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COVID-19の希少疾病患者・家族への影響/特定非営利活動法人ASrid

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、不要不急の外出制限がされたことで、全国的に通常診療の診療控えがみられる事態となった。 こうした社会情勢下でCOVID-19は希少・難治性疾患を持つ患者、その家族にどのような影響を与えたか、希少・難治性疾患分野における全ステイクホルダーに向けたサービスの提供を目的に活動する特定非営利活動法人ASrid(アスリッド)は、全国の患者とその家族、患者団体向けに調査を行い、「COVID-19 が希少・難治性疾患の患者・家族および患者団体に与える影響に関する調査報告書(一次報告)」としてまとめ、結果を発表した(なお、分析は欠損値を除外して実施している)。患者の9割がCOVID-19を「高い脅威」と感じている1)患者・患者家族について期間:2020年10月~11月回答数と属性:有効回答数363人(患者本人:251人、家族など112人)(1)回答者の関連する疾患(上位3つ) 神経・筋(30%)、免疫(18%)、代謝・内分泌(10%)(2)回答者の関連する障害(上位3つ) 肢体不自由(40.8%)、内部障害(20.4%)、言語・聴覚障害(7.2%)2)質問と回答(質問1)COVID-19への脅威の感じ方・COVID-19に対して患者が感じる脅威(n=251):「非常に高い脅威」(52%)、「高い脅威」(38%)、「低い脅威」(7%)「非常に低い脅威」(3%) ・COVID-19に対して家族からみた患者への脅威(n=103):「非常に高い脅威」(72%)、「高い脅威」(24%)、「低い脅威」(3.6%)(質問2)COVID-19による主治医との面談のキャンセル(中断)/延期「延期」(33%)、「経験なし」(42%)、「関係なし」(21%)、「キャンセル」(4%)(質問3)COVID-19による検査のキャンセル(中断)/延期「延期」(33%)、「経験なし」(42%)、「関係なし」(21%)、「キャンセル」(4%)(質問4)COVID-19以降の通院頻度の変化「長くなった」(26%)、「短くなった」(5%)、「変わらない」(69%)(質問5)治療の中断/延期は患者自身・家族にとって、どの程度、生命の脅威・健康に悪影響を与えたと認識しているか・患者自身の認識:「治療中断は生命の脅威」(58.3%)、「治療中断は健康に悪影響」(74.2%)・家族の認識:「治療中断は生命の脅威」(55.8%)、「治療中断は健康に悪影響」(75%)(質問6)オンライン診療の経験の有無とその評価・オンライン診療経験の有無:「経験した」(29%)、「経験していない」(71%)・オンライン診療の評価(「経験した」と回答した95人):「非常に役に立った」(56%)、「役に立った」(42%)、「あまり役に立っていない」(2%)(質問7)患者・家族のメンタルヘルスの課題および家族関係「よく感じた/しばしば感じた」で多かった項目は、「不満や憂鬱」、「家族との絆」、「問題への無力感」、「家族への不満」、「孤立感」の順番だった。  患者・患者家族への調査の結果、COVID-19への脅威は強く感じているものの、診療の中断や通院機会の減少などの影響は大きくなかった。また、オンライン診療は、3割程度にしか浸透していないが、受診者の満足度は高いことがわかった。患者団体はコロナ禍の下でも工夫して情報発信1)患者団体について期間:2020年10月~11月回答数と属性:有効回答団体69団体(1)回答団体の関連する疾患(上位3つ) 神経・筋(29%)、代謝・内分泌(10%)と染色体・遺伝子変化(10%)は同数(2)回答団体の会員数(上位3つ) 1~99名(35%)、100~499名(33%)、500~999名(12%)2)質問と回答(質問1)団体収入の規模(上位3つ)50万円未満(36%)、500万円未満(29%)、1,000万円未満(17%)(質問2)団体諸活動への影響「とてもネガティブに影響/少しネガティブに影響」した事項として「総会」「交流会・講演会・相談会」、「講演・講師活動」が多く挙げられた。(質問3)COVID-19に関連した新規活動の種類(n=65)「関連情報の展開・啓発」(23団体)、「アンケートの実施」(12団体)、「webinarの実施」(4団体)、「マスク・消毒液などの配布」(4団体)、「行政への要望活動」(5団体)(質問4)COVID-19に関連した団体の活動手法(上位3つ)「講演・交流会のオンライン化」(38団体)、「会議のオンライン化」(24団体)、「総会のオンライン化」(10団体)(質問5)団体活動・運営についての懸念事項(上位3つ)「イベント開催困難」(45団体)、「会員減少」(14団体)、「オンラインツール活用困難」(10団体)(質問6)Withコロナ時代の患者団体への支援ニーズ(ニーズを満たす上位3つ)「信頼できる情報源と専門知識の提供」(64%)、「web会議システム利活用トレーニング」(60%)、「患者のメンタルサポート」(42%) 各患者団体は、COVID-19禍の中で、密を避ける工夫をし、オンラインによるイベント開催を行っていた。また、各団体は、収入などが減少する中でも、関連情報の展開や啓発などポジティブな活動をしていることが判明した。 同団体では、最終報告に向けて、さらに分析を行うとしている。

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開業はしてみたものの、スタッフとの距離が縮まらない…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第8回

第8回 開業はしてみたものの、スタッフとの距離が縮まらない…漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継において、買い手の方から多い質問が「現在のスタッフを引き継ぐべきでしょうか?」というものです。スタッフの引き継ぎについては、そもそも承継の主体となるものが、「法人」なのか「個人」なのかによって異なります。・(医療)法人の場合法人ごと引き継ぐことになるため、原則として法人に勤務するスタッフは継続雇用になります。・個人の場合法人格がない診療所を引き継ぐ場合は、スタッフとの契約をいったん解消したうえで、新設の診療所が再度雇用契約を結びます。新体制になるとなれば、当然スタッフは不安を感じるものです。新しい院長はどんな人か、勤務条件や診療時間は変わらないのかなど、多くの疑問も抱えているはずです。法人・個人いずれの場合でも、医業承継を行う(新体制になる)よりも前に、売り手側の院長に許可を得てスタッフとの面談を行い、新体制になってから目指すべき姿を伝え、継続雇用する場合にはスタッフへの期待を伝えることが重要です。「現在の雇用条件を継続できない」という場合や「一人ひとり面接して継続雇用するかどうか決めたい」という場合は、当然ながら新体制のスタート前に面接を行うことになります。そうでない場合でも、スタッフの不安払拭とスムーズなスタートのために、事前面談でスタッフ個々人の状態を把握しておくことが重要なのです。今回のように、承継後にスタッフとのコミュニケーションがスムーズにいかず、試行錯誤される例もあります。売り手の院長が病気などの理由でタイトなスケジュールで引き継ぎを行わざるを得ない、といったレアケースを除き、「新体制に入る前」にきちんとスタッフとコミュニケーションをとることが原則です。

