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統合失調症患者に対する薬物誘発性パーキンソニズム、遅発性ジスキネジアの影響

 薬物誘発性パーキンソニズムや遅発性ジスキネジアは、統合失調症の健康関連QOLの低下と関連しているといわれているが、これらの相対的な影響を調べた研究はこれまでほとんどなかった。シンガポール・Institute of Mental HealthのGurpreet Rekhi氏らは、統合失調症における薬物誘発性パーキンソニズムおよび遅発性ジスキネジアと健康関連QOLとの関連を調査し、比較を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2022年1月3日号の報告。 対象は、統合失調症患者903例。陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、Simpson-Angus 錐体外路系副作用評価尺度(SAS)、異常不随意運動評価尺度(AIMS)を用いて評価した。健康関連QOLの評価には、以前検証したアルゴリズムよりPANSSスコアに基づいたEQ-5D-5Lを用いた。 主な結果は以下のとおり。・薬物誘発性パーキンソニズムのみは160例(17.7%)、遅発性ジスキネジアのみは119例(13.2%)、その両方は123例(13.6%)に認められた。・健康関連QOLは、薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの両方が認められた患者で最も低く、次いで薬物誘発性パーキンソニズムのみの患者、遅発性ジスキネジアのみの患者であり、いずれも認められなかった患者で最も高かった。・健康関連QOLスコアは、4群間で有意な違いが認められた(F[3,892]=13.724、p<0.001、η2p=0.044)。・薬物誘発性パーキンソニズムのみ、または薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの両方が認められた患者の健康関連QOLは、いずれも認められなかった患者と比較し、有意に低かった。・健康関連QOLとの関連において、薬物誘発性パーキンソニズムと遅発性ジスキネジアの有無との間に有意な関係は認められなかった。 著者らは「薬物誘発性パーキンソニズムは、統合失調症患者の健康関連QOLの低下と関連する主な抗精神病薬誘発性の運動障害であった。臨床医は、統合失調症患者の健康関連QOLの最適化を図るため、薬物誘発性パーキンソニズムの予防、検出、効果的なマネジメントに焦点を当てる必要がある」としている。

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片頭痛に対するアルコール、コーヒー、喫煙の影響

 アルコール、コーヒーの摂取および喫煙が片頭痛の発症リスク因子であるかを評価するため、スウェーデン・カロリンスカ研究所のShuai Yuan氏らは、メンデルランダム化研究を実施した。Pain誌2022年2月1日号の報告。 大規模ゲノムワイド関連解析におけるP<5×10-8の潜在的なリスク因子に関連する独立した一塩基多型を操作変数として用いた。選択した一塩基多型と片頭痛との関連についてのサマリーレベルのデータを、FinnGenコンソーシアム(片頭痛患者:6,687例、対照群:14万4,780例)およびUKバイオバンク研究(片頭痛患者:1,072例、対照群:36万122例)のデータより抽出した。FinnGenおよびUKバイオバンクのコホートより得られた推定値は、固定効果メタ解析を用いて組み合わせた。 主な結果は以下のとおり。・遺伝的に予測されたアルコール摂取、コーヒー摂取、喫煙開始との関連性を示すエビデンスが認められた。【アルコール摂取】オッズ比(OR):0.54/1週間当たりの対数変換アルコール飲料のSD増加、95%信頼区間[CI]:0.35~0.82、p=0.004【コーヒー摂取】OR:0.56/コーヒー摂取量50%増加、95%CI:0.45~0.70、p<0.001【喫煙開始】OR:1.15/喫煙開始の1SD増加、95%CI:1.01~1.31、p=0.038・多変数メンデルランダム化解析での相互調整を含む感度分析においても、これらの関連性は変わらなかった。・メンデルの逆ランダム化解析では、片頭痛に対する遺伝的な影響は、アルコール摂取と逆相関が認められたが、コーヒー摂取および喫煙開始との関連は認められなかった。 著者らは「片頭痛に対する適度なコーヒー摂取の保護的影響と喫煙の有害な影響を示唆する遺伝的証拠が発見された。アルコール摂取と片頭痛リスクとの逆相関は、因果関係の逆転が影響している可能性がある」としている。

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小声の患者さん、実は“ふるえ”が潜んでる!?【Dr.山中の攻める!問診3step】第11回

