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女性医師1,000人に聞きました!出産後の復職どうする?復帰にあたっての不安材料は

先生の勤務先には、出産後に職場復帰された女性の先生はいらっしゃいますか?あるいは先生ご自身がまさに子育て真っ最中でしょうか。いまや国家試験合格者の3割が女性である現在、妊娠中のフォロー、出産・子育て期間中の業務分担をどうするかは避けて通れない問題です。今回は女性医師1,000人に、出産後の復職についてどのように考えるか、経験者の方へは経験談をお尋ねしました。制度の利用、上司・同僚の反応、仕事と家庭生活の両立、キャリア形成の壁などいくつもジレンマを抱えていることが明らかに…セキララコメントも必見です!コメントはこちら結果概要約7割の女性医師が時短・非常勤の勤務を望むが、経験者の半数近くがフルタイムで復帰今後出産を考えている女性医師のうち、施設の別を問わず『短時間あるいは非常勤で復帰したい』と回答したのは約7割。一方、実際に出産した医師の経験で最も多い回答は『同じ施設にフルタイム勤務』で37.7%。『別の施設でのフルタイム勤務』(8.4%)と併せると約半数がフルでの復帰という結果となった。50代以上では「時短勤務どころか育休すらなかったため」「妊娠中・授乳中も当直した」「夜間の呼び出しに子どもを連れて行った」といったエピソードが多く寄せられた。経験者のうち『時短・非常勤』を選択した医師は若い年代ほど増えるが、30~40代においても「フルで復帰するか退職かを迫られた」「上司の理解がなく、制度があっても使えなかった」といった声が多数見られた。いちばんの不安材料は『子どもを預ける施設』、病院に勤務しながら病児保育探しに奔走産後の生活を検討する際の不安材料について上位3つまで選択してもらったところ、経験者から最も多く挙がったのが『保育所・病児保育など施設の利用』で48.9%に上った。「自院の保育所は看護師しか利用できない」「自分が手術中に、発熱した子どもをすぐ迎えに来るよう保育所から連絡がきて途方にくれた」といったコメントが寄せられ、通常の保育所の確保に加え、病院勤務にも関わらず病児保育探しに奔走していることを嘆く声が多く挙がった。一方「子どもはペットではない、長時間預けっぱなしにできれば解決する問題ではなく、医師全体での勤務時間短縮が必要」といった意見も寄せられた。同僚の厳しい視線、精神的に耐えかねて退職・転職も産後の復帰形態を大きく左右する要因として、“上司・同僚の理解”を挙げる声が多く寄せられた。「施設の制度が整っていても、『所属科の前例がない』と言われる」「産後の当直免除について男性医師から『オレにも子どもはいる』などと反対された」などのほか、子どものいない女性医師の視線がいちばん厳しいといった意見もあった。周囲の冷遇に加えて、同僚の負担が増えることへの申し訳なさから退職を選んだとする回答も。子どものいる女性医師だけの問題ではなく、医師全体が過重労働であることの改善が必要との声も挙がった。家族の協力の有無に大きく左右される復帰形態特にフルタイム勤務の継続に関し、家族(特に実母)の育児協力の有無が大きいとした意見が多かった。実家から遠いその他の理由で協力が得られない状況の場合、時短・非常勤勤務を選ばざるを得ない医師が多いこともコメントからうかがえる。一方、「子どもはほとんど母が育てたようなもので、それでよかったのか疑問」といった声も。また夫も医師という場合は特に家事・育児への協力が得られない場合が多く、「夜中に患者が急変し、寝ている子どもをおいて出かけざるを得ず、綱渡りのような生活」など、周囲の環境と子ども、自分の心身のバランスに疲弊する日々を“綱渡り”と表現する医師も複数見られた。描いていた将来像に必要な知識・経験の不足から、やむなくキャリア転換も今後出産したいとする医師の最大の不安点として、『現場感覚の薄れ』『技術・知識の遅れ』が挙げられた。実際に経験者からは、「勉強や学会参加など自己研鑽に充てられる時間が大幅に減った」「病棟を担当できず知識・経験を蓄積できないため専門医取得ができないまま」、その他、本来の専門をあきらめ転科あるいは産業医や公衆衛生関係などに転向したというケースも寄せられた。設問詳細女性医師の出産後の復職についてお尋ねします。12月3日の長崎新聞によると『厚生労働省の2010年の調査によると、医師は全国に約29万5千人おり、そのうち女性は18.9%の約5万6千人。県内でも医師4062人のうち、15.3%の621人が女性で、1996年の327人からほぼ倍増した。20年後には医師の4人に1人が女性になるのではないかともみられている。しかし、医師不足などを背景に産休や育児休暇を取りにくいなど、職場環境が整備されていないために妊娠、出産を機に辞めてしまうケースもある。女性医師が増える中でそうした課題を放置しておくことは、医療崩壊を招く原因にもなるという(略)』とのこと。そこで先生にお尋ねします。Q1.ご自身について当てはまるものをお選び下さい。1.配偶者あり、子どもあり2.配偶者あり、子どもなし3.配偶者なし、子どもあり4.配偶者なし、子どもなしQ2.出産後数年間について、どういった働き方を選びたいですか?出産された方は当時の選択に近いものをお答え下さい。1.出産前と同じ施設にフルタイム勤務2.出産前と同じ施設に短時間あるいは非常勤で勤務3.一度退職し、別の施設でフルタイム勤務4.一度退職し、別の施設で短時間あるいは非常勤で勤務5.退職し、医師としての仕事はしない6.子どもをもうけるつもりはない7.その他(Q2で「子どもをもうけるつもりはない」を選択した方以外)Q3.出産後の生活をどうするか検討するにあたり、特に不安に感じることはありますか?出産された方はその当時の考えをお選び下さい(3つまで選択可) 1.医療技術・知識が遅れること 2.臨床現場の感覚が薄れること 3.勤務施設内で、短時間・非常勤勤務などの仕組みが整備されていないこと 4.勤務施設内で、先輩女性医師の実例があまりないこと 5.職場の同僚・上司の、理解・協力が得られるかどうか 6.託児所・保育所・病児保育など子どもを預ける施設の利用について 7.専門医など資格取得について 8.診療科選択、留学の有無などキャリア形成について 9.自分の働き方に対する、夫・家族との考えの違い10.仕事と家庭生活との両立について11.特にない12.その他Q4.コメントをお願いします(Q2.3の選択に関して思うこと、周囲の方を含め具体的なエピソード、出産された方は想像していたことと現実とのギャップ、施設や社会に望むことなどどういったことでも結構です)2012年12月19日(木)~29日(金)実施有効回答数1,000件調査対象CareNet.com会員の女性医師コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)【子どものいる医師】「託児所等は子供が病気になったとき預かってくれません。医療施設に勤めているのだから、そうなった時のサポートを配慮してくれたらいいのにと思いました。」(40代,内科,その他)「男性医師の感覚では、最も理解のある方々でさえ、子供を長時間預かる施設や病児保育所さえ開設すればよいと考える人が多いですが、子供はペットではないので勤務時間の短縮は不可欠。また、そして勤務時間短縮によってまず諦めなければいけないのは学会活動や研究、自己研鑽の時間となります。今の状況で子育て中の医師がバランスのよいキャリアを築くことはほぼ絶望的です。」(50代,麻酔科,一般病院)「17年前に第1子を出産。先輩女医の実例がほとんどなく、妊娠判明と同時に退職、医局に戻らされる状態でした。医局でも特に仕事に対する義務や強制はなく、自然と仕事の割合が減り家庭に入っていくという状態でした。しかしそれが前例となり、どんどん後輩達も出産後は当直なし・パートと負の連鎖となり、むしろ医局崩壊の一原因になったように思います。組織としての女医の未来のビジョンがあったらと思います。」(40代,小児科,一般病院)「医師としてキャリアを積むには病棟管理は必要。となると緊急呼び出しにも対応せざるを得ないが、子供が小さいうちは、夜間でもいつでも頼める人がいないと難しい。年老いた母に気軽に毎回お願いするのも気が引ける。信頼できる第三者にはなかなか巡り会えず、結局自分が非常勤でみている。外来だけで専門医の知識・経験の蓄積は難しいです。本当はフルタイム勤務したい。家事育児のサポートが必要。」(40代,腎臓内科,一般病院)「出産は女性にしかできないが、育児、家事は男性でもできる。男性の家事育児への積極的な参加が必要と思われる。男性は参加しているつもりでも、女性にしてみればまだ不十分と思うことはたくさんある。育児についての支援は、女性ばかりでなく、男性にも反映されるものである。」(40代,内科,一般病院)「出産前後で勤務先を変えるかどうかは出産前の勤務先が短時間勤務でも可能か、自宅から通いやすいか、職場での理解が得られるかなど、様々なことに影響されると思います。実際に産後、復帰に向けて勤務先と調整をしていく中では、事前に話し合っていた条件と少しずつずれる場合もあり、育児をしながらの復帰についてはまだまだ理解が得られにくいと感じています。保育園は長時間預かってもらえますが、小学校は下校が早い日も多く、仕事と育児の両立がより難しい。地域によって、学童保育の終了時間も様々なようです。」(20代,精神・神経科,一般病院)「勉強をする時間がない、病棟を持ちづらくなる、家事の負担は大きくのしかかる、加えて、とくに教育機関病院の場合診療時間を超えた仕事(研究会発表、学生の勧誘、指導など)ができないことで、年齢を重ねフルタイムで働いていても立場は研修医と同じ、それが現実です。」(40代,血液内科,大学病院)「祖父母の応援がない、子供が病気がちなど、どうしても突発での休み・早退が避けられないことがあります。特に医師は男性的社会なので育児に関して理解のない人が多い。『男性社会』でなく『男性的社会』というのは女性医師であっても理解のない人が数多くいることを指します。意識改革をしなければ働きにくい職場が減らず、復職しない又はフルタイムで働かない女性医師が増え、医師不足はどんどん加速すると思います。」(40代,放射線科,一般病院)「当時は院内保育所はあっても女医は利用できず、看護師さんのためだけのものでした。病院から一番近い保育所に預けましたが、手術中に保育所から電話がかかり、子供が発熱したのですぐに迎えに来て欲しいと言われ途方にくれたことがありました。「あと3時間何とかみていて欲しい、責任は自分が取るから」とお願いしたことが忘れられません。結局5時間後となり、保母さんたちから白い目で見られ針の筵のように感じました。病児保育がなかったことが一番つらいことでした」(50代,皮膚科,一般病院)「院内保育に預け、時短で勤務しています。時短ゆえ主治医免除なのですが、主治医制なので、担当がなく手持ち無沙汰なことも。周りは担当患者の仕事で忙しくしている中、どう観られているのだろうと気になります。手術も第2助手程度で、後輩たちが助手や執刀医として手術するのに焦りを感じます。かといって、主治医になって、こどもがインフルエンザにでもかかろうものなら遅刻、早退となりかねず・・・キャリアは頑張ればいつでも積めるが、子育ては今しかできない、そう言い聞かせて毎日仕事に向かっています。朝6時から夜11時、12時まで仕事をしているときにはつらいと思ったことはありませんが、今の勤務の方が精神的につらい。意外でした」(30代,産婦人科,大学病院)「勤務先は女性に優しい職場で、出産後は復帰を考えていました。 が、つわり時に半休を月1-2回取った時点で、”今後絶対に休まないという100%の保証ができないなら、年度末に辞めてもらう”と言われました。結局、妊婦検診のときの代診も他科Drに頼んで、必死で産休までつなげて職場を去ることになりました。産前、産後に使える制度があっても上司、同僚がそれを認めなければ何の意味もないと思いました。」(40代,腎臓内科,その他)「近くに頼れる親類がいないため、子供の急な病気の時や休日出勤、出張などで困る。自分はバリバリ働くタイプだと思っていたが、子供の病気の際などは置いて出たり病児保育に預けるのもはばかられ、結局比較的自由のきく研究職にとどまっています。一番仕事のできる30代をこのように過ごしてしまい、今後自分が医師としてどうやって生きていけばいいのかわからなくなることが多い。」(40代,消化器科,その他)「子供は急に病気をします。事前に急病時の体制を依頼し事務長も了解との事でしたが、実際は『代替えの医師はいない』と言われ困った記憶があります。診療所出向時は、3歳児と一緒に出勤した事があります」(50代,内科,一般病院)「子育てというと『3歳あるいは就学まで』ととらえられがちですが、子供の成長を見守る上では少なくとも大学入学までは親の目(見守り)が必要。子供一人あたり約20年間という長い目での支援が望まれます。具体的には小学生・中学生をひとり置いて、宿泊を伴う学会参加はかなりの困難が伴います。 未就学児であれば学会で託児が可能ですが、小学生以上はそれもありません。いざという時に子供を夜間、安心して任せられるサービスがあればと思います。保育園・学校・職場・学会活動、いつも「すみません」と謝ってばかりでちょっと疲れます。(心の中では「悪いことをしている訳ではないのに…」と独り言を言っていますが)」(50代,神経内科,一般病院)「どんな形でも働き続けていれば、いつかは貴重な戦力となりうる。子育ても社会貢献であり、プライベートなこととして切り捨てない社会であってほしい。子育ての経験は、患者に共感できる医師になるために大切」(50代,内科,診療所)「法的に産休があっても、教師の産休用員のような補填システムがないため同僚に多大な迷惑をかけることになり、精神的に非常につらい。また産休は6週(今は8週)しかないが、0歳児を預かる認可保育所でも4月時点で6カ月になっていなければ入れず、無認可保育所で浪人しなければならない。そういう制度の矛盾が障壁」(60代以上,内科,その他)「産休以外は働いてきました。子守りは両方の親に助けてもらいながら、2人目の出産後は夫の実家に同居。当時は出産した女性Drが復帰すること自体珍しく、出産前後の当直を免除する規定さえ院内にはありませんでした。妊娠4カ月目で当直の夜中にDOAがきて心マッサージをしながら病棟に挙げ、その後お腹が張って具合が悪くなり、やっと診療部長に当直免除を申し出たことを覚えています。今はだいぶん環境が整備されてきましたが、女性側から妊娠出産に関連する要望を主張しにくい雰囲気は続いていると感じます。