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双極性障害治療に対する新薬候補

 ドラッグ・リポジショニングは、多くの医療分野において有望なアイデアである。躁病および双極性障害の発症率低下に対するアスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、低用量アスピリン、高用量アスピリン、スタチン、アロプリノール、アンジオテンシン系薬の継続使用の影響を調査するため、デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、デンマークの全国人口ベースレジストリをシステマティックに使用し、検討を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2019年3月14日号の報告。 対象薬剤を購入したすべてのデンマーク人および人口の30%のランダム化サンプルを対象に、ポアソン回帰分析を用いた全国人口ベース縦断的研究を行った。フォローアップ期間は、2005~15年の10年間とし、アウトカム指標には、次の2つを含めた。(1)入院または外来患者として精神科病院受診による躁病または双極性障害の診断、(2)躁病または双極性障害の診断またはリチウム使用開始とを組み合わせた測定。 主な結果は以下のとおり。・2005~15年の10年間で対象薬剤のうち1剤を使用した患者は160万5,365例(年齢中央値:57歳[四分位:43、69]、女性の割合:53.1%)であった。・低用量アスピリン、スタチン、アンジオテンシン系薬の継続使用は、両アウトカム測定において躁病または双極性障害の発症率低下との関連が認められた。・アスピリン以外のNSAIDs、高用量アスピリンの継続使用は、双極性障害の発症率上昇との関連が認められた。・アロプリノールでは、統計学的に有意な関連性は認められなかった。 著者らは「双極性障害における炎症やストレス反応システムに作用する薬剤の可能性が支持された。また、ドラッグ・リポジショニングの可能性のある薬剤を識別するために、人口ベースのレジストリが使用可能であることが示唆された」としている。■関連記事統合失調症と双極性障害の違い、脳内の炎症/ストレスに派生双極性障害、リチウムは最良の選択か双極性障害の補助治療オプションに関する情報のアップデート

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鳴り物入りで登場しても…(解説:後藤信哉氏)-1025

 いわゆるDOACは使いやすい。しかし、選択的・可逆的な凝固因子阻害薬では、血栓イベントリスクの高い症例では効果を期待できない。静脈血栓症も再発リスクの高い、体内局所の血栓性が亢進する病態に通用するか否か疑問があった。本研究では、1)がん、2)静脈血栓リスクが高い、3)抗がん剤治療開始、の3条件のそろった症例を、リバーロキサバンとプラセボにランダム化した。相手がプラセボであってもリバーロキサバンは静脈血栓発症予防効果を示せなかった。 抗がん剤治療は進歩したが、上記の3条件を満たすがん症例の死亡率は高い。死亡率に比較すれば血栓イベントリスク、出血イベントリスクは低い。リバーロキサバンは10mg/日が使用された。狭い適応を確実に守ろうとする他の2種の抗Xa薬の戦略と異なり、リバーロキサバンはさまざまな病態、用量が試みられた。直接的な凝固因子阻害薬が本当に有用な病態は少ないことを示す臨床試験を、数多く施行していることを評価すべきであろう。

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MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」【下平博士のDIノート】第23回

MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」今回は、選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)ブロッカー「エサキセレノン錠(商品名:ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg)」を紹介します。本剤は、中等度の腎機能障害およびアルブミン尿を有する2型糖尿病を合併する高血圧症患者にも投与することができ、これまでの高血圧症患者のアンメットニーズを満たす薬剤となることが期待されています。<効能・効果>本剤は、高血圧症の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年5月13日より発売される予定です。体液量の恒常性の維持に寄与するアルドステロンが作用するMR受容体の活性化を抑制することで降圧作用を示します。<用法・用量>通常、成人にはエサキセレノンとして2.5mgを1日1回経口投与します。なお、効果不十分な場合は5mgまで増量できます。本剤は、高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者や重度の腎機能障害のある患者、カリウム保持性利尿剤やカリウム製剤などを投与中の患者には禁忌となっています。<副作用>国内第III相臨床試験において、総症例1,250例中162例(13.0%)に、臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、血清カリウム値上昇51例(4.1%)、血中尿酸増加17例(1.4%)、高尿酸血症13例(1.0%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として高カリウム血症(1.7%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、血圧を上げるホルモン(アルドステロン)の働きを抑えることにより、血圧を低下させます。2.血圧が下がることにより、めまいなどが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意してください。3.飲み合わせに注意すべき薬や健康食品があるため、現在服用している薬やサプリメントがある場合は、医師・薬剤師にお伝えください。また、新たに薬を飲み始める場合は、あらかじめ相談してください。4.本剤を服用中は、体内のミネラルバランスを保つために、こまめな水分摂取や適度な運動を心掛け、脱水や便秘を予防してください。5.この薬の服用により、血中のカリウム値が上昇することがあります。手や唇がしびれる、手足に力が入らない、吐き気などの症状が現れた場合は相談してください。6.葉物野菜や芋類、豆類、バナナなど、カリウムを多く含む食物を食べ過ぎないように注意してください。カリウムは水に溶けやすいため、ゆでたり水にさらしたりすることで、カリウムを減らすことができます。<Shimo's eyes>MR拮抗薬は『高血圧診療ガイドライン2014』において、高血圧症治療の第1選択薬とはなっていないものの、ミネラルコルチコイドが関与する低レニン性高血圧症にとくに効果が期待でき、治療抵抗性高血圧症に対しても有用であるとされています。既存のMR拮抗薬としては、スピロノラクトン(商品名:アルダクトンA)とエプレレノン(同:セララ)が発売されています。スピロノラクトンのMR拮抗作用は強力ですが、女性化乳房や月経異常などの性ホルモンに関連した副作用を発現しやすいことが治療継続の課題となっています。MRへの選択性が高いエプレレノンは、性ホルモン関連副作用は軽減されていますが、中等度以上の腎機能障害患者や、微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者への投与は禁忌となっています。本剤はMR選択性を有し、本態性高血圧症患者を対象とした臨床試験においてエプレレノンに劣らない降圧作用が認められています。また、中等度の腎機能障害患者、および微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者に対しても、血清カリウム値の定期的な測定は必要ですが投与可能です。今までMR拮抗薬を使用できなかった血圧コントロール不良の患者の新たな治療選択肢となりうるでしょう。なお、2019年4月時点において、海外で承認されている国および地域はありませんので、副作用に関しては継続的な情報収集が必要です。

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第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイント【高齢者糖尿病診療のコツ】

