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1日2回以上の歯磨きで児童のレジリエンス向上か―貧困下で特に顕著

 歯磨きの頻度が高い子どもはレジリエンスが高く、特に貧困に該当する子どもでこの関係が強固であるとする研究結果が報告された。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科公衆衛生学分野※の藤原武男氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Oral Health」に8月10日掲載された。 貧困は健康リスク因子の一つとして位置付けられていて、成長過程にある子どもでは、その影響が成人後にも及ぶ可能性も指摘されている。また幼少期の貧困は、レジリエンスの低下につながることが報告されている。レジリエンスとは、ストレスやトラブルに対応して逆境から立ち直る精神的な回復力であり、レジリエンスの高さは、うつ病や不安症などのメンタルヘルス疾患のリスクの低さと関連がある。 幼少期の貧困そのものは修正困難であるため、レジリエンスの発達にはコストのかからない修正可能な因子を見いだす必要がある。一方、これまでの研究から、歯磨きの頻度が幼少期の自己管理能力と関連することや、歯磨き頻度が低い小学生に不登校が多いことなどが報告されている。これらを背景として藤原氏らは、子どもの歯磨きの頻度とレジリエンスとの関連を検討し、その関連が貧困の有無によって異なるのかを検討した。 この研究は、東京都足立区内の全ての公立小学校の生徒を対象に行われた、「足立区子どもの健康生活実態調査」のデータを利用する縦断的研究として実施された。2015年に小学1年生5,355人の貧困、レジリエンス、および歯磨きの頻度などが調査され、4,291人の保護者が回答(回答率80.1%)。2018年に子どもたちが小学4年生になった段階で追跡調査を行い、3,519人(追跡率82.0%)が回答し、データ欠落のない3,458人(平均年齢9.59±0.49歳、男児50.6%)を解析対象とした。 貧困は、1年生時点で(1)世帯収入300万円未満、(2)物理的剥奪(経済的理由のため、本やスポーツ用品、必要度の高い家電製品を購入できないなど)が一つ以上、(3)支払い困難(給食費、住宅ローン、電気代、電話代、健康保険料などを払えない)が一つ以上――のいずれかに該当する場合と定義した。レジリエンスは、「子どものレジリエンス評価スケール(CRCS)」という指標で評価した。CRCSは「最善を尽くそうとする」、「からかいや意地悪な発言にうまく対処する」、「必要な時に適切な助けを求める」などの8項目の質問から成り、合計100点満点に換算するもので、スコアが高いほどレジリエンスが高いと評価される。 1年生時点での貧困児童の割合は23.0%だった。歯磨きの頻度については、1日2回以上が77.5%であり、貧困に該当する場合はその割合が有意に低かった(79.4対71.4%、P<0.001)。レジリエンスを表すCRCSのスコアは、1年生時点で46.87±12.11点、4年生時点では69.27±16.3点だった。4年生時点のCRCSスコアを、1年生時点の貧困の有無と歯磨きの頻度別に見ると、貧困なしの場合、歯磨き頻度が1日2回未満では67.6点、1日2回以上では70.8点、貧困ありでは同順に62.0点、68.0点だった。 レジリエンスに影響を及ぼし得る因子(性別、同居中の親・祖父母の人数、母親の年齢・教育歴・就労状況・メンタルヘルス状態〔K6スコア〕)を調整後、1年生時点で貧困に該当していた子どもはそうでない子どもに比べて、4年生時点のCRCSスコアが有意に低かった(-1.53点〔95%信頼区間-2.91~-0.15〕)。また、1年生時点の歯磨き頻度が1日2回以上の子どもは2回未満の子どもに比べて、4年生時点のCRCSスコアが有意に高かった(3.50点〔同2.23~4.77〕)。 次に、前記の調整因子のほかに1年生時点のCRCSスコアも調整したうえで、1年生時点の歯磨き頻度と4年生時点のCRCSスコアとの関係を、貧困の有無別に検討した。すると、貧困なしの場合、歯磨き頻度が1日2回未満と以上とで、CRCSスコアに有意差がなかったが(0.65点〔-0.57~1.88〕)、貧困に該当する場合は、1年生時点の歯磨き頻度が1日2回以上の群のCRCSスコアの方が有意に高かった(2.66点〔0.53~4.76〕)。 これらの結果に基づき著者らは、「日本の小学生を対象とした縦断的研究により、1日2回以上の歯磨きが子どものレジリエンスの発達に及ぼし得る影響は、貧困に該当する子どもでより顕著であることが明らかになった。歯磨きという実践しやすい行動に焦点を当てた保健政策が、貧困児童の精神的健康にとって役立つのではないか」と述べている。 なお、歯磨きが貧困児童のレジリエンスにプラスの影響を与えることの理由として、以下のような考察が加えられている。まず、貧困という環境では種々の要因から炎症が発生しやすく、慢性炎症がレジリエンスを低下させると報告されているが、歯磨きによって炎症が抑制されることでレジリエンスへの負の影響も抑えられるのではないかという。また、歯磨きという“少し面倒な”ライフスタイルを保つことが、子どもの自己管理能力とレジリエンスを醸成する可能性があるとのことだ。(HealthDay News 2024年9月24日)※東京医科歯科大学は東京工業大学と統合し2024年10月1日より、国立大学法人「東京科学大学」に改称予定。

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第233回 40年前の“駆け込み増床”を彷彿とさせる“駆け込み開業”が起こる?診療所が多い地域で新規開業を許可制にする案を厚労省が提起

「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」に関する議論進むこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。MLBのポストシーズンが盛り上がっています。10月6日(日本時間)のナショナルリーグ地区シリーズ、ドジャースvs.パドレス戦は、NHKはなんと地上波でライブで放送していました。第2戦は大谷 翔平選手と、ダルビッシュ 有投手の対戦が見応えがありました。大谷選手は3打数無安打で、ダルビッシュ投手の多彩な変化球に完全に抑えられていました。ダルビッシュ投手は2017年のポストシーズン、ロサンゼルス・ドジャースの投手としてワールドシリーズ進出に貢献、しかしその本番のワールドシリーズで、ヒューストン・アストロズとの戦いで2敗を喫し、ファンからは“戦犯”とまで非難され、同年にFA(フリーエージェント)で退団しています。ドジャースに対しては複雑な思いもあるであろうダルビッシュ投手のこの日の勝利は、いちファンとして感慨深いものがありました。サンディエゴ・パドレス、このまま上まで行くかもしれませんね。さて、今回は本格化してきた「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」に関する議論について書きます。この問題については、本連載でも幾度か取り上げてきました。「第229回 武見厚労相最後の大仕事か?『医師偏在是正に向けた総合的な対策』の議論本格化」では現在議論されている骨子案の内容を紹介しました。この「対策パッケージ」、厚生労働省(以下、厚労省)のいろんな検討会等で議論が行われていますが、一体どこが主導してまとめていくのか見えづらいです。最終的には厚労省内の官僚チームがエイヤッとまとめ上げ、大して誰も傷まない中途半端なパッケージが出来上がるのではないかと心配です。9月30日にこのテーマが議論されたのは、第9回「新たな地域医療構想等に関する検討会」(座長:遠藤 久夫・学習院大学長)でした。ここでは、診療所が多い「外来医師多数区域」におけるさまざまな規制的手法が厚労省から提起され議論されました。新規開業時に足りない医療機能を要請できる仕組みを法制化規制的手法の案でとくに注目されたのは、診療所が多い「外来医師多数区域」において、開業希望者に地域で足りない医療機能を要請したり、新規開業を許可制にしたりするという案です。現状、診療所は免許を持つ医師が地方自治体に届け出れば、原則自由に開業できます。その点は、医療計画で2次医療圏ごとに病床数が規制されている病院よりもハードルは極めて低いと言えるでしょう。また、開業できる診療科も自由です。都道府県が開業を希望する医師に救急対応など足りない医療機能を設けることを要請できる仕組みが指針(外来医療に係る医療提供体制の確保に関するガイドライン1))ベースでありますが、法律に規定されているわけではありません。つまり、在宅医療など地域に不足している医療機能の提供を開業希望者に強制することはできないのです。そこで今回、厚労省が「外来医師多数区域における新規開業希望者への地域で必要な医療機能の要請等の仕組みの実効性の確保」を目的に提起したのは、『指針』の仕組みの医療法での位置付け(法制化)です。それによって、外来医師多数区域の新規開業希望者に対して、事前に診療所で提供する予定の医療機能を記載した届け出を求め、都道府県はその届け出の内容を踏まえて、不足している医療機能の提供を要請できるようにするわけです。要請に従わない場合は勧告・公表などのペナルティも設けるとしています。また、外来医師多数区域での開業を許可制とし、開業の上限を定める案も提起しました。なお、検討に当たっては、憲法上の職業選択の自由・営業の自由との関係、規制の合理性、既存診療所との公平性および新規参入抑制による医療の質等について留意して検討を進めるとしています。「『営業の自由』に抵触する可能性も高く、規制的手法はまったく馴染まない」と日医常任理事こうした提起に対して、同検討会では賛成論、反対論の両方が出ました。10月1日付けのGemMed(旧メディ・ウォッチ)などの報道によれば、「医師偏在を強力に是正するためには規制を強める必要がある。優先すべき外来医師多数区域での新規開業対策である」(土居 丈朗・慶應義塾大学経済学部教授)、「医師多数区域に医師が集まる背景を分析して過剰集中を規制的に解決しなければ偏在は解消しない」(河本 滋史・健康保険組合連合会専務理事)といった積極的な賛成論が構成員から出ました。しかし一方で、「“日本国憲法第22条第1項から導かれる『営業の自由』”に抵触する可能性も高く、規制的手法はまったく馴染まない」(江澤 和彦・日本医師会常任理事)、「規制的手法を実行したとしても、医師は医師少数区域には行かず、医師多数区域の近隣に動くだけである」(伊藤 伸一・日本医療法人協会会長代行)といった反対論も、日本医師会をはじめとする医療提供側から出ました。ある構成員から、「都道府県が要請する機能を提供しない場合は保険医療機関の指定を取り消すなどの強い対応をすべき」との意見が出ましたが、日本医師会の江澤氏は、開業を希望する勤務医と地域の医師会などによる『協議の場』を作ることを提案、保険医療機関の指定取り消しなどの対応には反対したとのことです。地域の病院で働く医師を増やすために本当に効果があるかどうかは疑問私自身も、何らかの規制的手法の導入はもはや避けられないことだと思います。人口減少が急速に進む地方では、どんどん診療所や中小病院が閉鎖しています。そんなところに新規開業する医師はいませんから、早めに医療機関を集約して、基幹病院を中心とした医療・介護のネットワークを作っておかなければなりません(地方での診療所開業を促す策は、医療機関の集約化が喫緊の課題である現状では無意味でしょう)。しかし、その病院で働く医師がいないことにはネットワークも作れません。地方の病院で働く医師を半ば強制的に生み出す仕組みがまず必要です。現在検討されている医師偏在是正に向けたさまざまな対策には、そうした地域で働く医師を増やすための方策が多数盛り込まれており、それらがどこまで実効性のある仕組みにできるかがポイントと言えます。そのポイントの一つが、ベースとなる医師数の確保策であり、「外来医師多数区域」において足りない医療機能を要請して開業を牽制したり、新規開業を許可制にしたりする案もその一環ということになりますが、果たしてこれらの案が地域の病院で働く医師を増やすために本当に効果があるかどうか疑問です。「駆け込み増床」のように「駆け込み開業」が起きるかもとくに開業を許可制とし、開業の上限を定める案などは、医療計画の法制化で1980年代後半に起こった「駆け込み増床」のように「駆け込み開業」が起きるかもしれず、現実的ではないでしょう。現実的ではない、ということではこんな案はどうでしょう。そもそも医学部教育、医師の養成には、他学部の学生に比べて比較にならないほどの多額の税金が投入されています。ここはもう、“徴兵制”に匹敵するほどの厳しい勤務年限(自治医大や医学部地方枠のような)をすべて(か相当割合)の医学生に課すという案です。併せて医学部の授業料の無償化も進めていいかもしれません。いずれにせよ、「現実的ではない」と批判されるくらいの方策でないと、医師偏在対策の特効薬にはならないでしょう。今後の議論の行方に注目したいと思います。参考1)厚生労働省:外来医療について

