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受動喫煙で肺がんリスクが1.3倍~わが国のメタ解析

 これまで、わが国での受動喫煙と肺がんとの関連についてはシステマティックに評価されていなかった。今回、国立がん研究センターの堀 芽久美氏らが実施した、非喫煙者の受動喫煙と肺がんとの関係についてのシステマティックレビューとメタ解析で、成人期における家庭内受動喫煙で肺がんリスクが有意に増加することが示唆された。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年8月10日号に掲載。 著者らは、MEDLINEおよび医中誌Webデータベースから、検索用語とMeSHによって関連する研究を収集した。適格な研究を特定後、統合リスク推定値の計算のために相対リスクまたはオッズ比を抽出した。これらの手順は少なくとも2名の著者が独立して行った。研究デザイン、出版年、潜在的交絡変数を考慮した層別解析を行った。出版バイアスの存在はファンネルプロットで評価した。 主な結果は以下のとおり。・4件のコホート研究と5件の症例対照研究を特定した。量的な統合は成人期における家庭での受動喫煙に対してのみ行った。・メタ解析に含まれる12集団のうち、11集団で受動喫煙と肺がんの間に正相関が認められ、残りの1集団で逆相関がみられた。・受動喫煙に関連する肺がんの統合相対リスクは1.28(95%信頼区間:1.10~1.48)であった。・出版バイアスの存在は認められず、トリムアンドフィル法で同定された、潜在的に不足している研究を含めた場合においても有意な関連がみられた(併合相対リスク:1.26、95%信頼区間:1.09~1.46)。・この結果は、研究デザインや出版年、交絡変数の調整によるさまざまなサブグループでも一定していた。

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喫煙シーンが喫煙者を増やす!?

喫煙シーンが喫煙者を増やす?!映画の喫煙シーンを見ることと年齢による喫煙の流行との関係性(%)50 年代による差はありますが、映画やドラマなどで喫煙シーンを多く見た子供ほどタバコに興味を持ちやすいことが知られています。 日本でも近年、アニメーション映画の中に登場する喫煙シーンの是非をめぐる議論がありましたね。子供はメディアによる視覚的な情報からの影響を受けやすいことに大人年齢(歳)9-1145121340喫煙を試してみた人の割合14-153530252015105が気付いて、子供を守る必要があります。00-5051-100101-150>150(回)映画の中の喫煙シーンを見た回数Sargent JD, et al. BMJ. 2001; 323:1394-1397.社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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てんかん患者の喫煙率は

 てんかん患者における喫煙率に関するデータはあまり存在しない。スイス・ジュネーブ医科大学のOmar Torriani氏らは、フランス語圏のスイスに在住する成人てんかん患者を対象に調査を行った。Journal of neurology誌オンライン版2016年7月14日号の報告。 対象は、フランス語圏のスイスに在住する成人てんかん患者429例。過去6ヵ月間で少なくても1日1本のタバコの利用を現在喫煙者として定義した。てんかんタイプやタバコの消費量に関する質問が含まれたアンケートは、信頼性の高い診断を確実にするため、神経内科医付き添いのもとプロスペクティブに調査した。調査データは、毎年異なる言語地域におけるスイス人のタバコ利用習慣に関する詳細な情報を調査した「Tabakmonitoring」のデータ収集と比較した。 主な結果は以下のとおり。・てんかん患者の現在喫煙率は、32.1%であった(女性:28.8%、男性:35%)。また、同期間におけるフランス語圏スイス人の一般的な喫煙率は19.0%であった(OR:2.0、CI:1.6~2.5、p<0.001)。・特発性(素因性)全般てんかん患者の喫煙率は44.3%で最も高かった(その他のてんかん患者:27.8%、p=0.03)。・てんかん患者の喫煙率は、有意に高かった。・てんかんとニコチン中毒に共通する遺伝的感受性、てんかんに関連付けられるストレスやうつ病を介する間接的な併存疾患、てんかんに対するニコチンの有益な効果などの因果関係は不明なままであり、さらなる研究が求められる。関連医療ニュース 統合失調症患者は、なぜ過度に喫煙するのか 成人てんかんに対するガイドライン準拠状況は てんかん患者の性的問題の現状

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新型タバコだから安心!?

新型タバコだから安心?! 加熱式タバコが急速に普及しています。(商品名:iQos、Ploom TECH など)これらは、火を使わない、煙が少ないなどと宣伝されています。 充電式電池と電熱線を使用してタバコを加熱し、ニコチンを含んだガスを発生させてそれを吸引する、新しいタイプのタバコです。“水蒸気”が出ているのではありません。 喫煙後の呼気からも、わずかながら有害物質が検出されたとの報告もあり、受動喫煙も完全には防げないようです。加熱式タバコにも、少ないながらも従来のタバコと同様のリスクが喫煙者本人や非喫煙者にもあることを認識しましょう!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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日本人高齢者に肥満パラドックスはあるか~1万3千人の研究

