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固定費削減の苦しみ【医師のためのお金の話】第16回

固定費削減の苦しみこんにちは、自由気ままな整形外科医です。資産形成を行ううえで、固定費削減は最重要課題の1つです。家計における固定費とは、光熱費や通信費のような毎月の決まった支出のことです。資産形成の元手となるタネ銭を蓄えるためには、必要性の低い固定費を最小限にまで削る必要があります。とくに金額の大きな固定費は、削減できるとインパクトが大きいので、集中的に検討してみることをお勧めします。人生の4大固定費固定費の中でも支払額の大きなものは、「人生の4大固定費」といわれています。その内訳は下記のとおりです。● 住宅ローン● 生命保険● 教育費● 自動車上記の4つの固定費は、いずれも削ることが難しい項目です。生活の質や人生設計に関わるものなので、削減するといっても一筋縄では行かないのが実情です。自動車関連の固定費削減を検討この中で、今回は自動車に関する固定費の見直しを行ったので、その経験をお話しさせていただきます。自動車関連の固定費削減を検討したのは、自宅購入がきっかけです。このたび地下鉄の駅から徒歩1分の立地に建つ、古ぼけた小さな事務所を購入し、自宅に改装することになりました。人通りの多い商業地なので、1階を駐車場にすると大きな機会損失になります。店舗にすれば賃料15万円以上は取れますが、自己使用の駐車場では1円も産みません。それならば思い切って、社会人になってからずっと維持していた自動車を売却し、自動車生活から脱却するのも選択肢の1つだと思いました。今回購入した物件は、公共交通機関と自転車だけで生活できる立地です。現状では1ヵ月に数回しか自動車に乗っていません。一方、自動車を維持するのに必要な1ヵ月当たりのコストを計算すると、車検費用(1万円)、駐車場代(4万円)、税金・保険費用(1万円)でした。まったく自動車に乗らなくても、毎月6万円もの出費になります。金銭面だけを見ると、まるきりペイしない状況です。自動車を「捨てる」ためのハードル自動車を維持するコストを考えると、車なしの生活も選択肢の1つとなります。しかし、実際に自動車を処分しようとすると、さまざまなハードルがあることに気付きました。最も大きなハードルは精神面です。なんだかんだ言って、自動車のある生活が便利なことに間違いはありません。めったに乗る機会がないとはいえ、自動車を所有していると選択肢が増えるからです。雨の日でも自動車があれば外出できますし、買い出しに行くときにも自動車があると便利です。自動車を放棄することで、このような快適さがなくなるのは少し寂しい気がします。論理的に考えれば、事あるごとにタクシーを呼べばそれで済む話です。しかし、そこまで割り切るには思い切りが必要です。実際、コストコなどへ買い出しに行くときには、自動車がないと困ります。しかし、よく考えるとコストコに毎日行くはずはありません。コストコは安いですが、月額6万円の自動車維持費用をカバーすることは到底できません。また、夕方に行う子供の塾の送り迎えでは、自動車があると便利ということもあります。しかし、都市部であればカーシェアリングを利用することで解決できます。仮にカーシェアリングでレンタルできないときであっても、タクシーを利用すれば対応できます。自由な時間と快適な自動車生活の二者択一このように考えると、自動車は生活の必需品ではないことに気付きました。自動車生活を捨てて、タクシーやカーシェアリングを利用することで、ずいぶん固定費削減になりそうです。しかし、論理的にはわかっていても、これを実践することは容易ではありません。その最大の理由は、現状の快適な生活を捨て去ることへの抵抗感です。得ることができるのは、自動車維持のためにかかる固定費ですが、あくまでバーチャルな収益にすぎません。実際に財布の中でお金が増えるわけではないのです。一方、失うのは目の前の快適な生活です。快適さを得るために支払うコストが過大であることを理解しつつも、実際に失うのはすでに享受している快適な生活です。この精神的な葛藤を乗り越えることが、最大のハードルと言っても言い過ぎではないでしょう。快適な自動車生活へのこだわりを持ち続けて、毎月6万円の無駄金を垂れ流し続けることは合理的ではありません。所得税+住民税率=50%の場合、6万円の収入を得るためには毎月12万円の収入が必要です。この金額は、1回3万円の定期夜診アルバイトに相当します。つまり、自動車を維持するためだけに毎週の夜診アルバイトをしていることになるのです。快適な自動車生活を維持するのか、もしくは自動車を捨ててアルバイトなしの生活を謳歌するのかは難しい判断ですね。

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第10回 カラダを温める食べ方【実践型!食事指導スライド】

第10回 カラダを温める食べ方医療者向けワンポイント解説カラダを温めることは、寒い冬の中で快適に毎日を送るための重要なポイントです。血流が悪くなると、代謝量が落ちる原因になるばかりか、冷えることで、「外出が億劫になる」「部屋の中でじっとして動かない」など活動量も落ちていきます。その結果、体重増加や食べ過ぎなどにつながってしまいます。また、カラダが冷えると筋肉も固くなり、けがや転倒のきっかけにもなります。寒い冬こそ代謝量や活動量が上がるよう、カラダを温める食べ方を意識してもらいましょう。以下ポイントについて解説をします。■ポイント1:肉や魚を食べる食事を摂取すると、消化の際に熱が産み出され、その一部が体熱となって消費されます。その結果、食事の後はカラダが温かくなり、安静時においても代謝量が増えます。これを『食事誘発性熱産生』(DIT:Diet Induced Thermogenesis)と言います。栄養素によって、このエネルギー量は異なり、タンパク質のみ摂取の場合は、摂取エネルギーの約30%、糖質のみ摂取では約6%、脂質のみ摂取では約4%と言われています。つまり、肉や魚、卵、大豆製品といったタンパク質の摂取は、ほかの栄養素と比べてカラダを温める働きが強いと言えます。また、筋肉量を増やすと体温はより高まるので、タンパク質の中でも脂肪が少なく、筋肉を作るのに適した栄養成分で組成されているヒレ肉や赤身肉、魚、卵などを、毎食意識して食べてもらうのが良いでしょう。■ポイント2:温かい汁物を食べる温かい汁物や食物の摂取には、カラダを直接温める働きがあります。とくに汁物など液状のものは、喉から胃に流れる過程で温かさを長く感じることができます。また、胃は冷たいものが入ると収縮し、動きが緩慢になりますが、温められることで動きが活発になり、消化促進にもつながります。■ポイント3:ショウガを食べるショウガの成分には6-ジンゲロール、6-ショウガオール、ジンゲロンなどがあります。生の状態で多く含まれる6-ジンゲロールを加熱または乾燥させることで、6-ショウガオールへ変化します。6-ショウガオールは内側からカラダを温める働きがあるので、スープや味噌汁など汁物や炒め物に加えるなどの加熱調理による食べ方を意識すると、より効果的です。また、残ったショウガをスライスして、乾燥させておくと無駄なく利用できるのでおすすめです。■ポイント4:辛い料理を食べるカプサイシンは、末梢血管を広げ、血流を改善する働きが期待できます。血流がスムーズになることで、指先やつま先など末端の循環を高め、酸素や栄養素の運搬を促し、カラダを温める働きがあります。辛い料理を食べることも良いですが、苦手な方は、炒め物や煮物に輪切り唐辛子を少し加える、うどんなどに七味唐辛子や一味唐辛子をふるなど、一手間加えてみることもおすすめです。■ポイント5:生野菜より茹で野菜野菜は水分を多く含むため、生野菜の多量摂取は、冷たい水分を摂取し、カラダを冷やす要因となります。「生野菜を食べないと、ビタミンやミネラルが摂取できない」と考える方も多いですが、茹で野菜でもビタミンやミネラルは摂取できます。生野菜から流出するのは水溶性のビタミンやミネラルの一部であり、すべてがなくなるわけではありません。刻んで水につけた葉物からは、ビタミンCが約50%減少するというデータもありますが、50%は残存します。生野菜はかさがあるため、サラダでは大量に食べるのは難しいです。しかし、茹でることで、かさが減り、一度に食べられる量が増えるので、かえって効率的にビタミンやミネラルが摂取できます。また、ビタミンやミネラルの流出を減らすには、生で食べる場合は“洗ってから切る”、加熱して食べる場合は“茹でてから切る”がポイントです。カラダを温めることは、環境整備や運動だけでなく、食事でも対策ができます。『寒い時期こそ、カラダを温めることを意識し、活動量を上げましょう』と、患者さんにお伝えすると良いでしょう。

