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20121.

CABG:内胸動脈グラフトの10年転帰、両側vs.片側/NEJM

 多枝冠動脈病変があり冠動脈バイパス術(CABG)を施行予定の患者において、両側内胸動脈グラフトと片側内胸動脈+静脈グラフトの長期予後を検討した無作為化非盲検試験(Arterial Revascularization Trial:ART)の結果、10年後の全死因死亡率の有意差は認められなかった。英国・ジョン・ラドクリフ病院のDavid P. Taggart氏らが明らかにした。CABG後の生存期間は、動脈グラフトを1本使用するより複数使用することで改善する可能性が示唆されていたが、5年時の中間解析では両群の臨床転帰に有意差は確認されていなかった。NEJM誌2019年1月31日号掲載の報告。7ヵ国28施設で約3,100例を10年追跡 研究グループは2004年6月~2007年12月の間に、7ヵ国28施設においてCABG予定患者を両側内胸動脈グラフト群または片側内胸動脈グラフト群のいずれかに無作為に割り付けた。適応があれば、追加で動脈/静脈グラフトを使用した。 主要評価項目は、10年時の全死因死亡、副次評価項目は全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合で、log-rank法およびCox比例ハザード回帰モデルを用いて解析した。 両側内胸動脈グラフト(両側グラフト)群に1,548例、片側内胸動脈グラフト(片側グラフト)群に1,554例が無作為に割り付けられた。10年時も、主要アウトカムの全死因死亡に有意差なし 両側グラフト群において、13.9%の患者が片側グラフトのみを使用した。一方、片側グラフト群では、21.8%の患者が橈骨動脈グラフトも使用した。2.3%の患者について、10年時の生存状況が不明であった。 intention-to-treat解析において、10年時点で両側グラフト群では315例(20.3%)、片側グラフト群では329例(21.2%)の死亡が確認された(ハザード比[HR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.82~1.12、p=0.62)。死亡・心筋梗塞・脳卒中の複合エンドポイントに関しては、両側グラフト群で385例(24.9%)、片側グラフト群で425例(27.3%)にいずれかのイベントが発生した(HR:0.90、95%CI:0.79~1.03)。 著者は、両群で差が得られなかった理由として、CABG術後の静脈グラフト失敗が確認された患者が多かったこと、2001年時点では橈骨動脈グラフトの有効性が知られていなかったこと、両側グラフト群の14%が片側グラフト使用に術式変更となったことなどを挙げ、「複数の動脈グラフトを使用するほうが、1本の内胸動脈グラフトを使用するよりも良好な転帰が得られるかどうかについて、今後さらなる検証が必要である」と述べている。

20122.

安価なインスリンへの変更、血糖値への影響は/JAMA

 米国のメディケアに加入する2型糖尿病患者において、インスリンアナログ製剤からヒトインスリンへの変更を含む医療保険制度改革の実行は、集団レベルでHbA1c値のわずかな上昇と関連していたことが、米国・ハーバード大学医学大学院のJing Luo氏らによる後ろ向きコホート研究の結果、明らかにされた。新規のインスリンアナログ製剤の価格は上昇しており、ヒトインスリンよりも高額である。しかし、臨床アウトカムを大きく改善しない可能性が示唆されており、低価格のヒトインスリンが多くの2型糖尿病患者にとって、現実的な初回治療の選択肢ではないかと考えられていた。JAMA誌2019年1月29日号掲載の報告。メディケア処方プランに基づくインスリン変更前後のHbA1c値を評価 研究グループは、米国4州で実施されているメディケア・アドバンテージ処方プランの加入者を対象に、分割時系列分析による後ろ向きコホート研究を実施した。被験者には、2014年1月1日~2016年12月31日の期間にインスリンが処方された(追跡期間中央値729日)。医療保険制度改革に伴い、アナログ製剤からヒトインスリンへ変更する介入は、2015年2月にアリゾナ州で試験的に開始され、同年6月までに制度全体での施行が完了した。 主要評価項目は、12ヵ月間の平均HbA1c値の変化量とし、2014年の介入前(ベースライン)、2015年の介入時、2016年の介入後の3期間で評価した。副次評価項目は、重症低血糖または高血糖の頻度とし、ICD-9-CMおよびICD-10-CMの診断コードを用いて評価した。アナログからヒトインスリンへの切り替えでHbA1cがわずかに上昇 1万4,635例(平均[±SD]年齢72.5±9.8歳、女性51%、2型糖尿病93%)に、3年以上にわたりインスリンが22万1,866件処方された。 ベースラインの平均HbA1c値は8.46%(95%信頼区間[CI]:8.40~8.52%)で、介入前は-0.02%/月(95%CI:-0.03~-0.01、p<0.001)の割合で減少していた。介入開始と、HbA1c値0.14%増加(95%CI:0.05~0.23、p=0.003)との関連、および傾斜変化0.02%(95%CI:0.01~0.03、p<0.001)との関連が確認された。介入完了後は、平均HbA1c変化量は0.08%(95%CI:-0.01~0.17)、傾斜変化は<0.001%(95%CI:-0.008~0.010%)で、介入時と比較して有意差は確認されなかった(それぞれp=0.09、p=0.81)。 重症低血糖の発現については、介入開始との間に有意な関連は確認されず、変化量は2.66/1,000人年(95%CI:-3.82~9.13、p=0.41)、傾斜変化は-0.66/1,000人年(95%CI:-1.59~0.27、p=0.16)であった。介入後は、1.64/1,000人年(95%CI:-4.83~8.11、p=0.61)、傾斜変化-0.23/1,000人年(95%CI:-1.17~0.70、p=0.61)で、介入時と比較し有意差は確認されなかった。ベースラインの重症高血糖の頻度は、22.33/1,000人年(95%CI:12.70~31.97)であった。重症高血糖の頻度に関しても、変化量4.23/1,000人年(95%CI:-8.62~17.08、p=0.51)、傾斜変化-0.51/1,000人年(95%CI:-2.37~1.34、p=0.58)であり、介入開始との間に有意な関連はみられなかった。

20123.

