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第16回 内科からのレボフロキサシンの処方(前編)【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 予想される原因菌は?肺炎球菌・・・11名全員診療報酬明細書を確認 清水直明さん(病院)その場で肺炎球菌と言い切るということは、グラム染色で確認できたのでしょう。肺炎球菌尿中抗原・呼吸器検体中抗原迅速検査を行っている可能性もありますが、感度・特異度が決して高くなく、既感染の場合でも陽性になる場合があります。行った検査についての記載が診療報酬明細書にあると思うので、可能であれば確認します。HIV感染の可能性も 荒川隆之さん(病院)気管支炎なら連鎖球菌、肺炎ならインフルエンザ菌など他の原因菌も考えられますが、肺炎球菌と医師が断定しているということなので、尿中抗原もしくはグラム染色にて確定診断しているものと考えます。肺炎球菌感染ありきで考えますと、この感染の原因としてさらにHIV感染(初期の感冒様症状)が隠れている可能性もあるかもしれません。肺炎球菌以外の可能性も JITHURYOUさん(病院)恐らく迅速診断キットを使用し、医師から肺炎球菌と言われたと考えられます。肺炎球菌以外で考えると、グラム陽性菌では黄色ブドウ球菌など、モラクセラ・カタラーリス、インフルエンザ菌なども可能性があります。また喘息でステロイド使用例では、肺炎桿菌やエンテロバクターなどのグラム陰性桿菌も検出されることがあるようです。ライノウイルスなどのウイルスやマイコプラズマ、クラミジア・ニューモニエなどの非定型菌も無視できないと思います。これらのウイルスなどの2次感染の可能性はないでしょうか。季節によってはインフルエンザウイルスなども考慮すべきではないかと考えます。そもそも細菌性肺炎? 児玉暁人さん(病院)成人の市中肺炎の可能性を考えれば、予想される原因菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、クレブシエラ、モラクセラ、マイコプラズマなどが考えられます。どのような説明で肺炎球菌と言われたのか不明なのと、レボフロキサシンの処方から肺炎球菌による肺炎なのか、そもそも細菌性肺炎なのかは不明です。点滴内容も不明ですが、喘息があり、点滴で改善していることから、ステロイドの点滴だった可能性もあります(または抗菌薬との併用)。喘息悪化を契機に肺炎を併発した可能性もあるかと思います。Q2 患者さんに確認することは?医師からどのような説明をされているか 荒川隆之さん(病院)なぜレボフロキサシンを3 日後から始めるのかわからないので、まず患者さんに医師からどのように聞いているのか確認します。患者さんの説明で要領を得ない場合は、疑義照会することになると思います。発熱や次回受診日について ふな3さん(薬局)点滴治療開始前の発熱の有無血液検査の結果(あれば)合併症「肺炎球菌」と言われたのは、今回か?「以前」か?次回通院予定日併用歴、副作用歴、既往歴など 中堅薬剤師さん(薬局)併用薬、副作用歴、既往歴と腎機能も確認したいところです。あとはA-DROPに従って考えると、年齢は若く、脱水も意識低下もなさそうですし、入院が必要になるぐらい重篤な感染症の可能性は低い気がします。発熱の情報もないですし。この受診の前にOTCのかぜ薬を服用しているのであれば、アスピリン喘息も疑う必要がありますね。過去に鎮痛薬や感冒薬で咳嗽が悪化したことはないかも確認してみたいです。A-DROPシステムA(age):男性70 歳以上、女性75 歳以上D(dehydration):BUN 21mg/dL以上または脱水ありR(respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)O(orientation):意識障害ありP(pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下軽 症:上記5 つの項目のいずれも満足しないもの。中等度:上記項目の1つまたは2つを有するもの。重 症:上記項目の3つを有するもの。超重症:上記項目の4つまたは5つを有するもの。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。どのような検査をしたか 奥村雪男さん(薬局)肺炎球菌と仮定した場合、definitive therapyで第一選択はペニシリンであり、仮にエンピリックに広域抗菌薬で開始したとしても、狭域抗菌薬にde-escalationしていない点が気になります。レスピラトリーキノロンのレボフロキサシンが選択されているのは疑問ですが、患者は βラクタムアレルギーがあるのかもしれません。また、喀痰の培養はしたのか。感受性まで分かるので、ペニシリン感受性肺炎球菌(PSSP)か、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)かが分かれば、確認したいです。MIC>4.0μg/mLの高度耐性でレボフロキサシンを選択肢に挙げている書籍もあります1)。次に、点滴は何を使用したのか知りたいです。点滴から内服に切り替える場合、通常はクラスを変えないので1)、レボフロキサシン点滴静注の可能性が高いかと思います。いつから薬を飲むように言われているか?喘息治療は? わらび餅さん(病院)患者に、「○月○日から飲むように言われているか?」を確認します。1回/日投与のセフトリアキソン、もしくはレボフロキサシンを点滴したと予想しますが、切り替えに3日空けることが不思議です。また3日開けてしまうと、治療期間の考え方でも違和感があります。点滴2日+内服5日=計7日で効果判定、がしっくりきます。喘息治療はどうしているか?コントローラーは使用しているのか、リリーバーだけかを確認します。肺炎だったとしても、コントローラーは必要なので、アドヒアランスや肺炎治療中に発作が出たときにどう指示が出ているかを確認します。吸入薬の残量や使用期限を確認します。点滴の中身 中西剛明さん(薬局)点滴の中身が知りたいので、診療報酬明細書を確認させてもらいます。そして、次回の通院を確認し、点滴をいつまでするのか聞きます。その回答次第で、レボフロキサシンの開始日が特定できると思います。担当した薬剤師が聞き取った内容身長は175cm、体重53kg。1人暮らしの会社員。食欲がなく、朝から何も食べていなかった体温:37.8℃今回の受診のきっかけとなった咳の状況:夜、寝苦しい、横になると苦しくなって咳き込む、痰がよく出る診療報酬明細書の内容:点滴はセフトリアキソン1g+生理食塩液100mL(キット製剤)血液検査の結果はもらっておらず、詳細は不明今後の受診予定:明日、明後日の2日間は通院して点滴を受けるよう指示があった服用中の内服薬、吸入薬:なし日ごろの食事:朝は牛乳と食パン1枚、昼は会社の食堂で定食を、夜は外食して帰宅飲酒、喫煙習慣:なし副作用歴、アレルギー歴:医薬品ではなし。ハウスダストのアレルギーあり以上を踏まえて・・・後編では、本症例の疑義照会をする/しない、抗菌薬について、患者さんに説明することは?その他気付いたことを聞きます。1)青木眞. レジデントのための感染症診療マニュアル. 第2 版. 東京、医学書院、2008.

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長期ベンゾジアゼピン使用者における認知症リスク~メタ解析

 ベンゾジアゼピン(BDZ)と認知症リスクに関する報告には、相反するエビデンスが存在する。中国・四川大学のQian He氏らは、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を調査するためにメタ解析を行った。Journal of clinical neurology誌オンライン版2018年10月26日号の報告。 2017年9月までの関連文献をPubMed、Embaseデータベースよりシステマティックに検索を行った。文献検索は、BDZの長期使用と認知症リスクとの関連を分析した観察研究にフォーカスした。プールされた率比(RR)および95%信頼区間(CI)は、ランダム効果モデルを用いて評価した。結果のロバスト性は、サブグループ解析および感度分析で確認した。 主な結果は以下のとおり。・症例対照研究6件およびコホート研究4件、合計10件の研究が抽出された。・BDZ使用患者の認知症発症のプールされたRRは、1.51(95%CI:1.17~1.95、p=0.002)であった。・認知症リスクは、半減期の長いBDZを使用している患者(RR:1.16、95%CI:0.95~1.41、p=0.150)およびBDZを長期使用している患者(RR:1.21、95%CI:1.04~1.40、p=0.016)において高かった。 著者らは「10件の研究をまとめた本メタ解析では、高齢者におけるBDZ使用が認知症リスクを有意に増加させることを示唆している。そのリスクは、半減期20時間超のBDZを使用する患者およびBDZ使用期間が3年超の患者において高かった」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は

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小児のアトピー性皮膚炎、慢性化の関連因子が判明

 小児のアトピー性皮膚炎(AD)の慢性化に関する因子はよくわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のSunna Thorsteinsdottir氏らは、ADに関与する既知の遺伝子変異、父親の喘息およびADの既往、社会的地位の高さ、診断時のHanifin & Rajka診断基準の基本項目と小項目、ならびに発症時の重症度が、13歳まで持続したADに関連していることを明らかにした。著者は、「これらの所見は、個々の患者で疾患の経過を評価するための臨床診療に適用可能である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年11月14日号掲載の報告。 研究グループは、ADの慢性化と関連する遺伝的素因、環境および臨床因子について明らかにする目的で、Copenhagen Prospective Study on Asthma in Childhood 2000(COPSAC2000)による出生前コホート研究において、1998年8月~2015年6月の期間に、喘息を有する母親から生まれた子411例を13歳になるまで追跡調査した。7歳までは年2回、その後13歳時に受診したデータを2015年8月~2018年1月に分析した。 ADは、Hanifin & Rajka診断基準に従って前向きに診断し、親への問診により、親の既往歴、社会的地位、および環境因子に関するデータを収集した。ADの重症度は、Scoring Atopic Dermatitis(SCORAD)指標(スコアの範囲:0~83、高値ほど重症)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・411例中、男児が203例(49.4%)、13歳以前にADと診断されたのは186例(45.3%)であった。・13歳時点で、166例中40例(24.1%)はADが持続しており、このうち126例(76.0%)は寛解を経験していた。・13歳まで持続するADに関連する因子として、遺伝、環境曝露、喘息およびアレルギー感作、診断時の臨床所見、Hanifin & Rajka診断基準の小項目、およびSCORADに基づくAD重症度があった。・ADの慢性化リスク増加との関連は、AD遺伝リスクスコアの高さ(多変量オッズ比[OR]:1.8、95%信頼区間[CI]:1.1~2.9、p=0.02)、父親の喘息(OR:3.7、95%CI:1.2~11.5、p=0.02)、父親のAD(OR:6.2、95%CI:1.17~23.2、p=0.007)、社会的地位の高さ(OR:1.6、95%CI:1.0~2.5、p=0.05)に認められた。・診断時の特定の臨床所見は、Hanifin & Rajka診断基準の特定の小項目(Dennie-Morgan徴候および前頸部皺襞、白色皮膚描記症、羊毛に対する不耐性、発汗時そう痒、皮膚感染症を発症する傾向、食物不耐症、食物アレルギー)(OR:2.6、95%CI:1.1~6.2、p=0.03)、ならびに診断時の重症度の悪化(OR:1.1、95%CI:1.0~1.1、p=0.007)とも関連していた。

