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新たな選択肢か?!「抗精神病薬+COX-2阻害薬」自閉症の治療 

 社会性やコミュニケーション能力に問題が生じる発達障害の一種である自閉症。日本の推定患者数は36万人ともいわれている。自閉症の発症メカニズムは明らかになっていないが、炎症性の反応異常と関係していると考えられている。Asadabadi氏らは自閉症患者に対するCOX-2阻害薬であるセレコキシブの使用が、補助療法として有用であるかをランダム化二重盲検プラセボ対照試験にて検討した。Psychopharmacology (Berl)誌オンライン版2012年7月11日号の報告。 小児の外来自閉症患者40例を対象にプラセボ群(リスペリドン+プラセボ投与)とセレコキシブ群(リスペリドン+セレコキシブ投与)に無作為に割り付け、10週間の治療を行った。リスペリドンは3mg/日、セレコキシブは300mg/日を投与した。主要評価項目は異常行動チェックリスト(ABC-C)のサブスケールのうち興奮の変化とした。ABC-Cスケールは試験開始前および2、4、6、10週目に測定した。主な結果は以下のとおり。・各サブスケールにおける時間と治療の相互作用は、興奮(F[1.658、63.021]=13.580、 p

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5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン 7月20日より販売開始

MSD株式会社は13日、5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン「ロタテック内用液」(以下「ロタテック」)の販売を、7月20日より開始すると発表した。ロタテックは、ロタウイルスの感染によって引き起こされる乳幼児のロタウイルス胃腸炎を予防する5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン。ロタウイルスには多くの血清型があると報告されているが、そのうちG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]およびG9P[8]の5種類の血清型の組み合わせで、ロタウイルス胃腸炎の原因の約90%を占めている。ロタテックは、G1、G2、G3、G4およびP1A[8]型の5つの血清型のロタウイルス株を含む5価のワクチンであり、G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]およびG9P[8]に起因するロタウイルス胃腸炎に対して予防効果が示唆されている。また、疫学研究において、ロタウイルスに複数回感染することで、ロタウイルス胃腸炎に対する自然免疫をより高く獲得することも報告されている。その研究結果から、ロタテックは3回接種のロタウイルスワクチンとして開発されたという。ロタテックは、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.によって開発され、2005年にメキシコで承認されて以来、2012年3月時点で、世界107の国と地域で承認されている。日本では、2012年1月18日に厚生労働省より製造販売承認を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2012/Pages/product_news_0713.aspx

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HIV母子感染、抗レトロウイルス薬28週治療が有効:BAN試験

授乳に代わる安全な育児法がない環境においては、HIVに感染した母親あるいは未感染乳児に対する28週の抗レトロウイルス薬予防治療により、乳児へのHIV感染が減少することが、米国疾病対策予防センター(CDC)のDenise J Jamieson氏らの検討で示された。HIVの母子感染は世界的に減少傾向にあるが、医療資源が乏しい地域では解決すべき課題とされる。WHOは、医療資源が限られ、授乳に代わる安全な育児法がない環境では、授乳期間中は母親あるいは乳児のいずれかに対する抗レトロウイルス薬の予防投与を推奨している。Lancet誌2012年6月30日号(オンライン版2012年4月26日号)掲載の報告。母親あるいは乳児に対する予防治療の有効性を無作為化試験で評価BAN(Breastfeeding、 Antiretrovirals、 and Nutrition)試験は、HIV感染母親から子どもへの感染予防における母親あるいは乳児に対する抗レトロウイルス薬の28週投与の有効性を検討する無作為化対照比較試験。2004年4月21日~2010年6月28日まで、アフリカ南東部の国マラウイの首都リロングウェ市で実施された。HIVに感染し、CD4陽性リンパ球細胞数≧250個/1μLの授乳期の母親2,369人とその乳児を対象とし、3つのレジメンのいずれかに無作為に割り付けた。すべての母親と乳児に、ネビラピン(商品名:ビラミューン)(母親:200mg/kg、乳児:2mg/kg)を1回経口投与し、ジドブジン(商品名:レトロビル)(母親:300mg/kg、乳児:2mg/kg)+ラミブジン(商品名:エピビル)(母親:150mg/kg、乳児:4mg/kg)の合剤(母親は錠剤、乳児はシロップ)を1日2回、7日間投与した。対照群(668人)にはこれ以上の治療は行わなかった。母親に対する抗レトロウイルス薬3剤併用療法群(849人)には、ジドブジン+ラミブジン合剤(商品名:コンビビル)を28週投与し、ネビラピンは出産後最初の2週は1日1回、15日~28週は1日2回投与した。乳児に対するネビラピン療法群(852人)は、出生後最初の2週は10mg/kgを、3~18週は20mg/kgを、19~28週は30mg/kgをそれぞれ1日1回投与した。なお、ネビラピンは、その肝毒性に関するFDA勧告に基づき、2005年2月以降はネルフィナビル(商品名:ビラセプト)に、2006年2月以降はロピナビル+リトナビル合剤(商品名:カレトラ)に変更した。母親には産後24~28週の離乳が推奨された。治療割り付け情報は、現地の医療従事者と患者には知らされたが、それ以外の研究者にはマスクされた。主要評価項目は48週時の乳児のHIV感染とした。48週乳児HIV感染率:対照群7%、母親3剤併用群4%、乳児ネビラピン群4%母親3剤併用群の676組、乳児ネビラピン群の680組、対照群の542組が、48週のフォローアップを完遂した。産後28週以降は授乳を中止した母親は2つの介入群を合わせ96%、対照群は88%だった。生後2~48週の間にHIVに感染した乳児は、母親3剤併用群が30人、乳児ネビラピン群が25人、対照群は38人で、そのうち28人(30%)は28週の治療終了以降に感染していた(それぞれ9人、13人、6人)。48週までの乳児HIV感染リスクは、対照群の7%に比し、母親3剤併用群が4%(p=0.0273)、乳児ネビラピン群も4%(p=0.0027)と、いずれも有意に良好だった。乳児における重篤な有害事象の頻度は、治療期間中よりも治療終了後(29~48週)のほうが有意に高く(1.1件/100人・週 vs 0.7件/100人・週、p<0.0001)、下痢、マラリア、発育不良、結核、死亡のリスクが高かった。産後2~48週の間に9人の母親が死亡した(母親3剤併用群:1人、乳児ネビラピン群:2人、対照群:6人)。著者は、「医療資源が限られ、授乳に代わる安全な育児法がない環境では、母親あるいは乳児に対する抗レトロウイルス薬の28週予防投与により乳児のHIV感染が減少するが、6ヵ月での離乳は乳児の罹病率を増加させる可能性がある」と結論している。なお、WHOは現在、本試験を含む知見に基づき、授乳期12ヵ月間の抗レトロウイルス薬予防治療を推奨しているという。(菅野守:医学ライター)

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新生児パルスオキシメトリー検査、先天性心疾患のスクリーニング法として有用

重度先天性心疾患の検出法として、新生児に対するパルスオキシメトリー法は高い特異度と中等度の感度を有し、普遍的なスクリーニング法の適格基準を満たすことが、英国ロンドン大学クイーン・メアリー校のShakila Thangaratinam氏らの検討で示された。先天性心疾患は他の先天性異常に比べ死亡率が高く、先天性異常による死亡の最大40%、乳児死亡の3~7.5%を占めるとされるが、手術によって予後は大きく改善するため早期発見が重要だという。新生児スクリーニングは早期発見の一助となる可能性があり、パルスオキシメトリー法が有望視されている。Lancet誌2012年6月30日号(オンライン版2012年5月2日号)掲載の報告。パルスオキシメトリーの有用性をメタ解析で評価研究グループは、無症状の新生児における重度先天性心疾患のスクリーニング法としてのパルスオキシメトリー法の有用性を評価するために、系統的なレビューおよびメタ解析を行った。Medline(1951~2011年)、Embase(1974~2011年)、Cochrane Library(2011年)、Scisearch(1974~2011年)を検索し、無症状新生児における重度先天性心疾患のスクリーニング法としてのパルスオキシメトリー法の正確度(accuracy)を評価した試験を抽出した。2名の研究者が別個に、事前に定義された適格基準(患者集団、検定法、アウトカム)を満たす試験を選定した。個々の試験の感度、特異度およびそれぞれの95%信頼区間(CI)を算出した。階層的受信者動作特性(ROC)曲線を適用し、ランダム効果モデルを用いて全試験の感度、特異度の推定値を算定した。感度76.5%、特異度99.9%、偽陽性率0.14%13試験(新生児22万9,421人)が解析の対象となった。重度先天性心疾患の検出におけるパルスオキシメトリー法の全体の感度は76.5%(95%CI:67.7~83.5%)、特異度は99.9%(同:99.7~99.9)で、偽陽性率は0.14%(同:0.06~0.33)であった。偽陽性率は、パルスオキシメトリー法を出生から24時間以内に施行した場合に比べ、24時間以降に施行したほうが低かった(0.05%[95%CI:0.02~0.12] vs 0.50%[同:0.29~0.86]、p=0.0017)。著者は、「パルスオキシメトリー法は、重度先天性心疾患の検出法として高い特異度と中等度の感度を有し、普遍的なスクリーニング法の適格基準を満たす」と結論し、「この感度は、出生前診断などに基づく現行の戦略よりも高い。本試験の知見は、一般診療へのパルスオキシメトリー法導入の高度なエビデンスである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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EMAが抗てんかん剤「Zonegran」小児適応に関する追加申請を受理

