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BVS vs.DES、30日・1年時評価は?/Lancet

 拡大患者集団において、最適化された手技で留置された生体吸収性スキャフォールド(BVS)は金属製薬剤溶出ステント(DES)と比較して、30日時点と1年時点の標的病変不全および狭心症の発生について非劣性であることが示された。米国・コロンビア大学医療センターのGregg W. Stone氏らによる無作為化試験「ABSORB IV試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2018年9月24日号に掲載された。先行研究で、BVSはDESよりも有害事象の発現頻度が多いことが示されていたが、1件の無作為化試験で狭心症の頻度がBVS群で低下したことが報告されていた。しかしながら、それら初期に行われた試験は、マスキングがされておらず、スキャフォールドにとって至適とされるサイズよりも小さい病変が登録された頻度が高く、留置テクニックは未熟であり、さらにBVSがより適しているのではと目されていた心筋梗塞の患者は除外されていた。安定性CAD/ACS患者を登録し、Absorb vs.Xienceの標的病変不全発生を追跡評価 ABSORB IV試験は、5ヵ国(米国、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、カナダ)147病院で、安定性冠動脈疾患(CAD)または急性冠症候群(ACS)の18歳以上の患者を登録して行われた多施設共同の実対照盲検化無作為化試験であった。 登録された患者は、ポリマー・エベロリムス溶出BVS(Absorb)、またはコバルトクロム合金製・エベロリムス溶出ステント(EES;Xience)の留置を受ける群に、無作為に1対1の割合で割り付けられた。無作為化は、糖尿病の状態、先行研究のABSORB III試験における適格性、試験地による層別化も行われた。患者と臨床評価者は無作為化に対してマスキングされた。 主要評価項目は、30日時点の標的病変不全(心臓死、標的血管関連の心筋梗塞、虚血による標的病変の血行再建)の発生で、非劣性マージンはリスク差で2.9%とした(intention-to-treat解析)。主要評価項目の30日時点、また1年時点もAbsorbの非劣性を確認 2014年8月15日~2017年3月31日に1万8,722例が試験適格性についてスクリーニングを受け、2,604例が登録された。 BVS群に1,296例が、EES群に1,308例が割り付けられ、30日時点のフォローアップデータを入手できたのはそれぞれ1,288例、1,303例、1年時点は1,254例、1,272例であった。また、ベースラインでのバイオマーカー陽性ACS患者は622/2,602例(24%)、微小血管(2.25mm未満)の病変例は78/2,893例(3%)であった(中央検査室での血管造影画像解析による)。 30日時点の標的病変不全発生は、BVS群64例(5.0%)、EES群48例(3.7%)であった(群間差:1.3%、97.5%信頼上限:2.89、片側検定による非劣性のp=0.0244)。また、1年時点の標的病変不全発生は、BVS群98例(7.8%)、EES群82例(6.4%)であった(群間差:1.4%、97.5%信頼上限:3.4、片側検定による非劣性のp=0.0006)。 1年時点で中央イベント委員会が判定した狭心症の発生は、BVS群270例(20.3%)、EES群274例(20.5%)であった(群間差:-0.3%、95%信頼区間[CI]:-3.4~2.9、片側検定による非劣性のp=0.0008、両側検定による優越性のp=0.8603)。1年間に発生したデバイス血栓症は、BVS群9例(0.7%)、EES群4例(0.3%)であった(p=0.1586)。

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高血圧の発症、黒人成人でなぜ多い?/JAMA

 米国・アラバマ州立大学のGeorge Howard氏らは、白人成人との比較による黒人成人の高血圧症の過剰リスクについて臨床的および社会的要因との関連を調べた。媒介分析法を用いた検討の結果、男女ともに統計的な人種間の差を媒介しているキー要因は、南部型の食事スコア、食事におけるナトリウム値のカリウム値に対する比率、そして教育レベルであることが示されたという。また女性においては、腹囲とBMI値も主要因であった。米国の黒人集団は、高血圧症の有病率の高さが平均余命に格差をもたらす主因となっている。一方で、なぜ黒人成人で高血圧症の発症率が高いのかは明らかにされていなかった。JAMA誌2018年10月2日号掲載の報告。白人成人との比較で、発症の高リスクと関連する潜在的要因を評価 研究グループは、黒人成人における高血圧症発症の高リスクと関連する潜在的要因を評価する前向きコホート研究を行った。2003~07年に行われた縦断コホート研究に参加した45歳以上の黒人および白人成人3万239例のうち、ベースラインで高血圧症を有しておらず、中央値9.4年後のフォローアップ受診の参加者を対象とした。 12の臨床的・社会的要因(揚げ物類の摂取が多いなどの南部型の食事スコア[範囲:-4.5~8.2、高値ほど食事パターン順守率が高い])を用いて、フォローアップ受診時の高血圧症発症(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、または降圧薬の使用で定義)との関連を調べた。南部型食事スコアが最も大きな要因 被験者は6,897例(平均年齢62例[SD 8]、黒人成人26%、女性は55%)、そのうち高血圧症の発症は、黒人被験者46%、白人被験者33%で認められた。 補正後南部型食事スコアは、黒人男性0.81(95%信頼区間[CI]:0.72~0.90)であったのに対し、白人男性は-0.26(-0.31~-0.21)であった。また、黒人女性0.27(0.20~0.33)に対し、白人女性は-0.57(-0.61~-0.54)であった。 南部型食事スコアは、男女ともに高血圧症発症と有意な関連が認められた。男性のオッズ比(OR)は1SDにつき1.16(95%CI:1.06~1.27)、食事スコア25thパーセンタイルでの発症率32.4%、同75thパーセンタイルでは36.1%で絶対リスク差は3.7%(95%CI:1.4~6.2)。女性は、ORが1SDにつき1.17(95%CI:1.08~1.28)、食事スコア25thパーセンタイルでの発症率31.0%、同75thパーセンタイルでは34.8%で絶対リスク差は3.8%(95%CI:1.5~5.8)であった。 南部型食事パターンは、高血圧症の発症についての差に関する最も大きな媒介要因で、黒人男性における過剰リスクの51.6%(95%CI:18.8~84.4)、黒人女性における過剰リスクの29.2%(13.4~44.9)を占めていた。 また、黒人男性においては、食事におけるナトリウム/カリウム比の高さと教育レベル(高卒未満)も、それぞれ過剰リスクの12.3%に関与していた。 黒人女性においては、BMI高値が過剰リスクの18.3%、大きい腹囲が15.2%、DASHダイエット非順守が11.2%、所得3万5,000ドル未満が9.3%、ナトリウム/カリウム比の高さが6.8%、高卒未満の教育レベル4.1%に関与していた。

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Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻)

