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第193回 医師の働き方改革、面接指導はA水準医師も対象に/厚労省

<先週の動き>1.医師の働き方改革、面接指導はA水準医師も対象に/厚労省2.特定健診・保健指導の実施率、過去最高の改善を記録/厚労省3.コロナ専門家への攻撃実態、半数が誹謗中傷などを経験4.正常分娩の保険適用を、2026年度までに検討を/こども家庭庁5.医療機器メーカーと医師の癒着、医師が再逮捕/東京労災病院6.奨学金返還とお礼奉公を巡り、看護学生と医療法人が民事訴訟に/大阪1.医師の働き方改革、面接指導はA水準医師も対象に/厚労省厚生労働省は、長時間働く医師に対する面接指導のポイントをまとめたリーフレットを初めて作成した。2024年4月から労働時間が長い医師に対する面接指導が義務化されたことに伴い、A水準の医師も面接指導の対象になると注意を喚起している。医師への面接指導は、月100時間以上の時間外労働(休日含む)が見込まれる医師に実施することとされており、時間外労働の上限が年960時間とされているA水準の医師でも対象となる。しかし、A水準の医師は、月の時間外労働が100時間未満のため、面接指導の対象にならないと考えている医療機関が見受けられる。そのため、厚労省は、A水準か特例水準かにかかわらず、長時間労働を行う医師は面接指導の対象となることを明記したリーフレットを作成し、8日に公開したもの。リーフレットでは、面接指導を適切に実施するためのチェックリストも盛り込まれている。このチェックリストには、「対象となる医師を把握しているか」「面接指導実施医師を確保しているか」「適切な時期に実施しているか」などの6項目が含まれている。さらに、適切なタイミングで面接指導を行うため、時間外労働が月80時間前後に達した場合に実施するルールを各自で設定するよう呼び掛けている。これにより、医師の長時間労働を未然に防ぎ、医師の健康を守ることを目指すとしている。参考1)長時間労働医師への面接指導を行う先生へ面接指導の進め方クイックガイド(厚労省)2)長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアル(改訂版)(同)3)医師への面接指導、「A水準も対象」チェックリストを初めて作成 厚労省(CB news)2.特定健診・保健指導の実施率、過去最高の改善を記録/厚労省厚生労働省は、2022年度の特定健康診査(特定健診)と特定保健指導の実施状況を公表した。2022年度の特定健診の対象者は約5,192万人、そのうち約3,017万人が受診し、実施率は58.1%で前年より1.6ポイント向上した。特定保健指導の対象者は、約512万人おり、そのうち約135万人が指導を終了し、実施率は26.5%で前年より1.9ポイント向上した。メタボリックシンドロームの該当者および予備群の減少率は、2008年度比で16.1%減少し、前年から2.3ポイント向上した。国は、2023年度までに特定健診の実施率を70%以上、特定保健指導の実施率を45%以上、メタボリックシンドローム該当者およびその予備群を2008年度比で25%以上減少させることを目標としている。参考1)2022年度 特定健康診査・特定保健指導の実施状況(厚労省)2)特定健診58.1%、保健指導26.5% 22年度実施率、厚労省(MEDIFAX)3.コロナ専門家への攻撃実態、半数が誹謗中傷などを経験新型コロナウイルス感染症の流行中、情報を発信していた専門家の半数が誹謗中傷などの被害を受けていたことが、早稲田大学の田中 幹人氏らの研究グループのアンケート調査で明らかになった。調査は2020年2月~2021年3月に行われ、国内の専門家121人にアンケートを送付、42人から回答を得たもの。そのうち21人(50%)が「情報発信後に攻撃を受けた」と回答、殺害予告や身体的・性的暴力に関する脅迫も含まれていた。とくに深刻な被害として、3人が殺害予告を受け、2人が身体的・性的暴力の脅迫を受けたと回答した。悪影響を受けた29人のうち8割は感情的、心理的な苦痛を経験している。 海外でも同様の調査が行われており、英国や米国、台湾などの専門家のうち15%が殺害予告を受け、22%が身体的・性的暴力の脅迫を受けていたことが判明している。田中氏は、「こうした脅迫行為が健全な社会の議論を妨げる」と指摘し、「科学的な議論を支援し、保護する仕組みの必要性」を強調する。また、感染症専門医である大阪大学の忽那 賢志氏も情報発信の際に多くの誹謗中傷を受け、裁判所に発信者情報の開示命令を申し立てるなど対策を講じている。忽那氏はエビデンスに基づく情報発信を心掛ける一方で、誹謗中傷に対しては反論せず、法的手段を用いて対応した。専門家が情報発信する際には、感情的な反発や誤解を避けるため、メリットとデメリットをバランスよく伝えることが重要となる。今後、科学的なリテラシーを社会全体で向上させることが必要であり、専門家の発言を組織的にサポートする体制が求められる。参考1)コロナ情報発信の国内専門家、半数が「攻撃受けた」 殺害予告も(毎日新聞)2)Xではあえて反論せず 忽那さんが振り返るコロナ情報発信(同)4.正常分娩の保険適用を、2026年度までに検討を/こども家庭庁こども家庭庁は「こども家庭審議会」の基本政策部会を5月9日に開き、「こどもまんなか実行計画」の審議会案を大筋でまとめた。この実行計画では、誕生前から幼児期にかけての継続的な保健・医療の確保を目指し、2026年度をめどに正常分娩の保険適用を検討すると明記した。実行計画では、2023年末に政府が閣議決定した「こども大綱」に基づき、子供や若者のライフステージごとに具体的な政策を整理したもの。さらに、周産期医療の集約化・重点化も盛り込まれている。2024年度からの第8次医療計画(2029年度まで)に沿って、医療機関の役割分担を進め、周産期母子医療センターを中心に新生児集中治療室(NICU)や母体胎児集中治療室(MFICU)の機能と専門医などの人材を集約化・重点化させることが計画されている。これにより、安全で安心な妊娠・出産環境を整備することを目指している。さらに、休日や夜間を含めて子供がいつでも医療サービスを受けられるように小児医療体制の充実が図られる。また、不妊症や不育症、出生前検査に関する正しい知識の普及や相談体制の強化も進められる予定。正式な実行計画は、閣僚らによる「こども政策推進会」が2024年6月頃に決定し、骨太方針に反映される見込み。「こども大綱」は5年後をめどに見直され、実行計画は毎年それぞれ見直される予定であり、こども家庭審議会が政策の実施状況を点検する。正常分娩への保険適用などの重点政策を中心に、2024年度~2028年度までの工程表も作成される。正常分娩への保険適用は、出産に伴う経済的な負担を軽減するための施策であり、政府は2026年度の導入を目指している一方で、医療機関が提供するサービスの多様化や費用の差異により、保険適用に対しては慎重な意見も存在する。参考1)こども家庭審議会 第12回基本政策部会(こども家庭庁)2)正常分娩「保険適用検討」明記、子ども政策計画案 周産期医療の集約・重点化も(CB news)5.医療機器メーカーと医師の癒着、医師が再逮捕/東京労災病院東京労災病院の医療機器納入に関する贈収賄事件で、同病院整形外科副部長が収賄容疑で再逮捕された。また、医療機器メーカー「HOYAテクノサージカル」社員も贈賄容疑で再逮捕された。被告医師は、2022年6~9月に同社の医療機器を多く使用する見返りに、現金20万円を受け取った疑いがある。この事件では、同様の手法で2022年1~4月に計50万円の賄賂を受け取っていたことが発覚しており、被告となった医師はすでに収賄罪で起訴されている。警視庁捜査2課によると、メーカー側から自社製品の使用個数に応じて1ポイントを1万円とする「ポイント」を被告の医師に付与し、被告はそのポイントを私的な飲食の領収書と引き換えて現金を受け取っていたとされる。さらに、被告医師は他の医師に対しても同社製品を使用するよう勧め、他の医師が使った分も自分のポイントとして偽っていたとみられている。医療機器業界では、競争が激化する中で、病院幹部に対する接待や贈答が行われることがあり、今回の事件もその一環とみられている。医療機器業公正取引協議会は、医療機関との取引に際して利益供与を禁じる規約を運用しているが、競争の激しさから規約違反が後を絶たない状況である。警視庁では、2022年1~9月の計約80万円の賄賂授受を立件し、3人の被告を起訴した。東京労災病院は、独立行政法人労働者健康安全機構が運営しており、その職員は「みなし公務員」として収賄罪が適用される立場にある。参考1)当院職員の再逮捕について(東京労災病院)2)自社製品使用の医師に1ポイント1万円の「ポイント」付与か 東京労災病院の汚職事件(産経新聞)3)東京労災病院の医師、別の収賄疑いで再逮捕 医療機器調達巡り(日経新聞)4)現場医師の権限、癒着生む 「大病院」汚職次々 業界の禁止規定も限界(毎日新聞)5)「聖域」で営業競争激化、しわ寄せは患者に 医療業界で汚職続く理由(朝日新聞)6.奨学金返還とお礼奉公を巡り、看護学生と医療法人が民事訴訟に/大阪看護学校卒業後に系列病院で一定期間働けば奨学金の返済が免除される制度について、その病院で勤務できない場合に返済義務があるかどうかが大阪地裁で争われている。訴訟の発端は、卒業生3人が系列病院の採用試験に不合格となり、奨学金の返済を求められたことにある。卒業生側は、不採用の理由が法人の都合によるものであり、返済義務を課すのは信義則に反すると主張している。問題となっているのは、看護学校を運営する社会医療法人が提供する奨学金制度で、卒業生はこの奨学金を受給し、卒業後に法人の病院で2年以上勤務すれば返済が免除されるというもの。しかし、2020年に不採用となった3人に対しては、法人が奨学金の返済を求め、その結果訴訟に至った。被告の法人側は、奨学金の貸与が採用を保証するものではないと主張し、不採用の理由として面接や心理テストでの基準未達を挙げている。一方、原告の卒業生側は奨学金の募集案内に不採用時の返済義務が明記されていない点、経済的事情を考慮した条件変更の説明がなかったことを問題視している。また、不採用の理由が新型コロナウイルス感染症の影響による採用人数の抑制など経営上の事情変更によるものである可能性も指摘している。このような奨学金制度は「お礼奉公」とも呼ばれ、看護師不足対策として普及しているが、雇用の流動化が進む中でトラブルも増加している。看護師養成制度に詳しい専門家は、病院側が奨学金制度の不利益な情報も丁寧に説明し、学生側もリスクを十分に検討する必要があると指摘する。参考1)トラブル相次ぐ看護学生の「お礼奉公」、系列病院が不採用なら奨学金返還義務?…訴訟に発展(読売新聞)2)お礼奉公契約は有効ですか(河原崎法律事務所)