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「ゾフルーザ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第32回

第32回 「ゾフルーザ」の名称の由来は?販売名ゾフルーザ®錠 10mgゾフルーザ®錠 20mgゾフルーザ®顆粒2%分包一般名(和名[命名法])バロキサビル マルボキシル(JAN)効能又は効果〈ゾフルーザ錠20mg、ゾフルーザ顆粒2%分包〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防〈ゾフルーザ錠10mg〉A型又はB型インフルエンザウイルス感染症用法及び用量通常、以下の用量を単回経口投与する。画像を拡大する警告内容とその理由1.本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。2.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2020年12月29日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年12月改訂(第6版)医薬品インタビューフォーム「ゾフルーザ®錠10mg・20mg/ゾフルーザ®顆粒2%分包」2)シオノギ製薬:製品情報一覧

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インフルエンザは1,000分の1、COVID-19余波でその他感染症が激減

 日本感染症学会と日本環境感染学会を中心に各医学会や企業・団体が連携し、感染症の予防に向けた啓発活動を行う共同プロジェクト「FUSEGU2020」は、2021年に開催が予定されるオリンピックを鑑み、注意すべき感染症と2020年の感染症流行の状況を解説するメディアセミナーを行った。 セミナーにおいて、防衛医科大学校内科学(感染症・呼吸器)教授の川名 明彦氏が「国際的マスギャザリングに向け、注意すべき感染症」と題した発表を行った。川名氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受け、その他の感染症の流行状況に大きな変化が生じている状況を紹介した。 オリンピックをはじめとした大規模イベント時にはインバウンド感染症(罹患した外国人の訪日を契機として持ち込まれた感染症)に警戒が必要となる。首都圏にとどまらず全国のホストタウンにおいても流行のリスクを踏まえ、事前の周知・対応が重要な感染症として結核・麻疹・デング熱・侵襲性髄膜炎菌感染症が挙げられた。 しかし、COVID-19拡大につれて海外との往来は制限され、東京オリンピックは延期が決定。緊急事態宣言に伴い外出自粛となり、宣言解除後もリモートワーク推進や会合自粛の流れが続いている。4月以降は訪日外国人数が例年の1,000分の1以下という極めて低い水準で推移しており、日常生活においては手洗い、マスク、換気、ソーシャルディスタンスの確保などが習慣化している。 こうした状況に伴い、今年はCOVID-19以外の主だった感染症の発症数が激減している。たとえば、インフルエンザの12月第1週の報告数は63(昨年同期:4万7,200)、流行の基準とされる定点当たりの新規患者数も0.01(同:9.52、流行開始の目安は1.0)と激減しており、冬の流行シーズンに入った現在も大規模な流行の報告はない。 ほかにも、2013年の流行時には年間1万4,344人、昨年も2,306人の感染者を出した風疹は12月第1週までの累計報告数が99人、昨年744人だった麻疹は同13人といずれも激減。人との接触機会の減少とともに、麻疹の場合は患者に訪日外国人の割合が多く、訪日者の減少が大きな要因として考えられるという。 川名氏は「患者の受診抑制による未診断、といった要因も考えられるため慎重な判断が必要だが、COVID-19感染防止対策が接触・飛沫感染を主な感染経路とするその他感染症の流行に抑制的に作用していることは間違いないだろう」と解説。一方で、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、梅毒となった性感染症については例年と比較した発症数に大きな変化はなく、「こうした感染症には異なる予防対策が必要になるだろう」とした。

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「日本における希少疾患の課題」を刊行/武田薬品工業

 希少疾病の診療のポイントは、いかに迅速に確定診断し、専門の診療科で治療を開始するかにある。しかし、現在、希少疾病の確定診断では、正確な診断を得るのに長期間を要することが課題となっている。 たとえば、遺伝性血管性浮腫(HAE)の場合、確定診断までの平均期間がわが国では約13.8年であるのに対し、米国は約10年、欧州は約8.5年であり、日本は欧米に比べ長期間を要する状況である。希少疾病の患者さんの迅速な診断と適切な治療、支援を受けられる環境づくり 武田薬品工業株式会社は、こうした状況を鑑み、希少疾患の患者さんの課題を分析し、解決の糸口を考察した白書『日本における希少疾患の課題~希少疾患患者を支えるエコシステムの共創に向けて~』(以下、本書」)を刊行し、同社ホームページで公開した。 本書は、国内外の専門家の意見や文献調査をベースに、同社が知見を有するデータを交え、発症してから医療機関で正しい診断を受け、治療を進めていく中で患者さんが直面するさまざまな課題に関する要因分析、改善に向けての提言が含まれている。 同社の濱村 美砂子氏(ジャパンファーマビジネスユニット レアディジーズビジネスユニット ヘッド)は、白書刊行のねらいを「希少疾患の患者さんを取り巻く課題は多様であり、治療のみではなく多岐にわたる。そのような実情を一人でも多くの方に理解いただくために本書を作成した。また、患者さんのおかれた環境を改善するには、医療従事者や行政、患者会、企業など多様なステークホルダーが持続的に連携しあうエコシステムの構築が不可欠。当社は、治療薬の創出にとどまらず、一日も早く患者さんが診断され適切な治療と支援を受けられる環境づくりに貢献できるよう、幅広いステークホルダーと協働していく」と語っている。主な内容と目次【主な内容】・日本における希少疾患の患者さんを悩ませる課題とその根本的原因を患者団体、臨床開発、医師間連携などの観点から分析した、製薬企業発の希少疾患白書・国内外の専門家の証言や各種データをもとに、希少疾患患者さんにとって課題となる迅速な確定診断、専門的な医療などに関する海外の先進事例を紹介・患者さんを中心に、医療従事者や政府、患者団体や企業が連携して課題解決に取り組むための提言患者団体の強化支援、疾患啓発推進のための環境整備などを掲載【目次】1. 概要2. 背景及び目的3. 希少疾患の概要4. エコシステムを形成するステークホルダーの概要5. 希少疾患患者の抱える苦悩 「ペイシェント・ジャーニー」の考察6. 患者の苦悩を増幅させる「負の連鎖」の考察7. 根本的原因の深掘り-海外の事例とともに掘り下げる-/根本原因1~48. 希少疾患患者の課題を解決するエコシステム創造に向けた提言/提言1~59. 結論資料編:希少疾患に関する重要用語/略語/出典/数字で見る「ペイシェント・ジャーニー 希少疾患患者がたどる道のりと課題」

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「俺はデキる男!」――、 たとえそうでも契約時の直接交渉はNG!というお話【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第7回