第1回 感染症診療の8大原則 第2回 市中肺炎 初期診療アプローチ 第3回 市中肺炎 治療経過と合併症第4回 単純性尿路感染症 第5回 複雑性尿路感染症 あの医療者必携のベストセラー書籍「感染症プラチナマニュアル」がレクチャーになりました!“プラマニュ”の第3章、病態・臓器別アプローチから市中感染症をピックアップ。著者である岡秀昭氏が、臨床の現場で必要なポイントだけに絞った、シンプルかつ明快なレクチャーをお届けします。ここで得た知識、考え方は、明日からの感染症診療にそのまま生かすことができます。上巻は感染症診療の8大原則と肺炎、尿路感染について。さあ、ぜひプラマニュを片手に本DVDをご覧ください。※書籍「感染症プラチナマニュアル」はメディカル・サイエンス・インターナショナルより刊行されています。第1回 感染症診療の8大原則 臓器、微生物、抗菌薬そして、その中心に患者。これらすべてを満たすことが、感染症診療の第1歩です。まずは、感染症診療の8大原則を、明日からの診療に生かせるよう、現場の状況と照らし合わせながら、解説します。第2回 市中肺炎 初期診療アプローチ 第2回、第3回では市中肺炎を取り上げます。今回は、初期の診断と治療についてです。肺炎を疑ったら、最初にすべきことは?抗菌薬を開始?いいえそうではありません。まずは「本当に肺炎かどうか」を疑うことから始めましょう。肺炎と診断されれば、原因微生物の同定、重症度判定。それによって、治療も大きく変わってきます。第3回 市中肺炎 治療経過と合併症肺炎の治療効果を判断するために、胸部X線をルーティンで撮っていませんか?Dr.岡が指摘しているのは「撮る」ことではなく、「ルーティン」であること。そう、X線の反応は“最も遅れる”んです。CRPや胸部X線所見を正常化させるための治療は必要ありません。何を見て判断すべきか考えてみましょう。そのほか、合併症や治療効果が見られなかったときの対応、そして、誤嚥性肺炎について解説します。第4回 単純性尿路感染症 第4回、5回では尿路感染症を取り上げます。今回はその中でも、単純性尿路感染症について解説します。単純性尿路感染は、基本的には、妊娠していない閉経前の成人女性の尿路感染のことを指し、それ以外はすべて複雑性と考えます。(複雑性については第5回)また、上部(腎臓)、と下部(膀胱、尿道、前立腺、精巣上体)を区別して考えましょう。単純性尿路感染症の診断と治療について、詳しく解説します。第5回 複雑性尿路感染症 複雑性尿路感染症は、さまざまな点から見ても非常に「複雑」で、診断と治療が難しい疾患です。膿尿+発熱・炎症反応だけでは尿路感染症とは限らず、全身をもれなく診察し、ほかの感染源を除外して初めて診断できるのです。また、男性の場合は、「尿路感染症」という診断名だけでは不十分で、前立腺炎などとも区別していくことが重要です。微生物についても、単純性はそのほとんどが大腸菌であるのに対して、ほかの微生物の頻度も増え、それにより治療も異なってきます。

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Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)

第6回 感染性腸炎 第7回 肝胆道系感染症 第8回 細菌性髄膜炎 第9回 感染性心内膜炎 第10回 皮膚軟部組織感染症第11回 骨・関節の感染症 あの医療者必携のベストセラー書籍「感染症プラチナマニュアル」がレクチャーになりました!“プラマニュ”の第3章、病態・臓器別アプローチから市中感染症をピックアップ。著者である岡秀昭氏が、臨床の現場で必要なポイントだけに絞った、シンプルかつ明快なレクチャーをお届けします。ここで得た知識、考え方は、明日からの感染症診療にそのまま生かすことができます。下巻は腸炎、肝胆道系、髄膜炎、心内膜炎、皮膚・骨軟部組織の感染症について。さあ、ぜひプラマニュを片手に本DVDをご覧ください。※書籍「感染症プラチナマニュアル」はメディカル・サイエンス・インターナショナルより刊行されています。第6回 感染性腸炎 今回は感染性腸炎を取り上げます。感染性腸炎には抗菌薬は不要?!感染性腸炎が疑われた患者に最初にやることは「本当に感染性腸炎か」を疑うこと!便培養は本当に意味あるのか?!ピットフォール満載の感染性腸炎の診断と治療。「胃腸炎」というゴミ箱診断をしないために、腸炎が疑われる患者に対して何をすべきかを明快にレクチャーします。第7回 肝胆道系感染症 胆道系の感染症は「胆道系感染症」として、ひとくくりに考えないことが重要です。なぜならば、胆嚢炎であるのか、胆管炎であるのかによって治療戦略は大きく異なるからです。それらをどのように鑑別するのか、それぞれの診断基準を基に、ピットフォールやポイントを解説します。第8回 細菌性髄膜炎 細菌性髄膜炎は経験することの少ない感染症ではありますが、疑ったときには内科エマージェンシー!時間勝負の感染症です。まず、何をやるべきか?そしてその次は?その順番を間違うと、命取りになることも!!また、治療についても、どこまで何を投与すべきか?迷ったときは過剰治療も許されます!細菌性髄膜炎疑いの患者が来たときに、何をどうすべきか、Dr.岡が明確にお教えします。シミュレーションをしっかりとして、患者が来たときにはギアをあげて対応できるようにしておきましょう。第9回 感染性心内膜炎 感染性心内膜炎(IE)は最も見逃されやすい感染症の中の1つです。なぜ見逃してしまうのか、見逃さないためのポイントは?そして、IEと診断したときにやるべきこととは?実臨床に即した内容をシンプルに、かつわかりやすく解説します。第10回 皮膚軟部組織感染症皮膚軟部組織感染症診療の一番のポイントは、予後良好な丹毒や蜂窩織炎か、壊死性筋膜炎やガス壊疽のような重症外科感染症かの鑑別。壊死性筋膜炎に対して、アトラスなどで見るかなり酷い状態の皮膚所見のイメージを持っていませんか?実はそれが診断を誤らせる1つの原因なのです。このような状態になる前に診断をつけること。その鑑別のポイントと治療法について、しっかりとお教えします。第11回 骨・関節の感染症骨髄炎は、比較的‘ゆっくり’な感染症。原因微生物が判明してから標的治療を行うべきである。そう、経験的治療はできるだけ避けるのが原則。しかしながら、早く治療しろとせかされるなどのやむを得ない場合はどのように治療をすすめていけばいいのか?理論だけでなく、実臨床でのやり方をお教えします!

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Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上下巻2枚組)