第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイントQ1 運動量(負荷)と時間の設定について、基本的な考え方を教えてください高齢の糖尿病患者さんでは、運動療法の効果は血糖降下作用のみにとどまりません。筋肉量や筋力低下の抑制、フレイルや認知機能低下の予防、抑うつ予防、心肺機能の維持、ストレス解消など多岐にわたります。また一口に運動療法といっても、有酸素運動やレジスタンス運動、柔軟性運動(ストレッチ)、バランス運動など様々です。有酸素運動は歩行や水泳などの全身運動を指し、骨格筋などで酸素を取り入れて糖質や遊離脂肪酸を燃焼させ、エネルギー(ATP)を生成する運動です。運動開始から10分ほど経過すると糖質が利用されはじめ、15分ほど経過すると遊離脂肪酸が利用されはじめるので、糖質と遊離脂肪酸の双方が利用されるには20分以上の運動時間が必要となります。また運動強度としては、Borgの自覚的運動強度(rate of perceived exertion;RPE)の「ややきつい」と感じる程度が適当であり、心拍数で120拍/分程度、安静時脈拍の1.5~2倍の拍動数を示すレベルが目安となります(図1)。ただし、自律神経障害がある場合には脈拍が参考にならないこともあるので注意が必要です。画像を拡大するジョギングであれば、「隣の人とおしゃべりしながら走れる程度」を目安とすれば良いと思います。糖尿病患者の糖代謝の改善が持続するのは、運動後12~72時間のため、頻度としては週に3~5回が必要となります。標準的な考え方としては、週に150分以上のウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動を行うと、血糖コントロールの改善や糖尿病合併症の進行予防が期待できます。ウォーキングであれば、1回につき20~30分、1日2回ずつ行うのが理想です。しかし、今まで運動習慣のなかった方がいきなり20分以上の運動量をこなすのは困難です。そのため、実践可能な量から開始していくのが良いでしょう。まずは1日に5分程度でも良いので、ペットを連れて散歩する、ごみを捨てに行く、買い物に行くなどから始めてもらいます。できれば毎日行っていただくよう指導しています。外出することを習慣づけてしまえば、運動量を増やしていくことも容易となるからです。なお、運動は食後1時間程度から開始すると、食後高血糖の抑制効果が得られます。高齢の糖尿病患者は食後高血糖を来しやすいため、食後に運動することを推奨しています。レジスタンス運動とは、ダンベルを利用した体操や、腹筋や腕立て伏せといった筋力トレーニングなどを指します。高齢の糖尿病患者が、軽度の負荷であるレジスタンス運動を継続して行うと、筋肉量が有意に増加したという報告があります1)。最近のメタ解析では、2型糖尿病患者がレジスタンス運動を行うと、筋力だけでなく、血糖コントロールが改善するとも報告されています2)。レジスタンス運動は、少なくとも週2回以上行うことが推奨されています。ただし、フレイルがあってレジスタンス運動が十分施行できない場合には、柔軟性運動から始めて、軽度の負荷のレジスタンス運動を行い、有酸素運動やバランス運動を加えて、さらにレジスタンス運動の負荷を強めていくという流れが良いと思います。こうした運動を多要素の運動といい、タンパク質の十分な摂取と組み合わせると、フレイルや身体機能を改善することが報告されています3)。市町村の運動教室(筋力トレーニングを含むもの)やジムに参加したり、ヨガや太極拳などに参加したりすることも有効です。Q2 効果的な運動の組み合わせってありますか?有酸素運動とレジスタンス運動の併用が有効であることはよく知られていますが、そのベストな割合ははっきりしていません。しかし、どちらから先に始めるのが適当かについて検証した論文はあります。1型糖尿病患者12人に対して、運動中および運動後の血糖変化を測定したもので、レジスタンス運動を先行させた方が血糖変動は少なく、運動後や夜間の低血糖発症頻度も少なくなる可能性が示唆されました4)。また、血管平滑筋の緊張状態はレジスタンス運動で増加し、有酸素運動で緩和されるとも報告されています5)。高齢の糖尿病患者では動脈硬化性変化も大きいことから、血管平滑筋の緊張状態を緩和する意味からも、レジスタンス運動を先に行い、その後有酸素運動を行う方が良いのではないかと考えています。Q3 膝や腰の悪い患者さんに、推奨できる運動はありますか?多くの高齢糖尿病患者が、膝や腰の痛みを抱えており、思うように運動療法が施行できないことが多々あります。また、腎障害や網膜症、大血管障害などの合併症を有することも多いため、十分な運動の施行はさらに難しくなるのが悩ましいところです。有酸素運動とレジスタンス運動の双方を満たし、さらに膝や腰などへの負担が少ない運動としては、水中歩行があります(図2)。普段から積極的にジムへ通っている方などには、週2回程度、水中をゆっくり30分程度歩いていただくことを推奨しています。画像を拡大するしかし、プールやジムに通う習慣がないと、新たに始めるのを躊躇される方も多いのが実情です。このような患者さんには、運動を行うための準備段階として、軽度の身体活動の機会をできるだけ増やし、日常生活の中で簡単に行うことができるプログラムを提供することが重要と考えられます。最近ではNEAT(non exercise activity thermogenesis:普段の生活の中で座ったり家の中をうろうろ動き回ったりするなど、日常生活活動で消費するエネルギーのこと)の効果が注目されており6)、軽度の身体活動でも高齢糖尿病患者における体力の維持に寄与する可能性は十分あると考えられます。そのため、まずは、坐位や臥位の時間をできるだけ短くすることを指導します。次に、家の中でもできる運動を開始するように勧めます。たとえば、椅子に座ったままで足踏みをしたり、膝を高く持ち挙げたり、下肢を水平に上げて保持するなどの運動は、テレビを観ながらでも行うことができます。これらは歩行時の足の振出しや、階段での足の持ち上げに有効な、腸腰筋群を強化します(図3)。画像を拡大するQ4 転倒・骨折リスク低減に、推奨できる運動はありますか?転倒・骨折リスクの低減には、バランス運動が効果的です。例えば片足立ちは、体幹を支える大腿四頭筋の筋力維持に有効です。転倒防止に机や椅子につかまって行っても構わないので、片足立ちを左右30秒ずつ、1日3回程度から開始して、徐々に時間を延ばしていきます。これらの運動は道具も不要で膝などへの負担も少ないため、取り組みやすく、おススメです。最近では、慢性腎臓病においても運動は腎機能を悪化させず、一部は改善するという報告があります。また、定期的な運動を行っている血液透析患者の生命予後は、運動を行っていない患者に勝るという報告もあります7)。合併症があり、思うように運動できない場合でも、「家の中の掃除や簡単な料理など、家事を行ってみる」ところから始めて、「少しでも外出してみる」方向へ進み、徐々に自信がついてから、「これなら続けられる」と感じて自己効力感を高めていくことができれば、運動の効果が期待できると思います。また、1つの運動に飽きてしまったら、いくらでも別の運動に変えていって構いません。高齢糖尿病患者に対する運動療法の目的は、健康寿命を延ばすことです。個人差が大きいため、個々に合った運動療法が見つかるまで色々な方法を提案し、その中から患者さん自身が選び、継続していけるようになることが望ましいでしょう。1)Singh NA, et al. J Am Med Dir Assoc.2012; 13: 24-30.2)Lee J, et al. Diabetes Therapy.2017; 8: 459-473.3)Liao C-D, et al. Nutrients.2018.Dec 4[Epub ahead of print]4)Yardley JE, et al. Diabetes Care.2012; 35: 669-675.5)Okamoto T, et al. J Appl Physiol.2007; 103: 1655-1661.6)Levine JA, et al. Science.2005; 307: 584-586.7)Greenwood SA, et al. J Kidney Dis.2015; 65: 425-434.

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骨折の介護は介護者の働き方を変える

 高齢者の骨粗鬆症による骨折は、患者自身のQOLを悪化させるだけでなく、予後も悪化させる。と同時に家族など介護者に多大な負担を強いることになり、わが国でも問題となっている。今回、介護の実情、介護者の本音について、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社は、50歳以上で骨粗鬆症に起因すると思われる骨折患者を介護する家族介護者の男女にアンケートを実施し、その詳細を公開した。 アンケートは、本年2月にインターネットで、全国3,071名に行われた。介護者の4人に1人が離職や転職を経験 質問で「お世話をするために、ご自身の働き方を変えたことがありますか」(複数回答)では、「有給の取得」(38.3%)、「時短勤務の実施」(29.7%)、「離職」(14.7%)の順で多く、介助・介護のために4人に1人が離職(退職、休職)や転職、部署変更など、労働環境の大きな変化を経験していることがわかった。 また、「お世話のために現在離職・休職中で、社会復帰がしたいか、働くことが難しいか」(n=359)を質問したところ、「社会復帰がしたい」を思う回答者は47.9%いる一方で、「働くことが難しい」と思う回答者は76.0%と4人に3人以上が就業の困難さを自覚している結果となった。介護で一番大変なのは「トイレへの移動、お風呂に入れること」 「介護期間について」尋ねたところ全体では「5年以上」(24.0%)、「1年以上~2年未満」(22.0%)、「2年以上~3年未満」(19.3%)だった。また、現在休職中(n=359)では「5年以上」(33.7%)、「3年以上~5年未満」(20.3%)、「2年以上~3年未満」(17.0%)と介護期間が長いほど、離職の割合も高くなる関係がみられた。 つぎに「お世話が必要になった骨折部位について(不明な場合は、近い部位)」(複数回答)を尋ねたところ、「背骨」(26.6%)、「足の付け根」(19.2%)、「手首」(14.9%)の順で多く、骨粗鬆症の主要な骨折部位を反映した回答結果であった。 また、介護者が負担に感じていることを具体的に尋ねたところ、「トイレへの移動、お風呂に入れること」(38.1%)」、「外出の付き添い・サポート」(36.3%)、「自分自身が疲れてしまい、寝込みそうになる/寝込んだことがある」(27.5%)の順で回答が多く、介護者が自身の体力へ不安を感じる声が寄せられた。同じく精神的負担については、約45%の介護者が、「自分の事をいつも後回し」「休息が取れない」ことを負担に感じており、「自分自身の人生を憂うことがある」という回答も多く、介護者の精神的疲弊の実情も明らかになった。患者介護は社会全体で取り組む課題 今回のアンケート結果について調査を監修した萩野 浩氏(鳥取大学医学部保健学科 教授)は、「今回の調査からは、骨折を経験された患者さんを支えているご家族の負担や苦労が顕在化された。また、介護負担の大きさから離職を余儀なくされている介護者が多いことも示され、骨粗鬆症に伴う介護負担についても、社会全体で取り組む課題であることが示唆された。世界トップクラスの長寿国に生きる私たちにとり、医療専門家とともにしっかりとご自身やご家族の健康と向き合い、健康寿命を延ばすために積極的にアクションを取っていくことが肝要」とコメントを行っている。■参考アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社 プレスルーム■関連記事骨粗鬆症の再骨折リスクを抑える新たな一手患者向けスライド 骨粗鬆症

