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ノンシュガー甘味料の健康への影響~メタ解析/BMJ

 ドイツ・フライブルク大学のIngrid Toews氏らによる無作為化/非無作為化比較試験および観察試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果、ノンシュガー甘味料(non-sugar sweeteners:NSS)の摂取群と非摂取群とでほとんどの健康上のアウトカムに差はみられないことが示された。ただし、著者は「NSSの摂取が有益であるという有力な証拠はなく、NSS摂取の潜在的な有害性が排除されたわけではない」とまとめている。これまでの研究では、NSS摂取による健康への影響(体重、糖尿病、がん、口腔衛生など)が示唆されていたが、一貫したエビデンスは得られていなかった。BMJ誌2019年1月2日号掲載の報告。健康成人/小児対象、ノンシュガー甘味料の摂取vs.非摂取試験をメタ解析 研究グループは、Medline(Ovid)、Embase、Cochrane CENTRAL、WHO International Clinical Trials Registry Platform、ClinicalTrials.gov、および関連する参考文献リストを検索し、過体重/肥満の有無にかかわらず一般的な健康成人/小児を対象に、NSSの非摂取/低摂取と高摂取を直接比較した研究のうち、使用したNSSが明記され、摂取量が1日許容量の範囲内であり、介入期間が7日間以上の研究を特定し、標準的なコクランレビューの方法論に従いシステマティックレビューを実施した。 主要評価項目は、体重/BMI、血糖コントロール、口腔衛生、摂食行動、甘味の好み、がん、心血管疾患、腎疾患、気分、行動、神経認知機能、有害事象であった。ノンシュガー甘味料の摂取の有無や摂取量の違いで健康アウトカムに差はない 1万3,941報がスクリーニングされ、56件の研究が今回のレビューに組み込まれた。このうち、35件が観察研究であった。 成人では、症例数の少ない小規模な研究において、BMI(平均差:-0.6、95%信頼区間[CI]:-1.19~-0.01、2件の研究[174例])ならびに空腹時血糖(平均差:-0.16mmol/L、95%CI:-0.26~-0.06、2件の研究[52例])に関してNSSのわずかな有益性が示されたが、エビデンスの質はそれぞれ、低い、非常に低い、であった。 また、1件の研究(1万7,934例)において、NSSの低摂取は高摂取と比較し体重増加が少ないことが示されたが(平均差:-0.09kg、95%CI:-0.13~-0.05)、エビデンスの質は非常に低かった。他の評価項目についてはすべて、NSS摂取と非摂取ならびに摂取量の違いで有意差は認められなかった。 積極的に減量に取り組んでいる過体重/肥満の成人/小児において、NSSの有効性を示すいかなるエビデンスも確認されなかった(エビデンスの質は非常に低い~中程度)。 小児における検討で、NSS摂取は砂糖の摂取と比較し、BMI Zスコアのわずかな増加が確認されたが(平均差:-0.15、95%CI:-0.17~-0.12、2件の研究[528例]、エビデンスの質は中程度)、体重の差は認められず(平均差:-0.60kg、95%CI:-1.33~0.14、2件の研究[467例]、エビデンスの質は低い)、NSS摂取量の違いによる有意差は確認されなかった(エビデンスの質は非常に低い~中等度)。 なお、著者は、多くの研究は参加者が少なく、短期間であり、研究の方法論や質が限られていたことから、「今後は、適切な介入期間でNSSの影響を評価する必要があり、すべての報告で比較対照や介入法、評価項目について詳細に記述すべきである」と指摘している。

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メトトレキサート少量投与が心臓血管イベントを抑制しうるか?(解説:今井靖氏)-997

オリジナルニュース低用量メトトレキサートは冠動脈疾患例のMACEを抑制せず:CIRT/AHA(2018/11/20掲載) IL-1βを標的とした抗体医薬であるカナキヌマブ投与により心血管イベントおよび一部の悪性腫瘍発生を抑制したというCANTOS研究の成果が記憶に新しいが、より簡便な内服薬としてメトトレキサート(MTX)投与により炎症性サイトカインが抑制されることで心血管イベントが抑制されるか否かを検討したのがこの報告である(CIRT研究)。 この論文によれば心筋梗塞既往があるか多枝冠動脈病変を有し2型糖尿病またはメタボリック症候群を有する4,786症例を(1)週当たり15~20mgを目標用量とする低用量メトトレキサート療法および(2)プラセボ投与の2群に1:1に割り付ける二重盲検比較試験を行っている。なお導入期において非盲検でMTXを5、10、15mgと漸増させ葉酸欠乏を回避するために毎日葉酸を1mg補充しており、その後、盲検化し2群に割付し追跡している。主要エンドポイントは非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中あるいは心臓血管死のいずれかの複合を当初予定していたが、盲検化する前に、入院を要する不安定狭心症も上記エンドポイントの1つとして加えられている。 この研究は中間値2.3年で中止された。残念ながらMTX投与群においてプラセボ群に比較して有意なIL-1β、IL-6、CRPの低下が得られず、また主要エンドポイントについてもMTX群で201例、プラセボ群において207例(イベント発生率:4.13 vs.4.31[100人年当たり]、ハザード比:0.96、95%信頼区間:0.79~1.16)であった。MTX群においては肝逸脱酵素の上昇、白血球数減少、ヘマトクリット値減少および非基底細胞性の皮膚がん発症に関連していた。結論として、安定した動脈硬化性疾患患者において低用量MTXが炎症マーカーを抑制することは無く、また心臓血管イベントを抑制することも無かった。 私見を述べさせていただくが、膠原病、悪性腫瘍など適応がある疾患についてのMTX療法の有用性・妥当性は明確であるが、この研究成果からはMTXを動脈硬化性疾患治療としての投与は断じて避けるべきである。またMTXは週当たり20mgを超えると重篤な副作用が増加することが文献的に知られており、本研究の用量設定の目標15mgというものに循環器内科医として抵抗感を覚えるとともに、一般診療においてMTX投与時に葉酸補充を行うが、たとえば重篤な合併症として知られる間質性肺炎は葉酸投与では回避できないということは周知の事実であり、そのような重大な副作用のことも十分に考慮したうえでの薬物療法であるべきと思われる。また葉酸は補充されているものの、葉酸代謝に関連することが知られる血中ホモシステイン濃度が冠動脈疾患のリスクになることは歴史的に良く知られており(たとえば代謝酵素のMTHFRは葉酸依存性である)、そのような因子の関与、たとえばそれらの血中濃度についてのデータも評価すべきであったかと考える次第である。

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還暦を迎えて【Dr. 中島の 新・徒然草】(255)