第11回 小声の患者さん、実は“ふるえ”が潜んでる!?―Key Point―安静時の振戦はパーキンソン病でみられる両上肢を前方に挙上するときに観察される姿勢時振戦は本態性振戦で起こる治療可能なふるえを見逃さない症例:75歳 男性主訴)右手がふるえる現病歴)3年前から両手のふるえを自覚するようになった。1年前から次第に手のふるえがひどくなっている。2週間前、役所で書類にサインを求められたが、手がふるえて字がうまく書けなかった。既往歴)高血圧症薬剤歴)アムロジピン生活歴)焼酎1合を週に2回、喫煙なし身体所見)体温:36.7℃ 血圧:128/62mmHg 脈拍:86回/分 呼吸回数:16回/分 SpO2:96%(室内気)安静時振戦なし。両上肢を前方に挙上させると両手に振戦を認める。自分の名前を書かせると、右手に振戦が出現し字が大きく乱れる。経過)パーキンソン症候群を疑う症状と身体所見なし。本体性振戦と診断しプロプラノロールを処方した。◆今回おさえておくべき臨床背景はコチラ!病的振戦では本態性振戦が最も多く、次にパーキンソン病が多い書字やコップを使用して飲水する時に起こる運動時振戦は、日常生活に支障をきたすリチウム、バルプロ酸Na、テオフィリン、カフェイン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などは薬剤性振戦を起こす1)【STEP1】患者の症状に関する理解不足を解消させよう【STEP2】振戦を分類する2)(1)安静時振戦安静時にみられる。左右差が見られることが多い。動作により振戦は消失する。姿勢保持後、10秒くらいして振戦が再出現することがある(re-emergent tremor)。暗算負荷などの精神的緊張で増悪する。パーキンソン病、パーキンソン症候群が代表疾患(2)動作時振戦(a)姿勢時振戦両上肢を前方に挙上するときに観察される。重力に抗した姿勢で出現しやすい。代表疾患は本態性振戦、生理的振戦、甲状腺機能亢進症で、薬剤性やアルコール離脱などが原因で生じることもある。(b)運動時振戦書字やコップで水を飲む時に起こる。日常生活に支障をきたす。本態性振戦、小脳疾患、脳血管障害で起こる(c)企図振戦 目標に近づくほど振戦が増大する。小脳障害、多発性硬化症、ウィルソン病でみられる*本態性振戦とパーキンソン病の患者ビデオ(Stanford Medicine 25)【STEP3-1】本態性振戦とパーキンソン病の特徴的症状があるかを確かめる2)病的な振戦では本態性振戦(有病率:2.5~10%)とパーキンソン病(有病率:0.1%)が多い。画像を拡大するパーキンソン病の安静時振戦は逆N字型(またはN字型)に進行する。たとえば、右手→右足→左手→左足(下図参照)(図)パーキンソン病では無動、固縮(歯車現象、鉛管様固縮)を認める。非運動症状(レム睡眠行動異常、うつ症状、嗅覚低下、倦怠感、起立性低血圧)がある3)本態性振戦は小脳失調を合併することがある本態性振戦からパーキンソン病に進展するケースもある【STEP3-2】ほかの鑑別診断を考える徐々に発症するときは生理的振戦、本態性振戦を考える●生理的振戦緊張すると姿勢時振戦を起こす。低振幅、高振動数。カフェイン、β刺激薬で悪化●ジストニア特定の姿勢や動作で誘発される。書痙●心因性振戦突然発症する。気をそらせると消失●二次性振戦甲状腺機能亢進症、低血糖、尿毒症、薬剤(リチウム、バルプロ酸Na、テオフィリン、カフェイン、SSRI)、中毒(マンガン、鉛、水銀)●アルコールやベンゾジアゼピンの離脱症状としても振戦が起こる【治療】ストレスを軽減させる生活指導振戦のため書字が困難なら、できるだけ太いペンを使用する本態性振戦にはアロチノロール、プロプラノロール(商品名:インデラル)、プリミドンを処方するパーキンソン病には抗コリン薬が有効なことがあるが、幻覚や認知機能障害が出現する場合があるMRガイド下集束超音波治療(FUS)<参考文献>1)Elias WJ, et al. JAMA. 2014;311:948-954. 2)望月秀樹. 日本内科学会雑誌. 2017;107: 464-468.3)Kalia LV, et al. Lancet. 2015;386:896-912.

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治療抵抗性うつ病の負担と課題

 治療抵抗性うつ病は、公衆衛生上の重大な問題である。ギリシャ・Psychiatric Hospital of AtticaのCharalampos Touloumis氏は、治療抵抗性うつ病に関する現状や課題についての報告を行った。Psychiatriki誌2021年12月号の報告。 主な報告は以下のとおり。・うつ病エピソード(単極性または双極性)を有する患者の約20~40%は、抗うつ薬治療に臨床的な治療反応(症状スケール50%以上低下)を示さないと考えられる。・症状が改善した患者の約半数は、機能の悪影響や再発の可能性が高まる残存症状が認められる。・うつ病エピソードの初回治療を受けた患者の20~40%は寛解が認められる(STAR*D研究では36.8%)。・治療目標として、症状重症度70%以上の低下またはHAMDスコア7以下/MADRSスコア10以下を目指す必要がある。・うつ病患者は、寛解達成後も回復や病前の職業的および社会的状態に戻るまでには、長い期間を有することが少なくない。また、良好な状態を維持するためには、長期にわたる治療が必要となる。・治療抵抗性うつ病は、高血圧、糖尿病、心不全などの併存疾患発生率が高く、入院率が2倍、入院期間が36%延長される。・治療抵抗性うつ病患者の自殺リスクは、治療反応が認められるうつ病患者と比較し、7倍であった。・治療抵抗性うつ病患者は、治療反応が認められるうつ病患者と比較し、死亡率が高く、すべての原因による死亡率は、29~35%上昇する。死亡率の高さは、13歳以上および非うつ病患者との比較でも同様であった。・治療抵抗性うつ病は、その発生率やうつ病治療において重要な問題であるにもかかわらず、専門家の考える基準は明確ではない。・治療抵抗性うつ病の最も一般的な基準は、コンプライアンスを確認したうえで、適切な用量および期間による2種類以上の異なる抗うつ薬(同クラスまたは異なるクラス)による治療に対して抵抗性を示すとされるが、有意な臨床的な結果を示すことはできない。・虚無主義を改善するための難治性うつ病、心理療法やECTなどの非薬物療法を併用する必要がある薬物治療抵抗性うつ病、複数の治療抵抗性うつ病、致死的なうつ病などを治療抵抗性うつ病として考える場合もある。・治療抵抗性うつ病に対する治療は、すべての臨床医にとって課題である。・治療抵抗性に対し不十分な治療レジメン、併存疾患(不安障害、摂食障害、パーソナリティ障害、薬物乱用や依存、PTSDなど)、治療不適合、未確認の有機的および慢性期的なストレス原因を除外した後、利用可能な治療法は、治療の最適化、注意深い経過観察、過去の治療反応、併用療法、追加療法、ECT、TMS、迷走神経刺激、光線療法、心理療法、脳神経外科的治療である。