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再生細胞薬SB623、慢性期外傷性脳損傷、先駆け審査の対象品目に/サンバイオ

 サンバイオ株式会社及びその子会社である SanBio, Inc.は、同グループが外傷性脳損傷を対象疾患としてグローバルで開発を進めている再生細胞薬SB623が、2019年4月8日、厚生労働省より再生医療等製品として「先駆け審査指定制度」の対象品目の指定を受けることになったと発表。「SB623の投与群は有意な運動機能の改善」という良好な結果 SB623は、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の間葉系幹細胞を加工・培養して製造したもので、脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで失われた運動機能の改善を促すことが期待されている。 同グループは単独でSB623の慢性期外傷性脳損傷を対象とした日米グローバルの第II相臨床試験を行っており、2018年4月に被験者(61例)の組み入れを完了し、同年11月に「SB623の投与群は、コントロール群と比較して、統計学的に有意な運動機能の改善を認め主要評価項目を達成。」という良好な結果を得た。 SB623の良好な結果もって、日本の慢性期外傷性脳損傷プログラムにおいては、国内の再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度を活用し、2020年1月期(2019年2月~2020年1月)中に、SB623の再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指している。

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心不全患者の突然死、わが国でも高い精度で予測可能に/日本循環器学会

 欧米で開発された心不全患者の突然死の統計的な発症予測モデルSeattle Proportional Risk Model(SPRM)を用いることにより、日本人の心不全患者においても高い精度で突然死の発症を予測できることが示唆された。突然死の予防に有効な植込み型除細動器(ICD)を含めた治療方針を検討するうえで役立つことが期待される。2019年3月29~31日に開催された第83回日本循環器学会学術集会で、慶應義塾大学医学部循環器内科の福岡 良磨氏らが発表した。 心不全の患者では、突然死のリスクが高いことが知られている。わが国の急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)では、心臓の駆出率と心不全症状の程度の2項目による突然死リスク(ICD適応)の評価を推奨しているが、これだけの情報では突然死の発症予測は難しいと指摘されている。一方、欧米では、米国・ワシントン大学のWayne C. Levy氏らにより、患者の年齢/性別、身長/体重、血圧、心臓の駆出率、心不全症状の程度、血液検査所見などの10項目を加味して統計的にリスク予測を行うSPRMが開発され、高い精度での突然死予測能が得られている。今回、福岡氏らはワシントン大学との共同研究により、日本人心不全患者の突然死の発症頻度を調査するとともに、SPRMを用いた際の突然死の予測能を検証した。 本研究では、2009年1月から2015年8月までに慶應義塾大学病院、榊原記念病院、杏林大学病院、聖路加国際病院に入院し、West Tokyo Heart Failure Registryに登録された急性心不全患者2,240例を解析した。 主な結果は以下のとおり。・2年間の追跡の結果、356例(15.9%)の全死亡を認め、そのうち76例(3.4%)が突然死だった。・SPRMは日本人においても、欧米と同等に良好な精度で突然死を予測できた(C統計量:0.63[95%信頼区間:0.56~0.70])。・心臓の駆出率が低下した患者において、従来のガイドラインによる基準(心臓の駆出率の低下と心不全症状の程度の2項目)と、SPRMによる突然死の予測能を比較したところ、SPRMによる突然死の予測能のほうが精度は高かった(ガイドラインによる基準でのC統計量:0.53[95%信頼区間:0.42~0.63]、SPRMでのC統計量:0.65[95%信頼区間:0.55~0.75])。

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EGFR変異肺がん1次治療におけるエルロチニブ+ベバシズマブの効果(NEJ026)/Lancet Oncol

 StageIVのEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)ではEGFR-TKIが標準療法であるが、1年程度で半数に耐性が起こる。そのため、さまざまな併用療法が試みられている。NEJ026はASCO2018で発表されたEGFR変異陽性NSCLCの1次治療に対するエルロチニブとベバシズマブの併用をエルロチニブ単剤と比較した第III相試験であるが、その中間解析の結果がLancet Oncology誌2019年4月8日号で発表された。・対象:化学療法歴のないStageIIIB~IVまたは再発のEGFR変異陽性NSCLC患者(PS 0~2)。・試験薬:ベバシズマブ3週ごと投与+エルロチニブ連日投与群(BE群)・対象薬:エルロチニブ単独連日投与群(E群)・主要評価項目:[主要評価項目]PFS、[副次評価項目]全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間、安全性、QOLであった。 主な結果は以下のとおり。・228例の患者が登録され、BE群とE群に無作為に割り付けられた。(ともにn=114)。・追跡期間の中央値は12.4ヵ月であった。・主要評価項目であるPFS中央値は、BE群が16.9ヵ月(14.2~21.0ヵ月)、E群が13.3ヵ月(11.1~15.3ヵ月)で、BE群で有意な延長効果が確認された(HR:0.605、95%CI:0.417~0.877、p=0.016)。・副次評価項目のうち、ORRはBE群72%、E群66%、DCRはBE群95%、E群96%で両群間に有意差はなかった。・Grade3以上の有害事象発現率は、BE群88%、E群46%であった。■関連記事EGFR変異肺がんにおけるエルロチニブ・ベバシズマブ併用第III相試験(NEJ026)/ASCO2018

20189.

統合失調症に対する抗炎症薬補助療法~メタ解析

 統合失調症に対する抗炎症薬補助療法が、症状改善に寄与することが最近のエビデンスで示唆されている。しかし、認知機能、全般的機能、副作用に対する抗炎症薬補助療法の効果については、システマティックに研究されていない。韓国・カトリック大学のMyeongju Cho氏らは、統合失調症に対する抗炎症薬補助の効果を包括的に調査するため、メタ解析を実施した。The Australian and New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年3月13日号の報告。 PubMed、EMBASE、Cochrane Database of Systematic Reviewsを含むオンラインデータベースより、精神病理、神経認知、全般的機能、錐体外路系副作用を含む臨床アウトカムを調査したランダム化プラセボ対照二重盲検試験を検索した。調査対象抗炎症薬は、アスピリン、セレコキシブ、ω3脂肪酸、エストロゲン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、プレグネノロン、N-アセチルシステイン、ミノサイクリン、davunetide、エリスロポエチンであった。 主な結果は以下のとおり。・定量分析のための選択基準を満たした研究は、62件(2,914例)であった。・抗炎症薬補助により、PANSSの総スコア、陽性症状スコア、陰性症状スコアの有意な減少が認められた。・ミノサイクリンおよびプレグネノロン補助療法では、認知機能の有意な改善が認められた。・全体的に抗炎症薬補助療法により、全般的な機能は有意に改善していた。・抗炎症薬補助療法は、プラセボと比較し、副作用に有意な差は認められなかった。・ベースライン時のPANSS総スコアおよび罹病期間は、精神症状改善に対する抗炎症薬補助療法の効果を緩和する因子として同定された。 著者らは「抗精神病薬単独療法よりも、抗炎症薬補助療法を用いた有効性および安全性が支持された。しかし、抗炎症薬補助療法のより詳細な効果を理解するためには同種の臨床プロファイルを有する患者に焦点を当てた研究が必要である」としている。■関連記事統合失調症治療に抗炎症薬は有用か初回エピソード統合失調症患者におけるアリピプラゾールとリスペリドンの抗炎症効果の比較精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに

20190.