エーザイ株式会社は3日、英国子会社であるエーザイ・ヨーロッパ・リミテッドが提出していた、抗てんかん剤「Zonegran」(一般名:ゾニサミド)に関する、小児適応の追加申請について欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)に受理されたと発表した。同社は今回の申請によって、すでに承認されている部分発作(二次性全般化発作を含む)の適応の対象を、従来の成人てんかん患者から、6歳以上の小児患者まで拡大することを目指すという。Zonegran剤は、大日本製薬(現、大日本住友製薬)が創製した抗てんかん剤。欧州では当社が開発を行い、2005年3月に成人部分てんかん(二次性全般化発作を含む)の併用療法として承認を取得した。また、2012年6月27日には、新規に診断された同適応症に対する単剤療法としての適応を取得している。今回の申請に用いられた小児てんかんを対象とした第III相試験(312試験)は、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験として、1~2種類の抗てんかん薬での治療歴を持つ部分発作を有する6~17才の小児てんかん患者様207名を対象として実施された。ゾニサミドはプラセボと比較して、有意に高い発作頻度減少率(発作頻度が50%以上減少した症例の割合)を示したという。全有害事象の発生率は、ゾニサミド投与群とプラセボ投与群とでほぼ同じであり、同試験においてプラセボ投与群に比してゾニサミド投与群でより多く報告された有害事象は、食欲減退、体重減少、眠気、嘔吐および下痢であったとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.eisai.co.jp/news/news201240.html

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BDI-IIのカットオフ値で増加する青年期うつ病を早期発見

 近年、わが国におけるうつ病患者数は増加の一途をたどっている。とくに、青年期のうつ病が増えており、日本人の青年は諸外国と比較しうつ病になりやすいとも言われている。うつ病の評価尺度としてベック抑うつ評価尺度(BDI)が汎用されているが、青年期のうつ病の早期発見に有効かどうかは明らかになっていない。Pietsch氏らはBDI-Second Edition(BDI-II)やBDI -Fast Screen(BDI-FS)が青年期うつ病の早期発見に有効かどうかについて検討を行った。Psychother Psychosom Med Psycholオンライン版2012年6月21日付の報告。BDI-IIとBDI-FS(7項目)のカットオフ値を提示した 小児科および小児外科クリニックを受診している13~16歳の患者314例のうち5.7%が小児の心理状態診断検査(Kinder-DIPS )にて大うつ病であった。ROC曲線 により、ACUや最適なカットオフ値を算出した。 BDI-IIやBDI-FSが青年期のうつ病の早期発見に有効かどうか検討した主な結果は以下のとおり。・BDI-IIの有用性が示された(AUC=0.93、感受性:0.86、特異性:0.93、最適なカットオフ値:19以上)。・BDI-FSの有用性についてもBDI-IIと有意差は認められなかった (AUC=0.92、感受性:0.81、特異性:0.90)。・小児医療における青年期うつ病の早期発見のために、初めてドイツ版BDI-IIとBDI-FS(7項目)のカットオフ値を提示した。

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亜鉛追加、乳児の重症細菌感染症に有効

重症細菌感染症が疑われる生後7~120日の乳児に対し、標準抗菌薬治療の補助療法として亜鉛を追加投与すると、治療不成功リスクが低減する可能性があることが、全インド医科学研究所(AIIMS)のShinjini Bhatnagar氏らの検討で明らかとなった。重症細菌感染症は開発途上国の乳児期早期の主要な死因である。標準的な抗菌薬治療に安価で入手しやすい介入法を追加することで、乳児死亡率の抑制が可能と考えられている。Lancet誌2012年6月2日号(オンライン版2012年3月31日号)掲載の報告。亜鉛追加の有効性をプラセボ対照無作為化試験で評価研究グループは、重症細菌感染症の可能性がある乳児に対する抗菌薬治療の補助療法としての亜鉛の有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。2005年7月6日~2008年12月3日まで、インド・ニューデリー市の3つの病院に、重症細菌感染症が疑われる生後7~120日の乳児が登録された。これらの患児が、登録時の低体重や下痢の有無で層別化した上で、標準抗菌薬治療に加えて亜鉛10mgあるいはプラセボを毎日経口投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は治療不成功率(割り付けから7日以内の抗菌薬の変更を要する病態、21日以内の集中治療[人工呼吸器装着もしくは血管作動薬投与]を要する病態あるいは死亡)とした。治療不成功率:10% vs 17%352例が亜鉛追加群に、348例がプラセボ群に割り付けられ、それぞれ332例、323例が評価可能だった。治療不成功率は、プラセボ群の17%(55/323例)に対し、亜鉛追加群は10%(34/332例)と有意に少なかった[相対リスク低下率:40%、95%信頼区間(CI):10~60%、p=0.0113、絶対リスク低下率:6.8%、95%CI:1.5~12.0、p=0.0111)。治療不成功を1例回避するのに要する治療例数は15例(95%CI:8~67)であった。死亡例は亜鉛追加群が10例で、プラセボ群は17例と、有意な差はなかったものの亜鉛追加群で低下する傾向を認めた(相対リスク:0.57、0.27~1.23、p=0.15)。著者は、「生後60日までの乳児に限ってもベネフィットが確認された。回復、体重増加、完全経口摂食までの期間には影響はなかった。亜鉛は、標準抗菌薬治療の補助療法として、重症細菌感染症が疑われる生後7~120日の乳児の治療不成功リスクを低減する可能性がある」と結論し、「亜鉛はすでに一般的に使用可能で、多くの低~中所得国で急性下痢の治療薬として市販されており、重症細菌感染疑いの乳児への介入に使用しても医療コストの増分はわずかだ」と指摘している。

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新生児脳症に対する低体温療法後の長期アウトカム

新生児脳症に対する低体温療法の有効性に関する無作為化試験の長期アウトカムが報告された。6~7歳時点における死亡またはIQスコア70未満の複合エンドポイント発生率は、通常治療群より全身低体温療法群のほうが低かったものの、有意差は認められなかったという。ただし、低体温療法群のほうが死亡率が低く、生存例における重度障害の発生率の増大は認められなかった。米国・ミシガン小児病院のSeetha Shankaran氏らによる本検討は、これまでに18~22ヵ月時点での早期報告が行われており、その時点では死亡率および中等度~重度障害発生の有意な低下が示されていた。NEJM誌2012年5月31日号掲載報告より。通常治療群と低体温療法群で諸機能の長期アウトカムを評価研究グループは、中等度~重度の脳障害を有する新生児を、通常治療(対照群)または食道温度33.5°Cで72時間全身冷却後、緩徐に復温する治療(低体温療法群)に割り付け追跡した。6~7歳となった参加者について、認知機能、注意・遂行機能、視空間機能、神経学的アウトカム、身体的・心理社会的健康度を評価した。主要評価項目は、死亡またはIQスコア70以下とした。今回の解析では208例の試験参加者のうち、190例で主要評価項目データが入手利用できた。死亡またはIQスコア70以下、低体温療法群47%、対照群62%、P=0.06死亡またはIQスコア70以下は、低体温療法群は93例のうち46例(47%)、対照群は97例の58例(62%)でみられた(P=0.06)。死亡はそれぞれ27例(28%)と41例(44%)で(P=0.04)、死亡または重度障害はそれぞれ38例(41%)と53例(60%)だった(P=0.03)。生存小児は122例(低体温療法群70例、対照群52例)で、その他の転帰データが得られた。このうち、中等度~重度障害がみられたのは、低体温療法群69例中24例(35%)、対照群50例中19例(38%)だった(P=0.87)。また、注意・遂行機能障害はそれぞれ4%と13%で(P=0.19)、視空間機能障害は4%と3%でみられた(P=0.80)。

