サイト内検索|page:1016

検索結果 合計:36559件 表示位置:20301 - 20320

20301.

太田母斑のレーザー治療、ピコ秒アレキサンドライトが有用

 皮膚科のレーザー治療法では、技術の進展により種々のレーザー法が登場し、ナノ(1/10億)秒パルスのQスイッチレーザーに次いで、パルス幅の短いピコ(1/1兆)秒レーザーが臨床で用いられつつある。また、ピコ秒アレキサンドライトレーザー(PSAL)はさまざまな色素異常症に利用されているが、太田母斑についてQスイッチアレキサンドライトレーザー(QSAL)との直接比較データは限られている。中国・Peking Union Medical College(PUMC)& Chinese Academy of Medical Sciences(CAMS)のYiping Ge氏らは、無作為化試験を行い、PSALのほうが、臨床的アウトカムが良好で有害事象も少ないことを実証した。ただし、著者らは「客観的な評価およびアウトカムが不足している点で、結果は限定的」としている。Journal of American Academy of Dermatology誌オンライン版2019年3月15日号掲載の報告。 研究グループは、太田母斑の治療における、PSALとQSALの有効性と安全性について比較。試験登録された56例の病変部位を2つに分けて、それぞれPSAL群とQSAL群に無作為に割り付け、各病変に対し12週間ごとに最大6セッションの治療を行った。有効性と安全性は、フォローアップ時の視覚評価と自己報告に基づき判定した。 主な結果は以下のとおり。・PSAL群のほうが、クリアランスが有意に良好(4.53 vs.4.0)、治療セッションが少ない(5.26 vs.5.87)、重篤な痛みを伴わなかった(5.61 vs.6.40)。・患者の満足度は、PSAL群がQSAL群よりも高かった(4.5 vs.4.0)。・処置後の色素沈着症(26% vs.34%)やメラニン減少症(21% vs.47%)の発生率も、PSAL群がQSAL群よりも低率であった。

20302.

日本人の食事摂取基準2020年版、フレイルが追加/厚労省

 2019年3月22日、厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の報告書とりまとめを了承した。昨年4月より策定検討会にて議論が重ねられた今回の食事摂取基準は、2020年~2024年までの使用が予定されている。策定検討会の構成員には、日本糖尿病学会の理事を務める宇都宮 一典氏や日本腎臓学会理事長の柏原 直樹氏らが含まれている。日本人の食事摂取基準(2020年版)の主な改定ポイントは? 日本人の食事摂取基準(2020年版)の改定では、2015年版をベースとしつつ、『社会生活を営むために必要な機能の維持および向上』を策定方針とし、これまでの生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病)の重症化予防に加え、高齢者の低栄養・フレイル防止を視野に入れて検討がなされた。主な改定点として、・高齢者を65~74歳、75歳以上の2つに区分・生活習慣病における発症予防の観点からナトリウムの目標量引き下げ・重症化予防を目的としてナトリウム量やコレステロール量を新たに記載・フレイル予防の観点から高齢者のタンパク質の目標量を見直しなどが挙げられる。日本人の食事摂取基準(2020年版)、まずは総論を読むべし 報告書やガイドラインなどを活用する際には、まず、総論にしっかり目を通してから、各論や数値を理解することが求められる。しかし、メディアなどは総論を理解しないまま数値のみを抜粋して取り上げ、問題となることがしばしばあるという。これに対し、策定検討会のメンバーらは「各分野のポイントが総論だけに記載されていると、それが読まれずに数値のみが独り歩きし、歪んだ情報が流布されるのではないか」と懸念。これを受け、日本人の食事摂取基準(2020年版)の総論には、“同じ指標であっても、栄養素の間でその設定方法および活用方法が異なる場合があるので注意を要する”と記載し、総論以外にも各項目の目標量などがどのように概算されたのかがわかるように『各論』を設ける。メンバーらは「各指標の定義や注意点はすべて総論で述べられているため、これらを熟知したうえで各論を理解し、活用することが重要である」と、活用方法を強調した。 以下に日本人の食事摂取基準(2020年版)の各論で取り上げられる具体的な内容を抜粋する。タンパク質:高齢者におけるフレイルの発症予防を目的とした量を算定することは難しいため、少なくとも推奨量以上とし、高齢者については摂取実態とタンパク質の栄養素としての重要性を鑑みて、ほかの年齢区分よりも引き上げた。また、耐容上限量は、最も関連が深いと考えられる腎機能への影響を考慮すべきではあるが、基準を設定し得る明確な根拠となる報告が十分ではないことから、設定しなかった。脂質:コレステロールは、体内でも合成される。そのために目標量を設定することは難しいが、脂質異常症および循環器疾患予防の観点から過剰摂取とならないように算定が必要である。一方、脂質異常症の重症化予防の目的からは、200mg/日未満に留めることが望ましい。炭水化物:炭水化物の目標量は、炭水化物(とくに糖質)がエネルギー源として重要な役割を担っていることから、アルコールを含む合計量として、タンパク質および脂質の残余として目標量(範囲)を設定した。ただし、食物繊維の摂取量が少なくならないように、炭水化物の質に留意が必要である。脂溶性ビタミン:ビタミンDは、多くの日本人で欠乏または不足している可能性があるが、摂取量の日間変動が非常に大きく、摂取量の約8割が魚介類に由来し、日照でも産生されるという点で、必要量を算出するのが難しい。このため、ビタミンDの必要量として、アメリカ・カナダの食事摂取基準で示されている推奨量から日照による産生量を差し引いた上で、摂取実態を踏まえた目安量を設定した。ビタミンDは日照により産生されるため、フレイル予防を図る者を含めて全年齢区分を通じて可能な範囲内での適度な日照を心がけるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である。日本人の食事摂取基準(2020年版)改定の後には高齢化問題が深刻さを増す 日本では、2020年の栄養サミット(東京)開催を皮切りに、第22回国際栄養学会議(東京)や第8回アジア栄養士会議(横浜)などの国際的な栄養学会の開催が控えている。また、日本人の食事摂取基準(2020年版)改定の後には団塊世代が75歳以上になるなど、高齢化問題が深刻さを増していく。 このような背景を踏まえながら1年間にも及ぶ検討を振り返り、佐々木 敏氏(ワーキンググループ長、東京大学大学院医学系研究科教授)は、「理解なくして活用なし。つまり、どう活用するかではなく、どう理解するかのための普及教育が大事。食事摂取基準ばかりがほかの食事のガイドラインよりエビデンスレベルが上がると、使いづらくなるのではないか。そうならないためにも、ほかのレベルを上げて食事摂取基準との繋がり・連携を強化するのが次のステージ」とコメントした。また、摂取基準の利用拡大を求めた意見もみられ、「もっと疾患を広げるべき。次回の改定では、心不全やCOPDも栄養が大事な要素なので入れていったほうがいい。今回の改定では悪性腫瘍が入っていないが、がんとともに長生きする時代なので、実際の現場に合わせると病気を抱えている方を栄養の面でサポートすることも重要(名古屋大学大学院医学系研究科教授 葛谷 雅文氏)」、「保健指導の対象となる高血糖の方と糖尿病患者の食事療法のギャップが、少し埋まるのではと期待している。若年女性のやせ、骨粗鬆症も栄養が非常に影響する疾患なので、次の版では目を向けていけるといい(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授 勝川 史憲氏)」、など、期待や2025年以降の改定に対して思いを寄せた。座長の伊藤 貞嘉氏(東北大学大学院医学系研究科教授)は、「構成員のアクティブな発言によって良い会・良いものができた」と、安堵の表情を浮かべた。 なお、厚労省による報告書(案)については3月末、パブリックコメントは2019年度早期に公表を予定している。

20303.