1型糖尿病児の血糖コントロール、持続皮下vs.頻回注射/BMJ

 英国の1型糖尿病の小児では、1年時の血糖コントロールに関して、持続皮下インスリン注入療法(CSII)には頻回注射法(MDI)を凌駕する臨床的有益性はないことが、同国Alder Hey Children’s NHS Foundation TrustのJoanne C. Blair氏らが行ったSCIPI試験で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年4月3日号に掲載された。CSIIは費用対効果が優れるとするメタ解析や経済評価の報告があるが、いずれも小規模な無作為化対照比較試験や観察研究のデータに基づくものであった。また、1型糖尿病の成人患者のクラスター無作為化試験(REPOSE試験)では、CSIIはMDIを超える有益性をもたらさないことが示されている。1年時の血糖コントールを比較する無作為化試験 研究グループは、1型糖尿病の小児における診断から1年間のCSIIとMDIの有効性、安全性、費用対効果を比較する目的で、プラグマティックな多施設共同非盲検無作為化対照比較試験を実施した(英国国立衛生研究所[NIHR]健康技術評価プログラムの助成による)。 対象は、1型糖尿病を新規に診断された7ヵ月~15歳の小児であった。1型糖尿病のきょうだいがいる患児や、血糖コントロールに影響を及ぼす可能性のある薬物療法またはほかの疾患の診断を受けている患児は除外された。 被験者は、診断から14日以内にCSIIまたはMDIを開始する群に無作為に割り付けられた。体重と年齢に基づき、インスリン アスパルト(CSII、MDI)、インスリン グラルギンまたはインスリン デテミル(MDI)の開始用量を算出し、血糖の測定値および各施設の診療方針に従って用量を調節した。 主要アウトカムは、12ヵ月時の血糖コントロール(HbA1c値[mmol/mol]で評価)とした。両群とも、血糖コントロール、目標値の達成率が低い 2011年5月~2017年1月の期間に、イングランドおよびウェールズの15の小児糖尿病に関するサービスを提供する国民保健サービス(NHS)施設で293例が登録され、CSII群に144例、MDI群には149例が割り付けられた。ベースラインの全体の年齢中央値は9.8歳(IQR:5.7~12.3)、女児が47.8%であった。 12ヵ月時のITT集団の平均HbA1c値は、CSII群とMDI群でほぼ同等であり、臨床的に意義のある差を認めなかった(60.9 vs.58.5mmol/mol、補正後平均群間差:2.4mmol/mol、95%信頼区間[CI]:-0.4~5.3、p=0.09)。また、per-protocol集団でも有意な差はなかった(p=0.67)。 HbA1c値<58mmol/mol(2015年8月時点での英国の目標値)の達成率は、2群とも低かった(CSII群46 vs. MDI群55%、相対リスク:0.84、95%CI:0.67~1.06、p=0.16)。また、重症低血糖(6 vs.2%、3.1、0.6~15.1、p=0.17)および糖尿病性ケトアシドーシス(2 vs.0%、5.2、0.3~106.8、p=0.24)の発生率も低かった。 CSII群では、重篤でない有害事象が54件発生し、重篤な有害事象は14件みられた。MDI群では、それぞれ17件、8件であった。また、PedsQL(子供の健康関連QOLの評価尺度)の糖尿病モジュールスコアは、患児の自己評価では両群に有意差はなかったが、親の評価ではCSII群のほうが良好だった(補正後平均群間差:4.1、95%CI:0.6~7.6)。 CSII群は、1例当たりの費用が1,863ポンド(95%CI:1,620~2,137;2,179ユーロ、2,474ドル)高かった(4,404 vs.2,541ポンド)。質調整生存年(QALY)には有意な差はなかった(0.910 vs.0.916、群間差:-0.006、95%CI:-0.031~0.018)。 著者は、「CSIIはMDIに比べ、1年時の臨床的有効性が高くなく、費用対効果も優れなかった」とまとめ、認識すべき重要なポイントとして次の3点を挙げている。(1)血糖コントロールは両群とも十分に良好とはいえない、(2)対象は新規診断例であり、1型糖尿病の治療をより多く経験した患児では、CSIIで良好な結果の達成率が優れる可能性がある、(3)技術の進歩が、CSII治療の負担を軽減し、優れた血糖コントロールの期間内の達成を促進する可能性がある。

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アミロイドが見えるとどうなる?(解説:岡村毅氏)-1024

 かつてはアルツハイマー型認知症は死後にしか正確に診断できないとされてきた。しかしアミロイドペットの臨床応用とともに、変わりつつあるようだ。本研究は巨大で、1万6,008名の患者さん、全米595施設から946名の専門医師が参加したものであり、人々(患者さんや医師)の動きを鳥の目で見ることができる点で興味深い。 少し詳しく説明しよう。脳はバイオプシー(生検;生体から組織切片などをとって行う検査)ができないので、脳内にアミロイドがたまる病気であるアルツハイマー型認知症は、基本的には外から患者さんをみることでしか検査ができなかった(脳血流検査や血液・髄液検査の話は簡略のために今回は触れません)。ただ1回の神経心理テストや精神神経症状や脳画像検査から診断することは難しい。しかし現病歴(これまでの経緯)や、初診の後にどのように変遷するかをみることで、診断の確証度は上がっていく。 実は、多くのケースでは診断は難しくない。徐々に発症し、昔のことは覚えているが最近のことを忘れ、視覚構成に難があり、特段の神経症状がなく、社会性は保たれ、つまり診察室では穏やかでにこにこしているが家に帰ると私の財布を取っただろうと言ったりすることもあり…というような典型的なケースであればアルツハイマー型認知症(あるいはそれの手前の軽度認知障害)と診断ができる。そして亡くなった後に何かの経緯で病理学的検査が行われれば、確かにアミロイドが蓄積しており診断は正確であったとわかる。 しばしば難しいケースがある。非典型的な症状があるケースだ。精神症状(妄想など)が重篤なケースや、若年性認知症が疑われる場合などである。このような場合、アルツハイマー型認知症であるかどうかは未来の予測につながり患者さんを守るので、意思決定のために重要な情報である。 アミロイドペットは脳内のアミロイドを可視化する(およそ90%程度の正確性)が、きわめて高価な検査である。前者(難しくないケース)では、あまり意味はないだろう。本人家族に「アルツハイマー型認知症と診断していました、そしてより詳しい検査の結果、診断は正しかったのです!」と伝えたところで何になるというのか。 後者(難しいケース)では、有意義なことも多いだろう。たとえば会社で何をやってもうまくいかなくなって来院した中年の人が、実はアルツハイマー型認知症(の初期)とわかり、本人には何ら落ち度はないのだと皆が知り、苦しみが理解され、社会の支援が始まったというようなケースである。 あまり語られないのは、認知症を過度に恐れる人々の存在である。このような人は、自費で〇十万も払って、自分の脳内にアミロイドがたまっていないかを確認したりするかもしれない。医療保険の領域にこのような人が迷い込まないようにすることが重要だ。関心のある方は「アミロイドPETイメージング剤の適正使用ガイドライン」を参照いただきたい。 さて本論文では、米国の適正使用基準に従って、つまり認知機能低下の原因が不明であり、アルツハイマー型認知症が疑われ、検査によって利益が大きいと判断された人のみが参加したとされている。そしてアミロイドペットによって約60%の患者さんで治療上の変化(薬剤の変化など)が生じており、通常想定される30%を超えているので、有意義であると結論されている。予想の範囲内の展開であるが、もう少し深く見てみよう。 治療の変化をみると、アミロイドペット陽性(つまりアミロイドがたまっている)とわかると、アルツハイマー型認知症の薬剤使用が開始される(MCIで40%から82%へ、認知症で63%から91%)。一方で興味深いことに、アミロイドペット陰性でも、すでに開始されているアルツハイマー型認知症の薬剤は中止されることは少なく、微減にとどまる。また、アミロイドペットを受けた患者さんは、その後に受ける心理検査や髄液検査(どちらも本人にとってはきつい経験だ)が減るので、患者さんは楽にはなる。 診断の変化をみると、アミロイドペット陽性であった方では、アルツハイマー型認知症の診断は80%から96%へと増えた。一方で陰性であった方では72%から10%へと減少した。なお、医師はアミロイドペットの結果、診断により確証をもてる(不確実と考える割合が72%から16%へと激減)が、これは患者さんにも益が大きいだろう。 やはりアルツハイマー型認知症かどうかはっきりとわからない場合には、アミロイドペットによって診断が助けられ、治療に参考になり、患者さんは延々とあれこれ細かい検査を受けずに済むというメリットはあるようだ。とはいえ、アミロイドがたまっているからといって、アルツハイマー型認知症であるわけではないことを忘れてはならない(逆は言える。つまりアルツハイマー型認知症ならアミロイドはたまっているはずだ)。認知症ではない人が研究目的以外にこの検査を受けることには意味はない。