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第1回 信頼関係を築くためのポイント-基本を復習しましょう 接し方1-【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

こんにちは。勝野哲也と申します。愛知県の病院で内科医をしています。この連載では、病態が急変した患者さんはもとより、普段と違う小さなサインを見逃さないためにも知っておきたいバイタルサインの基礎知識を具体的な症例とともに紹介します。がん、脳卒中、意識障害の患者など、在宅患者の増加により薬剤師の訪問指導の機会は増えています。患者さんとの会話でキャッチできる情報もありますが、聞いただけ、見ただけでは分からない患者さんの病状の変化や薬の副作用もあるはず。具体的な症例紹介の前に、患者さんとの信頼関係を築くための基本的なポイントをお伝えします。ご存じのことが多いと思いますが、復習してみてください。目次信頼関係を築くためのポイント基本を復習しましょう 接し方1 ←今回はココ基本を復習しましょう 接し方2基本を復習しましょう 接し方3はじめて訪問する薬剤師さんへはじめて在宅患者さんに接する時、誰もが緊張することと思います。我々医療従事者の最大の目標は、患者さんの健康状態を改善することよりよい生活を送っていただくこと。そのために大切な点は、患者さんと協調的な信頼関係を築くことです。患者さんも十人十色で、人付き合いが上手で話し上手な方もいれば、なかなか自分の思っていることを口に出せない方もいます。まず、患者さんから必要な情報を得ることです。そして、患者さんに適切な情報を提供することです。言うのは簡単ですが、これがなかなか難しい・・・、医師として働き始めて14年が経ちましたが、そう感じることも多いです。患者さんと接する前に―身だしなみを整える身だしなみを整えます。下記のようなことに気を付けることが必要です。白衣や衣類清潔感のあるものにしましょう。名札はつけておくべきです。履物にも気を付けましょう。汚れた靴やサンダル、ヒールの高い靴は不快感を与えます。髪型や化粧・香水派手すぎず、不快に感じない程度とします。女性の長い髪はまとめておきましょう。手・爪意外と目に付くものです。手は清潔にしておき、爪は短く切っておきましょう。派手なマニキュアはよくありません。その他患者さんのお宅に訪問して、中に招かれた時には、脱いだ靴はそろえましょう。社会人として当たり前のことかもしれませんが、こうしたことが「信頼関係を築く」第一歩です。加えて、以前の記録や情報があれば、患者さんに会う前に確認しておくとよいでしょう。次は、「患者さんと接するとき」についておさらいしましょう。

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職場におけるうつ病予防のための心理学的および教育的介入効果~メタ解析

 うつ病予防に対する心理学的および教育的介入は、小~中程度の効果があるといわれている。しかし、職場における効果については、あまり知られていない。スペイン・マラガ大学のJuan Angel Bellon氏らは、職場におけるうつ病予防のための心理学的および教育的介入効果を評価するため、無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。Scandinavian Journal of Work, environment & health誌オンライン版2018年11月30日号の報告。 PubMed、PsycINFO、EMBASE、CENTRAL、CIS-DOC、Open Greyより検索を行った。引用文献リストに記載された、関連するメタ解析および試験も検索対象とした。うつ病の発症率または抑うつ症状の軽減のいずれかを評価したRCTを抽出し、ベースライン時のうつ病患者は除外した。職場で募集された対象者に対し、検証された機器を用いて測定を行った試験を対象とした。独立した評価者により、試験の選択、リスクバイアス評価(Cochrane Collaboration's tool)、RCT抽出が行われた。固定効果モデルを用いて複合オッズ比(OR)を推定し、異質性はI2統計量およびCochrane's Qで評価した。 主な結果は以下のとおり。・1,963件のアブストラクトをレビューし、69件の全文レビューを行った。・基準を満たしたRCTは3件のみで、対象者は3つの国と大陸からの労働者1,246例であった。・複合ORは0.25(95%信頼区間[CI]:0.11~0.60、p=0.002)、I2=0%、Q=0.389(p=0.823)であった。・バイアスリスクは、1件は低、2件は中~高であった。 著者らは「職場における心理学的および教育的介入は、エビデンスの質は低いものの、うつ病を予防する可能性がある」としている。■関連記事職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始

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アトピー性皮膚炎にtapinarofクリームは有効

 アトピー性皮膚炎(AD)に対する安全かつ有効な局所治療が必要とされている。米国・PRA Health SciencesのJohnny Peppers氏らは、青年期および成人のADに対しtapinarof(GSK2894512 cream)は有効で忍容性が良好であることを、第II相無作為化用量設定試験で明らかにした。著者は、「大規模な臨床試験で確認する必要がある」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2019年1月号(オンライン版2018年7月3日号)掲載の報告。 研究グループはADに対し、tapinarofクリームの安全性と有効性を評価する目的で、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。対象は、ベースライン時に体表面積の5~35%において、医師による全般評価(IGA)スコアが3以上(中等度~重度)のAD病変を有する12~65歳の患者であった。患者は無作為化され、tapinarof 0.5%濃度、tapinarof 1%濃度、プラセボをそれぞれ1日1回もしくは2回投与する6群に均等に割り付けられた。 主要評価項目は、投与12週時のIGAスコアが0または1(皮膚病変が消失またはほぼ消失)および2段階以上改善(治療成功)した患者の割合とした。副次評価項目は、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアが75%以上改善した患者の割合、痒みに対するnumeric rating scale(NRS)スコアのベースラインからの減少などであった。 主な結果は以下のとおり。・12週時の治療成功率は、tapinarof 1%群では53%(1日2回投与)および46%(1日1回投与)、tapinarof 0.5%群では37%および34%、プラセボ群では24%および28%であった。・1日2回投与集団の治療成功率は、tapinarof 1%群(53%)がプラセボ投与群(24%)より統計学的に有意に高かった。・治療が成功した患者では、tapinarofの投与終了後、4週間にわたって改善状態が持続した。・治療下で発現した有害事象は、プラセボ群(41%、34/82例)よりtapinarof群(56%、93/165例)で多かった。有害事象の程度は、いずれも軽度~中等度であった。

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mFOLFIRINOXが膵がん術後補助療法に有望/NEJM