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ウィーニング困難患者、非侵襲的換気への切り換えは有用か/JAMA

 自発呼吸トライアルに失敗し人工換気を必要とする患者において、早期に抜管して行う非侵襲的換気は、人工換気から離脱するまでの期間を短縮しないことが示された。英国・ウォーリック大学のGavin D. Perkins氏らによる無作為化試験「Breathe試験」の結果で、JAMA誌2018年11月13日号で発表された。先行研究で、侵襲的人工換気からのウィーニングが難しい成人患者において、非侵襲的換気が早期離脱を容易とする可能性が示唆されていたが、その効果について、ICU入室患者集団では確認されていなかった。標準法と比較し、離脱成功までのトータル日数を評価 Breathe試験は、ウィーニング困難な患者において、早期に抜管し非侵襲的換気を行うウィーニング法(非侵襲群)と、標準的ウィーニング法(侵襲群)について、換気から離脱するまでの時間に対する効果を比較した検討で、英国国民保健サービス(NHS)傘下のICU 41ヵ所で、2013年3月~2016年10月にかけて行われた(フォローアップは2017年4月まで)。 侵襲的人工換気を48時間超受けた、自発呼吸トライアルに失敗した成人患者を登録し、無作為に非侵襲群と侵襲群(自発呼吸トライアルに成功するまで侵襲的換気を継続、その後に抜管する)に割り付け追跡した。 主要評価項目は、生存被験者における、無作為化からあらゆる型式の人工換気からの離脱に成功するまでの時間で、日数で評価した。臨床的に重要な意味を持つ最小日数差は1日とした。 副次評価項目は、侵襲的換気期間およびトータルの換気期間(いずれも日数)、再挿管率または気管切開率、生存期間であった。トータルの換気期間は変わらず、再挿管、気管切開、生存も有意差なし 364例(平均年齢63.1歳[SD 14.8]、男性50.5%)が無作為化を受けた(非侵襲群182例、侵襲群182例)。そのうち319例が主要評価項目について評価できた(41例が離脱前に死亡、2例が中断、2例は人工換気継続のまま退院)。 離脱までの期間中央値は、非侵襲群4.3日、侵襲群4.5日であった(補正後ハザード比[HR]:1.1、95%信頼区間[CI]:0.89~1.40)。死亡に関する競合リスク解析では、同等という結果だった(補正後HR:1.1、95%CI:0.86~1.34)。 非侵襲群は、侵襲的換気を受ける期間が短縮したが(中央値1 vs.4日、発生率比:0.6、95%CI:0.47~0.87)、トータルの換気期間はわずかに短いだけであった(中央値3 vs.4日、発生率比:0.8、95%CI:0.62~1.0)。再挿管率、気管切開率、生存期間にも有意な差はみられなかった。 有害事象の発生は、非侵襲群45例(24.7%)、侵襲群47例(25.8%)であった。

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ARTでリスク増、HIV患者の奇異性結核関連IRISの予防には?/NEJM

 抗レトロウイルス療法(ART)は、結核菌感染を併発したCD4低値のHIV感染患者の死亡率を抑制するが、奇異性結核関連免疫再構築症候群(immune reconstitution inflammatory syndrome:IRIS)のリスクを増加させる。南アフリカ共和国・ケープタウン大学のGraeme Meintjes氏らは、奇異性結核関連IRISの予防にprednisoneの4週間投与が有効であり、重症感染症やがんのリスクの上昇は認めないことを示した。研究の成果は、NEJM誌2018年11月15日号に掲載された。奇異性結核関連IRISは、抗結核薬の投与を受けたHIV患者に対し、早期ARTを開始後に発現する結核の再発または新たな炎症所見で特徴付けられる免疫病理学的応答である。観察研究の統合解析では、HIV患者の18%にみられるとされる。ケープタウン市の1地区で行われたプラセボ対照無作為化試験 研究グループは、低用量グルココルチコイドにより、早期ART中の結核関連IRIS発症の基盤となる異常な炎症反応を抑制することで、本症のリスクが低減されるとの仮説を立て、これを検証するために二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を行った(欧州・開発途上国臨床試験プログラム[EDCTP]などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、HIVに感染し、ART治療歴がなく、ARTを開始予定で、ART前の30日以内に結核治療を開始しており、CD4数が100/μL以下の患者であった。 被験者は、prednisone(40mg/日を14日間、その後は20mg/日を14日間)またはプラセボを投与する群にランダムに割り付けられた。主要エンドポイントは、ART開始から12週以内の結核関連IRISの発症とし、独立審査委員会による判定が行われた。 2013年8月~2016年2月の期間に、ケープタウン市カエリチャ地区のクリニックに240例が登録され、両群に120例ずつが割り付けられた。12週のフォローアップ期間中に、17例が追跡不能となり(このうち8例は12週以降に再受診)、1例が同意を撤回した。相対リスクが30%低下、安全性は同等 全体の年齢中央値は36歳(四分位範囲[IQR]:30~42)、60%が男性で、73%が微生物学的に結核への感染が確定されていた。CD4数中央値は49/μL(IQR:24~86)、HIV-1RNAウイルス量中央値は5.5 log10コピー/mL(IQR:5.2~5.9)であった。 12週時の結核関連IRISの発生率は、prednisone群が32.5%(39/120例)と、プラセボ群の46.7%(56/120例)に比べ有意に低かった(相対リスク[RR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.51~0.96、p=0.03)。84日時の結核関連IRISの累積発生率のハザード比は0.61(95%CI:0.41~0.92)であり、prednisone群が有意に良好だった(p=0.02)。 結核関連IRISの治療を目的に、非盲検下にグルココルチコイドが処方された患者は、prednisone群が16例(13.3%)であり、プラセボ群の34例(28.3%)に比し少なかった(RR:0.47、95%CI:0.27~0.81)。 prednisone群の5例、プラセボ群の4例が死亡した(p=1.00)。有害事象は、Grade3がprednisone群で少なかったが、Grade4には差がなかった。重症感染症(新たな後天性免疫不全症候群[AIDS]の指標疾患または侵襲性細菌感染症)は、prednisone群の11例(9.2%)、プラセボ群の18例(15.1%)で発症した(p=0.23)。 1年後には18例(prednisone群:8例、プラセボ群:10例)が死亡し、プラセボ群の1例でカポジ肉腫が認められた。 著者は、「今後の検討として、免疫バイオマーカーに基づき結核関連IRISのリスクが高いと判定された患者において、高用量または至適用量のprednisoneによる予防治療の評価が考えられる」としている。

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アテゾリズマブ+CBDCA+nab-PTX、進行肺がん1次治療でPD-L1発現によらずPFS延長(IMpower130)/ESMO2018

 StageIV非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるカルボプラチンとnab-パクリタキセルの併用療法へのPD-L1阻害薬アテゾリズマブの上乗せ効果を検討した第III相IMpower130試験の結果、アテゾリズマブ併用群でPD-L1発現状態にかかわらず、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが発表された。ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で、AUSL della Romagna-RavennaのFederico Cappuzzo氏が発表した。 IMpower130試験は、化学療法未治療の進行非扁平上皮NSCLC患者を対象とし、カルボプラチンとnab-パクリタキセル併用+アテゾリズマブ→アテゾリズマブ維持療法群(atezo+CnP群)とカルボプラチンとnab-パクリタキセル併用→BSCあるいはペメトレキセドによる維持療法群(CnP群)を比較したオープンラベル多施設共同無作為化第III相試験。患者は、atezo+CnP群とCnP群に2:1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、EGFRまたはALK陽性患者を除くITT解析集団(ITT-WT)における治験担当医評価による無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)。副次評価項目は、全集団におけるPD-L1発現状態に応じたPFSおよびOS、客観的奏効率(ORR)、安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・全体で723例(ITT-WT:679例)が登録された。・ITT-WTにおけるatezo+CnP群は451例/CnP群は228例。<65歳:50.3%/50.0%、男性:59.0%/58.8%、登録時点での肝転移有症例:15.3%/13.6%、ECOG PS 0:42.0%/39.9%、PD-L1高発現(TC3またはIC3):19.5%/18.4%、PD-L1低発現(TC1/2またはIC1/2):28.4%/28.5%、PD-L1陰性:52.1%/53.1%。・データカットオフ(2018年3月15日)時点の追跡期間中央値は19.0ヵ月であった。・ITT-WTにおけるPFS中央値は、atezo+CnP群7.0ヵ月に対しCnP群5.5ヵ月と、atezo +CnP群で有意に改善した(ハザード比[HR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.54~0.77、p<0.0001)。・ITT-WTにおけるOS中央値は、atezo+CnP群18.6ヵ月に対しCnP群13.9ヵ月と、atezo +CnP群で有意に改善した(HR:0.79、95%CI:0.64~0.98、p=0.033)。・全集団におけるPFS中央値は、atezo+CnP群7.0ヵ月に対しCnP群5.6ヵ月と、atezo +CnP群で有意に改善した(HR:0.65、95%CI:0.54~0.77、p<0.0001)。・全集団におけるOS中央値は、atezo+CnP群18.1ヵ月に対しCnP群13.9ヵ月と、atezo +CnP群で有意に改善した(HR:0.80、95%CI:0.65~0.99、p=0.039)。・PD-L1発現状態ごとのサブグループ解析では、PD-L1高発現(88例/42例):PFS中央値は6.4ヵ月 vs. 4.6ヵ月(HR:0.51、95%CI:0.34~0.77)、OS中央値は17.3ヵ月 vs. 16.9ヵ月(HR:0.84、95%CI:0.51~1.39)。PD-L1低発現(128例/65例):PFS中央値は8.3ヵ月 vs. 6.0ヵ月(HR:0.61、95%CI:0.43~0.85)、OS中央値は23.7ヵ月 vs. 15.9ヵ月(HR:0.70、95%CI:0.45~1.08)。PD-L1陰性(235例/121例):PFS中央値は6.2ヵ月 vs. 4.7ヵ月(HR:0.72、95%CI:0.56~0.91)、OS中央値は15.2ヵ月 vs. 12.0ヵ月(HR:0.81、95%CI:0.61~1.08)。と、PD-L1発現状態に関わらず、PFS、OSにおけるベネフィットが確認された。・EGFR / ALK陽性患者におけるサブグループ解析では、PFS中央値は7.0ヵ月 vs. 6.0ヵ月(HR:0.75、95%CI:0.36~1.54)、OS中央値は14.4ヵ月 vs. 10.0ヵ月(HR:0.98、95%CI:0.41~2.31)であった。・Grade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、atezo+CnP群で73.2%、CnP群で60.3%の患者に発現した。 ディスカッサントを務めたフランス・Institute of Gustave Roussy のBenjamin Besse氏は、IMpower-150試験の結果とともに本結果を解説し、EGFR / ALK陽性患者を対象とした場合にベバシズマブが役割を果たす可能性があると指摘した。■参考IMpower130試験(Clinical Trials.gov)■関連記事アジア人でより有効、進行肺がんへのプラチナ+ペメトレキセド+アテゾリズマブ(IMpower132)/ESMO2018アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018進行膵がんのnab-PTX+GEM療法、新たな標準治療のエビデンス/NEJMnab-パクリタキセル+アテゾリズマブ、トリプルネガティブ乳がんでPFS延長(IMpassion130)/ESMO 2018※医師限定ASCO2018最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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心房細動をどこまで追いかけるか?(解説:香坂俊氏)-960