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第20回 医薬分業は必要か? 薬機法改正【患者コミュニケーション塾】

薬機法の改正に向けた10回の議論医薬品や医療機器にまつわる問題については、厚生労働省の医薬・生活衛生局が所管しています。そして、それらにまつわる問題についてさまざまな検討会が開催されますが、大きな問題はその親会である厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会)で議論することになっていて、私も委員の1人として参加しています。2018年4月から12月にかけては、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の見直しに向けて、医薬品・医療機器などを取り巻く現状や課題について10回にわたって議論を行いました。これは、薬事法が2013年11月に改正されて薬機法となった際、安全対策の強化や医薬品販売規制について施行後5年をめどに見直しをするという規定に基づくものです。ただ、この10回の部会の中で多くの時間を割いたのは、薬機法の改正に関わる項目よりも、薬剤師・薬局のあり方、医薬分業のあり方についてで、常に議論が紛糾しました。最終的にその議論は結論を得ることなく、今後も検討を続ける必要があるとして、「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」というとりまとめを別途行うに至ったのです。患者は医薬分業の意義を見いだせていないこの制度部会は医薬品業界の中で非常に注目され、毎回多くの医薬品関連のメディアや関係者が傍聴に訪れていました。初回から医師側の委員が、「医薬分業自体見直して、院内処方への回帰を考える必要がある」という「医薬分業廃止論」にもつながりうる主張をされたこともあり、議論の行方について関心が高まっていました。私も、一般的には医薬分業率がこの約30年で1割から7割に高まったとはいえ、そのメリットを多くの国民は享受しているとは言えない状況にあることを危惧していました。電話相談やミニセミナー患者塾などを通して一般の方々の本音をお聞きしていると、「院内処方のときよりも院外処方のほうが、経済的負担が重くなった」「病院で待たされて、また薬局でも待たされる。時間がかかるばかりだ」「なぜ薬局に行ってまで病気のことをこまごま尋ねられるのか」という不満ばかりが出てきます。これらの不満の多くは、薬局薬剤師の役割や意義について理解されていないためだと常々思ってきました。薬剤師が「薬のプロ」であることは知っていても、どのような役割を果たしているかを多くの人が理解できていないために、薬剤師に期待が向けられていない、という状態が問題だと思っていたのです。私自身、一般の方を対象に講演をするときには、患者が知っておいたほうがいい知識として、かかりつけ薬局を持つ必要性と、薬剤師の基本的な役割を必ず紹介しています。薬剤師の基本的な役割とは、(1)薬剤情報提供、(2)薬剤服用歴管理、(3)疑義照会、(4)残薬整理です。とくに(1)の薬剤情報提供については、2014年に薬剤師法が改正された際、「薬学的知見に基づく指導」をすることが義務付けられました。つまり、これまで以上に患者に踏み込んだ情報提供をしなければならなくなったのです。それなのに、法改正の後も薬局薬剤師が手にしているのは、病名も病状もわからない処方箋と、患者から得る情報のみです。もっと医療機関から確かな患者情報が得られなければ、薬学的知見に基づく指導なんてできないのではないかと思ってきました。そのため、医療機関と薬局とが連携して情報のやりとりをする、医療機関と薬局の薬剤師の“薬薬連携”こそが重要だと主張してきました。外来での治療が増える中で、求められる変化ところが、このような薬局薬剤師の役割について、多くの患者は理解できていません。それは薬局薬剤師の“役割の見える化”ができていないことに問題があります。そしてそれは、薬局薬剤師自身が、患者にその役割の説明をしていないためだと言い続けてきました。もちろん、すべての薬局・薬剤師に当てはまるわけではありませんが、このような状況を生んでしまっている要素として、調剤業務だけで経営が成り立っていること、薬局薬剤師が地域や多職種と連携できていない内向き傾向にあること、必要な情報を享受するための積極的姿勢に乏しく“待ちの姿勢”に甘んじていること、臨機応変なコミュニケーション能力が発揮できていないこと、などを問題視してきました。この制度部会でも、それらの考えに基づいてかなり積極的に発言を繰り返してきました。ところがその発言は、人の目を引く一部だけが切り取られ、さまざまな医薬品関連のwebニュースで取り上げられました。それによって、制度部会が回数を重ねるに従って、講演先で「どれだけ怖い人かと思って身構えていた」「攻撃だけをする人かと思っていたけれど、今日、話を聴いて薬剤師を応援してくれているのだと誤解が解けた」などと言われることが増えたのです。ときには報道をうのみにして厳しい言葉で非難・抗議するメールが届くことも珍しくなくなってきました。一度誤解されると、どれだけ丁寧に説明しても理解してもらえることは難しいだけに、何ともむなしい気分に陥ることもあるのは事実です。しかし、薬局は今、かなりの瀬戸際に立たされていて、薬剤師が薬局にこもって仕事をしていたのでは淘汰されてしまう。「ウチは一生懸命やっている」と自負していても、患者にその役割と存在意義が認められないと、共倒れになってしまうという危機感を私は肌で感じています。多くの疾患の治療が入院から外来にシフトする中で、患者の薬物療法の安全性を守り、きちんと情報提供してくれる薬剤師の役割は大きいと感じているだけに、一部の情報で批判されようとも、気持ちをなえさせずに主張を繰り返してきました。とりまとめられた内容とは12月に行われた制度部会のとりまとめでは、来年度の国会に提出する法案の骨子として、次のような内容がまとめられました。薬剤師は調剤して終わりではなく、患者が薬を服用している期間を通じてフォローアップする。薬剤師が上記のような役割を十分発揮できるように環境を整備し、そのような対人業務を充実させるために、対物業務の効率化を図る。在宅医療やがんの薬物療法など、専門性の高い薬学的管理が継続的に必要になるため、患者が自分に適した機能を持つ薬局を選択できるように環境を整える。そして、本来薬機法の対象とはならないにもかかわらず、多くの時間を割いた薬局・薬剤師のあり方や医薬分業についてのとりまとめでは、厳しい議論の内容が赤裸々に記されました。たとえば「現在の医薬分業は、政策誘導をした結果の形式的な分業であって多くの薬剤師・薬局において本来の機能を果たせておらず、医薬分業のメリットを患者も他の職種も実感できていない」「単純に薬剤の調製などの対物中心の業務を行うだけで業が成り立っており、多くの薬剤師・薬局が患者や他の職種から意義を理解されていないという危機感がない」「院内処方へ一定の回帰を考えるべきであるという指摘があった」という批判的な意見がそのままにつづられました。薬剤師が調剤時のみならず、服用期間中のフォローアップをすることを薬機法に盛り込むに当たっては賛否両論ありました。私は、本来当たり前に果たす必要のあるその役割について、多くの薬局において実施しているのであれば、わざわざ法律に書き込む必要はないと思います。しかし、これまで自浄作用を待っていたけれど、いつまで経っても自発的に実施する薬局が増えないのであれば、法律で義務化するしかないと主張しました。 反対される委員からは「法律に書き込めば、それは調剤報酬となってお土産を与えるだけだ」という反論がありました。しかし、法律に盛り込まれるということは、「やって当たり前の役割」と公になることです。それを新たな報酬として設けること自体おかしいとさらに反論しました。その結果、とりまとめでは「今回の制度部会での議論も十分踏まえ、患者のための薬局ビジョンに掲げた医薬分業のあるべき姿に向けて、診療報酬・調剤報酬において医療機関の薬剤師や薬局薬剤師を適切に評価することが期待される」と書き込まれました。これは、病院薬剤師の働きを報酬上もっと評価し、法制化したからといって薬局薬剤師の役割のさらなる報酬化につながってはいけないという意味が込められたと私は議論に参加した1人として解釈しています。この問題にご関心をお持ちくださった会員の皆さま、一委員からの報告という一部の切り取りではなく、議論の結果である20ページにわたるとりまとめ全文をどうぞ読んでみてください。そのうえで、ご意見・ご感想をお届けいただければ幸いです。参考「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」、「薬剤師が本来の役割を果たし地域の患者を支援するための医薬分業の今後のあり方について」

