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大腸内視鏡検査はがん発生と死亡率をどのくらい低下させるか/NEJM

 下部消化管内視鏡(大腸内視鏡、S状結腸鏡)検査と、遠位・近位別の大腸がん発生との関連および死亡率との関連を検討した結果が、米国・ダナファーバーがん研究所のReiko Nishihara氏らにより報告された。大腸内視鏡検査およびS状結腸鏡検査が、大腸がん発生の予防に寄与することは知られるが、その効果の大きさや、実施頻度との関連について、とくに近位大腸がんに関しては明らかでなかった。NEJM誌2013年9月19日号掲載の報告より。8万8,902人のうち、大腸がん発生1,815例、大腸がんによる死亡474例 研究グループは、米国女性看護師健康調査(12万1,700人参加、1976年登録時30~55歳)と医療従事者追跡調査(5万1,529人、1986年登録時40~75歳)の参加者について、下部消化管内視鏡検査(1988年から2008年に2年ごとに実施)の実施と、大腸がん発生率(2010年6月まで)および大腸がん死亡率(2012年6月まで)の関連を調べた。 観察期間対象の22年間に8万8,902人(うち男性3万1,736人)が追跡を受けた。そのうち大腸がんの発生は1,815例(うち男性714例)、大腸がんによる死亡は474例が記録された。近位大腸がん死亡の低下に大腸内視鏡は寄与、S状結腸鏡は寄与せず 複合コホートの解析の結果、内視鏡検査を受けなかった群と比較した大腸がん発生多変量ハザード比(HR)は、内視鏡検査を受けた群のうち、ポリープを切除した群は0.57(95%信頼区間[CI]:0.45~0.72)、S状結腸鏡検査が陰性だった群は0.60(同:0.53~0.68)、大腸内視鏡検査結果が陰性であった群は0.44(同:0.38~0.52)だった。 また、近位大腸がん発生の低下と関連していたのは、大腸内視鏡検査陰性群(HR:0.73)であった(ポリープ切除群のHR:0.83、S状結腸鏡検査陰性群のHR:0.92)。 大腸がんによる死亡について、スクリーニングを行わなかった群と比べて、スクリーニングS状結腸鏡検査群(HR:0.59)、スクリーニング大腸内視鏡群(同:0.32)では死亡率の低下が観察された。 ただし近位大腸がんによる死亡については、スクリーニング大腸内視鏡群では低下が認められたが(HR:0.47)、スクリーニングS状結腸鏡群では低下がみられなかった(同:1.04)。遠位大腸がんによる死亡については両群で低下が認められた(同:0.18、0.31)。 大腸内視鏡検査後5年以内に大腸がんと診断された人は、同検査後5年以上で大腸がんと診断された人または大腸内視鏡検査未実施で大腸がんと診断された人と比較して、CpGアイランドメチル化形質(CIMP)(多変量オッズ比:2.19、95%信頼区間:1.14~4.21)、マイクロサテライト不安定性(同:2.10、1.10~4.02)を示す傾向が強かった。

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【第3回】ドライアイスを飲み込んだらどうなる?

