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スタッフの本音を引き出すコツ【今日から始める「医師の働き方改革」】第8回

第8回 スタッフの本音を引き出すコツ医師の働き方改革を進めるうえでは、スタッフ同士の信頼感の醸成が重要です。とくに役職者は部下の本音を聞き出すことが求められます。長崎大学病院・高度救命救急センターで働き方改革に取り組んで成果を上げつつある田崎 修氏に、部下との円滑なコミュニケーションのコツを聞きました。―働き方改革のための意見集約はどのように行ったのでしょうか?年次や役職にかかわらず、広く意見を聞きました。年長者が必ずしも「正解」を知っているだけではないので若い先生からも積極的に意見を聞いています。年長者として、若い先生に何ができるのかを常に考えています。具体的には、全員と1対1で話す時間をつくり、聞ける範囲でプライベートなことも聞いています。子供が受験で塾の送り迎えが必要、といった事情を知っていれば、カンファレンスを欠席した場合などもフォローがしやすくなります。新型コロナウイルス感染症の影響で、学会や会議がほとんどオンラインになり、浮いた移動時間を若手医師や学生への教育に充てられるのはありがたいですね。 ◆本音を引き出すためには働き方改革という正解のない取り組みの中では、スタッフからさまざまな意見を集め、その中で最適に近いものを探していく、というプロセスが必要です。長崎大学病院・高度救命救急センターでは以下のようなツールでスタッフの意見を集めました。【会議時に付箋を使う】テーマごとに意見を付箋に書いて貼り出します。話したことと違って書いたものは残るため忖度によって意見が消えることがなく、若手の方や新人が意見を出しやすいのです。また、付箋に書き出すことで、「書かれた意見」と「書いた人」を分離し、意見のみについて議論できる効果もあります。【聞く態度】1対1で話を聞く際には、聞く態度が重要になります。面談で話すときはもちろん、日常業務で話し掛けられたときも、一度手を止めて、相手の目を見て話し、メモを取るなど相手の話に集中します。腕組み、足組み、背もたれに寄り掛かった姿勢は相手に威圧感を与えるため、避けます。ワーク・ライフバランス社資料よりオンラインの場合、とくに表情が伝わりにくいので、上記に加えて大きめにうなずくなどのオーバーリアクションを心掛けましょう。オンライン会議が増える中では、ぜひこうしたコツも意識してみてください。

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コロナワクチン有効性、4ヵ月超で明らかに低下/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを2回接種後、日数経過によりワクチン有効性は低下し、その低下速度はワクチンの種類によって異なることが示された。スウェーデン・Umea大学のPeter Nordstrom氏らが、84万人超のワクチン接種者と、同数のマッチングコントロールについて後ろ向き全住民コホート試験を行い明らかにした。ChAdOx1 nCoV-19(Oxford-AstraZeneca製)、mRNA-1273(Moderna製)、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の2回接種後、症状の程度を問わない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対するワクチン有効性は、BNT162b2は4~6ヵ月で47%に減少、7ヵ月後には有意な有効性が認められなかったが、mRNA-1273では6ヵ月以降も59%を維持していた。入院や死亡などを伴う重症COVID-19に対する予防効果は、いずれかのワクチンとも2回接種後、比較的長期にわたり維持されてはいたが、4ヵ月以降は64%と明らかな低下が認められ、著者は「今回の結果は、エビデンスに基づく3回目のブースター接種に関する根拠を強化するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年2月4日号掲載の報告。感染予防と重症化予防効果の減少について検証 研究グループは、スウェーデンの全国登録名簿を基に、COVID-19ワクチン、ChAdOx1 nCoV-19、mRNA-1273、BNT162b2のいずれかの2回接種者と、ワクチン未接種者のマッチングコントロール試験を行い、2021年10月4日まで追跡した。 評価アウトカムは2つで、(1)2021年1月12日~10月4日の重症度を問わないあらゆるSARS-CoV-2感染、(2)2021年3月15日~9月28日の重症COVID-19(COVID-19による入院またはSARS-CoV-2感染確定後の30日全死因死亡で定義)とした。ChAdOx1 nCoV-19ワクチン、接種後4ヵ月超の予防効果認められず 2020年12月28日~2021年10月4日に、COVID-19ワクチン2回接種者84万2,974例と、同数のマッチングコントロールについて分析を行った。 あらゆる重症度のSARS-CoV-2感染に対するワクチン有効性は、BNT162b2では接種から日数の経過に従い低下し、接種後15~30日で92%(95%信頼区間[CI]:92~93、p<0.001)、121~180日で47%(39~55、p<0.001)、211日以降で23%(同:-2~41、p=0.07)だった。 mRNA-1273の同有効性の低下はやや緩やかで、接種後15~30日で96%(95%CI:94~97、p<0.001)、181日以降で59%(18~79、p=0.012)だった。ChAdOx1 nCoV-19とmRNA-1273のそれぞれ1回接種群でも同有効性の低下はやや緩やかで、接種後15~30日で89%(79~94、p<0.001)、121日以降で66%(41~80、p<0.001)だった。 対照的にChAdOx1 nCoV-19については、接種後15~30日のワクチン有効性は68%(95%CI:52~79、p<0.001)で、121日以降は有効性を検出できなかった(有効性:-19%、95%CI:-98~28、p=0.49)。 重症COVID-19に対する全種ワクチンの有効性は、接種後15~30日は89%(95%CI:82~93、p<0.001)であったものから、121日以降は64%(同:44~77、p<0.001)に低下していた。 また、全体として女性よりも男性のほうがワクチンの有効性は低く、若年者よりも高齢者のほうがワクチン有効性が低いとのエビデンスも認められた。

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第96回 2022年診療報酬改定の内容決まる(前編)オンライン診療初診から恒久化、リフィル処方導入に日医が苦々しいコメント