 転移を有する膵がんの術後補助療法において、フルオロウラシル/ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチンによる併用化学療法(修正FOLFIRINOX[mFOLFIRINOX])はゲムシタビン(GEM)療法に比べ、全生存期間が有意に延長する一方で、高い毒性発現率を伴うことが、フランス・ロレーヌ大学のThierry Conroy氏らが実施した「PRODIGE 24-ACCORD 24/CCTG PA 6試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年12月20日号に掲載された。膵がんの治療では、手術単独の5年生存率は約10%と低く、術後補助療法ではGEM(日本ではS-1のエビデンスもある)が標準治療とされるものの、2年以内に69~75%が再発する。転移を有する膵がんの1次治療では、従来のFOLFIRINOXはGEMに比べ、全生存期間を延長することが知られている。mFOLFIRINOX群に247例、GEM群に246例を割り付け 研究グループは、膵がん切除例において、術後補助療法としてのmFOLFIRINOXレジメンの有効性と安全性をGEMと比較する非盲検無作為化第III相試験を行った(R&D Unicancerなどの助成による)。 mFOLFIRINOXレジメンは、従来のFOLFIRINOXレジメンに含まれるフルオロウラシルのボーラス投与を行わないことで、血液毒性や下痢の発生を抑制し、重症度の軽減を図るもので、進行膵がんでは治療効果は低下しないことが確認されている。 対象は、年齢18~79歳、組織学的に膵管腺がんが確認され、割り付けの3~12ヵ月前に肉眼的完全切除術(R0:すべての切除断端から1mm以内にがん細胞がない、R1:1つ以上の切除断端から1mm以内にがん細胞がある)を受け、転移病変や悪性腹水、胸水のエビデンスがない患者であった。 被験者は、mFOLFIRINOX群(オキサリプラチン[85mg/m2体表面積]、イリノテカン[180mg/m2、プロトコールで規定された安全性解析後は150mg/m2に減量]、ロイコボリン[400mg/m2]、フルオロウラシル[2,400mg/m2]を、2週ごとに12サイクル投与)またはGEM群(4週を1サイクルとし、1、8、15日目に1,000mg/m2を静脈内投与、6サイクル)に無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要エンドポイントは無病生存期間(割り付け日から初回がん関連イベント、2次がん、全死因死亡までの期間)とし、副次エンドポイントには全生存期間、安全性などが含まれた。 2012年4月~2016年10月の期間に、フランスの58施設とカナダの19施設で493例が登録され、mFOLFIRINOX群に247例、GEM群には246例が割り付けられた。mFOLFIRINOX群で無病生存期間が8.8ヵ月、全生存期間は19.4ヵ月延長 ベースラインの年齢中央値は、mFOLFIRINOX群が63歳(範囲:30~79)、GEM群は64歳(30~81)、男性がそれぞれ57.5%、54.9%であった。リンパ管浸潤(73.7% vs. 63.1%、p=0.02)を除き、人口統計学データや疾患特性に差はなかった。治療期間中央値は、mFOLFIRINOX群が24.6週、GEM群は24.0週だった。 フォローアップ期間中央値は33.6ヵ月であった。無病生存期間中央値は、mFOLFIRINOX群が21.6ヵ月と、GEM群の12.8ヵ月に比べ有意に延長した(層別化ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.46~0.73、p<0.001)。3年無病生存率は、それぞれ39.7%、21.4%であった。イリノテカンの減量は無病生存期間に影響しなかった(p=0.87)。 全生存期間中央値は、mFOLFIRINOX群は54.4ヵ月であり、GEM群の35.0ヵ月に比し有意に良好であった(層別化HR:0.64、95%CI:0.48~0.86、p=0.003)。3年全生存率は、それぞれ63.4%、48.6%だった。 mFOLFIRINOX群は、無転移生存期間(割り付け日から初回遠隔転移または死亡までの期間、30.4ヵ月vs.17.7ヵ月、p<0.001)およびがん特異的生存期間(割り付け日から治療対象がんまたは治療関連合併症による死亡までの期間、未到達vs.36.4ヵ月、p=0.003)も有意に優れた。 Grade3/4の有害事象は、mFOLFIRINOX群が75.9%、GEM群は52.9%で発現した。血液毒性の発現には両群間に差はないものの、好中球減少/発熱性好中球減少へのG-CSFの投与がmFOLFIRINOX群で多く(62.2% vs.3.7%、p<0.001)、非血液毒性の多く(疲労、下痢、悪心、腹痛、嘔吐、感覚性末梢神経障害、異常感覚、粘膜炎)がmFOLFIRINOX群で有意に発現率が高かった。GEM群の1例が治療関連毒性(間質性肺炎)により死亡した。 著者は、「予想どおりmFOLFIRINOXの安全性プロファイルはGEMに比べ不良であったが、管理可能だった。フルオロウラシルのボーラス投与の非施行(およびイリノテカンの減量)により、Grade3/4の好中球減少は既報(PRODIGE試験)のFOLFIRINOXの46%から、本試験では28%に減少した」としている。

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画像認識技術を応用し薬剤一包化を監査/富士フィルム

 富士フイルム株式会社は、一包化された薬剤の名称と数量を自動的に判定し、調剤薬局などでの薬剤師の監査業務をサポートする一包化監査支援システム「PROOFIT 1D(プルーフィット ワンドース)」を、2019年1月11日より富士フイルム富山化学株式会社(社長:岡田 淳二)を通じて発売する。 昨今、高齢化に伴って慢性疾患が増え、一回に服用する薬剤が多くなる中、薬剤の飲み忘れや飲み間違いを防止するために、薬剤の一包化ニーズが高まっている。現在、薬剤師には、健康被害を防ぐため、薬剤を渡す時に、薬剤の種類や数量に間違いがないかを確認する監査業務が義務付けられている。しかし、一包化された薬剤の監査業務では、薬剤師が一包ごとに薬剤の種類と数量を目視で確認しているため、大きな作業負荷がかかる。今後、在宅医療における服薬支援・指導など、地域での薬剤師の役割期待が拡大する中で、目視のみならず、システムも活用して、薬剤の監査業務の効率性をより高めていきたいというニーズがますます高まっている。 「PROOFIT 1D」は、富士フイルムが写真・医療分野で培ってきた技術を応用して開発した一包化監査支援システム。高度な光学設計技術や画像処理技術により、錠剤やカプセル剤の高画質撮影を実現。さらに独自の画像認識技術で、一つ一つの錠剤の刻印や文字、カプセル剤の色や形などを高速・高精度に読み取る。また、新たに開発した「錠剤の刻印や文字の抽出技術」により、これまで困難であった、錠剤の表裏や刻印の向きをそろえた、一包化された薬剤の一覧表示が可能。刻印を強調表示する機能も搭載しているため、モニター上で薬剤師が監査しやすい情報を提供する。 このほか、監査に使用した画像を専用パソコンに50万包分保存することが可能で、いつでも処方した薬剤を検索して画像で確認できるため、履歴管理を効率的に行うことができる。さらに、薬剤の名称を判定するために参照する医薬品のマスターデータを、専用回線を通じて自動的に更新することが可能。新たに販売された医薬品の監査業務にも対応するとともに、システムの維持管理にかかる業務負担を軽減する。

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SGLT2阻害薬は動脈硬化性疾患を合併した2型糖尿病には有用かもしれないが日本人では?(解説:桑島巖氏)-988

 今、2型糖尿病の新規治療薬SGLT2阻害薬の評価が医師の間で大きく分かれている。一方は積極的に処方すべしという循環器科医師たち、もう一方は慎重であるべきという糖尿病治療の専門医師たちである。 自らの専門の立場によって分かれる理由は、このレビューを読み込むとよくわかる。そして一般臨床医は個々の症例にどのように処方すべきか、あるいは処方すべきでないかが理解できる内容である。 このレビューはSGLT2阻害薬に関して、これまでに発表された3つの大規模臨床試験、EMPA-REG、CANVAS Program、DECLARE-TIMI58を結果について独立した立場から俯瞰し、レビューした論文である。 総じて、SGLT2阻害薬は動脈硬化疾患既往例における心血管イベント抑制には効果が期待でき、とくに心不全や腎疾患例では動脈硬化疾患の有無にかかわらず、再入院予防や末期腎不全への進展予防に有用である可能性が示されている。 しかし半面、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化性疾患の既往のない例では、心血管イベントや心血管死の予防には有用性が認められないことも明らかにしている。 3つのトライアルには、以下のような違いがある。1.EMPA-REG試験は動脈硬化性疾患(脳卒中や虚血性心疾患)既往例が100%を占めているのに対して、DECLAREは40.6%にすぎない。このバックグラウンドの違いは結果に大きく影響している。2.そして、EMPA-REG試験では動脈硬化性疾患既往での心不全入院、心血管死予防における効果がDECLARE試験よりも2倍も大きい。3.EMPA-REG試験とCANVAS試験では動脈硬化疾患既往例のMACE(心筋梗塞、脳卒中、心血管死)予防効果は認められたのに対して、DECLARE試験では認められなかった。 上記3項目は各々の試験の対象バックグラウンドの違いと、後で述べる用量の違い*がこの結果に影響していると思われる。4.心不全入院、心血管死予防効果は、EMPA-REG試験では、心不全既往のない例で顕著だったが、心不全既往例では認められなかった。一方、DECLARE試験では心不全既往のあるなしにかかわらず予防効果はあってもわずかである。5.腎機能障害例での心不全入院予防効果はEMPA-REG試験とCANVAS試験では認められたが、DECLARE試験ではみられなかった。6.AMPUTATIONと骨折のリスク増加はCANVAS(カナグリフロジン)のみにみられ、他の2剤ではみられなかった。共通点1.動脈硬化疾患既往を有さない2型糖尿病では、いずれの薬剤もMACEの予防効果や心不全入院、心血管死の抑制効果はなかった。つまり再発予防にのみ有用であって、脳卒中や心筋梗塞既往のない例でのMACE予防にはあまり効果は期待できない。2.動脈硬化疾患既往例での腎機能悪化予防と腎臓死抑制効果は3剤とも非常に大きい。心不全入院予防と腎不全悪化予防効果は、心不全や腎不全の既往にかかわらず3剤とも認められる傾向がある。3.心不全入院、腎不全の悪化予防効果の機序としては、HbA1c低下作用は、いずれのSGLT2阻害薬もプラセボ群との間の差が0.4~0.6%にすぎないことから、血糖抑制作用よりも、SGLT2阻害薬が有するナトリウム利尿作用が大きく関与していると思われる。まとめ SGLT2阻害薬は動脈硬化性疾患既往例では、心不全入院と心血管死の予防効果とMACEの発症予防に対して有用性は期待できるが、すべての試験が日本での適用用量でのエビデンスではない。 動脈硬化性疾患既往のない高リスクだけの2型糖尿病例では、有用性は期待できない。このことは、動脈硬化性疾患既往歴が半数以下しか含まれていないDECLARE試験では、MACE予防効果は認められず、心不全入院や心血管死の予防効果も軽度にとどまることから明らかである。*用量についての補足説明 CANVAS試験で用いられた薬剤用量が、わが国の最大適用用量をかなり上回っていることは注意すべきである。すなわち、CANVAS試験ではカナグリフロジン300mg/日まで用いられており、日本で保険収載の最大用量(100mg)を大幅に超えている。

