです。画像を拡大する4)口頭式評価スケール(Verbal Rating Scale:VRS)「1:痛くない、2:すこし痛い、3:痛い、4:すごく痛い」というように、数段階の痛みの強さを表す言葉を用いて患者さんに示してもらう測定法です。VRSは、患者さんにとっても理解しやすく、おおまかな変化を知るうえで有用です。画像を拡大する5)カラード・フェイス・ビジュアル・アナログ・スケール(Colored Face Visual Analogue Scale)痛みの程度を色で表し、顔の変化も加えています。暖かい色は比較的楽な状態で、青い色は痛みが強くなり顔も厳しくなります。また、0mmはこれから痛みが始まる顔です。したがって、そこに至るまで痛みを感じない状態ですので、もっと笑顔が見られてもよいと思います。画像を拡大する6)フェイス・ビジュアル・アナログ・スケール(Faced Visual Analogue Scale)FRSとVASを組み合わせて、裏面にVASに変換しやすいようにセッティングした測定器です。とくに、高齢者に使いやすいと考えられています。画像を拡大する7)マクギル痛みの簡易質問表(Short Form of McGill Pain Questionnaire)痛みの程度もさることながら、その性質を質問するツールです。画像を拡大する痛みを測定して患者さん間で比較する前述のこれらの痛みの評価方法は、同一患者さん自身での経時的変化や治療効果の判定に対しては威力を発揮してきましたが、患者さんの間での比較は不可能です。それに対しては、患者さんの間で比較できるような装置が使用されています。・知覚・痛覚定量分析装置(Pain VisionTM)患者さんが感じている痛みを、痛みを伴わない異種感覚に置き換えて定量的に評価する装置です。現在、臨床使用ができます。画像を拡大するこれによって、痛みの程度を患者さんの間で比較評価できる可能性が高まりました。痛みを発生させないようなAβおよびAδ線維をパルス状電流波(低周波電流、50Hz、0~150μA、パルス幅0.5ms)を用いて皮膚の刺激量を増大させながら、患者さんが電気刺激を最初に感じた値を「最小感知電流」と定義します。また、患者さんが有する痛みと一致した感覚刺激の大きさになった電流値を「痛み対応電流」と定義します。それらの2点値から痛み度を算出します。痛み度=100×(痛み対応電流-最小感知電流)/最小感知電流下図は痛みの程度(痛み度)を測定しているところです。画像を拡大するVAS値と痛み度の変化は相関していますが、同じVAS値において痛み度が同様とは限らず、患者さんによって、さまざまな痛み度を呈しています。VASは、他の患者さんとの比較はできないですが、痛み度においては、他の患者さんとの比較ができます。VAS値が高く、激痛を訴えている患者さんでも意外と痛み度は低く、患者さんが思っているほどでもないことがわかると、患者さん自身も安心することがあります。逆にVAS値が低くても、痛み度が高く、痛みに対する我慢度が高い患者さんも存在します。また、疾患別に痛み度の強さが異なるのか、痛みの表現によって痛み度が異なるのか、治療法によって痛み度の低下に差異があるのか、性差があるのかなど、さらなる検討が必要です。それによって、痛み度に関して臨床への応用度が今後高まるものと考えられます。以上のいずれの測定法でも痛みの程度が観察できます。日常診療のときに、痛みの有無、痛みの程度が測定されることを望んでおります。次回は「全身痛」について解説する予定です。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143:10-13.

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高齢入院患者におけるせん妄と抗コリン薬に関する観察研究

 せん妄は、高齢入院患者において平均5人に1人が発症する神経精神症候群であり、認知および機能の悪化、患者および介護者の負担増加、死亡率の上昇を含む多くの悪影響と関連している。抗コリン作用を有する薬物療法は、高齢入院患者におけるせん妄症状の臨床的重症度と関連しているといわれるが、この関連性はまだよくわかっていない。イタリア・Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario Negri IRCCSのLuca Pasina氏らは、累積抗コリン作用性負荷がせん妄リスクを増加させるという仮説を検証するため、せん妄と抗コリン作用性負荷との関連性を評価した。Drugs & Aging誌オンライン版2018年11月27日号の報告。 2014年6月~2015年1月までにイタリア・モンツァのSan Gerardo Hospitalの急性期高齢者病棟(Acute Geriatric Unit:AGU)に入院した高齢者を対象に、レトロスペクティブ横断研究を実施した。せん妄の診断は、良好な感度や特異性を示す有効なスクリーニングツールである4'A'sテスト(4AT)を用いて入院時に行った。各患者における抗コリン作用性負荷は、高齢患者の中枢神経系への悪影響リスクを予測する、抗コリン薬のランク付けであるAnticholinergic Cognitive Burden(ACB)スケールで測定した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象の477例中、151例(31.7%)がせん妄を有していた。・ACBスケールでは、377例(79.0%)が1剤以上の抗コリン薬を使用していた。・強力な抗コリン作用を有するクエチアピンを除いて、最も一般的に用いられる抗コリン薬は、潜在的に抗コリン作用を有するが、ACBスケール(スコア1)においては、臨床的に関連する認知機能への影響は不明であった。・せん妄を有する患者では、非せん妄患者と比較し、抗コリン作用性負荷が高く、単変量解析で有意であった総ACBスコアとせん妄との間に用量効果関係が認められた。・定常リスクはスコア0~2の患者で認められたが、スコア3以上の患者では、抗コリン薬未使用患者よりも、せん妄リスクは約3~6倍高かった。・用量反応関係は、年齢および性別で調整された多変量モデルで維持されたが(オッズ比[OR]:5.88、95%信頼区間[CI]:2.10~16.60、p=0.00007)、認知症およびMini Nutritional Assessmentで調整されたモデルでは、有意な差は認められなかった(OR:2.73、95%CI:0.85~8.77、p=0.12)。 著者らは「抗コリン薬は、抗ムスカリン作用を有する複数の薬物療法の累積効果によって、せん妄の発症に影響を及ぼす可能性がある。しかしこの影響は、認知症および栄養不良で調整後、多変量ロジスティック回帰分析では明らかな差が認められなかった。認知症および栄養不良を含む高齢入院患者において、抗コリン作用性負荷とせん妄との関連を明らかにするためには、より大規模な多施設共同研究が必要とされる」としている。■関連記事長期抗コリン薬使用、認知症リスク増加が明らかに注意が必要、高齢者への抗コリン作用認知症における抗コリン薬負荷と脳卒中や死亡リスクとの関連

