サイト内検索|page:66

検索結果 合計:3114件 表示位置:1301 - 1320

1301.

デュピクセント、日本人小児アトピー性皮膚炎患者に対し主要評価項目達成/サノフィ

 サノフィは2022年6月14日付のプレスリリースで、同社のデュピクセント(一般名:デュピルマブ)について、生後6ヵ月から18歳未満の日本人アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験の結果を発表した。本試験における主要評価項目EASI-75の達成割合は、プラセボ投与群と比較してデュピクセント投与群で有意に高く、小児アトピー性皮膚炎の症状軽減に対する同製剤の有効性が示された。安全性データは、これまでのデュピクセントの安全性プロファイルと一致していた。デュピクセントの小児患者のEASI-75達成割合は43%でプラセボ群は19% 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者は、ステロイド外用剤(TCS)やタクロリムス外用剤による適切な治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。しかし、若年層では治療選択肢が限られており、アンメットニーズが存在している。 デュピクセントは既に、既存治療で効果不十分な、成人のアトピー性皮膚炎患者に対して薬事承認されている。今回発表された試験は、多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、中等症から重症のアトピー性皮膚炎と診断され既存療法で効果不十分な、生後6ヵ月から18歳未満の日本人小児患者62名を対象としている。TCSを標準治療薬とし、デュピクセントを併用した群とプラセボ投与群との比較により、小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した。 小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した主な結果は以下の通り。・主要評価項目である、投与16週時点のベースラインからのEASI-75達成割合は、デュピクセント投与群で43%、プラセボ投与群で19%だった(p=0.0304)。・安全性データは、デュピクセントで確立している安全性プロファイルと一致するもので、新たな有害事象は報告されなかった。 本試験で確認されたデュピクセントの有効性と安全性の詳細は、今後学会で公表される見通し。現在、国内における小児アトピー性皮膚炎へのデュピクセントの使用は臨床開発中であり、今後、本試験の結果をもとに生後6ヵ月以上18歳未満の小児を対象とした、製造販売承認事項一部変更申請を国内で実施する予定としている。

1302.

12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。 1回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・男女ともに、接種部の局所反応と全身反応ともに、症状の持続期間の中央値3日であった。接種部疼痛や腫脹などの局所反応は、長くても10日程度で治まっていた。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子89.8%、女子97.7%)、接種部腫脹(男子39.8%、女子50.0%)、37.1℃以上の発熱(男子38.9%、女子50.0%)、倦怠感(男子41.7%、女子40.9%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であった。・男女で統計学的に有意な差が見られた新型コロナウイルスワクチンの有害事象は、38.1℃以上の発熱(男子3.7%、女子18.2%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であり、女子のほうに多く見られた。・1回目接種の3日後に、14歳男子1例が虫垂炎のために入院した。・接種後の待機時間中に男子1例が腕のしびれを発症したが、速やかに改善した。 2回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子・ファイザー製80.6%、男子・モデルナ製78.3%、女子100.0%)、37.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製77.8%、男子・モデルナ製82.6%、女子92.1%)、38.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製38.9%、男子・モデルナ製52.2%、女子89.5%)、頭痛(男子・ファイザー製52.8%、男子・モデルナ製60.9%、女子89.5%)、悪寒(男子・ファイザー製20.8%、男子・モデルナ製21.7%、女子44.7%)であり、1回目よりも2回目接種後のほうが各項目の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の発生頻度が高く、男子よりも女子のほうが発生頻度が高かった。・ファイザー製を接種した男子4例が、遷延する咳嗽(2例)、めまい(1例)、嘔吐(1例)のため通院したが、いずれも速やかに回復した。・接種後の待機時間中に男子1例が指のしびれを発症したが、12時間以内に消失した。 小川氏は本結果について「12~18歳のワクチン接種による有害事象について、日本における成人のデータと傾向は大きく変わらず、症状の持続期間の中央値はいずれも3日程度で、すべての有害事象が10日目までに消失している。頭痛は月経のある世代では、男性よりも女性に多く報告されており、交絡因子の可能性がある」と述べている。また、本研究では、接種者469人のうち約3割の152人しか研究に参加しなかったこともあり、サンプルサイズが小さいため、モデルナ製ワクチンの若年男性に発生頻度が高いとされる心筋炎や心膜炎については評価できなかったという。

1303.

高画質・低線量の次世代型CT、東海大学がアジア1号機を導入

次世代型CTであるフォトンカウンティングCT(シーメンスヘルスケア製)が2022年1月に保険承認を受け、アジア地域の1号機が東海大学医学部附属病院に導入された。フォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha(ネオトム アルファ)」画像を拡大する従来型CTは身体を透過したX線を検出器に当てて可視光に変え、それを電気信号に変換して画像化する。この2段階の変換によってX線の光子エネルギーに関する情報が失われ、コントラストや画像の鮮明さも損なわれていた。これに対し、フォトンカウンティングCTは一つひとつの光子(Photon)をそのまま計測(Counting)する。 X線を直接電気信号に変換することでエネルギー情報の損失がなくなり、精度の高い画像が実現した。これにより従来型CTと比較して大幅な被ばく線量の低減従来型CTでは困難であった微細な構造の鮮明な描出・エネルギー情報によって物質を判別し、特定の物質を強調したり除去したりできるといった利点がもたらされる。導入した東海大学医学部画像診断学・教授の橋本 順氏は、フォトンカウンティングCTの臨床応用にあたっての期待を以下のように述べる。【高画質】中耳や内耳などの頭頚部領域の細かい構造をより鮮明に観察できる→耳鼻科冠動脈ステント内の血栓形成状況(内腔)まで確認できる→循環器内科/心臓血管外科【低線量】放射線感受性が高い小児に使いやすい→小児科【物質選択的な画像解析】画像のカルシウム部分を除去することで、骨のなかの軟部組織を精密に確認できる→整形外科冠動脈の画像では内腔の造影剤と壁の石灰化との判別が困難な場合があるが、石灰化部分だけ除去できる→循環器内科/心臓血管外科造影剤と石灰化が判別しづらい冠動脈の画像(左)を、石灰化部分を選択して除去(右)造影剤と石灰化が判別しづらい冠動脈の画像(上)を、石灰化部分を選択して除去(下) 画像を拡大する 画像を拡大する新型コロナ患者の肺野CT左/従来型CT中/フォトンカウンティングCT右/フォトンカウンティングCTで血流部分を選択して色付け画像を拡大する橋本氏はさらに「現在使われているヨードの造影剤は腎毒性がある。フォトンカウンティングCTはヨード部分を強調することで造影剤の使用量を減らせるほか、ヨード以外の物質を用いた新しい造影剤の開発に期待している。今後は臨床で使いながら適した症例を見つけ、新たな用途を探したい。今後10年ほどでCTはこのタイプに置き換わっていくだろう」とする。シーメンスヘルスケアによると、国内では東海大学のほか、大学病院や研究機関などを中心に導入を図っていく予定で、海外においても欧米の主要大学や病院にプロトタイプを20台ほど導入済みだという。

1305.