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福島の医療現場から見えてきたもの

南相馬市立総合病院 神経内科小鷹 昌明 2012年6月2日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 2012年3月5日の福島県は、朝から雪だった。震災から1年が経とうとするこの日は、私が大学病院・准教授を退職してから初めて勤務する、市立病院への挨拶の日であった。私は郡山市のホテルから、浜通りまでの足をどう確保したらいいかを考えあぐねていた。病院事務に電話で尋ねたところ、「福島駅までは新幹線で行き、そこからタクシーを利用すればいい」との返答であった。関東の人間から見れば、「まさか」と思うような積雪量であったが、指示された方法は当たり前の交通手段だった。飯舘村を横切る阿武隈山中の県道は除雪されており、事務職員の言うように簡単に往訪を果たした。雪は小雨に変わり、降りしきる南相馬市の街並みは寒々しく、寂しかった。タクシー運転手と昼食を求めてレストランを探したが、オープンしている店はココスだけであった。のっけから不安を感じたが、病院の復興を願う院長・副院長の言葉は熱く、帰り際には事務職員一同が、立ってお辞儀をしてくれた。南相馬市の医療現場に行くことを打ち明けた数少ない知人の中で、私が福島県人からいただいた言葉は、『大学の現場の第一線で活躍されてきた先生が、被災地の医療機関にやって来てくれるということ、そのこと自体が“復興”であると感じました。今の福島には、先生のような明るさと勢い(すみません!)がとっても必要です。私は、「決意して来ました」と熱く語られる人の言うことよりも、「いや~、勢いだけで来ちゃって、やっちゃたかなぁ」と、笑って理由を話してくださった先生がとても好きになりました』という内容だった。正直、虚勢を張った部分もあるにはあったが、自分は期待され、注目され、勇気づけられた。これまでも何度か述べてきたように、私は、「より必要とされる現場に赴く」というシンプルな考察結果を得たので、この地を訪れたのだが、その一言がとても嬉しくて、嬉しくて、自分はこの土地でやっていけると思った。4月から本格的な勤務が始まった。そこには、一般診療科に混じって総合診療科や在宅診療科などが立ち上がっていた。14人いた常勤医は震災直後に一時期4人に減ったが、産婦人科医や小児科医が戻り、外科医も新たに加わり、現在15人に増えていた。いろいろなキャリアを積んだ医師が、いろいろな立場と役割とで、いろいろな働き方で働いていた。自分のやりたい理想の地域医療の実践を求めて、文字通り奮闘していた。それが実に快活というか、風通しが良いというか、気兼ねのない伸び伸びした雰囲気を感じた。意外にも、先輩医師の配慮からか、私の技術がすぐに求められるという状態ではなかった。すでに、非常勤にしろ、ボランティアにしろ、多くの医療者の支援が入っていた。私の診療すべき患者が外来に溢れているという状態では、けっしてなかった。ただ、半数近くの医師は、月単位、あるいは1年程度で移動していく派遣医師であった。もちろん、そうした応援はありがたいことではあったであろうが、短期的な支援しかできない医師では、患者の、延いては市民の信頼も定着していかないのではないか。慣れてきた頃に撤退しなければならないという、とても効率の悪い、綱渡り的な診療体制が続いていた。「今度新しく来た先生ですね。でも、また半年くらいで交代ですか」というような質問を、数人の患者から受けた。この病院で完結するような標準医療を提供するには、人の手はまだまだ足りなかった。隠さずに言うならば、医局でもっとも忙しそうで目立っている人は、それらの応援医師を束ね、もてなすとともに管理しなければならない、元気な“医局秘書”であった(秘書は仮設住宅にお住まいだった)。就任して1ヵ月、私は秘書より早く出勤することも、遅く帰宅することもなかった。南相馬市では、7万1千人いた人口が震災後に1万人にまで減少したが、現在4万6千人(3月末)に回復している。しかし、65歳以上の高齢者がそのうちの3割強を占め、仮設や借り上げ住宅での生活者は、合わせて2割にのぼる。被災地の中でも、原発問題を抱えるこの浜通りの疎外感は、おそらく特異的なものなのではないか。とにかく子供がいない。日曜日なのに公園に人がいない。だから、非常に静かであり、老人も、孫の“おもり”をする必要がない。高齢者は家に閉じ籠もりがちになり、支援の手が届かなければ、やがて“孤立死”が多発することは目に見えている。高齢化が加速度的に進行するこの地域の医療をどうしていけばいいのか。きれい事を言うならば、放射線被曝の低減は当たり前で、それに加えて雇用の確保、生活インフラの整備、教育、医療、福祉の充実、そして、文化的な暮らしを推進していかなければならない。経済や産業の停滞と、生活や文化の低下したこの土地に人が流入しないとしたら、市民は市民の力で支え合っていくしかない。現地でヘルパーを養成するとか、ケア・マネや介護士資格のある人に復帰してもらうとか、保健師にもっと権限を持たせるとか、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)をどんどん推進するとか、治療食をデリバリーするとか、NPOに業務を委託するとか、診療のサポートをすることはもちろんだが、職種を越えた“地域連携医療ネットワーク”の構築が急務だと感じた。南相馬市には、離散してどこでどうしているか分からない人たちが、まだまだたくさんいる。医療の提供側においても、子供を持つ母親の多くがこの土地を離れ、今では、医師よりも看護師や介護士不足の方が深刻である。このため市立病院では、4病棟のうち1病棟が稼働できないでいる。原発事故を契機に転院を余儀なくされた難病患者の多くも、病床不足で市内に戻れない。市に残った神経難病患者に、「もっとも厳しい状況は何か?」を尋ねてみた。「震災前は、デイ・ケアやショート・ステイを利用することができたが、他の土地でも働けるような健康な人たちがバラバラになってしまったので、福祉や介護を支える人が減ってしまった。これまでのサービスを受けられないので、家にいるしかない。しかし、その分、妻に大きな負担を強いてしまっていることが何より辛い」と話されていた。原発に対してストレートな怒りをぶつけるような人は、もうあまりいないし、津波被害の落胆を語る人も、それほど多くはない。そういう意味では、震災後のことを尋ねても、住人の気持ちはさまざまである。「もう、悲惨な過去ばかりを強調するのではなく、復興と再生なのではないか」という風潮と、「まだまだ多くの爪痕を残し、暗く沈んだ空気のままだ」という雰囲気とが交錯している。「復興に向けてがんばろう」と思っている人と、「なるようにしかならない」と思っている人とで、二分されているような気がする。つまり、「結構熱いが、肩の力は完全に抜けている」、そんな印象である。浜通りの人々にとっての海や大地というのは、単なる労働用地でも、物的資源でも、固定資産でもない。自分たちとは分離することのできない恵みや悦びの場であり、いわば共同のエリアである。そんな拠り所を奪われた人々の気持ちとは、一体どういうものなのか。自分の人生の再建に対して逡巡し、思案し、葛藤しているのが、今のこの土地における偽りのない、人々の姿なのではないか。「仮設は3年くらいしか住めない。土台作りもいい加減だからいつまでも住めるはずがない。東電の補償もいつまで続くか分からない。帰れるのか、それともここに新しい街を作るのか。それにしても、一体何が新しい生活なのだろうか?」という自問や、「飲んで食って寝るだけだから、楽と言えば楽だ」、「ここに居るしかないのだから諦めているというか、他に行くところもないから家に閉じ籠もっている」、「パチンコと散歩くらいしかやることないな」と打ち明けている住民に対して、何を届けていったらいいのか。「一夜にして解決できる」と凄んでいる説明や、「被災地に行ったら逆に励まされた」というような紋切り型の感動は、もう薄っぺらな言説にしか思えない。現状を目の当たりして、私は考えを是正せざるを得なかった。「何かを始めたい」と意気込んでは来たものの、“医療復興”というのは、システムを創造したり、パラダイムを変換したりすることではなかった。むしろ丁寧に修繕するとか、再度緻密化するとか、改めて体系化するとか、有機的に規模を拡大するとか、人を集めてそれらを繋ぐとか、そういうことが医療の復興であった。震災から1年が経過したこれからの時期は、言ってみれば救急処置を済ませた後の長い長いリハビリ期間である。“丸ごと刷新”とか、“そっくり改正”いうのではなく、手厚く手直しをしていくことである。復元とか修正とか補正とか綻びを繕うとか、そういうことである。だから私は、そういう場面を捉えたいと思っているし、データで示されないような事実を文章にして伝えたいのだが、そういうことは学術と一線を画する作業であり、学者からは一蹴されるに決まっている。医療の相手は一般の人々であるはずなのに、日本の医学界の中枢にいる人たちの対象は、やはり医師仲間であり、そんな仕事は間違ってもしない。であるからして、私のような医療の周辺にいる人間が言葉を置き換えて、分かりやすい事例を添えて“別の角度から見た医療”を、一般の方に説明しなければならない。そのためにも、直向(ひたむき)に自分というものを手がかりに思索し、自身の感じる違和を大切に、他者と向き合っていくつもりである。市立病院で展開されるであろう医療の現実を伝えていきたい。これが、私が福島に来たもうひとつの理由なのかもしれない。人が人に冷たくなれるのは、その土地に対して人間の出入りが多いときである。流動的な世界では、じっくり人間関係を組み立てることができない。「若い無知な人をじっくり育てる」とか、「老いた非力な人をゆっくり見守る」とか、あるいはまた、「傾いた商店を長い付き合いだから応援する」とか、「地元の特産品や伝統工芸を守ろう」とかいう気にならない。他人のために何かをするということは、想像するほど簡単なことではない。「人間は、自分で体験したことでないと分からない」と、つぶやいていた患者の言葉が引っ掛かる。支援者というのは、時として、当事者を置いてきぼりにして、自分が主役になろうとすることがある。だから、こういう状勢のときは、駆け回って何かをするのもいいが、本当はゆっくり話しを聞くところから始めなければならない。兎にも角にもゆっくり訴えを聞く。聞いて、見て、感じることである。そうした診療はとても地味な作業であり、根気が要る。あまりにも地味なので、「何もしていない」と思われるかもしれないが、新参者の私にできることは、結局、当面、取り敢えずは、人を好きになることぐらいしかなかった。『from FUKUSHIMA to our future』というようなニュアンスの言葉を、どこかしこで聞く。新しい生活に対して、「だいぶ落ち着いてきた」という声も確かに聞く。しかし、それは、やむを得ない選択肢の中での落ち着きであって、低位水準での安定であった。現実には、その土地に居るものにしか分からない、さまざまな葛藤が繰り広げられるであろう。昨年の夏に来たときよりも街の灯りは増えた。ココス以外にも、たくさん飲食店はあった。初めて暮らす潮風の街にも慣れつつある。そして、何よりも小雨の日でも寂しくなくなってきた。生活を立ち上げたばかりではあるが、何とかがんばれそうだ。この市立病院は、市民にとっての最後の砦であり、終着駅でもあった。そして、復興の拠点であり、シンボルであった。かろうじて津波の難を逃れた、市内でもっとも高い7階建てのこの巨塔は、医師4人、患者0人から奇跡的にも再建を果たしつつある。医療者たちの孤軍奮闘により、充分とはけっして言えないが、紛れもなく機能は保持されている。筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病など、進行するだけの疾患を扱う私のような神経内科医は、日々のメンテナンスの仕方を知っている。私は、己のそういう知識を応用して、この街の復興に役立てていくつもりである。