 わが国の高齢者1万3,280人のコホート研究で、日本人における肥満パラドックスを支持する結果が、岡山大学の山崎 賢士氏らより報告された。とくに肥満の高齢男性において全死亡リスクが低い傾向にあるという。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2016年8月4日号に掲載。 わが国における肥満パラドックスのエビデンスは少ない。今回、著者らは日本の地域在住の高齢者において、この現象について調査した。静岡県内の74の全自治体から65~84歳の高齢者1万3,280人を無作為に選択、BMIを含むアンケートを実施して1999~2009年の間追跡した。なお、世界保健機関(WHO)のガイドラインに従い、アジア人集団で適切とされるBMI評価基準を用いて、参加者を18.5未満(低体重)、18.5~23.0(正常体重)、23.0~27.5(過体重)、27.5以上(肥満)に分類した。また、性別、年齢、喫煙状況、飲酒量、身体活動、高血圧、糖尿病について調整し、全死亡のハザード比と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・正常体重の参加者との比較において、過体重や肥満の参加者は多変量ハザード比(95%CI)が低い傾向にあった。 肥満者  0.86(0.62~1.19) 過体重者 0.83(0.73~0.94) 低体重者 1.60(1.40~1.82)・性別や年齢によるサブグループ解析において、肥満男性におけるハザード比(95%CI)が有意ではないが低い傾向にあった。 65~74歳の肥満男性 0.56(0.25~1.27) 75~84歳の肥満男性 0.78(0.41~1.45)

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未成年者も禁煙治療を受けよう!

未成年者も禁煙治療を受けよう! 未成年の喫煙は、違法ではありますが処罰の対象ではありません。 未成年者はタバコの害から保護される立場であり、未成年者喫煙禁止法にも罰則は規定されていません(行政処分として喫煙器具の没収が行われる)。処罰の対象は未成年者にタバコを販売した人や喫煙を制止しなかった保護者となっています。 2016年4月から、未成年者の禁煙治療に対しても医療保険が使いやすくなりました。子供の喫煙を防ぐのは保護者やタバコ販売者の役目です!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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多面的な心血管リスク対策で認知症を防げるか?/Lancet

 無作為に抽出した高齢者において、看護師主導による心血管リスク因子に焦点を絞った多面的な介入は、認知症発症率の減少には至らなかった。オランダ・Academic Medical CenterのEric P Moll van Charante氏らが、The Prevention of Dementia by Intensive Vascular care trial(preDIVA試験)の結果、報告した。先行研究では、心血管リスク因子の改善が認知症を予防する可能性が示唆されていた。今回の研究で介入の効果を確認できなかった理由について著者は、「ベースライン時、すでに軽度の心血管リスクを有し、プライマリケアで高い水準のリスク管理が行われていたことによる」と考察したうえで、未治療の高血圧患者においては介入により臨床的に意味のある効果が得られていることから、「今後は選択された集団で介入の有効性を評価すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2016年7月26日号掲載の報告。高齢者約3,500例を6年追跡し、多面的介入と通常ケアの認知症発症率等を比較 preDIVA試験は、オランダにて、26の医療センタービルにある116の一般診療所(家庭医)を拠点に実施された、多施設共同非盲検クラスター無作為化比較対照試験であった。 研究グループは、研究参加者として70~78歳の高齢者を募集し、2006年6月7日~2009年3月12日に、適格基準を満たし研究への同意が得られた3,526例を、看護師主導の多面的な心血管系への介入を6年間行う群(介入群)と通常ケアを行う群(対照群)の2群に診療所単位で無作為化した(介入群:63施設1,890例、対照群:53施設1,636例)。 介入群には、6年間にわたって4ヵ月に1回計18回一般診療所を受診してもらい、看護師が心血管リスク因子(喫煙習慣、食事、運動、体重、血圧)の評価と、動機づけ面接法による生活習慣の指導や支援を行った。 主要評価項目は、6年時の累積認知症発症率および障害スコア(Academic Medical Center Linear Disability Score:ALDS)。副次的評価項目は、心血管疾患の発症率および死亡率などであった。評価者盲検とし、アウトカムデータを入手し得たすべての参加者を解析に組み込んだ。認知症発症率や障害スコアに両群間で有意差なし 主要評価項目の解析対象は3,454例(98%)で、平均追跡期間は6.7年(2万1,341人年)であった。介入群では1,853例中121例(7%)、対照群では1,601例中112例(7%)が認知症を発症した(ハザード比[HR]:0.92、95%信頼区間[CI]:0.71~1.19、p=0.54)。追跡期間中に測定された平均ALDSスコアは、両群間で差は認められなかった(介入群85.7[SD 6.8]、対照群85.7[7.1]、補正平均差:-0.02、95%CI:-0.38~0.42、p=0.93)。 副次的評価項目については、死亡率は対照群16%(269/1,634例)に対し介入群は16%(309/1,885例)であり、両群間に差はなかった(HR:0.98、95%CI:0.80~1.18、p=0.81)。心血管疾患発症率も同様にそれぞれ17%(228/1,307例)および19%(273/1,469例)で差は認められなかった(HR:1.06、95%CI:0.86~1.31、p=0.57)。 サブグループ解析の結果、アドヒアランスが良好であった未治療の高血圧症を有する高齢者の場合、認知症発症率は介入群4%(22/512例)に対し対照群は7%(35/471例)であった(HR:0.54、95% CI:0.32~0.92、p=0.02)。

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若年者も積極的な禁煙治療を!