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英語で「触知可能です」は?【1分★医療英語】第151回

第151回 英語で「触知可能です」は?《例文1》Palpable cervical lymph nodes were found on physical exam.(身体診察で触知可能な頸部リンパ節が見付かりました)《例文2》Left supraclavicular lymph node was palpable, and we should discuss this case further.(触知可能な左鎖骨上リンパ節があり、この症例についてさらに検討する必要があります)《解説》今回は身体診察の所見の表現方法を解説します。「触知可能である」は形容詞の“palpable”という単語で表現します。動詞に“-able”と語尾に付けることで「~が可能である」という意味の形容詞になります。今回の場合、“palpate”(触診する)という動詞に“-able”を付けることで“palpable”、「触知可能である」という意味になるわけです。このように“-able”を語尾に付けることで動詞から変化した形容詞はほかにも多くあります。たとえば、“movable”は「可動性がある」という形容詞ですが、こちらも動詞の“move”(動く)に“-able”を付けた形です。文章にすると、“The lymph node is movable.”(このリンパ節は可動性があります)といった表現になります。実際の医療の場面でも使えますね。“lymph node(s)”という単語は「リンパ節」という意味です。せっかくですので、主要なリンパ節の英語表現も挙げておきましょう。cervical lymph nodes頸部リンパ節axillary lymph nodes腋窩リンパ節inguinal lymph nodes鼠径リンパ節mediastinal lymph nodes縦隔リンパ節supraclavicular lymph nodes鎖骨上リンパ節ぜひ、リンパ節とそれに付随する所見の表現方法を覚えてください。講師紹介

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日本初、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト点鼻液」発売/第一三共

 第一三共は、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのフルミスト点鼻液を発売したと2024年10月4日付のリリースで発表した。本剤は2023年3月に製造販売承認を取得し、2024年8月に3価(A型2種、B型1種)ワクチンとして製造販売承認事項一部変更承認を取得した。日本で初の経鼻投与による季節性インフルエンザワクチンとして、今シーズンより供給開始の予定。 本剤により、自然感染後に誘導される免疫と類似した局所抗体応答および全身における液性免疫、細胞性免疫の誘導が期待されている。また、鼻腔内に噴霧するタイプのワクチンのため、針穿刺の必要がなく、注射部位反応もないことから、被接種者の心理的・身体的負担の軽減も期待される。 本剤に関して、医療機関へ向けて、9月2日に日本小児科学会が「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」1)を発表している。2〜19歳未満に対しては、不活化インフルエンザHAワクチンと経鼻弱毒生インフルエンザワクチンを同等に推奨しているが、喘息患者には不活化インフルエンザHAワクチンの使用を推奨している。また、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合にも不活化インフルエンザHAワクチンが推奨されている。 生後6ヵ月〜2歳未満、19歳以上、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチンアレルギーを有する患者、中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者に対しては、本剤の使用は認められていないため、不活化インフルエンザHAワクチンのみ推奨されている。<概要>商品名:フルミスト点鼻液一般名:経鼻弱毒生インフルエンザワクチン製造株:・A型株 A/ノルウェー/31694/2022(H1N1) A/タイ/8/2022(H3N2)・B型株 B/オーストリア/1359417/2021(ビクトリア系統)効能または効果:インフルエンザの予防用法および用量:2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧する。製造販売承認日:2023年3月27日製造販売元:第一三共株式会社

