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第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定し、同学会のホームぺージで公開した。 本計画は、増加を続ける糖尿病患者の歯止めと診療の進歩への寄与などを盛り込んで、2004年より策定されているもの。第3次計画では、糖尿病予備群の数の減少、健康寿命の延伸、わが国独自の糖尿病の疫学・臨床データの蓄積、専門知識を持つさまざまな職種の人材の育成などが予測される成果として標榜され、検証されている。 第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」では、同学会作成委員会(委員長:綿田 裕孝)を中心に作成され、次の2項目を具体的な目標として掲げている。 1)糖尿病患者と非糖尿病患者の寿命の差をさらに短縮させる 2)糖尿病患者の生活の質(QOL)を改善させる これらについて「本計画を教育などさまざまな場面で活用いただきたい」と委員会では一読を呼び掛けている。1,000万通りの個別化医療構築にむけて 今回の計画では、糖尿病患者のQOLを維持・改善させ、非糖尿病者との寿命の差を短縮させるために、個々の患者の病態と置かれているさまざまな状況を考慮した「個別化医療の推進」が不可欠としている。そこで、併存疾患の病態とその進行度を総合的に把握する方法の開発、患者の置かれている状況にもとづく、血糖コントロール目標および動脈硬化性疾患の危険因子などのコントロール目標を個別設定し、食事、運動、薬物療法を含む最適な治療レシピの構築や効果的な新規治療法の確立を目指すとしている。 また、「J-DREAMS」など蓄積された診療データからより細かい患者ごとの血糖コントロール目標値の設定や将来的には治療シミュレーションを示すことで、複数の適切な治療が提示できるようなシステムをつくり、1,000 万通りの個別化医療の構築を目指すとしている。将来の糖尿病対策を担う人材の育成にむけて 計画の達成には、糖尿病専門医、看護師、栄養士、理学療法士を中心とした医療スタッフのみならず合併症予防のために他科診療科との連携が必要不可欠となる。また、先述の包括的データベースによるエビデンスの構築では基礎研究者、医療データの活用ができる人材育成が喫緊の課題としている。 そのために糖尿病専門医、研修指導医の育成はもとより、国際的にわが国発の糖尿病に関する論文数が減少していることに憂慮し、学会などでも若手研究者の奨励賞や研究助成金の充実、地方会などでの発表の奨励などを行うほか、ビッグデータの利活用のできる人材の育成のために日本医療情報学会や日本公衆衛生学会などとも連携し、人材育成を行うとしている。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)にも言及した今後の展開 国民への啓発と情報発信は、糖尿病の発症予防、合併症への進展防止に以前より行われてきた。現在でも糖尿病予備群の増加、高齢者の患者も多くなっていることから市民公開講座、各種リーフレット、ホームページなどを通じて引き続き情報発信を行うとともに、糖尿病への偏見や誤った知識の是正などにも取り組んでいくとしている。 最後に「新興・再興感染症の脅威と糖尿病」として、糖尿病は肥満症、心血管障害などと同様にCOVID-19の重症化リスク因子と想定されることを考慮し、国際協力をしつつエビデンスを確立する必要があるとしている。また、患者や患者家族が不確かな情報で不利益を被らないように、COVID-19に関しても正しい知識を広く周知していくとしている。具体的には、エビデンスの収集と整理、ワクチンなどの有効策ができた場合の普及と啓発、迅速な症例把握のための症例登録システムの樹立などを含め、COVID-19以外の新興感染症が流行した場合に迅速に対応ができ、糖尿病患者が安心して生活できる体制構築にむけて準備を進めると述べている。

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SARS-CoV-2変異株、重症度が変化/Lancet

 遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)8領域に382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異体の感染者は、症状が軽症であることが明らかにされた。シンガポール・国立感染症センターのBarnaby E. Young氏らによる観察コホート試験の結果で、著者は「観察されたORF8における欠損の臨床的影響は、治療やワクチン開発に影響を与えるものと思われる」と述べている。ORF8領域にΔ382を有するSARS-CoV-2遺伝子変異体は、シンガポールおよびその他の国でも検出されていた。Lancet誌オンライン版2020年8月18日号掲載の報告。Δ382変異体感染者と野生型感染者の低酸素症の発生を比較 研究グループは、シンガポールの公立病院7ヵ所で2020年1月22日~3月21日に、PCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された患者のうち、Δ382変異のスクリーニングを受けた患者を後ろ向きに特定し、それら患者を集めた前向きコホート試験「PROTECT試験」を行った。 被験者の臨床情報や臨床検査・放射線検査データを、電子カルテおよび入院中・退院後に採取された血液・呼吸器検体情報から収集して、Δ382変異体感染者と野生型SARS-CoV-2感染者を比較。精確ロジスティック回帰法を用いて群間の関連性と、酸素補充療法を要する低酸素症の発生(主要エンドポイントで重症COVID-19の指標)について調べた。低酸素症発生リスク、Δ382変異体群は野生型群より低い 278例がPCR検査でSARS-CoV-2への感染が確認され、Δ382変異のスクリーニングを受けていた。そのうち131例がPROTECT試験に登録。92例(70%)が野生型に感染、10例(8%)が野生型とΔ382変異体の混合感染で、29例(22%)がΔ382変異体に感染していた。 酸素補充療法を要する低酸素症の発生率は、Δ382変異体感染群が野生型感染群よりも低率だった。Δ382変異体感染群は0%(0/29例)、野生型感染群は28%(26/92例)で絶対群間差は28%(95%信頼区間[CI]:14~28)だった。年齢や併存疾患について補整後、Δ382変異体感染群の酸素補充療法を要する低酸素症の発生に関するオッズは、野生型感染群と比べてより低かった(補正後オッズ比:0.07、95%CI:0.00~0.48)。(8月27日 記事の一部を修正いたしました)

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コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶ【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第27回

第27回 コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶこの原稿を執筆している2020年7月末には、新型コロナウイルスへの感染者数が再び増加しています。パンデミック収束の気配はありません。数多くの、抗ウイルス薬やワクチンの開発の報道はありますが、決定的な方策はない状況です。どの薬剤にも、有効という臨床試験の結果もあれば、無効という結果もあるからです。同じ臨床上の課題について、それぞれの試験によって結果が異なることは、医学の世界では珍しいことではありません。このような場合に有効な方法がメタ解析です。メタ解析は、複数のランダム化比較試験の結果を統合し分析することです。メタ解析の「メタ」を辞書的にいえば、他の語の上に付いて「超」・「高次」の意味を表す接頭語で、『より高いレベルの~』という意味を示すそうです。メタ解析の結果は、EBMにおいて最も質の高い根拠とされます。ランダム化比較試験を中心として、臨床試験をくまなく収集・評価し、メタ解析を用いて分析することを、システマティック・レビューといいます。このシステマティック・レビューを組織的に遂行し、データを提供してくれるのが、コクラン共同計画です。英語のまま「コクラン・コラボレーション」(Cochrane Collaboration)と呼ばれることも多いです。本部は、英国のオックスフォード大学にあり、日本を含む世界中100ヵ国以上にコクランセンターが設立されています。システマティック・レビューを行い、その結果を、医療関係者や医療政策決定者、さらには消費者である患者に届け、合理的な意思決定に役立てることを目的としている組織です。フォレスト・プロット図をデザイン化した、コクラン共同計画のロゴマークをご存じでしょうか。早産になりそうな妊婦にステロイド薬を投与することによって、新生児の呼吸不全死亡への予防効果を検討した、メタ解析の結果が示されています。数千人の未熟児の救命につながったと推定される、システマティック・レビューの成功例なのです。この図を、Cochrane Collaborationの2つの「C」で囲んだデザインが、コクラン共同計画のロゴです。フォレスト・プロットの図から、メタ解析の結果を視覚的に理解することができます。横線がいくつか並んでいますが、これは、過去の複数のランダム化比較試験の結果を上から順に記載したものです。1本の縦線で左右に区切られており、この線の左側は介入群が優れていることを意味します。すべての研究を統合した結果が一番下の「ひし形」に示されます。ロゴの図をみると、7つの臨床研究の結果を統合し、ひし形が縦線の左にあることから、ステロイド薬使用という介入が有効であるという結果が読み取れます。縦線が樹木の幹で、各々の研究をプロットした横線が枝葉で、全体として1本の樹木のようにみえることからフォレスト・プロットと呼ばれるのです。個々の試験では、サンプルサイズが小さく結論付けられない場合に、複数の試験の結果を統合することにより、検出力を高めエビデンスとしての信頼度を高めるのがメタ解析です。症例数が多いほど、結論に説得力があるのです。数は力なのです。多ければ良いというものではない場合もあります。それは、猫の数です。面倒みることができないほど多くの猫の数になる、いわゆる多頭飼育崩壊です。メタ解析ではなく、「メチャ飼い過ぎ」でしょうか、苦しいダジャレです。仲良く猫たちが、じゃれ合う姿は可愛らしいものですが、何事にも程合いがあります。小生は、ただ1匹の猫さまに愛情を集中しています。ここでわが家の愛猫が、原稿を執筆しているパソコンのキーボードの上に横たわりました。自分が猫のことを考えているのが伝わったのか、邪魔をしようという魂胆のようです。ウーン可愛い過ぎる! 原稿執筆終了です。

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第21回 ワクチン2題。あなたはワクチン打ちますか、打たせますか?