二百五十五の段 還暦を迎えて2019年開始とともに亥年生まれの私は数え61歳となり、還暦を迎えました。めでたいというよりも、もうそんな歳になってしまったか、というのが実感です。今回は還暦を迎えて思うところを率直に述べたいと思います。医師をしていて良かったことと良くなかったこと良かったことは、自分がいつも最新の医療を受けることができたということです。これまでの人生で、ひょっとして死ぬかも、という事が4回ありましたが、おかげさまで生きております。治療に関わってくれた皆さん、ありがとうございました。せめてその恩返しと思い、今も看護学校の講師や入学試験の面接官を続けています。逆に医師をしていて良くなかったというか、苦しかったことは、日当直や宅直で休みのない時期が10年も20年も続いたことです。土日でも夜中でも関係なしに病院に呼び出されるというのは、理屈抜きに辛いものでした。使命感とか責任感とかには関係なく、そもそも人間の体はそういう勤務に耐えられるようにはできていないのだと思います。結局、自分自身が入院・手術という経験をする羽目になってしまいました。最近、世間では医師の働き方改革が進んでいますが、私は大いに賛成です。自分が健康でなければ、他人様の診療なんぞできたものではありません。年をとって良かったこと加齢の最大のメリットは、自分自身が数多くの身体的不調を体験しているということです。自分で自分にあれこれ試した治療を、自信を持って患者さんにアドバイスすることができます。とはいえ、さらに年をとれば、そんな屁理屈を言う余裕もなくなるかもしれません。若い人たちに伝えたいこと私は自分の患者さんに、いつも「明るく楽しく前向きに生きましょう」と申し上げています。自分の不運をすべて他人のせいにして文句を言っている人には、さらなる試練が降ってくるのを見てきたからです。逆に、明るく楽しく前向きに生きている人には幸運がついてくるような気がします。いつも明るく振る舞うことは、一般に思われているよりもずっと大切なことなのだと最近思うようになりました。ということで還暦を迎えた1句亥年(いどし)来て 生まれ変わって 二周目だ

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第15回 低用量ピルのよくある質問に答えるエビデンス【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 低用量ピルは、避妊目的だけでなく、月経の周期、痛みや倦怠感などの月経困難症をコントロールすることで女性のさまざまな悩みを改善し、かつ安全性も高いという有用な薬剤です。しかし、副作用の懸念から抵抗を示される方も少なからずいらっしゃいます。副作用リスクを正しく認識していただいたうえでメリットを享受していただけるように、服薬指導でのよくある質問と参考となる研究を紹介します。低用量ピルは避妊のためのものではないのか低用量ピルには、避妊を目的とする経口避妊薬(Oral Contraceptive:OC)と月経困難症などの治療を目的とする低用量エストロゲン-プロゲスチン(Low dose estrogen-progestin:LEP)があり、どちらも服用すると、実際は妊娠していなくても下垂体は妊娠したと認識をするので排卵が起こらないようになります。低用量ピルの中止後は通常の月経に戻るのか月経をコントロールするという性質からか、低用量ピルの中止時に通常の月経に戻るのか、再び妊娠できる状態になるのか心配される方もいらっしゃいます。そういう場合には可逆性があることを説明できると安心材料になります。たとえば、レボノルゲストレル90μg/エチニルエストラジオール20μgを約1年服用した18〜49歳(平均年齢30.4歳)の女性で、通常の月経または妊娠に至るまでの期間を検討した観察研究では、最後の服用から90日以内に187例中185例(98.9%)で自然月経が再開または妊娠したという結果が出ています(自発月経181例、妊娠4例)。月経が再開するまでの期間の中央値は32日でした。これを踏まえると、中止後、妊娠していない状態で90日以上月経が再開しない場合は無月経の可能性が高いため、受診を勧める目安になります1)。低用量ピルを服用すると体重は増加するのかこれも比較的よくある質問ですが、服薬拒否にもつながりやすい事由なので丁寧な説明が求められます。体重増加について検討したコクランのシステマティックレビューがあり2)、試験の背景として体重増加がピル服用に関連していると考える女性が多く、服用の開始が遅れたり中止になったりすることが多いという問題が提示されています。しかしながら、実際にはプラセボ投与群または介入なし群を含む4試験では、低用量ピル(または避妊薬パッチ)の使用と体重増加の因果関係を支持する結果は見いだされませんでした。また、さまざまな種類のピルと投与量(エチニルエストラジオール20〜50μg)を比較した試験の大多数でも、グループ間で体重に関して有意差がないことが示されています。少なくとも大きな体重増加との関連はほぼないと説明してよさそうです。低用量ピルによる血栓症リスクはどれくらいあるのか血栓症ひいては静脈血栓塞栓症(VTE)は、ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠(商品目:ヤーズ配合錠)でブルーレターが発出されています。頻度としては低いのですが、低用量ピルに共通の副作用ですので、どの製剤であっても早期に兆候を察知して対処できるよう説明が必要です。VTEリスクの上昇は、エストロゲン含有ピルの摂取により、凝固因子II、VII、X、XII、VIIIおよびフィブリノゲンの血漿濃度が上がることが機序として考えられています3,4)。このリスクの感覚値をお伝えするうえで、参考になる症例対照研究があります5)。2015年にBMJ誌に掲載された研究で、2001~13年の間に英国においてVTEと診断された15~49歳の女性を対象としています。年齢、慣習、時期などをマッチさせた対照群を設定し、前年度の経口避妊薬摂取によってVTEの発生率が上がるかを検討したものです。オッズ比は、喫煙の有無、アルコール摂取、人種、BMI、合併疾患、他の経口避妊薬摂取などの因子で調整し、解析しています。その結果、年間10,000人当たりでVTEを発症する追加人数は、プロゲスチンの世代分類の観点からみると、第1世代(オーソ、シンフェーズ、ルナベルLD)と第2世代(トリキュラー、アンジュ)は6~7例の発生に対して、第3世代(マーベロン)は14例、第4世代(ヤーズ)は13例です。新しい世代のものほど、やや血栓症が出やすいという結果が出ています。一方で、エチニルエストラジオール含有量が高いほど脳卒中や心筋梗塞のイベントリスクが高い傾向にあり、表にあるようなプロゲスチンの種類による差は微々たるものであることを示唆するNEJM誌の論文もありますから6)、それも参考としてしっておくとよいかもしれません。VTEは早期の診断・治療が重要ですので、VTEの特徴的な兆候(英語の頭文字をとってACHES)を覚えておくと有用です。A:abdominal pain(激しい腹痛)C:chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み)H:headache(激しい頭痛)E:eye/speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、痙攣、意識障害)S:severe leg pain(ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている)これらの兆候に気付いたら、重症化を防ぐため、すぐに中止のうえ受診を促す必要があるので、服薬指導時にお伝えしましょう。1)Davis AR, et al. Fertil Steril. 2008;89:1059-1063.2)Gallo MF, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2014 Jan 29:CD003987.3)Middeldorp S, et al. Thromb Haemost. 2000;84:4-8.4)Kemmeren JM, et al. Thromb Haemost. 2002;87:199-205.5)Vinogradova Y, et al. BMJ. 2015;350:h2135.6)Lidegaard O, et al. N Engl J Med. 2012;366:2257-2266.