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第212回 新型コロナウイルスワクチンの定期接種開始、新たにレプリコンワクチン導入/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナウイルスワクチンの定期接種開始、新たにレプリコンワクチン導入/厚労省2.先発薬の自己負担増加、薬局でジェネリック薬不足が懸念/厚労省3.医師の偏在が深刻化、是正策を巡る議論が白熱/厚労省4.石破首相、厚労相に福岡氏を起用、社会保障制度の見直しに着手/内閣府5.法医学教室の解剖医不足が深刻化、定年退職で人材不足に拍車/日本法医学会6.千葉県の救急病院、不正請求発覚で保険医療機関指定取り消し/関東厚生局1.新型コロナウイルスワクチンの定期接種開始、新たにレプリコンワクチン導入/厚労省10月1日、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある60~64歳の人を対象として新型コロナウイルスワクチンの定期接種が開始された。今回の接種では、新たに接種できるワクチンとして「レプリコンワクチン」が追加されており、このワクチンはmRNAが細胞内で自己複製する特徴を持つ。従来のmRNAワクチンと比較して少ない接種量で高い抗体価を得られる可能性があるが、発症や重症化に対する効果については、まだ不明と指摘もされている。臨床試験では、発症予防効果が約57%、重症化予防効果は95%と確認されている。レプリコンワクチンは、世界で初めて日本で実用化されたもので、国内外での承認が進められている。一方で、従来のワクチン同様、副反応として接種部位の痛みや発熱などが報告されており、安全性は過去のmRNAワクチンと大きな違いはないとされている。接種費用は、国が1回当たり約8,300円を補助するが、無料から7,200円の自己負担まで、自治体によって自己負担額が異なり、負担額に幅がある。また、健康被害が発生した場合の救済制度も一部変更され、軽度の症状での支給はなくなり、入院が必要な場合に限って補助が行われることになった。使用されるワクチンは5種類で、今回の定期接種では主にオミクロン株「JN.1」に対応したものが提供されるが、流行している「KP.3」に対しても一定の効果が期待される。参考1)新型コロナ、初の定期接種開始 高齢者ら対象、自己負担あり(共同通信)2)無料~7,200円 新型コロナ予防接種の自己負担 自治体ごとに開き(朝日新聞)3)新型コロナワクチン定期接種 5種類のうちレプリコンワクチンとは 効果や副反応 専門家の見方は(NHK)4)レプリコンワクチン、コロナ接種で世界初実用化 有効性や安全性は?(毎日新聞)2.先発薬の自己負担増加、薬局でジェネリック薬不足が懸念/厚労省2024年10月から、医療制度が改定され、ジェネリック医薬品の使用を促進するため、先発医薬品を希望する場合に患者の自己負担額が増加する制度が導入された。具体的には、先発薬とジェネリック薬の価格差の4分の1が患者の自己負担となり、患者が先発薬を選んだ場合、これまでより高額の費用を負担する必要が生じる。この制度の目的は、医療費抑制を図ることにあり、国はジェネリック薬の普及率をさらに高めることを目指している。たとえば、先発薬が1錠100円、ジェネリック薬が60円の場合、その差額40円の4分の1に当たる10円に消費税が加算され、患者の負担が増えることになる。この新制度は、あくまで医療上の必要性がなく、患者が先発薬を希望する場合に適用され、医師が先発薬を処方する必要があると判断した場合や、ジェネリック薬の在庫がない場合は例外となる。全国的にジェネリック薬の不足が続いており、薬局はこの制度導入によって需要が集中し、さらに供給不足が深刻化することを懸念している。とくに冬季の感染症流行時には、ジェネリック薬に対する需要がさらに高まると予想され、薬局では在庫管理が難しくなる可能性があると指摘されている。患者の間では、ジェネリック薬を選ぶ人が増えると見込まれる一方で、とくに子供に対しては先発薬を希望する家庭も一定数存在し、自己負担が増えても先発薬を選ぶ傾向がある。また、世帯収入が高い世帯ほど先発薬を選択する割合が増えるという調査結果も報告されている。さらに、厚生労働省は「在宅自己注射の薬剤も対象」になることを示しているが、外来や往診・訪問診療での「注射薬」は対象外となることを疑義解釈で通知を発出している。今回の改定は、医療費削減に向けた大きな一歩となるが、患者や医療現場に与える影響も少なくなく、今後の運用が注目される。参考1)後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について(厚労省)2)「長期収載品の選定療養」導入 Q&A(同)3)長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について[その3](同)4)先発医薬品処方の自己負担額10月から引き上げ(NHK)5)先発薬の一部“値上げ” 自己負担 来月から新制度 厚労省、医療費削減へジェネリック促進(東京新聞)6)長期収載品の選定療養、在宅自己注射の薬剤は対象になるが、「外来や往診・訪問診療での注射薬」は対象外-厚労省(Gem Med)3.医師の偏在が深刻化、是正策を巡る議論が白熱/厚労省9月30日に厚生労働省は、「新たな地域医療構想等に関する検討会」を開催し、医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージの取組の方向性を示した。議題となった「医師の偏在」は過去10年で、人口規模が小さい二次医療圏においては診療所数が減少傾向にある一方、50万人以上の二次医療圏では、2012~2022年にかけて診療所数が増加傾向するなど深刻化しており、とくに地方や特定の診療科での医師不足が問題となっている。厚労省は医師偏在の是正に向けた対策として、都市部での新規開業を許可制にし、開業数の上限を設ける案を提示した。しかし、職業選択の自由や営業の自由との兼ね合いから慎重な意見も多く、議論は続いている。厚労省の対策パッケージでは、医師の不足する地域での勤務経験を医療機関の管理者要件とすることや、経済的インセンティブを通じて医師を誘導する方策が検討されている。また、医師が多数存在する地域での新規開業希望者に対しては、地域で不足している医療機能をカバーすることを求める仕組みの強化が提案された。しかし、日本医師会などからは、規制が過度に強化されると医師の志望者が減少する可能性があるとの反対意見が出るなど結論は出なかった。このほか、経済的なインセンティブによる誘導策として、医師不足地域への医師派遣の強化や、診療報酬の見直しなども提案され、「重点医師偏在対策支援区域」として特定の地域に医師を集中的に配置することや、派遣医師の待遇改善を進めることが提案されている。厚労省では、医師不足解消のため、国や地方自治体が協力して支援体制を整備し、大学病院などと連携して医師派遣を行う仕組みを強化する考えを示している。これに対し、日本病院会の相澤 孝夫会長は記者会見で、「医師の偏在を是正するための対策を国に提案する方針」を示し、今後も議論が継続される見通し。参考1)第9回新たな地域医療構想等に関する検討会(厚労省)2)診療所多い地域に「開業の上限」厚労省提案 新規開業を都道府県の「許可制」に(CB news)3)診療所の開業許可制に慎重論、厚労省の有識者検討会で(日経新聞)4.石破首相、厚労相に福岡氏を起用、社会保障制度の見直しに着手/内閣府石破 茂首相は、10月4日の就任後初めての所信表明演説で、社会保障制度の見直しに着手することを明言し、医療、介護、子育てを含む幅広い分野での改革を進めることを明らかにした。これによると、「現行の制度が時代に合っているかを再検討し、多様な人生選択を支える柔軟な制度設計を目指す」と語った。とくに、少子高齢化が進行する中で、現役世代の負担軽減が課題であり、子育て支援や年金制度改革が焦点となる。石破首相は子育て支援について「手当より無償化」を重視し、医療費や年金制度の見直しも検討される見通しだ。新たに就任した福岡 資麿厚生労働大臣は、社会保障制度改革に積極的に取り組むと期待され、財務大臣には厚労相を経験した加藤 勝信氏が起用された。両者ともに社会保障分野での豊富な経験を持ち、とくに年金制度や医療費負担の改革が大きなテーマとなる。日本医師会の松本 吉郎会長は、福岡厚労相と加藤財務相の就任を歓迎し、地域医療の守りを強調した。また、デジタル担当大臣に就任した平 将明氏は、健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一本化方針を堅持する姿勢を示し、医療DXの推進に力を入れる意向を表明した。保険証とマイナンバーカードの統合により、医療費やカルテのデジタル管理が進むことが期待される。参考1)第二百十四回国会における石破内閣総理大臣所信表明演説(内閣府)2)石破首相、社会保障全般の見直しを表明 時代に合った制度への転換も(CB news)3)現役世代の負担減、課題に 子育て支援、年金改正も焦点-石破新内閣の課題・社会保障(時事通信)4)平将明デジタル大臣、「保険証廃止」を堅持する理由説明-「医療DXの恩恵は桁違い」(CNET Japan)5.法医学教室の解剖医不足が深刻化、定年退職で人材不足に拍車/日本法医学会法医学教室の解剖医の不足がさらに深刻化することが、読売新聞の報道で明らかになった。報道によると2030年までに全国で24人の教授が定年退職する予定であり、とくに地方では解剖医が1人しかいない地域が14県、さらに1県では解剖医が不在となっている。今後、死亡者数の増加が見込まれる中、解剖医の供給が追いつかなくなる事態が懸念されている。解剖医の不足は、死因究明の遅れや犯罪の見逃しにつながる可能性があり、警察が取り扱う約20万体の遺体のうち、解剖されるのは1割程度に止まっている。日本法医学会は、各都道府県に専任の解剖医を配置する「死因究明医療センター」の設置を提言しているが、進展はみられない。法医学者の確保が急務とされる中、若い医師が敬遠しがちな分野であり、大学における解剖医の後任確保が難しい状況が続いている。さらに、解剖医が少ない地域では教授の退職や転任が発生すると、他県に依頼しなければならず、捜査に遅れが出る事象も起こっている。政府も法医学教室の人員確保を強調しており、死因究明の重要性を社会全体で共有する必要性があると指摘されている。同学会では、解剖医のキャリアパスを紹介するセミナーを開催し、将来の人材育成にも取り組んでいるが、現状の人員不足は依然として大きな課題となっている。参考1)死因究明の解剖医が足りない…法医学教室の教授の大量定年退職、2030年までに全国で24人(読売新聞)2)法医学会が初の学生向けセミナー開催~社会的ニーズ紹介、将来の人材確保へ~(時事通信)6.千葉県の救急病院、不正請求発覚で保険医療機関指定取り消し/関東厚生局関東信越厚生局は、9月30日に、千葉県野田市の小張総合病院が、看護職員の勤務実績を実際よりも多く申告するなどの不正により、診療報酬約5億7,000万円を不正請求していたとして、この病院の保険医療機関の指定を2025年4月1日付で取り消すと発表した。不正は2014~2017年にかけて行われ、元職員の内部告発により発覚した。これに対し、病院を運営する医療法人「圭春会」は、事業を医療法人「徳洲会」に譲渡する予定であり、診療は引き続き行われると発表した。小張総合病院は二次救急指定病院であり、野田市において重要な役割を果たしている。昨年度は約4,700件の救急搬送を受け入れており、病床数は350床、消化器内科や小児科を含む28の診療科を持つ。熊谷 俊人知事は、この不正行為が市の中核的な医療機関で発生したことを「誠に残念」としつつも、運営の引き継ぎを支援し、地域医療体制の維持に取り組む考えを示した。関東信越厚生局は、不正に受け取った診療報酬の返還を求めている。参考1)保険医療機関の行政処分について (関東厚生局)2)診療報酬5億7,000万円を不正請求 千葉・野田市の病院、保険医療機関の指定取り消し(産経新聞)3)救急病院が診療報酬不正疑い保険医療機関指定取消決定 野田(NHK)

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やりがい?ワークライフバランス?若手医師が専攻領域を選んだ理由・変更した理由