10~18歳2型DMにデュラグルチド週1回投与は有効か/NEJM

 10~18歳の2型糖尿病において、GLP-1受容体作動薬デュラグルチドの週1回投与(0.75mgまたは1.5mg)は、メトホルミン服用や基礎インスリンの使用を問わず、26週にわたる血糖コントロールの改善においてプラセボよりも優れることが、米国・ピッツバーグ大学のSilva A. Arslanian氏らによる検討で示された。BMIへの影響は認められなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月4日号掲載の報告。デュラグルチド0.75mg、1.5mgを週1回投与 研究グループは、10歳以上18歳未満の2型糖尿病で、BMIが85パーセンタイル超、生活習慣の改善のみ、もしくはメトホルミン治療(基礎インスリン併用または非併用)を受ける154例を対象に、26週にわたる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。 被験者を無作為に1対1対1の割合で3群に割り付け、それぞれプラセボ、デュラグルチド0.75mg、デュラグルチド1.5mgを週1回皮下注射で投与した。被験者はその後26週の非盲検の延長試験に組み込まれ、プラセボ群だった被験者に対し、デュラグルチド(0.75mg、週1回)を26週間皮下注射で投与した。 主要エンドポイントは、ベースラインから26週までの糖化ヘモグロビン値の変化だった。副次エンドポイントは、糖化ヘモグロビン値7.0%未満達成、および空腹時血糖値とBMIのベースラインからの変化など。安全性についても評価が行われた。糖化ヘモグロビン値7.0%未満、プラセボ群14%に対しデュラグルチド群51% 計154例が無作為化を受けた。26週時点の平均糖化ヘモグロビン値は、プラセボ群が0.6ポイント上昇したのに対し、デュラグルチド群では、0.75mg群で0.6ポイント、1.5mg群で0.9ポイント、いずれも低下した(対プラセボ群のp<0.001)。  また26週時点で、糖化ヘモグロビン値7.0%未満を達成した患者の割合は、プラセボ群14%に対しデュラグルチド群では51%と有意に高率だった(p<0.001)。 空腹時血糖値も、プラセボ群で上昇(17.1mg/dL)したのに対し、デュラグルチド群では低下が認められた(-18.9mg/dL、p<0.001)。一方でBMIについては、両群間で差は認められなかった(プラセボ群0.0、デュラグルチド統合群-0.1、p=0.55)。 有害事象は、胃腸有害イベントの発生頻度が最も多く、26週にわたってデュラグルチド群でプラセボ群よりも高率に認められた。 デュラグルチドに関する安全性プロファイルは、成人で報告されたものと一致していた。

1306.

I型SMAに対するエブリスディ:3年間の新たな成績

 第63回日本神経学会学術大会にて、症候性I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:SMA)の乳児を対象にエブリスディの有効性および安全性を検討した、FIREFIS試験の3年間の新たな成績が発表された。 SMAは、脊髄の運動神経細胞が選択的に障害されることによって、体幹や手足の近位部優位の筋力低下や筋萎縮などの症状が現れる。新生児~乳児期(生後0~6ヵ月)に発症するI型は重症型で、一人で坐位を保つことができず、無治療の場合は、1歳までに呼吸筋の筋力低下による呼吸不全の症状をきたす。また、治療をせず、人工呼吸器の管理を行わない状態では、90%以上が2歳までに死亡する。 今回発表されたFIREFISH試験は、I型SMAの乳児(登録時点で月齢1~7ヵ月)を対象にエブリスディの有効性と安全性を評価している。試験は用量設定パートと用量設定パートで選択された用量の安全性有効性評価パートの2パートで構成されている。プールされた母集団には承認用量を3年以上投与した乳児が含まれている。今回の長期成績は、非盲検継続投与期間1年間の成績を含む、3年間の成績である。エブリスディを投与した乳児のうち推定91%が3年後に生存していた。また、BSID-III(Bayley Scales of Infant and Toddler Development - Third Edition)の粗大運動スケールの評価で、エブリスディを投与した評価可能な乳児48名のうち32名で、24ヵ月目以降、支えなしで座位を少なくとも5秒間保持する能力を乳児が維持していた。さらに、4名が新たにその能力を獲得した。嚥下能力に関しても、エブリスディを投与した乳児のほとんどが、36ヵ月目まで経口摂取と嚥下の能力を維持していた。 主な有害事象は、発熱(60%)、上気道感染(57%)、肺炎(43%)、便秘(26%)、鼻咽頭炎(24%)、下痢(21%)、鼻炎(19%)、嘔吐(19%)および咳嗽(17%)。主な重篤な有害事象は、肺炎(36%)、呼吸窮迫(10%)、ウイルス性肺炎(9%)、急性呼吸不全(5%)および呼吸不全(5%)であった。肺炎を含む有害事象の発現および重篤な有害事象の発現は経時的に低下し、12ヵ月の投与期間毎に約50%ずつ減少し、投与開始1年目から3年目の間に78%減少していた。全体として、有害事象および重篤な有害事象は基礎疾患を反映したものであり、休薬や投与中止に至った薬剤関連の有害事象は認められなかった。 今後の展開について、FIREFISH試験の5年間の追跡と並行して、リアルワールドデータを集める臨床研究も立ち上がっている。

1307.

皮膚科医デルぽんのデルマ医は見た!!

連載でおなじみのデルぽん先生がまたまた放つ、笑撃的コミックエッセイ!!CareNet.comの「Dr.デルぽんの診察室観察日記」で連載が続く現役の皮膚科医、デルぽん先生。4コマ漫画という手法で皮膚科の日常を面白おかしく綴ったデビュー作『皮膚科医デルぽんのデルマな日常』から2年、待望の第2弾が発売されました!!『デルマな日常』が皮膚科の仕事内容を伝える〈基礎編〉だったのに比べ、本書では、もう少し込みいった内容の〈事件編〉といったところでしょうか。とはいえ皮膚科の特性で、命に関わるような大事件はめったに起こりません。ただ、老若男女が押しかける皮膚科ならではの小事件、小ネタは尽きることがありません。たとえば「カミソリでヒゲを剃ったら腫れてきて…」と訪れた患者さんのケースでは切開したところ、中に結構な大きさの小石が入っていたとか、「先週からアゴが腫れてきて…」と訴えた患者さんの様子を見て大きな病院を紹介したら「外歯瘻」という厄介な病気だったとか。私たちが皮膚科に抱くイメージは水虫やイボ、ウオノメといったところですが、こんな珍しい症例もあるのだと驚かされます。たわいない、命がどうのこうのという深刻な事件ではないけれど、日常に潜む危険はいろいろある。皮膚科のお医者さんはそんな現場を知っている唯一の存在、と改めて気付かせてくれる一冊です。著者・デルぽんより発刊のご挨拶前作から2年。新たに描き下ろした研修医時代の思い出エピソードも加えて、ブログやメディアに掲載していた漫画たちを続編として一冊の本にまとめました!前作同様、ゆるい医療あるある漫画や皮膚科あるある、皮膚科女医(一応)の日常と妄想をつめ込んでいます☆笑いあり、時にためになる実用ネタあり?!外来の待合室や医局に、はたまた当直室のお供に、一冊いかがでしょうか?画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    皮膚科医デルぽんのデルマ医は見た!!定価1,430円(税込)判型A5判頁数128頁発行2022年6月著者デルぽん

1308.