第1回 感染症診療の8大原則 第2回 市中肺炎 初期診療アプローチ 第3回 市中肺炎 治療経過と合併症第4回 単純性尿路感染症 第5回 複雑性尿路感染症 第6回 感染性腸炎 第7回 肝胆道系感染症 第8回 細菌性髄膜炎 第9回 感染性心内膜炎 第10回 皮膚軟部組織感染症第11回 骨・関節の感染症 ※当DVDの内容は「Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編」の上巻と下巻を組み合わせたものです。あの医療者必携のベストセラー書籍「感染症プラチナマニュアル」がレクチャーになりました!本DVDでは“プラマニュ”の第3章、病態・臓器別アプローチから市中感染症をピックアップ。著者である岡秀昭氏が、臨床の現場で必要なポイントだけに絞った、シンプルかつ明快なレクチャーをお届けします。ここで得た知識、考え方は、明日からの感染症診療にそのまま生かすことができます。さあ、ぜひプラマニュを片手に本DVDをご覧ください。※書籍「感染症プラチナマニュアル」はメディカル・サイエンス・インターナショナルより刊行されています。第1回 感染症診療の8大原則 臓器、微生物、抗菌薬そして、その中心に患者。これらすべてを満たすことが、感染症診療の第1歩です。まずは、感染症診療の8大原則を、明日からの診療に生かせるよう、現場の状況と照らし合わせながら、解説します。第2回 市中肺炎 初期診療アプローチ 第2回、第3回では市中肺炎を取り上げます。今回は、初期の診断と治療についてです。肺炎を疑ったら、最初にすべきことは?抗菌薬を開始?いいえそうではありません。まずは「本当に肺炎かどうか」を疑うことから始めましょう。肺炎と診断されれば、原因微生物の同定、重症度判定。それによって、治療も大きく変わってきます。第3回 市中肺炎 治療経過と合併症肺炎の治療効果を判断するために、胸部X線をルーティンで撮っていませんか?Dr.岡が指摘しているのは「撮る」ことではなく、「ルーティン」であること。そう、X線の反応は“最も遅れる”んです。CRPや胸部X線所見を正常化させるための治療は必要ありません。何を見て判断すべきか考えてみましょう。そのほか、合併症や治療効果が見られなかったときの対応、そして、誤嚥性肺炎について解説します。第4回 単純性尿路感染症 第4回、5回では尿路感染症を取り上げます。今回はその中でも、単純性尿路感染症について解説します。単純性尿路感染は、基本的には、妊娠していない閉経前の成人女性の尿路感染のことを指し、それ以外はすべて複雑性と考えます。(複雑性については第5回)また、上部(腎臓)、と下部(膀胱、尿道、前立腺、精巣上体)を区別して考えましょう。単純性尿路感染症の診断と治療について、詳しく解説します。第5回 複雑性尿路感染症 複雑性尿路感染症は、さまざまな点から見ても非常に「複雑」で、診断と治療が難しい疾患です。膿尿+発熱・炎症反応だけでは尿路感染症とは限らず、全身をもれなく診察し、ほかの感染源を除外して初めて診断できるのです。また、男性の場合は、「尿路感染症」という診断名だけでは不十分で、前立腺炎などとも区別していくことが重要です。微生物についても、単純性はそのほとんどが大腸菌であるのに対して、ほかの微生物の頻度も増え、それにより治療も異なってきます。第6回 感染性腸炎 今回は感染性腸炎を取り上げます。感染性腸炎には抗菌薬は不要?!感染性腸炎が疑われた患者に最初にやることは「本当に感染性腸炎か」を疑うこと!便培養は本当に意味あるのか?!ピットフォール満載の感染性腸炎の診断と治療。「胃腸炎」というゴミ箱診断をしないために、腸炎が疑われる患者に対して何をすべきかを明快にレクチャーします。第7回 肝胆道系感染症 胆道系の感染症は「胆道系感染症」として、ひとくくりに考えないことが重要です。なぜならば、胆嚢炎であるのか、胆管炎であるのかによって治療戦略は大きく異なるからです。それらをどのように鑑別するのか、それぞれの診断基準を基に、ピットフォールやポイントを解説します。第8回 細菌性髄膜炎 細菌性髄膜炎は経験することの少ない感染症ではありますが、疑ったときには内科エマージェンシー!時間勝負の感染症です。まず、何をやるべきか?そしてその次は?その順番を間違うと、命取りになることも!!また、治療についても、どこまで何を投与すべきか?迷ったときは過剰治療も許されます!細菌性髄膜炎疑いの患者が来たときに、何をどうすべきか、Dr.岡が明確にお教えします。シミュレーションをしっかりとして、患者が来たときにはギアをあげて対応できるようにしておきましょう。第9回 感染性心内膜炎 感染性心内膜炎(IE)は最も見逃されやすい感染症の中の1つです。なぜ見逃してしまうのか、見逃さないためのポイントは?そして、IEと診断したときにやるべきこととは?実臨床に即した内容をシンプルに、かつわかりやすく解説します。第10回 皮膚軟部組織感染症皮膚軟部組織感染症診療の一番のポイントは、予後良好な丹毒や蜂窩織炎か、壊死性筋膜炎やガス壊疽のような重症外科感染症かの鑑別。壊死性筋膜炎に対して、アトラスなどで見るかなり酷い状態の皮膚所見のイメージを持っていませんか?実はそれが診断を誤らせる1つの原因なのです。このような状態になる前に診断をつけること。その鑑別のポイントと治療法について、しっかりとお教えします。第11回 骨・関節の感染症骨髄炎は、比較的‘ゆっくり’な感染症。原因微生物が判明してから標的治療を行うべきである。そう、経験的治療はできるだけ避けるのが原則。しかしながら、早く治療しろとせかされるなどのやむを得ない場合はどのように治療をすすめていけばいいのか?理論だけでなく、実臨床でのやり方をお教えします!

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紙巻きタバコのニコチン含量の即時低減は段階的低減や現状維持に比べ減煙達成率は高いが、その一方で禁煙率の改善につながるか不明?(解説:島田俊夫氏)-928

 紙巻きタバコの喫煙習慣が健康にとって有害なのは周知されている。しかし、多くの喫煙者が禁煙できないのも現実。タバコには習慣性があり、自力で禁煙に苦しむニコチン中毒患者を禁煙させるのは簡単ではない。喫煙による多種多様の有害物の長期吸入による影響が動脈硬化やがんの発生につながるため、禁煙達成こそゴールとなる。禁煙指導の推進の結果として、日本の喫煙者率は減少傾向にあるのは事実であるが、本来の目標を達成するためには喫煙ゼロを目指すべき。ニコチン含量を減らした紙巻きタバコを使った禁煙/減煙に関する論文1)は散見されるが、2018年9月4日号のJAMA誌に掲載された米国ミネソタ大学のHatsukami DK氏らの論文は、研究対象も多く、追跡期間も相対的に長く、困難な禁煙に風穴を開ける減煙成功率の高い方法に関する報告であり、禁煙に難渋している喫煙者にとり禁煙への扉を開く可能性を秘めた論文と考え私見をコメントする。研究の概略 研究グループは30日以内に禁煙する意思を持たず毎日喫煙している対象を2014年7月~2016年6月の期間に登録し、2週間のベースライン喫煙と20週間の介入を行い、2017年3月の最終フォローアップをもって研究完了とした。 米国内10ヵ所で喫煙者1,250名を禁煙手段により2重盲検無作為並行比較試験を即時減煙(紙巻タバコのニコチン含量を0.4mg/gまで即時減量)、段階的減煙(5ヵ月かけニコチン含量/gを15.5mgから0.4mgに減量)、現状維持(15.5mg/gを維持)の3群に割付した。 主評価項目・測定値:呼気一酸化炭素(CO)、尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物)、尿中PheT(多環芳香族炭化水素)の煙媒毒性暴露バイオマーカー値を20週にわたり介入期間中に測定し濃度時間曲線下面積を算出した。 結果:1,250名の参加者(平均年齢:45歳、549名女性[44%]、958名[77%]試験完了)の中で、即時ニコチン減量群と段階的ニコチン減量群間の比較においてCO(平均差:-4.06ppm[95%CI:-4.89~-3.23]、p<0.0055)、3-HPMA(幾何平均比:0.83[95%CI:0.77~0.88]、p<0.0055、pheT(幾何平均比:0.88[95%CI:0.83~0.93]、p<0.0055)のすべてで、即時ニコチン減量群に有意な低レベル暴露が肯定された。即時ニコチン減量群と対照群間でも同様の比較を行い、すべてのバイオマーカーで同様の結果を得た。段階的減量群と維持群間での比較では、すべてのバイオマーカーに有意差はなかった。筆者コメント 3種のバイオマーカーの測定に基づく喫煙暴露の結果から、減煙治療による紙巻きタバコのニコチン即時低減は、段階的低減や現状維持に比べてニコチン低下が顕著で、しかも段階的低減、現状維持の間で有意差を認めなかったため、即時低減法が優れた減煙手段であり、積極的に取り入れることで減煙成功に導くことを示した意義は大きい。しかしながら、最も重要な禁煙達成率に関する情報の欠落は大きな弱点である。喫煙者へのメッセージとして“タバコは百害あって一利なし”を念頭に置くならば、本来減煙ではなく禁煙を達成しなければ目的を達成できたとは言い難い。この減煙法は、極低ニコチン含有紙巻きタバコへの即時切り替えが、確実に減煙成功への近道であることを確認した点は評価するが、減煙は禁煙への途上であり、ゴールはあくまで禁煙である。この方法が、禁煙率の改善に確実につながる成果を示すことが必要である。ニコチンはタバコの原因と捉えるのでなく、あくまで喫煙評価のメルクマールであり、紙巻タバコに含まれる幾多の有害物資を断ち切るためには禁煙が必要であることは言うまでもない。この論文は禁煙のステップとしての減煙成功率を高めることが禁煙につながる可能性を示した意味での価値は大きいが、禁煙率改善の証拠が必要である。

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【GET!ザ・トレンド】吸入指導をクラウドで管理 地域連携で喘息死ゼロへ