アパルタミド、前立腺がんで国内承認/ヤンセン

 ヤンセンファーマ株式会社は、2019年3月26日、前立腺がん治療薬アパルタミド(商品名:アーリーダ)について、「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺」を効能・効果とする製造販売承認を取得したと発表。 遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん患者を対象に、アンドロゲン除去療法(ADT)・アパルタミド併用群(アパルタミド群)とADT・プラセボ群(プラセボ群)を比較した第III相臨床SPARTAN試験では、アパルタミド群の無転移生存期間(MFS)中央値40.51ヵ月に対、プラセボ群では15.70ヵ月、とアパルタミド群で有意に改善した(HR:0.297、95%CI:0.244~0.362、p<0.0001)。 アパルタミドは日本新薬株式会社とコ・プロモーションで情報提供並びに情報収集を実施する。 SPARTAN試験結果は2018年2月にThe New England Journal of Medicine誌に掲載された。

20304.

食べ物と認知症(解説:岡村毅氏)-1021

 これを食べると認知症にならない、というものはあるのだろうか?「危険な食べ物」などの読み物は世の中にあふれているが、科学とは別物だ。私自身も楽しく読んだり見たりするので、批判はしないが…それに支配されて生活している人がいるのは困った現象だ。 「やれ○○がいいとか悪いとか言いながら好き放題食べている日本人の何と多いことか…」 さて本研究はおよそ四半世紀という長い観察期間をとって、食べ物と認知症の発症の関係をみたものであった。臨床家は皆同意すると思うが、有意な関連はみられなかった。食べ物についてはAHEIという指標で包括的に見ている(個別ではない)点が限界(limitation)といえるが、ほかに現実的なやり方はないであろう。とはいえ、健康的な食生活はほかの多くの疾患を予防するので、健康的な食生活が望ましいことは変わりないので早とちりなきよう。 そもそも、○○を食べると認知症にならないというものが本当にあったとしたら、ヒトの集合知は侮れないので、科学者が指摘する前に、すでに人々はそのような食生活をしていることだろう。 本研究の興味深い報告は、実は、抄録にはない部分である。認知症を発症した人について、発症のはるか前には食生活は変わらないが、少し前から(およそ10年)変わり始めるのである。これは常識に照らし合わせて当然の現象であろう。認知機能が微妙に低下を始め、生活の端々で困難を感じ始めると、ストレスは増えるし、細かい自己制御をしている余裕もなく、ジャンクフードが増えたりすることだろう。なので短期間の観察だと差が出るのだ。 私たちは考え方を抜本的に変えなければならないのかもしれない。予防のために無理して頑張って○○をする、○○を食べる、ではないのだ。○○が健康的で好きだ、残念ながら時期がきて認知症になった、でも○○は続ける、に変わるべき時期かもしれない。 手前味噌で恐縮だが、東京都健康長寿医療センターの宇良研究員らが新潟県でしているRICE Studyは、認知症になっても楽しく稲作をするというものである1,2)。稲作というのは、かの地の高齢者にとっては単なる運動ではなく、深い意味のある行為なのである。社会参加、運動、野菜、仲間など、健康的で幸福な生活習慣というのは、認知症予防の文脈でもよく登場する。認知症になっても、「あなたは認知症だから社会から退場してもうデイケアでボール遊びするだけよ」などと言われずに、これまでの健康的生活を続けることができる社会であってほしいものだ。

20305.