小児の中等症~重症尋常性乾癬、イキセキズマブは長期で有効・安全

 世界中の小児・青少年の約1%が尋常性乾癬にさらされているというが、また1つ朗報がもたらされた。中等症~重症の尋常性乾癬を有する小児に対し、生物学的製剤イキセキズマブの投与について、108週の長期的な有効性と安全性が確認されたことを、米国・ノースウェスタン大学フェインバーグ校のAmy S Paller氏らが報告した。 患者報告に基づくアウトカム改善と客観的測定による完全な皮膚クリアランスが示され、得られた奏効率は試験期間中維持されていた。また安全性は、同一集団において以前に報告された所見と一致しており、イキセキズマブ治療の既知の安全性プロファイルと一致していたという。JAMA Dermatology誌2022年5月号掲載の報告。 研究グループは、中等症~重症の尋常性乾癬を有する小児におけるイキセキズマブの有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化試験「IXORA-PEDS試験」を行った。 被験者は、6~18歳未満、中等症~重症の尋常性乾癬を有し、スクリーニング時およびベースラインにおいてPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコア12以上、static Physician's Global Assessment(sPGA)スコア3以上、乾癬の影響を受ける体表面積(BSA)が10%以上で、光線療法または全身療法の対象患者であり、局所療法ではコントロール不良の乾癬を有している患者を適格とした。 被験者は、体重ベース用量のイキセキズマブを4週ごとに投与する群またはプラセボ投与群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。12週間のプラセボとの比較検討後に、患者は48週間の非盲検下でのイキセキズマブ維持療法を受けた(12~60週)。その後に最終的に108週まで試験は延長された。またサブ試験として、60週以降のイキセキズマブ無作為化中止試験の評価が行われた。 108週時点の有効性のアウトカムは、ベースラインからの75%(PASI 75)、90%(PASI 90)、100%(PASI 100)改善の達成患者の割合、sPGAスコア0~1または0達成患者の割合、およびItch Numeric Rating Scaleスコアがベースラインから4ポイント以上の改善であった(いずれも対レスポンダーで算出)。安全性アウトカムは、有害事象(AE)の評価(治療関連の緊急的AE、重篤AE、とくに注目すべきAEなどを含む)、および症状を認める身体領域のベースラインからの改善などであった(いずれも対レスポンダーで算出)。 カテゴリーアウトカムに関する紛失データは、修正nonresponder imputation(NRI)法を用いて補完が行われた。データ解析はintention-to-treatを原則とし、2021年5月~10月に行った。 主な結果は以下のとおり。・総計171例(平均年齢13.5歳[SD 3.04]、女児99例[57.9%])が、イキセキズマブ群(115例)またはプラセボ群(56例)に無作為に割り付けられた。・166例が維持療法期に組み込まれ、うち139例(83.7%)が108週の試験を完了した。・主要および副次エンドポイントは108週まで維持された。PASI 75を達成した患者割合は91.7%(86/94例)、PASI 90は79.0%(74/94例)、PASI 100は55.1%(52/94例)、sPGA0または1達成割合は78.3%(74/94例)およびsPGA0達成割合は52.4%(49/94例)であった。Itch Numeric Rating Scaleスコア4ポイント以上改善を報告した患者は55/70例(78.5%)であった。・108週時点で、爪乾癬の消失を報告した患者割合は68.1%(19/28例)、掌蹠乾癬の消失は90.0%(9/10例)、頭皮乾癬の消失は76.2%(63/83例)、性器乾癬の消失は87.5%(21/24例)であった。・試験期間の48週~108週の間に、炎症性腸疾患やカンジダ感染症の新規症例などは報告されず、新しい安全性に関する所見は認められなかった。

1309.

「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回

第40回 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??漫画・イラスト:かたぎりもとこ「知人の医師に売ることにしたので、御社に依頼する必要がなくなりました」私たちが医業承継サービスを提供していると、一定の頻度で、こうした一言を売り手側の先生から言われます。しかし一方で、少し時間が経つと、「知人との話が破談したので、相手探しを再開してほしい」という展開になることも、また多くあります。この連載でも繰り返しお伝えしているように、医業承継は専門性が高く、難易度の高い取り組みです。多くの方は「相手探しだけが難しく、これをクリアすれば後は引き継ぐだけ」と考えていますが、実際には相手探しに加え、「引き継ぐまでに要するタスク」が膨大にあり、豊富な知識を要するため、ここにも多くの壁があるのです。具体的には、下記のようなものが「壁」となります。「譲渡額の根拠」を買い手に説明する「譲渡する資産」について買い手と合意する「引き継ぎ期間」を買い手と合意する「スタッフに譲渡を告知するタイミング」を決める「不動産オーナー」に承継について説明し、合意を得る「最終契約書」を作成し、買い手と合意を得るたとえば、スタッフに告知するタイミングを間違えると、スタッフ側の不安が募り、最終契約書の締結前に多くのスタッフが退職意向を示した結果、スタッフの雇用継続を前提としていた買い手側が辞退する、ということにつながります。医業承継は相手探しだけが難しいわけでなく、引き継ぎ完了までには多くの壁があり、それらを専門家不在で進めることは高いリスクが伴います。

1310.

RSウイルスによる死亡率、生後6ヵ月未満で高い/Lancet

 2019年に、5歳未満(生後0~60ヵ月)の小児における呼吸器合胞体(RS)ウイルス(RSV)への罹患とこれによる死亡の負担は、とくに生後6ヵ月未満の乳幼児および低~中所得国の小児において世界的に大きく、生後0~60ヵ月の小児では50件の死亡のうち1件が、28日~6ヵ月の乳幼児では28件の死亡のうち1件がRSVに起因しており、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では約3件のRSV関連死が発生していると推定されることが、英国・エディンバラ大学のYou Li氏らが実施したRESCEU研究で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。最新データを加え、系統的な解析で罹患率と死亡率を更新 研究グループは、生後0~60ヵ月の小児におけるRSV関連の急性下気道感染症の罹患率と死亡率を、2019年の時点での世界、地域、国のレベルで更新することを目的に、最新のデータを加えて系統的に解析を行った(欧州連合革新的医薬品イニシアチブの欧州RSウイルスコンソーシアム[RESCEU]による助成を受けた)。 医学データベース(MEDLINE、Embase、Global Health、CINAHL、Web of Science、LILACS、OpenGrey、CNKI、Wanfang、ChongqingVIP)を用いて、2017年1月1日~2020年12月31日に発表された論文をあらためて検索して新たなデータを収集し、これまでの世界的なRSV疾病負担のデータセットを拡張した。また、このデータセットには、Respiratory Virus Global Epidemiology Network(RSV GEN)の共同研究者による未発表データも含まれた。 対象は、次の3つのデータを報告している研究とした。(1)1次感染としてRSVによる市中の急性下気道感染症または入院を要する急性下気道感染症に罹患した生後0~60ヵ月の小児のデータ、(2)院内の症例死亡率(CFR)を除き少なくとも連続12ヵ月間のデータ、またはRSVの季節性が明確に定義されている地域(温暖な地域など)のデータ、(3)急性下気道感染症の発生率、入院率、急性下気道感染症による入院者におけるRSV陽性割合、または院内CFRのデータ。 リスク因子に基づくモデルを用いて、国レベルでのRSV関連の急性下気道感染症の罹患率が推定された。また、RSVによる総死亡数を推定するために、RSVによる市中死亡率の最新データを組み込んだ新たなモデルが開発された。新データ164件を加えた解析、院内死亡の97%以上が低~中所得国 以前のレビューに含まれた317件の研究に、新たに適格基準を満たした113件と未発表51件の研究の164件を加えた合計481件のデータが解析に含まれた。 RSV関連の急性下気道感染症の罹患率が最も高い年齢は、低所得国~低中所得国が生後0~3ヵ月であったのに対し、高中所得国~高所得国は生後3~6ヵ月であった。 2019年の生後0~60ヵ月の小児における世界的な推定値として、RSV関連の急性下気道感染症のエピソードが3,300万件(不確実性範囲[UR]:2,540万~4,460万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が360万件(290万~460万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が2万6,300件(1万5,100~4万9,100)、RSVに起因する全死亡は10万1,400件(8万4,500~12万5,200)との結果が得られた。 生後0~6ヵ月の乳幼児では、RSV関連の急性下気道感染症エピソードが660万件(UR:460万~970万)、RSV関連の急性下気道感染症による入院が140万件(100万~200万)、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡が1万3,300件(6,800~2万8,100)、RSVに起因する全死亡は4万5,700件(3万8,400~5万5,900)と推定された。 生後0~60ヵ月の小児の死亡の2.0%(UR:1.6~2.4)(50件に1件)、生後28日~6ヵ月の乳幼児の死亡の3.6%(3.0~4.4)(28件に1件)が、RSVに起因していた。また、いずれの年齢層の小児における、RSV関連の急性下気道感染症エピソードの95%以上、およびRSVに起因する院内死亡の97%以上が、低~中所得国で発生していた。 著者は、「RSVによる院内死亡と全死亡の推定値に基づくと、生後0~60ヵ月の小児のRSV関連の院内死亡率は26%にすぎず、したがって、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では3件の死亡が発生していると推定される」とし、「多くのRSV予防薬の開発が予定されている現状において、これらの年齢層を絞った推定値は、製品の導入、優先順位の決定、評価に重要な基本的情報をもたらす。生後6ヵ月未満の乳幼児にRSV予防薬を投与すると、RSV負担の頂値が、より高い年齢に移行する可能性があるが、この意味を理解するにはさらなるエビデンスが必要とされる」と指摘している。

