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<先週の動き>1.かかりつけ医機能もつ医療機関の公表を/全世代型社会保障構築会議2.入手困難な医療用解熱鎮痛薬に110番を設置/厚労省3.病院経営者に医療情報のガイドライン順守を求めるガイドラインを改定へ/厚労省4.75歳以上の4割が健康保険料を段階的に引き上げへ/厚労省5.薬価改定で半数近くを引き下げ、3,100億円削減へ/厚労省6.地域医療構想で急性期病床6,600床が減少、一定の成果を確認/厚労省1.かかりつけ医機能もつ医療機関の公表を/全世代型社会保障構築会議岸田文雄総理は総理大臣官邸で全世代型社会保障構築会議と全世代型社会保障構築本部を合同開催し、全世代型社会保障構築会議報告書について、意見交換を行った。公表された報告書には「かかりつけ医機能」が発揮される制度整備が明記され、今後の高齢者人口のさらなる増加と人口減少を見据え、かかりつけ医機能が発揮される制度整備は不可欠としている。また、「かかりつけ医機能」の定義は、現行の医療法施行規則に規定されている「身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能」をベースに検討すべきとしている。かかりつけ医機能は、医療機関、患者それぞれの手挙げ方式で、患者がかかりつけ医機能を持つ医療機関を選択できる方式とするため、医療機能情報提供制度を拡充するため、医療機関が自ら有するかかりつけ医機能を都道府県に報告する制度を創設することとなっている。今後、この報告書をもとに、医療法など改正案を次期通常国会で審議する見込み。(参考)第12回全世代型社会保障構築会議(内閣官房)全世代型社会保障構築会議 報告書(同)「かかりつけ医機能」全て提供可能なら確認・公表 全世代型会議が報告書決定(CB news)2.入手困難な医療用解熱鎮痛薬に110番を設置/厚労省12月16日、加藤厚生労働大臣は、医療機関や薬局向けに、医療用解熱鎮痛薬の購入をサポートする相談窓口を設置したと明らかにした。医療用解熱鎮痛薬について、各メーカーが限定出荷を行っているため入手が困難となっている状況に対応して、需要が急増している医療機関や小規模な薬局などに優先して供給を行うよう医薬品卸売業者に要請しているが、解熱鎮痛薬などが購入できない医療機関や薬局に対応するため、相談窓口を開設した。供給が困難な場合は、厚生労働省の相談窓口にメールを送信した場合、相談のあった医療機関や薬局のある地域の卸売業者に同省が働きかけるとしている。(参考)医療用解熱鎮痛薬等の供給相談窓口(医療用解熱鎮痛薬等110番)の設置について(厚労省)解熱鎮痛剤の入手支援 コロナ感染増で厚労省(産経新聞)解熱鎮痛薬、入手困難の薬局向けに相談窓口…厚労省が卸売業者に供給依頼(読売新聞)解熱鎮痛薬やせき止め 感染拡大で入手難しく 厚労省が供給支援(NHK)3.病院経営者に医療情報のガイドライン順守を求めるガイドラインを改定へ/厚労省厚生労働省は12月15日に健康・医療・介護情報利活用検討会の「医療等情報利活用ワーキンググループ」を開催し、近年急増しているサイバー攻撃による電子カルテの被害を防ぐため、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を改定して、病院経営層に対して、医療情報システムの安全管理に関する責任や、リスク評価など、安全管理に必要な項目などを指針の改定版に盛り込むことを明らかにした。新しいガイドラインはパブリックコメントを経て、2023年3月上旬に改定を行い、公表される見通し。(参考)セキュリティー対策、指針に経営層の順守事項明示へ 改定版の概要提示、厚労省(CB news)続発する病院へのサイバー攻撃 情報公開で教訓の「バトン」つなごう(朝日新聞)全医療機関に「セキュリティー責任者を」、大学病院団体が提言へ…大阪の病院サイバー攻撃(読売新聞)第13回健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループ資料[令和4年12月15日](厚労省)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版 概要(同)4.75歳以上の4割が健康保険料を段階的に引き上げへ/厚労省厚生労働省は、12月15日に社会保障審議会医療保険部会を開催し、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度において、一定の年収を超える人が支払う保険料の上限金額を引き上げることについて議論を行った。年間保険料の上限は、2024年度に73万円、2025年度に80万円と段階的に引き上げ、激変緩和措置を設けることになった。これにより、現役世代の負担を抑えるとともに、出産育児一時金の財源に充てることを目指す。(参考)第161回社会保障審議会医療保険部会(厚労省)75歳以上の4割で医療保険料を増額、出産一時金の財源に…審議会が了承(読売新聞)75歳以上医療保険料の上限額、段階的に引き上げ 24-25年度、厚労省(CB news)医療保険改革案まとまる!「段階的な保険料(税)引き上げ」により、後期高齢者の急激な負担増に配慮!-社保審・医療保険部会(1)(GemMed)5.薬価改定で半数近くを引き下げ、3,100億円削減へ/厚労省厚生労働省は、12月16日に中央社会保険医療協議会薬価専門部会を開き、来年の春に実施される薬価改定について討論を行い、最終的には48%の品目を薬価引き下げの対象とする一方、原価高騰のため不採算となっている医薬品6%については価格を引き上げるとした。従来は2年ごとに改定していた薬価の見直しは2021年度から毎年実施しており、製薬業界からは新薬によるイノベーションに対する評価を求める声があり、前回の中間年の2021年度の削減額4,300億円と比較すると1,200億円ほど低くなる見通し。(参考)中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(厚労省)薬価改定で医療費3100億円減 来年度、48%の品目引き下げ(日経新聞)23年度薬価改定 48%の品目で薬価引き下げも6%は引上げ 加藤厚労相「メリハリ利かせた見直し」(ミクスオンライン)全医薬品の48%薬価引き下げへ、来年度 全品目の6%は上げ、3閣僚合意(CB news)6.地域医療構想で急性期病床6,600床が減少、一定の成果を確認/厚労省厚生労働省は、12月14日に地域医療構想および医師確保計画に関するワーキンググループを開催し、2019年に再編統合の議論が必要としてきた公立病院と公的病院の全国436病院のうち、228病院の病床が25年7月までに2,900床減少する見通しであることを明らかにした。対象となった3万6,800床が、25年7月までには3万3,900床となる。削減されるのは急性期病床が6,600床、慢性期病床が1,200床。代わりに回復期病床は4,900床増え、高度急性期も100床増加が見込まれている。一方、民間病院については「合意済み」が全体の29%にとどまるなど、今後は、未着手の民間病院への対応にシフトしていくよう求める声が上がった。(参考)第10回地域医療構想及び医師確保計画に関するワーキンググループ(厚労省)再編検討228病院、急性期6,600床削減見込み 厚労省調べ、25年までの8年間で(CB news)424病院は「再編検討を」 厚労省、全国のリスト公表(日経新聞)