若年者は禁煙治療を受けやすくなりました**35歳未満、未成年者を含む診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知)(平成28年3月4日:保医発0304第3号)ア 、「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS)で、ニコチン依存症と診断されたものであること。今回追加されましたイ 、35歳以上の者については、1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じて得た数が200以上であるものであること。ウ、 直ちに禁煙することを希望している患者であって、「禁煙治療のための標準手順書」 に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意しているものであること。2016年4月から、35歳未満の喫煙者については「1日の喫煙本数×喫煙年数が200を超えること」とする保険適用の要件が廃止されました。社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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喫煙と心房細動リスク~前向き研究のメタ解析

 前向き研究のメタ解析により、喫煙が心房細動(AF)発症リスクの増加に関連していたことを中国・南昌大学のWengen Zhu氏らが報告した。著者らはまた、禁煙により、喫煙によるAFリスクの過剰分が低減するが、完全には解消しないようであると述べている。International journal of cardiology誌2016年9月1日号に掲載。 AF発症における喫煙の役割を検討している研究は幾つかあるが、矛盾する結果が報告されている。喫煙とAFリスクの定量的な関連の同定はAFの管理と予防に重要である。 著者らはコクランライブラリー、PubMed、Embaseデータベースを用いて、喫煙とAFの関連を報告した研究を系統的に検索した。該当論文からデータを抽出し、影響の予測をプールするためにランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・16の前向き研究が選択基準を満たした。参加者の合計は28万6,217人、AF症例は1万1,878例であった。・喫煙者で高いAF有病率が確認された(リスク比[RR]:1.23、95%信頼区間[CI]:1.08~1.39、p=0.001)。これらの結果は感度分析で安定していた。・pooled RRは、ほとんどのサブグループで一貫した正の関連を示した。・具体的には、8論文では現喫煙者(RR:1.39、95%CI:1.11~1.75)と過去喫煙者(RR:1.16、95%CI:1.00~1.36)の両方を生涯非喫煙者と比較、4論文では現/過去喫煙者(pooled RR:1.21、95%CI:0.93~1.57)を生涯非喫煙者と比較、7論文では現喫煙者(pooled RR:1.21、95%CI:1.03~1.42)を非/過去喫煙者と比較していた。・世界的に、男性におけるAFリスクの6.7%および女性におけるAFリスクの1.4%が喫煙に起因すると推測された。

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脳卒中の原因の9割を占める、10のリスク因子とは/Lancet

 世界の地域や人種、性別にかかわらず、全脳卒中発症の原因の約90%に関与する、10項目のリスク因子が明らかになった。たとえば、高血圧症または収縮期血圧/拡張期血圧が140/90mmHg以上だと、脳卒中発症リスクは約3倍、人口寄与危険度割合(PAR)は約48%に上るなどである。カナダ・マックマスター大学のMartin J. O’Donnell氏らが、32ヵ国142ヵ所の医療機関を通じて行った、標準化国際ケースコントロール試験「INTERSTROKE」の結果で、Lancet誌オンライン版2016年7月15日号で発表した。急性脳卒中患者とその対照症例、それぞれ約1万3,000例を分析 検討は、世界各地域において、またはキー集団および脳卒中原発性病理のサブタイプにおける、重大かつ修正可能な脳卒中リスク因子を定量化することを目的とした。2007年1月~2015年8月にかけて、アジア、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、中東、アフリカでケースコントロール試験を行い、急性脳卒中のリスク因子について評価した。 被験者は、発症5日以内で入院72時間以内の急性脳卒中患者1万3,447例(虚血性脳卒中1万388例、脳内出血3,059例)と、入院中または地域居住の対照症例1万3,472例だった。PARでみた上位3項目は、高血圧症、定期的運動、アポリポ蛋白B/A1比 結果、全脳卒中発症と関連した因子のうち、PAR値が高いほうから順に上位5項目は、(1)高血圧症または収縮期血圧/拡張期血圧が140/90mmHg以上(オッズ比[OR]:2.98、PAR:47.9%)、(2)定期的運動(0.60、35.8%)、(3)アポリポ蛋白B/A1比(最高三分位[T3]の最低三分位[T1]に対するOR:1.84、上位2三分位[T2+T3]のT1に対するPAR:26.8%)、(4)食事(修正代替健康食指数[mAHEI]T3のT1に対するOR:0.60、同T1+T2のT3に対するPAR:23.2%)、(5)ウエスト・ヒップ比(T3のT1に対するOR:1.44、T2+T3のT1に対するPAR:18.6%)だった。 続いてPARが高い5項目は、(6)日常生活、ライフイベント、うつ状態を含む精神的ストレス(OR:2.20、PAR:17.4%)、(7)喫煙(同:1.67、同:12.4%)、(8)心臓起因のもの(同:3.17、同:9.1%)、(9)アルコール摂取(高頻度または1回の摂取量が多い人の非摂取・元摂取者に対するOR:2.09、現摂取者の非摂取・元摂取者に対するPAR:5.8%)、(10)糖尿病(同:1.16、同:3.9%)、だった。 これら10項目のリスク因子を総合したPARは、世界における全脳卒中の90.7%だった(虚血性脳卒中91.5%、脳内出血87.1%)。また地域間で大きな差はなく(最も低いアフリカ地域で82.7%、最も高い東南アジアで97.4%)、性別間(男女ともに90.6%)、年齢群間(55歳以下92.2%、55歳超90.0%)でも、ばらつきはみられなかった。 一方で、個々のリスク因子の重要性について地域差があることが観察されている。それらは、ORの大きさの差や、リスク因子の占める割合の地域差に関与していた。また、高血圧症は脳内出血リスクに、一方で喫煙、糖尿病、アポリポ蛋白、心因子は虚血性脳卒中リスクに、それぞれ関連が大きかった(p<0.0001)。 以上を踏まえて著者は、「潜在的に修正可能な脳卒中の10のリスク因子が確認された。それらで世界の主要地域、多人種、男女および全年齢を含む脳卒中のPARの約90%と関連していた。一方で、個々のリスク因子については重大な地域差も認め、それらが、脳卒中の頻度や症例の世界的ばらつきに関連していることが示唆された」とまとめ、「これらの分析結果は、世界的および地域別の脳卒中予防プログラムの両方の作成を支持するものである」と述べている。

