サイト内検索|page:1020

検索結果 合計:35648件 表示位置:20381 - 20400

20381.

週1回GLP-1受容体作動薬albiglutideの心血管アウトカムは/Lancet

 心血管疾患を有する2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬albiglutideはプラセボと比べて、主要心血管イベント(MACE)を有意に抑制することが示された。米国・デューク大学のAdrian F. Hernandez氏らが、28ヵ国、610の医療機関を通じ、約9,500例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験「Harmony Outcomes」の結果で、Lancet誌オンライン版2018年10月2日号で発表した。GLP-1受容体作動薬は、化学的構造や作用時間の違いで、臨床的アウトカムへの影響は異なることが知られているが、週1回投与タイプのalbiglutideの、2型糖尿病患者における心血管系への効果についてはこれまで不明であった。今回の結果を受けて著者は、「GLP-1受容体作動薬は、エビデンスベースに基づき、2型糖尿病患者の心血管イベントリスクを低減するための総合的な戦略の一部と見なすべきであろう」と述べている。9,463例を対象に、週1回投与のalbiglutideの安全性と有効性を試験 試験では、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の予防に関するalbiglutideの安全性と有効性を調べた。2015年7月~2016年11月にかけて、28ヵ国、610の医療機関を通じ、2型糖尿病で心血管疾患のある40歳以上の患者9,463例を登録。無作為に2群に分け、標準治療に加えて、一方の群にはalbiglutide(30~50mg、血糖反応と忍容性に応じて)を、もう一方の群にはプラセボを、それぞれ週1回皮下注射した。 治療割り付けは、双方向性の通話またはウェブ上のシステムを用いて行われ、すべての患者と試験担当医は、治療割り付けをマスキングされた。 主要評価項目は、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の初回発生の複合アウトカムで、albiglutide群がプラセボ群に対し非劣性であると仮説を立て、ITT集団で検討した。非劣性マージンはハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)上限1.30未満とし、確認された場合には閉検定で優越性について検討することを事前に規定した。追跡期間中央値1.6年のMACE発生、albiglutide群がプラセボ群の0.78倍 被験者9,463例のうち、albiglutide群は4,731例、プラセボ群は4,732例だった。試験は、611例の主要エンドポイント発生が認められ、追跡期間中央値が1.5年以上に達し、被験者の最終の外来受診と試験治療の中断がなされたとして、2017年11月に終了が決められた。最後の被験者の診察は2018年3月で、その時点での追跡期間中央値は1.6年(四分位範囲:1.3~2.0)だった。 主要複合アウトカムの発生は、albiglutide群7%(338/4,731例、4.6件/100人年)、プラセボ群9%(428/4,732例、5.9件/100人年)で(HR:0.78、95%CI:0.68~0.90)、albiglutide群のプラセボ群に対する優越性が示された(非劣性のp<0.0001、優越性のp=0.0006)。 急性膵炎(albiglutide群10例、プラセボ群7例)、膵がん(6例、5例)、甲状腺髄様がん(両群とも0例)の発生、およびその他の重篤な有害事象の発現頻度に、両群間で差はなかった。また、マスキングされた試験担当医によって試験薬に関連すると判断された死亡は、albiglutide群2例(1%未満)、プラセボ群3例(1%未満)だった。

20383.

心血管病の証拠のない2型糖尿病患者への予防的ω-3多価不飽和脂肪酸の投与効果は期待はずれか(ω-3PUFA効果は夢か幻か?)(解説:島田俊夫氏)-926

 多価不飽和脂肪酸(PUFA)が心血管病に良い影響を与えるということが巷でささやかれており、サプリメントも広く普及している。PUFAにまつわる話はグリーランドのイヌイット(エスキモー)に心血管病が少ないことに着目した研究に端を発している1)。この研究以降、精力的に研究が行われてきたが、PUFAサプリメントの投与と心血管病の予防・治療への有効性は、いまだ確立されていない。とくに1次予防に関しては、悲観的な結果が優勢であるがわが国の大規模研究JELIS2)は、高コレステロール血症に対してスタチン投与中の集団を無作為にEPA(1,880mg/day)、プラセボに割り付けることにより、主冠動脈イベント発症率は19%有意に低下した。2次予防サブ解析では累積冠動脈イベントが23%低下した。脳卒中に関しては1次予防効果は認めず、2次予防効果において20%の抑制効果が認められた。しかし、この研究がprobe法を用いた研究であったことが信憑性に疑念を抱かせる結果となっている。 NEJM誌オンライン版の2018年8月26日号に掲載された英国・オックスフォード大学のLouise Bowman氏らの論文は、PUFAの予防投与における有用性に疑問を投じる貴重な報告と考え、私見を述べる。研究の概略 観察研究では、ω-3PUFAの摂取増加は心血管病リスク低下に関係している。 ところがこれらの所見は、ランダム化試験においていまだ是認されていない。ω-3PUFAサプリメントが糖尿病患者の心血管リスクに便益をもたらすか、いまだ解決されていない。 明らかな動脈硬化性疾患の証拠を持たない糖尿病患者1万5,480例を、ω-3PUFA1gカプセル服用群(PUFA群)、オリーブオイル服用群(プラセボ群)のいずれかの群に無作為に割り付けを行った。1次アウトカムは、初回の重篤な血管イベントとした(つまり、確定した脳内出血を除いた非致死的心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作または血管死)。 7.4年のフォローアップ期間中(アドヒアランス:76%)、重篤な血管イベントが脂肪酸群で689例(8.9%)、プラセボ群で712例(9.2%)に発生した(率比:0.97、95%CI:0.87~1.08、p=0.55)。重篤な血管イベントあるいは血管再建複合アウトカムは、それぞれ882例(11.4%)、887例(11.5%)に起こった(率比:1.00、95%CI:0.91~1.09)。全死因死亡は脂肪酸群で752例(9.7%)、プラセボ群で788例(10.2%)に起こった(率比:0.95、95%CI:0.86~1.05)。非致死的重篤有害イベント率に関しては有意差を認めなかった。筆者コメント 結論として、心血管病の証拠のない糖尿病患者は、ω-3PUFAサプリメント群、プラセボ群に無作為に割り付けられた2群間比較で、重篤な心血管イベントリスクに有意差を認めなかった。本論文のメッセージは、心血管病予防にこれまで期待の大きかったPUFAサプリメントの1次予防への投与が無作為に割り付けられた糖尿病患者で、かつ明らかな心血管疾患の証拠のない患者の2群間(ω-3PUFAサプリメント群とプラセボ群)比較で有意差を認めなかった事実から、PUFAの予防投与は思いの外、糖尿病患者の心血管病予防への期待を裏切る結果となった。高コレステロール血症治療中の患者を対象とした研究、2型糖尿病治療群を対象とした本研究での結果の乖離が、単なる対象疾患の差にもとづくものか慎重な判断が必要である。1次予防に関する研究は追跡期間、人口構成らが大いに結果に影響し、至適追跡期間が不適切であれば検出力不足のために陰性になる恐れもあり、本研究の平均追跡期間7.4年が1次予防効果を評価するに十分であったか多少の疑問が残る。これまでの多くのエビデンスを考えると多価不飽和脂肪酸サプリメントへの過大な期待に対する警鐘と理解するのが、現段階では妥当な解釈かと考えている。効果を否定するのは早計と考える。

20384.

