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第183回 新型コロナ公費支援は3月末で終了、通常の医療体制へ/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナ公費支援は3月末で終了、通常の医療体制へ/厚労省2.アルコールは少量でも要注意、飲酒ガイドラインを公表/厚労省3.SNSが暴いた入試ミス、PC操作ミスによる不合格判定が発覚/愛知医大4.専攻医の過労自死問題を受け、甲南医療センターを現地調査へ/専門医機構5.医師らの未払い時間外手当、小牧市が8億円支給へ/愛知県6.診療報酬改定で人気往診アプリ『みてねコールドクター』が終了へ/コールドクター1.新型コロナ公費支援は3月末で終了、通常の医療体制へ/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する医療費の公費支援を2024年3月末で終了し、4月から通常の医療体制に完全移行する方針を発表した。これまで、COVID-19の治療薬や入院医療費に関しては、患者や医療機関への一部公費支援が継続されていたが、4月からは他の病気と同様に保険診療の負担割合に応じた自己負担が求められるようになる。COVID-19への公費支援は、治療薬の全額公費負担が2021年10月より始まり、昨年10月には縮小された。また、患者は年齢や収入に応じ、3,000~9,000円の自己負担をしていた。4月からは、たとえば重症化予防薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)を使用する場合、1日2回5日分の処方で約9万円のうち、3割負担であれば約28,000円を自己負担することになる。また、月最大1万円の入院医療費の公費支援や、コロナ患者用病床を確保した医療機関への病床確保料の支払いも終了する。COVID-19の感染状況は改善傾向にあり、定点医療機関当たりの感染者数が12週ぶりに減少している。これらの背景から、政府は公費支援の全面撤廃と通常の診療体制への移行が可能と判断した。さらに、次の感染症危機に備え、公的医療機関などに入院受け入れなどを義務付ける改正感染症法が4月から施行される。参考1)新型コロナの公費負担、4月から全面撤廃へ…治療薬に自己負担・入院支援も打ち切り(読売新聞)2)新型コロナ公費支援 3月末で終了 4月からは通常の医療体制へ(NHK)3)新型コロナ公費支援、3月末で完全廃止 厚生労働省(日経新聞)2.アルコールは少量でも要注意、飲酒ガイドラインを公表/厚労省厚生労働省は、飲酒による健康リスクを明らかにするため、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を発表した。初めて作成されたこの指針では、純アルコール量に着目し、疾患別に発症リスクを例示している。大腸がんのリスクは1日20g以上の純アルコール摂取で高まり、高血圧に関しては少量の飲酒でもリスクが上昇すると指摘されている。純アルコール量20gは、ビール中瓶1本、日本酒1合、またはウイスキーのダブル1杯に相当。ガイドラインによると、脳梗塞の発症リスクは、男性で1日40g、女性で11gの純アルコール摂取量で高まる。女性は14gで乳がん、男性は20gで前立腺がんのリスクが増加する。さらに、男性は少量の飲酒でも胃がんや食道がんを発症しやすいと報告されている。とくに女性や高齢者は、体内の水分量が少なくアルコールの影響を受けやすいため、注意が必要。また、女性は少量や短期間の飲酒でもアルコール性肝硬変になるリスクがあり、高齢者では認知症や転倒のリスクが一定量を超えると高まる。ガイドラインでは、不安や不眠を解消するための飲酒を避け、他人への飲酒を強要しないこと、飲酒前や飲酒中の食事の摂取、水分補給、週に数日の断酒日の設定など、健康への配慮としての留意点も挙げている。厚労省の担当者は、「体への影響は個人差があり、ガイドラインを参考に、自分に合った飲酒量を決めることが重要だ」と強調している。参考1)健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚労省)2)ビールロング缶1日1本で大腸がんの危険、女性は男性より少量・短期間でアルコール性肝硬変も(読売新聞)3)飲酒少量でも高血圧リスク 健康に配慮、留意点も 厚労省が初の指針(東京新聞)3.SNSが暴いた入試ミス、PC操作ミスによる不合格判定が発覚/愛知医大愛知医科大学(愛知県長久手市)は、大学入学共通テストを使用した医学部入学試験の過程で、PC操作ミスにより本来2次試験の受験資格を有していた80人の受験生を誤って不合格としていたことを発表した。この問題は、SNS上で受験生間の投稿を通じて疑問が提起され、その後の大学による確認作業で明らかになった。受験生は、自己採点結果から「自分より点数が低い友人が合格している」といった内容をSNSに投稿していた。操作ミスは、大学入試センターから提供された成績データを学内システムに転記する際に発生したもので、一部受験生の点数が実際よりも低く記録されてしまったことが原因。発覚後、同大学は該当する80人の受験生に対し、予定されていた2次試験への参加資格があることを通知し、さらに受験できない者のために別の日程も設定した。この事態を重くみた大学は、「受験生に混乱を招いたことを深くお詫びする」との声明を発表し、今後のチェック体制の見直しを約束し、2度と同様のミスが発生しないようにするとしている。参考1)令和6年度医学部大学入学共通テスト利用選抜(前期)における 第2次試験受験資格者の判定ミスについて(愛知医大)2)愛知医科大学 医学部入試で80人を誤って不合格に PC操作ミスで(NHK)3)愛知医科大、PC操作ミスで80人誤って不合格…SNSで結果疑う投稿相次ぎ大学が確認し判明(読売新聞)4)「自己採点で自分より低い友人が合格」愛知医科大、判定ミスで80人不合格に(中日新聞)4.専攻医の過労自死問題を受け、甲南医療センターを現地調査へ/専門医機構日本専門医機構は、2024年2月19日の定例記者会見で、2024年度に研修を開始する専攻医の採用予定数が9,496人と発表し、過去最多であることを明らかにした。2023年度の9,325人から増加し、とくに整形外科で93人、救急科で66人の増加がみられる一方、皮膚科では51人、外科では25人の減少が確認された。同機構理事長の渡辺 毅氏は、外科専攻医の減少は問題であると指摘している。専攻医数の増加は、東北医科薬科大学や国際医療福祉大学の医学部新設とその卒業生の専攻医登録が影響しているとされ、とくに医師不足が指摘されている外科は微減傾向にあるものの、救急科では増加が予想されている。また、専攻医の過労自死問題を受け、甲南医療センター(神戸市)でのサイトビジット(現地調査)を実施する予定であり、専攻医の心身の健康維持や時間外勤務の上限明示などの環境整備が適切に行われているかを目的に調査が行われる。渡辺氏は、「得られた知見を将来の専攻医研修プログラムや専門医制度の整備指針の改善に生かしたい」と述べている。専攻医遺族が甲南医療センター側を提訴しているため、訴訟に影響が出ないような日程での実施を目指している。参考1)2024年度専攻医、整形外科や救急科で増加(日経メディカル)2)来年度の専攻医、昨年度比150人増の9,500人(Medical Tribune)5.医師らの未払い時間外手当、小牧市が8億円支給へ/愛知県小牧市民病院(愛知県)が、医師や薬剤師を含む約277人の職員に対して、夜勤や土日祝日の当直業務で適切に支払われていなかった時間外勤務手当の差額約8億円を支給することを発表した。これは、病院の医師の働き方改革を機に勤務や手当の見直しが行われた際に、複数の医師からの指摘を受けて発覚、本来、労働実態に応じて支給されるべき時間外手当が、一律の定額で支給されていたことが問題となったもの。病院側は、2023年4月からこの問題を調査し、約4年分の差額を医師、薬剤師、放射線技師などの職員に支払うことを決定した。また、3月以降は時間外勤務手当を適切に支給する制度に改めることも発表した。これまでの誤った運用は「慣例に従っていた」との理由から起こったとしている。さらに、病院は夜間や休日の手当の見直しも発表し、2020年4月~2024年2月までの間に当直業務に従事した職員に対して、法律で定められた賃金よりも過小だった手当の差額を支給する。病院側はこれまで、労働基準法に基づいた時間外勤務手当の支給が必要な場合、特例措置として「宿日直許可」を労働基準監督署に申請する必要があることを知らなかったと述べている。この措置により、病院は正規の時間外勤務手当とこれまで支給してきた手当との差額を職員に支給し、法律に準拠した形での勤務条件の改善を目指す。差額の支払いについては、市議会定例会に補正予算案を提出し、支払いは5月下旬に行われる予定。参考1)時間外手当、差額8億円支払いへ 医師ら277人に 愛知の市民病院(朝日新聞)2)小牧市民病院、夜間・休日手当見直しへ 20年以降の差額も支給(中日新聞)6.診療報酬改定で人気往診アプリ『みてねコールドクター』が終了へ/コールドクター夜間や休日に医師の往診をWebやアプリから依頼できるサービス「みてねコールドクター」が、診療報酬の改定により条件が厳格化されるため、3月31日をもって終了することが発表された。このサービスは、子供の医療助成制度適用で都内では自己負担0円(交通費別)で利用が可能で、約400人の医師が登録・在籍し、夜間・休日の急病時に最短30分で自宅に医師を派遣し、その場で薬を渡すことができた。2022年にはミクシィとの資本業務提携を経て、サービス名に「みてね」のブランドを冠し、とくに子育て世代から高い評価を得ていた。今回の診療報酬改定では、医療従事者の賃上げなどに充てるための基本報酬の引き上げが注目されていたが、往診サービスについては「普段から訪問診療を受けていない患者」への緊急往診や夜間往診の診療報酬が低下し、この変化に伴い「みてねコールドクター」はサービスの終了を決定した。同社は、今後の市場の変化を見据えての決定であると説明しており、オンライン診療や医療相談サービスは継続する。診療報酬の改定では、救急搬送の不必要な減少や医療現場の負担軽減を期待していたが、実際には小児科領域の往診が主であり、コロナ禍での特殊な状況下では多くの人にとって救いとなった。しかし、保険診療の方向性としては、緊急時のみに駆けつける医師ではなく、日常を支えるかかりつけ医の強化が求められている。参考1)往診のサービス提供終了のお知らせ(コールドクター)2)往診アプリ「みてねコールドクター」往診終了 診療報酬改定で(ITmedia NEWS)3)「みてねコールドクター」の往診サービスが終了に(Impress)4)人気の“往診サービス”が突然の終了、理由は「診療報酬改定」なぜ?(Withnews)