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喫煙が日本人HTLV-1キャリアのATLL発症に関連

 ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)キャリアにおいて、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の発症を予防する有効な方法はまだ同定されていない。今回、長崎大学原爆後障害医療研究所 近藤 久義氏らの研究により、わが国のHTLV-1キャリアにおいて、喫煙がATLL発症に影響を与える可能性が示唆された。Cancer causes & control誌オンライン版2016年7月13日号に掲載。 ATLLは、HTLV-1によって引き起こされる高悪性度の血液腫瘍である。本研究では、日本人のHTLV-1キャリアにおいて喫煙とATLL発症リスクとの関連を調べた。 著者らは、わが国の2つの異なるHTLV-1流行地域における、ベースラインでATLLを発症していなかった日本人HTLV-1キャリア1,332例(40~69歳)のコホートで、喫煙とATLL発症との関連を調査した。ATLL発症における喫煙の影響を推定するに当たっては、Cox比例ハザードモデル(性別、地域、ベースライン時の年齢、飲酒について調整)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・1993~2012年に、これらのキャリアから新たにATLL 25例を診断した。・ATLLの全体の粗発症率は、HTLV-1キャリアにおいて1,000人年当たり1.08で、男性キャリアのほうが女性キャリアより高かった(2.21 vs.0.74)。・ATLL発症リスクは、1日当たりの喫煙本数の増加に伴って、有意に増加した。20本増加ごとのハザード比(95%CI)は、全体で2.03(1.13~3.66)、男性キャリアで2.07(1.13~3.73)であった。

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過体重・肥満は死亡リスクを増大:世界4地域のメタ解析/Lancet

 過体重および肥満により、世界の4つの地域で一貫して全死因死亡のリスクが増大していることが、Global BMI Mortality Collaborationの調査で明らかとなった。研究の成果はLancet誌オンライン版2016年7月13日号に掲載された。過体重(BMI 25.0~<30.0)およびGrade1の肥満(30.0~<35.0)では、標準体重(18.5~<25.0)に比べ全死因死亡のリスクは増大しないことが報告されている。一方、BMIと死亡との因果関係を高い信頼性の下で推定するには、逆因果関係の影響をできるだけ回避する必要があり、慢性疾患や喫煙はBMIに影響を及ぼす可能性があるという。過体重、肥満と死亡の関連をメタ解析で評価 研究グループは、過体重、肥満と死亡の関連を評価するために、BMIに関する前向き研究の参加者のデータを用いてメタ解析を行った(英国医学研究会議[MRC]などの助成による)。 交絡および逆因果関係を回避するために、喫煙未経験者に限定した解析を行い、既存疾患を有する者およびフォローアップ期間の最初の5年間のデータは除外した。 アジア、オーストラリア/ニュージーランド、欧州、北米で行われた239件の前向き研究(フォローアップ期間中央値:13.7年、四分位範囲:11.4~14.7年)に参加した1,062万5,411人のうち、登録時に慢性疾患がなく、5年以上生存した喫煙未経験者の189件に参加した395万1,455人であり、このうち38万5,879人が死亡した。 主要評価項目は、BMI 22.5~<25.0の集団との比較における他の8つのBMI集団の、試験、年齢、性別で補正した死亡のハザード比(HR)とした。BMIが低くても高くても死亡リスクが上昇 全死因死亡のリスクはBMI 20.0~25.0の集団が最も低く(BMI 20.0~

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わかる統計教室 第3回 理解しておきたい検定 セクション14