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急性期の軽症脳梗塞と高リスクTIAに対するクロピドグレルとアスピリンの併用療法はいつまで続けるか?(解説:内山真一郎氏)-990

 軽症脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)は重症脳梗塞を含む心血管イベントを続発する危険性が大きい。これらの患者では抗血小板療法の有効性が証明されているが、多くのガイドラインではアスピリンの単剤療法を推奨している。中国で行われたCHANCE試験ではクロピドグレルとアスピリンの併用療法がアスピリンの単剤療法より優れていることが示された。また、欧米で行われたPOINT試験でも、この併用療法が単剤療法より脳梗塞再発予防に優れていたが、出血も増加した。本研究では、これら2件の二重盲検比較試験とこれら以前に行われたFASTER試験で同定された1万447例のデータを対象にメタ解析を行った。 発症後24時間以内に開始されたクロピドグレルとアスピリンの併用療法は、アスピリン単剤療法に比べて非致死的脳卒中の再発が有意に少なかった(相対リスク:0.70、95%信頼区間:0.61~0.80)が、中等度から高度の頭蓋外出血も増加傾向を認めた(相対リスク:1.71、95%信頼区間:0.92~3.20)。大多数の脳卒中累積発症曲線の2群間の乖離は10~21日までに生じていた。これらの結果より、抗血小板薬2剤併用療法の効果を最大化し、出血を最小化する継続期間は21日以内であり、最短10日からであるといえそうだ。 ただし、日本人にはCHANCE試験のサブ解析で示されたように、クロピドグレル抵抗性の機能喪失アレルを有する遺伝子多型が欧米人より多く、抗血小板薬の選択肢としてシロスタゾールもあるので、抗血小板薬の最適な組み合わせについてはさらに検討が必要であろう。

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【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(5)

「わずかn=61で有意差が出るとは。信じられなかった」。JCHO東京新宿メディカルセンター 脳神経外科 主任部長 今井 英明氏のこの一言でインタビューは始まった。慢性期の外傷性脳損傷(TBI)患者に対する第II相STEMTRA試験で、骨髄由来の間葉系幹細胞から作成した再生細胞薬であるSB623が、運動機能改善に有意な改善を示した。この試験結果がどのようなことを意味するのか、試験開始時からこの治験に関わる今井氏に聞いた。頭部外傷後遺症の問題解決は世の中の要請わが国の慢性期TBIの状況、問題点はどのようなものでしょうか。わが国の頭部外傷受傷者は年間4万人、その3割は退院時に重度障害を後遺していると推測されます。片麻痺、高次脳機能障害、重症の場合は寝たきりとなりますが、慢性期の治療薬はなく、リハビリによる運動機能改善しか手段がありません。とはいえ、わが国では、リハビリテーションをいつまでも受けられるわけではなく、施設や自宅で無治療のまま過ごしている患者さんも少なくないと考えられます。この治験の開始がマスコミで取り上げられた途端に、脳梗塞などの後遺症で苦しむ全国の患者さんからの問い合わせが引きも切らなくなりました。後遺症に苦しむ患者さんがどれだけ多く、これは世の中の要請であると実感しました。この厳しい状況の試験でポジティブな結果が出たのは脅威STEMTRA試験の概要は?STEMTRA試験は、慢性のTBI患者に対するSB623細胞の効果と安全性を評価するため日米で行われた第II相試験です。世界27施設、そのうち日本では5施設で実施され、最終的には世界で61例が登録されました。試験は二重盲検で、定位脳手術でSB623を投与する実薬群に加え、対照群として偽手術群を設定しているエビデンスレベルの高い試験です。わが国では、当時私が在籍していた東京大学において1例目の手術を実施しました。この試験のプロトコールは非常に厳密です。また、盲検性の維持も非常に厳密で、手術に関わる治療者(脳外科医)と評価者は別人です。つまり、患者だけでなく評価者も割り付けを知らず、評価にバイアスがかからない状況なのです。この試験の結果には、どのような意義があるのでしょうか。この試験では、適格基準の範囲内であるものの、傷害部位や重症度なども多様であり、薬の投与部位も治験担当医の裁量に任されている多様性のある集団です。均一なかつ多数の対象でやっても結果が出ない試験が多い中、このようなばらつきの大きい集団で、かつn数の少ない試験で統計学的に有意な結果はまず出ないだろうと、当初は主張していました。しかし、ご存じのとおり、試験結果は有意にポジティブでした。わずか61のn数で、しかもヘテロな集団で有意差が出たのは、驚くべきことです。この厳しい状況を凌駕するほどのパワーが出たということで、夢のようなことが起きたと考えています。STEMTRA試験の概要運動機能障害を伴う慢性期の外傷性脳損傷患者に対するSB623細胞の効果を評価する日米第II相プラセボ対照二重盲検比較試験。対象:受傷後1年以上経過した運動障害を有する外傷性脳損傷患者。GOS-E(The Extended Glasgow Outcome Scale[拡張グラスゴー転帰尺度])3~6(中等度~重度障害)など。試験薬:SB623(それぞれ、2.5×106、5.0×106、10.0×106)を定位脳手術で投与対照:偽手術主要有効性評価項目:Fugl-Meyer Motor Scale4群(偽手術群、SB623 2.5×106群、SB623 5.0×106群、SB623 10.0×106群)に1:1:1:1で無作為割り付け。投与部位と刺入経路は治験担当医の裁量で、運動神経経路の損傷部位に最も近い投与部位を選択。主要有効性評価項目結果:24週時点のFugl-Meyer Motor Scaleのベースラインからの改善量は、SB623投与群の8.7点、コントロール群2.4点で、SB623群で統計学的有意に改善。SB623治療群ではFugl-Meyer Motor Scaleが8.7点改善していますが、どの程度のものなのでしょうか。ワンランク改善するという感覚です。たとえば、車いすでの生活がギリギリできる患者さんが、なんとか杖で歩行可能になる。ドラマのような劇的な変化とは言えませんが、自然経過の中では改善は望めない患者さんに対しての結果であり、患者さんにとっては非常に大きな改善だと言えます。どのようなメカニズムでこの改善効果が表れるのでしょうか。運動機能障害があるということは、運動野の細胞体から伸びる軸索の束、錐体路などと言いますが、そこが傷害されていることです。傷害があった軸索を目標にSB623細胞を移植するのですが、切断された軸索がつながるとは考えられません。あくまで推測ですが、非臨床試験の結果などから考えると、移植細胞が新たな構造を作るのではなく、この細胞から栄養因子(サイトカイン)が分泌され、傷ついた細胞を修復し機能を改善することで、電気信号が正確に筋肉に伝達されるようになった可能性があります。患者さんが「希望を持って生きる」が現実にSTEMTRA試験の結果から、TBIに対する細胞治療は実現に近づいたといえますか。SB623は他家移植細胞なので、ストックして必要時にいつでも使えます。他家移植で問題となる免疫応答もほとんどなく、免疫抑制剤を使用する必要がありません。また、安全性も高く、細胞による副作用も認められていません。今回、バイアスがかからない状況での試験でポジティブな結果が出たという事実は誰も否定できないことだと思います。今後、条件付承認を経て、その後リアルワールドで評価される日も遠くはないでしょう。夢のようなことが現実に迫っていると思います。慢性期TBIをはじめ、脳神経分野の細胞治療には、どのような可能性があるでしょうか。慢性期TBIに関しては、今後の解析から、SB623に対して、効果のある人、効果のある投与部位などが明らかになってくると思います。今回は運動機能の改善を評価していますが、それと連動して、知的機能も上がっていくことが考えられ、高次脳機能障害への発展も十分ありえると思います。また、TBIだけでなく、脳梗塞、脳出血への応用も可能だと思います。大脳白質の軸索障害という病態と考えると、これらの疾患の病態生理に違いはありません。今回のSTEMTRA試験の対象は外傷性ですが、外傷による軸索切断よりむしろ、外傷による血腫で圧迫された虚血傷害の患者さんがほとんどでした。今回の治験で、患者さんが“希望を持って生きる”ということが最も重要だということを勉強させていただきました。今回のこの厳密な第II相試験でのポジティブな結果は、現在の医学では現状維持が精一杯という患者さんにとって、明らかに福音となるのでしょう。“希望を持って生きる”ということが、現実味を帯びてきたと言えます。