また現在の女性医師復帰援助の流れ自体、『医師が不足しているから』であって、女性医師の生涯の負担の大きさについて本当に理解し改善しようとしているわけではないのではと皮肉に考えてしまいます。」(50代,神経内科,一般病院)「復帰に向けての研修制度のようなものがあれば利用したかった。フルタイム=朝から夜まで(残業有)の勤務・病棟主治医(休日回診、呼び出し有)と、パート=時短・外来のみの格差がありすぎ。もっと負担を軽減しながらも臨床の仕事が可能な制度の確立が必要と感じる。」(30代,消化器科,一般病院)「周囲の環境整備もとても大切ですが、一番大事なのは、子育てを楽しみながら、医者として第一線でよい仕事がしたいという高いモチベーションだと自分の経験上、確信しています。」(60代以上,眼科,大学病院)「専門医取得準備期間中に産休になりました。年齢的にも女性は専門医取得と出産は重なりやすいと思う。認定機関に連絡したところ、『産前6週、産前8週以上休むと専門医取得要件を満たさないため1年遅れになる』とのこと。産後8週の時点でまだ帝王切開の傷が痛んだし、歩くだけで痔になる状態での復帰をしましたが、産前産後の体調は全員が良好とは限らない。母乳も出ていたのにあきらめました。専門医を同級生が取っていく中で自分だけ遅れたくないとの思いで頑張りましたが、産休期間の取り扱いについてもう少し選択肢の幅を持たせてほしい」(30代,泌尿器科,一般病院)「女性医師は転地・休職・復職を余儀なくされがちである。その是非はさておき、キャリアが途切れがちであるからこそ資格取得は必須と考えられます。産休中の自宅学習についてプランニング・指導など厚生労働省が主導となりe-learning,各大学、大学院との連携モデルを確立していただきたい。男性の育児休業取得に繋がるよう確固なシステム構築をお願いしたい。医師はその人口問題に介入すべき職種と考える」(50代,内科,一般病院)「周囲におられる年配の女医は家政婦を雇って開業医を続けている人が多く、比較的若い女医さんは実家のお母様が同居され手助けをうけつつ勤務医を続けている人が多いように思います。逆に親のサポートがない女医さんは、子供を保育園に預けて勤務時間を短くされています。常勤で勤務しようと思ったら両親(特に実母)のサポートが不可欠のように思います。」(40代,耳鼻咽喉科,診療所)「育児と大学でのキャリアの両立を目指している。第1子出産時は産休のみの取得で復帰したが、キャリア上に受けた不利益を思い出すとなかなか第2子妊娠に踏み切れない。」(30代,神経内科,大学病院)「優秀でかつ人間的にも申し分ない女医の知人の多くが子どもをあきらめている。 こうした女性が子供を産まないことは社会にとって損失だと思う。」(40代,眼科,大学病院)「今は良い時代になったと思います。私はこどもと一緒に当直もしましたし、重症の患児がいるときは自分のこどもと小児科病棟で寝泊まりもしました。病児保育も未だそれほどなかった。核家族で、夫が産婦人科医で、私がフルタイムで働くことは無理で、2人目から非常勤に。ロールモデルもいなかったし、なにより孤独でした。」(40代,小児科,一般病院)「周囲の人々の協力なくしては、女性医師が仕事を続けていくことは不可能。保育園、自分の親、兄弟、知人、近所のおばちゃんなど、子育てに総動員。悩む時間すらもなかった、あのころが懐かしいなあ・・・」(50代,整形外科,診療所)「勤務医では周囲の理解が得られず、結局開業医をえらびました。」(40代,内科,診療所)「Q3は全部選びたいぐらいでしたが、上位3つにしました。 医師は“卒後○年目”で見られるので、年数だけ経ってしまい、復職した際の研修・指導が十分ではないのでは、などの不安があります。 医局などでの位置も産前より低いところに置かれているように感じます」(30代,代謝・内分泌科,一般病院)「しばらくは義母に子どもを預けて当直もしていましたが、どうしても帰宅時間が遅くて家事ができなくなり、当直なしの外来のみの個人病院へうつりました。そこで数年間働きましたが、自分の専門の患者さんを診る機会がなくなって技術も知識も古くなってしまいました。もう本来の専門分野の一線では働けないとあきらめています。」(50代,小児科,その他)「いわゆる「昇進」は遅れましたが、出産後研究生活で学位取得、専門領域での研究、学会発表等、得るものはたくさんありました。ただ、専門外来で予約制でしたので、子供が具合悪くても休めず、朝早く実家の母に1時間半かけて出てきてもらうことがあり「自分の子供は診られないの」と言われたのが、辛く、申し訳なかったです。」(50代,内科,診療所)「医師になるまでに、多くの税金や学費が使われている。女医は、出産育児などある一定の時期は、仕事をペースダウンせざるをえない。しかし、どのようなかたちであれ仕事を継続しやめないことが、社会への還元として重要と考える。そういう覚悟をもって、現在、育児と仕事を継続している。」(40代,耳鼻咽喉科,大学病院)「勤務先に病児保育室が併設されているのでとても便利です。保育園も勤務先から徒歩数分圏内。 発熱などで、園から連絡があったら、10分だけ仕事を中断し迎えに行き、そのまま病児保育室へ入れてます。恵まれた環境だと思います。育児が落ちつく数年間はお給料の安さや仕事の内容関係なく、今の環境で仕事する予定」(30代,小児科,一般病院)「当時は、フルタイムでの勤務でしたが、当直や病棟から外れて、外来、検査を中心とした仕事内容にかわりました。 周囲に女性医師が多く、経験した先輩に相談しながら、仕事を続けました。検査(心エコー)を中心に仕事をしましたが、のちにその仕事から、留学や論文に結び付き、帰国後の就職にも心エコーを中心の仕事に就くことができました。 出産を機に自分のできることが新たに見つかることもあるのだと思います。 若い先生にも、希望を持って仕事を続けていただきたいです。」(40代,循環器科,診療所)「就学前までは保育所やシッターサービス等、子供が病気の時や時間外、休日など保育をサポートしてくれる方法が複数ありました。むしろ小学校に入学し、1人で過ごさせるのが心配な1,2年生の頃、学童になじめなかったり、学童自体がなかったりして短時間勤務や休職を余儀なくされるケースが散見されました。低学年児童を抱えるワーキングマザーを支える方策(ワークシェアリングなど)がもう少しあった方がよいと思います。」(40代,産業医,その他)「私の働いている病院はとても制度も文化も恵まれていて、出産後、産休、育休をとって、娘が1歳から家庭医療の後期研修をスムーズにスタートし、育休中も給与はある程度保障されていましたし、働き始めても、こどもの急な病気などでの急な欠勤なども問題なく過ごすことができています。今後第2子も考えていますが、後期研修も途中で途切れても継続できる仕組みになっています」(20代,総合診療科,一般病院)「まだ勉強したいことも多いのにドロップアウトしそうで怖かった。大学院+パート勤務で復帰したが、子供の体調変化等で穴をあけがちで、気持ちと現実のギャップを感じました。周囲も忙しいし、身近に頼れる環境もなく皆さんに迷惑をかけた」(40代,内科,診療所)「看護師からの見えない意地悪に翻弄させられましたが、自分が先陣をきっているので、後輩たちが仕事をしやすいよう頑張り続けました。男性医師の三倍は仕事をしました。ひたすら根性です。子供の寝顔で救われました。」(50代,精神・神経科,一般病院)「出産まではほかの先生達とも問題なく仕事をしており、第1子出産後職場に復帰したところひどいいじめにあい、退職しました。その後もっと責任を持って働きたいのですが、近くの病院に適切な病院がなく、つらい思いをしています。子供をもつと他の医師と全く同じように働くことは不可能であり、 病院として枠組みをきちんと整備されていない現在、自分のような医師が多数いると思う」(30代,皮膚科,一般病院)「『夫も医師で経済的にも困っていないのにどうしてそんなに頑張るの?』と聞かれると心が折れそうになります。身近な友人や親戚から『子供がかわいそう』とか『しつけや教育が行き届かないのでは』と無神経な言葉を投げかけられることも。 そんな中、上司や同僚の励まし、夫の就業に前向きな姿勢に助けられています。」(30代,麻酔科,一般病院)「第2子出産後、仕事育児に関しての夫との考えの違いが広がった。第3子の妊娠中、育児と仕事に頑張りすぎ肉体的精神的無理がたたり、死産となった。この子の死をきっかけに夫と子育てについての歩み寄りができた。」(50代,小児科,一般病院)「実は、女性同士のほうがつめたい」(40代,腎臓内科,大学病院)「意外だったのは、独身女性の同僚や子育て経験のある15~20年上の女性医師の視線が1番厳しいこと。もっとも理解があるのは、同じ境遇か子育て世代の男性医師(特に奥様が女医の家庭)。」(20代,麻酔科,大学病院)「職場では、当時出産した女医はほとんどいなくて、こどもが1歳過ぎたら当直は当然という風潮がありました。が、こどもによって、母がいなくても夜寝られるかどうかは全く違い、私の場合は全く不可能でした。1年~小学校低学年の現在まで、当直でなく日直に振り替えてやらせてもらい、フルタイムの勤務を続けることができています。必要に応じて選択できるとありがたいです。 発熱時は、幸い主人の職場に病児保育があったので、外来に穴を開けずに済みましたが、働き続けるには、病児保育は必須と思います。」(40代,血液内科,一般病院)「出産前は大学病院に医員で勤めていました。出産時は当然のように一旦退職し、1年後に復帰しました。看護師は産休、育休などがきちんとあるのに、医師はやめてもらわなければ補充できないとのこと。すこし不満に感じました。」(40代,内科,一般病院)「大学院で研究をする・・という選択は時間的や精神的には非常に居心地がよかった。研究のペースを子供の病気などで都合することができたし、臨床に多忙を極める同僚にもあまりあてにされずに楽だったように思う。ただし、経済的な部分や臨床のスキルはどうしてもペースダウンしたが、その後非常勤として戻り、リハビリすることができた。」(40代,麻酔科,その他)「周囲は『働くのであれば前と同様に』って感じ。当直や緊急の呼び出しは無理なので、結局仕事をあきらめざるを得ない状況。健康診断ばかりで専門的な知識を活かす場所がない。周囲は別に頑張らなくてもいいんじゃないかという雰囲気。働きたいのに。」(40代,血液内科,一般病院)「短時間、非常勤のシステムがなく、自分のできないことをほかの医師に押し付けてしまう(当直、入院の受け持ち、救急など)ことに罪悪感を感じ、職場をやめた。」(40代,その他,その他)「大学病院勤務だが、附属の保育園が看護師しか利用できない。医師、検査技師、放射線技師、栄養士、医療事務など多数の女性職員がいるのに全く理解できない。一番困るのが病児保育や病後児保育の手配。せっかく病院が隣にあり、小児科も充実しているのだから是非とも院内保育園で病児保育を導入してほしい。」(30代,神経内科,大学病院)「多様な就労形態を許容するシステム作りが必要.例えば当直は一切しないが昼間はOK,という人と,当直も昼間の勤務もするという人との基本給が全く同じでは不公平感が生ずる可能性がある.基本給が同じで当直手当を手厚くするなど工夫が必要. 出産後の女性医師側も,日和らないでまずはフルで戻ることを考え,何が障害なのか,何ができないのかを考えて,戻るためにはどういう配慮が必要なのかを申し出るべき.最近は,出産したらフルで働きたくないから非常勤,という後ろ向きな人がいて不愉快かつ残念. 復帰は早い方がいい.時短でもいいから早く復帰する.育休が長い方がいいということは絶対ない.」(40代,産婦人科,大学病院)「いかに意識を維持するかが大切で、家族の考えも大きい。医師を妻にするという意義を良く考えていただきたいと思います。男性にも責任があります。」(50代,呼吸器科,大学病院)「働く母親にとっては自分の母親(もしくは実家)がしっかりとサポートしてくれている場合は比較的キャリアも子育ても安定しているケースが多いと思います。そうでなければ(自分含む)、自分が3役こなさなければならず、フルの仕事は厳しい。特に夫も医師で多忙である場合は余計困難 」(40代,腎臓内科,一般病院)「来年度から復職予定ですが、働き先は大学病院しかないと言われました。通勤にかなり時間がかかるため一歳の子供を一日12時間も保育園に預けることになり、心が痛みます。」(30代,代謝・内分泌科,大学病院)「上司が理解のある人で、その方のおかげで続けてこられたようなものだったと思う。今と比べ保育所も少なく、綱渡りのような生活だったが、続けてきてよかった。若い先生にも、短縮勤務でもいいから続けて欲しいと思うし、そのための助力としたいと願っています。医師会でも相談窓口を作っているので、困ったときには相談してみてください。医師会に加入していなくても構いません。」(50代,耳鼻咽喉科,その他)「実母と姑の全面的な応援により、仕事をすることができました。つらいことは沢山ありましたが、こどもは母が必死に仕事していたことをきちんと理解していました。 ただ、私のようなつらい思いは、娘や嫁にはさせたくありません。」(50代,耳鼻咽喉科,その他)「勤めていた施設に託児所がなく、別の病院に転勤しました。そこで二人目も出産しましたが、同僚の先生方が協力してくださるので、非常に快適に仕事を続けられました。職場の人間関係と院内保育園この二つが大事だと感じます」(40代,小児科,一般病院)「第1子妊娠時に痛烈な嫌味を言う上司がおり、大学では産後復帰は無理だなと思いました。復帰はアルバイトに行っていた先(保育所あり)の外来時短勤務を直接交渉してお願いしました。第2子出産後は家族のサポートが必要となるため転居し、以前お世話になっていた先輩に相談して新しい職場(保育所あり)で外来時短勤務で復職しています。実際に子供のことで急にお休みをせざるをえないことがあるので自分がやすんでも助けていただける環境を探しました。人の好まない仕事を率先してすることで他の先生方とのバランスをとって働いています。子供をもつまで救急対応をずっとしてきていたのでかなり違う状況になっているのが現状です。子供の成長をみつつ過ごせる時間をもつためには仕方がありません。」(30代,循環器科,一般病院)「独身の頃と同じように働きたいと思って努力したが、難しかった。身近な同僚、所属大学の医局は理解があったが、派遣先の病院では他科の男性医師から嫌味や陰口を言われ、辛かった。」(40代,眼科,一般病院)「主人も勤務医(中間職)で、子供が病気になった時も夜間の面倒はみられないと言われました。