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高齢者に対するICIは効きが悪い?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第4回

第4回 高齢者に対するICIは効きが悪い?1)Lichtenstein MRL, et al. Impact of Age on Outcomes with Immunotherapy in Patients with Non-Small Cell Lung Cancer(NSCLC). J Thorac Oncol. 2018 Nov 23. [Epub ahead of print]2)Grossi F, et al. Use of nivolumab in elderly patients with advanced squamous non-small-cell lung cancer: results from the Italian cohort of an expanded access programme. Eur J Cancer. 2018;100:126-134.NSCLCのみならず、今後SCLCでも初回治療に導入が進むと期待される免疫チェックポイント阻害剤(ICI)。一方で、治験データからは見えてこない高齢者やPS不良例に対する効果についてはしばしば議論がなされてきた。今回、高齢者に対する2つのレトロ解析を紹介する。1)について2013~17年まで、MGH(マサチューセッツ総合病院)でPD-1/L1単剤治療を受けた245例。31.0%が70代、11.4%が80代。PD-L1免疫染色はE1L3N cloneで実施。PFSは70代までは年齢が上がるごとに延長(70代のmPFS 3.8ヵ月)、しかし80代のmPFSは1.6ヵ月と短かった。OSは60歳未満、60代、70代で同等(12~14ヵ月)であったが、80代で3.6ヵ月と短かった。有害事象は年代によって大きな差はなし。2)について欧州におけるexpanded access programmeをまとめたもの。2015年に欧州にある96の病院で治療を受けた、扁平上皮がん371例が対象。75歳以上は19%、80歳以上の割合は不明。ORRは年代で差はなし。PFSについても3.2~4.2ヵ月と同様。OSは75歳以上で5.8ヵ月と、そのほか(7.9~8.6ヵ月)に比して短かった。有害事象は年代によって大きな差はなし。解説高齢者に対する化学療法は本邦でも重要な課題だが、これまでの治験のサブセットは多くが65歳や70歳などで区切られており、われわれが実臨床で考える高齢者とはかけ離れているという問題がある。また、免疫応答が異なる集団でICIの効果が異なるかについてはいろいろ興味深い検討がなされており、最近のJAMA Oncol誌にも男女間でICIの効果に差はなさそうだ、というメタアナリシスが報告されている(Wallis CJD, et al. JAMA Oncol. 2019 Jan 3. [Epub ahead of print])。高齢者については、「免疫応答が落ちているのでICIの効果が劣る」という意見と「高齢者にできる腫瘍はTMBが高い可能性があるのでICIの効果は高いのでは」という、相反する意見があった。今回紹介した論文について、前者では80歳以上の高齢者で効果が低そう、という知見だが、この集団の患者背景を見てみると脳転移を有する患者の割合が他よりも有意に多く(約30%)、PS2の患者も35%を占めるなど、予後不良な因子を有する集団である。PFSは1.6ヵ月と非常に短く、OSも3.6ヵ月と同様に短いこともこれを反映していると思われる。一方、EJC誌のレトロ解析では、ORR、PFSはいずれの年代でも同様であった。こちらは逆に75歳以上の集団でのみ脳転移の頻度が少ないので解釈が悩ましいところだが、全体、高齢者集団とも過去の第III相試験における有効性データと近い結果であり、サンプルサイズもより多く、信頼性はやや高いと思われる。なお、双方の研究ともに高齢者ではOSが非常に短くなっているが、何らかの予後不良因子が隠れているのか、もしくはICI後の治療割合が本邦に比して低いのかなど、まだ不明な点は多いといえる。有害事象については、いずれの報告でも年齢による差はない、つまり細胞障害性薬剤より軽い、ということであるので、結局のところ、これらの報告から「高齢者だからといってICIの使用を躊躇する必要はなさそうだ」、というのが自分の考えである。PD-L1高発現など選別した集団において年齢によって効果の違いがあるのか、今後の研究が望まれる。

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日本人認知症高齢者における抗精神病薬使用および関連因子

 抗精神病薬は、死亡率や脳血管イベントに対するリスク増加と関連が認められているが、認知症患者の行動と心理症状(BPSD)のマネジメントに用いられている。日本におけるこれまでの研究では、抗認知症薬を処方中の高齢者における抗精神病薬の使用率の推定が行われてきた。筑波大学の黒田 直明氏らは、介護保険データを用いて、認知症高齢者における抗精神病薬使用率のより正確な推定値を算出し、抗精神病薬使用に関連する因子を特定するため、検討を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2018年11月27日号の報告。 中規模地方都市の2012年4月~2013年9月までの医療および介護保険請求データ、要介護認定データを用いた。75歳以上の認知症が疑われる高齢者(抗認知症薬を処方および/または要介護認定データにおける認知症疑い)における抗精神病薬の1年使用率を推定した。 主な結果は以下のとおり。・参加者2万5,919例中、4,865例において認知症が疑われ、1,506例が抗認知症薬を処方されていた。・抗精神病薬の使用率は、認知症が疑われる高齢者で10.7%であり、抗認知症薬を処方されていた高齢者(16.4%)より低かった。・要介護認定データでの認知症疑いの高齢者4,419例において、抗精神病薬使用増加と関連が認められた因子は、認知機能低下(対軽度、調整オッズ比[aOR]:2.16、95%信頼区間[CI]:1.63~2.86)、抗認知症薬の処方(aOR:2.27、95%CI:1.84~2.81)、入居型の介護サービス利用(aOR:2.34、95%CI:1.85~2.97)であった。・92歳以上では、77歳未満と比較し、抗精神病薬使用のオッズ比が低かった(aOR:0.42、95%CI:0.27~0.65)。 著者らは「これらの所見は、BPSDの負担を推定し、不適切な抗精神病薬使用を減少させるための対策を講じるうえで役立つであろう」としている。■関連記事認知症に対する抗精神病薬処方、治療反応の予測因子は:慈恵医大警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか認知症への抗精神病薬処方減少へ、ポイントは看護師

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急性STEMI、PCI中の早期にアルテプラーゼ投与は有効か/JAMA

 発症後6時間以内の急性ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、直接的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)中の補助的な低用量アルテプラーゼ冠動脈内投与は、微小血管閉塞量を低下しないことが示された。英国・グラスゴー大学のPeter J. McCartney氏らが440例の患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験の結果で、JAMA誌2019年1月1・8日号で発表された。微小血管閉塞は概して、急性STEMI患者に影響を及ぼし、有害転帰と関連することが知られる。著者は「試験の結果は、このような治療法を支持しないものだった」とまとめている。アルテプラーゼを、再灌流直後・ステント留置前に冠動脈内投与 研究グループは2016年3月~2017年12月にかけて、主冠動脈の近位-中間部血管閉塞によるSTEMI発症後6時間以内に、英国内11ヵ所の病院を受診した患者440例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に3群に分け、アルテプラーゼ10mg(144例)、アルテプラーゼ20mg(145例)、プラセボ(151例)を、直接的PCI中の早期、梗塞関連冠動脈の再灌流直後でステント留置前に、それぞれ冠動脈内に注入した。 主要アウトカムは、試験開始後2~7日にコントラスト強調心臓MRIで評価した微小血管閉塞量(左室心筋重量%)だった。微小血管閉塞量、アルテプラーゼ両群ともにプラセボ群と同等 事前に規定した無益性分析の基準から、中間解析時における条件付き検出力が、両用量のアルテプラーゼ群ともに30%未満だったため、被験者募集は当初予定よりも早く2017年12月21日に中止となった。 無作為化を受けた被験者440例は、平均年齢60.5歳、女性は15%だった。主要アウトカムの評価ができたのは396例(90%)、フォローアップ中に試験を中止したのは17例(3.9%)で、それ以外の全例は3ヵ月間のフォローアップを完了した。 主要解析において、微小血管閉塞の平均量は、アルテプラーゼ20mg群3.5%、プラセボ群2.3%だった(推定群間差:1.16%、95%信頼区間[CI]:-0.08~2.41、p=0.32)。また、アルテプラーゼ10mg群は2.6%だった(対プラセボの推定群間差:0.29%、95%CI:-0.76~1.35、p=0.74)。 なお、重大有害心イベント(心臓死、非致死的MI、予定外の心不全入院)の発生率は、プラセボ群が15例(10.1%)、アルテプラーゼ10mg群が18例(12.9%)、アルテプラーゼ20mg群が12例(8.2%)だった。

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血中hsCRP高値の現・元喫煙者、肺がんリスク高い/BMJ