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わが国の食道アカラシアの疫学~大規模レセプトデータより

 わが国の食道アカラシアの疫学と治療動向について、新潟大学の佐藤 裕樹氏、山梨大学の横道 洋司氏らの調査から、罹患率および期間有病率は他の国と同程度であること、食道がんの発症リスクはアカラシア患者で一般人口と比較し相対的に高いことが示された。また、主に実施されている治療法は食道拡張術であるが、経口内視鏡的筋層切除術(POEM)による治療の割合も年々増加していることがわかった。Journal of Gastroenterology誌オンライン版2019年1月3日号に掲載。 食道アカラシアにおけるわが国の疫学研究は十分ではない。今回、著者らは日本における罹患率と期間有病率、食道がんとの合併率、治療動向を調査した。全国のアカラシア患者数は、2005~17年の大規模なレセプトデータベースを使用して推定した。また、登録されている診断コードより、食道アカラシアと食道がんを合併している患者を特定した。さらにアカラシアの治療介入について調べた。 主な結果は以下のとおり。・計549万3,650人の集団のうち、385人が食道アカラシアと診断された。・罹患率は10万人年当たり0.81~1.37と算出された(男女比はほぼ1、診断時平均年齢は43.3±14.4歳)。・期間有病率は10万人当たり7.0であった。・年齢層にわたって、罹患率および期間有病率に統計学的に有意な増加傾向があった(すべてp<0.0001)。・アカラシアを有する4人の男性が食道がんを発症し、アカラシアを有する食道がんの罹患率は100人年当たり0.25と推定された。・治療介入については、64.7%の患者に初回治療として食道拡張術が行われ、そのうち56.9%で再治療が必要となった。・POEMで治療された患者の割合は年々増加し、2017年は41.1%であった。

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英外食チェーン、推奨エネルギー量の料理は9%のみ/BMJ

 英国の主要外食チェーンで提供される主な食事のうち、英国公衆衛生局が推奨する1食当たりのエネルギー量が600kcal以下の食事はわずか9%である一方、47%に及ぶかなり多くの食事が1,000kcal以上とエネルギー量が過度であることが明らかになった。英国・リバプール大学のEric Robinson氏らが、英国の外食チェーン27社の食事を調査した結果で、著者は「ファストフード店の食事の栄養価は不十分だがきちんと表示はされている。一方で、英国のフルサービスで提供するレストランの食事のエネルギー量は過度な傾向がみられ、懸念の元である」と述べている。BMJ誌2018年12月12日号(クリスマス特集号)掲載の報告。レストラン21社とファストフード6社を調査 研究グループは、英国の主要外食チェーン27社を対象に、主な食事1万3,396種のエネルギー量を調査した。調査対象とした外食チェーンのうち、21社がフルサービスレストラン、6社がファストフード店を展開していた。 主要評価項目は、英国公衆衛生局が推奨する1食当たりのエネルギー量600kcal以下の食事の割合と、1,000kcal以上と過度なエネルギー量の食事の割合だった。レストランの食事のほうがファストフードより平均268kcal高い 計1万3,396種の食事の平均エネルギー量は、977kcal(95%信頼区間[CI]:973~983)だった。 英国公衆衛生局の推奨エネルギー量600kcal以下の食事の割合は9%(1,226種)だったが、1,000kcal以上のエネルギー量過多な食事の割合は47%(6,251種)とかなり多かった。 また、ファストフード店に比べてフルサービスレストランの食事は、エネルギー量が有意に過度であり、その差は平均268kcal(95%CI:103~433)だった。