中医協総会で診療報酬改定の答申行われるこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この連休は気心が知れた山仲間数人で、八ヶ岳の東天狗岳に渋の湯、黒百合ヒュッテ経由で登ってきました。前日までの降雪でいい具合の積雪となった八ヶ岳は、待ってました!とばかりに登山者も多く、頂上直下は行列もできるほどでした。とはいえ厳冬期の八ヶ岳、1月には遭難も起こったルートです。極寒の中、程よいスリルと緊張感を味わって無事下山しました。さて、2月9日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会で、2022年度診療報酬改定の答申1)が行われ、項目の詳細と点数が明らかになりました。今回の診療報酬改定、ニュースなどでは不妊治療(体外受精、顕微授精など)の保険適応が着目されていますが、ここではこのコラムでも触れてきた政策的な意味合いが大きいいくつかの項目について、その内容を見てみたいと思います。看護職員の処遇改善でプラス0.2%、不妊治療の保険適用でプラス0.2%今回の診療報酬改定率は、「第92回 改定率で面目保つも「リフィル処方」導入で財務省に“負け”た日医・中川会長」でも書いたように、医師らの人件費などにあたる「本体」部分を0.43%(国費で3,000億円相当)引き上げる内容となりました。このうち、看護職員の処遇改善でプラス0.2%、不妊治療の保険適用でプラス0.2%相当分の財源を使うことになります。一方で、リフィル処方箋の導入・活用促進でマイナス0.1%、小児の感染防止対策に係る加算措置(医科分)の期限到来でマイナス0.1%の医療費低減を見込みます。結果、実質的な本体の増分はプラス0.23%とされています。なお看護職員の処遇改善は、2022年2~9月までは2021年12月20日に成立した2021年度補正予算で賄い、2022年10月以降に診療報酬で対応することになっています。財源的には0.2%分が不妊治療の適用に充てられ、今改定の岸田政権の目玉的存在として報道されています。現在は一部を除き公的保険外の不妊治療について、「人工授精」「体外受精」「顕微授精」などが新たに保険適用となりました。一般マスコミではこのほか、オンライン診療の見直しやリフィル処方箋の導入などを取り上げるところが目立ちました。時限的・特例的措置終了でオンライン診療初診から恒久化へコロナ禍となって普及・定着が求められてきたオンライン診療。本コラムでは、「第24回 オンライン診療めぐり日医と全面対決か?菅総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと」や「第29回 オンライン診療恒久化の流れに「かかりつけ医」しか打ち出せない日医の限界」などで取り上げて来ました。オンライン診療の初診は、コロナ流行期の時限的・特例的措置として2020年4月から認められています。菅政権では「オンライン診療の恒久化」が掲げられ、岸田政権でもそれを受け継ぐ形で議論が進められて来ました。2021年11月29日、厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」が、「かかりつけ医による診察を原則として、コロナの流行期に限らず初診からオンライン診療が行える」新指針案を了承、今年1月28日に、その新指針2)を公表しました。新指針は時限的・特例的措置が終了(新しい診療報酬が適用される4月1日)次第、適用される予定です。推進派と慎重派が対立、公益裁定で決定今改定に向けての中医協の議論でも、オンライン診療と推進派(経済界、保険者、オンライン診療システム事業者など)と、慎重派(日本医師会など)の間では激しい対立がありました。推進派は「規制は可能な限り緩めるべき」「点数は対面診療と同一にすることも含め、大幅引き上げを行うべき」などと主張、一方、慎重派は「安全性・有効性を確認しながら徐々に規制を緩めていくべき」「サービスの質が劣るため、対面診療よりも低い点数を維持すべき」などと反論してきました。対立は中医協論議の最終局面になっても収まらず、最終的に公益裁定(中医協委員の支払側と診療側で議論がまとまらないときに、公益側委員が中立・公正な立場で裁定すること)で点数等が決定しました。初診は251点で対面の初診料の約87%具体的な改定内容は、現行のオンライン診療料(71点)を廃止した上で、初診料、再診料(外来診療料)の中で「情報通信機器を用いた場合」として新たに点数を設定するというものです。オンライン診療による初診は251点で対面の初診料(288点)の約87%となり、現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下で時限的・特例的に認められている電話・オンライン診療による初診料(214点)から大幅に引き上げられます。オンライン診療を行った場合に評価する14種類の医学管理料についても対面での評価の約87%に設定されます。再診料は73点で、対面診療と同じ点数になります。さらに、現行のオンライン診療料では、「日常的に通院または訪問による対面診療が可能な患者を対象」という距離要件、「オンライン診療の実施割合が1割以下」という実施割合要件が設けられていますが、今改定でこれらが撤廃されます。対面診療を提供できる体制を有することは求めた上で、オンライン診療で対応できない場合に、他の医療機関と連携して対応できる体制を有することなどが算定要件となります。「患者の安心・安全が損なわれたり、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じたりした場合には見直しを要請」と日医・中川会長日本医師会の中川俊男会長は2月9日、診療報酬改定の答申を受けた会見で、「公益委員の裁定による決着となったが、オンライン診療では対面診療との比較において、触診・打診・聴診等が実施できないことが明示されたことを受けて、対面診療とオンライン診療とでは診療の対価に差を設けることは適当であるとされた」と総括、その上で、「患者の安心・安全が損なわれたり、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じたりした場合には、期中であっても速やかに診療報酬要件の見直しを要請する」と述べたとのことです。オンライン診療は、コロナ禍でそのニーズが高まっているにも関わらず、点数設定や各種規制などによって普及が今ひとつであるのが問題視されています。対応できるのは2021年6月時点で全医療機関の約6%でした。大幅な点数増もあり、今回改定でオンライン診療はこれまで以上に普及しそうですが、推進派の掲げた要望はその一部が実現したに過ぎません。次期改定に向けて規制緩和の議論がまだ続きそうです。リフィル処方は1回29日以内で処方箋料の減算なしこのコラムの第92回で書いたリフィル処方ですが、4月から処方箋様式が下図のように変更され、「リフィル可」「調剤実施回数」の項目が追加、一定期間内、処方箋を反復利用できるようになります。新たな処方箋様式画像を拡大するリフィル処方の対象となるのは、「医師の処方により、薬剤師による服薬管理の下、一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者」で、留意事項として「総使用回数の上限は3回まで」、「1回当たり投薬期間及び総投薬期間については、医師が、患者の病状等を踏まえ、個別に医学的に適切と判断した期間」、「投薬量に限度が定められている医薬品及び湿布薬については、リフィル処方箋による投薬を行うことはできない」などの要件が定められています。リフィル処方箋導入に合わせ、その普及を後押しするため処方箋料も見直されます。現在の処方箋料は、「1処方につき投与期間が30日以上の投薬を行った場合は、所定点数の100分の40の点数」になりますが、この一部が対象外になります。具体的には、「処方箋の複数回(3回までに限る)の使用を可能とする場合で、処方箋の1回の使用による投与期間が29 日以内」の投薬が対象から外れます。日本医師会を刺激しないよう大人しめのコメントの日薬・山本信夫会長日本薬剤師会にとって“悲願”とも言われたリフィル処方の導入。1月18日の都道府県会長協議会で日本薬剤師会の山本 信夫会長は、「薬剤師が担う役割は大きいものがあり、その判断や決断は重たくなる。覚悟を持って取り組まなければならない一大事業になる」と熱く語っていました。ただ、2月10日に開かれた三師会の会見では山本会長は、「どんな形の処方箋かによって職能が変わることはない。これまで同様に、きちんとした対応していくことに変わらない。これまでも薬剤師の職能が発揮されてきたからこそ、医師にも信頼され、地域の方々からの信頼を受けいまの状態がある。これをさらに進めていく」と、薬剤師と医師の関係の重要性を改めて強調するに留めました。リフィル処方導入に一貫して反対してきた日本医師会を刺激しないよう、大人しめのコメントにしたようです。日医・中川会長「リフィル処方箋を出すかどうかは医師が決める」と強調一方、日本医師会の中川 俊男会長は2月9日の答申を受けた会見で、過去10年近くにわたって「骨太の方針」等でその導入を求められてきたことや、今回の診療報酬改定の議論に先立って、2021年6月の「経済財政運営と改革の基本方針2021」でも、改めてリフィル処方の導入が明記されたことに触れた上で、「日本医師会は症状が安定している慢性疾患の患者さんであっても、定期的に診察を行い疾病管理の質を保つことが重要であると主張してきた。日本では医師法により医師に処方権がある。今回の診療報酬改定では、厚生労働大臣・財務大臣両大臣合意でリフィル処方箋の導入が決まったが、両大臣合意でも『医師の処方により』行うものであることが明示されている」と語り、「リフィル処方箋を出すかどうかは医師が決める」と強調しました。そして、「今回、両大臣合意を踏まえたリフィル処方箋の導入ということになったが、患者さんにとって、適切な治療が行われることについて、十分配慮した運用が現場でなされることを期待している。現行制度において、投薬日数は医師の裁量とされている。ただ、これまでも繰り返し主張しているとおり、長期処方にはリスクがあり、不適切な長期処方には是正が必要と考えている」と長期処方のリスクに言及。「新しい仕組みを導入する際には、患者さんの健康に大いに関わるため、慎重の上にも慎重に、そして丁寧に始めることが望ましい」と語ったとのことです。「先生、私もリフィルで」と言い始めたら医師は抵抗できるか?中川会長のコメントからは、改定率と引き換えに受け入れてしまったリフィル処方に対する苦々しさが伝わって来ます。「処方するのは医師だ」という当たり前のことをあえて強調しなければならないほど、リフィル処方の導入を恐れているのでしょう。今回の診療報酬改定でのリフィル処方の影響は、再診料、処方箋料の減少などで改定率にしてマイナス0.1%と言われています。しかし、以前のコラムでも書いたように、もし国民がその割安感と利便性に気づいたら、それ以上の影響が出てくるかもしれません。日医が今恐れるのは、リフィル処方の仕組みや利用の仕方をテレビや一般マスコミが大々的に取り上げることではないでしょうか。患者がその割安感や利便性に気づき、「先生、私もリフィルで」と言い始めたら、医師は果たして立派な根拠を持って抵抗できるでしょうか。リフィル処方の今後の広がりが気になります。次回は、「かかりつけ医機能」について考えてみたいと思います。(この項続く)参考1)中央社会保険医療協議会 総会/厚生労働省2)オンライン診療の適切な実施に関する指針

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パキロビッドパック投与時の注意点、薬物治療の考え方13版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、2月10日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第13版」をまとめ、同会のホームページで公開した。 今回の改訂では、2月10日に製造販売に関し特例承認を取得した経口抗ウイルス薬ニルマトレルビル錠/リトナビル錠(商品名:パキロビッドパック)などの追加記載が行われたほか、最新の知見への内容更新が行われた。 以下に主な改訂点について内容を抜粋して示す。【3. 抗ウイルス薬等の対象と開始のタイミング】・「図 COVID-19の重症度と治療の考え方」を変更【4. 抗ウイルス薬等の選択】・総論にニルマトレルビル/リトナビルを追加・各薬剤につき、わが国で適用承認されている薬剤は商品名を追加(抗ウイルス薬)ニルマトレルビル/リトナビルの追加・機序ニルマトレルビルは、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼに作用し、その働きを阻害することによりウイルスの増殖を阻害する。リトナビルは、ニルマトレルビルの代謝を遅らせ、体内濃度をウイルスに作用する濃度に維持する目的で併用。・国内外での臨床報告国内外で実施された多施設共同、プラセボ対照、ランダム化二重盲検試験において、重症化リスクのある非入院COVID-19患者の外来治療を対象にニルマトレルビル300mg/リトナビル100mgまたはプラセボを1日2回、5日間経口投与する群に1対1で無作為割付。主要有効性解析集団とされたmITT集団のうちプラセボ群(385名)の28日目までの入院または死亡が27名(7.0%)に対し、治療群(389名)では3名(0.8%)と相対的リスクが89%減少した(p

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添付文書改訂:アクテムラが新型コロナ中等症II以上に適応追加/ジャディアンスに慢性心不全追加/エフィエントに脳血管障害の再発抑制追加/アジルバに小児適応追加/レルミナに子宮内膜症の疼痛改善追加【下平博士のDIノート】第92回

