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魚をよく食べるほど、うつ病予防に:日医大

 うつ病は、職場の心理社会的因子によって影響されることから、レジリエンス(逆境に直面してストレスに対処する能力)を高めることがうつ病の予防に重要と考えられる。長鎖n-3系多価不飽和脂肪酸(LC n-3 PUFA)を多く含む魚の摂取がうつ病を予防することが示唆されているが、日本医科大学多摩永山病院の吉川 栄省氏らは、横断研究を行い、魚の摂取がうつ病に対するレジリエンスと関連している可能性があることを明らかにした。「今後、うつ病へのレジリエンスに対するLC n-3 PUFAの予防的効果を無作為化二重盲検プラセボ対照比較介入試験で、さらに検討する必要がある」とまとめている。Lipids In Health And Disease誌2015年5月26日号の掲載報告。 本研究には、某大企業の3つの職場で働く日本人社員527人が参加した。うつ症状をうつ病自己評価尺度(CES-D)、レジリエンスを14-item Resilience Scale(RS-14)にて評価するとともに、魚の摂取頻度は自己記入式食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて調査した。Baron and Kennyの定義による統計解析の方法に従って回帰分析を行い、レジリエンスの間接的な関連性はブートストラップ法で算出した。 結果は以下のとおり。・魚の摂取頻度とCES-D合計スコアとの関連は有意であった(B=-0.94、p=0.011)。・魚の摂取頻度とRS-14合計スコアとの関連は有意であった(B=1.4、p=0.010)。・RS-14合計スコアとCES-D合計スコアとの関連も有意であった(B=-0.34、p<0.001)。・RS-14合計スコアで調整した場合、魚の摂取頻度とCES-D合計スコアとの間に有意な関連はみられなかった。・ブートストラップ法により、RS-14合計スコアを介して魚の摂取頻度とCES-D合計スコアが間接的に有意な関係にあることが示された(BCa信頼区間:-0.83~-0.13;95%信頼区間)。関連医療ニュース うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 うつ病患者で重要な食事指導のポイント 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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抗精神病薬、日本人の脂質異常症リスク比較:PMDA

 脂質異常症は非定型抗精神病薬の有害事象としてよく知られているが、各非定型抗精神病薬のリスクを定量的に比較した研究は少ない。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の竹内 由則氏らは、連続した疫学調査を用い、日本で承認されている非定型抗精神病薬の使用に関連する脂質異常症のリスクを比較評価した。Drug safety誌オンライン版2015年5月23日号の報告。 研究グループは、日本で承認されている9種類の非定型抗精神病薬(リスペリドン、パリペリドン、ペロスピロン塩酸塩、ブロナンセリン、クロザピン、オランザピン、フマル酸クエチアピン、アリピプラゾール、ゾテピン)を分析するために、健康保険請求データを用い、sequence symmetry analysis (SSA)を行った。曝露群は、非定型抗精神病薬と脂質異常症治療薬の両方が投与された患者の調剤記録より検出した。調剤パターンの時間的傾向で調整し、個々のおよびすべての非定型抗精神病薬の調整順序比(ASR)と95%CIを計算した。 主な結果は以下のとおり。・オランザピンのみが、脂質異常症の発症増加と有意に関連していた(ASR 1.56、95%信頼区間[CI]:1.25~1.95)。・リスペリドン(1.01、95%CI:0.80~1.27)、ペロスピロン塩酸塩(0.93、95%CI:0.63~1.39)、ブロナンセリン(0.83、95%CI:0.52~1.33)、フマル酸クエチアピン(0.93、95%CI:0.73~1.18)、アリピプラゾール(1.02、95%CI:0.82~1.26)のASRは約1.0であった。・パリペリドンとゾテピンは、サンプルサイズが小さいため、不安定な推定値(wide Cls)であった。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学 オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症発症予測に喫煙が関連

 米国バージニア・コモンウェルス大学のKenneth S. Kendler氏らは、喫煙と将来の統合失調症または非感情性精神病リスクとの関連を明らかにするため、スウェーデンの出生および徴兵登録より収集したデータを検討した。その結果、喫煙が統合失調症の将来リスクを予測しうることを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年6月5日号の掲載報告。 研究グループは、スウェーデンの出生および徴兵登録より収集した女性141万3,849例、男性23万3,879例の喫煙状態を基に、統合失調症あるいは非感情性精神病の診断に対する将来リスクを予測した。予測に際しては、Cox比例ハザードおよび相関コントロールモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・喫煙評価時の平均年齢は、女性27歳、男性18歳であり、追跡終了時の平均年齢は女性46歳、男性26歳であった。・統合失調症初発に対するハザード比は、軽度喫煙群[女性2.21(95%信頼区間[CI]:1.90~2.56)、男性2.15(同:1.25~3.44)]、重度喫煙群[女性3.45(同:2.95~4.03)、男性3.80(同:1.19~6.60)]のいずれにおいても増大がみられた。・喫煙評価打ち切りから3~5年後に統合失調症の発症を評価した際も、これらハザード比が低下することはなかった。・年齢、社会経済的状況、薬物乱用で調整した後も、ハザード比はどちらのサンプルにおいてもわずかな低下を認めるだけであった。・妊娠後期まで喫煙していた女性は妊娠早期に禁煙した女性に比べ、統合失調症リスクが高かった。・一般集団、親類、異母(異父)兄弟姉妹(half siblings)、両親とも共通の兄弟姉妹(full siblings)において、重度喫煙の状況が異なる場合の非感情性精神病の予測ハザード比はそれぞれ2.67、2.71、2.54、2.18であった。・all relative pairsを用いたモデルによると、喫煙状態の異なる一卵性双生児のうち重度喫煙者の非感情性精神病に対する予測ハザード比は、1.69(95%CI:1.17~2.44)であった。 著者らは、「喫煙と統合失調症発症との関連性は、統合失調症の前駆症状出現期の喫煙開始により生じるものではない。また、明らかに用量反応関連がみられた」と述べた。また、家族形態(父母のうちどちらかが共通の兄弟姉妹など)により非感情性精神病リスクが異なることも明らかになったことを踏まえ、「所見は、喫煙と統合失調症の関係に対するさまざまな病因学的仮説の妥当性を評価するうえで有用と思われる」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 統合失調症のカフェイン依存、喫煙との関連に注意 統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか?