私も産前同様に仕事をしたかったが、夜間呼び出しに応じられないこともあり、短時間・非常勤勤務としました。」(40代,内科,診療所)「出産するまでは、育児中で当直をしない時短勤務の人が同じ職場にいると、働くモチベーションが激しく低下していました。自分が出産後に同様の勤務体制となったとき、同僚たちが同様に考えるのではないかと思い、時短勤務は自分としてしたくありませんでした。現在当直は免除させてもらってますが、それ以外はフルタイムで働いています。 周囲の人の理解とは言いますが、こちらが理解して欲しいと思っても、不公平と思ってしまうのは事実で、そう思われてまで働きたいとは思えません。」(30代,小児科,一般病院)「3人目を出産後、体力的にも精神的にもきつくなって、退職しました。一度退職してから、復職するのは大変でした。また、離職期間が長かったので、以前と同じような働き方はできなくなり、また専門医取得もできませんでした。」(50代,内科,診療所)「医師になった息子から『乳児期から何故自分を他人に預けてまで仕事をしたのか』と非難されました。仕事、育児、家事で息つく暇も無かった30年ほど前の自分の生活は、子供にとっては憎むべき姿だったのかと」(60代以上,内科,一般病院)「病院併設の保育園の充実が大切だと実感しました。当時無認可保育園でしたので保育士や職員のボーナスの獲得にバザーを開いたり寄付をお願いしたりしてなんとかしのぎました。技術的な遅れは後からとりもどせます。 最初はあせりましたが、63歳の現在もまだまだ勉強は続けています。家族や医局の先輩、後輩の理解があったこともラッキーだったと思います。娘たちも同じ職業を選んでくれました。大変な時は一時です。 恐れず、腐らず一生懸命やればなんとかなります。」(60代以上,循環器科,診療所)「職場で時間外勤務を免除してもらい、常勤で仕事を続けることができている。 しかし子供の病気の時に病児保育や親に頼らざるを得ず、場合によっては仕事を休まなければならないのでいつも綱渡りの状態。」(30代,代謝・内分泌科,一般病院)「出産前は脳神経外科専攻だったので、両立困難であった。私の場合は母親が子供をほとんど育ててくれたが、それはそれで寂しい思いもしたし、これでいいんだろうかとずいぶん迷った。結局は内科系に移らざるを得なかった」(60代以上,神経内科,一般病院)「子育てしながらフルタイムで働いていて、子どもの急な病気の時に、自分の外来を代われる医師がおらず、休むことが難しかった。ベビーシッター、病児保育、県外の祖父母など子どもをみてくれる人・場をやりくりしたり、夜中に患者さんが急変した時も、寝ている子どもだけを家において出かけることもあり、今から思い起こしても綱渡りのような生活だった。 一人で責任を負う形ではなく、仕事を同僚とシェアできたり、労働時間も個人の状況に合わせ、フレキシブルに選択できるような働き方ができると子育て中の女性医師は働きやすくなると思う。」(40代,小児科,一般病院)「単独主治医制でなく、複数主治医制になっていくことがこれからは必要と思う。」(40代,内科,一般病院)「臨床特有の「勘」が薄れてしまって、取り戻せるのかどうかがとても怖かったです。 出産して職場復帰して思うのは、「早めの復帰に限る」これに尽きます。 ただそれには、周囲の理解や環境整備がまだまだ必要だと思います」(30代,精神・神経科,一般病院)「出産後、大学勤務を退職し、夫の留学についていったが、子供が小さかったため自分はセミナーにしか参加できず、せっかくの海外留学の機会もうまく活かせなかった。また夫は医師であるため、育児を分担することはほぼ不可能で、帰国後も保育所、一時保育の問題から、常勤勤務、研究会、学会への参加は難しく、アルバイト生活を続けた。そのため、自分のキャリアは出産前から著しく後退してしまった。常勤復帰後、出産前に技術がもどるまで約2年がかかり、さらに専門医取得は同期男性と比べると4年以上遅れた。 常勤の職場や研究会にも保育所または学童等の施設を併設しなければ、女医が常勤で働くことは難しいと思われる。」(40代,基礎医学系,大学病院)「どんなに頑張っていてもつわりによる仕事の量激減で周囲の評価が下がる(出産経験のある女性医師からは理解が得られるが)。子供の突然の発熱などでの早退、休診の場合のフォロー体制、子供の迎え時間に制限があることなどなかなかまだ理解が得られにくい。『わかるけど、あとの仕事は誰がするの?』って感じです」(30代,外科,大学病院)「同僚に女性医師がいなかったので、その科の医局会(20名程度出席)で、『出産後はいつから当直が可能か』などその時点では答えることが困難な質問をいくつもされ、誰も助け舟を出してくれず、セクハラ・パワハラにあたるのではないかと思われる状況でした。若い医師であったならば退職に追いこまれていたかもしれません」(40代,内科,一般病院)「現在、子供2歳。フルタイムで夜間・休日呼び出しありの勤務であるが、正直きつい。近くに住む祖父母の助けを借りて何とかこなしているが、綱渡りのような日々である。そろそろ、勤務形態を変えようと思っている。」(30代,耳鼻咽喉科,一般病院)「保育園は子ども3人合わせて15年間通いました。毎朝診療前に保育園に送り届けるという戦争のような日々は、体力・気力が必要でとても疲れます。しかしこれなしには仕事も続けられず、フレキシブルな保育園の存在が大切」(50代,代謝・内分泌科,診療所)【子どものいない医師】「上司に来年度子供を作る予定だから妊娠中は当直業務からはずしてほしいというと『他の医師にしめしがつかない、今の働き方ができないなら辞めてもらう』といわれました。私だって働きたいけど、先輩たちの流産、切迫早産を見ているので退職することにしました。仕事を継続している医師でも、小学校に上がると子供を預けるシステムがなくなるためそこでやめざるを得ない、という人も。妊娠・育児しながら働きたい、けれども上司との意見の相違・医療界のシステム(36時間労働など)の問題でやめていく女医は本当に沢山いると思います。」(20代,心療内科,大学病院)「残念なことですが、女性が男性と対等になるには、同じではだめで、それ以上の働きを示す必要があります。 例え2~3か月の産休でさえ、劣ってみなされてしまいます。 そう考えると産む気になりません」(40代,形成外科,診療所)「出産適齢期に不妊治療を受けられるようにしてほしい」(40代,神経内科,その他)「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで「女医はいつ妊娠してやめるかわからない」という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せが行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20代,産婦人科,一般病院)「医学部増設よりも女医の復職環境を整備する方が、医師不足の解決に繋がる」(40代,循環器科,診療所)「出産はしていませんが、介護でも結局同じことだと思います。経過さえ順調なら、ある意味出産のほうが気持ちの上での準備ができるだけよいのかも。患者から、医師は時間外対応も休日がつぶされても当然と思われているような状況では、一般病院は男女とも単身で親も元気というときでないと勤務は無理なのでは?」(40代,産業医,その他)「高齢となり、妊娠は難しそうです。当直して流産したことが悔やまれてなりません。」(40代,精神・神経科,一般病院)「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失う方向になるのではないでしょうか。」(30代,消化器科,一般病院)「育児を理由に働かない先輩医師がいます。純粋に能力給が支払われるなら良いのですが。週4日外来のみ・入院診ない・オンコールや当直免除にも関わらず常勤扱いを受けている人をみると、働く意欲を失う」(30代,小児科,一般病院)「私は結婚しませんでした。どうしても医師として、しっかりした仕事をしたかった為です。周りの出産後の女医を見ていると、嫌な面が多くどうしても好きになれません。せっかく多くの税金を使って、あるいは親の金を使って医師になったのに辞めてしまう女医、そのために医学部に入れずに医師になれなかった人がでるんですよ、と言いたい。税金を、親の苦労を無駄にしている。仕事に出てくる人にも言いたい、仕事をするのなら、他医に甘えるな、負担をかけるな、どれだけ同僚に迷惑を掛けているかわかっているのか、と。」(60代以上,小児科,診療所)「キャリア・収入・勤務内容、これらに優先順位をつけて周囲と折り合っている女医さんは応援したいと思う。正直、自分のキャリアアップに繋がる仕事、収入に繋がる仕事はする、だが医局の皆でまわしている雑用は子持ちだからしない、という母親医師は応援したくない。周囲が納得して協力できるような体制も考えてもらえたらと思う。」(40代,内科,一般病院)「私の年代では育児をしながら仕事を続けている女性医師のロールモデルが身近にありませんでした。私自身こどもを持たない人生を選択しました。」(40代,精神・神経科,一般病院)「女性医師の出産や子育てを考えていくのはいいが、一方で結婚しない女性医師、子供を産まない女性医師、子供が産めない女性医師の気持ちは置き去りになっている気がする。ある意味、逆差別のような・・・。そう考えるのは、子供が産めない女のひがみでしょうか。」(40代,代謝・内分泌科,一般病院)「医師の世界は男性を中心に回っているので、結婚・妊娠・出産は考えられない状況にある。」(40代,代謝・内分泌科,診療所)「私の勤務先では女性医師の待遇改善を積極的に進めており、診療部長の先生や事務長が率先的に週30時間以上で常勤扱い、夜間オンコールや当直免除などを導入しているので、そういった病院を探して転職するのもよいかと思います。産婦人科のくせに医局員は妊娠出産禁止と言っていた大学病院とは大違いです。」(30代,小児科,一般病院)「女医さんが多ければ理解を得て働きやすいかと思いきや、若い女医さんが産休や当直免除に入ると晩婚の女医さんが妊娠出来なくて大変そう。男性と女性のバランスが大事。人手不足の診療科、医員を守れる医局かどうかは大事と思う。施設の整備(遅い時間の保育、病児保育)を進めて欲しい。」(30代,内科,大学病院)「欧米のように当たり前に働き方が選べたり、勤務時間の調整が受けられ、それに対して後ろめたさを感じないでいいようになればいいと思います。 男性医師がフルタイムで働けるのも、妻が女性医師の場合、そうやって時間をやりくりしているおかげだと思うから。 子育てで一時的に休職することは、とても大切なことだと思いますが、以後完全に医師をやめてしまう人に関しては少し憤りも感じます。 何のために医師になったのか。だったら、その人の代わりにずっと医師を続けられる人を合格させた方が社会にとって良かったのではと思います。」(30代,その他,一般病院)「出産後の女医が働きやすければ離職せず、独身女医や男性医師の負担も軽減するので、出産後の女医が働きやすい環境はすべての人にとって重要だと考えます。私の属する医局は今大変な人手不足ですが、職場環境が整備されていないため、医局を離れ民間病院に転職する女医が後を絶たないという悪循環。そういった女医のために、私たち後輩まで『女医はいつ妊娠してやめるかわからない』という目で見られて、非常に迷惑しているのも事実です。産後の女医ばかりに目が行って、独身女医や男性医師にしわ寄せが行くことはあってはならないと思います。この高齢社会では、男性医師も家族の看病や介護をする可能性は十分にあります。職場の全員が働きやすく、必要時は休みやすい環境を整えていくことが大切だと考えます。」(20代,産婦人科,一般病院)「2回の流産歴があり、通院しながら常勤で働いています。通院時間の都合もあり、専門病院の消化器内科から地域病院の内科に転職しました。無事に妊娠・出産する方も仕事を続けるにあたり苦労があると思いますが、不妊・不育症の場合は周りが気づかなかったり理解してもらえなかったりするので、本当のことを上司や同僚に伝えられず肉体的にも精神的にもつらかったことがあります。 専門分野は続けられないと思い半分あきらめていますが、非常勤でも勤務ができるところがないかまた探そうと思っています。 仕事は続けたいので、ワークシェアや非常勤など、ある程度自由の利く勤務体制が広まるといいなと思います」(30代,消化器科,一般病院)「家庭の協力がある先輩は上手に両立していて、独身の医者より活動的に働いていた。周囲の状況と本人自身の意思が、結果を左右すると思う。」(40代,麻酔科,診療所)「今妊娠中ですが、不妊治療など含め理解を得ることが難しく、一生懸命働くことも一人の女性としての幸せも両方という選択肢を選ぶのが難しく感じてしまう。病院側は大事な戦力を最終的には失うのでは」(30代,消化器科,一般病院)「両立という言葉はどちらも中途半端という意味に聞こえる」(30代,循環器科,一般病院)「外科医であるため妊娠から産後の落ち着くまでの期間は第一線を退かざるを得ないということが一番不安。現場に少しでも携われるように外来などにはできる限り関わっていたい。」(20代,外科,一般病院)「子供がいるという理由で、周りに何の配慮もなく早く帰り自分の論文を仕上げていた時には許せないと思った」(40代,内科,診療所)「診療体制としては主治医制度をやめていく方向とし,夫側は育児休暇を取りやすくする,本人側としては病児保育・24時間保育のある病院(もしくは確保できる病院環境)で出産・育児したり職場内で出産・育児期間が重ならないように計画するなどの工夫が必要。また両親・親族などの協力が得られない状況での出産・育児は無計画と言わざるを得ない。」(40代,その他,一般病院)「家庭を持ち、出産あるいは子供のいる同僚の手助けはもちろんしたいと考えています。しかし、「手助けされて当然」という受け身は納得いきません。全てではないが、そういった方に対しては、手助けするのも躊躇されます(終日の講習会や夜の飲み会などには出席するのに、午前中のみ1日のみの出勤を拒否される、とか)。」(30代,救急医療科,一般病院)「現在勤めている病院では、産休をとった先輩女性医師がおらず、自分が将来出産したり、復職したりする際、立場や勤務体制がまったく分からない。病院側からは、「将来出産しても勤務を継続してほしい」とのことだが、口約束であり心配である。出産・育児もしたいが、フルタイム勤務は難しいだろうし、親も年をとってきておりどれだけ子供を預かってもらえるか分からず、保育所の確保も難しそうで、不安だらけである。」(30代,眼科,一般病院)