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事例047 アンブロキソール塩酸塩の査定【斬らレセプト シーズン3】

解説痰のからみを訴える扁桃炎の患者に対して、抗菌薬と去痰薬のアンブロキソール塩酸塩錠(以後「同錠」)を投与したところ、多くは病名不足を示すA事由(医学的に適応と認められないもの)にて査定となりました。同錠の添付文書を参照したところ、効能・効果には、気管支炎もしくは肺炎由来の去痰に適用があると記載されていました。扁桃炎は、扁桃に炎症が起きる上気道疾患です。効能・効果には、上気道疾患に伴う去痰が記載されていません。現在はコンピュータによる審査が行われています。添付文書の効能・効果と病名が一致しないために、A事由が適用されたものと推測ができます。他のレセプトも調べてみました。同様の理由にてブロムヘキシン塩酸塩などが査定となっていました。医師にはこの結果を伝えて、同錠などを投与する場合には、気管支や肺の炎症に伴う去痰を目的に使用した理由が読み取れる病名を付けていただくようにお願いしました。

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手足口病の予防は手洗いで

夏、小児に流行する手足口病〔原因ウイルス〕・エンテロウイルスやコクサッキーウイルス(※アルコール消毒や熱に抵抗性が高いウイルス)〔流行期、おもな患者層、潜伏期間〕・夏季を中心に流行し、4歳くらいの幼児が主体(2歳以下が半数。成人もまれに感染)・約3~5日の潜伏期間の後に発症〔主症状〕・口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹出現(下図参照)。肘、膝、臀部などにも出現する場合もある。・発熱は約1/3にあるが、軽度でほぼ38℃以下。・通常は3~7日で消退し、水疱が痂皮を形成することはない。・まれに幼児に髄膜炎、小脳失調症などの中枢神経系合併症が生ずるので注意が必要。〔治療〕・特異的な治療法はない。 抗菌薬の投与は意味がない。・口腔内病変には柔らかめで薄味の食べ物を推奨。・発熱には通常解熱剤なしで経過観察が可能。・頭痛、嘔吐、高熱、2日以上続く発熱などの場合 には髄膜炎、脳炎などへの進展に注意。・ステロイドの多用が症状を悪化させる示唆あり。〔予防〕・有症状中の接触予防策および飛沫予防策が重要。 とくに手洗いの励行(排便後の手洗いを徹底)!図 手足口病における水疱性発疹国立感染症研究所ホームページより引用・作成(2024年4月25日閲覧)https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.htmlCopyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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後期早産期の出生前ステロイド、6歳以降の神経発達に影響なし/JAMA

 後期早産リスクを有する母親への出生前コルチコステロイド投与は、6歳以上の小児期の神経発達アウトカムに有害な影響を及ぼさない。米国・コロンビア大学のCynthia Gyamfi-Bannerman氏らが、2010~15年に国立小児保健発達研究所Maternal-Fetal Medicine Units(MFMU)ネットワークの17施設で実施された二重盲検プラセボ対照試験「Antenatal Late Preterm Steroids(ALPS)試験」に参加した母親から生まれた児に関する、前向き追跡試験の結果を報告した。ALPS試験は、妊娠34~36週における出生前のベタメタゾン投与が早産児の短期呼吸器合併症の発症率を有意に低下させることを明らかにし、米国における臨床実践を変えた。しかし、ベタメタゾン投与後に新生児低血糖症のリスクが増加することも認められており、長期的な神経発達アウトカムへの影響に関心が寄せられていた。JAMA誌オンライン版2024年4月24日号掲載の報告。後期早産期の出生前ステロイド投与を受けた母親から生まれた6歳以上の小児を調査 ALPS試験(以下、親試験)では、妊娠34週0日~36週5日で後期早産(36週6日までの出産)リスクの高い母親を、ベタメタゾン(12mg)群またはプラセボ群に割り付け筋肉内投与した(24時間経過後も出産しなかった場合は2回目を投与)。 本追跡試験では、2011~16年にMFMUネットワークの13施設のうち1施設に登録され、追跡試験に同意した母親から生まれた6歳以上の小児を適格として、2017年12月~2022年8月に登録し、前向きに調査した。 主要アウトカムは、Differential Ability Scales, 2nd Edition(DAS-II)の全般的概念化能力(General Conceptual Ability:GCA)スコアが85点未満(平均より1 SD低いことを示す)の子供の割合であった。副次アウトカムは、DAS-IIのクラスター(言語能力、非言語的推論能力、空間認識能力)スコア、粗大運動能力分類システム(Gross Motor Function Classification System:GMFCS)のレベル2以上の割合、対人応答性尺度(Social Responsiveness Scale:SRS)のtスコア65点超の割合、および子供の行動チェックリスト(Child Behavior Checklist:CBCL)のスコアとした。すべてのアウトカムで、ベタメタゾン群とプラセボ群で差はなし 親試験で無作為化された母親2,831例の出生児のうち、追跡試験に登録されたのは1,026例で、登録時の年齢中央値は7歳(四分位範囲[IQR]:6.6~7.6)であった。このうち、949例(ベタメタゾン群479例、プラセボ群470例)がDAS-IIの評価を完了した。母親の人種や年齢などの背景、新生児の特徴は、親試験で認められたように新生児低血糖症がベタメタゾン群で多かったことを除き、両群間で類似していた。 主要アウトカムのDAS-II GCAスコア85点未満の割合は、ベタメタゾン群17.1%(82/479例)、プラセボ群18.5%(87/470例)であり、差はなかった(補正後相対リスク:0.94、95%信頼区間[CI]:0.73~1.22)。また、いずれの副次アウトカムも差は認められなかった。 逆確率加重法を用いた事後感度分析、ならびに追跡不能となった小児も含めた感度分析においても、結果は同様であった。

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2024年の医師のコロナワクチン、接種する/しないの二極化進む/医師1,000人アンケート

 新型コロナワクチンの全額公費による接種は2024年3月31日で終了した。令和6年度(2024年度)は、秋冬期に自治体による定期接種が開始される。定期接種の対象となるのは65歳以上、および60~64歳で心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される人、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な人で、対象者の自己負担額は最大で7,000円となっている。なお、定期接種の対象者以外の希望者は、任意接種として全額自費で接種することとなり、2024年3月15日時点の厚生労働省の資料によると、接種費用はワクチン代1万1,600円程度と手技料3,740円で合計1万5,300円程度の見込みとなっている1)。この状況を踏まえ、医師のこれまでのコロナワクチン接種状況と、今後の接種意向を把握するため、主に内科系の会員医師1,011人を対象に『2024年度 医師のコロナワクチン接種に関するアンケート』を4月1日に実施した。 Q1では、コロナの診療に現在携わっているかについて聞いた。「診療している」が79%、「診療していない」が21%だった。年代別で「診療している」と答えた割合は、40代(86%)、60代(83%)、30代(81%)の順に多かった。診療科別では、血液内科(94%)、呼吸器内科(94%)、救急科(92%)、総合診療科(90%)、腎臓内科(88%)、神経内科(88%)、内科(85%)、小児科(83%)、消化器内科(81%)、糖尿病・代謝・内分泌内科(80%)、臨床研修医(80%)の順に多かった。年齢が低い医師ほど、コロナに感染した割合が高い Q2では、これまでの新型コロナの感染歴を聞いた。感染したことがある医師は全体の45%、感染したことがない/感染したかわからない医師は55%であった。感染したことがある医師は年齢が低いほど、感染した割合が高く、20代は60%、30代は55%、40代は51%、50代は44%、60代は35%、70代以上は24%だった。臨床数別では、病床数が多いほうが感染した医師の割合が高く、20床以上で感染したのは49%、0~19床では34%だった。また、コロナ診療状況別では、コロナを診療している医師では47%、診療していない医師では37%に感染歴があった。昨年は20~40代の接種率が50%弱 Q3では、2023年秋冬接種でのXBB.1.5対応ワクチンの接種状況を聞いた。全体では「接種した」が58%、「接種していない」が42%だった。年代別で「接種した」と答えた割合は、多い順に70代以上(77%)、60代(72%)、50代(61%)、20代(50%)となり、30代(45%)と40代(48%)は50%未満であった。コロナ診療状況別の接種率は、診療している医師は62%、診療していない医師は46%であった。前年の傾向を引き継ぎ、接種する人と接種しない人の二極化進む Q4では、2024年度にコロナワクチンを接種する予定かどうかを聞いた。全体では「接種する予定」が33%、「接種する予定はない」が41%、「わからない」が26%となった。年代別では、「接種する予定」と答えた割合が過半数となったのは70代以上(56%)のみで、ほかは多い順に60代(44%)、50代(31%)、40代(28%)、20代(28%)、30代(23%)であった。30代では「接種する予定はない」が54%となり過半数を占めた。2023年コロナワクチン接種状況別で、2023年に接種した人では「2024年度に接種する予定」が53%、「2024年度に接種する予定はない」が16%となった。対して、2023年に接種していない人では、「接種する予定」が6%、「接種する予定はない」が74%となり、今回のアンケートで最も顕著な差が認められ、医師のなかでもコロナワクチンを接種する人と接種しない人の二極化が進んでいることがわかった。 Q5では、自身が受ける2024年度のコロナワクチンの費用は、病院負担か自己負担のどちらになるか、これまでのインフルワクチンなどの対応を踏まえ推測を交えて聞いた。「おそらく全額病院負担」が22%、「おそらく一部自己負担」が22%、「おそらく全額自己負担」が23%、「わからない」が33%となり、全体的に均等な割合となった。2024年度にワクチンを接種する予定の人のうち「全額病院負担」35%、「一部自己負担」29%、「全額自己負担」16%だったのに対し、接種する予定はない人は「全額病院負担」12%、「一部自己負担」20%、「全額自己負担」30%であった。ワクチンの必要性や高額な治療薬について、患者にどう説明するか Q6の自由回答のコメントでは、新型コロナに関して現在困っていることや知りたい情報を聞いた。主な回答は以下のとおり。ワクチンについて・ワクチンで感染予防が成り立たないのは明白。ただし重症予防は十分成り立っていたと思うので、高齢者と持病多い人は無料で受けられるようにしてほしい(40代、循環器内科)・接種の必要性をよく質問されるが、正直な所、自分も勧めてよいのか迷っている(40代、小児科)・今後新たに使用可能となるワクチンの種類とその効果など(60代、内科)・公費負担が終了すると被接種者は減少すると思われるが、今後の流行予測は?(70代以上、内科)・医療従事者のワクチン接種費用について(50代、内科)治療薬について・抗ウイルス薬の値段が高い事の説明をどうするか(60代、内科)・コロナ治療薬の処方が減り、対症療法が増えると思う(70代以上、内科)・抗ウイルス薬の適応と思われる患者さんが、高額のため投薬拒否された時のことを考えると頭が痛い(50代、消化器内科)流行状況、院内対策などについて・現在の感染状況の情報発信が少なくなり、新型コロナ感染症に対する世間の認識が乏しくなり、感染増加を招いていること(40代、呼吸器内科)・感染対策の立場として、職場での接種をどうするか悩んでいる(40代、感染症内科)・発熱外来の体制に悩んでいる(30代、呼吸器内科)・後遺症に関する診断(40代、呼吸器内科)アンケート結果の詳細は以下のページで公開中。2024年度 医師のコロナワクチン接種に関するアンケート