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第21回

第21回:全般性不安障害とパニック障害のアプローチ監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 プライマリケアの場において、原因がはっきりしないさまざまな不安により日常生活に支障を生じている患者を診療する経験があるのではないかと思います。またとくに若い患者たちの中でみることの多いパニック障害もcommonな疾患の1つと思われ、その数は年々増加しているともいわれています。厚労省の調査1)では、何らかの不安障害を有するのは生涯有病率が9.2%であるとされ、全般性不安障害1.8%、パニック障害0.8%という内訳となっています。医療機関を受診する患者ではさらにこの割合が高くなっていると考えられ、臨床では避けて通れない問題となっています。全般性不安障害とパニック障害の正しい評価・アプローチを知ることで患者の不要な受診を減らすことができ、QOLを上げることにつながっていくと考えられます。 タイトル:成人における全般性不安障害とパニック発作の診断、マネジメントDiagnosis and management of generalized anxiety disorder and panic disorder in adults.以下、American Family Physician 2015年5月1日号2)より1. 典型的な病歴と診断基準全般性不安障害(generalized anxiety disorder:GAD)典型的には日常や日々の状況について過度な不安を示し、しばしば睡眠障害や落ち着かなさ、筋緊張、消化器症状、慢性頭痛のような身体症状と関係している。女性であること、未婚、低学歴、不健康であること、生活の中のストレスの存在がリスクと考えられる。発症の年齢の中央値は30歳である。「GAD-7 スコア」は診断ツールと重症度評価としては有用であり、スコアが10点以上の場合では診断における感度・特異度は高い。GAD-7スコアが高いほど、より機能障害と関連してくる。パニック障害(panic disorder:PD)明らかな誘因なく出現する、一時的な予期せぬパニック発作が特徴的である。急激で(典型的には約10分以内でピークに達する)猛烈な恐怖が起こり、少なくともDSM-5の診断基準における4つの身体的・精神的症状を伴うものと定義され、発作を避けるために不適合な方法で行動を変えていくことも診断基準となっている。パニック発作に随伴する最もよくみられる身体症状としては動悸がある。予期せぬ発作が診断の要項であるが、多くのPD患者は既知の誘因への反応が表れることで、パニック発作を予期する。鑑別診断と合併症内科的鑑別:甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、不整脈や閉塞性肺疾患などの心肺疾患、側頭葉てんかんやTIA発作などの神経疾患その他の精神疾患:その他の不安障害、大うつ病性障害、双極性障害物質・薬剤:カフェイン、β2刺激薬、甲状腺ホルモン、鼻粘膜充血除去薬、薬物の離脱作用GADとPDは総じて気分障害、不安障害、または薬物使用などの少なくとも1つの他の精神的疾患を合併している。2. 治療患者教育・指導配慮のある深い傾聴が重要であり、患者教育自体がとくにPDにおいて不安症状を軽減する。また生活の中で症状増悪の誘因となりうるもの(カフェイン、アルコール、ニコチン、食事での誘因、ストレス)を除去し、睡眠の量・質を改善させ、身体的活動を促す。身体的活動は最大心拍数の60%~90%の運動を20分間、週に3回行うことやヨガが推奨される。薬物療法第1選択薬:GADとPDに対してSSRIは一般的に初期治療として考慮される。三環系抗うつ薬(TCA)もGADとPDの両者に対して有効である。PDの治療において、TCAはSSRIと同等の効果を発揮するが、TCAについては副作用(とくに心筋梗塞後や不整脈の既往の患者には致死性不整脈のリスクとなる)に注意を要する。デュロキセチン(商品名:サインバルタ)はGADに対してのみ効果が認められている。buspironeのようなazapirone系の薬剤はGADに対してはプラセボよりも効果があるが、PDには効果がない。bupropionはある患者には不安を惹起するかもしれないとするエビデンスがあり、うつ病の合併や季節性情動障害、禁煙の治療に用いるならば、注意深くモニターしなければならない。使用する薬剤の容量は漸増していかなければならない。通常、薬剤が作用するには時間がかかるため、最大用量に達するまでは少なくとも4週間は投与を続ける。症状改善がみられれば、12ヵ月間は使用すべきである。ベンゾジアゼピン系薬剤は不安の軽減には効果的だが、用量依存性に耐性や鎮静、混乱や死亡率と相関する。抗うつ薬と抗不安薬の併用は迅速に症状から回復してくれる可能性はあるが、長期的な予後は改善しない。高い依存性のリスクと副作用によってベンゾジアゼピンの使用が困難となっている。NICEガイドライン3)では危機的な症状がある間のみ短期間に限り使用を推奨している。中間型から長時間作用型のベンゾジアゼピン系薬剤はより乱用の可能性やリバウンドのリスクは少ない。第2選択薬:GADに対しての第2選択薬として、プレガバリン(商品名:リリカ)とクエチアピン(同:セロクエル)が挙げられるが、PDに対してはその効果が評価されていない。GADに対してプレガバリンはプラセボよりは効果が認められるが、ロラゼパム(同:ワイパックス)と同等の効果は示さない。クエチアピンはGADに対しては効果があるが、体重増加や糖尿病、脂質異常症を含む副作用に注意を要する。ヒドロキシジン(同:アタラックス)はGADの第2選択薬として考慮されるが、PDに対しては効果が低い。作用発現が早いため、速やかな症状改善が得られ、ベンゾジアゼピンが禁忌(薬物乱用の既往のある患者)のときに使用される。精神療法とリラクゼーション療法精神療法は認知行動療法(cognitive behavior therapy:CBT)や応用リラクゼーションのような多くの異なったアプローチがある。精神療法はGADとPDへの薬物療法と同等の効果があり、確立されたCBTの介入はプライマリケアの場では一貫した効果が立証されている。精神療法は効果を判定するには毎週少なくとも8週間は続けるべきである。一連の治療後に、リバウンド症状を認めるのは、精神療法のほうが薬物療法よりも頻度は低い。各人に合わせた治療が必要であり、薬物療法と精神療法を組み合わせることで2年間の再発率が減少する。3. 精神科医への紹介と予防GADとPD患者に対して治療に反応が乏しいとき、非典型的な病歴のもの、重大な精神科的疾患の併発が考慮される場合に、精神科医への紹介が適用となる。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 川上憲人ほか. こころの健康についての疫学調査に関する研究(平成16~18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業). こころの健康についての疫学調査に関する研究,総合研究報告書). 2007. 2) Locke AB, et al. Am Fam Physician. 2015;91:617-624. 3) NICEガイドライン. イギリス国立医療技術評価機構(The National Institute for Health and Care Excellence:NICE).

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精神疾患患者の作業記憶低下機序が解明か

 米国・ピッツバーグ大学/奈良県立医科大学の紀本 創兵氏らは、統合失調症患者における作業記憶低下の分子メカニズムを明らかにするため、グルタミン酸シナプスによる神経伝達制御に関わる初期遺伝子の定量化を試みた。その結果、NARPのメッセンジャーRNA(mRNA)発現量が低下しており、これがパルブアルブミン介在ニューロンへの興奮性入力を低下させ、ガンマアミノ酪酸の合成低下を通して作業記憶低下につながっている可能性を示唆した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年6月3日号の掲載報告。 統合失調症において、作業記憶の欠損が背外側前頭前皮質におけるガンマ振動の発生異常を反映しているようである。ガンマ振動の発生には抑制性パルブアルブミン陽性介在ニューロンの興奮相を要する。このようにガンマ振動は、1つにはパルブアルブミン介在ニューロン上のグルタミン酸受容体シナプスの数に影響されるが、統合失調症におけるグルタミン酸受容体を介したパルブアルブミン介在ニューロンの興奮を制御する分子的要因に関しては、ほとんど知られていなかった。 研究グループは、統合失調症患者において、グルタミン酸シナプスによる神経伝達制御を担う初期遺伝子(NARP、ARC、SGK1)の定量化を行った。統合失調症、双極性障害、うつ病患者、そして十分にマッチさせた健常者(対照)より剖検脳標本(206例)を入手。定量PCR、in situハイブリダイゼーションまたはマイクロアレイ解析を用いて脳組織を検討し、灰白質と層の背外側前頭前皮質における転写レベル、および細胞分解レベルを測定した。検討は、2013年1月1日から2014年11月30日の期間に実施された。NARP、ARC、SGK1のmRNA発現量を統合失調症患者と対照者の標本において比較し、診断特異性は気分障害患者の標本におけるNARP mRNAレベルにより評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・定量PCRにより、対照群と比べて統合失調症患者の標本における。NARP mRNA発現量は25.6%と有意に低値であった(平均[SD]:0.036[0.018] vs 0.049[0.015]、F1,114=21.0、p<0.001)。・一方、ARC値(F1,112=0.93、p=0.34)およびSGK1値(F1,110=2.52、p=0.12)では、対照と統合失調症患者の間で有意な差はみられなかった。・これらの結果はin situハイブリダイゼーション(NARP;統合失調症患者vs.対照者:40.1%の低下、p=0.003)、およびマイクロアレイ解析(NARP;統合失調症患者vs.対照者:3層錐体細胞で12.2%の低下[p=0.11]、5層錐体細胞で14.6%の低下[p=0.001])により裏付けられた。・統合失調症患者の標本において、NARPとGAD67のmRNA値間に正の相関が認められ (r=0.55、p<0.001)、パルブアルブミン介在ニューロンにおけるGAD67 mRNA発現は活動性依存的であった。・またNARP mRNA値も、双極性障害患者の標本(-18.2%、F1,60 =11.39、p=0.001)、うつ病患者の標本(-21.7%;F1,30 = 5.36、p=0.03)において健常対照者に比べ低下しており、精神疾患患者の標本で顕著であった。・3つの診断群において、NARP mRNA値はソマトスタチンmRNAと正の相関を示し(すべてのr≧0.53、すべてのp≦0.02)、その発現は活動依存的であった。関連医療ニュース 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か 精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに  担当者へのご意見箱はこちら

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オピオイド服用中のBZD、過剰摂取死リスク増大/BMJ

 オピオイド鎮痛薬服用中のベンゾジアゼピン系薬投与は、過剰摂取による死亡リスクの増大と用量依存的に関連することが、米国・ブラウン大学のTae Woo Park氏らによる症例コホート研究の結果、報告された。また薬剤種別の検討において、クロナゼパムと比較してtemazepam(国内未承認)の同死亡リスクが低いことも明らかにされた。BMJ誌オンライン版2015年6月10日号掲載の報告より。米国退役軍人を対象に症例コホート研究 研究グループは、退役軍人健康管理局(VHA)2004~2009年のデータを基に、オピオイド鎮痛薬を服用する主として男性の米国退役軍人(VA)を対象に検討を行った。用量、種類、服用スケジュールなどでみたベンゾジアゼピン系薬処方パターンと、過剰摂取による死亡リスクとの関連を調べた。 対象は、オピオイド鎮痛薬服用者で過剰摂取により死亡した全VA(2,400例)と、無作為に抽出したVHAの医療サービスを利用しオピオイド鎮痛薬を投与されているVA(42万386例)であった。 主要評価項目は、あらゆる過剰摂取による死亡(意図的か否かを問わず)、または薬物中毒によるものか判断不能の死亡で、National Death Indexの死亡情報で確認した。過剰摂取死の約半数で同時服用、用量依存にリスク増大 試験期間中、オピオイド鎮痛薬を服用していたVAのうち27%(11万2,069/42万386例)が、ベンゾジアゼピン系薬も服用していた。 過剰摂取による死亡の約半数(1,185/2,400例)が、ベンゾジアゼピン系薬とオピオイドを同時に処方されていた間に発生したものであった。 過剰摂取による死亡リスクは、ベンゾジアゼピン系薬処方歴とともに増大した。補正後ハザード比(HR)は、非処方との比較で、以前の処方歴あり群で2.33(95%信頼区間[CI]:2.05~2.64)、現在処方されている群では3.86(同:3.49~4.26)であった。 また、過剰摂取による死亡リスクは、ベンゾジアゼピン薬の1日用量増加とともに増大した。1日用量が>0~10mgとの比較において、>10~20mgのHRは1.69、>20~30mgは2.34、>30~40mgは2.65、>40mgは3.06であった。 薬剤種別にみると、クロナゼパムとの比較において、temazepamの過剰摂取による死亡リスクが最も低かった(HR:0.63、95%CI:0.48~0.82)。 ベンゾジアゼピン系薬の投与スケジュールと過剰摂取による死亡リスクとの関係はみられなかった。