心房細動(AF)が塞栓性脳梗塞の原因であることは広く知られている(最近は国家試験でもよくこの内容が出題される)。そして、脳梗塞ハイリスク患者(CHADSスコア 2点以上など)に抗凝固療法を行うと、その発症を60~70%(!)カットできることも知られている。このことを踏まえて、心房細動を早期に見つけようという動きが世界的に盛んになっている。従来からの心筋梗塞や脳梗塞の予防というと、血圧を下げる、コレステロールを下げる、運動する、などという項目が並ぶことが多かった。が、汎用性は高いものの、これらの内容でカットできるイベント発症リスクは10~20%程度であり、この数値と比べるとハイリスクAF症例に対する抗凝固療法の強さは際立つ。今回の研究では、そのAFの早期検出を行うべく、ウエアラブル心電図(ECG)パッチの配布を行い、その検証を行った。試験のデザインは、ランダム化による即時モニタリング群(試験登録後即時に開始)とdelayedモニタリング群(4ヵ月遅れて開始)の比較である。その結果であるが、・新規AFの4ヵ月発見率は、即時モニタリング群3.9%、delayedモニタリング群0.9%であった。・そしてその後、パッチによる心電図モニタリングは、新規の抗凝固薬の開始(5.7 vs.3.7例/100人年)や循環器科の外来受診(33.5 vs.26.0例/100人年)に結びついた。注目すべきはこの研究の対象となった方々であるが、Inclusion Criteriaには・75歳以上、あるいは55歳以上(女性は65歳)で1つ以上のリスク因子がある方とされており、明らかにCHADS-VAScスコア2点以上というところを意識している。今後もこうしたウエアラブルデバイスの進展を踏まえ、「誰をより積極的にみていくか」ということが重要な課題になると思っているが、やみくもにスクリーニングを進めるのではなく、 そのモニタリングの結果を踏まえて治療方針が変わるというところを意識する必要があるものと考えられる(この研究でもしもCHADS-VASc 1点以下の人を対象としたとして、仮に無症候のAFが見つかってもなにもすることがない)。

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020)同伴者とのさまざまな距離感【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第20回 同伴者とのさまざまな距離感しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆老若男女が訪れる皮膚科外来、ときには本人だけでなく、同伴者とも積極的にコミュニケーションをとる場面があります。小さな子供の場合は、親御さんに話を聞く。ADLの低い高齢者の場合は、家族や施設の人と話すなど…。1人では外用が難しい子供やお年寄りは、このような同伴者の協力が必要不可欠です。しかしながら、同伴者がいつも協力的とは限りません。なかには、完全に壁と同化して存在感を消す人も…。もはや本人の背後に隠れていて、見えない。この場合は、必要に応じてこちらからぐいぐい話しかけます。逆に、同伴者のほうが積極的に話してくるパターンもあります。よくあるのが、一人っ子(息子)×お母さん、の組み合わせ。親御さんのほうが熱心すぎて、肝心の本人は二言三言しかしゃべらず。本人に向けて話すものの、いつの間にか母との会話に終始することも…。同伴者の距離感もいろいろですね。両者を逆にしたら、ちょうどいいのに~!と思うデルぽんでした☆それでは、また~!