申告や支払いなしの残業ゼロへ、労務管理の徹底求める~働き方改革

 医師の時間外労働規制の方向性について議論する、厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会(第18回)」が、2月6日開催された。上限規制がスタートする2024年4月までの5年間の具体的な流れ、現状案に基づく場合の勤務医の働き方の変化(イメージ)、健康確保措置案としての“代償休息”の設定などが事務局から示され、構成員らが議論を進めた。上限は“バイトも含む労働時間”という位置づけ まず前提として、これまでの議論で提示された、原則:月100時間未満・年960時間以下(A)、特例:月100時間未満・年1,900~2,000時間以下(B)という案は、あくまで「臨時的な必要がある場合」に36協定上で規定できる上限時間数であることを整理(一般労働者では[休日労働を含まない形で] 月100時間未満・年720時間以下)。それ以外の平時については、一般労働者同様の数字(月45時間・年360時間)を原則としてはどうか、という事務局案が示された。 なお、これらの労働時間数にはアルバイトの時間も含む、という認識が事務局側から示されている。これに対し、構成員からは「日本の地域医療では、とくに中小の病院はアルバイトの医師が支えている。大学病院勤務の医師のうち、地域でアルバイトしていない医師はほぼおらず、生計を担う側面もある(岡留 健一郎氏、福岡県済生会福岡総合病院 名誉院長)」、「地域の当直医はほぼ大学病院から派遣されている。“時間制限で行けません”となったら成り立たない(山本 修一氏、千葉大学医学部附属病院 院長)」などの指摘が相次ぎ、「労働時間通算の考え方については、改めて整理してから具体案として示していくべきでは(森本 正宏氏、全日本自治団体労働組合総合労働局長)」と慎重な検討を求める声があがった。規制開始までの5年間、何が行われていくのか 特例を認める(B)水準の医療機関をどうやって決めるのかを含め、規制をスタートさせるための前提としての準備期間が非常に重要になる。2024年4月までの5年間の基本的な方向性として、「医療機関は自らの状況を適切に分析し、計画的に労働時間短縮に取り組んでいく必要があり、なるべく多くの医療機関が(A)水準の適用となることを目指す」とされた。 そのうえで、下記3つのステップが具体的な流れとして示されている。[ステップ1:労働時間管理の適正化]・まず、各医療機関において時間外労働時間の実態を的確に把握する必要がある。「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」のフォローアップ調査においても、労働時間管理にかかる取組が全医療機関で適切に行われている状況には程遠いため、個別の状況確認を含めた強力なてこ入れを行う。・また、本検討会で議論した宿日直や研鑽の取扱いについて、通達の発出とともに、その周知をきめ細かく行う。[ステップ2:適用される上限水準の検討]・そのうえで、各医療機関は5年間で医師の労働時間を着実に短縮する必要があるが、その「短縮幅」は、適用される上限の水準によって変わってくる。(B)水準の適用対象となる地域医療提供体制における機能を有するかどうか、また、やむなく長時間労働となり(A)水準まで到達できないか等について、各医療機関において現状および5年後を見通して検討する必要がある。[ステップ3:医師の労働時間短縮の取組]・実際に医師の労働時間を短縮していくべく、各医療機関において医師労働時間短縮計画を作成し、PDCAサイクルによる取り組みを進めていく必要がある。 また、(B)水準となる医療機関については、遅くとも2023年度中に、都道府県知事による特定が終了している必要がある、とされた。都度/時間単位での取得が可能な“代償休息”を提案 設定された連続勤務時間制限・勤務間インターバルを、日々の患者ニーズ等からやむなく守れなかった場合の健康確保措置として、今回新たに“代償休息”を設けてはどうかという事務局案が示された。当案について示された具体的内容としては以下の通り。 1~2日単位で確実に疲労を回復していくべきという発想に立ち、・1日の休暇分(8時間分)が累積してからではなく、発生の都度・時間単位での休息をなるべく早く付与する・休暇の形でまとめて取得することも認める その付与方法は、対象となった時間数について、・所定労働時間中における時間休の取得による付与・勤務間インターバルの幅の延長 のいずれかによることとし、代償休息を生じさせる勤務が発生した日の属する月の翌月末までに必ず付与する。 構成員からは、勤務医の立場から負担軽減に役立つとして評価する声、使用者の立場から細切れの時間管理の大変さを指摘する声があがった。また、「便利な仕組みだとは思うが、これは有給という受け取り方でよいか?(黒澤 一氏、東北大学環境・安全推進センター 教授)」という疑問を受け、事務局は「労使の取り決めにより有給でも無給でもあり得るのではないか」と回答した。勤務医の働き方は大きく変化?しかし実現には課題も 最後に、今回示された(現状案を前提とした場合の)「想定される働き方の変化イメージ(勤務医からみて)」を以下、紹介する。・当直明けも夕方までは連続勤務/夜遅くなっても翌朝は早いという現状→時間外労働が年960時間を超える医師に対しては、「連続勤務時間制限28時間・インターバル9時間確保」が義務化され、休息を確保・厚労省調査で1人平均約40分/日あるとされた「医師でなくてもできる仕事」→医師は医師でなければできない仕事に集中。この実現のため、「緊急的な取組」で求めている基本のタスク・シフティング項目(初療時の予診、検査手順や入院の説明等)は必ず行う。・労働時間管理がされていない、勤務時間に見合った支払いがされていないという現状→労働時間がきちんと管理されるようになる。時間外割増賃金がきちんと支払われるようになる(寝ることができない、宿日直許可を受けていない当直は待機時間も含め時間外労働とみなされる)。 これらの明示を受け、黒澤氏は「これまで把握されていなかった労働時間がある中で、把握することで賃金を支払う必要が生じ、またタスクシフトに伴うコメディカルへの報酬等含めると、経営上多大なお金がかかると思われる。仕組みの中で何らかのサポートがないと難しいのではないか」と指摘している。 今後は、事務局側に提示が要請されている、より詳細な労働時間分析データをもとに、上限時間数の最終決定などが進められていく見通しとなっている。■関連記事残業年960時間、特例2,000時間の中身とは~厚労省から水準案宿日直や自己研鑽はどう扱う?~医師の働き方改革医師のアルバイト代、時給が高い診療科は医師のアルバイト代、時給が高い診療科は

20124.

頭頸部がんとIO、HPV陽性中咽頭がん【侍オンコロジスト奮闘記】第71回

第71回:頭頸部がんとIO、HPV陽性中咽頭がんキーワードペムブロリズマブKEYNOTE-048HPV陽性中咽頭がんRTOG1016ペムブロリズマブ、単剤と化療併用で頭頸部扁平上皮がん1次治療のOS改善(KEYNOTE-048)/ESMO2018Gillison ML,et al. Radiotherapy plus cetuximab or cisplatin in human papillomavirus-positive oropharyngeal cancer (NRG Oncology RTOG 1016): a randomised, multicentre, non-inferiority trial.Lancet.2019;393:40-50.

20126.