1990年代後半から、喘息死は減少を続けていたが、昨年増加に転じた。原因の詳細は不明だが、吸入薬を正確に使用できていない可能性が指摘されている。喘息死ゼロへ向けた取り組みと最新の医薬連携システムについて、目的と意義を大林 浩幸氏に聞いた。無駄をなくした医療で患者の健康を守る大林氏が院長を務める東濃中央クリニック(岐阜県瑞浪市)では、呼吸器内科、アレルギー科、消化器内科、老年内科、リハビリテーション科を標榜診療科とし、地域の住人から頼られる病院として献身的に診療を行っている。同氏は、「精度の高い診断と厳選された少数の薬による『的を射抜く』治療を心掛けており、患者さんを薬漬けにしないことで、患者さんの満足度の向上と医療経済の貢献を目指している」と診療への心意気を語った。アカデミー設立により、吸入指導から地域医療連携を進める体制づくり同氏は、薬剤師の知識の均てん化と指導力の底上げを目的に、薬剤師を主体として、2013年に一般社団法人 吸入療法アカデミーを設立した。吸入薬は喘息治療のfirst lineに位置付けられているが、吸入薬にはそれぞれ専用のデバイスがあり、正しい吸入ができていない実態に現場では多く直面するという。いかに優れた薬剤であっても、患者自身が適切に吸入できなければ、期待する治療効果は得られない。そのため、このアカデミーでは、各地域の薬剤師会と協力し、すべての吸入薬・デバイスに対し、的確な吸入指導ができる薬剤師の養成を行い、地域内のどの薬局に処方箋が持ち込まれても、均一で良質な患者吸入指導ができる体制整備を目指した活動を展開している。同氏は、吸入デバイスの誤操作をピットホールと呼び、「ピットホールの原因の多くは、加齢現象、癖、個性(利き手)、性格、生活スタイルなど患者さん側に起因するもの」と述べる。適切な吸入薬の効果を得るため、これらを医療者側でクローズアップさせる必要がある。また、同氏は「患者さんが正しく操作できるところではなく、できないことを見るのが大切。医療者側が、陥りやすいピットホールを学習・共有しておくことで、患者さんの吸入状況が医師にも伝わりやすくなり、地域医療連携にもつながる」と強調する。基盤ができたところで、吸入カルテシステムの開発同氏は、吸入療法アカデミーにおいて、吸入指導における医療連携クラウド(吸入カルテシステム)の開発を、權 寧博氏(日本大学医学部内科学系 呼吸器内科学分野 教授)らのシステムを基盤に進めてきた。このクラウドサービスは、日本大学工学部電気工学科の「戸田研究室」が協力し、医療者の利便性も盛り込み開発された。iOS・Android端末、PCなどがあればどこでも対応でき、従来の紙・FAXによるやり取りでの不便さが解消され、即時対応が可能という大きなメリットがある。セキュリティについても考慮されており、患者情報は診察券・カルテ番号で照合、識別するため、第三者に個人が特定される危険を防いでいる。システムの流れは、吸収指導が必要な患者に吸入薬が処方されたとき、クラウドに登録された医師が、本システムで吸入指導の依頼書を作成する。処方箋などで指導依頼を受けた薬剤師は、指定されたIDでアクセスすることで、指導前に患者情報を医師と共有することができる。指導を終えた薬剤師は、フィードバックとして報告書を作成する。医師・薬剤師が、吸入指導時の問題点、指導後の経過や患者の生活面、性格面についてなどを即時的に共有できるため、患者個人に寄り添った継続的な指導が期待される。また、病棟などの看護師が吸入指導を行う場面も考慮し、本システムには看護師の枠も設けられている。システムの概要スライドを拡大するスライドを拡大するシステムの流れ(システムは現在改訂中)1.医師が吸入薬の処方時に、吸入指導依頼書を作成する。依頼書はすべてクリック選択で作成することができる。下部には同意書が付いており、その場で患者の同意を確認する。2.吸入指導依頼書を受け取った薬剤師・看護師は、システムにログインして依頼内容を確認し、吸入指導を行う。3.吸入指導を行った薬剤師・看護師は、吸入指導の結果と医師への伝言(画面上部)(画面下部)などをシステム上で報告(クリックのみで報告書の作成も可能)する。特記事項があれば、記入することもできる。4.医師は、リアルタイムで報告書を確認し、次回の診察・処方に役立てることができる。※リンクで画面イメージをご確認いただけます大林氏の喘息死ゼロへ向けた取り組み

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あなたは医学論文を「読める」か?【Dr.倉原の“俺の本棚”】第10回

【第10回】あなたは医学論文を「読める」か?私は、自身のブログ「呼吸器内科医」で、読んだ呼吸器系の論文記事をほぼ毎日アップしているのですが、前向き研究から後ろ向き研究まで、症例報告からランダム化比較試験まで、あまねく医学論文を選り好みせず、がむしゃらに読んでいます※。そのため、読んでいる論文量に関しては、おそらくランキング上位にいると自負しています。もちろん、私以上に読んでいる猛者を何人も知っているんですけどね。※それってスゲェ非効率的じゃんという意見もあります。『論文を正しく読むのはけっこう難しい:診療に活かせる解釈のキホンとピットフォール』植田 真一郎/著. 医学書院. 2018あなたは医学論文が「読める」か?と聞かれて、自信を持って「ハイ」と答えられる医師は少ないと思います。私も、毎日のように医学論文を読んでいますが、その解釈にはまだ自信を持てません。医学論文は、その存在自体が恣意的です。いろいろな人の思いが込められていますし、意図的に操作されてしまうこともあります。読みながら「本当にこれは正しいのだろうか」という懐疑的な目を持たなければ、真実は見抜けない。最近流行している「複合エンドポイント」。アレって実際どうなの?と思った人は少なくないはず。これぞというエンドポイントを1つ設定すればいいのに、複合エンドポイントを使用しなければならない理由があります。頻繁に起こらない事象がエンドポイントだと、そもそも臨床研究が成立しないので、エンドポイントとして妥当そうなものを全部ブッこめ!という荒々しい戦略です。そんな複合エンドポイントに隠されたワナについても、この本は実例を挙げて詳しく記載してくれています。著者の植田教授は、本書で実際の論文をビシバシ辛口に吟味されているので、論文のオーサーからクレームが来ないのかなと少し心配になります。有名な論文も真正面から批判されておられ、その文体からは説得力が溢れ出ています。世の中には、英語論文を書いてアクセプトされようというコンセプトの「論文を書くための本」は結構たくさんあるんですよ。でも、「論文を読むための本」って斬新ですよね。ある程度統計のことを理解しないと、読めない内容なので、私はこれを読破するのに1週間以上かかってしまいました。いつか、自信を持って「私は医学論文を読めます!」と言えるようになるために、この本は何度も読み返したいと思っています。良本です。本当に。『論文を正しく読むのはけっこう難しい:診療に活かせる解釈のキホンとピットフォール』植田 真一郎/著出版社名医学書院定価本体3,200円+税サイズA5判刊行年2018年

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うつ病に対するアリピプラゾール増強療法の実臨床における有効性と安全性