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第17回 心電図界のギョーカイ用語、知りたくない?~QRS波の命名法~(前編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第17回:心電図界のギョーカイ用語、知りたくない?~QRS波の命名法~(前編)心室の収縮を表す「QRS波」。単一の波のように思えて、実は、いくつかの波が合わさっているんです。個々人で微妙に波形が異なったり、心臓病になって心臓に“キズ”がつくと、かなり複雑になったり…。そんなQRS波に焦点をあて、その命名法をDr.ヒロが2回シリーズでお届けします。前編の今回は、各波形の基本的な命名法を扱いましょう。【問題】次の(1)~(6)のQRS波は、どう呼んだらいいか? 波形に注目して「~型」と答えよ。(図1)さまざまなQRS波画像を拡大する解答はこちら(1)rS型、(2)qR型、(3)qRs型、(4)qRS型、(5)QR型、(6)QS型解説はこちら(1)と(2)は、基本中のキホンです。極論すれば、正常なQRS波形は、この2ついずれかのパターンしかありません。ここで、QRS波形の命名法として、以下2つの基本的ルールについて学びましょう。上向き波と下向き波をどう呼ぶか?アルファベット表記の大文字・小文字をどう使い分けるか?“暗号化されたQRS波”たとえば、皆さんが講義やカンファレンスで、『V1誘導のQRS波形は、「rSr'型」の不完全右脚ブロックパターンを示しています』と聞いて、どんな波形のことか、すぐに思い浮かべることはできますか? 心電図の世界では、QRS波形(configuration)の表現法に一定のルールがあります。まぁ、“業界用語”みたいなものかな。冒頭にも取り上げたように、ボクたちが通常「QRS波」と呼んでいるスパイク状の波は、単一ではなく、いくつかの上向き(陽性)波と下向き(陰性)波が合わさってできています。より正確な表現は「QRS群」(QRS complex)。つまり、“複合”ってコト。このQRS波の命名法について、詳しく説明している本は少ないですが、今回、具体例を用いて解説します。これを理解すると、波形に親しみが持てるようになるでしょう。“基本的な波形要素の名称と大きさ”まず、上向き(陽性)波から。これは「R波」の“一択”でOK。シンプルでしょ? QRS波の命名のスタートは、必ずこの「R波」を認識することから始まると考えて下さい。一方の下向き(陰性)波は、「Q波」と「S波」の2通りがあります。「最初のR波よりも手前に陰性波があったらQ波」のように述べている教科書もありますが、やや回りくどく感じますね(“最初”という表現は後編で扱いますが複数ある場合も踏まえます)。要はQRS波の最初の波が下向きで始まっていたら、それが「Q波」というワケ。それ以外の下向き波は、すべて「S波」と呼んじゃってOKです。そして、もう一つ。一般的な名称は「Q波」、「R波」、「S波」でいいんですが、振幅が小さな場合は、アルファベットの小文字で「q波」、「r波」、「s波」と表記するんです。Dr.ヒロ流の目安は3mm。これに満たない波は“小さい”と判断します。もちろん、これはローカル・ルールで絶対的なものではないので、大体でいいんです(ボクは3mmギリギリでも小文字で書いています)。さて、基本を知ったらすぐ適用。これがDr.ヒロ流心電図学習の極意の一つ。以上のことを踏まえて、問題の波形を1つずつ丁寧に確認してみましょう。(1)は、はじめに小さなR波、つまり「r波」があって、次に大きな「S波」ですね。あとは、時間の流れに沿って左から呼ぶだけですから、「rS型」です。これはV1~V3などの右前胸部誘導(または前壁誘導)で主に見られる波形で、「右室パターン」というニックネームもあります。QRS電気軸のところで、“下向き優勢”といった波形の代表です(第8回)。(2)はどうでしょう? 立派にツンッと立った「R波」が出現する前に小さな「q波」があります。下向き波から始まっているので、「s波」ではありません。よって、「qR型」となりますね。こちらは、V5、V6などの左側胸部誘導(または側壁誘導)で主に見られ、「左室パターン」と呼ばれます。こちらは“上向き優勢”のQRS波です。(3)は、(2)とほとんど一緒ですが、最後に小さな下向き波(s波)が出現しているので、「qRs型」が正解です。これも広義の「左室パターン」と呼べる類縁波形です。その調子でいってみましょう。(4)は「R波」を中心に、前後に下向き波。前は小さいので「q波」、後は大きさが十分ですから「S波」でいいでしょう。つまり「qRS型」が正解です。(5)は「R波」の手前に大きい「Q波」が存在するので、「QR型」が正しい呼び方です。どうです? わかってくるとポンポン名前が出てくるでしょう? 単純だけれど、こんな小さな“喜び”が勉強を続ける力になります。“右室パターンと左室パターンとは何ぞ”さて、(1)~(3)で突如として登場した「右室/左室パターン」という表現。これは、次の図を見ると理解が深まります(図2)。(図2)胸部誘導電極と両心室の位置関係画像を拡大するこの図は、心臓レベルの胸部CT画像(水平断)に、胸部誘導の電極位置を示したものです(“宇宙人”が心臓を眺めていますね)。QRS波は、両心室の興奮を示しますが、通常は心筋ボリュームの多い左室成分が主に反映されていると考えて下さい。医学生や研修医にレクチャーする際、ボクは「心室内の電気の流れは、心臓の中心から左室の“先っぽ”(心尖部)に向かう方向だよ」と説明しています。すると、左室をド真ん前に見据えるゴロク(V5、V6)誘導は、この“電流”をそのまま受け入れる場所ですから、(2)や(3)のように立派なR波がそびえる波形となります。これが「左室パターン」というのも納得ですよね?一方の右室に近いV1やV2誘導側はどうでしょうか? 起こっている電気現象は1つなので、心室中隔をはさんで、V5・V6と正反対に位置するV1やV2にとって、心室内の“電流”は自分たちからどんどん離れていくように感じられるでしょう。その結果、基本の左室パターン(2)を上下反転させた(1)のようなカタチがV1やV2誘導の基本波形となります。「右室パターン」というのは、右室収縮を主に表すという意味“ではなく”、“右室側から”左室収縮を見た様子と理解しておきましょう。“「Q波」は心筋梗塞の爪痕!?”ところで、(2)~(5)のいずれにも「Q波」がありますが、(5)の「Q波」だけ真の「Q波」で、ほかは「q波」なのがわかりますか? 大きさだけではなく、(5)の「Q波」は“幅”も広いですよね?これは、「陳旧性心筋梗塞」、つまり過去の心筋梗塞の“爪痕”として見られる「異常Q波」です。梗塞巣を反映しているとされます。おおむね、幅の広さで本物の“爪痕”かどうかを決めてOKですが、実は、小さな「q波」でも「異常Q波」と考えるべき状況もあるため(とくにV1~V3誘導)、いずれ詳しく扱いたいと思います。あえてここで「心筋梗塞」の話をしたのは、最後の(6)の波形にも関係するからです。どうです、この波形? 最初に上向きの「R波」を探そうとしても…ないんです。このような“下向き波だけ”という特殊な状況では、「R波」がない以上、「Q波」とも「S波」とも決めかねてしまいますね。では、どう呼ぶのが正解か…これは、なんと「QS型」です! 人によっては「QSパターン」とも呼称されます。ただ、QRS波の最初が下向き波から始まっているという観点では「Q波」ですし、しかもこれだけ幅広となると…そう、これも「異常Q波」の1つと考えていいんです。問題のV3誘導は、V1~V3(V4)の前壁誘導で「陳旧性心筋梗塞」の“証拠”として出てくる典型的な波形になります。「QS型(パターン)」を認識・命名し、心筋梗塞と関連付けて捉えることが大事ですね。さて、今回はQRS波形の命名法の基本を扱いました。最後はボクお得意の“脱線”で「Q波」と心筋梗塞の関係にも言及しました。心電図の“業界用語”に、少しは慣れましたか?『ザギンのかわいいチャンネーいる店バミっといたんで、テッペンあたりにシータクでおねがいしやーす!』おっと、これは本当の“ギョーカイ用語”(笑)。世代がバレてお恥ずかしいですが、中学・高校生の頃、勉強に疲れた時、ボクの秘かな楽しみはTVのバラエティ番組を見ることでした。うすピンク色のカーディガンを肩にかけ、怪しいサングラスのプロデューサーが放つ台詞を芸能人がイジる…。ウーン、なんか「昭和」。もう時代は「平成」から「令和」に変わろうとしているのに。まだまだ“オッサン”ではなく“若手”と呼ばれたいDr.ヒロなのでした(笑)。「後編」では、病気になった心臓でみられる、ギザギザ度の増した複雑な波形の命名法について扱います。乞うご期待!Take-home MessageQRS波形の命名では、上向きのR波を基盤に、下向き波(Q波、S波)をどう呼ぶか考える一部の「Q波」や「QS型」は心筋梗塞に関連する重要波形正常な心電図波形は、すべて「右室パターン」「左室パターン」のいずれか、またはその亜型である*杉山 裕章. 心電図のみかた、考え方[基礎編].中外医学社;2013.p.68-74.*杉山 裕章. 心電図のはじめかた.中外医学社;2017.p.71-91.【古都のこと~岡崎別院~】岡崎別院(左京区)は、梅の季節にお薦めしたい“隠れスポット”の一つです。浄土真宗の開祖、親鸞聖人が居したと言われ、岡崎神社に隣接しています。曇天の早朝、周りを見渡すと自分一人。親鸞聖人が後鳥羽上皇による承元の法難で越後国に流される間際、御姿を映して名残を惜しんだとされる「鏡池」をそっと眺めました。何とも言われぬ気分になり、横を向くと「八房の梅」が咲いていました。一つの花に八つの実をつけ、初代の木は聖人お手植えだそう。ここにまつわる時代背景を学ぶと、“人”にまつわるさまざまなことを考えさせられます。