 医師の総数は増加をしている中、外科などの一部診療科の増加が乏しいことに対して、どのような対策が考えられるか。9月20日に開催された厚生労働省の「第6回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」では、これらの課題を考えるうえでの参考資料として、厚生労働科学特別研究「日本専門医機構における医師専門研修シーリングによる医師偏在対策の効果検証」から、「現在の基本領域を選択した理由」や「希望していた基本領域を選択しなかった理由」について聞いた専攻医へのアンケート結果が示された。本稿では、その内容の一部を紹介する。 同研究では、2020~23年度に19基本領域の専門研修プログラムに登録した専攻医3万6,427人を対象に、2024年2月27日~2024年3月22日にWEB形式によるアンケート調査を実施した。有効回答数は1万5,857件で、有効回答率は46.3%であった。基本領域を選んだ理由は“やりがい”が最も多いが、領域による違いも 現在の専門研修プログラムの基本領域を選択した理由としては、全体でみると「やりがいを感じるから」(62.6%)が最も多く、次いで「将来にわたって専門性を維持しやすいから」(36.6%)となったが、選択した基本領域によって、その選択理由は異なっていた。「やりがいを感じるから」が理由として最も多かった領域が多数を占めたが、小児科(86.0%)、産婦人科(81.5%)、外科(77.7%)、脳神経外科(75.8%)ではこの割合がとくに高かった。 皮膚科(52.7%)、放射線科(61.9%)、麻酔科(59.7%)、病理(53.4%)、臨床検査(51.0%)、リハビリテーション科(62.8%)では「ワークライフバランスの確保ができるから」が最も多く、総合診療科では「総合的な診療能力を獲得しやすいと思ったから」(63.9%)、耳鼻咽喉科は「手技が多いから」(53.5%)、眼科は「将来にわたって専門性を維持しやすいから」(52.8%)が最も多かった。希望していた基本領域を選択しなかった理由は 希望していた基本領域を選択しなかった理由としては、全体でみると「将来的に専門性を維持しづらいから」が17.2%で最も多く、次いで「仕事の内容が想像と違ったから」(14.9%)、「ワークライフバランスの確保が難しいから」(14.8%)であった(n=1,118)。各領域ごとの回答上位3つは以下の通り。内科:ワークライフバランスの確保が難しいから(27.0%)、仕事の内容が想像と違ったから(16.9%)、専門医が取得しづらいから(16.9%)小児科:ワークライフバランスの確保が難しいから(24.2%)、その他(22.6%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(16.1%)皮膚科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(34.5%)、専門医が取得しづらいから(16.1%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(12.6%)精神科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(25.9%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(24.1%)、仕事の内容が想像と違ったから/その他(17.2%)外科:ワークライフバランスの確保が難しいから(33.9%)、将来的に専門性を維持しづらいから(24.8%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(21.1%)整形外科:仕事の内容が想像と違ったから(28.2%)、適性・才能がないから/医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(15.4%)産婦人科:訴訟リスクが大きいから/その他(22.0%)、医師が不足していて過酷なイメージがあるから(17.1%)眼科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(33.3%)、医師が過剰であり競争が激しいイメージがあるから(17.5%)、その他(12.7%)泌尿器科:その他(17.2%)、適性・才能がないから/継続したキャリアプランが見えづらいから(13.8%)脳神経外科:ワークライフバランスの確保が難しいから(41.4%)、将来的に専門性を維持しづらいから/医師が不足していて過酷なイメージがあるから(27.6%)放射線科:専門領域の将来性に不安を感じたから/その他(23.1%)、仕事の内容が想像と違ったから/開業しにくいから(15.4%)麻酔科:その他(18.3%)、将来的に専門性を維持しづらいから/開業しにくいから(15.0%)救急科:将来的に専門性を維持しづらいから(27.7%)、仕事の内容が想像と違ったから(22.9%)、継続したキャリアプランが見えづらいから(18.1%)形成外科:定員が厳しいから/採用試験で受からなかったから(25.3%)、その他(17.7%)、ワークライフバランスの確保が難しいから(12.7%)リハビリテーション科:将来的に専門性を維持しづらいから(30.0%)、やりがいを感じないから/継続したキャリアプランが見えづらいから(26.7%)総合診療:将来的に専門性を維持しづらいから(39.8%)、継続したキャリアプランが見えづらいから(20.5%)、仕事の内容が想像と違ったから(17.0%)※回答数が20人以下の耳鼻咽喉科、病理、臨床検査の結果は割愛

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ワクチン接種はかかりつけ医に相談を/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は10月2日、定例会見を開催した。会見では、松本会長が先日発足した石破 茂内閣誕生に言及し、医師会は地域を支える重要な医療インフラとして政権と一体となって政策を推進すること、防災省の提案もあるように医師会も災害対策を重要な事項と考えていること、医療・介護業界が物価高騰を上回る賃上げが実現できることなどを要望し、今後も諸政策で連携していくことを語った。また、先般発生した能登半島豪雨への支援金について10月末まで医師会員、一般からの寄付を募っていることを説明した。新型コロナウイルス感染症の重症化防止に高齢者はワクチン接種の検討を 次に感染症担当の笹本 洋一常任理事(ささもと眼科クリニック 理事長・院長)が 「季節性インフルエンザと新型コロナウイルス等の予防接種について」をテーマに、今秋の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、季節性インフルエンザへのワクチン接種などについて医師会の取り組みや考えを説明した。 COVID-19と季節性インフルエンザは流行傾向にあるが、COVID-19ワクチンの接種が10月1日より開始された。大きな変更点は、公費による無料接種ではなくなったことで、自治体による定期接種となる。対象者は「65歳以上の方」、「60~64歳で心臓、腎臓などに基礎疾患がある方、免疫機能に障害がある方」などが定期接種の対象となり、一部自己負担の有料接種となる。対象者は重症化予防のためにも接種を検討していただき、接種できるワクチンの種類、自己負担額については各自治体により異なるために確認してもらいたいと説明した。また、COVID-19ワクチンは、医師が必要と認めた場合、季節性インフルエンザや肺炎球菌ワクチンとの同時接種もできるので、かかりつけ医に相談してもらいたいと述べた。 そのほか、HPVワクチンの公費負担によるキャッチアップ接種にも触れ、9月末日までの初回接種を医師会としては広く啓発してきたが、これを逃した方も10月中の接種で最短で4~5ヵ月で公費負担の期日内に終えることができるので、かかりつけ医などに相談して欲しいと説明するとともに、通常の定期接種についても近医に問い合わせをお願いしたいと述べた。

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大理石骨病〔osteopetrosis〕

1 疾患概要■ 定義大理石骨病(osteopetrosis)は、破骨細胞の機能不全による骨吸収障害により、びまん性の骨硬化性疾患の総称である。遺伝的異質性の高い疾患であり、症状も早期に発症する重症の新生児型/乳児型、中等度の中間型、軽症の遅発型まで多様である。腎尿細管性アシドーシスや免疫不全を伴う病型もある。骨硬化による高骨量であるにもかかわらず、脆く骨折しやすい。■ 疫学わが国では患者は100人未満とされている。新生児型/乳児型は20万人に1人、遅発型では2万人に1人と報告されている。■ 病因破骨細胞の形成や機能に関連する複数の遺伝子異常(TCIRG1、CLCN7、OSTM1、TNFSF11、TNFRSF11A、PLEKHM1、CA2、SLC4A2、IKBKG、FERMT3、RASGRP2、SNX10)が報告されている。新生児型/乳児型は常染色体潜性遺伝、遅発型は常染色体顕性遺伝である。■ 症状新生児型/乳児型は早期より重度の骨髄機能不全(貧血、易感染性、出血傾向、肝脾腫など)、脳神経症状(難聴、視力障害、顔面神経麻痺など)、水頭症、低カルシウム血症、成長障害などを呈する。汎血球減少となるため感染や出血を生じやすく、幼児期までの死亡率は高い。中間型は、小児期に発症して骨折、骨髄炎、難聴、低身長、歯牙の異常など種々の症状を呈するが、骨髄機能不全は重篤ではない。遅発型では骨髄機能不全は認められず、病的骨折、下顎の骨髄炎、顔面神経麻痺などで診断されることが多い。また、遅発型では他の理由で施行された骨X線検査によって偶然発見されることもある。■ 予後新生児/乳児型では重度の貧血、出血、肺炎、敗血症などにより乳幼児期に死亡するものがある。視力障害、水頭症も問題となる。中間型の長期予後に関しては不明な点が多い。遅発型の生命予後は良い。成人期以降では骨折の遷延治癒や偽関節、骨髄炎、進行性の難聴などが日常生活における問題となる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)上記の症状と下記の検査所見を合わせて診断する(表)。X線所見としては、全身性の骨硬化像を認め、頭蓋底や眼窩縁の骨硬化像、長管骨骨幹端のundermodeling(Erlenmeyerフラスコ状変形)や帯状透亮像、椎体終板の硬化像(サンドイッチ椎体、ラガージャージ椎体)、長管骨や恥骨などの骨内骨像などを特徴とする。新生児型/乳児型はしばしば低カルシウム血症、汎血球減少症を認める。表 大理石病の診断基準画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)重症の新生児/乳児型では骨髄移植、造血幹細胞移植などが試みられているが、現時点で確立されたものはない。種々の症状に応じての対症療法が中心となる。骨折に関しては著しい骨硬化により手術による固定術は困難なことが多い。骨髄炎は遷延化することが多く、長期にわたる薬物治療を要する。視覚障害に対する視神経の外科的減圧術は、技術的な困難さはあるが、一定の成果があるとされている。進行性の難聴に対しては補聴器が必要となる。歯科口腔関連では口腔外科的処置を必要とすることがある。4 今後の展望造血幹細胞移植の工夫、さまざまな前臨床試験が行われている。5 主たる診療科小児科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 大理石骨病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター 大理石骨病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Wu CC, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2017;102:3111-3123.2)Gene Reviews Japan(GRJ):CLCN7関連大理石骨病3)Palagano E, et al. Curr Osteoporos Rep. 2018;16:13-25.公開履歴初回2024年10月3日