1311.

母親の育児ストレスと子供のADHDとの関連~日本の出生コホート研究

 注意欠如多動症(ADHD)は幼児期に発症し、その後、生涯にわたり影響を及ぼす疾患であるが、早期診断や介入により、臨床アウトカムの最適化を図ることができる。長期的または過度な育児ストレスは、ADHDなどの発達障害に先行してみられる乳児の行動の差異に影響している可能性があることから、幼少期の定期的評価には潜在的な価値があると考えられる。東京都医学総合研究所の遠藤 香織氏らは、母親の育児ストレスが子供のADHDリスクのマーカーとして利用可能かを明らかにするため、出産後1~36ヵ月間の母親の育児ストレスとその子供の青年期初期におけるADHDとの関連について、定期的に収集した自己報告を用いて調査を行った。その結果、出産後9~10ヵ月、18ヵ月、36ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連が認められ、自己報告による育児ストレスのデータはADHDリスクの初期指標として有用である可能性が示唆された。このことから著者らは、ADHDの早期発見と介入を促進するためにも、幼少期の健康診断、育児ストレスの評価、家族のニーズに合わせた支援を行う必要があることを報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月28日号の報告。 子供の成長プロセスに関する調査「東京ティーンコホート」の人口ベース出生コホート研究から子供2,638人(女児:1,253人)のサンプルを抽出し、その母親には、母子健康手帳を用いた出産後1~36ヵ月間における育児ストレス5回の記録を求めた。9年後、「子供の強さと困難さアンケート(SDQ)」の多動性/不注意のサブスケールを用いて、12歳時点でのADHD症状を評価した。 主な結果は以下のとおり。・出産後36ヵ月間で、育児ストレスを報告していた母親は、約7.5%であった。・12歳時点でADHD症状のカットオフ値を超えていた子供は、6.2%であった。・1ヵ月および3~4ヵ月での育児ストレスと12歳時点での子供のADHD症状との関連は認められなかった。・12歳時点での子供のADHD症状と有意な関連が認められた育児ストレスの時期は、9~10ヵ月(未調整OR:1.42、p=0.047、95%CI:1.00~2.00)、18ヵ月(同:1.57、p=0.007、95%CI:1.13~2.19)、36ヵ月(同:1.67、p=0.002、95%CI:1.20~2.31)であった。・これらの関連には、子供の性別、月齢、世帯収入で調整した後でも、変化は認められなかった。

1312.

ADHD児の不注意重症度と野菜や果物など食事の質との関係

 注意欠如多動症(ADHD)は、米国の小児においては有病率が8~10%といわれる神経発達障害である。ADHDの症状には不注意や多動性/衝動性が認められるが、反抗挑戦性障害および重篤気分調節症などの情動調節不全(ED)症状も頻発する。ADHDの病因は多因子的と考えられ、その症状の重症度は食事療法と関連しているといわれている。米国・オハイオ州立大学のLisa M. Robinette氏らは、小児コホート研究において、食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した。その結果、ADHDやEDを有する子供では、果物や野菜の摂取が少ないと、より深刻な不注意症状が出現する可能性が示唆された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2022年5月10日号の報告。ADHDと食事の質との有意な関連は認められなかった 多栄養素の補充に関するRCTに登録された、ADHDおよびED症状を有する6~12歳の子供134例を対象に分析を行った。食事の質は、Healthy Eating Index-2015(HEI-2015)を用いて評価した。ADHDおよびEDの症状は、Child and Adolescent Symptom Inventory-5およびStrengths and Difficulties Questionnaireを用いて評価した。必要に応じ共変量で調整した後、関連性を検討するため、線形回帰モデルを用いた。 食事の質とADHDおよびED症状との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・平均HEI総スコアは63.4±8.8であり、ADHDおよびED症状との有意な関連は認められなかった。全体的な食事の質との関連性が認められなかった要因として、ベースライン時の食事の質が比較的良好、ADHDおよびED症状の重症度が軽度、食事摂取量の推定値からの測定誤差、サンプルサイズの小ささが考えられる。・共変量で調整した後、果物の総摂取量(β=-0.158、p=0.037)および野菜の総摂取量(β=-0.118、p=0.004)のHEIコンポーネントスコアに、不注意症状との負の相関が認められた。

1313.

T式ひらがな音読支援の理論と実践――ディスレクシアから読みの苦手な子まで

専門家による音読支援の実施手順を段階的・具体的に紹介十数年にわたる検証の結果、効果が科学的に証明されたT式ひらがな音読支援。専門家による音読支援を、小学校教諭、子どもの保護者が活用できるよう実施手順を段階的・具体的に紹介。解読指導に使用する文字カード、訓練の成果を評価する検査法を巻末に収載。「タイポグリセミア現象」などコラム17話。音読指導アプリの活用はQRコードでダウンロード。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    T式ひらがな音読支援の理論と実践――ディスレクシアから読みの苦手な子まで定価3,850円(税込)判型B5判頁数96頁発行2022年5月著者小枝 達也(国立成育医療研究センター)関 あゆみ(北海道大学)

1314.