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腎疾患に遺伝子診断は有用か/NEJM

 3,000例超のさまざまな慢性腎臓病患者の集団を対象とした検討で、エクソーム解析に基づく遺伝子診断率は、10%未満であることが明らかにされた。米国・コロンビア大学のEmily E. Groopman氏らによる検討の結果で、NEJM誌オンライン版2018年12月26日号で発表された。慢性腎臓病を有する2コホート計3,315例を解析 研究グループは、慢性腎臓病の患者3,315例を含む2つのコホートを対象に、エクソーム解析と診断解析を行った。詳細な臨床データが入手できた患者について、診断率や、診断の臨床的意義、その他の医学的所見との関連を検証した。 被験者のうち、91.6%(3,037例)が21歳超で、自己申告に基づく非欧州系人種は35.6%(1,179例)を占めた。9.3%(307例)で診断変種を検出 被験者全体の9.3%(307/3,315例)で診断変種が検出され、66種の単一遺伝子病が認められた。これら単一遺伝子病のうち、39種(59%)の患者数はいずれも1例ずつだった。 エクソーム解析により検出された診断変種には、先天性/嚢胞性腎疾患(127/531例、23.9%)や、原因不明の腎障害(48/281例、17.1%)など、臨床的に定義された全カテゴリーの疾患が含まれていた。 評価対象2,187例の1.6%(34例)で、医療的に対応すべき問題が見つかり、腎障害とは関連がなく別の専門医に紹介し腎疾患マネジメントに関する情報提供を行うケースもあった。 同研究グループは、腎疾患の遺伝子診断率が9.3%であった点について「同診断率はがんの遺伝子診断率と似通った数字で、がんでは日常的に遺伝子診断が行われている」とし、その有用性を評価している。

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ダコミチニブ、EGFR変異陽性NSCLCに国内承認/ファイザー

 ファイザー株式会社は、2019年1月8日、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺」の効能・効果で、EGFR-TKIダコミチニブ(商品名:ビジンプロ錠15mg、同45mg)の製造販売承認を取得した。 ダコミチニブの有効性と安全性は、ダコミチニブとゲフィチニブを直接比較した国際共同第III相ARCHER1050試験の結果により確認された。盲検下での独立中央判定(BICR)の評価による無増悪生存期間中央値は、ダコミチニブ群では14.7ヵ月、ゲフィチニブ群では9.2ヵ月で、ダコミチニブ群はゲフィチニブ群と比べ、優れた改善を示した。また、全生存期間中央値は、ダコミチニブ群では34.1ヵ月、ゲフィチニブ群では26.8ヵ月であった。ダコミチニブは約7ヵ月間の審査期間を経て承認 ダコミチニブは、日本においては優先審査品目に指定され、2018年5月28日に製造販売承認を申請後、約7ヵ月間の審査期間を経て承認となった。米国では、米国食品医薬品局(FDA)より優先審査に指定され、2017年9月27日にEGFR活性化変異を有する転移のある非小細胞肺がん治療の1次治療薬として承認を取得している。ビジンプロの概要・製品名:ビジンプロ錠15mg/45mg(VIZIMPRO Tablets 15mg/45mg)・一般名:ダコミチニブ水和物(Dacomitinib Hydrate)・効能・効果:EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺・用法・用量:通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。・製造販売承認取得日:2019年1月8日・製造販売元:ファイザー株式会社

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高血圧の定義、現状維持であれば1万人あたり5人の脳心血管イベントが発症するという警鐘(解説:桑島巖氏)-989

 2017年に発表された米国ACC/AHA高血圧ガイドラインでは、高血圧基準がJNC7に比べて、収縮期、拡張期とも10mmHg下がり130/80mmHgとされた。この定義変更はSPRINT研究の結果を大幅に取り入れたものであるが、果たしてこの新しい高血圧基準をアジア住民に当てはめた場合、どの程度が脳卒中や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患から免れるのであろうか。その課題に対する答えを示したのがこの論文である。 本論文は、韓国国民健康保険サービスに参加した20~39歳までの約250万人について2006年から10年間追跡し、その間に発生した4万4,813件の脳血管障害、脳心血管死についてACC/AHA定義に従って分析したものである。 それによると、130~139/80~89mmHgのステージ1レベルの高血圧でも<120/80mmHgの正常血圧に比較すると10万人当たり年間51人多く、脳心血管疾患が発生していたという。なかでもアジア人の特性として脳卒中発症が冠動脈疾患発症の2倍多いことも明らかにしており、日本人にとっても参考になるデータである。 わが国でも策定中の高血圧治療ガイドライン2019では、混乱を招くという意味から高血圧の定義を変更する予定はないようであるが、このようなデータを見ると混乱を招くことを恐れるより、国民の脳卒中や心筋梗塞発症をこそ恐れるべきであり、高血圧の定義も米国にならって130/80mmHgとすべきである。

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リナグリプチンのCARMELINA試験を通して血糖降下薬の非劣性試験を再考する(解説:住谷哲氏)-991