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英語で「問題を先送りする」は?【1分★医療英語】第129回

第129回 英語で「問題を先送りする」は?《例文1》I tend to procrastinate until the last minute.(私はギリギリまで問題を先送りしてしまいがちです)《例文2》It is a waste of time.(それは時間の無駄です)《解説》医療の現場では難しい決断が迫られることが珍しくありません。時に、最善の選択肢がわかっていても、副作用や費用など、さまざまな理由でほかの選択肢を検討することがあります。“kick the can down the road”(問題を先送りする)は便利な慣用句で、患者さんを説得する場面などでたびたび使用されるのを耳にします。このフレーズの由来には諸説あります。「歩いている人が、自分がいずれ拾うべき缶を自分の前方に蹴り続けている状態」をイメージすると理解しやすいかと思います。類義語としては、“procrastinate”(先延ばしにする)が最もシンプルでしょう。さらに直接的な表現となりますが、場面によっては“waste of time”(時間を無駄にする)を使うこともできます。講師紹介

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健康な新生児/乳児も対象のRSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス筋注50mg/100mgシリンジ」【最新!DI情報】第14回

健康な新生児/乳児も対象のRSウイルス感染症予防薬「ベイフォータス筋注50mg/100mgシリンジ」今回は、抗RSウイルスヒトモノクローナル抗体製剤「ニルセビマブ(遺伝子組換え)(商品名:ベイフォータス筋注50mg/100mgシリンジ、製造販売元:アストラゼネカ)」を紹介します。本剤は、健康な新生児および乳児も投与対象とするRSウイルス感染症の予防薬であり、重症化リスクの有無に関わらず下気道疾患の発症を抑制・予防し、入院などを回避することが期待されています。<効能・効果>生後初回または2回目のRSウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児および幼児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の発症抑制、ならびに生後初回のRSウイルス感染流行期の前述以外のすべての新生児および乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防の適用で、2024年3月27日に製造販売承認を取得しました。<用法・用量>生後初回のRSウイルス感染流行期には、通常体重5kg未満の新生児および乳児は50mg、体重5kg以上の新生児および乳児は100mgを1回筋肉内注射します。生後2回目のRSウイルス感染流行期には、通常200mgを1回筋肉内注射します。<安全性>主な副作用として、発疹、注射部位反応および発熱(0.1~1%未満)が報告されています。他のIgG1モノクローナル抗体では、アナフィラキシーを含む重篤な過敏症反応が報告されており、本剤の臨床試験においても過敏症に関連する有害事象(頻度不明)が報告されているので、注意が必要です。同様に、類薬では血小板減少が注意喚起されており、本剤の臨床試験でも血小板減少に関連する有害事象(頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、RSウイルス感染症のリスクがある新生児、乳児および幼児における下気道疾患の発症を抑制します。2.RSウイルス感染症のリスクを有する患児では、生後初回または2回目のRSウイルス感染流行期に使用します。3.生後初回のRSウイルス感染流行期には、基礎疾患のないすべての新生児および乳児におけるRSウイルス感染による下気道疾患の予防にも使用されます。<ここがポイント!>RSウイルスは、日本を含め世界中に分布しているウイルスで、感染力が強く、季節的に流行します。生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返しますが、生後1歳までに半数以上が、2歳までにはほぼすべての幼児が1度は感染するとされています。RSウイルスによる下気道感染の多くは、風邪様の軽い症状で自然軽快しますが、場合によっては細気管支炎や肺炎などへ進展し、生命を脅かす重篤な症状を引き起こす可能性があります。重症化のリスク因子には、早産児、慢性肺疾患、ダウン症候群、先天性心疾患(CHD)および免疫不全症などの基礎疾患があります。また、初回感染時は重症化しやすく、とくに生後6ヵ月以内に感染した場合はリスクが高くなります。RSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制には、抗RSウイルス抗体であるパリビズマブがすでに承認されていますが、早産児やCHD、免疫不全などの基礎疾患を有する新生児、乳児および幼児に使用が限定されています。しかし、RSウイルス感染症による入院患者の大多数を占めているのは基礎疾患を有さない健康な小児であることから、幅広い乳幼児に使用できる医薬品の開発が望まれていました。本剤は、生後初回または2回目のRSウイルス感染流行期の重篤なRSウイルス感染症のリスクを有する新生児、乳児および幼児に使用できるほか、リスクの有無に関わらずすべての新生児、乳児および幼児に対し、生後初回のRSウイルス感染流行期の下気道疾患の予防に用いることができます。本剤は、遺伝子組換え抗ヒトRSウイルスFタンパク質モノクローナル抗体であり、ヒトIgG1に由来する長期間作用型の中和抗体です。血清中の消失半減期を延長しており、固定用量の単回投与によって少なくとも5ヵ月の発症抑制効果を得ることができます。国際共同第III相試験(MELODY試験)において、本剤の単回投与によって、正期産児および後期早産児における投与後150日(5ヵ月間)までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の相対リスクは、対照群と比べて74.5%減少しました(95%信頼区間[CI]:49.6~87.1、p<0.0001)。また、海外後期第II相試験では、早産児(在胎期間29週以上35週未満)における投与後150日(5ヵ月間)までの受診を要したRSウイルスによる下気道感染の相対リスクは、対照群と比べて70.1%減少し(95%CI:52.3~81.2、p<0.0001)、入院リスクは78.4%減少しました(95%CI:51.9~90.3、p=0.0002)。本剤は、2022年10月に欧州で「生後初回のRSウイルス流行シーズンを迎える新生児および乳幼児におけるRSウイルスによる下気道疾患の発症抑制」で承認されています。

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第213回 まれな低身長症の変異に老化を遅らせる働きがあるらしい

世界での患者数わずか400~500例ほどのまれな低身長症が、老化や代謝疾患を研究する科学者の関心を集めています1)。というのも、ラロン症候群として知られるその低身長症の原因である成長ホルモン受容体欠損(GHRD)とさまざまなメリットの関連が示されているからです。南米・エクアドルのラロン症候群患者の調査結果を記した南カリフォルニア大学のValter Longo氏のチームの2011年の報告では、それら患者に糖尿病やがんが生じ難いことが示されています2)。同じくLongo氏らのその6年後の2017年の報告3)では、ラロン症候群患者の記憶が良いことが示されました。また、ラロン症候群患者はどうやら脳がより若いらしく、MRIで調べた脳領域のいくつかがより大ぶりでした。ラロン症候群を模すマウスはそうでないマウスに比べて1.4倍ほど長生きすることも示されており4)、ラロン症候群の原因であるGHRDは老化を遅らせる働きもあるのかもしれません。さらに研究は進み、Longo氏とエクアドルの内分泌学者Jaime Guevara-Aguirre氏の協力による新たな報告5)によると、GHRDはヒトの死亡理由の多くを占める心血管疾患をも生じ難くするようです。研究ではエクアドルのラロン症候群の24例とラロン症候群ではないそれらの血縁者27例が調べられました。Guevara-Aguirre氏はアンデス山地の村々の回診でラロン症候群患者の集団の気付き、それ以来30年超その集団を調べています。新たな研究では心血管疾患指標が検討され、ラロン症候群患者は血糖、インスリン、血圧などが正常かより良好で、どうやら心血管疾患を生じ難いと示唆されました。ラロン症候群患者は肥満であることが多く6)、「悪玉」としばしば呼ばれて動脈硬化を生じ易くすると考えられているLDLコレステロール値が高めです7)。しかし、動脈硬化を有するラロン症候群患者の割合はわずか7%でした。一方、ラロン症候群でない人は36%が動脈硬化を有していました。ラロン症候群患者の動脈はそうでない人に比べて少なくとも不健康ではないようです。低IGF-1が有益作用の鍵らしいラロン症候群だとGHRの不備のせいで体は成長ホルモン(GH)を持て余してしまいます。ラロン症候群患者はGHの量が正常か多いのとは対照的に、インスリン様成長因子1(IGF-1)の減少を呈します。IGF-1はGHが骨や組織を増やすのを助けます。IGF-1が少ないことと心血管疾患を生じやすいことの関連が先立つ研究で示されていたので、IGF-1減少を示すラロン症候群患者は心臓や心血管の問題が多いに違いないと大方考えられていました。しかし今回の結果はいわばその真逆を示唆しており、歳を重ねてからのIGF-1伝達抑制は老化の進行を遅らせる働きがあるようです7)。ラロン症候群患者は小児期に多い病気での死亡率が高い2)ことが示唆しているように、育ち盛りの若いときにIGF-1は抑制できません。一方、老いてからのIGF-1伝達の手入れは有意義かもしれず、Longo氏はGH受容体狙いでIGF-1を減らす薬が心血管疾患の予防手段となりうると期待しています7)。Longo氏やGuevara-Aguirre氏は研究のみならずラロン症候群患者の実益と直結する活動もしています。両氏はラロン症候群の小児の身長を伸ばすためのIGF-1提供を製薬会社やエクアドル政府に働きかけています1)。また、ラロン症候群小児の身長を伸ばしうる食事の試験が始まっており、Guevara-Aguirre氏はラロン症候群患者を無償で手当てしています。参考1)Could a rare mutation that causes dwarfism also slow ageing? / Nature2)Guevara-Aguirre J, et al. Sci Transl Med. 2011;3:70ra13.3)Nashiro K, et al. J Neurosci. 2017;37:1696-1707.4)Coschigano KT, et al. Endocrinology. 2000;141:2608-2613. 5)Guevara-Aguirre J, et al. Med. 2024 Apr 22. [Epub ahead of print] 6)People with rare longevity mutation may also be protected from cardiovascular disease / Eurekalert7)Rare mutation that causes short stature may shed light on ageing / NewScientist