人に見られて恥ずかしいこと【Dr. 中島の 新・徒然草】(258)

二百五十八の段 人に見られて恥ずかしいこと大学生の頃。友達にクイズを出されました。〇んたま:2つあって丸いもの〇っぱい:人に見られると恥ずかしいもの中島「なんや、この下品なクイズは!」友達「何言うとるねん。下品なのはお前の頭の中やろ」中島「どういうこっちゃ」友達「正解はな、『めんたま』と『しっぱい』や。おおかたヘンな事を連想しとったんと違うか」中島「ぐぬぬ」今は開業している友達ですが、30年以上前のことなんてもう覚えていないでしょうね。さて、先日のこと。人に見られて恥ずかしかったことの話題で盛り上がりました。言い出しっぺは内科の女医さんです。内科「こないだインフルエンザ迅速検査を自分でやってみたんですよ」鼻に綿棒を突っ込んでグリグリとやるやつですね。患者さんに対しては、ちゅうちょなくできるのですが…。中島「あれ、自分でやったら痛いんじゃないの?」内科「めちゃくちゃ痛かったです」中島「それでも自分でやるとは…偉い!」内科「できませんでした」中島「はあ?」内科「鏡を見ながらやってみたんですけど、入れられたものじゃありません」中島「そりゃそうだ」内科「おまけに、綿棒を入れているところをスタッフに見つかって」中島「あらまあ」内科「『先生、何やってはるんですか!』って驚かれました」鼻に綿棒突っ込んでいるところを誰かに見られたりしたら、人としての尊厳が吹っ飛んでしまいまんがな。私自身、人に見られて恥ずかしかった事といえば「七色海鮮揃え*」の出来事です。(*:三河屋製菓の7種類の海鮮せんべいが楽しめる商品)中島「もう、やってられねーよ!」外来診療なんかでストレスがたまった時なんか、つい休憩スペースで「七色海鮮揃え」を食べてしまいます。1つの袋にごちゃ混ぜに入っている塩味の煎餅を食べると、なんとなく心の安寧を得ることができるのです。そしてニコニコ仮面をつけ直し、再び診察室に向かうのですが、そんなある日の事。ナース「あれっ? 先生!」中島「はあ」ナース「先生、よって食べてんの?」中島「そういや、そうかな」ブツブツと文句を言いながらも、無意識のうちに袋の中からワサビ煎餅とえび満月ばかりより分けて食べていたみたいです。中島「えらいところを目撃されてもた」ナース「まあ、ええんちゃう?」外来ナースに思わぬ弱みを握られてしまいました。不覚なり!読者の皆さんもご注意下さい。どこで誰が見ているかわかりませんから。最後に1句気をつけろ 前後左右に 目撃者

20129.

統合失調症患者に対する早期の持効性抗精神病薬治療と入院率との関連

 統合失調症に対する抗精神病薬治療の早期開始は、アウトカムの改善に関与している。米国・Partnership for Health Analytic ResearchのJennifer Munday氏らは、新規の統合失調症エピソードを有する患者に対して、早期の持効性注射剤(LAI)による抗精神病薬治療が、実臨床での入院率の低下や医療費の削減と関連するかについて検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2019年1月16日号の報告。 Truven Health Analytics MarketScan Commercial、メディケイド、メディケア・サプリメントのデータベースを用いて、2007年1月~2016年6月におけるレトロスペクティブコホート分析を実施した。新規の統合失調症エピソードを有する18歳以上の成人患者を対象に、初回の統合失調症診断日からLAI開始日(インデックス日)までの時間に基づき、2つの相互排他的なコホートを同定した。LAIを1年以内に開始した患者を早期開始群、1年超で開始した患者を後期開始群とした。1年間のフォローアップ期間における入院率・医療費、患者の人口統計学的・臨床的特徴、保険の種類、ベースライン時の全原因による入院・救急外来受診、ベースライン時の精神科での薬の使用について、ロジスティック回帰モデルおよび一般線形回帰モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・早期開始群32%(1,388例)、後期開始群68%(2,978例)であった。・リスク調整モデルでは、全原因による入院率は、早期開始群で22.2%(95%CI:19.9~24.6)、後期開始群で26.9%(95%CI:25.2~28.7)であった(p=0.002)。・精神科への入院率は、早期開始群で14.1%(95%CI:12.3~16.1)、後期開始群で19.2%(95%CI:17.7~20.8)であった(p<0.001)。・調整後の精神科での医療費の平均は、早期開始群が2万1,545ドル(95%CI:2万355~2万2,734)であり、後期開始群の2万4,132ドル(95%CI:2万3,330~2万4,933)と比較して、有意に少なかった(p<0.001)。 著者らは「新規の統合失調症エピソードから1年以内のLAI治療開始は、1年超の開始と比べて、入院率の低下および医療費の削減をもたらす」としている。■関連記事急性期統合失調症に対するアリピプラゾール持効性注射剤の効果を解析実臨床における抗精神病薬持効性注射剤のメリット統合失調症治療の医療資源利用とコストにおける持効性注射剤と経口剤との比較

20130.

FDA、cabozantinibの肝がん2次治療承認

 EXELIXI, Inc.は、2019年1月14、ソラフェニブ既治療の肝細胞がん(HCC)に対するマルチキナーゼ阻害薬cabozantinibが米国食品医薬品局(FDA)で承認されたと発表。 今回の承認は、ソラフェニブ既治療の進行HCC患者に対するcabozantinibの第III相CELESTIAL試験の結果に基づいている。CELESTIA試験は、ソラフェニブ既治療の進行HCC患者を対象に、cabozantinibとプラセボを比較した無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、世界19ヵ国で実施されている。 CELESTIAL試験におけるOS中央値は、cabozantinib群10.2ヵ月、プラセボ群8.0ヵ月と、cabozantinib群で統計学的に有意な改善を示した(HR:0.76、95%CI:0.63~0.92、p=0.0049)。無増悪生存期間中央値は、cabozantinib群5.2ヵ月、プラセボ群1.9ヵ月であった(HR:0.44、95%CI:0.36~0.52、p<0.0001)。客観的奏効率は、cabozantinib4%、プラセボ0.4%であった(p=0.0086)。疾患コントロール率は、プラセボ群33%に対し、cabozantinib群では64%であった。 CELESTIAL試験におけるcabozantinibの有害事象は、既知の安全性プロファイルと一致した。プラセボ群と比較して、cabozantinib群に多くみられる(10%以上)Grade3/4の有害事象は、手足症候群(17%)、高血圧(16%)、AST上昇(12%)、疲労感(10%)、下痢(10%)であった。 CELESTIAL試験の独立データモニタリング委員会は、2017年10月、OSの結果から、2回目の中間分析の後に試験の有効中止を推奨している。■参考CELESTIAL試験(Clinical Trials.gov)

20131.