偽性副甲状腺機能低下症〔PHP:pseudohypoparathyroidism〕

1 疾患概要■ 概念・定義副甲状腺ホルモン(PTH)に対する不応性のために、低カルシウム血症、高リン血症などの副甲状腺機能低下症と同様な症状を呈する疾患である。血中PTH濃度は異常高値となる。ホルモン受容機構を構成するオルブライト遺伝性骨ジストロフィー(Albright’s hereditary osteodystrophy:AHO)と呼ばれる症候を合併する病型をIa型、合併しないものをIb型と呼ぶ。■ 疫学わが国における本症の患者数は約400人と推計されている。性差はない。■ 病因PTH受容体はG蛋白カップリング型受容体である。その細胞内シグナルはα、β、γのサブユニットから構成されるGsタンパク質を介して、アデニル酸シクラーゼの活性化によりサイクリックAMP(cAMP)を生成する系に伝えられる。偽性副甲状腺機能低下症のPTH不応性の原因はGsαタンパク質の機能低下である。Gsαタンパク質の発現は組織特異的インプリンティングを受けており、腎近位尿細管、下垂体、甲状腺、性腺などでは母由来アレル優位となっている。一方、骨、脂肪組織を含む他の大部分の組織では、父由来アレルと母由来アレルから同量のGsαタンパク質が産生される。Gsαタンパク質はGNAS遺伝子によってコードされている。組織特異的インプリンティングの維持にはGNAS遺伝子の転写調節領域のCpGメチル化状態が重要であり、アレルの親由来によってその状態が異なっていることが知られている。Ia型は、母由来のGNAS遺伝子アレルに変異が生じて正常なタンパク質が産生されない場合に起こる、常染色体顕性の母系遺伝である。すなわち、PTHの主たる標的組織である腎近位尿細管では、母由来の変異が主に発現するためにPTH不応となって低カルシウム血症、高リン血症を呈している。同様に、母由来アレル優位である甲状腺、下垂体、性腺においても甲状腺刺激ホルモン(TSH)不応による原発性甲状腺機能低下症、ゴナドトロピン不応による原発性性腺機能障害、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)不応による成長ホルモン分泌不全などが発症することがある。AHOは骨や脂肪組織などの非インプリンティング組織の異常であるが、正常Gsαタンパク質発現量の半減(ハプロ不全)によるものと考えられる。実際、父由来のGNAS遺伝子アレル変異の場合、血清カルシウム濃度は正常であるが、AHOを呈し、偽性偽性副甲状腺機能低下症と呼ばれている。Ib型では、組織特異的インプリンティングに重要なGNAS遺伝子の転写調節領域のメチル化状態における異常(エピジェネティック変異)が関連している。母由来アレルにこの異常が生じると、インプリンティング組織ではGsαタンパク質発現が減少するが、非インプリンティング組織ではこの影響を受けないので、AHOを合併しない。■ 症状1)低カルシウム血症に伴う症状口周囲や手足のしびれ、テタニー、痙攣、意識障害を呈することがある。これらの症状は、小児期以降から成人期に出現することが多く、Ib型の主訴として受診することが多い。2)AHOIa型では、低身長、円形顔貌、肥満、短指趾症、軟部組織の異所性骨化、歯牙低形成、知的障害を特徴とするAHOを認める症例が多く、診断のきっかけになる。3)他のホルモン異常TSH不応性は最も多く認められるホルモン異常で、Ia型の80~90%、Ib型の約40%にみられる。先天性甲状腺機能低下症として、偽性副甲状腺機能低下症より先に診断されることがある。ゴナドトロピン不応性による月経異常、不妊症、GHRH不応性による成長ホルモン分泌不全を呈することがある。以上のホルモン異常は、Ia型での報告が多いが、Ib型でも認められる。■ 予後基本的に低カルシウム血症の治療は、生涯、活性型ビタミンD製剤の服用を必要とする。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)本症は指定難病に認定されており、厚生労働省難治性疾患克服研究事業「ホルモン受容機構異常に関する調査研究」班によって作成された診断基準と重症度分類(表)が使用されている。表 診断基準と重症度分類A.症状1.口周囲や手足などのしびれ、錯感覚2.テタニー3.全身痙攣B.検査所見1.低カルシウム血症、正または高リン血症2.eGFR 30mL/min/1.73m2以上3.Intact PTH 30pg/mL以上C.鑑別診断以下の疾患を鑑別する。ビタミンD欠乏症*血清25水酸化ビタミンD(25[OH]D)が15ng/mL以上であってもBの検査所見であること。25(OH)Dが15ng/mL未満の場合には、ビタミンDの補充などによりビタミンDを充足させた後に再検査を行う。D.遺伝学的検査1.GNAS遺伝子の変異2.GNAS遺伝子の転写調節領域のDNAメチル化異常<診断のカテゴリー>Definite:Aのうち1項目以上+Bのすべてを満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外し、Dのいずれかを満たすもの。Probable:Aのうち1項目以上+Bのすべてを満たし、Cの鑑別すべき疾患を除外したもの。Possible:Aのうち1項目以上+Bのすべてを満たすもの。<重症度分類>下記を用いて重症を対象とする。重症:PTH抵抗性による低カルシウム血症に対して薬物療法を必要とすることに加え、異所性皮下骨化、短指趾症、知能障害により日常生活に制約があるもの。中等症:PTH抵抗性による低カルシウム血症に対して薬物療法を必要とするもの。軽症:とくに治療を必要としないもの。※診断基準および重症度分類の適応における留意事項1.病名診断に用いる臨床症状、検査所見などに関して、診断基準上に特段の規定がない合には、いずれの時期のものを用いても差し支えない(ただし、当該疾病の経過を示す臨床症状などであって、確認可能なものに限る)。2.治療開始後における重症度分類については、適切な医学的管理の下で治療が行われている状態であって、直近6ヵ月間で最も悪い状態を医師が判断することとする。3.なお、症状の程度が上記の重症度分類などで一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが必要なものについては、医療費助成の対象とする。原発性副甲状腺機能低下症との鑑別が必要な場合や、ビタミンD欠乏症との鑑別が困難な場合にはEllsworth-Howard試験を行う。同試験はPTHに対する腎の反応性(尿中リン酸増加反応とcAMP増加反応)を指標にするものである。尿中cAMP増加反応が正常にもかかわらず尿中リン酸増加反応の低下がある場合、Gタンパク質より下流のシグナル伝達障害に起因するII型偽性副甲状腺機能低下症とする考えがあるが、ビタミンD欠乏症、尿細管障害でも同様の所見がみられるため論議のあるところである。Ia型でAHOを欠いたり、Ib型でもAHOを認めたりする症例があるので、臨床像のみから分子遺伝的異常を断定することは困難である。遺伝学的検査は、指定難病の認定に必須ではないが、両者の分子生物学的診断にはきわめて有用である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 薬物療法低カルシウム血症に対しては、Ca補充と活性型ビタミンD製剤投与を行う。血清カルシウム正常化と高カルシウム尿症を来さないようにする。TSH不応性による甲状腺機能低下症を合併する場合には甲状腺ホルモン薬の補充療法、ゴナドトロピン不応症には性ホルモン補充療法、GHRH不応性による成長ホルモン分泌不全を合併する場合には成長ホルモン投与を行う。■ 手術療法異所性皮下骨化は運動制限、生活制限の原因となる場合、外科的切除の適応になることがあるが、同一部位に再発することもある。4 今後の展望臨床的にも分子遺伝学的にも大変興味深い疾患である。インプリンティングの組織特異性を規定する因子、機序は不明である。また、GNAS遺伝子メチル化異常を来す孤発例のエピジェネティック変異の大部分は原因が不明である。さらに、II型の実態は不明で概念的なものにとどまっている。以上の課題に関して、今後の研究の進展が期待される。5 主たる診療科小児科、内分泌内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 偽性副甲状腺機能低下症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)皆川真規. 最新医学. 2016;71:1930-1935.2)佐野伸一朗. 医学のあゆみ. 2017;263:307-312.公開履歴初回2019年3月26日

20306.

10連休中のトラブルを防ぐために【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第21回

皇太子さまが5月1日に新天皇に即位されることに伴い、今年のゴールデンウイークは4月27日~5月6日までの10連休となります。国内外問わずキラキラしたロイヤル行事が好きな私としては待ち遠しいのですが、一方で、医療機関の10連休の対応について気がかりな点もあります。今回の10連休の医療機関の対応については、厚生労働省より「本年4月27日から5月6日までの10連休における医療提供体制の確保に関する対応について」および「本年4月27日から5月6日までの10連休等の長期連休における診療報酬等の取扱いについて」という通知が発出されています。地域の医療者などと十分に調整するなど、連休であっても医療提供に支障のない体制を確保することが求められています。各都道府県知事に対する通知には、「比較的専門性がある入院を含む医療の提供が求められる区域である二次医療圏に関して、2月中旬をめどに状況を把握すること」とありますが、私の関係する地域では3月中旬になっても近隣の医療機関の対応はまだ明確になっていません。病院やクリニック、薬局がどういうスケジュールでお休みにするか、というのはその地域や施設ごとの判断になり、情報伝達は伝言ゲーム的に時間がかかるのだろうと推測しますが、多少の不安があります。広い範囲から患者が来ることを想定し、疑義照会の連絡先の確認を今回の通知や対応に関して気になる点がいくつかあります。1つ目は、疑義照会に関してです。当該通知には、「10連休中に行政機関や地域の医療関係者などの間で連絡を取ることができる体制(処方箋に疑義が生じた場合などに処方医と調剤を行う薬剤師が連絡を取ることができる体制などを含む)を確保すること」とあります。二次医療圏となると、通常のかかりつけの患者さんの範囲よりも広くなり、思いがけない医療機関が含まれることもあるのではないかと思います。地域の薬剤師会や医薬品卸会社の力を借り、少し広い範囲から患者さんが来ることを想定して、休診中のクリニックなどの連絡先を確認しておいたほうがいいかもしれません。とくに、近隣のクリニックなどが休診する場合は、この通知を根拠にして緊急の場合に連絡が取れるようにお願いしておいたほうがよいでしょう。2つ目は加算の取り扱いです。結論から言うと、調剤料はゴールデンウイークの10日間は夜間・休日等加算などを加算することになります。通常よりも支払額が多くなることを明確にしておかなくてはトラブルになりかねません。最後に、連休というといつも頭をよぎることがあります。それは、連休中に「あ、お薬がない!」と来局や電話をされる患者さんが毎年いらっしゃることです。今薬局を利用する患者さんの次の受診日は4月末や5月初旬ではありませんか? あらかじめ「連休中の薬はありますか?」と患者さんに確認を行うことで、お互いに楽しい10連休が過ごせるかもしれません。

20307.