医師による起業の実際を紹介!【医師のためのお金の話】第13回

起業のルールが劇的に変わった!こんにちは、自由気ままな整形外科医です。前2回は、チャンスがあれば医師が起業にチャレンジすることは理に適っていること、および実際にどのようなツールを使用すればよいのかをお話ししました。しかし、理論的なことはわかったけど、実際に展開している新規ビジネスはどんな感じなのかな? そんなことを思っている方が、多いのではないでしょうか。今回は、私の身近にいる起業家医師の事例をご紹介したいと思います。事例1 株式会社encounterhttp://encounter.skr.jp業務内容:スポーツ・運動器に関するセミナー運営【事業内容】肩関節専門の勤務医が起業したサービスです。スポーツ選手を治療していくためには、トレーナーなど医療従事者以外との連携が必要です。そういった人達と交流する機会を増やし、院内のスタッフが学べる環境を整備するためには、自分たちの知りたい内容のセミナーを自ら開催して、誰もが参加できるようにすることが近道だと考えたそうです。そして、自分の立ち位置が変わっても、継続してセミナーを開催していけるように会社を起業しました。【内部の仕組み】スタッフとの連絡手段や、どのように時間を捻出しているのかといった実際の内部の仕組みは、どうなっているのでしょうか? スタッフのほとんどは勤務先の職員で、連絡はFacebookの非公開グループ内で行っているそうです。Facebookの非公開グループは、無料のプラットフォームなので、利用しない手はありません。週末の業務時間外に、月1回のペースでセミナーを開催しています。講師はスタッフが聴講を希望する方に依頼します。病院施設を使用し、聴講したいスタッフが手伝ってくれるため、経費が抑えられているそうです。スタッフの知識も増え、ネットワークも広がってきているため、勤務先への相乗効果も期待できることがポイントですね。事例2 株式会社クオトミーhttps://www.quotomy.co.jp業務内容:医療研究者支援事業【事業内容】脊椎外科専門の勤務医が起業したサ-ビスです。わが国の科学研究の地位は急速に低下していますが、医療分野でも同様のことが起きています。起業した医師が、米国へ留学した際、お金や地位を目的とした外発的モチベーション主導の医療研究を取り巻くエコシステムが、上手く機能していると感じたそうです。米国に比べて人的・金銭的リソ-スが潤沢でないわが国では、個人の内発的モチベーションを高める手法で、医療研究活動を盛り上げることができるのではないか? このような仮説を立て、新しい知見や出会いを医師同士が共有する場として“Quotomy”をオンライン上に構築しました。【内部の仕組み】ほとんどすべての業務を外部委託されているそうです。ミーティングで顔を合わせる必要があるときは、都心にある職場(病院)近くに来てもらうことで移動時間を減らしています。これらは、勤務医であるハンディを軽減する工夫ですね。検討事項を自分のところに留めてしまうと、事業がまったく進まなくなるので、とにかく判断をして前に進めることを心掛けています。また、相談できるチャネルを増やすことに注力しているとのことです。事例3 株式会社ジャパン・バイオメディカルhttps://www.japan-biomedical.jp業務内容:細胞培養用添加剤であるウシ血清のオリジナル製品の製造販売【事業内容】循環器専門医と再生医療認定医のダブルライセンスを持つ内科医が、保有している特許を利用するために起業した会社です。ユーザーが自分自身である点が興味深いです。本社は北海道十勝にあり、現地の銀行からの問い合わせも多いとのことです。自分はもっぱら広告塔となり、医師・研究者であることを最大限アピールして、医療・研究系企業からの出資を受けています。【内部の仕組み】親会社へ業務を完全に委託しているため、専属従業員はいないそうです。親会社の部長を代表取締役にすることで、業務委託がスムーズになっています。メール、LINE、Slackでの業務連絡に加えて、ほぼ毎朝1時間はSkypeで打ち合わせをしているそうです。ビジネスアイデアは日常生活に埋まっている!例示した3つの新規ビジネスは、いずれも日々の臨床で感じたことや、研究での気付きや成果を具現化しています。ビジネスの仕組みや回し方は、ある程度定型化することができますが、ビジネスアイデアをひねりだすことは容易ではありません。ロジカルに収益から逆算してビジネスを構築できれば理想的なのですが、実際の現場でこのような芸当ができることはほとんどありません。今回ご紹介した事例や私自身の経験でも、日常診療や研究の際のちょっとした気付きが、ビジネスアイデアを得るきっかけとなっています。私は、日常生活や研究の中にこそ、ビジネスアイデアが埋まっていると思います。当たり前過ぎて見過ごしてしまっていることに気付くのは容易ではありません。漫然と暮らしているだけでは、これらのビジネスアイデアに気付くことはないでしょう。他人には見えないチャンスを見つけるためには、能動的に周囲を観察し続ける必要があります。「こんなモノがあればいいな」「こんなサービスがあればいいな」といった漠然とした思いを、ビジネスのネタになるのではないのか?と1度はシミュレーションしてみるのがよいと思います。もちろん、ほとんどのアイデアは使い物にならず、お蔵入りとなりますが、このような習慣を継続することで、ひらめきを得ることができます。私の場合、これはイケそうだ!というアイデアに遭遇するのは、半年~1年に1度程度です。常にビジネスのネタを探して周囲を観察しているにもかかわらず、実際にアイデアを得るのは、この程度の頻度しかありません。しかし、何事も始めなければ何も変わりません。あなたも明日からの診療、研究、日常生活でビジネスのタネを探してみませんか?

20385.

第9回 内科クリニックからのセファレキシンの処方【適正使用に貢献したい  抗菌薬の処方解析】

Q1 予想される原因菌は?Escherichia coli(大腸菌)・・・10名Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)・・・6名Staphylococcus saprophyticus(腐性ブドウ球菌)※1・・・4名Proteus mirabilis(プロテウス・ミラビリス)※2・・・3名腸球菌・・・2名淋菌、クラミジアなど(性感染症)・・・2名※1 腐性ブドウ球菌は、主に泌尿器周辺の皮膚に常在しており、尿道口から膀胱へ到達することで膀胱炎の原因になる。※2 グラム陰性桿菌で、ヒトの腸内や土壌中、水中に生息している。尿路感染症、敗血症などの原因となる。ガイドラインも参考に 荒川隆之さん(病院)やはり一番頻度が高いのはE. coli です。性交渉を持つ年代の女性の単純性尿路感染としては、S.saprophyticus なども考えます。JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015では、閉経前の急性単純性膀胱炎について推定される原因微生物について、下記のように記載されています。グラム陰性桿菌が約80%を占め、そのうち約90%はE. coli である。その他のグラム陰性桿菌としてP.mirabilis やKlebsiella 属が認められる。グラム陽性球菌は約20%に認められ、なかでもS. saprophyticus が最も多く、次いでその他のStaphylococcus 属、Streptococcus 属、Enterococcus 属などが分離される。JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015急性単純性腎盂腎炎と膀胱炎の併発の場合 清水直明さん(病院)閉経前の若い女性、排尿痛、背部叩打痛があることから、急性単純性腎盂腎炎)※3に膀胱炎を併発している可能性が考えられます。その場合の原因菌は前述のJAID/JSC感染症治療ガイドライン2015の通りで、これらがほとんどを占めるといってもよいと思います。E. coliなどのグラム陰性桿菌(健常人にも常在している腸内細菌)には近年ESBL(extended spectrum β-lactamase)産生菌が増加しており、加えてこれらはキロノン系抗菌薬にも耐性を示すことが多く、セフェム系、キノロン系抗菌薬が効かない場合が多くなっているので注意が必要です。※3 尿道口から細菌が侵入し、腎盂まで達して炎症を起こす。20~40歳代の女性に多いとされる。グラム陰性桿菌が原因菌であることが多い。Q2 患者さんに確認することは?アレルギーや腎臓疾患など 柏木紀久さん(薬局)セフェム系抗菌薬やペニシリン系抗菌薬のアレルギー、気管支喘息や蕁麻疹などのアレルギー関連疾患、腎臓疾患の有無。妊娠の有無  わらび餅さん(病院)アレルギー歴や併用薬(相互作用の観点で必要時指導がいるので)に加え、妊娠の有無を確認します。Q3 疑義照会する?軟便や胃腸障害への対策 中堅薬剤師さん(薬局)処方内容自体に疑義はありませんが、抗菌薬で軟便になりやすい患者さんならば耐性乳酸菌製剤、胃腸障害が出やすい患者さんであれば胃薬の追加を提案します。1日2回への変更 柏木紀久さん(薬局)職業等生活状況によっては1日2回で成人適応もあるセファレキシン顆粒を提案します。フラボキサートの必要性 キャンプ人さん(病院)今回は急性症状でもあり、フラボキサートは過剰かなと思いました。今回の症例の経過や再受診時の状況にもよりますが、一度は「フラボキサートは不要では」と疑義照会します。症状の確認をしてから JITHURYOUさん(病院)フラボキサートについては、排尿時痛だけでは処方はされないと考えます。それ以外の排尿困難症、すなわち頻尿・ひょっとしたら尿漏れの可能性? それらがないとすれば、疑義照会して処方中止提案をします。下腹部の冷えを避け、排尿我慢や便秘などしないように、性交渉後、排尿をするなどの習慣についても指導できればいいと思います。疑義照会しない 奥村雪男さん(薬局)セファレキシンは6時間ごと1日4回ですが、今回の1 日3 回で1,500mgにした処方では疑義照会しません。なお、JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015 では閉経前の急性単純性膀胱炎のセカンドラインの推奨として、セファクロル250mgを1 日3 回、7 日間を挙げています。患者さんのアドヒアランスを考慮? わらび餅さん(病院)疑義照会はしません。投与量がJAID/JSCガイドラインと異なり多いと思いましたが、患者さんが若くアドヒアランスの低下の可能性を疑って、膀胱炎を繰り返さないためにも、あえて高用量で処方したのかとも考えました。ESBL産生菌を念頭に置く 清水直明さん(病院)セファレキシンは未変化体のまま尿中に排泄される腎排泄型の薬剤であり、尿路に高濃度移行すると考えられ、本症例のような尿路感染症には使用できると思います。しかし、地域のアンチバイオグラムにもよりますが、腸内細菌にESBL産生菌が増えており(平均して1~3割程度でしょうか)、単純なセフェム系抗菌薬の治療では3割失敗する可能性があるともいえます。ケフレックス®(セファレキシン)のインタビューフォームによると、E. coli、K. pneumoniae、P. mirabilisに対するMICはそれぞれ6.25、6.25、12.5μg/mLです。一方、JAID/JSCガイドラインで推奨されている1つであるフロモックス®(セフカペンピボキシル塩酸塩)のMICは、インタビューフォームによると、それぞれ3.13、0.013、0.20 μg/mLと、同じセフェム系抗菌薬でも2つの薬剤間で感受性がかなり異なることが分かります。やはり、セファレキシンは高用量で用いないと効果が出ない可能性があるので高用量処方となっているのだと思います。これらのことから、1つの選択肢としては疑義照会をして感受性のより高いセフカペンなどのセフェム系抗菌薬に変更してもらい、3日ほどたっても症状が変わらないか増悪するようであれば、薬が残っていても再度受診するように伝えることが挙げられます。もう1つの選択肢としては、初めからESBL産生菌を念頭に置いて、下痢発現の心配はあるものの、βラクタマーゼ配合ペニシリン系抗菌薬、ファロペネムなどを提案するかもしれません。私見ですが、キノロン系抗菌薬は温存の意味と、キノロン耐性菌を増やす可能性があり、あまり勧めたくありません。キノロン耐性菌の中にはESBL産生菌が含まれるので、ESBL産生菌を増やすことに繋がってしまいます。Q4 抗菌薬について、患者さんに説明することは?他科受診時や高熱に注意 柏木紀久さん(薬局)「セファレキシンは症状が治まっても服用を続けてください。服用途中でも高熱が出てきたら受診してください。水分をよく取って、排尿も我慢せず頻繁にしてください。セファレキシン服用中は尿検査で尿糖の偽陽性が出ることがあるので、他科を受診する際には申告してください」。腎盂腎炎に進行する可能性を懸念し、熱が上がってきたら再受診を勧めます。牛乳で飲まないように わらび餅さん(病院)飲み忘れなく、しっかりセファレキシンを飲むように指導します。牛乳と同時に摂取するのは避ける※4ように説明します。※4 セファレキシンやテトラサイクリン系抗菌薬は、牛乳の中のカルシウムにより吸収が低下する。キノロン系抗菌薬の服用歴 JITHURYOUさん(病院)性交渉頻度など(セックスワーカー・不特定多数との性交渉の可能性? )は気になるところですが、なかなか聞きにくい質問でもあります。レボフロキサシンなどのキノロン系抗菌薬は、開業医での処方が多いです。このため、これらの薬剤の服用歴や受診歴が重要であると思います。ESBL産生菌の可能性はないかもしれませんが、さまざまな抗菌薬にさらされている現状を考慮して、数日で症状改善しなければ、耐性菌や腎盂腎炎などの可能性もあるので再受診を促します。中止か継続かの判断 中西剛明さん(薬局)蕁麻疹や皮膚粘膜の剝落などのアレルギー症状が出た場合は中止を、下痢の場合はやがて改善するので水分をしっかり取った上で中止しないよう付け加えます。あまりに下痢がひどい場合は、耐性乳酸菌製剤が必要かもしれません。Q5 その他、気付いたことは?薬薬連携で情報を共有 荒川隆之さん(病院)閉経前の急性単純性膀胱炎から分離されるE. coliの薬剤感受性は比較的良好とされてはいるものの、地域のE. coliの薬剤感受性は把握しておくべきだと考えます。ESBL産生菌の頻度が高い地域においては、キノロン系抗菌薬の使用は控えた方がよいかもしれませんし、ファロペネムなどの選択も必要となるかもしれません。病院側もアンチバイオグラムなどの感受性情報は地域の医療機関で共有すべきだと考えますし、薬局側も必要だとアクションしていただきたいと思います。薬薬連携の中でこのような情報が共有できるとよいですね。余談ですが、ESBLを考える場合、ガイドライン上にはホスホマイシンも推奨されていますが、通常量経口投与しても血中濃度が低すぎるため、個人的にあまりお勧めしません。注射の場合は十分上がります。欧米のように高用量1回投与などができればよいのにと考えています。地域のアンチバイオグラムを参考に 児玉暁人さん(病院)ESBL産生菌の可能性は低いかもしれませんが、地域のアンチバイオグラムがあれば抗菌薬選択の参考になるかもしれません。背部叩打痛があるようですが、腎盂腎炎は否定されているのでしょうか。膀胱炎の原因 中堅薬剤師さん(薬局)膀胱炎であることは確かだと思いますが、その原因が気になります。泌尿器科の処方箋が多い薬局で数年働き、若い女性の膀胱炎をよく見てきましたが、間質性膀胱炎のことが多く、そのような場合には、保険適用外でしたがスプラタスト(アイピーディ®)やシメチジンなどが投与されていました。背部叩打痛があることから、尿路結石の可能性もあります。また、若い女性であることから、ストレス性も考えられます。営業職で、トイレを我慢し過ぎて膀胱炎になるケースも少なくありません。最悪、敗血症になる可能性も ふな3さん(薬局)発熱・背部叩打痛があることから、腎盂腎炎への進行リスクが心配されます。最悪の場合、敗血症への進行の可能性も懸念されるため、高熱や腰痛などの症状発現や、2~3日で排尿痛等の改善がない場合には、早めに再受診または、泌尿器科専門医を受診するよう説明します。後日談この患者は1週間後、再受診、来局した。薬を飲み始めて数日したら排尿時の痛みがなくなったため、服薬をやめてしまい、再発したという。レボフロキサシン錠500mg/1錠、朝食後3日分の処方で治療することになった。医師の診断は急性単純性膀胱炎で、腎盂腎炎は否定的だったそうだ。担当した薬剤師から再治療がニューキノロン系抗菌薬になったのは、より短期間の治療で済むからでしょう。セファレキシンなどの第一世代セフェムを含むβラクタム系抗菌薬を使う場合、1週間は服用を続ける必要があるといわれています。この症例は、服薬中断に加え、フラボキサートで排尿痛を減らす方法では残尿をつくってしまう可能性があり、よくなかったのかもしれません。症状がよくなっても服薬を中断しないこと、加えて、水分摂取量を増やして尿量を増やすことも治療の一環であると説明しました。[PharmaTribune 2017年1月号掲載]