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製薬会社からのボールペン、カレンダーの提供がついに世界的に禁止へ【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第16回

この年末年始に「あれ? カレンダーの数が少ないかも?」と思った薬剤師さんもいるのではないでしょうか。これまでは製薬会社のMRさんが年末や新年のあいさつに来られたときに、カレンダーや手帳などを持ってきてくれることが多くありましたが、2019年1月1日より、製薬会社のプロモーションに関連するルールが変更になり、今後はもらえなくなります。医療用医薬品のプロモーション活動に関する行動基準を示した日本製薬工業協会(製薬協)の「コード・オブ・プラクティス(COP)」の改定版が来年(編集部注:2019年)1月に施行される。(中略)会員企業はCOPを参考にして自社の基準を見直すことになる。今回の見直しで加盟会社は、来年1月以降はカレンダーや付箋紙、マウスパッドなどを医療機関に配れなくなる。(2018年12月19日付 日刊薬業)このコード・オブ・プラクティス(COP)の改定版は年明けからの施行でしたので、年内の配布は制限されていませんでした。しかし、年明けから配布禁止になるとわかっていたため、カレンダーの作製自体をやめた製薬会社もあったと聞きます。これはカレンダーだけでなく、ペン、メモ帳や付箋などでも同様です。すでに製薬協が加盟する国際製薬団体連合会のCOPが見直されており、製薬協のCOPもこれに合わせたということですので、このような医療者への物品提供の禁止は世界的な流れであると言えます。なお、これまで「国民的、文化的または宗教的な行事における贈り物の習慣」として除外されていた香典や供花、月餅の例外規定も今回の改定で削除されています。カレンダーやボールペンがもらえなくなる! ということだけでなく、このルールがどのようなもので、なぜ作られたのか、ということを知ることが大事だと思っていますので、背景を振り返りたいと思います。説明会時のペンやメモの配布は可能COPとは、医療用医薬品のプロモーションのあり方を定めたもので、会員会社である製薬会社のすべての役員・従業員が医療関係者や研究者、患者団体を含めた外部の関係者と接する際の行動基準です。かつては、医薬品購入時にキャッシュバックが行われたり、100錠の注文に100錠をサービスしたりする、というような過剰なサービスがありました。事実上の値引きや付加価値をつけることによって不当な購入を誘引することは問題ですよね。最近ではここまでひどいことは耳にしなくなりましたが、職場で使用するような販促物品や少額物品の提供は許容されていました。今回の改定により、付箋やボールペン、カレンダー、ティッシュなどの販促物品や贈り物の医療者への提供が禁止されますが、製薬会社が開催する説明会や研究会で、メモを取る目的でボールペンやメモ帳を渡すことは今後も可能です。血圧手帳などを製薬会社からもらっている薬局も多いと思いますが、これらも配布を継続できますが、製品名の記載は原則できません。これらの基準は一般的なものですので、外資系企業を中心に、企業によってはもっと厳しい自主ルールを規定するところもあると聞きます。これら規定の対象は主に製薬会社であり、医療者はこれらに拘束されるわけではありませんが、サービスの請求はMRさんに規約違反をさせることになったり、医療業界の信用を失墜させたりする可能性があることを知っておく必要があると思います。MRさんからもらったペンやメモ帳を主に使っている、という方もいると思いますが、自分の身に着けるものを厳選する、というのも作業効率化や自己演出にいいなぁと思っています。私は小児科の処方箋を受ける薬局で勤務していたとき、人気のあるキャラクターがバタバタ動くボールペンでお子さんの興味をよく引いていて、とても役に立っていました。新しい年に心機一転、自身や薬局で使用する物を見直してみてはいかがでしょうか。

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仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連

 ストレスを伴う仕事とベンゾジアゼピン長期使用との関連について、フランス・パリ第5大学のGuillaume Airagnes氏らが調査を行った。American Journal of Public Health誌オンライン版2018年11月29日号の報告。 フランスの人口ベースCONSTANCESコホートへ2012~16年に参加した男性1万3,934例、女性1万9,261例を対象に、日々の仕事を調査し、ストレス頻度の評価を行った。ベンゾジアゼピン長期使用は、drug reimbursement administrativeレジストリを用いて検討を行った。ベンゾジアゼピン長期使用のオッズ比(OR)の算出には、性別で層別化し、年齢、教育、地理的剥奪指標(area deprivation index)で調整し、ロジスティック回帰を行った。職業グレード、職場ストレス、うつ病、健康状態自己評価、アルコール使用障害を、追加の層別化変数とした。 主な結果は以下のとおり。・ベンゾジアゼピン長期使用は、ストレス曝露と正の相関が認められた。高ストレス群(しばしば/いつも)vs.低ストレス群(まれに/まったく)のORは、男性で2.2(95%信頼区間[CI]:1.8~2.8)、女性で1.6(95%CI:1.4~1.9)であり、用量依存性が認められた(傾向p<0.001)。・調整後や他の個人的または環境的脆弱性因子を有さないサブグループ解析においても、同様の結果が得られた。 著者らは「ストレスの多い仕事は、ベンゾジアゼピン長期使用リスクを高める。ベンゾジアゼピン長期使用による負荷の低減を目的とした予防プログラムは、このような特定集団において有益であろう」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリはストレスやうつ病に対する朝食の質の重要性