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抗精神病薬とアディポネクチン低下の関連明らかに

 統合失調症患者における第2世代抗精神病薬(SGA)服用と代謝異常との関連が、イタリア、ミラノ・ビコッカ大学のFrancesco Bartoli氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。所見を踏まえて著者らは、「SGAがアディポネクチンに影響するメカニズムは不明のままだが、心血管疾患ではアディポネクチン低下が関与しており、今回の所見は臨床的に重要な意味を持つ」と述べ、SGAのアディポネクチンへの長期的な影響を評価する経時的検討を行うべきと指摘している。Psychoneuroendocrinology誌2015年6月号の掲載報告。 統合失調症患者は一般集団と比べて、代謝異常の悪影響を受けやすく、そのリスクはSGAによって増大すると考えられている。血中アディポネクチン値の低下は、代謝異常に結び付く可能性があるが、統合失調症患者におけるエビデンス、とくにSGAの影響については結論が出ていない。研究グループは、システマティックレビューとメタ解析にて、統合失調症患者と健康対照の血中アディポネクチン値を比較し、統合失調症とSGAのアディポネクチンへの相対的影響を推算した。主要電子データベースで、2014年6月13日までに公表された観察研究を検索し、指数および対照群とのプール標準化平均差(SMD)を算出。サブ解析および付加的サブグループ分析を行い評価した。 主な結果は以下のとおり。・2,735例のデータ(統合失調症患者群1,013例、非患者群1,722例)を解析に組み込んだ。・統合失調症と、アディポネクチン低値との関連は認められなかった(SMD:-0.28、95%信頼区間[CI]:-0.59~0.04、p=0.09)。・しかし、SGAを服用している統合失調症患者は、対照群と比べて血中アディポネクチン値が有意に低かった(p=0.002)。薬物未使用/未治療の患者とでは有意差はなかった(p=0.52)。・単剤の抗精神病薬でみると、クロザピン(p<0.001)とオランザピン(p=0.04)の服用者は、対照群と比べてアディポネクチン低値との関連が有意であった。しかしリスペリドン服用者においては、関連が有意ではなかった(p=0.88)。関連医療ニュース 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学  担当者へのご意見箱はこちら

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CM「あたらしい英雄、はじまる。」【対人魅力(男性編)】