心電図の読み“型”教えます! Season 1

「Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター」を1冊にドンとまとめました!CareNet.comの人気WEB連載「Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター」を待望の書籍化。ライトで明快な語り口はそのままに、大幅に加筆修正を行って、盛りだくさんの内容になりました。何度も心電図の壁にぶつかりながらも、己の力で超えてきた著者だからこそ見いだせた、系統的な心電図判読法を伝授します。既存の心電図教育に一石を投じる、この型破りな読み“型”は、壁を超えるための強大な武器となるでしょう。章末クイズやコラムも充実。挫折を繰り返した人にこそおすすめしたい、確かな力が身に付く1冊です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    心電図の読み“型”教えます! Season 1定価3,200円 + 税判型A5判頁数152頁発行2019年3月著者杉山裕章Amazonでご購入の場合はこちら

20308.

医療者と患者とメーカーの結束が創薬へ

 2月27日、ファイザー株式会社は、「世界希少・難治性疾患の日」に合わせ、「希少・難治性疾患を取り巻く現状と課題 筋ジストロフィー治療の展望・患者さんの体験談を交えて」をテーマにプレスセミナーを開催した。セミナーでは、筋ジストロフィーの概要や希少疾病患者の声が届けられた。希少疾病の解決に必要なエンパワーメント はじめに「筋ジストロフィーの現実と未来」をテーマに小牧 宏文氏(国立精神・神経医療研究センター 病院臨床研究推進部長)が、筋ジストロフィーの中でも予後が悪い、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに焦点をあて講演を行った。 神経筋疾患の多くは進行性で、遺伝子変異に由来し、脊髄前角、末梢神経、神経筋接合部、骨格筋などに影響を及ぼし、さまざまな運動機能を奪う疾患である。最近では、脊柱固定術など対症療法の進歩、人工呼吸器など医療機器の向上もあり、平均死亡年齢は17歳(1976年)から30歳以上(2006年)に伸びている。また、主な死因でみても1980年代では呼吸不全、心不全の順位だったものが、現在では心不全が1位となるなど変化をみせているという。 筋ジストロフィーは、骨格筋だけでなく、呼吸筋、心筋、平滑筋、咀嚼、骨格などに関係する全身性疾患であり、診断から治療、そして予後のフォローまで包括的な診療体制が必要となる。そのため小児科にとどまらず、脳神経内科、整形外科、リハビリテーション科など多領域にわたる連携が必要であり、自然歴を踏まえた定期検査、そして患者のケアを積み重ねていくプロアクティブケア(先回りの医療)が必要と語る。 同時に、治療薬の開発も大切で、そのためには各診療科が連携し、患者の早期発見、臨床研究の実施と個々の患者から得られる臨床データや患者の声を蓄積・シェアし、治療研究に関わることで、その結果を分かちあう仕組み作りが大切だと提案する。そして、この医薬品開発について、期限が限られた大きな目標と捉え、集団で取り組むプロジェクトと説明。成果を出すためにも医療者、患者、企業、公的機関がエンパワーメントを持って取り組むことが期待されると展望を語り、講演を終えた。患者の声を社会に届ける仲立ちに つぎに遠位型ミオパチーという希少疾病患者として織田 友理子氏(NPO法人PADM[遠位型ミオパチー患者会] 代表)が車椅子で登壇し、「超希少疾病とともに歩んだ10年」と題し講演が行われた。講演では、本症の確定診断がついた後、患者の要望などを社会に届けるべく患者会を発足させたこと、治療薬創薬に製薬メーカーへ患者の声を届けるためにNPOを立ち上げるとともに、Webサイト「車椅子ウォーカー」を開設し、同じ境遇の患者がより外へ気軽に出られるように情報提供を行っていることなどを語った。最後に同氏は「自分が今できることは患者として話すことである。患者が個々に持っている、それぞれの幸せが実現できるように、今後も“RDD JAPAN 2019”のような場で病気のこと、患者のことが社会に伝えられるように活動を続けていきたい」と抱負を語った。■参考RDD JAPAN 2019NPO法人PADM車椅子ウォーカー■関連記事希少疾病・難治性疾患特集デュシェンヌ型筋ジストロフィー

20309.

統合失調症における向精神薬補助療法の有効性比較

 統合失調症治療では、抗精神病薬に加え向精神薬が用いられるが、これらの向精神薬補助療法の有効性を比較したエビデンスは、ほとんどない。米国・コロンビア大学のT. Scott Stroup氏らは、実臨床における統合失調症に対する向精神薬補助療法の有効性を比較検討した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2019年2月20日号の報告。 2001年1月~2010年12月までの全米メディケイドデータを使用し、有効性比較研究を行った。1剤の抗精神病薬で安定して治療されている18~64歳の統合失調症外来患者を対象に、抗うつ薬、ベンゾジアゼピン、気分安定薬、他の抗精神病薬による治療開始後の結果を検討した。データ分析は、2017年1月~2018年6月に実施した。4つの治療群における共変量のバランスをとる傾向スコアを推定するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。治療企図解析(ITT解析)に基づいて365日後の治療転帰を比較するため、加重Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。主要アウトカムは、精神障害による入院リスク、精神障害による救急受診リスク、すべての原因による死亡リスクとした。 主な結果は以下のとおり。・成人統合失調症外来患者は、8万1,921例(平均年齢40.7±12.4歳、女性:3万7,515例[45.8%])であった。併用薬剤は、抗うつ薬3万1,117例、ベンゾジアゼピン1万1,941例、気分安定薬1万2,849例、他の抗精神病薬2万6,014例であった。・他の抗精神病薬使用患者と比較し、抗うつ薬使用患者は精神科入院リスクが低く(ハザード比[HR]:0.84、95%CI:0.80~0.88)、ベンゾジアゼピン使用患者は精神科入院リスクが高かった(HR:1.08、95%CI:1.02~1.15)。気分安定薬使用患者では、有意な差が認められなかった(HR:0.98、95%CI:0.94~1.03)。・精神科救急受診リスクに関しても、同様の関連性が認められた。抗うつ薬(HR:0.92、95%CI:0.88~0.96)、ベンゾジアゼピン(HR:1.12、95%CI:1.07~1.19)、気分安定薬(HR:0.99、95%CI:0.94~1.04)。・気分安定薬の使用は、死亡リスクの増加との関連が認められた(HR:1.31、95%CI:1.04~1.66)。 著者らは「統合失調症治療において、抗うつ薬補助療法は、他の向精神薬と比較し、精神科入院および救急受診リスクの低下と関連が認められた。ベンゾジアゼピンおよび気分安定薬とアウトカム不良との関連については、臨床的に注意し、さらなる調査が必要とされる」としている。■関連記事統合失調症患者への抗精神病薬と気分安定薬併用、注意すべきポイントは統合失調症患者への抗うつ薬併用、効果はどの程度か統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか?

20310.