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第209回 衆院補選、各党・各候補が掲げた医療政策を比較

先週末、全国3選挙区で同時に衆議院の補欠選挙(以下、補選)の投票が行われ、立憲民主党(以下、立憲)が3選挙区すべてで勝利したことがニュースを賑わしている。今回の補選は、東京15区と長崎3区が与党・自由民主党(以下、自民党)議員の不祥事による辞任、残る島根1区は自民党現職の死去に伴うものだ。このうち前者2選挙区は、自民党は候補を立てられずに不戦敗。唯一候補を立てた島根1区は与野党一騎打ちとなり、立憲が自民党に大差で勝利した。以前、政治記者として名高い毎日新聞社特別編集委員の故・岸井 成格氏は「自民党はどんなに凋落しても、北関東、北陸、中国、四国、南九州のローカル政党として生き残る」と評していたが、その一角を占める中国地方、中でも1994年の公職選挙法改正による小選挙区制導入以降、衆議院選で当選候補が自民党のみの牙城中の牙城である島根県で自民党が立憲に敗れたことは、自民党関係者にとって相当な衝撃だったに違いない。昨年末に明らかになった自民党の裏金問題はそれほどのインパクトがあったのだ。これで岸田 文雄首相が解散・総選挙に打って出る可能性は当面なくなったと言ってよい。9月には自民党総裁選が控えているが、今のところ岸田降ろしの動きはまったく見当たらない。それもこれも裏金問題で、かつて最大派閥だった安倍派内の次期総裁候補と目された面々が少なからず傷を負ったことが原因と言えるだろう。皮肉にも現状は低空飛行の岸田首相の独走状態で、9月の総裁選以降の続投すらささやかれている。となると、年内は大規模な国政選挙が行われることはないかもしれない。これまで本連載では国政選挙のたびに各党の政策比較などを行ってきたが、この状況を踏まえ、この補選を例に各候補・各党が掲げた医療・社会保障政策を概観してみたいと思う。もっとも3選挙区すべての話をすると、かなり話が多岐に渡るので、候補数最多だった東京15区の政党候補(推薦も含む)で、供託金没収ライン越え(得票率が有効投票数の10%以上)の候補を軸に見てみたい。ちなみに敢えて「各候補・各党」と記述したのは、政党候補は所属政党の政策を基本にしながらも各候補が独自の政策を唱えることもあるからである。各政策については、候補者個人に対する私自身の好き嫌いは可能な限り排除したうえで、時に独断と偏見の評価も加わることはあらかじめお断りしておきたい。なお取り上げる順番は確定得票数順とする。政策が具体的な当選の酒井氏、自身の経験に基づくまず、議席を獲得した立憲である。当選した酒井 菜摘氏は元江東区議。看護師・助産師としての勤務経験を持ち、手術・化学療法経験のある子宮頸がんサバイバー、かつ不妊治療経験者という略歴である。酒井氏のホームページ(HP)に記述されている医療関連政策は、▽健康診断・がん検診の受診率向上&質の向上▽ユースヘルスケアの向上(学校医制度の拡充やユースクリニックへの支援)▽医療型レスパイト施設の増設▽介護保険が使えず制度の狭間にいる若年がん患者へ終末期の在宅療養費助成の創設、の4点。前者2つについては立憲が党としての基本政策の「予防医療」の項目にある健診関連政策とかなり相似している。もっとも酒井氏自身が前述のように看護師・助産師の資格を有し、がんサバイバーであることもこれら政策を掲げる背景にあるだろうと想像できる。4つ目の若年がん患者の終末期在宅療養費助成もがんサバイバーらしい政策と言える。介護保険の場合、40歳以上65歳未満のいわゆる第2号被保険者の場合、がんを含む16種類の特定疾病を抱えている人は介護保険サービスを利用できるが、40歳以下では利用できないという制度の穴がある。しかも、おおむね若年者は相対的に経済弱者。その意味では弱者視点に立った政策としては一考に値する。一方、医療型レスパイト施設の増設は、政策として的外れではないが、レスパイトケアの一般認知度が高くない現状を考えれば、有権者への訴求力には欠けると言わざるを得ない。出馬したそのほかの議員が掲げた医療政策得票数2番手は元立憲の参議院議員の須藤 元気氏だが、前述した基準からここでは触れない。得票数3番手は日本維新の会(以下、維新)の金澤 結衣氏だが、同氏のHPでは、「社会保険料の負担軽減」を掲げている。とはいえ、HP上ではどのようにそれを実現するのかはまったく記述がない。数少ないヒントは金澤氏が「現役世代の負担軽減」を謳っていること。そうなると、これは維新が昨今掲げている「医療維新」と名付けた政策に行き着く。同政策の主な細目は、高齢者医療制度の原則3割負担化、70歳以上での高額療養費制度の負担上限額引き上げ、これらを補完するための新たな低所得者等医療費還付制度の創設など。端的に言えば、医療・介護のサービス提供者からも根強い抵抗がある高齢者の負担増により一定の財源を確保するとともに、高齢者の過度な受診を抑制し、全体として医療費増大と現役世代を中心とする社会保険料の増額抑制を意図した政策である。この提言自体は世論からは一定の賛同を得られるであろうし、いつどのように手を付けるかの差異はあるにせよ、関係各方面が将来的には避けて通れぬテーマと思っているだろう。とはいえ、先ごろのトリプル改定では介護保険での自己負担2割対象者の拡大ですら、サービス提供側の抵抗と与党自民党・公明党のポピュリズム的な姿勢により、棚上げにされた。さらに言えば、野党第1党の立憲も国民の負担増を伴う政策には一律反対の姿勢を取りがちである。こうした“四面楚歌”的な政策を実現するにはかなりの交渉力と時間を要する。この交渉力の核となるスキルの1つが「モノは言いよう」である。しかし、当の維新は今回の選挙で代表の馬場 伸幸氏が自民党の裏金問題を批判する傍ら、「立憲民主党を叩き潰す」「日本共産党は日本にいらない」と公言してしまうありさま。もちろん馬場氏や維新がいかなる考えを持とうと自由であり、野党がほかの野党を批判することも一向にかまわないが、少なくとも国政の場で求められる「モノは言いよう」のスキルは現時点では期待できない。得票数4番手は、昨年、作家の百田 尚樹氏が結党し、今回、国政初挑戦となった日本保守党の候補でイスラム思想研究者の飯山 陽氏である。ただ、同氏の場合、選挙用独自のHPが4月30日時点では存在しておらず、選挙公報にも医療・社会保障に関連する政策は記述されていない。党のHPに箇条書きされた政策で該当するのは、▽健康保険法改正(外国人の健康保険を別立てにする)▽出産育児一時金の引き上げ(国籍条項をつける)、くらいだ。徹底した日本・日本人第一主義とも言うべき理念を掲げている同党ならではと言えるかもしれないが、同党の支持層のボリュームゾーンが50~60代1)であることを考えると、より大枠の社会保障政策が欲しいものである。ここで紹介する最後の得票数5番手が著書「五体不満足」がベストセラーになって以後、メディアなどに多数登場している乙武 洋匡氏である。乙武氏は今回、国民民主党、都民ファーストの会、同会の国政バージョンのファーストの会が推薦を出している。乙武氏のHPを見ると、▽持続可能な年金・医療・介護制度の確立▽予防医療で健康寿命を伸ばし、「アクティブ長寿」を実現▽認知症患者のケアと社会参加を支援▽AIなど先端技術を活用した医療従事者の働き方改革を推進▽看護職・介護職の福利厚生・インセンティブを充実、さらなる待遇を改善▽不妊治療やAMH検査、卵子凍結に対する公費負担の創設・拡大▽子宮頸がんの撲滅に向けた検診啓発▽HPVワクチン接種の男性接種も公費助成▽感染症にも強い医療提供体制の確保、が挙げられている。乙武氏の出馬時の経緯を見る限り、都民ファーストの会・ファーストの会の影響が色濃いが、列挙された政策の中で両会の掲げる政策と類似性・相似性があるのは健康寿命延伸と看護職・介護職の福利厚生関係、感染症に関する医療体制ぐらいである。HPVワクチンの男子への接種推進は、都民ファーストの会の創設者で現在は特別顧問の小池 百合子氏が知事を務める東京都が検討し始めていることではあるが、両会の政策としては掲げられてはいない。対して国民民主党の政策とは類似性・相似性はほとんどないと言っても良い。その意味ではこれまで報じられているような自ら出馬に意欲を示した乙武氏に各党が乗っかった経緯も納得である。そのうえで概観すると、女性に向けた政策が多いことも目に付く。この辺は一部で報じられた自民党が推薦で相乗りしようとしたものの、公明党が過去の乙武氏の女性問題で難色を示したことなども意識したのかもしれないと、やや邪推してしまう。ただ、子宮頸がんの撲滅とそれに連動する男性も含めたHPVワクチン接種推進は、欧米先進国などでの方針とも一致するもので一定の評価はできるだろう。もっともこのようにしてみると、実は各党の政策の細部は一般の人がざっくりとらえているよりもかなり開きがあると言える。現在、低空飛行の岸田首相が政権運営を進めていく中では、時に野党の一部にすり寄る場面も十分に想定できる。そうした状況に機敏に反応してこれら政策をどのくらい丁々発止で与党案に刷り込めるかが、国民が野党各党を評価するメルクマールになると言えるかもしれない。参考1)第240回 選挙ドットコムちゃんねる

