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脊髄性筋萎縮症患児の命を救う新薬登場

 バイオジェン・ジャパン株式会社は、脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンナトリウム(商品名:スピンラザ髄注)のわが国での承認に寄せ、2017年7月19日、都内でメディアセミナーを開催した。 脊髄性筋萎縮症(SMA)は、進行性の運動ニューロンの脱落を特徴とする疾患で、筋萎縮や筋無力を引き起こす希少疾病である。とくに乳児の重症型では1歳まで生きることができないとされる。 セミナーでは、本症診療の概要とヌシネルセンナトリウムの特徴について解説が行われた。型で異なるSMAの臨床像 はじめに齋藤 加代子氏(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター 所長・特任教授)が「脊髄性筋萎縮症の臨床・病態・治療」をテーマに講演を行った。 SMAは、脊髄前角細胞変性による筋萎縮と進行性筋力低下を特徴とする下位運動ニューロン病であり、I~IV型の4型に分類される。・I型(重症型)は、生後6ヵ月までに発症し、生涯呼吸器の補助が必要となる。臨床像としては、体が柔らかく、手・足・首がダランと垂れたり筋肉が萎縮する。成長後の最高到達運動機能では座位ができない。・II型(中間型)は、生後1歳6ヵ月までに発症し、生涯車椅子が必要となる。臨床像としては、痩せや食事ができない。筋肉の萎縮や背骨が曲がるなどがあるが、知性には問題はないとされる。成長後の最高到達運動機能では立位ができない。・III型(軽症型)は、生後1歳6ヵ月以降で発症し、次第に歩行が難しくなり思春期のころには車椅子が必要となる。臨床像としては、足がX脚で、閉じると不安定になる。体幹の筋肉が弱く、立位ではお腹を突き出す姿となる。成長後の最高到達運動機能では単独での立ち上がりや歩行ができない。・IV型(成人型)は、20歳以降で発症する。SMAの早期の診断で命を救う治療へ SMAの診断では、厚生労働省特定疾患調査研究班による診断基準が使用され、下位運動ニューロン症候、腱反射減弱から消失などの臨床所見、血清CK値が正常上限の10倍以下、筋電図で神経原性所見の認知などの検査所見、筋萎縮性側索硬化症などとの鑑別診断、SMN1遺伝子の欠失などの遺伝学的検査の4項目の総合的見地から診断される(難病や小児慢性疾患の認定でも使用される)。 治療としては、呼吸の維持・管理や栄養状態の管理、可動域の維持のための理学療法、脊柱固定術などの外科手術といった対症療法が行われる。とくに乳幼児では、排痰ができないために肺炎になりやすく、気管切開や人工呼吸器設置を含め呼吸管理は重要だという。 今回承認されたヌシネルセンナトリウムは、乳幼児型SMAに対して適応があり、完全に機能するSMNタンパク質の産生を増やすことで筋萎縮などの症状を抑えるものである。治療は、主に小児専門医(とくに小児神経専門医)が担うことになり、髄注という高度な手技が要求される治療薬であるが、髄液検査に習熟した医師であれば、手技は問題ないという。 最後に齋藤氏は、「本症の診断は比較的つきやすく、早く治療介入すれば、患児の生命を救うことができる。医師が早く本症を診断できることに期待したい」と抱負を述べ、レクチャーを終えた。ヌシネルセンナトリウムは髄注で投与 続いて、飛田公理氏(同社メディカル本部 希少疾患領域 部長)が、ヌシネルセンナトリウムの特徴を説明した。 本剤は、SMN2mRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、完全長の機能性SMNタンパク質を増加させる特性を持つ。投与法は、腰椎穿刺により髄腔内の脳脊髄液に直接投与する。初回投与後、2週、4週、9週で投与し、以降は4ヵ月間隔で投与を継続する。国際共同第III相臨床試験(ENDEAR試験)では、乳児型SMA患児121例(うち日本人3例)で実施され、運動発達の目標(たとえば転がる、這う、立つなど)達成は対照群0%と比べ51%であった。また、生存率についても対照群61%に比べ84%と有意な臨床効果を有していたという。副作用については、11.3%に発現があったが重篤なものはなく、発熱、頻脈、貧血母斑などが報告されていた。 本剤の保険収載は、8月末ごろの予定。現在遅発型SMAについても申請に向け作業を進めている。■参考SMA特設サイト(バイオジェン・ジャパン株式会社提供)SMA患者登録システムSMART(SMARTコンソーシアム)

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ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)【皮膚疾患】◆病状口や目の周りやわきの下などにびらんやかさぶたが出現し、発熱します。全身に痛みのある赤いブツブツが出る場合もあります。一見正常そうな皮膚もこすると剥けたりします。乳幼児に多くみられます。◆原因黄色ブドウ球菌という細菌が出す毒素による全身中毒性反応です。◆治療と予防治療は、入院が必要になることが多く、抗菌薬の点滴や内服と水分補給などで全身管理を行います。●一言アドバイス「新生児剥脱性皮膚炎」という別の名前もあり、6歳くらいまでの乳幼児に多いですが、成人も罹ることがあります。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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母親の体格がADHD、自閉症リスクと関連か

 ADHDや自閉スペクトラム症(ASD)のリスクは、妊娠前の母親の肥満などの環境的要因の影響を受ける可能性がある。これらの関連を調査したこれまでの研究では、異なる見解が得られている。デンマーク・オーフス大学病院のChristina Hebsgaard Andersen氏らは、これらの関連をさらに調査するためADHD、ASDおよびADHDとASDが併存した小児における大規模出生コホートを行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年7月15日号の報告。 対象は、デンマーク国民出生コホート(DNBC:Danish National Birth Cohort)に参加している母子8万1,892人。妊娠前の体重および身長に関する情報は、妊娠16週目に収集し、BMIに基づき分類し、分析した。ADHD、ASDまたは併存の臨床診断を受けた小児は、デンマークヘルスレジストリにおいて平均年齢13.3歳で確認された。ハザード比(HR)は、時間事象分析(time-to-event analysis)を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・正常体重の母親と比較し、過体重(HR:1.28、95%CI:1.15~1.48)、肥満(HR:1.47、95%CI:1.26~1.71)、重度の肥満(HR:1.95、95%CI:1.58~2.40)の母親は、ADHD児を有するリスクが有意に増加した。・ADHDとASDが併存した患者でも、同様なパターンが認められた。・ASDに関しては、低体重(HR:1.30、95%CI:1.01~1.69)および肥満(HR:1.39、95%CI:1.11~1.75)の母親で、リスク増加が認められた。・サブグループ解析では、ADHDにおける関連は、主に過活動グループに起因する可能性があることが明らかとなった。 著者らは「妊娠前の母親の肥満は、小児ADHDの危険因子である。また、母親の肥満および低体重は、ASDリスク増加と関連している可能性がある」としている。■関連記事妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較小児ADHDの合併症有病率と治療成績

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「働き方改革」は希望か、懸念か?勤務医1,000人に聞いた実態と本音

 来月召集される臨時国会の焦点となっている「働き方改革」。昨年、電通社員の過労による自死事件でにわかに長時間労働の実態と弊害がクローズアップされ、見直しの機運が高まっている。そして、この動きは医療界にも少なからず影響を及ぼすことになるだろう。ケアネットでは、CareNet.comの医師会員を対象に働き方をめぐるアンケート調査を実施し、1,000人の労働事情について聞いた。 日本医師会をはじめ、医療団体や個別の医療機関レベルでも医師の働き方について見直しや議論が本格化しつつあるが、まずはどのような現状にあるのかを知っていただきたい。 調査は、2017年7月3~5日、ケアネット会員のうち勤務医を対象にインターネット上で実施した。回答者の内訳は、年代別では50代が32%で最も多く、40代(30%)、30代(22%)、60代(12%)と続く。病床数別では、200床以上が71%で最も多く、以下、100~199床(19%)、20~99床(10%)。 このうち、医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成か、反対かを尋ねたところ、74.5%が「賛成」と答えた。その理由として、「超過勤務が当然のように横行している」「法律以外に規制の方法がない」などといったコメントが多くみられた。一方、「反対」(25.5%)と答えた理由としては、「救急医療が成り立たない」「(時間が)抑制されると最良の治療を選べなくなる」といった懸念や、「患者の理解が得られない」「患者のニーズに応えるため」など、医療者特有の事情を挙げる人もいた。このほか、「専門職であり、その能力を発揮して多く働くのは問題ない」など、医師としてのスタンスを理由とするコメントもみられた。 また、業務に関連するものの上司や管理者から勤務時間とみなされなかった項目と、勤務時間とみなすべきと考える項目について同一内容で尋ねたところ、両者共に割合が高かったのは、「書類作成などの事務処理」、「オンコール当番」、「院内の会議」など。患者と直接は向き合っていないものの、業務として時間を拘束される状況に問題を感じている人が多いのではないかと考えられる。 月当たりの休暇取得状況は、週換算で1日程度の「4~5日」(30.2%)が最も多く、以下、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)と続き、完全な休日をほとんど取得できない勤務が常態化している様子がうかがえる。 最も働きやすさにつながると思う項目と、最も実現しやすいと思う項目について、同一内容で尋ねたところ、働きやすさにつながるのは「休暇取得の徹底」を挙げた人が最も多い(32.8%)のに対し、実現しやすいのは「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と上げる人が最も多かった(42.7%)。前述したように、労基法で時間を一律に規制することが難しく、休暇取得も困難な状況下においては、労働実態と折り合いを付ける妥協点として、適切な残業代の支払いを求める人が多いことがうかがえる。 アンケート調査では、勤務時間や残業代をめぐるトラブル事例や労働状況に対する意見を記述してもらった。その中には、「25年間365日のオンコール待機がまったく評価されなかった」「上司の意向で時間外申請を40時間でカットされた」「仲間が過労死した」など、具体的なエピソードや率直なコメントが多数寄せられた。 コメントの中には、「医師も労働者であり、1人の人間である」という切実な訴えも少なくなかった。働き方改革は、医師にとって希望なのか、それとも懸念なのか。難しい議論となるだろうが、国の動向を注視していきたい。 今回の調査の詳細と、具体的なエピソードやコメントはCareNet.comに掲載中。