20386.

気泡音の聴取だけでは不確実? 胃管挿入の事故防止~医療安全調査機構

 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は、栄養剤投与目的に行われる胃管挿入による事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第6号)を公表した(9月25日)。胃管を用いた経鼻経管栄養は、本来侵襲が少なく、かつ簡便なために多くの症例に施行される。しかし、稀にではあるが、死亡事例の発生が報告されている。事故の発生を未然に防ぐため、誤挿入のリスク要因や挿入時の位置確認方法、合併症回避のための具体的対応などについて、以下の6つの提言が示された。提言1(胃管挿入のリスク):胃管挿入において、嚥下障害、意思疎通困難、身体変形、挿入困難歴などがある患者は誤挿入のリスクが高いことを認識する。提言2(胃管挿入手技):誤挿入のリスクが高い患者や挿入に難渋する患者では、可能な限りX線透視や喉頭鏡、喉頭内視鏡で観察しながら実施する。提言3(胃管挿入時の位置確認):気泡音の聴取は胃内に挿入されていることを確認する確実な方法ではない。胃管挿入時の位置確認は、X線やpH測定を含めた複数の方法で行う。特にスタイレット付きの胃管を使用するなど穿孔リスクの高い手技を行った場合は、X 線造影で胃管の先端位置を確認することが望ましい。提言4(胃管挿入後の初回投与):胃管挿入後は重篤な合併症を回避するため、初回は日中に水(50~100mL程度)を投与する。提言5(水の投与以降の観察):投与開始以降は誤挿入を早期発見するため、頻呼吸・咳嗽など呼吸状態の変化、分泌物の増加、呼吸音の変化、SpO2低下などを観察する。特に誤挿入のリスクが高い患者は SpO2のモニタリングを行うことが望ましい。提言6(院内体制・教育):胃管挿入は重篤な合併症を起こしうる手技であるということを周知し、栄養状態や胃管の適応に関する定期的評価、胃管挿入に関する具体的な方法について、院内の取り決めを策定する。 この提言は、医療事故調査制度のもと収集した院内調査結果報告書を整理・分析し、再発防止策としてまとめているもの。これまでに「中心静脈穿刺合併症(第1号)」や「注射剤によるアナフィラキシー(第3号)」などが公表されている。 今回の第6号では、同制度開始の2015年10月から2018年5月までの約2年半の間に、同機構に提出された院内調査結果報告書697件のうち、「胃管挿入に関連する死亡事例」として報告された6事例を分析。6事例はいずれも、栄養剤投与目的に行われた胃管挿入に関連した死亡事例、および胃管挿入に関連した死亡が否定できない事例であった(いずれも成人、60歳以上)。本提言は“死亡に至ることを回避する”という視点で、同様の事象の再発防止を目的としてまとめられている。 下記サイトでは、位置確認法別のメリット・デメリットや胃管挿入時の体位の工夫など、より詳しい内容をまとめた報告書のほか、嚥下のメカニズムと胃管挿入のポイントの解説動画や、位置確認についての漫画も閲覧できる。■参考日本医療安全調査機構:医療事故の再発防止に向けた提言 第6号■関連記事気管切開の事故防止に向け提言 医療安全調査機構注射剤のアナフィラキシーについて提言 医療安全調査機構中心静脈穿刺の事故防止に向けて提言公表 医療安全調査機構

20387.

受刑者の皮膚病治療に遠隔診療が有用

 一般集団と比較して受刑者の皮膚疾患の有病率は高いという。その受刑者の皮膚病変の診断と治療にあたっては、皮膚に対する専門的なアドバイスが必要である。刑務所内の8つの医療施設と2つの皮膚科専門病院の皮膚科医が受刑者のために遠隔診療を行ったところ、治療計画を完了した患者割合が向上した。このシステムを用いて遠隔診療を行ったフランス・URC Eco Ile-de-FranceのKevin Zarca氏らによると「移動のコストや予約のキャンセルの割合を考慮すると、対面診療と比較し優れた介入であり、医師が受け入れ可能な診療である」ということが示された。PLOS ONE誌オンライン版2018年9月24日号掲載の報告。 研究グループは、受刑者のための皮膚科遠隔診療の有効性と費用を評価する目的で、遠隔診療ネットワークの情報システムにより収集されたデータを用いて、後ろ向きコホート研究を行った。遠隔医療評価(MAST:Model for ASsessment of Telemedicine)モデルを用いて解析し、皮膚病変の治療計画が完了した患者の割合、技術的な問題の割合、画像の質、投資と運営経費、および専門家の満足度などについて多元的に評価した。 主な結果は以下のとおり。・450例(平均年齢34.2歳、男性90%)に対して511件のリクエストがあった。・遠隔診療ソフトを立ち上げてリクエストを検証するのに要した時間は、リクエスト全体の50%で7分未満、85%では30分未満であった。・遠隔診療を用いた場合、82%の患者が治療計画を完了し、2.9%はのちに対面診療または入院を必要とした。これと比較し、遠隔診療を利用しなかった場合、治療計画を完了した患者割合は35%であった。・最も多くみられた皮膚病変は、ざ瘡(22%)とアトピー性皮膚炎(18%)であった。・1件の治療計画が完了するのにかかった平均費用は、遠隔診療で184ユーロ、遠隔診療なしの場合は315ユーロであった。・遠隔診療は、対応したすべての医師(9人)に良好に受け入れられ、引き続き遠隔診療を行う意志が示された。

20388.