ワクチンは高齢者、医療従事者が優先の方向こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。相変わらず猛暑が続きます。私は2週間前に越後駒ヶ岳を登った時の日焼けが思いの外ひどく、しばらく皮膚がめくれた醜い腕をさらしていたのですが、やっと収まってきました。NHKニュースでも「たかが日焼け?~甘く見ないで対策を」と、重症の日焼けについて報道していましたが、よく言われる「日焼けは皮膚がんになる」は、日本人(黄色人種)の場合、当てはまるのでしょうか?日焼けクリームがなかった昔から、農家の人は夏には真っ黒になって仕事をしてきました。でも、農業従事者に皮膚がんが多い、とは聞きません。また、登山やサーフィンを趣味にする人に皮膚がんが多い、とも聞きません。とくに肌が白い人はともかく、普通の日本人の肌の色であれば日焼けクリームはそんなに塗らなくてもいいのでは、と毎年思うのですが、皆さん、いかがでしょう?さて、今週はワクチンの話題について書きたいと思います。連日、全国各地でクラスター発生の報道がある中、8月21日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が開かれ、東北大の押谷 仁教授から、「東京都、大阪府、愛知県のいずれも7月末がピークだったとみられる」と、再流行が収束に向かう兆しがある旨の発言がありました。もっとも、「東京都は高止まりの可能性があり、急激には下がることはない」とのこと。一方、感染拡大が続いている沖縄県については「不確実だが、少しずつ減っている可能性もある」と述べました。全体として、このまま行けば徐々に収束に向かうのでは、との期待を持たせる報告でした。また、この分科会では、新型コロナウイルス感染症のワクチンが開発された場合にどのような優先順位で接種するかについて「現時点での考え方」が公表され、新聞他各メディアもそれを大きく報じました。そこでは、重症化の可能性が高い高齢者や基礎疾患を有する人、直接診療に当たる医療従事者は優先的に接種する必要性が高いと指摘。一方で、妊婦や高齢者施設で働く人は検討課題とされました。今後、政府は優先的に接種する対象をどこまで広げるかなどについて分科会で議論してもらい、秋にもワクチン接種のあり方を定めた基本方針を策定する予定とのことです。「国民が期待していない事実が出てくるかもしれない」と尾身氏この「考え方」、安全性や有効性に不確実な面があることを指摘し、情報収集と国民への正確な発信の重要性を強調するなど、全体としてかなり冷静でドライな内容となっています。例えば、「特に留意すべきリスク」として、「現在開発が進められているワクチンでは、核酸やウイルスベクター等の極めて新規性の高い技術が用いられていることである。また、ワクチンによっては、抗体依存性増強(ADE)など重篤な副反応が発生することもありうる。ワクチンの接種にあたっては、特に安全性の監視を強化して接種を進める必要がある」と、新規性の高い技術のためリスクの見極めが難しい点や、ADEの危険性にも言及しています。さらに、「一般的に、呼吸器ウイルス感染症に対するワクチンで、感染予防効果を十分に有するものが実用化された例はなかった。従って、ベネフィットとして、重症化予防効果は期待されるが、発症予防効果や感染予防効果については今後の評価を待つ必要がある」と、ワクチンが開発されたとしても当面期待できるのは重症化予防効果だけである点にも触れています。その上で、「わが国では、ワクチンの効果と副反応の関係については、長い間、国民に理解を求める努力をしてきたが、副反応への懸念が諸外国に比べて強く、ワクチンがなかなか普及しなかった歴史がある。 従って、国民が納得できるような、十分な対話を行っていくべきである」と国民への情報提供や配慮の重要性にも触れています。分科会長の尾身 茂氏も、「国民が必ずしも期待していない事実が出てくるかもしれない。100%理想のものでなかったらがっかりするが、副作用があるのかないのか透明性を持って伝えることが私どもの仕事だ」と話したとのことです。「全員接種」を強制の可能性も政府は、これまでに米国ファイザー社と英国アストラゼネカ社からワクチンの供給を受けることで合意。開発に成功した場合、来年初頭からワクチンの一部が日本に供給される予定です。今回のワクチン接種の優先順位は、とりあえず開発が先行するこの2社のワクチンを想定してのものと考えられます。さて、優先順位の上位に医療従事者が入っていますが、読者の皆さんは打ちたいと思いますか?医療関係者からは「ワクチンを打って安心して働きたい」という声の一方で、「安全性が確立していない初物のワクチンなんて打ちたくない」という声も聞こえてきます。開発を担当する製薬企業の研究者ですら、「私はちょっと…」とお茶を濁す人もいると聞きます。仮に来年、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種がスタートし、医療従事者が優先となった場合、医療機関によって「スタッフ全員接種」か「希望者のみに接種」か、対応が異なってくると思われます。先の「考え方」には、「接種を優先すべき対象者がリスクとベネフィットを考慮した結果、接種を拒否する権利も十分に考慮する必要がある」と書かれてはいますが、「あそこの病院はワクチンを全員打っていないから危険だ!」といった、意味のない風評を嫌う病院経営者(公立病院の場合は首長)が、「全員接種」を強制する可能性も考えられます。「今回のワクチンはあくまで重症化予防であり、感染予防ではない」ことを、一般人のみならず、大阪府知事など医学に疎い自治体の首長にも事前にしっかりと啓発し、ワクチンの登場までにヘルスリテラシーをしっかり高めておいて欲しいと思います。9価HPVワクチンが定期接種検討へワクチンということでは、今週はもう一つ興味深いニュースがありました。厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会「ワクチン評価に関する小委員会」が8月18日、MSDの9価HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン「シルガード9 (組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)」を、公費で接種できる定期接種に組み入れるかどうかの是非を今後検討することを了承したのです。同ワクチンは先月7月21日に製造販売が承認されたばかり。HPVワクチンは日本ではこれまで子宮頸がんになりやすいハイリスクな16型、18型への感染を防ぐ2価ワクチン(サーバリックス)と、その2つの型に加え尖圭コンジローマを起こす6型、11型も防ぐ4価ワクチン(ガーダシル)しか承認されていませんでした。シルガード9は上記に加え、やはりがんになりやすい31、33、45、52、58の5つの型も含めた9価ワクチンです。子宮頸がんの90%以上を防ぐとして先進国では主流(肛門のがんや性器イボも予防できるとして男性も接種対象)ですが、日本だけ承認が大幅に遅れていました。ちなみにMSDが製造販売の承認申請をしたのは2015年7月ですが、9価ワクチン承認に反対する団体の影響もあったのか、承認までになんと5年もかかっています。WHOからも叱られた「いい思い出がない」ワクチンHPVワクチンは日本のワクチン行政上、「いい思い出がない」ワクチンとも言えます。新型コロナウイルス感染症に関しての分科会の「考え方」で述べられた、「副反応への懸念が諸外国に比べ強く、ワクチンがなかなか普及しなかった歴史」とはHPVワクチンのことでもあるのです。2013年に予防接種法に基づき2価、4価ワクチンが定期接種化されたものの、接種後の副反応の疑い例が大々的に報道されました。その影響で自治体から接種対象者に接種時期を知らせたり、個別に接種を奨めたりするような積極的勧奨は中断したままです。現在の高校3年生以下の女子の接種率は1%未満という数字もあります。一方で、子宮頸がんの患者数は増加傾向にあり、毎年国内で約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しています。特に20~30代のAYA世代に多く、30歳代後半がピークとなっています。こうした状況下、WHOは2015年の声明で、若い女性が本来予防し得るHPV関連がんのリスクにさらされている日本の状況を危惧し、「安全で効果的なワクチンが使用されないことに繋がる現状の日本の政策は、真に有害な結果となり得る」と警告。日本産科婦人科学会も、「科学的見地に立ってHPVワクチン接種は必要」との立場で、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開を国に対して強く求める声明を繰り返し発表し、9価ワクチンについても早期承認と定期接種化を求めてきました。その定期接種化に向けての動きがやっと始まった、というわけです。既に世界で効果と安全性の評価が固まっているHPVワクチンと、これから評価待ちの新型コロナウイルスワクチン。ワクチンに対しセンシティブで過剰反応が過ぎると言われる日本人が、この2つのワクチンにこれからどのような“反応”をし、“判断”を下すのか、とても気になります。

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COVID-19、第1波・第2波の特徴と転帰を比較/JAMA

 COVID-19感染流行において、初期と2度目の流行では、患者の属性や臨床的症状、転帰に違いはあるのか。Center for Outcomes Research(米国・ヒューストン)のFarhaan S. Vahidy氏らによる分析が、JAMA誌オンライン版2020年8月13日号のリサーチレターで報告されている。 著者らは、テキサス州ヒューストンの8病院が使うヘルスケアシステム・Houston Methodistの電子カルテから、PCR検査で陽性となったCOVID-19重症患者を抽出したうえで、年齢、性別、人種/民族、併存症、投薬、ICU入院、死亡率を分析した。第1波は2020年3月13日~5月15日、第2波は5月16日~7月7日までとした。2020年7月7日時点におけるCOVID-19の入院患者のユニーク数は2,904例、第1波が774例、第2波が2,130例だった。 第1波と比較した第2波の特徴は以下のとおり。・若年者が多かった(平均年齢:57.3 vs.59.9歳、p<0.001)。・ヒスパニック系が多かった(43.3 vs.25.7%、p<0.001)。・低収入地域の居住者が多かった(ZIPコード別世帯収入中央値:6万765 vs.6万5,805ドル、p<0.001) 。・糖尿病(32.0 vs.40.3%)、高血圧(38.8 vs.55.3%)、肥満(25.7 vs.33.9%。いずれもp<0.001)などの全身および特定の併存症を有する割合が低かった。・レムデシビル(22.2 vs.11.2%、p<0.001)、エノキサパリン(72.6 vs.63.8%、p<0.001)の投与例が多かった。・入院期間中央値は短く(4.8 vs.7.1日、p<0.001)、ICU入院率も低かった(20.1 vs.38.1%、p<0.001)。・死亡率が低かった(3.5 vs.12.1%、p<0.001)。 著者らは、第2波の流行前に地域の経済活動が再開されたことから、経済活動の主体となるヒスパニック系の若年層に患者層がシフトした可能性がある、と示唆している。