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ダニ咬傷【いざというとき役立つ!救急処置おさらい帳】第14回

ダニは主に野外に生息し、哺乳類(ヒトを含む)や鳥類、爬虫類から血を吸う節足動物です。農業や林業作業中だけでなく、山登りやハイキングといったレジャーでもダニにかまれることがあります。ダニは日本紅斑熱(JSF)やライム病(LD)などのリケッチア症やボレリア症などの感染症を伝播しますが、ダニ媒介感染症は特定の地域に比較的限定されていて、効果的な抗菌薬もあるため、日本ではダニによる咬害をそれほど恐れない傾向がありました。しかし、2013年に重症熱性血小板減少症候群(Severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)が報告され、にわかに注目を集めています。結果として、ダニによる咬害治療のための来院が急速に増加しているため1)、皆さんの診療所や救急外来にダニにかまれた患者さんが突然受診するかもしれません。今回は、ダニ咬傷の対処法を説明します。日本では咬傷を生じるダニは6種類いて、地域によって異なります。SFTSなどを生じるマダニは主に西日本にいます。これらの詳細を書くととても長くなるので、今回はマダニにかまれて来院した患者さんの対処法を記載します。<症例>75歳男性主訴西日本在住。山菜を採りに山へ入った。当日の入浴時に右前腕に黒い脚が生えている動くダニを発見した。引っ張ってみたりしたが外れないため、救急外来を受診した。(1)ダニを確認するまずは、かんだダニを確認して吸血の有無を判断しましょう。血液を吸っていればお腹が大きく膨らんでいます。本症例は、さほど膨らんでいませんでした。(2)かまれてからの時間を確認かまれてからの時間を確認しましょう。ダニ咬傷はほとんど症状がなく、気付くまで2~3日、長いと1週間ほどかかることがあります。ダニがかみついてから24時間経過すると食いつきが強くなり、攝子では除去が困難になります2)。かまれてから3日以上経過した場合はマダニ媒介感染症のリスクが高くなるため、外科的除去がより強く推奨されます3,4)。本症例は、山に山菜取りに行ったのが久しぶりで、当日にかまれたことが想定されます。よって、24時間以内と判断しました。(3)ダニの除去方法はいくつかありますが、今回は非侵襲的方法2つと侵襲的方法1つを紹介します。a.非侵襲的除去基本的にダニの体には触らないことが理想です、なぜなら、体を押すと病原体や毒が体内に入ったり、体をつまんで除去をしようとするとダニの口が残ってしまったりします。よって1つ目の方法は「無鈎攝子でダニの口器をつかんで除去する」です(図1)。図1 攝子を用いたダニの除去方法2つ目の方法として、もし手元にあれば、Tick twisterという動物用のダニ除去器具を用いるのも手です(図2)。ダニの口は縦方向の力に強いため、攝子で引っ張るにはある程度力がいります。Tick twisterを皮膚とダニの間に挟んで軽く持ち上げながら回転させることで非常に簡便に除去できます。口器を意識せずに使用できるのも利点です。ダニ咬傷を診る機会があれば、1個1,000円程度ですので持っておいてもよいかもしれません。YouTubeで「Tick Twister」と検索すると複数の動画がヒットしますので使用の際は参考にしてください。本症例は攝子で口器をつまんで除去しました。図2 Tick Twisterb.侵襲的処置口が深く入って把持できなかったり、ダニ咬傷となってから3日以上経っていたりする場合は外科的切除が必要になります4)。まずキシロカインで鎮痛し、図3のようにダニの周囲を円錐状に切除して皮膚ごと除去します3)。図3 侵襲的処置(4)除去後の処置まずは創部を洗浄しましょう。抗菌薬はダニにかまれた場合には推奨されていません。というのも、そもそものマダニ媒介感染症のリスクが低いため、抗菌薬の使用によるリスクがベネフィットを上回るためです。しかし例外として、シュルツェマダニにかまれた場合は予防投与の適応となります。シュルツェマダニは北海道、本州中部が生息域と推定されています(参考文献5の図4を参考にしてください)。ダニがシュルツェマダニであり、血液を吸い肥大化している場合、ライム病のリスクが高いため200mgのドキシサイクリン単回投与が推奨されます4)。この場合はダニの種類の同定が必要であり、ダニを保存して専門家へ相談することも必要になります4)。本症例は西日本の患者さんであったため抗菌薬の予防投与は行いませんでした。帰宅時に、マダニ咬傷から4週間以内に発熱、嘔吐、下痢、感覚障害などの神経症状が出現した場合はマダニ媒介感染症を生じた可能性があるので、医療機関を受診するように指導しました。以上がダニ咬傷の対処法です。ダニはなるべく早く除くことが重要ですので、上記手技を使って素早く除去しましょう。1)Inoue Y, et al. 衛生動物. 2020;71:31-38.2)鵬図商事:マダニに刺されてしまったら3)Roupakias S, et al. Wilderness Environ Med. 2012;23:97-99.4)Natsuaki M. J Dermatol. 2021;48:423-430.5) 国立国際研究所:ライム病とは

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新年度、あなたの医局は増えたor減った?/医師1,000人アンケート

 新年度がはじまり、新人を迎えた職場も多い。医師の就職を語るうえで欠かせないものに「医局」の存在がある。ケアネット会員医師を対象に、医局への所属状況や選択理由、最近の医局員数の増減などについて、30~50代・200床以上の医療機関の勤務者を対象とし、オンラインのアンケート形式で聞いた。 「Q1. 現在、医局に所属していますか?」の問いに、「はい」と答えたのは73%。200床以上という中規模以上の病院に勤務している医師であっても、3割近くが医局に所属していない現状が明らかになった。年代別にみると30代は8割近くが医局に所属しているが、年代が高くなるにつれ所属者の割合が減り、50代は7割だった。 「Q2. 所属医局を選んだ『一番の決め手』は何ですか?」(単一回答)との問いには、「専門医を取得しやすい」が31%と最多で、「研究時間・症例数など研鑽機会や実績が多い」(17%)、「医局の雰囲気が良い、尊敬する医師がいる」(15%)、「職場やキャリアに多様性がある」(10%)が続いた。「年収が高い」を選んだ人は4人(0.4%)のみだった。「その他」で挙げられた理由としては、「出身大学・地元だから」との回答が多かったほか、「当時は医局に入ることが当然だったから」「流れで/なんとなく」といった消極的な回答も目立った。 「Q3. 5年前と比較した、医局員総数の増減」を聞いたところ、「増えた」との答えが25%、「変わらない」が30%、「減った」が27%と、3分する結果となった。診療科ごとに見ると、内科・循環器内科・呼吸器内科などの「内科系」は「減った」が27%だったのに対し、外科・呼吸器外科・呼吸器外科などの「外科系」は「減った」が32%、多忙とされることの多い「救急科・産婦人科・小児科」は「減った」が30%と、いずれも内科系よりも減った割合が高かった。一方で、リハビリ科・眼科・皮膚科など「その他」の診療科では「減った」が23%と最も少なく、反対に「増えた」が26%と最も多かった(「内科系」も同率)。 「Q4. 近年の新規入局者が医局を選ぶにあたり、『最も重視すること』は何だと思いますか?」(単一回答)との問いに対し、1位は「専門医を取得しやすい」(24%)で、Q2で聞いた「自分が医局を選んだ理由」と同じだったが、その割合はQ2よりも低かった。2位は「医局の雰囲気が良い、尊敬する医師がいる」(18%)、3位が「研究時間・症例数など研鑽機会や実績が多い」(13%)と、Q2の回答と順位が入れ替わった。Q2の「自分が医局を選んだ理由」ではほとんど選ばれることのなかった「時間外労働や雑務が少ない」(7%)や「年収が高い」(3%)も一定数が選択しており、「若手医師は自分とは異なる価値観を持っている」と考える中堅医師が多いようだ。 年代別に見ると、新規入局者に年齢の近い30代では「専門医取得」や「医局の雰囲気」を選択した人が多かったのに対し、50代では「研究時間・症例数など研鑽機会や実績がある」を選択した人が多く、さらに年代が上がるにつれ「わからない」との回答者も増えており、ジェネレーションギャップを感じるベテラン医師の姿も浮かび上がった。 最後に自由回答で「Q5. 医局の思い出、入局者を増やす施策や若手育成の工夫など」を聞いたところ、医局に所属するメリットとして「論文執筆や後輩指導を学ぶことができた」「いろいろな施設で経験を積むことができた」といった回答が目立った。一方でデメリットしては「雑務が多い」「しがらみがあって自由に勤務先を選べない」という回答が多かった。現状の改善策としては、「育成制度の整備など、若手医師が魅力的に思うような環境をつくる」「医局運営に関する金銭面の透明性を確保」「ワークライフバランスや収入面の条件を、詳しく正確に情報開示する」といったさまざまな提言が寄せられた。―――――――――――――――アンケートの詳細は以下にて公開中『新年度、医局の動向は?』―――――――――――――――<アンケート概要>内容:新年度を迎えたタイミングで、医局への所属状況や選択理由、医局への思いなどについて聞いた。実施日 :2024年4月9日実施方法:インターネット対象  :ケアネット会員医師 1,013人(30~50代、200床以上の医療機関の勤務者)