日本における精神科病床への新規入院患者の在院日数に関する研究

 新たに入院した精神疾患患者が、どのように医療資源を消費しているかを正確に理解することは、精神科医療に携わる臨床家や政策立案者にとって重要である。東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、日本における新たに入院した精神疾患患者のパターンおよび在院日数について調査を行った。Journal of epidemiology誌オンライン版2018年9月15日号の報告。 厚生労働省が構築している、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用し、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2016年3月に、精神病床へ新たに入院したすべての患者60万5,982例(1,621病院)について、入院から地域に退院するまでの日数を評価した。 主な結果は以下のとおり。・1ヵ月当たりの平均入院患者数は、2014年度で2万5,024例、2015年度で2万5,475例であった。・入院患者数には季節的な傾向が認められ、夏期(7月)にピークを迎えた。・患者全体における退院率は、90日以内で64.1%、360日以内で85.7%であり、入院料の種別により大きく異なっていた。・たとえば、精神科救急入院料の90日以内の退院率によって131病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は46.0~75.3%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は83.6~96.0%であった。・同様に、認知症治療病棟入院料の90日以内の退院率によって486病院を5群に分類すると、最下位の病院群における退院率は0.0~23.4%であるのに対し、最上位の病院群における退院率は47.7~87.7%であった。・都道府県ごとに360日以内の退院率に違いが認められた。たとえば、退院率が最も高い地域は東京都の90.5%であり、退院率が最も低い地域は山口県の78.0%であった。 著者らは「NDBを活用することにより、精神病床へ新たに入院した患者における、入院料種別の累積退院率や病院レベルの退院率が初めて明らかとなった。本結果により、政策担当者がより実効性の高い施策立案をすることにつながり、臨床家が全国における自施設の退院率を理解し、より現実的な目標設定に活用できると期待される。なお、本結果には、精神病床入院患者の20%程度を占める生活保護受給者が含まれていないため、一般化可能性には留意が必要である」としている。■関連記事統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較精神科病棟への長期入院の予測因子は入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか

20389.

扁平上皮NSCLCの1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS、PFS延長/NEJM

 未治療の転移を有する扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療において、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)を化学療法と併用すると、化学療法単独に比べ全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間がいずれも有意に延長することが、スペイン・Hospital Universitario 12 de OctubreのLuis Paz-Ares氏らが行った「KEYNOTE-407試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年9月25日号に掲載された。転移を有する扁平上皮NSCLCの現在の標準的1次治療は、プラチナ製剤ベースの化学療法またはペムブロリズマブ(腫瘍細胞の≧50%がPD-L1を発現している患者)とされる。一方、非扁平上皮NSCLCでは、最近、プラチナ製剤ベース化学療法とペムブロリズマブの併用により、OS期間の有意な延長が報告されていた。化学療法との併用の効果をプラセボと比較 本研究は、日本を含む17ヵ国137施設が参加した二重盲検無作為化第III相試験(Merck Sharp & Dohmeの助成による)。今回は、2回目の中間解析の結果が報告された。 対象は、年齢18歳以上、病理学的にStageIVの扁平上皮NSCLCと確認され、転移病変に対する全身療法が行われておらず、全身状態(ECOG PS)が0または1の患者であった。 被験者は、ペムブロリズマブ(200mg)またはプラセボを、3週を1サイクルとしてDay 1に投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。全例が、1~4サイクルまで、カルボプラチンと、パクリタキセルまたはナブパクリタキセルの投与を受けた。5サイクル以降は、ペムブロリズマブまたはプラセボのみが投与され、最大で合計35サイクルまで治療が行われた。 主要エンドポイントはOSおよびPFSの2つとし、盲検化された独立の中央判定委員会により画像の評価が行われた。2016年8月~2017年12月の期間に559例が登録され、ペムブロリズマブ群に278例、プラセボ群には281例が割り付けられた。OS期間が4.6ヵ月、PFS期間は1.6ヵ月延長し、リスクが36%、44%低減 ベースラインの年齢中央値は、ペムブロリズマブ群が65歳(範囲:29~87歳)、プラセボ群も65歳(36~88歳)、男性がそれぞれ79.1%、83.6%であった。全体の63.1%がPD-L1発現率(tumor proportion score: TPS)≧1%であり、60.1%でパクリタキセルが選択され、19.0%が東アジア人であった。フォローアップ期間中央値は7.8ヵ月だった。 OS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が15.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:13.2~未到達)と、プラセボ群の11.3ヵ月(9.5~14.8)に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.64、95%CI:0.49~0.85、p<0.001)。1年OS率はペムブロリズマブ群が65.2%、プラセボ群は48.3%であった。PD-L1の発現状況(TPS<1%、≧1%、1~49%、≧50%)を含む、事前に規定された主なサブグループのすべてにおいて、ペムブロリズマブ群のほうがOSが良好であった。東アジア人のHRは0.44(95%CI:0.22~0.89)、その他の地域は0.69(0.51~0.93)だった。 PFS期間中央値は、ペムブロリズマブ群が6.4ヵ月(95%CI:6.2~8.3)であり、プラセボ群の4.8ヵ月(4.3~5.7)に比し有意に良好であった(HR:0.56、95%CI:0.45~0.70、p<0.001)。事前に規定された主なサブグループのすべてにおいて、ペムブロリズマブ群のほうがPFSが良好であり、PD-L1の発現が増加するにしたがってPFSの改善度が大きくなった(TPS<1%:6.3 vs.5.3ヵ月[HR:0.68、95%CI:0.47~0.98]、1~49%:7.2 vs.5.2ヵ月[0.56、0.39~0.80]、≧50%:8.0 vs.4.2ヵ月[0.37、0.24~0.58])。東アジア人のHRは0.49(95%CI:0.30~0.82)、その他の地域は0.58(0.46~0.73)だった。 奏効率は、ペムブロリズマブ群が57.9%(95%CI:51.9~63.8)、プラセボ群は38.4%(32.7~44.4)、奏効期間中央値は、それぞれ7.7ヵ月、4.8ヵ月であり、いずれもペムブロリズマブ群で良好だった。 両群とも、貧血(53.2 vs.51.8%)、脱毛(46.0 vs.36.4%)、好中球減少(37.8 vs.32.9%)の頻度が高かった。Grade3~5の有害事象の発症率は、ペムブロリズマブ群が69.8%、プラセボ群は68.2%であった。有害事象による治療中止の頻度は、ペムブロリズマブ群のほうが高かった(13.3 vs.6.4%)。免疫関連有害事象とinfusion reactionの発症率は、それぞれ28.8%(そのうちGrade3~5は10.8%)、8.6%(3.2%)であった。治療関連死はそれぞれ3.6%、2.1%にみられ、免疫関連有害事象による死亡は両群に1例ずつ認められた(いずれもGrade5の肺臓炎)。 著者は、「2回目の中間解析の結果であるため、フォローアップ期間が短いが、他の長期フォローアップ試験の結果から、ペムブロリズマブ群のベネフィットは、今後も維持または増大すると期待される」としている。

20390.

合成カンナビノイド関連凝固障害が米国で集団発生/NEJM

 2018年3~4月に、米国イリノイ州で合成カンナビノイドの使用に関連する凝固障害の患者が集団発生した。予備検査で抗凝固薬の混入の可能性が示されたため、確認検査を行い、患者データを再検討したところ、数種のスーパーワルファリンの混入が確かめられた。多くの患者は、ビタミンK1補充療法で症状が抑制されたが、合成カンナビノイド化合物の詳細は判明していないという。米国・University of Illinois College of Medicine at PeoriaのAmar H Kelkar氏らが、NEJM誌2018年9月27日号で報告した。45件の入院中に34例が合成カンナビノイド関連凝固障害と判定 2018年3~4月に、150例以上の患者が、凝固障害および出血性素因でイリノイ州の病院を受診した。地域の医師と公衆衛生機関は、凝固障害と合成カンナビノイドの使用との関連を確認した。患者の血清と薬剤のサンプルの予備検査では、抗凝固薬brodifacoumの混入の可能性が示唆された。 そこで、研究チームは、2018年3月28日~4月21日にイリノイ州ピオリアのSaint Francis医療センターに入院した患者について、医師から報告されたデータを再検討した。ケースシリーズには、合成カンナビノイド関連凝固障害の診断に用いられる判定基準を満たした成人患者を含めた。確認として行われた抗凝固薬中毒の検査は、担当医の判断で指示された。 45件の入院中に、34例が合成カンナビノイド関連凝固障害と判定された。年齢中央値は37歳(IQR:27~46歳)、24例(71%)が男性で、32例(94%)が白人であった。合成カンナビノイドへのスーパーワルファリンの混入により臨床的に重大な凝固障害の可能性 受診時に最も頻度の高かった出血症状は肉眼的血尿(19例、56%)であり、非出血症状では腹痛(16例、47%)の頻度が高かった。合成カンナビノイドの使用頻度は、毎日(16例、47%)から初めて(4例、12%)まで、大きなばらつきが認められた。集団発生に関連した合成カンナビノイドの詳細は明らかではないが、いくつかの市販品が報告されている。 重度の腹痛または側腹部痛がみられる患者の出血状況を評価するために、画像検査が行われた。最も多い異常所見は、CTが施行された23例中12例にみられた腎臓の異常であった(腎周囲線状陰影[perinephric stranding]、充血、びまん性肥厚など)。 抗凝固薬の確認検査は34例中15例で行われ、15例でスーパーワルファリン中毒が確認された。brodifacoumが15例(100%)、difenacoumが5例(33%)、bromadioloneが2例(13%)、ワルファリンが1例(7%)で陽性であった。 ビタミンK1(フィトナジオン)が、34例全例に経口投与された。23例(68%)には静注投与も行われた。赤血球輸血が5例(15%)に、新鮮凍結血漿輸注が19例(56%)に施行され、4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤が1例に使用された。治療により、入院中に死亡した1例を除き、出血は止まった。 この死亡例(37歳、女性)は、特発性頭蓋内出血の合併症で死亡した。集団発生中に全州で4例が死亡したが、死亡と関連した出血症状が認められたのは、本症例のみであった。この症例は、合成カンナビノイドとアンフェタミンを使用しており、受診時に頭部外傷は確認されておらず、凝固障害の既往歴や家族歴がなく、抗凝固薬は処方されていないことが確認された。 著者は、「これらのデータは、合成カンナビノイドへのスーパーワルファリンの混入は、臨床的に重大な凝固障害を引き起こす可能性があることを示すもの」としている。