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10代うつ病患者の治療はファンタジーゲームで?

うつ病の認知行動療法のパソコン用ソフトとして開発された「SPARX(Smart, Positive, Active, Realistic, X-factor thoughts)」は、ファンタジーゲーム様式が特徴で、4~7週間にわたって提供される7つのモジュールを克服していくというものである。その治療効果について、ニュージーランド・オークランド大学のSally N Merry氏らによる12~19歳のティーンエイジャーを対象とした多施設無作為化非劣性試験の結果、プライマリ・ケアにおいて対面カウンセリングといった通常ケアの代替療法となり得るものであることが示された。Merry氏らは、「治療が必要にもかかわらず介入が行われていない患者を対象に適用していくことができるだろう」とまとめている。これまでパソコンソフトを活用した認知行動療法は成人についてはその効果が認められていたが、ティーンエイジャーにおける効果は明らかではなかった。BMJ誌2012年4月19日号より。12~19歳の187例をSPARX介入群と通常ケア群に無作為化試験は、ニュージーランドの24のプライマリなヘルスケア施設(小児科、一般診療所、学校のカウンセリング・サービス)で、うつ症状に対する支援を希望していて、自傷行為の重大リスクがなく、一般医が治療が必要と判断した12~19歳の187例を対象に、多施設無作為化非劣性試験を実施した。94例がSPARXを受ける群(平均年齢15.6歳、女性62.8%)に、93例は通常の治療を受ける群(平均年齢15.6歳、女性68.8%)に割り付けられた。通常ケア群には、訓練を受けたカウンセラーと臨床心理士が提供する対面カウンセリングが行われた。主要評価項目は、小児うつ病尺度改訂版(CDRS-R:children's depression rating scale-revised)スコアの変化とした。副次評価項目は、小児うつ病尺度改訂版、Reynoldのティーンエイジャーうつ病スケール第2版(Reynolds adolescent depression scale-second edition)、気分と感情質問票(mood and feelings questionnaire)、Spence小児不安スケール(SCAS:Spence children's anxiety scale)、小児用QOL・喜び・満足度質問票(paediatric quality of life enjoyment and satisfaction questionnaire)、小児用Kazdin絶望感測定尺度(Kazdin hopelessness scale for children)などの各スケールスコアの変化と、治療評価を含む全体的満足度を含めた。副次評価項目もすべてSPARX群の非劣性を支持170例(91%、SPARX群85例、通常ケア群85例)が介入後に評価を受け、168例(90%、83例、85例)が3ヵ月後のフォローアップ評価を受けた。パープロトコル解析(143例)の結果、SPARX群が通常ケア群に非劣性であることが示された。介入後、CDRS-R未処理スコアは、SPARX群で平均10.32の減少が認められた。通常ケア群では7.59の減少だった(群間差:2.73、95%信頼区間:-0.31~5.77、P=0.079)。寛解率は、SPARX群(31例、43.7%)が通常ケア群(19例、26.4%)より有意に高く(差17.3%、95%CI 1.6~31.8%)、P=0.030)、反応率はSPARX群(66.2%、47例)と通常ケア群(58.3%、42例)との間に有意差は認められなかった(格差:7.9%、95%信頼区間:-7.9~24%、P=0.332)。副次評価項目もすべて非劣性を支持するものであった。intention-to-treat解析はこれらの所見を確認し、得られた改善はフォローアップ後も維持された。介入に関連すると思われる有害事象の頻度も群間での差異は認められなかった(SPARX群11例、通常ケア群11例)。

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在宅医療、ご関心ありますか?