 eGFRの低下を伴う腎機能異常を合併した2型糖尿病患者における血糖降下薬の選択は、日常臨床で頭を悩ます問題の1つである。血糖降下薬の多くは腎排泄型であるため腎機能に応じて投与量の調節が必要となる。DPP-4阻害薬の1つであるリナグリプチンは数少ない胆汁排泄型の薬剤であり、腎機能に応じた投与量の調節が不要であるため腎機能異常を合併した患者に投与されることが多い。 これまでにDPP-4阻害薬の安全性を評価した心血管アウトカム試験CVOTでは、サキサグリプチンのSAVOR-TIMI 53、アログリプチンのEXAMINE、シタグリプチンのTECOSが発表されている。リナグリプチンの安全性を評価した本試験の報告により、DPP-4阻害薬の安全性を評価したすべてのCVOTが出そろったことになる。本試験の最大の特徴は、リナグリプチンが胆汁排泄型であることに基づいて、これまで報告されたCVOTの中で最多の腎機能異常合併2型糖尿病患者を組み入れた点にある。 6,979例がエントリーされたが、その半数以上がeGFR<60mL/min/1.73m2であり、eGFR<30mL/min/1.73m2の患者も約15%含まれていた。主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中からなる3-point MACEであったが、副次評価項目にはESRDへの移行、腎関連死、ベースラインから40%以上のeGFRの低下の持続からなる腎複合エンドポイントが含まれている。中央値2.2年の観察期間において、プラセボ群の3-point MACE発症率は5.63/100人年であり、これまで実施されたCVOTの中で最も高リスクであった。このことは腎機能異常合併2型糖尿病患者の心血管リスクがきわめて高いことを示している。既報のDPP-4阻害薬のCVOTと同様に、主要評価項目ではプラセボ群に対する非劣性が証明されたが優越性は証明されなかった。期待された腎複合エンドポイントでも優越性は証明されなかった。多くの探索的アウトカムexploratory outcomeの中でプラセボ群と有意差を認めたのはアルブミン尿の進展HR 0.86(0.78~0.95、p=0.003)、複合細小血管エンドポイントHR 0.86(0.78~0.95、p=0.003)のみであった。重症低血糖の頻度もプラセボ群との間に有意差を認めなかった。また観察期間中のHbA1cはリナグリプチン群で0.36%有意に低下した。 本試験も含めて既報のCVOTはすべて非劣性試験non-inferiority trialであり、その結果をどのように解釈して日常臨床に適用すればよいのだろうか? 確かにすべての非劣性試験は製薬企業が新たな薬剤を販売するための臨床試験であり、われわれ臨床家にとっても患者にとってもメリットはないとの指摘にも一理ある1)。非劣性試験で証明されるのは、対象である新たな血糖降下薬(試験薬)が既存の血糖降下薬と比較して3-point MACEなどの心血管イベントを非劣性マージン(多くはハザード比の95%信頼区間の上限が1.3に設定される)を超えて増加させないことのみである。これをクリアすればその試験薬は「安全な血糖降下薬」としてのお墨付きを当局から得られる。つまり心血管イベントを29%増加させる可能性があっても血糖降下薬としては許容されることになる(この点については議論があるが本稿では割愛する)。そうであれば何も高価な新薬(試験薬)を使う必要はなく、プラセボ群で使用された従来の安価な血糖降下薬を使えばよいではないか、との反論も当然あるだろう。 血糖降下薬を投与する目的は心血管イベントなどの真のアウトカムを改善することにあり、HbA1cなどはあくまで代用のアウトカムsurrogate outcomeである。HbA1cを低下させれば腎症を含めた細小血管障害リスクが低下することはこれまでに証明されている。つまり将来の細小血管障害リスクを低下させるためにHbA1cを低下させることは正当化される。本試験においてリナグリプチンは代用のアウトカムであるHbA1cと、同じく代用のアウトカムである尿アルブミンを有意に減少させたが、これはHbA1cの低下による可能性が高い。一方、心血管イベントについては、RCTのメタ解析によると厳格な血糖管理により非致死性心筋梗塞を含めた冠動脈疾患は減少するが、脳卒中、全死亡は減少しないと報告されている2)。つまり将来の心血管イベントリスクを低下させるためにHbA1cを低下させることは、細小血管障害の場合と同じ程度に正当化されるとは言い難い。 CVOTでは、血糖降下作用とは独立した心血管イベントリスクの上昇の有無を検証するために、試験デザインとしてプラセボ群と試験薬群とのglycemic equipoise(血糖コントロールつまりHbA1cが両群で試験期間中に同等であること)が要求されている。しかし本試験も含めた既報のすべてのCVOTにおいては試験薬群のHbA1cが有意に低下している。この点について、プラセボ群で血糖管理が強化されなかったのは倫理的に問題であるとの意見もあるが、筆者の見解は少しく異なる。実際にはCVOTに組み入れられたようなきわめて心血管イベント高リスクの患者で、かつ、すでに複数の血糖降下薬を併用してHbA1cが8.0%程度の患者において、インスリンを増量、SU薬を増量、他の血糖降下薬を追加することはACCORDの結果が報告されて以降、容易ではないのが現実ではないだろうか。血糖降下薬を増量、追加して血糖管理を強化するbenefitとharmを天秤に掛けると、clinical inertiaとの批判もあるが、現状維持を選択する判断になることが多い。さらに本試験に組み入れられたような腎機能異常を合併した患者においては、より一層その傾向が顕著である。つまりプラセボ群では血糖管理を強化しなかったのではなく、従来の血糖降下薬では強化できなかったのが事実に近いだろう。言い方を変えれば、試験薬により血糖管理を少しではあるが強化できたと言ってよい。そのような条件下においても、リナグリプチンが心血管イベントリスクを増加させずに血糖降下作用を発揮できることは本試験において証明されたと考えてよい。 非劣性試験は前述したように、患者にとって真のアウトカムの改善をもたらす薬剤を生み出す試験ではない。CVOTにおいて優越性を示した血糖降下薬はこれまでに複数存在するが、特殊な対象患者群、短い観察期間を考えるとすべての2型糖尿病患者にbenefitをもたらすかは不明である。今後はCVOTで優越性を示した薬剤を用いて、幅広い患者群に対する長期間の優越性試験superiority trialが実施されることを期待したい3)。