アクテムラ点滴静注用:新型コロナ中等症II以上に適応追加<対象薬剤>トシリズマブ(遺伝子組換え)(商品名:アクテムラ点滴静注用80mg/200mg/400mg、製造販売元:中外製薬)<承認年月>2022年1月<改訂項目>[追加]効能・効果SARS-CoV-2による肺炎酸素投与、人工呼吸器管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うこと。[追加]用法・用量通常、成人には、副腎皮質ステロイド薬との併用において、トシリズマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kgを点滴静注します。症状が改善しない場合には、初回投与終了から8時間以上の間隔をあけて、同量を1回追加投与できます。<Shimo's eyes>本剤は、国産初の抗体医薬品として、2005年にキャッスルマン病、2008年に関節リウマチの適応を取得して、現在は世界110ヵ国以上で承認されているヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体です。今回、新型コロナによる肺炎の効能が追加されました。これまで中等症II以上の患者に適応を持つ、レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注用)、バリシチニブ(同:オルミエント錠)、デキサメタゾン(同:デカドロン)の3製剤に本剤が加わり、新たな治療選択肢となります。新型コロナ患者の一部では、IL-6を含む複数のサイトカインの発現亢進を特徴とする炎症状態により呼吸不全を起こすことが知られており、同剤投与による炎症抑制が期待されています。参考中外製薬 薬剤師向けサイト アクテムラ点滴静注用80mg・200mg・400mgジャディアンス:慢性心不全(HFrEF)の適応追加<対象薬剤>エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス錠10mg、製造販売元:日本ベーリンガーインゲルハイム)<承認年月>2021年11月<改訂項目>[追加]効能・効果慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。[追加]用法・用量通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前または朝食後に経口投与します。<Shimo's eyes>SGLT2阻害薬としては、すでにダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が慢性心不全の適応を2020年11月に追加しており、本剤は2剤目の薬剤となります。2022年1月現在、添付文書には「左室駆出率の保たれた慢性心不全(HFpEF)における本剤の有効性および安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者(HFrEF)に投与すること」と記載されていますが、HFpEF患者を対象とした第III相試験においても、2021年8月に良好な結果1)が報告されています。なお、本剤25mg錠には慢性心不全の適応はありません。参考エンパグリフロジンの慢性心不全への承認取得/日本ベーリンガーインゲルハイム・日本イーライリリー1)エンパグリフロジン、糖尿病の有無を問わずHFpEFに有効/NEJMエフィエント:脳血管障害後の再発抑制が追加<対象薬剤>プラスグレル塩酸塩(商品名:エフィエント錠2.5mg/3.75mg、製造販売元:アストラゼネカ)<承認年月>2021年12月<改訂項目>[追加]効能・効果虚血性脳血管障害(大血管アテローム硬化または小血管の閉塞に伴う)後の再発抑制(脳梗塞発症リスクが高い場合に限る)[追加]用法・用量通常、成人には、プラスグレルとして3.75mgを1日1回経口投与する。<Shimo's eyes>『脳卒中治療ガイドライン2021』では、非心原性脳梗塞の再発抑制に対しては抗血小板薬(クロピドグレル、アスピリンまたはシロスタゾール)の投与が勧められていますが、本剤の適応は、「大血管アテローム硬化または小血管の閉塞を伴う虚血性脳血管障害後の再発抑制」に限定されました。なお、適応追加の対象は2.5mg錠および3.75mg錠のみです。今回の改訂で、空腹時は食後投与と比較してCmaxが増加するため、空腹時の投与は避けることが望ましい旨の記載が追記されました。用法に「食後投与」は明記されていないので注意しましょう。既存薬のクロピドグレルは、主にCYP2C19によって代謝されるため、遺伝子多型による影響を受けやすいことが懸念されていますが、本剤は、ヒトカルボキシルエステラーゼ、CYP3AおよびCYP2B6などで代謝されて活性体となるプロドラッグであり、遺伝子多型の影響を受けにくいとされています。参考第一三共 医療関係者向けサイト エフィエント錠アジルバ:小児適応追加、新剤型として顆粒剤が登場<対象薬剤>アジルサルタン(商品名:アジルバ顆粒1%、同錠10mg/20mg/40mg、製造販売元:武田薬品工業)<承認年月>2021年9月<改訂項目>[追加]用法・用量<小児>通常、6歳以上の小児には、アジルサルタンとして体重50kg未満の場合は2.5mg、体重50kg以上の場合は5mgを1日1回経口投与から開始します。なお、年齢、体重、症状により適宜増減が可能ですが、1日最大投与量は体重50kg未満の場合は20mg、体重50kg以上の場合は40mgです。<Shimo's eyes>アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)であるアジルサルタンに、小児に対する用法および用量が追加されました。また、新剤型として顆粒剤も発売されました。顆粒剤は、成人にも小児にも適応がありますが、小児の開始用量である2.5~5mgを投与する際に便利です。参考武田薬品工業 医療関係者向けサイト アジルバレルミナ:子宮内膜症に基づく疼痛改善の適応が追加<対象薬剤>レルゴリクス(商品名:レルミナ錠40mg、製造販売元:あすか製薬)<承認年月>2021年12月<改訂項目>[追加]効能・効果子宮内膜症に基づく疼痛の改善<Shimo's eyes>本剤は、経口GnRHアンタゴニストであり、2019年1月に子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善で承認を取得しています。子宮筋腫に続き、子宮内膜症患者を対象とした第III相試験の結果が報告されたことから、今回新たな適応が承認されました。本剤は下垂体のGnRH受容体を阻害することにより、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を阻害します。その結果、エストロゲンおよびプロゲステロンが抑制され、子宮内膜症の主な症状である骨盤痛を改善します。参考あすか製薬 医療関係者向け情報サイト レルミナ錠40mg

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米国オミクロン株流行はピークアウト?循環器科医として気付いた診断の難しさ【臨床留学通信 from NY】番外編9

米国オミクロン株流行はピークアウト?循環器科医として気付いた診断の難しさ日本では、2月2日の時点で1日の新型コロナ新規感染者数が約10万人と、人口が似ている欧米主要諸国とほぼ同等の推移となっています。こちら米国では、1月上旬の1日140万人をピークに、入院患者数のピークもほどなく迎えました。EDに来た人のテスト陽性率も50%を超え、EDはコロナ患者で埋め尽くされた状態で、日本のように厳格に隔離することは当然できません。EDに心臓疾患の診察に行く際は、仮にその患者が陽性でなくても、EDに行く=コロナ患者だらけの場所に飛び込むという感覚です。何人かの同僚もコロナで戦線離脱していたため、なるべく自身が感染しないことが何より重要で、コンサルテーションを受ける側としても不必要な患者診察を避け、カルテレビューのみで見解を伝え、治療方針を提案するE-consultも行いました。ただ、第1波のパンデミック時は、コロナそのものが原因と見られる心筋障害が多かったのですが、今回はそれ以外に、たまたま非ST上昇型心筋梗塞の人がコロナ陽性だったり、コロナによる症状、肺炎、炎症を引き金に非ST上昇型心筋梗塞が起きた人、コロナでたこつぼ心筋症になった人がいたりしました。ピットフォールとしては、心電図は肺塞栓っぽくないものの、ルーティンのD-dimerが異様に高い上、コロナの過凝固による肺塞栓で右室への負担からトロポニン陽性の人など、十分な診察なしに判断するのはなかなか難しいところでした。日本ならば、救急外来から循環器科医としてコンサルテーションを受けたら、5分程度の簡単な心エコーによって、たこつぼ、ACS、肺塞栓くらい鑑別はすぐに可能かと思います。しかしながら、ここが米国の医療の良くないところかと思いますが、救急医、循環器科医いずれも、よほどのことがない限り心エコーをしない、あるいは技師さん任せでもともとしない風潮、あるいは忙し過ぎて時間がない、あるいは正確に判断できない可能性もあり、訴訟などの責任を逃れるためしない、等々の理由で、「ひとまず心エコーをしてみる」ことはありません。そのことによる治療の遅れもあるかもしれませんが、プラクティス、風習の違いと考えれば、こんなところにも日米の違いは見られます。いずれにせよ、米国では1月中旬をピークにコロナによる入院患者数は減り続け、全体の病床の3~4割を占めていたのが、2月に入って1~2割となり、EDでの陽性率も15%くらいまで下がりました。毎回、変異株が出るたびにこうなってしまうとなかなか骨が折れるな、と実感した次第です。画像を拡大する

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第99回 オミクロン株亜種BA.2を相手しうる治療抗体はたった1つ?

世界に広まった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン(Omicron)株の発見国である南アフリカではその亜種BA.2(B.1.1.529.2)が先立つBA.1型に取って代わって優勢となっています1)。同国政府の顧問を務める生物統計研究者Tulio de Oliveira氏によると不気味なことにいまや同国でのSARS-CoV-2感染(COVID-19)の実にほぼすべてがBA.2によるものとなりました2)。オミクロン株の発見の報告者としても知られるDe Oliveira氏はオミクロン株が後ろ盾の感染流行の第二波をBA.2がもたらしうるとかつて述べており、同国のCOVID-19のほぼ100%がBA.2になったことはその予想通りです。BA.2への既存の抗体薬の効果の検討が早速始まっています。感染症治療薬を開発する米国のバイオテクノロジー企業Vir Biotechnology社の先週9日の発表3)によるとBA.2を阻止する中和活性を同社がGlaxoSmithKline(GSK)と協力して取り組んでいる抗体sotrovimab(ソトロビマブ、S309)が幸いにも備えていました。ただし中和活性がどれほどのものかの具体的な説明はなく、代理ウイルスを使ったその実験結果の詳細は近々bioRxivに掲載されるとVir社はその発表に記しています。時を同じくして先週9日にbioRxivにすでに掲載済みのコロンビア大学の別の研究でもソトロビマブがBA.2中和活性を有することが確認されています。しかし残念なことにその活性はかつて流行した野生型D614G代理ウイルス(wild-type D614G pseudovirus)に対するのと比べて27分の1ほどでしかありませんでした4)。bioRxivへの提出後の追試でのソトロビマブのBA.2中和活性はさらに低かったと研究リーダーDavid Ho氏は言っています5)。一方、ソトロビマブとは対照的にEli Lilly社の抗体bebtelovimab(ベブテロビマブ、LY-CoV1404)はBA.2にも歯が立ち、野生型D614G代理ウイルスに対するのとほぼ同等にBA.2を中和しました。また、AstraZenecaの抗体一対cilgavimab(COV2-2130)/tixagevimab(COV2-2196)の片方cilgavimabもbebtelovimabには劣るもののBA.2とどうやら張り合うことができるようです。bebtelovimabのBA.2中和活性は野生型D614G代理ウイルス中和活性の1.1倍でほぼ同じだったのに対してcilgavimabのそれは2分の1ほどでした。コロンビア大学の研究ではそれら3抗体を含むあわせて19の抗体が検討され、結論としてそれらのうちBA.2に対抗しうるのはLillyのbebtelovimabとAstraZenecaのcilgavimabのみであり、GSK/Vir社のソトロビマブを含む他の17の抗体はBA.2阻止活性を全く持ち合わせていないか酷く損なっていました。折しも先週末11日に米国FDAはBA.2に勝ち目があるLillyのbebtelovimabを取り急ぎ認可しています6)。重症化する恐れがある外来の軽~中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者への使用が許可され、米国政府は少なくとも7億2000万ドルを払って同剤最大60万回投与分を購入します7)。同剤の投与は1回8)なので最大60万人分に相当します。BA.2を相手しうるもう1つの抗体cilgavimabを成分とするAstraZenecaの抗体薬も米国FDAに取り急ぎ認可されていますが、認可されたのはCOVID-19予防用途です9)。治療に使うことは認められていません。よってFDAがCOVID-19治療に使うことを認可した抗体のほぼすべてがBA.2におよそ歯が立たず、勝負できそうなのは今のところLillyのbebtelovimabのみであり、果てなく進化し続ける脅威・SARS-CoV-2を抑える新たな手段をわれわれも絶えずひねり出していく必要があるようです4)。参考1)Omicron BA.2 sub-variant dominant in S.Africa, says CDC / Reuters2)Omicron BA.2 Sub-Variant Close to 100% Dominant in South Africa / Bloomberg3)Data Suggest Sotrovimab Retains Neutralizing Activity Against Omicron Subvariant BA.2 / GlobeNewswire4)Antibody Evasion Properties of SARS-CoV-2 Omicron Sublineages. bioRxiv. February 09, 20225)Spreading version of Omicron resists all but one new drug / Reuters6)Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Authorizes New Monoclonal Antibody for Treatment of COVID-19 that Retains Activity Against Omicron Variant / PR Newswire7)Lilly's bebtelovimab receives Emergency Use Authorization for the treatment of mild-to-moderate COVID-19 / PR Newswire8)FACT SHEET FOR HEALTHCARE PROVIDERS: EMERGENCY USE AUTHORIZATION FOR BEBTELOVIMAB9)AZD7442 request for Emergency Use Authorization for COVID-19 prophylaxis filed in US / AstraZeneca