オミクロン株優勢下、小児~青少年でも追加接種が必要か/JAMA

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株が優勢な時期に、年齢5~15歳の小児・青少年では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回接種後の推定有効率は高くなく(約60%)、その後2ヵ月後までに急速な低下が認められたが、12~15歳では3回目の追加接種により上昇に転じたことが、米国・疾病予防管理センター(CDC)のKatherine E. Fleming-Dutra氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年5月13日号で報告された。米国の検査陰性デザインの症例対照研究 研究グループは、オミクロン変異株優勢期の小児および青少年における症候性SARS-CoV-2感染症とBNT162b2ワクチン接種との関連を評価し、当ワクチンの有効率を推定する目的で、検査陰性者を対照とする症例対照研究を行った(米国・CDCの助成を受けた)。 解析には、Increasing Community Access to Testing(ICATT)プラットホームのデータが用いられた。ICATTは米国保健福祉省(HHS)のプログラムで、ドライブスルー形式のSARS-CoV-2検査を全国的に展開する4つの商業的な薬局チェーンが参加しており、今回は、このうち1つのチェーンのデータについて解析が行われた。 対象は、2021年12月26日~2022年2月21日の期間に、SARS-CoV-2の核酸増幅検査(NAAT)を受けた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)様疾患を呈する小児(5~11歳)および青少年(12~15歳)であった。6,897ヵ所の検査所(ノースダコタ州を除く49州とワシントンDC、プエルトリコ)で行われた12万1,952件(5~11歳:7万4,208件、12~15歳:4万7,744件)の検査が解析に含まれた。 5~11歳では、SARS-CoV-2検査の2週間以上前にBNT162b2ワクチンの2回目接種を受けた集団と未接種の集団、12~15歳(追加接種が推奨された)では、検査の2週間以上前に2回または3回の接種を受けた集団と未接種の集団の比較が行われた。 主要アウトカムは症候性SARS-CoV-2感染症(COVID-19様疾患を呈し、NAATでSARS-CoV-2陽性の場合と定義)とされた。ワクチン接種と症候性SARS-CoV-2感染症の関連の補正後オッズ比(OR)を用いて、推定ワクチン有効率([1-OR]×100%)が算出された。5~11歳で追加接種が必要となる可能性も 年齢5~11歳の7万4,208件のSARS-CoV-2検査のうち、3万999件が陽性(症例)で、4万3,209件は陰性(対照)であった。また、12~15歳の4万7,744件の検査では、2万2,273件が陽性(症例)、2万5,471件は陰性(対照)だった。全体では、症例が5万3,272人(43.7%)、対照は6万8,680人(56.3%)であった。 全体で、検査を受けた集団の年齢中央値は10歳(IQR:7~13)、6万1,189人(50.2%)が女児で、7万5,758人(70.1%)は白人、2万9,034人(25.7%)はヒスパニック系/中南米系であった。5~11歳の7万4,208件の検査のうち、5万8,430件(78.7%)はワクチン未接種者のもので、1万5,778件(21.3%)は2回接種者であった。12~15歳の4万7,744件では、それぞれ2万4,767件(51.9%)および2万2,072件(46.2%)で、残りの905件(1.9%)は3回目の追加接種を受けていた。 2回目接種後2~4週の時点において、5~11歳では、補正後ORが0.40(95%信頼区間[CI]:0.35~0.45)で、推定有効率は60.1%(95%CI:54.7~64.8)であり、12~15歳では、補正ORが0.40(95%CI:0.29~0.56)、推定有効率は59.5%(95%CI:44.3~70.6)と、有効率は高い値ではなかった。 また、2回目接種後2ヵ月の時点では、5~11歳の補正後ORは0.71(95%CI:0.67~0.76)、推定有効率は28.9%(95%CI:24.5~33.1)で、12~15歳はそれぞれ0.83(95% CI:0.76~0.92)および16.6%(95%CI:8.1~24.3)であり、いずれの年齢層でも有効率は急速に低下していた。 2回目接種後1ヵ月までは、5~11歳と12~15歳で推定有効率に有意差はなかったが、2ヵ月後には5~11歳が12~15歳よりも推定有効率が高かった(0ヵ月後p=0.99、1ヵ月後p=0.40、2ヵ月後p=0.01、0~2ヵ月後p=0.06)。 12~15歳のうち追加接種を受けた集団では、3回目接種後2~6.5週の補正後ORは0.29(95%CI:0.24~0.35)、推定有効率は71.1%(95%CI:65.5~75.7)であり、推定有効率の上昇が認められた。 著者は、「これらの知見は、オミクロン変異株が優勢な時期に成人で観察されたパターンと類似する」とし、「成人におけるmRNAワクチン2回接種後や追加接種後の有効率の漸減パターンを考慮すると、12~15歳では追加接種による感染防御の期間の監視が重要であり、5~11歳でも、オミクロン変異株に対する感染防御効果を最適化するために、追加接種が必要となる可能性がある」と指摘している。

1315.

英語で「ゼーゼーする」は?【1分★医療英語】第30回

第30回 英語で「ゼーゼーする」は?Hi doc, he started wheezing last night and did not sleep well.(先生こんにちは、彼が昨夜からゼーゼーしていてよく眠れなかったみたいです)Has he had any wheezing episodes in the past?(過去に喘鳴のエピソードはありますか?)《例文1》I do not hear wheezing now, but he might benefit from an inhaler.(今喘鳴はないようですが、吸入器が有効かもしれませんね)《例文2》Is there an over-the-counter medicine for wheezing?(ゼーゼーに効く市販の薬はないのでしょうか?)《解説》一般小児領域では、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音を主訴に来院される方が多くいらっしゃいます。その表現にぴったり当てはまる言葉が“wheezing”です。英語での定義は“Wheezing is a high-pitched whistling sound during breathing.”(呼吸時の甲高い音)と記載されています。非医療者の方は“wheezing”を日常会話でよく使用するのですが、医療用語としても成立するため、身体所見も“No rales/stridor/wheezing/rhonchi”(ラ音、吸気性喘鳴、喘鳴、いびき音なし)のように記載します。原型は“wheeze”(苦しそうに息をする[動詞]・ゼーゼーいう音[名詞])という単語ですが、ing形で使用されることがほとんどという印象です。余談ですが、《例文2》に出てきた“over-the-counter drug/medicine”は、日本と同じで「処方箋なしで購入できる薬(OTC)」という意味になります。海外でも、一般の方・医療者共によく使用する表現ですので、こちらも併せて覚えておくと便利でしょう。“wheezing”は非常に簡単で使いやすい表現ですので、喘息や心不全等の患者さんを診察する際にぜひ使ってみてください。講師紹介

1316.