インデックスページへ戻る第3回 理解しておきたい検定セクション14 ロジスティック回帰分析を学ぶセクション1 セクション2 セクション3 セクション4 セクション5セクション6 セクション7 セクション8 セクション9 セクション10セクション11 セクション12 セクション13近年の論文では、ロジスティック回帰分析を目にすることがとても増えてきています。ロジスティック回帰分析は、疫学調査などの大規模なスタディには必須となっています。セクション14では、このロジスティック回帰分析の手法について学んでいきます。■ロジスティック回帰はどのようなときに使うのかたとえば、脳卒中の危険因子を検討する場合、いろいろな分析方法が考えられます。脳卒中発症の有無に対して、性別、飲酒量、γ-GTP、喫煙、血圧、不整脈症状などについて t 検定を行う方法や、ある薬剤の服用の有無についてカイ2乗検定を行う方法などが簡単な分析方法です。しかし、仮に脳卒中を発症する群がγ-GTPの高い値の群に多かったとした場合、同時に飲酒量の多い群も脳卒中が多い群になってしまうかもしれません。γ-GTPで有意差が得られたとしても、それはお酒の飲み過ぎで肝臓が悪くなり、γ-GTPの検査値に影響した可能性が大きいと考えられ、正しい検定ではなくなってしまうことがあります。このような交絡因子、つまり2つ以上の因子が混じり合って、分けることができない状態が存在する場合の検定に役立つのが「ロジスティック回帰分析」です。この場合、脳卒中は目的変数(または従属変数)と、性別、飲酒量、γ-GTP、喫煙、血圧、不整脈症状などは説明変数(または独立変数)と呼びます。■ロジスティック回帰分析はどのような手法かロジスティック回帰とは、2群(たとえば健康の有無)を判別するのに、重要な要因は何かを明らかにする。任意の例の確率(健康である可能性)を予測するモデル式を作る。表43のようにモデル式を用い、Wさんの確率を予測する。という手法です。表43 モデル式適用できるデータは、目的変数は2群(1、0の2値データ)、説明変数は数量データです。■ロジスティック回帰分析の解析手順(表44)表44 解析の手順■ロジスティック回帰分析のモデル式ロジスティック回帰分析は、1、0の2値データを目的変数として、回帰分析を行う方法です。ロジスティック回帰分析は、表45のような形の式を導き出す解析手法です。表45 導入式■ロジスティック回帰-理論値の算出方法モデル式に回答データを代入し、理論値(各例の健康状態の程度)を求めます。理論値は、モデル式に説明変数のデータを代入することにより算出できます。〔例〕表46の回答者No.2について、理論値の求め方を示しましょう。表46 理論値と確率の相関モデル式モデル式の分母である下記の値を求めます。は手計算では求められません。Excelなどの計算により0.4681と算出されます。次にYの値を求めます。Y=1÷(1+0.468)=0.681理論値は、0.681 となります。■ロジスティック回帰-確率すべての回答者の理論値を算出します。理論値は、健康状態の程度を示す確率として適用できます。表46で、たとえば回答者No.2の健康状態が良い確率は68.1%です。判別分析との大きな違いは、確率が求められることです。(再掲)表46 理論値と確率の相関モデル式次に、モデル式が、予測に適用できるかどうかを検討します。統計モデルの良さを評価するための指標として、AIC(Akaike's Information Criterion: 赤池情報量基準)を用います。AICは、統計数理研究所 元所長の赤池 弘次氏が1971年に考案し、1973年に発表した、統計学の世界では非常に有名な指標であり、多くの統計ソフトに備わっています。AICはモデルの精度を調べる尺度である。AICは値が小さいほど良いモデルといえる。いくつ以下なら良いという基準はない。他のモデル式と比較するときに用いる。寄与率は、重回帰分析の決定係数と類似している。0.5以上のモデル式は良いと判断できる。判別的中率は、75%が良いモデル式と判断できる。母集団において、モデル式が適用できるかを検定します(表47)。表47 モデルの予測式の適合p<0.05は、母集団の予測に適用できると判断できます(表48)。表48 モデルの適合情報■ロジスティック回帰-モデル式の検討説明変数について検討します。回帰係数はモデル式の係数になります(表49)。オッズ比、Wald-square、標準回帰係数は、説明変数の目的変数への影響度を調べる尺度です。値が大きいほど、影響度が高い項目といえます。p値は、母集団において説明変数が有意であるかどうかを調べる尺度となります。オッズ比はe回帰係数で求められる値です。表49 回帰係数のモデル式■ロジスティック回帰-分割表の解析表50のデータについて、分割表、リスク比、オッズ比を求めてみましょう。表50 ロジスティック回帰解析のデータ表不整脈症状に対する影響度が最も強いのは喫煙の有無、次にギャンブル嗜好、飲酒の有無は3番目でした。ギャンブル嗜好のほうが、飲酒の有無より不整脈症状に対して影響度が高いのは違和感がありますね。そこで、要因相互間の関係をみてみましょう。■ロジスティック回帰-説明変数相互の関係表51の説明変数相互の分割表を作成し、リスク比を求めます。すると、ギャンブル嗜好は、喫煙の有無の影響要因となっていることがわかります。表51 データからリスク比を算出表52のリスク比で3要因の関係をみてみましょう。表52 リスク比3要因の関係喫煙するからギャンブルが好きなのか、ギャンブルが好きだから喫煙するのか因果関係の方向はわかりませんが、両者の関係は強いようです。ギャンブル嗜好と不整脈症状の関係が強いのは、ギャンブル嗜好が喫煙の有無の影響を受けているからだと考えられますね。そのため、ギャンブル嗜好と不整脈症状との真の相関関係(喫煙の有無の影響を除去した相関)を調べる必要があるのです。これを解決してくれる解析手法がロジスティック回帰です。■ロジスティック回帰 - 両解析のオッズ比の比較表53でカテゴリデータを1点、0点の数量データに変換してロジスティック回帰を行います。表53 ロジスティック回帰のためのデータ整理これによりギャンブル嗜好は、不整脈症状の影響要因でなかったことがわかります。■ロジスティック回帰 - 解析結果の解釈ロジスティック回帰を行うと、オッズ比が出力されます。オッズ比から順位が把握できるので、不整脈症状の影響要因の1位は喫煙の有無で、次に飲酒の有無となります。ギャンブル嗜好は、不整脈症状にそれほど影響がないことがわかります。表53の分割表のオッズ比とロジスティック回帰でのオッズ比が異なっています。影響要因が複数あるとき、要因相互で高い相関があるとこのような事象が起こります。ロジスティック回帰の結果は、影響要因相互の影響を除去して算出されるので、見かけでない真の結果といえると思います。■傾向スコア(propensity score : PS)とは最後に、ロジスティック回帰を用いて計算される傾向スコア(propensity score:PS)について簡単に説明します。通常の臨床試験では、無作為化割付試験を行って治療群とコントロール群に割り当てられる個々の患者の確率は、等しく50%とします。しかしながら実際の臨床現場においては、さまざまな患者の背景を考慮して治療が割り当てられるため、治療群とコントロール群(場合によっては治療A群と治療B群の比較)では患者背景が異なることがほとんどです。このような治療の割り当てに影響する因子を用いて、治療割り当ての確率であるPSを算出し、同じPSの得点の患者同士を比較することで、疑似的に観察研究のデータを無作為化割り付け試験のように解析するというのが、PSを用いた解析の概念です。PSを用いて治療群とコントロール群の背景因子を調整するために、通常はロジスティック回帰モデルを用いて、年齢、性別、人種などの背景因子から、それぞれの患者個人が介入される確率(0.0~1.0)を計算します。この確率こそがPSなのです。■今回のポイント1)ロジスティック回帰で適用できるデータは、目的変数が2群(1、0の2値データ)、説明変数が数量データ!2)ロジスティック回帰によって、特定の患者リスクを計算することができる!3)母集団において、モデル式を検定し、p<0.05であれば、母集団の予測に適用できる!インデックスページへ戻る