 血中高感度C反応性蛋白(hsCRP)が高値の元喫煙者および現喫煙者は、肺がんリスクが高いことが示された。一方で、hsCRP値と肺腺がんリスクの関連は認められず、hsCRP値は、原因となるリスク因子ではなく肺がんの診断前マーカーとなりうる可能性が示されたという。国際がん研究機関(IARC、本部:フランス)のDavid C. Muller氏らが、20のコホート試験を基に行った、コホート内ケースコントロール試験の結果で、BMJ誌2019年1月3日号で発表した。先行研究では、CRPは全身性炎症のマーカーで、肺がんリスクと関連することが示されていた。しかし、喫煙状態別(喫煙歴なし、元喫煙、現喫煙)の関連について正確な推定値を示すことが可能な規模の試験はなかった。喫煙歴や組織学的亜型に分けて関連を検証 研究グループは、アジア、欧州、オーストラリア、米国で行われた20の住民ベースコホート試験を基にケースコントロール試験を行い、診断前の血清またはプラズマhsCRP値と肺がんとの関連を検証した。喫煙歴や組織学的亜型に分けて分析した。 被験者は、新たに肺がんの診断を受けた5,299例と、個別に罹患密度でマッチングした同数の対照群だった。血中hsCRP値2倍の元・現喫煙者、肺がんリスクは1.09倍 元喫煙者と現喫煙者で、血中hsCRP値が高いほど肺がんリスクも上がり、血中hsCRP値が2倍に上昇した場合のそれぞれのオッズ比は、現喫煙者1.09(95%信頼区間[CI]:1.05~1.13)、元喫煙者1.09(同:1.04~1.14)だった(相互作用p<0.01)。この関連は、とくにフォローアップの当初2年間でがんと診断された場合に強くみられた。一方、喫煙歴のない人では、こうした関連は認められなかった。 血中hsCRP値と肺がんリスクとの強い関連は、腺がんを除くすべての組織学的亜型で一貫して認められた。腺がんの関連オッズ比は0.97(同:0.94~1.01)で、喫煙歴にかかわらず関連はみられなかった。 リスクモデルで、喫煙ベースの変数に血中hsCRP値を加味しても、全体的なリスク判別能は改善しなかった。しかし、わずかだが、フォローアップの当初2年間のがん診断については改善がみられた。

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術前化学療法を施行したHER2陽性乳がんにおける術後T-DM1の有効性(解説:矢形寛氏)-996

 ドイツのKATHERINE試験結果が2018年サン・アントニオ乳シンポジウムで報告された後、すぐに論文化されたものであり、まだ最終結果ではないものの、われわれの臨床を変える情報であった。 全体として3年無浸潤病変生存率の差が10%以上と大きな改善をみている。全生存率は境界域ではあるものの、より長期に追跡することにより十分な有意差が出てくることを期待させる内容である。現時点でも十分臨床応用するに値する結果であり、HER2陽性進行乳がんで、術前化学療法により十分な効果があったものの、浸潤がん残存が認められるもの、HR陰性例などで、とくに有用性が高いものと思われる。 注意が必要なのは、本試験の適格基準が、術前HER2標的剤治療を完遂したものとなっており、PDやSD、あるいは有害事象などで中断したものは適応とはなっていないことは知っておくべきである。さらにT-DM1群で血小板減少症を来した1例が脳内出血により死亡しており、不要な有害事象を避けるためにも適応は慎重に選択しなければならない。

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出張で食生活が乱れがちな患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第25回

■外来NGワード「出張中も食事に気を付けなさい!」(あいまいな注意)「出張中はバランスの取れた定食を食べるようにしなさい!」(原因を考えない指導)■解説 出張以外の日は体重管理ができていても、出張中に体重が増えるという患者さんがいます。そういった患者さんは、普段は体重管理ができる食事環境(たとえば、朝・夕食は自宅、昼は社食を利用など)ですが、出張となると、食生活が乱れてしまうパターンが多いです。会社の接待などでやむを得ず外食が続くケースもありますが、出張中に羽目を外して食べ過ぎ・飲み過ぎている可能性もあります。まずは、患者さんのやる気を再確認して、体重管理を阻害する原因を明らかにしましょう。外来では、以下のロールプレイを参考に、患者さんが出張中の食事をどうしているのか聞いてみましょう。原因が明らかになれば、事前に対策を考えることができますね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、体重管理はいかがですか?患者家にいるときは大丈夫なのですが、出張中に体重が増えてしまって…。医師家では体重が管理できているんですね。(できていることをまず褒める)患者そうなんです。朝と晩は妻が健康的な食事を作ってくれますし、昼は社食でヘルシーな定食を頼むようにしています。けど、出張中はそうもいかなくて。医師なるほど。体重が増える原因は何でしょうか?患者一緒に出張した人と飲みに行くことですかね。医師なるほど。他に思い当たることはありますか?患者お昼も外食になるので、食事のカロリーが高くなっているのかも…。医師普段食べないものを食べたりして?患者そうなんです。出張に行くと、今日はいいかなって思ってしまって。医師そうですね、その気持ちのゆるみが、体重が増えてしまう本当の原因かもしれませんね。患者うーん、そうか。困ったな…。医師出張によく行く方でも、上手に体重管理されている人がいますよ!患者え、その方はどうしているんですか?(興味津々)医師今回のように、体重が増える原因を明らかにして、事前に対策を立てておられました。Aさんの場合なら、カロリーを摂りがちなお昼に何を食べるかとか、誰かと飲みに行っても太らない食べ方・飲み方を考えることが大切ですね。患者確かに。それと、気持ちのゆるみ対策ですね。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「出張によく行く方でも、上手に体重管理されている人がいますよ!」

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第9回 同等性を示すための試験方法は?【統計のそこが知りたい!】