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第212回 三つ子の騒音百まで

三つ子の騒音百までヒトも動物もまったく静かに過ごせることなどなく、自然やヒトの営みで生じるありとあらゆる音と共にあります。催し物の喧騒、工事、交通騒音などでますます騒々しくなる世界の音環境は心配の種の1つです。どうやら騒音の害は生まれる前から始まるらしく、オーストラリアのチームが同国の固有の鳥であるキンカチョウ(zebra finch)を使って調べたところ、孵化前(すなわち卵のとき)と孵化後を交通騒音と共に過ごすこととその後の生涯に及ぶ健康の害との関連が示されました1-3)。キンカチョウは孵化してから巣立つまでしばらく親の世話を必要とする晩成鳥の一種で、交通騒音がほとんどないオーストラリアの砂漠地帯に生息します4)。同国のディーキン大学の生態学者Mylene Mariette氏とそのチームは許可を得て構内の鳥小屋で飼うキンカチョウの卵を夜間のみ拝借して、キンカチョウの鳴き声(以下、鳴き声)か交通騒音または静寂(silence)の中で過ごさせ、朝には親鳥がいる巣に戻しました。交通騒音か鳴き声で夜間を過ごした卵の雛は、羽化後4~13日目に卵のときと同様に夜間のみ拝借してそれら2つの音環境のいずれかの中で過ごさせ、朝に親のもとに戻しました。騒音の影響は早くも孵化前に生じるらしく、夜間を騒音と共に過ごした卵の孵化率は鳴き声と共に過ごした卵を下回りました。夜間を静寂の中で過ごした卵の孵化率はそれらの中間に位置していました。騒音は生まれた雛の経過にも影響し、発達の遅れと関連しました。卵のときと孵化後のどちらも交通騒音と共に過ごしたキンカチョウの孵化後12日時点での体重は、卵のときと孵化後のどちらも鳴き声と共に過ごしたキンカチョウを有意に下回りました。また、成鳥になってからの生殖への影響もあり、交通騒音と共に過ごしたキンカチョウは産み育てた仔の数が鳴き声と共に過ごしたキンカチョウの4割ほどでしかありませんでした。体内の生理的変化も観察され、卵や雛のときの交通騒音は染色体末端部のテロメア短縮と関連しました。テロメア短縮は細胞損傷を反映します。今回の研究で示唆されたような騒音の健康への害はヒトにも当てはまるかもしれません。騒々しい保育器や新生児棟での騒音が赤ちゃんに害を及ぼしている恐れがあります。妊婦やその赤ちゃんが病院で音に煩わされず過ごせるようにとくに配慮するに越したことはないようです4)。また、妊婦や赤ちゃんに限らず世間一般に蔓延する騒音をどこまでどう減らすかを見出すことにも今回の研究成果はやがて役立つでしょう2)。参考1)Meillere A, et al. Science. 2024;384:475-480.2)Traffic noise causes lifelong harm to baby birds / Science3)Noise pollution can harm birds even before they hatch / ScienceNews4)Slabbekoorn H. Science. 2024;384:380-382.

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手掌と足底の皮疹の鑑別診断【1分間で学べる感染症】第2回

画像を拡大するTake home message発熱と皮疹の鑑別診断は多岐にわたるが、手掌(palms)と足底(soles)の皮疹の有無で鑑別診断をある程度絞り込むことができる可能性がある。手掌と足底の皮疹の鑑別疾患は「MR. SMITH」で覚えよう。発熱と皮疹の鑑別疾患は感染性・非感染性と多岐にわたります。手掌と足底に皮疹を来した場合、鑑別診断をある程度絞り込むことができる可能性があります。それでは、一体どのような鑑別疾患が挙げられるのでしょうか。ここでは、なかでも感染性に焦点を当てて解説していきます。語呂合わせとして「MR. SMITH」と覚えると、手掌と足底の皮疹の感染性の鑑別疾患を網羅的に挙げることができます。MMeningococcemia (Neisseria meningitidis) 髄膜炎菌による菌血症RRickettsia リケッチア感染症(日本紅斑熱など)S(Secondary) Syphilis 二期梅毒MMeasles, Mpox 麻疹、M痘IInfective endocarditis 感染性心内膜炎TToxic shock syndrome, Travelers (Dengue/Chikungunya/Zika) トキシックショック症候群、デング熱、チクングニヤ熱、ジカ熱などの蚊媒介感染症HHand-Foot-Mouth syndrome (Coxsackievirus), HIV, HSV (erythema multiforme) 手足口病、急性HIV感染や単純ヘルペス感染による多形滲出性紅斑皆さんも積極的に、手掌と足底に皮疹を呈していないかどうかを確認してみましょう。1)Hughes KL, et al. Am Fam Physician. 2018;97:815-817.2)Giorgiutti S, et al. N Engl J Med. 2019;381:1762.3)McKinnon HD Jr, et al. Am Fam Physician. 2000;62:804-816.4)Staples JE, et al. Clin Infect Dis. 2009;49:942-948.5)Saguil A, et al. Am Fam Physician. 2023;108:78-83.6)Volpicelli FM, et al. N Engl J Med. 2023;389:1033-1039.7)Long B, et al. Am J Emerg Med. 2023;65:172-178.8)He A, et al. Am J Clin Dermatol. 2017;18:231-236.

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4月25日 小児がんゴールドリボンの日【今日は何の日?】

【4月25日 小児がんゴールドリボンの日】〔由来〕「し(4)ょうに(2)がん」と「ゴ(5)-ルド」の語呂合わせからゴールドリボン・ネットワークが制定。ゴールドの由来は「子どもは、最も貴重な宝物である」という考えから金(ゴールド)にたとえ、シンボルマークに決定した。この日前後の土曜日には、「ゴールドリボン・ウォーキング」を開催し、小児がん経験者の体験談を通して、がん啓発などが行われている。関連コンテンツ医療者向け『学校がん教育.com』図解で見える!医療者が行う”がん教育”の現状小児がんの薬剤開発、何が進んだか、次に何をすべきか/日本小児血液・がん学会なぜ日本は遅れをとっているのか?小児抗がん剤ドラッグラグの現状医療者が小学生に「がん教育」を行ううえでの“Tips”

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最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針 改訂第3版

専門領域を踏破する小児科診療のスタンダードを強力アップデート専門分野エキスパート370名の編集・執筆による小児科主要領域350テーマから成る全訂版。他科に比べエビデンスが不足している場面に遭遇することが多い小児科診療で、ガイドラインによる科学的根拠と専門医の経験を融合させた実践的な診断・治療指針。医学・医療の進歩とともに細分化・複雑化する小児科専門30領域を正確かつ簡潔にまとめ、処方例・実践例を挙げて紹介。自施設で対応できることを見極め、他施設・他科と協働するための新しい知識とスキルを提供。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針 改訂第3版定価30,250円(税込)判型B5判(並製)頁数1,216頁(写真・図・表:1,200点)発行2024年4月総編集加藤 元博(東京大学 教授)ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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第209回 これぞ財務省の執念? 財政審・財政制度分科会で財務省が地域別単価導入を再び提言、医師過剰地域での開業制限も

武見厚労相に続き、財務省が医師偏在対策提案こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。2020年シーズンからMLBや傘下の3Aなどで奮闘していた筒香 嘉智選手が横浜DeNAベイスターズに帰ってきました。コロナ禍の真っ只中、秋山 翔吾選手と同時期に米国に渡った筒香選手ですが、複数のチームを渡り歩いた後、MLBから陥落、その後なかなか芽が出ませんでした。約2年で見切りを付けて帰国した秋山選手と対照的に米国に留まり続けましたが、今年の春もどこからも声が掛からず、帰国を決断したとのことです。日本で“一流”と言われても、MLBで野手(打撃)として通用することがいかに難しいかを改めて教えてくれました。一方、同じベイスターズから今年シカゴ・カブスに入団した今永 昇太投手は今のところ絶好調です。4月22日現在、3勝でナショナルリーグでは防御率0.84とトップ、勝率も1位です。鳴り物入りでオリックス・バファローズからロサンゼルス・ドジャースに入団した山本 由伸投手が5度の登板を終えてわずか1勝防御率4.50と苦戦中なのとは対照的です。このまま行けば、ある意味ダークホースだった今永投手のオールスター出場もありそうです。また、東北楽天ゴールデンイーグルスからサンディエゴ・パドレスに移籍した松井 裕樹投手も中継ぎながら既に2勝しています。こうした日本人選手の活躍の濃淡は適応力の違いなのでしょうか。とても興味深いです。さて、今回は4月16日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の財政制度分科会で財務省が示した、医師の地域偏在解消の方策案について書いてみたいと思います。先週の本連載では、武見 敬三厚生労働大臣が、医師偏在解消に向けて厚労省内に検討チームの設置を指示したと書いたばかりです。今度は財務省からの医師の偏在対策の提案です。まるで各省が示し合わせているようで少々気味が悪いです。診療科別、地域別の定員が設けられているドイツ、フランスを参考に新規開業に規制を設けよ4月16日に開かれた財政制度等審議会の財政制度分科会は、春恒例の国の財政運営に関する提言(いわゆる「春の建議」)の取りまとめに向けて議論を行うものです。この日のテーマは「こども・高齢化」でした。その中で財務省は医師数の適正化と偏在対策に言及し、「2030年頃には医師の供給過剰になると見込まれており、全体の人口減少に対応した医学部定員の適正化が必要」とするとともに、「あわせて、『改革工程』(2023年12月22日に閣議決定された「全世代社会保障構築を目指す改革の道筋」)に基づき、医師の地域間、診療科間、病院・診療所間の偏在是正に向けた強力な対策を講じる必要」があるとしました。とくに偏在対策については、「人口10万人当たりの無床診療所の数は特別区(東京23区)が112.5で、全国平均は78.2にとどまり、1.4倍の開きがある」などと、医師・診療所の地域的な偏在を数値で紹介、日本と同様に公的医療保険制度をとるドイツやフランスでは診療科別、地域別の定員が設けられているとして、こうした仕組みを参考に、新規開業に規制を設けることを提案しました。さらに、全国一律に1点10円となっている診療報酬に地域別の単価を設定し、医師が過剰な都市部で引き下げ、医師が足りない地域にはより手厚くするといった経済的インセンティブ措置の実施も提案しました。財務省が診療報酬の地域別単価導入を最初に提案したのは6年前、2018年4月財務省が、医師過剰地域における開業規制の提案をするのは今回の分科会が初めてのことですが、診療報酬への地域別の単価導入については2023年11月1日に開かれた財政制度等審議会の財政制度分科会でも提案しています。地域別の単価導入については、本連載の「第188回 診療報酬改定シリーズ本格化(後編)」で詳しく書きましたが、もはや財務省の“執念”と言ってもよさそうです。財務省が最初に地域別の診療報酬を公の場で提言したのは今から6年前、2018年4月の財政制度等審議会・財政制度分科会でした。この時財務省は医療政策における都道府県の権限が強化されつつある流れを受け、「地域別診療報酬を柔軟に活用するための枠組みを国として整備すべきだ。活用を検討する都道府県も現れている」としました。この時「活用を検討している」とされたのは奈良県で、そのスキームを考えたのが当時、財務省から出向し奈良県副知事を務めていた一松 旬氏、現在の首相秘書官です(「第179回 驚きの新閣僚人事、武見厚労相は日医には大きな誤算?“ケンカ太郎”の息子が日医とケンカをする日」参照)。地域別の診療報酬は、法律的には今でも実現可能です。「高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)」の14条に規定があり、厚生労働大臣が都道府県知事と協議した上で都道府県別の診療報酬の単価を設定することができる、となっているからです。しかし、これまでのところ活用した都道府県はありません。昨秋に続き、今回の財政制度等審議会の財政制度分科会でも地域別の診療報酬を提案したということは、財務省はそろそろどこかの県で実現させたいと考えているのでしょう。個人的には、地方の診療報酬単価を1円や2円上げたところで人口減、患者減が急速に進んでいる状況では「ここで開業しよう」という流れにはならないと思うのですが、皆さんいかがでしょう。日医・松本会長は「診療所の過不足の状況に応じて診療報酬を調整する仕組みは極めて筋の悪い提案」と批判財務省の地域別の診療報酬の提案に対し、日本医師会はすぐさま反対の姿勢を見せました。松本 吉郎会長は4月17日の記者会見で、「わが国では、国民皆保険である公的医療保険制度の下、誰もが、どこでも、一定の自己負担で適切な診療を受けられることを基本的な理念とし、診療報酬について、被保険者間の公平を期す観点から、全国一律の点数が公定価格として設定されている」と話し、この制度を今後も維持していく姿勢を示しました。そして、「診療所の過不足の状況に応じて診療報酬を調整する仕組みは、わが国の人口分布の偏りに起因するものを、あたかも医療で調整させるような極めて筋の悪い提案だ」と語りました。なお、この日の記者会見で松本会長は、武見厚労相が地域ごとに医師の数を割り当てることなど、“規制”を含め前例にとらわれない対策を検討する考えを示したことについて、「課題としては非常に重く受け止めている。ただし、人口減少とか偏在の問題を、医療の枠の中だけで解決するのはなかなか難しい」と述べたとのことです。武見厚労相の“規制”導入発言は、偏在対策の議論において厚労省が財務省や文科省よりも優位に立ちたいという意思表示か?ところで、文部科学省も4月18日に開催された「今後の医学教育の在り方に関する検討会」(座長:永井 良三・自治医科大学学長)で、特定地域への医師の偏在解消を図るために、医学部卒業後に大学が設置するプログラムを履修させる「大学特別枠(入学者選抜枠)」を新たに設ける試案を出しています。武見厚労相は、政府が毎年6月にとりまとめる「骨太の方針」に大きな方向性を盛り込み、年末までに具体的な方向性を提示する考えを示しています。財政審や文科省に先手を打つ形で医師偏在解消に前向きな姿勢を見せることで、偏在対策の議論において、厚労省が財務省や文科省よりも優位に立ちたいという意思表示だったのかもしれません。それは、うがった見方をすれば、財務省が提案するドラスティックな改革案には与しない、ということかもしれません。なお、武見厚労相は財務省の地域別診療報酬の提案について、4月19日の閣議後の会見で「診療所不足地域の患者の自己負担が過剰地域より高くなるような対応は、 患者の理解を得られるのかという課題がある」と慎重な姿勢を示したとのことです。いずれにせよ、医師の地域偏在、診療科偏在対策は、これからの医療制度改革に大きな目玉になるでしょう。議論の行方に注目です。