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「働き方改革」は医師を救う?勤務医1,000人のホンネと実情

秋の臨時国会では「働き方改革」に関連する法案が一括提出され、長時間労働の是正に向けた時間外労働規制も議論されることになっています。この議論は、医師の働き方の行く末にも関わってくるところですが、現場ではどのような制度改革や働き方が望まれているのでしょうか。ケアネット会員の勤務医1,000人に、ホンネと実情をうかがいました。結果概要過半数以上が法律での規制に賛成。規制を歓迎する半面、実効性に疑問も74.5%の医師が 働き方を労働基準法で規定することに「賛成」と回答した。回答理由について、賛成派からは「医師も労働者である」「超過勤務が当然のように横行している」など、現在までの勤務への疑問や不満が噴出。また「法律以外に規制の方法がない」という意見もみられた。一方、反対派からは「患者の生命に関わる」「救急医療が成り立たなくなる」といった医療供給体制への懸念や、「上限を設定すると、超えた分は実質サービス残業になる」などの事実上規制不可能と考える傾向もみられた。賛否によらず、「時間外手当を制限なく支給することが肝要」と答えた人も。時間外申請の却下は「勉強」関連。勤務とみなすべき業務はオンコール当番など管理者から勤務時間とみなされなかった項目の上位は、「院内の自主的な勉強会」(7.3%)、「院外の勉強会」(7.3%)、「オンコール当番」(6.8%)、「論文作成」(6.8%)、「学会のための準備」(6.7%)など。勤務時間とみなすべきだと考える項目では、「勤務時間外の患者相談」(8.4%)、「オンコール当番」(8.1%)、「勤務時間後のカルテ記入や確認」(8.0%)、「書類作成などの事務処理」(7.6%)、「院内の会議」(7.4%)が上位に挙がった。2つの設問ともに上位に挙がったものは「オンコール当番」のみ。「院内外の勉強会」や「論文作成」は、勤務時間とみなすべきとする項目では上位には入っていない。ひと月の休暇日数5日以下が約7割。ほぼ週休1日以下月当たりの休暇取得状況は、「0~1日」(23.1%)、「2~3日」(19.9%)、「4~5日」(30.2%)、「6~7日」(14.1%)、「8日以上」(12.7%)。ひと月の休暇日数が5日以下(週当たり1日以下)という回答を合わせると7割に上った。一方、完全週2日以上の休暇取得にあたる「8日以上」という人は、わずか1割に留まった。働きやすさの決め手は、「休暇取得」と「残業代の支払い」最も働きやすくなる変化として32.8%が「休暇取得の徹底」と答え、次いで30.4%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答した。そのほかは「時間外労働規制」(18.7%)、「当直後のインターバル規制」(18.1%)と続いた。実現しやすさでは、4割超が「残業代の支払い」を選択前項と同一選択肢で実現しやすさを尋ねた質問では、42.7%が「勤務時間の実態に即した残業代の支払い」と回答している。前項で最も多かった「休暇取得の徹底」は25.2%で、以下、「当直後のインターバル規制」(16.7%)、「時間外労働の規制」(15.4%)と続いた。前項と合わせると、「適正な休暇取得と、労働に見合った残業代の支払いが望ましいが、休暇を取ることは困難なので、せめて残業代だけは確保してほしい」というのが、切実な本音かもしれない。管理者による時間外申請のカット、トラブルを避けるために我慢。エピソードににじむ悲観勤務時間や残業代をめぐるトラブルのエピソードには、「1ヵ月の平均残業時間が160時間あったにもかかわらず、30時間しか認められなかった」など管理者によって一方的に時間外申請をカットされるといったエピソードや、「トラブルになり人間関係が崩れるので我慢する」、「泣き寝入りしているのでトラブルは見た目上ない」といった問題を表面化させないというものが目立った。「過少申告の強制」や「休暇取得の自粛をほのめかされる」など申告自体に圧力をかけられるケースや、「年俸制なので基本的に時間外手当がない」、「管理者になると実務での時間外は基本的にない」など契約時点からの不払いも散見された。設問詳細政府が進める「働き方改革実行計画」では、5年間の移行期間を置き、医師に対しても時間外労働規制の適用が検討されています。医療現場の実態に即していないという指摘がある一方、医師の過重労働は皆さんの実感するところかと思います。どのような制度改革や働き方が現場では望まれるのか、現在の勤務状況、また今後の働き方に関するご意見をお聞かせください。Q1.医師の働き方を労働基準法で規定することに賛成ですか?反対ですか?賛成反対Q2.Q1の回答について理由をお答えください(自由記述)Q3.管理者から勤務時間とみなされなかった項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q4.勤務時間とみなすべきだと思う項目をお答えください(回答はいくつでも)勤務時間後のカルテ記入や確認勤務時間外の患者相談書類作成などの事務処理オンコール当番宅直翌日の手術等の準備担当患者の疾患に関する文献検索自主的な院内勉強会研修医や後輩の指導手術の見学カンファレンス(準備を含む)依頼を受けた講演や執筆(準備を含む)学会への参加学会のための準備院外の勉強会論文作成院内の会議地域連携に関する業務Q5.月当りの休暇取得状況をお教えください0~1日2~3日4~5日6~7日8日以上Q6.働きやすさにつながると思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ7.最も実現しやすいと思う項目をひとつ選んでください(回答は1つのみ)時間外労働の規制休暇取得の徹底当直後のインターバル規制勤務時間の実態に即した残業代の支払いQ8.勤務時間や残業代などをめぐって上司や管理者との間で実際に経験したトラブル、具体的なエピソードを教えてください。コメント抜粋(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)労基法での規制に関する意見(賛成回答者)医師も労働者超過勤務が当然になっている男女ともに育児と仕事との両立ができない医師は職業意識が搾取に使われている経営陣は医師の恩情に甘えている労働時間を抑えるよう国レベルで動かないと結局実情は変わらない従来からの勤務状況が国際的見地から妥当とは思えない実現できるか否かは別として、残業を少なくしようと取り組むことには意義がある医師の時間束縛に対して、最近は患者から当然のこととして要求されるようになり、納得できなくなってきた十分な報酬を給与として保障してほしい(反対回答者)患者を見殺しにしてしまう可能性がある緊急や救急医療が成り立たなくなるため医師不足が加速する。倒産する病院も出てくる超過勤務の上限が設定されると、上限超えの分は実質サービス残業になる制限できるわけがない。患者のニーズに応えるなら、医者は時間外に沢山働かざるを得ない。時間外手当を制限なく支給することこそ大切働きたい場合は働かせてほしい現場や受診者の意識を変えて頂く方が理にかなう経営者なのでそのような法律ができると厳しい実現不可能働き方にまつわる具体的なトラブル事例やエピソード勤務時間外手当を請求したら、院長から「医師は全員管理職だから出さない」と言われてカットされたオンコールの日数に関わらず手当が均一であることへの改善を要求したが給与が高いことを理由に拒否された部長の承認印があっても、1ヵ月の時間外労働時間は30時間しか認められなかった(当時の平均残業時間は160時間/月)上司の意向で時間外申請を40時間でカットされていた時間ではなく保険点数によって時間外の報酬を規定しているトラブルになり人間関係が崩れるので我慢する泣き寝入りしているためトラブルは見た目上はないオンコール手当が支給されなかった年俸制なので基本的に時間外の手当は無い休日に入院患者さんの処置に出た分の時間外勤務を請求して断られた後輩が何も知らずに時間外をそのまま記載したら、事務から労働環境改善の勧告がきて部長に怒られた休暇取得に関して自粛をほのめかされた強制的に裁量労働性に移行させられた。妊娠中に夏休み(規定では3日)を利用して産科診察をしようとしたが、取得させてもらえなかった話せない内容が多い