今回のキーワード心の進化(進化心理学)楽しませ上手(ドパミン)頼られ上手(ノルアドレナリン)聞き上手(セロトニン)同調演技性パーソナリティ自己愛性パーソナリティ「なんで彼はいつもモテるの?」皆さんは、友人や職場の人で「なんで彼はいつもモテるの?」とうらやましく思ったことはありませんか? 世の中には、異性からも同性からもモテる魅力的な人がいます。魅力的である方が、デートのチャンスが増えますし、仕事もやりやすいです。特に精神科や心療内科では、患者がほど良く主治医に好感を持つことで、治療がうまくいくと言われています(陽性転移)。モテる人とモテない人の違いは何でしょうか? 今回は、男性の対人魅力をテーマに、心の進化(進化心理学)の視点からとらえ直します。恋人や夫としての男性の魅力だけでなく、職場の上司や部下としての男性の人間的な魅力にも迫っていきたいと思います。その魅力とは、もちろん見た目や経済力を挙げる方もいるでしょう。しかし、実は、それ以上に大事なことが3つあります。そのヒントが、あるCMにあります。それは、現在ヒットを飛ばしシリーズ化されているauのCM「あたらしい英雄、はじまる。」です。身近な携帯電話のCMに登場するキャラクターは、世の女性からも男性からも好感を持たれる魅力が詰まっているとも言えます。なぜなら、その魅力が直接シェア拡大につながるのですから。今回は、このCMに登場する桃太郎の松田翔太さん、浦島太郎の桐谷健太さん、金太郎の濱田岳さんから、男性の3つの魅力についていっしょに考えていきましょう。楽しませ上手1つ目の魅力は、桃太郎の松田翔太さんにあります。まずは、以下の動画サイトを見てみましょう。画面をクリックしてください。桃太郎は、桃から生まれた時の音を「パッカーン」と言い、それを浦島太郎と金太郎がおもしろがります。桃太郎は求められると繰り返します。話しがうまく、サービス精神旺盛です。3人のリーダー的存在でもあります。1つ目の魅力は、楽しませ上手です。この魅力を発揮するために、男性の方は次のクイズに挑戦しましょう。Q1. 出会いの場でどう振る舞う?A. 自分の良さを知ってもらうために、まず自分のことを話す。B. 相手の話に聞き入り、自分の話はしない。C. 相手の話や興味に合わせて、自分のことを話す。Aは、相手の話を聞き出しておらず、相手といっしょに楽しむ共通の話題が出にくく、話が一方的になっています。Bは、逆に聞くことに徹しています。良さそうにも思えますが、相手がよほどのおしゃべりでなければ、そのうちに会話が続かなくなります。Cは、相手がどんな人かを知ろうとする姿勢があり、さらに相手に合わせていっしょに会話を楽しもうとする姿勢が見受けられます。大事なのは、自分のことを話すこと(自己開示)は、し過ぎず、し足りず、相手に合わせて楽しむことです。よって、答えはCです。Q2. 出会いの場で年齢を聞かれた時にどう答える?A. 「○歳(実年齢)です」と真面目に答える。B. 「いきなり年齢を聞くのは失礼」とはっきり言う。C. 「何歳でしょうねえ」と微笑む。D. 「逆に何歳だと思います?」と切り返す。E. 「17歳です。(間を置いて)気持ちは」と極端に若い年齢をふざけて言う。AとBは、真面目な対応で、会話がはずみません。Cは、年齢を言いたくないことをほのめかしていることは伝わりますが、楽しくはありません。Dは、質問返しで、会話の広がりが期待できます。ただし、この切り返しは使い古されてきています。Eは、相手を楽しませようとするメッセージは伝わります。ウケないならそれはそれで良いという強いハートで臨むことが大切です。なぜなら笑いは伝わらなかったとしても、笑いを届けたいという一生懸命さや誠実さは確実に伝わっています。相手も興味や好意があるからこそ年齢を聞いているわけで、きっと相手から暖かいツッコミやノリツッコミが返って来ることでしょう。大事なのは、いかに会話を楽しめるか、いかに女性に楽しくていっしょにいたいと思わせるかということです。Q3. 彼女が初めて自分の家に来た時に彼女が油断して音を立てておならしてしまったらどうリアクションする?A. 「ところでさあ」と話題を変える。B. 「おならするなよ」とツッコミを入れる。C. 「おならはしょうがないよね」と真面目に言う。D. 「お腹、大丈夫?」と心配する。E. 「おれも同時におならしちゃった」とふざける。F. 「自分の方が大きなおならが出せるよ」と笑顔で言う。Aの気付かないふりは、親密な関係の相手ではないなら有効です。しかし、恋人関係にある場合は、白々しくなってしまい、逆にさらに気まずくなる危険があります。Bの直接的なツッコミは、長い付き合いで関係性が安定しているなら有効です。しかし、付き合い始めの場合は、きつく聞こえてしまう危険があります。そもそも彼女は意図しておならをしたわけではないからです。Cのそのまま受け止めるのは、悪くはないですが、良くもないです。Dの深刻に受け止めるのは、彼女を心配している点は良いですが、大げさで滑稽になってしまい、さらに彼女を恥ずかしい思いにさせてしまう危険があります。EやFは、自分もおならをするので同類だというメッセージを笑いに込めて伝えています。彼女の恥ずかしさは、その笑いで吹き飛ばされており、とても好感が持たれます。大事なのは、いかに彼女の恥ずかしい気持ちを和らげることができるか、いかに楽しい状況に変えることができるかということです。おなら1つへのリアクションで、2人の距離が縮まるか離れるかが分かれてきます。楽しませ上手が考えることは、「自分が彼女をどう思うか」ではなく、「彼女が自分をどう思うか」「彼女が自分にどう思われたいか」ということです。察する賢さ、読める賢さです。そのためには彼女(もっと言えば女性)は何が好きで何が嫌いかを徹底的に知っておく必要があります。なぜ楽しませ上手はモテるのか?そもそも女性は、楽しませ上手な男性を本能的に選ぶ傾向があります。これを心の進化(進化心理学)の歴史からひも解いてみましょう。私たち人間の体は環境に適応するために進化してきました。同じように、私たち人間の心も進化してきました。その適応してきた環境とは、狩猟採集生活を営んでいた原始の時代です。その始まりは、チンパンジーと共通の祖先から私たちの祖先が二足歩行をして分かれていった700万年前です。農耕牧畜から始まる現代の文明社会は、たかだか1万数千年の歴史であり、進化が追い着くにはあまりにも短いと言えます。つまり、進化心理学的に考えると、私たちの心の原型は、まさにこの原始の時代に形作られました。原始の時代、人間は、二足歩行が可能になったことで、手が自由になり、より食料を運ぶことができるようになりました。そこで、男性(父親)は日々食糧を確保し、女性(母親)は日々子育てをするというふうに、性別で役割を分担して、家族集団で共同生活を行いました。そして、この生活スタイルをとった種がより生き残りました。生き残った子孫が現在の私たちです。つまり、私たちは男性も女性も、いっしょに助け合って生きていこうとする協力的な異性を魅力的に感じる好み(嗜好性)が進化しているということです(性選択)。そして、女性から男性を見定める目安(形質)の1つが楽しませること、つまりお笑い(ユーモア)なのです。そのユーモアのセンスが存分に発揮される現代の職業は何でしょうか? それは、お笑い芸人です。お笑い芸人が女性にモテるのも納得がいきます。実際にユーモアのある男性はより魅力的であるという心理実験の結果が出ています。また、女性を楽しませる延長として、あえてお願いごとをするという方法があります。例えば、男性が、自分はファッションのセンスに自信がないからいっしょに服を見つけてほしいと女性にお願いするのです。特にしっかり者の女性は自分が役に立てる喜びを感じるので、効果的です。楽しませ上手すぎると? ―表1それでは、楽しませ上手であればあるほど良いのでしょうか? そうとも言えないです。相手(周り)に合わせる心理は、協調性や共感性がある反面、度がすぎると、空気ばかり読むイエスマンとなり、相手(周り)に流されやすくなってしまいます(同調)。また、ノリが良く、ほめ上手で、演出がうまい反面、度がすぎると、表裏が激しく嘘つきになり媚びてばかりで薄っぺらく中身がなくなってしまいます(演技性パーソナリティ)。また、楽しませ上手だけであれば良いのでしょうか? そうとも言えないです。楽しませ上手は、女性を楽しくさせますが、それはあくまで最初に有効なだけです。表面的で中身がなければ、魅力は維持できません。それでは、その中身とは何でしょうか? その男性を魅力的にさせ続けるために必要な要素が、あと2つあります。表1 楽しませ上手の二面性マイナス面プラス面イエスマン相手(周り)に流されやすい協調性共感性嘘つき、媚びる薄っぺらい、中身がないノリが良い、ほめ上手演出がうまい頼られ上手2つ目の魅力は、浦島太郎の桐谷健太さんにあります。まずは、以下の動画サイトを見てみましょう。画面をクリックしてください。桃太郎の話に感動して泣き出す金太郎に、浦島太郎は「泣くな、金ちゃん!強い男になるんでしょ!」と励まします。また、別バージョンでは、「えっ、泣くほど」と強いツッコミを入れています。シリーズ全体を通して、浦島太郎は、天然ボケ(こだわり)もありつつ、グイグイ引っ張る力強いイメージがあります。2つ目の魅力は、頼られ上手です。この魅力を発揮するために、男性の方は次のクイズに挑戦しましょう。Q4. デートで食事が終わる頃、彼女が自分の分は払うと言っている。あなたはどうする?A. 彼女の言う通りにする。B. 割り勘にする。C. 自分が払うと言う。D. 「今回は自分が払い、次回は倍返しね」とふざけて言う。E. すでに支払いを済ませている。ポイントは、彼女の建て前と本音を読み取ることです。デートはビジネスのミーティングではありません。デートは目的ではなく手段です。デートという手段を通して、あなたはどういう目的があるかということです。その目的とは、あなたにとって彼女は大切であるということを伝えることです。AとBは、本音は払ってほしいという彼女の気持ちを読み取れていないです。Cは良いです。ただ、ひねりがないです。Dは、ひねりも加わり、楽しませ上手でもあります。次回のデートにつながりやすくなります。Eはクールで、これも良いです。ベストは、Dのやり取りをした後、実はEという流れです。大事なのは、お金の損得ではなく、「大事にされている」「頼っても良い」と彼女に思わせることです。Q5. 彼女が友達とトラブルになって困っていると言っている。あなたはどうする?A. 個人的な問題なので立ち入らない。B. 話を聞くことに徹する。C. 「いっしょに付いていこうか」と提案する。ポイントは、味方になって彼女を守りたいというメッセージを伝えることです。Aは、及び腰、逃げ腰です。Bは、味方ではあるのですが、頼りなさそうです。Cは、積極的であり頼もしいです。大事なのは、いざと言う時に頼りになるかということです。頼られ上手が考えることは、「自分が彼女に何をしてあげたいか」ではなく、「彼女が自分に何をしてもらいたいか」ということです。そのためにはどんな助けをすれば彼女(もっと言えば女性)が喜ぶか安心するかを徹底的に知っておく必要があります。なぜ頼られ上手はモテるのか?そもそも女性は、頼られ上手な男性を本能的に選ぶ傾向があります。これも先ほどの心の進化(進化心理学)から考えてみましょう。原始の時代、女性(母親)は、自分とその子どもたちに食糧を調達する男性(父親)を頼りました。そうする男性をより受け入れました。その子孫が現在の女性たちです。つまり、女性は、自分が頼れる男性を魅力的に感じる好み(嗜好性)が進化しているということです(性選択)。そして、その目安(形質)が頼もしさなのです。その頼もしさが存分に発揮される職業は何でしょうか? それは、アスリートです。アスリートは、誰(何)かと戦っています。その姿は、原始の時代、より多くの獲物を仕留め、猛獣や他の部族からの襲撃に立ち向かう男性に重なります。たくましい肉体美は、原始の時代から体力のある強い男の身体的特徴です。また、敵の裏をかく賢さや強気な性格は、「心の体力」(レジリエンス)のある強い男の心理的特徴です。アスリートが女性にモテるのも納得がいきます。広げて考えれば、経済力もまた頼もしさの目安と言えます。頼られ上手すぎると? ―表2それでは、頼られ上手であればあるほど良いのでしょうか? 頼られ上手だけであれば良いのでしょうか? そうとも言えないです。頼もしさの心理(能力)は、「おれに任せろ」というどっしりした安定感や強い芯(リーダーシップ)がある反面、度がすぎると独りよがり(独善)で一方的(断定)になり、女性の主体性(自己)を奪ってしまいます(自己愛パーソナリティ)。例えば、オラオラ系やモラハラ男です。例えば、先ほどのクイズで、出会いの場で一方的に自分の話をする(Q1のA)、年齢を聞かれたりおならをされたりして緊張が漂う場面で真面目に対応する(Q2のAとB、Q3のB)などは、頼られ上手の要素はありますが、その状況では正解ではないです。また、頼られ上手は、実は男性ホルモンの多さを表しています。つまり、頼られ上手の度がすぎると、浮気性が高まります。それでは、女性の主体性を尊重するにはどうすれば良いでしょうか? そのために必要なことがあと1つあります。表2 頼られ上手の二面性マイナス面プラス面独善断定浮気性安心感リーダーシップ聞き上手3つ目の魅力は、金太郎の濱田岳さんにあります。まずは、以下の動画サイトを見てみましょう。画面をクリックしてください。金太郎は、自分の話でありながら、桃太郎と浦島太郎から意見を引き出し、「ですよね~」と合いの手を入れます。CMのシリーズ全体を通して、金太郎は桃太郎と浦島太郎より一歩引いた立ち位置です。また、さきほどの動画で、金太郎は、桃太郎がキジの家族一人一人にきび団子を分け与えている良い話を聞いて、「家族一人一人・・・」と感動して泣き出していました。相手の話に聞き入り、とても共感的です。3つ目の魅力は、聞き上手です。この魅力を発揮するために、男性の方は次のクイズに挑戦しましょう。Q6. 彼女の母親が緊急入院した。落ち込んでいる彼女にどう声をかける?A. 「もっと大変な人もいるよ」「元気出して」と励ます。B. 「今、何かしたいことある?」と聞き出す。C. 「自分が落ち込んだ時は・・・」と自分の話を聞かせる。D. 「今つらいんだね」と共感する。ポイントは、人生にはどうしようもないことがあること、自分が頼りにならないことがあることを理解していることです。そして、それでも彼女の味方として寄り添うことです。Aは、頼られ上手としてついつい言いそうになります。他人と比べて大したことないと決め付けています(標準化)。しかし、彼女にとっては一大事です。また、彼女なりにすでに元気を出そうとしてがんばっているかもしれません。そんな時に、さらに元気を出せと励ますのは、彼女を追い込むだけになるリスクがあります。医療においては、うつ状態の人に叱咤激励は禁忌です。Bは、楽しませ上手として良さそうです。しかし、この状況では、彼女は落ち込んでいて何もしたくない可能性が高く、愚問です。Cは、彼女に話を聞く心の余裕はない可能性が高く、逆効果です。Dは、共感することで彼女の気持ちに寄り添っています。彼女は、あなたが自分の味方であることを再確認します。大事なのは、彼があなたに心を預けたくなるかということです。Q7. 今日、彼女が仕事でミスをした。八つ当たりする彼女にどう返す?A. 「八つ当たりするなよ」とたしなめる。B. 「ごめん」と言ってとりあえず謝る。C. 「仕事大変だったんだね」と優しく言う。Aは、正論です。しかし、結果的には冷たく彼女を突き放しています。Bは、場合によっては必要ですが、彼女の本心は謝罪を求めているわけではないです。Cは、八つ当たりしているかどうかは置いといて、まず彼女の気持ちを受け止めています。大事なのは、弱っている時、人は感じやすくなるということを理解していることです。そして、繰り返しですが、それでも彼女の味方として寄り添うことです。それには、男の器の大きさが求められます。Q8. あなたの仕事が多忙になり、彼女といっしょにいる時間が減っている。思い詰めた彼女は「仕事と私、どっちが大事なの?」と不安そうに迫ってきた。まず、彼女にどう答える?A. 「今は仕事が大事な時である」と強く説得する。B. 「仕事を減らして会う時間を増やす」と固く約束する。C. 「どうしてそう思うの?」と優しく尋ねる。Aの説得を試みるのは、頼られ上手にありがちです。しかし、彼女の不安な気持ちを受け止めていないです。Bは、彼女の気持ちを汲んで満たそうとしており、一見良さそうです。しかし、果たして仕事を減らすことを彼女は本当に望んでいるのでしょうか? Cは、彼女の気持ちを引き出しています。これが、まずするべきことです。大事なのは、まず彼女の気持ちを受け止めること、彼女の真意は何かに耳を傾ける態度を示すことです。聞き上手が考えることは、「彼女が弱っている時に、自分は彼女に何をして何をしないか」ということです。そのためには彼女(もっと言えば女性)はどうすれば安らぐかを徹底的に知っておく必要があります。なぜ聞き上手はモテるのか?そもそも女性は、聞き上手な男性を本能的に選ぶ傾向があります。これも先ほどの心の進化(進化心理学)から考えてみましょう。原始の時代、子育ては、女性(母親)が主にしていましたが、男性(父親)も助けていました。このように子育てに協力的な男性を女性はより選びました。その子孫が現在の女性たちです。つまり、女性は、子ども(=弱者=弱っている時(退行)の自分)に優しい男性を魅力的に感じる好み(嗜好性)が進化しているということです(性選択)。例えば、イクメンの芸能人の人気は、女性に揺るぎないです。そして、その目安(形質)が話をよく聞くことなのです。なぜなら、話をよく聞く人(グッドリスナー)=理解者=味方になるからです。ちなみに、話をよく聞くための相づちのコツがあります。それは、相手の言葉を繰り返すこと(オウム返し)、言い換えること、まとめること、そして汲み取ること(共感)です。さらに、時々ツッコミを入れれば、楽しませ上手にもなるでしょう。この話をよく聞くことが存分に発揮される職業は何でしょうか? それは、ホストです。ホストクラブに女性がハマるのも納得がいきます。彼らは、女性の話をよく聞きます。聞き上手すぎると? ―表3それでは、聞き上手であればあるほど良いのでしょうか? 聞き上手だけであれば良いのでしょうか? そうとも言えないです。話をよく聞く心理(能力)は、安心感や安全感をもたらしてくれる反面、そればかりだと刺激がなく退屈で、頼りなくなってしまいます。例えば、先ほどのクイズで、出会いの場で話を聞くことに徹する(Q1のB)、自分の年齢を明かさずに微笑むのみ(Q2のC)、彼女のおならを心配する(Q3のD)、トラブルの時に話を聞くことに徹する(Q5のB)などは、聞き上手の要素はありますが、その状況では正解ではないです。また、さきほどの金太郎は、自分にメジャーな話がないと嘆くと、「新しい話を作ろう」と桃太郎と浦島太郎に言い出され、「こんなまさかりなんてやめちゃってさ」と、鉞(まさかり)を囲炉裏の中に入れられてしまい、いじられキャラになっています。表3 聞き上手の二面性マイナス面プラス面刺激がない、退屈頼りないいじられやすい安心感安全感男性の対人魅力とは? ―バランスとギアチェンジこれまで、恋人や夫としての男性の魅力(対人魅力)の要素が、楽しませ上手、頼られ上手、聞き上手であることを明らかにしてきました。それぞれの上手は、脳内の3つの代表的な神経伝達物質に重なります。お笑い(ユーモア)は楽しさであるドパミン、頼もしさは強さであるノルアドレナリン、そして話をよく聞くことは優しさであるセロトニンです。これらの心理(神経伝達物質)がバランス良く、そしてタイミング良く発揮されていることが心の健康として、そして対人魅力として望ましいと言えます。つまり、ここで大事なことが2つ分かります。1つは、どの上手を高めるかだけでなく、どの上手が足りないかを知ることです。つまり、どの上手でもあるバランスです。そしてもう1つは、自分がどの上手になりたいかではなく、その時の彼女(相手)がどの上手になってほしいかを見極める賢さを持つことです。つまり、どの上手にもなるギアチェンジです。なお、この男性の対人魅力の要素である楽しませ上手(ドパミン)、頼られ上手(ノルアドレナリン)、聞き上手(セロトニン)は、前回にご紹介しました女性の対人魅力の要素である甘え美人(ドパミン)、気配り美人(ノルアドレナリン)、癒し美人(セロトニン)とお互いに影響をし合って進化してきたと言えます(共進化)。職場に生かす対人魅力とは? ―表4さらには、職場の上司や部下としての男性の人間的な魅力も、3つの上手のバランスとギアチェンジからヒントが得られます。例えば男性の上司の場合、勤務時間中は部下たちに指示を的確に出して、リーダーシップを発揮し、部下の失敗を積極的にフォローして、いざと言う時は、自分が責任を取ります(頼られ上手)。一方、休み時間は部下と打ち解けてふざけます(楽しませ上手)。そして、部下が仕事で疲れ切っている時は必ずねぎらい、相談事にはよく耳を傾けます(聞き上手)。また、部下にダメ出しをする時は、自分のタイミングではなく、部下が受け入れられるタイミングを見計らいます。これは、さきほどのクイズで、彼女が弱っている時の対応(Q7)にも通じるもので、人は弱っている時はひがみっぽくなり、指示や忠告を素直に受け入れにくい心理があるからです。つまり、弱っている時のダメ出しは、効果があまり期待できないどころか逆効果になる可能性を理解していることです。このように、男性の対人魅力をより良く知ることは、男性の人間的な魅力を発揮することにもつながります。さらには、男性だけでなく、女性もその心理を知ることで、お互いのより良いコミュニケーションにつながっていくのではないでしょうか?表4 職場に生かす3つの上手 例頼られ上手勤務時間中は部下たちに指示を的確に出して、リーダーシップを発揮する部下の失敗を積極的にフォローして、いざと言う時は、自分が責任を取る楽しませ上手休み時間は部下と打ち解けてふざける聞き上手部下が仕事に疲れ切っている時は必ずねぎらい、相談事にはよく耳を傾ける部下にダメ出しをする時は、自分のタイミングではなく、部下が受け入れられるタイミングを見計らう1)ジャレド・ダイアモンド:人間の性はなぜ奇妙に進化したのか?、草思社、20132)井村裕夫:進化医学、羊土社、20133)山岸俊男監修:社会心理学、新星出版社、2011