第7回 「俺はデキる男!」――、 たとえそうでも契約時の直接交渉はNG!というお話漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継の事業をしていると「業者なんて要らないよ」「契約も自分でやりますから」とおっしゃる医師の方に遭遇することがあります。医師の方は概して優秀で「勉強すれば何でもわかる」という成功体験をされている方が多いこともあるでしょう。でも、皆さんは不動産の売買契約を自分でやろうと思うでしょうか? 医業承継は実際に不動産契約が含まれる場合もあり、高い専門性が求められる分野です。不動産売買のように古い業界でも、今なお仲介事業者が介在する取引が一般的であることを考えると、当事者同士の直接取引がいかにトラブルを招きやすいものであるかが理解できるかと思います。直接取引でありがちなトラブルとしては、以下のようなものがあります。(1)口約束で話を進め、契約直前でどちらかが辞退したり、条件を大きく変更したりする(今回の事例ですね)(2)譲り受ける資産・売上(患者数)などの情報について、口頭の感覚値で話を進め、承継直前で実態が異なることが判明する(3)当事者同士は合意したものの、不動産オーナーなど関係者への根回しができておらず、そこがネックになって破談になる(4)簿外債務(決算書内に記載がないため見落としがちな負債)を引き継いでしまう(5)不十分な内容で契約を締結した結果、想定していた譲渡金が得られない医業承継では、下記のようにフェーズごとに行うべき取り組みが決まっています。医業承継の基本の流れと要する期間画像を拡大するさらに言えば、医業承継における契約書のフォーマットもある程度まで決まっています。これは過去のトラブル例を踏まえ、同じ轍を踏まないため今のかたちになっているのです。確かに仲介事業者に依頼すれば費用は発生しますが、それに見合うだけの「先人の知恵」と「トラブル回避策」があるのです。直接取引は避け、仲介事業者へ依頼することをお勧めします。

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乳幼児診療に感染予防策加算上乗せ、診療科問わず/日医

 厚生労働省は、小児診療の実態や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復後における継続的治療の必要性などの観点から、新型コロナ感染が急速に拡大している間の特例措置として、2020年12月15日付けで事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」を発出した。 「外来における小児診療等に係る評価」と「新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院支援」に関する上乗せ加算が軸となっている。これに対し、16日に実施された日本医師会の記者会見で、松本 吉郎常任理事が補足説明を行った。乳幼児への外来診療などに感染予防策加算上乗せ(1)外来における小児診療等に係る評価 今回、感染予防策実施について、より配慮が求められる6歳未満の乳幼児への外来診療などに対する評価として、通常の乳幼児加算に上乗せで医科100点、歯科55点、調剤12点を特例的に算定できることとなった。これは、『小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症2019(COVID-19)診療指針』を参考に、感染予防策を講じた上で外来診療などを実施した場合、初診・再診に関わらず算定可能。(2)新型コロナウイルス感染症からの回復患者の転院支援 COVID-19から回復した後、引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関において、必要な感染予防策を講じた上で入院診療を行った場合の評価を3倍に引き上げ、これまでの250点から750点となった(臨時特例二類感染症患者入院診療加算)。 なお、算定に当たっては、患者またはその家族に対して、院内感染予防に留意した対応をしっかり行っている旨を十分に説明し、同意を得る必要がある。松本氏は、「医療現場の皆さまには一定の負担をかけることになるが、口頭で構わないので説明と同意への対応をお願いしたい」と理解を求めた。乳幼児診療への感染予防策加算は小児科に限定されない 記者会見では、補足説明として「両加算は発出時点(12月15日)から算定可能」「乳幼児診療への加算は小児科に限定されず、病院・診療所も問わない」「あらゆる現行の算定に対して上乗せで算定できる」などが示された。松本氏は、「まずは今回の措置をきっかけに、医療機関が継続的に感染予防策に取り組むことで、受診をためらっていた患者・家族に安心を与え、疾病の悪化や健康への悪影響が少しでも軽減されることを期待している」と述べた。 日本医師会は、今回の措置も不可欠だが決して十分ではなく、COVID-19に対応する全国すべての医療機関・医療従事者に対して、精神的ケアと人的・物的サポートが提供され、崩壊が進む医療提供体制の立て直しの一助となるよう、さらなる対応を引き続き要望していくとした。

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青年期のSNS利用と抑うつや不安症状との関連

 青年期や幼年期後期におけるソーシャルネットワーク(SNS)利用は、急激に増加している。このような変化によるメンタルヘルスへの影響は議論されているが、さらなる経験的評価が求められる。オーストラリア・メルボルン大学のLisa K. Mundy氏らは、青年期のSNS利用と抑うつ症状、不安症状との関連について調査を行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2020年11月22日号の報告。 Childhood to Adolescence Transition Studyのデータ(1,156例)を利用し、11.9~14.8歳の4つの時点でのSNS利用時間を毎年測定した。1日1時間以上のSNS利用を、利用率が高いと定義した。SNS利用と抑うつ症状、不安症状との横断的および将来的な関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、社会経済的地位、メンタルヘルス罹病歴で調整した横断的分析により、SNS利用率が高い人においてメンタルヘルスリスクとの関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●SNS利用率が高い女性は抑うつ症状リスクが高い(オッズ比[OR]:2.15、95%信頼区間[CI]:1.58~2.91) ●SNS利用率が高い女性は不安症状リスクが高い(OR:1.99、95%CI:1.32~3.00) ●SNS利用率が高い男性は抑うつ症状リスクが高い(OR:1.60、95%CI:1.09~2.35)・女性では、利用頻度に波のない人と比較し、1つ前の波(OR:1.76、95%CI:1.11~2.78)と2つまたは3つ前の波(OR:2.06、95%CI:1.27~3.37)のSNS利用率の高さが、14.8歳時の抑うつ症状のORの増加と関連が認められた。 著者らは「SNS利用率の高い若者では、抑うつ症状や不安症状リスクの中程度の増加が認められた。初期のメンタルヘルス問題に対する予防プログラムにおいて、青年期初期のSNS利用に焦点を当てることが有用である可能性が示唆された」としている。

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第38回 小児は新型コロナウイルスをどうやら寄せ付けず、侵入すればすぐに始末する