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マルファン症候群〔MFS:Marfan syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義マルファン症候群(Marfan syndrome:MFS)は、結合組織の主要成分の1つであるfibrillinの質的あるいは量的異常による先天性の結合組織疾患である。心血管、眼、骨、関節、皮膚,肺を含む全身の結合組織において広範かつ多彩な表現型を呈するが、とくに大動脈瘤(基部拡張)・解離と水晶体偏位(亜脱臼)が重要な所見で、前者は90%以上、後者は50%以上の患者で認める。病名は、1896年にフランスの小児科医であったAntoine Marfan博士が、長く細い指(arachnodactyly:クモ指)が特徴的な少女の症例を報告したことに由来する。当初は、高身長・側弯・胸郭異常などの骨格症状のみが注目されたが、その後、重篤な大動脈解離を高頻度に合併することがわかり、循環器疾患として再認識されるようになった。常染色体優性遺伝による遺伝性疾患であるが、約25%では家族歴を認めず、突然変異によるとされる。■ 疫学発症頻度は、人種に関わりなく5,000~1万人出生に1人とされ、性差はない。■ 病因15番染色体長腕に位置するFBN1遺伝子の機能喪失型の変異により発症する。FBN1遺伝子がコードするfibrillinは弾性線維の骨格成分であるmicrofibrilの主成分であるため、弾性線維に富む筋・皮膚・肺などの臓器が障害される。また、fibrillinは眼球を保持するチン小帯の主成分でもあるため、チン小帯の断裂や弛緩により水晶体偏位を生じる。そのほか、fibrillinは、細胞増殖抑制や分化に関わるTGF-βの組織における活性制御に関与していることから、多彩な症状の背景にはTGF-βの機能亢進も関係していると推測されている。■ 症状臨床症状は、心血管系、眼系、骨格系、その他に大別される。1)心血管系:大動脈瘤・解離、僧帽弁逸脱、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁閉鎖不全MFSでは、大動脈中膜の平滑筋が障害されるため、大動脈全般で拡張や解離を来しやすく、実際、大動脈病変は、60歳までにはほぼ全例で認めるとされる最も重要な所見である。なかでも特徴的な所見は、大動脈基部(バルサルバ洞)の拡大(図1)である。画像を拡大する比較的早期から大動脈基部のバルサルバ洞部の洋梨状拡大を認めることが多いが、初期には自覚症状は乏しく、その後、上行大動脈や胸部下行大動脈にも拡大が及び、大動脈弁閉鎖不全や大動脈解離を合併して初めて自覚症状が現れる、という経過をたどることが多い。一般的に、軽度の基部拡張は小児期より認められるが、小児循環器科専門医でないと見過ごされやすい。大動脈基部径と大動脈解離のリスクには、ある程度の相関が見られ、拡大傾向が強くなる青年期以降に解離のリスクが高くなる。解離部位は、上行大動脈を含むことが多いが、胸部下行大動脈が初発部位となることもある。僧帽弁逸脱所見は約75%の患者で認め、粘液変性(myxomatous degeneration)所見も約25%で認める。僧帽弁逸脱は、MFSの特徴的症状のそろわない小児期でも認められることが多い。聴診の際の収縮中期クリック音で気付かれるが、確認には心臓超音波検査が最も有効である。重度の僧帽弁閉鎖不全は、新生児MFSを除くと病初期にはまれであるが、幼~小児期以降は、僧帽弁閉鎖不全による症状が前面に出てくる場合がある。その他、肺動脈基部の拡張や三尖弁逸脱もしばしば認めるが、治療の対象となることは少ない。2)眼系:水晶体偏位(亜脱臼・脱臼・振盪)、近視、乱視、網膜剥離、白内障、緑内障水晶体を支えるチン小帯の脆弱性により、水晶体偏位(亜脱臼・脱臼・振盪)や、水晶体性近視・乱視を発症する。また、眼軸が伸びることによる軸性近視もしばしば認める。水晶体偏位は、MFS患者の50~60%で認め、他の類縁疾患ではみられない特徴的所見であるため、診断的価値はきわめて高い。水晶体偏位は、外傷性の場合と異なり、両側性で上方にずれることが多いとされる。幼児期に高度の偏位を認める場合には、将来の弱視につながる可能性があるため、早期の治療を要する。一方、偏位が軽度の場合は、視力も正常に保たれるため、診断には散瞳下細隙灯検査が必要である。網膜剥離、白内障、緑内障も、一般に比べるとやや頻度が高い。3)骨格系:高身長、細く長い指、側弯、胸郭変形、扁平足ほか長管骨が長軸方向に伸びる結果、高身長で手足が長いdolichostenomeliaを認める。指が長く関節が柔らかいことによる親指徴候(サムサイン)・手首徴候(リストサイン)はarachnodactyly(クモ指)と称され、MFSの代表的身体所見で、幼少児期よりみられることが多い(図2)。漏斗胸、鳩胸、脊椎側弯、脊椎後弯などの胸郭病変も小児期より認める場合が多いが、成長期に増悪しやすい。その他、外反扁平足、高口蓋、叢生歯(歯列不正)も高率に認める。顔貌の特徴としては、長頭、頬骨低形成、眼球陥凹、下顎後退、眼瞼裂斜下などが傾向として挙げられる。画像を拡大する4)その他自然気胸は全体の約15%で認める。皮膚弾性組織の断裂による線状性皮膚萎縮(皮膚線条)も、成人には高頻度で認めるが、小児期には少なく、成長期以降に増加する。鼠径ヘルニアや瘢痕ヘルニアも一般に比べて高い頻度で認める。腰仙部の脊髄硬膜拡張もCTやMRIによる画像検査でしばしば認める所見であるが、自覚症状はない場合がほとんどである。■ 予後生命予後は、大動脈解離をはじめとする心血管系合併症に左右される。1986年に報告された大動脈基部置換術(Bentall手術)により生命予後は劇的に改善したが、その後、予防的自己弁温存大動脈基部置換術(David手術、Yacoub手術)など、解離前に脆弱な大動脈基部を人工血管に置換する術式の開発により、さらに生命予後は改善している。また、小児期よりβ遮断薬やアンギオテンシン受容体拮抗薬の内服が、大動脈拡張自体をある程度抑制できることも大規模臨床試験で示された。近年では、早期診断と早期からの医療管理により、健康な人と遜色ない生命予後が期待できるところまできている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)国際的診断基準である「ゲント診断基準(2010改訂)」に従う。診断は、(1)大動脈基部病変、(2)水晶体偏位、(3)遺伝学的検査、(4)全身徴候スコア、に基づいてなされる(表1)。診断に必要な項目は、家族歴の有無により異なる。この基準により、MFSの95%以上は診断可能とされる。表1 マルファン症候群(MFS)診断のための改訂ゲント基準(2010)【家族歴がない場合】(1)大動脈基部病変(Z≧2)1)+水晶体偏位 → MFS(2)大動脈基部病変+FBN1遺伝子異常2) → MFS(3)大動脈基部病変+全身徴候(7点以上) → MFS*(4)水晶体偏位+(大動脈病変との関係が既知の)FBN1遺伝子異常 → MFS【家族歴がある場合】(5)水晶体偏位+家族歴3) → MFS(6)全身徴候(7点以上)+家族歴 → MFS*(7)大動脈基部病変(Z≧2(20歳以上)、Z≧3(20歳未満))+家族歴 → MFS*・水晶体偏位があっても、大動脈病変と関連するFBN1遺伝子変異を認めない場合は、全身徴候の有無にかかわらず「水晶体偏位症候群(ELS)」とする。・大動脈基部病変が軽度で(バルサルバ洞径;Z<2)、全身徴候(≧5点で骨格所見を含む)を認めるが、水晶体偏位を認めない場合は「MASS」4)とする。・僧帽弁逸脱を認めるが、大動脈基部病変が軽度で(バルサルバ洞径;Z<2)、全身徴候を認めず(<5点)、水晶体偏位も認めない場合は「僧帽弁逸脱症候群(MVPS)」とする。・MFS*:この場合の診断は、類縁疾患であるShprintzen-Goldberg症候群、Loeys-Dietz症候群、血管型エ-ラスダンロス症候群との鑑別を必要とし、所見よりこれらの疾患が示唆される場合の判定は、TGFBR1/2遺伝子、COL3A1遺伝子、コラーゲン生化学分析などの諸検査を経てから行うこと。なお、鑑別を要する疾患や遺伝子は、将来変更される可能性がある。注1)大動脈基部径(バルサルバ洞径)の拡大(体表面積から算出された標準値との差をZ値で判定)、または大動脈基部解離注2)FBN1遺伝子異常の意義付けに関しては別に詳しく規定されている(詳細は省略)注3)上記の(1)~(4)により、個別に診断された発端者を家族に有する注4)MASS:近視、僧帽弁逸脱、境界域の大動脈基部拡張(バルサルバ洞径;Z<2)、皮膚線条、骨格系症状の表現型を有するもの(訳者注 MASSとは、“Mitral valve、Aorta、Skin、Skeletal features”をあらわす)■ 診断のための検査大動脈基部病変の評価は、心臓超音波検査、胸部CT(造影・非造影)検査、胸部MRI/MRA検査による。このうち心臓超音波検査は、大動脈基部の評価や心臓弁や心機能の評価に最も適しており、定期的フォローには欠かすことができない検査である。大動脈基部病変の定義は拡張および解離であるが、このうち拡張の評価は、バルサルバ洞径の実測値と体表面積から算出した標準値を比較して行われ、成人では、実測値が標準値の+2SD以上、小児では+3SD以上を有意な拡張とする。一方、弓部以降の大動脈や分枝動脈の評価には、CTやMRI検査が適しており、年齢や目的に応じて適宜使い分ける。水晶体偏位を含む眼病変は、通常の眼科的検査で評価する。水晶体偏位の有無は、散瞳薬により瞳孔を開いた状態で細隙灯(スリットランプ)下で確認する。遺伝学的検査では、FBN1遺伝子の病原性変異(バリアント)を検出する。FBN1遺伝子は巨大な遺伝子であり、病気の発症と関係しないバリアントや、MFS以外の疾患の原因となるバリアントも存在するため、病原性の判定には注意を要する。わが国ではMFSの診断のための遺伝学的検査は、2016年4月より保険診療として認められており、国内では、かずさDNA研究所などが検査を受注している。全身徴候スコアは、通常の理学的検査による身体所見やX線やCTなどの一般的画像所見を用いて評価するもので、項目別に点数化し、全20点中7点以上のスコアを陽性と判断する(表2)。ここには、旧ゲント基準に含まれていた、上記以外のほとんどが含まれる。項目の詳細は、画像付きで米国マルファン協会のHPの中で紹介されている。表2 改訂ゲント基準における全身徴候スコア画像を拡大する■ 鑑別診断大動脈瘤・解離を合併しやすい疾患および類似の骨格所見・眼所見を呈する疾患が鑑別の対象となる。いずれも、改訂ゲント基準により鑑別可能である。・ロイス・ディーツ症候群(Loeys-Dietz syndrome)・血管型エーラス・ダンロス症候群(Vascular Ehlers-Danlos syndrome)・家族性胸部大動脈瘤・解離症候群(Familial thoracic aortic aneurysm and dissection syndrome)・動脈蛇行症候群(Arterial tortuosity syndrome)・先天性拘縮性くも状指趾症(Congenital contractural Arachnodactyly/Beals syndrome)・ホモシスチン尿症(Homocystinuria)・スティックラー症候群(Stickler syndrome)3 治療 (治験中・研究中のものも含む)心血管系合併症に対する治療で最も重要なのは大動脈瘤・解離の予防である。内科的治療としては、β遮断薬あるいはアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の内服で、基部の拡張を認めるときには、できるだけ早期に治療を開始することが推奨されている。大動脈基部径が45mmを超えると大動脈解離のリスクが高くなるため、予防的大動脈基部置換手術を考慮する。これには、自己弁温存手術(David手術、Yacoub手術)と生体弁や機械弁を用いたBentall手術があるが、それぞれ長所・短所があるため、患者の年齢・性別・生活歴などを考慮しながら、最善の方法を選択する。なお、女性患者の場合、将来の妊娠の可能性を踏まえた治療が大切である。つまり、大動脈基部径が40mmを超えると妊娠中の大動脈解離リスクが高くなるため、そのままでの妊娠は難しくなる。したがって、女児では、成長後の基部径が40mm以下に保てるように、小児期から適切に降圧薬治療を継続することが重要である。その他、僧帽弁閉鎖不全や不整脈に対する治療は、通常の場合と同様である。水晶体偏位を認める場合、軽症なら眼鏡などによる視力矯正のみで経過観察を行うが、偏位が重症で完全脱臼や弱視の可能性がある場合は水晶体摘出手術や眼内レンズ縫着手術が行われる。高度近視の場合や水晶体手術後は網膜剥離のリスクが高くなるので、定期的に眼科を受診する必要がある。側弯、漏斗胸、気胸、ヘルニアなど、上記以外の合併症に対しては、いずれも対症療法が基本である。4 今後の展望致死的合併症となりうる大動脈解離の予防には、早期診断および早期治療介入が必須である。内科的治療に関しては、大規模臨床試験で、小児期からのβ遮断薬とアンギオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)内服に大動脈基部拡張予防効果のあることが示され、標準的治療として定着してきた。また、外科的治療についても、致死的な大動脈解離の発症を防ぐための予防的大動脈基部人工血管置換手術も、手術手技の進歩により自己弁温存手術が標準的治療として定着しつつあり、術後のQOLも改善している。5 主たる診療科循環器内科、小児科、臨床遺伝科、眼科、心臓血管外科、整形外科※全身性疾患であり、各科専門医によるチーム診療が望ましい。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センタ- マルファン症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センタ- マルファン症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)GeneReviewsJapan  マルファン症候群(医療従事者向けのまとまった情報)GeneReviews “Marfan syndrome”(医療従事者向けのまとまった疾患情報:英語のみ)National Library of Medicine Genetics Home Reference(医療従事者向けのまとまった情報:英語のみ)National Marfan Foundation (NMF)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報:英語のみ)患者会情報マルファンネットワークジャパン(患者とその家族および支援者の会)日本マルファン協会(患者とその家族および支援者の会)1)Loeys BL, et al. J Med Genet. 2010;47:476-485.2)Neptune ER, et al. Nat Genet. 2003;33:407-411.3)Lacro RV, et al. N Engl J Med. 2014;371:2061-2071.公開履歴初回2018年11月27日