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追加接種でオミクロン株での入院が未接種の23分の1/CDC

 米国・カリフォルニア州ロサンゼルス郡での調査によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株優勢期におけるCOVID-19による入院率は、ワクチン未接種者では2回接種+追加接種者の23.0倍、2回接種者の5.3倍だった。ロサンゼルス郡公衆衛生局のPhoebe Danza氏らが、CDCのMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)2022年2月4日号に報告。 ロサンゼルス郡公衆衛生局は、COVID-19サーベイランスおよびCalifornia Immunization Registry 2のデータを用いて、2021年11月7日~2022年1月8日の年齢調整14日間累積感染率と入院率について、新型コロナワクチン接種状況および各変異株の優勢期ごとに調査した。SARS-CoV-2感染は、核酸増幅検査もしくは抗原検査で確認した。対象は18歳以上の成人で、BNT162b2(ファイザー製)、mRNA-1273(モデルナ製)、Ad.26.COV2.S(Johnson & Johnson製)の最初の連続接種が終了した日から14日後に2回接種完了とみなした。また、2回接種完了者が追加接種を受けた日から14日後に追加接種完了とみなした。 主な結果は以下のとおり。・2021年11月7日~2022年1月8日に報告されたSARS-CoV-2感染者42万2,966人のうち、ワクチン未接種者は14万1,928人(33.6%)、2回接種+追加接種者は5万6,185人(13.3%)、2回接種者の22万4,853件(53.2%)だった。・デルタ株優勢期の最終期である2021年12月11日までの14日間で、ワクチン未接種者の感染率は、2回接種+追加接種者の12.3倍、2回接種者の3.8倍で、入院率は、2回接種+追加接種者の83.0倍、2回接種者の12.9倍であった。・オミクロン優勢期(2022年1月8日で終わる週)では、ワクチン未接種者の感染率は、3回接種者の3.6倍、2回接種者の2.0倍で、入院率は、2回接種+追加接種者の23.0倍、2回接種者の5.3倍であった。・全解析期間において、ICU入院、人工呼吸器装着、死亡は、ワクチン未接種者が2回接種+追加接種者、2回接種者より多かった(p<0.001)。・感染率、入院率とも、いずれの時期においても未接種者が最も高く、2回接種+追加接種者が最も低かった。

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ファイザーの経口コロナ治療薬「パキロビッドパック」を特例承認/厚労省

 厚生労働省は2月10日、ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗ウイルス剤「ニルマトレルビル錠/リトナビル錠」(商品名:パキロビッドパック、以下パキロビッド)について、国内における製造販売を特例承認した。2021年12月24日に承認されたモルヌピラビル(ラゲブリオ)に続き、本剤は国内における2剤目の経口コロナ治療薬となる。2月27日までは、全国約2,000の医療機関における院内処方およびこれらの医療機関と連携可能な地域の薬局でパイロット的な取り組みを実施し、それ以降は全国の医療機関の入院・外来でも処方可能となる。 パキロビッドは、重症化リスク因子を有する軽症~中等症患者が投与対象。通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対し、ニルマトレルビル1回300mgおよびリトナビル1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与する。 本剤を巡っては、高血圧や高脂血症、不眠症などの治療薬において併用禁忌薬が多数あることから、審議会でも専門家から慎重な投与が必要との意見が出たという。本剤の添付文書には、下記39種の薬剤および含有食品について併用禁忌が明示されている。【併用禁忌】▼アンピロキシカム▼ピロキシカム▼エレトリプタン臭化水素酸塩▼アゼルニジピン▼オルメサルタン、メドキソミル・アゼルニジピン▼アミオダロン塩酸塩▼ベプリジル塩酸塩水和物▼フレカイニド酢酸塩▼プロパフェノン塩酸塩▼キニジン硫酸塩水和物▼リバーロキサバン▼リファブチン▼ブロナンセリン▼ルラシドン塩酸塩▼ピモジド▼エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン▼エルゴメトリンマレイン酸塩▼ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩▼メチルエルゴメトリンマレイン酸塩▼シルデナフィルクエン酸塩▼タダラフィル▼バルデナフィル塩酸塩水和物▼ロミタピドメシル酸塩▼ベネトクラクス▼ジアゼパム▼クロラゼプ酸二カリウム▼エスタゾラム▼フルラゼパム塩酸塩▼トリアゾラム▼ミダゾラム▼リオシグアト▼ボリコナゾール▼アパルタミド▼カルバマゼピン▼フェノバルビタール▼フェニトイン▼ホスフェニトインナトリウム水和物▼リファンピシン▼セイヨウオトギリソウ含有食品 また、併用に注意すべき薬剤なども多数記載されているので、処方の際には配慮が必要だ。詳細については、添付文書を参照されたい。

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第89回 経口コロナ薬パキロビッドパックが特例承認、その注意点は?