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多疾患罹患、中年期の発症で認知症リスク増加 /BMJ

 多疾患罹患(multimorbidity)は、高年期よりも中年期の発症で認知症との関連が強く、併存する慢性疾患の数が多いほど認知症のリスクが高くなることが、フランス・パリ大学のCeline Ben Hassen氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月2日号で報告された。Whitehall II研究のデータを用いた前向きコホート研究 研究グループは、中年期および高年期の多疾患罹患と、認知症の新規発症との関連を評価する目的で、前向きコホート研究を実施した(米国国立老化研究所[NIA]などの助成を受けた)。 解析には、進行中のWhitehall II研究のデータが用いられた。Whitehall II研究には、ベースライン時(1985~88年)に35~55歳のロンドン市の公務員が登録され、約4~5年ごとにフォローアップの調査が行われている。 主要アウトカムは、1985~2019年におけるフォローアップ時の新規発症の認知症とされた。原因別Cox比例ハザード回帰を用い、死亡の競合リスクを考慮したうえで、全体、55歳、60歳、65歳、70歳の時点での多疾患罹患とその後の認知症との関連が評価された。55歳時の多疾患罹患で、認知症リスクが2.44倍に 1万95例が解析に含まれた。多疾患罹患(13の慢性疾患のうち2つ以上)の有病率は、55歳時が6.6%(655/9,937例)、70歳時は31.7%(2,464/7,783例)であった。フォローアップ期間中央値31.7年の時点で、639例(平均年齢49.9[SD 4.9]歳、男性58.5%)が新規の認知症に罹患した。 認知症罹患者で最も頻度の高い慢性疾患は高血圧症(77.9%)で、次いで冠動脈疾患(27.7%)、抑うつ(27.2%)、糖尿病(24.7%)の順であった。がんを除く12の慢性疾患は、認知症罹患と関連が認められた。 社会人口学的因子と健康行動(喫煙、身体活動、飲酒、果物/野菜摂取)で補正すると、慢性疾患がないまたは1つの集団と比較して、55歳時の多疾患罹患はその後の認知症のリスクと関連が認められた(1,000人年当たりの罹患率の差:1.56、95%信頼区間[CI]:0.62~2.77、ハザード比[HR]:2.44、95%CI:1.82~3.26)。 この関連性は、多疾患罹患の発症年齢が高くなるに従って徐々に弱くなった。たとえば、55歳以前に多疾患罹患を発症した場合は、65歳時の1,000人年当たりの認知症罹患率の、慢性疾患がないまたは1つの集団との差は3.86(95%CI:1.80~6.52)であった(HR:2.46、95%CI:1.80~3.36)のに対し、60~65歳時に発症した場合は、65歳時の1,000人年当たりの認知症罹患率の同差は1.85(95%CI:0.64~3.39)であった(HR:1.51、1.16~1.97)。 70歳時の多疾患罹患の状態の解析では、多疾患罹患の発症年齢が5歳若くなるごとに、認知症リスクは18%ずつ高くなった(HR:1.18、95%CI:1.04~1.34)。 また、55歳時に3つ以上の慢性疾患を有する多疾患罹患の場合は、1,000人年当たりの認知症罹患率の、慢性疾患がないまたは1つの集団との差は5.22(95%CI:1.14~11.95)であった(HR:4.96、95%CI:2.54~9.67)。一方で70歳時の同様の解析では、1,000人年当たりの認知症罹患率の同差は4.49(95%CI:2.33~7.19)であり(HR:1.65、95%CI:1.25~2.18)、多疾患罹患の発症年齢が高くなるに従って関連性が徐々に弱くなった。 著者は、「多疾患罹患は発症年齢の若年化が進んでいるため、初発の慢性疾患を有する集団における多疾患罹患の予防が重要である」としている。

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日本食スコアと認知症、腸内細菌との関連

 これまでの研究では、腸内細菌叢や微生物代謝産物と認知機能低下との関連が示唆されている。しかし、この関連に対する食事パターンの影響は十分に調査されていない。国立長寿医療研究センターの佐治 直樹氏らは、日本食の順守や腸内細菌叢と認知機能低下との関連を評価した。さらに、日本食事スコアの3タイプ(JDI9[米、味噌、魚介類、緑黄色野菜、海藻類、漬物、緑茶、牛肉・豚肉、コーヒー]、JDI12[JDI9+大豆・大豆製品、果物、きのこ]、rJDI12[JDI12改訂版のJDI])について評価し、認知機能や腸内細菌叢と関連性を調査した。Nutrition誌2022年2月号の報告。 病院ベースのプロスペクティブコホート研究より抽出したデータを用いて、横断的サブ解析を実施した。対象者の人口統計学的特性、食事パターン、リスク因子、認知機能、脳画像、腸内細菌叢、微生物代謝産物について評価を行った。これまでの研究に基づき、JDI9、JDI12、rJDI12を定義した。JDIスコア、認知機能、腸内細菌叢、微生物代謝産物との関連を調査するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象者85例(女性の割合:61%、平均年齢:74.6±7.4歳)のデータを分析した。・非認知症患者は、認知症患者と比較し、JDI12の魚介類(64.5% vs.39.1%、p=0.048)、きのこ(61.3% vs.30.4%、p=0.015)、大豆・大豆製品(62.9% vs.30.4%、p=0.013)、コーヒー(71.0% vs.43.5%、p=0.024)を摂取する割合が高かった。・認知症患者は、非認知症患者よりもJDIスコア(中央値)が低かった。【JDI9】認知症患者5 vs.非認知症患者7(p=0.049)【JDI12】認知症患者7 vs.非認知症患者8(p=0.017)【rJDI12】認知症患者7 vs.非認知症患者9(p=0.006) 著者らは「伝統的な日本食を順守すると、認知機能低下を予防できることが示唆された。これは、腸内微生物の代謝産物の濃度の低さと関連している傾向があることが明らかとなった」としている。