乳がん患者の心房細動リスク

 乳がん患者においては、がんにより誘発される全身性炎症や治療の副作用により心房細動を罹患する恐れがある。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMaria D'Souza氏らが、乳がん患者の心房細動罹患率を検討した結果、診断後6ヵ月以上の長期罹患率が増加し、6ヵ月未満の短期罹患率は60歳未満の患者で増加したことを報告した。Heart Rhythm誌オンライン版2019年1月24日号に掲載。 本研究では、デンマークの全国患者登録を用いて1998~2015年に乳がんと診断された患者を同定し、年齢および性別でマッチさせたコントロール群と比較した。心房細動の長期罹患率は、累積罹患曲線および多変量Cox回帰モデルで推定した。 主な結果は以下のとおり。・乳がん患者7万4,155例を乳がん以外のコントール群22万2,465例にマッチさせた(1:3)。・乳がんは心房細動罹患率と関連しており、その関連は年齢群(相互作用解析、p<0.0001)とフォローアップ期間で異なっていた。・60歳未満の乳がん患者の心房細動罹患率は、フォローアップ期間に関係なく増加し、最初の6ヵ月におけるハザード比(HR)は2.10(95%信頼区間[CI]:1.25~3.44)、6ヵ月~3年のHRは1.80(95%CI:1.38~2.35)であった。・60歳以上の乳がん患者の心房細動罹患率は、最初の6ヵ月は増加せず(HR:1.13、95%CI:0.95~1.34)、6ヵ月~3年は増加していた(HR:1.14、95%CI:1.05~1.25)。

20132.

降圧目標120mmHg未満でも認知症リスクは低下せず/JAMA

 50歳以上の高血圧患者に対し、収縮期血圧の目標値を120mmHg未満として降圧治療を行っても、140mmHgを目標とする通常の降圧治療と比べて、認知症リスクの有意な低下は認められなかったことが示された。一方で、軽度認知障害のリスクは有意な低下が認められたという。米国・ウェイクフォレスト大学のJeff D. Williamson氏ら「SPRINT試験・SPRINT MIND」研究グループが、9,000例超を対象に行った無作為化比較試験で明らかにし、JAMA誌2019年1月28日号で発表した。ただし結果について、「試験が早期に中止となり、認知症例も予想より少なく、エンドポイントの検出力は不足している可能性がある」と指摘している。現状では、軽度認知障害や認知症のリスクを低減する実証された治療法は存在しておらず、今回研究グループは、血圧コントロールの強化が認知症リスクに与える影響を検討した。米国、プエルトリコの102ヵ所で試験 研究グループは、米国とプエルトリコの102ヵ所の医療機関を通じて、高血圧症で糖尿病や脳卒中の病歴がない50歳以上、9,361例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群は収縮期血圧の目標値を120mmHg未満とし(強化治療群4,678例)、もう一方の群は同目標値を140mmHgとした(標準治療群4,683例)。 無作為化は2010年11月8日から始められたが、主要アウトカム(複合心血管イベント)と全死因死亡に対する効果が認められたことで、予定より早く2015年8月20日に試験は中止となった。認知機能アウトカムのフォローアップ最終日は2018年7月22日だった。 主要認知機能アウトカムは、認知症の可能性ありとの判定。副次認知機能アウトカムは、軽度認知障害の診断、軽度認知障害または認知症の可能性ありの複合などだった。強化治療群の標準治療群に対する認知症発生ハザード比は0.83 被験者9,361例の平均年齢は67.9歳、女性は3,332例(35.6%)を占め、8,563例(91.5%)が追跡期間中に1回以上の認知機能評価を受けた。介入期間中央値は3.34年、追跡期間中央値は5.11年だった。 追跡期間中の「認知症の可能性あり」との判定者は、強化治療群7.2例/1,000人年に対し、標準治療群8.6例/1,000人年で、有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[CI]:0.67~1.04、p=0.10)。 一方、「軽度認知障害」の判定者は、強化治療群14.6例/1,000人年、標準治療群18.3例/1,000人年で、強化治療群で有意に減少した(HR:0.81、95%CI:0.69~0.95、p=0.007)。「軽度認知障害または認知症の可能性あり」の判定者も、それぞれ20.2例/1,000人年、24.1例/1,000人年と、強化治療群で有意に減少した(HR:0.85、95%CI:0.74~0.97、p=0.01)。

20133.

電子タバコvs.ニコチン代替療法、1年後の禁煙率/NEJM

 禁煙を希望する成人に対し、電子タバコの使用はニコチン代替療法に比べて、より効果が大きいことが示された。英国・ロンドン大学クイーンメアリー校のPeter Hajek氏らが、886例の禁煙希望者を対象に行った無作為化比較試験の結果、1年時の禁煙率は電子タバコ群がニコチン代替療法群に比べて1.83倍だったという。電子タバコは、禁煙の試みとして一般的に用いられている。しかし、禁煙治療として承認されているニコチン代替療法と比較した有効性に関するエビデンスは限定的であった。NEJM誌オンライン版2019年1月30日号掲載の報告。ニコチン代替製品を最長3ヵ月提供vs.電子タバコのスターターパックを提供 研究グループは、英国・国民保健サービス(NHS)の禁煙プログラムに参加する成人886例を無作為に2群に分け、一方にはニコチンパッチやガムなど、被験者の選択によるニコチン代替製品を最長3ヵ月提供した(NRT群)。もう一方の群には、電子タバコのスターターパック(第2世代詰め替え式電子タバコと濃度18mg/mLのニコチンリキッド1本)を与え、好みのフレイバーと濃度のニコチンリキッドを自分で追加購入するよう勧めた。そのうえで、両群に対し禁煙に対する行動支援を週1回、4週間以上にわたって行った。 主要評価項目は、1年時点の禁煙率で、最終診察時に生化学検査(呼気中一酸化炭素濃度8ppm未満)で判定した。追跡不能や生化学検査ができなかった場合には、禁煙は達成されていないものと判定した。 副次評価項目は、自己報告によるニコチン代替製品や電子タバコの使用状況、呼吸器症状などだった。1年時の禁煙率、電子タバコ群18%、NRT群9.9% 1年時の禁煙率は、NRT群9.9%、電子タバコ群18.0%だった(相対リスク:1.83、95%信頼区間[CI]:1.30~2.58、p<0.001)。 1年時の禁煙者において、52週時点で当初割り付け群のニコチン代替製品または電子タバコを使い続けていたのは、NRT群が9%(4/44例)だったのに対し、電子タバコ群は80%(63/79例)だった。 全体的に、喉や口腔の炎症は、NRT群(51.2%)よりも電子タバコ群(65.3%)で高率に認められたが、悪心の発現頻度は、NRT群(37.9%)のほうが電子タバコ群(31.3%)よりも高率だった。 ベースラインから52週の間の咳や痰の発現頻度は、電子タバコ群がNRT群よりも低かった(咳の相対リスク:0.8[95%CI:0.6~0.9]、痰の相対リスク:0.7[0.6~0.9])。なお、喘鳴や息切れの発現頻度については、両群で有意差はなかった。