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COVID-19対策のうがいは是か非か

 8月上旬、大阪府知事の吉村 洋文氏は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策にうがい薬ポビドンヨード液を推奨する緊急記者会見を開いた。この会見の報道を受け、うがいは新型コロナ感染症対策として優先順位は低いなどと発言する一部の専門家もいたが、やはり口腔ケアは感染症対策として重要なのではないだろうかー。2020年8月5日に開催された第2回日本抗加齢医学会WEBメディアセミナーで、阪井 丘芳氏(大阪大学大学院歯学研究科 顎口腔機能治療学教室教授)が「COVID-19と唾液腺~重症化予防のための新たな口腔ケア」について講演し、口腔の衛生管理の重要性について語った。COVID-19拡大予防にうがいは重要 COVID-19流行前から口腔ケアと感染症に関連した研究を実施している阪井氏は、1)高齢者の誤嚥性肺炎と窒息のリスクの緩和、2)口腔ケアを行う医療従事者の効率化と安全性の向上、3)口腔ケア製品の抗菌性を高め、ウイルス性・細菌性肺炎を予防、4)現場のニーズに合った優れた口腔ケア用品の開発と普及を目標に活動を行っている。 今回のポビドンヨード液の報道時には、うがいの根拠について議論が巻き起こったものの、口腔ケアにより要介護高齢者の発熱・肺炎発生率が低下することは約20年前の論文1)ですでに裏付けされていた。また、感染には体内の2大細菌叢である腸内細菌叢と口腔細菌叢が影響するが、「後者はう蝕や歯周病の原因になり、口腔細菌が肺へ移行し肺炎リスクに繋がる」と説明。また、インフルエンザなどウイルスによる肺炎は上気道から侵入するケースが多い点にも触れた。 COVID-19の場合、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が肺に存在する受容体であるACE2に結合するため、肺へ直接侵入する可能性が高いと言われている。しかし、ACE2の発現量は肺よりも唾液腺にやや多いことが報告されている。これを踏まえて、同氏は「健康な肺にはもともと防御機構があるので、ある程度口腔細菌の制御は可能だが、SARS-CoV-2によって上皮細胞が損傷すると、細菌感染が生じる可能性がさらに高まる。現在までの研究報告によると、SARS-CoV-2自体単独では強毒性ではないかもしれないが、重症化因子として口腔細菌が関与している可能性もある。2次性細菌性肺炎を防ぐためにも口腔衛生の徹底が必要」と強調した。また、COVID-19の高齢患者の死亡率が高い理由として、「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん:気付かないうちに生じる誤嚥)をきっかけとして、2次性細菌性肺炎が重症化したのが原因では」と推測し、今後の検証の必要性を述べた。 新型コロナ感染対策でうがいは唾液中のウイルスを一時的に減少 現在、唾液を用いたCOVID-19のPCR検査が実施可能である。鼻咽頭ぬぐい液による検査では患者の負担だけではなく、医療者への感染リスクが問題とされたが、唾液PCR検査はそれらの問題解決に繋がるばかりか、無症状者への対応も可能となった。他方で、同氏は口腔・咽頭粘膜はSARS-CoV-2の侵入経路だけではなく、付近の唾液腺がその貯蔵庫になる可能性が示唆2)されていることに着目し、「効果的な口腔ケアと生活様式での対応の両者が必要」とコメント。しかし、現時点で口腔内の消毒薬として認められているのは、10%ポビドンヨード液と0.01~0.025%塩化ベンザルコニウム液のみであることから「要時生成型亜塩素酸イオン水溶液(MA-T:Matching Transformation system)などを用いた新たな口腔用消毒薬の確立に努めたい」と話した。 最後に同氏は「学校や会社を休みたくないがゆえに、ヨード系うがい薬でうがいをしてから唾液PCR検査を受けて偽陰性の結果や診断を得るような、社会的に逆効果になる問題も予想される」としつつも、「誰が感染しているかわからない状況下において、うがいは唾液中のウイルスを一時的に減少させるため、会話や会食前・最中のうがいは人にうつす可能性を減らすかもしれない。効果の持続時間やうがい方法、吐き出した液による洗面台周囲のウイルス汚染など、検証すべき事項が多数あり、結論を導くには時間を要するが、感染対策として口腔衛生管理を行うことは大切である」と、口腔ケアの必要性について言及した。

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第20回 新型コロナワクチン接種を見据え、今秋までに基本方針を策定

<先週の動き>1.新型コロナワクチン接種を見据え、今秋までに基本方針を策定2.接触アプリCOCOA、濃厚接触の通知で検査対象に DL数は人口の1割3.公立・公的病院の再編スケジュール、10月以降期限に見直しへ4.来年から通年化される病床機能報告制度、今年度の診療実績報告は不要に5.職員感染発生などはコロナ患者受け入れ医療機関と見なす提案、保留に/中医協1.新型コロナワクチン接種を見据え、今秋までに基本方針を策定新型コロナによる死亡者や重症者をできる限り抑制するため、ワクチン接種の実施体制を整えていく必要がある。21日に開催された新型コロナウイルス感染症対策分科会では、下記の検討が続く。接種の優先順位特定接種の実施実施体制国民の声現在、優先順位としては医療従事者、高齢者および基礎疾患を有する患者が挙げられており、感染リスクが高い人などを想定している。ただし、新型コロナウイルスワクチンはまだ開発中であり、現時点では安全性や有効性についてわかっていない点も多く、科学的な不確実性もある。一方で、国民の期待が極めて大きいため、しっかりと正確な情報提供が必要となる。来年初頭から国内で開始される見込みのワクチン接種を前に、今秋にも接種の基本方針を策定したい考え。ワクチンに対する懸念も踏まえ、有害事象の監視体制の整備や健康被害が生じた場合の賠償方針を固め、次の国会に新法を提出して早期成立を目指す。(参考)新型コロナウイルス感染症のワクチンの接種に関する分科会の現時点での考え方(新型コロナウイルス感染症対策分科会)コロナワクチンの賠償、国が責任 海外製薬から調達促進 政府、次期国会に新法(日本経済新聞)2.接触アプリCOCOA、濃厚接触の通知で検査対象に DL数は人口の1割現在、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)の通知で濃厚接触をした可能性のある人が、PCR検査を受けられないケースが発生している。厚労省は、全国の保健所に対して、COCOAの通知を受けた人については、症状の有無などにかかわらず検査の対象にするよう21日の事務連絡であらためて周知した。なお、COCOAについては、21日17時時点で、およそ1,416万件がダウンロードされている。(参考)事務連絡 令和2年8月21日 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)で通知を受けた者に対する行政検査等について(厚労省)接触確認アプリ 通知受けた人は検査対象 保健所に周知 厚労省(NHK)3.公立・公的病院の再編スケジュール、10月以降期限に見直しへ地域医療構想に向けて、各都道府県に求められていた公立・公的医療機関などにおける具体的対応方針の再検証について、当初は2020年9月末期限とされていたが、新型コロナ感染拡大に伴い、10月以降に延期される見込み。もともと再検証については、「骨太の方針2019」にて2020年秋頃とされていたが、「骨太の方針2020」ではこの点に触れられておらず、新型コロナ対策が優先されたと言える。なお、再検証の対象となっている医療機関数は昨年9月時点では424施設であったが、その後の精査により約440施設となっている。(参考)具体的対応方針に係る再検証の要請等、診療実績データ分析等の活用について(第24回地域医療構想に関するワーキンググループ)公的病院の再編・統合、スケジュール見直しへ コロナ影響、国への報告期限延期(毎日新聞)4.来年から通年化される病床機能報告制度、今年度の診療実績報告は不要に14日、厚労省は第26回 地域医療構想に関するワーキンググループを持ち回り開催で行った。来年度の病床機能報告では診療実績の報告を通年化することを踏まえ、今年は6月分のレセプト情報による診療実績の報告を不要としている。これは新型コロナウイルス感染症への対応で、病床機能報告対象病院に対する負担軽減を目的とされる。併せて、例年の報告項目の追加、変更についても行わないこととなった。(参考)令和2年度病床機能報告の実施について(第26回地域医療構想に関するワーキンググループ)5.職員感染発生などはコロナ患者受け入れ医療機関と見なす提案、保留に/中医協19日に開催された中央社会保険医療協議会総会で、新型コロナ患者の受け入れがなくても、職員の感染(疑い含む)が発覚した場合には、受け入れ医療機関と同様の取り扱いとすること、緊急事態宣言の発令期間にはすべての医療機関を「新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れた医療機関」に該当するものと見なす提案があった。これは新型コロナの影響で受診抑制が続く中、厳しい経営状態に直面している医療機関を支援する側面もあるが、支払い側からは賛成が得られず、会長預かりとなった。厚労省では、2020年度診療報酬改定における経過措置の取り扱いについて議論された。急性期一般入院基本料や7対1入院基本料、看護必要度加算などの算定要件となっている「重症度、医療・看護必要度」について、2020年9月30日までの経過措置期限を、2021年3月31日まで延長することが提案され、了承された。なお、受診控えの傾向が今後も続くことを考慮して、経営支援策については厚労省により検討が着手されたことが報道された。(参考)新型コロナウイルス感染症への対応とその影響等を踏まえた診療報酬上の取扱いについて(中医協)感染恐れて受診控える傾向 医療機関の経営支援策検討へ 厚労省(NHK)

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新型コロナ、前立腺がん患者でアンドロゲン除去療法が感染を抑制か