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第116回 アメリカで百日咳が急増、警告

前年比5倍で急増ペースの百日咳アメリカでは、百日咳の報告数が、前年比5倍に増加していると報道されています。え?百日咳?マイコプラズマじゃなくて?米国疾病予防管理センター(CDC)1)によると、2024年では累計1万5,661件の百日咳症例が確認されたと報告しています。昨年の同時期の3,635件と比べると「急増」と言ってもいいでしょう2)。2014年以来、10年ぶりの水準とされています。ウィスコンシン州では前年比約24倍、マサチューセッツ州に至っては前年比約51倍となっています。この理由として「ワクチン接種の忌避」があるようです。ワクチン反対の感情の高まりが感染拡大に影響していると指摘されているのです。なんか最近ワクチンネタが多いこの連載ですが、なんでもかんでもワクチンと結びつけようとまでは思っていません。ただ、そういう忌避が次の感染症を引き起こすトリガーになっているという指摘はほうぼうから上がっています。しかしまあ、さすがに百日咳ワクチンは打っておいたほうがよいでしょう。日本の4種混合ワクチン接種率はきわめて高い(2歳児の接種完了率は97%以上)ですが、実は、世界的にはジフテリア、破傷風、百日咳の混合ワクチンを受けているのは84%と低い状況です。この数値だけをみると、日本で百日咳が問題になることはそれほどないかもしれません。ただ、日本では、百日咳ワクチンの接種開始の月齢が早期化しており、実は3歳以上で百日咳ワクチンを接種される機会が多くないのです。そのため、5歳頃には抗PT抗体の保有率が20%台にまで低下するとされています。鑑別診断に入れよう若い頃は、ちらほら百日咳っぽい患者さんを診たことがあるのですが、コロナ禍以降は、そもそも咳嗽の「受診遅れ」がひどく、鑑別診断にすら挙がりにくくなりました(もしそうでも抗菌薬での介入が難しいフェーズに入っているため)。「咳で悩んでいるんです」「ほうほう、どのくらいですか?」「1年前からです」なんて会話もざらです。2018年から5類感染症(全数把握対象疾患)に定められたので、一時的に診断ムーブメントが勃興しましたが、最近は咳のセミナーなどでも百日咳という鑑別診断をとんと耳にしません。昔は、抗体価の結果が返ってくる頃に治療を始めても遅かったので、経験的治療を導入することもありました。現在の診断においては、イムノクロマト法や核酸増幅法が使用可能です。咳が強めだとマイコプラズマかもしれないということで、マクロライドが入ることも多いと思います。実際、これは百日咳にも有効なので、どちらもカバーできる優れものです。それでもなお、頭のどこかで「百日咳かもしれない」と思いながら、咳嗽診療に当たるべきでしょう。ちなみに、2024年4月1日から、これまで使われてきた4種混合ワクチンにヒブワクチンを加えた5種混合ワクチンが定期接種の対象となっています。親の立場としては非常にラクになります。参考文献・参考サイト1)CDC. Pertussis Surveillance and Trends2)Weekly cases of notifiable diseases, United States, U.S. Territories, and Non-U.S. Residents week ending September 21, 2024 (Week 38)

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妊娠中の魚油摂取、出生児のアトピー性皮膚炎リスクは低減する?

 妊娠中のオメガ3長鎖多価不飽和脂肪酸(n-3 LCPUFA、魚油)サプリメント摂取と出生児のアトピー性皮膚炎リスクとの関連は、母体が有するシクロオキシゲナーゼ-1(COX1)遺伝子型によって異なることが示された。デンマーク・コペンハーゲン大学のLiang Chen氏らが実施した無作為化比較試験「Danish Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010」の事前に規定された2次解析において、TT遺伝子型を有する母親がn-3 LCPUFAサプリメントを摂取した場合、出生児はアトピー性皮膚炎のリスクが有意に低いことが示された。著者は、「TT遺伝子型を有する妊婦にのみサプリメントを摂取させるという個別化された予防戦略の参考になるだろう」と述べている。エイコサノイドは、アトピー性皮膚炎の病態生理に関与しているが、出生前のn-3 LCPUFAサプリメント摂取や母体のCOX1遺伝子型の影響を受けるかどうかは明らかになっていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年8月28日号掲載の報告。 「Danish Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010」の事前に規定された2次解析では、出生コホートの母子ペアを対象とし、出生児が10歳になるまで前向きに追跡した。妊娠中のn-3 LCPUFAサプリメント摂取と小児アトピー性皮膚炎の関連について、全体および母親のCOX1遺伝子型別に検討した。本試験では、母親と出生児のCOX1遺伝子型を確認し、出生児が1歳になった時点で尿中エイコサノイドを測定した。本試験は2019年1月~2021年12月の期間に実施し、データ解析は2023年1~9月に行った。 合計736例の妊娠24週の妊婦を、1日2.4gのn-3 LCPUFA(魚油)サプリメントを摂取する群(介入群)またはプラセボ(オリーブオイル)を摂取する群(対照群)に1対1の割合で無作為に割り付け、出産1週後まで摂取を継続させた。 主要アウトカムは、全体および母親のCOX1遺伝子型別にみた10歳時までの小児アトピー性皮膚炎リスクであった。 主な結果は以下のとおり。・10歳時のフォローアップを完了した出生児は635例(91%、女子363例[57%])であり、母親と共に、介入群321組(51%)、対照群314組(49%)が解析に含まれた。・妊娠中のn-3 LCPUFAサプリメントの摂取は、出生児の1歳時点における尿中トロンボキサンA2代謝物量と有意な負の関連があった(β:-0.46、95%信頼区間[CI]:-0.80~-0.13、p=0.006)。また、尿中トロンボキサンA2代謝物量はCOX1 rs1330344遺伝子型との有意な正の関連も認められた(Cアレル当たりのβ:0.47、95%CI:0.20~0.73、p=0.001)。・10歳時点までの小児アトピー性皮膚炎発症とn-3 LCPUFAサプリメント摂取(ハザード比[HR]:1.00、95%CI:0.76~1.33、p=0.97)、母親のCOX1遺伝子型(同:0.94、0.74~1.19、p=0.60)との間には、いずれも関連が認められなかったが、n-3 LCPUFAサプリメント摂取と母親のCOX1遺伝子型には有意な交互作用がみられた(交互作用のp<0.001)。・TT遺伝子型を有する母親の出生児のアトピー性皮膚炎のリスクは、対照群よりも介入群で有意に低かった(390組[61%]のHR:0.70、95%CI:0.50~0.98、p=0.04)。一方で、CT遺伝子型を有する母親の出生児において、介入群のアトピー性皮膚炎のリスク低下はみられず(209組[33%]のHR:1.29、95%CI:0.79~2.10、p=0.31)、CC遺伝子型を有する母親の出生児では有意なリスク上昇が認められた(37組[6%]のHR:5.77、95%CI:1.63~20.47、p=0.007)。・アトピー性皮膚炎発症について、n-3 LCPUFAサプリメント摂取と出生児のCOX1遺伝子型には、有意な交互作用がみられた(交互作用のp=0.002)。

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英語で「転ばぬ先の杖」は?【1分★医療英語】第150回

第150回 英語で「転ばぬ先の杖」は?《例文1》Safety always comes first.(安全が最優先です)《例文2》An ounce of prevention is worth a pound of cure.(予防は治療に勝る)《解説》医療現場では、患者の安全を守るために慎重な判断が不可欠です。とくに新しい治療や薬剤を導入する際には、予期せぬリスクを回避するために「転ばぬ先の杖」の精神が重視されます。英語でのコミュニケーション能力を養うためには、このような日本語の慣用句を直訳するのではなく、英語での類似表現に置き換えたうえで覚えておくことが重要です。こうした場面で頻繁に使われる表現として、“better to be safe than sorry”があります。これは「後悔するよりも安全を重視するほうが良い」という意味で、予防や慎重さを強調する際に使われます。また、“safety always comes first”(安全が最優先です)という表現も、こうした慎重さを象徴するものです。さらに、“An ounce of prevention is worth a pound of cure”(予防は治療に勝る)もよく使われるフレーズで、予防の重要性を強調しています。これらはいずれも、安全を最優先に考える医療現場の姿勢を反映した表現です。講師紹介

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わが国初の経鼻弱毒生インフルワクチン「フルミスト点鼻液」【最新!DI情報】第24回