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固定費削減の苦しみ【医師のためのお金の話】第16回

固定費削減の苦しみこんにちは、自由気ままな整形外科医です。資産形成を行ううえで、固定費削減は最重要課題の1つです。家計における固定費とは、光熱費や通信費のような毎月の決まった支出のことです。資産形成の元手となるタネ銭を蓄えるためには、必要性の低い固定費を最小限にまで削る必要があります。とくに金額の大きな固定費は、削減できるとインパクトが大きいので、集中的に検討してみることをお勧めします。人生の4大固定費固定費の中でも支払額の大きなものは、「人生の4大固定費」といわれています。その内訳は下記のとおりです。● 住宅ローン● 生命保険● 教育費● 自動車上記の4つの固定費は、いずれも削ることが難しい項目です。生活の質や人生設計に関わるものなので、削減するといっても一筋縄では行かないのが実情です。自動車関連の固定費削減を検討この中で、今回は自動車に関する固定費の見直しを行ったので、その経験をお話しさせていただきます。自動車関連の固定費削減を検討したのは、自宅購入がきっかけです。このたび地下鉄の駅から徒歩1分の立地に建つ、古ぼけた小さな事務所を購入し、自宅に改装することになりました。人通りの多い商業地なので、1階を駐車場にすると大きな機会損失になります。店舗にすれば賃料15万円以上は取れますが、自己使用の駐車場では1円も産みません。それならば思い切って、社会人になってからずっと維持していた自動車を売却し、自動車生活から脱却するのも選択肢の1つだと思いました。今回購入した物件は、公共交通機関と自転車だけで生活できる立地です。現状では1ヵ月に数回しか自動車に乗っていません。一方、自動車を維持するのに必要な1ヵ月当たりのコストを計算すると、車検費用(1万円)、駐車場代(4万円)、税金・保険費用(1万円)でした。まったく自動車に乗らなくても、毎月6万円もの出費になります。金銭面だけを見ると、まるきりペイしない状況です。自動車を「捨てる」ためのハードル自動車を維持するコストを考えると、車なしの生活も選択肢の1つとなります。しかし、実際に自動車を処分しようとすると、さまざまなハードルがあることに気付きました。最も大きなハードルは精神面です。なんだかんだ言って、自動車のある生活が便利なことに間違いはありません。めったに乗る機会がないとはいえ、自動車を所有していると選択肢が増えるからです。雨の日でも自動車があれば外出できますし、買い出しに行くときにも自動車があると便利です。自動車を放棄することで、このような快適さがなくなるのは少し寂しい気がします。論理的に考えれば、事あるごとにタクシーを呼べばそれで済む話です。しかし、そこまで割り切るには思い切りが必要です。実際、コストコなどへ買い出しに行くときには、自動車がないと困ります。しかし、よく考えるとコストコに毎日行くはずはありません。コストコは安いですが、月額6万円の自動車維持費用をカバーすることは到底できません。また、夕方に行う子供の塾の送り迎えでは、自動車があると便利ということもあります。しかし、都市部であればカーシェアリングを利用することで解決できます。仮にカーシェアリングでレンタルできないときであっても、タクシーを利用すれば対応できます。自由な時間と快適な自動車生活の二者択一このように考えると、自動車は生活の必需品ではないことに気付きました。自動車生活を捨てて、タクシーやカーシェアリングを利用することで、ずいぶん固定費削減になりそうです。しかし、論理的にはわかっていても、これを実践することは容易ではありません。その最大の理由は、現状の快適な生活を捨て去ることへの抵抗感です。得ることができるのは、自動車維持のためにかかる固定費ですが、あくまでバーチャルな収益にすぎません。実際に財布の中でお金が増えるわけではないのです。一方、失うのは目の前の快適な生活です。快適さを得るために支払うコストが過大であることを理解しつつも、実際に失うのはすでに享受している快適な生活です。この精神的な葛藤を乗り越えることが、最大のハードルと言っても言い過ぎではないでしょう。快適な自動車生活へのこだわりを持ち続けて、毎月6万円の無駄金を垂れ流し続けることは合理的ではありません。所得税+住民税率=50%の場合、6万円の収入を得るためには毎月12万円の収入が必要です。この金額は、1回3万円の定期夜診アルバイトに相当します。つまり、自動車を維持するためだけに毎週の夜診アルバイトをしていることになるのです。快適な自動車生活を維持するのか、もしくは自動車を捨ててアルバイトなしの生活を謳歌するのかは難しい判断ですね。

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第10回 カラダを温める食べ方【実践型!食事指導スライド】