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第19回 肺がん見落としの背景に制度全体の問題点~医療者と受診者の認識ギャップも【患者コミュニケーション塾】

 2018年12月13日、社会医療法人河北医療財団(以下、河北医療財団)の特別調査委員会の委員の一人として記者会見に出席しました。一部のニュースで報じられて、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。この記者会見では、社会に対する大きな問題提起をしました。そこで今回は、その内容についてご紹介したいと思います。特別調査委員会設置に至る経緯特別調査員会は、河北医療財団の施設である東京都杉並区の河北健診クリニックで健康診断・肺がん検診を受けていた女性の肺がんを見落としていたという発表を受け、その原因究明と再発防止策を検証するために設置されました。私は健診を受ける立場からの意見を求められ、委員に就任しました。特別調査委員会は5名の委員で、委員長は弁護士が務め、放射線科医師、健診制度に詳しい医師、安全工学の専門家と私で構成されました。そして、9月から12月まで7回の委員会を経て、12月11日に河北医療財団に調査報告書を提出し、13日の記者会見に至りました。肺がんを発症した女性は、2005年から2018年1月まで、河北健診クリニックで10回にわたり健診・検診を受けていました。30代の間は成人健診や区民健診、40代になってからは肺がん検診を受診しています。それら健診・検診のいずれの胸部X線検査においても、異常なしと判定されていました。ところが、2018年3月に足の張りや痛みの症状で他の医療機関を受診し、その際に受けた胸部単純CT検査で右肺に異常な影があると指摘されました。その後、河北総合病院の呼吸器内科を受診して精密検査を受け肺がんであることが判明し、転院先の病院で同年6月に死亡されています。河北総合病院では肺がんが判明した直後に緊急対策会議を開催し、2014年7月、2015年7月、2018年1月の胸部X線写真には肺がんを疑う陰影が写っていると判断し、2014年7月に肺がんを疑う徴候があったと結論付けました。その後、画像診断学の権威である医師を外部委員とした院内検証委員会を立ち上げ、遅くとも2014年以降には腫瘤影があるにもかかわらず、2014年7月以降の3回の健診・検診で「異常なし」との判定をしたと判断。その原因は胸部X線検査の精度管理が不十分であったことや、2名の医師による読影の方法に問題があったこと、読影医が2名とも放射線科、呼吸器内科でない組み合わせが発生していたなどの問題点を指摘しました。河北医療財団ではそれを受けて見落としを認め、2018年6月にご遺族に謝罪するとともに、7月には理事長が記者会見で公表しました。これらの健診・検診は杉並区の委託で行われていたため、杉並区は河北健診クリニックに2014年9月以降の区民肺がん検診受診者約9,400名の再読影の実施を要請するとともに、杉並区肺がん検診外部検証等委員会を設置しました。このような経緯を受け、河北医療財団では河北総合病院での院内検証委員会だけではなく、客観的かつ公正な調査の実施を行いたいと、外部の委員で構成する特別調査委員会の設置を決定したというのが大きな流れです。専門医でも判断に迷う陰影だった!?私はこの経緯について説明を受け、明確に2014年7月の見落としが認められていることから、当初は明らかな肺がんの見落としなのだろうと思っていました。そのため、特別調査委員会は客観的に原因究明と再発防止策の提言をする場になるのだろうと考えて委員会に臨みました。第1回の特別調査委員会で、後方視的に見ると2014年7月の胸部X線写真に陰影が写っていると説明を受けました。そして、それは健診の判定時にも指摘されていて、腫瘤ではなくニップル(乳頭)と判断していたことがわかりました。さらに、2014年7月と2015年7月の胸部X線写真は1方向から撮影された写真だけで、2018年1月になって初めて肺がん検診になったため、2方向から撮影されていることもわかりました。それらの説明を受けて、私が確認したかったことは、医師であれば誰の目にも明らかに2014年7月の陰影は肺がんを疑わないといけないものなのか、それとも放射線科の専門医でなければ疑うことができないものなのかということでした。というのも、これまでCOMLの活動を通して私が知り得た知識から、胸部X線検査だけで肺がんを早期に見つけることは難しいのではないかと思っていたからです。そして医師の間では、胸部X線検査の限界や、早期検出におけるCTの優位性が広く認識されているとも感じていました。そのため、私自身、肺がんの検診を受ける手段として胸部X線検査は選択肢に考えたことがありませんでした。そこで特別調査委員会の席で、放射線科専門医にそのことを質問したのです。すると、「2018年1月の胸部X線写真は2方向で撮影されているので、ニップルでないことは位置からも明らか。この時点で異常なしと判定したことは問題がある。しかし、2014年7月と2015年7月のものは私でも腫瘤だと判断する自信はない」という見解だったのです。そして、河北総合病院の放射線科医も同様の見解を持っているということが紹介されました。つまり、放射線科の読影の専門医ですら、判断に迷う陰影だということがわかったのです。「見落とし」だと指摘した院内検証委員会の専門医(外部委員)は、ニップルにしては位置が高いと判断されたようです。しかし、女性によっては乳房の大きさに差があり、検査台に強く胸を押し当てればニップルの位置はかなり大きく変化する可能性があるということ。そのような説明を専門医から聞くと、いかに判断が難しい問題かが理解できました。さらに、1方向の撮影だと骨や心臓の死角になって病変が見えないこともあること、どれだけ高性能のX線写真であっても、小さな病変は検出しづらいという分解能の限界があるという説明も受けました。 その後、特別調査委員の間では、「胸部X線検査が肺がんによる死亡率を減少させる科学的根拠がそもそも不十分であり、低線量CT検査が、胸部X線検査と比較して肺がん死亡率を約20%減少させたというデータもある。それにもかかわらず、そのような胸部X線検査の限界を知らされないまま、国民は胸部X線写真による肺がん検診を受け“異常なし”という判定を受けて安心していること自体に問題があるのではないか」という論点で話が進んでいきました。「知らされないこと」による被害件の女性が若くして肺がんで命を落とされる結果になったことは本当に残念なことです。30代のときから健診を受け、胸部X線検査で“異常なし”と判定されて、安心を重ねてこられたのだと思います。もし、「胸部X線検査だけで早期の肺がんを見つけることには限界がある」と知っていたら、果たして漫然とこの健診・検診を受けてきただろうかと考えると、まさしく「知らされていない」被害者だったのではないかと思います。実際に、杉並区の「がん検診のお知らせ」を見ると、「肺がん検診」の検査内容は「問診」「胸部X線検査」と記載されていますから、これらの検査さえ受けていれば肺がんが見つかると期待してしまうでしょう。特別調査委員会では、もちろん河北健診クリニックの検診体制の問題点も指摘し、再発防止策の提案もしました。しかし、最も問題視したのは、河北医療財団が肺がんの早期発見や死亡率を減少させる検診の方法として胸部X線検査に限界があると知りながら、漫然と杉並区の健診・検診を引き受けてきたことではないかということでした。これは河北医療財団だけでなく、健診事業を引き受けている多くの医療機関にも共通するのではないでしょうか。現時点でわかっている情報をもとに、ときには軌道修正していくことも求められると思います。今回の特別調査委員会の提言が、受診者に対する情報提供のあり方も含め、世の中で巨額の予算を投じて漫然と行われている胸部X線検査による肺がん検診制度全体の見直しにつながることを願って止みません。1)社会医療法人河北医療財団 特別調査委員会「調査報告書」