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高齢者の睡眠薬使用に対する薬剤師支援の必要性

 多くの高齢者では、睡眠障害の治療のため、ベンゾジアゼピンや睡眠薬が使用されている。フランス・リール大学のMorgane Masse氏らは、睡眠薬の中止を検討するため、高齢者の就寝時の習慣や睡眠パターンを調査し、使用している睡眠薬の特定を試みた。Healthcare(Basel)誌2022年1月13日号の報告。 患者の就寝時の習慣、睡眠パターン、睡眠薬の使用を評価するため、専門家グループによる構造化面接ガイドを作成した。睡眠障害の訴えがあり、ベンゾジアゼピン、ベンゾジアゼピン誘導体(Z薬)、抗ヒスタミン薬、メラトニンのいずれかまたは複数を使用している65歳以上の高齢者を対象に、地域薬局でインターンシップ中の6年生薬学生103人により、それぞれ10回のインタビューを実施した。2016年1月4日~6月30日の期間にプロスペクティブ観察研究を実施した。 主な結果は以下のとおり。・インタビューの回数は960回(男性:330回、女性:630回、平均±標準偏差:75.1±8.8)であった。・最も使用されていた薬剤は、Z薬のゾルピデム(465例、48%)とゾピクロン(259例、27%)であった。・睡眠薬の使用経験があった患者は、768例(80%)と多数であった。・使用期間の中央値(四分位範囲)は120(48~180)ヵ月であった。・睡眠習慣が不良な患者は約75%(696例)、複数の睡眠習慣不良が確認された患者は41%以上(374例)であった。・患者の77%(742例)は、夜中に起きたと報告していて、その内64%(481例)は、夜間頻尿によるものであった。・患者の35%(330例)は、睡眠薬中止に前向きであり、その内29%(96例)は、薬剤師からかかりつけ医に連絡し中止についての相談を望んでいた。 著者らは「フランスにおいては、薬学生や監督する地域薬剤師から患者の睡眠パターンに関する簡単なアンケートを行うことで、睡眠障害に関連する問題を抽出することが可能であった。かかりつけ医とともに、地域の薬剤師は、患者と睡眠薬の使用について話し合うことが推奨される」としている。

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認知症・老衰の患者さんに、病状経過を説明するなら…【非専門医のための緩和ケアTips】第21回

第21回 認知症・老衰の患者さんに、病状経過を説明するなら…身体機能の変化を時間軸で示す「病みの軌跡」というグラフ、これまでがん患者・臓器障害患者向けをご紹介してきました。今回の質問は、認知症や老衰の方の経過に関連したものです。どのようなポイントを意識して診療するとよいのでしょうか。ここでも「病みの軌跡」が使えます。今日の質問かかりつけの患者さん。認知症が進行し、外来通院が家族の負担となってきたため、今後は訪問診療で関わることになりました。介護負担も大きく、そのうち寝たきりになりそうです。終末期について、本人・ご家族とどう話し合えばよいのでしょうか?高齢化が進む中、認知症患者も増えています。厚生労働省の人口動態統計(2020年)によれば、老衰は主要死因の第3位です。脳血管障害と肺炎を追い抜いて3位になったのは2018年のことでした。こうした背景から、認知症・老衰の臨床像とケアについて、どんな立場の医療者も基本を理解しておきたいところです。認知症・老衰の身体機能の変化を時間軸で示した、「病みの軌跡」は下のようなパターンとなります。この軌跡から読み取れるのは、「身体機能がふらつきながら、緩徐に低下していく」ことです。私は、終末期までの経過予測が一番難しいのがこのパターンだと感じています。悪性疾患の場合には「5年生存率」など統計学的な指標があり、心不全などの臓器障害の場合には心機能などの客観的指標が参考になります。しかし、認知症が進行して老衰となった高齢者には予後予測に役立つ明確な指標がなく、かつ本人が自分の体調の変化を説明できないケースも多くなります。「食事量が減ったなあ」とか「寝ている時間が長くなってきましたね」といったように医療者と家族が様子を見ながら、そろそろお別れが近いかなと思った段階で話し合いを続けるしかありません。そして、それから何年も同じような状態が続くこともあれば、予想外に早いタイミングで亡くなることもあります。この臨床像の高齢者の多くは、身体機能や認知機能の低下とともに、通院が困難になっていきます。今回のご質問のように早めに訪問診療を提案したり、紹介したりすることも大切です。予測の難しい「病みの軌跡」に対し、医療者には何が求められるのでしょうか。一概には言えませんが、まずは「不確実で個別性の高い経過となる」ことを、家族を含めた関係者で共有することが大切です。そして、注意してほしいポイントも共有します。たとえば、「食事量が低下した場合、体力の低下につながるかもしれませんので、教えてください」といった具合です。高齢者の場合、医療者・家族だけでなく、介護職をはじめとしたさまざまな方が関わるケア提供体制をつくることが大切です。立場の異なる方との話し合いに、ぜひ「病みの軌跡」を活用してください。今回のTips今回のTips認知症・老衰の「病みの軌跡」は、経過予測が難しい。その難しさを関係者と共有しつつ、定期的な評価を繰り返すことが重要です。1)Murray SA, et al. BMJ. 2005;330:1007-1011.

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日本人双極性障害外来患者における躁病エピソードの予測因子