小児の新型コロナウイルス感染(COVID-19)は少なく1)、しかもたいてい無症状か軽症で済みます2)。小児の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への免疫はどうやら大人と違い、SARS-CoV-2をより軽々と除去できる仕様になっていることを裏付ける研究成果が増えつつあります。ある家族の10歳未満の小児3人はSARS-CoV-2への抗体を発現しましたが、28日間に行った11回ものPCR検査では誰ひとりSARS-CoV-2の存在を示す陽性反応を示しませんでした3)。一方、それら3人の子の両親のPCR検査ではSARS-CoV-2が検出されており、家族を調べたオーストラリアの研究所・Murdoch Children's Research Instituteのチーム4)の免疫学者Melanie Neeland氏によると小児の免疫は検査で検出できるほどにSARS-CoV-2を増やすことを許さず即刻押さえつけてすぐさま払い除けてしまうようです5)。SARS-CoV-2感染に応じて稀に生じる重度の合併症・多臓器炎症症候群(MIS)に陥った小児でさえPCR検査でウイルスが検出されるのはせいぜい2人に1人、少なければ3人に1人にも満たないほどです5)。生み出す抗体も小児と大人では違っています。成人32人と18歳以下の小児47人を調べたところ6)、小児と成人のどちらもSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に対する抗体を発現したのとは対照的にSARS-CoV-2ヌクレオカプシドタンパク質への抗体は成人にはあって小児には認められませんでした。研究を率いた米国・ニューヨーク市コロンビア大学の免疫学者Donna Farber氏によるとヌクレオカプシドタンパク質はウイルスが全身を巡るほどになって初めて目につく量が出回るようになります5)。小児がヌクレオカプシドタンパク質への抗体を欠いていたことは体内での感染が広範囲に及んでいないことを恐らく意味しており、先に述べたNeeland氏等の研究でも示唆されたように小児の免疫はSARS-CoV-2をさっさと追い払ってしまってはびこらせないようです。小児の鼻にはSARS-CoV-2のいわば侵入口とみられるACE受容体が少なく7)、入り込んだSARS-CoV-2への素早い免疫反応に加えて小児はそもそもSARS-CoV-2を受け付けない作りになっているようです。そういう大人にはない仕様も含めて1つではなく幾つかの要素が重なって小児はCOVID-19で倒れ難くなっているのでしょう。参考1)Wu Z, et al. JAMA. 2020 Apr 7;323:1239-1242.2)Dong Y, et al. Pediatrics. 2020 Jun;145.3)Tosif S, et al. Nat Commun. 2020 Nov 11;11:5703.4)Kids mount a COVID-19 immune response without detection of the SARS-CoV-2 virus/Murdoch Children’s Research Institute5)Nogrady B. et al. Nature. 2020 Dec 10.6)Weisberg SP, et al. Nat Immunol. 2020 Nov 5.7)Bunyavanich S, et al.. JAMA. 2020 Jun 16;323:2427-2429.

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スマホ中毒は女性に多い【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第176回

スマホ中毒は女性に多いphotoACより使用私は子供の寝かしつけの時、枕の下にスマホをしのばせて、右半分でトントンしながら左半分でスマホをみるという特技を持っています。……。…………。というわけで、今回はスマホ中毒の話ッ!Tangmunkongvorakul A, et al.Factors associated with smartphone addiction: A comparative study betweenJapanese and Thai high school studentsPLoS One . 2020 Sep 8;15(9):e0238459.これは、タイと日本における高校生のスマホ中毒について調べた集団ベース研究です。高校2年生に該当する16~17歳の男女を被験者としました。Youngらによって開発された、20項目の質問からなるインターネット依存症を、スマホ中毒版に改変して診断しました。そして、多変量ロジスティック回帰分析を用いて、スマホ中毒に関連する因子を調べました。合計7,694人の生徒が登録されました(日本:6,585人、タイ:1,109人)。スマホ中毒の頻度は、日本の高校生で12%、タイの高校生で35.9%でした(日本と比較したタイの補正オッズ比[aOR]:2.76、95%信頼区間[CI]:2.37-3.30)。日本のほうがIT機器の普及が多いと思っていたのですが、日本の高校生におけるスマホ普及率は95%、タイの高校生は97.5%と、むしろタイのほうが多いという結果でした。女子高生は、スマホ中毒のリスク上昇と関連していました(日本のaOR:1.53、95%CI:1.32~1.78、タイのaOR:1.34、95%CI:1.01~1.78)。日本の高校生では、「両親は、私の元気がないときに気付く」(aOR:0.77、95%CI:0.61~0.96)、「両親は、私に何かいいことがあったとき気付く」(aOR:0.78、95%CI:0.61~0.99)、という質問はスマホ中毒のリスク低下と関連していました。今や、小学生もスマホを持って、SNSを活用する時代となりました。見知らぬ人と出会う約束をして、犯罪に巻き込まれたなんて事件もありました。そういうときこそ、親と子のリアルな関係性が重要になるのです。SNSで下ネタをつぶやいていたら、お母さんがフォロワーにいて「恥ずかしいからやめなさい」と言われた高校生もいるらしいです。すごい時代ですな。

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医師が選ぶ「2020年の顔」TOP5!(医療人、政治家部門)【ケアネット医師会員アンケート結果発表】