「医師の常識」を疑え【今日から始める「医師の働き方改革」】第11回

第11回 「医師の常識」を疑えお話を伺った森内 浩幸氏(長崎大学医学部小児科学教室 教授)日々仕事に邁進し、同僚など特定の人としか会話しないと、今いる世界の常識にどっぷりと浸ってしまい、「当たり前」を疑うことが難しくなります。どの業界にも言えることですが、多忙な医師はとくに陥りやすい状況ではないでしょうか。そんな「当たり前」を疑うことで医局の働き方改革を前進させた、長崎大学医学部小児科学教室の森内 浩幸氏にお話を伺いました。―大学全体の働き方改革プロジェクト「ワークスタイル・イノベーション」に参加してみていかがでしたか?プロジェクト参加がきっかけで、医局全体の意識が変わりました。小児科は子供が相手で人手が必要で、非常に多忙です。それでも、長く健康に働き続け、よい医療を提供するためには自分たちのワークライフバランスが重要だ、という認識を新たにしました。具体的な変化もいくつかありました。1)夜間や週末の病状説明を原則廃止お子さんの病状や診療方針を両親に説明する際、これまでは希望に応じて夜間や週末にも対応してきました。でも、今は「大切なお子さんのためですから、平日の診療時間内に時間をつくっていただけませんか?」と相談し、対応してもらっています。2)院内カップルへの配慮職場内にパートナーがいるという医師が少なくなく、人事や異動のタイミングで相手側の医局長と話し、小児科側の意向を伝えるようにしています。とくに子どもがいる医師の場合、異動が家庭に与える影響は大きいですから、事前に本人と併せ、パートナー側の状況までを把握することが大切だと考えています。長崎大学医学部小児科学教室(病棟カンファレンス)―これまで当然とされてきた医局の「当たり前」を変えたのですね。医師の世界では当たり前でも、外から見れば当たり前とは程遠いとことは少なくありません。「医師は長時間労働が当たり前」という「常識」も今後は確実に変わっていくでしょう。私の場合、米国留学の経験が常識を疑うことの大切さを知るうえで大きかったですね。米国の医師の常識は日本の医師とは違う部分も多く、とくにオンオフの切り替えがはっきりしており、当番の日でなければ定時で帰って家族と食事をする、というのがあちらの「常識」でした。今はインターネットでさまざまな情報が取れる時代ですから、他の世界の常識を知ることが、変革のヒントになるはずです。長崎大学医学部小児科学教室(病棟回診)〈解説〉「当たり前」と思っていることは盲点になりやすく、自分たちでは気付きにくいものです。書籍『思考の枠を超える』(篠原 信、日本実業出版社)では、自分の常識を問い直す手法として、「言語化」というものが紹介されています。言語化とはその意味通り、「今起こっていることや気付いたことを他の人に話す」というものです。言葉にすると、説明できることと説明できないことがあることに気付きます。うまく説明できない、話せない部分にこそ「自分が常識と思っている盲点」が隠れています。言語化を使うためには、医師以外の方が参加する勉強会などに参加したり、友人と話したりする機会を持つとよいでしょう。共有する知識の少ない人にある程度抽象化して話すことで、自分の組織をいつもとは違った目で見ることができます。私たちのような働き方改革の専門家に相談することも組織の問題を言語化する大きな機会となるでしょう。今では働き方改革の先進病院として注目される長崎大学病院も、当初はどの先生も葛藤を持ちながら、自分の常識を言葉にし、それを問い直すことから始めました。ぜひ、皆さんも自分と組織の「当たり前」を問い直す作業に挑戦してみてください。

1317.

小児期の心血管リスク因子、中年期の心血管イベントと関連/NEJM

 心血管リスク因子であるBMI、収縮期血圧、総コレステロール値、トリグリセライド値および若年期喫煙は、とくに幼少期からの組み合わせで、成人期の心血管イベントおよび60歳前の心血管死と関連することが、米国・ミネソタ大学のDavid R. Jacobs Jr氏らによるInternational Childhood Cardiovascular Cohort(i3C)コンソーシアムの前向きコホート研究の結果、示された。小児期の心血管リスク因子は潜在的な成人期の心血管疾患を予測するが、臨床イベントとの関連は明らかになっていなかった。NEJM誌2022年5月19日号掲載の報告。3~19歳の約4万人を平均35年追跡、5つのリスク因子と心血管イベントの関連を解析 研究グループは、1970年代から1990年代にかけてi3Cコンソーシアムの7つの前向きコホートに登録された3~19歳の参加者4万2,324人を対象に、平均35年追跡し、小児期に最もよく評価される5つのリスク因子(BMI、収縮期血圧、総コレステロール値、トリグリセライド値、若年期喫煙)が成人期の心血管イベントに関連しているかを評価した。追跡調査は2015~19年に行われた。 リスク因子は、i3Cコンソーシアム内で正規化された年齢・性特異的zスコア、および5つのリスクzスコアの非加重平均として計算した複合リスクzスコアを用いて解析し、代数的に同等な成人の複合リスクzスコア(心血管イベント発生前)は小児期のリスク因子と同様に解析した。評価項目は、致死的心血管イベント、致死的または非致死的心血管イベントで、多重代入後に比例ハザード回帰分析を行った。 参加者4万2,324人のうち、所在が確認された生存者、原因が確認された死亡者、または死亡登録がなく生存していると推定された者の計3万8,589人が解析対象となった。登録時の背景は、男性49.7%、黒人15.0%、平均(±SD)年齢11.8±3.1歳であった。5つの複合リスクzスコア1単位増加当たり2.71倍 3万8,589人中319人(0.8%)に致死的心血管イベントが発生した。イベント発生時の年齢は47.0±8.0歳であった。成人期の致死的心血管イベントのハザード比は、各リスク因子zスコアに関しては総コレステロール値zスコアの1単位増加当たり1.30(95%信頼区間[CI]:1.14~1.47)から、若年期喫煙(ありvs.なし)の1.61(95%CI:1.21~2.13)の範囲であり、複合リスクzスコアに関しては1単位増加当たり2.71(95%CI:2.23~3.29)であった。 致死的または非致死的心血管イベントの解析対象は2万656人で、このうち779人(3.8%)にイベントが発生した。イベント発生時の年齢は47.1±7.4歳であった。致死的または非致死的心血管イベントのハザード比および95%CIは、致死的心血管イベントのハザード比および95%CIと類似していた。 成人期(心血管イベント発生前)のリスク因子に関するデータを有する1万3,401人(成人期調査時の年齢31.0±5.6歳)のサブグループでは、115人に致死的心血管イベントが発生し、補正後ハザード比は小児期の複合リスクzスコアに関して1単位増加当たり3.54(95%CI:2.57~4.87)、複合リスクzスコアの小児期から成人期の変化量の1単位増加当たり2.88(95%CI:2.06~4.05)であった。 同サブグループで致死的または非致死的心血管イベントは524人に発生し、補正後ハザード比はそれぞれ3.21(95%CI:2.69~3.85)および2.58(2.15~3.09)であり、致死的心血管イベントと結果は同様であった。

1318.