 双極性障害は、躁症状とうつ症状が繰り返し発現し、心理社会的機能障害を引き起こす精神疾患である。躁状態/軽躁状態エピソードは、人間関係、社会的および経済的活動に影響を及ぼすが、実臨床診断において躁状態/軽躁状態エピソードの予測因子に関するエビデンスは限られている。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、実臨床診断における双極性障害に関するエビデンスを蓄積するため、日本の精神科クリニックにおける双極性障害に関する多施設治療調査(MUSUBI)を実施した。PLOS ONE誌2021年12月31日号の報告。 日本精神神経科診療所協会に受診した双極性障害患者を対象に質問票による調査を依頼し、176の会員クリニックにおけるレトロスペクティブ医療記録調査を実施した。2016年9~10月の併存疾患、精神状態、治療期間、機能の全体的評価(GAF)スコア、薬理学的治療の詳細などのベースライン時患者特性を抽出した。ベースラインから2017年9~10月の1年間にわたり、躁状態/軽躁状態エピソードの有無を調査した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象患者数は2,231例で、ベースラインから1年間で躁状態/軽躁状態エピソードが認められた患者は29.1%であった。・二項ロジスティック回帰分析では、躁状態/軽躁状態エピソードは、ベースライン時のGAFスコアの低下、ラピッドサイクラー、人格障害、双極I型障害、躁状態または混合状態を伴う気分状態と関連していることが明らかとなった。・薬物乱用も躁状態エピソードのリスク因子であった。・ベースライン時の抗うつ薬の使用と躁状態/軽躁状態エピソードとの間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「日本の双極性障害外来患者の29.1%は、1年間の間に躁状態/軽躁状態エピソードを経験していた。躁状態/軽躁状態エピソードの予測因子として、GAFスコアの低さ、ラピッドサイクラー、人格障害、双極I型障害、薬物乱用、気分状態が挙げられた。なお、抗うつ薬の使用は、予測因子ではない可能性が示唆された」としている。

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カレーライスの消費とうつ病、高血圧、糖尿病との関連

 韓国・順天大学校のHai Duc Nguyen氏らは、カレーライスの消費と心血管疾患(CVD)、2型糖尿病(T2DB)、関節炎、うつ病との関連について調査を行った。Diabetes & Metabolic Syndrome誌オンライン版2021年12月26日号の報告。カレーライスの消費が多かった人は高血圧やうつ病のリスクが有意に低い 18歳以上の1万7,625人を対象に、社会人口統計学的特性、ライフスタイル、病歴、現在使用している薬剤、家族歴、食物消費に関するデータを収集した。カレーライスの消費とCVD、T2DB、関節炎、うつ病との関連を調査するため、多変数調整分析を用いた。 カレーライスの消費と心血管疾患やうつ病との関連について調査した主な結果は以下のとおり。・ロジスティックモデルでは、カレーライスの消費が多かった人は、少なかった人と比較し、トリグリセリドの上昇(OR:0.89、95%CI:0.82~0.97、p=0.006)、HbA1cの上昇(OR:0.81、95%CI:0.73~0.91、p<0.001)、グルコースの上昇(OR:0.86、95%CI:0.79~0.94、p<0.001)の割合が有意に低かった。・カレーライスの消費が多かった人は、少なかった人と比較し、高血圧(OR:0.88、95%CI:0.78~0.98、p=0.044)、T2DB(OR:0.82、95%CI:0.68~0.98、p<0.001)、うつ病(OR:0.82、95%CI:0.70~0.97、p=0.026)のリスクが有意に低かった。・これらの結果は、カレーライスの消費量を連続変数として扱った場合においても同様であった。 著者らは「通常の食事で、カレーライスを摂取することで得られる健康上のベネフィットとして、非感染性疾患の負担やメンタルヘルスを保護する可能性が示唆された。これらの疾患に対するカレーライスの役割を明らかにするためには、継続的な調査が必要である」としている。

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ボルチオキセチンの改善効果予測因子~日本での臨床試験データ

 うつ病患者の治療では、抗うつ薬による治療効果が出るまで数週間を要する場合がある。東京医科大学の井上 猛氏らは、治療反応や寛解に対するボルチオキセチンの早期部分寛解の予測値について調査を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年12月18日号の報告。 20~75歳の日本人再発性うつ病患者(Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコア26以上)を対象としたボルチオキセチン(10mgまたは20mg)の8週間ランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験の事後分析を行った。主要アウトカムは、ボルチオキセチン治療8週目における治療反応(ベースラインからMADRS合計スコア50%以上減少)および寛解(MADRSスコア10以下に減少)に対する早期部分寛解(ベースラインから2週目までのMADRSスコア20%以上減少)の予測値とした。 主な結果は以下のとおり。・分析対象患者数は478例、プラセボ群158例中62例、ボルチオキセチン10mg群162例中71例、ボルチオキセチン20mg群158例中66例が早期部分寛解患者であった。・ボルチオキセチン群(10mgまたは20mg)の早期部分寛解患者は、早期に部分寛解がみられなかった患者と比較し、8週目の治療反応率(71.2~73.2% vs.29.7~38.0%)および寛解率(50.7~51.5% vs.17.4~18.7%)が高かった。・ボルチオキセチンによる治療反応および寛解のポジティブ予測値はそれぞれ、約70%と約50%であり、ネガティブ予測値は約70%と約80%であった。 著者らは「うつ病患者に対するボルチオキセチン治療による改善は、MADRSスコアの早期部分寛解により予測される可能性がある。一部の患者では、早期部分寛解が認められなくても長期治療のベネフィットが得られる可能性があり、このことも臨床上の意思決定に役立つ可能性がある」としている。