わが国初の経鼻弱毒生インフルワクチン「フルミスト点鼻液」今回は、経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(商品名:フルミスト点鼻液、製造販売元:第一三共)を紹介します。本剤は、国内初の経鼻インフルエンザワクチンであり、針穿刺の必要がなく注射部位反応もないことから、患者負担の軽減が期待されています。<効能・効果>本剤は、インフルエンザの予防の適応で、2023年3月27日に製造販売承認を取得し、2024年8月13日に製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。<用法・用量>2歳以上19歳未満の人に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧すします。医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができます。<安全性>重大な副反応として、ショックおよびアナフィラキシー(いずれも頻度不明)があります。その他の副反応として、鼻閉・鼻漏(59.2%)、咳嗽、口腔、頭痛(いずれも10%以上)、鼻咽頭炎、食欲減退、下痢、腹痛、発熱、活動性低下・疲労・無力症、筋肉痛、インフルエンザ(いずれも1~10%未満)、発疹、鼻出血、胃腸炎、中耳炎(いずれも1%未満)などがあります。本剤は安定剤として精製ゼラチンを含有していますので、ゼラチンに対してショックやアナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管性浮腫ほか)などの過敏症の既往のある人には注意が必要です。また、製造工程由来不純物として、卵由来の尿膜腔液成分(卵白アルブミン、タンパク質および鶏由来DNA)が混入する可能性があるため、鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈する恐れのある人に対しても注意が必要です。本剤は弱毒化したウイルスを使った「生ワクチン」なので、妊婦や免疫抑制状態の人には使用できません。<患者さんへの指導例>1.この薬は、鼻へ噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。鼻へ噴霧するため、針を刺す必要がありません。2.接種の対象は、2~18歳の人です。3.この薬は、噴霧後に積極的に吸入(鼻ですする)する必要はありません。4.まれにショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、いつもと違う体調変化や異常を認めた場合は、速やかに医師に連絡してください。<ここがポイント!>インフルエンザは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性呼吸器感染症であり、日本ではインフルエンザに関連した超過死亡数が年間1万例を超えると推定されています。インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの発症予防やインフルエンザに関連した重度合併症を防ぐ主要な手段です。フルミスト点鼻液は、日本で初めて承認された経鼻投与型の3価の弱毒生インフルエンザワクチンであり、A型株(A/H1N1およびA/H3N2)とB型株(B/Victoria系統)のリアソータントウイルス株を含有しています。本剤の特徴は、「低温馴化」、「温度感受性」および「弱毒化」であり、噴霧された弱毒生ウイルスが鼻咽頭部で増殖し、自然感染(野生株の感染)後に誘導される免疫と類似した、局所および全身における液性免疫、細胞性の防御免疫を獲得できます。また、本剤は、針穿刺の必要がなく、注射部位反応もないことから、被接種者の心理的・身体的負担の軽減も期待されています。日本では、2024~25シーズンから使用が認められました。日本人健康小児(2歳以上19歳未満)を対象とした国内第III相試験(J301試験)において、抗原性を問わないすべての分離株によるインフルエンザ発症割合は、本剤群で25.5%(152/595例)、プラセボ群で35.9%(104/290例)であり、本剤群のプラセボ群に対する相対リスク減少率は28.8%(95%信頼区間:12.5~42.0)でした。95%信頼区間の下限は事前に設定した有効性基準(0%)を上回っており、プラセボに対する本剤の優越性が検証されました。日本小児科学会より「経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方」が出され、使い分けが示されました。2〜19歳未満に対しては、不活化インフルエンザHAワクチンと経鼻弱毒生インフルエンザワクチンを同等に推奨していますが、喘息患者、授乳婦、周囲に免疫不全患者がいる場合は不活化インフルエンザHAワクチンを推奨しています。また、生後6ヵ月〜2歳未満、19歳以上、免疫不全患者、無脾症患者、妊婦、ミトコンドリア脳筋症患者、ゼラチンアレルギーを有する患者、中枢神経系の解剖学的バリアー破綻がある患者に対しては、不活化インフルエンザHAワクチンのみが推奨されています。参考日本小児科学会:経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方

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COVID-19パンデミック前後の摂食障害患者における発達障害や性同一性障害の併発

 自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如多動症(ADHD)、性同一性障害の発生率は、とくに摂食障害の小児および青年、若年成人において上昇している。COVID-19パンデミック中に摂食障害の有病率は上昇したといわれているが、ASD、ADHD、性同一性障害の併発傾向は、これまで詳細に調査されていなかった。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のTashalee R. Brown氏らは、COVID-19パンデミック前の数年間とパンデミック中における、摂食障害の小児および青年、若年成人のASD、ADHD、性同一性障害の併発率の傾向を調査した。Frontiers in Psychiatry誌2024年8月20日号の報告。 2017〜22年に2回以上摂食障害と診断された5〜26歳の患者4万8,558例を、個人名を匿名化した多国籍電子医療記録データベース(TriNetX)より抽出した。主な予測変数は、各患者の最初の摂食障害診断年とし、2017〜19年と2020〜22年で分類した。主要アウトカム変数は、各患者の最初の摂食障害診断年の翌年におけるASD、ADHD、性同一性障害の併発を認める新規精神医学的診断の割合とした。2017〜19年と2020〜22年の主要アウトカムの比較には、傾向スコアマッチング多変量ロジスティック回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は、2017〜19年の摂食障害診断患者1万7,445例(ASD:8%、ADHD:13.5%、性同一性障害:1.9%)、2020〜22年の摂食障害診断患者3万1,113例(ASD:8%、ADHD:14.6%、性同一性障害:3.2%)。・1:1の傾向スコアマッチング後、2017〜19年の摂食障害診断患者1万7,202例が、2020〜22年の患者とマッチされた。・2020〜22年の摂食障害診断患者は、2017〜19年の患者と比較し、最初の摂食障害診断後365日以内に、ASD、ADHD、性同一性障害の診断オッズ比の増加が認められた。【ASD】19%増加(aOR:1.19、95%信頼区間[CI]:1.07〜1.33)【ADHD】25%増加(aOR:1.25、95%CI:1.04〜1.49)【性同一性障害】36%増加(aOR:1.36、95%CI:1.07〜1.74) 著者らは「COVID-19パンデミック後、摂食障害患者のASD、ADHD、性同一性障害の併発率は、精神疾患の併発のベースラインレベルを調整した後でも、有意に高いことが示唆された。本結果は、COVID-19が小児から若年成人までにおける摂食障害患者のASD、ADHD、性同一性障害の発症や臨床経過に影響を及ぼした可能性を示しており、現在の理解と大きなギャップがあることが明らかとなった」としている。

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学校健診の留意点「検診項目追加は事前に打ち合わせを」/日医

 日本医師会常任理事の渡辺 弘司氏が、9月25日の定例記者会見で、文部科学大臣へ「学校保健の更なる充実のための提言と要望」を提出し、文部科学省と日本医師会の共同で「学校健康診断実施上の留意点」を作成したことを報告した。文部科学大臣への提言・要望 「学校保健の更なる充実のための提言と要望」では、将来を担う子供たちの健康を増進する学校保健の重要性を踏まえ、下記の3点について検討を要望した。1.学校健康診断のあり方に関する検討-現在実施されている健診項目は社会的状況に見合ったものとなっているか2.健康教育の推進-学習指導要領と解説の整理、管理職を含む関係教員の研修機会の充実、学校医などの外部講師の活用に係る予算の確保3.教師の働き方改革推進と教育の質向上-学校現場の教職員の処遇や定数の大幅な改善、教員養成系大学の教職員や国・地方自治体において教育行政に携わる公務員など教育に関わる人員の抜本的拡充、必要なインフラ整備 文部科学大臣からは、「学校健康診断については、時代に合わせた見直しは必要。関係省庁と連携しながら対応していくとともに、実施する側の負担軽減も図っていく必要がある」と言及があったという。学校健康診断の留意点 2024年6月に小学校で行われた健康診断において、医師が本人や保護者の同意を得ずに児童の下半身を視診していたことが大きく報道された。学校と学校医との間で共通理解が十分ではなく、学校から児童・生徒および保護者への事前の説明が不足していたことなどから、児童・生徒のプライバシーや心情への配慮が欠けていた状況を踏まえ、日本医師会と文部科学省の共同で「学校健康診断実施上の留意点」のリーフレットを作成した。 リーフレットでは、学校健康診断の目的や役割、留意すべき事項を改めて示すとともに、学校医に対して下記5点の徹底を求めている。1. 学校健康診断を行うに当たっては、その意義・目的を理解するとともに、学校の意向を十分考慮したものとすること2. 診察方法や児童・生徒などのプライバシー・心情への配慮について事前に学校と確認すること3. かかりつけ医の診療と学校医の健康診断の違いを理解すること(学校健康診断では、学校医は普段診ていない子供を学校の中でスクリーニングする)4. 法令に定めのない検査の項目を追加する場合には、その実施の目的、検査方法などについて事前に学校と十分打合せを行うこと5. 健康診断結果に基づき学校が行う事後措置について医療面から指導すること 渡辺氏は「リーフレットによって、2025年度の学校健康診断の実施に向けて学校医と学校の共通理解が深まり、より円滑に健康診断が行われることを強く期待する。リーフレット配布をきっかけに出てくる学校健康診断に対するさまざまな意見を関係者で共有し、児童・生徒の健康のために学校検診をより良いものとしたい」とまとめた。

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電子処方箋発行時の電子署名、必要な準備や認証方法は?/厚労省