<先週の動き>1.経口コロナ薬パキロビッドパックが特例承認、その注意点は?2.診療報酬改定、湿布制限や紹介状なし受診の徴収額など詳細が明らかに3.4月からのオンライン診療は初診料251点、再診料・外来診療料73点4.視覚障害者の就労保護のため指圧師養成施設の設置制限は合憲/最高裁5.コロナワクチン接種、小児への義務は課さず、妊婦は努力義務へ1.経口コロナ薬パキロビッドパックが特例承認、その注意点は?厚生労働省は10日、米・ファイザーが開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経口治療薬ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッドパック)を特例承認した。日本国内では軽症者向けの経口薬としてモルヌピラビルに次ぐ2剤目となるが、作用機序は異なり、本剤は12歳以上で使用可能。臨床試験において、重症化リスクのある患者に投与した場合、非投与群に比べて入院・死亡リスクが88%減少したと報告されている。発症後5日以内の使用が推奨され、オミクロン株への効果も期待される。パキロビッドパックには5シートのPTP包装が含まれ、1シートに朝・夕服用分としてニルマトレルビル錠150mgが4錠(1回2錠)およびリトナビル錠100mgが2錠(1回1錠)で構成されている。2剤のうち、ニルマトレルビルはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ阻害薬であり、HIV治療薬としても使用されるリトナビルはSARS-CoV-2に対して抗ウイルス活性を示さないが、ニルマトレルビルのCYP3Aによる代謝を阻害し、血漿中濃度を維持させる。リトナビルは各薬物代謝酵素やトランスポーターの強力な阻害作用を有するため、パキロビッドパックでは降圧薬、高脂血症治療薬、抗凝固薬など38成分と食品1つ(セイヨウオトギリソウ)が併用禁忌とされる。しかし、注意すべき薬剤はこれにとどまらず、国立国際医療研究センター病院が国内外の資料を基に作成した「パキロビッドパックとの併用に慎重になるべき薬剤リスト」を公開しており、当面の参考になるだろう。なお、今月27日までは全国約2,000医療機関での院内処方を原則として提供され、その間で適正使用の推進に向けた情報収集が行われる見込み。配分を希望する対象の医療機関は、ファイザーが開設する「パキロビッドパック登録センター」に登録し、同センターを通じて配分依頼を行う必要がある。(参考)新型コロナウイルス治療薬の特例承認について(厚労省)厚労省 ファイザーの経口新型コロナ治療薬パキロビッドを特例承認 段階的に医療現場に提供(ミクスonline)ファイザー新型コロナウイルス『治療薬』医療従事者専用サイト パキロビッドパック2.診療報酬改定、湿布制限や紹介状なし受診の徴収額など詳細が明らかに今年度の診療報酬改定について、処方箋を3回まで繰り返し利用できる「リフィル処方箋」の導入が決定した。高血圧や糖尿病などの慢性疾患において、症状が安定した患者が継続服用している場合に対応して、医師の診療なしで薬の受け取りが可能となる。一方で、投与量に限度がある湿布薬や向精神薬などは対象外となる。なお、今回の改定では湿布の処方上限が70枚から63枚に引き下げられた。また、紹介状を持たずに大学病院などを受診した患者に対する特別負担徴収の拡大についても、初診の場合は現在の5,000円から7,000円に、再診の場合は2,500円から3,000円にそれぞれ引き上げる方針となった。実施は10月1日から。対象となる医療機関は、これまでと同様に大学病院などの特定機能病院に加えて、地域医療支援病院のうち200床以上の病院も徴収の対象となる。わが国は国際的に見ても外来受診回数が多いとされるが、高度医療を担う外来にかかりつけ医を持たない患者が受診するのを抑制するとともに、来年度から開始される外来機能報告制度を用いて基幹病院を明確化し、機能分化を促進するのが狙いと考えられる。(参考)リフィルは1回29日以内で処方箋料の減算なし(日経ドラッグインフォメーション)大病院、紹介状なしなら初診7000円 診療報酬改定(日経新聞)外来機能報告制度 高度な外来を担う基幹病院を明確化し機能分化を促進(Beyond Health)3.4月からのオンライン診療は初診料251点、再診料・外来診療料73点9日、中央社会保険医療協議会(中医協)総会で2022年度診療報酬改定の答申が行われ、焦点の1つだったオンライン診療の初診料は251点と、特例的対応の214点から対面診療の水準との中間程度まで引き上げられた。同様に、電話など情報通信機器を用いた再診料・外来診療料はいずれも73点とされた。これに伴い、現行のオンライン診療料(月1回71点)は廃止となる。通常診療の初再診料は据え置きとなった。これに対して、日本医師会の中川会長は「対面診療を提供できる体制を有すること」「患者の状況によってオンライン診療では対応が困難な場合には、他医療機関と連携して対応できる体制を有すること」が堅持されたことに言及。オンライン診療が対面診療と適切に組み合わせた上で実施されるよう注視していくとするとともに、患者の安心・安全が損なわれたり、地域医療の秩序を混乱させるような事象が生じた場合には、期中であっても、すみやかに診療報酬要件の見直しを要請する考えを示した。(参考)オンライン初診料、4月から値上げへ 厚労省「診療報酬」見直し案(朝日新聞)オンライン診療に係る診療報酬について(日本医師会)中医協・22年度診療報酬改定を答申 オンライン診療で患者の受診機会増に期待 営利追及への懸念も(ミクスonline)4.視覚障害者の就労保護のため指圧師養成施設の設置制限は合憲/最高裁視覚障害者の就労先を保護するために、健常者向けの「あん摩マッサージ指圧師」の養成施設の新設を認めないとする厚労省の規制について、違憲性を争った訴訟の上告審の判決で、最高裁第2小法廷は7日に、視覚障害者の「自立と社会経済活動への参加を促す積極的な意義がある」として合憲であるとした。視覚障害者の団体は判決後、記者会見において「あん摩マッサージ指圧師の職は自立した社会参加の命綱。それを残すような判断が示されたことに大きな意味がある」と話した。厚労省の統計では、2020年末のあん摩マッサージ指圧師は約11万8,000人、うち視覚障害者は約2万6,000人となっている。(参考)指圧師養成、新設規制は「合憲」 最高裁初判断(日経新聞)指圧師 養成施設の設置規制 最高裁「憲法違反とはいえない」(NHK)5.コロナワクチン接種、小児への義務は課さず、妊婦は努力義務へ厚労省は10日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を開催し、5~11歳の小児に対する新型コロナワクチン接種について議論を行い、ファイザー製ワクチンは一定の有効性が期待できるとしながらも、最終的に「努力義務」を課さない方針を正式に決めた。小児に対するファイザー製ワクチンの接種について、米国、カナダ、フランス、イスラエル、EUではすべての小児に対して接種を推奨している。わが国では予防接種法上の「臨時接種」に位置付けられ、小児用ワクチンは21日から各自治体に配布される。一方で、以前から努力義務の適応外とされていた妊婦への接種については、有効性や安全性のデータが確認され、妊娠後期に感染すると早産率が高くなったり、重症化リスクが高いとする報告もあることから、新たに努力義務の適用となった。(参考)新型コロナワクチンの接種について(厚労省)小児は努力義務適用外 コロナワクチン、妊婦は対象に―厚労省(時事通信)5~11歳の接種「努力義務の対象外」了承 厚労省分科会(毎日新聞)

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新型コロナ既感染者におけるワクチンの効果

 新型コロナ既感染者におけるワクチンの効果について、米国・Cleveland ClinicのNabin K. Shrestha氏らが検討した結果、オミクロン株出現後の期間で、ワクチン接種により発症リスクが64%低下したことが示された。Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2022年1月13日号に掲載。 本研究の対象は、新型コロナワクチン接種が開始された2020年12月16日にオハイオのCleveland Clinicで働いていた従業員で、接種開始前に一度でも拡散増幅検査で新型コロナウイルス陽性となったことがあれば既感染者とした。ほとんどの従業員はファイザー製もしくはモデルナ製のmRNAワクチンを接種しており、どちらも初回接種から28日後に2回目を接種し、2回目接種14日以降をワクチン接種者とみなした。新型コロナウイルス陽性、発症、入院の累積発生率を2021年12月まで調査した。 主な結果は以下のとおり。・5万2,238人の従業員中、既感染者は4,718人(9%)で、研究終了までに3万6,922人(71%)がワクチン接種を受けていた。・新型コロナウイルス陽性の累積発生率は、ワクチン未接種の未感染者が他のすべての群に比べて終始大幅に高く、ワクチン接種者が未接種者より低く、既感染者が未感染者より低かった。・オミクロン株出現後、すべての群で新型コロナウイルス陽性率が大幅に増加した。・多変量Cox比例ハザード回帰では、既感染とワクチン接種の両方が独立して、新型コロナウイルス陽性リスクが低いことと有意に関連していた。・既感染者がワクチン接種を受けた場合、オミクロン株出現前(ハザード比[HR]:0.60、95%信頼区間[CI]:0.40~0.90)とオミクロン株出現後(HR:0.36、95%CI:0.23~0.57)のどちらも、新型コロナ発症リスクは有意に低下した。新型コロナウイルス陽性リスクの低下はみられなかった。

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第95回 国会議員も特例承認薬より未承認の国産薬に期待大!?その理由とは…