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かゆい乳児湿疹が治まらない…、まず行うべきことは?【乗り切れ!アレルギー症状の初診対応】第20回

かゆい乳児湿疹が治まらない…、まず行うべきことは?講師国立成育医療研究センター アレルギーセンター 総合アレルギー科 診療部長 福家 辰樹 氏【今回の症例】生後5ヵ月の男児。生後2ヵ月ごろから顔面に発赤と皮疹が目立ち、抱っこすると顔を擦りつける様子があった。近医で乳児湿疹と言われ、ステロイド外用薬(IV群)を処方されたが、良くなったり悪くなったりを繰り返している。次第に体幹や四肢関節部にもかゆみを伴う皮疹が出現し、一部はじくじくするため、当科を受診した。

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英語で「ワクチン接種はしていますか」は?【1分★医療英語】第127回

第127回 英語で「ワクチン接種はしていますか」は?《例文》医師Are you vaccinated? It looks like your new office requires it for all employees.(ワクチン接種はしていますか? あなたの新しい職場ではすべての従業員に対して求められているようですが)患者Yes, I have completed the vaccination series. I'll bring my vaccination card tomorrow.(はい、すべてのワクチン接種を[追加接種を含め]済ませてあります。明日、接種証明書を持ってきます)《解説》今回は“Are you vaccinated?”という表現の解説です。ここ数年間はコロナワクチンの登場によって「ワクチン」という言葉を聞かない日はなかったくらいでした。“vaccinate”は動詞で「ワクチンを(医療者が)打つ」という意味になります。そして、“Be vaccinated?”と受動態を使うことによって、「あなたはワクチン接種をしていますか?」という意味になります。意味は「ワクチンを打ちましたか?」ですが、あまり過去形は使われず、“Are you vaccinated?”という現在形の受け身の文で表現することが一般的です。医療現場でもこの表現はとてもよく使われています。会話例・例文に出てきた、“fully vaccinated”は「(推奨される)ワクチンをすべて接種している」という意味になり、“completed the vaccination series”は「数回接種が必要なワクチンをすべて完了している」という意味になります。“vaccination card”は「接種証明書」です。ぜひこれらも併せて覚えておきましょう。講師紹介

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第211回 承認薬一つひとつの検討を含む個別化がん治療の試験成績が有望

血液や腫瘍から集めたがん細胞で多ければ125の承認薬一つひとつを新たな手法で検討し、ゲノム解析結果も加味して患者ごとに割り出した薬の組み合わせによる個別化がん治療が、米国のフロリダ国際大学(FIU)の研究者らによる試験で有望な成績を収めています1)。個別化治療で最も多く使われている手段は患者のがんのDNA解析です。昔ながらの方法で数千もの遺伝子を解析するには何週間もかかります。辛抱強く待ってその結果をようやく手にしたところで、治療手段が結局わからず仕舞いということもありえます。ゲノム解析結果のみをよりどころとして治療方針が決まったところでそれが有益であることは少ないようで、最近の報告によると成人患者のわずか10例に1例ほどに限られるようです2)。小児患者でのその割合はもっと低いでしょう。FIUのDiana Azzam氏らのチームが手掛ける個別化治療でもゲノム解析が実施されます。しかしそれだけではなく、患者の血液や腫瘍検体から集めた生きたがん細胞を使って承認薬の効果のほどを検討する薬剤感受性検査(drug sensitivity testing:DST)も含みます。Azzam氏らによる試験には再発/治療抵抗性の難儀な固形がんや血液がんの小児患者25例が組み入れられ、それらのうち21例がDSTでの薬のふるい分けを受け、20例はゲノム解析も行いました。DSTの結果判明までの日数の中央値は血液がんで9日、固形がんで10日でした。ゲノム解析の結果判明までの中央値は約27日です。最終的に6例がDSTとゲノム解析の両方に基づく治療を受け、それら6例中5例は奏効し、無増悪生存期間(PFS)は前治療を1.3倍上回りました。また、DSTとゲノム解析に基づかない治療を受けた8例にも勝りました。それら8例で奏効したのはわずか1例のみでした。とくに有効だった「患者番号13」FIUのニュースでは同試験の被験者の1人であるLogan Jenner君の経過が紹介されています。試験でLogan君は患者番号13(EV013)という扱いでした。しかし、Azzam氏は後にEV013がLogan君であることを知ることになります。そのきっかけはAzzam氏が出席した会(Live Like Bella Pediatric Cancer Research Symposium)でのことです。同会にたまたま居合わせたLogan君の母親がAzzam氏に「息子がどうやら試験に参加していたと思う」と話しかけ、その後の短い会話でAzzam氏はEV013がLogan君であることを悟りました。どの試験もそうであるように、患者の個人情報は厳重に保護されており、Azzam氏にとってほかの被験者はおそらく今後も匿名のままです。その出来事があった後にLogan君はFIUのAzzam氏の研究室を訪問し、いまやAzzam氏の研究室にいつでも出入りできる身となっています。Logan君、すなわちEV013はDSTとゲノム解析に基づく治療がとりわけ奏効した例として論文中でも特記されています。Logan君は3歳のときに急性骨髄性白血病(AML)と診断され、化学療法と骨髄移植を受けて、ひとまずは150日間の寛解期間を過ごしました。しかし運命は残酷で、それから14ヵ月が過ぎた5歳のときに再発に見舞われます。Logan君の担当医のMaggie Fader氏はほかでもないAzzam氏とともに試験を率いた1人で、より最適な治療を求めてLogan君を試験に招きました。Logan君には手の打ちようがある(clinically actionable)FLT3-ITD変異がありました。そこでどのFLT3阻害薬を使うべきかがDSTで検討され、ソラフェニブやポナチニブに比べてmidostaurinがより効果的と判明しました。また、midostaurinと併用する化学療法はフルダラビンとシタラビンで事足り、心毒性が知られるイダルビシンは不要と示唆されました。さらに、ステロイドによる急な細胞増殖が認められたことからその使用が省かれました。DSTとゲノム解析なしでは成し得なかったそのような治療方針の甲斐あって、Logan君は2年を超えてがんなしの生活を過ごせています。ゲノム解析に加えてDSTも行ってそれぞれの患者ごとに治療をあつらえることの力の程をLogan君の経過は見せつけました1)。Azzam氏らによる個別化医療の取り組みは歩みを進めており、小児に加えて成人も参加しているより大規模な臨床試験が進行中です。Logan君が笑って遊んでいるのを見るにつけ、がん治療の革新に向けてわれわれは正しい道を進んでいることを知る、とAzzam氏は言っています3)。参考1)Acanda AM, et al. Nat Med. 2024;30:990-1000. 2)O'Dwyer PJ, et al. Nat Med. 2023;29:1349-1357.3)New approach helped Patient 13 reach remission - could it revolutionize how cancer is treated? / Florida International University