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添付文書が薬の外箱に同梱されなくなる!【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第13回

皆さんの薬局では、医療用医薬品に同梱されている添付文書をどのように扱っていますか? 添付文書は製薬会社やPMDAのホームページで見られるから紙は全部捨てている!という薬局は少なく、医薬品のカセットに直近で開封した医薬品の添付文書を入れておいたり、もしくは別にファイリングしたりするなど、何らかの形で紙の添付文書を保存している薬局が多いのではないでしょうか。私の経験上、紙の利便性や信頼感は根強く、紙の添付文書に頼り切っている薬剤師さんも多いのではないかと思っています。その紙の添付文書の規制が変更になりそうです。厚生労働省の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会は11月8日、医薬品の添付文書について、製品への同梱を廃止し、「電子的な方法により提供することを基本とする」方向性をおおむね了承した。メーカーが添付文書情報にアクセス可能なQRコードなどを製品の外箱などに表記することにする。また、紙媒体については、メーカーの責任のもと、主に卸が医薬品を納入するタイミング、MRが医療機関・薬局を訪問する際などに原則提供させる方針。(2018年11月9日付 RISFAX)添付文書は、さまざまな医薬品情報の中で、唯一、医薬品医療機器等法(薬機法)を根拠としています。医薬品の用法用量、副作用や相互作用などの使用上の注意に関しては、容器や被包に記載できる場合を除き、紙の添付文書を医薬品に同梱することが義務付けられています。添付文書は英語で「Package Insert」と言いますから、医薬品に同梱されるべきもの、というイメージでしょうか。その医薬品への紙の添付文書の同梱が廃止され、今後は電子的な方法による提供が基本となります。なぜ紙媒体の同梱が中止されるのでしょうか。紙の無駄という議論もあるようですが、それだけではなさそうです。電子化することで迅速かつ確実に最新情報を提供添付文書が改訂されてから、薬局でその添付文書を同梱している医薬品が開封されるまで、どのくらいの時間を要するかご存じでしょうか。たとえば、副作用の情報が集積され、添付文書が改訂される場合、新しい添付文書の文言を確定するまで1~2週間、印刷・配送にさらに約2週間を要します。医薬品の製造が1ヵ月に1度程度のものはすぐに梱包されますが、製造の頻度が3ヵ月に1度程度のものは、梱包されるのが3ヵ月後になることもあります。そして現在は安定供給のために製薬会社も1~2ヵ月分の在庫を持っていますから、先入先出するとして改訂された添付文書が同梱されている医薬品が出荷されるまでに1ヵ月程度はかかります。医薬品卸で在庫される場合は、さらに時間がかかっているかもしれません。ツラツラと書きましたが、要は紙の添付文書の場合、改訂が決まってから医療機関や薬局で開封されるまでに早くても2ヵ月はかかります。添付文書の改訂は、製薬会社の意思で改訂するものと、行政からの指示で改訂するものがありますので、年に数回の改訂が発生する場合もあります。そうすると、常に最新情報をもって処方ないしは調剤すべきであるところ、同梱されている紙の添付文書だけを確認していると、最新情報だと思って手に取った添付文書は2回前に改訂されたものだった…なんてこともありうるのです。一方で、電子化された添付文書は、内容が確定でき次第すぐに掲載することが可能ですので、医療関係者は迅速に最新情報を入手することができます。そのため、法改正により、紙の添付文書の同梱を廃止して、製品の外箱に表記されたQRコードから最新情報にアクセスできるようにするという電子的な提供を基本とすることが厚労省の制度部会で了承されました。すでに製薬会社やPMDAのホームページでは電子化された最新の添付文書が公開されていますので、これまでもホームページなどで最新版を確認されている薬剤師さんには特段変化はありませんが、これまで紙の添付文書を利用している方も確実に最新版にアクセスできるようになります。電子的な方法が基本となるため災害時の不安もありますが、紙の添付文書はタイムラグが発生している可能性があることを念頭に置いて、電子媒体の添付文書や情報提供資料を時間をかけずに探すクセをつける必要がありそうです。

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統合失調症の世界的な疫学と負担

 世界の疾病負荷(global burden of disease:GBD)研究より、統合失調症による疾患推定の詳細、疫学、負荷を導き出すことができる。オーストラリア・クイーンズランド大学のFiona J. Charlson氏らは、年齢、性別、年、すべての国における統合失調症の推定有病率、推定負荷についてGBD 2016において報告を行った。Schizophrenia bulletin誌2018年10月17日号の報告。 統合失調症に関連する有病率、発症率、寛解率および/または超過死亡率を報告した研究を特定するため、システマティックレビューを行った。20の年齢層、7つの大都市、21の地域、195の国と地域における統合失調症の有病率を特定するため、包含基準を満たした研究の推定値は、GBD 2016で用いられたベイズ・メタ解析ツールに入力された。統合失調症の急性および慢性状態の疾患推定値は、性別、年齢、年、地域に特有の有病率の掛け合わせや、これらの状態で経験した障害を代表して2つの障害の重み付けにより導いた。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューでは、合計129件の個別データソースが抽出された。・2016年の統合失調症の年齢標準化された世界的なポイント有病率は、0.28%と推定された(95%不確定性区間[UI]:0.24~0.31)。・有病率の性差は認められなかった。・統合失調症の年齢標準化されたポイント有病率は、国や地域により大きな違いはなかった。・世界的な有病数は、1990年の1,310万人(95%UI:1,160万~1,480万)から2016年の2,090万人(95%UI:1,850万~2,340万)に増加した。・統合失調症は、世界の疾病負荷に伴う1,340万人の障害生存年数に影響を及ぼす。 著者らは「統合失調症の有病率は低いものの、疾病負荷は大きい。われわれのモデリングでは、とくに中所得国において、人口の著しい増加と高齢化が統合失調症による疾病負荷の大幅な増加につながっていると示唆された」としている。■関連記事統合失調症の推定生涯有病率、最新値は何%統合失調症の再発、コスト増加はどの程度日本における認知症の総合的なコスト~公式統計に基づく経時分析

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在宅フレイル患者、6割に眼科的問題

 オランダ・アムステルダム自由大学のRuth van Nispen氏らは、訪問看護師(home healthcare nurse)によって在宅医療を受けた、在宅フレイル高齢者の眼科スクリーニングを調査した。その結果、対象者の60%が眼科的問題を抱えており、その多くは眼科医に認識されていたものの、20%超の患者は眼科的問題について医師らに認識されていなかった。著者は、「訪問看護師による基本的な眼科スクリーニングは、年齢に関連した視力低下の負担を減らす有用な手段となり、回避可能な失明を削減し、WHOのVISION 2020イニシアチブに貢献する可能性がある」と述べている。また、「重要な健康アウトカムは、視覚障害を有することと明らかな関連はなく、むしろ一般的な健康問題と関連していると考えられる」とも結論付けている。Acta Ophthalmologica誌オンライン版2018年10月27日号掲載の報告。 研究グループは、在宅で訪問看護師の支援を受けている高齢者において、年齢に関連する眼疾患の有病率、診療所医師(GP)への紹介、視力低下と健康アウトカムとの関連性などについて検討する目的で、横断研究を行った。 訓練を受けた訪問看護師が、VISION 2020 Netherlandsでデザインされたスクリーニング(視力、視野障害など)を用い、151例の在宅患者(平均年齢80歳、範囲:50~96歳)の矯正視力も含めた眼のスクリーニングを実施し、健康アウトカムについてアンケートで評価した。 主な結果は以下のとおり。・遠見視力が0.3以下の患者の割合は、片眼で20.5%、両眼で19.9%であった。・近見視力が0.4以下の患者の割合は、それぞれ17.7%、33.3%であった。・黄斑の機能障害は片眼で21.5%、両眼で8.3%、周辺視野の問題はそれぞれ11.4%、7.9%であった。・GP受診を提案された患者は21.5%で、GPまたは眼科医に眼の問題がすでに認識されていた割合は40%であった。・健康問題は顕著に認められたが(骨折8.6%、うつ22%、不安症18%)、視力低下と患者報告の健康アウトカムとの間に有意な関連はなかった。

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薬剤師主導の介入で、高齢者への不適正処方が改善/JAMA