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事例042 残廃棄注射薬剤の算定漏れ【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では気管支喘息の小児にアンプル容器(略称「A」)に入ったアミノフィリン(商品名:ネオフィリン)が静注されています。ネオフィリン注を幼児に使用する場合には、体重に応じて比例投与が求められています。比例投与後に残された薬剤は衛生上の問題などから再使用できずに廃棄せざるを得ません。明確な規定はありませんが、こうした理由からアンプル単位で使用する薬剤は、全量を使用したものとみなしての請求が認められています。この場合には、かならず「残廃棄」「0.6A使用残廃棄」などと、残量を廃棄したコメントを付けなければなりません。なぜなら、体重などに応じた投与量が添付文書の適用範囲から外れていると判定された場合には、外れた範囲が査定になることがあるからです。ほかのアンプル入り医薬品も同様です。比例請求することは、誤りではありません。しかし、アンプル容器入りには高価な医薬品があります。認められた請求方法を確実に利用して、廃棄分もコスト回収することが医療機関にとっては大切なことです。医薬品にはアンプル容器入りのほかに複数回使用ができるバイアル、瓶などの容器があります。その場合も含めて、「使用後の残液は使用しない」「調整後は速やかに使用する」と添付文書に記載されている医薬品は、通知などで示された場合を除き、全量請求が認められます。医療費計算システムには、アンプルやバイアルなどの1本単位で全量請求が認められる注射用医薬品を抽出、比例計算が行われた場合には、注意喚起が表示されるように改修して算定漏れ対策としました。

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A群溶血性レンサ球菌咽頭炎ってどんな病気?

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 (溶連菌感染症)ってどんな病気?• どの年齢でもみられますが、幼児期から学童期の小児で多く報告されます• のどの痛み、38度以上の発熱、倦怠感や嘔吐といった症状が多く、舌が真っ赤になり小さなブツブツができる「イチゴ舌」がみられることがあります• 多くの場合、熱は3~5日以内に下がり、症状は1週間以内に改善します• まれに重症化し、のどや舌・全身に赤み・発疹がひろがる「猩紅熱(しょうこうねつ)」に移行することがあります治療法は?他の人にうつさないようにするには?•症状があり、検査をして感染が認められた場合は、抗菌薬での治療を行います。腎炎などを防ぐため、症状が改善しても医師に指示された期間は薬を飲むことが大切です•咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込む「飛まつ感染」、細菌が付いた手で口や鼻に触れる「接触感染」、食品を介して細菌が口に入って感染する「経口感染」があります•のどの痛みがひどい場合は柔らかく薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけましょう•感染力は病気になりはじめの時期、症状が急に現れる時期に最も高いとされます•手洗い・うがいを行いましょう•マスクの着用も有効です出典:東京都保険医療局「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 (溶連菌感染症)について」国立感染症研究所「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」Copyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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2月20日 アレルギーの日【今日は何の日?】

【2月20日 アレルギーの日】〔由来〕1966(昭和41)年の今日、石坂 公成氏、石坂 照子氏がIgE(免疫グロブリン)を発見したことにちなみ、日本アレルギー協会により制定。同協会では今日を中心とした1週間を「アレルギー週間」と定め、この期間を中心にアレルギーに関する各種啓発活動を行っている。関連コンテンツアトピー性皮膚炎の診療で役立つTIPSどうする?食物アレルギーの「学校生活管理指導表」【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】卵アレルギーが不安…、離乳食開始へのアドバイスは?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】HRTってなあに?【患者説明スライド】食物アレルギーの小児患者へ安全・有効な経口免疫療法/国立成育医療研究センター

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Hibを追加した乳幼児の5種混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」【最新!DI情報】第9回

Hibを追加した乳幼児の5種混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」今回は、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン(商品名:ゴービック水性懸濁注シリンジ、製造販売元:阪大微生物病研究会)」を紹介します。本剤は、既存の4種混合ワクチンの抗原成分にインフルエンザ菌b型(Hib)の抗原成分を加えた5種混合ワクチンであり、乳幼児期のワクチン接種回数が減少することで、乳幼児および保護者の負担軽減が期待されています。<効能・効果>百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎およびHibによる感染症の予防の適応で、2023年3月27日に製造販売承認を取得しました。<用法・用量>初回免疫として、小児に通常0.5mLずつを3回、いずれも20日以上の間隔をおいて皮下または筋肉内に接種します。追加免疫では、初回免疫後6ヵ月以上の間隔をおいて、通常0.5mLを1回皮下または筋肉内に接種します。<安全性>国内第III相試験(BK1310-J03)において、皮下接種後の副反応は91.7%に認められました。そのうち、接種部位の主な副反応として、紅斑78.9%、硬結46.6%、腫脹30.1%、疼痛13.5%が認められました。全身性の主な副反応は、発熱(37.5℃以上)57.9%、易刺激性27.1%、過眠症24.1%、泣き23.3%、不眠症13.5%、食欲減退13.5%でした。<患者さんへの指導例>1.このワクチンは、5種混合ワクチンです。2.百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎およびHibによる感染症の予防の目的で接種されます。3.生後2ヵ月から接種を開始し、計4回の定期接種を行います。4.明らかに発熱(通常37.5℃以上)している場合は接種できません。5.接種後30分間は接種施設で待機するか、ただちに医師と連絡がとれるようにしておいてください。6.接種後は健康状態によく気をつけてください。接種部位の異常な反応や体調の変化、高熱、けいれんなどの異常を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。<ここがポイント!>本剤は、既存の4種混合ワクチン(百日せき、ジフテリア、破傷風、不活性化ポリオ混合ワクチン)の成分に加えて、インフルエンザ菌b型ワクチンの成分を混合した5種混合ワクチンです。百日せきは、乳幼児早期から罹患する可能性があり、肺炎や脳症などの合併症を起こし、乳児では死に至る危険性があります。ジフテリアの罹患患者は、1999年以降は日本で確認されていませんが、致死率の高い感染症です。破傷風は、菌が産生する神経毒素によって筋の痙攣・硬直が生じ、治療が遅れると死亡することもあります。急性灰白髄炎(ポリオ)は、脊髄性小児麻痺として知られており、主に手や足に弛緩性麻痺が生じ、永続的な後遺症が残る場合や呼吸困難で死亡することもあります。インフルエンザ菌b型はヒブ(Hib)とも呼ばれ、この菌が何らかのきっかけで進展すると、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎などの重篤な疾患を引き起こすことがあります。これらの感染症はワクチンの接種によって予防が可能で、日本では予防接種法で定期接種のA類疾病に該当します。しかし、乳幼児期には、これら以外の感染症に対するワクチンの接種も必要なため、保護者の負担の大きさや接種スケジュール管理の煩雑さが問題となっています。本剤は、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオおよびHib感染症に対する基礎免疫を1剤で同時に付与できるため、乳幼児への注射の負担および薬剤の管理を軽減できるメリットがあり、2024年4月から定期接種導入が予定されています。また、本剤は皮下接種だけでなく、筋肉内接種も可能です。生後2ヵ月以上43ヵ月未満の健康乳幼児267例を対象とした国内第III相試験(皮下接種)において、本剤接種後における初回免疫後の各抗体保有率は、ジフテリアが99.2%、その他は100%であり、追加免疫後はすべて100%でした。追加免疫後では、すべての抗原に対して初回免疫後よりも高い免疫原性を示すことが確認されました。