20391.

禁煙に伴う体重増加は糖尿病の短期リスクを増やすも心血管病死・全病因死亡に影響なし!(解説:島田俊夫氏)-925

 紙巻きタバコが体に悪いことは昔からよく知られているけれど、耳を傾けようとしない無関心な方々が数多く見受けられます。もちろんタバコは本人にとって有害であるだけでなく、身辺にいる家族を含め、被害を被る人たちが多数いることを顧みて一日も早く禁煙することを勧めます。“タバコは万病の元”という言葉は、本当にタバコの持つ有害性を端的に表しています。私は患者さんに診療時、“タバコは百害あって一利なし”という言葉を使い、説明させてもらっています。多くの方は耳を傾けてくれますが、残念ながらタバコの真の怖さを十分に理解してもらえていないと感じています。「タバコはお金もかかり、あらゆる病気にかかりやすく、タバコに火をつけて燃やせば燃やすほど、あなたの命のロウソク(ロウソク寿命)を短くする貧乏神のようなものです」と話すと、「タバコを吸うとストレスが緩和できる」といった得手勝手なこじつけの類の言い訳が時折返ってきます。これまで禁煙と体重増加を取り上げた論文1)は散見されますが、禁煙に伴う体重増加を心血管死亡、全病因死亡に関連付けた信憑性の高い研究はほとんどありません。 2018年8月16日号のNEJM誌に掲載された、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYang Hu氏らが、米国の3つのコホート研究(NHS、NHS II、HPFS)のデータを利用・解析し、禁煙に伴う体重増加が心血管死や全病因死亡への禁煙のメリットを損なわず、ただ2型糖尿病の短期リスクを増やすことに関係していると報告した論文は、禁煙に伴う喫煙者の体重増加への不安や弁解を払拭する重要な論文であり、私見をコメントします。研究の要約 米国の3コホート研究参加者の中で禁煙を自己申告した男女参加者を同定し、喫煙状況、体重変化を前向きに評価した。禁煙を自己申告した参加者中、禁煙後の体重増加の程度に基づいて、2型糖尿病リスク、心血管病死、全病因死亡を評価した。 2型糖尿病リスクは、最近禁煙者(禁煙後2〜6年)では現在喫煙者よりも高かった(HR:1.22、95%CI:1.12~1.32)。糖尿病リスクのピークは禁煙後5~7年にあり、その後次第に低下した。糖尿病リスクの一時的増加は体重の増加に比例して増加したが、体重増加のない禁煙者ではリスク増加は認めなかった(相互作用のp<0.001)。逆に、禁煙後の体重増加と無関係に、禁煙者死亡率の増加はみられなかった。現在喫煙者と比較して、体重増加のない禁煙者では心血管病死に対するHRは0.69(95%CI:0.54~0.88)、0.1~5.0kg体重増加した禁煙者ではHRは0.47(95%CI:0.35~0.63)、5.1~10.0kg体重増加した禁煙者ではHRは0.25(95%CI:0.15~0.42)、体重増加が10kg以上の禁煙者ではHR 0.33(95%CI:0.18~0.60)、長期禁煙者(6年超え禁煙者)ではHR 0.50(95%CI:0.46~0.55)であった。同様の結果が全病因死亡についても観察された筆者コメント 本論文は、禁煙に伴う体重増加は糖尿病の短期リスク増加に関係するが、心血管死亡、全病因死亡の減少に影響せず禁煙メリットを損なうことはなかったと報告している。 禁煙するとつい口寂しさのあまり甘いものを食べたくなる欲望を自制し、体重増加を軽視せず最小限度に抑えながら禁煙に務めることが大事です。しかし軽度の体重増加は、通常は一過性であり過度に不安視する必要はありません。体重増加を気にして、あるいは言い訳にして喫煙を続けることはやめてください。しかし体重が増加し続けることを黙認し続けることは、決して好ましいことではありません(肥満は病気と理解してください)。 本論文は禁煙の重要性が体重増加に優ることを端的に物語っており、ひとまず体重増加を忘れ前向きに禁煙に取り組む姿勢が禁煙成功につながると考えて禁煙にチャレンジしてください。

20392.

悪性関節リウマチ〔MRA:malignant rheumatoid arthritis〕

1 疾患概要■ 概念・定義本疾患は、「既存の関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)に、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う場合」と定義される。本疾患は、わが国独自の概念で、欧米では血管炎を伴ったRAは「リウマチ様血管炎(rheumatoid vasculitis)」として二次性血管炎の1つとして分類されている。悪性関節リウマチ(malignant RA:MRA)は中・小血管炎だけでなく、肺線維症、胸膜炎などの関節外症状を伴った場合など、難治性もしくは重症の臨床病態を認める場合も含んでいる。■ 疫学MRAはRA患者の0.6〜1.0%にみられる。診断時の年齢のピークは60歳代で、男女比は1:2と女性に多い。MRAは厚生労働省特定医療費(指定難病)の対象疾患となっており、平成28年度末の受給者証所持者数は6,067名である。■ 病因現在も病因は不明である。発症に免疫学的機序の関与が推測されている。MRAは、さまざまな関節外症状を呈する疾患であるため、発症因子には、関節リウマチの発症因子、血管炎の発症因子、間質性肺炎の発症因子、その他の関節外症状の発症因子などが混在していると思われる。血管炎を呈したMRAでは、血清のリウマトイド因子高値、低補体血症、血清中免疫複合体高値を認め、免疫複合体の関与する血管炎が生じていると推測される。■ 症状表1に「厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班」によるMRAの診断基準を示す。関節リウマチによる多関節の腫脹・疼痛に加え、中・小型血管炎に基づく諸症状(多発性神経炎、皮膚潰瘍、指趾壊疽、上強膜炎、虹彩炎、心筋炎、腸管・肺などの梗塞など)、間質性肺炎、胸膜炎などが主症状である。一般にMRAを呈するのは、長期罹患のRAで疾患活動性の高い症例である。同様に重症度分類を表2に示す。表1 悪性関節リウマチの診断基準(厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班作成)<診断基準>1.臨床症状(1)多発性神経炎:知覚障害、運動障害いずれを伴ってもよい。(2)皮膚潰瘍または梗塞または指趾壊疽:感染や外傷によるものは含まない。(3)皮下結節:骨突起部、伸側表面または関節近傍にみられる皮下結節。(4)上強膜炎または虹彩炎:眼科的に確認され、他の原因によるものは含まない。(5)滲出性胸膜炎または心嚢炎:感染症など、他の原因によるものは含まない。癒着のみの所見は陽性にとらない。(6)心筋炎:臨床所見、炎症反応、筋原性酵素、心電図、心エコーなどにより診断されたものを陽性とする。(7)間質性肺炎または肺線維症:理学的所見、胸部X線、肺機能検査により確認されたものとし、病変の広がりは問わない。(8)臓器梗塞:血管炎による虚血、壊死に起因した腸管、心筋、肺などの臓器梗塞。(9)リウマトイド因子高値:2回以上の検査で、RAHAないしRAPAテスト2,560倍以上(RF960IU/mL以上)の高値を示すこと。(10)血清低補体価または血中免疫複合体陽性:2回以上の検査で、C3、C4などの血清補体成分の低下もしくはCH50による補体活性化の低下をみること、または2回以上の検査で血中免疫複合体陽性(C1q結合能を基準とする)をみること。2.組織所見皮膚、筋、神経、その他の臓器の生検により小ないし中動脈壊死性血管炎、肉芽腫性血管炎ないしは閉塞性内膜炎を認めること。3.診断のカテゴリー皮膚、筋、神経、その他の臓器の生検により小ないし中動脈壊死性血管炎、肉芽腫性血管炎ないしは閉塞性内膜炎を認めること。ACR/EULARによる関節リウマチの分類基準 2010年(表1)を満たし、上記に掲げる項目の中で、(1)1.臨床症状(1)~(10)のうち3項目以上満たすもの、または(2)1.臨床症状(1)~(10)の項目の1項目以上と2.組織所見の項目があるもの、を悪性関節リウマチ(MRA)と診断する。4.鑑別診断鑑別すべき疾患、病態として、感染症、続発性アミロイドーシス、治療薬剤(薬剤誘発性間質性肺炎、薬剤誘発性血管炎など)の副作用があげられる。アミロイドーシスでは、胃、直腸、皮膚、腎、肝などの生検によりアミロイドの沈着をみる。関節リウマチ(RA)以外の膠原病(全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎など)との重複症候群にも留意する。シェーグレン症候群は、関節リウマチに最も合併しやすく、悪性関節リウマチにおいても約10%の合併をみる。フェルティー症候群も鑑別すべき疾患であるが、この場合、白血球数減少、脾腫、易感染性をみる。画像を拡大する■ 分類定まった分類はないが、血管炎型と間質性肺炎型など血管炎以外の症候を呈する型の2型に大別できる。血管炎型は、さらに全身性動脈炎型(多臓器性)と末梢動脈炎型(四肢末梢および皮膚の血管内膜の線維性増殖を呈する)の2つの型に分けられる。■ 予後血管炎型の中で全身性動脈炎型は、多臓器を侵し、生命予後は不良である。末梢動脈炎型は、生命予後は良好である。血管炎以外の予後不良を来す臓器症状としては、間質性肺炎がある。皮膚潰瘍が難治の場合もある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)長期罹患の関節破壊が進行したRAに、血管炎症状または肺症状(間質性肺炎、胸膜炎)や皮下結節を認めた場合に疑う。診断基準は、表1に示したように臨床症状のみ、または臨床症状と組織所見を組み合わせて診断する。鑑別診断として、RAに合併した感染症、続発性アミロイドーシスおよび治療薬剤による多臓器障害。RAと全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、抗好中球細胞質抗体関連血管炎など他の膠原病との重複(オーバーラップ)例などが挙げられる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)関節リウマチに対する治療と関節外症状に対する治療を行う。抗リウマチ薬を含む免疫抑制療法が基本である。皮膚病変や胸膜炎に対しては、主に中等量の副腎皮質ステロイド薬の経口投与(PSL換算0.5mg/kg/日)で治療を開始。全身性血管炎症候に対しては、副腎皮質ステロイド(メチルプレドニゾロン500~1,000mg大量点滴静注療法、3日間連続)、シクロホスファミド点滴静注療法(500~750mg/m2/月)または経口シクロホスファミド(1~2mg/kg/日)治療を行う。4 今後の展望生物学的製剤など関節リウマチに対する治療の進歩により、血管炎を呈したMRAの頻度は減少し、臨床像も変化していると思われる。MRAに関する全国的な調査により、臨床病型や予後を検討する必要があると思われる。5 主たる診療科リウマチ科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班 悪性関節リウマチ/リウマチ性血管炎(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター:悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)松岡康夫. 難治性血管炎の診療マニュアル(難治性血管炎に関する調査研究班 班長 橋本博史)2002;35-40.公開履歴初回2018年10月9日