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エビデンスに基づく鎌状ヘモグロビン保有新生児の推定数が明らかに

 2010年の世界の鎌状ヘモグロビン(HbS)保有患児数は、ヘテロ接合型(AS)が約547万6,000人、ホモ接合型(SS)は約31万2,000人と推算されることが、英国オックスフォード大学のFrederic B Piel氏らの検討で示された。保健医療資源の効率的な割り当てを行うには信頼性の高い罹患数の予測値を要する。鎌状赤血球症の原因であるHbSは、最も高頻度にみられるヘモグロビンの病的な遺伝子変異であり、臨床的に重要な構造的ヘモグロビン異常だが、罹患数予測値は明らかではなく、AS型およびSS型の新生児の正確な数も不明だったという。Lancet誌2013年1月12日号(オンライン版2012年10月25日号)掲載の報告。エビデンスに基づく罹患数予測値を算定 研究グループは、新生児におけるHbSの保有頻度の予測値をエビデンスに基づいて確定するために、HbSの対立遺伝子頻度に関する分布マップを作成した。 データの収集にはHbS調査データベースを使用し、解析にはベイジアンモデルを用いた。得られた分布マップと人口統計データを組み合わせて、年間のAS型およびSS型HbS保有新生児数を全世界、地域別、国別に算出した。データが豊富な地域では当該国内の地方別の解析も行った。他の遺伝性疾患にも応用可能な方法 作成されたマップにより、サハラ砂漠以南のアフリカ、中東およびインドのほとんどの地域で高い対立遺伝子頻度が示され、西欧およびアメリカ大陸東海岸にも遺伝子流動が及んでいた。 2010年の世界のHbS患児数はAS型が約547万6,000人、SS型は31万2,000人と推算された。これらの値は以前の控えめな推定値に比べて高いものだった。国別の差が大きく、その原因を探索する必要がある。 著者は、「HbSは保健医療システムに大きな影響を及ぼすと考えられ、今回の知見は患児数の低減に向けて正確な診断と遺伝子カウンセリングを要する国々にとって有用な可能性がある」とまとめ、「同様のマップ作成やモデル化の方法論は他の遺伝性疾患にも応用可能と考えられる」と指摘する。

2863.

子どもの母斑をダーモスコピーで見分けるコツ

 米国・ニュージャージー医科歯科大学のElena C. Haliasos氏らは、小児皮膚科医のためのダーモスコピー上のメラノサイト系病変所見の特徴に関するレビュー論文を発表した。小児のメラノサイト系病変は、本人および両親、医師に不安を喚起することがある。Haliasos氏らは、小児の母斑についてダーモスコープでみられる良性パターンと、メラノーマのダーモスコピー上の10の最も頻度の高い構造について考察した。Pediatr Dermatology誌オンライン版2012年12月18日号の掲載報告。 メラノサイト系母斑は、青色母斑、Spitz母斑、先天性および後天性母斑など種々の病変を含む。これらの母斑は、時にメラノーマ様の臨床形態学的特徴を呈している可能性があり、小児におけるそのような母斑の存在は、本人および両親、医師に不安を引き起こす。 ダーモスコピーは、メラノーマの高い診断精度を有し、母斑との区別に有用であることが示されており、生検を行うべきかの意思決定プロセスの最終的な判断材料となる。またダーモスコピーは、小児のメラノサイト系病変の評価において、無痛性であること、また適正な治療判断をもたらす重大情報を医師に提供するという点で、パーフェクトな器具である。 本レビューでは、母斑で認められる最も頻度の高いダーモスコピー上の良性母斑パターンを明確にするとともに、10の最も頻度の高いメラノーマ構造について考察した。 主な内容は以下のとおり。・ダーモスコピー上で良性パターンを呈し、メラノーマに特異的な構造を有していなければ、その母斑は切除する必要はなく、安全に経過観察が可能である。・対照的に、メラノーマなら、良性母斑パターンがみられることが常になく、メラノーマに特異的な次の10の構造のうち少なくとも1つを呈する所見が認められる。「非対称性の網目状組織(atypical network)」「暗褐色の網目状組織(negative network)」「線条(streaks)」「結晶構造(crystalline structures)」「均一でない小点・小球(atypical dots and globules)」「不揃いの斑点(irregular blotch)」「青白色ベール(blue-white veil)」「自然消褪構造(regression structures)」「辺縁のブラウン色構造領域(peripheral brown structureless areas)」「非定型の血管構造(atypical vessels)」。・幼児期のメラノーマは通常、臨床的ABCD特色を呈しないという事実を認識していることが重要である。それよりも、多くの場合は、対称性で、メラニン色素がなく、結節状の病変である。・臨床的印象は警告されない可能性があるが、ダーモスコピーによって、メラノーマには常に少なくとも1つの特異的な構造が認められる可能性があり、その最も頻度の高い所見は、非定型の血管構造と結晶構造である。

2864.