第110回 医師の一声が決め手!超高額9価HPVワクチン接種への補助金導入

厚生労働省は今年度から9年ぶりにヒトパピローマウイルス(HPV)子宮頸がんワクチンの積極的な接種勧奨を再開した。各自治体では定期接種の対象である現在小学6年生から高校1年生に相当する女子(2006年4月2日~2011年4月1日生まれ)とともに、接種勧奨中止という空白期間に対象年齢だった女性(1997年4月2日~2006年4月1日生まれ)向けの「キャッチアップ接種」も含めて、今後の接種勧奨の対応が必要になる。すでに各自治体のホームページにはこれらの情報が掲載されているが、実際の個別通知状況はまちまちだという。ちなみに私の娘はキャッチアップ接種の対象者だが、まだ個別通知は来ていない。実はすでにわが家の場合は「ワクチンマニア」の私が区の保健所に出向いて予診票を受け取りに行っている。ついでに言うと、わが家が居住する自治体はHPV以外の定期接種ワクチンは区の支所で予診票を受け取ることができるが、支所からは「子宮頸がんだけは扱いが別なんですよ」と言われ、わざわざ保健所まで出向いたという経緯がある。その際に保健所から、個別通知は6月に一斉送付すると聞いている。積極的接種勧奨が再開されたことは非常に喜ばしいことだが、長期間にわたって接種勧奨中止が続いていた影響で勧奨が再開されても対象者の親が尻込みをしてしまうケースもあると考えられる。当面、厚生労働省や各自治体はこうした「何となく怖い」と思っている人たちにどのように情報提供していくかが1つの課題になる。とりわけこの点は各自治体の工夫次第となる。一方でHPVワクチン接種に関しては国レベルでは2つの大きな課題が残されている。1つはすでに承認され、海外での接種では標準となっている9価HPVワクチンへの定期接種切替と、これまた海外では一般的になっている男性への接種拡大である。ここで書くのは釈迦に説法になってしまうが、現在日本でのHPV接種で使えるのは2価あるいは4価のワクチンである。実際の接種に使用されているのは、ほとんどが4価ではあるが、これでカバーできるハイリスクHPV型は約6~7割。これに対して9価は約9割。言うまでもなく9価を接種したほうが良いに決まっている。しかし、現在定期接種で採用されていない9価ワクチンを接種する場合、その費用は全額接種者の自費負担になる。しかもその価格は3回接種合計で10万円弱。これを個人で負担するのはかなり難儀だ。そしてこれは定期接種に採用しようとする国にとっても予算措置上頭の痛い問題になる。なんせ4価の定期接種の2倍の予算が必要になるからだ。この点は接種対象を男性に拡大することへの足かせにもなる。もっとも厚生科学審議会予防接種基本方針部会のワクチン評価に関する小委員会は3月4日に9価ワクチンを定期接種化する方針で一致しており、この点は時間が解決する段階に入っている。とはいえ今まさに接種を検討する側の心理からすれば、「早期に何とかならないのか?」と思うだろう。もちろん4価ワクチンの交叉免疫を考えれば、9価ワクチンと遜色のない効果は得られるだろうし、実際にそうした研究報告もある。とはいえ、同じ価格や労力を払うなら、より良いものを得たいというのがヒトの心理というもの。「一般消費財と医薬品・ワクチンを同等に扱うのは何事か」というご意見もあるだろうが、これまでの研究成果から見れば、その効果にほぼ疑いのないHPVワクチンならば、やはり9価ワクチンは早急に導入して欲しいと個人的にも思うところである。実際、自治体レベルではこうした一般生活者が当たり前に抱きそうな要望に応えているケースもごくわずかながらある。1つは静岡県富士市の事例である。同市では、(1)接種日時点で富士市に住民登録があること、(2)9価ワクチン以外のHPVワクチンの接種を1回も受けたことがないこと、(3)これまでに9価ワクチンの接種にかかる費用補助を受けたことがないこと、の3条件を満たした9価ワクチン接種希望者に対し、接種1回につき1万7,000円程度、1人最大3回まで補助をする方針を打ち出している。希望者は事前に同市健康政策課に申し出をしたうえで、医療機関で9価ワクチンを接種して接種費用全額を支払った後、補助交付申請で補助金が支払われる形式。やや煩雑ではあるが、9価ワクチン接種を選択肢として用意した点では画期的である。4月にこの一報に接した際に「この動きが全国に広がれば…」と思っていたが、今のところそうした動きは限定的だ。ところがそれを超える動きがつい最近登場した。秋田県のにかほ市である。同市はなんと現時点でHPVワクチンの接種対象者とキャッチアップ接種対象者に、9価ワクチン接種を希望する場合は全額補助をするという富士市以上の対応を打ち出したのだ。ちなみに、にかほ市は平成の大合併が行われた2005年10月に日本海に面する秋田県由利郡内の仁賀保町、金浦町、象潟町が合併してできた自治体である。馴染みのない人に簡単に説明すると、旧金浦町は日本人として初めて南極に上陸した白瀬 矗(のぶ)陸軍中尉の出身地であり、象潟町は江戸時代の俳人・松尾 芭蕉の紀行作品「おくのほそ道」に登場し、芭蕉が『象潟や 雨に西施(せいし)が ねぶの花』という句を詠んだ場所である。私はにかほ市の市民福祉部健康推進課母子保健支援班に電話をしてその経緯を聞いてみた。今回全額補助を決めた経緯は?【担当者】世間でHPVワクチンの接種勧奨が再開されるかもしれないという話題が浮上してきたのが、昨年9~10月頃ですが、ちょうど10月に私達の地域をカバーしている由利本荘医師会(にかほ市とそこに隣接する由利本荘市で活動する医師会員によって構成)からぜひキャッチアップ接種の対象者への助成をして欲しいという要望書が出されました。その要望書では9価ワクチンについても若干触れられていて、そこで私達も検討を始めました。そして市内の医師と私たち自治体の保健師などで構成している母子保健委員会で、医師側のご意見を伺いたいということで、私たちから全額補助を提案させていただきました。その結果、委員会の中心的存在になっている医師からも任意接種であっても可能ならば自治体で全額助成し、住民の皆さんに貢献できるようにしたら良いのではないかとのご意見をいただき、今回の決定に至りました。当然、議会で予算措置が必要になりますよね。そこはすんなり決まった感じですか?【担当者】そうですね。実はこれまでも当市では、一昨年から定期接種化されたロタウイルスワクチンの接種費用全額補助を2013年から始めていましたし、現在も任意接種のおたふく風邪ワクチンの接種費用も全額補助をしています。以前から経済的な問題よりも住民の方々の選択肢を増やせるようにしようという流れがありました。そうした従来からの経緯もあって市議会議員の皆さんも地元医師の意見を信頼していますし、小さな市であるため意見が浸透しやすい、理解が広まりやすい環境があると言えるかもしれません。市のホームページに掲載されている接種協力医療機関(15ヵ所)を見させていただきましたが、そのほとんどが隣接する由利本荘市(13ヵ所)の医療機関です。確かに医師会がにかほ市と由利本荘市を束ねる広域になってはいますが、自治体をまたぐ形で協力医療機関を確保するとなると、調整は難しくありませんでしたか?【担当者】従来から定期接種になっているワクチン接種を「由利本荘市のかかりつけの医療機関で受けます」という方もいたので、自治体をまたいで接種することがごく当たり前に行われています。逆に由利本荘市の方がにかほ市で接種しているケースもあるはずです。それほど距離的にも離れてるわけでもないので、とくに問題はありません。全額補助を発表されてから問い合わせはありましたか?【担当者】ありますね。ただ、接種協力医療機関との契約では4月1日から接種開始となっていましたが、全額助成の最終決定が年度末ギリギリだったこともあって、実際のHPVワクチンの定期接種対象者やキャッチアップ接種対象者に直接通知を出せたのは、4月後半でした。そのため4月末時点での実績はまだ少ない状況ですが、これから本格的に申し込みが増えてくるだろうと予想しています。ちなみに、にかほ市で今年度にHPVワクチン接種対象となるのは定期接種、キャッチアップ接種含め451人。市の予算では現時点でうち80人がこの全額助成を利用すると想定し、720万円の予算を計上。希望者が多い場合は、補正予算対応も検討するという。今回のにかほ市の全額助成が成立した背景にはいくつかの要因が考えられるだろう。私個人の雑感も含めて、ざっと挙げると以下のようになる。(1)小規模な自治体ゆえに対象者が多くなく、予算がそれほどかからない(2)行政側がもともとワクチン接種の推進に意欲的(3)地元医師会と自治体の日常的な意思疎通が良好(4)過去にも実績があるまた、にかほ市の場合、人口2万3,272人で65歳以上の高齢者割合は39.5%と典型的な高齢化社会の縮図のような自治体であり、そのためか市の広報を見ても子育て対策にかなり注力している。もっともこうした条件が当てはまる自治体はにかほ市だけではなく、全国各地に存在する。つまり同様のことができる潜在力を持つ自治体はほかにもあるはずである。また、今回の接種勧奨の再開に当たっては、勧奨中止期間に接種機会を逃し、定期接種の対象年齢を過ぎてから今年3月31日までにHPVワクチンの任意接種を自費で受けた人へも接種費用の償還払いを実施しており、一部自治体では全額ではないもののこのケースで9価ワクチン接種対象者も償還払いの対象としている。その意味では当面の9価ワクチン接種希望者に対しては、にかほ市型ではない富士市型での対応も十分選択肢として取れるのではないだろうか。本連載での第73回でも触れたが、HPVワクチンに関する自治体の動きには地域の医師会の働きかけは大きな影響を与える。今回のにかほ市の事例でもそれは明らかである。接種勧奨再開という好機だからこそ、各地域で活動している医師の皆さんの「もう一押し」がモノを言う局面とさえいえる。そこで思い出したのが中華人民共和国の建国にこぎつけた中国共産党の毛沢東の戦略「農村が都市を包囲する」だ(念のため言っておくと私は共産主義者ではない)。中国共産党は日中戦争期、日本軍との戦いで国内が一致団結するためにすでに内戦状態だった政敵の国民党と「国共合作」で協力関係を締結した。しかし、日本のポツダム宣言受諾で目的を達成した両党は、その後は再び血みどろの内戦へ突入する。しかし、中国共産党にとって当時の中国を代表する中華民国政府を握り、富裕層の支持を得ていた国民党との内戦は圧倒的に不利。実際、内戦再開当初は都市部から共産党勢力は駆逐され、党員数は激減する。そこで毛沢東が取った戦略が都市部から内陸部へ退き、農村部で支持を獲得しながら最終的に国民党に勝利する「農村が都市を包囲する」戦略だったのだ。実際、中国共産党は約5年で国民党に勝利する。従来からこの手法は政治だけでなく、さまざまな領域での戦略の見本になると私自身は考えている。その意味で今回の9価ワクチンの定期接種開始も「地方が中央を包囲する」形で早期に実現すればと密かに願っている。