新型コロナの国内発生と流行、緊急事態宣言、東京五輪延期…本当にいろいろあった2020年―。今年を振り返ってみて思い浮かぶのは誰の顔でしょうか。ケアネットでは医師会員にアンケートを実施。535人の先生方にご協力いただき、選ばれた「今年の顔」は?今回は、医療人部門と政治家部門のTOP5をご紹介します!新型コロナのコメンテーター部門 、文化・芸能人部門 はこちら!医療人部門第1位 尾身 茂氏ダントツの得票数で第1位となったのは、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議およびその後の分科会で、中心的役割を担っている尾身 茂先生。経験に裏付けされたリーダーシップはもちろん、記者会見などでは報道陣からの質問に根気強く答える姿も印象的でした。選んだ理由のコメント中には、「安定」や「信頼」という言葉が多く並びました。 「尾身 茂」氏を選んだ理由(コメント抜粋)指導者として信頼しています。(60代 産婦人科/大阪府)今年はこの人しかいないでしょう。(40代 内科/東京都)医療と政治の板挟みに苦悩しているところが印象に残った。(50代 精神科/神奈川県)第2位 忽那 賢志氏コメンテーター部門での1位に続き、医療人部門でも2位にランクイン。新型コロナの最前線で診療に当たる感染症専門医として、医師からの知名度と信頼度の高さが伺える結果となりました。国内での症例数があまり多くなかった段階から、エビデンスに自身の診療経験からの知見を織り交ぜ、わかりやすく解説されていた姿が印象に残った先生も多かったのではないでしょうか。 「忽那 賢志」氏を選んだ理由(コメント抜粋)臨床で活躍されており、経験、知識も豊富で、説明も論理的で分かりやすい。(40代 内科/埼玉県)最も信頼できるから。(40代 精神科/愛知県)さまざまなメディア、講演会などで見かける機会が多かったから。(20代 臨床研修医/滋賀県)第3位 岩田 健太郎氏ダイアモンドプリンセス号についてのYouTube動画の配信は、大きな反響を呼びました。選んだ理由についてのコメントでは、「世の中にインパクトを与えた」という声のほか、「良くも悪くも発信力があった」といった声も。現場の医療者が発信する情報として、その後も発信を継続的にチェックしていたという声もあがっています。 「岩田 健太郎」氏を選んだ理由(コメント抜粋)新型コロナウイルス感染症に関する行動および発言が際立っていた。(40代 精神科/北海道)現場の実態をわかっているから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/兵庫県)いい意味でも悪い意味でも印象に残ったから。(50代 神経内科/徳島県)第4位 西浦 博氏 「西浦 博」氏を選んだ理由(コメント抜粋)純粋に学問的見地からがんばっておられた。(40代 皮膚科/東京都)統計を介したモデルだが世間で議論するたたき台となった。(30代 膠原病・リウマチ科/北海道)コロナ対策で奮闘された。(20代 臨床研修医/東京都)第5位 山中 伸弥氏 「山中 伸弥」氏を選んだ理由(コメント抜粋)独自の視点で情報発信されているので。(50代 消化器内科/山口県)ツベルクリンの話に共感したから。(50代 産婦人科/愛媛県)政治家部門第1位 安倍 晋三氏憲政史上最長となる7年8ヵ月の長期政権を築き、今年9月に体調不良を理由に辞任した安倍 晋三前内閣総理大臣が第1位に。 アベノマスクや給付金支給などの施策を含め、先進諸国の中では結果的に感染者数を抑えたことを評価する声、体調を慮る声が多くみられました。持病とされる潰瘍性大腸炎に光を当てることにも貢献されたのではないでしょうか。 「安倍 晋三」氏を選んだ理由(コメント抜粋)日本で結果的に感染者を増やさなかったから。(30代 泌尿器科/福岡県 他多数)体調の悪い中リーダーとして可能なかぎりの仕事をされたと思います。(30代 耳鼻咽喉科/福岡県)在任時のさまざまな対策は今も続行されている。(50代 消化器外科/鹿児島県)第2位 吉村 洋文氏新型コロナウイルス感染拡大で各首長のリーダーシップが求められるなか、1975年生まれ45歳の大阪府知事はスピード感のある対応や発信力の高さで注目を集めました。ポピドンヨード入りのうがい薬を推奨した件では批判を浴びましたが、「何とか状況を改善しようと先頭に立って行動している」と評価する声が多く上がりました。 「吉村 洋文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)誤った情報もあるが、責任ある立場でより良い方向を目指している姿勢が伝わるから。(30代 小児科/大阪府)第一波の時の対応の早さは今までの日本の政治家ではあまり見られなかったと思う。(40代 泌尿器科/兵庫県)フットワーク良く決断力がある。(40代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都府)第3位 菅 義偉氏第2次安倍政権が発足した2012年以降、長きにわたり官房長官を務めてきた菅氏が、安倍政権を引き継ぐ形で第99代内閣総理大臣に就任しました。突然の交代、そして新型コロナ感染症対応が求められる難しいタイミングでの就任となりましたが、官房長官としての第一波への対応経験に期待するコメントが多く寄せられました。 「菅 義偉」氏を選んだ理由(コメント抜粋)官房長官として初期対応から重責を担っていたから(20代 臨床研修医/滋賀県)安倍政権時代から比較的バランスのとれた政策、実行力が感じられた(40代 血液内科/宮城県)期待も込めて(40代 病理診断科/島根県)第4位 オードリー・タン(唐 鳳)氏 「オードリー・タン」氏を選んだ理由(コメント抜粋)封じ込めに成功した台湾のキーマンである。(40代 神経内科/茨城県)日本のITがいかに遅れているのかを気づかせてくれた。(30代 臨床研修医/福岡県)若くて頭も切れて素晴らしい。(40代 皮膚科/群馬県)第5位 蔡 英文氏 「蔡 英文」氏を選んだ理由(コメント抜粋)民主主義的な手法でコロナ収束に導いた。(30代 内科/広島県)初期のコロナ対策は見事。(30代 心療内科/東京都 他多数)★アンケート概要★アンケート名 :『2020年振り返り企画!さまざまな分野の「今年の人」を挙げてください』実施日    :2020年11月12日~19日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

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AYA世代のがん発生率、42年間で3割増

 AYA世代(15~39歳)のがんは、通常のがん集団とは異なる点が多いが、その疫学的特徴と傾向についてのデータは不足している。今回、米国・Penn State Cancer InstituteのAlyssa R. Scott氏らが、米国人口ベースの後ろ向き横断研究を実施したところ、AYA世代におけるがんの発生率は42年間で29.6%増加しており、腎がんが最も高い増加率だった。JAMA Network Open誌2020年12月1日号の報告。AYA世代でがんと診断された患者の割合は診断時の年齢とともに増加 研究者らは、1973年1月1日~2015年12月31日のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースのレジストリデータ(SEER 9、SEER 18)を使用。最初の分析は、2019年1月1日~8月31日に実施された。 AYA世代におけるがんの増加を研究した主な結果は以下のとおり。・本研究は、1973~2015年に診断された合計49万7,452例のAYA世代がん患者を対象とし、女性29万3,848例(59.1%)、男性20万3,604例(40.9%)で、79.9%が白人だった。・AYA世代でがんと診断された患者の割合は、診断時の年齢とともに増加した(15~19歳:3万1,645例[6.4%]、35~39歳:19万7,030例[39.6%])。・15~19歳を除くすべてのAYA世代年齢サブグループで、男性と比較して女性のほうがより多くがんと診断されていた(1万4,800例[46.8%]vs.1万6,845例[53.2%])。・女性のAYA世代では、7万2,564例(24.7%)が乳がん、4万8,865例(16.6%)が甲状腺がん、3万3,828例(11.5%)が子宮頸部および子宮がんと診断されていた。・男性のAYA世代では、3万7,597例(18.5%)が精巣がん、2万850例(10.2%)が悪性黒色腫、1万9,532例(9.6%)が非ホジキンリンパ腫と診断されていた。・AYA世代のがんの発生率は、1973~2015年の42年間で29.6%増加し、10万人当たりの平均年間変化率(APC)は0.537(95%信頼区間[CI]:0.426~0.648、p<0.001)だった。腎臓がんにおけるAPCは、男性で3.572(95%CI:3.049~4.097、p<0.001)、女性で3.632(3.105~4.162、p<0.001)と、双方で最大の増加率となった。 著者らは、「AYA世代のがんは独特の疫学的パターンを持ち、健康への懸念が高まっている。1973年から2015年にかけて多くのがんサブタイプの発生率が増加していた。本結果は、この集団における明らかな健康上の懸念を理解し、対処するために重要だ」と結論している。