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幼児へのビタミンDはかぜ予防に有用か?/JAMA

 健康な1~5歳児に、毎日のビタミンDサプリメントを2,000IU投与しても、同400IUの投与と比較して、冬期の上気道感染症は減らないことが、カナダ・セント・マイケルズ病院のMary Aglipay氏らによる無作為化試験の結果、示された。これまでの疫学的研究で、血清25-ヒドロキシビタミンDの低値とウイルス性上気道感染症の高リスクとの関連を支持するデータが示されていたが、冬期のビタミンD補給が小児のリスクを軽減するかについては明らかになっていなかった。結果を踏まえて著者は「ウイルス性上気道感染症予防を目的とした、小児における日常的な高用量ビタミンD補給は支持されない」とまとめている。JAMA誌2017年7月18日号掲載の報告。冬期の最低4ヵ月間、高用量(2,000IU) vs.標準用量(400IU)投与で評価 検討は、オンタリオ州トロント市(北緯43度に位置)で、複数のプライマリケアが参加する研究ネットワーク「TARGet Kids!」に登録された1~5歳児を対象とし、2011年9月13日~2015年6月30日に行われた。 研究グループは参加児703例を、2,000IU/日のビタミンDサプリメントを受ける群(高用量群349例)または同400IU/日を受ける群(標準用量群354例)に無作為に割り付けて追跡した。サプリメントの投与は保護者の管理の下、登録(9~11月)からフォローアップ(翌年4~5月)の間、冬期(9月~翌年5月)の最低4ヵ月間に行われた。 主要アウトカムは、冬期の間に、保護者によって採取された鼻腔用スワブ検体によりラボで確認されたウイルス性上気道感染症例とした。副次アウトカムは、インフルエンザ感染症、非インフルエンザ感染症、保護者報告による上気道疾患、初回上気道感染症までの期間、試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値であった。上気道感染症発症に有意差なし、初回発症までの期間も有意差みられず 無作為化を受けた703例(平均年齢2.7歳、男児57.7%)のうち、試験を完遂したのは699例(99.4%)であった。 小児1例当たりに確認された上気道感染症の報告数は、高用量群1.05回(95%信頼区間[CI]:0.91~1.19)、標準用量群1.03回(同:0.90~1.16)で、両群間に統計的有意差はみられなかった(発症率比[RR]:0.97、95%CI:0.80~1.16)。 初回上気道感染症までの期間についても、統計的有意差は示されなかった。具体的な同期間は、高用量群は3.95ヵ月(95%CI:3.02~5.95)、標準用量群3.29ヵ月(同:2.66~4.14)。また、保護者報告による上気道疾患についても有意差はなかった(高用量群625件 vs.標準用量群600件、発症RR:1.01、95%CI:0.88~1.16)。 試験終了時の血清25-ヒドロキシビタミンD値は、高用量群48.7ng/mL(95%CI:46.9~50.5)、標準用量群は36.8ng/mL(同:35.4~38.2)であった。

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004)2度あることは…【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第4回 2度あることは…夏に増えるのが虫の被害。今年も蜂やアブや蚊、ノミ・ダニ被害者が続々と皮膚科へなだれ込んでいます。なかには「去年も刺されたよね?」というリピーターも…。蜂刺され以外だと、ヤケドでもたまにあり、毎年同じ主訴で受診する人々も…。「またやるからね? 気を付けてね」と念押ししますが、1年経つと昨年のことは忘れてしまうのか? また会う気がしてなりません…。夏に多い虫刺され。掻破から伝染性膿痂疹になることもあり、清潔にして、掻かないよう指導したうえでステロイドの外用を行います(部位や炎症によりますが、ベリーストロング~ストロンゲストクラス)。蜂など疼痛や腫脹の強い場合は、数日間ステロイドの内服を処方することもあります(プレドニゾロン〔PSL〕 15mg/日を3日間など)。虫刺され全般に言えることですが、刺されないよう予防をすることも大事です(アウトドアでは、長袖・長ズボン、虫よけスプレー、蜂の巣には近づかない・刺激しないなど)。リピーターおじさんが、来年は受診しませんように~!

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【JSMO2017見どころ】AYA世代のがん治療

 2017年7月27日(木)から3日間にわたって、第15回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、プレナリーセッションをはじめ、「免疫・細胞療法」「Precision medicine」「AYA世代のがん治療」「緩和・支持療法」の4つのテーマにおける注目トピックが紹介された。 このうち、「AYA世代のがん治療」については嶋田 明氏(岡山大学病院 小児血液・腫瘍科 准教授)が登壇した。以下、嶋田氏のコメントと注目演題を紹介する。【嶋田 明氏コメント】 Adolescent and Young Adult(AYA)世代とは、15~30歳前後(欧米では15~39歳の定義もある)の高校生・大学生・若年成人を含み、AYA世代のがん治療は、成人がん、小児がんとは異なった問題点が存在する。たとえば、小児に多いがん(白血病、脳腫瘍、骨軟部腫瘍など)と成人に多いがん(胃がん、大腸がん、肺がん、乳がんなど)が混在してみられ、国内では毎年5,000人ときわめて稀ではあるが、就学、就職、結婚、出産などのライフイベントが集中する時期に起こるため、社会的問題も多くみられる。また5年生存率が、ほかの世代に比べて低く、最適で効果の高い治療方針は十分に確立しているといえない状況である。 小児慢性特定疾患などの公的な補助制度は最長20歳までであり、40歳以上が給付対象となる介護保険からも外れており、社会的支援が乏しいこと、診療科が小児科、血液内科、脳神経外科、乳腺内分泌科、整形外科、放射線科など多科にまたがり、患者さんも多病院、多病棟に分散している。国内では、AYA病棟の取り組みはまだ数えるほどしかない。こうした流れを踏まえて、国の第3期がん対策推進基本計画に小児・AYA世代のがん、希少がん対策が盛り込まれた。 そこで今年度のJSMOでは、主に高校生・大学生のがん患者について取り上げることとし、2つのシンポジウムを企画した。シンポジウム8においては、「AYA 世代がんの治療の現状と展望」と題して6名の演者に各種がんの治療の現況を、シンポジウム18においては、「AYA 世代がん患者の治療・療養支援を考える」と題して、同じく6名の演者にAYA 世代のがん診療の現状と課題、療養環境、教育問題、就労問題など、この世代のがん患者が抱える種々の問題点について発表いただく予定である。【注目演題】シンポジウム 8「AYA 世代がんの治療の現状と展望」日時:7月27日(木)9:00~11:00 場所:Room 13(神戸国際会議場5F 501会議室)シンポジウム 18「AYA 世代がん患者の治療・療養支援を考える」日時:7月28日(金)8:20~10:20 場所:Room 14(神戸国際会議場5F 502会議室)【第15回日本臨床腫瘍学会学術集会】■会期:2017年7月27日(木)~29日(土)■会場:神戸コンベンションセンター、Junko Fukutake Hall(岡山大学鹿田キャンパス)■会長:谷本 光音氏(岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器内科学講座)■テーマ:最適のがん医療— いつでも、何処でも、誰にでも —第15回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

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emicizumab、血友病A患者の出血リスクを87%低減/NEJM

 12歳以上の第VIII因子インヒビター保有の血友病A患者に対し、開発中のバイスペシフィック抗体emicizumab(ACE910)の週1回皮下投与は、年間出血イベントリスクを87%低減したことが報告された。ドイツ・ボン大学病院のJohannes Oldenburg氏らが、14ヵ国43ヵ所の医療機関を通じて行った第III相非盲検無作為化試験「HAVEN 1」の結果で、NEJM誌オンライン版2017年7月10日号で発表した。emicizumabは、第IX因子と第X因子を結び付けることで、血友病A患者に不足しており止血に必要な第VIII因子の機能を修復する。小規模ではあったが第I相試験で、インヒビター保有の有無を問わず血友病A患者において、出血の抑制効果が確認されており、今回の第III相試験では、第VIII因子インヒビター保有患者に対する週1回の予防投与を評価した。発症時バイパス止血製剤歴のある患者109例を対象に試験 研究グループは、発症時バイパス止血製剤歴のある12歳以上の第VIII因子インヒビター保有の血友病A患者(男性)109例(年齢中央値28歳)を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2対1に割り付け、一方にはemicizumab(週1回、皮下投与)の予防投与を行い(グループA)、もう一方の群には予防投与を行わなかった(グループB)。 主要評価項目は、グループAとグループBの出血率の群間差だった。 なお被験者のうち、予防的バイパス止血製剤治療の既往者には、emicizumabによる予防投与が行われた(グループC)。週1回予防投与群では出血イベントなしが63% 年間出血率は、グループB(18例)が23.3件/年(95%信頼区間[CI]:12.3~43.9)に対し、グループA(35例)では2.9件/年(95%CI:1.7~5.0)と有意に低率であることが示された(群間差:87%、p<0.001)。 出血イベントが認められなかった被験者は、グループBでは1例(6%)だったのに対し、グループAでは22例(63%)であった。 また、主要評価の検討に組み入れられなかったグループC(49例)のうち24例の評価において、以前の予防的バイパス止血製剤治療に比べ、emicizumabの予防投与で出血率が79%低減したことが確認された(p<0.001)。 有害事象は全体で198例が報告された。そのうち103例がemicizumabの投与を受けた被験者で報告されたが、最も頻度の高かったのは注射部位反応(15%)であった。重篤有害事象の報告は9例12件が報告された。血栓性微小血管障害症と血栓症が主要解析で2例ずつ報告されている。いずれも破綻出血を呈し活性型プロトロンビン複合体製剤(PCC)の複数回投与を受けていた。抗薬物抗体の検出は報告されなかった。