オミクロン株による新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)は留まるところを知らない。2月5日には国内での検査陽性者数は初めて10万人を超えた。もっとも暗いニュースばかりではない。本連載でも取り上げたモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)が昨年末に承認されたのに続き、この記事の公開日である2月11日にはファイザー製の3CLプロテアーゼ阻害薬のニルマトレルビル・リトナビル(商品名:パクスロビド)も特例承認されている見込みだ。3CLプロテアーゼ阻害薬に関しては、国内でも塩野義製薬が1日1回5日間投与の経口薬S-217622を開発中。2月7日には第II/III相臨床試験のPhase IIa partの結果が公表された。主要評価項目ではS-217622投与群はプラセボ群と比較し、投与開始4日目までにウイルス力価とウイルスRNA量を有意に減少させ、4日目のウイルス力価の陽性患者割合はプラセボ群と比較して約60~80%減少させたという。また、服用期間中の安全性については、臨床検査値の異常などは認められたものの、いずれも軽微なものだったと報告されている。今後、新型コロナの治療選択肢が増えるならば非常に喜ばしいニュースだが、この3日前、Twitter上でこの件に関するツイート(つぶやき)が炎上していたのをご存じの方も多いと思う。そのツイートは以下のようなものだ。塩野義製薬が開発中のワクチンと治療薬の治験報告に来ました。日本人対象の治験で副作用は既存薬より極めて少なく効能は他を圧しています。アメリカ政府からも問合せがある様です。ワクチンは5月めど治療薬は2月中にも供給は出来ます。外国承認をアリバイに石橋を叩いても渡らない厚労省を督促中です。ツイートの主は労働相、経産相の経験もある自民党前幹事長の甘利 明衆議院議員。甘利氏と言えば、2016年に道路建設をめぐり都市再生機構(UR都市機構)に対する口利きを依頼された千葉県の建設会社から現金などを受け取っていた疑惑で、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)を辞任に追い込まれている。そうした「前科」とツイートの最後の一文の政治家による「圧力」とも受け取られかねない文言が相まって物議をかもした。いろいろな見方はあると思うが、さすがに看過できないと思い、私自身も引用リツイートという形でかなり批判的に反応した。ちなみに引用リツイートでどのようなことを書いたかというと、以下のようなものだ。「元経産相が上場企業のこの種の情報が株価に影響することをお考えにならないのですか?薬の効能は臨床試験結果の論文化か審査当局の承認がない限り、政治家が軽々しく口にすべきではありません。安倍元首相がアビガンでフライングな言及をした後に臨床試験結果が無残なものだったことに学んでください」厳密に言えば甘利氏のツイート内容はインサイダー情報にはならない。少なくとも塩野義製薬の3CLプロテアーゼ阻害薬に関する成績は、具体的なデータは示されなかったものの1月31日付の同社第3四半期決算の時に概要が公表されており、7日の発表では1月31日発表のベースになったデータが示されている。いわばこの間に甘利氏ら国会議員のところに塩野義製薬がこの内容を説明に行った際のことがツイートされたのだと考えられる。つまりほぼ公知の情報である。それでもなお、私が上記のように引用リツイートしたのはいくつか理由がある。まず、ツイートの140字で上記のようなざっくりとした情報を発信すると、ツイートを見た人の中には「政治家だから何か公になっていないこの薬のポジティブな情報を得られたのかもしれない」と妙な期待感を持つ人が出てくる可能性がある。また、ツイートの中にある「アメリカ政府からも問合せがある様です」は公知の情報では確認されていない。結局のところ、このツイートはインサイダー情報ではなくとも目にしたものの期待などを結果として煽り、株価の不適正な上昇を引き起こしかねない危ういものだ。実際、この直後に塩野義製薬の株価は3%弱上昇している。さらに、甘利氏がツイートで言及している「(塩野義製薬の候補化合物が)他を圧している」ことを示すデータは今のところ存在しない。この辺はたぶん説明に行った塩野義製薬側がややオーバーな説明をしたか、甘利氏が勝手に思い込んだのかのどちらかだろう。だが、いずれだとしても軽率だ。私が引用リツイートで言及したように、ドラッグ・リポジショニングで新型コロナへの適応拡大を試みた新型インフルエンザ治療薬のファビピラビル(商品名:アビガン)はご存じの通り、後の臨床試験で十分な効果を示せず承認は保留状態。現在新たな臨床試験を進めている。ところが、まだファビピラビルについてin vitroや少数例の観察研究ぐらいしか明らかにされていなかった2020年5月、当時の安倍 晋三首相が「今月中の承認を目指したい」と発言。この結果、後に新型コロナへのファビピラビルの有効性が怪しくなった段階でも、新型コロナ患者が主治医に「アビガンを処方してほしい」と哀願し、現場は困惑するという出来事が少なからず存在したと言われている。いずれにせよ、政治家はその一挙手一投足が周囲の注目を集める。法令に抵触するか否かにかかわらず、物言いは慎重にしなければならないのは言うまでもないことなのだ。そして今回の甘利氏のツイートで改めて認識したのが「治療薬の国粋主義思想」がいかに巷にはびこっているかである。前回取り上げた駆虫薬のイベルメクチンもなぜこんなに「盛り上がる」のかといえば、発見者が日本人でなおかつこの件でノーベル賞を受賞しているからである。また、昨秋の衆議院選挙での各政党の政策集では、右も左も「国産治療薬の実現」を唱えていたことは記憶に新しい。だが、今一度考えるべきことがある。医薬品が低分子化合物の枠を超え、生物学的製剤、核酸医薬、再生医療製品など先端技術を駆使した多様な形態に及んでいる今、日本国内に有する技術のみで新規の治療薬やワクチンの開発が可能だろうか? 答えは否だ。たとえば、今使用されている新型コロナのmRNAワクチンで考えてみよう。俗にファイザーのワクチンと言われる「コミナティ筋注」は独・ビオンテック社がオリジンである。ビオンテック社の創業者はトルコ人であり、今回のワクチン開発に重大な貢献をしたとされる同社上級副社長のカタリン・カリコ氏はハンガリー人である。要は世界を揺るがす医薬品開発では、とっくの昔に国境という概念が消えているのだ。そんな最中、国内の製薬企業の治療薬が臨床試験でやや良い成績を出したくらいで浮かれる勢力が、それなりに目立ってしまう日本の精神的な立ち遅れは相当なものと言わざるを得ない。そもそもこの「治療薬の国粋主義思想」の中身は「日本は優秀な国だから」の裏返しでもある。もちろん極めてざっくりした言い方をすれば、日本の科学技術は世界的には上位のほうに位置するだろう。しかし、万能とは言えず、歴史的な背景や種々の環境の結果としての得意不得意もある。不得意分野を自国で強化するのは結構なことではあるが、それではスピード的遅れを取ってしまうことも少なくない。不得意なものは少なくとも当座は得意な相手から助力を得ればいいこと。ただ、その助力を得るためには自分たちも得意なものを提供し、互いを理解するコミュニケーションに心を砕かねばならないということである。正直、このコロナ禍を通じた治療薬、ワクチンの「一に国産、二に国産」という考え方は、山奥に引きこもって天に向かって空威張りする意味不明なカルトのようにしか見えない、というのは言い過ぎだろうか?

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高度免疫グロブリン、COVID-19入院患者への有効性を認めず/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した健康成人の血漿から精製され、一定量かつ高濃度の抗体を含有するSARS-CoV-2高度免疫グロブリン静注製剤(hIVIG)について、レムデシビルを含む標準治療との併用は、末期臓器不全のないCOVID-19入院患者に対する有効性は認められないことが示された。米国・国立衛生研究所(NIH)の出資により実施された国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「Inpatient Treatment with Anti-Coronavirus Immunoglobulin:ITAC試験」の結果を、オーストラリア国立大学のMark N. Polizzotto氏らが報告した。hIVIGによる受動免疫療法は、COVID-19のような感染症の発生に対し、迅速に利用できる特異的治療となる可能性があったが、hIVIGの無作為化臨床試験の実施はこれまで限られていた。Lancet誌2022年2月5日号掲載の報告。標準治療±レムデシビルへのhIVIG併用の有効性と安全性をプラセボ併用と比較 研究グループは、発症後12日以内で、急性終末臓器不全のないCOVID-19入院患者を、レムデシビル(禁忌ではない場合)あるいは他の標準治療に加えて、hIVIGを投与する群か、同量の生理食塩水を投与するプラセボ群のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。追跡期間は28日間である。 有効性の主要評価項目は、7日目における患者の臨床状態で、呼吸状態および肺外合併症を考慮した7段階(症状なしまたはわずか~死亡まで)の順序尺度を評価項目とした。また、安全性の主要評価項目は、7日目までの死亡、重篤な有害事象(臓器不全、重篤な感染症を含む)、およびGrade3/4の有害事象の複合とし、28日目はGrade3/4の有害事象を除く7日目の評価項目について評価した。有効性および安全性の主要評価項目は、症状持続期間、抗スパイク中和抗体の有無、その他のベースライン因子によるサブグループ解析を行うことが事前に規定された。 解析は、適格基準を満たし無作為割り付けされた治験薬のすべてまたは一部を投与された患者を対象とする修正intention-to-treat(mITT)法にて行った。7日時点でhIVIG併用の臨床的な有効性は確認されず 2020年10月8日~2021年2月10日の期間に、11ヵ国63施設で計593例(hIVIG群301例、プラセボ群292例)が登録され、579例がmITT解析に組み込まれた。 hIVIG群はプラセボ群と比較して有効性の主要評価項目を達成しなかった(補正後オッズ比[OR]:1.06、95%信頼区間[CI]:0.77~1.45、p=0.72)。 Infusion reactionの発現率はhIVIG群のほうが高かったが(hIVIG群18.6% vs.プラセボ群9.5%、p=0.002)、忍容性は良好であった。安全性の主要評価項目である7日目の安全性複合評価項目イベントの発現は、hIVIG群(24%)とプラセボ群(25%)で類似していた(OR:0.98、95%CI:0.66~1.46、p=0.91)。 サブグループ解析の結果、有効性の主要評価項目(7日目における患者の臨床状態)については検討したサブグループでORに変化はみられなかったが、安全性の主要評価項目については治療効果の不均一性が認められ、抗体陽性患者ではプラセボ群と比較してhIVIG群でリスクが大きく(OR:2.21、95%CI:1.14~4.29)、抗体陰性患者では逆にhIVIG群でリスクが小さかった(OR:0.51、95%CI:0.29~0.90、相互作用のp=0.001)。

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爆笑マンガ付き感染対策本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第51回

【第51回】爆笑マンガ付き感染対策本感染対策の医学書って難しいです。医療従事者向けの書籍だと、どうしてもウイルスの学問的な話になってしまうので、気楽に読める本というのがなかなかないのです。『ねころんで読めるウィズコロナ時代の感染対策』矢野 邦夫/著. メディカ出版. 2022年2月発売メディカ出版からのこの本、気楽に読めること読めること。何なら、ねころんだ状態で、漫画でゲラゲラ笑うこともできます。まぁ、もともとそういうコンセプトの本なのですが。この「ねころんで読める」シリーズ、漫画が本当に面白くて、私はファンなので、おそらく全種類持っていると思います。私も実は、呼吸器シリーズを書いています!空気感染とエアロゾル感染の説明のくだりで、「人間は空を飛ぶことはできるのか?」という質問にどう答えるかという比喩が紹介されており、溜飲が下がります。オリンピックなどで、走り高跳びをすれば2.4m以上飛ぶかもしれませんが、棒高跳びにいたっては6mも飛べます。要は、物は言いようということですが、「新型コロナウイルスが空気感染する!」という話題が報道されたとき、ビビっていた医療従事者も多かったのではないでしょうか。うちのコロナ病棟でもザワついていました。新型コロナに関しては、とにかくデマゴーグがたくさん爆誕しました。堂々とデマをSNSで流しているインフルエンサーの下に、今でもプチデマゴーグがねずみ算式に生まれている状況です。私の勤務先にも、1年前よりも現在のほうが怪文書が届きやすくなりました。「ワクチンを接種するな、PCR検査をやめろ、間違った情報発信をやめろ」という内容が多いです。怪文書だけならともかく、一番許しがたいのは、グツグツ煮込んだ誤情報を書籍として刊行してしまう出版業界のモラルハザードです。ファクトチェックがまったく機能していないんですよね。アフターコロナについては、私も矢野先生と同じように考えています。ウィズコロナがいつの間にかアフターコロナになるのでしょう。もうコロナ禍に入って2年以上経つので、早く平和な時代が訪れてほしい。『ねころんで読めるウィズコロナ時代の感染対策』矢野 邦夫 /著.出版社名メディカ出版定価本体2,000円+税サイズA5判刊行年2022年

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第95回 救急も機能分化を、軽~中等症患者の受け皿になり得る「慢性期多機能病院」とは