 薬剤師の主導による教育的介入により、高齢者への不適正処方が、通常治療に比べて抑制されるとの研究結果が、カナダ・モントリオール大学のPhilippe Martin氏らが実施したD-PRESCRIBE試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年11月13日号に掲載された。北米では、高齢の外来患者において、不適正処方率が高い状況が続いているという。不適正処方は、薬剤による有害事象、転倒、認知機能障害、緊急入院のリスクの増大を招く可能性がある。地域薬局の薬剤師主導介入を検討するクラスター無作為化試験 本研究は、不適正処方の防止に関して、薬剤師主導の介入の有効性を評価する目的で、カナダ・ケベック州で行われたプラグマティックなクラスター無作為化臨床試験である(カナダ保健研究機構[CIHR]の助成による)。 2014年2月~2017年9月の期間に、地域の薬局を登録し、介入群または対照群に無作為に割り付け、2018年2月までフォローアップを行った。 対象患者は、年齢65歳以上で、高齢者における潜在的に適正ではない医薬品を定めたビアーズ基準(Beers criteria)に含まれる4種の薬剤(催眠鎮静薬、第1世代抗ヒスタミン薬、glyburide(グリベンクラミド)、選択的非ステロイド性抗炎症薬)のうち1剤を処方された者とし、69の地域薬局で登録が行われた。 介入群の薬剤師は、患者には、薬剤の中止・減量に関する患者教育用の小冊子を送るよう奨励された。同時に、担当医には、薬剤の中止・減量の推奨に関するエビデンスに基づく薬学的見解が記された資料を送付することが勧められた。対照群の薬剤師は、通常治療を行った。 34の薬局が介入群(248例)に、35の薬局が対照群(241例)に割り付けられた。患者、担当医、薬剤師、評価者には、アウトカムのデータはブラインドされた。主要アウトカムは、6ヵ月時の不適正処方の中止とし、処方の更新は薬局の薬剤管理記録で確認した。不適正処方のリスクが31%低減 全体の患者の平均年齢は75歳、66%(322例)が女性であった。23%(113例)が80歳以上で、27%(132例)がフレイルの基準を満たした。437例(89%)が試験を完遂した(介入群:219例[88%]、対照群:218例[91%])。 6ヵ月時に、不適正処方に該当しなかった患者の割合は、介入群が42.7%(106/248例)と、対照群の12.0%(29/241例)に比べ良好であった(リスク差:31%、95%信頼区間[CI]:23~38%)。 各薬剤における不適正処方の中止の割合は、催眠鎮静薬では介入群が43.2%(63/146例)、対照群は9.0%(14/155例)(リスク差:34%、95%CI:25~43%)、glyburideではそれぞれ30.6%(19/62例)、13.8%(8/58例)(17%、2~31%)、非ステロイド性抗炎症薬では57.6%(19/33例)、21.7%(5/23例)(35%、10~55%)であった。薬剤クラスの交互作用検定では有意な差はなかった(p=0.09)。抗ヒスタミン薬は症例数(12例)が少なく解析不能だった。 介入群では、処方中止と患者の年齢、性別、健康状態、フレイル、処方期間、薬剤数などのサブグループに関連は認めなかった。 また、介入群で6ヵ月のフォローアップが完遂された219例のうち、担当医に薬学的見解の資料が届けられたのは145例(66.2%)で、この集団の処方中止率は47.6%(69/145例)であったのに対し、担当医に資料が送られていなかった74例の処方中止率は39.2%(29/74例)であり、両群間に差はみられなかった(リスク差:8%、95% CI:-6~22%)。資料を送らなかった理由は、「患者の要望」「患者がすでに薬剤を中止していた」「別の伝達法がよいと思った」などさまざまだった。 入院を要する有害事象は報告されなかったが、催眠鎮静薬の漸減を行った患者の37.7%(29/77例)に離脱症状がみられた。 著者は、「今後、これら知見の一般化可能性の検討が求められる」としている。

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拡張型心筋症の治療は回復後中止してよいか/Lancet

 症状および心機能が回復した拡張型心筋症患者では、薬物療法を中止すべきか否かが問題となる。英国・王立ブロンプトン病院のBrian P. Halliday氏らは、治療を中止すると再発のリスクが高まるとの研究結果(TRED-HF試験)を示し、Lancet誌オンライン版2018年11月11日号で報告した。拡張型心筋症患者のアウトカムはさまざまで、多くは良好な経過をたどる。回復した患者における治療中止を前向きに調査したデータはないため、専門家のコンセンサスは得られておらず、明確な推奨を記載したガイドラインはないという。中止と継続の再発リスクを比較する無作為化パイロット試験 本研究は、回復した拡張型心筋症患者における治療中止の安全性を評価する非盲検無作為化パイロット試験(英国心臓財団などの助成による)。 対象は、現在は無症状の拡張型心筋症で、左室駆出率が40%未満から50%以上に改善し、左室拡張末期容積(LVEDV)が正常化し、NT-pro-BNP濃度が250ng/L未満の患者であった。患者登録は、英国の病院ネットワークを通じて行われた。被験者は、治療を中止する群または継続する群に無作為に割り付けられた。 治療中止群は、4週ごとに臨床評価を行い、ループ利尿薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)、β遮断薬、ACE阻害薬/ARBの順に投与を中止した。治療継続群は、6ヵ月後から同様の方法で治療を中止した。6ヵ月までを無作為割り付け期、6ヵ月以降は単群クロスオーバー期とした。 主要エンドポイントは、6ヵ月以内の拡張型心筋症の再発であった。再発の定義は、次の4つのうち1つ以上を満たす場合とした。1)LVEFの10%以上の低下かつLVEF<50%、2)LVEDVの10%以上の上昇かつ正常範囲を超える、3)NT-pro-BNP濃度がベースラインの2倍に上昇かつ400ng/L以上、4)徴候および症状に基づく心不全の臨床的エビデンス。全体の再発率は40%、再発予測因子の確立までは治療継続を 2016年4月21日~2017年8月22日の期間に51例が登録され、治療中止群に25例(年齢中央値:54歳[IQR:46~64]、男性:64%)、治療継続群には26例(56歳[45~64]、69%)が割り付けられた。 6ヵ月までに、治療中止群の11例(44%)が再発したのに対し、治療継続群では再発は認めなかった。Kaplan-Meier法による6ヵ月時の治療中止群のイベント発生率は45.7%(95%信頼区間[CI]:28.5~67.2、p=0.0001)であった。 6ヵ月以降、治療継続群は26例中25例(96%)で治療を中止した(1例は発作性心房細動が疑われたため中止できなかった)。このうち、単群クロスオーバー期の6ヵ月のフォローアップ期間中に9例が再発し、イベント発生率は36.0%(95%CI:20.6~57.8)であった。 したがって、治療を中止した50例中20例(40%)が再発したことになる。再発の原因は、LVEF低下が12例(60%)、LVEDV上昇が11例(55%)、NT-pro-BNP濃度上昇が9例(45%)、末梢浮腫の発現が1例(5%)であった。 両群とも死亡例の報告はなく、心不全による予定外の入院や主要有害心血管イベントもみられなかった。治療中止群で重篤な有害事象3件(非心臓性胸痛、尿路性敗血症、既存疾患への待機的手技のための入院)が認められた。 無作為割り付け期では、治療中止との関連が認められた因子として、LVEF低下(p=0.0001)、心拍数増加(p<0.0001)、拡張期血圧上昇(p=0.0083)、KCCQ(カンザスシティー心筋症質問票)スコア低下(p=0.0354)が挙げられた。 著者は、「再発の頑健な予測因子が確立されるまでは、期限を設けずに治療を継続すべきと考えられるが、患者が治療中止を希望する場合は、注意深く、かつさらなる情報を得るまでは無期限に、心機能の監視を行う必要がある」とし、「今後、心不全の薬物療法を安全に中止可能な患者や、一部の薬剤のみの継続投与によって心機能の恒久的な回復が維持できる患者のサブグループを同定する検討が必要である」と指摘している。

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第15回 認知症患者でも飲めるようになる服薬カレンダー【週刊・川添ラヂオ】

動画解説残薬の原因を突き止めたら、その原因ごとに対策を打ちます。例えば、薬袋や一包化された薬の印字が見えていなかったということも。気になる場合は「見えていますか?」「袋を破れますか?」と尋ねてみましょう。認知症患者でも劇的に飲めるようになる服薬カレンダーもご紹介!