20393.

医薬品の安全性情報をタイムリーに入手しているか?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第10回

医薬品に関する情報は日々変化しています。開発段階での被験者や医師の属性は限られたものであり、上市後にさまざまな場面で使用されることで適正使用に関わる情報が充実してくる、というのが医薬品情報の特徴でもあります。そんな医薬品の安全性情報の入手や伝達に関する調査結果が明らかになりました。医薬品医療機器総合機構(PMDA)は9月20日、2017年度「病院における医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況等に関する調査」の結果を公表した。全国の医療機関の医薬品安全管理責任者に対しアンケートしたもの。そのなかで、添付文書改訂などの安全性情報を入手する際の「情報源」について選択式で聞いたところ、「迅速」あるいは「網羅的」に情報を得る場合は、PMDAメディナビ(メールサービス)やPMDAホームページの利用が多かった。一方、「詳細」な情報を得る場合に利用している情報源としては「製薬企業の医薬情報担当者(MR)」が他を圧倒していた。(2018年9月21日付 RISFAX)この調査はPMDAが実施したもので、厚生労働省やPMDA、企業から提供された情報が医療機関でどのように入手・伝達・活用されているかを把握するために、2018年1月9日~2月16日に行われました。ランダムに全国の病院の10%(844施設)と薬局の5%(2,934施設)にアンケート調査票を郵送し、ウェブまたは調査紙面の返送により回答を得ました。薬局に対する調査の有効回収数は1,647施設、有効回収率は56.3%でした。結果としては、情報入手の目的によって入手経路が異なっていました。薬局で迅速に情報を得る場合はPMDAメディナビやPMDAのホームページ、網羅的に情報を得る場合はDSU(医薬品安全対策情報)やPMDAホームページ、詳細な情報を得る場合はMRやPMDAのホームページから、という結果でした。PMDAホームページは即時的かつ網羅的に情報収集できるので、どの目的でも上位に挙げられたのは想像どおりだと思います。そして製品の詳細な情報を持っているのはやはり製薬会社なので、詳しいことはMRからというのも納得です。気になったのは、迅速に情報を得る場合に医薬品・医療機器等安全性情報やDSUから情報を得る、と回答した薬局が約10%もあったことです。これらは約1ヵ月分の安全性情報をまとめて発出するものであり、最大1ヵ月のタイムラグが生じている可能性があるため注意が必要です。安全性情報を入手してきちんと共有している薬局は35.8%このアンケートでは、情報の伝達や活用の手順に関しても調査されました。薬局内での安全性情報収集の担当者が決まっていない薬局は11.7%で、処方箋応需枚数が多いほど担当者が決まっていない割合が多い傾向にありました。また、安全性情報を入手する手順がある薬局は60.9%でしたが、実際に入手した安全性情報を定められた手順に従って情報提供・共有している薬局は35.8%でした。この調査によるとPMDAメディナビに登録している薬局は67.5%であり、前回調査時の44.1%より増加しています。登録が増えた要因としては、常に最新の情報収集を行うことが2016年から基準調剤加算の要件とされ、PMDAメディナビに登録するとその要件を満たせることが挙げられます。基準調剤加算は、2018年度より地域支援体制加算に名前を変えましたが、この要件は残っています。PMDAメディナビに登録するだけで加算の要件を満たせますが、それで満足することなく、最新の情報を迅速かつ十分に収集できているか、その情報の伝達・共有の手順は実行できているか、他の薬局の状況を参考に確認してみてはいかがでしょうか。薬局で日々の医薬品の情報を収集し、患者さんや他の医療者にタイムリーに情報提供することが求められているのは間違いありません。医療機関等における医薬品安全性情報の入手・伝達・活用状況に関する調査

20394.