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COVID-19、ICU退室から1年後の身体・精神・認知症状の割合は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患し、集中治療室(ICU)で治療を受けた生存例では、1年後に約74%で身体症状が認められ、また約26%で精神症状が、約16%で認知症状が発現していたことが、オランダ・ラドバウド大学医療センターのHidde Heesakkers氏らが同国のICUで行った調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2022年1月24日号に掲載された。オランダの11のICUの探索的前向きコホート研究 本研究は、ICUで治療を受けたCOVID-19生存例における1年後の身体、精神、認知症状の発現の評価を目的とする探索的な前向きコホート研究で、ICU生存例(非COVID-19患者を含む)を対象とした多施設共同試験であるMONITOR-IC試験の一環として実施された。 対象は、年齢16歳以上のCOVID-19患者で、オランダにおけるCOVID-19急増の第1波の期間中(2020年3月1日~7月1日)に、同国の11の病院のICUに入室し、生存退院した集団であった。患者は1年間追跡された(最終追跡日は2021年6月16日)。 主要アウトカムは、ICU退室から1年後の自己報告式質問票で評価された身体症状、精神症状、認知症状であった。 身体症状については、フレイル(臨床フレイル尺度[≧5点])、疲労(Checklist Individual Strength下位尺度の疲労[≧27点])、身体機能障害の評価が行われた。精神症状は、不安(病院不安と抑うつ尺度[HADS]:下位尺度の不安[HADS-A]≧8点)、抑うつ(HADS下位尺度の抑うつ[HADS-D]≧8点)、心的外傷後ストレス障害(出来事インパクト尺度の平均値≧1.75点)で、認知症状は、簡易認知的失敗質問票14項目(≧43点)で評価された。30.6%で2領域以上、10.5%で3領域すべての症状 試験期間中にICUで治療を受け、病院を生存退院したCOVID-19患者452例のうち、302例(66.8%)が試験に含まれ、このうち1年後の質問票に回答した246例(81.5%、平均年齢61.2歳[SD 9.3]、男性176例[71.5%]、平均BMI値28.0[SD 4.5]、ICU入室期間中央値18.5日[IQR:11~32])が解析の対象となった。 ICU治療から1年後の時点で、身体症状が74.3%(182/245例)、精神症状が26.2%(64/244例)、認知症状は16.2%(39/241例)で報告された。2領域以上の症状は30.6%、3領域すべての症状は10.5%の患者で認められた。また、ICU入室前に就業していた生存者の57.8%で、仕事関連の問題(就業時間の短縮、病気による欠勤の継続など)が報告された。 身体症状のうち、フレイルが6.1%(15/245例)、疲労が56.1%(138/246例)、1つ以上の身体機能障害(新規、悪化)は67.1%(165/246例)で発現した。最も頻度の高い新規の身体機能障害は体力低下(38.9%[95/244例])で、次いで関節のこわばり(26.3%[64/243例])、関節痛(25.5%[62/243例])、筋力低下(24.8%[60/242例])、筋肉痛(21.3%[52/244例])、呼吸困難(20.8%[51/245例])の順だった。 精神症状では、不安が17.9%(44/246例)、抑うつが18.3%(45/246例)でみられ、心的外傷後ストレス障害は9.8%(24/244例)で発現した。また、認知症状では、認知的失敗質問票のスコア中央値は24.8点(IQR:12.8~37.0)であり、発生率は16.2%(39/241例)であった。 著者は、「他のウイルスの感染爆発(2003年のSARS、2012年のMERSなど)では、ICU生存例の約3分の1で退院後6ヵ月以降に精神健康上の問題が発生しており、これは今回の研究の1年後の発生率(26.2%)よりもわずかに高かった。また、非COVID-19のICU生存例では、1年後に77.0%で身体症状が、35.5%で精神症状が、14%で認知症状が発現したと報告されている。これと比べると、本研究の身体症状(74.3%)、認知症状(16.2%)の発生率は同程度であるが、精神症状(26.2%)の発生率は低かった。一方、職場復帰の問題は、非COVID-19のICU生存例では43%だったのに対し、本研究では58%であった」としている。

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皮膚科患者の睡眠障害

 睡眠不足や睡眠の質の低下は、さまざまな健康への悪影響を引き起こす可能性がある。睡眠障害といくつかの皮膚状態との関連が研究されているが、包括的な皮膚科患者の集団におけるデータは十分ではない。スイス・バーゼル大学のRianna Tamschick氏らは、皮膚科患者の睡眠障害の有病率、原因、影響について検討を行った。Clinics in Dermatology誌2021年11~12月号の報告。皮膚科患者の睡眠改善に対する最も一般的な方法は睡眠薬の使用 単一施設による横断的研究を実施した。皮膚科患者を対象に、皮膚関連および非皮膚関連の健康、睡眠行動、睡眠障害の原因や影響に関する質問票への回答を求めた。 皮膚科患者の睡眠障害の有病率、原因、影響について検討を行った主な結果は以下のとおり。・634例中、Regensburg Insomnia Scaleで不眠症と診断された患者は177例(27.92%)であった。・177例中、主観的な睡眠障害が認められた患者は115例(64.97%)であり、その内訳は以下のとおりであった。 ●皮膚関連の原因:64例(55.65%) ●非皮膚関連の原因:38例(33.04%) ●皮膚関連と非皮膚関連の併発:13例(11.30%)・皮膚関連の原因が認められた77例の原因別患者数の内訳は、以下のとおりであった。 ●かゆみ:50例(64.49%) ●皮膚関連の疼痛:43例(55.84%) ●皮膚関連の恐怖感:42例(54.55%)・睡眠障害により、115例中79例(68.70%)は日中のパフォーマンスが低下しており、24例(20.87%)は相対的に睡眠の質が低下していた。・異なる診断カテゴリにおける不眠症の有病率の範囲は、20.31~50.00%であった。・睡眠改善に対する最も一般的な方法は、睡眠薬の使用であった(115例中66例、57.39%)。 著者らは「皮膚疾患患者では、睡眠障害が一般的に認められており、日中のパフォーマンスの低下や相対的な睡眠障害、薬物療法の増加につながる可能性が高いと考えられる」としている。