第9回 同等性を示すための試験方法は?臨床試験において通常の解析では、p値が0.05よりも小さければ「差がある」と判断し、0.05以上であれば「差がない」と判断します。前回、統計的仮説検定は帰無仮説を棄却することだけにあり、帰無仮説が棄却できなかった場合は、「2つの薬剤(従来薬と新薬)の効果が等しい」と積極的に証明できたわけではなく、「結論は保留」、つまり「有意差がなかった」、あるいは「効果があったかどうかはわからなかった」というのが、結果の正しい解釈であることをご紹介しました。それでは、2つの薬剤の効果が等しいということを明らかにしたい場合、どうすればよいのでしょうか。今回は、同等性を示すために、どのような解析をすればよいのかを解説します。■p値から同等性を示すことはできない例:解熱剤である新薬Y(8例)と従来薬X(10例)を割り付けた臨床試験において、薬剤投与前後の低下体温平均値が新薬Yで1.0℃、従来薬Xで0.7℃であった(表1)。表1●問題 表1の臨床試験データに仮説検定を行った。帰無仮説 新薬Yの低下体温平均値は従来薬Xと同等である。対立仮説 新薬Yの低下体温平均値は従来薬Xと違いがある。p値=0.27p値>0.05により、帰無仮説を棄却できず、対立仮説を採択できない。以上により、この解析結果を正しく表しているのは次の3つのうちどれでしょうか?1)新薬Yの低下体温平均値は従来薬Xと同等である。2)新薬Yの低下体温平均値が従来薬Xと違いがあるとはいえない。3)新薬Yの低下体温平均値が従来薬Xより低いといえる。解答を見る 解答 2p値は、「違いがあるといえない」ということは証明できても「同等である」ということを証明することはできないのです。■同等性を示すにはどうすればいいか下記に2つの臨床試験A(表2)とB(表3)を示します。AとBどちらも低下体温平均値は同じで、p=1.00>0.05でした。これよりどちらも帰無仮説は棄却できず、低下体温平均値は、YとXでは違いがあるということはできません。そして、この結果から、YとXが同等だということもいえません。表2 臨床試験結果A表3 臨床試験結果B同等性はp値では把握できないのですが、信頼区間を使って同等性をみることができるのです。では、この臨床試験AとBの信頼区間をみてみましょう。Aは、-0.55~0.55でBは、-0.09~0.09でした。p値は同じでも、このように信頼区間は、BのほうがAより幅が狭くなっています。一方、Aは幅が広すぎてYとXは同等といえそうにありませんが、Bは幅が狭いので同等といえそうですね。Bにおいて信頼区間が-0.09~0.09と狭く、臨床的に同等だとみなしてよいという判断ができれば、YとXは同等ということがいえます。ただし、この判断の基準になる「信頼区間がこのくらいであれば許容できる」という同等性の許容範囲は、研究を始める前に決めて、研究計画書に記載しておくことが義務付けられています。この許容範囲を「同等性マージン」と言います。図に示しましたようにBは同等性マージンの範囲に入っているので、同等性があるといえるのです。図 信頼区間と同等性マージンですから、論文を読む際には、何を示しているデータなのか、試験方法や同等性マージンの設定域、n数(サンプルサイズ)などをきちんとみなければなりません。このように同等性を示す場合には、信頼区間の上下限とも同等性マージンの幅の中に入らなければなりませんが、そのためには信頼区間がかなり小さくなるようにn数(サンプルサイズ)をいくつにするかを試験の前に設定し、十分なn数(サンプルサイズ)での試験をしなければなりません。そのため、その解決策として非劣性試験が行われることが多いのです。同等性試験については、後発医薬品などの申請に際し、添付すべき生物学的同等性試験のガイドラインが厚生労働省から示されており、そのガイドラインにおいて、試験方法、同等性評価パラメーター、生物学的同等の許容域(同等性マージン)、統計学的解析、同等性の判定などをどのようにすべきかなど、詳細に明記されています(参考:後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン)。次回は非劣性試験について解説いたします。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション7 信頼区間とはセクション8 信頼区間による仮説検定セクション10 p値による仮説検定

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第2回 患者さんと接するときのおさらい-基本を復習しましょう 接し方2-【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は、患者さんとの信頼関係を築くための基本的なポイントをお伝えします。ご存じのことが多いと思いますが、復習してみてください。目次信頼関係を築くためのポイント基本を復習しましょう 接し方1基本を復習しましょう 接し方2 ←今回はココ基本を復習しましょう 接し方3訪問したときに患者さんとの会話でキャッチできる情報以外に、聞いただけ、見ただけでは分からない患者さんの病状の変化や薬の副作用をキャッチしたいものです。この連載では、病態が急変した患者さんはもとより、普段と違う小さなサインを見逃さないためにも知っておきたいバイタルサインの基礎知識を具体的な症例とともに紹介します。今回はバイタルサインを見るまえに押さえておきたい患者さんとの接し方です。患者さんと接するとき背筋をピンと伸ばし、誠実な態度で接します。患者さんとは視線の高さをあわせるようにします。まず挨拶をして、自己紹介をします。初めての患者さんの時には、患者さんの名前を確認しましょう。(病院内では、人の間違いがないように、名前とカルテなどを指さし確認しています)協調的な信頼関係を築くためには、必要な情報を得ることです。まずは聞き役になりましょう。時にメモをとることは必要ですが、適宜アイコンタクトを保つようにします。患者さんが話しにくい内容であれば、初対面では根掘り葉掘り聞かずに、次の機会にでも時間をかけてゆっくり聞きましょう。相手が高齢者だからといって「おじいちゃん」「おばあちゃん」ではなく、「○○さん」と必ず名前で呼ぶようにします。言葉は敬語を用います。聞きとりやすい速さで丁寧に、一般の人でもわかりやすい言葉(患者さんが用いる言葉)を使うようにしましょう。「ため口」や横柄な態度、専門用語を羅列すると、それだけで患者さんはイヤになってしまいます。相手を理解するような態度や、相手の不安を察するような態度で、気遣いの言葉(「大丈夫ですか?」「それは大変でしたね」「それでは不安になるのも当然ですよ」など)を交ぜながら話を聞くのもよい手法です。逆に、患者さんにとってよいことがあった時には、一緒に喜べるとよいですね。

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慢性蕁麻疹は、骨粗鬆症のリスク因子

 慢性蕁麻疹(CU)は骨粗鬆症に対して多くのリスク因子となるが、CUと骨粗鬆症における関連についてはデータが不足している。イスラエル・Clalit Health ServicesのGuy Shalom氏らは大規模な観察研究を行い、CUが骨粗鬆症のリスクとなる可能性があることを明らかにした。著者は、「ターゲットを適切にするためのスクリーニングを検討する必要がある」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2018年12月18日号掲載の報告。 研究グループは、地域住民を対象にCUと骨粗鬆症との関連性を評価する目的で、全国的な長期観察コホート研究を行った。 CUは、蕁麻疹と診断された4つの組み合わせで定義。それぞれのCUは、診断から6週間以内に記録され、プライマリケアの内科医が研究に登録した。CU患者と、その患者の年齢と性別が一致する者を対照群として割り付け、2002~17年における骨粗鬆症の発生頻度とその他の検査データを追跡した。 ステロイドの全身投与および骨粗鬆症に関連するほかのリスク因子についてのデータを得た。 年齢、性別、ステロイドの全身投与、肥満、喫煙、甲状腺機能亢進症および甲状腺機能低下症に関して補正したCox回帰モデルにて、骨粗鬆症のリスク分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・解析対象はCU患者群1万1,944例で、対照群は5万9,829例であった。・観察期間中、CU患者群のうち1,035例(8.7%)、対照群のうち4,046例(6.8%)が骨粗鬆症と診断された。・多変量解析の結果、CUは骨粗鬆症に対し、高リスクとして有意に関連していた(ハザード比:1.23、95%信頼区間[CI]:1.10~1.37、p<0.001)。

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リンゴ型の脂肪分布、腹部と臀部で異なる遺伝的機序が関与か/JAMA