ナトリウムとカリウムの適切な1日摂取量は/BMJ

 世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、1日の栄養摂取量として、ナトリウムは2.0g未満に制限を、カリウムは3.5g以上摂取を推奨している。今回、カナダ・マックマスター大学のMartin O'Donnell氏らが行った調査(PURE試験)では、これら2つの目標を同時に満たす者はきわめてまれで、死亡/心血管イベントのリスクが最も低いのは、ナトリウム摂取量が3~5g/日でカリウム高摂取量(≧2.1g/日)の集団であることが明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年3月13日号に掲載された。ナトリウムについては相反する知見が報告されているが、多くでは摂取量と死亡にJ字型の関連が示されている。これに対し、カリウムは一般に摂取量が増えるに従って死亡が直線的に低下することが報告されている。一方、ナトリウム/カリウム比と臨床アウトカムとの関連を示唆する観察研究の報告もある。18ヵ国、10万人の早朝空腹時尿から摂取量を推算 研究グループは、ナトリウムとカリウムの摂取量の代替測定値として尿中排泄量を測定し、心血管イベントおよび死亡との関連を、現在のWHO推奨1日摂取量との比較において検討する目的で、国際的な前向きコホート研究を実施した(欧州研究会議[ERC]の助成による)。 18の高/中/低所得国の都市部および農村部の住民10万3,570例(35~70歳)から、早朝空腹時尿を採取した。主要アウトカムは、摂取量の代替測定値としてのナトリウムとカリウムの推定24時間尿中排泄量と、全死因死亡および主要な心血管イベント(心血管死、脳卒中、心筋梗塞、心不全)との関連とした。解析には、多変量Cox回帰を用いた。 ナトリウム排泄量を低(<3g/日)、中(3~5g/日)、高(>5g/日)の3つに、カリウム排泄量は中央値2.1g/日を基準に高(≧2.1g/日)と低(<2.1g/日)の2つに分け、これらを組み合わせた6つのカテゴリーについて解析を行った。WHO推奨の同時達成は0.002%、ナトリウムはJ字型の関連 参加者の41.8%が中国からで、ナトリウムとカリウムの尿中排泄量の平均推定値は、それぞれ4.93g/日、2.12g/日であった。フォローアップ期間中央値8.2年の時点で、7,884例(6.1%)が死亡または心血管イベントを経験した。 尿中ナトリウム排泄量の増加はカリウム排泄量増加と正の相関を示した(補正前、r=0.34)。また、ナトリウムの超低排泄量(<2g/日)とカリウムの高排泄量(>3.5g/日)を同時に満たした参加者は、0.002%ときわめて少なかった。 ナトリウム排泄量が高値および低値の双方の集団で、死亡/重大な心血管イベントのリスクが高く、J字型の関連を示した。カリウム排泄量と死亡/重大な心血管イベントには反比例の関連が認められた。 6つのカテゴリーのうち、ナトリウム中排泄量(3~5g/日)/カリウム高排泄量(≧2.1g/日)の群(全コホートに占める割合:21.9%)が、死亡/心血管イベントのリスクが最も低く、イベント発生率は6.4%であった。 これを参照群として比較すると、死亡/心血管イベントのリスクが最も高かったのは、低ナトリウム/低カリウムの群(イベント発生率:9.4%、ハザード比[HR]:1.23、95%信頼区間[CI]:1.11~1.37、全コホートに占める割合:7.4%)であり、次いで高ナトリウム/低カリウムの群(8.8%、1.21、1.11~1.32、13.8%)、低ナトリウム/高カリウム群(6.8%、1.19、1.02~1.38、3.3%)、高ナトリウム/高カリウム群(7.5%、1.10、1.02~1.18、29.6%)の順であった。また、中ナトリウム/低カリウム群は、参照群に比べリスクが高かった(7.8%、1.10、1.01~1.19、24.0%)。 カリウム排泄量が増加するに従って、ナトリウム高排泄量との関連で増加した心血管リスクが減衰し、ナトリウム高排泄量と心血管リスクとの関連はカリウム低排泄量の集団で最も顕著だった。 著者は、「本研究の知見は、WHOの推奨の実行可能性に疑問を呈するものである。ナトリウム摂取と死亡/心血管イベントのJ字型の関連は、現行のWHOの低ナトリウム食(<2.0g/日)の推奨を支持せず、ナトリウム/カリウム比の使用には同意しないものである」としている。

20311.

心血管イベント抑制を確認、ACLY遺伝子変異/NEJM

 ATPクエン酸塩リアーゼ阻害薬やHMGCR阻害薬(スタチン)と似たような作用を持つ遺伝子変異が確認された。同様の作用メカニズムで血漿LDLコレステロール値を下げると考えられ、心血管疾患のリスクに対しても同様の影響を示すという。英国・ケンブリッジ大学のBrian A. Ference氏らが、メンデルランダム化解析により明らかにした。ATPクエン酸塩リアーゼは、スタチンがターゲットとする3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A還元酵素(HMGCR)のコレステロール生合成経路の上流に存在する酵素であるが、ATPクエン酸塩リアーゼの遺伝子阻害が有害転帰と関係するのかは不明であった。また、LDLコレステロール値の1単位低下当たりの影響がHMGCRの遺伝子阻害と同様であるのかも明らかになっていなかった。NEJM誌2019年3月14日号掲載の報告。ACLYスコアとHMGCRスコアを作成し、心血管イベントやがんとの関連を評価 研究グループは、ATPクエン酸塩リアーゼ阻害薬とHMGCR阻害薬(スタチン)の作用を模倣する操作変数として、ATPクエン酸塩リアーゼをコードする遺伝子(ACLY)における遺伝子変異と、HMGCRにおける遺伝子変異からなる遺伝子スコアをそれぞれ作成した。 作成したACLYスコアおよびHMGCRスコアと、血漿脂質値、リポ蛋白値との関連を比較し、また、心血管イベントリスクやがんリスクとの関連についても比較した。心血管イベントリスクへの影響は同様 解析には、総計65万4,783例の被験者データが包含された。そのうち10万5,429例が主要心血管イベントを発症した被験者であった。 ACLYスコアとHMGCRスコアは、血漿脂質値およびリポ蛋白値の変化のパターンとの関連が同様であった。また、LDLコレステロール値の10mg/dL低下における心血管イベントリスクへの影響も同様であった。心血管イベントのオッズ比(OR)は、ACLYスコアが0.823(95%信頼区間[CI]:0.78~0.87、p=4.0×10-14)、HMGCRスコアは0.836(95%CI:0.81~0.87、p=3.9×10-19)であった。 ATPクエン酸塩リアーゼおよびHMGCRの生涯性遺伝子阻害はともに、がんリスク増大との関連はみられなかった。

20312.