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SNSの2時間/日以上の使用でうつ病リスク増加:名大

 若者の携帯電話使用と思春期の不眠症やうつ病との関連について、名古屋大学の田村 晴香氏らが調査を行った。International journal of environmental research and public health誌2017年6月29日号の報告。SNSの過剰な使用はうつ病の可能性を高める 日本の高校生295例(15~19歳)を対象に、横断調査を行った。不眠症およびうつ病の評価には、それぞれアテネ不眠尺度(AIS)、うつ病自己評価尺度(CES-D)を用いた。 若者の携帯電話使用と思春期の不眠症やうつ病との関連について調査した主な結果は以下のとおり。・携帯電話の所有率は98.6%、2時間/日以上使用していた割合は58.6%、5時間/日以上使用していた割合は10.5%であった。・5時間/日以上の使用は、より短い睡眠時間と不眠症に関連していたが(OR:3.89、95%CI:1.21~12.49)、うつ病とは関連していなかった。・SNS(OR:3.63、95%CI:1.20~10.98)およびオンラインチャット(OR:3.14、95%CI:1.42~6.95)の2時間/日以上の使用は、それぞれうつ病リスクが高かった。 著者らは「携帯電話の過剰な使用は、不健康な睡眠習慣や不眠症につながる可能性がある。さらに、SNSやオンラインチャットを利用するための過剰な使用は、インターネット検索、ゲーム、動画閲覧のための使用よりも、うつ病の可能性を高める」としている。■関連記事お酒はうつ病リスク増加にも関連大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか?不眠症になりやすい食事の傾向

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血友病患者の高齢化で新たな対応へ

 2017年6月27日、都内においてバイオベラティブ・ジャパン株式会社は、血友病患者啓発ツール“Graphemophilia”の発刊に合わせ、「血友病治療の進歩と今後の課題」をテーマにプレスセミナーを開催した。セミナーでは、血友病治療の現在の状況のほか、高齢の血友病患者への対応など、現下の問題や今後について解説する講演も行われた。■血友病の現在 はじめに鈴木 隆史氏(荻窪病院 血液凝固科 部長)が、「血友病治療の進歩と今後の課題 ~患者さんのさらなる QOL 向上を目指して~」と題した講演を行った。 血友病は、遺伝性出血性疾患であり、基本的には男性に発症する。先天性凝固第VIII因子が欠乏する「血友病A」と、先天性凝固第IX因子が欠乏する「血友病B」に分けられる。全世界では合わせて約17万例の患者が推定され、わが国では約6,200例の患者がいるとされる。 その症状として、急性出血では、関節内、筋肉内、皮下、頭蓋内、腎、口腔内の出血などがみられ、これらが慢性化することで血友病関節症、慢性滑膜炎、関節拘縮などに進展する。とくに関節内出血は血友病の出血症状の中で最も多く、幼児期には足首、膝、股関節の出血が中心となるが、学童期には肘関節の出血も増加する。出血をするとひどく痛み、むくみや歩行困難を伴う。終局的には、人工関節置換が必要となる場合もある。そうならないためにも、「医師は日ごろの患者の歩行の様子に注意を払い、早期介入ができるようにする必要がある」と鈴木氏は説明する。■血友病の治療薬の進化と今後の課題 治療では、1960年代から出血時投与による全血または新鮮凍結血漿治療が開始された。70年代には血漿由来濃縮製剤が登場、80年代には薬害の反省から加熱処理凝固因子製剤やモノクローナル精製製剤が、90年代には遺伝子組み換え第VIII因子、第IX因子製剤が登場し、出血時投与から定期補充療法へと治療法が変遷した。さらに、2000年代になるとプラズマ・アルブミンフリー遺伝子組み換え第VIII因子製剤が登場した。そして、2014年には半減期延長型第IX因子製剤であるエフトレノナコグ アルファ(商品名:オルプロリクス 静注)が、2015年には半減期延長型第VIII因子製剤であるエフラロクトコグ アルファ(同:イロクテイト 静注)が登場し、輸注回数を減らすことによる患者負担の軽減、高いトラフ値の維持、個別化医療のさらなる進展につながると期待が持たれている。 血友病治療における定期補充療法は、生涯にわたり行われる必要かつ標準的な治療であり、現在では幼児期から行われている。こうした新しい治療薬が登場したことで、患者個々の希望や病状を把握した治療、製剤特性と患者特性に合わせた選択、活動時間内の必要凝固因子活性の決定、PKやモニター値を基にした投与量の調整などを目指せるようになった。それらによりテーラーメイド治療が行われることで、将来は「出血のない暮らしの実現」が患者にもたらされることを目指すとしている。 また、今日の治療薬の進歩により、患者の高齢化が進んでいる点を指摘。C型肝炎やHIVの感染症合併患者も今では多くの患者が生存でき、エイジングケアが必要な時代へと入りつつあるという。血友病という基礎疾患から関節症→肥満→生活習慣病の疾患サイクルが形成され、この生活習慣病から派生する糖尿病や脂質異常症、高血圧、痛風による心筋梗塞や脳出血、脳梗塞にも注意を払う時代になってきたと現在の課題を提起し、鈴木氏は講演を終えた。 最後に同社マーケティング部の小野 有以子氏が、今回の“Graphemophilia”発刊について説明した。同社にとってこれは「新しい貢献、新しい挑戦である」とし、続けて「患者が疾患の勉強に役立てられるように、本誌を患者向け疾患啓発ツールとして活用してもらいたい」と抱負を語り、セミナーは終了した。■参考バイオベラティブ・ジャパン「ヘモフィリアToday」

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新生児低酸素脳症、低体温療法は従来の方法で/JAMA

 新生児の低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法は、現行で推奨されている33.5度・72時間のプロトコルを、より低温にしたり、時間を延長しても、その後の死亡・障害発生リスクは変わらないことが示された。米国・ウェイン州立大学のSeetha Shankaran氏らが、低酸素性虚血性脳症の新生児364例を対象に行った無作為化比較試験で明らかにした。なお、結果について著者は「試験の検出力が不足していたが、時間延長および温度低下において相互作用が認められ、今回の試験では、現行の33.5度・72時間の手技を支持する結果が得られた」と結論している。JAMA誌2017年7月4日号掲載の報告。新生児低酸素脳症の低体温療法について、33.5度対32.0度、72時間対120時間で比較 研究グループは、米国内18ヵ所の医療機関を通じて、妊娠36週以降に生まれた低酸素性虚血性脳症の新生児364例を対象に無作為化比較試験を行い、低体温療法の温度や時間と、アウトカムとの関連を検証した。 被験児を無作為に4群に分け、33.5度で72時間、32.0度で72時間、33.5度で120時間、32.0度で120時間、それぞれ低体温療法を行った。 主要評価項目は、生後18~22ヵ月の死亡または中等度~重度の障害の発生で、試験施設と脳症の重症度で補正を行い評価した。 重度障害は、Bayleyの乳幼児発達スケール第3版で認知スコアが70未満、粗大運動機能分類システム(GMFCS)のレベルが3~5、盲目、音声増幅を行っても聴力喪失が認められる場合と定義した。中等度障害は、同認知スコアが70~84であり、GMFCSレベル2、痙攣、音声増幅を要する聴力のいずれかがある場合と定義した。新生児低酸素脳症の低体温療法は、温度を低く、時間を長くしてもアウトカムは同等 試験は2013年11月に安全性と無益性の観点から、当初予定していた726例のうち364例が試験に参加時点で中断した。 主要評価項目データが得られたのは347例(95%)で、フォローアップ時での平均月齢は20.7ヵ月だった。 死亡または中等度~重度障害の発生率について低体温療法の施行時間で比較したところ、72時間群では31.8%(176例中56例)、120時間群では31.6%(171例中54例)と同等だった(補正後リスク比:0.92、95%信頼区間[CI]:0.68~1.25、補正後絶対リスク差:-1.0%、95%CI:-10.2~8.1)。温度で比較した場合も、33.5度群の同発生率は31.9%(185例中59例)に対し、32.0度群では31.5%(162例中51例)と同等だった(補正後リスク比:0.92、95%CI:0.68~1.26、補正後絶対リスク差:-3.1%、95%CI:-12.3~6.1)。 なお低体温療法の時間(長時間)と温度(低温)について、主要評価項目に関して有意な相互作用が認められた(p=0.048)。4群の主要アウトカムの発生率は、33.5度・72時間群が29.3%、32.0度・72時間群が34.5%、33.5度・120時間群が34.4%、32.0度・120時間群が28.2%だった。

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遺伝性出血性毛細血管拡張症〔HHT:hereditary hemorrhagic telangiectasia〕