今回の「医師1,000人に聞きました」、テーマは “在宅医療”。厚生労働省の方針により、2012年度から在宅・介護への支援策が大幅に拡充されることとなりました。市町村ごとに連携拠点を設け、スタッフの人件費を補助するなど、将来的な死亡者数の増加に向けて対応を進めるとのこと。既に在宅専門で開業されている方、ご自身のクリニックや中核病院で部分的に携わっている方など様々かと思いますが、先生はいかがお考えでしょうか?ということで今回は、在宅医療に対する関心や不安要素についてお尋ね!厚労省や家族、その他関係者に期待することなど、多数寄せられたコメントも必見です。結果概要はこちらコメントはこちら設問詳細在宅医療に対する先生方のお考えについてお尋ねします。1月30日の日本経済新聞によると厚生労働省は2012年度から在宅での医療・介護への支援策を大幅に拡充する。医療と介護サービスを一体提供するための連携拠点を2000カ所設けるほか、深夜の往診などの報酬を上げ、医師らが積極的に取り組むように促す。(中略)厚労省は12年度、地域の在宅医療の核となる連携拠点を現在の10倍の約100に増やす。在宅医療に積極的な病院や診療所などを拠点に選定。ケアマネジャーの資格を持つ看護師など、医療と介護の両方に詳しいスタッフの人件費を補助する。日本の死亡者数は20年後に現在より約40万人多い160万人程度まで増える見込み。厚労省はそれまでに連携拠点を各市町村で1カ所以上、計2000程度まで増やす方針だ。当初は予算措置で後押しするが、徐々に地域の医療関係者が自律的に進めるよう診療報酬などで促す。日本は1950年ごろには8割超の人が自宅で最期を迎えていたが、現在は12.4%。欧米より低く、その分、平均入院日数が米国の5倍、ドイツの3倍と長い。在宅の医療・介護が充実すれば、高齢者らが退院して自宅へ戻りやすくなる。長期入院が減り、病床不足の解消にもつながる。がん患者の自宅療養に備え、抗がん剤の調剤に必要な無菌室を整備し、地域の薬局が共同利用できるようにする。(後略)』とのこと。そこで先生にお尋ねします。Q1. 在宅医療に対する関心度をお聞かせください。在宅専門医療を行なっている/今後行いたいご自身のクリニックにて、外来診療と並行で在宅医療を行なっている/今後行いたい地域の中核病院にて、在宅医療に携わっている/今後携わりたい自分自身の患者さんで必要に迫られた場合のみ行なっている/今後行いたい在宅医療に携わることは考えていない(.Q1で 「在宅医療に携わることは考えていない」を選択された先生以外)Q2. 在宅医療を行なう、あるいは今後始める上で、障害もしくは不安に感じることがありましたらお選び下さい。24時間365日での対応が可能かどうか提携先病院との関係構築総合的な診療を行うこと患者、患者家族とのコミュニケーション多職種間でのコミュニケーション経営・報酬ご自身の時間(余暇)が減る可能性その他(         )Q3. コメントをお願いします(診療報酬の次回改定へのご意見、厚労省・勤務施設・メディアほか関係各所に期待すること、不安に感じること、患者から要望されること、既に行なっている方はご自身のご経験など、在宅医療に関することであればどういったことでも結構です)アンケート結果Q1. 在宅医療に対する関心度をお聞かせください。(.Q1で 「在宅医療に携わることは考えていない」を選択された先生以外)Q2. 在宅医療を行なう、あるいは今後始める上で、障害もしくは不安に感じることがありましたらお選び下さい。2012年5月7日(月)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員結果概要『在宅医療に携わっている』『今後携わりたい』医師は全体の3割実施状況あるいは今後の意欲といった形で尋ねたところ、『在宅専門医療』で診療中あるいは実施したいとの回答は6.4%。在宅専門でなく外来診療と並行での形を希望する医師は、『自らのクリニック』10.4%、『地域の中核病院』14.0%となった。これらを合計した30.8%の医師が、現在在宅医療に携わっている、あるいは今後携わりたいと考えている結果となった。在宅医療を始める上での不安要素、最多は『24時間365日対応が可能かどうか』在宅医療に対し何らかの関心を持つ医師に、今後始める上で障害もしくは不安に感じることを尋ねたところ、74.5%の医師が『24時間365日対応』への不安を挙げた。次いで、患者急変時等に協力する『提携先病院との関係構築』47.0%、『自身の時間(余暇)が減る可能性』33.4%と続いた。24時間365日対応については、「複数の担当者で輪番できればかなりのことができる」といった意欲的な声も一部見られた。CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「付け焼き刃的な診療報酬改定では…。 本質的な問題として、医師の偏在や能力の検定、患者/患者家族及び、マスコミを含めた教育についての幅広い論議が必要であろう。 その内容として、実務担当している我々とすると、在宅で療養することは、先進的治療を行うことではなく、ケア中心の治療になるし、その過程で在宅での(想定内の)急変や看取りを行うことになる。今のように、何かあったらすぐに警察沙汰になる、マスコミの報道対象になる、といった風潮に対して、社会としてもっと成熟すべきである、といったことなど。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),50代,神経内科)「“在宅の医療・介護が充実すれば、高齢者らが退院して自宅へ戻りやすくなる”というのを、“高齢者がどこに住むのか”という都市計画から政府が組み上げて行かないと、抜本的な改革にならないし長続きしないと思う。」(勤務医(専門医志向),50代,外科)「複数の担当者で輪番するしかない!グループ化できればかなりなことができる。」(勤務医(総合医志向),60代,脳神経外科)「そもそも一人事業所で24時間対応などできません。在宅医療の前提がそうであるなら、現在可能な範囲でしている在宅診療から撤退するしかありません。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),50代,内科)「国が医療費削減を目指しているなら、方向性は間違っている。在宅医療には病院以上に費用がいるはず」(勤務医(専門医志向),40代,精神・神経科)「現在勤務している病院が在宅医療も行っています。しかし、日中の仕事であればよいのですが、夜間対応は本来の仕事に影響ありますので、控えさせていただきたいと思っています。 従って、夜間対応専門の医師に対する診療報酬を期待します。」(勤務医(専門医志向),50代,外科)「訪問診療の点数を上げられても、その点数で請求するとレセプトの平均点数が上がってしまい、厚生局の個別指導の対象となってしまう。また訪問診療は監査の対象となるため、事務処理が面倒である。点数は低くても事務的に楽な往診で請求しなければならない。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),50代,内科)「在宅死に関する、意識改革が無ければ、結局、病院での死から施設での死に代わるだけで、医療費負担が介護費負担に代わるだけになるのではと懸念を感じる」(勤務医(総合医志向),50代,外科)「24時間体制に対する報酬はしっかり考えてもらえないと踏みこめません。」(勤務医(今後開業を検討),40代,消化器科)「在宅メインで開業したいと考えているが、まだまだ報酬などの面で不透明なので、一抹の不安はある。」(勤務医(専門医志向),30代,救急医療科)「24時間対応するためのスタッフを雇用するための、継続した財政的支援をお願いしたい。」(勤務医(総合医志向),50代,内科)「診療報酬の少なさとコメディカルへの給与が不安」(勤務医(専門医志向),40代,外科)「かかりつけ医などのクリニックで診療する場合や、難病や重度障害者に対して拠点病院とかかりつけ医が協働する場合、さらに多職種が関わりカンファレンスを繰り返す場合などに、きめ細かく報酬を設定してもらいたい。」(勤務医(専門医志向),50代,神経内科)「名ばかりの在宅医療施設も多いと聞く。誠実にやっている医療機関の評価にも影響するので実績等の把握が必要。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),40代,消化器科)「現実に請求できるような点数設定にしてほしい。高額すぎると、地方では請求できない。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),50代,循環器科)「今でも不当に安い診療報酬しか付いていないので、まともに引き合うだけの報酬をつける気があるのかどうか、在宅診療が常態化、一般化しありがたみが薄れれば現れるであろうモンスターペイシェントなどが気がかりだ。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),40代,眼科)「報酬の欲しい開業医が手を挙げるだろうが、夜間、休日など自分が遊びたい時間は全部総合病院に丸投げするのが目に見えている。」(勤務医(専門医志向),40代,外科)「介護に携わる人に対する報酬が低すぎて、定着しないため、そうした方々の報酬体系を考えて頂きたい」(勤務医(今後開業を検討),40代,整形外科)「田舎の場合、訪問先どうしの距離が離れすぎていて移動時間ばかりかかって、採算が取れません。」(勤務医(総合医志向),30代,外科)「御家族の介護力が低下する中、在宅医療をフォローする地域の体制の整備が不十分なままで診療報酬による誘導がなされることはあるべき姿ではないと思われる。」(勤務医(総合医志向),40代,内科)「“病院にいるようなサービスは期待できないことを患者および家族に覚悟させる”覚悟が行政側にあるのか約束させるべき。 美辞麗句を並べて在宅を推進すると矛盾をすべて現場がかぶることになる。」