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日本における小児に対する抗精神病薬処方の動向

 統合失調症は、幻覚・妄想やその他の症状を特徴とする精神疾患である。日本においても統合失調症の治療ガイドラインが確立されているが、小児患者に対する薬物療法は推奨されていない。さらに、小児統合失調症患者に対する抗精神病薬の処方傾向は、あまりよくわかっていない。東北医科薬科大学病院の菊池 大輔氏らは、2015~22年の日本における小児外来患者に対する抗精神病薬の処方動向を明らかにするため、本研究を実施した。その結果、日本では小児統合失調症に対して、主にアリピプラゾールとリスペリドンが処方されており、アリピプラゾールの処方割合が時間の経過とともに有意に増加していることを報告した。Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences誌2024年1月2日号の報告。 対象は2015年1月1日~2022年12月31日に、急性期地域医療連携病院を受診した0~18歳の統合失調症患者。2023年11月時点での日本人小児外来患者の管理データを分析した。対象薬剤は、2022年12月時点に日本で発売されている統合失調症の適応を有する薬剤とした。期間中の抗精神病薬の年間処方傾向は、その割合に応じて算出した。各抗精神病薬の処方割合の評価には、Cochran-Armitageの傾向検定を用いた。 主な結果は以下のとおり。・小児統合失調症患者に対して主に処方されていた抗精神病薬は、アリピプラゾールとリスペリドンであった。・男性患者では、アリピプラゾールの処方割合が21.5%(2015年)から35.9%(2022年)へ有意な増加が認められた(p<0.001)。一方、リスペリドンの処方割合は、47.9%(2015年)から36.7%(2022年)へ有意な減少が認められた(p<0.001)。・女性患者においても、男性と同様に、アリピプラゾールの処方割合が21.6%(2015年)から35.6%(2022年)へ有意に増加し(p<0.001)、リスペリドンの処方割合は、38.6%(2015年)から24.8%(2022年)へ有意に減少していた(p<0.001)。

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小児・思春期の2価コロナワクチン、有効性は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する2価mRNAワクチンについて、小児・思春期(5~17歳)へのSARS-CoV-2感染および症候性COVID-19に対する保護効果が認められることが示された。米国疾病予防管理センター(CDC)のLeora R. Feldstein氏らが、3つの前向きコホート試験に参加した約3,000例のデータを解析し報告した。米国では12歳以上については2022年9月1日から、5~11歳児については同年10月12日から、COVID-19に対する2価mRNAワクチンの接種を推奨しているが、その有効性を示す試験結果は限られていた。著者は、「今回示されたデータは、小児・思春期へのCOVID-19ワクチンの有益性を示すものである。対象となるすべての小児・思春期は、推奨される最新のCOVID-19ワクチン接種状況を維持する必要がある」と述べている。JAMA誌2024年2月6日号掲載の報告。米国計6ヵ所で集めたデータを統合し解析 研究グループは、米国で行った3つの前向きコホート試験(計6ヵ所で実施)の2022年9月4日~2023年1月31日のデータを統合し、5~17歳の小児・思春期におけるCOVID-19に対する2価mRNAワクチンの有効性を推定した。被験者総数は2,959例で、定期的サーベイ(人口統計学的・世帯特性、慢性疾患、COVID-19症状を調査)を行った。サーベイでは、症状の有無にかかわらず自己採取した鼻腔ぬぐい液スワブを毎週提出してもらい、また症状がある場合には追加の同スワブを提出してもらった。 ワクチン接種の状況は定期的サーベイで集め、州の予防接種情報システムや電子カルテで補完した。 採取したスワブを用いてRT-PCR検査でSARS-CoV-2ウイルスの有無を調べ、症状の有無にかかわらず陽性はSARS-CoV-2感染と定義した。検体採取から7日以内に2つ以上のCOVID-19症状がある検査陽性例を、症候性COVID-19と定義した。 COVID-19 2価mRNAワクチン接種者と、非接種者または単価ワクチンのみ接種者について、Cox比例ハザードモデルを用いてSARS-CoV-2感染や症候性COVID-19のハザード比を算出。年齢や性別、人種、民族、健康状態、SARS-CoV-2感染歴、試験地別の流行型の割合、地域ウイルス感染率などで補正を行い評価した。感染率は2価ワクチン群0.84/1,000人日、非2価ワクチン群1.38/1,000人日 被験者2,959例のうち、女子は47.8%、年齢中央値は10.6歳(四分位範囲[IQR]:8.0~13.2)、非ヒスパニック系白人は64.6%だった。COVID-19 2価mRNAワクチンを1回以上接種したのは、25.4%だった。 試験期間中、SARS-CoV-2感染が確認されたのは426例(14.4%)だった。このうち184例(43.2%)が症候性COVID-19を有した。426例の感染者のうち、383例(89.9%)はワクチン未接種または単価ワクチンのみ接種者で(SARS-CoV-2感染率1.38/1,000人日)、43例(10.1%)が2価mRNAワクチン接種者だった(同感染率0.84/1,000人日)。 SARS-CoV-2感染に対する2価mRNAワクチンの有効性は、54.0%(95%信頼区間:36.6~69.1)で、症候性COVID-19に対する同有効性は49.4%(22.2~70.7)だった。 ワクチン接種後の観察期間中央値は、単価ワクチンのみ接種者は276日(IQR:142~350)だったのに対し、2価mRNAワクチン接種者は50日(27~74)であった。

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2月14日 予防接種記念日【今日は何の日?】

【2月14日 予防接種記念日】〔由来〕1790(寛政2)年の今日、秋月藩(福岡県朝倉市)の藩医・緒方春朔が、初めて天然痘の人痘種痘を行い成功させたことから、「予防接種は秋月藩から始まった」キャンペーン推進協議会が制定した。関連コンテンツインフルエンザ【今、知っておきたいワクチンの話】肺炎球菌ワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】インフルエンザワクチン(1)鶏卵アレルギー【一目でわかる診療ビフォーアフター】コロナワクチン、2024年度より65歳以上に年1回の定期接種へ/厚労省新型コロナワクチン、午前に打つと効果が高い?

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英語で「慎重かつ前向きに」は?【1分★医療英語】第117回

第117回 英語で「慎重かつ前向きに」は?《例文1》 Let's prepare for the worst and hope for the best.(最悪の事態に備えて準備して、最善を祈りましょう)《例文2》He always has a glass-half-full mentality and never pessimistic.(彼は常に「コップが半分満たされている」という精神でいて、決して悲観的にならない)《解説》“cautiously optimistic”は英語の頻用表現です。“optimistic”は前向き、楽観的という意味で、“pessimistic”(悲観的)の対語です。医療現場では気軽に楽観的な言葉を掛けられない深刻な状況もありますが、「そんな状況でも患者さんを励ましたい」という場面で使うことができます。“cautiously”と前置きすることで、「医師として最大限に慎重に対応はしているが、そのうえで前向きに希望を持って臨みたい」という気持ちを伝えることができます。類似表現として、例文に示した“prepare for the worst and hope for the best”も同じような状況・意図で使われます。英語表現では楽観的・悲観的という性格を、“glass-half-full mentality” or “glass-half-empty mentality”と呼ぶことがあります。これは、水が半分入ったコップを見たときに、楽観的な人は「コップは半分まで満ちている」と言い、悲観的な人は「コップは半分まで空になっている」と言う、という逸話に由来します。講師紹介