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スタチンを中断する患者、7割以上が再開/BMJ

 スタチン治療患者の中断率および再開率を調べた結果、1次予防目的での服用開始患者の中断率は47%、うち再開率は72%であり、2次予防患者ではそれぞれ41%、75%であったという。英国・パーク大学のYana Vinogradova氏らが、同国プライマリケア・データベースを用いた前向きオープンコホート試験の結果、報告した。スタチン治療については先行試験で、中断率が高く、アドヒアランスが低いことが示されている。また傾向として、若年層または高年齢層、女性、マイノリティ、喫煙者、BMI低値、非高血圧または非糖尿病の患者でアドヒアランスが低いことが示されていた。しかし、大半の試験が一般市民の代表を対象としたものではなく、試験デザイン、曝露やアウトカムの定義がまちまちであった。BMJ誌オンライン版2016年6月28日号掲載の報告。英国プライマリケア・データベースで、中断率、再開率および患者特性を調査 研究グループが活用したのは、英国のClinical Practice Research Datalinkで、664人の一般医(GP)が関与していた。2014年10月時点でデータを抽出し、スタチン治療の中断率および再開率を調べ、それぞれの患者の特性を調べた。 対象被験者は、2002年1月~2013年9月の間にスタチン治療を開始した25~84歳。研究グループは、被験者を1次予防群と、2次予防群(心血管疾患の診断歴のある患者)の2群に分類した。試験登録前の12ヵ月間にスタチン処方を受けていた患者は除外した。 主要アウトカムは、スタチン治療中断率(最終処方日と推定される日から90日の間がある)、および中断者における再開率(再開の定義は、中断以降の試験終了までのあらゆる処方)とした。中断-再開の詳細な患者傾向が判明 1次予防群は43万1,023例。追跡期間中央値137週において、中断率は47%(20万4,622例)であり、うち再開率は72%(14万7,305例)であった。2次予防群は13万9,314例。追跡期間中央値182週において、中断率は41%(5万7,791例)であり、うち再開率は75%(4万3,211例)であった。 患者特性を調べた結果、若年層(50歳以下)、高年齢層(75歳以上)、女性、慢性肝疾患の患者は、中断率が高く、再開率が低い傾向が認められた。一方で、マイノリティ、現在喫煙、1型糖尿病の患者は、中断率は高いが再開率も高い傾向がみられた。一方で、高血圧、2型糖尿病の患者は、中断率が低く、たとえ中断しても再開する割合が高い傾向が認められた。 これらの結果は、1次予防群と2次予防群でほとんど変わらなかった。 著者は、「スタチン使用者のうち中断する人は多いが、そのほとんどで再開がみられた。“中断”が想定される大多数の患者にとって、スタチン治療の中断は、幅広く存在する低率アドヒアランス問題の一部にすぎないのだろう」と述べ、「どの患者が中断群または中断-再開群となるかを識別することは、患者および医師にとってポジティブな意味があり、さらなる検討領域であることが示唆される」とまとめている。