(勤務医(総合医志向),50代,代謝・内分泌科)「在宅で看取るとおっしゃられていたご家族が急変時に混乱され方針を決定することの重要性を痛感した」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),50代,内科)「必要性は十分に認識しているが、設備の整った場所での診療にこだわりたいので、今は関心がありません。」(勤務医(総合医志向),50代,消化器科)「国の医療政策に関する説明を現場に丸投げせずに、患者及び国民に直接積極的な啓蒙をしてほしい。 ・実際に行った医療政策の検証結果およびその責任を明確に国民に示すべき。」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),40代,内科)「在宅診療をするには、その家まで行く時間が必要。それをどう効率化するか。また夜間専門の開業医・クリニックが合ってもいいかなと思います。」(勤務医(総合医志向),50代,精神・神経科)「急速な高齢化で、どんなに制度を充実させても、在宅で看ることができる家族がいる場合の方が少ないように感じます。現実には在宅医療ができる家族は少ないと思います。」(勤務医(専門医志向),50代,外科)「今後、団塊世代の高齢化を控え、病院だけで支えることは困難。在宅による医療の必要性を感じています。」(勤務医(今後開業を検討),30代,その他)「都市部と地方で同じシステムの構築は難しいと思うのですが…。」(勤務医(総合医志向),40代,内科)「在宅ケアは理想的ですが、痴呆・寝たきり状態の様な患者は、家族の犠牲が大きすぎる。高齢者の対する検査・治療の制限も必要」(勤務医(専門医志向),50代,泌尿器科)「在宅医療が輪番制など医師の個人負担の軽減が肝要」(勤務医(総合医志向),50代,呼吸器科)「個人経営の医院で24時間365日対応は不可能であり、結果、地域の病院に対応をお願いする事になってしまうと考えます。」(勤務医(専門医志向),40代,消化器科)「老人ホームが多くありますが、ナースがいても些細な事でも全て主治医に電話で指示を仰ぐような指導がなされているところも多いです。往診そのものよりも、書類の多さや電話対応などを減らすことができれば中身の濃い往診を多数こなせるのではと思います。」(勤務医(総合医志向),30代,内科)「自分は向いていないと思うが、在宅に携わってくださる先生が多い地域は中核病院としても非常に助かり、かつトラブルも少ない。ぜひ押し進めていただきたい。」(勤務医(専門医志向),40代,消化器科)「懸念事項 ・患者さんを自宅で看取るというご家族の覚悟が あるのか、 ・在宅医療への過度な期待はないか、 ・在宅医療に何を求めるのかをきちんと患者さん 側が見据えているか」(勤務医(今後開業を検討),50代,精神・神経科)「在宅は、家族、しかも、主に女性を介護という終わりの見えない苦行に向かわせるだけのものにすぎない。自宅で過ごせる幸いな高齢者がどれだけいるというのだろう。それを推進する意図が何であるのか、まったく理解できない。」(勤務医(専門医志向),30代,救急医療科)「中核病院が遠方の、田舎の診療所では、いやでも在宅医療を行わなくてはならない。」(開業医(訪問診療の実施を掲げている),60代,内科)「家族の意欲が最も重要で、自宅の物理的な状況、家族を支援する力が大事だと思います。 また、在宅での主役は本人のはずですが、実際には家族が気持ちよく介護できるかどうか、が最重要課題だと思いますので、家族が主役だろうと考えています。 その家族を引き立てるために、医師は縁の下で支える程度で良いのだろうと思います。」(勤務医(総合医志向),40代,リウマチ科)「可能な限り対応したいとは思っているが、現在でもほぼ自由な時間がないほど多忙なため、現実的に行えない。在宅対応の医師を雇わないと難しい」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),50代,泌尿器科)「結局連携体制とって協力しない方、施設も多く自分が他の 連携医の深夜帯の仕事をせざるを得ず、燃え尽きた経験があるので自分の出来る範囲でしている。」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),40代,内科)「何時呼ばれるかわからない状態での在宅診療を一人で行う事が不安です。夜もおちおち眠れません。日中は外来があります。」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),50代,外科)「1人の医師に責任が重いシステムなため、出来れば携わりたくない。」(勤務医(専門医志向),40代,精神・神経科)「環境整備がないと(交代制など)ないと疲弊するのでは?」(勤務医(専門医志向),40代,外科)「一人で365日は不可能。と言ってなかなか仲間は見つけられない。」(勤務医(専門医志向),60代,腎臓内科)「希望の無い仕事はしない」(勤務医(専門医志向),50代,皮膚科)「亡くなる人は増えるが、拠点の定員は満たされず、かえって医師不足が加速すると考える。」(勤務医(専門医志向),40代,精神・神経科)「在宅医療は時流だと思います。自宅で看取られたいのは、心情として理解できます。」(勤務医(総合医志向),40代,内科)「クリニックで行うときには、グループで夜間や休日の対応をシェアすることが不可欠と思う。また病院の場合、医師や看護師等は、複数で対応できるような人員確保が必要。」(勤務医(総合医志向),50代,小児科)「高齢者が多い中、家族の協力が得られないケースが多いように見受けられます。人任せ、といったところでしょうか?まず、家族が受け入れることのできる体制、あるいは、家族が受け入れてやっていくんだという体制を時間がかかってでも行わなければ、今のままでは医療体制は崩壊すると感じています。厚生省が動きだすのが遅すぎです!」(勤務医(総合医志向),30代,外科)「バス運転手には休みを取らせる義務があるのに、医者には休みを取らせないのか、国民も政府も矛盾を感じないのか。」(勤務医(総合医志向),50代,脳神経外科)「診療サイドには加算がついたけれども、在宅介護をする家族には解決しなければいけない多数の問題が残存している。この解決に乗りださなければ、根本的推進にはならない」(勤務医(総合医志向),50代,内科)「在宅での看取りを完遂することには、多くのハードルがあり、結局最後は病院に搬送されてくるケースが多い。往診医による見取りをぜひ進めていただきたい。また、これとは別に家族の受け入れが悪くなっている時代の流れがあり、なかなか在宅療養が進まないのが現実である。」(勤務医(今後開業を検討),50代,内科)「何かというと医療訴訟になってしまう昨今において、在宅でお看取りした後に、些細なことで訴えられてしまう可能性があるのではないか。」(勤務医(専門医志向),40代,代謝・内分泌科)「最新医療をやっていきたい」(勤務医(専門医志向),40代,循環器科)「金をかけずに(開業医等の善意に期待して)入院患者を減らそうという目論見で到底納得できない。満足の得られる医療を提供しようと思うのであれば、それ相当に金をかけるべき。」(勤務医(専門医志向),40代,小児科)「個人に負担がかからないか心配です。チーム医療の中で考えないと難しいと思います。」(勤務医(今後開業を検討),50代,呼吸器科)「受け入れ先の病院の確保が一番問題。受け入れ拒否することもあるので。」(開業医(外来のみ/外来に加えて必要に迫られた場合のみ往診),40代,内科)「今後、在宅医療は必要となることは必須であり、関わりたいとは考えますが、本院でも、医師不足が深刻であり、日常の診療にも支障が生じており、在宅医療を考えることすら、困難な状況です。」(勤務医(専門医志向),40代,消化器科)「自宅で臨終を迎えるようにするという方針は間違っていないと思うが、総合内科的な技量を持った医師を育てないと、患者家族への押し付けに終わってしまいそう。」(勤務医(総合医志向),40代,小児科)「24時間拘束のようになりはしないか、不安がある。」(勤務医(今後開業を検討),50代,内科)「重症心身障害児(者)医療を行っている。在宅重症心身障害児(者)のケアをやらねばと考えてはいるが、医師数・ナース数からして無理であり、悩んでいる。」(勤務医(専門医志向),60代,小児科)「在宅の件数を増やせば毎日夜の対応に追われて身体が持たない。在宅もインターネットの情報が氾濫して無理な要求をしてくる家族も多く不安である。」(勤務医(総合医志向),50代,循環器科)「介護を必要とする人をまとめたほうが経済的。無理して在宅にする必要はない。」(勤務医(専門医志向),60代,外科)「入院が必要な患者が在宅医療になってしまうことを危惧しています。」(勤務医(総合医志向),50代,小児科)「個人的には在宅医療は必要であるとは考えますが、自分が携わるつもりは今の所ありません。 在宅もいいのですが、大規模で比較的安い値段の施設は作れないものでしょうか? 在宅で介護している方をもっと社会に出したほうが経済的にいいような気がするのですが… 家族が過度な期待をしないように(やがてはモンスター化するでしょうから)説明をしないといけないでしょうね。」(勤務医(専門医志向),30代,脳神経外科)「無理な患者まで退院させて在宅にならなければいいが。」(勤務医(総合医志向),50代,基礎医学系)「小児における在宅医療には問題が山積みなため、今後は高齢者のみならず小児における検討を望む(NICU退院者や脳症、髄膜炎後遺症の寝たきり患者などニーズは多いので)」(勤務医(専門医志向),40代,小児科)「患者家族に在宅を勧めることが大変に感じます。」(勤務医(総合医志向),40代,小児科)「血液内科医として専門性を高めた医療を行いたいと考えているため。血液内科と在宅医療はなかなかリンクが難しい。 ただし、輸血などが在宅で行えることが望ましいと考えているため、一部血液内科でQOLを維持するために輸血を行える在宅医がいるとよいと思う。」(勤務医(専門医志向),20代,血液内科)