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統合失調症への集団精神療法、効果はどの程度か

 統合失調症に対してさまざまな集団精神療法が行われているが、その効果についてはほとんどわかっていない。英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のStavros Orfanos氏らは、集団精神療法の効果を評価するとともに、“集団効果”が治療強度、診断の均一性および治療方針と関連があるかどうかを検討する目的で、システマティックレビューを行った。その結果、統合失調症の治療において集団精神療法は陰性症状や社会的機能を改善しうることが認められ、その効果はさまざまな集団療法でみられ非特異的であることが示唆された。著者らは「将来的には集団療法の有効性のメカニズムを明らかにし、治療効果を最大化する方法を検討すべきである」とまとめている。Psychother Psychosom誌2015年6月号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症患者を対象とした集団精神療法の無作為化比較試験について系統的に検索し、評価項目である症状スコアについてランダム効果モデルを用いたメタ解析を行い、集団精神療法群と通常治療群または偽集団療法群を比較するとともに、社会的機能については所見をまとめ、集団特性に関してメタ回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・34件の無作為化比較試験が本レビューに組み込まれた。・陰性症状の改善は、通常治療と比較した場合のみ集団精神療法が有意に優れていた(標準化平均差[SMD]=-0.37、95%信頼区間:-0.60~-0.14;p<0.01、I2=59.8%)。・大多数の研究において、通常治療と比較した場合の治療成果として、社会的機能の改善が報告されていた。・陰性症状に対する“集団効果”は、“治療強度”と正の関連を示した(β=0.32、標準誤差=0.121、p<0.05)。関連医療ニュース 統合失調症への支持療法と標準的ケア、その差は 統合失調症の社会参加に影響する症状は何か てんかん患者への精神療法、その効果は  担当者へのご意見箱はこちら

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雌との遭遇意欲低下、うつモデルマウス:大阪大学

 大阪大学の吾郷 由希夫氏らは、うつ病を含む精神障害の重要な指標である意欲低下を評価する新たな手段として、雄マウスの雌マウスとの遭遇テストを検討した。その結果、雄マウスのうつ病モデルでは雌マウスとの遭遇を好む傾向が低下すること、この低下はフルボキサミンなどで軽減されることを報告し、本手法が雄マウスの意欲の評価に有用である可能性を報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年5月29日号の掲載報告。 意欲低下は、うつ病を含む精神障害の重要な指標である。研究グループは、マウスにおける報酬探索(reward-seeking)行動の新しい評価法である、雌との遭遇テスト(encounter test)について検討を行った。試験装置はパーテーションで区切られた3つのオープンな部屋で構成され、実験動物は1つの部屋から別の部屋に自由に行き来できるようにした。1匹の試験用の雄マウスはこの装置に前もって慣らしておき、その後、雌マウスと雄マウスを1匹ずつそれぞれ、左と右の部屋に設置した網の箱に入れた。雄のテストマウスが雌のあるいは雄のエリアで費やす時間は10分間とした。 主な結果は以下のとおり。・テストを実施した6系統のマウスすべてにおいて、雌との遭遇を有意に好むという結果を示した。・この嗜好傾向は、生後7~30週のマウスに認められた。・装置に慣らされていた雄のテストマウスのこの傾向は、去勢により阻害された。・また、後から侵入した雌マウスの月経周期のフェーズに影響されることはなかった。・この傾向は単独飼育、コルチコステロン投与、リポ多糖投与マウスを含む、うつ病モデルのマウスにおいて低下した。・示された意欲の低下は、単独飼育およびリポ多糖投与マウスではフルボキサミンの投与により軽減し、コルチコステロン投与マウスでは代謝型グルタミン酸受容体2/3アンタゴニストのLY341495投与により改善した。・雄でなく雌マウスとの遭遇により、雄のテストマウスの側坐核シェル部でのc-Fos発現が増加した。・さらに、この嗜好傾向と、遭遇により誘発されるc-Fos発現増加はどちらもドーパミンD1およびD2受容体アンタゴニストにより遮断された。・以上のように、成熟雄マウスの意欲は、雌との遭遇を定量化することで容易に評価できることが示された。関連医療ニュース うつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大 NIRS、抗うつ効果の予測マーカーとなりうるか:昭和大 学歴とうつ病の関連は、遺伝か、環境か  担当者へのご意見箱はこちら