1 疾患概要■ 概念と疫学血管新生に重要な役割を持つTGF-β/BMPシグナル経路の遺伝子異常により、体のいろいろな部位に血管奇形が形成される疾患である。わが国では「オスラー病(Osler disease)」で知られているが、世界的には「遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)」の病名が使われる。常染色体優性遺伝をするため、子供には50%の確率で遺伝するが、世代を超えて遺伝することはない。その頻度は5,000~8,000人に1人とされ、世界中で認められる。性差はなく、年齢が上がるにつれ、ほぼ全例で何らかのHHTの症状を呈するようになる。■ 病状繰り返し、誘因なしに鼻出血が起り、特徴的な皮膚・粘膜の毛細血管拡張病変(telangiectasia)が鼻腔・口唇・舌・口腔・顔面・手指・四肢・体幹などの好発部位に認められ、脳・肺・肝臓の血管奇形による症状を呈することもある。消化管の毛細血管拡張病変から慢性の出血が起こる。鼻出血や慢性の消化管出血による鉄欠乏性貧血が認められる。脳の血管奇形(頻度10%)により、脳出血や痙攣が起こる。肺の動静脈奇形(頻度50%)により呼吸不全、胸腔内出血、喀血、右→左シャントによる奇異性塞栓症で脳膿瘍や脳梗塞が起こる。肝臓の血管奇形(頻度70%)が症候性になることは少ないが、高齢者、とくに後述の2型のHHTの女性では、心不全、胆道系の虚血、門脈圧亢進症を呈することがある。頻度は低いが、脊髄にも血管奇形が起こり(頻度1%)、出血による対麻痺や四肢麻痺を呈する。 原発性肺高血圧症や肝臓の血管奇形による高心拍出量による心不全から二次性の肺高血圧症をまれに合併する。HHTは知識と経験があれば、問診・視診・聴診のような古典的な診療で診断可能な疾患であり、まずはこの疾患を疑うことが肝要である。■ 病因と予後家族内の親子・兄弟に同じ病的遺伝子変異があっても、必ずしも同じ症状を呈するわけではない。現在までにわかっているHHTの原因遺伝子は、Endoglin、ACVRL1、SMAD4遺伝子の3つであり、これら以外にも未知の遺伝子があるとされる。Endoglin変異によるHHTを1型(HHT1)といい、ACVRL1変異によるHHTを2型(HHT2)という。1型のHHTには、脳病変・肺病変が多く、2型のHHTには肝臓病変が多いが、1型に肝臓病変が、2型に脳病変・肺病変が認められることもある。遺伝子検査を行うと、1型と2型のHHTで約90%を占め、SMAD4遺伝子の変異は1%以下である。1型と2型の割合は地域・国によって異なり、わが国では1型が1.4倍多い。約10%で遺伝子変異を検出できないが、これは遺伝子変異がないという意味ではない。SMAD4遺伝子の変異によりHHTの症状に加え、若年性ポリポーシスを特徴とするため「juvenile polyposis(JP)/HHT複合症候群(JPHT)」と呼ばれる。このポリポーシスは発がん性が高いとされ、定期的な経過観察が必要である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ HHTの臨床的診断基準2000年に提唱された臨床的診断基準(表)には、以下の4項目がある。(1)繰り返す鼻出血(2)粘膜・皮膚の毛細血管拡張病変(3)肺、脳・脊髄、肝臓などにある血管奇形と消化管の毛細血管拡張病変(4)第1度近親者(両親・兄弟姉妹・子供)の1人がHHTと診断されているこれら4項目のうち、3つ以上あると確診(definite)、2つで疑診(probable)、1つ以下では可能性は低い(unlikely)とされる。この診断基準は、16歳以上の患者に関しては、その信頼性は非常に高いが、小児では無症状のことが多いため使えない。画像を拡大する遺伝子検査は、Endoglin、ACVRL1、SMAD4遺伝子の変異の検査を行う。成人のHHTの確定診断に遺伝子検査は必ずしも必要なく、臨床的診断基準の3~4項目があれば確定する。遺伝子検査では、約10%に遺伝子変異はみつからないが、これによりHHTが否定された訳ではない。家族内で発端者の遺伝子変異がわかっている場合、遺伝子検査は、その家族、とくに無症状の小児の診断に有用である。発端者の既知遺伝子変異がその家族にない場合に、はじめてHHTが否定される。オスラー病の疑いまたは確定した患者に対して、肺、脳、肝臓のスクリーニング検査を行うことが勧められる。通常、消化管と脊髄のスクリーニング検査は行われない。臨床的診断基準で、家族歴と鼻出血または毛細血管拡張症の2項目でHHT疑いの場合、内臓病変のスクリーニング検査を行い、3項目にしてHHTの確診にする場合もある。■ 部位別の特徴1)肺動静脈奇形まず酸素飽和度を検査する。次にバブルを用いた心臓超音波検査で右→左シャントの有無の検査する。同時に肺高血圧のスクリーニングも行う。これで肺動静脈奇形が疑われれば、肺の非造影CT検査(thin slice 3mm以下)を行う。バブルを用いた心臓超音波検査では、6~7%の偽陽性があるため、超音波検査を行わず、最初から非造影CT検査を行う場合も多い。コイル塞栓術後の経過観察には造影CT検査や造影のMR検査を行う場合がある。肺高血圧(平均肺動脈圧>25mmHg)が疑われれば、心臓カテーテル検査が必要であり、原発性肺高血圧と二次性肺高血圧を鑑別する。2)脳動静脈奇形頭部MR検査(非造影検査と造影検査)を行う。MRアンギオグラフィーも行う。脳動静脈奇形や陳旧性の脳出血・脳梗塞も検査する。T1画像、T2画像、FLAIR画像、T2*画像を得る。造影T1画像は3方向thin sliceで撮像し、小さな脳動静脈奇形を検出する。通常、小児例では造影検査は行わない。3)脊髄動静脈奇形頻度が1%とされ、スクリーニング検査は行われない。検査をする場合、全脊髄のMR検査になる。4)肝臓血管奇形スクリーニング検査として、腹部超音波検査が勧められる。拡張した肝動脈や門脈、胆道系などを検査する。Dynamic CT検査で、動脈相と静脈相の2相の撮像を行えば、arterio-venous shunt、arterio-portal shuntの検出・鑑別が可能である。シャントがあると太い肝動脈(>10mm)が認められる。肝動脈を含め腹腔動脈に動脈瘤がしばしば認められる。Porto-venous shuntがあれば、脳MR検査のT1強調画像で、マンガンの沈着による基底核、とくに淡蒼球に左右対称性の高信号域が描出される。5)消化管病変通常、スクリーニング検査は行われない。上部消化管に毛細血管拡張病変が多い。上部消化管と下部消化管の検査にはファイバー内視鏡を用い、小腸の検査はカプセル内視鏡で行う。鼻出血の程度では説明できない高度の貧血がある場合には、消化管病変の検査を行う。中年以降の患者の場合、悪性腫瘍の合併の可能性も念頭において、その検査適応を考える。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)現時点では、HHTに対する根治的な治療はなく、種々の症状への対症療法が主となっている。1)鼻出血出血の予防に必ず効く方策はなく、どんな治療も対症療法であることを患者に説明する。エストロゲンやトラネキサム酸の内服、軟膏塗布、点鼻スプレーなどが試みられるが、トラネキサム酸以外の有用性は証明されていない。現実的には、通気による鼻粘膜の外傷をできるだけ減らすために、1日数回、鼻孔にワセリン軟膏を塗布し、湿潤(乾燥させない)が勧められる。抗VEGF薬のベバシズマブは国外で試されているが、その点鼻の効果は、生理的食塩水の点鼻と同じであった。外科的治療には、コブレーターやアルゴンレーザーによる焼灼法、鼻粘膜皮膚置換術、外鼻孔閉塞術が行われるが、どの治療も根治性はない。出血時の対応法として、通常の鼻出血ではボスミンガーゼ挿入が効果的であるが、HHTでは病変の血管が異常なためボスミンガーゼ挿入にはあまり効果がなく、逆にガーゼの抜去時に再出血を惹起するので勧められない。出血側の鼻翼を指で外から圧迫するのが効果的とされ、それでも止血できない場合、サージセルなどを挿入し、止血する。鼻出血による鉄欠乏性貧血には、鉄剤を内服投与し、内服できない場合は静注投与する。鼻出血が継続する限り、データ上、貧血が改善しても、鉄剤投与の継続が必要である。悪心・吐気などの消化器症状の少ない経口鉄剤(商品名:リオナ)が最近認可された。高度貧血には積極的な輸血を行う。心不全があれば、高度の貧血はさらに心不全を悪化させる。定期的な血液検査で貧血のチェックが必要である。2)脳動静脈奇形無症候性の脳動静脈奇形の侵襲的治療に否定的な研究結果(ARUBA study)が報告されて以来、脳動静脈奇形の治療は症例ごとに検討されるようになった。MR検査で、脳動静脈奇形が認められれば、カテーテルによる脳血管撮影が行われ、詳細な検討を行い、治療戦略を練る。治療方法には、開頭による外科的摘出術・カテーテル塞栓術・定位放射線療法がある。HHTにおける脳動静脈奇形の出血率は、非HHTの脳動静脈奇形よりも低いとされ、自然歴やそれぞれの治療に伴うリスクを鑑み、治療方針を立てる。3)肺動静脈奇形栄養動脈が径3.0mm以上の場合、コイルや血管プラグを用いた塞栓術が第1選択となる。3.0mmより小さい病変でも、治療が可能な場合は、塞栓術の対象とされる。塞栓術においてはシャント部の閉塞が必要であり、栄養動脈の近位塞栓を避ける。非常に大きな病変や複雑な構造の病変で、塞栓術に適さない場合は外科的な切除術が選択される。治療後は、5年に1度、CT検査で経過をみる。妊娠する可能性のある女性は、妊娠前のコイル塞栓術が強く勧められる。スキューバ・ダイビングは禁忌とされ、肺動静脈奇形の治療後も勧められない。4)肝臓血管奇形塞栓術は適応とならず、逆にリスクが大きく禁忌である。症候性の心不全・胆道系の虚血・門脈圧亢進症などは、利尿剤など積極的な内科的管理が行われる。内科的治療が、困難な状況では、肝移植が考慮される。5)消化管病変予防的な治療は行わない。出血例では、内視鏡下でアルゴンプラズマ凝固(APC)が行われる。高度貧血には積極的な輸血を行う。4 今後の展望HHTは、その認知度が低いため、診断・治療が遅れることが多い。本症は常染色体優性遺伝し、年齢とともに必ず発症するが、スクリーニングにより脳と肺病変は発症前に対応ができる病変でもある。この疾患の認知度を上げることが重要であり、さらに国内での診療体制の整備、公的助成の拡充が必要とされる。遺伝子検査は、2020年から保険収載されたが、検査が可能な施設は限定されている。将来的には、発症を遅らせる・発症させない治療も期待される。TGF-β/BMPシグナル経路の遺伝子変異により血管新生に異常が起こる疾患であり、抗血管新生薬のベバシズマブの効果が期待されているが、副作用の中には重篤なものもあり、これらのHHTへの適応が模索されている。同様に抗血管新生のメカニズムの薬剤であるサリドマイドの限定的な投与も考えられる。5 主たる診療科疾患の特殊性から、単一の診療科でHHT診療を行うことは困難である。したがって複数科の専門家による治療チームが担当し、その間にコーディネーターが存在するのが理想的であるが、現実的には少ない診療科による診療が行われることが多い。そのなかでも脳神経外科、放射線科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、循環器内科、小児科、遺伝子カウンセラーなどが窓口になっている施設が多い。HHT JAPAN (日本HHT研究会)では、HHTを診察・加療を行っている国内の47施設をweb上で公開している。HHTの多岐にわたる症状に必ずしも対応できる施設ばかりではないが、その場合は、窓口になっている診療科から、症状に見合う他の診療科・他院へ紹介することになっている。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療・研究情報難病情報センター:オスラー病(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾患情報センター:遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)HHT JAPAN (日本HHT研究会)(医療従事者向けのまとまった情報)脳血管奇形・血管障害・血管腫のホームページ(筆者のホームページ)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)オスラー病のガイドライン(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報日本オスラー病患者会(患者とその家族および支援者の会)公開履歴初回2017年07月11日更新2022年01月27日