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【ご案内】日本小児科学会にてクーポン付フリーペーパー配布します!

株式会社ケアネットは4月20日~22日、福岡で開催される「第115回日本小児科学会学術集会」の医療品・機器展示会場にてケアネット・ドットコムの記事を抜粋したフリーペーパーを配布します。本誌にはケアネット・ドットコムや、ケアネット+Styleの記事を紹介しており、ちょっとした空き時間の暇つぶしに最適です。また、学会の会場周辺の「おすすめレストラン情報」や本誌限定の特別クーポン券もついています。是非ケアネットのブースにお立ちよりください。 ※医療品・機器展示会場内の株式会社ケアネットのブースにて配布します。※本誌の内容が変更になる場合があります。予めご了承ください。 【第115回 日本小児科学会学術集会】日程:4月20日~22日会場:福岡国際会議場 福岡サンパレスホテル&ホール 第115回日本小児科学会学術集会:http://www2.convention.co.jp/jps115/index2.html ケアネット+Style:http://style.carenet.com/8174.html

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発症間もない1型糖尿病患者に対するミョウバンGAD

1型糖尿病患者に対するアルミアジュバントGAD65(ミョウバンGAD)の投与は、刺激時Cペプチド消失の抑制も、臨床転帰の改善も有意ではなかったことが報告された。GAD65(グルタミン酸デカルボキラーゼ65kDアイソフォーム)は、1型糖尿病における主要な自己抗原である。スウェーデン・Linkoping大学小児科部門のJohnny Ludvigsson氏らによる検討で、ミョウバンGADは発症間もない1型糖尿病患者のβ細胞機能を維持させるのではないかと仮説を立て、334例の10代の患者を対象とする15ヵ月間にわたる、多施設共同二重盲検無作為化試験を行った。NEJM誌2012年2月2日号掲載報告より。3群に無作為化し、15ヵ月間の刺激時血清Cペプチド値の変化を検討試験は、欧州9ヵ国63のクリニックを通じて、1型糖尿病患者で、空腹時Cペプチド値0.3ng/mL超、血清中に抗GAD65自己抗体が検出された10~20歳の334例を対象に行われた。被験者は診断確定後3ヵ月以内に、無作為に3群(ミョウバンGADを4回投与する群、ミョウバンGADを2回投与+プラセボ2回投与群、プラセボを4回投与する群)に割り付けられた。主要アウトカムは、基線受診時と15ヵ月時点の受診時との、刺激時血清Cペプチド値の変化(混合食事負荷試験後)とした。副次アウトカムは、糖化ヘモグロビン値、平均インスリン1日量、低血糖発生率、空腹時および刺激時血清Cペプチド値などであった。プラセボ群と比較して有意な差が認められず結果、刺激時Cペプチド値は3群で同等で、15ヵ月時点の主要アウトカムについて、ミョウバンGAD群(4回投与群と2回投与群)の複合とプラセボ群とを比較しても有意な差は認められなかった(P=0.10)。ミョウバンGAD投与が、インスリン使用量、糖化ヘモグロビン値、低血糖発生率に与える影響についても、プラセボ群と比べて有意であることは認められなかった。有害事象の発生は3群ともに低く、軽度であり、有意差は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

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小児脱水への急速補液、標準補液以上の臨床ベネフィット認められず

小児胃腸炎に伴う脱水への点滴による水分補給について、急速補液(60mL/kg)が標準補液(20mL/kg)よりも臨床ベネフィットがあるとは認められないことが報告された。急速補液は、エビデンスは不十分だが有効だとして臨床診療に組み込まれており、救急医学の主要な教科書で推奨されている。しかし、リスクが伴う処置であり、最近のアフリカの発熱を呈した小児を対象としたボーラス救急蘇生試験では死亡増大のため試験が早期中止となった。またリスク回避のため事前に電解質測定の必要性が示唆されているが、米国小児救急医療の現場で同測定をルーチンに行っている医師は30%と報告されている。こうしたことから、カナダ・トロント小児科病院のStephen B Freedman氏らは、急速補液が標準補液と比べて臨床的に意義あるアウトカム改善児の増大に寄与するのか評価を行った。BMJ誌2011年12月10日号(オンライン版2011年11月17日号)掲載報告より。226例を無作為に割り付け、補液開始後2時間時点での再水和を評価Freedman氏らは、2006年12月~2010年4月の間に、トロントの3次救急小児医療センター単一施設で被験者を募り、2群間平行無作為化プラグマティック試験を行った。試験適格とされたのは、生後90日以上、胃腸炎に伴う脱水症状と診断され、経口補水療法不可で点滴療法が処方された小児で、以下の場合は除外された。体重5kg未満または33kg以上、給水制限、外傷の疑い、非常に困難な言葉の障壁あり、また慢性全身性疾患、腹部手術、胆汁性嘔吐、吐血、低血圧症、低血糖症、高血糖症の病歴がある場合も除外された。小児785例がスクリーニングを受け、226例(3ヵ月~11歳児)が、0.9%生理食塩水を1時間にわたって、急速補液(60mL/kg)される群(114例)と、標準補液(20mL/kg)される群(112例)に無作為に割り付けられ、intention to treat解析にて評価が行われた。主要評価アウトカムは、補液開始後2時間時点での再水和確認(スケールが≦1)達成だった。副次評価項目には、治療の延長、試験時間4時間中の脱水スコア平均値、退院までの時間、ER再受診、十分な経口補水、退院による医師の安寧が含まれた。再水和達成格差のエビデンス得られず結果、主要アウトカム達成が確認されたのは、急速補液群36%(41/114例)、標準補液群30%(33/112例)で、格差は6.5%(95%信頼区間:-5.7~18.7、P=0.32)と両群間に差があるとのエビデンスは得られなかった。この結果は、体重、基線での脱水スコアおよびpH値で補正後も変わらなかった(オッズ比:1.8、95%信頼区間:0.90~3.5、P=0.10)。治療延長児の割合は、急速補液群52%、標準補液群43%で、格差は8.9%(同:21~-5、P=0.19)と同程度であった。試験時間4時間中の脱水スコアは同等であったが(P=0.96)、退院までの時間は急速補液群のほうが有意に長かった(6.3時間vs. 5.0時間、P=0.03)。

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ADHD薬と重篤な心血管イベントリスク上昇との証拠示されず