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女性の片頭痛は心血管疾患イベントおよび死亡リスクを増大(解説:中川原 譲二 氏)-556

 ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のTobias Kurth氏らは、約12万例の女性を対象とした20年以上に及ぶ前向きコホート研究を解析し、女性の片頭痛と心血管死を含む心血管疾患イベントとの間に一貫した関連が認められたことを報告した(BMJ誌オンライン版2016年5月31日号掲載の報告)。NHS IIの女性約12万例を、20年にわたって追跡 研究グループは、米国看護師健康調査II(Nurses' Health Study II:NHS II)に参加した、ベースライン時に狭心症および心血管疾患のない25~42歳の女性看護師11万5,541例を対象に、1989年~2011年6月まで追跡調査を行った(累積追跡率90%以上)。主要評価項目は、主要心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中・致死的心血管疾患の複合エンドポイント)、副次評価項目は心筋梗塞、脳卒中、狭心症/冠動脈血行再建術および心血管死の個々のイベントとした。主要心血管疾患のリスクは1.5倍、心血管死のリスクは1.37倍 11万5,541例のうち、医師により片頭痛と診断されたと報告した女性は1万7,531例(15.2%)で、20年間の追跡期間中に、1,329件の主要心血管疾患イベントが発生し、223例の女性が心血管疾患で死亡した。潜在的交絡因子の補正後、片頭痛を有する女性では片頭痛のない女性と比較し、主要心血管疾患(ハザード比[HR]:1.50、95%信頼区間[CI]:1.33~1.69)、心筋梗塞(同:1.39、1.18~1.64)、脳卒中(1.62、1.37~1.92)、狭心症/冠動脈再建術(1.73、1.29~2.32)のリスクが増加していた。さらに、片頭痛は心血管死の有意なリスク増大とも関連していた(HR:1.37、95%CI:1.02~1.83)。また、サブグループ解析(年齢[<50歳/≧50歳]、喫煙歴[現在喫煙中/過去に喫煙歴あり/なし]、高血圧[あり/なし]、閉経後ホルモン療法[現在治療中/現在治療なし]、経口避妊薬使用[現在使用/現在使用なし])でも、類似の結果であった。女性においては、片頭痛は心血管疾患の重要なリスク因子 片頭痛は虚血性脳卒中のリスク増加と関連していることは知られていたが、冠動脈イベントや心血管死との関連はほとんど示されていなかった。著者らは、「今後、片頭痛患者の将来の心血管疾患リスクを低下させる予防的戦略を明らかにするため、さらなる研究が必要である」としている。 なお、著者らは今回の結果について、医師による片頭痛の診断が自己報告に基づくものであること、片頭痛の前兆が不明であり、対象がすべて看護師であることなど、他の女性集団に対する一般化には限界があることを付け加えている。今後は、本邦の女性集団においても、片頭痛が同様の生物学的機序によって心血管疾患のリスクを増大させるかどうかを検討する必要がある。

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喘息の発症時期、早いほうがより重症?

 小児発症喘息と成人発症喘息を比較した場合、小児発症喘息のほうが成人期の肺機能への影響が大きいことが、オーストラリア・メルボルン大学のTan DJ氏らにより報告された。Thorax誌オンライン版2016年6月14日号掲載の報告。 これまでに、小児発症喘息と成人発症喘息の違いは、前向き研究のデータを用いて包括的に評価されたことはなかった。本研究では、タスマニア縦断研究(TAHS)のデータを用いて小児発症喘息と成人発症喘息の特徴の違いが検討された。1968年、対象者が7歳のときに一度目の呼吸器系の病歴調査およびスパイロメトリーが行われた(n=8583)。その後、2002年から2005年までに行われた対象者の追跡・再調査において、喘息と気管支炎を進展した成人患者1,389例を研究対象者とした。 主な結果は以下のとおり。・全TAHSコホートのうち、7.7%(95%信頼区間[CI]:6.6~9.0%)が小児発症喘息、7.8%(95%CI:6.4~9.4%)が成人発症喘息であった。・アトピーや家族歴のある患者は小児発症喘息でより多くみられ、成人発症喘息では女性・喫煙者・社会経済状況の低い患者が多くみられた。・一秒率の低下は小児発症患者のほうがより大きかった(気管支拡張薬使用前の小児発症・成人発症患者の低下率の差:-2.8%[95% CI:-5.3~-0.3]、気管支拡張薬使用後の差:-2.6%、[95%CI:-5.0~-0.1])。・喘息の重症度および喘息スコアには、発症年齢による有意差がみられなかった。・喘息と喫煙の間には交互作用がみられ、成人発症喘息患者の不可逆性気流閉塞の程度が喫煙と関連していることが示された。しかし、小児発症喘息患者ではこの交互作用はみられなかった。