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小児期の鉛曝露、中年期に脳の老化をもたらす/JAMA

 小児期の血中鉛濃度の上昇は、中年期における脳構造の完全性低下を示唆する脳構造の変化(MRI評価によるもの)と関連していたことが示された。米国・デューク大学のAaron Reuben氏らが、ニュージーランドで実施した追跡期間中央値34年にわたる縦断コホート研究「Dunedin研究」の結果を報告した。小児期の鉛曝露は脳発達の障害に関連しているとされてきたが、脳構造完全性への長期的な影響は不明であった。なお、得られた所見について著者は限定的な結果であるとしている。JAMA誌2020年11月17日号掲載の報告。11歳時の血中鉛濃度と45歳時のMRIによる脳構造評価の関連を解析 Dunedin研究は、ニュージーランドにおける1972~73年の出生コホート(1,037例)を、45歳まで追跡調査したものである(2019年4月まで)。11歳時点で小児期の鉛曝露を測定し、45歳時点でMRIにより脳構造を評価するとともに、認知機能についてウェクスラー成人認知機能検査IVによる客観的な評価(IQ範囲:40~160、標準化平均100[SD 15])と、情報提供者を介した報告および自己報告による主観的な評価(zスコア、スケール平均は0[SD 1])を行った。 主要評価項目は、45歳時点での脳構造の完全性で、灰白質(皮質厚、表面積、海馬体積)、白質(白質高信号域、拡散異方性[理論的範囲、0(完全に等方性)~100(完全に異方性)])、およびBrain Age Gap Estimation(BrainAGE)(暦年齢と機械学習アルゴリズムで推定した脳年齢との差の複合指標[0:脳年齢と暦年齢が等しい、正/負の値はそれぞれ脳年齢が高い/若いことを意味する])について評価した。小児期の血中鉛濃度高値は、中年期の皮質表面積や海馬体積などの減少と関連 1,037例中997例が45歳時点で生存しており、このうち11歳時点で鉛の検査を受けていた564例(男性302例、女性262例)を解析対象とした(追跡期間中央値34年、四分位範囲:33.7~34.7年)。11歳時点での血中鉛濃度は平均10.99(SD 4.63)μg/dLであった。 共変量調整後、小児期の血中鉛濃度が5μg/dL増加するごとに、皮質表面積が1.19cm2減少(95%信頼区間[CI]:-2.35~-0.02cm2、p=0.05)、海馬体積が0.10cm3減少(95%CI:-0.17~-0.03cm3、p=0.006)、拡散異方性の低下(b=-0.12、95%CI:-0.24~-0.01、p=0.04)、45歳時点でのBrainAGEが0.77歳増加(95%CI:0.02~1.51、p=0.05)が認められた。血中鉛濃度と、白質高信号域(b=0.05 log mm3、95%CI:-0.02~0.13 log mm3、p=0.17)や平均皮質厚(b=-0.004mm、95%CI:-0.012~0.004mm、p=0.39)との間に統計的な有意差はなかった。 また、小児期の血中鉛濃度が5μg/dL増加するごとに、45歳時点のIQスコアが2.07低下(95%CI:-3.39~-0.74、p=0.02)、情報提供者の評価による認知機能障害スコアが0.12増加(95%CI:0.01~0.23、p=0.03)と有意な関連が認められた。小児期の血中鉛濃度と自己報告による認知機能との間に統計学的な関連は確認されなかった(b=-0.02ポイント、95%CI:-0.10~0.07、p=0.68)。 なお、著者は、観察研究のため因果関係については証明できないこと、いくつかの結果ではタイプIエラーの可能性があることなどを研究の限界として挙げている。

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COVID-19パンデミック時の休校、子供の寿命に影響か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時、学校が休校となった国が多いが、子供たちの健康への影響はないのだろうか。米国・ワシントン大学のDimitri A. Christakis氏らが、COVID-19パンデミックに関連して生じうる損失生存年数(years of life lost:YLL)を米国の小学校の休校もしくは開校継続の条件で推定したところ、開校継続が支持される結果となった。JAMA Network Open誌2020年11月12日号に掲載。 この決定分析モデルでは、米国の疾病予防管理センター(CDC)、社会保障局、国勢調査局の2020年のデータを含む公的に利用可能なデータを使用し、休校と学歴低下との関連、学歴低下と平均余命との関連を推定した。また、COVID-19による死亡率、開校を継続してCOVID-19が増加した場合に生じうる死亡率の増加も推定した。主要アウトカムはYLL。 主な結果は以下のとおり。・2020年のパンデミックで、計2,420万人の5〜11歳の子供が通っていた公立学校が休校となり、中央値で54日間(四分位範囲:48〜62.5)の授業が失われた。・休校による平均YLLは、男子で0.31年(95%信頼区間[CI]:0.10~0.65)、女子で0.21年(同:0.06~0.46)であった。人口全体における休校に関連したYLLは、553万年(同:188~1080万年)と推定された。・CDCの報告では、米国では2020年5月末までにCOVID-19で8万8,241人が死亡していることから、YLLは150万年(95%CI:123〜185万年)と推定された。もし開校を継続した場合のYLLの上乗せは、休校とパンデミック蔓延の減少の関連を検討した研究結果に基づくと147万年(同:45~259万年)と予測され、計297万年(同:188〜430万年)となる可能性が示された。・「開校」と「休校」の両条件において推定されたYLLの分布を比較・分析すると、開校継続では休校時よりも合計YLLが低いことが98.1%の確率で観察された。 著者らは、「この決定分析モデルでは開校継続が支持された。今後、パンデミック中の休校の決定は、教育の混乱と予想される寿命短縮との関連を考慮し、休校によって子供の健康に生じうるアウトカムを重視する必要がある」と結論している。

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「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第6回

第6回 「誰に相談すべきなの?」――開業前のお悩みを整理漫画・イラスト:かたぎりもとこ開業を考えはじめた時には「何から手を付ければいいのか」「誰に相談すればいいのか」と悩まれる方が多いでしょう。適切な時期に適切な相手に相談することで、効率的に必要な知識を得ることができます。まず、現在の自分は、下記のどちらに当たるのかを確認してください。(1)開業を検討しはじめたばかり(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(1)開業を検討しはじめたばかりこの場合は、まずは開業セミナーへの参加や開業系の本を読むこと、また開業した先輩へ相談されることをお勧めします。広く薄く情報をインプットすることで、開業するうえでどんなことが障害になりそうか、何を大切にしたいかなど、考えが徐々に明確になってきます。また、自分の知識が足りない分野を確認することもできるでしょう。ここで注意したいのが、(1)の段階の方が「まずは物件探しだ!」と、いきなり不動産仲介会社や医業承継コンサルタントに相談に行くケースがよくあることです。自分の開業のイメージが固まらない段階でこうしたプロに依頼しても、コミュニケーションコスト(相手に伝えたいことを理解させる時間)が膨大にかかり、お互いに無駄が多くなります。<開業セミナー参加時の注意点>開業セミナーに参加する場合は、各業者のキャッシュポイント(どこで売上を立てているか)に着目しておくことも重要です。事業者の中には開業支援を無料で行い、その後、異なる段階(キャッシュポイント)で費用を回収するケースも少なくありません。そのような前提を理解したうえで、開業支援を依頼するか判断しましょう。開業支援事業者のキャッシュポイントには下記のようなものがあります。相談時に費用が発生する…新規開業コンサルタント等成功時(開業時)に費用が発生する…承継開業コンサルタント、不動産仲介事業者、医療機器業者、内装・建築業者開業後に費用が発生する…リース業者、税理士、医薬品卸業者、調剤薬局(費用ではないが医院の存在が薬局運営の集客源となる)(2)開業に向けた基本的な知識があり、物件探しを開始した(2)の方の場合、自身が新規または医業承継のどちらの開業形態に向いているかを検討し、そちらの専門性の高い事業者へ物件探しを依頼しましょう。新規開業と医業承継支援は似ているようで、求められる専門性や知識は大きく異なります。新規開業を支援しても、承継開業に必要となる税務面や法務的な知識を苦手とする事業者も多いのです。自分の希望する条件や診療所のイメージを伝え、事業者とコネクションをつくっておくことで魅力的な物件が出た際にいち早く声を掛けてもらえ、スムーズな開業につながります。