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日本脳炎に気を付けろッ! その1【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。本連載「新興再興感染症に気を付けろッ!」、通称「気を付けろッ」は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そして時にまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。今回は日本脳炎を取り上げたいと思います。「日本脳炎なんて昔の病気でしょうがよ。今さら取り上げる意味なんてないでしょうがよ」と思われた方…それは間違いですッ! 日本脳炎は再興感染症として今も日本、そして世界における脅威として我々の前に立ちはだかっているのですッ!「日本脳炎」とは何だ?なぜ「日本脳炎」は日本という名前が付いているのかッ? まさか日本だけで流行している感染症だと言うのかッ? いえ、そうではなく、これは最初にウイルスが分離されたのが日本だからです。1935年に、脳炎で亡くなった方から日本脳炎ウイルスが分離されています。そして、その後1950年代に日本国内における調査の結果、渡り鳥、コガタアカイエカ、ブタ、そして偶然宿主であるヒトという日本脳炎ウイルスの生活環が明らかとなったのですッ! まず、媒介蚊であるコガタアカイエカについてですが、特徴としては田舎の田んぼ、沼地、水たまりに産卵し、おもに夕方~夜間に刺咬する蚊です。都会に多く、日中に刺咬するヒトスジシマカ(デング熱、ジカウイルス感染症などを媒介)とはこの点で異なります。活動範囲(飛行距離)は、8km程度移動したという報告もありますが、おおむね2km前後とされています。図1は、私が「いらすとや」を駆使して作った「日本脳炎ウイルスの生活環」です。画像を拡大する日本脳炎ウイルスは、おもにブタや渉禽(ツル、サギなど)などの動物をリザーバーとしてサイクルしています。とくに豚舎などがある田舎では、ブタでウイルスが増幅されサイクルしており、人への感染リスクが高いのですッ! ブタ注意ッ! 人は偶然宿主かつ最終宿主であり、人から蚊を介して人に感染することはありません。ですので、デング熱などと異なり、患者が蚊に血を吸われることで流行が広がることはないというわけですね。日本脳炎の流行地域は日本だけではないッ!日本脳炎は日本で最初に分離されたウイルスですが、日本以外でも流行しています。それどころか、東南アジアや南アジアのほうが日本よりも断然多い感染者を出しているのです(図2)。画像を拡大するしたがって、これらの地域への渡航者のうち、長期間渡航する方、田園地帯にもいく予定の方、予定がまったく決まっていない方、などは日本脳炎ワクチンの接種が推奨されています。さて、日本での流行状況についてですが、近年は年間10例未満の報告に留まっております。第2次世界大戦後、日本国内では年間5,000例を超える症例が報告されていましたが、1954年からの日本脳炎ワクチン勧奨接種開始、1976年の平常時臨時接種、1989年の北京株導入などにより1990年代前半には報告数が年間10例未満にまで減っています。1994年には定期接種のワクチンにもなり、国内における日本脳炎対策は順調に進んでいました…しかしッ! 2005年、マウス脳由来の日本脳炎ワクチンとADEM(急性散在性脳脊髄炎)との因果関係が否定できないということで、積極的勧奨の差し控えの通知が出されました。「積極的勧奨の差し控え」と言われても何のことかよくわかりませんが、つまり「絶対打ったほうが良いってわけじゃありません」ということです。これでもわかりにくいですね。まあとにかく、これによって日本脳炎ワクチンの接種率は2005年以降、激下がりしています。当然、日本脳炎に対する免疫を持たない子供たちも増えたことになります。2010年には新しいVero細胞由来ワクチンによる積極的勧奨が再開され、接種率は改善しています。しかし、2005~10年までの間に本来接種すべきであった子供たちが接種できていないという問題があるため、この対策として厚生労働省は平成7年4月2日~平成19年4月1日生まれの人は、20歳未満までの間いつでもワクチン接種をキャッチアップできるという措置を取っています(詳細はこちらをご覧ください)。この「積極的勧奨の差し控え」によって、日本脳炎の症例が増加することが懸念されましたが、幸いなことに報告数の増加は見られず、現在も年間10例未満の報告数となっています。それでは日本脳炎ウイルスは国内からほとんど消えてしまっているのかッ? 日本の日本脳炎ワクチン接種スケジュールはこのままでいいのかッ!? そして、まさかのアフリカで日本脳炎ッ!?次回はその辺のことについてお話したいと思います。1)BUESCHER EL, et al. Am J Trop Med Hyg. 1959;8:719-722.

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パッチ式インフルエンザワクチンは有用か/Lancet

 溶解型マイクロニードルパッチを活用したインフルエンザワクチン接種は、忍容性に優れ確固たる免疫獲得をもたらすことが報告された。米国・エモリー大学のNadine G. Rouphael氏らによる検討で、Lancet誌オンライン版2017年6月27日号で発表された。報告は、従来の注射器に代わる予防接種法の検討として初となる、第I相の無作為化プラセボ対照試験「TIV-MNP 2015」の結果である。パッチ vs.筋注 vs.プラセボ vs.被験者自身がパッチ貼付の4群で検討 TIV-MNP 2015試験は、エモリー大学で2015年6月23日~9月25日に、2014-15インフルエンザワクチン未接種で、あらゆる重大皮膚病を有していない、妊婦を除く18~49歳の免疫適格成人を登録して行われた。 被験者を4群(1対1対1対1の割合)に無作為に割り付け、1群には不活化インフルエンザワクチン(fluvirin:HA含量はH1N1型18μg、H3N2型17μg、B型15μg)の単回投与をマイクロニードルパッチで貼付接種、2群には同ワクチンを筋肉注射で接種、3群にはプラセボをマイクロニードルパッチで貼付接種(1~3群は非盲検の医療従事者により投与)、そして4群は、被験者自身がマイクロニードルパッチを貼付して接種する方法で不活化インフルエンザワクチンを単回投与した。 主要安全性評価項目は、パッチ貼付接種に関連した180日以内の重大有害事象の発生、28日以内のGrade3または自発的に報告された(unsolicited)有害事象の発生、接種当日~7日までに発生した副反応(報告が定められていた注射部位および全身性の反応)であった。また、副次的安全性評価項目として、180日以内の慢性疾患の新規発症、28日以内の自発的報告の有害事象などを評価した。すべての解析は、intention to treat法にて行った。 探索的に免疫原性アウトカムも評価した。評価項目は、28日時点の抗体価、セロコンバージョンおよびセロプロテクションの割合で、赤血球凝集抑制抗体分析にて確認した。被験者自身によるパッチ貼付接種も安全かつ有効 計100例が登録・無作為化を受けた(4群いずれも25例)。処置に関連した重大有害事象、自発的報告によるGrade3以上の有害事象、慢性疾患の新規発症は、いずれもみられなかった。 ワクチン投与群(非盲検の医療従事者によるパッチ貼付または筋注による接種群、被験者自身によるパッチ貼付接種群)において、報告が定められていた有害事象の全発生(各群89例、73例、73例)と、自発的報告の有害事象の発生(18例、12例、14例)は、いずれも同程度であった。 副反応は軽度で一過性のものであり、最も頻度の高い報告は、筋注後の圧痛(15/25例[60%]、95%信頼区間[CI]:39~79)および疼痛(11/25例[44%]、95%CI:24~65)、また、パッチ貼付後の圧痛(33/50例[66%]、95%CI:51~79)、紅斑(20/50例[40%]、95%CI:26~55)、そう痒(41/50例[82%]、95%CI:69~91)であった。 28日時点の幾何平均抗体価(GMT)は、医療従事者によるパッチ接種群と筋注接種群の間で差はみられなかった。H1N1型は1,197(95%CI:855~1,675) vs.997(703~1,415)(p=0.5)、H3N2型は287(192~430) vs.223(160~312)(p=0.4)、B型は126(86~184) vs.94(73~122)(p=0.06)であり、同程度のGMTは被験者自身によるパッチ貼付投与群でもみられた(すべてのp>0.05)。 28日時点のセロコンバージョンの割合は、プラセボ群と比較してすべてのパッチ接種群で有意に高率であり(すべてのp<0.0001)、筋注接種群と同程度であった(すべてのp>0.01)。