 増強療法は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の適切な用量で十分な治療反応を有するうつ病患者に対する治療選択肢であるが、日々の実臨床における適用についてはあまり知られていない。昭和大学の上島 国利氏らは、実臨床において、従来の抗うつ薬治療で効果不十分な日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール増強療法の有効性および安全性について、プロスペクティブ多施設観察研究を実施した。Current medical research and opinion誌オンライン版2018年9月12日号の報告。 主要評価項目は、ベースラインから試験終了までのMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)日本語版の総スコア平均変化量とした。有害事象のモニタリングにより、安全性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・安全性評価対象患者は1,103例、有効性評価対象患者は1,090例であった。・試験終了時のMADRS総スコアの平均変化量は、-14.9±12.3であった(ベースライン比較:p<0.001)。・寛解率は、6ヵ月目の34.5%から12ヵ月目の43.3%に上昇し、継続治療のさらなる有効性が示唆された。・アリピプラゾール増強療法の有効性には、主要な抗うつ薬(パロキセチン、フルボキサミン、セルトラリン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ミルタザピン、エスシタロプラム)のタイプによる変化が認められなかった。・寛解達成の可能性を高める要因は、ベースライン時のMADRS総スコア33ポイント未満、うつ病エピソードからアリピプラゾール治療開始までの期間176日未満であった。・1つ以上の有害事象を経験した患者の割合は24.8%であったが、新たな安全性の問題は検出されなかった。 著者らは「寛解達成に関連する要因を考慮すると、実臨床での、うつ病または抑うつ症状を有する日本人患者に対するアリピプラゾール増強療法は、有効かつ安全であると考えられる」としている。■関連記事アリピプラゾール増強が有効な治療抵抗性うつ病患者の3つの特徴SSRI治療抵抗性うつ病に対する増強療法の比較治療抵抗性うつ病、抗うつ薬併用 vs. 抗精神病薬増強

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資金提供企業は臨床試験にどの程度関与しているのか?/BMJ

 インパクトファクターの高い学術雑誌において、企業が資金提供したほとんどの研究で、その計画・実施および報告に企業の社員と医療・学術機関の著者が関与している一方、データの解析はしばしば学術機関の著者が関与することなく実施されていることが、デンマーク・Nordic Cochrane CentreのKristine Rasmussen氏らによる調査の結果、明らかとなった。研究者は共同試験を有益であると考えるが、学術研究の自由が失われているとの報告もあるという。企業のほとんどが臨床試験に資金提供しており、資金提供者は、時々公益よりもむしろ経済面で、試験をどのようにデザインし報告するか影響を与える可能性があるといわれていた。BMJ誌2018年10月3日号掲載の報告。主要7医学雑誌に発表された、企業から資金提供を受けた試験200報を解析 研究グループは、企業から資金提供を受けたワクチン、薬剤、医療機器の試験における、学術機関の著者、資金提供者および開発業務受託機関の役割、ならびに学術論文の筆頭著者が資金提供企業と協力した経験について明らかにすることを目的に、インパクトファクターの高い7つの医学雑誌(New England Journal of Medicine、Lancet、JAMA、BMJ、Annals of Internal Medicine、JAMA Internal Medicine、PLOS Medicine)に公表され、著者のうち少なくとも1人は学術機関(クリニック、病院、大学、非営利学術研究施設)に属する、直近の第III相・第IV相試験200報について解析した。試験のデザイン、データ解析および報告の7~9割に資金提供企業が関与 200報中173報(87%)は、資金提供企業の社員が共著者であり、183報(92%)は試験デザインに資金提供者が関与しており、167報(84%)は学術機関の著者の関与が報告されていた。データ解析には、146報(73%)で資金提供者の関与が、79報(40%)で学術機関の著者の関与があった。試験報告には、173報(87%)で資金提供者、197報(99%)で学術機関の著者が関与していた。開発業務受託機関は、123報(62%)に関与していた。 学術機関の筆頭著者200人のうち80人(40%)が調査に回答した。80人中29人(33%)は、研究者が試験デザインの最終決定権を有していたと報告した。また、10人は、データ解析や報告において、著者名に記載のない資金提供者/CROの社員が関与していると報告した。学術機関の著者のほとんどは企業との協力が有益であると述べたが、3人(4%)は資金提供企業に起因した公表の遅延を経験し、9人(11%)は主に試験デザインおよび報告に関して資金提供企業と意見の相違があったと報告した。

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実臨床下での新型Resolute Onyx vs.Orsiro/Lancet

 プラチナ-イリジウムコア/コバルト合金ワイヤーストラット耐久性ポリマー・zotarolimus溶出ステント(Resolute Onyx)は、超薄型コバルト-クロムストラット生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステント(Orsiro)と比較し、追跡期間1年時の安全性および有効性の複合エンドポイントについて非劣性であることが、オランダ・Medisch Spectrum TwenteのClemens von Birgelen氏らによる国際多施設共同無作為化単盲検非劣性試験「BIONYX」の結果、示された。著者は「イベント発現率は両群ともに低く、両ステントが安全であることを示唆しているが、ステント血栓症発症率がResolute Onyx群で非常に低く、さらなる臨床研究が推進される」とまとめている。これまで、実臨床下(all-comers)でResolute Onyxと他の薬剤溶出ステントを比較した研究はなかった。Lancet誌オンライン版2018年9月22日号掲載の報告。ステント留置を要する患者約2,500例で安全性と有効性を比較 BIONYX試験は、ベルギー、イスラエル、オランダの7施設で実施された。対象は、薬剤溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を必要とする18歳以上の患者で、前拡張の有無にかかわらずガイドワイヤー通過後にカテーテル室のチームメンバーが、インターネットでのコンピュータ作成割り付け配列を用い、Resolute Onyx群またはOrsiro群に1対1の割合で無作為に割り付けた。無作為化は、性別および糖尿病の状態で層別化された。患者および評価者は割り付けに関して盲検化されたが、治療した医師は盲検化されなかった。 主要評価項目は、1年時点の標的血管不全(TVF)(心臓死・標的血管関連心筋梗塞・標的血管血行再建術の複合エンドポイントと定義)とし、独立評価委員会の判定に基づきintention-to-treat解析を行った(非劣性マージンは2.5%)。 2015年10月7日~2016年12月23日に計2,516例が登録および無作為化され、そのうち同意撤回などによる中断またはスクリーニング失敗の28例を除く2,488例がintention-to-treat解析に組み込まれた(Resolute Onyx群1,243例、Orsiro群1,245例)。1年時の標的血管不全発生率、Resolute Onyx群4.5%、Orsiro群4.7%で非劣性を確認 患者背景は、1,765例(70.9%)が急性冠症候群、1,275例(51.2%)が心筋梗塞で、1年時点のデータを入手できたのは2,478例(99.6%)であった。 主要評価項目であるTVFの発生は、Resolute Onyx群55例(4.5%)、Orsiro群58例(4.7%)であり、Orsiro群に対するResolute Onyx群の非劣性が確認された(絶対リスク差:-0.2%、95%信頼区間[CI]:-1.9~1.4、95%片側CIの上限:1.1%、非劣性のp=0.0005)。 definite/probableのステント血栓症は、Resolute Onyx群で1例(0.1%)、Orsiro群で9例(0.7%)に認められた(ハザード比:0.11、95%CI:0.01~0.87、p=0.0112)。

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冠動脈疾患の心不全、洞調律患者に対するリバーロキサバンの効果(COMMANDER HF)検証すべき仮説だったのか?(解説:高月誠司氏)-927