第4回 エイエフ(AF)診断できます?【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第4回:エイエフ(AF)診断できます?“キング(King)・オブ・不整脈は何?”と聞かれたら、ボクは「心房細動(AF)」と即答します。臨床的にも心不全や脳梗塞など大事な側面を持ちますが、スタートは必ず心電図から。エイエフと正しく診断するための条件をDr.ヒロがレクチャーしましょう。症例提示55歳。男性。ここ数年、健診で血圧および血糖高値を指摘されるも受診せず。起床時より「胸全体がドンドン押されるような、常に走った後のような感じ」を自覚。改善しないため外来受診。血圧147/92mmHg、脈拍174/分、酸素飽和度98%。来院時の心電図を示す(図1)。(図1)来院時心電図画像を拡大する【問題1】心電図診断として正しいものはどれか。1)洞(性)不整脈2)洞(性)頻脈3)心房期外収縮連発(ショートラン)4)発作性上室性頻拍5)心房細動解答はこちら 5)解説はこちら “不整脈の代表選手AFは絶対性不整脈でf波あり”1)×:「洞調律」も呼吸などの影響でR-R間隔が不整にはなり得ます。しかし、洞調律の“証”たるP波がなければこう呼べません。2)×:頻脈(“検脈法”より168/分)ではありますが、1)と同じく洞性P波が欠如しています。3)×:連発・ショートラン(3連以上)が頻発して5)の心房細動と紛らわしいケースもありますが、期外収縮も基本調律が洞調律であることを前提とするため、今回は該当しません。4)×:いわゆる「narrow QRS tachycardia」を呈する代表格ですが、R-R間隔が整となる例が大半です。5)○:R-R間隔不整(絶対性不整脈)、洞性P波がなく細動波(f波)あり、頻脈の3条件を満たす典型的な心房細動です。発症様式から「発作性」が疑われます。今回の中年男性が訴える胸部症状は、医学的には「動悸」の範疇ですかね。一言で動悸と言っても、患者さんの訴えは本当に様々です。この方も『胸がドンドン』、『走った後の感じ』と、表現がユニークです。そして、選択肢には不整脈らしき病名がたくさん。『トホホ…苦手じゃん(泣)』って言わないで。「初心者、非専門医でも自分で読めた方がいいよ」とボクが伝える不整脈は、なんと2つ!一つは「期外収縮」。そしてもう一つが、今回のテーマ「心房細動(AF)」です。この2つだけで、ふだん目にする不整脈の5-6割はいけるんじゃないかな。特に心房細動は、持続性不整脈の中では最多で、脳梗塞や心不全の合併など、臨床的にも重要性が高いと思います。ちまたでは“AF(Atrial Fibrillation)”なんて呼ばれています。“AFの3つの診断条件をおさえる!”AFの心電図診断はカンタンです。特にボクの語呂合わせの通りに心電図を読んでくれる人にとってはね(第1回参照)。…え?なぜって?それは、はじめの“3つのR”の確認だけで診断できるからです。ですから、慣れたら“いの一番”に指摘可能な不整脈なわけです。最初はR-R間隔。AFには“絶対性不整脈(absolute arrhythmia/arrhythmia absoluta)”という別称があり、“筋金入り”の不整脈なんです。だから、R-R間隔がテンデンバラバラ、どれ一つとっても同じことはありません。どの誘導でもいいですが、たとえば心電図(図1)のI誘導はどうでしょう?真ん中へんはQRS波が密集していて、逆に周辺は割合空いていますよね。肩の力を抜き、用紙から目を離して俯瞰するのがコツ。R-R間隔の絶対不整は、私たちの目に“訴えかける”モノがあるからです。2つ目はRate(心拍数)。自動計測を“カンニング”すると「169/分」です。病歴の脈拍数も「174/分」です! 正常な「50~100/分」から明らかに逸脱しています。100/分オーバーは「頻脈」といいますよ。AFは頻脈性不整脈の代表です。初診(≒未治療)で心臓があまり傷んでない(≒病気がない)人や若めの人では、安静時とは思えない頻脈でやってくるのがテッパンです。『走った後の感じがずっと続いている』という言い方もたしかに、たしかに。ただ、患者さんによっては、“レート・コントロール(心拍数管理)”のために薬が使われていたり、高齢者ならそんな薬を使わなくとも房室伝導能低下のため、頻脈にならないことがしばしばです。だから、AFの診断に「頻脈」はマストではないんです。最後の3つ目のRは…そうRhythm(調律)です。だいぶ定着したかな、“イチニエフ(またはニアル)法”(第2回参照)の出番です。R-R間隔が少し広がった部分で確認するのがミソ。イチニエフ・ブイシゴロで陽性、アールで陰性を満たす洞性P波がないことがわかるでしょう。つまり洞調律じゃないんです。以上3点、R-R間隔、心拍数、調律のいずれもオカシイわけですから、こりゃ決定的な「不整脈」です。“心房細動の決定的証拠-心房の痙攣を表す小波”こんな時、最後の“ダメ押し”で見て欲しいのはV1誘導。これがボクのオススメ。心電図(図1)から抜き出してみました(図2)。(図2)細動波(f波)を見るならV1誘導!画像を拡大する注目すべきはQRS波の間をつなぐ基線。ここは本来フラットで、あってもP波くらいのもんなんです。でも、このV1誘導はグニャグニャンでしょ?英語で“カオス”(chaotic)と表現されますが、まさに“混沌”。とらえどころのないランダムな小波こそ、AFたる何よりのアカシです!この波形を「細動波」ないし「f波」といいます。fは“fibrillation(細動)”ってことで、心房筋が高頻度で痙攣している様子を表しています。AFが慢性化して長時間が経過すると、f波は徐々に縮小して見づらくなっていきますが、AFが心房“細動”たるゆえんは、この小波の存在なのです。余談ですが、心電図がこの世に生まれたのが1903年。それから5年後に若き天才Sir.Thomas Lewis(1881-1945)がこの「f波」の存在を銘記し、翌年(1909年)に臨床概念として「心房細動」を確立したとされます。それを思うと、AFって非常に由緒ある不整脈でしょ。話をf波に戻しましょう。V1以外に「下壁誘導」、すなわちニサンエフ(II、III、aVF)もf波を見やすい誘導ですので、セカンド・チョイス的に知っときましょう。さぁ、最後にまとめます。心房細動(AF)の心電図診断(1)R-R間隔の絶対不整(絶対性不整脈)(2)頻脈なら典型的(必須ではない)(3)洞性P波の欠如と細動波(f波)の存在今回の男性の心電図(図1)は、この3条件をバッチリ満たす「AF」です。これが動悸の正体でした!もう、皆さんは自信を持って診断できますね?Take-home Message1)AFは“3つのR”(レーサー・チェック)だけで診断できる!2)圧倒的なR-R間隔不整とV1誘導で細動波(f波)を見つけたら、「AF」と言ってほぼ間違いなし。【古都のこと~実相院門跡その2~】実相院門跡は庭園もいいです。市民も参加して作庭された『こころのお庭』には、「床みどり」とは別の趣があります。日本国土をイメージした苔島を囲む波型をした3つの杉皮オブジェが石庭に映えていました。遠くに望む山景と澄みきった青空。しばしのタイムスリップ感覚が実に心地よかったです。

20395.

日本人高齢者の肺炎死亡リスク、歩行時間と関連

 わが国の前向き大規模コホート研究であるJapan Collaborative Cohort(JACC)研究から、高齢者における肺炎死亡リスクが、心血管疾患の既往の有無によらず、1日1時間以上の定期的なウォーキングによって低下する可能性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年9月22日号に掲載。 本研究の参加者は65~79歳の日本人2万2,280人(男性9,067人、女性1万3,213人)。逆傾向重み付け競合リスクモデルを用いて、肺炎死亡におけるハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値11.9年の間に1,203人が肺炎で死亡した。・心筋梗塞や脳卒中の既往がない参加者において、歩行時間が1日1時間以上の人は0.5時間の人よりも肺炎死亡リスクが低かった(HR:0.90、95%CI:0.82~0.98)。・心筋梗塞の既往のある参加者において、肺炎と歩行に上記と同様の逆相関がみられた(HR:0.66、95%CI:0.48~0.90)。・脳卒中の既往のある参加者において、歩行時間が1日0.6~0.9時間の人は0.5時間の人より肺炎死亡リスクが低かった(HR:0.65、95%CI:0.43~0.98)。

20396.

アレクチニブ、ALK陽性肺がんCNS病変への効果(ALEX)/Ann Oncol

 アレクチニブによるALK陽性肺がん1次治療の第III相試験ALEXにおける、CNS病変の有効性の中間解析が、Annals of Oncology誌オンライン版2018年9月12日号で発表された。・対象:1次治療のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)・試験薬:アレクチニブ600mg/日、2週ごと・対照薬:クリゾチニブ250mg/日、2週ごと・評価項目:無増悪生存期間(PFS)、CNS病変の奏効率(CNS ORR)、CNS病変の無増悪期間(CNS TTP) 主な結果は以下のとおり。・330例中122例がベースライン時にCNS病変(独立放射線審査委員会評価)を有しており、そのうち測定可能病変は43例。46例が放射線療法を受けていた。・ベースラインCNS病変あり患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では7.4ヵ月(HR:0.40、p<0.0001)。CNS病変なし患者のPFSは、アレクチニブ群で未達、クリゾチニブ群では14.8ヵ月(HR:0.51、p<0.0024)であり、CNS病変の有無に関わらずアレクチニブ群で有意に改善していた。・CNS TTPは、ベースラインCNS病変なし患者においても(cause specific HR:0.18、p<0.0001)、CNS病変あり患者においても(cause specific HR:0.22、p<0.0001)と、クリゾチニブ群に比べアレクチニブ群で有意に長かった。・放射線療法を受けた患者のCNS ORRは、アレクチニブ群85.7%、クリゾチニブ群71.4%。受けていない患者のCNS ORRは、アレクチニブ群78.6%、クリゾチニブ群40.0%であった。 1次治療のALK陽性肺がんにおいて、クリゾチニブに比べ、アレクチニブはCNS病変に優れた有効性を示すと共に、CNS病変の進行を遅らせることが示された。

20397.

心肺停止後の生存率は日本が10%前後、欧米は60~70%

 2018年9月18日、フィリップス・ジャパンは、都内において同社が推進する「Heart safe city構想」に関する記者発表会を行った。この構想は、心肺停止からの社会復帰率「世界一」を目指すもので、発表会では今後の計画と心肺蘇生に関するわが国の現状が解説された。心肺停止からの生存率、社会復帰率の低さの原因 はじめに同社代表取締役社長の堤 浩幸氏が、わが国の心停止の救命の現状と今回の「Heart safe city構想」について説明した。 わが国には自動体外式除細動器(以下「AED」と略す)が約60万台普及しているにもかかわらず、その使用率は約4.7%に過ぎず、年間約7万5,000人の命が突然死により失われている。そこで同社は、「Heart safe city構想」を掲げ、「心肺停止から社会復帰率“世界一”の実現を目指し、自治体との協働を行う」という。 わが国の心肺停止からの平均生存率は10%前後であるのに対し、欧米は60~70%と非常に高い。また、全国都道府県別の心肺停止からの生存率と社会復帰率では、地域格差もみられる。生存率、社会復帰率の低さの原因として、「初動対応の遅れ」「AED実施率の低さ」「救急需要の増加」の3点が挙げられ、「これらの課題の解決が急がれる」と同氏は語る。 具体的な今後の取り組みとしては、AEDの適正配置、継続可能な教育(人材育成として最初にAED操作をするファーストレスポンダーの育成)、行政・自治体との協働による体制作りにより、前述の課題解決に努めるという。 おわりに同氏は、「今後『Heart safe city構想』に賛同を示した自治体などと連携し、『救命の連鎖』『自助×共助×公助』のために継続的なサポートを行っていく」と抱負を語り、説明を終えた。心停止で10分経過すると救命はほぼ難しい つぎに田中 秀治氏(国士館大学 救急システム研究科 研究科長・教授)が「心肺蘇生に関する日本の実態について」をテーマに、わが国の心肺蘇生とその後の社会復帰について解説を行った。 心臓に起因する突然死を起こす患者像として50~70代の男性が多く、また、心停止の発生場所としては自宅(75%)が圧倒的な比率を占め、つぎに公共屋外(11%)、医療施設(9%)、公共屋内(4%)と続いていると説明した。 そして、心停止で倒れて3~5分以内にAEDが使用できれば70%近くの救命が可能だが、10分を経過すると低酸素脳症により救命はほぼ難しく、5分以内にAEDを使用できるかどうか、AED設置の施設内ではすぐ使える体制にあるかが重要だと指摘する。 また、救急車の出動要請から現場到着まで平均で8.6分(2017年総務省レポート)、そして患者への処置まで含めると13.6分程度の時間がかかるとの報告もあり、現場の市民による心肺蘇生、AEDの使用が大切だと繰り返し語った。具体例として、2009年の東京マラソン中に急性心筋梗塞で倒れたコメディアンの松村 邦洋氏を挙げ、「約7分の胸骨圧迫後にAEDを使用し、心拍が再開した。現在、後遺症もなく、AEDの早期使用は有用であることを示す一例だった」と説明した。 しかしながら、市民の側にこうした応急処置を躊躇させる理由があると指摘。(1)応急手当の方法がわからない、(2)処置後の法的責任に不安があるとなどの理由を挙げた。(1)については、AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすことで、ファ-ストレスポンダ-の育成とAEDの普及を目指すと同時にAEDの設置場所についてもわかりやすく明示されるように工夫をしていくという。また、(2)については、救命処置に対しわが国では、「刑法第37条【緊急避難】と民法第698条【緊急事務管理】で刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、一般的に知られていないのが問題。この不安感解消に向けても啓発を行っていきたい」と語り、講演を終えた。