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神経発達障害リスク、中等度/後期早産児で高い/BMJ

 正期産(在胎期間39週0日~40週6日)で出生した子供と比較して、中等度早産(同32週0日~33週6日)および後期早産(同34週0日~36週6日)で出生した子供は、有害な神経発達アウトカムのリスクが高く、このリスクは在胎週数32週から41週まで徐々に低下することが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のAyoub Mitha氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年1月24日号で報告された。スウェーデンの128万人の子供のコホート研究 本研究は、異なる在胎週数で出生した子供における長期的な神経発達アウトカムの評価を目的とするスウェーデンの全国規模のコホート研究である(スウェーデン・カロリンスカ研究所研究基金などの助成を受けた)。 解析には、Swedish Medical Birth Registerといくつかの全国的な登録システムのデータを用いた。対象は、1998~2012年に、在胎期間32週0日~41週6日の単胎の生児として出生し、先天奇形のない子供128万1,690人であった。 主要アウトカムは、16歳までに診断された運動障害、認知障害、てんかん発作、視覚障害、聴覚障害、およびあらゆる神経発達障害の複合であった。神経発達障害は1万人年当たり47.8人で発生 7,525人(0.6%)が在胎週数32~33週(中等度早産)、4万8,772人(3.8%)が同34~36週(後期早産)、25万7,591人(20.1%)が同37~38週(早期正期産)、71万3,952人(55.7%)が同39~40週(正期産)、25万3,850人(19.8%)が同41週(後期正期産)に出生した。 追跡期間中央値は13.1年(四分位範囲[IQR]:9.5~15.9)で、この間に7万5,311人(47.8人/1万人年)の子供が、少なくとも1回の神経発達障害の診断を受けた。内訳は、運動障害が5,899人(3.6人/1万人年)、認知障害が2万7,371人(17.0人/1万人年)、てんかん発作が1万1,870人(7.3人/1万人年)、視覚障害が1万9,700人(12.2人/1万人年)、聴覚障害が2万393人(12.6人/1万人年)であった。同胞比較解析でも、ほぼ同様の関連性 あらゆる神経発達障害の複合リスクは、正期産児と比較して、中等度早産児(ハザード比[HR]:1.73[95%信頼区間[CI]:1.60~1.87]、リスク群間差:4.75%[95%CI:3.88~5.60])および後期早産児(1.30[1.26~1.35]、2.03%[1.75~2.35])で高かった。 同様に、運動障害、認知障害、てんかん発作、視覚障害、聴覚障害、重度障害のリスクはいずれも、正期産児に比べ中等度早産児および後期早産児で高かった。 また、運動障害、認知障害、てんかん発作、視覚障害、聴覚障害、あらゆる神経発達障害の複合、重度障害のリスクはいずれも、在胎週数32週に出生した子供で最も高く、41週まで徐々に低下しており、正期産(在胎週数39~40週)と比較して早期正期産(同37~38週)の子供で高かった。 一方、同胞比較解析(34万9,108人)では、在胎週数とてんかん発作および聴覚障害には関連がなかったが、これらを除けば、在胎週数と神経発達障害の関連性は安定的に維持されていた。 著者は、「これらの早産児は、早産児全体の中でも大きな割合を占めるため、絶対リスクが小さくても過小評価すべきではない。今回の知見は、医療従事者と家族が中等度/後期早産児のリスク、フォローアップ、医療システム計画のより良い評価を行うのに役立つだろう」としている。

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事例041 コレクチム軟膏の査定【斬らレセプト シーズン3】

解説2ヵ月以上湿疹の続く乳児をアトピー性皮膚炎と診断し、デルゴシチニブ(商品名:コレクチム)軟膏を処方したところ、C事由(医学的理由による不適当)が適用されて査定となりました。査定理由を調べるために添付文書を参照してカルテと照らし合わせました。用法および用量、関連する注意に記載されている範囲内で使用されていました。ここまでにおいて査定の理由が見当たりません。さらに読み進めると、「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の「9.7小児等」に、「低出生体重児、新生児及び6か月未満の乳児を対象に、有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない」と記載がありました。言い換えると「6か月未満の乳児等には安全性が認められていない」ことが注意書きされていたのです。患者は6ヵ月未満の乳児です。使用月齢に達していないことを理由に査定となったことが推測できます。コンピュータ審査において添付文書の奥深くまで審査ロジックが組まれていることに驚きを禁じ得ませんでした。医師には、このことを伝え、調剤システムに使用月齢制限を登録して査定対策としました。

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ADHD治療薬、長期使用のデメリットに心血管疾患リスク増大

 注意欠如・多動症(ADHD)の罹患者数は過去数十年で大幅に増加しており、治療薬の処方もそれに伴い増加している。ADHD治療薬には心拍数・血圧の上昇との関連が報告されているが、これに関し、重大な心血管疾患(CVD)との関連を調査した研究結果が発表された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のLe Zhang氏らによる本研究の結果は、JAMA Psychiatry誌2024年2月1日号に掲載された。ADHD治療薬の長期服用が高血圧と動脈疾患のリスク増加と関連 2007~20年にスウェーデン国内でADHD診断を受けた、または同国で承認されたADHD治療薬である精神刺激薬(メチルフェニデート・アンフェタミン・デキストロアンフェタミン・リスデキサンフェタミン)および非精神刺激薬(アトモキセチン・グアンファシン)のいずれかの処方を受けた6~64歳の患者を対象に、ADHD治療薬の長期使用とCVD(虚血性心疾患・脳血管疾患・高血圧・心不全・不整脈・血栓塞栓症・動脈疾患・その他の心疾患)の関連を調査した。CVDの既往歴がある患者は除外され、ADHD治療薬の累積使用期間は14年以内であった。 ADHD治療薬と重大な心血管疾患との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・CVDを発症した1万388例(年齢中央値34.6歳、男性59.2%)を同定し、CVDを有さない対照者5万1,672例とマッチさせた。両群の追跡期中央値は4.1年だった。・ADHD治療薬の使用期間が長いほど、非使用者と比較したCVDリスクが増加していた。(使用期間1~2年の調整オッズ比[aOR]:1.09、3~5年:1.27、5年超:1.23)。・ADHD治療薬の長期使用は高血圧(5年超のaOR:1.80)、動脈疾患(5年超のaOR:1.49)のリスク増加と関連していた。・14年の追跡期間全体では、ADHD治療薬の使用期間が1年延長するごとにCVDリスクが4%増加し、最初の3年は8%とより大きなリスク増加が見られた。小児および青年(25歳未満)、成人(25歳以上)において同様のパターンが観察された。 研究者らは「この症例対照研究では、ADHD治療薬の長期服用がCVD、とくに高血圧と動脈疾患のリスク増加と関連していることが明らかになった。これらの所見は、ADHD治療薬の長期使用について治療方針を決定する際に、潜在的な利益とリスクを慎重に比較検討することの重要性を強調するものである。臨床医は治療期間中、定期的かつ一貫して心血管系の徴候や症状をモニタリングすべきである」と結論付けている。

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母乳最低限の超早産児の神経発達、ドナーミルクvs.早産児用粉ミルク/JAMA

 最小限の母乳しか与えられなかった超早産児は、ドナーミルクまたは早産児用粉ミルクのいずれを与えられても、修正月齢22~26ヵ月時点の神経発達アウトカムに差異は認められなかった。米国・アイオワ大学のTarah T. Colaizy氏らが、Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development Neonatal Research Networkに参加している米国の大学医療センター15施設で実施した無作為化二重盲検臨床試験「MILK試験」の結果を報告した。出生後入院中の超早産児の母乳育児は、早産児用粉ミルクと比較して神経発達の良好なアウトカムと関連しているが、母乳をまったく与えていない、または最小限しか与えていない超早産児において、ドナーミルクが早産児用粉ミルクと同様の神経発達上の利点をもたらすかは不明であった。JAMA誌オンライン版2024年1月30日号掲載の報告。修正月齢22~26ヵ月でのBSID認知スコアを比較 研究グループは、2012年9月7日~2019年3月13日に、生後7日未満で参加施設に入院した在胎週数29週0日未満または出生時体重1,000g未満の新生児を登録した。主な登録基準は、(1)出産した母親が授乳を開始していない、(2)授乳は開始されたが出産後21日以前に母親が搾乳を中止、(3)出生後7~21日の間、母乳供給量が最小限(5日間の平均母乳量が3オンス/日以下)であった。 登録した新生児をドナーミルク群または早産児用粉ミルク群に無作為に割り付け、無作為化から生後120日時点か死亡または退院のいずれか早い日まで与えた。母乳の基準が満たされていれば、生後21日目までいつでも無作為化できるとした。 主要アウトカムは、修正月齢22~26ヵ月で測定されたBayley乳幼児発達検査(BSID)の認知スコアとした。無作為化から修正月齢22~26ヵ月の間に死亡した乳児には、54ポイント(スコア範囲:54~155、≧85は神経発達の遅れがないことを示す)を割り当てた。副次アウトカムは、BSIDの言語および運動スコア、院内での成長、壊死性腸炎、死亡などを含む24項目であった。修正月齢22~26ヵ月の追跡調査終了日は2021年11月15日であった。ドナーミルク群と早産児用粉ミルク群で神経発達アウトカムに有意差なし 適格新生児1,965例のうち、483例が無作為化された(ドナーミルク群239例、早産児用粉ミルク群244例)。在胎週数中央値は26週(四分位範囲[IQR]:25~27)、出生時体重中央値は840g(IQR:676~986g)、女児52%であった。出産した母親の人種は、自己申告で黒人52%(247/478例)、白人43%(206/478例)、その他5%(25/478例)であった。 追跡調査前に死亡した乳児は54例だった。生存乳児の88%(376/429例)は、修正月齢22~26ヵ月で評価された。 調整平均BSID認知スコアは、ドナーミルク群80.7(SD 17.4)、早産児用粉ミルク群81.1(SD 16.7)、補正後平均群間差は-0.77(95%信頼区間[CI]:-3.93~2.39)で、両群間に有意差はなかった。補正後平均BSID言語スコアおよび運動スコアにも有意差は認められなかった。 死亡率(追跡調査前の死亡)は、ドナーミルク群13%(29/231例)、早産児用粉ミルク群11%(25/233例)であった(補正後群間リスク差:-1%、95%CI:-4~2)。壊死性腸炎は、ドナーミルク群では4.2%(10/239例)に発生したが、早産児用粉ミルク群では9.0%(22/244例)に発生した(-5%、-9~-2%)。 体重増加は、ドナーミルク群22.3g/kg/日(95%CI:21.3~23.3)、早産児用粉ミルク群24.6g/kg/日(23.6~25.6)で、ドナーミルク群のほうが緩徐であった。