第10回 カラダを温める食べ方医療者向けワンポイント解説カラダを温めることは、寒い冬の中で快適に毎日を送るための重要なポイントです。血流が悪くなると、代謝量が落ちる原因になるばかりか、冷えることで、「外出が億劫になる」「部屋の中でじっとして動かない」など活動量も落ちていきます。その結果、体重増加や食べ過ぎなどにつながってしまいます。また、カラダが冷えると筋肉も固くなり、けがや転倒のきっかけにもなります。寒い冬こそ代謝量や活動量が上がるよう、カラダを温める食べ方を意識してもらいましょう。以下ポイントについて解説をします。■ポイント1:肉や魚を食べる食事を摂取すると、消化の際に熱が産み出され、その一部が体熱となって消費されます。その結果、食事の後はカラダが温かくなり、安静時においても代謝量が増えます。これを『食事誘発性熱産生』(DIT:Diet Induced Thermogenesis)と言います。栄養素によって、このエネルギー量は異なり、タンパク質のみ摂取の場合は、摂取エネルギーの約30%、糖質のみ摂取では約6%、脂質のみ摂取では約4%と言われています。つまり、肉や魚、卵、大豆製品といったタンパク質の摂取は、ほかの栄養素と比べてカラダを温める働きが強いと言えます。また、筋肉量を増やすと体温はより高まるので、タンパク質の中でも脂肪が少なく、筋肉を作るのに適した栄養成分で組成されているヒレ肉や赤身肉、魚、卵などを、毎食意識して食べてもらうのが良いでしょう。■ポイント2:温かい汁物を食べる温かい汁物や食物の摂取には、カラダを直接温める働きがあります。とくに汁物など液状のものは、喉から胃に流れる過程で温かさを長く感じることができます。また、胃は冷たいものが入ると収縮し、動きが緩慢になりますが、温められることで動きが活発になり、消化促進にもつながります。■ポイント3:ショウガを食べるショウガの成分には6-ジンゲロール、6-ショウガオール、ジンゲロンなどがあります。生の状態で多く含まれる6-ジンゲロールを加熱または乾燥させることで、6-ショウガオールへ変化します。6-ショウガオールは内側からカラダを温める働きがあるので、スープや味噌汁など汁物や炒め物に加えるなどの加熱調理による食べ方を意識すると、より効果的です。また、残ったショウガをスライスして、乾燥させておくと無駄なく利用できるのでおすすめです。■ポイント4:辛い料理を食べるカプサイシンは、末梢血管を広げ、血流を改善する働きが期待できます。血流がスムーズになることで、指先やつま先など末端の循環を高め、酸素や栄養素の運搬を促し、カラダを温める働きがあります。辛い料理を食べることも良いですが、苦手な方は、炒め物や煮物に輪切り唐辛子を少し加える、うどんなどに七味唐辛子や一味唐辛子をふるなど、一手間加えてみることもおすすめです。■ポイント5:生野菜より茹で野菜野菜は水分を多く含むため、生野菜の多量摂取は、冷たい水分を摂取し、カラダを冷やす要因となります。「生野菜を食べないと、ビタミンやミネラルが摂取できない」と考える方も多いですが、茹で野菜でもビタミンやミネラルは摂取できます。生野菜から流出するのは水溶性のビタミンやミネラルの一部であり、すべてがなくなるわけではありません。刻んで水につけた葉物からは、ビタミンCが約50%減少するというデータもありますが、50%は残存します。生野菜はかさがあるため、サラダでは大量に食べるのは難しいです。しかし、茹でることで、かさが減り、一度に食べられる量が増えるので、かえって効率的にビタミンやミネラルが摂取できます。また、ビタミンやミネラルの流出を減らすには、生で食べる場合は“洗ってから切る”、加熱して食べる場合は“茹でてから切る”がポイントです。カラダを温めることは、環境整備や運動だけでなく、食事でも対策ができます。『寒い時期こそ、カラダを温めることを意識し、活動量を上げましょう』と、患者さんにお伝えすると良いでしょう。

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第1回 信頼関係を築くためのポイント-基本を復習しましょう 接し方1-【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

こんにちは。勝野哲也と申します。愛知県の病院で内科医をしています。この連載では、病態が急変した患者さんはもとより、普段と違う小さなサインを見逃さないためにも知っておきたいバイタルサインの基礎知識を具体的な症例とともに紹介します。がん、脳卒中、意識障害の患者など、在宅患者の増加により薬剤師の訪問指導の機会は増えています。患者さんとの会話でキャッチできる情報もありますが、聞いただけ、見ただけでは分からない患者さんの病状の変化や薬の副作用もあるはず。具体的な症例紹介の前に、患者さんとの信頼関係を築くための基本的なポイントをお伝えします。ご存じのことが多いと思いますが、復習してみてください。目次信頼関係を築くためのポイント基本を復習しましょう 接し方1 ←今回はココ基本を復習しましょう 接し方2基本を復習しましょう 接し方3はじめて訪問する薬剤師さんへはじめて在宅患者さんに接する時、誰もが緊張することと思います。我々医療従事者の最大の目標は、患者さんの健康状態を改善することよりよい生活を送っていただくこと。そのために大切な点は、患者さんと協調的な信頼関係を築くことです。患者さんも十人十色で、人付き合いが上手で話し上手な方もいれば、なかなか自分の思っていることを口に出せない方もいます。まず、患者さんから必要な情報を得ることです。そして、患者さんに適切な情報を提供することです。言うのは簡単ですが、これがなかなか難しい・・・、医師として働き始めて14年が経ちましたが、そう感じることも多いです。患者さんと接する前に―身だしなみを整える身だしなみを整えます。下記のようなことに気を付けることが必要です。白衣や衣類清潔感のあるものにしましょう。名札はつけておくべきです。履物にも気を付けましょう。汚れた靴やサンダル、ヒールの高い靴は不快感を与えます。髪型や化粧・香水派手すぎず、不快に感じない程度とします。女性の長い髪はまとめておきましょう。手・爪意外と目に付くものです。手は清潔にしておき、爪は短く切っておきましょう。派手なマニキュアはよくありません。その他患者さんのお宅に訪問して、中に招かれた時には、脱いだ靴はそろえましょう。社会人として当たり前のことかもしれませんが、こうしたことが「信頼関係を築く」第一歩です。加えて、以前の記録や情報があれば、患者さんに会う前に確認しておくとよいでしょう。次は、「患者さんと接するとき」についておさらいしましょう。

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職場におけるうつ病予防のための心理学的および教育的介入効果~メタ解析