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加齢黄斑変性、酸化LDLと関連なし

 血清中の酸化低密度リポタンパク質(酸化LDL)は、加齢黄斑変性(AMD)の発症または悪化において統計学的に有意な関連は認められないことが示された。米国・ウィスコンシン大学マディソン校のRonald Klein氏らが、ビーバーダム眼研究(BDES:Beaver Dam Eye Study)のデータを解析、報告した。Ophthalmology誌オンライン版2018年12月17日号掲載の報告。 BDESは、1988年にウィスコンシン州ビーバーダム市在住の43~84歳の住民を対象とする前向き観察研究として開始された。研究グループは、血清中の酸化LDLとAMDとの関連を調べる目的で、BDESにおいて1988~2016年に約5年間隔で行われた6回の調査期のうち1回以上の調査期に診察を受けた4,972例から、50%(2,468例)を無作為に抽出し、各調査期に保管された凍結検体についてELISA法を用いて酸化LDLを測定した。1人が複数回の調査期に診察を受けているため、合計6,586件の結果が含まれている。 AMDはWisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemにより評価し、重症度を5段階に分類して調査した。あらゆるAMDや後期AMDの発生率、および25年にわたるAMDの悪化・改善など、AMDの推移と酸化LDLとの関連を、Multi-State Markov(MSM)modelを用いて同時解析した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける酸化LDL値(平均±SD)は、75.3±23.1U/Lであった。・年齢、性別、ARMS2と補体H因子(CFH)の対立遺伝子、および調査期で補正すると、調査期間初期の酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率において統計学的に有意な関連は認められなかった(酸化LDL 10U/L当たりのハザード比[HR]:1.03、95%信頼区間[CI]:0.98~1.09)。・酸化LDLは単独で、AMD重症度の悪化や、後期AMDの発生率とも関連を認めなかった。・スタチン使用歴、喫煙状況、BMIおよび心血管疾患既往歴に関して補正後も、酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率あるいはAMDの悪化と関連を認めないままだった。

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肥大型閉塞性心筋症へのアルコール中隔アブレーションの長期成績【Dr.河田pick up】

アルコールによる中隔アブレーションは安全か? 症候性の肥大型閉塞性心筋症(HOCM)患者に対する非薬物療法としては、外科的中隔心筋切除術とアルコールによる中隔アブレーション(経皮的中隔心筋焼灼術;PTSMA)が挙げられる。外科的中隔心筋切除術はPTSMAに比べて成功率が高く、効果が現れるのも早い。一方PTSMAは開心術に比べると低侵襲ではあるが、冠動脈解離、房室ブロックや心室性不整脈を起こす可能性があり、若年者では外科的中隔心筋切除術のほうが好まれる。しかしながら、PTSMA後の長期的な効果や成績に関する報告は少ない。症例数が豊富なドイツのグループから、PTSMA後の長期成績が報告された。Angelika Batzner氏らによるJournal of American College of Cardiology誌12月号掲載の報告。 HOCM患者において、アルコールによる中隔心筋の梗塞が、心疾患による死亡を増やすのではないかと議論されてきた。この研究は、HOCM患者に対してエコーガイド下で行われたPTSMAの長期成績を明らかにする目的で行われた。対象は952例のHOCM患者、大半がNYHAクラスIII~IV 2000年5月から2017年6月までに952例の患者(55.7±14.9歳、男性:59.2%、NYHAクラス III~IV:73.3%、失神:50.3%、突然死の家族歴:10.3%)に対してPTSMAが行われた。臨床症状のフォローが全症例で行われ、平均フォローアップ期間は6.0±5.0年であった。5年後の生存率95.8%、心臓関連イベント非発生率は98.9% 平均で2.1±0.4ccのアルコールが注入され、クレアチニンキナーゼ(CK)の最高値は872±489U/Lであった。2例(0.2%)が術後3日後と33日後に死亡した。100例(10.5%)の患者でペースメーカーが植め込まれた。急性期エコーでの圧格差は、安静時で63.9±38.2 mmHgから33.6±29.8mmHgに減少し、バルサルバ法施行時には104.6±44.0mmHgから56.5±41.0mmHgへ減少した(いずれもp

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脳梗塞/TIAへのクロピドグレル併用、ベストな投与期間は/BMJ

 高リスク一過性脳虚血発作(TIA)または軽症虚血性脳卒中の発症後24時間以内のクロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法は、1,000人当たりおよそ20人の脳卒中再発を予防できることが示された。また、2剤併用投与の中断は、21日以内に行い、できれば10日以内に行うのが、最大のベネフィットを享受かつ有害性を最小とできることも示唆されたという。中国・四川大学のQiukui Hao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で、BMJ誌2018年12月18日号で発表された。最新のシステマティックレビューとメタ解析で検討 急性虚血性脳卒中およびTIAに対して、現行ガイドラインでは抗血小板療法が推奨されているが、同時にそれらのガイドラインでは概して単剤療法(最も多いのがアスピリン)が強く推奨されている。研究グループは、無作為化プラセボ対照試験のシステマティックレビューとメタ解析のアップデートを行い、クロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法の血栓症および出血の再発予防に関する有効性および安全性を、アスピリン単剤療法と比較評価した。 Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Library、ClinicalTrials.gov、WHO website、PsycINFOおよび灰色文献(grey literature)を、2018年7月4日時点で検索。2人のレビュワーがそれぞれ、事前規定の選択基準に従い適格試験をスクリーニングし、修正版Cochrane risk of bias toolを用いてバイアスリスクを評価した。また、第三者チームメンバーが、すべての最終判断をレビューし、意見の相違点は話し合いにより解決した。試験報告で重要と思われたデータが省略されていた場合は、著者に問い合わせて説明と追加情報の提供を受けた。解析にはReview Manager 5.3を、エビデンスの質の評価にはGRADE法をベースとするMAGICappを用いた。脳卒中再発は治療開始後10日以内、21日以降の投与にベネフィットなし 検索により、3試験(参加者1万447例)が特定された。 症状発症後24時間以内に開始した抗血小板薬2剤併用療法は、アスピリン単剤療法と比較して、非致死的脳卒中の再発が減少し(相対リスク:0.70、95%信頼区間[CI]:0.61~0.80、I2=0%、絶対リスク減少:1.9%、エビデンスの質は高)、全死因死亡への明らかな影響は認められなかったが(1.27、0.73~2.23、I2=0%、エビデンスの質は中)、中等度~重度の頭蓋外出血は増大する恐れがあった(1.71、0.92~3.20、I2=32%、絶対リスク増加:0.2%、エビデンスの質は中)。 脳卒中イベントの発生曲線(incidence curve)の評価から、大半のイベントは無作為化後10日以内に発生しており、その間に両療法間の発生率の乖離が認められるも、21日以降は発生率に変化はなく、あらゆるベネフィットが得られそうもなかった。