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ESMO2018レポート 消化器がん

レポーター紹介胃がんに対する後方ライン治療(1)-ATTRACTION-2試験長期成績-切除不能胃がんに対する標準治療は1次治療フルオロピリミジン+白金製剤(HER2陽性の場合にはさらにトラスツズマブ併用)、2次治療パクリタキセル+ラムシルマブである。3次(後方ライン)治療以降は、ニボルマブもしくはイリノテカンが治療選択肢である。ニボルマブは、2レジメン以上の化学療法不応の切除不能胃がん(胃食道接合部がん含む)を対象としたプラセボ群との比較第III相試験(ATTRACTION-2)で有効性が示され、本邦でも2017年9月に胃がんへと適応拡大された。ESMO2018では、ATTRACTION-2のアップデート結果が報告された。2018年2月までの2年間の長期追跡でも、ニボルマブ群はプラセボ群と比較して有意なOS延長が確認され、2年全生存(OS)割合は、ニボルマブ群10.6%、プラセボ群3.2%、2年無増悪生存(PFS)割合は、ニボルマブ群3.8%、プラセボ群0%であった。奏効例のOS中央値26.61ヵ月、2年OS割合61.3%であった。また、SD症例におけるOS中央値は、ニボルマブ群8.87ヵ月、プラセボ群7.62ヵ月(ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.52~1.23)であり、有意差はないもののニボルマブ群で良好であった。本結果は、実施臨床でのニボルマブ使用においても実感できる。奏効例では長期奏効が得られることも多く、まさにノーベル賞受賞の最近の報道でなされる“奇跡の薬”との表現にも同意する。一方で胃がんでのニボルマブの奏効率はわずか10%程度であり、治療のメリットが実感できない場面が多いのも事実である。さらに、最近は約10%にhyperprogressionが認められ、むしろdetrimentalに働く集団の存在も示唆されている。抗PD-1抗体薬の効果予測バイオマーカーが必要であり、有効もしくは無効のバイオマーカーがないと、1次・2次治療や補助療法での抗PD-1抗体薬の使用は困難であろう。胃がんに対する後方ライン治療(2)-新たな治療選択肢の登場-TAGS試験(TAS-102 Gastric Study)は、2レジメン以上の前治療歴のある切除不能胃がんに対するTAS-102の有効性を検証したプラセボ対照第III相試験である。結果はすでに本年の世界消化器学会議(ESMO-GI)で発表されているが、ESMO2018ではサブグループ解析と腫瘍縮小効果の結果が追加された(TAS-102群:337例、プラセボ群:170例)。主要評価項目であるOS(中央値/12ヵ月OS割合)は、プラセボ群3.6ヵ月/13%に対して、TAS-102群5.7ヵ月/21%(HR:0.69、95%CI:0.56~0.85、p=0.0003)であり、TAS-102群が有意に良好であった。サブグループ解析でも、各サブグループにおいてTAS-102群が良好な結果であった。腫瘍縮小効果はTAS-102群で1例の完全奏効(CR)と部分奏効(PR)12例を認め、奏効割合(ORR)は4%であった。安定(SD)も含めた病勢制御割合(DCR)はTAS-102群44%であり、プラセボ群14%に比べ有意に良好であった。有害事象は、TAS-102群においてgrade 3以上の有害事象が多くみられ(TAS-102 80% vs.プラセボ58%)、好中球数減少(38% vs.0%)や白血球減少(21% vs.0%)、貧血(19% vs.7%)、血小板数減少(6% vs.0%)などの血液毒性が主であった。これら有害事象によるTAS-102の減量・休薬は58%で、13%の症例は試験治療中止となり、16%の症例でG-CSFが投与されていた。本試験より、TAS-102は胃がん後方ライン治療の新たな選択肢として、本邦においても使用可能となるだろう。位置付けはニボルマブと同様になると思われる。有害事象も大腸がんでの報告と同程度であり、胃がんでも比較的スムーズに臨床導入できるだろう。一方で、胃がんと大腸がんの病態の違いには注意が必要である。つまり、胃がんの方がよりaggressiveな病態を呈する患者が多く、経口摂取が困難となるケースも多い。本試験でもTAS-102後の後治療移行率は、TAS-102群25%、プラセボ群26%と両群ともきわめて低率であった。ニボルマブ、TAS-102、イリノテカンをすべて単剤療法として使い切るストラテジーよりも、併用療法の開発が期待される。大腸がん1次治療としてのTriplet療法の再検証-TRIBE2試験-大腸がん1次治療においてFOLFOXIRI+ベバシズマブ療法は、本邦におけるガイドラインでも推奨されるレジメンの1つである。その根拠となったTRIBE試験は、FOLFOXIRI+ベバシズマブ療法(Triplet)とFOLFIRI+ベバシズマブ療法との第III相試験であり、ORR 65% vs.53%(p=0.006)、PFS中央値12.1ヵ月vs.9.7ヵ月(ハザード比[HR]:0.75、p=0.003)、OS中央値29.8ヵ月vs.25.8ヵ月(HR:0.80、p=0.030)と、いずれもTriplet群が有意に良好であった。しかし本試験では、FOLFIRI群の後治療のオキサリプラチン導入割合が低く、本邦の実地臨床への外挿に疑問の声もあった。ESMO2018では、続編としてTriplet+ベバシズマブ療法を1次治療および2次治療で使用する群(triplet群)と1次治療FOLFOX+ベバシズマブ療法→2次治療FOLFIRI+ベバシズマブ療法を逐次的に行う群(doublet群)を比較した第III相試験(TRIBE2試験)の結果が報告された。すべての治療は最大8コースの施行とされ、その後は、増悪まで5-FU+ベバシズマブ療法継続が実施された。679例が登録され、患者背景は両群に大きな差はなく、RAS変異型60%程度、BRAF変異型10%、右側結腸38%と、一般的な大腸がんのpopulationよりも多い傾向であった。主要評価項目であるPFS2(2次治療終了までの無増悪生存期間)中央値は、doublet群16.2ヵ月、triplet群18.9ヵ月(HR:0.69、95%CI:0.57~0.83、p<0.001)とtriplet群で有意に良好であった。1次治療PFSはdoublet群9.9ヵ月、triplet群12.0ヵ月(HR:0.73、p<0.001)、2次治療PFSの中央値はdoublet群5.5ヵ月、triplet群6.0ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.70~1.05、p=0.120)と有意差を認めなかった。doublet群の86%(248/288例)、triplet群の74%(194/261例)が2次治療に移行し、規定された2次治療が、doublet群では88%(FOLFIRI±Bmab)、triplet群では76%(FOLFOXIRI±Bmab)に行われていた。有害事象は既報のとおりで、1次治療における安全性は、grade 3以上の有害事象のうち、下痢(doublet群5% vs.triplet群17%、以下同様)、好中球減少(21% vs.50%)、発熱性好中球減少症(3% vs.7%)で群間差を認めた。本発表は、初回治療におけるtripletの有効性を再現したものと考えられる。doublet群の88%で2次治療に移行できているにもかかわらずtriplet群でPFS2が良好であったことはインパクトが大きいが、その理由は明らかではない。治療早期に強いレジメンを実施し、腫瘍縮小を達成することが生存延長につながっているのであろうか。とくに本試験の対象として多く含まれているRAS/BRAF変異型や右側結腸原発症例で有用である。今後発表されるOS結果にも注目したい。大腸がんに対する免疫療法の明暗-Checkmate142試験とMODUL試験-大腸がんに対する免疫チェックポイント阻害剤は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)やミスマッチ修復(mismatch repair:MMR)タンパク発現消失を示すMMR機能欠損(deficient MMR:dMMR)がんとMMR機能欠損を示さないproficient MMR(pMMR)がんに分けて治療開発が行われている。dMMR例は遺伝子変異数(tumor mutation burden:TMB)が多く、腫瘍浸潤性リンパ球(tumor infiltrating lymphocyte:TIL)の強い免疫腫瘍環境を有することから、免疫チェックポイント阻害薬の効果が期待できる。CheckMate142試験は抗PD-1抗体薬ニボルマブ(NIVO)単剤療法、NIVOと抗CTLA-4抗体薬イピリムマブ(IPI)との併用療法を検討した第II相試験であり、ESMO2018では1次治療としてのNIVO+IPI併用療法コホートの結果が報告された。本コホートは、dMMR例を対象に、NIVO(3mg/kgを2週間隔)と低用量IPI(1mg/kgを6週間隔)の併用療法であり、既報の同薬剤併用の既治療コホート(NIVO 3mg/kg+IPI 1mg/kgを3週間隔×4回→その後はNIVO 3mg/kgを2週間隔)とは異なったスケジュールである。今回のコホートには45例が登録され、BRAF変異型38%、Lynch症候群18%が含まれていた。主要評価項目である担当医判定によるORRは60%(完全奏効[CR]:3例[7%]を含む)、DCRは84%であった。BRAF変異例17例でも、ORR 71%、DCR 88%と良好だった。解析時点において82%の症例が効果継続中であり、12ヵ月PFS割合77%、OS割合83%と、長期の生存延長効果が期待された。Grade 3以上の重篤な有害事象割合は16%であり、治療中止に至る有害事象も7%と低かった。今回の報告は既治療例通常用量のNIVO+IPIコホートと比較して有効性は同程度、重篤な有害事象は少ない傾向であった。これが、低用量IPIのおかげなのか、それとも初回治療例を対象としたものかはランダム化比較試験でないため確証はないが、個人的には有害事象と有効性のバランスが良い本投与法を実地臨床では使用したい。とくにBRAF変異型も含めた高い有効性は魅力的である。dMMRがんに対するpembrolizumabは本年度中に適応拡大予定であるが、NIVO+IPI療法もdMMR大腸がんに必要なレジメンと考えられる。一方でpMMR大腸がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の治療開発は、いまだ成功していない。MODUL試験は、大腸がんにFOLFOX+ベバシズマブ導入化学療法後の維持療法に関するランダム化比較試験で、バイオマーカーに基づくアンブレラ型試験である。今回、BRAF野生型コホート(コホート2)としてフッ化ピリミジン系薬剤+Bevacizumab(Bmab)とAtezolizumabの併用療法との比較パートの結果が発表された。患者背景はRAS変異型60~65%、dMMR2%であり、本試験はpMMR大腸がんへの免疫チェックポイント阻害剤の有効性を探索する試験と言える。追跡期間中央値18.7ヵ月時点におけるupdate analysisでのPFS中央値は試験治療群7.20ヵ月、標準治療群7.39ヵ月(HR:0.96、95%CI:0.77~1.20、p=0.727)、OS中央値は試験治療群22.05ヵ月、標準治療群21.91ヵ月(HR:0.86、95%CI:0.66~1.13、p=0.283)と、有意差は認められなかった。ESMO-GIでは後方ラインでのAtezolizumab(+cobimetinib)の第III相試験(COTEZO)もnegativeな結果が報告された。pMMR大腸がんへの免疫療法は、まだまだ暗い闇の中といったところである。