睡眠障害と皮膚疾患、夜間のひっかき行動は睡眠ステージと関連

 カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のMadhulika A. Gupta氏らは、Clinics in Dermatology誌2013年1月号特集「Psychodermatology」に、「睡眠障害と皮膚疾患」と題するレビュー論文を寄稿した。睡眠は、人の一生のうち約3分の1を占める生命活動だが、睡眠中の皮膚疾患に関する研究はほとんど発表されていない。しかし皮膚疾患による睡眠の乱れが、患者のQOLやメンタルヘルスに有意な影響を及ぼす可能性があり、また場合によっては症状の増悪に通じる可能性があると、本主題の重要性を提起している。 Gupta氏は、臨床における睡眠と皮膚疾患の関連について、次の5つを示し、これらは皮膚疾患治療に重大な影響を及ぼすと述べている。(1)正常な睡眠生理(体温調節、中心体温調節、睡眠の開始など)における皮膚の役割(2)内因性サーカディアンリズムと末梢性サーカディアン“振動子”の皮膚症状への影響(たとえば、炎症性皮膚症患者の夕刻時に最低血中濃度となるコルチゾールレベルにより、夕刻と夜間にかゆみが増大する傾向がみられることなど)(3)かゆみ、多汗症、体温調節の異常といった症状による、本人および家族の睡眠や睡眠関連QOLへの影響(4)不眠症や睡眠時無呼吸、睡眠妨害、サーカディアン障害といった主要な睡眠障害の、皮膚疾患への考えられる影響(たとえば、睡眠時無呼吸での睡眠からの中枢神経系の覚醒は交感神経を活性化し、炎症に結びつくなど)(5)ストレスや精神的障害を伴う一部の皮膚疾患の共存症[たとえば、睡眠関連の主訴と関連している大うつ病や注意欠陥多動性障害(ADHD)] その上で、アトピー性皮膚炎患者の睡眠障害について次のような考察を行っている。・不眠が、アトピー性皮膚炎におけるADHD様症状の病因に関与している可能性がある。・睡眠中のひっかき行動は、各睡眠ステージの間の交感神経活動と関連している可能性があり、通常、ノンレム睡眠ステージ1および2(より深い睡眠ステージであるステージ3、4と比べて)で、最も頻繁に起きている。また、レム睡眠でも頻繁に起きている(ひっかき行動の重症度はステージ2と同程度)。・アトピー性皮膚炎の患者および両親の、夜間のかゆみやひっかき行動の自己申告は概して、ひっかき行動の客観的尺度と関連しない。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(48)〕 IL-1阻害薬は活動性全身型若年性特発性関節炎に有効である

IL-1阻害薬は、IL-1レセプターアンタゴニスト(IL-Ra)であるアナキンラ(国内未承認)が関節リウマチの治療薬として欧米で承認されているが、 TNF阻害薬ほどの有効性は認められない。IL-1の過剰産生が病態の中心であることが判明したマックル・ウェルズ症候群などの自己免疫性症候群に対しては、IL-1レセプターとイムノグロブリンの融合蛋白であるリロナセプト(国内未承認)とヒト化抗IL-1抗体であるカナキヌマブ(商品名:イラリス)が承認されている。 若年性特発性関節炎(JIA)の全身型は発熱、関節炎、リンパ節腫脹、肝脾腫、漿膜炎、炎症反応高値などの臨床症状を示し、ステロイド療法やメトトレキサートなどの免疫抑制剤が治療の中心であったが、近年IL-1やIL-6が病態の中心にあることが報告されてきた。 今回70%弱がアナキンラやIL-6阻害薬、TNF阻害薬などの生物学的製剤の投与歴がある難治性の活動性JIA患者190人に対するカナキヌマブに関する2つの第3相臨床試験の結果が報告された。Trial 1で主要アウトカムである15日目のJIA・ACR30(JIAコアセット6つのうち3つ以上で改善率30%以上、1つ未満クライテリアでの30%超の悪化、発熱がない)の基準を満たした患者の頻度は、カナキヌマブ投与群(43例)でプラセボ群(41例)と比較して有意に高かった(84% vs. 10%)。Trial 2はオープンラベル試験で175人が中央値で113日観察され、73%がJIA・ACR50を達成し、JIA・ACR30を達成した100人がカナキヌマブ継続とプラセボ投与の2群に割り付けられた。カプラン・マイヤー法で両群の非再発率を検討するとカナキヌマブ投与群で有意に高かった(74% vs 25%)。グルココルチコイドはベースラインで 128人に投与され、平均0.34 mg/kgから0.05 mg/kgまで減量され33%が中止できた。マクロファージ活性化症候群が7例に出現し、プラセボ群よりカナキヌマブ群で感染症の合併率は高かった。 抗IL-1β抗体のJIA全身型への有効性が確認され、今後本邦でも抗IL-1β抗体の使用が可能となることが期待される。

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花粉症の治療薬剤に関するアンケート結果

対象ケアネット会員の医師 耳鼻咽喉科101名、内科690名方法インターネット調査実施期間2013年1月8日~1月15日Q1花粉症治療で処方している薬剤の種類をお聞かせください(点眼剤を除く)。(複数回答)Q2花粉症患者への薬剤処方のうち、単剤処方の割合はどれくらいですか?(点眼剤を除く)Q3花粉症治療薬の種類の中で、最も効果が高いと実感しているものから上位2つをお選びください (点眼剤を除く)。2013年1月ケアネット調べ

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小児アトピー性皮膚炎予防にLGG菌やGLA含有サプリメントが有効

 Negar Foolad氏らは、栄養サプリメントによる小児のアトピー性皮膚炎への効果について、システマティックレビューの結果、特定の乳酸菌や脂肪酸を含む栄養サプリメントに、発症予防や重症度軽減のベネフィットがあることを報告した。解析結果を踏まえて著者は、「さらなる研究で、アトピー性皮膚炎への栄養サプリメントの基礎的な作用について、そのメカニズムを明らかにすることが求められる」と述べている。Archives of Dermatology誌オンライン版2012年12月17日号の掲載報告。 本研究の目的は、プロバイオティクスやプレバイオティクス、フォーミュラ(人工乳)や脂肪酸などを含有した栄養サプリメントが、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎発症を阻止または重症度を軽減するかどうかを、システマティックレビューにて明らかにすることであった。 MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、LILACS(Latin American and Caribbean Health Science Literature)にて、1946年1月1日~2012年8月27日の間の発表論文を検索し、さらに手動での検索も行った。 適格とした試験は、3歳未満児におけるアトピー性皮膚炎の栄養サプリメントの予防や改善の効果について検討した無作為化試験とコホート研究とした。 主な結果は以下のとおり。・検索にて論文92本が選ばれ、適格基準に達した21本を解析に組み込んだ。・21の研究におけるサプリメント摂取者は合計6,859人(乳児または妊娠中か授乳中の母親)であった。対照群は、乳児または母親合計4,134人であった。・解析の結果、栄養サプリメントは、アトピー性皮膚炎の発症を阻止すること(11/17研究)、重症度の軽減(5/6研究)に有効な手段であることが示された。・エビデンスが最も良好であったのは、母親と乳児にプロバイオティクス含有サプリメントを与えた場合であった。・とくに、LGG菌(Lactobacillus rhamnosus GG、ラクトバチルス・ラムノーサス GG)は、アトピー性皮膚炎発症の長期予防に有効であった。・GLA(γ-Linolenic acid、ガンマ・リノレン酸)は、アトピー性皮膚炎の重症度を軽減した。・プレバイオティクスとクロスグリのシードオイル(GLAとω-3を含有)のサプリメントは、アトピー性皮膚炎発症の抑制に有効であった。・一方、アミノ酸ベースのフォーミュラ含有サプリメントについては、異なる研究グループから相反する所見が報告されていた。

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超早産児に対するCPAP対サーファクタント、長期アウトカムも有意差みられず/NEJM

 米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のYvonne E. Vaucher氏らは、超早産児に対する早期の持続的気道陽圧法(CPAP)とサーファクタント投与の比較について、長期の死亡や神経発達障害のアウトカム改善に有意差がみられなかったことを報告した。また、酸素飽和度目標値の違いによるアウトカムについても、低目標値(85~89%)と高目標値(91~95%)間の有意差がみられないこと、および死亡率が低目標値群で増大傾向がみられたことを報告した。同研究グループは既存報告で、上記比較の短期アウトカム(死亡または気管支肺異形成症)について、CPAP対サーファクタントでは有意差がみられなかったことを、また目標値の違いでは低目標値群で網膜症発症と死亡率が増大することを報告していた。NEJM誌2012年12月27日号掲載より。18~22ヵ月までの死亡または同時点での神経発達障害の発生率を比較 研究グループは、在胎24週0日~27週6日で生まれた超早産児1,316例を対象とする無作為化試験を行った。一方の群には早期CPAPと限定的な換気療法による治療戦略を適用し、もう一方の群には早期サーファクタント投与を行った。さらに、各群を無作為に2群に分け、酸素飽和度目標値を85~89%(低酸素群)と、91~95%(高酸素群)にそれぞれ設定した。 主要評価項目は、18~22ヵ月までの死亡または年齢補正後18~22ヵ月時点における神経発達障害の複合アウトカムとした。アウトカムの有意差認められず 被験者のうち1,234例(93.8%)について主要複合アウトカム評価を行い、18~22カ月時点で生存していた1,058例については、990例の評価が行われた。 結果、死亡または神経発達障害の発生は、CPAP群621児のうち173児(27.9%)、サーファクタント群613児のうち183児(29.9%)と、両群で有意な差は認められなかった(相対リスク:0.93、95%信頼区間:0.78~1.10、p=0.38)。 また、目標値を比較した検討においても、死亡または神経発達障害の発生は低酸素群612児のうち185児(30.2%)、高酸素群622児のうち171児(27.5%)と、両群間の有意差はみられなかった(相対リスク:1.12、95%信頼区間:0.94~1.32、p=0.21)。死亡率は、高酸素群で18.2%に対し、低酸素群では22.1%と増大傾向が認められた(相対リスク:1.25、同:1.00~1.55、p=0.046)。

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鼻噴霧用ステロイド薬による花粉症初期療法の検討~日本アレルギー学会秋季学術大会