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映画「かがみの孤城」(その3)【この城が答えだったんだ!(不登校への学校改革「かがみの孤城プロジェクト」)】Part 1

今回のキーワード目的評価距離感工場型一斉授業飛び級・「留級」グループワークブレンディッド・ラーニング不登校特例校前々回(その1)では、不登校の心理を掘り下げ、学校にしてもフリースクールにしてもただ居場所であるだけでは不十分である理由を説明しました。前回(その2)では、不登校へのペアレントトレーニングを紹介し、家で子供に好きなことをさせるだけでは不十分である理由も説明しました。それでは、これらを踏まえて、なぜこころたちは城には通えているのでしょうか? つまり、学校とこの城との違いは何でしょうか?今回(その3)も、不登校をテーマに、アニメ映画「かがみの孤城」を取り上げます。この映画を通して、これからの学校に必要な機能を明らかにします。そして、「かがみの孤城プロジェクト」と勝手に名づけ、不登校を解決するための抜本的な学校改革をご提案します!さらに、いきなりの改革に戸惑いや抵抗を感じる関係者の方々に考慮して、このプロジェクトをスムーズに進めるための第一歩を最後にご提案します。なんで城には通えているの?こころは、フリースクールにさえ行けなかったのに、他の6人と同じように、城にはほぼ毎日、自分から通うようになります。なぜでしょうか? ここから、学校やフリースクールになくて城にあった、ある「仕組み」を主に3つ挙げて、その理由を考えてみましょう。(1)願いを叶えるという目的がある―自我を育むこころたちが城に運ばれた時、狼の仮面をかぶった謎の案内人の女の子が、城に隠された鍵を探し出せば、願いが叶うことを伝えます。さらにその子は、「夢がないなあ、おまえたち。物語の主人公に選ばれたって思わないのか」「おまえたち、願いごとってないの?」「まあ、ないならないで構わないが」と言って煽ります。1つ目の仕組みは、願いを叶えるという目的があることです。これが、こころたちが城に通うようになった一番の理由です。こころの当初の願いごとは、「真田さん(いじめグループのリーダー)がいなくなってほしい」という短絡的で自己中心的なものでした。現実的には、その「真田さん」がいなくなったとしても、思春期の集団心理のなかですぐに第2の「真田さん」が現れるので、本当に願いが叶うわけではありません。それでも最初はそれで良いのです。結果的に、城に通うようになったからです。そして、城という「学校」に通うなかで、彼女の願いごとが「自分のため」から「大切な誰かのため」、つまりより社会的な自我(アイデンティティ)を育むものに変わっていったからです。この願いごとを叶えるとは、大人になって社会で自分が望むように生きていくこと、つまり自我同一性(アイデンティティ)の確立と言い換えられます。これは、案内人の女の子の言うところの「夢」であり、人生という「物語の主人公」になることです。一方で、現実の学校はどうでしょうか? 学校に行くのは、大人になって社会でどう生きていくかを学ぶという本質的な目的よりも、より偏差値の高い高校、より有名な大学に合格するという目先の目的になっています。もちろん、学校としても、それを親(社会)が望むことを忖度しているからです。結局、親だけでなく、学校も、自分の人生に責任を持つ必要があるという思春期に達成するべき一番の目的を軽視していることがわかります。(2)先に鍵を見つけられるかという評価がある―自信を育む謎の案内人の女の子は、「今日から来年の3月30日までにその鍵を探し出してもらわねばならない」「要は早い者勝ちだ。誰かが鍵を見つけて願いを叶えたら、その時点でゲームオーバー」と言います。するとその後に、彼らはお互いに隠れてその鍵を必死に探すようになっていたのでした。2つ目の仕組みは、先に鍵を見つけられるかという評価があることです。これは、競争原理であり、城になるべく通う動機づけになっています。そして、自分こそが探し出すという自信を引き出します。もはや、そうしなくてもいいのにそうさせてもらえる点で、義務ではなく権利になります。なお、ちょうど3月という年度替わりが期限になっており、進級を象徴しているようでもあります。一方で、学校はどうでしょうか? 学校でも成績表という評価は存在しますが、ただ存在するだけです。その成績をもとに、達成度別のクラス分けをすることはありません。授業に出席していなくても、小学校や中学校は自動的に進級します。高校進学は基本的に一発勝負であるため、学校の成績表は軽視されます。保健室やフリースクールへの登校で出席扱いにできる措置もあり、高校への進学の内申点にあまり影響がないように配慮されている場合もあります。つまり、何を学んだかという中身よりも、とりあえず学校(またはフリースクール)に来る、そして教室に座っているという形式に重きが置かれています。もちろん、学校としても、それを親(社会)が望むことを忖度しているからです。結局、学校は、配慮を優先して、達成しなかったら認めないという評価を避けてしまっていることがわかります。(3)ほどほどに仲良くなれるという距離感がある―自尊心を育む城に通える選ばれし7人は、男子4人と女子3人で、中1が3人、中2が2人、中3が2人でした。さらに、それぞれの個性が際立っていました。そして、城には、全員が集まることができる大広間、中庭、屋上とは別に、それぞれの個室が用意され、9時から17時の間なら、だれがいつ来てもいつ帰っても良いルールになっていました。ちなみに、そのルールを破った場合は、「狼に食われる」というとんでもないペナルティもありました。こころは、「どんな願いを叶えたいのって聞きたかったけど。聞けない。私も聞かれたくなかったし」「学校行ってないのって誰も聞かない。それが心地いい」「なんか和む」と心の中でつぶやいています。だんだん顔を合わせていくうちに仲良くなり、お互いの境遇を気にかけるようにもなります。やがて、あるメンバーが「お互いライバルだけど、もし見つかったら、誰がどんな願いを叶えたいかって話し合って、くじ引きかジャンケンで決めてもいいかなって」と言い出し、鍵探しの場所を分担し、協力するようになります。また、願いごとが叶うとその時点で城がなくなってしまうことを案内人の女の子から聞かされていたため、別のメンバーが「たとえ鍵を見つけたとしても、それは3月の末まで使わない」と提案して、全員の合意のもとで取り決めをするなど、自分たちでルールをつくっていました。3つ目の仕組みは、ほどほどに仲良くなれるという距離感があることです。この距離感とは、少人数に絞られた集団で、男女の違い、学年の違い、個性の違いという心理的な距離(多様性)、個室にもいられるという空間的な距離(開放性)、いつでも出入りが自由という時間的な距離(流動性)です。不登校で鍵探しをするという共通点がある一方、これらの距離により、ほどほどの関係を保つことができます。そして、協力関係から信頼が生まれ、自尊心を育みます。一方で、学校の教室はどうでしょうか? 基本的に同じ学年で同じ制服(見た目)という心理的な近さ(均一性)、保健室しか逃げ場がなく教室に閉じ込められているという空間的な近さ(閉鎖性)、一日中ずっと一緒にいなければならないという時間的な近さ(固定性)があります。この条件は、その近さから、「ほどほど」ではなく「べたべた」の仲良しになろうとする心理(同調)を煽ります。そして、同時に、そうならない人を仲間外れにしようとする心理(排他性)も煽られ、結果的にいじめのリスクを高めます。次に誰がいじめのターゲット(スケープゴート)になるかを探り合ってばかりで、煮詰まって息苦しいです。これは、一緒にいて協力する目的がはっきりしていないのに、一緒にいなければならない状況をつくってしまうと、協力するための目的を無意識につくり上げてしまう心のメカニズム(社会脳)によるものです。たとえば、もしもあの城に願いを叶えるという目的の仕組みがなくて、毎日強制的に運ばれる仕組みになっていたら、どうでしょうか? 「天然キャラ」(非定型発達)の男子あたりがまずいじめのターゲットになっていたことは容易に想像できるでしょう。つまり、一緒にいるから協力するのではなく、協力するから一緒にいることができるのです。重要なことは、結果的に居場所になることであり、最初から居場所を目指すことは危ういということです。この点で、学校にしてもフリースクールにしても、ただ居場所であることを強調することは、逆説的にも居場所にならなくなってしまうおそれがあることもわかります。ちなみに、もしも城に通える生徒が7人に限定されずに、学校のクラスのように大人数だったら、どうでしょうか? 結局少人数グループがいくつかできて、その中であぶれた人が「ぼっち」のレッテルを貼られ、やはり通えなくなっていたでしょう。だからこそ、最初から少人数に限定されていたのです。この点でも、「かがみの孤城」の設定はよくできています。結局、学校は、生徒たちの近すぎる距離により、居場所であるどころか、サバイバルの戦場になっていることがわかります。なお、排他性の心理の詳細については、関連記事1をご覧ください。次のページへ >>