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医師が選ぶ「2020年の顔」TOP5!(文化・芸能人、コメンテーター部門)【ケアネット医師会員アンケート結果発表】

新型コロナの国内発生と流行、緊急事態宣言、東京五輪延期…本当にいろいろあった2020年―。今年を振り返ってみて思い浮かぶのは誰の顔でしょうか。ケアネットでは医師会員にアンケートを実施。535人の先生方にご協力いただき、選ばれた「今年の顔」は?今回は、文化・芸能人部門とコメンテーター部門のTOP5をご紹介します!医療人部門、政治家部門はこちら!文化・芸能人部門(敬称略)第1位 志村 けん最も多くの人が挙げたのが、新型コロナウイルス感染症で今年3月に死去した志村けんさんでした。幅広い年齢層に親しまれた偉大なコメディアンの突然の訃報は、大きく深い悲しみをもたらしただけでなく、国民レベルで新型コロナへの向き合い方を改める契機になるほどのインパクトを与えました。  「志村 けん」を選んだ理由(コメント抜粋)突然のことでとても驚いた。コロナの恐ろしさを身近に感じた。(40代 腎臓内科/大分県 他多数)新型コロナウイルスの危険性が一般に認知されるきっかけとなった。(30代 内科/東京都 他多数)お笑いのレジェンド。いつまでもいる人だと思っていた。(40代 脳神経外科/兵庫県 他多数)第2位 三浦 春馬まさに今を生きていた現役俳優の急逝も、多くの方の記憶に残ったようです。芸能界ではこの後、三浦さんのほかにも自ら命を絶つ人が相次ぎました。さまざまな憶測がメディアで報じられましたが、本当のこと、真相は誰にもわかりません。ただただ、彼らが持ち合わせた才能や輝きが失われたことが惜しまれます。 「三浦 春馬」を選んだ理由(コメント抜粋)自殺対策をやっている身としては印象的だった。(30代 精神科/福岡県 他多数)コロナ禍で自殺する人が増え、衝撃的だった。(20代 麻酔科/三重県 他多数)同世代の有名俳優だったから。(30代 臨床研修医/東京都)第3位 フワちゃん今回、唯一明るさを感じられたのが「フワちゃん」のランクインでした。お笑いタレントでYouTuberの彼女は、突き抜けた破天荒キャラが受けて今年大ブレイク。動けばバラエティー番組に取り上げられ、喋ればネットニュースの記事になるようなフルスロットルの活躍ぶりでした。実は、帰国子女で英語が堪能だったり、文学部で中国哲学を学んでいたり、という意外な二面性も。 「フワちゃん」を選んだ理由(コメント抜粋)ブームで、テレビで見ない日はなかった。(20代 糖尿病・代謝内分泌科/青森県 他多数)どの番組にも出演している印象(40代 消化器内科/京都府 他多数)インパクトがすごい(30代 病理診断科/東京都)第4位 竹内 結子 「竹内 結子」を選んだ理由(コメント抜粋)人気女優で、よくドラマを観ていた(40代 内科/東京都 他多数)突然の訃報で、あまりに衝撃だった(30代 呼吸器内科/茨城県 他多数)青春の一幕だった(40代 消化器内科/愛知県)第5位 渡部 建 「渡部 建」を選んだ理由(コメント抜粋)良くも悪くもニュースでよく見かけた(30代 内科/千葉 他複数)「不倫」で真っ先に思い浮かんだ(40代 小児科/沖縄)コメンテーター部門(敬称略)第1位 忽那 賢志新型コロナの最前線で診療に当たる臨床家の忽那先生が、「コメンテーター」として最も評価されたのは意外な感もありますが、Yahoo!ニュースでの詳細かつ明快なコロナ解説記事や、メディアに対する丁寧な取材対応をご覧になった先生方には、納得の第1位なのでしょう。CareNet.comにも不定期ですが連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」掲載中ですので、この機会にぜひ! 「忽那 賢志」を選んだ理由(コメント抜粋)しっかりした科学的根拠に基づき、コメントに信頼性がある(50代 耳鼻咽喉科/三重県 他多数)臨床に従事しているので、コメントに偏りがない(40代 精神科/滋賀県 他多数)現場で得た知見を的確に提供してくれた印象(40代 糖尿病・代謝内分泌科/京都府 他複数)第2位 尾身 茂今年のメディア登場回数において、群を抜いた存在であることは間違いないでしょう。新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長や分科会長として、医療者の知見や懸念を政府へ根気強く訴えると共に、国民に対してもわかりやすくかつ的確にメッセージを発信し続けてくださいました。 「尾身 茂」を選んだ理由(コメント抜粋)慎重ながら、必要時には信頼できるコメントが目立った(40代 血液内科/宮城県 他多数)コロナ対策に真摯に向き合っている姿勢(50代 産婦人科/大分県 他複数)コロナ関連で最もまともな発言、啓蒙をされていた(30代 整形外科/神奈川県)第3位 二木 芳人新型コロナを巡っては、多くの医療人がメディアでさまざまなコメントを述べてきましたが、ワイドショー番組などでも、出演者らの挑発(?)に乗ることなく、冷静に自身の見解を述べる姿に、医療人としての信頼性を感じた人も多かったのではないでしょうか。当たり前だけど大事なことをわかりやすく伝えられるコメントスキルも高評価だったようです。 「二木 芳人」を選んだ理由(コメント抜粋)コメントがとても受け入れやすくわかりやすい(30代 膠原病・リウマチ科/岡山県)落ち着いたトーンに好感(50代 消化器外科/茨城県)感染症対策にとどまらず、日本を俯瞰的に見ている(60代 循環器内科/佐賀県)第4位 岩田 健太郎 「岩田 健太郎」を選んだ理由(コメント抜粋)クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号を巡る対応とコメント(30代 救急科/北海道 他多数)コロナ関連で、データに基づいた解説をしてわかりやすかった(40代 病理診断科/島根県 他複数)第5位 岡田 晴恵 「岡田 晴恵」を選んだ理由(コメント抜粋)メディアでの露出がとても多かった印象(50代 内科/広島県 他多数)良くも悪くも発言がよく取り上げられていた(50代 耳鼻咽喉科/広島県)★アンケート概要★アンケート名 :『2020年振り返り企画!さまざまな分野の「今年の人」を挙げてください』実施日    :2020年11月12日~19日調査方法   :インターネット対象     :CareNet.com会員医師有効回答数  :535件