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規感染者数が1日10万人を超えているのに伴い、重症者数や救急搬送件数も増え、医療現場の負荷は段々限界に近付いている。ましてこの時期は、感染症だけでなく脳卒中や心筋梗塞などによる救急搬送も増える時期。コロナ対応シフトのしわ寄せは通常医療にも及んでいる。このような状況下、日本慢性期医療協会(日慢協)の武久 洋三会長は1月13日の定例記者会見で、重症患者は高度急性期病院で、軽~中等症患者は地域多機能病院でと、症状に応じて受け入れる医療機関を分けることを提案した。慢性期多機能病院の基となる「慢性期救急」の概念は、医療法人社団永生会の安藤 高夫理事長(前自民党衆議院議員、日慢協副会長)が2005年に提唱したもの。在宅や施設で慢性期療養中の患者が、誤嚥性肺炎や尿路感染症、低栄養、脱水、褥瘡、その他の感染症などで急性増悪した場合、慢性期治療病棟で入院治療を行うというもの。ただし、心筋梗塞や脳卒中発作、骨折、急性腹症、悪性新生物などは急性期救急で受け入れるとした。救急搬送された高齢者の9割は軽症・中等症消防庁が2021年に公表した「令和3年版 救急・救助の現状」によると、事故種別の搬送人員のトップは「急病」(65.2%)で、2位の「一般負傷」(16.4%)を大きく引き離している。「急病」の中身を傷病程度別・年齢区分別に見てみると、「高齢者(65歳以上)」では87.2%が軽症(外来診療)・中等症(入院診療)だった。年齢区分別の搬送人員の推移を見ても、平成12年の37.3%から令和2年の62.3%へと高齢者の割合は増加している。成年以下がこの20年間で20%減少する一方、高齢者は25%も増加している。この傾向に関して、武久会長は「高齢者の軽度救急患者が増えたのは、運転免許返納制度が大きく影響している」と話す。内閣府の令和3年版高齢社会白書によると、65歳以上の単独世帯もしくは夫婦のみの世帯は61.1%で、その割合は40年間で倍増。運転免許の返納により、軽症でも救急車を呼ぶようになったと考えられるわけだ。高齢者の軽症患者が救命救急センターに押し寄せたら、重症患者の受け入れに影響を及ぼすことになるのは必至だ。診療報酬は医療機関の救急受け入れの現状を反映せず救急に関する加算に、救急医療管理加算がある。救急搬送された重篤な患者を受け入れ、早期検査や治療の必要性を踏まえた入院基本料加算で、加算1(950点)と加算2(350点)がある。同加算は一般病床しか算定できないが、実際には救急指定を受けている療養病床を中心とした地域多機能病院(急性期多機能病院、慢性期多機能病院)でも地域の救急患者を受け入れている。しかし、療養病床では同加算は算定できない。算定対象患者以外の患者でも、数多くの急変症状の患者が24時間365日間、救急指定病院を受診している。同加算は「入院時に重篤な状態の患者に対してのみ算定できるもの」とされているが、算定対象患者の状態や判断基準にばらつきがあるといったことが問題視されてきた。そこで、2020年度診療報酬改定の際、レセプト摘要欄に該当する状態や、それぞれの入院時の状態に関する指標として、意識レベル(JCS)や血圧など、該当する状態を算定根拠として記載することなどが要件化された。2021年11月に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)の資料から同加算の内訳を見てみると、加算1の場合、10の該当項目のうち、「呼吸不全又は心不全で重篤な状態」と「緊急手術、緊急カテーテル治療・検査又はt-PA療法を必要とする状態」の2項目で全体の約半数を占めていた。加算2の場合、「その他の重篤な状態」が最も多く、60%以上を占めていた。救急患者別の受け入れを提案する武久日慢協会長このような結果から、武久会長は「軽~中等度の緊急処置が必要な高齢患者や、高度な技術を要する手術の必要がない軽症患者は、地域の中で、地域多機能病院で解決できる問題だ」と指摘。救急の二極分化に対処するため、本来の重症緊急救急患者は高度急性期病院に、軽~中等度の緊急処置が必要な高齢患者や、手術が不要な患者は地域多機能病院で受け入れるという方法を提案した。救急医療提供体制別に年間救急搬送件数を見ると、高度救命救急センターや救命救急センターは5,000件以上が最も多かったが、2次救急医療機関は分布がばらついていた(2019年開催の中医協資料より)。救急部門はあるが、いずれにも該当しない医療機関は500件未満が最も多かった。2020年度診療報酬改定で新設された加算に、地域医療体制確保加算がある。地域で救急患者を受け入れている2次救急病院などで医師の長時間労働が懸念されていることを受け、適切な労務管理の実施を前提に、「年間2,000件以上の救急搬送患者の受け入れ」など一定の実績を有する医療機関を評価する加算だ。医療機関のインセンティブになる制度改正をこれに対し武久会長は、「要件を緩和して1,000件以上にすべきではないか」と提案する。似たような救急搬送看護体制加算1の施設基準が年間1,000件以上であること、地域の急性期病院は1日3件程度であることが背景にある。このようにして、病床規模が200床未満の中小病院を中心とした「地域救急」患者の受け入れ病院に対する手厚い評価をすれば、軽~中等症患者を積極的に受け入れるインセンティブになる。オミクロン株の感染拡大に伴い、COVID-19患者が急増しているなか、軽~中等症患者までもが3次救命救急センターに押し寄せたら、本当に緊急処置が必要な患者に対応できない事態が起こり得る。救急の機能分化はそれを防ぐ手立てとなるだろう。

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オミクロン株、ブースター接種後の感染例を分析/Lancet

 世界的な流行を見せている新型コロナウイルスの変異株・オミクロン株は、mRNAワクチンの3回目接種(ブースター接種)後の感染例も報告されている。感染例の患者背景や臨床像の詳細が、Lancet誌オンライン版2022年1月18日号のCORRESPONDENCEで報告されている。 2021年11月下旬~12月上旬に、SARS-CoV-2ワクチン(少なくとも2回のmRNAワクチンを含む)を3回接種したドイツ人のグループが、南アフリカのケープタウンでオミクロン株によるブレークスルー感染を経験した。このグループは、5人の白人女性と2人の白人男性で構成され、平均年齢は27.7歳(範囲:25~39)、平均肥満度は22.2kg/m2(範囲:17.9~29.4)、関連病歴はなかった。 このうち4人はケープタウンの異なる病院で臨床研修を受けており、その他は休暇中だった。また、これらの人々は2つの無関係なグループに所属し、ケープタウンでCOVID-19に関するルールに則った通常の社会生活を送っていた。2021年11月上旬にケープタウンに到着した際、各人のPCR検査は陰性で、同種(n=5)または異種(n=2)ワクチンによる、ブースターまたは3回目接種の完了記録を提出していた。 6人がBNT162b2(ファイザー製)の2回(完全)接種を受け、うち5人が2021年10月または11月初旬にファイザー製の3回目(ブースター)接種を受けていた。残り1人は2021年10月初旬にモデルナ製の全量接種を受けていたが、これは当時の欧州医薬品庁の半量接種の推奨に則ったものではなかった。 7人目はChAdOx1-S(アストラゼネカ製)の初回接種後、1次免疫完了のためにBNT162b2を接種し、同ワクチンのブースター接種を受けた。モデルナ製のブースター接種例を除き、全接種が勧告に従ったものだった。一部の1次およびブースター接種時期が早かったのは医療関係者であったためで、SARS-CoV-2感染歴を報告した人はいなかった。 西ケープ州でSARS-CoV-2感染が著しく増加していた時期に、7人は2021年11月30日~12月2日に呼吸器症状を発症し、認定の診断機関がSARS-CoV-2感染症の陽性判定を行った。 症状が出てから2~4日後に綿棒と血清を採取した。すべての患者は国内で隔離され、21日間の観察期間中、毎日症状日記を用いて病気の経過を記録した。 病状は、米国国立衛生研究所のCOVID-19治療ガイドラインに従って、軽症(n=4)または中等症(n=3:息切れあり)に分類された。観察期間終了時(21日目)には2名が無症状となった。血中酸素飽和度(SpO2)は例外なく正常範囲(94%以上)を維持し、入院を必要とした患者はいなかった。 7人全員がオミクロン株の感染であった。綿棒溶出液のウイルス量は、4.07~8.22(平均値:6.38)log10コピー/mlであった。抗スパイク抗体のレベルは1万5,000~4万AU/ml以上の範囲であり、血清における平均値は約2万2,000AU/mlであった。 2回目のワクチン接種から21~37週間後にブースターワクチンが接種され、その22~59日後にブレークスルー感染が発生した。これは、2回目のワクチン接種から4週間後に報告されているレベルと同様であり、ブースターワクチンの接種後に期待されるレベルでもあった。 今回の調査結果は比較的若く、その他疾患のない人(n=7)の少数症例に限られているが、オミクロン株が生体内でmRNAワクチンによって誘導される免疫を回避できる、という証拠をさらに追加するものとなった。 ブースター接種は、オミクロン株による症候性感染を十分に防ぐことはできなかったが、病気の経過が軽度~中等度であったことから、重症化を防ぐことができると考えられる。しかし、長期的な後遺症の可能性は除外できない。 これらの結果は、オミクロン株の症候性感染をより確実に予防するためには、最新のワクチンが必要であること、医薬品以外の対策も継続すべきであることを示している。

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第6波での発症から悪化までの日数は/厚労省アドバイザリーボード