【第3回】ドライアイスを飲み込んだらどうなる?まだ早朝にクマゼミがジージーと鳴いている地域もあるでしょうか、残暑が続きますね。まだまだアイスクリームがおいしい季節です。60kcal程度のアイスクリームなら…と毎日のようにアイスクリームをむさぼっている最近です。さて今回は少し涼しくなるような医学論文を2つ紹介します。といっても、テーマはアイスクリームではなくドライアイスですが。ドライアイスはマイナス79℃の二酸化炭素の固体であり、触ると粘膜に熱傷のような表皮剥離を来して痛くなることは、誰しもご存じと思います。氷と違ってドライアイスは固体から気化するため、水分が無いから痛いのだろうと思います。そんなドライアイスを飲み込んでしまったらいったいどうなるのか、想像したことはあるでしょうか。救急医だとドライアイスを飲み込んだ症例を経験したことがあるかもしれませんが、実際に医学論文として報告されている例は多くないようです。検索した限りで、ドライアイスを飲み込んだ症例報告が過去に2例あったのでご紹介します。Shirkey BL, et alFrostbite of the esophagus.J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2007 Sep;45:361-2.この論文は15歳の男の子の症例で、高校の化学の実験の最中にドライアイス入りの水を飲んだようです。ドライアイスが溶けきっていなかったため、飲んだ直後に強い咽頭痛を訴えました。H2受容体拮抗薬などが投与され、20時間後に上部消化管内視鏡検査が行われました。その結果、食道には出血を伴う粘膜病変が観察されました。幸いにも胃粘膜には異常はみられませんでした。彼の症状は次第に改善し、ステロイドと抗菌薬を投与された後退院することができたそうです。この病変は食道異所性胃粘膜 (inlet patch)ではないかという指摘もあったようですが、その後の著者の回答によって臨床的にはドライアイスによる消化管の粘膜障害と結論づけられています(J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2008 Apr;46:472-3; author reply 473.)。Li WC, et al.Gastric hypothermic injury caused by accidental ingestion of dry ice: endoscopic features.Gastrointest Endosc. 2004 May;59737-8.一方、16歳の女の子が誤ってドライアイスを飲み込んでしまったという症例報告もあります。ドライアイスによって、胃粘膜にはびらんを伴う発赤と線状の多発出血性病変がみられ、多発性の潰瘍も観察されました。この症例報告は、ドライアイスによって胃粘膜に障害を来すことを明らかにしました。そういえば子どものころ、ドライアイスを水に入れて、出てきた煙(二酸化炭素)に手をかざして絵本に登場する“魔法使い”のようなことをして遊んでいた記憶があります。昔のテレビのCMでも、ドライアイスが頻繁に使われていたような気がします。ドライアイスは一見すると氷と間違えそうになるので、子どもは誤って飲み込まないよう注意したいですね。多くの場合、口にひっつくので飲み込むことすらできないと思いますが、小さいものだと今回紹介した症例のように水と一緒に飲み込める可能性もあります。飲料にドライアイスを入れて炭酸水を作っている人を見たことがありますが、そもそもドライアイスは食品として作られることはありませんので、衛生上の観点からも避けた方がよいと思います。最近は、吸水ポリマーが原料の保冷剤が普及してきているため、ドライアイスを見かけることは少なくなりましたね。昔は、魚屋さんの裏手にたくさん転がっていたものですが。

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逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症のリスク因子は大きく異なる

 逆流性食道炎(RE)と非びらん性胃食道逆流症(NERD)のリスク因子は、病態生理学的に大きく異なることが、東京大学医学系研究科消化器内科の皆月ちひろ氏らの研究で明らかになった。また、RE有病率はヘリコバクター・ピロリ(HP)感染群よりも除菌群で有意に高かったのに対して、NERD有病率は両群で有意な差を認めなかった。HP除菌療法を行う際には、REの発症および進行につながることを考慮すべきである。PLoS One誌2013年7月26日号の報告。 胃食道逆流症(GERD)は高い有病率にもかかわらず、そのリスク因子は依然として論争中である。これはおそらく、REとNERDの区別および胃周辺部の評価が不十分であるためと考えられる。本研究の目的は、HP感染と胃の萎縮の評価に基づいて、REとNERDの独立した背景因子を定義することであった。 対象は、上部消化管内視鏡検査を受けた健常人1万837人(男性6,332人、女性4,505人、20~87歳、日本人)。対象のうち、「食道の粘膜破壊を認める」1,722人(15.9%)がRE、「食道の粘膜破壊を認めず、胸焼けや胃酸逆流を認める」733人(6.8%)がNERDと診断された。REおよびNERDと診断されなかった被験者を対照群とし、RE群とNERD群の背景因子は、ロジスティック回帰分析を用いて標準化係数(SC)、オッズ比(OR)、p値で評価した。 主な結果は以下のとおり。・REと正の相関を認めた因子は、男性(SC=0.557、OR=1.75)、HP非感染(SC=0.552、OR=1.74)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.496、OR=1.64)、BMI高値(SC=0.464、OR=1.60)、飲酒(SC=0.161、OR=1.17)、加齢(SC=0.148、OR=1.16)、喫煙(SC=0.129、OR=1.14)であった。・NERDと正の相関を認めた因子は、HP感染(SC=0.106、OR=1.11)、女性(SC=0.099、OR=1.10)、若年齢(SC=0.099、OR=1.10)、ペプシノーゲンI/II比高値(SC=0.099、 OR=1.10)、喫煙(SC=0.080、OR=1.08)、BMI高値(SC=0.078、OR=1.08)、飲酒(SC=0.076、OR=1.08)であった。・REの有病率は、HP感染群(2.3%)と比較し、HP除菌成功群(8.8%)で有意に高かった(p<0.0001)。・NERDの有病率は、HP感染群(18.2%)とHP除菌成功群(20.8%)で有意な差を認めなかった(p= 0.064)。