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映画「かがみの孤城」(その3)【この城が答えだったんだ!(不登校への学校改革「かがみの孤城プロジェクト」)】Part 2

これからの中学校に必要な機能とは?こころたちが城に通うようになったのは、願いを叶えるという目的がある、先に鍵を見つけられるかという評価がある、ほどほどに仲良くなれるという距離感があるからであることがわかりました。そして、これらの仕組みは、学校にはないことがわかりました。これを踏まえて、とくにこれからの中学校はどう変わればいいでしょうか? 私たちの現実の世界で、「かがみの孤城」のような中学校をどうつくることができるでしょうか? ここから、「かがみの孤城プロジェクト」と称して、これからの中学校に必要な機能を主に3つご提案します。(1)学校に行く目的を意識させる―自我を育む1つ目の機能は、学校に行く目的を意識させることです。その1でも説明したとおり、小学校までは「親に言われるから」「友達に会えるから」という理由で、学校に行っていました。しかし、中学校からは、これだけではなく、学校に行く目的を自分で納得する必要があります。これは、自分は何を学んでどうなりたいかという自我を育みます。そのための具体的な取り組みを主に3つ挙げてみましょう。a.ビジョンを共有する学校では、従来から「将来の夢」を書かせることはよくあります。ただ、これだけで終わらせないことです。その夢の実現のためのプロセスを具体的に示し、話し合って共有する必要があります。1つ目は、ビジョンを共有することです。これは、大人になったらどうしたいか、どうなりたいか、つまりどうやって生きていきたいかを本人、家族、そして学校が定期的に話し合っており、それを共有していることです。また、学校に行く一番の目的は、なるべく偏差値の高い高校や有名な大学に進学するためではないことも共通認識とする必要があります。その一番の目的は、先ほども触れましたが、大人になって社会で自分が望むように生きていくためです。その結果として、偏差値の高い高校や有名な大学に進学する必要が出てくることはあります。これは、その2でご紹介した家庭でのタイムマシンクエスチョンに通じます。ちなみに、プロスポーツ選手、アイドル、ユーチューバー、ゲームクリエイターなどなかなかなれない職業を言ってきたら、どうしましょうか? その夢は夢で支持しつつも、実際になれる人の数や知名度による収入差を示し、なれなかった時のバックアップのための現実的な職業も考えてもらうことです。思いつかないと言ったら、どうしましょうか? その2でも説明したとおり、いったん本人の強み(リソース)の再確認をして、自尊心や自信を高めます。そして、「やってもいい職業」「嫌いじゃない職業」と言い換え、ハードルを下げて、とりあえず何かの職業を言いやすくすることです。そして、その職業を「仮ビジョン」とすることです。大事なことは、何でもいいからまずビジョンを描くことです。そうすれば、こころの願いごとが最後に変わったように、学校で出会う友達や先生との相互作用によって、仮ビジョンが最終ビジョンに変わっていく可能性を見出せます。逆に、仮ビジョンすらなければ、学校に行く目的を見失ってしまい、最終ビジョンを育むチャンスを逃してしまいます。b.どれだけ学ぶかの自由を与える小学校の教育は、社会で生きていくために必要なものばかりです。一方、高校の教育は、義務教育ではなく、何をどれだけ学ぶかの選択の自由があります。その間の中学校の教育は、現代の情報化社会では必ずしも生きていくために必要なものばかりではないのに、義務教育であるという建前のため、高校のような選択の自由がないです。自由があるとしたら、それは不登校という一択だけです。2つ目は、どれだけ学ぶかの自由を与えることです。これは、本人のビジョンに合わせて、何をどれだけ学ぶかの多様性(自由)を認めることです。学びのトータルの時間を変えずに、そのバランスを選ばせるということです。もちろん、従来の標準的な各科目の授業時間数は基準として示しておけば、従来通りの教育を受けることもできます。たとえば、英語、国語、数学、理科、社会科の各科目の時間数の60%は必修としつつ、残りの40%は選択とすることです。すると、英語をもっと学びたいけど数学は必要最低限で良いという生徒は、数学の40%の時間を英語に回して、英語の授業時間数を増やすことができます。逆に、言語能力がもともと低い場合は、英語が負担になってしまうため、英語の40%の時間を国語に回して、日本語に専念することができます。このプロセスで大事なことは、あえて生徒に選ばせることです。選べばそこに責任が生まれます。これは、学ぶことで責任感を持たせ、学校に行く動機づけを高めます。もともと決められたこととしてやらなければならないという心理(外発的動機づけ)から、自分で決めてやりたいという心理(内発的動機づけ)に変えていくことができます。これは、本人の意思を尊重している点で、大人扱いです。そして、学校に行かないと得るものがないという点で、学校に行くことは義務ではなく権利であるという感覚になります。そして、学校で自分がどうしたいかという自我を育みます。c.学ぶ責任を自覚させる高校では、何をどれだけ学ぶかの自由があると同時に、その学びが期限内に達成されなければ、留年や中途退学という責任が負わされます。先ほどのように、中学校でもどれだけ学ぶかの自由(選択権)をある程度与えるなら、その選んだ責任が生まれると考えることができます。3つ目は、学ぶ責任を自覚させることです。これは、学校に行かないことによる将来のリスクを説明するだけでは限界があります。義務教育であるだけに、やはり社会的な介入が必要になります。たとえば、欠席日数が1ヵ月を超えた時点で、教育委員会や専門医療機関での評価と定期的な心理カウンセリングを義務づけることです。その義務も果たさない場合は、親(養育者)に罰金を課すことです。親としても、罰金を取られたくないという大義名分から、本人に義務を守ることを促すことができます。これも大人扱いです。学校に行かないと面倒が起きて損をするという点でも、本人にその責任を自覚させることができます。ちょうど、車がスピードを自由に出してはいけないという交通ルールがあるのと同じです。子供が教育を受けないで自由にしていてはいけないという「ワークルール」を教える必要があります。教育を受けるとは、何かに取り組むこと(ワーク)であり、働く(ワーク)リハーサルをしているとも言えます。これは、日本国憲法に定められた三大義務のもう1つである「勤労の義務」につながります。交通ルールと同じように、この「ワークルール」も、罰金などのペナルティがあることで、ルールを守る責任を自覚させることができます。(2)評価によって今後を左右させる―自信を育む2つ目の機能は、評価によって今後を左右させることです。その1でも説明したとおり、小学校まではまず居場所であることが重要なため、評価は二の次でした。しかし、中学校からは、積極的に評価して、本人の強み(リソース)を自覚させる必要があります。これは、自信を育みます。具体的な取り組みを主に3つ挙げてみましょう。a.科目別・達成度別にクラスを分ける1つ目の取り組みは、科目別・達成度別にクラスを分けることです。たとえば、1学年で4クラスあるなら、それぞれの科目で4つの達成度別のクラスをつくります。ちょうど、英検や漢検などの資格が細かく級分けされているイメージです。すると、より自分のレベルに合った授業を受けられるため、わからなくて嫌になることも物足りなくて嫌になることもなくなります。そして、学べば学ぶほど、達成した結果が目に見えるため、自信がつきます。これは、その2でご紹介した家庭でのお小遣いルールに通じます。また、この取り組みによって、よく一緒の授業を受ける人が数人いることはあっても、すべての授業を同じ数十人が同じ教室でずっと一緒に受け続けることはなくなります。もはや「〇組」という概念は曖昧になります。すると、クラスの人間関係は流動的となり、先ほど説明した同調性が低くなるので、結果的にいじめのリスクが低くなるという副次的な効果が得られるでしょう。b.クラス替えを年複数回にする2つ目の取り組みは、クラス替えを年複数回にすることです。すると、もしも自分のレベルに合っていないクラスだったり、人間関係でうまく行かなかったとしても、1年我慢して待たなくてよくなります。これは、不登校のリスクを下げるでしょう。たとえば、年度替わりの4月、夏休み明けの9月、冬休み明けの1月でそれまでのクラスの評価をもとにクラス替えを3回行います。冬休み明けの1月を外して、2回にすることもできます。評価には、休み中の課題を加味すれば、その課題の達成率が飛躍的に高まります。人間はやってもやらなくても状況が変わらないのだったらたいていやる気が起きませんが、やっただけ評価され、状況が変わるのであれば、やる気は高まります。この取り組みも、クラスの人間関係をさらに流動的にさせるため、いじめのリスクをさらに低くさせることができるでしょう。c.飛び級・「留級」を可能にする3つ目の取り組みは、飛び級・「留級」を可能にすることです。たとえば、3学年で12クラスあるなら、科目別と達成度別に12のクラスをつくります。達成度によってその生徒に合う授業を受けることを優先することです。もはや、年齢と学年を厳密に一致させる合理性はまったくなくなります。これは、ある生徒がある科目のクラスに出席していなかったりただ教室に座っているだけの場合、その生徒はそのクラスに次の学期(約3ヵ月)に留まること(名づけて「留級」)になります。この状況は、見方によっては「かわいそう」と思われるかもしれません。しかし、よくよく考えると、学んでいないのに自動的に進級させるのは、本人にとってさらに難しい授業を受けさせることになります。むしろこちらの方が「かわいそう」です。また、すべての科目の1年間の留年と違い、1つずつの科目の3ヵ月の「留級」は、そのロスが最低限です。逆に、ある科目のクラスで生徒の学ぶスピードが速いのであれば、次の学期で飛び級にすることは、その生徒により合った授業を提供することになるため、もちろん合理的であり、その生徒のためになります。中学校を半年早く卒業すれば、海外の高校にも進学できます。ただし、これらは本人希望であることが大前提です。本人が望まなければ、大人扱いして本人の意思を尊重します。また、本人があえて「留級」を望む場合も同じです。この取り組みは、科目によっては学年が上がっていたり下がっていたりすることもあることから、もはや「〇学年」という概念も曖昧になるでしょう。ちなみに、欧米では、小学校、中学校での留年率が一定数ある国が多いです。たとえば、留年率が高い国としてはドイツの中学校(15%)、フランスの中学校(30%)です1)。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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映画「かがみの孤城」(その3)【この城が答えだったんだ!(不登校への学校改革「かがみの孤城プロジェクト」)】Part 3