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感染経路が不明なCOVID-19症例は診断が遅れやすい/日本での調査

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の診断の大きな遅れ(long diagnostic delays:LDD)は、その後の患者隔離の効果が減少する可能性がある。わが国では当初、軽症の場合は発症から4日間待機という基準が示されたことから、茨城県土浦保健所の緒方 剛氏らは、曝露経路が不明なCOVID-19症例ではLDDが大幅に増加したと想定し、COVID-19症例のLDDの割合と曝露経路検出の関連を調査し報告した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌オンライン版2020年11月21日号に掲載。 本研究は、2020年3月22日(第12週の終わり)時点で30例を超えるCOVID-19症例が報告された8都道府県から、曝露経路に関するデータを取得できなかった東京と大阪を除外し、北海道、埼玉、千葉、神奈川、愛知、兵庫を対象とした。これらの道県で、症状発現日が2月24日~3月15日(第9~11週)のCOVID-19症例と、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2陽性例のうち、無症候性の症例と症状発現日が欠落している症例を除外した。LDDは、症状発現日からPCR検査によるSARS-CoV-2陽性の確認日までの期間が6日以上とした。 主な結果は以下のとおり。・364例のCOVID-19症例のうち、男性が190例(52%)、60歳以上が196例(54%)だった。曝露経路がわかっていた症例(経路既知例)は209例(57%)、曝露経路不明な症例(経路不明例)は118例(32%)、他国からの輸入症例(輸入例)は37例(10%)だった。・COVID-19患者の診断の遅れは平均6.28日(95%CI:5.8~6.8)で、標準偏差(SD)は4.57日(95%CI:4.1~5.0)だった(bootstrap)。・LDDの割合は、全体で51%、経路既知例で38%、経路不明例で65%、輸入例で73%だった。9週目に症状発現した症例と比較したLDDの調整オッズ比は、10週目に発現した症例で0.31(95%CI:0.170~0.58)、11週目に発現した症例で0.17(95%CI:0.090~0.32)だった。・経路既知例と比較したLDDの調整オッズ比は、経路不明例で2.38(95%CI:1.354~4.21)、輸入例で3.51(95%CI:1.418-8.75)だった。調整オッズ比は、愛知県の症例よりほかの5道県の症例で有意に高かった。 著者らは「曝露経路が不明な患者のLDD割合は65%であり、経路既知例よりも有意に高かった。症状発現から早期のPCR検査とPCR検査実施能力の強化が推奨される。また、COVID-19患者数のその後の増加に対するLDDの影響を検討するために、さらなる調査が必要」と結論している。

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みんパピ! HPVワクチン説明補助フライヤーを無料配布

 一般社団法人HPVについての情報を広く発信する会-みんなで知ろう!HPVプロジェクト(通称みんパピ!)が11月17日に厚生労働省記者クラブで記者発表を行った。 同団体は8月から実施したクラウドファンディングで約2,600万円の資金調達を達成。その後の活動としてHPVワクチン説明補助用フライヤーの無料配布開始を報告した。 フライヤーは、小児科医をはじめとしたかかりつけ医がHPVワクチンについて説明をしやすいよう、同団体の事前アンケートに基づいて設計されている。 HPVワクチンの定期接種対象年齢は、小学校6年生~高校1年生。この年齢層の子供や保護者が予防接種について相談するのは主に小児科医だ。小児科医を対象にHPVワクチンについて聞いた事前アンケートでは、83%が家族に接種を勧めると回答した一方、患者への説明ではメディアで繰り返し報道された様々な反応への不安(40%)、注射部位の局所症状への不安(40%)といった副反応への不安が多く見受けられた。 そこでフライヤーは、接種後の反応の説明に重点を置き、限られた診察時間で医師が説明しやすいよう作成された。母子手帳に挟めるサイズの厚紙を使い、デザインにはイラストを多用している。内容からデザインまで子供と保護者が親しみやすく、接種年齢まで保管してもらえるよう設計されている。 11月から行った試験配布で、31都道府県118ヵ所に17,000枚が配布されており、使用者アンケートでは、内容のわかりやすさに100%、内容の充実度や全体的なデザインは95%の医師が満足と回答している。 小児科のほかに皮膚科や腫瘍内科からの申し込みもあり、とくに皮膚科の医師からは定期接種年齢の子供を診察することが多いため、積極的に活用しているとの声が寄せられている。 使用を希望する場合は、みんパピ! HPの問い合わせフォームから申し込みが可能だ。 申し込みの際は氏名、医療機関名、郵送先住所、電話番号、希望枚数(50~300枚、300枚以上は要相談)を明記のこと。印刷から配送まで無料で対応してもらえる。 診療科を問わず、接種世代の子供を診療する医師はぜひ活用を。

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研修医は総合診療科も研修したほうがいい

 近年、医師の初期臨床研修において総合診療領域は重要視されている。実際、総合診療科(GM)を研修ローテートした研修医の臨床能力はどの程度向上するのだろう。順天堂大学医学教育研究室 西崎 祐史氏らは、全国の臨床研修施設で調査を行い、初期臨床研修医の基本的臨床能力評価試験(GM-ITE)のスコアとGMローテートとの関連性を評価した。 本研究は、2016~18年にJAMEP基本的臨床能力評価試験を受験した初期研修医1万1,244人を対象とした多施設共同横断研究(参加した病院数は2016年381施設、2017年459施設、2018年503施設)である。 研究方法として、教育環境(病院情報を含む)とGM-ITE総合スコアとの関連をマルチレベル分析にて評価した。なお、GM-ITEは「医療面接/プロフェッショナリズム」「症候学/臨床推論」「身体診察/臨床手技」「疾病各論」の4つのカテゴリーで構成され、幅広い疾患領域(内科・外科・小児科・産婦人科・精神科など)が網羅されている。総合診療科研修とGM-ITEスコアの間には正の相関がある 合計4,464人(39.7%)の研修医がGMローテートを経験した。GMローテートを経験した研修医のGM-ITE(60点満点)の平均スコア38.1(±標準偏差12.1)点は、GMローテートを経験しなかった研修医[36.8±11.7点(総合診療科があるがGMローテ―トなし)および36.5±11.5点(総合診療科がなくGMローテ―トなし)]よりも高得点を示した。座学時間や研修中の担当入院患者数などを調整したうえでも、GMローテート経験者の得点は、総合診療科のない施設でのGMローテ―ト未経験者に比べてGM-ITEスコアが平均1.18点(標準誤差0.30点、p=0.0001)高く推定された。 以上から、GMローテートと研修医のGM-ITEスコアの間には正の相関を認めた。今後、初期研修医の基本的臨床能力向上のために、GMのローテートの必須化を検討する必要があるとしている。

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