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双極性障害への非定型抗精神病薬、選択基準は

 米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のKeming Gao氏らは、双極性障害に対する各種非定型抗精神病薬の有効性と安全性について、治療必要数(NNT)または有害事象による治療中止(DAE)という観点でレビューを行った。その結果、FDAに承認されている薬剤においてNNTの差異は小さかったが、DAEに関する有害必要数(NNH)の差異は大きかったことを示した。結果を踏まえて、著者らは「非定型抗精神病薬の選択は安全性および忍容性に基づくべきである」と提言している。Neuroscience Bulletin誌オンライン版2015年5月30日号の掲載報告。 検討は、1980年1月~2014年10月30日にMEDLINEに掲載された英語文献を、抗精神病薬、非定型抗精神病薬の後発医薬品名ならびに先発医薬品名、「双極性うつ/双極性障害」「プラセボ」「治験」をキーワードとして検索した。原著論文より、レスポンスの指標(モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度[MADRS]トータルスコアの改善率が50%以上)、寛解(エンドポイントにおけるMADRSトータルスコアが12点以下または8点以下)、DAE、眠気、7%以上の体重増加、錐体外路症状の副作用(EPS)、アカシジアを抽出した。レスポンス、寛解に対するNNTまたはDAEに対するNNH、あるいはプラセボに関連する他の副作用を予測し、予測値を95%信頼区間と共に算出した。 主な結果は以下のとおり。・レスポンスのNNTはオランザピン単独療法11~12、オランザピンとフルオキセチンの合剤(OFC)4、クエチアピン-IR単独療法7~8、クエチアピン-XR単独療法4、ルラシドン単独療法4~5、ルラシドン併用療法は7であり、プラセボに比べて優れていた。・寛解のNNTはそれぞれ、11~12、4、5~11、7、6~7、6であり、プラセボに比べ優れていた。・OFCとラモトリギン、アリピプラゾールまたはジプラシドンとプラセボとの間に、レスポンスと寛解に関する有意差は認められなかった。・オランザピン単独療法、クエチアピン-IR、クエチアピン-XR、アリピプラゾール、ジプラシドン120~160mg/日は、DAEに関するNNHのリスクが有意に高く、それぞれ24、8~14、9、12、10であった。・眠気に関しては、クエチアピン-XRのNNHが4と最小であった。・7%以上の体重増加に関しては、オランザピン単独療法およびOFCのNNHがいずれも5と最小であった。・アカシジアに関しては、アリピプラゾールのNNHが5と最小であった。・これらの結果から、OFC、クエチアピン-IRと-XR、ルラシドン単独療法および精神安定剤へのルラシドン追加療法など、FDAに承認されている薬剤においてレスポンスおよび寛解に対するNNTの差異は小さいが、DAEや一般的な副作用に対するNNHの差異は大きいことが示された。関連医療ニュース 双極性障害に対する非定型抗精神病薬比較 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 双極性障害、ベンゾジアゼピン系薬の使用実態は

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妊娠後期SSRI使用とPPHNリスクの新エビデンス/JAMA

 妊娠後期の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の使用は、新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)のリスク増大と関連するとのエビデンス報告が寄せられた。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のKrista F. Huybrechts氏らが、全米の妊婦約379万例を対象とした大規模コホート研究において明らかにした。示された所見について著者は、「しかしながら絶対リスクは小さいものだった。またリスク増大は、先行研究での所見ほど大きいものではなかった」とも報告している。妊娠中の抗うつ薬SSRIの使用とPPHNリスクとの関連については、米国FDAが2006年にパブリック・ヘルス・アドバイザリとして「リスク増大の可能性」を発して以降、論争の的となっていた。JAMA誌2015年6月2日号掲載の報告より。全米妊婦378万9,330例を対象にネステッドコホート内研究 本検討で研究グループは、妊娠後期において使用された異なる抗うつ薬とPPHNリスク増大の関連を調べた。46州とワシントンD.C.を対象に2000~2010年のメディケイド分析抽出(Medicaid Analytic eXtract)で被験者を組み込んだネステッドコホート内研究にて行った。最終フォローアップ日は、2010年12月31日。 対象期間中、最終月経日後2ヵ月未満から分娩後1ヵ月までにメディケイドには総計378万9,330例が登録された。 これら全体コホートと、うつ病と診断された女性に限定したコホート(73万9,114例)について、分娩前90日間の抗うつ薬使用者(SSRI使用者、非SSRI使用者)vs.非使用者の、分娩後30日間のPPHN発生記録を調べた。 抗うつ薬使用とPPHNリスク増大の関連を、潜在的交絡因子について段階的に補正した傾向スコアを用いたロジスティック回帰分析法にて評価した。リスクは増大、ただし交絡因子補正後は減弱も 全体で妊婦12万8,950例(3.4%)が、妊娠後期に抗うつ薬を1剤以上処方されていた。SSRI使用者は10万2,179例(2.7%)、非SSRI使用者は2万6,771例(0.7%)であった。 全体コホートにおけるPPHN診断発生は、抗うつ薬非曝露群(366万380例)では7,630例(1万出生当たりリスク20.8)であったのに対し、SSRI群(10万2,179例)は322例(同31.5)、非SSRI群(2万6,771例)は78例(同29.1)であった。 抗うつ薬使用とPPHNとの関連は、交絡因子の補正レベルが増すほど減弱した。SSRIのオッズ比は、補正前1.51(95%信頼区間[CI]:1.35~1.69)であったが、うつ病女性に限定および高次に傾向スコア補正後は1.10(同:0.94~1.29)に減弱した。非SSRIのオッズ比は、それぞれ1.40(同:1.12~1.75)から1.02(同:0.77~1.35)の減弱であった。 また、満期分娩で心臓または肺の形成不全を認めなかったPPHNであった場合に限ると、SSRIの補正後オッズ比は1.28(95%CI:1.01~1.64)、非SSRIは1.14(同:0.74~1.74)であった。

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アミロイドイメージングの臨床医にとっての有用性(解説:岡村 毅 氏)-370

 アルツハイマー型認知症の中核病理とされるアミロイドの集積を検出するアミロイドイメージング(アミロイドPET)は、アルツハイマー型認知症の診断において有効とされている。 DSM-IVの時代には、記憶障害を中心とした認知機能低下があり、ゆっくりと確実に進行していて、ほかの疾患が認められなければアルツハイマー型認知症と診断されていた(もちろん今でもそれは真実なのであるが)。 しかし、診断技術の進歩は診断基準にも反映され、2011年のNIA/AAによるワークグループの「アルツハイマー型認知症を背景にした軽度認知障害(MCI due to AD)」の尖った診断基準は、アミロイドが沈着する段階(アミロイドPETなどで陽性)→神経が傷害される段階(脳脊髄液でタウが上昇)→認知機能低下、というモデルに基づいている。 DSM-5ではバイオマーカーへの言及はなく、また、上記がプライマリケアに一般化されることはありえないので(あくまで研究レベル)、言及がないことは妥当だが、現代においては知っていて損はない知識と思われる。 一方で、以下の点が指摘されてきた。(1)アルツハイマー型認知症ではない認知症疾患の患者さんや、高齢者にも陽性の方がいる。(2)高い精度でのアルツハイマー型認知症の臨床診断を受けたはずの患者さん(たとえば治験の対象者)にも陰性の方がいる。アミロイドの沈着をアミロイドPETが反映していることは事実としても、では臨床においてどのような方にどのような割合で陽性になるのか。つまり、臨床における全体像というか意義が明快にわかっているとは言い難かったので、今回の報告は有意義だ。 さて、結果をざっくりとみてみよう。アルツハイマー型認知症ではアミロイドPET陽性が50歳代で88%、90歳代で77%と加齢とともに陽性率は低下の傾向を示している(GEEではなく実際の率で)。一方、コントロール群では、50歳代で1%、90歳代で49%と加齢とともに陽性率が上昇基調だ。前頭側頭型認知症、血管性認知症では、だいたいコントロール群と同じ動向である。つまり、縦軸に陽性率、横軸に年齢と取ると、左を向いたワニの口のようになっているわけだ。 なお、レビー小体型認知症では、コントロール群より高いところで、同じく上昇基調(60歳代で38%、80歳代で60%)。 簡単にするため、独自の動きをする大脳基底核変性症は除いた。また、APOE(Apolipoprotein E)キャリアだと、低下は小さく上昇が大きい、つまり、高齢で陽性率が高いところで両者が出合う(ワニの口角が高い)。APOEノンキャリアだと、低下は大きく上昇が小さい。つまり、高齢で陽性率が低いところで両者が出合う(ワニの口角が低い)。最も、一般臨床でキャリアかどうかはあまり論点ではないので、これは神経学者向けの情報だろう。  一言でいえば、若年ではアルツハイマー型認知症の診断に有用だが、とくにキャリアにおいてはアミロイド陽性率が高いので高齢ではあまり有用ではない、というところか。  なるほど、直感的理解とも整合する、よくわかった。 一方で、まだまだ未知の部分が大きいこともわかるだろう。本研究の「診断」は臨床診断に基づいているが(一部で剖検をコントロールとしているがここでは触れなかった)、これを言ってしまうと身もふたもないが、そもそも診断が難しいのだ。認知症疾患の診断の困難さは、第1に脳がバイオプシーできないという点、第2に症状評価の多くは行動観察によってある程度相対的、あるいは主観的な要素が排除できない点にある。これこそが、神経学・精神医学・神経画像学・老年内科学の臨床を知的な営みとしているのである。