 イタリアで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により最も影響を受けた州の1つであるヴェネト州における集団ベースの研究で、アンドロゲン除去療法(ADT)を受けている前立腺がん患者では新型コロナウイルス感染が抑制された可能性が示唆された。イタリア・パドヴァ大学のM. Montopoli氏らが報告した。Annals of Oncology誌2020年8月号に掲載。ADTを受けている前立腺がん患者は新型コロナ感染リスクが有意に低かった 新型コロナウイルスは、ウイルスのスパイク(S)蛋白であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)2への結合とTMPRSS2によるS蛋白のプライミングにより細胞に侵入する。そのため、TMPRSS2を阻害すれば、新型コロナウイルス感染を阻害または軽減する可能性がある。一方、TMPRSS2はアンドロゲン制御遺伝子であり、第1世代もしくは第2世代のADTはTMPRSS2レベルを低下させる。そこで著者らは、ADTが前立腺がん患者を新型コロナウイルス感染から保護するという仮説を立てた。本研究では、ヴェネト州の68病院から2020年4月1日時点の新型コロナウイルス陽性者9,280例(男性4,532例)のデータを収集し、性別、入院、ICU入室、死亡、がん診断、前立腺がん診断、ADTのパラメータを用いて検討した。 ADTが前立腺がん患者を新型コロナウイルス感染から保護する、という仮説検証の主な結果は以下のとおり。・男性は女性に比べ、より重症で入院が多く臨床転帰が悪かった。・ヴェネト州の男性の人口(240万人)でSARS-CoV-2陽性率を計算すると、全体で0.2%、がん患者で0.3%であった。・新型コロナウイルス陽性者数は、ADTを受けている前立腺がん患者に対して、受けていなかった患者のオッズ比は4.05(95%CI:1.55~10.59、p=0.0043)で、ADTを受けている前立腺がん患者では新型コロナウイルス感染リスクが有意に低かった。また、他の種類のがん患者のオッズ比は4.86(95%CI:1.88~12.56、p=0.0011)で、より大きな差が見られた。

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偶然おもしろいことに出会える、こんな学会ほかにない

2020年9月25~27日の3日間、第20回日本抗加齢医学会総会がWEB開催(一部会場開催)される。今回は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、初めてのWEB開催となるが、第18、19回総会のプログラム委員長を務め、本大会長としてプログラムの選定に携わった南野 徹氏(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科教授)に、本総会をどのように盛り上げていくのか話を聞いた。日本のアンチエイジング、老年・予防医学が主体『抗加齢』という言葉はアンチエイジングと英訳されます。その影響なのか、日本では医学的根拠のない一般向け情報と捉える方が多いようで、この印象を覆すことがわれわれの使命の1つであると考えています。たとえば、本学会の総会が今年で20回目を迎えるにあたり、診療所の医師に患者指導時に活用してもらえるようなステートメントの作成を開始します。これまで、抗加齢医学の分野において高血圧症などのように診療ガイドラインが策定されておらず、研究成果のほとんどが実臨床で活用されていなかった点もアンチエイジングのイメージを印象付けているのかもしれません。この取り組みは世界初ですが、本学会は世界の抗加齢医学の組織と比べ、各分野の枠を越えて医師たちが集い、協力し合える強みが作用しています。海外の場合、大きな美容系集団といくつかの小さな診療科系集団に分かれているため、さまざまな診療科の先生の意見を踏まえた研究を行うことが難しいと言われています。一方、本学会は老年医学と若さを保つ・美を追求する医学の間に位置し、病気や加齢から身体を守る予防医学の概念を持って活動する、世界的にもまれな学会として、この組織力を活かし、抗加齢に関するさまざまな研究を行うことで、成果を発揮しています。Healthy Agingのためのステートメントその成果の1つとして、ガイドラインの前進となるステートメントの作成を行うわけですが、まずは健康寿命の延伸に関して科学的なエビデンスが蓄積されつつある4つの分野(食事、運動、サプリメント、性ホルモン)の内容が検討されています。本総会の会長特別プログラムとして「Healthy Agingのための学会ステートメント(ガイドライン)作成に向けて」を開催し、各分野のステートメント進捗状況や今後の方針について発表する予定です。アカデミア×臨床医、内科医×歯科医…が混じり合える学会また、研究内容がとても彩り豊かな本学会の総会の一番の魅力は、面白いことが学べる機会やアイデアを見つけ出すチャンスに出会えることだと自負しています。研究範囲は基礎から臨床まで、その内容は内科領域のみならず、整形外科、皮膚科、歯科領域などと多岐にわたります。一般的な学術集会は専門医や専門領域に従事する医療者を対象として行われるため、診療科に特化した内容に絞って情報提供される傾向があります。それと比べ、つい自分の興味分野にだけ注目してしまう方でも、本総会に参加することで「興味がなかった」「考えてもみなかった」ようなワクワクする新しい関心事に、偶然遭遇するかもしれません。言うならば、新聞で医療面を読むためにページをめくっていた時にテクノロジーの記事に目が留まり、新しい発見に心が弾んだ-そんな感覚でしょうか。プログラムを選定する上では、プログラム委員長の経験を踏まえて工夫を凝らしました。臨床医とアカデミアの双方が楽しめるよう、1日目にはアカデミアの方を対象とした演題を多く盛り込みました。実地医家の方が参加しやすい3日目の日曜日には、実臨床ですぐ実践できる演題を準備しています。3密回避を確保した会場セッティングや3ハイブリッド会議(ライブ配信、オンタイム配信、オンデマンド配信)形式の導入により、これまでにないくらい多くのプログラムが受講しやすくなっています。多分野の医師、薬剤師や看護師などの医療者が垣根を超えて交流を深められるという本学会ならではの総会作りも目指していますので、ぜひ、第20回日本抗加齢医学会総会のWEB聴講へのご参加、浜松町コンベンションホールへのご来場をお待ちしております。

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日本人COVID-19死亡例、80代と2型糖尿病併存で最多

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、自社診療データベースから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の死亡事例を調査。その結果、2020年2月~5月までの期間の死亡者は110例(男性:77例 、女性:33例)で、年代別では80代が4割超を占めていることが明らかになった。また、併存疾患では2型糖尿病が最も多かった。 主な結果は以下のとおり。・年代別では、90代が17例(15.5%)、80代が48例(43.6%)、70代が33例(30%)、60代が7例(6.4%)、50代が5例(4.5%)だった。100歳以上と40代から下の年齢層はいなかった。・死亡例の中で、併存疾患を有した95例を解析したところ、慢性疾患で最多は2型糖尿病の25例(26%)、その次に高血圧症が22例(23%)、心房細動/心房粗動が9例(9%)と続いた。・また、死亡例の喫煙歴を調べたところ、110例のうち喫煙歴「あり」*は40例、喫煙歴「なし」は41例、喫煙歴「不明」は29例だった。*現在、非喫煙者でも過去に実績があれば「あり」とカウント 今回の調査には、全国の急性期医療を提供する419施設からの診療データベース(実患者数3,257万人、2020年7月末日集計)を用い、その診療データベースのうち402施設の約550万人を対象に、退院日が同年2月1日以降のCOVID-19死亡例を抽出した。なお、厚生労働省が公表した5月31日までの死亡者数は891例だった。

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第21回 アフリカはCOVID-19流行をうまく切り盛りしている~集団免疫が可能か?

アフリカ大陸での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者数は8月6日に100万人を超えましたが勢いは衰えており、以降13日までの一週間の増加率はその前の週の11%より低い8%でした1)。アフリカの国々は最初のSARS-CoV-2感染が同大陸で確認されてから8月14日までの6ヵ月間に多くの手を打ちました2)。速やかにロックダウンを実行し、診断や治療体制を整え、いまやすべての国で人口1万人あたり100の検査を提供しています。重篤な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に必要となる酸素もより供給できるようになっており、最初は69棟だった酸素プラントは倍近い119棟に増えています。酸素濃縮器も2倍を超える6,000台超を備えます。世界保健機関(WHO)がアフリカのデータを解析したところ2)、最初の感染発見からおよそ2~3週間後の感染急増は生じておらず、ほとんどの国での増加はゆっくりであり、増加の山場ははっきりしていません。どうやらアフリカはCOVID-19流行をいまのところうまく切り盛りしているようです3)。先月7月末のmedRxiv報告4)によると、ケニアの15~64歳の実に20人に1人、数にして160万人がSARS-CoV-2感染指標の抗体を有していると約3,000人の献血検査結果から推定されました。しかしケニアの病院でCOVID-19発症患者は溢れかえってはいません。モザンビークの2都市・ナンプラやペンバでおよそ1万人を調べた調査では、職業によって3~10%がSARS-CoV-2への抗体を有していましたが、診断数はずっと少なく、およそ75万人が住むナンプラでその時点で感染が確定していたのはわずか数百人ほどでした3)。マラウィでの試験でも同様に驚く結果が得られています5)。同国の大都市ブランタイアの無症状の医療従事者500人を調べたところ10人に1人を超える12.3%がSARS-CoV-2への抗体を有していると判断され、その結果や他のデータに基づくと、その時点でのブランタイアでのCOVID-19による死亡数17人は予想の1/8程でしかありませんでした。そのように、アフリカの多くの国の医療は不自由であるにもかかわらずCOVID-19死亡率は他の地域を下回ります。最近の世界のCOVID-19感染者の死亡率は3.7%ですが6)、アフリカでは2.3%(8月16日時点で死亡数は2万5,356人、感染例数は111万53人)7)です。より高齢の人ほどCOVID-19による死亡リスクは高まりますが、アフリカの人々の6割以上は25歳未満と若く、そのことがCOVID-19による死亡が少ないことに寄与しているかもしれないとWHOは言っています1)。それに、COVID-19の重症化と関連する肥満や2型糖尿病等の富裕国に多い持病がアフリカではより稀です。また、風邪を引き起こす他のコロナウイルスにより接していることや、マラリアやその他の感染症に繰り返し曝されていることでSARS-CoV-2を含む新たな病原体と戦える免疫が備わっているのかもしれません3)。ケニア人が重病化し難いことに生来の遺伝的特徴が寄与していると想定している研究者もいます。これからアフリカではギニア、セネガル、ベニン、カメルーン、コンゴ共和国の数千人のSARS-CoV-2抗体を調べる試験が始まります。WHOの指揮の下での国際的な抗体検査にはアフリカの11ヵ国の13の検査拠点が参加しています。抗体は感染しても備わらない場合もありますし、備わっても徐々に失われるとの報告もあるので抗体保有率は真の感染率を恐らく下回るでしょうが、得られたデータはアフリカでの感染の実態の把握を助けるでしょう。もしアフリカで数千万人がすでにSARS-CoV-2に感染しているとするなら、ワクチンに頼らず感染に身を任せて集団免疫を獲得して流行を終わらせることに取り組んでみたらどうかという考えが浮かぶと国境なき医師団の研究/指導部門Epicentre Africaで働く微生物/疫学者Yap Boum氏は言っています3)。経済を停滞させ、長い目で見るとむしろ人々の健康をより害しかねない制約方針よりも集団免疫を目指すほうが良い場合もあるかもしれません。感染数に比して死亡数が明らかに少ないアフリカなら集団免疫の取り組みが許されるかもしれず、真剣に検討してみる必要があるとBoum氏は話しています。参考1)Coronavirus: How fast is it spreading in Africa? /BBC2)Africa marks six months of COVID-19/WHO3)The pandemic appears to have spared Africa so far. Scientists are struggling to explain why/Science 4)Seroprevalence of anti-SARS-CoV-2 IgG antibodies in Kenyan blood donors. medRxiv. July 29, 20205)High SARS-CoV-2 seroprevalence in Health Care Workers but relatively low numbers of deaths in urban Malawi. medRxiv. August 05, 20206)Situation reports, WHO African Region/12 August 20207)Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) / Africa Centres for Disease Control and Prevention