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統合失調症の再発までの期間と再発歴との関係

 統合失調症は、再発を繰り返すことが多い疾患であり、このことはしばしば患者にとって悪影響を及ぼす。過去の統合失調症の再発歴は、今後の再発を予測する強力な因子であるといわれているが、この関連性は十分に定量化されているわけではない。デンマーク・ルンドベック社のKristian Tore Jorgensen氏らは、統合失調症の再発までの期間と患者の再発歴との関連を定量化するため、スウェーデンの実臨床データを用いて検討を行った。BMC Psychiatry誌2021年12月21日号の報告。統合失調症で再発を経験した患者の半数は1.23年以内に2回目の再発  スウェーデン国立患者レジストリと処方薬レジストリのデータを用いて、2006~15年に初めて登録された統合失調症患者の再発について、再発のプロキシ定義を用いて検討した。主要なプロキシは、7日以上の精神科入院を再発と定義した。その後、各再発リスクについてハザード比(HR)を算出し、Aalen-Johansen推定量を用いて、次の再発までの期間を推定した。 統合失調症の再発までの期間と患者の再発歴との関連を定量化した主な結果は以下のとおり。・対象の統合失調症患者数2,994例、統合失調症の再発エピソード5,820件のデータを分析した。・過去の統合失調症の再発回数が多いと、次回再発までの期間が短くなる傾向が認められた。・再発歴のない統合失調症患者の半数は、フォローアップから1.52年以内に最初の再発エピソードに遭遇すると推定された。・1回目の再発を経験した統合失調症患者の半数は、1.23年以内に2回目の再発を経験すると推定された。・次の再発までの期間は、2回の再発経験を有する統合失調症患者では0.89年に減少し、10回の再発経験を有する患者では0.22年に減少した。・研究母集団の異なる包括除外基準と再定義された再発プロキシを用いた補足分析では、次の統合失調症の再発までの期間の短縮に関連する過去の再発歴の回数の多さは、一時分析で観察された結果を反映していた。 著者らは「再発は、統合失調症の疾患進行を加速させる傾向を示し、再発回数が多くなると、より短い期間で再発することが明らかとなった。このことから、統合失調症患者の個々のニーズをよく理解し、早期に効果的かつ忍容性の高い治療を提供することが重要であると考えられる」としている。

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抗CGRP抗体中止後の頭痛や健康関連QOLに対する影響

 抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体による片頭痛治療は、患者の健康関連QOLに良い影響を及ぼす。ドイツの治療ガイドラインでは、抗CGRP抗体による治療に奏効後、6~12ヵ月間で治療を中止することが推奨されている。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のMaria Terhart氏らは、抗CGRP抗体治療中止後3ヵ月間における頭痛特有の一般的な健康関連QOLを評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年12月31日号の報告。 8~12ヵ月間の抗CGRP抗体治療後、予定された治療中止をこれから行う片頭痛患者を対象としたプロスペクティブ縦断的コホート研究を実施した。健康関連QOLの評価は、最後の抗CGRP抗体治療実施時(V1)、8週間後(V2)、16週間後(V3)に行った。頭痛特有の健康関連QOLの評価には、頭痛インパクトテスト(Headache Impact Test-6:HIT-6)を用いた。一般的な健康関連QOLの評価には、EuroQol-5-Dimension-5-Level(ED-5D-5L)およびPCS-12、MCS-12で構成されたSF-12を用いて評価した。3つの評価時点でのアンケート合計スコアの比較には、ノンパラメトリック手法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は61例(抗CGRP受容体抗体[エレヌマブ]:29例、抗CGRP抗体[ガルカネズマブまたはフレマネズマブ]:32例)。・HIT-6合計スコアは、V1で59.69±6.90であったが、V3で3.69±6.21増加しており(p<0.001)、患者の生活に対する頭痛の影響が大きいことが示唆された。・平均ED-5D-5L合計スコアは、V1の0.85±0.17からV3の-0.07±0.18へ減少していた(p=0.013)。・SF-12の精神的(MCS-12)および物理的(PCS-12)コンポーネントスコアは、治療中止中に有意な悪化が認められた。V1からV3への変化は、MCS-12スコアで-2.73±9.04減少(p=0.003)、PCS-12スコアで-4.04±7.90減少(p=0.013)であった。・すべての質問票のスコアに変化が認められたが、MCS-12ではV2ですでに有意な差が認められた。 著者らは「抗CGRP抗体治療中止により、片頭痛患者の頭痛への影響と健康関連QOLの有意な低下が認められた。これらの悪化は、各質問票における最低限の臨床的な影響を上回っており、臨床的な影響が表れていると見なすことができる。抗CGRP抗体の治療中止を行った際には、健康関連QOLをモニタリングすることで、予防治療の再開を決断しやすくなる可能性がある」としている。

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日本におけるベンゾジアゼピン受容体アゴニストの使用状況の変化

 近年、ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)の使用については、ガイドラインで慎重に検討すべきであることが示唆されているものの、日本におけるBZRAの使用状況の調査は十分に行われていなかった。九州大学の奥井 佑氏らは、大学病院の電子カルテデータを用いて、BZRAの使用傾向を調査した。Healthcare(Basel, Switzerland)誌2021年12月13日号の報告。 2009年4月~2021年3月のデータを用いて分析した。アウトカムは、次の3つとし、ベンゾジアゼピン系(BZD)および非ベンゾジアゼピン系(Z薬)について同様の分析を行った。[1]睡眠薬または抗不安薬の使用患者におけるBZRAの使用患者の割合[2]使用されたBZRAタイプの平均数[3]BZRAの1日量 主な結果は以下のとおり。・睡眠薬または抗不安薬の使用患者におけるBZRAの使用患者の割合は、75歳未満および75歳以上の患者において、とくに2015年以降より減少し始めていることが明らかとなった。・減少幅は、75歳以上の患者でより顕著であった。・75歳以上の患者では、研究期間中にBZDの使用が減少し、2016年よりZ薬の使用も減少し始めていた。 著者らは「ガイドラインで示されたことは、BZRA使用の減少に影響を及ぼした可能性があることが示唆された」としている。

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アセナピンとオランザピン、日本人統合失調症患者での治療継続率