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精神疾患患者の認知機能と炎症マーカーとの関連が明らかに

 統合失調症および双極性障害における認知障害の基礎メカニズムについては、ほとんど明らかになっていないが、両障害における免疫異常が明らかになっており、炎症メディエーターが認知機能に関与している可能性が示唆されている。ノルウェー・オスロ大学のSigrun Hope氏らは、炎症マーカーと一般的認知能との関連を調べた。その結果、考えられる交絡因子で補正後も、両者間には有意な負の関連があることが示された。著者らは、「示された所見は、神経生理学的認知障害における炎症の役割を、強く裏付けるものであった」と述べている。Schizophrenia Research誌2015年7月号の掲載報告。 検討は、統合失調症スペクトラム障害121例、双極性スペクトラム障害111例、健常対照241例を対象に行われた。ウェクスラー成人知能検査(WASI)を用いて一般的知能を評価した。また、免疫マーカーとして、可溶性腫瘍壊死因子レセプター(sTNF-R1)、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra)、オステオプロテゲリン(osteoprotegerin)、フォンウィルブランド因子(von Willebrand factor)、C反応性蛋白、インターロイキン6、CD40リガンドの血中濃度を測定した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、性、診断群で補正後、一般認知能との重大な負の関連が、sTNF-R1(p=2×10-5)、IL-1Ra(p=0.002)、sCD40リガンド(p=0.003)について見つかった。・その関連は、教育、喫煙、精神病および情動症状、BMI、コルチゾール、薬物治療、血液サンプリングの時間など考えられる交絡因子で補正後も、有意なままであった(p=0.006、p=0.005、p=0.02)。・サブグループ分析において、統合失調症患者では、一般認知能とIL-1Ra、sTNF-R1との関連が有意であった。また双極性障害患者では、sCD40リガンドとIL-1Raとの関連が有意であり、健康対照では、sTNF-R1との関連が有意であった。関連医療ニュース 統合失調症の症状、インターロイキン-2の関与が明らかに 双極性障害の認知障害にインターロイキン-1が関与 統合失調症治療に抗炎症薬は有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症女性のホルモンと認知機能との関連は

 これまで、統合失調症の女性患者において、ホルモン療法やオキシトシン投与により認知機能が強化されることが示唆されていた。米国・イリノイ大学のLeah H. Rubin氏らは、女性の統合失調症患者の認知機能に、月経周期中のホルモン変化がどのような影響を及ぼすかを調べた。検討の結果、まず、認知機能の性差は統合失調症においても認められること、オキシトシン値は月経周期において変化することはなく、女性においてのみ「女性ドミナント」タスクの強化と関連していることを明らかにした。Schizophrenia Research誌オンライン版2015年5月16日号の掲載報告。女性の統合失調症、ホルモン変化は認知パフォーマンスと関連せず 検討に当たり研究グループは、女性患者は、月経周期の卵胞期初期(卵胞ホルモン[エストラジオール]と黄体ホルモン[プロゲステロン]が低値)のほうが中間期(卵胞ホルモンと黄体ホルモンが高値)よりも、「女性ドミナント」タスク(ことばの記憶/流暢さ)のパフォーマンスが悪化し、「男性ドミナント」タスク(視覚空間)のパフォーマンスは良好になると仮定した。また、卵胞ホルモンには影響を受けるが、黄体ホルモンは影響しないとも仮定した。 女性54例(23例が統合失調症)の認知機能を比較し、また血液検体の提供を受けて性差ステロイドアッセイを行い、卵胞期初期(2~4日目)と中間期(20~22日)のオキシトシン値を比較した。また、認知機能テストの予想性差パターンを調べるため男性も検討対象とした。 女性の統合失調症患者の認知機能にホルモン変化がどのような影響を及ぼすかを調べた主な結果は以下のとおり。・予想された性差は、「女性ドミナント」と「男性ドミナント」において観察された(p<0.001)。しかし、その差の大きさは、患者と対照で有意な差はみられなかった(p=0.44)。・「女性ドミナント」または「男性ドミナント」タスクにおける認知パフォーマンスの月経周期における変化は、患者、対照ともにみられなかった。・卵胞ホルモンと黄体ホルモンは、認知パフォーマンスと関連していなかった。・オキシトシン値は、月経周期において変化しなかった。しかし、女性の統合失調症患者においてのみ、「女性ドミナント」のタスクパフォーマンスとポジティブな関連がみられた(p<0.05)。 結果を踏まえ、著者らは「統合失調症ではエストロゲンよりもオキシトシン値が、認知機能ドメインのベネフィットを強化すると考えられる」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者の社会的認知機能改善に期待「オキシトシン」 日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに 治療抵抗性統合失調症女性、エストラジオールで症状改善  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症患者への抗うつ薬併用、効果はどの程度か

 抗精神病薬による適切な治療にもかかわらず、相当数の統合失調症患者が十分ではない臨床的アウトカムを示している。この問題の解決に向けて、これまでさまざまな精神薬理学を踏まえた併用療法が試みられており、その1つが抗精病薬治療への抗うつ薬の追加である。フィンランド・Kellokoski病院のViacheslav Terevnikov氏らは、統合失調症患者への治療について、抗精神病薬に種々の抗うつ薬を追加した際の有効性について検討した。その結果、抗うつ薬の種類によりさまざまな効果が認められたものの、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に関しては明らかな有効性がみられなかったこと、抗うつ薬の追加により精神病の悪化はみられなかったことを報告した。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年5月19日号の掲載報告。 研究グループは、統合失調症患者における陰性症状、陽性症状、認知機能、抑うつ、抗精神病薬に誘発される錐体外路症状に対する治療としての抗うつ薬追加投与の有効性を検討した。統合失調症に対する抗うつ薬による補助療法の有効性を評価した、公表されている無作為化対照試験(RCT)について、各種パラメーター(ベースライン時の臨床所見、患者数、実施中の抗精神病薬治療、抗うつ薬の追加用量、試験期間、有効性の評価方法とアウトカム)を用いてレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・41ジャーナルに36件のRCTが掲載されていた(1,582例)。・使用されていた抗うつ薬は、SSRI、デュロキセチン、イミプラミン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドン、レボキセチン、トラゾドン、ブプロピオンであった。・ミルタザピンとミアンセリンは陰性症状に対し一貫した有効性を示し、両薬剤とも神経認知機能を改善するように思われた。・トラゾドンとネファゾドンは、抗精神病薬に誘発される錐体外路症状を改善するようにみえた。・イミプラミンとデュロキセチンにおいては、抑うつ症状の改善傾向が認められた。・統合失調症の臨床所見に対するSSRIの有効性を支持する明らかなエビデンスは認められなかった。・抗うつ薬の追加により精神病が悪化することはなかった。 結果を踏まえ、著者らは「多数のRCTがあるにもかかわらず、統合失調症における抗うつ薬追加の全般的有効性は主に方法論的問題により明らかにされないままである。しかし、いくつかの統合失調症ドメインに対する有効性に抗うつ薬のサブグループによる相違があるようで、これは当然ながら作用機序の違いによって生じるものである。また、抗うつ薬が精神病を悪化させる可能性はないと思われたが、より優れたデザインの、大規模で長期のRCTが求められる」とまとめている。関連医療ニュース 統合失調症患者に対するフルボキサミン併用療法は有用か:藤田保健衛生大学 抗うつ薬が奏効しないうつ病患者への抗精神病薬追加投与は本当に有効か SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆