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「COVID-19×高血圧」を徹底討論!日本高血圧学会がwebシンポ開催

 COVID-19は依然、収束の兆しが見えず、第2波、第3波を迎え撃つ備えが求められている。日本高血圧学会は8月29日、「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」と題し、ライブ配信でシンポジウムを開催する。COVID-19を念頭に置いた新たな高血圧診療のあり方を巡り、各領域のスペシャリストたちが、文字通り白熱した議論を交わす。今回は同学会の学術総会として初の試みとなるウェブ開催であり、参加視聴者とパネリストの垣根を超えたインタラクティブなやり取りも期待できる。参加には事前の予約申し込みが必要で、ウェブの専用ページで8月20日まで受け付けている。【開催概要】 ライブ配信特別企画「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」 開催日時:2020年8月29日(土) 18:30~20:30 開催方法:Zoomウェビナーを使用した生配信(視聴参加は事前登録制) 参加(視聴)対象:会員(正会員、準会員)、非会員(医療従事者) ※参加した高血圧専門医には更新単位2単位(前半、後半各1単位)を付与 参加(視聴)料:無料 申し込み方法:予約専用URL(Googleフォーム)より事前登録<第1部> COVID-19と高血圧診療Hot topicsを掘り下げる!(18:30~19:30) 司会: 甲斐 久史氏(久留米大学医療センター循環器内科) 柴田 茂氏(帝京大学医学部内科学講座腎臓内科) パネリスト・演者: 「高血圧患者とCOVID-19 重篤化の関係(疫学)」 浅山 敬氏(帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座) 田中 正巳氏(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科) 「SARS-CoV-2と心血管系(ACE2、内皮障害と血栓形成、脳血管障害)」 山本 浩一氏(大阪大学医学部老年・腎臓内科学) 茂木 正樹氏(愛媛大学大学院医学系研究科薬理学) 「COVID-19に伴う心血管障害・腎障害」 星出 聡氏(自治医科大学循環器内科) 柴田 茂氏(帝京大学医学部内科学講座腎臓内科) 「降圧治療薬とCOVID-19(臨床)」 岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科) 山本 英一郎氏(熊本大学医学部附属病院循環器内科)<第2部> これからの高血圧をどうするか? ~ひとこと物申しバトル~ (19:30~20:30) 座長: 野出 孝一氏(佐賀大学医学部循環器内科) 岸 拓弥氏(国際医療福祉大学大学院医学研究科) パネリスト: 伊藤 裕氏(慶應義塾大学医学部内科学腎臓内分泌代謝内科、日本高血圧学会理事長):全体 赤澤 宏氏(東京大学大学院医学系研究科循環器内科学):Digital Hypertension 三浦 克之氏(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門):疫学研究 西山 成氏(香川大学医学部薬理学講座):基礎研究 宮川 政昭氏(宮川内科小児科医院、日本医師会常任理事):実地医療  林 香氏(慶應義塾大学医学部内科・腎臓内分泌代謝内科):若手・女性代表

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第19回 15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に

<先週の動き>1.15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に2.クラスター解析、典型的なケースを国立感染症研究所が公表3.コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟が、首相官邸に提言を提出4.オンライン診療、新型コロナ感染拡大で特例措置延長/厚労省5.初の国産手術支援ロボット「メディカロイド」が発売開始1.15分で結果が出る新型コロナ抗原検査キットが保険適応に厚生労働省は、8月11日に事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その25)」を公表し、同日に薬事承認された「クイックナビ-COVID19 Ag」(デンカ)が保険適用されたことを明らかにした。同社プレスリリースによると、同キットはラテックス凝集法を原理としたイムノクロマト法を用いて、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を検出し、約15分で診断する。特別な検査機器を必要としないため、一般の医療機関でも短時間で簡便に検査できる。最大1日10万件分の検査キットが生産される見込みで、希望価格は10回用で6万円となっている。(参考)事務連絡 令和2年8月11日 疑義解釈資料の送付について(その25)(厚労省)新型コロナウイルス抗原迅速診断キットの国内製造販売承認を取得~「クイックナビ-COVID19 Ag」として8月13日から医療機関へ販売開始~(デンカ株式会社)2.クラスター解析、典型的なケースを国立感染症研究所が公表国立感染症研究所の感染症疫学センターは、院内感染クラスターや昼カラオケクラスター、職場会議クラスターなど、新型コロナウイルスの集団感染が発生した典型的なケースを分析した事例集を13日に公表した。院内感染クラスターの事例では、以下の点が指摘されている。処置やリハビリ時の感染対策の不徹底による職員の感染休憩室など換気が悪く、密な場所での感染から別病棟への広がり感染に気付かないまま、施設へ退院、退院先で感染波及対策としては以下が挙げられる。標準予防策、経路別感染、予防策の徹底有症状者の早期探知院内の3密を減らす工夫転院、退院時の情報共有各クラスターの事例により、マスクを着用していない、3密回避ができていないなどの、従来から指摘されていた共通点が明らかとなった。感染研は、「日常生活で3密回避とマスク、手洗いを徹底してほしい」と引き続きの対応を求めている。(参考)クラスター事例集(国立感染症研究所 感染症疫学センター)3.コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟が、首相官邸に提言を提出11日、超党派による国会議員の「コロナと闘う病院を支援する議員連盟」共同代表の自民党・中谷 元元防衛相らが、首相官邸の菅 義偉官房長官を訪ね、新型コロナウイルス感染を受け入れている医療機関の収益悪化を補填するよう国に求める提言を提出した。これには、医療機関の減収補填や病床確保支援、院内感染防止支援、臨時診療報酬改定のほか、介護施設版の持続化給付金の創設などが盛り込まれている。(参考)「コロナと闘う病院を支援する超党派議員連盟」提言(コロナと闘う病院を支援する議員連盟)4.オンライン診療、新型コロナ感染拡大で特例措置延長/厚労省厚労省は、6日に「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開催し、4月から開始した電話やオンラインによる診療に対する初診制限緩和の時限的な特例措置について、当面は引き続き現行通りに継続することを決めた。併せてこの3ヵ月間のオンライン診療について検証が行われた。これによると、6月末時点でオンライン診療に対応する医療機関は1万6,095施設となり、うち初診のオンライン診療に対応する医療機関は6,761施設と徐々に増えていた。ただ、中には特例措置でも処方が制限されている抗精神薬などが処方されていたケースなども認められたため、引き続き医療機関への指導が必要とされた。(参考)第10回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(厚労省)5.初の国産手術支援ロボット「メディカロイド」が発売開始川崎重工業とシスメックスが折半出資するメディカロイド(神戸市)は11日、国産メーカーとして初めての手術支援ロボット製造販売承認を厚労省から受けたと発表した。承認は7日付。腹腔鏡手術向けで、月内をめどに国内で販売を始める。同社は2013年に設立され、2015年度から医療用ロボットの開発をしてきた。今回承認された手術支援ロボットシステム「hinotori サージカルロボットシステム」は、執刀医が3Dビューアを覗き込みながら、手足で3Dビデオスコープや治療機器を操作するサージョンコックピット、実際の手術を行うオペレーションユニット、映像や音声をコントロールするビジョンユニットの3ユニットから構成される。本システムの名称「hinotori」は、手塚 治虫氏の名著「火の鳥」より採用された。(参考)国産初、手術支援ロボットシステム「hinotori サージカルロボットシステム」が製造販売承認を取得(株式会社メディカロイド)

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第19回 炎上したLINE健康相談の件、広報からのモヤモヤ回答を一挙公開!