骨粗鬆症の再骨折リスクを抑える新たな一手

 50歳以上では、骨粗鬆症により、女性の3人に1人、男性の5人に1人が脆弱性骨折を起こすといわれ、さらに、一度骨折した患者の再骨折リスクは大きく上昇する。高齢者の骨折は、患者・家族にとってだけでなく、社会にとっても大きな負担となるが、治療率は20%程度と決して高くない。 2019年3月14日、国内初のヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤である骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(商品名:イベニティ)が発売されたことを機に、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社がセミナーを開催した。そこで、松本 俊夫氏(徳島大学 藤井節郎記念医科学センター 顧問)、宮内 章光氏(医療法人 宮内内科クリニック 理事長)、浜谷 越郎氏(同社 研究開発本部 シニアメディカルアドバイザー)の3名が「骨粗鬆症治療における課題と治療成績向上に向けて」をテーマに講演を行った。骨折リスクに合わせて治療薬を使い分ける 松本氏は、現状の骨粗鬆症治療にはアンメットニーズが存在するとして、以下の3つを提示した。1.治療目標を達成できる患者数は限定的である2.部位によっては治療による骨強度改善が不十分な場合もある3.再骨折の頻度が最も高い骨折後2年以内におけるリスク低減が実現しにくい とくに3について、骨折した1年後の再骨折リスクは通常の5.3倍にもなるといわれるが、従来の治療では効果の発現に時間を要するため、対策が間に合っていない可能性が指摘された。 ロモソズマブは、骨の構造的劣化などを来さず骨量を増加させる作用を持つため、再骨折リスクが高い患者でも、骨折後1~2年以内の骨強度改善が期待されている。 治療薬の使い分けについて「既存骨折がない低骨折リスクの場合には従来の治療を、既存骨折があるなど高骨折リスクを持つ場合にはロモソズマブを使用後に骨吸収抑制剤を使用するなど、患者さんの状況に合わせて選択できる」との考えを述べた。主な臨床試験成績(FRAME試験、ARCH試験) 次に、宮内氏によって、ロモソズマブの国際多施設共同第III相臨床試験データが紹介された。FRAME試験では、55~90歳の閉経後骨粗鬆症患者7,180例(うち日本人492例)を対象に、新規椎体骨折の発生率が評価された。その結果、ロモソズマブを12ヵ月間皮下投与することで、新規椎体骨折の相対リスクはプラセボと比較して73%低下した。また、その後の骨吸収抑制剤(デノスマブ)による継続治療を行うことで、有意な相対リスクの低下は24ヵ月時点でも75%と維持された。 標準治療(アレンドロネート)と比較したARCH試験では、55~90歳の閉経後骨粗鬆症患者4,093例を対象に、ロモソズマブを12ヵ月間皮下投与後アレンドロネートを12ヵ月経口投与した場合と、アレンドロネートを単剤投与した場合を比較した。その結果、24ヵ月時点の新規椎体骨折、主要解析時点の非椎体骨折および大腿骨近位部骨折において相対リスクはいずれも低下し、有意差が認められた。 FRAME試験の日本人集団において、海外データと有効性、安全性は同等であったが、国内におけるデータは必ずしも十分でないため、副作用などについては今後時間をかけて検証していく必要がある。「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」の基準 最後に、浜谷氏がロモソズマブの製品特性について解説した。ロモソズマブの標的であるスクレロスチンは、骨芽細胞による骨形成を抑制し、破骨細胞による骨吸収を促進する糖タンパク質である。これを阻害することで、骨形成促進と骨吸収抑制の2つの作用(デュアルエフェクト)により骨強度を改善すると考えられている。 ロモソズマブの効能・効果は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」であり、使用に当たっては、WHOにおける重症骨粗鬆症の定義(骨密度値が-2.5SD以下で1個以上の脆弱性骨折を有する)や、原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)で、“骨折の危険性の高い骨粗鬆症を単一の危険因子で規定できるもの”として示されている(1)腰椎骨密度が-3.3SD未満、(2)既存椎体骨折の数が2個以上、(3)既存椎体骨折の半定量評価法によるグレード3などを目安に、適切な症例を判断することが望ましいとされる。 同氏は「従来は、進行を遅らせる治療が主体だった。しかし、ロモソズマブは、1年という短期間で著明な骨量の増加と骨構造の改善が期待できる。骨形成促進剤であるロモソズマブを最初に12ヵ月間投与した後、適切な骨吸収抑制剤を継続することで、その後も骨量・骨強度を維持できるため、これまでの治療パラダイムが大きく変わる可能性がある」と期待を語った。

20313.

診療科別、サービス残業の実情

 ケアネットでは2019年3月、会員医師約1,000人を対象に「医師の働き方改革」に関するアンケートを実施した。前編では、医師たちの時間外労働の現状と規制への賛成・反対意見について結果を報告している。今回は、支払いのない時間外勤務“サービス残業”の実態について、アンケート結果を発表する。内科系でも「長時間ある」という回答が多い診療科も “サービス残業”だと感じている時間数について尋ねたところ、“なし”と答えた医師は21.2%。50%以上の医師が毎週少なくとも6時間以上のサービス残業はあると感じており、19.5%は週20時間以上がサービス残業になっていると回答した。 また診療科別にこの結果をみたところ、それぞれ異なる分布がみられた。週20時間以上と答えた医師が最も多かったのは脳神経外科(33.3%)で、総合診療科(30.8%)、糖尿病・代謝・内分泌科(28.6%)と続いている。“なし”と答えた医師が最も多かったのは眼科(52.9%)。次いで、精神科(38.3%)、産婦人科(37.5%)という結果となった。産婦人科は一方で、週20時間以上と回答した医師も比較的多い(20.8%)。なぜ“サービス”になっているのか サービス残業になっている理由についてたずねたところ、最も多かったのは「慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため」という回答。また、自由記述では労働時間管理自体が機能していないと考えられる回答も散見された。長く続いてきた“当たり前”という雰囲気があることや、どんな時間外勤務に申告や支払いが必要かという取り決めが整理・周知されていないことなどが推察される。 年代別・病床数別の回答や、自由記述で挙げられた具体的な理由など、詳細なデータはCareNet.comに掲載中。■関連記事申告や支払いなしの残業ゼロへ、労務管理の徹底求める~働き方改革残業年960時間、特例2,000時間の中身とは~厚労省から水準案宿日直や自己研鑽はどう扱う?~医師の働き方改革「働き方改革」は医師を救う?勤務医1,000人のホンネと実情

20314.

第31回 川添、ついに薬機法について口を開く【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今期国会での改正が予定される医薬品医療機器等法(薬機法)。昨年12月の取りまとめでは「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」という文書も合わせて発表され、医薬分業が広まって約20年、薬事法改正5年が経過したいま、全薬剤師が注目すべき内容となっています。病院薬剤師と薬局薬剤師の両面を知る川添先生だからこそのメッセージ。

20315.