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小児ADHDの合併症有病率と治療成績

 ADHDの合併症は広く研究されているが、いくつもの問題点が解決していない。イタリア・IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのLaura Reale氏らは、新規に診断された未治療の小児の臨床サンプル(ADHDの有無にかかわらず)における併存精神疾患を調査し、合併症のタイプに基づいて治療有効性を比較するため、多施設共同研究を行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年5月19日号の報告。 2011~16年にADHDセンター18施設より登録されたADHDレジストリデータベースを用い、特定した患者の医療記録を分析した。 主な結果は以下のとおり。・ADHDの診断基準を満たした患者は2,861例中1,919例(67%)であった。そのうちADHD単独の患者は650例(34%)、併存精神疾患を有する患者は1,269例(66%)であった(学習障害:56%、睡眠障害:23%、反抗挑発症[ODD]:20%、不安障害:12%)。・複合型で重度の障害(CGI-S:5以上)を有するADHD患者は、併存疾患を呈しやすかった。・724例中382例(53%)は、治療1年後改善が認められた。・合併症を伴うADHDは、併用療法またはメチルフェニデート単独で治療することにより、より大きな改善を示した。・具体的には、併用療法は、学習障害を伴うADHD(ES:0.66)およびODDを伴うADHD(ES:0.98)に対し有意な優位性を示し、睡眠障害または不安障害を伴うADHDでは優位性が低かった。・トレーニング介入のみでは、ADHDおよび学習障害に対し中程度の有効性しか得られなかった(ES:0.50)。 著者らは「本研究は、イタリアにおけるADHDと併存精神疾患との関連を検討した最初の研究であり、複数の臨床現場において、ADHDが複雑な疾患であることが確認された。適正かつ均一なADHDの管理を幅広く行うためには、診断や治療、サービス制度が非常に重要である」としている。■関連記事自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較ADHDに対するメチルフェニデートは有益なのかADHDに対する集中治療プログラムの効果:久留米大

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妊婦へのリチウム使用、幼児への影響は

 妊娠初期のリチウム曝露は、幼児のEbstein奇形や全体的な先天性心疾患のリスク増加と関連している可能性があるが、そのデータは相反し、限定的である。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らは、メディケイドのデータより、2000~10年に出産した女性における132万5,563件の妊娠に関するコホート研究を行った。NEJM誌2017年6月8日号の報告。 妊娠第1三半期においてリチウムに曝露された幼児の心臓奇形リスクを、曝露されていない幼児と比較した。2次分析では、他の一般的に使用される気分安定薬であるラモトリギン曝露との比較を行った。リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)は、精神医学的状態、薬物療法、他の潜在的な交絡因子に関してコントロールし、推定した。 主な結果は以下のとおり。・心臓奇形が認められた幼児は、リチウムに曝露された663例中16例(2.41%)、曝露されていない132万2,955例中1万5,251例(1.15%)、ラモトリギンに曝露された1,945例中27例(1.39%)であった。・リチウムに曝露された幼児における曝露されていない幼児と比較した心臓奇形に関する調整RRは、1.65(95%CI:1.02~2.68)であった。・リチウムの用量別にみると、600mg/日以下のRRは1.11(95%CI:0.46~2.64)、601~900mg/日のRRは1.60(95%CI:0.67~3.80)、900mg/日超のRRは3.22(95%CI:1.47~7.02)であった。・右室流出路障害の有病率は、リチウムに曝露された幼児では0.60%であったのに対し、曝露されていない幼児では0.18%であった(調整RR:2.66、95%CI:1.00~7.06)。・ラモトリギンに曝露された幼児を対照として用いた場合、その結果は類似していた。 著者らは「妊娠初期における母親のリチウム使用は、幼児のEbstein奇形を含む心臓奇形リスクの増加と関連していた。この効果値は、以前に考えられていたよりも小さかった」としている。■関連記事妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は双極性障害、リチウムは最良の選択か

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遺伝性血管性浮腫〔HAE:Hereditary angioedema〕