新型コロナウイルス感染症パンデミックの結果、日本国内の医療の中でやや前進を見せていることがあるとするならば、オンライン診療の拡大傾向である。4月7日に閣議決定された「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」では、感染拡大防止の観点から、「非常時対応」と断りながらも電話やオンラインによる診療・服薬指導の活用を促した。これに対応し、厚生労働省(以下、厚労省)の医政局医事課と医薬・生活衛生局総務課は連名で4月10日付の事務連絡を発出し、初診を含むオンライン診療・服薬指導を時限的・特例的に容認している。同事務連絡は感染拡大動向を踏まえて3ヵ月に1度の見直しを行っているが、今のところは継続されている。あくまで時限的・特例的措置だが、今後これをきっかけに診療報酬上のオンライン診療の条件緩和などが進められる可能性は否定できない。このオンライン診療は厚労省が作成した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づいて行われる。そして同指針ではオンライン診療と似て非なる「遠隔(オンライン)健康医療相談」を定義している。これは、医師がパソコンやスマホなどの通信機器を利用して医学的な助言を行うもの、医師以外が一般的な医学情報の提供や受診勧奨を行い、いずれも相談者個人の状況に応じた具体的な判断を行わないものを指す。ちなみに厚労省指針では「遠隔健康医療相談」について詳細な規定はしていない。ただ、今回のコロナ禍を反映し経済産業省の主導下で「遠隔健康相談事業」が開始され、メドピアの連結子会社Mediplat社、コミュニケーションアプリLINEで有名なLINE株式会社の連結子会社LINEヘルスケアが受託し、8月末まで無料の健康相談を提供している。ところが今月2日、LINEヘルスケアの遠隔健康相談を利用した人が相談対応医師から罵倒されたというチャット内容がTwitter上に投稿され炎上。この結果、同社はこの事例が規約違反の不適切事例に当たるとしてホームページ(HP)に謝罪文を公表した。この件、端的に言うならば、ごく1人のアウトサイダー医師がやったことで終わりになるはずだが、このLINEヘルスケアのHPでの規約、医師募集の要綱などを見ると、いくつかの疑問が浮かんできた。まず、このオンライン健康相談は、対応診療科が内科、小児科、産婦人科、整形外科、皮膚科、耳鼻咽喉科の6診療科である。ところがこの募集要項では「これらの科目における専門医資格等は必要ございません」「相談対応可能な診療科は自己申告いただきます」とのこと。たぶん多くの利用者は、対応診療科の専門家から回答が得られると期待しているはずだ。また、利用規約では相談でのやり取りを「コンテンツ」と規定し、再利用の可能性があることを表記している。今回の不適切事例でモニタリングを強化すると同社は謝罪文に記載しているが、それがどのような形で行われるのかが想像しにくい。ということで、4点の質問を送ったところ広報部門であるPR室からは次のような回答が返ってきた。▽今回の遠隔健康相談に関して、医師募集要項では対応診療科の専門医資格などは要らない旨を明記しておりますが、これはどういう理由からそのような規定としたのでしょうか?回答LINEヘルスケア社では、医師免許および本人確認を徹底し、当社所定の基準を満たした医師に参加いただいております。さらに、参加する医師には当社ガイドライン、各種法規制の遵守する事に同意いただいております。LINEヘルスケアの健康相談サービスには医行為は含まれませんが、対応科目については、医師自身が対応可能と判断したものを標榜いただいております。▽相談内容と回答内容を「コンテンツ」として、再頒布を可能としたのはなぜでしょうか?回答利用規約7.4及び7.5については、知的財産その他のプライバシー以外の観点から、弊社が、医師と相談者の間で交わされた健康相談の内容について、本人を識別しうる情報を削除した上で二次利用を行う上で必要な許諾等を得るためのものです。同規定に基づく許諾にかかわらず、医師と相談者間の健康相談の内容については、通信の秘密であり、かつ個人情報にあたることから、個別かつ明示的な同意を相談者から取得した上で利用させていただいており、無制限に弊社が相談内容を利用しうることを予定したものではありません。▽お詫びのページに追記した、「モニタリング」とは具体的にどのように行うのでしょうか?回答厚労省のオンライン診療ガイドラインを基にLINEヘルスケア社独自の医師向けガイドラインを作成しており、24時間365日モニタリングを実施しております。しかしながら、医師と相談者の間のコミュニケーションは、電気通信事業法上の通信の秘密に当たり、また医師法上も医師の守秘義務の対象として、弊社を含む第三者がみだりに内容を閲覧することは制限されております。そのため、弊社では、双方の事前同意の範囲内で、リアルタイムでの監視については自動モニタリングを実施しております。今後は、キーワードの見直しを含むモニタリング体制等の見直しを図り、再発防止策を検討、対応してまいります。▽(健康相談で)「おすすめ医師」として推奨表示される医師は、科目×回答数の多さのようですが、回答が多い医師は専門性が高いとはいえますか?回答おすすめ医師のレコメンドのロジックについては、公表していないため、お応え出来かねます。個人的な感想を言うと、どの回答もすっきりと腹落ちはしない。ちょうどこの件については私も発起メンバーの一人でもある「医薬品産業イノベーション研究会」で8月5日に緊急オンライン講演会を開催した。演者はこれまで複数の医療者向けあるいは患者向けの医療情報サイトに携わった編集者の田中 智貴氏(元QLife編集長)だ。今回の問題の根底について田中氏は「LINEヘルスケアではB to Cのサービスとして考えているのに対し、相談者側はD(Doctor) to P(Patient)と考え、双方の期待値に差異があった」と指摘する。いわゆる診断のような医学的判断を伴うオンライン診療、オンライン受診勧奨をメディカル領域、今回のLINEヘルスケアによる健康相談をヘルスケア領域と分類した場合、田中氏は「へルスケア領域はメディカルと同等の権威付けをしたがる」との見解示す。具体的に言うと、たとえば健康食品の宣伝で「○○学会で効果に関して発表」のようなもの。今回の件で言うと、オンラインの健康相談は医師でなくとも可能だが、それを医師がやることを強調する点だ。実際、LINEヘルスケアのHPでは今回のサービスについて「さまざまな不安に医師が直接お答えします」と銘打っている。ただ、そのHPをスクロールして最後になるとようやく注意事項として「本サービスは医師による健康相談のサービスです。症状の診断や治療といった判断を医師に求めることはできません」と表記してある。結果として、この辺はサービス利用者自身の不注意・誤解も含め、期待値の齟齬を起こしてしまう可能性があるということだ。また、田中氏は前述のような回答診療科医師をあくまで自己申告制で募集している背景には、昨年12月のサービススタート以降、LINEヘルスケア公式アカウントの友だち数や相談件数の急増により、回答医師を急募して今回のような利用者に暴言を吐くような医師まで参加する質の低下を招いているのではないかと分析。さらに今回の健康相談サービス全般を見た印象としてIT系のB to C企業によくみられる、ベーシックな機能を備えた段階でとりあえずサービスをスタートさせ、その後、要所要所でユーザーの反応などを見ながら改修していくアジャイル的手法が見受けられると指摘。「医療に関しては軽微でもトラブルがあってはならない」と述べて、そもそもIT系企業お得意の手法がこの領域では馴染まないとの認識を示した。こうした田中氏の指摘、LINEヘルスケアのアカウントを友だち追加後に中を見て発見した疑問点、第一弾の問い合わせの回答に対する疑問点などを含め、再度LINEのPR室に質問を送付し、回答を受け取った。▽前回の回答で登場する厚労省のオンライン診療ガイドラインを参考にした医師向けの自社のガイドラインは、厚労省ガイドラインとどのような違いがあるのでしょうか?回答医師向けのガイドラインは一般向けに公表しておりませんので、お応えしかねます。▽健康相談の回答医師の「資格」の欄には学会しか明記されておらず、単に学会員としての登録なのか、専門医・指導医なのか、会員資格などが更新されているかどうかのチェックは御社では行われているのでしょうか?回答一部ユーザーの方に誤解を招く可能性も勘案し、ご指摘の箇所についての対応の見直しを検討いたします。▽相談可能な診療科が自己申告であり、かつ一般的な医師の専門診療科数が1~2科である中で、御社サービスのおすすめ医師として表示された32人中20人が6診療科対応となっており、御社がコンテンツと定義する医師側の相談対応内容のクオリティコントロールが適正とは言えないかと思います。回答本サービスにて健康相談を実施するのは医師であり、医師自らの責任で相談がなされるサービスです。他方、クオリティコントロールをプラットフォーム提供事業者としてどのようにしていくのかという点については検討のうえ、対応していければと思います。▽サービス利用者は各診療科の専門医に相談ができるとの期待値を持って相談しているケースは少なくないと思われます。結果として「錯覚商法」のようになっていますが、この点について御社ではどのようにお考えでしょうか?回答遠隔健康相談は、個別具体的な症状に対する診断を下すものでなく、医学的知見を用いて医師が一般的な助言をするにとどまるものであり、LINEヘルスケアとしては特段専門医とつながるサービスを標榜してはおりません。専門分野の標榜の箇所もあるので、診療科の標榜が必ずしもユーザーの誤解を招くものではないと認識しております。▽登録医師の中には医療法上広告が認められていない診療科を標榜したり、自由診療を行っている旨の記載など自院誘導ともとられかねないプロフィール表記も認められます。また、登録を禁止している海外勤務医も存在します。法令や規約に基づくチェック体制が不十分と思われますが、この点についてのご見解をお聞かせください。また、現状このチェック体制がどのようになっているかも合わせてご回答お願い致します。回答LINEヘルスケアにおける医師の表記については、医療広告ガイドラインの適用は受けないと判断しております。しかしながら、ご指摘の「自院誘導ととらえられかねないプロフィール表記」については、場合によっては同ガイドラインの適用を受けることはあるものと存じます。もっとも、このような表記は、利用規約において禁止される行為となっています。現在のプロフィールチェック体制につきましては、回答を控えさせていただきます。ただし、今後は、ユーザーの皆さまに誤解を招く可能性があることを勘案し、ご指摘いただいている内容の見直しは検討してまいります。▽今回の不適切事例は相談内容が対応診療科ではない精神科のものでしたが、これまでのモニタリングではこのようなものの検出は不可能だったのでしょうか? また、キーワードによるモニタリングを行っているようですが、モニタリングキーワードは何件くらい設定しているのでしょうか? 今後の強化でこの件数はどのくらい増加する見込みでしょうか?回答モニタリング体制については、先日ご回答をさせていただきました内容以上の開示をしておりません。今後の見直しにつきましても、詳細が確定しましたらご案内とさせていただきます。▽他の医療相談サービスでは規約に含まれていない「コンテンツ」を定義した目的を教えてください。また、コンテンツの再頒布はどのような事例を念頭に置いてのことかを具体例をお教えください。回答おそらく指摘いただいているものと思われる規定は、いわゆるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の取扱いに係るものであり、一般的な規定と考えます。現に、他社の同種サービスの規約にもUGCの取扱に係る規定があることはご指摘を受けて確認しておりますので、貴社にて改めてご確認ください。なお、繰り返しになりますが、コンテンツの利用に係る規定は、ご指摘の規定以外にもプライバシーポリシー等に従う必要があり、弊社がコンテンツを自由に扱うことを目的としたものとはならないため、ご留意ください。*注:LINEのPR室によるとUGCのユーザーに医師は該当していないとのこと▽「令和2年度補正遠隔健康相談体制強化事業」として税金補助を受けており、「オンライン遠隔健康相談サービス」において、主導的な役割を果たす立場でありながら、「回答は一般的なアドバイスであること」や「診断・治療行為ではないこと」を発見性が低い、ページ下部に表記することなど、消費者の有利誤認を誘うようなサービスデザインを行っていることについて、企業姿勢としてどのようにお考えでしょうか?回答本件につきましては、利用いただく際に誤認が生じないよう、利用開始時冒頭に注意事項の情報が必ず表示されるようになっております。残念ながら個人的なもやもや感はこの2回目の回答を受けても解消されてはいない。結局、最終的には遠隔(オンライン)健康相談そのものについても厚労省による指針作成が必要になるということだろうか?