サービス残業はどのくらい? 医師1,000人に聞きました

働き方改革が推進されることで、労働時間管理が行われるようになり、時間外割増賃金もきちんと支払われるようになる―。厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」では、改革による勤務医の働き方の変化の1つとして上記を提示しています。現状、先生方が「サービス残業だ」と感じている時間はどのくらいあるのでしょうか。ケアネットでは、CareNet.com会員医師約1,000人に、その実情をお聞きしました。時間外労働規制への意見についてまとめた結果は前編にて公開中です。結果概要約20%の医師が“サービス残業”週20時間以上と回答「週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じているか」という問いに対し、最も多い20時間以上と回答したのは19.5%。1日の法定労働時間が8時間であることを考えると、週に2日分以上がサービス残業だと感じているという過酷な現状がうかがえる。画像を拡大するさらに、現在の時間外労働時間数別にその結果をみると、年1,860時間を超える医師の71.2%が、週20時間以上がサービス残業になっていると回答している。画像を拡大する年代、勤務先の病床数や診療科別にみると…?年代別にみると、やはり20~30代の若い世代でより長い傾向がみられ、20代では「サービス残業はない」と回答した医師は4.5%に留まっている。病床数別では、200床以上で長く、逆に「ない」と答えた割合は0床が最も多かった(43.2%)。しかしどの規模の病院でも、それぞれ一定数サービス残業が「ない」医師も、「長時間ある」医師もいる状況がうかがえる結果となった。画像を拡大する画像を拡大する診療科別では、サービス残業が「ない」と答えた医師は、眼科(52.9%)、精神科(38.3%)、産婦人科(37.5%)などで多かった。一方で、「週20時間以上」と答えた医師は、脳神経外科(33.3%)で最も多く、総合診療科(30.8%)、糖尿病・代謝・内分泌科(28.6%)と続いている。サービス残業になっている時間が週5時間以下(49.3%)と、6時間以上(50.7%)で区切ると、眼科、精神科、皮膚科などでサービス残業がない・あるいは少ないと答えた医師が多く、臨床研修医、血液内科、糖尿病・代謝・内分泌内科などでサービス残業が多いと答えた医師が多かった(図は週5時間以下/6時間以上で区切り、降順)。画像を拡大する最も多い理由は“慣例・雰囲気”「サービス残業となっている理由」については、50.8%が「慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため」と回答。27.5%は「裁量労働制、あるいは年棒制のため」と回答し、「申告したが、認められなかったため」と答えた医師も7.8%であった。「その他」の自由記述では、「管理職のため」という回答のほか、「大学病院のため勉強とみなされる」「研究・教育のため(臨床業務でないから)」といった自己研鑽との線引きの問題が散見された。また、そもそも「勤務時間が決められていない。時間外は手術以外支払いがない」「申告の仕方を聞いたことがなく、申告する制度があるかどうかもわからない」といった労働時間管理そのものが機能していないと考えられる回答や、「時間外勤務の申告に上限がある」「申告しても圧縮される」「研修医には時間外が付かない仕組みになっている」など、理不尽に申告を制限されてしまうような状況がうかがわれる回答もみられた。画像を拡大する設問詳細※Q1~Q5の結果については、前編に掲載中。Q1.勤務先の病院についてお教えください一次救急医療機関(軽症・帰宅可能患者対応、休日夜間急患センター)二次救急医療機関(中等症~重症・一般病棟入院患者対応、当番制)三次救急医療機関(重症~危篤・ICU入院患者対応、救命救急センター)それ以外Q2.時間外労働時間について、検討会で示されている下記枠組みのうち、先生はどちらにあてはまりますか※1日8時間・週40時間(=5日)勤務を基準として、当直を含む時間外労働時間の合計としてあてはまるものを選択ください月45時間未満・年360時間以下(≒週7時間)月100時間未満・年960時間以下(≒週20時間)月100時間未満・年1,860時間以下(≒週40時間)上記を超えるQ3.時間外上限規制について現状提案されている、原則「月45時間・年360時間」、臨時的な必要がある場合に「月100時間未満・年960時間以下」、特例として指定された医療機関(および一定期間集中的な技能習得が必要な医師)では「月100時間未満・年1,860時間以下」に、賛成ですか?反対ですか?賛成どちらかといえば賛成どちらかといえば反対反対Q4.Q3の回答について理由をお教えください(自由記述)Q5.上記には「アルバイトの勤務時間も含まれる」ことを知っていましたか?知っていた知らなかったQ6.現状、週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じていますか?なし1~5時間6~10時間11~20時間20時間以上Q7.Q6でサービス残業となっている理由をお教えください申告したが、認められなかったため慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため裁量労働制、あるいは年棒制のためその他(自由記述)画像を拡大する

20316.

6年ぶりの改訂!『頭部外傷治療・管理のガイドライン(第4版)』発表

 3月8日、第42回日本脳神経外傷学会において、6年ぶりの改訂となる『頭部外傷治療・管理のガイドライン(第4版)』(委員長:冨永 悌二氏[東北大学病院副病院長]、委員57名)の概要が、刈部 博氏(仙台市立病院脳神経外科部長)から発表された。なお、本ガイドラインの出版は、本年秋を予定している。頭部外傷診療現場の変化にガイドラインが対応 現在、頭部外傷の診療現場は、初期診療~後療法~社会復帰支援といった一連の診療が求められるとともに、初期診療に救急医や研修医が占める割合が増加するなど大きな変化が起こっている。この状況に対応するため、新たな『頭部外傷治療・管理のガイドライン』では、画像診断、凝固障害、多発外傷、高次脳機能障害および早期リハビリテーションの項目を充実することに力が注がれた。ガイドラインの対象が広がり、タイトルも「頭部外傷」に変更 以前に比べ、頭部外傷患者として、高齢者軽症例や抗血栓薬使用例が増加していることも大きな変化である。それを受け、新たな『頭部外傷治療・管理のガイドライン』では、対象患者が広がった。具体的には、従来は「成人頭部外傷の中等症・重症」であったが、新ガイドラインではさらに「軽症・中等症からの重症化例」が追加された。 また、対象患者の広がりに合わせてガイドラインのタイトルも従来の「重症頭部外傷」から「頭部外傷」に変更された。新ガイドラインは新たに「頭部外傷における凝固障害」の項目が追加 新たな『頭部外傷治療・管理のガイドライン』は、項目が大きく増え、全12項目、補追4項目から成る。前回に比べ「小児頭部外傷」「高齢者頭部外傷」「スポーツ頭部外傷」「外傷に伴う高次脳機能障害」「外傷に伴う低髄液圧症候群」の項目が充実し、新たに「頭部外傷における凝固障害」「早期リハビリテーション」「外傷急性期の精神障害」「多発外傷」の項目が作られた。 また、推奨グレード、エビデンスレベル、600超の引用文献が明記された点も大きな変更点である。

20317.

日本ではC. difficile感染症の多くが見過ごされている?

 Clostridioides(Clostridium) difficileは、先進国における医療関連感染性下痢症の主要な原因である。後ろ向き研究では、日本では欧州や北米よりC. difficile感染症(CDI)の発生率が低いことが示されている。CDI発生率が実際に低いのか、不適切なC. difficile検査によるものかを調べるため、国立感染症研究所の加藤はる氏らが前向き研究を実施した。その結果、臨床的に意義のある下痢症患者を積極的に検査することによって、CDI発生率はわが国における今までの報告より高かった。この結果から、著者らは「日本ではCDI診断のための細菌学的検査が不適切であるため、多くのCDI患者が見過ごされていることを示唆している」と述べている。Anaerobe誌オンライン版2019年3月11日号に掲載。 本研究は、2014年5月~2015年5月に日本の12医療施設(20病棟)で実施されたCDIの前向きコホート研究。24時間以内に3回以上の下痢便(Bristol stool Grade 6~7)が認められた患者が登録された。CDIは、酵素免疫アッセイによる糞便中toxin A/B検出、核酸増幅検査による糞便中toxin B遺伝子検出、または毒素産生性C. difficile培養検査における陽性例と定義した。C. difficile分離株について、PCR-ribotyping(RT)、slpA-sequence typing(slpA-ST)、薬剤感受性試験を実施した。 主な結果は以下のとおり。・CDIの全体の発生率は、7.4 CDI/10,000 patient-days(PD)であった。・発生率は、5つのICU病棟で最も高かった(22.2 CDI/10,000PD、範囲:13.9~75.5)。・検査頻度とCDI発生率は高度に相関していた(R2=0.91)。・分離株146株のうち、RT 018/018''が最も多く(29%)、続いて014(23%)、002(12%)、369(11%)の型が続いた。・15の非ICU病棟のうち、2病棟でCDI発生率が高く(13.0、15.9 CDI/10,000PD)、それぞれRT 018/slpA-ST smz-02および018"/smz-01による患者クラスターが認められた。・RT 018/018"分離株はすべて、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンに対して耐性であった。

20318.