 ウエスト/ヒップ比(WHR)の算出の基礎となる腹部(ウエスト)および殿大腿部(ヒップ)の脂肪分布には、それぞれ異なる遺伝メカニズムが関連している可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のLuca A. Lotta氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年12月25日号に掲載された。一般にWHRで評価される体脂肪分布は、BMIとは独立の重要な心血管代謝疾患の寄与因子とされるが、腹部の高脂肪分布または殿大腿部の低脂肪分布によるWHR増加が心血管代謝疾患リスクに影響を及ぼすかは不明だという。遺伝的バリアントとリスクの関連を評価 研究グループは、WHR高値と関連する遺伝的バリアント(genetic variant)を同定し、その心血管代謝疾患リスクとの関連を推定する目的で、多段階的なアプローチによる検討を行った(英国医学研究会議[MRC]の助成による)。 3つの住民ベースの前向きコホート研究(UK Biobank、Fenland、EPIC-Norfolk)、1つのケース・コホート研究(EPIC-InterAct)および既報の6つの全ゲノム関連解析(GWAS)の要約統計量を用い、4つの段階(GWAS、フォローアップ解析)に分けて解析を行った。 第1段階では、脂肪分布関連の遺伝的バリアントを同定するために、BMIによる補正の有無別にGWASを行った。第2段階では、第1段階とは別個に、WHR関連の遺伝的バリアントを用いて、腹部(ウエスト周囲長)の高脂肪分布または殿大腿部(ヒップ周囲長)の低脂肪分布によるWHR高値の多遺伝子スコアを算出した。 第3段階では、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)を用いて部位別の脂肪塊を測定し、多遺伝子スコアとの関連を検討することで、このスコアの妥当性の評価を行った。第4段階では、6つの心血管代謝疾患リスク因子(収縮期血圧、拡張期血圧、空腹時血糖、空腹時インスリン、トリグリセライド、LDLコレステロール)および2つの疾患アウトカム(2型糖尿病、冠動脈疾患)と多遺伝子スコアとの関連を評価した。糖尿病、冠動脈疾患のリスク評価に有用な可能性 UK Biobankの欧州人家系の参加者45万2,302例の平均年齢は57(SD 8)歳、女性が54%で、平均WHRは0.87(SD 0.09)であった。GWASでは、202の遺伝的バリアントが、BMIで補正したWHR(66万648例)および非補正WHR(66万3,598例)と関連が認められた。 DEXA解析(1万8,330例)では、WHR高値のウエストおよびヒップの多遺伝子スコアは、それぞれ腹部脂肪の高値および殿大腿部脂肪の低値と特異的な関連がみられた。 フォローアップ解析(63万6,607例)では、ウエストおよびヒップの特異的な多遺伝子スコアはいずれも、BMI補正WHRの1SD上昇ごとに、高収縮期血圧、高拡張期血圧、高トリグリセライド値と関連を示した。 また、2型糖尿病(ウエスト特異的多遺伝子スコア=オッズ比[OR]:1.57、95%信頼区間[CI]:1.34~1.83、1,000人年当たりの絶対リスク増[ARI]:4.4、95%CI:2.7~6.5、p<0.001、ヒップ特異的多遺伝子スコア=OR:2.54、95%CI:2.17~2.96、ARI:12.0、95%CI:9.1~15.3、p<0.001)および冠動脈疾患(ウエスト特異的多遺伝子スコア=OR:1.60、95%CI:1.39~1.84、ARI:2.3、95%CI:1.5~3.3、p<0.001、ヒップ特異的多遺伝子スコア=OR:1.76、95%CI:1.53~2.02、ARI:3.0、95%CI:2.1~4.0、p<0.001)についても、ウエストおよびヒップの特異的な多遺伝子スコアはいずれも、BMI補正WHRの1SD上昇ごとに有意な関連が認められた。 著者は、「腹部脂肪高値または殿大腿部脂肪低値と特異的に関連する遺伝メカニズムは、それぞれ独立に体形と心血管代謝疾患リスクの関連に寄与している可能性がある」とまとめ、「これらの知見は、2型糖尿病および冠動脈疾患のリスク評価や治療の改善に資する可能性がある」としている。

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変形性膝関節症の痛み、薬物療法の長期効果は/JAMA

 変形性膝関節症患者における薬物療法による長期的な疼痛緩和効果には、プラセボと比較して考慮すべき不確実性が存在することが、イタリア・パドバ大学のDario Gregori氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2018年12月25日号に掲載された。変形性関節症は、慢性で進行性の疾患だが、薬物療法は主に短期の検討が行われており、そのため長期の疾患管理における推奨治療が不明確になっているという。追跡期間1年以上の試験のネットワークメタ解析 研究グループは、変形性膝関節症患者を12ヵ月以上追跡した薬物療法の無作為化臨床試験を系統的にレビューし、ネットワークメタ解析を行った(パドバ大学などの助成による)。 医学関連データベースを用いて、治療を受け、1年以上の追跡が行われた変形性膝関節症患者の無作為化臨床試験を検索した。選出された試験につき、ベイズ法の変量効果を用いてネットワークメタ解析を行った。 主要評価項目は、膝疼痛のベースラインからの変化とした。副次評価項目は、身体機能および関節構造であった。関節構造については、X線画像で評価した関節裂隙狭小化とした。標準化平均差(SMD)および95%信用区間(CrI)を算出した。7クラス、33種の薬剤、有効性は少数のみ 日本の1試験を含む47件の無作為化臨床試験(2万2,037例、ほとんどが55~70歳、約70%が女性)が解析に含まれた。これらの試験では、以下の7つの薬剤クラスの33種の薬剤による介入の検討が行われた。 鎮痛薬(アセトアミノフェン)、抗酸化薬(ビタミンE)、骨活性薬(ビスホスホネート、ラネル酸ストロンチウムなど)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、関節内注射薬(ヒアルロン酸、コルチコステロイドなど)、変形性関節症治療用遅効性薬(SYSADOA)(グルコサミン硫酸、コンドロイチン硫酸など)、推定疾患修飾薬(cindunistat、spriferminなど)。 疼痛は31件、身体機能は13件、関節構造は16件の介入で評価が行われていた。試験期間には1~4年の幅があった。 疼痛の抑制に関しては、NSAIDのセレコキシブ(SMD:-0.18、95%CrI:-0.35~-0.01)およびSYSADOAのグルコサミン硫酸(-0.29、-0.49~-0.09)で有意な効果がみられたものの、プラセボとの比較ではすべての薬剤で多大な不確実性が認められた。 疼痛の有意な改善効果は、標準化された0~100の尺度の平均差を用いた場合、およびバイアスのリスクが高い試験を除外した場合には、セレコキシブでは消失し、グルコサミン硫酸のみで保持されていた。 副次アウトカムについても、プラセボと比較した長期的な治療効果に関し、考慮すべき不確実性が認められた。身体機能の有意な改善効果を認めたのはグルコサミン硫酸(SMD:-0.32、95%CrI:-0.52~-0.12)のみであった。 関節裂隙狭小化の有意な改善効果は、グルコサミン硫酸(SMD:-0.42、95%CrI:-0.65~-0.19)、コンドロイチン硫酸(-0.20、-0.31~-0.07)、ラネル酸ストロンチウム(-0.20、-0.36~-0.05)で得られた。 著者は、「薬物療法の長期的な効果の不確実性を解決するには、より大規模な臨床試験を行う必要がある」としている。

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残業年960時間、特例2,000時間の中身とは~厚労省から水準案