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コロナ禍、がん診断の遅れで5年後がん死増加の恐れ/Lancet Oncol

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、がん死に影響するとの報告が英国から寄せられた。同国ではCOVID-19のパンデミックにより2020年3月に全国的なロックダウンが導入されて以降、がん検診は中断、定期的な診断・診療も延期され、緊急性の高い症候性患者のみに対して診断・治療が行われているという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のCamille Maringe氏らは、診断の遅れが主ながん患者の生存率にどのような影響を及ぼすのかモデリング研究にて検討し、回避可能ながん死が相当数増加すると予想されることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「緊急の政策介入が必要である。とくに、COVID-19パンデミックのがん患者への影響を軽減するため、定期的な診断サービスの確保を管理する必要がある」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年7月20日号掲載の報告。コロナ禍の診断遅延によるがんの5年間の追加死亡は3,291~3,621例 研究グループは、英国の国民保健サービス(NHS)のがん登録および病院管理データを用い、2010年1月1日~12月31日の間に乳がん、大腸がんまたは食道がんと診断され2014年12月31日までの追跡データがある、または、2012年1月1日~12月31日の間に肺がんと診断され2015年12月31日までの追跡データがある15~84歳の患者を特定し、物理的距離を確保する対策が開始された2020年3月16日から1年間の診断遅延が及ぼす影響について解析した。 診断遅延の生存に対する2次的影響をモデル化するため、通常のスクリーニングと紹介の経路での患者を、診断時の病期がより進行していることと関連する緊急経路に割り当て、最良から最悪まで3つのシナリオについて、診断後1、3、5年時点でのがんに起因する追加死亡および全損失生存年数(YLL)を算出し、パンデミック前のデータと比較した。 コロナ禍の診断遅延による診断後1、3、5年時点でのがんに起因する追加死亡を算出した主な結果は以下のとおり。・乳がん患者3万2,583例、大腸がん患者2万4,975例、食道がん患者6,744例、肺がん患者2万9,305例が解析に組み込まれた。・乳がんでは、診断後5年時までの乳がん死が7.9~9.6%(追加死亡相当で281例[95%信頼区間[CI]:266~295]~344例[329~358])増加すると推定された。・同様に、診断後5年時までの大腸がん死は15.3~16.6%(追加死亡1,445例[95%CI:1,392~1,591]~1,563例[1,534~1,592])、肺がん死は4.8~5.3%(追加死亡1,235例[1,220~1,254]~1,372例[1,343~1,401])、食道がん死は5.8~6.0%(追加死亡330例[324~335]~342例[336~348])、それぞれ増加すると推定された。・これら4種のがんについての5年間の追加死亡は、3つのシナリオ全体で3,291~3,621例であり、追加YLLは5万9,204~6万3,229年と推定された。

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新型コロナ、無症状者のウイルス排出量と臨床経過

 無症状の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者の臨床経過とウイルス量に関する情報は少ない。今回、韓国・天安の地域治療センターに隔離されたSARS-CoV-2感染者のコホート研究で、感染者のウイルス排出を定量的に調べたところ、多くの感染者が長期間無症状で、無症状者のウイルス量は有症状者と同等であることが示唆された。報告した韓国・Soonchunhyang University Seoul HospitalのSeungjae Lee氏らは、この結果から「SARS-CoV-2の蔓延を防ぐために、無症状感染者の隔離が必要」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2020年8月6日号に掲載。新型コロナの無症状患者の下気道検体でのウイルス量は有症状患者よりもゆっくり減少 本研究は、2020年3月6日~26日にSARS-CoV-2感染が認められ、韓国・天安の地域治療センターで隔離された無症状または有症状の303例を対象とした後ろ向き研究である。著者らは、人口統計学的特性、併存症、症状に関するデータとSARS-CoV-2の逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査の結果を収集し分析した。隔離の終了については、上気道検体(鼻咽頭および中咽頭スワブ)と下気道検体(喀痰)のRT-PCR検査の結果に基づき、隔離から8、9、15、16日目に決定した。医師の裁量で10、17、18、19日目に上気道または下気道検体のRT-PCR検査を行った。RT-PCR検査におけるCycle threshold(Ct)値を無症状患者と有症状患者の両方で測定した。 無症状または有症状の新型コロナ感染者のウイルス排出を定量的に調べた主な結果は以下のとおり。 ・SARS-CoV-2感染者303例のうち、年齢中央値(四分位範囲)は25(22~36)歳、女性が201例(66.3%)であった。・併存症を有する感染者は12例(3.9%)で、高血圧10例、がん1例、喘息1例であった。・SARS-CoV-2感染者303例のうち193例(63.7%)は隔離時に症状があった。・無症状患者110例(36.3%)のうち21例(19.1%)が隔離中に症状が出現した。これらの患者におけるSARS-CoV-2検出から発症までの期間の中央値(四分位範囲)は15(13~20)日であった。・診断から14日目と21日目に陰性になった感染者の割合は、無症状患者ではそれぞれ33.7%と75.2%、有症状患者(隔離中に発症した患者を含む)ではそれぞれ29.6%と69.9%であった。・診断から最初に陰性となるまでの中央値(SE)は、無症状患者で17(1.07)日、有症状患者で19.5(0.63)日であった(p=0.07)。・下気道検体のエンベロープ(env)遺伝子のCt値から、無症状患者における診断から退院までのウイルス量は、有症状患者(隔離中に発症した患者を含む)よりもゆっくり減少する傾向があることが示された(β=-0.065[SE:0.023]、p=0.005)。

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オンライン学会に参加した【Dr. 中島の 新・徒然草】(336)

三百三十六の段 オンライン学会に参加した新型コロナの流行でオンライン学会が主流となっています。そんな中、私もオンライン学会に出席したので、その経験と感想を述べたいと思います。学会参加の方法は以下の通り。あらかじめ学会参加費を支払って登録しておく開催前日に学会ホームページにログインし、動作を確認する本番で再びログインし、聴きたい演題を選んで「視聴開始」ボタンを押す各セッションが終わるごとに「視聴終了」ボタンを押す1つのセッションを見るごとに1単位のクレジットが付く実際に経験すると、ネットを使った学会のメリットとしては以下の点がありました。遠くの会場に行かなくていい自室で視聴しながら単純作業ができて雑用も片付く→逆に、現地会場にいると身の置き場のない時間ができてしまう→2、3日でも病院を留守にすると仕事が溜まっている自宅で寝転んでスマホで見ることもできる(演者の先生方、どうもすみません)大画面ゆえスライドがよく見えるなぜか現地参加で聴かないような演題を見てしまう。これが結構面白かったといったところで、オンライン学会の良いところはいろいろありました。いつもよりどっぷり参加したくらいです。一方、オンラインのデメリットとしてはセッション間の時間が全くなかったのでトイレに行けないシステムの動作の不安定さゆえ「視聴開始」「視聴終了」のボタンを何度も押してしまった病院で視聴しているときにも院内PHSが鳴る→オンライン参加であっても学会出張扱いにしてPHSを切っておくべし結論としては、メリットがデメリットをはるかに上回る気がします。コロナが去ってもオンライン参加のオプションは残しておいて欲しいところ。もちろん現地参加と好きなほうを選択できれば最高ですね。最後に1句ネットなら 学会出席 疲れません

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コロナショック後は、「タダ株」戦略で丸儲け!?【医師のためのお金の話】第35回