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第34回 20年間在宅訪問に尽力する薬剤師のサプライズ告白【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回のゲストは山形県新庄市の有限会社メディカほし薬局の星利佳先生。「私のライフワークは在宅だけ」と言い切る星先生も、1998年の開業当時は在宅訪問で薬剤師は何ができるのか思い悩んでいたそうです。そんな時に突破口を開いてくれたある薬剤師とは?川添先生驚きの生告白!?病院、薬局、ドラッグストア、開業などさまざまな経験をされてきた星先生からのメッセージをお聞きください。

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がん患者の深部静脈血栓症、再発率は2倍以上/日本循環器学会

 がんは深部静脈血栓症(VTE)の強力なリスク因子である。がん患者のVTE発症頻度は非がん患者に比べ高く、その発症率は近年増加している。しかし、がん関連VTEに関する研究は十分ではなく、適切な管理については明らかになっていない。天理よろづ相談所病院 循環器内科 坂本二郎氏らは、がん関連VTEの臨床的な特徴、管理、臨床的転帰をリアルワールドで評価する多施設後ろ向きコホート研究COMMAND-VTEレジストリを行い、その結果を第83回日本循環器学会学術集会で発表した。 COMMAND-VTEレジストリは、2010年1月~2014年8月、わが国の29施設において行われた。VTE疑い患者1万9,634例のうち、分析対象となった急性症候性VTE患者は3,027例であった。 全コホートをActive cancer群(がん治療中患者、手術施行予定患者、転移患者、終末期患者)695例、がん既往歴あり群243例、がん既往歴なし群2,089例の3つに分けて比較した。 主な結果は以下のとおり。・Active cancer群は他の2群に比べ、年齢が低く66.5歳であった。また重篤な出血(10%)、貧血の既往(76%)が他の2群に比べ高かった。・抗凝固薬累積中止率(1年間)はActive cancer群で最も高く44%、がん既往歴あり群、がん既往歴なし群はともに27.0%であった。・症候性VTE累積再発率(1年間)はActive cancer群で最も高く12%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ5%/3%であった。・重篤な出血累積発生率(1年間)はActive cancer群で最も高く15%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ6%/5%であった。・ワルファリンのコントロール指標である至適範囲内時間(TTR)はActive cancer群で最も低く61%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ67%/76%であった。・総死亡はActive cancer群で最も高く50%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ12%/6%であった。 Active cancer(がん治療中患者、手術施行予定患者、転移患者、終末期患者)はVTEの再発、重篤な出血、総死亡に関する予後不良因子であった。また、Active cancer群では抗凝固薬の投与中止が頻繁で、ワルファリンのコントロールも不良であった。

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認知症患者へのアミロイドPETが患者管理に影響/JAMA

 病因が不確定な軽度認知障害(MCI)および認知症の患者に対し、アミロイドPETを行ったところ、約6割の患者で施行前とは異なる患者管理に変更されたとの研究結果が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGil D. Rabinovici氏らが実施したIDEAS試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年4月2日号に掲載された。アミロイドPETは、アルツハイマー病の主要な神経病理学的特徴である脳アミロイド斑を検出する。アミロイドPETを臨床評価に追加すると、診断精度が向上するとされるが、アミロイドβの蓄積は他の神経変性疾患や認知機能が正常な高齢者にもみられるという。施行前後の患者管理の変更を評価する単群縦断研究 本研究は、MCIおよび認知症患者におけるアミロイドPET導入と、その後の臨床的管理の変更との関連を評価する単群縦断研究(米国Alzheimer's Associationなどの助成による)。 対象は、65歳以上のメディケア受給者で、過去24ヵ月以内にMCIまたは認知症の診断を受けた患者であった。また、次の3つのアミロイドPETの適正使用基準を満たすことが求められた。(1)専門医による包括的評価で認知機能障害の病因が不明、(2)アルツハイマー病の診断が考慮される、(3)アミロイドPETの導入で診断および患者管理の変更が予測される。 2016年2月~2017年9月に、米国の595施設の認知症専門医946人により1万6,008例が登録され、2018年1月までフォローアップが行われた。認知症専門医は、PET施行前と施行後90±30日時に、診断名と管理計画を記載した症例報告を作成した。 主要エンドポイントは、PET施行前後での患者管理の変更とし、アルツハイマー病の薬物療法、その他の薬物療法、安全性と将来の管理計画に関するカウンセリングを含む複合アウトカムで評価した。変更された患者の割合が30%の閾値を超えた場合に、臨床的に意味があると判定された。副次エンドポイントには、PET施行前後での診断名の変更(アルツハイマー病から非アルツハイマー病へ、またはその逆)の割合が含まれた。患者管理の変更の割合:MCI 60.2%、認知症63.5% 1万1,409例(71.3%、年齢中央値75歳[IQR:71~80]、女性50.9%)が試験を完遂し、最終解析の対象となった。このうち、MCIは6,905例(60.5%、75歳、49.6%)、認知症は4,504例(39.5%、77歳、52.8%)であった。また、アミロイドPET陽性は、MCIが3,817例(55.3%)、認知症は3,154例(70.1%)であった。9例のスキャンが評価不能だった。 PET施行による複合アウトカムの変更は、MCIでは6,905例中4,159例(60.2%、95%信頼区間[CI]:59.1~61.4)、認知症では4,504例中2,859例(63.5%、62.1~64.9)で行われており、いずれも30%の閾値を有意に上回っていた(p<0.001、片側検定)。 事後解析では、PET施行後のアルツハイマー病治療薬への変更は、MCIが43.6%、認知症は44.9%で、非アルツハイマー病治療薬(認知機能、気分、行動への作用薬、他の神経学的病態の治療薬、認知症のリスク因子の治療薬)への変更は、それぞれ22.9%、25.4%で行われ、カウンセリングが24.3%、20.7%で実施されていた。 また、病因診断がアルツハイマー病から非アルツハイマー病へ変更された患者は、1万1,409例中2,860例(25.1%、95%CI:24.3~25.9)で、非アルツハイマー病からアルツハイマー病への変更は、同1,201例(10.5%、10.0~11.1)で行われた。 著者は、「アミロイドPETが臨床アウトカムの改善に寄与するかを明らかにするには、さらなる検討を要する」としている。