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第11回 風邪を予防する5ヵ条【実践型!食事指導スライド】

第11回 風邪を予防する5ヵ条医療者向けワンポイント解説風邪やインフルエンザについての流行時期や感染経路などがニュースになる時期です。食生活への意識は、これらに対する予防効果として期待できますし、体調管理にもつながります。そこで、風邪を予防するための5つのポイントをまとめました。1)喉などの粘膜を保護するためにビタミンAを摂取するビタミンAは、体内で免疫機能、視覚、生殖、細胞情報伝達に関与している栄養素です。皮膚や粘膜の保護、健康を維持する働きがあるため、ウイルスや菌の予防に対しても効果があると考えられています。ビタミンAは2種類あり、肉や魚、乳製品、卵などに含まれるレチノールなどの既成ビタミンAと、野菜や果物などに含まれるβ−カロテンなどのプロビタミンAカロテノイドがあります。多く含まれる食品として、牛乳やチーズなどの乳製品、緑黄色野菜(色の濃い野菜:ニンジン、パセリ、ほうれん草、春菊、ブロッコリー、水菜など)があります。脂溶性ビタミンなので、「油で炒める」、「ドレッシングをかける」、「肉や魚と一緒に食べる」ことで効率的な吸収が期待できます。2)免疫を高めるためにビタミンDを摂取するビタミンDは、骨を丈夫にする働き、免疫機能を調整する働きがあり、ウイルスや菌などに対して予防効果が期待されています。ビタミンDは、サケ、イワシ、サバなどの魚類、キクラゲ、干し椎茸などのキノコ類に多く含まれます。なかでも、イワシ缶やサバ缶は手軽にとれる食品です。また、キクラゲや干し椎茸を意識して料理に加えるのも良いでしょう。ビタミンDは、太陽光に含まれる紫外線を浴びることで、皮膚で生合成されるビタミンです。しかし、最近では、日焼け止めクリーム、UVカットガラスの普及に伴い、30歳以上の約半数がビタミンD不足の状態であるという報告もあります。また、冬場は日照時間も少なくなるため、食べ物からのビタミンD摂取を意識することが大切です。3)果物や葉物野菜からビタミンCを摂取するビタミンCは、コラーゲンの生成、抗酸化作用、栄養素の吸収など様々な働きがあるため、免疫力を高め、風邪予防に対しても効果が期待されます。ただし、一度に大量摂取しても、尿へ排泄されてしまいます。こまめに摂取しましょう。ビタミンCは、レモンやオレンジ、みかんなどの果物からの摂取が一般的ですが、実は野菜に多く含まれ、赤ピーマン、かいわれ大根、カリフラワー、ミニトマト、キャベツなどに豊富に含まれます。熱に弱く、水溶性ビタミンのため、生での摂取が効率的です。ただし、オレンジジュースなどの大量摂取は、ビタミンCよりも糖の摂取過多が懸念されるので、野菜からのビタミンC摂取をすすめすると良いでしょう。4)のど飴や温かい飲み物で口の乾燥を予防する冬は、室内、野外ともに乾燥していることがほとんどです。乾燥により粘膜が乾燥すると、ウイルスや菌が侵入しやすくなるため、口腔内の保湿が重要です。口の中にのど飴などを入れておくと、唾液が出て乾燥予防になります。温かい飲み物は、水分補給によりカラダ全体の乾燥を予防するだけではなく、カラダを直接温め、胃腸の動きを活性化し、代謝を高める働きが期待できます。5)肉や魚などのタンパク質を摂取して体力を増強する免疫力を高めるためには、体力の増強が大切です。肉や魚をはじめとする動物性タンパク質は、筋肉になりやすく、日常的に意識して摂取することが大切です。大豆製品などの植物性タンパク質は、脂質が少なく、食欲がないときにも摂取しやすい良質なタンパク源です。しっかりと噛んで食べることは、胃腸への負担を減らし、消化の助けになります。また、噛むことは副交感神経を刺激します。副交感神経が優位になると、リンパ球が増え、免疫力の強化も期待できます。

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第5回 呼吸数、脈拍、血圧の測定方法 【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