注意欠陥・多動性障害(ADHD)薬について、北米で持ち上がっている、重篤な心血管イベントリスクを増大するのではないかとの懸念に対し、米国・ヴァンダービルト大学小児科部門のWilliam O. Cooper氏らは、2~24歳約120万人を対象とする大規模な後ろ向きコホート試験を行った。結果、両者の因果関係は認められなかったことを報告した。95%信頼区間の上限値がリスク倍増の可能性を無視できない値ではあったが、「しかしながら、リスク増大の絶対値は低い」と結論している。NEJM誌2011年11月17日号(オンライン版2011年11月1日号)掲載報告より。2~24歳の、ADHD薬服用中の37万3,667人・年を含む257万9,104人・年について検討Cooper氏らは、ADHD服用と重篤な心血管イベントとの関連を調べるため、4つの健康保険組織(テネシーメディケイド、ワシントン州メディケイド、カイザーパーマネント・カリフォルニア、オプタムインサイト・エピデミオロジー)から自動抽出したデータを用いて後ろ向きコホート研究を行った。対象は、2~24歳120万438例で、ADHD薬を服用中の37万3,667人・年を含む257万9,104人・年について検討した。健康保険データと人口動態データから重篤な心血管イベント例(突然死、急性心筋梗塞、脳卒中)を同定し、診療録と突き合わせエンドポイントを同定。ADHD薬現在服用者と非服用者とのエンドポイント発生の推定相対リスクをCox回帰モデルによるハザード比で比較した。ADHD薬現在服用者にリスク増大は認められずコホートにおける重篤な心血管イベント例は81件であった(3.1件/10万人・年)。ADHD薬現在服用者の重篤な心血管イベントのリスクは増大していなかった(補正後ハザード比:0.75、95%信頼区間:0.31~1.85)。リスク増大は、個別エンドポイントすべてで認められなかった。また以前の服用者と現在服用者との比較でも認められなかった(同:0.70、0.29~1.72)。その他いくつかの試験推測について言及した解析の結果も、ADHD薬服用と試験のエンドポイントのリスクとの関連は有意ではなかった。(武藤まき:医療ライター)

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インフルエンザワクチン、先生はいくらで接種しますか?

メドピアは21日、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」(https://medpeer.jp/)にて実施した「今年インフルエンザワクチンをいくらで接種しますか?」の調査結果をまとめ、同サイト内で報告した。調査手法は、MedPeer会員(登録会員数:40,206名、2011年11月1日時点)である医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は、10月19日 ~25日の1週間。有効回答数は 327件。今回の調査対象は、小児科、小児外科の医師であった。「今年インフルエンザワクチンをいくらで接種しますか?」という問いに対して、30%の医師が「3000円~3500円未満」と回答した。「2500円から3000円未満」は20%、「2000円~2500円未満」が18%と続いた。全体的に、料金は「例年どおり」という声が多い「値上げした」というコメントもあった。1回目より2回目のほうが安く設定されていたり、大人と子供で異なっていたり、すべて一律料金にしていたり、医院によって設定基準はばらばらであった。また、「地域で統一している」という声がある一方で、医院によって料金が異なるせいか「料金の問い合わせが多くて困る」という声もみられた。また、予防接種のために病院を訪れる人が多くなるため、「料金をわざと高めに設定している」というコメントもあった。詳細はプレスリリースへhttps://medpeer.jp/posting_view_review?rid=20111121-1

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今年はどうなる?抗インフルエンザ薬

QLifeは18日、同社が行った調査『抗インフルエンザウイルス剤の処方動向調査2011』の結果を発表した。昨シーズンに抗インフルエンザイウルス剤を処方した全国の医師にアンケートを行い、内科・小児科を中心とする505人から回答を得た。今年のインフルエンザは、厚生労働省からワクチン供給予定量が当初見込みより下回ることが発表された直後に、例年よりも早い流行入りの可能性がマスコミによって報道されていた。2009~2010年の新型インフルエンザ(A/H1N1)発生以降、インフルエンザ情報に対して敏感になっている人も多いため、医師は、受診した患者や家族に対してインフルエンザの正しい対処法を説明することがより重要になっている。ところが、医師の間でも耐性ウイルスに関しては情報・認識が錯綜しているのが現状だ。「耐性ウイルスが市中で広く流行しているとお考えですか」との設問に対して、「流行している」「流行していない」の両回答が21%と拮抗した。また増殖性、病原性についても、「耐性ウイルスの方が強い」が18%と、「通常のウイルスの方が強い」回答12%を上回る結果となった。昨シーズンに処方した抗ウイルス剤の比率をきいたところ、タミフルが57%と最も多く、次いでイナビル20%、リレンザ19%、ラピアクタ2%の順であった。今後の処方意向に関しても「対成人」「対10歳未満」の両方でタミフルが最も多く、リレンザは対成人と対10歳未満とで大きく異なる結果となった。また、自由回答コメントのなかには「必要ないと思われる場合でも、薬を強く希望する人が増えた」という医師からの回答もあった。詳細はプレスリリースへhttp://www.qlife.co.jp/news/2417.html

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史上最多の患者報告数を更新―RSウイルス感染症 大流行の恐れ―

全国約3,000の小児科定点医療機関から報告されるRSウイルス感染症(Respiratory syncytial virus infection)の患者数が増え続けている。2011年の第42週(10月17日~23日)時点ですでに1,800例に迫り1)、この冬の大流行が現実になりつつある。RSウイルス感染症は、病原体であるRSウイルスに感染することで発症する呼吸器感染症である。年齢を問わず、生涯にわたり顕性感染を繰り返し、特に乳幼児の場合は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%が感染するとされ、細気管支炎や肺炎など下気道の炎症を中心とした重篤な症状を引き起こす。例年、RSウイルス感染症の患者報告数は夏期に少なく、冬期にピークを迎える。しかし、2011年は夏ごろから例年を大きく上回るペースで増加し続け、2004年以降の同時期の報告数としては史上最多であり、現在こうした状況が第16週以降継続している(図)。第42週の都道府県別の報告数をみると、大阪府(130)、東京都(128)、愛知県(95)、北海道(90)、埼玉県(82)、福岡県(75)となっている。RSウイルス感染症は、乳幼児にとっては重症化すれば生命を奪われかねない、臨床的および公衆衛生的にきわめて重要な感染症である。今冬の大流行に備え、よりいっそうの注意が求められる。出典:1)IDWR(Infectious Diseases Weekly Report Japan)2011年第42週(10月17日~23日):通巻第13巻 第42号.(ケアネット 呉 晨)

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1997~2000年卒業の医学生、87.3%が専門医資格を取得:全米調査

米国専門医認定機構(ABMS)の専門医資格取得について、1997~2000年に医学校を卒業した医師の取得状況と、その背景因子について調査した結果、取得率は87.3%に上り、人種による取得率の違いや、抱えている負債と取得領域との関連などの実態が明らかになった。ABMS取得は米国で医師のクオリティ尺度となっている。調査は、ワシントン大学医学校のDonna B. Jeffe氏らにより行われ、JAMA誌2011年9月7日号で発表された。4万2,440人のABMS専門医資格の取得について後ろ向きに調査Jeffe氏らは、1997~2000年に米国の医学校を卒業した4万2,440人の、卒業時の専門領域選択によってグループ化し、2009年3月2日現在までのABMS専門医資格の取得について後ろ向きに調査した。また専門分野ごとの多変量ロジスティック回帰モデルにて、取得に関連する因子を調べた。結果、調査対象4万2,440人のうち、3万7,054人(87.3%)がABMS専門医資格を取得していた。取得背景は、専門分野ごとに異なる専門医取得率は、すべての専門分野で、米国医師国家試験(USMLE)のSTEP 2臨床医学試験を最高位の三分位得点で、1回で合格した人で高い傾向(1回目は不合格だった人と比べて)が認められた。同取得格差(最高位得点1回で合格vs. 1回目不合格)の補正後オッズ比(AOR)は、専門領域で異なっており、救急専門医取得の格差は最も小さく(87.4%対73.6%、AOR:1.82、95%信頼区間:1.03~3.20)、一方、最も大きかったのは放射線専門医の取得だった(98.1%対74.9%、同:13.19、5.55~31.32)だった。家庭医を除き、マイノリティと自認している卒業生の専門医取得は低率だった(白人との比較で)。同取得格差(マイノリティvs. 白人)が最も小さかったのは小児科専門医でAORは0.44(95%信頼区間:0.33~0.58)、最も大きかったのはその他非一般専門医で同0.79(0.64~0.96)だった。負債額5万ドル単位区分別にみた、最高位群(≧15万ドル)と負債なし群との取得格差が小さかったのは、卒業時に産婦人科/婦人科を選択した群だった(AOR:0.89、95%信頼区間:0.83~0.96)。一方で格差が大きかったのは家庭医を選択した群だった(同:1.13、1.01~1.26)。(武藤まき:医療ライター)

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