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ESMO2018レポート 肺がん

レポーター紹介ESMO(European Society for Medical Oncology)2018はドイツのミュンヘンで、2018年10月19~23日の期間に行われた。今年は9月に世界肺学会がカナダのトロントで行われたこともあり、昨年のESMOと比べると少しトピックスが少ない印象ではあったが、2万8千人が参加し、多くの演題が報告された。肺がん領域でのトピックスをいくつか紹介する。分子標的治療薬のトピックスオシメルチニブの耐性機序EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者で、1次治療としてEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)で治療された後、耐性遺伝子の1つであるT790M変異が陽性であった場合に、第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブもしくはプラチナ製剤+ペメトレキセドに割り付けられる第III相試験であるAURA3の試験における、耐性メカニズムについて報告された。ベースラインの血漿サンプルでEGFR遺伝子変異陽性であり、耐性後に血漿検体の評価ができた73例の検討では、49%でT790Mの消失を認め、C797Sが14%で認められた。(Papadimitrakapoulou V, et al, LBA51)また、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん患者で、1次治療として第1世代のEGFR-TKIとオシメルチニブを比較する第III相試験であるFLAURA試験における耐性メカニズムについても報告された。第1世代のEGFR-TKIで治療され、ベースラインの血漿でEGFR遺伝子変異が陽性であった129例の検討では、T790M陽性が47%と最も多く、METの増幅が4%、PIK3CAの変異が3%で認められた。また、オシメルチニブ群で血漿のEGFR遺伝子変異が陽性であった91例の検討では、METの増幅が15%で最も多く、C797X変異が7%、PIK3CA変異が7%で認められた(Ramalingam SS, et al LBA50)。血漿での検討ではあるが、オシメルチニブの耐性メカニズムの検討として重要な報告であったと考える。ALESIAアジアで行われた、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの初回治療として、クリゾチニブとアレクチニブを比較する第III相試験の結果が報告された。本試験には187例が登録され、125例がアレクチニブ(600mgを1日2回内服)群に、62例がクリゾチニブ群に割り付けられた。主要評価項目である研究者による評価の無増悪生存期間(PFS)は、アレクチニブ群で有意に良好であった(PFS中央値、アレクチニブ群:未到達、クリゾチニブ群:11.1ヵ月、ハザード比[HR]:0.22、95%信頼区間[CI]:0.13~0.38、p<0.0001)。また、Grde3以上の毒性においても、アレクチニブ群では28.8%でみられたのに対し、クリゾチニブ群で48.8%であり、毒性においてもアレクチニブ群で軽いことが3つ目の第III相試験でも確認された(Zhou C, et al. LBA10)。ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおけるアレクチニブの有効性が改めて確認された一方で、日本のみアレクチニブの用量が異なることが、今後のALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんの治療開発において、問題となることが危惧される。免疫チェックポイント阻害薬のトピックスPACIFIC試験の全生存期間に関する探索的検討III期の非小細胞肺がんに対し、化学放射線療法後にデュルバルマブとプラセボを比較する第III相試験であるPACIFIC試験において、SP263で評価したPD-L1の発現によるサブグループ解析の結果が報告された。PFSにおいては、PD-L1が1%以上の集団、PD-L1が1%未満の集団ともにデュルバルマブ群で良好な結果であった。しかし、全生存期間(OS)においては、PD-L1が1%以上の集団ではデュルバルマブ群で良好な結果であったが、PD-L1が1%未満の集団ではプラセボ群で生存曲線が上回る結果であった(Faivre-Finn C, et al. 1363O)。PD-L1の発現評価が可能であったのは全体の60%強であり、またそのうちのサブグループ解析であるため、この結果の解釈には注意が必要であり、この結果をもってPD-L1が1%未満にはデュルバルマブの効果が低いという結論には至らない。しかし、化学放射線療法施行例において、PD-L1発現と予後の結果については今後も検討を行う必要があることが示唆されると考える。IMpower130IV期の非扁平上皮非小細胞肺がんの初回治療として、カルボプラチン+ナブパクリタキセル+アテゾリズマブの3剤併用療法後にアテゾリズマブの維持療法(Atezo+CnP)とカルボプラチン+ナブパクリタキセル併用療法後に支持療法もしくはペメトレキセドの維持療法(CnP)を比較する第III相試験の結果が報告された。主要評価項目の1つである研究者評価のPFS(遺伝子変異陰性患者での)はAtezo+CnPで有意に良好であった(PFS中央値、Atezo+CnP:7.0ヵ月、CnP:5.5ヵ月、HR:0.64[95%CI:0.54~0.77]、p<0.0001)。またもう1つの主要評価項目であるOS(遺伝子変異陰性患者での)においても、Atezo+CnPで有意な改善を認めた(OS中央値、Atezo+CnP:18.6ヵ月、CnP:13.9ヵ月、HR:0.79[95%CI:0.64~0.98]、p=0.033)。EGFRもしくはALK陽性の患者において、PFSとOSともにカルボプラチン+ナブパクリタキセル併用療法に対するアテゾリズマブの上乗せ効果は認められなかった。遺伝子変異陰性の非小細胞肺がんに対する、初回治療としての、プラチナ製剤を含む併用療法に対するアテゾリズマブの上乗せ効果が再確認された結果であった。一方で、遺伝子変異陽性の患者に対する、プラチナ製剤を含む併用療法に対する免疫チェックポイント阻害薬の効果については、いまだ不明のままである。大規模な比較試験の結果が待たれる。(Cappuzzo F, et al. LBA53)B-F1RST局所進行または転移性非小細胞肺がん患者における、アテゾリズマブ単剤の単群第II相試験の結果が報告された。本試験の主解析として、血液検体を用いたtumor mutation burden(bTMB)のカットオフを16とした解析が含まれている。152例のITT集団のうち、バイオマーカーの評価可能でmaximum somatic allele frequency≧1%の患者が119例であり、bTMB≧16の患者は28例であった。bTMB≧16の患者での奏効割合が28.6%に対し、bTMB<16の患者では奏効割合4.4%であった。また、PFSはbTMB≧16群でよい傾向であったものの、統計学的な有意差は認めなかった(PFS中央値、bTMB≧16:4.6ヵ月、bTMB<16:3.7ヵ月、HR:0.66[95%CI:0.42~1.02]、p=0.12)。本試験のみで、bTMBのバイオマーカーとしての有効性の評価は難しいが、高い期待が持てる結果とはいえない。現在、bTMBが高い集団に対する第III相試験が進行中であり、その結果が待たれる。(Kim ES, et al. LBA55)

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デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

 米国・イーライリリー・アンド・カンパニーは、2型糖尿病治療薬デュラグルチド(商品名:トルリシティ)の国際共同試験「REWIND試験」において、主要心血管イベント(MACE※)の発現率を有意に減少させたことを発表した。 対象患者の7割は1次予防例で、GLP-1受容体作動薬では初めて、1次予防例を含む幅広い2型糖尿病患者における心血管(CV)イベントへの影響を評価した試験といえる。※心血管死、非致死性心筋梗塞(心臓発作)、非致死性脳卒中から成る複合評価項目 REWIND(Researching cardiovascular Events with a Weekly INcretin in Diabetes)試験はCVイベント発現率について、デュラグルチド1.5mg※週1回投与とプラセボとを比較した多施設共同無作為化二重盲検比較試験である。主要評価項目はMACEの初発で、詳細データは、2019年6月に開催予定の米国糖尿病学会(ADA)にて報告予定である。※国内におけるデュラグルチドの用法・用量は0.75mg/週CVアウトカム試験における1次予防という壁 糖尿病患者でCVイベント発症リスクが高いことはよく知られている。そのため、EMPA-REG OUTCOMEやLEADER等で示された、薬剤によるCVイベント抑制作用には大きな注目が集まっている。一方、こうした試験の対象者はCV高リスクの2次予防例が多く、1次予防例が少ないことが指摘されていた。また1次予防例が多く含まれる試験でCVリスクを有意に減少させることは難しいとされてきた。 しかし、今回発表のREWIND試験の対象には、ベースライン時に心血管疾患の既往がない患者が69%含まれる。 これまでのGLP-1受容体作動薬のCVアウトカム試験では患者の7割以上が心血管疾患の既往があり、その点、従来試験と正反対の背景を有する。「HbA1c 9.5%以下」を対象とした点が鍵 デュラグルチドの国際共同試験であるREWIND試験は、他のCVアウトカム試験同様、心血管疾患の既往またはリスク因子を有する2型糖尿病患者9,901例が対象。 患者の選択基準は、以下であった。(1)経口血糖降下薬(1~2剤)±基礎インスリン、もしくは基礎インスリン単独での治療を受けている患者 (2)HbA1c 9.5%以下(3)50~54歳で、心血管疾患既往を有する患者(4)55~59歳で、心血管疾患既往、もしくは心血管疾患または腎疾患の徴候を1つ以上有する患者(5)60歳以上で、心血管疾患既往、もしくは心血管疾患のリスク因子を2つ以上有する患者 このうち特徴的なのは「(2)HbA1c 9.5%以下」という基準だ。他のGLP-1受容体作動薬のCVアウトカム試験ではHbA1c値の上限を設定しておらず、REWIND試験で初めてHbA1c値の上限が設定された。1次予防例7割、前例がないデュラグルチドのCVアウトカム試験 HbA1c値の規定の違いにより、従来のGLP-1受容体作動薬のCVアウトカム試験と異なる対象患者が組み入れられ、結果的に対象者の7割が1次予防例という、かつてないCVアウトカム試験が設定された。ベースラインの平均HbA1c値も7.3%と、比較的低い値になっている。 さらに1次予防例が多いことでイベント発症までの期間が延長され、追跡期間中央値は5.3年と、GLP-1受容体作動薬のCVアウトカム試験としては最長となっている。 1次予防例を7割含む、2型糖尿病患者におけるCVイベント抑制を報告したGLP-1受容体作動薬のCVアウトカム試験は前例がない。今回、米国・イーライリリー・アンド・カンパニーは、REWIND試験においてMACEの発現率を有意に減少させたことをいち早く発表した。現段階で明らかなのは試験概要と患者背景のみで、詳細結果は不明だが、デュラグルチドによってCVイベント抑制が示されたことは注目に値する。 REWIND試験の詳しいデータおよび結果は、2019年6月のADAで発表される予定である。

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有給休暇とうつ病リスクとの関連

 米国は、労働者の有給休暇取得を保証していない唯一の先進経済国である。実証研究によると、有給休暇は幸福感やストレスと関連しているといわれているが、有給休暇とうつ病との関連性については研究されていない。米国・ノースイースタン大学のDaniel Kim氏は、45~52歳の男女の代表的な労働者3,380例をサンプルとした1979年の全国縦断調査(National Longitudinal Survey of Youth 1979)を用いて、有給休暇の取得がうつ病を予防するかについて検討を行った。Scandinavian journal of work, environment & health誌オンライン版2018年11月7日号の報告。 50歳時にうつ病評価尺度簡易版(CES-D-SF)で測定したうつ病に対する、40歳時の年次有給休暇日数の影響について、多変量線形回帰モデルとロジスティック回帰モデルを用いて推定した。モデルは、人口統計、社会経済的要因、身体的健康状態、週の労働時間、個々の固定効果で調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・女性において、有給休暇が10日間追加されるごとに、うつ病オッズが29%低下した(オッズ比[OR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.55~0.92、p=0.01)。この関連は、男性では認められなかった。・線形回帰モデルでは、男女ともに関連が認められなかった。・10日間の有給休暇ごとに、白人女性ではうつ病オッズが36%低下し、2人以上子供がいる女性ではうつ病オッズが38%低下した。 著者は「本研究は、有給休暇とうつ病との関連性を検討した最初の報告であり、2人以上の子供がいる白人女性において、有給休暇取得によるうつ病予防効果が示唆された。この関連性の因果関係が正当であり、全年齢の成人女性労働者に共通した影響をもたらすと仮定すると、平均有給休暇10日間の場合、毎年56万8,442件の女性のうつ病発症が回避され、毎年29億4,000万米ドルのコスト削減につながる可能性が示唆された。有給休暇取得の権利を与える政策は、米国の女性労働者の健康および経済的負担に対し好影響をもたらす可能性がある」としている。■関連記事うつになったら、休むべきか働き続けるべきか職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか長時間労働やシフト作業は認知症発症に影響するか

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