 うつ病予防に対する心理学的および教育的介入は、小~中程度の効果があるといわれている。しかし、職場における効果については、あまり知られていない。スペイン・マラガ大学のJuan Angel Bellon氏らは、職場におけるうつ病予防のための心理学的および教育的介入効果を評価するため、無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Scandinavian Journal of Work, environment & health誌オンライン版2018年11月30日号の報告。 PubMed、PsycINFO、EMBASE、CENTRAL、CIS-DOC、Open Greyより検索を行った。引用文献リストに記載された、関連するメタ解析および試験も検索対象とした。うつ病の発症率または抑うつ症状の軽減のいずれかを評価したRCTを抽出し、ベースライン時のうつ病患者は除外した。職場で募集された対象者に対し、検証された機器を用いて測定を行った試験を対象とした。独立した評価者により、試験の選択、リスクバイアス評価(Cochrane Collaboration's tool)、RCT抽出が行われた。固定効果モデルを用いて複合オッズ比(OR)を推定し、異質性はI2統計量およびCochrane's Qで評価した。 主な結果は以下のとおり。・1,963件のアブストラクトをレビューし、69件の全文レビューを行った。・基準を満たしたRCTは3件のみで、対象者は3つの国と大陸からの労働者1,246例であった。・複合ORは0.25(95%信頼区間[CI]:0.11~0.60、p=0.002)、I2=0%、Q=0.389(p=0.823)であった。・バイアスリスクは、1件は低、2件は中~高であった。 著者らは「職場における心理学的および教育的介入は、エビデンスの質は低いものの、うつ病を予防する可能性がある」としている。■関連記事職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始

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アトピー性皮膚炎にtapinarofクリームは有効

 アトピー性皮膚炎(AD)に対する安全かつ有効な局所治療が必要とされている。米国・PRA Health SciencesのJohnny Peppers氏らは、青年期および成人のADに対しtapinarof(GSK2894512 cream)は有効で忍容性が良好であることを、第II相無作為化用量設定試験で明らかにした。著者は、「大規模な臨床試験で確認する必要がある」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2019年1月号(オンライン版2018年7月3日号)掲載の報告。 研究グループはADに対し、tapinarofクリームの安全性と有効性を評価する目的で、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。対象は、ベースライン時に体表面積の5~35%において、医師による全般評価(IGA)スコアが3以上(中等度~重度)のAD病変を有する12~65歳の患者であった。患者は無作為化され、tapinarof 0.5%濃度、tapinarof 1%濃度、プラセボをそれぞれ1日1回もしくは2回投与する6群に均等に割り付けられた。 主要評価項目は、投与12週時のIGAスコアが0または1(皮膚病変が消失またはほぼ消失)および2段階以上改善(治療成功)した患者の割合とした。副次評価項目は、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアが75%以上改善した患者の割合、痒みに対するnumeric rating scale(NRS)スコアのベースラインからの減少などであった。 主な結果は以下のとおり。・12週時の治療成功率は、tapinarof 1%群では53%(1日2回投与)および46%(1日1回投与)、tapinarof 0.5%群では37%および34%、プラセボ群では24%および28%であった。・1日2回投与集団の治療成功率は、tapinarof 1%群(53%)がプラセボ投与群(24%)より統計学的に有意に高かった。・治療が成功した患者では、tapinarofの投与終了後、4週間にわたって改善状態が持続した。・治療下で発現した有害事象は、プラセボ群(41%、34/82例)よりtapinarof群(56%、93/165例)で多かった。有害事象の程度は、いずれも軽度~中等度であった。

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mFOLFIRINOXが膵がん術後補助療法に有望/NEJM