スタチン治療とうつ病リスク

 スタチン治療によるうつ病発症リスクへの影響は、よくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のOle Kohler-Forsberg氏らは、20年間のフォローアップを行ったコホート研究におけるスタチン治療とうつ病との関連を評価した。Journal of Affective Disorders誌2019年3月1日号の報告。 1920~83年に生まれたデンマーク人を対象に、1996~2013年のスタチン治療患者(スタチン群)を特定した。いくつかの潜在的な交絡因子を考慮し、年齢、性別、傾向スコアに基づきスタチン群に非スタチン群をマッチさせた。スタチン治療と抗うつ薬処方、他の薬剤処方、精神科病院でのうつ病診断、心血管死亡率、全死因死亡率との関連を調査するため、Cox回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・スタチン群19万3,977例および非スタチン群19万3,977例を対象に、262万1,282人年フォローアップを行った。・スタチン使用と関連していた項目は以下のとおり。●抗うつ薬使用リスクの増加(ハザードレート比[HRR]:1.33、95%信頼区間[CI]:1.31~1.36)●他の薬剤使用リスクの増加(HRR:1.33、95%CI:1.31~1.35)●うつ病診断率の増加(HRR:1.22、95%CI:1.12~1.32)●抗うつ薬使用で調整していない場合におけるうつ病診断率の増加(HRR:1.07、95%CI:0.99~1.15)●心血管死亡率の減少(HRR:0.92、95%CI:0.87~0.97)●全死因死亡率の減少(HRR:0.90、95%CI:0.88~0.92) 著者らは「スタチン治療と抗うつ薬使用との関連性は非特異的であり、他の薬剤と同様であった。また、スタチン使用とうつ病診断との関連は、残余交絡、バイアスまたはスタチン治療による医師の診断頻度により影響を受けることが示唆された」としている。■関連記事うつ病や自殺と脂質レベルとの関連スタチンと認知症・軽度認知障害リスクに関するメタ解析非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

20319.

スタチン長期投与患者でbempedoic acidが有益/NEJM

 TPクエン酸リアーゼ阻害薬bempedoic acid(ベンペド酸)の安全性/有効性を評価した、52週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「CLEAR Harmony試験」の結果が、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのKausik K. Ray氏らにより発表された。最大耐用量のスタチンへのベンペド酸の追加により、プラセボと比較して有害事象の発現が増加することなく、LDLコレステロール値が有意に低下したという。これまで短期試験では、ベンペド酸によりLDLコレステロール値が低下することが示唆されていたが、ガイドラインで推奨されるスタチン療法を長期にわたって受けている高コレステロール血症患者への、ベンペド酸投与の安全性と有効性に関するデータは限られていた。NEJM誌2019年3月14日号掲載の報告。スタチン療法中の患者にベンペド酸を追加、長期安全性/有効性を評価 CLEAR Harmony試験は、2016年1月18日~2018年2月21日に、5ヵ国114施設において実施された。 対象は、アテローム動脈硬化性心血管疾患またはヘテロ接合型家族性高コレステロール血症、あるいはその両方を有する患者で、最大耐用量のスタチン療法±脂質低下療法を受けているがLDLコレステロール値が70mg/dL以上の患者を適格とし、ベンペド酸群とプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付けた。最大耐用量スタチン療法は、患者が継続できた最大強度のスタチンレジメンとし、担当医が判定した。 主要評価項目は安全性とし、主要副次評価項目(主要有効性評価項目)は、52週間試験における12週時のLDLコレステロール値の変化率とした。安全性の解析には記述統計を用い、有効性は共分散分析(ANCOVA)を用いて解析した。ベンペド酸の上乗せは有効で、安全性プロファイルも良好 2,230例が登録され、そのうち1,488例がベンペド酸群、742例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。ベースラインの平均(±SD)LDLコレステロール値は、103.2±29.4mg/dLであった。 介入期間中における有害事象発現率は、ベンペド酸群78.5%(1,167/1,487例)プラセボ群78.7%(584/742例)、重篤な有害事象発現率はそれぞれ14.5%、14.0%で、いずれも両群で大きな差はなかった。しかし、投与中止に至った有害事象の発現率は、ベンペド酸群がプラセボ群よりも高く(10.9% vs.7.1%)、痛風の発現率もベンペド酸群が高値であった(1.2% vs.0.3%)。 12週時点で、ベンペド酸群は、平均LDLコレステロール値が19.2mg/dL低下し、ベースラインからの変化率は-16.5%であった。プラセボ群のベースラインからの変化率との差は-18.1ポイント(95%信頼区間[CI]:-20.0~-16.1)で、有意差が認められた(p<0.001)。安全性および有効性のアウトカムは、併用していたスタチン療法の強度にかかわらず一貫していた。

20320.

高感度心筋トロポニンI、真の99パーセンタイル値は?/BMJ

 大学病院で血液検査を実施した入院および外来の全連続症例2万例において、20例に1例は、高感度心筋トロポニンI(hs-cTnI)値が、推奨基準値上限(ULN)を超えていたという。英国・サウサンプトン大学病院 NHS Foundation TrustのMark Mariathas氏らが、hs-cTnIの99パーセンタイル値を明らかにすることを目的とした前向き観察コホート研究の結果を報告した。現行ガイドラインでは、急性心筋梗塞の診断/除外診断にトロポニン測定を推奨しているが、年齢、性別、腎機能等のさまざまな臨床要因がトロポニン値に影響を与えている。病院の全患者集団におけるトロポニン値の真の分布についてはほとんど知られていなかった。結果を受けて著者は、「急性心筋梗塞の診断における推奨ULN値の適用に当たっては、とくに心筋梗塞の臨床症状がない場合、誤診を避けるためhs-cTnIを注意深く解釈する必要がある、ということが浮き彫りなった」とまとめている。BMJ誌2019年3月13日号掲載の報告。入院/外来患者2万例でhs-cTnI濃度の99パーセンタイル値を解析 研究グループは、2017年6月~8月の間に、サウサンプトン大学病院 NHS Foundation Trustにおいて、臨床所見に対する医学的判断のために血液検査を実施したすべての入院/外来連続症例2万例を対象に、hs-cTnIを測定し評価を行った。 主要評価項目は、全患者におけるhs-cTnIの分布、とくに99パーセンタイル値とし、上級医(supervising doctor)の指示で実施されたhs-cTnI測定は解析から除外した。99パーセンタイル値は約300ng/L、20例中1例は推奨上限値超え 全2万例におけるhs-cTnIの99パーセンタイル値は296ng/Lであった。ULNとして現在臨床的に使用している製造業者の推奨値は40ng/Lで、全患者の20例に1例は40ng/L以上であった。 急性心筋梗塞と診断された患者122例と、医学的判断のためにhs-cTnI測定が指示された患者1,707例を除外した、残りの患者1万8,171例における99パーセンタイル値は189ng/Lであった。 また、99パーセンタイル値は、入院患者4,759例で563ng/L、外来患者9,280例で65ng/L、救急部門の3,706例で215ng/Lであり、225例(6.07%)が推奨ULN値を超えていた。集中治療室の123例中48例(39.02%)、および内科の全入院患者のうち67例(14.16%)のhs-cTnI濃度が、推奨ULN値よりも高値であった。

検索結果 合計:36559件 表示位置:20301 - 20320