花粉症の初期療法に使用する薬剤として、「鼻アレルギー診療ガイドライン」では以下の5種類の薬剤が推奨されており、鼻噴霧用ステロイド薬は含まれていない。1) 第2世代抗ヒスタミン薬2) ケミカルメディエーター遊離抑制薬3) Th2サイトカイン阻害薬4) 抗ロイコトリエン薬5) 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬しかしながら、海外の花粉症では鼻噴霧用ステロイド薬による季節前投与の有用性が報告され、スギ花粉症においてもプラセボ対照無作為化比較試験によるエビデンスの蓄積が待たれている。このような背景のもと、2012年11月29日~12月1日に開催された第62回日本アレルギー学会秋季学術大会では、鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性を検討した複数のプラセボ対照無作為化比較試験のデータが報告された。スギ花粉飛散開始前または翌日から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討山梨大学大学院医学工学総合研究部耳鼻咽喉科・頭頸部外科の増山敬祐氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬(フルチカゾンフランカルボン酸エステル)の初期療法の有用性を検討したプラセボ対照無作為化比較試験を報告した。増山氏らは、2011年の花粉症シーズンにおいて、適格性の評価を受けたスギ花粉症患者150例(うち妊娠と抗ヒスタミン薬使用の2例除外)を鼻噴霧用ステロイド薬群(75例)とプラセボ群(73例)の2群に無作為に割り付け、症状自覚時またはスギ花粉飛散開始翌日から投与を開始した。その結果、総鼻症状は、スギ花粉飛散開始後第2、第3、第4、第5週に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制され、くしゃみ、鼻漏、鼻閉の各症状についても同様であった。総眼症状は、第3、第4、第5週に鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に増悪が抑制された。レスキュー薬の使用については、抗ヒスタミン薬の使用は鼻噴霧用ステロイド薬群で有意に少なかったが、点眼薬の使用は両群間で有意差はなかった。QOLスコアは、飛散ピーク時とシーズン後半に、鼻噴霧用ステロイド薬群で有意にスコアの悪化が抑制された。一方、副作用は両群とも軽微であり、有意差が認められなかった。これらの結果から、増山氏は、スギ花粉症に対する鼻噴霧用ステロイド薬による初期療法の有用性が示唆されると結んだ。スギ花粉飛散3週間前から鼻噴霧用ステロイド薬を投与し、有用性を検討岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学の岡野光博氏は、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与する群とプラセボ群の2群間における無作為化二重盲検比較試験と、鼻噴霧用ステロイド薬を花粉飛散前から投与開始する群、花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替える群、プラセボ群の3群間による無作為化二重盲検比較試験を報告した。2群間における無作為化二重盲検比較試験は、スギ・ヒノキ花粉症患者50例を鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)群(25例)とプラセボ群(25例)の2群に無作為に割り付け、スギ花粉飛散前(2010年2月1日)から投与開始し、スギ・ヒノキ花粉飛散期における有効性と安全性を検討した。なお、2010年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月22日であったことから、スギ花粉飛散開始3週間前に投与を開始したことになる。その結果、鼻噴霧用ステロイド薬投与群では、鼻症状スコア、眼症状スコア、総鼻眼症状スコアにおいて抑制が認められた。QOLスコアも、スギ花粉飛散開始後、プラセボ群に比べて有意に良好であり、有害事象はプラセボ群と同等であった。この結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬はスギ・ヒノキ花粉症に対する初期治療薬として有効かつ安全であることが示唆される、と述べた。次に、鼻噴霧用ステロイド薬による初期治療の開始時期を検討するために、スギ・ヒノキ花粉症患者75例を、鼻噴霧用ステロイド薬(モメタゾンフランカルボン酸エステル)をスギ花粉飛散前から投与開始する群(以下、飛散前投与開始群、25例)、スギ花粉飛散後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた群(以下、飛散後投与開始群、25例)、プラセボ群(25例)の3群に無作為に割り付けた。3群ともスギ花粉飛散前(2011年2月1日)から投与開始し、飛散後投与開始群はその4週後にプラセボから鼻噴霧用ステロイド薬に切り替えた。2011年のスギ花粉の本格飛散開始日は2月23日であったことから、飛散前投与開始群では飛散開始のほぼ3週間前に投与開始、飛散後投与開始群では飛散開始からほぼ1週間後に投与開始したことになる。この結果、飛散前投与開始群、飛散後投与開始群ともにプラセボ群に比べて、スギ・ヒノキ花粉飛散期の鼻症状の増悪を有意に抑制した。眼症状については、スギ・ヒノキ花粉飛散期に、飛散前投与開始群がプラセボ群に比べ有意に増悪を抑制したが、飛散後投与開始群では有意な効果はみられなかった。総鼻眼症状は、スギ花粉飛散期に、飛散後投与開始群に比べて飛散前投与開始群が有意に増悪を抑制し、くしゃみと眼掻痒感について顕著であった。これらの結果から、岡野氏は、鼻噴霧用ステロイド薬によるスギ・ヒノキ花粉症に対する初期療法は、花粉飛散後より花粉飛散前に投与開始するほうが、より高い症状緩和効果が得られることが示唆されると述べた。

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第10回 療養指導義務:「何かあったら受診ください」ではダメ!どうする患者指導!!

■今回のテーマのポイント1.療養指導義務は説明義務の一類型であるが、治療そのものである2.「重大な結果が生ずる可能性がある」場合には、たとえ当該可能性が低くとも、療養に関する指導をしなければならない3.「何か変わったことがあれば医師の診察を受けるように」といったような一般的、抽象的な指導では足りず、しっかりと症状等を説明し、どのような場合に医師の診察が要するか等具体的に指導しなければならない事件の概要母X2は、Y産婦人科医院にて、妊娠34週に2200gの第3子(児X1)を出産(吸引分娩)しました。低出生体重児ではありましたが、出生時に児の異状は認められませんでした。しかし、出生後、X1には早期黄疸が認められるようになり、徐々に黄疸は増強してきました。第一子、第二子出産の際にも新生児期に黄疸が出ていたことから、母X2の依頼によりX1の血液型検査をしたところ、母X2と同じO型と判定されました(後に再検査したところX1の血液型はO型ではなくA型と判明しました)。そのため、医師Yは、母X2に対し、黄疸について、「大丈夫だ。心配はいらない」と伝え、退院時(出生より10日目)にも母X2に対し「血液型不適合もなく、黄疸が遷延しているのは未熟児だからであり、心配はない」、「何か変わったことがあったらすぐに当院あるいは近所の小児科の診察を受けるように」とだけ説明をしました。ところが、退院3日後(出生より13日目)より黄疸の増強と哺乳力の減退が現れました。母X2は、医師Yの退院時説明や、受診を急ぐことはないとの夫からの意見もあり、様子をみることとし、結局、外来受診したのは退院から8日後となりました。その結果、X1は核黄疸が進行し、治療を受けたものの、強度の運動障害のため寝たきりとなりました。X1及び両親は、医師Yに対し、X1に対する処置及び退院時の療養指導に不備があったとして約1億円の損害賠償請求を行いました。第1審では「X1に対する処置及び療養指導について過失はない」として原告の請求を棄却しました。同様に控訴審においても、「新生児特に未熟児の場合は、核黄疸に限らず様々な致命的疾患に侵される危険を常に有しており、医師が新生児の看護者にそれら全部につき専門的な知識を与えることは不可能というべきところ、新生児がこのような疾患に罹患すれば普通食欲の不振等が現れ全身状態が悪くなるのであるから、退院時において特に核黄疸の危険性について注意を喚起し、退院後の療養方法について詳細な説明、指導をするまでの必要はなく、新生児の全身状態に注意し、何かあれば来院するか他の医師の診察を受けるよう指導すれば足りる」として原告の請求を棄却しました。これに対し原告が上告したところ、最高裁は、療養指導義務につき過失を認め、原判決を破棄差し戻しとし、下記の通り判示しました(差し戻し審後の認容額約6400万円)。なぜそうなったのかは、事件の経過からご覧ください。事件の経過母X2は、Y産婦人科医院にて、妊娠34週に2200gの第3子(児X1)を出産(吸引分娩)しました。低出生体重児ではありましたが、出生時に児の異状は認められませんでした。しかし、出生後、X1には早期黄疸が認められるようになり、徐々に黄疸は増強してきました。母X2は、第一子、第二子出産の際にも新生児期に黄疸が出ており、知人からこのような場合には、黄疸が強くなると児が死ぬかもしれないと聞かされていたことから不安に思い、医師YにX1の血液型検査を依頼しました。検査の結果、X1の血液型は、母X2と同じO型と判定されました(後に再検査したところX1の血液型はO型ではなくA型と判明しました)。X1の黄疸は、生後4日目には肉眼的に認められるようになり、生後6日目に測定した総ビリルビン値は 2.5mg/dLでしたが、その後、X1が退院するまで肉眼的には黄疸が増強することはありませんでした。医師Yは、母X2に対し、血液型不適合はなく、黄疸が遷延するのは未熟児だからであり心配はないと伝えました。そして、退院時(出生より10日目)にも母X2に対し「血液型不適合もなく、黄疸が遷延しているのは未熟児だからであり、心配はない」、「何か変わったことがあったらすぐに当院あるいは近所の小児科の診察を受けるように」とだけ説明をしました。ところが、退院3日後(出生より13日目)より黄疸の増強と哺乳力の減退が現れました。母X2は、医師Yの退院時説明や、受診を急ぐことはないとの夫からの意見もあり、様子をみることとし、結局、A病院の小児科外来を受診したのは退院から8日後となりました。A病院受診時のX1は、体重2040gで顕著な肉眼的黄疸が認められ、自発運動は弱く、診察上、軽度の落葉現象が認められ、モロー反射は認められるものの反射速度は遅くなっており、総ビリルビン値は 34.1mg/dL(間接ビリルビン値 32.2mg/dL)でした。直ちに交換輸血が行われたものの、X1は強度の運動障害のため寝たきりとなりました。事件の判決「新生児の疾患である核黄疸は、これに罹患すると死に至る危険が大きく、救命されても治癒不能の脳性麻痺等の後遺症を残すものであり、生後間もない新生児にとって最も注意を要する疾患の一つということができるが、核黄疸は、血液中の間接ビリルビンが増加することによって起こるものであり、間接ビリルビンの増加は、外形的症状としては黄疸の増強として現れるものであるから、新生児に黄疸が認められる場合には、それが生理的黄疸か、あるいは核黄疸の原因となり得るものかを見極めるために注意深く全身状態とその経過を観察し、必要に応じて母子間の血液型の検査、血清ビリルビン値の測定などを実施し、生理的黄疸とはいえない疑いがあるときは、観察をより一層慎重かつ頻繁にし、核黄疸についてのプラハの第一期症状が認められたら時機を逸ずることなく交換輸血実施の措置を執る必要があり、未熟児の場合には成熟児に比較して特に慎重な対応が必要であるが、このような核黄疸についての予防、治療方法は、上告人X1が出生した当時既に臨床医学の実践における医療水準となっていたものである。・・・・(中略)・・・・そうすると、本件において上告人X1を同月30日の時点で退院させることが相当でなかったとは直ちにいい難いとしても、産婦人科の専門医である被上告人Yとしては、退院させることによって自らは上告人X1の黄疸を観察することができなくなるのであるから、上告人X1を退院させるに当たって、これを看護する上告人母X2らに対し、黄疸が増強することがあり得ること、及び黄疸が増強して哺乳力の減退などの症状が現れたときは重篤な疾患に至る危険があることを説明し、黄疸症状を含む全身状態の観察に注意を払い、黄疸の増強や哺乳力の減退などの症状が現れたときは速やかに医師の診察を受けるよう指導すべき注意義務を負っていたというべきところ,被上告人Yは、上告人X1の黄疸について特段の言及もしないまま、何か変わったことがあれば医師の診察を受けるようにとの一般的な注意を与えたのみで退院させているのであって、かかる被上告人Yの措置は、不適切なものであったというほかはない」(最判平成7年5月30日民集175号319頁)ポイント解説今回は「療養指導義務」がテーマとなります。前回までのテーマであった説明義務には、大きく分類して2種類あり、一つはインフォームド・コンセントのための説明義務、もう一つが今回のテーマである療養指導義務です。糖尿病における食事療法、運動療法に代表されるように、疾患の治療は、医師のみが行うのではなく、患者自身が療養に努めることで、功を奏します。しかし、医療は高度に専門的な知識を必要としますので、患者自らが適切な療養をするために、専門家である医師が、患者がなすべき療養の方法等を指導しなければなりません。インフォームド・コンセントのための説明義務が患者の自己決定のために行われるのに対し、療養指導義務は、患者の疾病に対する治療そのものであることに大きな違いがあります。すなわち、インフォームド・コンセントのための説明義務違反があったとしても、通常は、自己決定権の侵害として、精神的慰謝料(数十~数百万円程度)が認められるにとどまりますが、療養指導義務違反においては、患者の身体に生じた損害(死傷)として場合によっては数千万~数億円単位の損害賠償責任を負うこととなります。療養指導義務が民事訴訟において争われる類型としては、(1)退院時の療養指導(2)経過観察時の療養指導(3)外来通院時の療養指導があります。特に注意が必要となるのが、本事例のように医師の管理が行き届きやすい入院から目の届かない外来へと変わる退院時の療養指導(1)及び、頭部外傷等で救急外来を受診した患者を帰宅させる際に行う療養指導(2)です。本事例以外に退院時の療養指導義務が争われた事例としては、退院時に処方された薬剤により中毒性表皮壊死症(TEN)を発症し死亡した事例で、「薬剤の投与に際しては、時間的な余裕のない緊急時等特別の場合を除いて、少なくとも薬剤を投与する目的やその具体的な効果とその副作用がもたらす危険性についての説明をすべきことは、診療を依頼された医師としての義務に含まれるというべきである。この説明によって、患者は自己の症状と薬剤の関係を理解し、投薬についても検討することが可能になると考えられる。・・・(中略)・・・患者の退院に際しては、医師の観察が及ばないところで服薬することになるのであるから、その副作用の結果が重大であれば、発症の可能性が極めて少ない場合であっても、もし副作用が生じたときには早期に治療することによって重大な結果を未然に防ぐことができるように、服薬上の留意点を具体的に指導すべき義務があるといわなくてはならない。即ち、投薬による副作用の重大な結果を回避するために、服薬中どのような場合に医師の診察を受けるべきか患者自身で判断できるように、具体的に情報を提供し、説明指導すべきである」(高松高判平成8年2月27日判タ908号232頁)と判示したものがあります。また、救急外来において頭部打撲(飲酒後階段から転落)患者の帰宅時の療養指導が争われた事例(患者は急性硬膜下血腫等により死亡)では、「このような自宅での経過観察に委ねる場合、診療義務を負担する医師としては、患者自身及び看護者に対して、十全な経過観察を尽くし、かつ病態の変化に適切に対処できるように、患者の受傷状況及び現症状から、発症の危険が想定される疾病、その発症のメルクマールとなる症状ないし病態の変化、右症状ないし病態変化が生起した場合に、患者及び看護者が取るべき措置の内容、とりわけ一刻も早く十分な診療能力を持つ病院へ搬送すべきことを具体的に説明し、かつ了知させる義務を負うと解するのが相当である」(神戸地判平成2年10月8日判時1394号128頁)と判示されています。本判決を含めた判例の傾向としては、1)「重大な結果が生ずる可能性がある」場合には、たとえ当該可能性が低くとも、療養に関する指導をしなければならないとしていること2)「何か変わったことがあれば医師の診察を受けるように」といったような一般的、抽象的な指導では足りず、しっかりと症状等を説明し、どのような場合に医師の診察が要するか等、具体的に指導することが求められています。患者の生命、身体に関する必要な情報は提供されるべきであることは当然ですが、この医師不足の中で医師は多忙を極めており、すべての患者に対し、上記内容を医師が直接、口頭で説明することは、残念ながら現実的には非常に困難であるといえます。だからといって、医師による直接、口頭にこだわる余り、説明、指導の内容を縮減することは患者のためになりません。したがって、療養指導義務の主体や方法については、第8回「説明義務 その2」で解説したように、書面による指導や他の医療従事者による指導を適宜用いることで、柔軟に対応すべきです。もちろん、このような方法により法的な療養指導義務や説明義務を果たした上で、医師患者関係の形成のための医師による直接、口頭の説明、指導を行うことは、法的責任とは離れた「医師のプロフェッションとしての責任」として、果たすべきであることも忘れてはなりません。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)最判平成7年5月30日民集175号319頁高松高判平成8年2月27日判タ908号232頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。神戸地判平成2年10月8日判時1394号128頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