 電子処方箋が2023年1月から開始された。患者のリアルタイムな処方・調剤結果情報が確認できるとともに、システムチェックによる重複薬や併用禁忌薬の投薬回避が可能になることなどが期待されている。薬局の電子処方箋システムの導入が先行し、その多くの薬局で紙の処方箋も含めて調剤結果情報の登録がされ、これら情報の活用はされつつある。一方、より安心・安全な医療となるメリットはすべての医療機関が導入することで最大化されるが、病院や診療所の導入率はまだ低い。今回は、電子処方箋の現状とメリット、電子処方箋発行時に必要となる電子署名、電子署名も関係する医療DX推進体制整備加算などについて、厚生労働省電子処方箋サービス推進室の長嶋 賢太氏に話を聞いた。電子処方箋の現状とメリット 2024年9月16日現在、全国3万2,220施設(15.3%)で電子処方箋の運用が開始されており、薬局は46.5%である一方、病院は2.0%、診療所は4.8%である。この現状に対し、長嶋氏は「電子処方箋システムを導入していない医療機関の処方箋も含めて、薬局でその調剤結果情報を電子処方箋管理サービスに登録・蓄積いただいており、その情報の利活用は進んできている。一方で、2025年3月までにおおむねすべての医療機関・薬局に対して普及させるのが目標なので、その高い目標に対して考えるとまだまだと考えている」と率直に感想を語った。そのうえで、「電子処方箋管理サービスに登録された処方・調剤の情報を活用し、処方箋を発行する際に薬剤の重複や飲み合わせを自動的にチェックすることでリスク回避ができ、蓄積された薬剤情報をもとに治療方針や処方を考慮できるというメリットがある。導入率が低い病院においては、これまで患者さんの入院時に服用薬を聞き取ったりお薬手帳などで確認したりしていたが、薬剤情報がデータとして一括的かつ効率的に確認できるのでとくにメリットは大きいと考える。実際に、緑内障患者に併用禁忌薬が処方されそうなところを回避できたなど多くの事例が寄せられている。能登半島における災害時など、普段診察しない患者に対応する際、処方・調剤の参照により、的確な治療へと反映できたとの声もある」と実臨床でのメリットを示した。電子処方箋発行時に必要となる電子署名 医師が処方箋を発行する際には記名押印または署名しなければならないが、電子処方箋では紙のような対応ができないため、電子署名を付すことになる。署名方式としては、大きく分けて以下の2種類がある。―――――――――――――――――――(1)ローカル署名:HPKIカードをICカードリーダーに毎回かざし、原則パスワード入力のうえでHPKIカードの中の電子証明書を用いて電子署名を付与する方法(2)リモート署名:1日1回本人認証を行い、クラウドで管理されている電子証明書を呼び出し、その後は自動で電子署名を付与する方法――――――――――――――――――― 長嶋氏は、「ローカル署名では、つねにHPKIカードが手元にある必要があるが、リモート署名では原則として1日1回本人認証を行うことで電子署名が可能となる。本人認証は現在、マイナンバーカード、スマートフォンによる生体認証、HPKIカードのいずれかによって行う。HPKIカードを取得またはクラウドで管理されている電子証明書(HPKIセカンド電子証明書)を利用可能にするには、医師の場合は日本医師会電子認証センターまたは一般財団法人医療情報システム開発センター(MEDIS)といったHPKIの認証局に直接発行申請を行うか、マイナポータル経由で前述のHPKIの認証局に申請する。いずれの申請からもHPKIカードの発行やHPKIセカンド証明書の活用は可能となるが、本人認証方式としてマイナンバーカードを活用するにはマイナポータル経由からの申請が必要となる。このマイナポータル経由で日本医師会に申請した場合、日本医師会の非会員では通常5,500円かかっていた費用が当面の間は無料である。また、マイナポータル経由からは住民票の添付が不要など、必要書類が簡略化されるなどのメリットがある。申請手順も公開しているので、ぜひ活用のうえで対応いただきたい。また、現在は世界的なICカード不足でHPKIカードの発行が遅れるという問題があるが、リモート署名ではHPKIカードがなくてもマイナンバーカードやスマートフォンによる生体認証を用いて本人認証し、電子署名を行うことができるうえにローカル署名のような手間がない」と、選択肢が広がった電子署名の方法を解説した。 なお、医師個人のマイナンバーカードを用いるとなると個人情報の流出が懸念されるが、閉域的なネットワーク環境で氏名や住所情報などを含まない最低限の情報のやり取りしか行わないこと、またその情報も暗号化され、サービス提供側しか知らない復号鍵がないと戻せないことから、 「個人情報流出の心配はない」とのこと。導入をためらう要因と補助の拡充、医療DX推進体制整備加算など 医療機関が電子署名の導入をためらう要因として、電子カルテシステムなど既存システムの改修費用やカードリーダーの購入費用など、導入にかかる費用負担の重さが挙げられる。これまでも電子処方箋の基本機能部分の導入に対する社会保険診療報酬支払基金からの補助金はあったが、長嶋氏はさらに「2023年12月に実装したマイナンバーカードによる電子署名対応などの追加機能※に対しても補助金が拡充された。これらの社会保険診療報酬支払基金からの補助金と都道府県からの助成金を併せて受給することで、導入費用に対する支援の割合は最大で病院が1/2、診療所が3/4となる」とし、また「医療DX推進体制整備加算が2024年6月に創設され、10月よりさらに増点される予定である。医療DX推進体制整備加算を算定する場合は、電子処方箋の運用を2025年3月末まで(経過措置)に開始している必要がある。電子署名ができないと電子処方箋が発行できないため、まずは電子署名の申請を行ってほしい」と語った。なお、電子処方箋のシステムを導入する前であっても電子署名の申請は可能である。※追加機能:リフィル処方箋、口頭同意による重複投薬等チェック結果閲覧、マイナンバーカードによる電子署名対応、処方箋ID検索今後の医療の展望 最後に、今後の医療の展望について長嶋氏は、「これまで、医療機関や薬局間で薬剤情報が十分に共有されていないという問題点があった。電子処方箋が普及して網羅的なリアルタイム性のある薬剤情報が共有されることで、患者さんの医療の質の向上につながると期待している。薬剤情報によって医師や薬剤師の皆さんが患者さんの状況を把握して医療に生かせるとともに、重複していた薬剤を削減することで医療費の削減にもつながり、それを他の医療費や医療リソースに補填していくことができる」と期待を寄せ、「現状では電子署名は電子処方箋の発行時のみに用いられるが、今後の医療DX推進とともに必要となるケースは増えると考えられる」とまとめた。

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患者満足度向上対策をクリニックの6割が実施/医師1,000人アンケート

 クリニックや病院などの医療機関を受診する際、どのような基準で選択するのだろう。いつもの「かかりつけ医」ならともかく、新しい医療機関を受診する場合、最近では、WEB上での「口コミ」なども参考にしている患者さんも多い。医療機関、とくにクリニックなどでは、この口コミを良くするために、さまざまな対策を実施している。そこで、今回0~19床に所属する会員医師1,000人に自院の患者満足度向上対策やその課題について聞いた。患者満足度向上の対策を行っているクリニックは6割弱 質問1で「自院で患者満足度を向上させる対策を実施しているか」(単回答)を聞いたところ、全体回答で「している」が58%、「していない」が42%と約6割弱のクリニックで患者満足度向上対策の実施を行っていた。年代別では、40代(66%)が1番多く実施し、60代以上(52%)で1番少なかった。 質問2で「実際に行った『診療に関する対策』」(複数回答)を聞いたところ、全体回答で「病状説明をわかりやすくする」(497人)、「急患への積極的な対応」(495人)、「予約制の実施」(430人)の順番で回答が多かった。 年代別では、20・30代では「急患への積極的な対応」、40代では「予約制の実施」、50代と60代以上では「病状説明をわかりやすくする」が1番多かった。目下の悩みは「人不足」、「患者満足度をはかる尺度がないこと」など 質問3で「実際に行った『診療以外の対策』」(複数回答)について聞いたところ、全体回答で実施していることは「自院サイト開設とこまめな更新」と「トイレなど診療室以外の清掃の徹底」(229人)が同順位で多く、次に「患者用の駐車場スペースの確保」(218人)が多かった。また、「していない」(380人)が全体数では1番多く、診療以外の対策は積極的にされていないことがわかった。そのほかの対策では「院内処方」や「カフェの開設」などの対策がされていた。 年代別では、20・30代、40代、50代では「自院サイト開設とこまめな更新」、60代以上では「トイレなど診療室以外の清掃の徹底」が実施項目で1番多かったが、「していない」が全年代を通じて1番多かった。 質問4で「満足度向上対策で苦労した・していること」(複数回答)について聞いたところ、全体で「とくにない」(398人)、「担当人員の不足」(193人)、同順位で「患者満足度をはかる尺度がない」「どの程度(期間や資金など)まで対策を講じればいいかわからない」(181人)の順で多かった。そのほかの項目では「ネットが使えない高齢者の問題」や「医師側の教育」などが課題として挙げられていた。 年代別では、全年代に共通して「とくにない」が1番多く、「患者満足度をはかる尺度がない」が次に共通して多かった。 質問5で「患者満足度対策に関連して印象深いこと・忘れられないことなど、エピソード」(自由回答)を聞いたところ以下のような回答が寄せられた(一部抜粋)。【実際に実施した/している患者満足度向上対策】・定期的なアンケート調査で患者意向を確認している〔小児科/50代〕・待合室での混み方で椅子の配置を変更した〔内科/50代〕・多くの患者さんは自身や家族のことなどの情報を話したがっているので、時間があれば傾聴する〔腎臓内科/70代〕・足に手が届かない高齢女性の足爪処置などはやってあげるとすごく喜ばれる。患者満足度向上には役立つ〔内科/60代〕【患者さんからの厳しい評価】・発熱外来で時間外や事前電話なしで来院する若い患者さんからGoogleの口コミで苦情を書かれる〔呼吸器内科/40代〕・身に覚えのないことで、口コミで低評価をつけられる〔皮膚科/50代〕【今後の課題】・待合室に病気に関する冊子やパンフレットを数種類置いても、来院者のほとんどが持っていかない〔内科/60代〕・長年通院し、良好な関係を保っていたと思っていた患者さんが突然他院に通院したりすると、何が不満だったのかわからなくなる〔内科/60代〕アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。医師1,000人アンケート クリニックの患者満足向上対策について