 医師の時間外労働の上限について、厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会(第16回)」が1月11日開かれ、事務局案として2つの上限水準が示された。この水準は時間外労働規制として2024年4月から適用予定のもので、今後は事務局案を基に議論を進め、今年度中に結論を出す見通しとなっている。時間外労働、年960時間/1,900時間の働き方を具体的にみると… 一般労働者においては、2019年4月から適用される時間外労働の上限時間は年360時間・月45時間とされており、年6ヵ月に限定した例外措置が設定されている1)。医師における時間外労働の上限として、検討会では下記(A)~(C)3つの枠組みを設けることを検討している。(C)については水準を別途設けるべきかを含め、今後議論される予定で、今回は(A)(B)について具体的な数値案が示された。なお、(B)は地域医療提供体制確保の観点から、やむを得ず(A)の水準を超えざるを得ないとして特定の医療機関(2024年4月までに検討・決定予定)に適用される形が想定されており、2035年度末を目途に解消を目指すとされている2)。(A)原則:年960時間・月100時間(例外あり)※休日労働含む(B)地域医療確保暫定特例水準:年1,900~2,000時間・月100時間(例外あり)※休日労働含む(C)一定の期間集中的に技能向上のための診療を必要とする医師向けの水準:〇〇 同検討会で並行して議論されている「勤務間インターバル9時間、当直明けは18時間確保」を適用のうえ、(A)(B)を満たす働き方として示された具体例は下記のとおり。(A)時間外労働年960時間程度≒週20時間の働き方の例・週1回の当直(宿日直許可なし)を含む週6日勤務・当直日とその翌日を除く4日間のうち1日は半日勤務で、それ以外の3日間は1日1時間程度の時間外労働・当直明け勤務は昼まで・年間80日程度の休日(おおむね4週6休に相当)(B)時間外労働年1,900時間程度≒週40時間の働き方の例・週1回の当直(宿日直許可なし)を含む週6日勤務・当直日とその翌日を除く4日間は早出または残業を含め1日14時間程度の勤務・当直明け勤務は昼まで・年間80日程度の休日(おおむね4週6休に相当) これらの具体例の提示を受け、赤星 昂己氏(東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター 医師)は「1,900~2,000時間と聞くと長いという印象を受けたが、具体例をみてみると余裕でありうる設定だと感じた。ただし、現状の人数のままでインターバル9時間の実現は難しいと思われ、集約化を進めないと難しいだろう。懸念としては、暫定特例水準が認められた病院が若手に避けられてしまわないか、という点がある。」とコメントした。現状でも6割は960時間以内、著しく超過しているのは1割 厚労省の時間外労働時間についての調査では、病院勤務医の約6割が現状でも年960時間以内、約3割が年960時間から1,900~2,000時間、そして約1割を占める2万人がそれ以上と報告されている。年1,920時間以上の該当者がいる病院の割合をみると、大学病院の88%、救急機能を有する病院の34%、救命救急機能を有する病院の82%であった。また病床数別にみると、400床以上で68%、200床以上400床未満で21%、200床未満で13%というデータも示されている。 構成員からは、「地域で1次・2次の救急を担っている病床数の少ない病院にも該当者がいるのではないか。そのデータをしっかりみて、今後の議論を進めていくべき。医師数が少ないところは看護師数も少ない。そこでどうタスクシフトするのか、その点についてももっと詳細に考えなくてはいけない(片岡 仁美氏、岡山大学医療人キャリアセンターMUSCAT センター長)」、「水準の適用後、時間の達成状況だけでなく、地域医療の質に対する影響の調査が重要になるのではないか(城守 国斗氏、日本医師会常任理事)」などの意見が上がった。■参考1)厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」2)厚生労働省「第16回医師の働き方改革に関する検討会」資料

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抗てんかん薬によるスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症~FDAデータの分析

 スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)は、まれで潜在的に致死的な皮膚の有害事象であるが、特定の薬剤によって最も一般的に引き起こされる。このSJSやTENとの関連が認められる薬剤の1つとして、抗てんかん薬(AED)が挙げられる。米国・ロードアイランド大学のEric P. Borrelli氏らは、米国におけるAED群および各AEDに関連するSJSやTENのリスクを定量化するため、検討を行った。Epilepsia誌2018年12月号の報告。 米国FDA有害事象報告システム(FAERS)を用いて、2014年7月~2017年12月のデータより分析を行った。各AEDにおけるSJSやTENの発生率は、すべての非AED群と比較し、算出した。報告オッズ比(ROR)、比例報告比(PRR)、95%信頼区間(CI)は、OpenEpiを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・AED群におけるSJSやTENの報告は198件であり、いずれの非AED群と比較しても多かった。・AED群は、すべての非AED群と比較し、RORが8.7(95%CI:7.5~10.2)、PRRが8.7(95%CI:7.5~10.2)であった。・各AEDのリスク推定値は以下の順であった。 ●ゾニサミド(ROR:70.2[95%CI:33.1~148.7]、PRR:68.7[95%CI:32.9~143.5]) ●ルフィナミド(ROR:60.0[95%CI:8.3~433.5]、PRR:58.9[95%CI:8.4~411.5]) ●クロラゼプ酸(ROR:56.0[95%CI:7.8~404.1]、PRR:55.1[95%CI:7.8~385.0]) ●ラモトリギン(ROR:53.0[95%CI:43.2~64.9]、PRR:52.2[95%CI:42.7~63.7]) ●フェニトイン(ROR:26.3[95%CI:15.5~44.7]、PRR:26.1[95%CI:15.4~44.2]) ●カルバマゼピン(ROR:24.5[95%CI:16.0~37.5]、PRR:24.3[95%CI:16.0~37.1]) 著者らは「AED群は、非AED群と比較し、SJSやTENのリスクが9倍高く、リスク推定値が20超のAEDが6剤あった。SJSやTENの兆候や症状の早期発見に関する教育とともに、医師と患者の双方がこのリスク(とくにAED間でのリスクの違い)に対する認識を高めることで、これら有害事象の数や重症度の軽減につながるであろう」としている。■関連記事8種類の抗てんかん薬における主要な先天性奇形リスク比較のコホート研究てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化薬剤耐性てんかん患者に対するEPA、DHAの無作為化二重盲検比較試験

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32)スイングヘラー(メプチン)【手順編】【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、スイングヘラー(メプチン)の吸入手順を説明します。手順としては、カウンターを上に、本体を水平に持ち、キャップをカチッと止まるまで開ける→青いボタンをカチッと止まるまで押し、指を離す→カウンターの数字が減ったのを確認する→呼吸を整え、ゆっくり十分に息を吐く→吸入口をしっかりくわえる→下を向かず、背筋を伸ばし、勢いよく深く吸う(そのとき舌を下げて喉の奥を広げる)→吸入器をはずし、口を閉じ3~5秒間息を止め、薬剤を定着させる→鼻からゆっくり息を吐く→(指示回数に応じて、青いボタンを押すところから繰り返す)→キャップを閉める→うがいをする(口中3回、喉の奥3回)。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)メプチン

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環状20番染色体症候群〔ring chromosome 20 syndrome〕