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活動性全身型JIAへのカナキヌマブ投与、症状改善などに効果/NEJM

 活動性の全身型若年性特発性関節炎(JIA)へのカナキヌマブ(商品名:イラリス)投与は、症状改善効果と、再び症状が悪化する再燃リスクを減少する効果があることが明らかにされた。イタリア・Istituto Giannina GasliniのNicolino Ruperto氏らが、190人の全身型JIA患者について行った、カナキヌマブに関する2つの第3相臨床試験の結果、報告した。NEJM誌2012年12月20日号掲載より。試験1では症状の改善、試験2では改善した症状の悪化について調査 Ruperto氏らは2009~2010年にかけて63ヵ所の医療機関を通じ、2~19歳のJIAで活動性の全身症状が認められる患者190人を対象とする2つの試験を行った。 研究グループはまず被験者を無作為に2群に分け、1群にはカナキヌマブ単回皮下投与(4mg/kg)を、もう1群にはプラセボ投与を行い29日間追跡した(試験1)。主要アウトカムは、15日目のJIA・ACR30(JIAコアセット6つのうち3つ以上で改善率30%以上、1つ未満クライテリアでの30%超の悪化、発熱がない)だった。 試験2では、オープンラベルでカナキヌマブ投与(毎4週)を12~32週間受けた後、治療に反応した患者については、グルココルチコイドのテーパリング後、無作為に2群に分け、1群にはカナキヌマブ投与を継続、もう1群にはプラセボを投与した。主要アウトカムは、全身性JIA症状再燃までの時間とした。カナキヌマブ群の8割以上でJIA・ACR30を達成 その結果、試験1では、JIA・ACR30が認められた人の割合は、プラセボ群が41人中4人(10%)だったのに対し、カナキヌマブ群では43人中36人(84%)と、大幅に高率だった(p<0.001)。 試験2では、被験者のうち無作為化の対象となったのは100人だった。全身性JIAを再燃しなかった人の割合は、プラセボに切り替えた群が25%だったのに対し、カナキヌマブ群では74%と大幅に高率だった(ハザード比:0.36、p=0.003)。 試験開始時点では、グルココルチコイドを服用していたのは128人だったが、うち33%の42人が、服用中止を達成した。 有害事象については、マクロファージ活性化症候群が7例に出現した(試験1で各群1例、試験2のオープンラベルで4例、切り替え後プラセボ群で1例)。またカナキヌマブ群のほうがプラセボ群よりも感染症の頻度が高かった。

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花粉症の診療ガイドライン・検査に関するアンケート結果

対象ケアネット会員の医師 耳鼻咽喉科87名、内科541名方法インターネット調査実施期間2012年12月4日~12月11日Q1花粉症診療を行う際に「鼻アレルギー診療ガイドライン」を参考にしていますか?Q2花粉症診断の際、どの検査を実施していますか?(複数回答)2012年12月ケアネット調べ

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インフルエンザ 総説

突如として発生して瞬く間に広がりすぐに消え去っていく、咳と高熱のみられる流行病はギリシャ・ローマ時代から記録があり、このような流行病は周期的に現われてくるところから、16世紀のイタリアの星占いたちは星や寒気の影響によるものと考え、influence(影響)すなわちinfluenzaと呼ぶようになったといわれている。国内では、天保6(1835)年に出版された医書「医療生始」に、インフリュエンザ(印弗魯英撤)という病名が書かれているが、その字は、インド・フランス・ロシア・イギリスなどから撒き散らされる病気、という意味のように読み取れる。インフルエンザの病原体1891年 ドイツのコッホ研究所の Pfeifferと北里柴三郎が、インフルエンザ患者の鼻咽頭から小型の桿菌を発見し、1892年インフルエンザの病原体として発表しているが、1933年インフルエンザウイルスによってインフルエンザの病原体としては否定された。しかしその業績は高く評価され、その後も、本菌の学名として「Haemophilus influenzae: ヘモフィルス・インフルエンザ 」が使用されてきている。ヒトのインフルエンザウイルスは、1933年に初めて分離されたが、そのきっかけとなったのは、1931年ブタのインフルエンザからの分離である。これらから、インフルエンザという症状からつけられた疾病は、インフルエンザウイルスによって生じる感染症であることが明らかとなった。しかし、微生物学が進歩するにつれていろいろな微生物の存在が明らかとなり、さらにその病原診断が速やかになってくると、インフルエンザという症状の病気=インフルエンザウイルスの感染 となるわけではなく、インフルエンザという病名に一致した症状を呈しながら他の病原体による感染症であったり、またインフルエンザという病名とは異なる症状でありながらインフルエンザウイルスが検出されたりすることがある、ということも明らかになってきた。また、インフルエンザウイルス感染に伴い、急性脳症およびその他の中枢神経障害・精神異常・心循環器障害・肝障害・運動器障害など、さまざまな病態像を呈することも明らかになってきた。インフルエンザウイルスはウイルス粒子内の核蛋白複合体の抗原性の違いから、A・B・Cの3型に分けられ、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型である。A型ウイルス粒子表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白があり、HAには16の亜型が、NAには9つの亜型がある。これらはさまざまな組み合わせをして、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布している。インフルエンザとは人の病気の病名であるが、インフルエンザウイルス感染症は、広く動物界に分布しているといえる。ウイルスの表面にあるHAとNAは、同一の亜型内で 抗原性を毎年のように変化させるため、A型インフルエンザは巧みにヒトの免疫機構から逃れ、流行し続ける。これを連続抗原変異(antigenic drift)または小変異という。いわばマイナーモデルチェンジで基本的に同じ形が少しずつ姿を変えることになる。連続抗原変異によりウイルスの抗原性の変化が大きくなれば、A型インフルエンザ感染を以前に受け、免疫がある人でも、再び別のA型インフルエンザの感染を受けることになる。その抗原性に差があるほど、感染を受けやすく、また発症したときの症状も強くなる。そしてウイルスは生き延びることになる。さらにA型は数年から数10年単位で、突然別の亜型に取って代わることがある。これを不連続抗原変異(antigenic shift)または大変異という。これはいわばインフルエンザウイルスのフルモデルチェンジで、つまり「新型インフルエンザウイルスの登場」ということになる。人々は新に出現したインフルエンザウイルスに対する抗体はないため、感染は拡大し地球規模での大流行(パンデミック)となり、インフルエンザウイルスは息をふきかえしたようにさらに生き延びる。2009年新型インフルエンザ(パンデミック):1918年に始まったスペイン型インフルエンザ(A/H1N1)は39年間続き、1957年からはアジア型インフルエンザ(A/H2N2)が発生し、その流行は11年続いた。その後1968年に香港型インフルエンザ(A/H3N2) が現われ、ついで1977年ソ連型インフルエンザ (A/H1N1)が加わり、小変異を続けてきた。2009年北アメリカ固有のブタのインフルエンザA/H1N1(スペイン型由来と考えられる)に、北アメリカの鳥インフルエンザウイルス、ヒトのインフルエンザウイルス、ユーラシアのブタインフルエンザの遺伝子が北アメリカのブタ体内で集合したと考えられるインフルエンザウイルス感染者が検知され、「ブタ由来(swine lineage)インフルエンザ:A/H1N1 swl」と命名された。ウイルスの亜型はH1N1タイプなのでA/H1N1(ソ連型)が変化したもので「新型」とはいえないのではないかという考えもあったが、その遺伝子構造はこれまでのH1N1(ソ連型)とはかなり異なるものであったため、「新型」インフルエンザウイルス(novel influenza virus)とされた。現在WHOではウイルスはPandemic influenza A (H1N1) 2009 virus。疾病名は「Pandemic influenza (H1N1) 2009」と呼んでいる。国内での2010/2011インフルエンザシーズンは、A/H3N2(香港型)、A/H1N1 pdm 2009およびB型が混在した流行で、A/H1N1(ソ連型)は消失した。2011/12シーズンは、A/H3N2(香港型)、およびB型が混在した流行で、A/H1N1 pdm 2009 はほとんど見られていなかった。インフルエンザの疫学状況わが国のインフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1~3月頃にその数が増加、4~5月にかけて減少していくというパターンであるが、流行の程度とピークの時期はその年によって異なる(図1)。2009年は、新型インフルエンザ(パンデミック2009)の登場によって、著しくそのパターンは異なっている。わが国におけるインフルエンザの状況は、以下のようなサーベイランスシステムによって行われており、その結果は国立感染症研究所感染症情報センターのホームページで見ることができる(国立感染症研究所感染症情報センター:インフルエンザ http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/index.html)1)インフルエンザ患者発生状況:インフルエンザは感染症法の第五類定点把握疾患に定められており、全国約5,000カ所のインフルエンザ定点医療機関(小児科約3,000、内科約2,000)より報告がなされている。報告のための基準は以下の通りであり、臨床診断に基づく「インフルエンザ様疾患(influenza like illness: ILI)の報告である。診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の4つの基準を全て満たすもの1.突然の発症2.38℃を超える発熱3.上気道炎症状4.全身倦怠感等の全身症状定点は保健所に報告を行い、保健所は都道府県等の自治体に、自治体は国(厚生労働省)にその報告を伝達し、感染研情報センターがこれを集計・解析・還元している(図1)。図1インフルエンザ流行曲線全国5,000カ所のインフルエンザ定点医療機関からの報告http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html2)病原体(インフルエンザウイルス)サーベイランスインフルエンザ定点の約10%は検査定点として設定され、検体を各地方の衛生研究所(地研)などに送付する。地研ではウイルス分離や抗原分析を行う。分離ウイルスに関する詳細な分析については、各地研および国立感染症研究所ウイルス3部インフルエンザウイルス室で行われ、感染研情報センターがこれを集計、解析、還元している(図2)。国内で分離されたウイルスの薬剤耐性に関する情報も公開されている。図2週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数http://www.nih.go.jp/niid/images/iasr/rapid/infl/2012_49w/sinin1_121213.gif3)感染症流行予測事業によるインフルエンザ免疫保有状況一般健康者より血液の提供を受け、地研でインフルエンザ抗体保有状況を測定し、それを感染研において全国データとして集計する。調査結果については、インフルエンザシーズン前に感染症情報センターホームページ等を通じ公表される。4)その他のインフルエンザサーベイランスシステム感染症発生動向調査を補い、インフルエンザ流行初期にその拡大やピークを把握することを目的として、1999年度よりインフルエンザ定点(5,000定点)のうち約1割を対象に、インターネットを利用した「インフルエンザによる患者数の迅速把握事業(毎日患者報告)」を実施している。また、有志の医師による「MLインフルエンザ流行前線情報データベース(ML-flu)」が行われているが、両者による流行曲線は非常に良く相関している。(MLインフルエンザ流行前線情報データベース :http://ml-flu.children.jp)インフルエンザ流行の社会へのインパクトの評価には超過死亡(インフルエンザ流行に関連して生じたであろう死亡)数を用いる。「インフルエンザ疾患関連死亡者数迅速把握」事業により、16都市が参加し、インフルエンザ・肺炎死亡の迅速把握も行われている。シーズン終了後の事後的解析に加え、シーズン中の対策に生かせるように、週単位の「インフルエンザ・肺炎死亡」による超過死亡数の迅速な把握に並行し、解析および情報還元が行われるようになっている。(http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-rpd/index-rpd.html)」