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第10回 初心忘るべからず~心電図に先入観は禁物~【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第10回:初心忘るべからず~心電図に先入観は禁物~新年、明けましておめでとうございます。2019年が皆さまにとって素敵な1年になるといいですね。おかげさまで、本連載も10回目を迎えることができ、今後ますます、心電図に関するわかりやすく有益な情報発信をしてゆく所存です。さて、新年一発目は初心にかえるべく大事な症例を扱いましょう。症例提示67歳、男性。糖尿病、高血圧で治療中。10年前に冠動脈インターベンション(PCI)実施の既往あり。4ヵ月前にも急性冠症候群(ACS:Acute Coronary Syndrome)で入院し、再狭窄(ステント内高度狭窄病変)の治療がなされていた。1ヵ月前から明け方の胸部不快・倦怠感が出現し、2週間前に救急外来を受診。諸検査結果から“帰宅可”とされた。今回は定期外来で受診し、以下のように症状を訴え、緊急入院となった。『今朝もまた調子が悪かったです。こないだ救急で来たときは大丈夫って言われました。前回の狭心症の時より軽いような気がするんですけど、なーんかやっぱり変なんです』定期外来時(図1)および救急外来時(図2)の心電図を以下に示す。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する(図2)救急外来時の心電図(2週間前)画像を拡大する【問題1】外来時の心電図(図1)の所見として正しくないものを2つ選べ。1)心室期外収縮2)心房細動3)ST低下4)異常Q波5)房室ブロック解答はこちら2)、4)解説はこちら1)×:肢誘導3拍目はワイドで洞周期のタイミングよりも早期に出ており、「心室期外収縮(PVC)」で間違いありません2)○:自動診断下部のコメントを見ると「心房細動が疑われます」となっていますね。でもこれは誤り。“悪魔のささやき”です(笑)。期外収縮の部分を除いてR-R間隔も整で、特徴的なf波(細動波)もありません(第4回)3)×:目を皿のようにして眺めると、I、II、そしてV2~V6誘導で「ST低下」があります。しかも、心筋虚血ありの時に多い“悪性”な「水平型」のようです4)○:aVR誘導を除き、最初に陰性に振れているQRS波はどこにもありません5)×:自動診断の「房室ブロックII度(Mobitz)」は×ですが、選択肢の「房室ブロック」は正しいです。これが最初から一人で見抜けたのなら、今回ボクから学ぶことはあまりないかも!?お決まりの読み“型”を思い出せ!さぁ、2019年はじめの症例は、冠危険因子リッチで、実際に心カテ治療歴もある男性です。ただ、今回は循環器外来での一場面。4ヵ月前に緊急PCIをされた時とは性状が少し違う、弱い胸部症状を訴えています。まずは、心電図(図1)を系統的な読み“型”(第1回)で判断すると、R-R間隔は不整、心拍数は期外収縮がない右側(胸部誘導)に対して検脈法を用いると48/分ですし、また、全体の10秒間の記録からは60/分(QRS波が10個)と算出できます(第3回)。ちなみに、どうしても最初に自動診断に目がいく人! それ自体は別に構いませんが、できれば自分で系統的な読みをした上での“たしかめ”に活用するほうが良いでしょう。次に、“ピッタリ”のP波はカタチがやや気になりますが、「向き」的には洞調律ですかね(第2回)。以下“クルッとスタート バランスよし!”でひっかかるのは、“スター”部分のST変化。なんだかST低下がありそうです。ここで、なーんかオカシイナと思ったら…過去の心電図との比較が重要です。この人の場合、2週間前にも同じような症状で救急受診しているので、その際の心電図(図2)と比べてみます。冠動脈疾患の既往がガッツリある人なので、どうしてもST変化に目がいってしまうのは医師の“性”でしょうか。現場では2枚の心電図を横に並べて、どこが変化したのかを見るのでしょう(そんなクイズも世間にありますね)。すると新規にST低下が出現しており、しかも虚血性ST変化としては“ホンモノ”を示唆することが多い「水平型」ではないですか! 左室肥大で見られるV5・V6誘導でのQRS高電位所見を伴わないST低下であることも重要だとボクは考えます。つまり、 このST変化は左室肥大では説明できないわけです。また、ST変化以外に今回問題となるのは、自動診断でも挙げられている「房室ブロック」です。細かく言うと「房室ブロックII度(Mobitz)」なので間違いもありますが、心電計がP波をきちんと認識できているということですから、ある意味スゴいです。これらの問題点を踏まえて次の問題をどうぞ。【問題2】心筋トロポニン、CK・CK-MBの上昇はなく、心エコーでの左室壁運動異常もなかった。以上のことからどんな病態を想定し、どうマネジメントするか?解答はこちら病態の想定:ACSや有症候性徐脈(房室ブロック)、冠攣縮性狭心症などマネジメント:冠動脈造影、房室ブロックの精査・加療を行う解説はこちらこの問題は、今回ボクが最も伝えたいことに関係します。この方は採血や心エコーでの異常はないようです。でも、濃厚な狭心症治療歴、加えて新出のST変化、とくに水平型ST低下ですから、冠動脈病変、なかでもACS再発を第一に疑うこと自体は悪くありません。“早朝だけ”のようなキーワードから「冠攣縮性狭心症」を思い浮かべた人もセンス良しです。また、既往にも以前の心電図にもない「房室ブロック」が認められていますので、これに関連した胸部症状ではないかどうかも疑うべきです。マネジメントとしては…狭心症を疑い、冠動脈造影を実施。また、房室ブロックについても精査する必要がありますね。実際、この方は「不安定狭心症(急性冠症候群)」の疑いで緊急入院となりました。これはGood-Jobだったのですが、まずかったのは、“その他”の選択肢を考えるのをやめてしまったこと。心臓カテーテル検査を行って冠動脈狭窄(動脈硬化症)や冠攣縮を評価し、場合によっては血行再建治療をすると同時に、もう一つの大きな異常である「房室ブロック」への対処も想定してこそデキるドクターです。徐脈に関連した症状や心不全徴候ありと考えればペースメーカー植え込みの適応がありますし、その前に一時ペーシングを行う必要性はありませんか…?ST部分にばかり気をとられて、心電図から「房室ブロック」を指摘できない人は、その先に進みようがありません。ST変化のほかに不整脈もあるぞ!病歴や背景因子からして、患者さんの胸部症状の原因として、冠動脈疾患(虚血性心疾患)を疑うのは定石ですし、できて当然だと思います。この方は左冠(状)動脈(前下行枝)に治療歴があり、心電図(図1)をよく見るとaVR誘導でST上昇もあるので、『かなり上流でのヤバイ病変なのでは…』と、とらえる人もいるかもしれません。もちろん、悪くないでしょう。同日に入院後、“準緊急”でなされた冠動脈造影では、ステント狭窄やほかの新規病変もありませんでした。そのためか、この時点で担当医は、心電図(図1)に心室期外収縮以外の大事な不整脈があるということを完全に見落とし、安心しきってしまいました。たしかに、心拍数もメチャクチャ遅いわけでもない、期外収縮もある、「心拍数62/分」と表示されていた…そのため「徐脈性不整脈」の存在と影響を頭に思い描くことができなかったのでしょう。ここで、心電図(図1)より抜粋したV1誘導(あるいは“僧帽性P”に見えるII誘導)を見て下さい(図3)。(図3)心電図(図1)よりV1誘導のみ抜粋画像を拡大する左から奇数個目のP波はブロックされており、QRS波は続きません。つまり、2:1房室ブロックと診断できるんです。自動診断の言う「II度(Mobitz)」ではなく、「2:1房室ブロック」。これが正しい心電図診断です。「2:1」というのは、“つながる”(房室伝導できる)と“落ちる”(房室伝導できずにQRS波が脱落する)が交互にくるという意味です。担当医はまず、2週間前の心電図(図2)のV1誘導と比べて、明らかにT波のカタチが変わっている(おかしい)ことに気づくべき(クルッ“ト”チェックの時点でね)。図中の矢印はP波ですよ! QRS波の直前にコンスタントにあるP波とまったく同じ波形がT波終末部に重なっているのです。このようにV1誘導のP波は、“2相性”であるなど目立つ形状のことも少なくありません。なので、P波の認識が外せない不整脈解析において、ほかよりもV1誘導が不整脈を読み解くのに適している理由の一つなんです。心電図のメッセージは漏れなく受信したい実際のカルテには「洞調律、以前にないST低下」という記載のみで、カテの翌日に退院可とされていました。サマリーにも房室ブロックに関する言及はありませんでした。この房室ブロックは間欠的(一過性)だったため、めまいやふらつき、息切れなどの典型的な徐脈症状もこの患者さんにはありませんでした(その後しばらく外来心電図でも房室ブロックなし)。そのためか、退院後も不定期に続く類似の訴えが問題提起されませんでした(外来担当医には“真実”が見えてなかったためでしょう)。そして緊急入院から半年以上も後のこと。患者さんは『以前は、時折、朝だけ出現していた症状が、最近は1日中になって身体全体が重くてだるい』と訴えて、再び救急受診することになります。この時に担当した別の医師は、「2:1房室ブロック」に気づき、最終的にペースメーカー植え込みがされました。幸い、術後は胸部症状と倦怠感が完全に消失(主訴が房室ブロックによるものであることを示唆しています)したそうです。めでたし、めでたし。ちなみに、心電図(図1)で認められたST低下についてはどうでしょう?血行再建を要するほどではない狭窄が数カ所あり、それが房室ブロックに伴う徐拍化で相対的に心筋虚血を生じた可能性などを考えますが、正確な機序に関しては難しいように思います。最後に述懐。当初、入院担当医、そして心カテも含め指導した上級医(外来医)は共に循環器医でした。彼らを笑う、あるいは責めたところで、何も問題は解決しませんし、ボクが最も嫌いなことです。むしろ“人の振り見て我が振り直せ”。先入観は時に“プロ”であっても盲目にさせるもの。担当者が心電図の放つメッセージをすべて受信できていたら、今回のようなジャッジには絶対ならなかったはずですし、どんな立場の医師であろうと、患者さん本人や家族にとっては“ヤブ医者”と感じるかもしれません。でも、もし半年前にペースメーカーを入れてあげられていたら、患者さんをもっと早く快適にできたわけですし、もしも「冠動脈狭窄なし=冠攣縮」のような短絡的思考でジルチアゼムなどを処方していたら、医原性に完全房室ブロックを作っていた可能性もあります。すべてがすべて、心電図の“読み落とし”に起因する結果と考えられませんか…?もちろん仮定の話で、悲観しすぎかもしれませんが。『この患者さんは“冠疾患の人”だから…』だと決めつけて、心電図でST変化だけしか見ない医師に“正解”は見えません。心電図を読む時は、まず先入観なく真っ白な気持ちで読むのです。その上で所見を解釈し、行動に移す段階で患者背景などの追加情報を乗せるのが正しい“順序”なのです。過剰な先入観の怖さ、そして系統的な心電図判読の重要さ…それを本症例が教えてくれている気がします。サン=テグジュペリの星の王子さまは、「大切なものは目に見えない」と言いました。ただ、心電図の場合には少し違います。すべて“見えてる”んです。でも、読む側の頭と心とが整わないと消えてしまうだけ。「心電図は漏れなく系統的に読むぞ!」皆さんが新年にDr.ヒロと改めてそう誓ってくれることを祈りたいと思います。Take-home Message1)「異常かな?」と思う所見があったら、必ず過去の心電図と比較せよ!2)強すぎる先入観は、心電図を読む上では障害! まずは頭を“真っ白”にして読もう3)不整脈解析にはV1誘導が最適な判断材料となることが多い【古都のこと~下鴨神社~】ボクの初詣といえば下鴨神社。この名前、実は通称で、本当は賀茂御祖(かもみおや)神社と言うそうです。1994年(平成6年)、世界遺産に登録されたこともあり、今年も全国からの参拝客で大賑わいでした(写真は早朝に撮影)。ボクの元日は家族とともにご祈祷を受けることから始まるのですが、このご祈祷、国宝の本殿に通されてさい銭を投げる参拝客の真ん前で執り行われるのです。そんな気恥ずかしさや足に心地よい玉砂利の感覚を味わうのが、ここ数年恒例の醍醐味なのです。

