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手洗い、マスクは、呼吸器系ウイルス感染の拡大防止に有効

 鳥インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)などのウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対する社会的な関心が高まっている。Cochrane Vaccines Field所属の研究者である Tom Jefferson氏(イタリア、アレッサンドリア)らは、呼吸器系ウイルスの拡大を防止する物理的介入法の効果に関するエビデンスを系統的にレビューし、パンデミックへの備えとしての手洗いやマスクの着用など簡便で低コストの方法の有用性を明らかにした。BMJ誌2008年1月12日号(オンライン版2007年11月27日号)掲載の報告。呼吸器系ウイルス伝搬の予防法に関する49論文をレビュー データベースの検索により、呼吸器系ウイルス伝搬の予防法[発病者の隔離(isolation)、曝露者の隔離(quarantine)、社会的接触の低減化(social distancing)、防御法、個人的防護、衛生管理]に関する無作為化試験、コホート試験、症例対照試験などの文献を抽出した。 51試験に関する49の論文についてレビューを行った。試験の質は、3つの無作為化試験およびほとんどのクラスター無作為化対照比較試験で低く、観察試験にはばらつきがみられた。低コストの物理的な防御法が有効、優先度を上げるべき もっとも質の高いクラスター無作為化試験では、低年齢の小児を対象とした衛生処置による介入が呼吸器系ウイルスの伝搬を予防することが示唆された。また、6つの症例対照試験のメタ解析により、SARSの拡大の予防には次の6つの物理的対策が高い効果を示した。 1日10回以上の手洗い[オッズ比(OR):0.45、1感染の予防に要する治療例数(NNT):4]、マスクの着用(0.32、6)、微粒子用N95マスクの着用(0.09、3)、手袋の着用(0.43、5)、防護用ガウンの着用(0.23、5)、手洗い・マスク・手袋・ガウンの併用(0.09、3)。 通常の手洗いに抗ウイルス薬、抗菌薬を併用した場合の相加的効果は不明であり、スクリーニングや社会的接触の低減化(学校閉鎖、公共の場への集合禁止)などの総合対策については適切な評価法がないため確固たる結論には至っていない。Jefferson氏は、「呼吸器系ウイルス感染の拡大を防止するには、とくに手洗い、マスク着用などの低コストの物理的な防御法が有効と考えられる」と結論し、「これらの方法はパンデミックへの備えとしてもっと高く評価すべきであり、優先度を上げる必要がある」と指摘している。

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ロセフィン、小児も1日1回の投与が可能に

中外製薬は抗生物質「ロセフィン」が小児1日1回投与の用法を追加取得したと発表した。成人に対しては1日1回投与が認められているがが、これまで小児には朝晩の2回投与する必要があった。そのため、入院が中心となっていたが、小児においても成人と同様に外来による抗菌薬静注療法(OPAT:Outpatient Parenteral Antimicrobial Therapy)が可能となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp?documentId=doc_10327&lang=ja

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小児の反復性UTIに抗菌薬予防投与は効果なし

小児の反復性尿路感染(UTI)の危険因子と、抗菌薬の予防投与の有益性に関する十分な証拠は得られていない。そのためアメリカ・ペンシルベニア大学のPatrick H. Conway氏らのグループは、小児科プライマリ・ケア・コホートで反復性UTIの危険因子を同定すること、また抗菌薬の予防投与と反復性UTIとの関連性を評価すること、さらに反復性UTIに見られる耐性の危険因子を同定することを目的にtime-to-event解析を行った。本研究報告はJAMA誌7月11日号に掲載された。約7万5,000例を対象にtime-to-event解析を実施研究対象は、フィラデルフィア子供病院で管理されるelectronic health record(EHR)を共有する3つの州(デラウェア、ニュージャージー、ペンシルベニア)に分布する27の小児科プライマリ・ケア診療所のネットワークから集められた。診療所は都市部、郊外、準田園地帯と異なるエリアに点在している。反復性UTIの危険因子、抗菌薬の予防投与と反復性UTIの関連性を評価するためtime-to-event解析法が、また反復性UTI患児における耐性菌感染症の危険因子同定には、ネステッド・ケースコントロール研究が実施された。主要評価項目は、反復性UTIに至る時間と病原体の抗菌薬耐性。抗菌薬予防投与は反復性UTIに効果なく、耐性菌リスクを増大小児74,974例のうち、611例(0.007/人年)で初回UTIを、83例(初回UTI後、0.12%/人年)で反復性UTIが見られた。反復性UTIのリスク増加と関連する因子は、「白人」0.17/人年(ハザード比1.97、95%信頼区間1.22-3.16)、「3~4歳」0.22/人年(2.75、1.37-5.51)、「4~5歳」0.19/人年(2.47、1.19-5.12)、「膀胱尿管逆流(grade IV~V)」0.60/人年(4.38、1.26-15.29)で、「性別」および「膀胱尿管逆流(grade I~III)」は再発リスクとの関連は認められなかった。また抗菌薬の予防投与を行っても反復性UTIリスクは有意に低下せず(1.01、0.50-2.02)、むしろ抗菌薬耐性菌をもたらす危険因子の一つとなっていた(7.50、1.60-35.17)。このことからConway氏らは、「小児へのUTIに対する抗菌薬予防投与は、反復性UTIのリスクを減らすどころか、耐性菌感染症のリスクを増加させる」と結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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