薬剤師である皆さんが患者さんのご自宅を訪問する時、患者さんは慢性的な病態であることが多く、容態の急変はないと思いがちです。しかし、慢性疾患であっても、急に容態が変化・悪化することはあります。そのような時、主治医や訪問看護師にすぐに連絡した方がよいかどうか迷うことがあるかもしれません。今回は、急を要するか否かの判断の仕方と、その判断に必要なバイタルサインの測定法について紹介します。1─呼吸数の測定方法呼吸の観察をする時には、患者さんに観察していることを知られないようにします。気付かれてしまうと、呼吸数や呼吸の様式が変わってしまうことがあるからです。方法としては、例えば脈拍を数えた後、脈をとり続けながら、胸や腹部の動きをみて呼吸数を数えます。30秒間の回数を2倍して1分あたりの回数にするとよいでしょう。通常、成人では1分間の呼吸回数はおよそ12~20回であり、12回未満の時は徐呼吸、24回以上の時は頻呼吸と言います(表1)。つまり、1回の呼吸に5~6秒以上かかっていたり、1回目の呼吸の始まりから3秒以内に次の呼吸が始まったりした時には異常といえます。具合の悪い患者さんでは、意識がなくなり、あごを上下させるような呼吸をすることがあります(下顎呼吸とか死戦期呼吸といいます)が、生命の危険性が差し迫った時にみられ、通常の呼吸ではありませんから注意が必要です。表1 呼吸数の評価2─脈拍の測定方法脈拍は、患者さんの動脈(手首内側の親指側の動脈)に、第2・3・4指をあてて測定します(写真1)。脈拍数は1分あたりの脈の数ですが、15秒間測定して4倍しても、20秒間測定して3倍してもよいです。正常の脈は規則的で、1分間に60~100回程度です。60回/分未満を徐脈、100回/分以上を頻脈といいます(表2)。熟練した医師は、脈拍数だけでなく、脈の強さや振幅の大きさ、脈の立ち上がりの速さまでも感じ取りますが、その域に達するにはそれなりの修行が必要です(笑)。写真1 橈骨動脈の触知の仕方 / 表2 脈拍数の評価3─血圧の測定方法水銀血圧計(写真2)を使いこなすには、少々練習が必要です。マンシェット(腕に巻く布製の部分)を巻き、ゴム球とバルブ(ネジの部分)を片手で扱いながら、水銀柱の圧を見つつ、聴診器を使って肘窩の動脈の音(コロトコフ音といいます)を聴いて...、などなど。しかし、今はボタンひとつで血圧と脈拍を測定してくれる自動血圧計がありますから、それを使用するとよいと思います。簡便な自動血圧計でも注意は必要です。マンシェットを巻く前に、血液透析用の血管の手術(シャント手術)を受けていないかを確認しましょう。その場合は他方の腕で血圧を測定します。また、まくりあげた衣服の袖が上腕を締め付けていないかを確認しましょう。腕は少し持ちあげて、肘窩の上腕動脈が心臓の高さ(およそ左右の乳頭を結んだ線の高さ)になるようにします。マンシェットは、上腕に、その下端が肘窩から1~3cmくらいになるように巻きます。きつすぎず、ゆるすぎず、指が1、2本入るくらいとします。緊張したり運動したりすると血圧が上がってしまいますから、少なくとも5分間は静かに座り、リラックスした状態で測定します。緊張して血圧が高く出てしまったと考えられる場合は、時間をおいて再度測定します。安定した値の2回の平均を血圧値としますが、医療従事者が測定した値だけでなく、本人が日頃測定する家庭血圧も有用です。手首で血圧を測定することもできますが、高血圧治療ガイドライン1)では上腕での測定が推奨されています。現在のガイドラインで示されている血圧値の分類を(表3)に示します。表3 成人における血圧値の分類日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編.高血圧治療ガイドライン2014.東京,ライフサイエンス出版,2014.太田富雄,他.急性期意識障害の新しいgradingとその表現方法.第3回脳卒中の外科研究会講演集.東京,にゅーろん社,1975,61-69.Teasdale G, et al. Assessment of coma and impaired consciousness: a practical scale. Lancet.1974; 2: 81-84.脳卒中合同ガイドライン委員会.脳卒中治療ガイドライン2009.東京,協和企画,2009.

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眼瞼脂腺がんの手術、モース顕微鏡vs.広範切除

 眼瞼の脂腺がん(SC)に対し、モース顕微鏡手術(Mohs micrographic surgery:MMS)または広範切除術(wide local excision:WLE)のどちらを実施するかについては、さまざまな議論がある。中国・上海交通大学医学院のChuandi Zhou氏らは後ろ向きコホート研究を行い、眼窩病変のないSCに対してはMMSのほうが局所再発を抑制できるものの、MMSは転移やがん関連死といった長期アウトカムには影響を及ぼさないことを明らかにした。なお、パジェット病による上皮内腫瘍を伴う患者に対しては、補助療法を要する可能性が示唆された。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2019年1月9日号掲載の報告。 研究グループは、眼瞼のSCに対する初回治療としてのMMSとWLEにおける局所再発、転移およびがん関連死を比較する目的で、多施設共同後ろ向きコホート研究を行った。 適格患者全例における再発、転移およびがん関連死に関する要因を診療記録から割り出し、すべての交絡因子を調整した後、Cox回帰分析により初回手術の予後への影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は360例で、初回手術としてMMSを受けた患者は115例(31.9%)、WLEを受けた患者は245例(68.1%)であった。・追跡調査期間中央値は60.0ヵ月で、局所再発と転移はそれぞれ、MMS群18例(15.7%)、9例(7.8%)、WLE群97例(39.6%)、38例(15.5%)であり、転移を有するSCでの死亡は、それぞれ6例(5.2%)、21例(8.6%)であった。・Cox回帰分析の結果、WLE群と比較してMMS群の局所再発は有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.24~0.73、p=0.002)が、転移率(HR:1.38、95%CI:0.60~3.18、p=0.453)と、がん関連死(HR:1.70、95%CI:0.59~4.93、p=0.329)は同等であった。・ただし、この有益性はパジェット病による上皮内腫瘍では認められなかった(HR:1.73、95%CI:0.37~8.21、p=0.488)。

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双極性障害に合併する境界性パーソナリティ障害の特徴~米国調査

 双極性障害患者における精神科入院や自殺リスク増加を含むQOLや疾患アウトカムには、境界性パーソナリティ障害(BPD)の合併が影響を及ぼすといわれている。米国・Griffin Memorial HospitalのRikinkumar S. Patel氏らは、双極性障害患者の入院アウトカムに対するBPDの影響について、検討を行った。Medicina誌2019年1月14日号の報告。 米国の病院からの入院患者サンプル(Nationwide Inpatient Sample)より、ICD-9-CMを使用し、BPD合併双極性障害患者26万8,232例および双極性障害のみの対照群24万2,379例を抽出した。オッズ比(OR)の生成および入院アウトカムの評価のために、多項ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・BPD合併双極性障害患者は、大部分が女性(84.2%)、白人(83.1%)、18~35歳(53.9%)であった。・BPD合併双極性障害患者では、入院期間の長さ、入院費用の高さ、薬物乱用率の高さにおいて、有意な差が認められた。・BPD合併双極性障害患者では、自殺リスクも高かった(OR:1.418、95%CI:1.384~1.454、p<0.001)。・BPD合併双極性障害患者では、電気けいれん療法(ECT)の使用が有意に多かった(OR:1.442、95%CI:1.373~1.515、p<0.001)。 著者らは「双極性障害にBPDを合併すると、入院期間の延長、入院費用の上昇、自殺リスクの増加、ECTの使用による急性期入院医療の高さと関連が認められた。入院環境におけるさらなる研究は、BPD合併双極性障害患者における最適なアウトカムや自殺リスクの低下のための効果的な臨床戦略を作成するうえで重要である」としている。■関連記事境界性パーソナリティ障害治療の現状境界性パーソナリティ障害併発、自殺に対する影響は境界性パーソナリティ障害の長期臨床経過に関するメタ解析