2020年2月から株式市場で始まったコロナショックは、3月23日に大底を迎えました。この1ヵ月間の恐ろしいほどの暴落に対して、果敢に買い向かった方も多かったことでしょう。私も神経をすり減らしながら、1ヵ月にわたる長丁場を戦い抜きました。参考:第31回 新型コロナショックで株暴落!投資家はどう立ち向かうべき?ここで勝負できた人は大きな果実を得たわけですが、今後の投資方針については少し考えたほうがよいと思います。つまり、そのまま保有し続けるのか、売却して利益を確定するのか、はたまた一部だけ売却するのか、などの出口戦略を立てる必要があります。株式投資の成果は出口戦略次第で大きく変わります。株式市場が比較的安定している今だからこそ、一度立ち返って、自分の投資方針について考えてみましょう。成長株vs.割安株、ここ10年は成長株が優勢株式銘柄の分類方法はいくつもあります。代表的なものは、「成長株」と「割安株」に分ける考え方でしょう。成長株はグロース株とも呼ばれており、成長産業の銘柄や、高い成長性のために長期間にわたって株価が上昇している銘柄を指します。株式市場における花形的銘柄が多く、その代表は米国株のGAFA*です。これらの銘柄を所有していると、企業の成長に伴って株価が上昇するので、面白いほど利益を得ることができます。多くの投資家は成長株を選好するため、割高に評価されることが特徴です。一方、割安株はバリュー株とも呼ばれており、本来の企業価値と比べて過小に評価されている銘柄です。株価が割安に放置されている理由はさまざまですが、業界の成長性が低い場合や、業績面・財務面の問題を抱えているケースが多いです。投資家に人気がないために割安に甘んじているわけですが、経営戦略の変更などで注目されると本来の価値が再評価されることもあります。もともと低評価なので、株価の下値が限定的であることが魅力です。成長株と割安株で分類した場合、最近の10年は成長株への投資が優勢でした。世界的に有名な米国の投資家、ウォーレン・バフェット氏の成績が低迷している理由は、割安株のパフォーマンスが悪かったことに起因しているといわれています。*IT業界において支配的な力を持つGoogle、Amazon、Facebook、Appleの総称堅実な「ストック型」の収益構造を持つ銘柄を厳選このように紹介してきましたが、実は私自身は、成長株や割安株という分類で投資方針を決定していません。私が投資対象としているのは、割安株の中でもストック型の収益構造を持つ銘柄群です。ストック型の収益構造とは、電気やガス、携帯電話、新聞などのように、一旦契約すると安定的で長期的な収入に結び付くビジネスモデルです。大きな成長は見込みにくいものの、急激に売り上げが減少する可能性が低いため、破綻の危険性がきわめて低いことが特徴です。株式投資において、銘柄の破綻リスクを考慮しなくてよいことは非常に大きなアドバンテージです。今回のコロナショックでは、オンライン診療のメドレー(4480)や米国のZoom(ZM)が高騰しました。これらの銘柄は成長株ですが、ビジネスモデルはストック型の収益構造です*。しかし、私はこれらの銘柄を投資対象としていません。その理由は、これらの企業は「無形資産」をベースにしているからです。無形資産とは、特許、商標、技術などの「物的な実態」が存在しない資産のことです。無形資産の特徴は「サンクコスト(埋没コスト)」が高いことにあります。サンクコストが高い理由は、商標や技術などの無形資産は時価で売却することが難しいからです。不動産や鉱山などの有形資産は時価で売却できるため、投資資金の回収が容易であることと対照的です。*メドレーの収益の大部分は人材仲介事業ですが、ここでは株価上昇の理由であるオンライン診療事業にスポットを当てています。無形資産株は「タダ株」戦略を!無形資産にはサンクコストが高いこと以外にも、「スピルオーバー」といって自社技術が簡単に外部へ漏出してしまう特徴があります。ビジネスモデルとして成功していても、技術的に模倣できないことはほとんどありません。このため、無形資産がベースの企業は常に競争にさらされており、長期間生存することが難しくなります。今現在、隆盛を誇るZoomといえども、10年後に存在している可能性は高くないと考えています。無形資産をベースにした銘柄は不安定なので、確実に収益を確保するには投資資金を回収しておく必要があります。そのための手段の1つが「タダ株戦略」です。タダ株戦略とは、「株価が2倍になったときに手持ち株式の半分を売却する」という投資戦略で、成功すれば投資資金をすべて回収できる手法です。手元に残った半分の株は、文字通りタダで手に入れたことになります。このようにして投資資金を回収することで、確実に収益を積み上げていきます。今回のコロナショックで株式市場に開いたチャンスをつかんだ人は多いことでしょう。しかし、出口戦略で失敗すると、せっかくつかんだチャンスもふいになります。出口戦略で思い悩んでいる人は、自分が勝負した銘柄が有形資産・無形資産のどちらをベースにしているのかを確認し、成功率の高い出口戦略を検討しましょう。

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第19回 医療倫理なおざりに?政治主導の「大阪発ワクチン」開発は「人体実験」との批判

新型コロナウイルス対策を巡り、その決断力と実行力がたびたび称賛されてきた吉村 洋文・大阪府知事だが、ここに来て迷走気味である。先日、ヨウ素系うがい薬の推奨で品薄状態を招いたのは記憶に新しいが、6月に発表したワクチン開発を巡り、臨床試験を医療従事者対象に実施すると発言。医療従事者からは「人権侵害」「人体実験」との批判の声が相次いだのだ。吉村知事は8月4日の記者会見で、「うがい薬でうがいをすると、新型コロナの陽性者が減っていくのではないかという研究結果が出た」と述べ、20日までを強化月間として、ポビドンヨード液を使ってうがいするように呼び掛けた。会見の直後から、各地の店舗で当該製品の売り切れが続出し、ネットでは高額転売も見られた。これに対し、日本医師会の中川 俊男会長は「エビデンスとして十分ではない」と批判。大阪府保険医協会は「ポビドンヨードを使い過ぎると、かえって甲状腺機能を低下させる。感染予防には水うがいのほうが優れている」と懸念を示した。また、大阪府・市や大阪大、医療ベンチャー企業などが連携して開発を進めている「大阪発ワクチン」を巡っては、6月17日の記者会見で「今月末に大阪市立大学医学部附属病院の医療従事者に、まずは20~30例に投与予定」と話した。知事だけではない。その前日、16日には松井 一郎・大阪市長も同様の発言をしている。18日には、ワクチン開発に携わる森下 竜一・大阪大学寄附講座教授が日本抗加齢医学会のWEBメディアセミナーで、「秋に大阪大学医学部附属病院でも医療従事者を対象とした400人規模の臨床試験を実施する予定」と述べた。これに対し、医療従事者からは「病院の職員に検査を強制する人権侵害ではないか」といった批判や、「人体実験にならないか」との指摘が出ている。大阪府保険医協会は7月25日、吉村知事らの発言に対し声明を発表。最も問題視したのは「知事および市長が治験開始を発表した6月16、17日には、まだ大阪市立大学の審査委員会は開かれていなかった」ことだ。治験は、医薬品医療機器総合機構が調査を行った上で、実施医療機関の審査委員会による審査・承認を経なければスタートできない。専門家が誰からの干渉も受けず、効果と安全性を客観的、科学的に検証する必要がある。にもかかわらず、「治験を行う大阪市立大学の審査の1週間も前に知事や市長が公表したことは、厳正であるべき医薬品審査の手続きを完全に無視する非常に危険な行為である」と同協会は指摘。さらに、市大に予算や人事で大きな影響力を持つ知事や市長が先んじて公表することにより、「審査側が治験を認める方向に進むのは避けられず、本来指摘されるべき危険性が見逃されてしまう可能性もある」と懸念している。政治主導で推し進められている感のある「大阪発ワクチン」の開発。ワクチン自体、実現すれば大きな希望になることは間違いないが、あくまで政治家である吉村・松井両氏の胸の内にあるのは医療倫理よりも功名心なのではなかろうか。

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COVID-19罹患の精神疾患患者に対する推奨治療

 精神疾患患者における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のマネジメントでは、とくに薬物相互作用に関して、いくつかの課題がある。スペイン・バルセロナ大学のG. Anmella氏らは、COVID-19に罹患した精神疾患患者に関する代表的な3つのケースと、既知の文献およびコンサルテーション・リエゾン精神科の専門家チームの臨床経験に基づいた実践的なアプローチの報告を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年9月1日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・ロピナビル・リトナビル治療を受けている患者の場合には、継続中の精神薬理学的治療が優先されるべきであり、多くの薬剤においてその投与量は25~50%減量すべきである。例外として、クエチアピン、アセナピン、オランザピン、セルトラリン、ラモトリギン、bupropion、メサドンなどが挙げられる。・精神薬理学的治療の通常の投与量が低~中程度の範囲にある場合には、COVID-19治療薬併用中の用量変更は推奨されない。ただし、必要に応じてECG、副作用および薬物レベルの臨床モニタリングのみ推奨される。・精神薬理学的治療を開始する場合には、心毒性の相互作用の有無をECGでモニタリングしながら漸増しなければならない。(A)興奮性せん妄に対しては、第1選択の抗精神病薬としてオランザピンが推奨され、クエチアピンは避けるべきである。(B)重度の精神疾患に対しては、基本的な治療を維持する必要がある。(C)抑うつ/不安症状を有する重度でない精神疾患に対しては、心理的サポートを実施し、症状を特定したうえで治療を行う必要がある。 著者らは「薬理学的相互作用に関する推奨事項は、限られた定性的なアプローチのみを提供している」としながらも、「COVID-19に罹患した精神疾患患者は、いくつかの臨床基準を考慮し個別にマネジメントするべきであり、COVID-19治療の対象から除外すべきではない。薬理学的相互作用のリスクは絶対的ではなく、状況に応じて対応する必要がある。ほとんどの精神薬理学的治療では、QTc間隔にとくに注意し、ECGを検討すべきである」としている。

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