 本研究は、冠動脈疾患の心不全、洞調律患者に対するリバーロキサバンの効果を検証する二重盲検の多施設ランダム化比較試験である。プラセボ群とリバーロキサバン2.5mgを1日2回投与群の2群に分け、主要アウトカムは全死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントである。なぜ洞調律の冠動脈疾患の心不全例にリバーロキサバンを投与するのか、という疑問をまず持たれると思う。リバーロキサバンは非弁膜症性の心房細動の脳梗塞予防、深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の予防・治療薬である。本研究の背景には慢性心不全増悪後に心不全の再入院や死亡を起こすことが多く、その原因としてトロンビン関連の経路により惹起された、炎症や内皮機能不全や動脈・静脈血栓症が考えられると記載されている。思い切った仮説を検証しに行ったものである。確かに重症心不全例は心房細動や深部静脈血栓症を合併しやすく、本研究では登録時に心房細動例は除外されたものの、その後に発症した隠れ心房細動例には、若干の効果があるかもしれない。 5,022例の患者がランダム化され、フォローアップの中央値は21.1ヵ月であった。結果は、主要アウトカムの1年あたりの発症率は、リバーロキサバン群で25.0%、プラセボ群で26.2%で、有意差を認めなかった(ハザード比[HR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.84~1.05、p=0.27)。本研究では冠動脈疾患患者が対象で、93.1%の患者が抗血小板薬を内服し、34.8%の患者は2剤の抗血小板薬を内服していた。当然、出血性の合併症が危惧される。結果、致死的な大出血は両群間で差がなかったが、ISTHによる大出血がリバーロキサバン群でプラセボ群よりも多かった(年間発症率2.04% vs.1.21%、HR:1.68、95%CI:1.18~2.39、p=0.003)。また、プロトコールからの脱落率はリバーロキサバン群で年間あたり16.3%、プラセボ群で13.6%。理由の内訳は出血イベントがリバーロキサバン群で多かった。 本研究の結果はある意味予想どおりのnegative studyである。それを研究者が正直に発表すること、そしてnegative studyであっても雑誌がしっかり評価し公表することはきわめて大事である。ただ本研究の仮説、冠動脈疾患で洞調律の慢性心不全に抗凝固療法が有効か、これが検証すべき仮説だったかどうか、皆さんはどう感じられるだろうか。

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バナナの皮に気をつけろ【Dr. 中島の 新・徒然草】(242)

二百四十二の段 バナナの皮に気をつけろ中島家に伝わる格言に「謙虚にふるまえないものは、必ずバナナの皮を踏む」というものがあります。つまり「他人様に対して偉そうにモノを言った人間は足元がおろそかになり、ひっくり返って恥をかくから注意せよ」という意味です。先日も、車検を済ませたばかりの女房の自動車のエンジンが掛からなくなったので、ディーラーを呼びつけて散々文句を言ったことがあったのですが、結局はハザードの消し忘れでバッテリーがあがっていたということがありました。完全にこちらの不注意であったにもかかわらず、ディーラーの担当者は爽やかに対応してくれ、あまりにも申し訳ないので菓子折りを持って謝りにいく羽目になりました。私自身の失敗談としては、大昔に出くわした症例を思い出します。内科の先生が失神の患者さんを診て「胃潰瘍だ」とつぶやいたのを「なーにが胃潰瘍や。あの先生、大丈夫か? まずは頭部CTを撮らんとアカンやろ」と、陰で脳外科医たちが馬鹿にしたことがあったのです。失神の有力な原因の1つが消化管出血であり、逆に頭蓋内疾患はほとんどないということを知った今となっては、過去に戻って自分の頭をハリセンで叩いてやりたくなるようなエピソードです。もちろん、最近でも似たような事は時々ありました。他科の先生に偉そうに説教したときなんかに限って、後で自分の間違いが発覚し、大恥をかいてしまうのです。実例を挙げるとすごく分かり易いのですが、そこはちょっとご勘弁願います。この中島家の格言のミソは「謙虚にふるまえ」と言っていることで、決して「謙虚になれ」とは言っていないところです。人間、謙虚になることなんぞ簡単にできるわけありません。ですから「謙虚になれ」などと期待するのは無駄です。でも、いくら心の中で威張っていても、表面的に謙虚にふるまうことは誰にでも可能です。なので、私もバナナの皮を踏まないよう、なるべく謙虚にふるまうよう心掛けています。もし「そういや自分も思い当たるぞ!」という読者がおられましたら、ぜひとも注意しましょう。最後に1句謙虚たれ バナナの皮を 踏まぬようもう1句ちょっと待て その説教で 恥をかく

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第9回 レボチロキシンは朝食後投与では吸収が低い?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 レボチロキシンは甲状腺機能低下症、甲状腺腫や甲状腺がん術後療法などで、長期間ないし一生涯服用する患者さんも少なくありません。経験上、用法や相互作用についての質問を受けることが多い薬でもあります。相互作用については、カルシウム製剤、スクラルファート、水酸化アルミニウム、鉄剤、コレスチラミン、酸化マグネシウムなどの制酸剤やコーヒー1)などレボチロキシンの吸収を低下させるものから、ビタミンC2)などの吸収を亢進させるものまで多くの変動要因が知られており、注意を払っている薬剤師も多いかと思います。用法については、添付文書には1日1回の服用とだけ記載があり、インタビューフォームを見ても食事・併用薬の影響について該当資料なしとの記載になっていて、判断に迷うシーンもあります。本邦の添付文書に用法記載がなければ海外(米国やカナダ)の添付文書を見るのも一案なので、総合医薬品データベースのLexicomp Onlineで調べてみると、「朝空腹時少なくとも朝食の30~60分前もしくは夜最後の食事の3~4時間後服用」の記載があり、日本と異なっています。そこで今回は、レボチロキシンの用法について検討した論文を紹介しましょう。Timing of levothyroxine administration affects serum thyrotropin concentration.Bach-Huynh TG, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2009;94:3905-3912.1つ目は、レボチロキシンの用法や食事の有無が血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度に及ぼす影響を調査した研究です。レボチロキシンを75μg以上服用している18~75歳の患者が組み入れられ、甲状腺機能低下症42例、甲状腺がん23例の計65例(女性50例、男性15例)が試験を完遂しています。患者は、(1)夜間絶食かつ朝食の1時間以上前の起床時、(2)その日の最後の食事より2時間以上後の就寝前、(3)朝食後20分以内、という3つの用法をくまなく組み合わせた6パターンのうち1つに割り当てられ、1~8週目、9~16週目、17~24週目の8週間ずつクロスオーバーしました。プライマリアウトカムは8週間レジメンにおける絶食時の血清TSH濃度とその他2つの用法時の血清TSH濃度の差です。結果、絶食時服用のTSHの血中濃度はもっとも低く1.06±1.23mIU/Lであり、就寝前服用では2.19±2.66mIU/L、朝食後服用では2.93±3.29mIU/Lと有意に高くなっていました。TSHの血中濃度が低いほど甲状腺ホルモンが多いということなので、空腹時服用のほうがレボチロキシンの吸収がよいことがわかります。論文でも、食後服用では血清TSH濃度がより高く、変動しやすいため、ターゲットレンジに入れたい場合は絶食時が勧められることが示唆されています。夜間かつ空腹でレボチロキシンは効果最大それでは、同じ空腹時であれば朝と夜ではどちらがよいのでしょうか。それを比較した研究もあります。Effects of evening vs morning levothyroxine intake: a randomized double-blind crossover trial.Bolk N, et al. Arch Intern Med. 2010;170:1996-2003.この文献のBackgroundには、レボチロキシンは約70~80%が小腸で吸収されるので、食物や他の薬剤による腸内吸収阻害を防ぐために、朝食前に服用するのがよいというコンセンサスが得られている、と書かれています。ただ、筆者の少ない経験則では朝食後処方を見掛ける機会が多く、起床時処方は少数であると感じています。朝食後は飲み忘れにくいですし、処方オーダー上の用法選択で選びやすいためかもしれません。本試験の目的は、就寝前服用では朝服用よりも甲状腺ホルモン値が改善するかどうかという検証です。18歳以上で、レボチロキシン治療を少なくとも6ヵ月以上受けている原発性甲状腺機能低下のある105例の被験者を対象に、ダブルブラインドのクロスオーバー試験を行っています。患者はレボチロキシンまたはプラセボを入れたカプセルを朝と就寝前に1カプセルずつ12週間服用し、朝夜のカプセルを入れ替えてさらに12週間服用しました。プライマリアウトカムとして、それぞれ12週間服用時における甲状腺ホルモンの数値の変化、セカンダリアウトカムとしてクレアチニン、脂質、BMI、脈拍、QOL(生活の質)が設定されています。90例が試験を完遂し、解析に組み入れられました。平均TSH濃度は、最初に朝にレボチロキシンを服用した群では12週時点の2.66(標準偏差:2.53)mIU/Lから24週時点の1.74(同:2.43)mIU/Lに減少している一方で、最初に就寝前にレボチロキシンを服用した群では12週時点の2.36(同:2.55)mIU/Lから24週時点の3.86(同:4.02)mIU/Lに増加しています。また、平均FT4(遊離サイロキシン)値は、最初に朝にレボチロキシンを服用した群では12週時点の1.48(同:0.24)ng/dLから24週時点の1.59(同:0.33)ng/dLに増加していて、最初に就寝前にレボチロキシンを服用した群では、12週時点の1.54(同:0.28)ng/dLから24週時点の1.51(同:0.20)ng/dLに減少しています。つまり、就寝前のレボチロキシン服用でFT4の増加という直接的な治療効果とTSHの低下に寄与していると考えられます。総T3(トリヨードサイロニン)値の変化は、FT4の変化と同じ傾向でした。なお、セカンダリエンドポイントとして解析されたクレアチニン、脂質、BMI、脈拍、QOLに関しては有意な差がありませんでした。甲状腺機能の検査値基準と意味を理解していないとややわかりづらい部分もありますが、以上の研究を踏まえレボチロキシンについてのポイントを抽出すると、下記のことがいえそうです。・レボチロキシンは食事により吸収が低下するため、空腹時服用が有利・活性の低いT4から活性の高いT3への変換は夜間に亢進する・夜間は腸の運動が緩やかで腸壁にレボチロキシンがさらされる時間が延長し、吸収がよくなる・夜間に胃酸分泌が亢進し、酸性環境により吸収が促されるこれらのことから、就寝前も選択肢としてよいものと思われます。就寝前にすれば朝食を遅らせる必要がないため、都合がいい患者さんもいるでしょう。セカンダリアウトカムに差がなく、半減期も長いことから臨床上食後が明確にいけないといえるほどのエビデンスではありませんが、効果や生活リズムなどに不満がある場合は、医師に確認のうえ、用法の選択肢を提示してみるのもよいかもしれません。1)Almandoz JP, et al. Med Clin North Am. 2012;96:203-221.2)Jubiz W, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2014;99:E1031-E1034.3)チラーヂンS錠 添付文書(2015年1月改訂 第12版)4)チラーヂンS錠 インタビューフォーム(2015年10月改訂 第10版)5)Bach-Huynh TG, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2009;94:3905-3912.6)Bolk N, et al. Arch Intern Med. 2010;170:1996-2003.