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若年者の運動時高血圧、高血圧発症を予測か【Dr.河田pick up】

 若年者での運動負荷試験を施行中、極度な高血圧が観察されることは珍しくない。また、アスリートは運動能力が高いため、ピーク時に血圧が上昇することが多い。この運動中の高血圧がどのような意味をもつのかはわかっておらず、どのようなフォローが必要なのかも疑問である。イタリア・ローマのStefano Caselli氏らヨーロッパのグループが、この問題についてEuropean Heart Journal誌オンライン版1月1日号に報告している。平均年齢26歳のアスリートを運動時高血圧群と正常血圧群で比較 いずれも正常血圧で、運動時高血圧を有するアスリート141例(運動時高血圧群)と、性別、年齢、体の大きさとスポーツの種類でマッチさせた運動時も正常血圧のアスリート141例(正常血圧群)における高血圧症の発症率を比較した。平均6.5±2.8年のフォローアップ期間中、心イベントの発生はなかったが、全体で24例(8.5%)が高血圧症と診断された。平均6.5年のフォローアップ期間中に運動時高血圧群では19例が高血圧症発症 うち19例は運動時高血圧群であり、正常血圧群で高血圧症と診断されたのは5例であった(p=0.003)。カプランマイヤー分析の結果、運動時高血圧群で高血圧発症率がより高いことが示された(ログランクχ2乗検定によるp=0.009)。Cox比例ハザードモデルによる多変量解析でも、ベースラインにおける安静時血圧と運動時高血圧が高血圧症に対して最も有力な予測因子であった(χ2乗値:30.099、p<0.001)。とくに運動時高血圧は、高血圧症発症に対するハザード比が3.6(95%信頼区間:1.3~9.9)であった。 フォローアップ期間中、運動能力、エコーにおける心臓の形態学的および機能的評価に有意な違いは認められなかった。運動時高血圧を有すると高血圧症発症の可能性が高い このスタディーは、高度なトレーニングを受け、血圧が正常なアスリートでみられる運動時の極端な血圧の上昇が、中期的な期間における高血圧症の発生を予測することを示した。若年者と言えど、運動時高血圧を示した場合、将来的な高血圧を想定したフォローアップが必要なのかもしれない。(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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頭蓋結合双生児の分離成功は早期着手がカギ/NEJM

 頭蓋結合双生児は、まれな先天異常であり、上矢状静脈洞を共有する完全癒合の双生児は合併症や死亡の割合が高いとされる。米国・ペンシルベニア大学のGregory G. Heuer氏らは、集学的チームにより、生後10ヵ月の完全癒合頭蓋結合双生児(女児)の外科的分離に成功した。詳細な症例報告が、NEJM誌2019年1月24日号に短報として掲載された。分離手術では、3次元プリンターを用いたコンピュータ支援によるデザインとモデリング、特別仕様のデバイス、術中ナビゲーション技術が使用された。これらの技術は、早期の分離を可能にし、若い脳の再生能を生かすことにつながったという。妊娠11週時に診断、脳実質の癒合はないが、上矢状静脈洞を共有 症例は、妊娠11週時に超音波画像所見で頭蓋癒合と診断された。胎児のMRIでは、頭蓋冠の部分的な癒合がみられたが、脳実質の癒合は認めなかった。神経外科医、形成外科医、麻酔科医、神経放射線科医、専門看護師から成る集学的チームが組織された。 出生後(妊娠30週4日)、頭蓋骨上前部の癒合が確認され、脳実質に癒合はないもののinterdigitationが認められた。血管は、双生児の間で上矢状静脈洞水平部が共有され、静脈血が交換されていた。Stone and Goodrich systemに基づき、癒合はtotal angular fusionと判定された。 コンピュータ支援によるデザインおよびモデリングにより、3次元プリントモデルが生成された。この際、共有されている硬膜静脈洞の解剖学的構造にとくに注意が払われた。 癒合した頭蓋骨を分離するために、頭蓋骨切除術とともに骨延長術(distraction osteogenesis)が行われた。分離された頭蓋骨を、徐々に延長するための外付けのデバイスを新たに作製し、生後3ヵ月時に双方の頭部に装着した(1日2.1mmずつ、3週間かけて延長)。延長の後、外付けの圧迫デバイスを用いて、軟部組織の減量が行われた。これにより、共有領域の外周が40cmから28cmに短縮した。生後7ヵ月時には、最終的な分離と頭皮の縫合に向けて、皮膚被覆を増大させるために、癒合部の頭皮と前額部に皮下組織の拡張器が装着され、分離手術までの3ヵ月間留置された。今後、頭蓋骨欠損へのインプラント移植を予定 最終的な分離手術は、生後10ヵ月時に、2段階で行われた。各段階とも、正中矢状面で分離が行われた。術中に遭遇する可能性のある危険な静脈構造のマップを得るために、コンピュータ支援のナビゲーションを使用した。 初回の頭部半球の分離は、合併症もなく、出血は最小限で4時間以内に終了した。対側半球の分離は、共有された上矢状静脈洞があるため手技が複雑で、終了まで約11時間を要した。術後の脳腫脹が検出できるように、いくつかの領域に同種皮膚組織片を移植した。 術後、2人は集中治療室に移され、てんかん治療や創傷の修復術を受けた。状態が安定した時点で、最初の誕生日後まもなく、外来リハビリテーションを受けるために退院した。1人は分離手術後4ヵ月、もう1人は約5ヵ月での退院であった。 分離手術後9ヵ月(生後19ヵ月)の3次元再構成CTでは、双方に頭蓋骨欠損がみられ、脳軟化症の所見が認められた。水頭症や頭蓋内圧の上昇はみられなかった。2人は、4~5歳時に、頭蓋骨欠損を再建する人工頭蓋骨インプラントの移植を受けるために、3次元モデリングの画像検査が行われる予定である。 分離手術後11ヵ月(生後21ヵ月)の時点で、1人は体重が30パーセンタイル、身長は14パーセンタイルに達し、もう1人はそれぞれ55パーセンタイル、14パーセンタイルであった。 著者は、「今回のアプローチは、これまでの頭蓋結合双生児分離手術の死亡率を低下させるために、双生児が若年のうちに早期に行うことを意図した」とし、「この症例に用いた技術や戦略は、リスクのバランス調整に有用であり、早期の分離手術を成功に導いた」と考察している。

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