(3)教え合うという役割を与える―自尊心3つ目の機能は、教え合うという役割を与えることです。その1でも説明したとおり、小学校までは不特定多数の友達づくりの心理から、教室にただ一緒にいるだけで居場所になりました。しかし、中学校からは、特定少数の親友づくり(グループ形成)の心理が高まることから、ただ一緒にいるだけでは仲間外れが起こり、居場所になるとは限りません。よって、学校側が一緒にいる理由(役割)を枠組みとしてつくる必要があります。これは、自尊心を育みます。具体的な取り組みを主に3つ挙げてみましょう。a.グループワークをメインにする1つ目の取り組みは、授業はグループワークをメインにすることです。少人数グループに分けて、一人ひとりが学んだことを発表し合い、お互いに教え合います。教師は、教え合うテーマを出して、簡単なガイダンスをすることはあっても、一方的に教えるのを控え、サポートに徹します。これは、まさに映画に登場する案内人の女の子の立ち位置です。逆に言えば、ただ教室に座っているだけの生徒は評価されないことになります。教室で発言しようとする態度とその発言内容が評価されます。生徒たちもお互いにどれだけ学んでいるかがわかり、評価もオープンなものになります。すると、授業中に寝る生徒はいなくなるでしょう。寝るなら、評価されないだけだからです。これは、わざわざ寝ている生徒を起こす必要がなくなり、教師にとっても楽になります。なお、教え合うにはやはり達成度が同じレベルであることが必要になります。同じでなければ、教え合ってもわかり合えないという事態が起きるからです。この取り組みは、アクティブ・ラーニングとも呼ばれています。この詳細は、関連記事2のページの最後をご覧ください。b.オンラインによる個別学習にする2つ目の取り組みは、オンラインによる個別学習です。これは、グループワークの前に自習時間を設け、各自で予習をすることです。教えるためには、やはりまず教わる必要があります。ただし、教わる場所や教師は、同じである必要はありません。場所は、図書室、空き教室、自宅などで自由とします。その内容は、すでに収録された授業をストリーミング動画でいつでも視聴できるようにします。また、教える先生は、グループワークと同じ先生ではなく、別の学校の先生でも、学習塾の先生でも可能とします。どの先生にするか、生徒に選ぶ自由(選択権)を与えるのです。これも、大人扱いです。そもそも、現代の情報化社会でICTが高度に発展しているなか、大人数が教室という1ヵ所に集まって、決まった教師が話すことを一方的に聞いて、黒板を静かに書き写す作業を1日中続けることは、何の合理性もないです。これは、海外の教育学者から「工場型一斉授業」と指摘されています2)。まさに、商品がベルトコンベヤーに並べられて自動的に作り込まれていくのと同じように、生徒たちが教室に並べられて有無を言わさずに一方的に知識を詰め込まれるイメージです。オンライン個別学習によって、1人の教師の授業動画を数百万人の生徒に共有できるようにすれば、残りのほとんどの教師はグループワークの授業だけになり、時間と労力が相当数浮きます。その分、グループワークの授業に専念できますし、グループワークに複数の教師を配置することもできます。そして、もともとの教師不足という社会問題の打開策にもなります。また、科目別・達成度別のクラスを複数維持するためには、選択したいクラスがバッティングしないように予備の時間(自習時間)を増やす必要があります。その時間にオンライン個別学習を当てれば、この問題は解消されます。なお、オンライン学習(学習インプット)+グループワーク(学習アウトプット)は、ブレンディッド・ラーニングと呼ばれ、すでに米国で広がりつつあります2)。ちなみに、オンライン個別学習だけで、すでにホームスクーリング(家庭学習)の役割を果たしていることにもなります。ちなみに、テストも個別学習と同じように、オンライン化していつでもどこでも受けられるようにします。生成AIを導入すれば、オンラインで面接テストも可能です。成績表(評価)を自動算定できるようにします。これらの取り組みは、生徒だけでなく、教師の労力も大幅に減らすことができます。もはや、教室という空間は、生徒たちが静かに座っている場ではなく、生徒たちが活発に話し合って動き回って相互作用する場にしかしないようにするのです。この取り組みも、自習時間がクラスの人間関係から解放される時間になり、逆に「ぼっち」がありふれたものになるため、もはや「ぼっち」というレッテルを貼るいじめはなくなるでしょう。c.校則を生徒たちの投票によって決める3つ目の取り組みは、校則を生徒たちの投票によって決めることです。これは、かがみの孤城で7人が話し合いによってルールを決めていたように、自分たちの学校生活のルールを話し合い、投票によって決めるのです。そのためには、生徒会が真の役割を発揮するでしょう。これは、民主主義の基本を学ぶことにもなります。条例が法律に則っていれば有効であるのと同じように、校則も法律や条例に則っていれば有効です。すると、制服や髪型の規制をはじめとする不合理な「ブラック校則」はすぐになくなるでしょう。これは、その2でご紹介した家庭のルールづくりの交渉制に通じます。この取り組みは、生徒一人ひとりに票があるという点で、自尊心を育みます。また、選ぶという行為によって、自我が高まります。かがみの孤城プロジェクト」をスムーズに進めるには?こころたち7人の共通点は、不登校でした。当初、だから城に集められたと私たちは思い込んでいました。ネタバレになるため詳細は避けますが、彼らが城に集められたのは、ある別の目的によって不登校であることが都合良かったからなのでした。この映画の設定と同じようにすれば、「かがみの孤城プロジェクト」を実験的にスムーズに進めることができます。ここから、3つの段階に分けてご提案します。(1)第1段階第1段階は、すでに不登校になっている中学生を全国から募り、個別学習だけでなくグループワークもオンラインにすることです。まさに、パソコンやスマホの画面という「かがみ」を通して、グループワークという「孤城」に参加するのです。こころたちと同じように、新しい人間関係になるため、もともとのクラスに戻るよりも引け目がない分、ずっと参加しやすいでしょう。そもそも、彼らは、たいてい昼に家にいます。そして、不登校であるため、学習指導要領に縛られるという問題は起きません。つまり、不登校に対して規制がないことを逆手に取るのです。これは、不登校の生徒たちだからこそ実現できる学校改革です。そして、これがこのプロジェクトをスムーズに進めるための第一歩です。これだと、戸惑いや抵抗を感じる関係者の方々は少ないでしょう。すでに、「不登校特例校」でオンライン授業を2025年から開始する構想があります。この構想にこのプロジェクトが結びつくことが理想でしょう。(2)第2段階第1段階で枠組みが整えば、第2段階は、募集対象を不登校になりそうな子供、希望する子供まで広げることです。また、地域のフリースクールや学習塾と連携することです。そうすれば、オンラインから、オフライン、つまり実際のこれらの教室でもグループワークに段階的に参加する頻度を増やすことができるでしょう。グループワークで重要なのは、オンラインはあくまで橋渡しの位置づけで、最終的には生身の人間関係にも慣れていく必要があることです。なぜなら、在宅ワークが増えたとはいえ、やはり社会の仕組みが対面の人間関係に重きを置いているからです。そして、これが私たちの本来の姿(社会脳)だからです。(3)最終段階第2段階で規模が大きくなっていけば、最終段階は、すべての生徒たちに、いままでどおり学校に行くか、それともプロジェクトに参加するかを選ばせることです。また、プロジェクトに参加してグループワークの授業をする教師を学校の教師からも募集することです。プロジェクト参加を希望する生徒や教師がどんどん増えれば、必然的に学校からどんどん生徒や教師が減っていきます。すると、学習指導要領をはじめとする学校の仕組み自体を大きく見直す必要に迫られるでしょう。これが、学校改革のタイミングです。そして、学校が「かがみの孤城プロジェクト」そのものになる日が来るでしょう。その時、問題なのは、不登校の生徒ではなく、不登校を招く学校のあり方であったことに気付くでしょう。なお、このプロジェクトは、中学校の科目全般で進めるだけでなく、小学校の英語教育でも進めることができます。この詳細については、関連記事3をご覧ください。1)「教育は何を評価してきたのか」P49:本田由紀、岩波新書、20202)「ブレンディッド・ラーニングの衝撃」P14、P37:マイケル・B・ホーンほか、教育開発研究所、2017<< 前のページへ■関連記事マザーゲーム(前編)【ママ友付き合い、なんで息苦しいの?(「女心」の二面性)】Part 1クレヨンしんちゃん【ユーモアのセンス】Part 2NHKラジオ「小学生の基礎英語」【和製英語教育」から抜け出せる?日本人がバイリンガルになった未来とは?(言語政策)】Part 1