 転移を有する膵がんの術後補助療法において、フルオロウラシル/ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチンによる併用化学療法(修正FOLFIRINOX[mFOLFIRINOX])はゲムシタビン(GEM)療法に比べ、全生存期間が有意に延長する一方で、高い毒性発現率を伴うことが、フランス・ロレーヌ大学のThierry Conroy氏らが実施した「PRODIGE 24-ACCORD 24/CCTG PA 6試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年12月20日号に掲載された。膵がんの治療では、手術単独の5年生存率は約10%と低く、術後補助療法ではGEM(日本ではS-1のエビデンスもある)が標準治療とされるものの、2年以内に69~75%が再発する。転移を有する膵がんの1次治療では、従来のFOLFIRINOXはGEMに比べ、全生存期間を延長することが知られている。mFOLFIRINOX群に247例、GEM群に246例を割り付け 研究グループは、膵がん切除例において、術後補助療法としてのmFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性をGEMと比較する非盲検無作為化第III相試験を行った(R&D Unicancerなどの助成による)。 mFOLFIRINOXレジメンは、従来のFOLFIRINOXレジメンに含まれるフルオロウラシルのボーラス投与を行わないことで、血液毒性や下痢の発生を抑制し、重症度の軽減を図るもので、進行膵がんでは治療効果は低下しないことが確認されている。 対象は、年齢18~79歳、組織学的に膵管腺がんが確認され、割り付けの3~12ヵ月前に肉眼的完全切除術(R0:すべての切除断端から1mm以内にがん細胞がない、R1:1つ以上の切除断端から1mm以内にがん細胞がある)を受け、転移病変や悪性腹水、胸水のエビデンスがない患者であった。 被験者は、mFOLFIRINOX群(オキサリプラチン[85mg/m2体表面積]、イリノテカン[180mg/m2、プロトコールで規定された安全性解析後は150mg/m2に減量]、ロイコボリン[400mg/m2]、フルオロウラシル[2,400mg/m2]を、2週ごとに12サイクル投与)またはGEM群(4週を1サイクルとし、1、8、15日目に1,000mg/m2を静脈内投与、6サイクル)に無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要エンドポイントは無病生存期間(割り付け日から初回がん関連イベント、2次がん、全死因死亡までの期間)とし、副次エンドポイントには全生存期間、安全性などが含まれた。 2012年4月~2016年10月の期間に、フランスの58施設とカナダの19施設で493例が登録され、mFOLFIRINOX群に247例、GEM群には246例が割り付けられた。mFOLFIRINOX群で無病生存期間が8.8ヵ月、全生存期間は19.4ヵ月延長 ベースラインの年齢中央値は、mFOLFIRINOX群が63歳(範囲:30~79)、GEM群は64歳(30~81)、男性がそれぞれ57.5%、54.9%であった。リンパ管浸潤(73.7% vs. 63.1%、p=0.02)を除き、人口統計学データや疾患特性に差はなかった。治療期間中央値は、mFOLFIRINOX群が24.6週、GEM群は24.0週だった。 フォローアップ期間中央値は33.6ヵ月であった。無病生存期間中央値は、mFOLFIRINOX群が21.6ヵ月と、GEM群の12.8ヵ月に比べ有意に延長した(層別化ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.46~0.73、p<0.001)。3年無病生存率は、それぞれ39.7%、21.4%であった。イリノテカンの減量は無病生存期間に影響しなかった(p=0.87)。 全生存期間中央値は、mFOLFIRINOX群は54.4ヵ月であり、GEM群の35.0ヵ月に比し有意に良好であった(層別化HR:0.64、95%CI:0.48~0.86、p=0.003)。3年全生存率は、それぞれ63.4%、48.6%だった。 mFOLFIRINOX群は、無転移生存期間(割り付け日から初回遠隔転移または死亡までの期間、30.4ヵ月vs.17.7ヵ月、p<0.001)およびがん特異的生存期間(割り付け日から治療対象がんまたは治療関連合併症による死亡までの期間、未到達vs.36.4ヵ月、p=0.003)も有意に優れた。 Grade3/4の有害事象は、mFOLFIRINOX群が75.9%、GEM群は52.9%で発現した。血液毒性の発現には両群間に差はないものの、好中球減少/発熱性好中球減少へのG-CSFの投与がmFOLFIRINOX群で多く(62.2% vs.3.7%、p<0.001)、非血液毒性の多く(疲労、下痢、悪心、腹痛、嘔吐、感覚性末梢神経障害、異常感覚、粘膜炎)がmFOLFIRINOX群で有意に発現率が高かった。GEM群の1例が治療関連毒性(間質性肺炎)により死亡した。 著者は、「予想どおりmFOLFIRINOXの安全性プロファイルはGEMに比べ不良であったが、管理可能だった。フルオロウラシルのボーラス投与の非施行(およびイリノテカンの減量)により、Grade3/4の好中球減少は既報(PRODIGE試験)のFOLFIRINOXの46%から、本試験では28%に減少した」としている。

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画像認識技術を応用し薬剤一包化を監査/富士フィルム

 富士フイルム株式会社は、一包化された薬剤の名称と数量を自動的に判定し、調剤薬局などでの薬剤師の監査業務をサポートする一包化監査支援システム「PROOFIT 1D(プルーフィット ワンドース)」を、2019年1月11日より富士フイルム富山化学株式会社(社長:岡田 淳二)を通じて発売する。 昨今、高齢化に伴って慢性疾患が増え、一回に服用する薬剤が多くなる中、薬剤の飲み忘れや飲み間違いを防止するために、薬剤の一包化ニーズが高まっている。現在、薬剤師には、健康被害を防ぐため、薬剤を渡す時に、薬剤の種類や数量に間違いがないかを確認する監査業務が義務付けられている。しかし、一包化された薬剤の監査業務では、薬剤師が一包ごとに薬剤の種類と数量を目視で確認しているため、大きな作業負荷がかかる。今後、在宅医療における服薬支援・指導など、地域での薬剤師の役割期待が拡大する中で、目視のみならず、システムも活用して、薬剤の監査業務の効率性をより高めていきたいというニーズがますます高まっている。 「PROOFIT 1D」は、富士フイルムが写真・医療分野で培ってきた技術を応用して開発した一包化監査支援システム。高度な光学設計技術や画像処理技術により、錠剤やカプセル剤の高画質撮影を実現。さらに独自の画像認識技術で、一つ一つの錠剤の刻印や文字、カプセル剤の色や形などを高速・高精度に読み取る。また、新たに開発した「錠剤の刻印や文字の抽出技術」により、これまで困難であった、錠剤の表裏や刻印の向きをそろえた、一包化された薬剤の一覧表示が可能。刻印を強調表示する機能も搭載しているため、モニター上で薬剤師が監査しやすい情報を提供する。 このほか、監査に使用した画像を専用パソコンに50万包分保存することが可能で、いつでも処方した薬剤を検索して画像で確認できるため、履歴管理を効率的に行うことができる。さらに、薬剤の名称を判定するために参照する医薬品のマスターデータを、専用回線を通じて自動的に更新することが可能。新たに販売された医薬品の監査業務にも対応するとともに、システムの維持管理にかかる業務負担を軽減する。

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