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症候性AFへのアブレーションの効果、CABANA試験で明らかに/JAMA

 症候性心房細動(AF)患者では、カテーテルアブレーションは薬物療法と比較して、1年後のQOLに関し臨床的に意義のある改善をもたらすことが、米国・デューク大学のDaniel B. Mark氏らが行った「CABANA試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2019年4月2日号に掲載された。カテーテルアブレーションは、AF患者の洞調律復帰において、薬物療法よりも有効性が高いとされるが、長期的なQOLの増分がどの程度かは、これまで不明であった。10ヵ国126施設が参加した非盲検無作為化試験 CABANA試験は、AFにおける2つの治療法のQOL改善効果を比較する非盲検無作為化試験であり、2009年11月~2016年4月に10ヵ国126施設で患者登録が行われた(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 対象は、脳卒中のリスク因子を1つ以上有する新規発症または治療中の症候性AF患者2,204例(年齢中央値68歳、男性63%、発作性AF 43%、持続性AF 57%)であった。 被験者は、カテーテルアブレーション(1,108例)または薬物療法(1,096例)を受ける群に無作為に割り付けられた。カテーテルアブレーション群では、肺静脈隔離術とともに担当医の裁量で付加的なアブレーションが行われた。薬物療法群では、担当医の裁量で洞調律維持または心拍数調節(あるいはこれら双方)を目的とした薬物治療が行われた。 事前に規定された12ヵ月時のQOLの主要エンドポイントは3つで、AFのQOLに対する影響(AFEQT)の要約スコア(0[完全なAF関連障害]~100[AF関連障害がない]点、患者レベルの臨床的に意義のある変化量は≧5点)と、Mayo AF-Specific Symptom Inventory(MAFSI)の症状の頻度スコア(0[症状なし]~40[最も重度な症状]点、患者レベルの臨床的に意義のある変化量は≦−1.6点)および同重症度スコア(0[症状なし]~30[最も重度な症状]点、患者レベルの臨床的に意義のある変化量は≦-1.3点)であった。フォローアップ期間全体でも、AFEQTとMAFSIの双方が良好 フォローアップ期間中央値は48.5ヵ月であり、1,968例(89%)が試験を完遂した。 AFEQT要約スコアの平均値は、ベースラインでは、カテーテルアブレーション群が62.9点、薬物療法群は63.1点であった(補正後平均差:-0.2、95%信頼区間[CI]:-1.9~1.5)。治療後12ヵ月時では、カテーテルアブレーション群が薬物療法群に比べ有意に良好であった(86.4 vs.80.9点、補正後平均差:5.3点、95%CI:3.7~6.9、p<0.001)。 また、フォローアップ期間全体のAFEQT要約スコアの平均値(84.8 vs.80.9点、補正後平均差:3.4点、95%CI:2.1~4.8、p<0.001)も、カテーテルアブレーション群が有意に良好であった。 一方、MAFSI症状頻度スコアの平均値は、ベースラインでは、カテーテルアブレーション群が11.8点、薬物療法群は11.9点(補正後平均差:-0.2、95%CI:-0.7~0.4)であり、同重症度スコアの平均値は、それぞれ9.3点、9.3点(-0.1、-0.5~0.4)だった。治療後12ヵ月時では、MAFSI症状頻度スコアの平均値(6.4 vs.8.1点、-1.7点、-2.3~-1.2、p<0.001)、同重症度スコアの平均値(5.0 vs.6.5点、−1.5点、−2.0~−1.1、p<0.001)ともに、カテーテルアブレーション群が薬物療法群よりも有意に良好であった。 また、フォローアップ期間全体のMAFSI症状頻度スコアの平均値(6.5 vs.8.0点、補正後平均差:-1.4、95%CI:-1.9~-0.9、p<0.001)、同重症度スコアの平均値(5.1 vs.6.3点、-1.1点、-1.5~-0.8、p<0.001)は、いずれもカテーテルアブレーション群が有意に良好であった。 著者は、「これらの知見は、心房細動管理の決定を行う際に役立つ可能性がある」としている。

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高校進学時のうつ病に対する予防プログラム

 中学校から高校へ進学する青少年におけるうつ病および不安症状に対する学校ベースの適応予防プログラムの効果について、米国・ワシントン大学のHeather Makover氏らが、検討を行った。Prevention Science誌オンライン版2019年3月9日号の報告。 高校進学プログラム(The High School Transition Program:HSTP)は、青少年にとってとくに脆弱な時期における社会的および学術的な問題解決のスキルとエンゲージメントを構築するために設計されたプログラムである。太平洋沿岸北西部の6校の中学校の生徒2,664人を対象に、8年生の後半に普遍的な感情健康診断を実施し、うつ病スコアが高く、行動障害問題スコアの低かった生徒に対し研究参加を依頼した。対象生徒497人は、HSTP群(241例)または対照群(256例)にランダム化した。うつ病および不安症状は、自己報告法を用いて18ヵ月間にわたり5回の測定を行った。予防効果およびベースライン時の症状、人種、性別などの調整因子を評価するため、階層的線形モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・HSTP群は、対照群と比較し、経時的に抑うつ症状の減少率が上昇することが示唆された(d=0.23)。・HSTP群は、不安スコアの変化率が有意に速まった(d=0.25)。・ベースライン時の不安の重症度、人種、性別は、症状アウトカムの推移に影響を及ぼさなかった。 著者らは「ストレスの多い青少年の進学において、予防プログラムの意義を検討すべきである」としている。■関連記事青年期うつ病を予測する小児期の特徴思春期の少年少女における自殺念慮の予測日本人学生のスマートフォン使用とうつ病リスク

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がん患者の食欲不振にnabiloneが有効?

 カンナビノイドに由来する薬剤(nabiloneなど)は近年、食欲不振の改善効果があることが認められたが、がん患者の食欲不振の改善にも有効なのか。メキシコ・国立がん研究所のJenny G. Turcott氏らは、肺がん患者を対象にnabiloneの有効性を検討する、無作為化二重盲検プラセボ対照第II相臨床試験を行い、「nabiloneは食欲不振のがん患者に対する支持療法の選択肢となりうる」ことを示した。「肺がん患者における有効性を結論付けるために、さらなる大規模臨床試験を行う必要がある」とまとめている。進行肺がん患者では、半数以上が食欲不振を経験する。その高い発生率に加えて、がん誘発性食欲不振は臨床転帰不良と関連する食欲不振-悪液質症候群の発症を助長することが問題視されている。Supportive Care in Cancer誌2018年9月号掲載の報告。 研究グループは、メキシコの国立がん研究所において、進行非小細胞肺がんの外来患者を対象に、食欲、栄養状態およびQOLに対するnabiloneの有効性を検証する無作為化二重盲検プラセボ対照比較臨床試験を行った。 65例について適格性を評価し、47例がnabilone群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。最初の2週間は0.5mg/日、その後は1mg/日に増量して6週間投与した。 主な結果は以下のとおり。・8週後、nabilone群はプラセボ群と比較してカロリー摂取量が増加し(342kcal)、炭水化物摂取量が有意に高かった(64g、p=0.040)。・QOLについては、nabilone群では有意に改善したが(役割機能p=0.030、感情機能p=0.018、社会的機能p=0.036、疼痛p=0.06、不眠p=0.020)、プラセボ群では有意な変化は観察されなかった。

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