 第5波と比較して第6波では、発症から中等症II以上(中等症II、重症、死亡)への移行までの日数(最頻値)が4日短縮され、移行率は低いものの、移行例ではより短期間に悪化が進む可能性が示唆された。2月2日に開催された第70回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで、広島県健康福祉局の木下 栄作氏が「広島県新型コロナウイルス感染症J-SPEEDデータからの知見~第6波データ分析(速報)」を報告した。 分析に使われたデータは広島県内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者データで、第5波は2021年7月1日~10月31日公表患者について、第6波は2021年12月22日~2022年1月29日公表患者(デルタ株感染患者を含む)のデータを用いて分析している。広島県では1月上旬から急速な感染拡大がみられ、12月30日~1月4日での県内のスクリーニング検査では、オミクロン株の疑いのある割合が約8割と報告されている。第5波と比べ中等症II以上は顕著に減少、移行までの日数は短縮傾向 年代別に中等症II以上の割合をみると、第5波と比較して第6波ではすべての年代で顕著に減少。第5波で中等症II以上の割合が最も多かった60代以上(22.7%、234/1,031人)について第6波ではその割合が6.1%(225/3,678人)に、40~50代では第5波12.3%(361/2,936人)に対し第6波0.3%(20/5,904人)となっている。 発症(無症状や発症日不明の場合は陽性判明)から中等症II以上への移行までの日数を比較すると、第5波では最頻値が7日だったのに対し、第6波では3日と4日短縮している。中等症II以上に悪化した患者の8割は10日以内に悪化しており、50代以下ではより短く、8割が7日以内に悪化していた。 中等症II以上には高齢・性別・ワクチン接種(2回以上)が有意に関連 多変量解析により中等症II以上と関連するリスク因子をみた結果、第6波の解析対象データ(319例)では65歳以上(オッズ比[OR]:9.4、95%信頼区間[CI]:3.7~23.5、p<0.01)、男性(OR:2.2、95%CI:1.0~4.9、p=0.04)が有意に関連していた。また、ワクチン接種(2回以上)が中等症II以上に対する予防効果と有意に関連(OR:0.3、95%CI:0.1~0.7、p<0.01)していた。 65歳以上、男性、BMI25以上、高血圧・心疾患、糖尿病、認知症・精神疾患という6つのリスク因子についてその保有数と中等症II以上となるリスクの関連についてみると、リスク因子の数が多いほど中等症IIの割合が高く、全体の移行率は第6波で低いものの、その傾向は第5波と第6波で変わらなかった。第6波での60歳以上の重症化率は1.45%、致死率は0.96%(暫定値) そのほか、広島県のデータを使用し、2022年1月1日~1月14日の期間における新型コロナウイルス感染者7,542人を対象に、年齢階級別、ワクチン接種歴別に重症化率および致死率を暫定版として算出した結果も報告された。なお、人工呼吸器の使用、ECMOの使用、ICU等で治療のいずれかの条件に当てはまる患者を重症者と定義し、重症者には、経過中重症に至ったが、死亡とならなかった患者、重症化して死亡した患者、重症化せず死亡した患者が含まれる。また、ワクチン接種歴ありはワクチンを1回以上接種した者、ワクチン接種歴なしは未接種および接種歴不明の者が含まれる(1月26日時点でのステータスに基づき算出しており、重症者数や死亡者数は増加する可能性がある)。 全体として、60歳未満の重症化率は0.04%/致死率は0.00%、60歳以上の重症化率は1.45%/致死率は0.96%と算定された。ワクチン接種状況別にみると、ワクチン接種歴あり(1回以上)では、60歳未満の重症化率は0.02%/致死率は0.00%、60歳以上の重症化率は0.96%/致死率は0.55%。ワクチン接種歴なしでは、60歳未満の重症化率は0.09%/致死率は0.00%、60歳以上の重症化率は5.05%/致死率は4.04%だった。

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塩野義の経口コロナ治療薬、第IIa相試験で良好な結果確認

 2022年2月7日、塩野義製薬は開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬S-217622の第II/III相試験 Phase 2a partの結果速報に関する説明会を開催し、抗ウイルス効果に関してプラセボ群と比較して良好な結果が確認されたことを報告した。 第II/III相試験Phase 2a partでは、12歳以上70歳未満の軽症/中等症および無症候/軽度症状のみのSARS-CoV-2感染者を対象にS-217622の1日1回、5日間の経口投与による有効性および安全性が評価された。intention-to-treat(ITT)集団はS-217622低用量群16例、高用量群14例、プラセボ群17例の計47例であり、各群におけるワクチン接種者は14例(87.5%)、12例(85.7%)、12例(70.6%)であった。 主要評価項目である各時点におけるSARS-CoV-2のウイルス力価のベースラインからの変化量、ならびにウイルスRNA量のベースラインからの変化量について、S-217622低用量群・高用量群ともプラセボ群に対する速やかな減少が確認された。ウイルス力価についてはDay4(3回投与後)にはウイルス力価陽性(≧0.8 Log10[TCID50/mL])患者の割合をプラセボ群に比較して約60~80%減少させたほか、ウイルス力価陰性(<0.8 Log10[TCID50/mL])が最初に確認されるまでの時間(中央値)をプラセボ群の111.1時間(95%信頼区間[CI]:23.2~158.5)に対してS-217622低用量群61.3時間(95%CI:38.0~68.4)、高用量群62.7時間(95%CI:39.2~72.3)と約2日短縮した。 重症化抑制効果については、治験開始後に病態が悪化し、担当医師により入院、あるいは入院に準ずる治療が必要と判断された症例(Ordinal Scale 3以上への増悪)はプラセボ群2/14例(14.3%)に対し、S-217622投与群では認められなかった。 また、安全性についてはS-217622投与群において高比重リポ蛋白(HDL)減少例の発現が多い傾向が認められたが、ほぼ全ての有害事象は軽度なものであった。 今後、軽症/中等症については2月9日よりPhase 3 partに移行予定、無症候/軽度症状のみについてはPhase 2b/3 partを継続する。S-217622については今回得られた試験結果をもとに、引き続き国内における最速の承認を目指すという。

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コロナ感染の抑制、政府・対人信頼度と関連/Lancet

 パンデミックの発生以来、各国の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)死亡率は大きく変動している。それらの変動の要因を検証したところ、パンデミックへの事前対策指標の高低とは関連が認められなかった一方で、政府への信頼度や対人信頼度が高いこと、また政府内の汚職が少ないことが、同感染率の低下と関連していたことを、米国・ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のJoseph L. Dieleman氏らCOVID-19 National Preparedness Collaboratorsが、177の国と地域のデータを基に検証し明らかにした。本検討は、将来のパンデミックへのより効果的な準備と対応のために不可欠な取り組みを明らかにする目的で行われたものだが、著者は、「今回の結果は、主要な修正可能なリスクに関する健康増進は、個々人が公衆衛生ガイダンスに抱く信頼を高めるようなリスクコミュニーケションやコミュニティ戦略へ、より大きな投資をすることで、死亡抑制に結びつくことを示唆するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年2月1日号掲載の報告。12のパンデミック事前準備指標、7つの医療体制能力指標などとの関連を検証 研究グループは177の国と地域および181の行政区画について、IHMEモデリング・データベースを基に、SARS-CoV-2感染率とCOVID-19死亡率を抽出し、累積感染率や感染致死率(IFR)を予測し、環境要因、人口統計学的要因、生物学的要因、経済学的要因について標準化し検証した。 感染率については、季節環境(肺炎のリスク比で測定)、人口密度、1人当たり国内総生産(GDP)、標高100m未満の居住人口割合、その他のβコロナウイルス曝露の代理変数を因子として盛り込んだ。 IFRについては、人口年齢分布、平均BMI値、大気汚染曝露、喫煙率、他のβコロナウイルス曝露の代理変数、人口密度、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・がんの年齢標準化罹患率、1人当たりGDPを因子とした。 これらを、間接年齢標準化および多変量線形モデルを用いて標準化。標準化全国累積感染率とIFRについて線形回帰を用いて、12のパンデミック事前対策指標、7つの医療提供体制能力指標、その他10項目の人口統計学的・社会的・政治的状況との関連を検証した。 さらに、SARS-CoV-2感染率に影響を与える可能性のある重要な要因の経路を調べるため、対人信頼度、政府への信頼度や汚職の状況、人々の移動パターンの変化やCOVID-19ワクチン接種率との関連性についても検証した。デンマークレベルの対人信頼度に改善されれば世界の感染率は40.3%減少 2020年1月1日~2021年9月30日の、SARS-CoV-2累積感染率の変動の主な要因は、標高100m未満の居住人口割合(変動の5.4%[95%不確定区間[UI]:4.0~7.9])、1人当たりGDP(4.2%[1.8~6.6])、季節変化に起因する感染の割合(2.1%[1.7~2.7])だった。国別の累積感染率の変動については、その大部分が説明不能だった。 同期間のCOVID-19のIFRの変動に関する主な要因は、国の年齢構成(変動の46.7%[95%UI:18.4~67.6])、1人当たりGDP(3.1%[0.3~8.6])、国平均BMI(1.1%[0.2~2.6])だった。国別のIFR変動の44.4%(29.2~61.7)は、説明不能だった。 国の医療保障の目安となるパンデミック事前対策指標については、標準化感染率やIFRとの関連は認められなかった。 一方、政府への信頼度や対人信頼度、政府の汚職が少ないことと、低い標準化感染率について、強い統計的に有意な関連が認められた。これらの因子は、COVID-19ワクチンが広く普及する中~高所得国において、高いワクチン接種率とも関連していた。また、汚職が少ないことは移動の減少とも関連していた。  こうしたモデルの関連性に因果関係があると仮定した場合、すべての国の政府への信頼度または対人信頼度が、デンマークのレベル(全体の75パーセンタイルに相当)に達すれば、世界の感染率は、政府への信頼度の改善により12.9%(95%UI:5.7~17.8)、対人信頼度の改善では40.3%(24.3~51.4)、それぞれ減少できると予測された。同様に、すべての国のBMIが全体の25パーセンタイルに該当するよう抑制されれば、世界の標準化IFRは11.1%減少するとも予測された。

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