20398.

ブドウ球菌性菌血症、アルゴリズム治療vs.通常ケア/JAMA

 ブドウ球菌性菌血症患者において、検査と治療をガイドするアルゴリズムを使用した臨床的成功率は、通常ケアの場合と比較して非劣性であることが、米国・デューク大学医療センターのThomas L. Holland氏らによる無作為化試験の結果、示された。しかし、重大有害事象の発現頻度に有意な差は認められなかったものの、信頼区間値が広域であることから結果についての解釈は限定的であった。ブドウ球菌性菌血症に対する抗菌薬の適切な投与期間は不明である。著者は今回の結果を踏まえて、「さらなる検討を行い、アルゴリズムの有用性を評価する必要がある」と述べている。JAMA誌2018年9月25日号掲載の報告。アルゴリズムベース治療の安全性、有効性を検証 研究グループは、ブドウ球菌性菌血症の治療期間を定義するアルゴリズムが、重大有害事象の増大なしに、通常ケアと比較して有効性について非劣性であるかを検証する無作為化試験を行った。2011年4月~2017年3月に、米国(15施設)およびスペイン(1施設)の計16の大学医療センターで、ブドウ球菌性菌血症の成人患者を登録。黄色ブドウ球菌またはコアグラーゼ陰性ブドウ球菌について血液培養陽性が1つ以上認められた18歳以上の患者を適格とした。無作為化時点で、複雑性感染が既知または疑われた患者は除外した。 被験者は、アルゴリズムベース治療群(255例)または通常ケア群(254例)に無作為に割り付けられた。アルゴリズム群は事前に診断評価、抗菌薬の選択、治療期間が定められていたが、通常ケア群は患者をケアする臨床医の裁量で抗菌薬、投与期間、その他の臨床的ケアを選択できた。 フォローアップは、黄色ブドウ球菌菌血症患者については治療終了後42日間、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌菌血症患者は同28日間であった。 主要評価項目は2つで、(1)臨床的成功率(盲検化された判定委員会が確認し、非劣性マージンは15%)、(2)intention-to-treat集団において優越性を検証した重大有害事象の発現頻度。事前に規定した副次評価項目は、優越性を検証した、per-protocol患者集団(単純または非複雑性菌血症)における抗菌薬投与期間とした。臨床的成功率、アルゴリズム群82.0%、通常ケア群81.5% 509例(平均年齢56.6歳[SD 16.8]、女性226例[44.4%])のうち、480例(94.3%)が試験を完了した。 臨床的成功率は、アルゴリズム群82.0%(209/255例)、通常ケア群81.5%(207/254例)であった(両群差:0.5%[97.5%片側信頼区間[CI]:-6.2~∞])。 重大有害事象の発現頻度は、アルゴリズム群で32.5%、通常ケア群で28.3%であった(両群差:4.2%[95%CI:-3.8~12.2])。 per-protocol患者集団において、平均治療期間はアルゴリズム群4.4日、通常ケア群6.2日であった(両群差:-1.8日[95%CI:-3.1~-0.6])。

20399.

大腿膝窩動脈PAD、Eluvia vs.Zilver PTXステント/Lancet

 大腿膝窩動脈の末梢動脈疾患(PAD)のステント治療について、ポリマー被覆・パクリタキセル溶出ステント(Eluvia)は、非ポリマー・パクリタキセル被覆ステント(Zilver PTX)に対し、12ヵ月時点の1次開存率および主要有害事象に関して非劣性であることが確認された。米国・Lankenau Heart InstituteのWilliam A. Gray氏らによる「IMPERIAL試験」の結果で、これまで大腿膝窩動脈部位の薬剤溶出ステントの臨床的有効性について、最新デバイスの比較は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2018年9月24日号掲載の報告。EluviaステントとZilver PTXステントの安全性と有効性を7ヵ国65施設で比較 IMPERIAL試験は、大腿膝窩動脈部位病変の治療について、EluviaステントとZilver PTXステントの安全性と有効性の比較を試みた単盲検無作為化非劣性試験。オーストリア、ベルギー、カナダ、ドイツ、日本、ニュージーランド、米国の65施設で、間欠性跛行(Rutherford分類2、3または4)を認める症候性の下肢虚血を有し、未治療の浅大腿動脈または近位膝窩動脈のアテローム硬化症病変がある患者を登録した。 患者は、地域特異的ウェブベースの無作為化スケジュールを用いて、EluviaステントまたはZilver PTXステントを受けるよう、2対1の割合で無作為に割り付けられた。全患者、各地域の関係者および研究者は、全患者が12ヵ月のフォローアップを完了するまで、治療割り付けをマスキングされた。 主要有効性評価項目は、1次開存(最大収縮期速度比[SVR]≦2.4、臨床的な標的病変血行再建術または標的病変バイパス術がないことと定義)の患者割合として、主要安全性評価項目は、主要有害事象(1ヵ月間の全死因死亡、12ヵ月間の標的下肢の切断、12ヵ月間の標的病変血行再建術など)の発現頻度とした。 非劣性マージンは、12ヵ月時点で-10%。主要非劣性解析は、十分な統計的検出率に必要とされる最小限のサンプルサイズが12ヵ月のフォローアップを完了した時点で行われた。主要安全性非劣性解析は、12ヵ月のフォローアップを完了した全患者を包含して、または12ヵ月間の主要有害事象を有した全患者を包含して行われた。EluviaステントはZilver PTXステントに対して有効性も安全性も非劣性 2015年12月2日~2017年2月15日に、465例の患者がEluviaステント群(309例)またはZilver PTXステント群(156例)に無作為に割り付けられた。 非劣性は、12ヵ月時点で有効性および安全性のエンドポイントの両者について示された。1次開存率は、Eluviaステント群86.8%(231/266例)、Zilver PTXステント群81.5%(106/130例)であった(両群差:5.3%[95%信頼下限:-0.66]、p<0.0001)。 12ヵ月時点で主要有害事象の回避率は、Eluviaステント群94.9%(259/273例)、Zilver PTXステント群91.0%(121/133例)であった(両群差:3.9%[95%信頼下限:-0.46]、p<0.0001)。 死亡例は、両群ともに報告されなかった。標的下肢の切断はEluviaステント群1例で、標的病変血行再建術が必要とされたのは各群13例ずつであった。〔11月6日 記事の一部を修正いたしました〕

20400.

男性の飲酒とうつ病との関係

 一般集団における男性のうつ病と飲酒の縦断的な相互関係について、韓国・中央大学校のSoo Bi Lee氏らが、調査を行った。Alcohol and alcoholism誌2018年9月1日号の報告。 対象は、2011~14年のKorean Welfare Panelより抽出した20~65歳の成人男性2,511例。アルコール使用障害特定テスト韓国版(AUDIT-K)スコアに基づき、対照群2,191例(AUDIT-K:12点未満)、飲酒問題群320例(AUDIT-K:12点以上)に分類した。時間経過とともに連続測定された飲酒問題とうつ病との相互関係を調査するため、自己回帰的なcross-laggedモデル分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・飲酒とうつ病との関係は、時間経過とともに安定していた。・対照群では、飲酒問題とうつ病との間に有意な因果関係は認められなかったが、飲酒問題群では、前年の飲酒が2、3、4年後のうつ病に有意な影響を及ぼしていた。 著者らは「飲酒問題群では、対照群と比較し、うつ病と飲酒の4年間に及ぶ相互の因果関係が認められた。通常の飲酒では、縦断的なうつ病と飲酒との相互関係は認められなかったが、飲酒問題群では、飲酒は時間経過とともにうつ病を増強させた。飲酒問題はうつ病発症のリスク因子であり、一般集団におけるアルコール使用の問題や抑うつ症状を有する患者のアルコール使用歴には、より注意すべきである」としている。■関連記事うつ病とアルコールとの関係:2014年英国調査よりアルコール以外の飲料摂取とうつ病リスクアルコール摂取量削減のためのサービングサイズ変更効果

検索結果 合計:35648件 表示位置:20381 - 20400