1 疾患概要■ 概念・定義遺伝性血管性浮腫(HAE)は、顔面や四肢、腸管や喉頭など全身のさまざまな部位に突発性、一過性の浮腫を生じる遺伝性疾患である。気道閉塞や激烈な腹痛を生じて重篤になりうるため希少疾患ではあるが見逃してはならない。従来、C1インヒビター(C1-INH)遺伝子異常によるHAE I型、II型が知られていたが、2000年にC1-INH遺伝子に異常を認めないHAE with normal C1-INH(HAEnC1-INHあるいはHAE III型)が報告された。HAEは常染色体優性遺伝形式をとるが、HAE III型では浸透率が低く、しかも発症するのはほとんど女性である。またHAE I/II型では家族歴のない孤発例も25%で認められる。孤発例はde novoの遺伝子異常症である1)。HAEにみられる突発性浮腫の本態は、これらの遺伝子異常の結果、産生が亢進したブラジキニンなどの炎症メディエーターによって血管透過性が亢進することがある。古くから知られた疾患であるがまれな疾患であり、気付かれにくく診断に難渋することが多い。2010年に「遺伝性血管性浮腫ガイドライン2010」が補体研究会(現 一般社団法人 日本補体学会)から発表され2)、2014年に改訂された3)。HAEの診断、鑑別、症状別の治療方針について系統的に記載されたわが国で初めてのガイドラインである。■ 疫学HAE I/II型は人種を問わず5万人に1人とする報告が多い。HAE III型は10万人に1人程度と考えられている。いずれもすべての人種で報告されている。■ 病因HAEはその病因から3つの型に分類される。I型常染色体優性の遺伝形式をとり、C1-INHの活性、タンパク量ともに低下している。HAE全体の約85%を占める。II型常染色体優性の遺伝形式をとり、C1-INHの活性中心のアミノ酸変異による機能異常である。C1-INH活性は低下するが、タンパク量は低下しない。HAEの約15%を占める。III型遺伝性であるがほとんど女性に発症する。病態の詳細は不明であるが、一部の症例に凝固XII因子の変異を認める。C1-INHの活性、タンパク量ともに正常である。HAEのほとんどを占めるI型、II型の原因は、遺伝子変異によるC1-INHの機能低下である。I型、II型ならびにIII型の中で凝固XII因子の変異がある場合は、最終的にブラジキニンの産生が亢進する。その結果、血管透過性が亢進し、血管外に水分が漏出、貯留して浮腫が生じるが、この浮腫は数日で消失する。III型で凝固XII因子の異常を認めない場合の病因は不明である。■ 症状24時間で最大となり数日で自然に消褪する発作を繰り返す。10~20歳代に初発することが多い。I~III型まで報告されているHAEの特徴を、表に示す4)。いずれの病型も発現する症状はほぼ同じである。風邪、外傷、歯科治療、精神的ストレス、疲労などが誘因になりやすいが、何の誘因もない症例も多い。浮腫発作がないときには、健康人と何ら変わりはない。画像を拡大する1)皮膚症状眼瞼、口唇、四肢に発作性に浮腫を生じやすいが、ほかにもあらゆる場所に生じうる。浮腫を起こした皮膚表面は、赤みをごく軽度に帯びることはあっても蕁麻疹などのように明瞭な皮疹は伴わない。発作初期に罹患部がピリピリすることはあるが痛みやかゆみはない。2)消化器症状嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などがあるが、なかでも腹痛は激烈である。炎症性疾患とは異なり、筋性防御はなく腹部エコーやCT所見で浮腫を認める。3)喉頭浮腫嚥下困難、喉の詰まり感、嗄声や声が出ないなどの声の変化、息苦しさを呈するが、進行すると呼吸困難、窒息になる。■ 予後喉頭浮腫を生じているにもかかわらず、適切に治療されなかった場合の致死率は30%とされる。その他の症候は予後良好である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 診断基準1)突発性の浮腫2)補体C4の低下、C1-INH活性の低下3)家族歴以上の3つがあればHAE I型あるいはII型(HAE I/II型)と診断できる。C1-INHタンパク質量が低下していればHAE I型、正常または増加していればHAE II型である。1)と3)のみの場合、HAE III型と診断しうる。1)と2)のみの場合HAE I/II型の孤発例か後天性血管性浮腫である。血清C1qタンパク質定量(保険適用外)が低値であれば後天性とされているが、HAEの場合でも低値を示すことがある。4)確定診断のためには遺伝子解析が有用である。確定診断のためにはC1-INH遺伝子(SERPING1)異常の同定が望ましい。HAE III型の一部では凝固XII因子遺伝子異常が報告されているが、わが国での報告はない。HAE III型は今後の研究の進展に伴って疾患概念が変化する可能性がある。5)診断の参考となるアルゴリズムを提示する(図)1)。画像を拡大する■ 検査1)HAEを疑った際にはまず補体C4濃度を測定する。発作時には100%、発作がないときでも98%の検体で基準値を下回る。2)C1-INH活性は発作時であるか否かにかかわらず50%未満となるため診断に最も有用である。保険適用である。3)C1-INHタンパク質定量はHAE I型、II型を区別する場合に施行するが、保険適用ではない。4)HAE I/II型ではSERPING1遺伝子のヘテロ変異を認める。5)HAE III型の一部には凝固XII因子の遺伝子異常を認めるが、それ以外には診断に役立つ検査はない。■ 鑑別診断突発性浮腫を呈するほかの疾患との鑑別が重要である。1)アレルギー性血管性浮腫蕁麻疹を伴い、原因はペニシリンなどの薬剤や卵、小麦などの食物、化学物質に対するIgEを介したアレルギー機序である。2)後天性血管性浮腫思春期発症が多いHAEと異なり40歳以降に初発することが多い。悪性腫瘍、自己免疫によるC1-INHの消費が原因である。3)非アレルギー性薬剤性血管性浮腫アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)では、COX阻害により浮腫を生じる。ACE阻害薬内服患者の0.1~0.5%に生じるとされる。4)物理的刺激による血管性浮腫温熱、寒冷、振動、日光曝露などの物理的刺激で生じる。5)好酸球増多を伴う好酸球性血管性浮腫末梢血の好酸球増多、繰り返す浮腫と発熱、蕁麻疹、体重増加とIgM増加を伴う。まれ。6)特発性浮腫原因不明である。血管性浮腫の半数近くを占め、最も頻度が高い。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)発作出現時の治療と発作の予防の2つに分けられる。1)発作時の治療世界的にはC1-INH製剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、カリクレイン阻害薬の3系統が存在するが、わが国では2017年6月現在ヒト血漿由来C1-INH製剤である乾燥濃縮人C1インアクチベーター製剤(商品名:ベリナートP静注)のみ保険適用である。顔面、頸部、喉頭、腹部の発作には積極的に投与する。2)短期予防あらかじめ処置や手術がわかっているときの発作予防である。ベリナートPが1990年にわが国で承認されて以来、効能・効果は「遺伝性血管性浮腫の急性発作」のみであった。しかしながら、侵襲を伴う処置に対する発作予防の必要性が認められ、2017年3月ベリナートPの効能・効果に「侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」が追加された。(1)歯科治療(侵襲が小さい場合)C1-INH製剤の準備のうえならば予防投与は必要ない。(2)歯科治療(侵襲が大きい場合)、外科手術などの大ストレス時手術の1時間前にC1-INH製剤の補充を行う。3)長期予防1ヵ月に1回以上あるいは1ヵ月に5日以上の発作がある場合、または喉頭浮腫の既往がある場合には、次の治療を検討する。(1)トラネキサム酸(同:トランサミン)30~50mg/kg/日を1日2~3回に分けて服用する。そのほか、長期の発作予防には抗プラスミン作用を期待してトラネキサム酸が用いられるが、効果は限定的である。(2)ダナゾール(同:ボンゾール)蛋白同化ホルモンであるダナゾールも用いられる。2.5mg/kg/日(最大200mg/日)を1ヵ月、もし無効ならば300mgを1ヵ月、さらに無効ならば400mg/日を1ヵ月投与する。有効であれば、その後1ヵ月ごとに半量に軽減し50mg/日連日か100mg/日隔日まで減量する。副作用として肝障害、高血糖、多毛、男性化には注意が必要である。ただし保険適用はない。(3)C1-INH製剤(C1エステラーゼ阻害剤)欧米ではヒト血漿由来のCinryzeの予防投与(週2回、静注)が認められているが、わが国では未承認である。4 今後の展望HAEの早期発見、早期治療のためには、関連診療科医師へのさらなる啓発活動が重要である。また、HAEのような希少疾患では、1人でも多くの患者情報を正確に収集し、病態の把握や診断基準の作成に役立てる必要がある。欧米では、すでにいくつかの登録システムが稼働しているように、わが国においても患者レジストリーの構築が不可欠である。現在、NPO法人 血管性浮腫情報センターと、一般社団法人 日本補体学会の協力をもとにレジストリーの構築が進められている。薬剤治療法については、従来から存在するヒト血漿由来C1-INH製剤に加えて、最近の10年間で遺伝子組換えヒトC1-INH製剤、ブラジキニンB2受容体拮抗薬、カリクレイン阻害薬が次々と登場してきた。わが国ではヒト血漿由来C1-INH製剤ベリナートPのみがHAEへの保険適用を認められているに過ぎないが、これらの薬剤のHAEへの承認へ向けた臨床試験が進められている。とくに新しい経口のHAE治療薬開発の進展が期待されている。5 主たる診療科内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、小児科、救命救急科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報NPO法人 血管性浮腫情報センター(CREATE)(医療従事者向けのまとまった情報)一般社団法人 日本補体学会HAEサイト(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報HAE患者会「くみーむ」(HAE患者と家族への情報)その他の情報腫れ・腹痛ナビ(医療従事者向け)腫れ・腹痛ナビ(患者さん向け)1)堀内孝彦. 遺伝性血管性浮腫(HAE). In:日本免疫不全症研究会編. 原発性免疫不全症候群 診療の手引き. 診断と治療社; 2017.p.130-135.2)Horiuchi T, et al. Allergol Int. 2012;61:559-562.3)堀内孝彦ほか. 補体. 2014;52:24-30.4)堀内孝彦. 医学のあゆみ. 2016;258:861-866.公開履歴初回2017年6月27日

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湿疹性紅皮症

【皮膚疾患】湿疹性紅皮症◆病状全身の皮膚が赤くなり、激しい痒み、リンパ節の腫れ、皮膚がフケのように落ちるなどの症状がみられ、時に発熱、脱水、体温調節ができなくなることもあります。◆原因アトピー性皮膚炎など湿疹が悪化して生じることが多い疾患ですが、ウイルス感染、膠原病、血液の腫瘍などからも起きます。免疫力の低下、肝・腎臓などの機能低下、あやまった治療や放置により紅皮症へ進みます。◆治療と予防・ステロイド外用薬が治療の基本ですが、重症の場合はステロイドや免疫抑制剤の内服、点滴などを行います。入院が必要となる場合もあります。・紅皮症に至る前に、きちんと皮膚疾患の治療をする必要があります。監修:浅井皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.浅井 俊弥氏

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妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は

 これまで研究において、妊娠中の母親の抗うつ薬使用が、子供の自閉スペクトラム症(ASD:autism spectrum disorder)のリスクを高めるかを調査したが、その結果は矛盾していた。米国・マウントサイナイ医科大学のA. Viktorin氏らは、妊娠中の抗うつ薬治療による子供のASDリスクについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年5月22日号の報告。 2006、07年に誕生した子供179例の集団ベースコホートを対象に、子供たちが7、8歳となる2014年までフォローを行った。Cox回帰を用いて、妊娠中に抗うつ薬に曝露された子供におけるASDの相対リスク(RR)および95%信頼区間(CI)を推定し、また特定の9種の抗うつ薬についての分析も行った。解析では、潜在的な交絡因子の調整を行い、全サンプルとうつ病または不安症の診断を有する母親の臨床的に適切なサブサンプルにおいて実施した。 主な結果は以下のとおり。・妊娠中に抗うつ薬を使用した母親の子供におけるASDの調整RRは1.23(95%CI:0.96~1.57)、うつ病または不安症の診断歴のある女性で1.07(95%CI:0.80~1.43)であった。・特定の抗うつ薬の分析では、citalopramおよびエスシタロプラム(RR:1.47、95%CI:0.92~2.35)と、クロミプラミン(RR:2.86、95%CI:1.04~7.82)においては、子供のASDのRRが増加した。 著者らは「妊娠中の抗うつ薬使用は、子供のASDリスク増加と関連があるとは考えられない。代わりにこの結果は、精神障害への感受性に関連する要因によって説明されることを示唆している。これらの知見に基づき、子供のASDリスクのために一般的に使用されている妊婦に対する抗うつ薬治療を控える必要はない」としている。■関連記事妊娠中のSSRI使用、妊婦や胎児への影響は妊娠中のコーヒー摂取、子供のADHDへの影響は妊娠初期のSSRI曝露、胎児への影響は

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