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がんスクリーニング、進行がん患者へのベネフィットは疑問なのに相当割合で続行

がんスクリーニングがルーチンのプライマリ・ケアに組み込まれているが、余命が限られている進行がん患者に対してはベネフィットに疑問があるものの、相当割合で実施されていることが調査により明らかになった。米国Sloan-Kettering記念がんセンターのCamelia S. Sima氏らが、約9万人の進行がん患者と、その対照群について調べた結果によるもので、JAMA誌2010年10月13日号で発表した。進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がん患者と対照群を追跡同氏らは、1998~2005年にかけて、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの65歳以上加入者で、進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がんのいずれかと診断された8万7,736人について追跡調査を行った。対照群として、メディケア加入者でがんの診断を受けていない、年齢や性別、人種などをマッチングした8万7,307人を抽出し追跡した。追跡期間は、2007年末または患者が死亡するまでのいずれかの早い方とした。がん診断前にスクリーニング歴ある人の方が継続して受けている割合が高い結果、女性被験者で、追跡期間中に1回以上のマンモグラフィを受けた人は、進行がん群8.9%、対照群22.0%だった。子宮頸がん検査の実施率はそれぞれ、5.8%と12.5%だった。男性被験者で、前立腺特異抗原(PSA)検査を受けたのは、進行がん群15.0%、対照群27.2%だった。男性・女性被験者で、下部消化管内視鏡検査の実施率は、進行がん群1.7%、対照群4.7%だった。また、実施率は、進行がんの診断を受ける以前12~24ヵ月の間に、同種のがんスクリーニング歴のある人の方がない人より高かった。ある人とない人のマンモグラフィ実施率は16.2%対5.7%、子宮頸がん検査は14.7%対4.0%、PSA試験は23.3%対10.3%、下部消化管内視鏡検査は6.1%対1.5%だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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看護師と医師のどちらが内視鏡検査に向いているか?

イギリスやアメリカでは、看護師による消化管内視鏡検査が、専門団体の承認を得て一般的に行われている。これまで1センターを対象とする研究で、安全で効果的であり、患者にも容認される手技であることが示されている。しかし、看護師がこうした役割を担うことについて、臨床面と費用対効果の面から、厳密かつ大規模な評価は行われていなかった。そこで英国スウォンジー大学のJohn Williams氏らの研究グループは、上部・下部消化管の内視鏡検査について、医師と看護師の臨床的な有効性を比較することを目的に、6病院で無作為化試験を実施した。BMJ誌2009年2月28日号(オンライン版2009年2月10日号)より。内視鏡検査の質を競う本試験には、医師67人と看護師30人が参加。施設による診療のバラつきを最小化するため、ゼレン法による無作為化が施されている。対象患者は2002年7月から2003年6月にかけて、適格者4,964例のうち4,128例(83%)を無作為化、そのうち1,888例(38%)の患者の参加を得た。行われた手技は、診断を目的とした食道・胃・十二指腸検査と軟性S状結腸鏡検査(鎮静の有無にかかわらず)で、参加病院は標準的な準備、技術、手順に従った。主要評価項目は調査票による胃腸症状とし、検査の満足度、不安状態(すべての処置の意向について分析)、直接的あるいは遅延性の合併症、検査と結果報告の質、患者による施行者の選択、そして1年後に新たな疾病が診断されたかどうかが、処置をしたかを踏まえて分析された。看護師の手技が一部で医師を上回る検査後、1日、1ヵ月、1年時点いずれでも、医師群と看護師群との間に有意な差は認められなかった。ただ1日後では、看護師群のほうが患者満足度が高かった。また、看護師は医師より、胃と食道の検査で優秀であることが認められた。生活の質に関するスコアは医師群がわずかに高かったものの、統計学的に有意といえるほどではなかった。これらから研究グループは、看護師による内視鏡検査は、安全かつ効果的だと結論づけた。

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