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第83回 反ワクチンは左派が多い?

illustACより使用SNSでは反ワクチン・反マスク・反医療などが話題になりました。ある程度弱毒化したため、COVID-19のワクチンも以前ほど取り上げられなくなりました。医療従事者でも、もう接種していない人であっても普通に働いている印象です。さて、X(旧Twitter)を使った興味深い研究結果が報告されました1,2)。ズバリ、「反ワクチンは左派が多い」というものです。個人的には右派だろうと左派だろうと、どちらでもいいのですが、SNSでは結構バズっているので取り上げてみました。とはいえ、反ワクチンにも幅があります。何となく心配だから…という人の気持ちはよくわかります。「殺人ワクチンや!」みたいなことを叫んでいる人は、ガチの反ワクチンでよいと思います。そういう方は、攻撃的なアカウントのことが多く、私も職場にいくつか誹謗中傷のお手紙が届きました。風の噂では、「ワクチン接種をやめろ」とカッターナイフが職場に届いた医師もいるそうです。さて、この研究は、2021年1~12月にワクチンを含んだツイート(現在は「ポスト」といいます)を収集して、機械学習を用いて「ワクチン賛成」「ワクチン政策批判」「ワクチン反対」の3つのクラスターに分類しました。ワクチン反対ツイートを多く投稿したアカウントを特定し、このアカウント周辺の方々を反ワクチンと定義しています。ワクチン賛成派と反対派を比較して、反対派の特徴を明らかにしました。結果、ワクチン反対派は賛成派と比べて政治的関心が強いことがわかりました。基本的に、左側に偏った意見が多かったようです。これはわれわれも実感するところです。他方、ワクチン賛成派は政治的なツイートは多くなかったようです。また、コロナ禍以前から反ワクチンだった人は、同様に政治的関心が強く、ほとんどが左派政党や陰謀論に偏っていることもわかりました。そして、コロナ禍以降に新たに反ワクチンになった人は陰謀論・スピリチュアリティ・代替医療に傾倒しやすく、反ワクチンを掲げる参政党への支持を高めているという結果が示されています。確かに、アメリカにおいても反ワクチンは、イベルメクチンや一部政党と関連があったという研究結果も報告されています。国を挙げた政策になることから、ワクチンと政治は切っても切れない関係なのかもしれません。個人的にはワクチンに懐疑的な集団をすべて反ワクチンとひとくくりにするのではなく、エビデンスがしっかり確立されているにもかかわらず、強い熱意を持って反対活動を行い、周囲の人へ当該危険性を知らしめるような行動を取る人に注意すべきだと思っています。参考文献・参考サイト1)Toriumi F, et al. Anti-vaccine rabbit hole leads to political representation: the case of Twitter in Japan. J Comput Soc Sci. 2024 Feb 5. [Epub ahead of print]2)東京大学工学部:人はなぜワクチン反対派になるのか ―コロナ禍におけるワクチンツイートの分析―

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ニーマン・ピック病C型へのN-アセチル-L-ロイシン、神経学的状態を改善/NEJM

 ニーマン・ピック病C型(NPC)の患者において、リソソームと代謝の機能障害改善が期待されるN-アセチル-L-ロイシン(NALL)による12週間の治療はプラセボと比較し、神経学的状態を改善したことが、スイス・ベルン大学のTatiana Bremova-Ertl氏らが、60例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検クロスオーバー試験の結果で示された。NPCは、進行性、衰弱性、早期致死性の常染色体劣性遺伝性リソソーム蓄積症(ライソゾーム病)で、発症頻度は10万人に1人(本邦では12万に1人)と報告される希少疾病である。現行では、ミグルスタットによる薬物治療があるが進行抑制に限定され、欧州連合(EU)と本邦を含むいくつかの国では承認されているが、米国では未承認である。NALLの有効性と安全性を評価した今回の結果について著者は、「さらなる検討で長期の有効性を確認する必要がある」とまとめている。NEJM誌2024年2月1日号掲載の報告。12週投与後の小脳性運動失調評価法(SARA)の合計スコアをプラセボと比較 研究グループは、4歳以上の遺伝学的に確認されたNPC患者を1対1の割合で無作為に2群に割り付け、一方にはNALLを12週間投与後にプラセボを12週間投与、もう一方にはプラセボを12週間投与し、その後NALLを12週間投与した。 NALLまたはプラセボは、体重35kg未満の4~12歳には体重ベースの用量(2~4g/日)を1日2~3回、体重35kg以上の4~12歳および13歳以上には4g/日を1日3回(朝2g、昼1g、夜1g)経口投与した。 主要エンドポイントは、小脳性運動失調評価法(SARA:0~40で数値が低いほど神経学的状態が良好)の合計スコアだった。副次エンドポイントは、臨床全般印象度改善度(CGI-I)スコア、脊髄小脳性運動失調症機能指数(SCAFI)スコア、modified Disability Rating Scale(mDRS)スコアなどだった。 各群のクロスオーバーデータを用いて、NALL群とプラセボ群の比較を行った。合計スコア変化量、NALL群-1.97ポイントvs.プラセボ群-0.60ポイント 5~67歳の患者60例が登録された。主要エンドポイントであるSARAのベースライン時の平均合計スコアは、NALL初回投与前(60例)が15.88、プラセボ初回投与前(59例、1例はプラセボ投与なし)が15.68だった。 SARA合計スコアのベースラインからの平均変化量(±SD)は、NALL 12週間投与後は-1.97±2.43ポイント、プラセボ12週間投与後は-0.60±2.39ポイントだった(最小二乗平均差:-1.28ポイント、95%信頼区間:-1.91~-0.65、p<0.001)。 副次エンドポイントについては、概して主要解析の結果を支持するものだったが、それらの結果について、多重比較補正は事前に規定していなかった。有害事象の発現率はNALLとプラセボで同等で、重篤な治療関連有害事象は認められなかった。

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