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第191回 医師の地域偏在解消へ、財務省の提案に日医が反発/財政制度分科会

<先週の動き>1.医師の地域偏在解消へ、財務省の提案に日医が反発/財政制度分科会2.急増する医療機関の倒産・休廃業、背景に後継者問題/帝国データバンク3.退院前の指導不足で市民病院が逆転敗訴、約7,500万円の賠償命令/名古屋高裁4.患者受診せずがん告知が1年以上遅れ、大腸がんステージ進行/神戸市立医療センター5.医療機器メーカーとの癒着疑惑、整形外科医逮捕/東京労災病院6.元理事長への不正な麻薬処方、元副学長が医師法違反の疑い/日本大学1.医師の地域偏在解消へ、財務省の提案に日医が反発/財政制度分科会財務省は、4月16日に財政制度分科会を開き、この中で少子化対策のほか医師の偏在問題について議論を行った。2020年の医学部定員を前提とした厚生労働省の将来推計では、2029年ごろにマクロでは医師需給が均衡し、医師の供給過剰が見込まれ、今後は医学部の定員の適正化が必要と指摘された。現状のままでは大都市部において、医師や診療所数が過剰となり、地方はそれらが過小のまま続くとして、診療所の偏在是正のために都市部での新規開業を規制し、診療所が不足している地域での診療報酬の単価を引き上げることを提案した。これは地域や診療科ごとに医師の定員があるヨーロッパのシステムを参考にしている。武見 敬三厚労大臣は、今後の医師の偏在対策を「骨太の方針」に組み込み、具体的な方向性を年末までに示すと述べた。日本医師会は財務省提案に強く反対しており、医師の偏在は人口分布に起因する問題であり、診療報酬での調整は不適切であると主張している。さらに医師会は、地域枠など既存の対策を強化することが先決であるとしている。また、厚労省も地域医療の将来の姿や偏りの見直しを議論するために「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長:遠藤 久夫氏[学習院大学長])を立ち上げて議論を開始している。文部科学省も、医学部の特別枠を通じて医師を地方に派遣する新たなプログラムを提案し、これにより地域医療に貢献する医師の養成を目指している。これにより大学病院から地域への医師派遣を容易にし、地域医療の充実を図りたいとしている。これらの提案と議論は、わが国の医療システムの将来に重大な影響を与える可能性があり、医師の偏在解消を目指す一連の施策が、どのように進展するかが注目されている。参考1)こども・高齢化 財政制度分科会(財務省)2)第2回新たな地域医療構想等に関する検討会 資料(厚労省)3)医師の都市集中、解消探る 過剰地域の報酬下げ/開業規制 財制審提言(日経新聞)4)過剰地域の診療報酬下げ「受け入れられない」 医師会長(同)5)医師偏在問題、「都市部で開業規制を」と財務省提言 医師会は反発(朝日新聞)6)医師の偏在解消で「大学特別枠」、文科省が試案 大学病院から地域への派遣強化(CB news)2.急増する医療機関の倒産・休廃業、背景に後継者問題/帝国データバンクわが国の医療機関の休廃業・解散件数が2023年度(2023年4月~2024年3月)に過去最多の709件に達し、過去10年で2.3倍となった。そのうち診療所が23年度は580件と全体の8割超を占めていることが帝国データバンクの調査で明らかになった。医療機関の倒産・休廃業数は前年の517件から大幅に増加していた。同様に、歯科医院も110件と過去最多を記録。同社によれば、経営者の高齢化と後継者不在が主な原因であり、今後もこの傾向は続くと予測されている。また、2023年度には医療機関の倒産件数も過去最多を更新し、55件が報告された。これは2009年度の45件を上回る数であり、診療所と歯科医院がそれぞれ28件と24件で過去最多を更新している。これらの倒産は法的な手続きを経て確認されたもので、高齢経営者の健康問題などが倒産につながるケースもみられている。日本医師会の「医業承継実態調査」では、診療所の約半数が後継者不在と答えており、帝国データバンクの企業概要ファイルによると、2024年には診療所経営者のボリュームゾーンが65~77歳となっている。この高齢化が顕著な中で、診療所はコンビニの約2倍の数が存在し、狭い市場での競争が熾烈を極めている。こうした状況は、医療機関の持続可能性に深刻な影響を及ぼしており、とくに地域医療にも影響が出ている可能性がある。今後、後継者問題の解決や高齢経営者の支援策を強化することが急務となる。参考1)医療機関の「休廃業・解散」 動向調査(2023年度)(帝国データバンク)2)医療機関の休廃業・解散が過去最多、昨年度 計709件、診療所が8割超(CB news)3.退院前の指導不足で市民病院が逆転敗訴、約7,500万円の賠償命令/名古屋高裁気道確保のため「カニューレ」を装着していた6ヵ月の女児が、退院後に低酸素脳症を発症し、3歳で亡くなった事件について、名古屋高等裁判所は1審の判決を覆し、一宮市に約7,500万円の賠償支払いを命じた。裁判では、一宮市立市民病院が退院時の必要な救命処置の指導を怠ったことが問題視された。女児は、喉頭の組織が軟弱で、気管が塞がりやすく呼吸がしづらい「喉頭軟化症」であり、気管カニューレを必要としていた。入院中には装着器具が外れる事故が3回発生していたが、これについて病院側から十分な説明や指導が行われていなかったとされている。両親は当初、原因を自分たちに求めていたが、裁判を通じて同病院の責任が明らかになり、「娘の無念を晴らせた」と安堵の声を上げた。同病院は「判決文が届いていないので、現時点ではコメントを差し控える」と述べている。この判決は、医師の指導義務違反を問題視した点で重要な意義を持つ。代理人弁護士の森下 泰幸氏は、「気管カニューレが外れる事故は全国で相次いでおり、今回の判決を受け、退院時には必ず救命方法などの指導を全国の病院で徹底してもらいたい」と訴えている。この判決により、今後の医療機関における指導・教育のあり方に影響を与えると考えられる。参考1)“医師は指導義務怠る” 1審と逆 市に賠償命令 名古屋高裁(NHK)2)愛知・一宮市に7,400万円賠償命令 呼吸用器具の事故後に女児死亡(朝日新聞)3)気道確保の重要性など説明せず、3歳女児死亡 遺族が逆転勝訴(毎日新聞)4.患者受診せずがん告知が1年以上遅れ、大腸がんステージ進行/神戸市立医療センター神戸市立医療センター中央市民病院は、60代の男性患者が大腸がんと診断されたにもかかわらず、診断結果の告知が1年2ヵ月遅れるという重大なミスを病院側が公表した。2022年8月に内視鏡検査を受けた男性は、翌月に大腸がんと診断されたが、結果を説明するために予定していた受診日に来院しなかったため告知が行われなかった。その後も男性は、別の科で定期的に通院していたが、告知されなかったため治療開始が遅れ、男性のがんはステージ1からステージ3bまで進行していた。この事実が明らかになったのは、男性が2023年11月に別の疾患で入院し、脳神経内科の医師がカルテを確認したときであった。同病院では、未受診患者を管理するリストがあり、通常は診療終了後にリストから外されるが、今回の重大案件では、男性がリストから誤って外されていた可能性が指摘されている。この案件を受け、同病院では未受診の患者の管理方法を見直し、ルールの明文化を進めている。この重大案件は、病院内の情報管理システムの改善の必要性を浮き彫りにした。同病院は男性と補償についての協議を行っており、病院側は公式に謝罪している。参考1)大腸がんと診断された患者に1年2ヵ月告知忘れる…その間にステージ「1」から「3b」に進行(読売新聞)2)がん告知日に患者来院せず…そのまま1年超、ステージ3に 病院謝罪(朝日新聞)5.医療機器メーカーとの癒着疑惑、整形外科医逮捕/東京労災病院東京労災病院の整形外科副部長の医師(41歳)が、特定の医療機器メーカーの製品を使用することで現金約50万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された。この事件では、逮捕された医師が同僚にも同じメーカーの製品の使用を勧め、それにより得たポイントを自身の利益に変換していたことが判明している。また、医師は医療機器の選定に影響を与えたとされ、医師が受け取ったポイントは現金に交換可能で、飲食代などの領収書を提出することで換金されていたと報じられている。警視庁は、このほかにも余罪があるか捜査を進めており、このスキームがどれほど広範に及んでいたのか、また、その影響についても調べている。贈収賄に関与したHOYA Technosurgical社および親会社HOYA社は、捜査に協力する姿勢を示している。同病院は再発防止策を講じ、職員の倫理教育を強化すると公表している。参考1)東京労災病院 医師を収賄容疑で逮捕 製品巡り50万円受け取りか(NHK)2)他の医師使用分も見返り収受 部下に贈賄側企業製品を推奨か 東京労災病院の汚職事件・警視庁(時事通信)3)東京労災病院副部長を収賄容疑で逮捕 「ポイント制」で業者から現金(朝日新聞)4)当院職員の逮捕について(東京労災病院)6.元理事長への不正な麻薬処方、元副学長が医師法違反の疑い/日本大学日本大学の「不正事案洗い出しのための特別調査委員会」は、元理事長の田中 英寿氏(故人)への医療用麻薬モルヒネを含む痛み止めの不正処方について報告した。田中氏は2021年8月~2022年4月にかけて、元副学長だった主治医により、医師3人を介して7回にわたり痛み止めが処方された。しかし、これらの処方はいずれも診療記録がなく、実際の診察は行われていなかった。調査委員会によれば、田中氏に処方された薬の診療記録は電子カルテシステムに一切残されておらず、元副学長は診療の有無について守秘義務を理由に説明を拒否。また、元副学長や関連医師は、田中氏の自宅で診療行為を行っていたが、これに関する記録も存在しなかった。医師法では、診療行為を行った場合、病名や治療内容をカルテに記載することが義務付けられており、違反した場合には罰則が科されている。調査委は元副学長の医師法違反の可能性が高いと結論付け、「厳格に管理すべき医療用麻薬が不適切に処方されていた悪質性は高い」と指摘している。同大学は監督官庁との協議を待っている状態で、元副学長からの回答は得られていない。参考1)日大の田中英寿・元理事長にモルヒネ処方、診察記録なし…主治医の元副学長は守秘義務理由に説明せず(読売新聞)

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