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レビー小体病変を伴うアルツハイマー病、その特徴は

 遅発性アルツハイマー病(AD)では、しばしばレビー小体病変が認められる。韓国・仁済大学校医科大学のEun Joo Chung氏らは、レビー小体病変の存在がADの臨床表現型や症状進行に影響を及ぼすかどうかを検討する目的で、レトロスペクティブな病理学的コホート研究を行った。その結果、AD病変とレビー小体病変の両方を有する患者とAD病変のみの患者とでは臨床表現型が異なり、両者を識別できることが明らかとなった。著者らは、「ADにおけるレビー小体の頻度やレビー小体とAPOEε4アレルとの関係から、ADとレビー小体の病理学的なメカニズムは共通していることが示唆される」とまとめている。JAMA Neurology誌オンライン版2015年5月18日号の掲載報告。 研究グループは、米国・国立老化研究所とレーガン研究所による神経病理学的診断基準で、ADである可能性が高い(または中間)の基準を満たした531例の剖検例について、死亡前2年以内の臨床評価と剖検により得られた神経病理学的評価を解析した。主な結果は以下のとおり。・死亡年齢(平均[SD])は、レビー小体を伴うAD(LB併存AD)患者が、レビー小体を伴わないAD(非併存AD)患者より、統計学的に有意に低かった(77.9 [9.5]歳vs. 80.2 [11.1]歳、p=0.01)。・認知症発症年齢(平均[SD])も、LB併存AD患者が非併存AD患者より有意に低かった(70.0 [9.9]歳vs. 72.2 [12.3]歳、p=0.03)。・女性より男性のほうが、LB併存AD患者が多かった(p=0.01)。・1つ以上のAPOEε4アレル保有者の割合は、LB併存AD患者が非併存AD患者より有意に高かった(p=0.03)。・Neuropsychiatric Inventory Questionnaireスコア(平均[SD])は、年齢、性別、教育、老人斑/拡散斑の頻度、神経原線維変化ステージで補正後も、LB併存AD患者(6.59 [1.44]、95%信頼区間[CI]:3.75~9.42)が、非併存AD患者(5.49[1.39]、同:2.76~8.23)より有意に高かった(p=0.04)。・同様にパーキンソン病統一スケール(UPDRS)の運動スコアも、LB併存AD患者(0.81 [0.18]、95%CI:0.45~1.17)が、非併存AD患者(0.54 [0.18]、同:0.19~0.88)より有意に高かった(p<0.001)。関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は せん妄はレビー小体型認知症のサイン

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一般集団における知的障害、ゲノムワイド研究で判明/JAMA

 スイス・ローザンヌ大学のKatrin Mannik氏らは、一般集団を対象にヒト遺伝子のコピー数多型(copy number variations:CNV)と認知表現型(Cognitive Phenotypes)の関連を調べた。CNVと知的障害に関するような表現型との関連は、これまでほとんどが臨床的に確認された集団コホートにおいて評価されたものであった。研究グループは、臨床的プリセレクションのない成人キャリアにおけるCNVによる臨床的特性と既知の症候群との関連を調べ、また一般集団において、頻度やサイズがまれなCNVキャリアの学業成績(educational attainment)におけるゲノムワイドな影響と、知的障害の有病率を調べた。JAMA誌2015年5月26日号掲載の報告より。エストニアコホート7,877例で評価 検討は、エストニアの住民ベースのバイオバンクに、2002~2010年にかけて参加登録された5万2,000例を対象に行われた。  一般医(GP)が被験者の検診や、健康および生活習慣関連の質問アンケート記入を行い、診断を報告した。 CNV解析は無作為に抽出したサンプル7,877例(エストニアコホート)について行い、遺伝子型表現型と教育、疾患特性との関連を評価した。結果は、エストニア人993例の高機能群のほか、地理的に異なる英国、米国、イタリアの3つの国の住民コホートで再現した。 主要評価項目は、一般集団における遺伝的障害の表現型、常染色体CNVの有病率、これらの異型と学業成績(初等教育未満レベルの1から大学院レベルの7までで評価)との関連、知的障害の有病率であった。一般集団で10.5%が知的障害や低学業成績と関連するCNVキャリア エストニアコホート7,877例のうち、既知の症候群と関連したCNVキャリア56例が特定された。その表現型には、認知および精神医学的な問題、てんかん、神経障害、肥満、先天奇形などが含まれ、臨床コホートで確認された同一の再編成キャリアと類似したものであった。 希少なCNV(頻度0.05%以下、サイズ250kb以上)のゲノムワイド評価により、一般集団のうち831例(10.5%)が同キャリアであることが特定された。 エストニアコホートにおける知的障害の有病率は114/6,819例(1.7%)であった。これに対して、サイズ250kb以上の欠損キャリアの同有病率は11/216例(5.1%)(オッズ比[OR]:3.16、95%信頼区間[CI]:1.51~5.98、p=1.5e-03)、1Mb以上の重複キャリアは6/102(5.9%)(OR:3.67、95%CI:1.29~8.54、p=0.08)であった。 また平均学業成績は、250kb以上の欠損キャリアの評価対象248例では3.81(p=1.06e-04)、1Mb以上の重複キャリア115例では3.69(p=5.024e-05)であった。高校を卒業していなかった者は、欠損キャリアは33.5%(OR:1.48、95%CI:1.12~1.95、p=0.05)、重複キャリアは39.1%(同:1.89、1.27~2.8、p=1.6e-03)であった。 まれなCNVと学業成績が低いことの関連に関するエビデンスは、イタリア、米国の成人コホートおよび英国の青年コホートの分析でも裏付けられた。 結果を踏まえて著者は、「非選択的で健康である成人集団において、既知の病原性CNVは、未確認の臨床的な後遺症と関連している可能性が示唆された。さらに、まれだが一定数が有している中程度サイズのCNVは、ネガティブな学業成績と関連していることが示唆された」と述べ、「所見が追加集団でも再現されたことは、遺伝研究や臨床的な治療、公衆衛生において同様の観察が重要であることを示すものである」とまとめている。

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9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係

 米国・デューク大学のTerrie E. Moffitt氏らは、成人期注意欠如・多動症(ADHD)と小児期発症神経発達症との関連を明らかにするため、ニュージーランドで1972~1973年に生まれた1,037例について解析を行った。その結果、成人期ADHDの90%が小児期ADHD歴を有していないことを報告した。成人期ADHDは小児期発症神経発達症であるとの仮説が広く知られているが、これまで成人期ADHD患者の小児期に言及した長期前向き試験はなかったという。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2015年5月22日号の掲載報告。 研究グループは、1コホートにおいて、成人期に診断されたADHD患者のフォローバック解析を、小児期に診断されたADHD患者のフォローフォワード解析と共に報告した。ニュージーランド、ダニーデンで1972~1973年に出生した1,037例の被験者を同時出生コホートとし、38歳まで追跡調査した(保持率95%)。ADHD症状、臨床的特徴、合併症、神経心理学的欠陥、ゲノムワイド関連研究による多遺伝子リスク、生活障害指標を評価した。データは、被験者、両親、教師、その他の情報提供者、神経心理学的検査の結果、薬歴などから収集した。成人期ADHDは研究アウトカムの評価基準に基づくDSM-5分類により診断し、発症年齢およびcross-settingによる確証は考慮しなかった。  主な結果は以下のとおり。・予想されたとおり、小児期ADHDは6%に認められ(大部分が男性)、小児期の合併症、神経認知障害、多遺伝子リスク、残された成人期の生活障害と関連した。・同じく予想どおり、成人期ADHDは3%(性差なし)に認められ、成人期の薬物依存、生活障害および受療との関連が認められた。・一方、予想に反して、小児期ADHD群と成人期ADHD群は実質的にまったく重複する部分がなかった。すなわち、成人期ADHDの90%が小児期ADHD歴を有していなかった。・同様に予想に反して、成人期ADHD群では小児期、成人期のいずれにおいても神経心理学的欠陥が認められず、また、小児期ADHD患者の多遺伝子リスクが認められなかった。 以上より、ADHDの臨床像を示す成人が小児期神経発達症を有していない可能性が考えられた。著者らは「もし結果が再現されれば、本疾患の分類体系における位置付けを再考するとともに、研究を行って成人期ADHDの病因を追及すべきと思われる」と指摘している。関連医療ニュース 成人ADHDをどう見極める メチルフェニデートへの反応性、ADHDサブタイプで異なる 成人発症精神疾患の背景に自閉スペクトラム症が関連

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双極性障害、治療反応は予測できるか

 急性躁病または混合エピソードに対する抗精神病薬の一連の試験において、ヤング躁病評価尺度(YMRS)やMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)による治療前の重症度評価は、うつ病、躁病、睡眠障害、判断力/衝動性、焦燥/敵意といった精神症状の主要構成要素の複合因子を特定するために用いられる。しかし、これらの因子が治療効果を予測するかどうかは不明である。米国・スタンフォード大学のMichael J Ostacher氏らは、双極性障害の治療反応を予測する因子について検討した。International journal of bipolar disorders誌オンライン版2015年5月号の報告。 本検討では、成人双極I型障害患者の急性躁病または混合エピソードに対するアリピプラゾールの無作為化二重盲検比較試験6報のデータがプールされ、治療前の評価項目とそれらの値の治療後の変化を調査した。治療効果は、アリピプラゾール1,001例、ハロペリドール324例、リチウム155例、プラセボ694例について、ベースライン、4、7、10日目、その後毎週および試験終了時について調査した。ベースラインから3週目までの因子スコアの平均変化を、4日目、1週時点の変化率からROC曲線により評価した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール、ハロペリドール、リチウム投与を受けた患者では、プラセボと比較し躁病因子スコアの有意な改善が認められた。・アリピプラゾールのエンドポイントでの有効性を最も予測する因子は、4日目時点の判断力/衝動性と1週目時点の躁病であった。・転帰予測のための最適な因子スコアの改善は、約40~50%であった。・初期の有効性は、すべての因子において転帰を予測したが、1週時点での反応は4日時点での反応よりも優れた予測因子であった。・双極性躁病患者に対する早期の治療および評価が臨床的メリットをもたらすこと、混合または躁病エピソードにおける特定の症状が、治療反応を最も予測することが示唆された。関連医療ニュース うつ病と双極性障害、脳の感情調節メカニズムが異なる うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場  担当者へのご意見箱はこちら

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