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第1回 痛みの概説【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第1回 痛みの概説痛みは、古来より病気の兆候の中でも最も多く、医療・医学の原点です。今日でも人類を苦しめている大きな病気因子でもあります。この痛みを意味する英語の“Pain”はラテン語のPoena、ギリシャ語のPoineより由来しております。元来はPenalty あるいはPunishmentを意味しておりました。処罰の1つの方法として、痛みを受けさせられることは、昔からごく自然になされていたことと推察されます。このように、痛みは人類の誕生とともに歩んできたにもかかわらず、現在においても感覚としての「痛み」をなかなか科学的な研究対象として取り上げにくいのが実態です。その原因の1つには、聴覚や視覚など他の感覚と異なって、複数の人が痛みを同時に同程度に共有することが不可能であることが挙げられております。そのために痛みを客観的に把握することがきわめて困難であります。米国では、2001~2010年までを「痛みの10年」として、痛みの研究や治療に膨大な国家予算を費やし、痛み患者への対策を検討しました。これは、ともすれば痛みを口実に「怠惰さの隠れ蓑にしているのではないか」との世間の目を気にしている痛みの患者への救いであるとともに、痛み患者の就労不能や意欲低下、また、その看護などによる年間の経済的損失が米国ではおよそ8兆円にのぼるとの試算に向け、この深刻な問題に対する政策でもありました。国際疼痛学会(IASP)は、痛みとは「実際の組織損傷、あるいは潜在的な組織損傷と関連した、または、このような組織損傷と関連して述べられる不快な感覚的・情動的体験」と定義しています。しかしながら、この定義からしても痛みの実体を認識することは難しいのです。むしろ痛みを機序別による分類から考えるほうが、わかりやすいかもしれません。それでは、痛みの発生する原因機序別に従って分類してみましょう。侵害受容性疼痛針で刺したり、金鎚で叩いたりしたときに感じる痛みです。神経自由終末の侵害受容器に一定以上の痛み刺激が加わることによって、痛みインパルスが発生します。その痛みインパルスが脊髄を経由して上位中枢に伝達され、大脳皮質第2次体性感覚野に到達すると痛みとして認識されます。この痛みインパルスを伝導するのは、Aδ線維とC線維です。Aδ線維は表に示されているように、C線維より太いので伝達速度が速くなります。おそらくは向こう脛を机の角に打ち付けたときに、最初にドンと来る痛みを感じて、その後しばらくしてジーンとするいやな痛みを感じたことを経験されたことがあるでしょう。最初の痛みがAδ線維経由の痛み(1次痛)で、その後がC線維経由の痛み(2次痛)です。がんによる疼痛も侵害受容性疼痛と考えられ、がん細胞が神経末端を刺激することによって痛みが生じます。表 侵害受容性疼痛の種類・伝導速度・主な受容器画像を拡大する神経障害性疼痛帯状疱疹後神経痛(PHN)に代表される痛みです。帯状疱疹ウイルスによって、神経線維そのものが破壊される結果により、神経自由終末ではなく異所性に痛みインパルスが発生するために、痛みとして感じます。触覚などのインパルスを伝達する太い神経線維(Aβ)が減少して、代わりに痛み感覚を伝達する細い神経線維(C線維)に置き換わるために、触覚も痛みとして感じます。本来の痛み刺激ではない、筆などによる柔らかい刺激を痛みとして感じるアロディニアの症状が見られます。心因性疼痛(非器質性疼痛)痛みが長く持続すると、抑うつなどの心因的症状が進展して、それが痛みをさらに増悪することになります。また、いやなことが続くと身体のどこかに痛みを感じる「身体表現性疼痛」と言われる非器質的な疼痛が現れることがあります。このように、最初から心因性(非器質性)に痛みを感じることもあります。現代では、この「心因性疼痛」もかなりの頻度で見られるようです。このように、臨床的な痛みの分類として、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛(図)が存在しますが、痛みの開始時には、これらをある程度明確に分類できるでしょう。しかしながら、痛みが長期間持続してくると、これらが1つになってしまうために痛みの治療が著しく困難となります。この意味からも痛みには早期からの治療が必要でありますし、患者さんも我慢すべきではありません。図 臨床的な痛みの分類の概念*画面をクリックして動画を視聴ください1)Erlanger J,Gasser HS. Electrical signs of nervous activity.Philadelphia;University of Pennsylvania Press:1937.2)Burgess PR, Perl ER, Iggo A(ed). Somatosensory system. New York;Springer:1973.p.29-78.3)花岡一雄、ほか. 現代鍼灸学. 2005:5;59-68.4)河谷正仁 編集. 痛み研究のアプローチ. 新興交易医書出版部;2006.p.15-18.5)花岡一雄. 東京都医師会雑誌.2007:60;6-10.今後の掲載予定侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛、急性痛と慢性痛、痛みの悪循環などを総論的に解説後、各論として全身、頭頸部、胸部、腹部など部位別にさらに詳しくレクチャーしていきますのでご期待ください。次回は、「急性痛と慢性痛」について説明します。