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お気に入りのインフルエンザ迅速診断キットベスト5ほか~医師アンケート(3)~

対象ケアネット会員の内科医師1,771名方法インターネット調査実施期間2012年12月18日~12月25日お気に入りのインフルエンザ迅速キットを1つ教えてください回答者(1,649名)の投票シェアベスト5今シーズンのインフルエンザウイルスの型別の傾向はいかがですか?すべてのインフルエンザ患者(非検出例を含め)のうちA型の占める割合でお教えください。今年のインフルエンザはA型が圧倒的か…抗インフルエンザ薬と解熱鎮痛薬の両方を処方する患者さんはどの程度いらっしゃいますか?外来のインフルエンザ患者における割合をお教えください。解熱鎮痛薬併用80%以上が半数弱。小児科では併用比率高い小児を除く患者さんについてお聞きします。インフルエンザで解熱鎮痛薬を処方するとき、次のどの薬剤を処方していますか?成人例での解熱鎮痛薬はアセトアミノフェンが圧倒的

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エキスパートが質問に回答「インフルエンザ診療」その2

CareNet.comでは12月のインフルエンザ特集を配信にあたり、会員の先生よりインフルエンザ診療に関する質問を募集しました。その中から、多く寄せられた質問に対し、岡部信彦先生にご回答いただきました。インフルエンザ脳症の早期発見のポイントについて教えてください。インフルエンザ様症状が発現後、比較的早い時期における“意味不明な言動を起こす”“意識状態に異常がみられる(呼んでも反応が鈍いなど)”という症状は、急性脳症を疑う重要なポイントといえるでしょう。もちろん、痙攣や重度の意識障害も、本症を疑う大きなポイントです。インフルエンザに伴う発熱について、解熱に積極的に介入していくべきか教えてください。インフルエンザの発熱は基本的には自然経過で解熱するため、解熱剤を使用しないというのも選択しうる一つの方法だと思います。しかし、一般的には患者さんの辛さや不安、全身状態の一時的な改善などを目的として使用することのほうが多いと思います。その際、小児に関しては、アスピリンなどのサリチル酸系解熱薬はライ症候群発症のきっかけとなる可能性があり、ジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸などのNSAIDsについては急性脳症発症者での予後を悪化させる可能性があるため、原則として使用しないという注意を遵守していただきたいと思います。商品名だとわかりにくいことがあるため、一般名を必ず確認するようにしてください。インフルエンザ治療後、職場に出勤する時期の目安は、どのように考えたらよいでしょうか?成人の場合は仕事などの関係上、学校や幼稚園・保育園などのようにはいかないと思いますが、少なくとも解熱しているかどうかの確認は必要です。また、解熱後はウイルス量は減少しますが、他人に感染させうる程度のウイルスは暫くは排泄される可能性があるため、発症(発熱)から5日程度経過し、かつ解熱から2日経過するくらいまでは、マスクや手洗いなどで他人にうつさないようにすることを指導していただければと思います。新型インフルエンザが発生した場合の一般診療所で行うべき防御手段について、スタッフやその家族を守る観点から教えてください。新型インフルエンザが発生した場合、その病原性、感染力については最新の情報を得ることが最も重要です。その程度によって対応は異なりますが、少なくても平常時から、感染対策におけるスタンダード・プレコーション(標準予防策)を、いつでもとれるように準備しておくことが重要です。それをレベルアップするか、レベルダウンするかは状況によって異なりますので、まずは最新の情報を入手してください。日本のインフルエンザの診療水準や予防への取り組みは、諸外国と比較した場合どの程度の水準なのでしょうか? また、どのような特徴があるのでしょうか?診療水準に関しては、インフルエンザ迅速診断キットで丁寧に診断し、抗インフルエンザ薬を豊富に使用するなど世界でも最上位にあるといえるでしょう。インフルエンザワクチンについても、アメリカには及ばないものの、わが国の関心は世界でも最も高いレベルに位置します。また、わが国における医療機関へのアクセスの良さは、やはりトップクラスであり、重症例の早期発見や早期治療に大きく結び付いていることでしょう。とはいえ、その利点は一方では軽症患者が夜昼となく外来および救急医療機関に集中することにもなり、解決すべき問題点としてあげられます。

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Dr.中野のこどものみかたNEO

第1回「小児気管支喘息最前線 ! 」第2回「使ってみよう ! こどもに漢方」第3回「ワクチン(1) Hib,肺炎球菌」第4回「ワクチン(2) 子宮頸癌の予防ワクチンとHPV」 第1回「小児気管支喘息最前線 ! 」他科領域で“最も難しい”、“なるべくなら回避したい”とされる小児科。小児の特異性は成人を診ることが多い医師にはどうしても判断しにくいものです。このシリーズでは、一般内科医の「診断はどうすれば良いのか?」「治療薬の処方は?」などの疑問に小児科専門医が答えるQ&A形式でわかりやすくお伝えしていきます。新米ママでもある馬杉先生が臨床現場の生の声をぶつけます。2008 年に改訂されたガイドラインを基軸に、現在の小児・乳児の気管支喘息の診断や治療、そして保護者への具体的な指導内容とその方法を徹底的に解説します。医師のみならず薬剤師や看護師など、小児と保護者に接する機会のある全ての医療従事者にご覧いただける内容です。第2回「使ってみよう ! こどもに漢方」最近では一般の医師でも漢方を処方したり、西洋薬と併用使用したりするケースが増えてきましたが、逆に情報通の保護者から漢方処方を依頼されることもあるのではないでしょうか。夜泣きや疳の虫、引きつけなど小さなこどもに多くみられる特有の症状。病気とはいえないがママ達には大変なストレス ! 漢方はそんな症状にズバリ著効することが多々あるのです。もちろん、嘔吐や下痢、発熱、くしゃみ鼻水といった一般的な症候によく効く漢方薬もあります。比較的小児に用い易い漢方処方を取り上げ、症例に沿って紹介します。大流行したノロウイルス感染症に効果のある「五散」のほか、「抑肝散」の母子同服という裏ワザ、そして服薬指導も行います。苦手意識をもたずに先ずは実践してみてください。第3回「ワクチン(1) Hib,肺炎球菌」Hib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌(7価混合型)の2 種のワクチンについて学習します。Hib も肺炎球菌も、細菌性髄膜炎や中耳炎、肺炎、ときには菌血症といった非常に深刻な感染症を引き起こす菌。こどもが保育園などに通い始めると1年あまりで保菌率が飛躍的に上昇します。そのため家族に高齢者がいれば飛沫感染で影響を及ぼすこともあります。これらのワクチンは、世界的には非常にポピュラーでありWHO でも定期接種が勧められていながら日本では認知度も接種率も低かったのですが、2011 年度から公費助成での接種が始まりました。公衆衛生や集団免疫の観点からも、小児科医だけでなく全ての医師と医療従事者がきちんと知っておく必要がありますので、この機会に是非ワクチンの知識を身につけてください !第4回「ワクチン(2) 子宮頸癌の予防ワクチンとHPV」第4回は小児疾患ではなく、子宮頸がんとそのワクチンについて学習します。近年急増傾向にあり、特に20 代から30 代女性の罹患と発症が問題となっています。子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染症によって引き起こされ、日本では成人女性の実に4 割以上がHPV に感染しているという驚くべき感染症です。タイプによっては予後が非常に悪く発症後の死亡率も高いため「Mother killer」と呼ばれています。にも関わらず日本では定期検診受診率が低くワクチンに関しても浸透しておらず、医師を含む医療従事者の間でさえ認知度が高いとはいえませんでした。しかし、2009 年12月から一般の医療機関でワクチン接種が可能となり、国と市町村の公費助成がはじまったため、婦人科以外で問合せを受ける可能性もあります。ワクチンで予防可能ながんをよく知り、その重要性を患者さんに啓蒙できるようになることが、これからの医療には求められるのではないでしょうか。

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