 アセナピンは、多元受容体作用抗精神病薬(MARTA)に分類される第2世代抗精神病薬であり、その薬理学的特徴はオランザピンと類似している。藤田医科大学の松崎 遥菜氏らは、実臨床データを用いて、統合失調症に対するアセナピンとオランザピンの治療継続率や中止理由についての比較を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2021年12月14日号の報告。アセナピン群の6ヵ月間の治療継続率は27.3%、オランザピン群で50.8% 本研究は、レトロスペクティブ研究として実施した。主要エンドポイントは、6ヵ月間に治療継続率のカプランマイヤー推定とし、潜在的な交絡因子で調整するため傾向スコア法を用いて評価した。 統合失調症に対するアセナピンとオランザピンの治療継続率や中止理由について比較した主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者95例(アセナピン群:46例、オランザピン群:49例)を対象とし、分析を行った。・一致したデータを6つの共変量(年齢、性別、クロルプロマジン換算量、ジアゼパム換算量、クロザピンの使用歴、修正型電気けいれん療法の使用歴)を考慮し調整した。・一致したデータにおける6ヵ月間の治療継続率は、アセナピン群で27.3%(95%信頼区間[CI]:15.6~47.6)、オランザピン群で50.8%(95%CI:34.3~75.3)であった(ハザード比[HR]:0.41、95%CI:0.21~0.82、p=0.0088[Log rank検定])。・効果不十分による中止率は、アセナピン群で13.0%、オランザピン群で10.2%とほぼ同様であった。・アセナピン群のみで観察された副作用は、苦みによる中止(6.5%)、投薬方法の負担(6.5%)であり、オランザピン群のみで観察された副作用は、口渇(4.1%)や便秘(2.0%)などの抗コリン作用系副作用であった。 著者らは「実臨床におけるアセナピンの治療継続率の低さは、苦みや投薬方法などの特定の因子に関連している可能性が考えられる」としている。

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年末年始の当直・輪番当番は増えた、減った?/ケアネット

 2022年も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する中で迎えた。とくに初冬より流行し始めたオミクロン株は感染力の強さもあり、わが国全体が不安と戸惑いの中で新しい年を迎えた。そうした環境の中で、果たして年末・年始の当直・輪番当番に大きな動きはあったのであろうか。CareNet.comは1月13日(木)にWEBアンケートで医師会員400名に年末・年始の当直・輪番当番について調査を行った。■アンケート概要実施期日:2022年1月13日(木)調査方法:インターネット対象者:医師会員400名(年齢別に20・30代/40代/50代/60代以上に区分)「年代が若い」「病床規模が大きい」の項目で当直・輪番当番が「あり」の回答が増加 質問1として「年末年始に当直当番また輪番当番があったか」(単回答)をたずねたところ、医師会員全体(n=400)で「あった」が206名(51.5%)、「ない」が194名(48.5%)とほぼ同程度だった。20・30代の医師会員(n=100)では「あった」が63名、「ない」が37名と「あった」と回答した医師が多かったが、60代以上の医師会員(n=100)では「あった」が43名、「ない」が57名と「ない」が回答を逆転した。 また、病床別では「あった」について200床以上(n=236)で146名(61.9%)、20~199床(n=81)で38名(46.9%)、0~19床(n=83)で22名(26.5%)と規模により大きく分かれた。 質問2として「年末年始の当直当番または輪番当番の頻度はどれくらいか」(単回答)をたずねたところ、医師会員全体(n=400)では「3~4日に1回程度」が83名(20.75%)と回答した医師会員が一番多かった(「なかった」を除く)。また、「4~7日に1回程度」が79名(19.75%)も2番目に多く、短期のローテーションで当番に入っていた。病床別でもほぼ同様の回答傾向だった。 質問3として「1年前の年末年始と比較して来院患者数に増減はあったか」(単回答)をたずねたところ、医師会員全体(n=400)では「同程度」が187名(46.75%)、「減った」が49名(12.25%)の順で多く、「増えた」のは37名(9.25%)だった。医師会員の回答では、例年通りの年末年始の来院者数だったことがうかがえる(不明または診療していないを除く)。病床別でもほぼ同様の回答傾向だった。 質問4として「年末年始の当直当番や輪番当番について改善すべき点」(複数回答)をたずねたところ「当番可能な医師・医療スタッフの増員」が180名、「COVID-19疑い患者用の特別外来の設置と誘導」が135名、「患者さんへの疾患啓発」が112名の回答順で多かった。 最後に自由記載として「年末年始の診療でとくに印象に残った症例や患者さんのエピソード」についてたずねたところ、「モチによる気道の閉塞」「患者の問題受診行動(例:コンビニ受診、救急車をタクシー代わりなど)」「高齢者の便秘」「切迫した急な手術」などが寄せられた。

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日本人の統合失調症、うつ病入院患者に対する睡眠薬の使用状況

 京都大学の降籏 隆二氏らは、統合失調症およびうつ病の入院患者に対する睡眠薬の使用率と睡眠薬と抗精神病薬使用との関連について調査を行った。Sleep Medicine誌オンライン版2021年11月22日号の報告。 全国の精神科病院200施設以上が参加する「精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究」(EGUIDEプロジェクト)の一環として、全国横断的研究を実施した。統合失調症入院患者2,146例とうつ病入院患者1,031例のデータを分析した。すべての向精神薬の投与量を記録し、退院時のデータを分析した。睡眠薬と抗精神病薬使用との関連を評価するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・睡眠薬を単剤または2剤以上で使用していた患者の割合は、それぞれ以下のとおりであった。 ●統合失調症入院患者:睡眠薬単剤療法55.7%、併用療法17.6% ●うつ病入院患者:睡眠薬単剤療法63.6%、併用療法22.6%・多変量ロジスティック回帰分析では、統合失調症入院患者における睡眠薬使用と正の関連が認められた因子は、2種類以上の抗精神病薬の使用および抗コリン作用薬、抗不安薬、気分安定薬、抗てんかん薬の使用であった。・うつ病入院患者では、2種類以上の抗うつ薬、抗精神病薬の使用および抗不安薬、気分安定薬、抗てんかん薬の使用と睡眠薬使用との間に正の関連が認められた。 著者らは「睡眠薬の使用は、精神疾患を有する入院患者において、頻繁に認められることが明らかであった。統合失調症およびうつ病の入院患者のいずれにおいても、抗精神病薬の併用療法は、睡眠薬使用に影響を及ぼすことが示唆された」としている。

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