1319.

口腔の傷(歯牙や舌、頬粘膜損傷)に対する縫合処置【漫画でわかる創傷治療のコツ】第10回

第10回 口腔の傷(歯牙や舌、頬粘膜損傷)に対する縫合処置《解説》今回は幸いキズモンスターの発生前に正しい処置をすることができました。詳細は後述しますが、歯牙損傷がある場合は先に歯科受診を勧めることもあります。口腔内の傷について、食物が残留しやすい場所であることを考えると、目安として2cm以上の創は縫合を検討しましょう。2cm以下の場合、止血が得られていれば自然治癒が期待できます。それでは、部位による処置について簡単に解説していきます。(1)舌損傷浅い創でも出血が持続することがあります。粘膜と筋層を大きめに4−0、5−0の吸収糸で緩めに縫合しましょう。縫合糸を締め込むと舌浮腫になり、断裂や壊死の原因となります。(2)頬粘膜損傷必ず耳下腺管、顔面神経損傷の有無と、異物の有無を確認しましょう。耳下腺管の損傷を疑う所見自覚症状に乏しいとしても、創部からの唾液とおぼしき滲出液を持続的に見て、滲出液のアミラーゼ値を調べて高値であるかどうかを確認します。顔面神経の損傷を疑う所見顔面神経頬枝は耳下腺管とほぼ平行に走行しています。口角や上口唇を引き上げる動作を担っており、損傷している場合は口唇が下垂して鼻唇溝が消失したり、口笛を吹くように口をすぼめたときに左右差があったりするので、確認しましょう。上記を疑う場合は可及的速やかに形成外科へ紹介すべきです。粘膜のみの損傷であれば4−0、5−0の撚り糸の吸収糸を大きめにかけて最小限の縫合を行います。貫通創の場合は、筋層を含む皮下組織と表皮を縫合し、口腔内はまばらに縫合しましょう。縫合時に耳下腺の開口部(乳頭部)を損傷しないように注意しましょう(下図参照)。硬口蓋、軟口蓋損傷は上皮化良好な場合が多いです。口蓋刺創の場合、外見上の傷はわずかでも頭蓋内などに達している可能性を常に念頭に置く必要があります。図:耳下腺周囲の解剖図(3)歯牙損傷欠けたり抜けたりした歯がある場合は、捨てずに元の場所に整復した後、隣接歯牙とワイヤーなどで応急的な固定処置を行っておき、歯科処置を依頼しましょう。受診相談時に歯牙損傷を疑う場合は、その時点で歯科のある病院を勧めるのが良いでしょう。永久歯が完全脱臼した場合、予後は歯槽骨外に置かれていた条件と時間に直接相関します。乳歯が脱落した場合、発育中の後継永久歯が損傷される危険性があれば再植はしないのですが、判断は歯科口腔外科でしてもらいましょう。脱落歯は保存溶液に入れて、できるだけ早く歯科口腔外科を受診してもらいましょう!保存溶液は、望ましい順に、1.移植臓器輸送用溶液2.細胞培養用培地3.冷たいミルク(ロングライフミルクや低脂肪乳を除く)4.生理食塩水となっています1)。参考1)日本外傷歯学会. 歯の外傷治療ガイドライン 改訂版. 2012.波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書III 創傷外科. 克誠堂出版;2015.安瀬 正紀監修, 菅又 章編. 外傷形成外科―そのときあなたは対応できるか. 克誠堂出版;2007.Frank H. Netter著, 相磯 貞和訳. ネッター解剖学アトラス 原著第4版. 南江堂;2007.

1320.

自閉スペクトラム症の感情調整や過敏性に対する薬理学的介入の有効性~メタ解析

 感情調節不全や過敏性は、自閉スペクトラム症(ASD)でよくみられる症状である。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのGonzalo Salazar de Pablo氏らは、ASDの感情調節不全や過敏性に対する薬理学的介入の有効性および治療反応の予測因子を評価する、初めてのメタ解析を実施した。その結果、いくつかの薬理学的介入(とくにアリピプラゾールとリスペリドン)は、ASD患者の感情調節不全や過敏性の短期的治療に有効であることが証明されており、忍容性プロファイルと家族の考えなども考慮し、複数の形式による治療を計画するうえで検討すべきであると報告した。Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry誌オンライン版2022年4月22日号の報告。 プロトコルに従い、複数のデータベースより2021年1月1日までの研究をシステマティックに検索した。プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を抽出し、感情調節不全や過敏性に対する薬理学的介入の有効性および治療反応の予測因子を評価した。Q検定を用いた不均一性および出版バイアスを評価した。主要エフェクトサイズは、標準化平均差(SMD)とした。研究の質の評価には、コクランのバイアスリスクツール(RoB2)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ASD患者2,856例を含む45件の研究が分析に含まれた。26.7%のRCTは、バイアスリスクが高かった。・抗精神病薬(SMD:1.028、95%CI:0.824~1.232)およびADHDに適応を有する薬物療法(SMD:0.471、95%CI:0.061~0.881)は、プラセボと比較し、感情調節不全や過敏性に対し有意な改善が認められたが、他の薬剤クラスでは認められなかった(p>0.05)。・各薬剤についての評価では、アリピプラゾール(SMD:1.179、95%CI:0.838~1.520)とリスペリドン(SMD:1.074、95%CI:0.818~1.331)の有効性が示唆された。・てんかん発症率の増加(β=-0.049、p=0.026)は、有効性の低下と関連していた。

検索結果 合計:3114件 表示位置:1301 - 1320