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免疫CP阻害薬の治療効果と便秘の関係

 近年、腸内細菌叢にある宿主免疫制御が報告され、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の治療効果との相関が注目されている。また、腸内細菌叢は排便習慣により変化することが報告されている。非小細胞肺がん(NSCLC)患者における便通異常と、ICIの治療効果の関連性について後ろ向きに検討した京都府立医科大学の研究結果が、片山 勇輝氏らにより第16回日本臨床腫瘍学会で報告された。 対象は京都府立医科大学附属病院でICI治療を行ったNSCLC40例。ICI投与前後1週間で3日以上の便秘もしくは緩下剤の内服歴を有する患者を便秘群と定義し、便秘群と非便秘群においてICIの治療効果を評価した。 主な結果は以下のとおり。・治療成功期間(TTF)中央値は便秘群で31.5日、非便秘群で204日と、便秘群で有意な短縮を示した(p=0.0032)。・病勢制御率(DCR)は便秘群で20.0%、非便秘群で78.8%と、便秘群で低い結果であった(p=0.00083)。・全生存期間(OS)は便秘群で79日、非便秘群で511日と、便秘群で有意な短縮を示した(p=0.0017)。 片山氏は、NSCLCのICIの治療効果や予後と患者の便通異常に有意な相関を認めた。このことは、ICI治療開始時の便通異常がICIの治療効果を予測しうる新たなバイオマーカーの1つである可能性を示した、としている。 以下、発表者 片山 勇輝氏(現在は京都鞍馬口医療センター)との一問一答この試験の実施背景として排便習慣に着目した理由はどのようなものですか? 2016~17年にかけて、悪性黒色腫において腸内細菌叢と免疫治療の効果についてのデータが発表されてきました。免疫チェックポイント阻害薬が奏効したメラノーマ患者では、腸内細菌叢が多様性に富んでいたという報告もあります。 一方、免疫チェックポイント阻害薬の使用機会が多いものの、肺がんでは、腸内細菌叢との関係は明らかではありません。ただ、腸内細菌叢の測定にコストがかかることもあり、まだ現実的ではありません。腸内細菌叢と排便習慣は関連性も示されていることから、簡便なマーカーとして排便習慣が使えないかと考え、このような研究を行いました。免疫チェックポイント阻害薬治療成功期間(TTF)全生存期間(OS)とも非便秘群で有意に長いという結果でしたが、これは臨床でどう考えるべきでしょうか。 従来、EGFR変異陽性例や、悪液質も含め全身状態の悪い例では免疫チェックポイント阻害薬が効きにくいといわれていましたが、便秘もそういったマーカーの1つなのではないかと考えられます。非便秘、つまり排便良好は腸内細菌叢が良好だということでしょうか。 排便習慣といっても、カルテで回数を追跡したにとどまりますので、単純に非便秘イコール良好な腸内細菌叢の形成とはいえないと思います。今後の研究はどのようにお考えですか? 今回の研究は後ろ向きですが、今後は、前向きに排便習慣を確認しながら腸内細菌叢の関連も一緒に調査したいと考えています。ただ、がんではオピオイド誘発性の便秘になりがちですし、殺細胞性抗がん剤により腸内細菌叢も乱れますので、こういった交絡因子を除外することが必要だと思います。この点を明らかにためにも、今後のさらなる検討が必要だと思います。※医師限定肺がん最新情報ピックアップDoctors’ Picksはこちら

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双極性障害治療における新規非定型抗精神病薬の薬理学的および臨床的プロファイル

 双極性障害の有病率は、65歳以上の高齢成人では変化しており、コミュニティ住民の1%、入院患者の8~10%に及ぶといわれている。リチウムやバルプロ酸を含む古典的な薬剤は、最近のランダム化比較試験(RCT)で示唆されているように、有意な抗操作用を有するが、高齢者の双極性障害治療においては、非定型抗精神病薬の使用が注目されている。新規非定型抗精神病薬は、一般的な成人双極性障害患者に対する忍容性および有効性について関心が高まっている。カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のAkshya Vasudev氏らは、高齢双極性障害患者に対する新規非定型抗精神病薬の有効性および忍容性について、システマティックレビューを行った。Drugs & Aging誌オンライン版2018年9月6日号の報告。 MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、コクランライブラリー電子データベースを用いて、システマティックに検索を行った。65歳超の高齢者における任意の双極性障害エピソード(躁病エピソード、うつ病エピソード、混合エピソードを含む急性期または維持期)の治療に対し、2002年以降に米国FDAで承認された新規非定型抗精神病薬(ブレクスピプラゾール、cariprazine、lurasidone、iloperidone、アセナピン、パリペリドン、アリピプラゾール)をプラセボまたは他剤と比較したRCTを特定しようと試みた。しかし、調査した薬剤のいずれについてもRCTデータを見つけられなかったため、調査基準を変更し、55歳以上の研究および事後解析研究を含めた。 主な結果は以下のとおり。・lurasidoneに関する2つの事後解析研究では、高齢双極性障害患者の急性期および維持期の治療において、合理的な安全性および有効性プロファイルが示唆されたが、薬理学的データは認められなかった。・経口アセナピンおよびアリピプラゾールの追加療法に関するオープンラベル試験のデータでは、両剤ともに高齢双極性障害患者のうつおよび躁症状に対する十分な忍容性および有効性が示唆された。したがって、これら2剤に関するRCTを実施することは急務である。・高齢双極性障害患者にブレクスピプラゾール、cariprazine、iloperidone、パリペリドンを使用した研究は、見つからなかった。■関連記事双極性障害に対するアリピプラゾールの評価~メタ解析双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート双極性障害、リチウムは最良の選択か

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急性心筋梗塞、発症後早期のウエアラブル除細動器の効果/NEJM

 心筋梗塞(MI)を発症してから間もない駆出分画率35%以下の患者において、着用型自動除細動器(wearable cardioverter-defibrillator:WCD)の使用は、非使用者と比較して主要評価項目の90日時点の不整脈死リスクは有意に低下しなかった。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJeffrey E. Olgin氏らが、2,302例の患者を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年9月27日号で発表した。駆出分画率が低下したMI後の患者において突然死は高率に認められるが、植込み型除細動器は、発症後40~90日間は禁忌とされている。研究グループは、このハイリスク期間中の突然死発生をWCDが低減するのか検討した。ガイドライン推奨治療のみ、ガイドライン推奨治療+着用型自動除細動器を比較 研究グループは2008年7月~2017年4月に、米国(76地点)、ポーランド(24)、ドイツ(6)、ハンガリー(2)で、急性MIを発症し、駆出分画率が35%以下の患者2,302例を登録・包含した。退院7日後に無作為に2対1の割合で2群に分け、一方にはWCD+ガイドライン推奨治療を(デバイス群、1,524例)、もう一方にはガイドライン推奨治療のみを行った(対照群、778例)。 主要評価項目は、90日時点の突然死または心室頻脈性不整脈による死亡(不整脈死)とした。副次評価項目は、全死因死亡、非不整脈死などだった。不整脈死発生率、デバイス群1.6%、対照群2.4%で有意差なし 被験者の平均年齢はデバイス群60.9±12.6歳、対照群61.4±12.3歳、男性の割合はそれぞれ72.8%、74.7%、直近の入院前の喫煙者36.9%、35.5%だった。被験者全体において、平均駆出分画率は28%、83.6%が指標入院中に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けていた。 平均フォローアップ期間は84.3±15.6日。デバイス群10例、対照群12例が追跡不能となり、90日時点のバイタル状況が不明だった。 デバイス群のWCD装着時間中央値は、1日当たり18.0時間(四分位範囲:3.8~22.7)だった。 不整脈死の発生率は、デバイス群1.6%、対照群2.4%だった(相対リスク[RR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.37~1.21、p=0.18)。 全死因死亡の発生率は、デバイス群3.1%、対照群4.9%だった(同:0.64、0.43~0.98、補正前p=0.04)。非不整脈死の発生率はそれぞれ1.4%、2.2%だった(同:0.63、0.33~1.19、補正前p=0.15)。 デバイス群で死亡した48例のうち、死亡時にデバイスを装着していたのは12例だった。また、デバイス群で適切な電気ショックを受けたのは20例(1.3%)、不適切な電気ショックを受けたのは9例(0.6%)だった。

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