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アニメ「インサイド・ヘッド2」(その2)【なんで不安やうつは「ある」の?どうすれば?(病的感情)】Part 1

今回のキーワード不安うつ偏桃体パニック発作ストレス関連成長(SRG)思春期危機自己イメージの安定「蛙化現象」前回(その1)に、映画「インサイド・ヘッド2」を通して、社会的感情の機能とその起源を解き明かしました。とくに、不快感情である恥ずかしさと悔しさ、相対的な不快感情であるうらやましさとねたましさは、ストレス反応として積み重なると、不安やうつなどの病的感情に発展します。それでは、そもそもなぜ病的感情は「ある」のでしょうか? そして、とくに不安が「暴走」したら、どうなるのでしょうか?今回(その2)は、再びこのアニメ「インサイド・ヘッド2」に登場する「大人の感情」のキャラクターから、この病的感情の機能とリスクを解き明かします。そして、より良い感情との付き合い方を一緒に考えてみましょう。病的感情の機能とは?それではまず、残りの2つの「大人の感情」のキャラクターの特徴を通して、病的感情の機能をまとめてみましょう。(1)シンパイ―不安シンパイは、細見でオレンジ色。大きな口をワナワナさせ、頭のてっぺんに伸びた傷んだ髪の毛は、すり減った神経のようです。シンパイは、「目に見える危険なものから守る」のが基本感情のビビリであると説明し、「(それに対して)私の役割は、まだ見えてない危険なものから守ること。未来を考えて計画を立てる」と自己紹介します。確かに、細見の体格はビビリと似ています。シンパイは「良くないことが起きた時のために、心の準備をしとかなきゃいけないの」と言います。1つ目の病的感情は、「心配性」「神経質」とも言い換えられる、不安です。たとえば、シンパイは、ライリーをヴァルたちと仲良くさせるために、逆にもともと仲良しだった2人を遠ざけます(回避)。試合で認められるために、朝練で同じシュートの練習を繰り返させます(強迫)。また、ヴァルたちに気に入られるために、好かれそうな曲やバンドの名前を思い出させようとします(同調)。このように、不安は、身を守り、地位(縄張り)を守り、周りに合わせる働きがあります。これが、不安の心理の機能です。不安は、感情でありながら、認知(思考)面にも大きな影響を与えていることがわかります。だからこそ、シンパイは「大人の感情」のキャラクターたちを率いているのです。なお、不安の起源の詳細については、関連記事1をご覧ください。(2)ダリィ―うつダリィは、くすんだブルーグレイ。けだるい様子で、いつもソファに寝転がり、だらだらスマホをいじっています。最初はこのキャラクターの役割がはっきりしません。もう1つの病的感情は、「無気力」「倦怠感」とも言い換えられる、うつです。たとえば、その後、ヴァルたちに気に入られるために、幼稚だと思われたバンドをライリーにわざと「大大だーい好き」と皮肉っぽく言わせます(マイナス思考)。そして、その1で説明した社会的感情である、さげすみを掛け持ちしているとも言えます。また、親の前では、ライリーを不機嫌でだるそうにさせます(反抗)。さらに、今回の映画では描かれていませんでしたが、一番の役割は、がんばりすぎたあとに脳を一定期間休ませることです。そもそも本来は弱っているからこそ、消極的になり、マイナス思考に陥るのです。これらが、うつの心理の機能です。なお、うつの心理の起源の詳細については、関連記事2をご覧ください。実はシンパイとダリィは表裏一体映画では、シンパイとダリィの2つの「大人の感情」のキャラクターが病的感情として登場していました。確かに、精神医学的にも、不安とうつとして分類します。ただ、脳科学的には、これらは同じく、脳の中にある感情中枢(扁桃体)が、不快感情(ストレス)によって過活動になり、動悸などの自律神経を亢進させている状態です。例えるなら、不安は、朝に遅刻しそうになって、最寄り駅まで全速力で走っている時のような、「脳の爆走」です。一方、うつは、その途中で息が上がっていったん動けなくなっている時のような、「脳の息切れ」です。この時、同じく、脳内のある神経伝達物質(セロトニン)が働きにくくなっています。つまり、一見真逆に見えて、その根っこは同じである点で、シンパイ(不安)とダリィ(うつ)は表裏一体と言えるでしょう。次のページへ >>

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英語で「脳神経は正常です」は?【1分★医療英語】第149回

第149回 英語で「脳神経は正常です」は?《例文1》Although the patient presented with mild dizziness, her cranial nerves were grossly intact on initial evaluation.(患者は軽度のめまいの訴えがありましたが、初回の診察では脳神経の明らかな異常は見られませんでした)《例文2》The cranial nerves were not intact on neurological exam, as the patient showed facial asymmetry.(神経学的検査において、患者は顔面の非対称性を示したため、脳神経に異常が見られました)《解説》今回は脳神経に関する単語の解説です。救急外来などでは、身体検査で脳神経系を評価する場面がしばしばあるかと思います。「正常な脳神経所見」はどのように伝えればよいでしょうか。医療英語では、I~XIIの12の脳神経のことを“cranial nerve”と呼びます。副詞の“grossly”は単語としては「甚だしく/著しく」といった意味ですが、これを“intact”(=「損なわれていない/完全な」という意味の形容詞)と組み合わせて“grossly intact”とすると、「(脳神経が)異常なし/正常である」という意味になります。この“grossly intact”は“Cranial nerves are (were) grossly intact.”(脳神経所見は正常です)というお決まりのフレーズとして、カルテでも口頭のプレゼンでも頻用されます。ただ、“grossly”という単語は基本的に脳神経所見に限って使われる単語であり、ほかの身体所見ではあまり使われないので注意してください。なぜ脳神経のみがこの表現なのかは明らかではないのですが、米国の医療現場で広く使われているのでそのまま覚えてしまいましょう。一方、“intact”のほうは、ほかの部位の正常所見を示す際にも使われます。直訳すれば、“physically and functionally complete.”(身体的、機能的に完璧である)という意味になりますが、実際にカルテに記載されている例を挙げると、“Skin is moist and intact.”(皮膚は湿潤、損傷なし)や、“Extraocular movements is intact.”(眼球運動は正常)といった使われ方をしています。講師紹介

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小児のPTSDに対する心理療法でトラウマの影響が軽減

 小児および青年における心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対するトラウマ関連のネガティブな影響の評価の重要性が、これまでの研究で示唆されている。PTSDの認知モデルでは、治療メカニズムがこれらの評価の軽減に有用であるといわれている。英国・イースト・アングリア大学のCharlotte Smith氏らは、PTSDに対する心理療法が、小児および青年のトラウマ関連のネガティブな評価をどの程度軽減するかを調査するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Behaviour Research and Therapy誌2024年11月号の報告。 2022年12月11〜12日に、4つのデータベース(PsycINFO、Medline Complete、CINAHL Complete、PTSDpubs)より検索を行った。バイアスリスクを評価するため、ROB-2評価ツールを用いた。 主な結果は以下のとおり。・本レビューには、13研究、小児および青年937例を含めた。・ランダム効果モデルを用いたメタ解析では、現在の治療法がトラウマ関連の評価に及ぼす影響は、統合エフェクトサイズが中程度であることが示唆された(g=−0.67、95%信頼区間:−0.86〜−0.48)。・研究間の異質性は中程度であり(I2=44.4%)、これらの結果を解釈するうえで、信頼性は向上した。 著者らは「レビューに含まれた試験のすべてが、バイアスリスクが低いと分類されなかったことに留意する必要はあるが、本結果は、小児および青年のPTSDに対する心理療法は、トラウマ関連のネガティブな評価を有意に軽減することを示唆している」としている。

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特異的IgE検査【日常診療アップグレード】第13回

特異的IgE検査問題32歳男性。食物アレルギーの検査を希望して来院した。3年前にサバを食べて皮疹が出たことがある。その後はサバを食べても皮疹が出ることはない。既往に特記すべきことなし。現在、内服している薬はない。この患者に特異的IgE検査(小麦、卵白、ソバ、マグロ、サバ、エビ、カニ、牛肉、キウイ、スギなど39アレルゲン)をオーダーした。

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