1 疾患概要■ 定義環状染色体は、1本の染色体の長腕と短腕とが融合することで形成される、まれな染色体異常で、どの染色体にも起こりうる。環状20番染色体症候群が特異的であるのは、てんかんとしてきわめて特徴的な臨床像を示すからである。1972年にAtkinsら、Faedら、Uchidaらが20番染色体の環状異常を報告し、1976年にはBorgaonkarらが環状20番染色体を持つ患者に、てんかん、軽度~中程度の精神遅滞、行動異常の特徴があることを報告し、「環状20番染色体症候群」という疾患概念を提唱した。現在では、環状20番染色体症候群は、てんかん発作の症状や脳波所見のユニークさが広く認知されている。■ 疫学正確な患者数は不明であるが、わが国では100人未満と推定されている。文献では世界で140例以上の報告がある。■ 病因環状20番染色体症候群の患者のほとんどはモザイクであり、0.5~100%の確率で環状20番染色体を持つ。症例によっては異常を持つ細胞の割合が低く、環状20番染色体の存在を明らかにするためには、通常よりも多数の細胞における染色体を調べる必要がある。一般に環状染色体では、テロメアおよびその付近の染色体の欠失を伴うことが多いが、環状20番染色体症候群では、テロメア同士が融合しており、明らかな染色体の欠失を認めないのが一般的である。そのため、アレイCGHによって異常を発見することは困難であり、古典的な染色体分析が診断に有用である。環状20番染色体症候群の発症には、何らかの遺伝子が関与していることが推定されるが、現在のところ分子遺伝学的な病因は解明されていない。20番染色体の長腕のテロメアから1.0M塩基以内に、てんかんの責任遺伝子として知られているCHRNA4遺伝子とKCNQ2遺伝子が存在する。しかし、環状20番染色体症候群では、これらの遺伝子の欠失は認めない。また、CHRNA4およびKCNQ2の変異や欠失によるてんかんの表現型は、環状20番染色体症候群の表現型とは大きく異なる。したがって、環状20番染色体症候群がこれらの遺伝子の異常によるとは考えにくい。現在推定される病因としては、テロメア位置効果によってその近傍の遺伝子発現がエピジェネティックに抑制される可能性や、環状構造の不安定性による機能不全などが考えられている。■ 症状てんかんの発症年齢は0~24歳と幅があるが、平均は6歳である。明瞭な男女差はない。てんかんの家族歴や環状20番染色体症候群の家族例はまれである。環状20番染色体症候群の最も重要な特徴は、てんかんの中核症状として非痙攣性てんかん重積状態(NCSE)を持つことである。NCSEの発症年齢は、平均9.5歳(1~24歳)である。てんかんの発症後早期は運動症状を伴う短い発作が多いが、徐々にNCSEが主体になる。NCSEは意識減損焦点性発作(旧分類の複雑部分発作)であり10~50分持続するが、1時間を超えることはまれである。発作回数は多く、1日のうちに複数回出現することも少なくない。動揺する意識障害が特徴だが、完全な動作停止や無反応に陥ることは少なく、動作緩慢、発語減少、保続、注意散漫などで気付かれることが多い。発作の始まりや終わりがはっきりしていないためNCSEであることに気付かれず、不作法などと誤解されることもある。また、NCSEの最中に眼瞼・口周囲・手足のミオクローヌスや、幻視・興奮・攻撃性などの精神症状を認めることもある。NCSE以外の発作は小児期に多い。自動症や運動症状を伴う意識減損焦点性発作や、強い恐怖感や混迷状態を呈する発作が知られている。夜間には通常の覚醒反応に似た、体をこすったり、伸びをしたり、寝返りをしたりする行動変化を伴う発作(subtle nocturnal seizure)も観察されることがある。環状20番染色体症候群では、脳波所見も重要な特徴で、診断の手掛かりになる。発作間欠期脳波では、背景活動は正常または軽度の徐波化を認め、先鋭なシータ波の群発も高率である。突発波としては、前頭・側頭部に優位な高振幅徐波や鋭波が、単発あるいは連発して出現する。突発波は片側優位のこともあるが、両側に認めることが多い。NCSEの発作時脳波では、前頭部から起始して長時間持続する前頭部優位の高振幅徐波が特徴である。徐波の周波数はNCSEの発作中に変動し、小棘波や棘徐波複合が混在する。環状20番染色体症候群には、特徴的な外表奇形はない。CTやMRIなどの形態的な画像検査では明らかな異常を認めない。■ 分類最近の一塩基多型(SNP)アレイ解析法による詳細な分子遺伝学的検討では、環状20番染色体症候群は2群に分類されると考えられる。1つは、染色体のモザイクを認める群であり、短腕と長腕の融合部に染色体の欠失や重複を認めない。この群では受精後の細胞分裂の過程で、ある1つの細胞に短腕と長腕の融合が起きたことが推定される。もう1つは、染色体のモザイクを認めない群で、減数分裂から受精卵までの間に短腕と長腕の融合が起きたことが推定される。この群では、異常染色体の短腕または長腕に染色体の欠失が存在する。現時点では、この2群間に表現型の相違があるかどうかは明らかになっていない。■ 予後現在まで多数例における長期経過と予後を観察した報告はなく、不明な点も多い。一般には、10歳頃には脳波所見および発作症状はおおむね固定化し、それ以降に進行性となることはないと考えられている。一方、加齢とともに発作が軽減することもない。通常のNCSEは致死的でないが、致死的な経過をたどったNCSEの報告がある。環状20番染色体を持つ細胞の割合が高いほど、てんかんの発症年齢が低く、知的障害が重度であることが報告されている。また、突然死(SUDEP:sudden unexpected death in epilepsy)のハイリスクであると推定される。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断基準を以下に示す。A-1、A-2、B-3を満たし、染色体検査で環状20番染色体を認めた場合を確定例とする。環状20番染色体症候群の診断基準A.症状1.非痙攣性てんかん重積状態:動揺性の意識障害や認知障害を示し、口周囲などのミオクローヌスを伴うことがある。1回の持続は数分から数十分で、1時間以上続くことは少ない。発作は頻回でしばしば日に何回もみられる。2.小型または大型の運動発作:小児期には自動症や運動現象を伴う短い複雑部分発作や幻視や恐怖感などがみられることがある。夜間睡眠時に多い。全身痙攣発作がみられることもある。3.精神遅滞や衝動性・攻撃性などの行動障害を呈することもある。特徴的な奇形はなく、あっても軽微である。B.検査所見1.血液・生化学的検査所見:特異的所見なし。2.画像検査所見:特異的所見なし。3.生理学的所見:脳波では高振幅徐波や鋭波が単発あるいは短い連続で頻回に出現し、前頭・側頭部に優位性を示したり、側方性を示すこともあるが、容易に両側化する。小児では比較的脳波異常が乏しいこともあるが、長じるにつれ顕著となる。発作時の脳波は長時間持続する両側性の高振幅徐波であり、その周波数はしばしば変動し、小棘波や棘徐波複合が混在する。4.病理所見:外科的切除標本で異常が指摘されたことはない。C.鑑別診断1.レノックス・ガストー症候群、前頭葉てんかん、非痙攣性てんかん重積状態を示す他のてんかん、非てんかん性心因性発作などを鑑別する。D.染色体検査1.20番染色体の精査を行う。環状染色体は0.5~100%のモザイクのため、多くの細胞を調べないとわからないことがある。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)環状20番染色体症候群のてんかん発作は、抗てんかん薬に著しい抵抗性を示し、短い発作はある程度抑制されることが多いが、NCSEのコントロールは困難である。バルプロ酸ナトリウム(商品名:デパケン、セレニカ)とラモトリギン(同:ラミクタール)の組み合わせが有効であるとの報告はあるが、個々の症例で治療を検討せざるを得ない。多剤併用にならざるを得ないため、不要な薬剤を整理し、薬剤による認知・行動の問題を起こさないよう留意するべきである。てんかんに対する外科的治療の対象にはなり難く、迷走神経刺激療法も試みられているが有効性は症例によって異なる。4 今後の展望近年の目覚ましい遺伝学的解析技術の進歩から、環状20番染色体症候群の病因が解明されることが期待される。治療については既存の抗てんかん薬には限界があり、有効な抗てんかん薬が新たに開発されることを期待したい。機能画像を用いた研究でドパミン伝達系の異常が推定されており、治療法開発の手掛かりになる可能性がある。5 主たる診療科小児科、小児神経科、神経内科(脳神経内科)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 環状20番染色体症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)厚生労働省 環状20番染色体症候群(指定難病としての情報)琉球大学遺伝性疾患データベース(医療従事者向けの疾患の概要)1)Daber RD, et al. Eur J Med Genet. 2012;55:381-387.2)荒木保清ほか. 日本臨床別冊 神経症候群VI. 日本臨牀社;2014:445-449.3)池田 仁. Epilepsy. 2012;6:107-114.公開履歴初回2019年1月15日

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