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第20回 病院薬剤師は地域包括ケアに関係ないなんて大間違い!【週刊・川添ラヂオ】

動画解説病院薬剤師は地域包括ケアにあまり関係ないなんて大間違い。入退院のタイミングでも地域包括ケアについて考えることはたくさんあります。まず入院時の持参薬チェックでは、お薬手帳の重要性を再確認するはずです。そして退院時には、今後どのような支援が必要になるのかを考えなければなりません。患者さんが入院時も退院後もスムーズな治療が受けられるよう、病院外の他職種との連携を深めましょう!

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高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランス

 うつ病は高齢者において多く認められ、その治療にあたっては、抗うつ薬が一般的に使用される。オランダ・フローニンゲン大学のFloor Holvast氏らは、プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスについて調査を行った。Family Practice誌オンライン版2018年11月5日号の報告。 オランダの保健サービス研究機関(Netherlands Institute for Health Services Research:NIVEL)プライマリケアデータベースより、2012年のうつ病と診断された60歳以上の患者を抽出した。初回投与から14日以内に服薬していない場合を「非開始(non-initiation)」、投与量のカバー率が80%未満の場合を「投与量非遵守(suboptimal implementation)」、初回投与から294日以内に中止していた場合を「非持続(non-persistence)」と定義した。初めに、抗うつ薬の非開始、投与量非遵守、非持続の割合を調査した。次いで、共存疾患および慢性的な薬物使用がノンアドヒアランスと関連しているかを、非開始および投与量非遵守を従属変数とした混合効果ロジスティック回帰分析、時間と非持続についてのクラスターCox回帰分析で検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・それぞれの割合は、非開始が13.5%、投与量非遵守が15.2%、非持続が37.1%であった。・慢性的に使用されている薬剤数が増加すると、投与量非遵守(オッズ比:0.89、95%信頼区間[CI]:0.83~0.95)および非持続(ハザード比:0.87、95%CI:0.82~0.92)の割合が減少した。 著者らは「プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスは、低いことが確認された。患者が多くの薬剤を服薬することに慣れている場合には、服薬アドヒアランスは良好であったが、これは部分的な影響であり、あくまで服薬アドヒアランスが低いことに注意を払う必要がある。抗うつ薬による最適な治療期間の遵守が重要であることを強調することが、アドヒアランスを改善するための第1歩かもしれない」としている。■関連記事高齢者うつ病に対する薬物療法の進歩抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか錠剤埋め込み型服薬管理システムは、安全なのか

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ソラフェニブが進行・難治性デスモイド腫瘍に高い有効性/NEJM

 進行性、再発性または症候性のデスモイド腫瘍の患者において、ソラフェニブは無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、持続性の奏効をもたらすことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのMrinal M. Gounder氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年12月20日号に掲載された。デスモイド腫瘍(侵襲性線維腫症とも呼ばれる)は、あらゆる解剖学的部位に発生し、腸間膜、神経血管構造、臓器に浸潤する可能性のある結合組織腫瘍であり、標準治療は確立されていない。ソラフェニブは、複数の標的を持つ受容体チロシンキナーゼ阻害薬であり、レトロスペクティブな解析では、デスモイド腫瘍に対し安全に投与可能であり、奏効率は25%と報告されている。PFSをプラセボと比較する無作為化試験 本研究は、デスモイド腫瘍の治療におけるソラフェニブの有用性を評価する二重盲検無作為化第III相試験(米国国立がん研究所[NCI]などの助成による)。対象は、年齢18歳以上、組織学的にデスモイド腫瘍(侵襲性線維腫症)が確認され、進行性病変、切除不能または拡大手術を要する再発または原発病変、症候性病変を有する患者であった。 被験者は、ソラフェニブ(400mg錠剤、1日1回)を投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。病勢が進行したプラセボ群の患者は、ソラフェニブへのクロスオーバーが許容された。 主要エンドポイントは、試験担当医判定によるPFS期間(無作為割り付けから病勢進行または死亡までの期間)、副次エンドポイントには、客観的奏効率(ORR)および有害事象が含まれた。 2014年3月21日~2016年1月6日の期間に、米国の24施設に87例が登録され、ソラフェニブ群に50例、プラセボ群には37例が割り付けられた。病勢進行・死亡リスクが87%低減 ベースラインの全体の年齢中央値は37歳(IQR:28~50)、女性が69%であった。データカットオフ時にソラフェニブ群の19例(39%)が治療継続中であった。中間解析時に、データ安全性監視委員会により有効性の解析が要請され、試験は有効中止となった。フォローアップ期間中央値は27.2ヵ月(IQR:22.0~31.7)だった。 PFS期間中央値は、ソラフェニブ群が評価不能、プラセボ群は11.3ヵ月で、1年PFS率はそれぞれ89%、46%、2年PFS率は81%、36%であり、病勢進行または死亡のリスクがソラフェニブ群で87%低かった(ハザード比[HR]:0.13、95%信頼区間[CI]:0.05~0.31、p<0.001)。病勢進行は全体で28例(33%)に認められ、ソラフェニブ群が6例(12%)、プラセボ群は22例(63%)であった。 クロスオーバー前のORRは、ソラフェニブ群が33%(完全奏効1例、部分奏効15例)、プラセボ群は20%(部分奏効7例)であった。客観的奏効までの期間中央値は、ソラフェニブ群が9.6ヵ月(IQR:6.6~16.7)、プラセボ群は13.3ヵ月(11.2~31.1)であった。ソラフェニブ群の奏効例の多くで、奏効が持続した。 有害事象による投与中止はソラフェニブ群で多かった(20% vs.0%)。ソラフェニブ群で、用量減量の原因として最も多かった有害事象は皮膚障害であった。ソラフェニブ群でとくに多く報告された有害事象は、Grade1/2の発疹(73%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(69%)、疲労(67%)、高血圧(55%)、下痢(51%)であった。ソラフェニブ群の1例が疾患関連の腸管穿孔で死亡した(薬剤との関連はない)。 著者は、「予測可能な毒性作用プロファイルとPFSの大きな便益に基づくと、ソラフェニブは1次治療または後治療としての抗腫瘍活性を有する」としている。

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