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太り過ぎの期間が10年増えるとがんリスクが1.4倍

 欧米の8つのコホート研究の約33万人について、高齢者のがん発症リスクにおける過体重の期間・程度の影響について検討したところ、長期間の過体重が有意にがん発症と関連することを、国際がん研究機関(IARC、本部:フランス・リヨン)のMelina Arnold氏らが報告した。European journal of epidemiology誌オンライン版2016年6月14日号に掲載。 最近の研究において、過体重や肥満に関連するがんのリスクは時間的影響を受け、体重が過剰であった年数を用いることでより正確に近似される可能性が示唆されている。本研究では、高齢者のがん発症リスクにおける過体重の期間と程度の影響を検討した。 著者らは、追跡期間中に2回以上の体重測定を実施した欧米のコホート研究(欧州7件、米国1件)の32万9,576人について調査した。BMIの経年変化は二次成長モデルを用いて推定し、過体重(BMI:25以上)の期間と累積加重過体重年数を計算した。 主な結果は以下のとおり。・多変量Coxモデルとランダム効果分析によると、長期間の過体重が肥満関連のがんの発症と有意に関連し(10年増加当たりの全ハザード比:1.36、95%CI:1.12~1.60)、閉経後乳がんおよび大腸がんのリスクも増加させた。さらに過体重の程度により、肥満関連のがんリスクは一層増加した。・長期間の過体重に関連するがんリスクは女性よりも男性で高く、喫煙によって減衰した。閉経後乳がんでは、リスク増加がみられたのは、ホルモン療法を受けたことのない女性のみであった。・全体として、肥満関連のすべてのがんのうち8.4%が、どの年齢においても過体重に起因する可能性があった。

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過去10年で米国女性の肥満率が上昇/JAMA

 米国成人の年齢補正後肥満の有病率は、2013~14年男性35.0%、女性40.4%であり、女性の全肥満(BMI≧30)と3度肥満(BMI≧40)の有病率は2005~2014年の間に有意な右肩上がりの上昇が認められたことを、米国疾病予防管理センター(CDC)のKatherine M. Flegal氏らが報告した。同期間中、男性については有意な傾向はみられなかったという。これまでの調査研究では、1980~2000年の米国成人の肥満の有病率は男女ともに有意な上昇が認められ、その後2003~04年まで、男性については有意な上昇がみられたが女性ではみられなかった。著者は、「さらなる研究を行い、今回の調査で認められた傾向の要因を調べる必要がある」とまとめている。JAMA誌2016年6月7日号掲載の報告。2013~14年および2005~14年の成人男女の肥満の有病率動向を調査 研究グループは、性別、年齢、人種/ヒスパニック系、喫煙状態、教育レベルで補正した肥満の有病率について、2013~14年、および2005~14年の直近10年の傾向を調べた。全米の代表的市民を抽出して体重と身長などを測定して行われた断面調査の米国民健康・栄養調査(NHANES)のデータを用いて分析した。 主要評価項目は、肥満(BMI≧30)と3度肥満(BMI≧40)の有病率であった。直近10年、女性のみ有意に有病率が上昇 分析は、NHANESの直近2年(2013~14年)の男性2,638人(平均年齢46.8歳)と女性2,817人(同48.4歳)のデータと、2005~12年の2万1,013人のデータを基に行われた。 2013~14年の年齢補正後肥満有病率は、全体では37.7%(95%信頼区間[CI]:35.8~39.7)であり、男性では35.0%(同:32.8~37.3)、女性では40.4%(同:37.6~43.3)であった。 3度肥満相当の有病率は、全体で7.7%(95%CI:6.2~9.3)であり、男性では5.5%(同:4.0~7.2)、女性では9.9%(同:7.5~12.3)であった。 2005~14年の直近10年の変化の傾向を分析した結果、年齢・人種/ヒスパニック系・喫煙状態・教育で補正後、女性の全肥満(p=0.004)、3度肥満(p=0.01)で有意な直線的な増大の傾向がみられたが、男性では全肥満(p=0.30)、3度肥満(p=0.14)ともにそのような傾向はみられなかった。

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乾癬とうつ病はどう関連する?

 乾癬は、うつ病のリスク因子である。うつ病もまた、乾癬のトリガーや悪化要因となる可能性があるが、乾癬とうつ病との関係は、いまだ完全には明らかにされていない。そこで米国・ニューヨーク大学のCohen BE氏らでは、米国民における乾癬と大うつ病の関係性を調査した。JAMA Dermatology誌2016年1月号に掲載の報告。 本研究は2009~12年の米国国民健康栄養調査(NHANES)への参加者を対象とした集団ベース研究である。大うつ病の診断はPatient Health Questionnaire-9(PHQ-9)を用いた。  主な結果は以下のとおり。・研究対象となった米国市民1万2,382人のうち、351例(2.8%)が乾癬、968例(7.8%)が大うつ病と診断された。・351例の乾癬患者のうち58例(16.5%)が大うつ病の診断基準を満たした。・乾癬の既往患者は、乾癬の既往がない患者と比較して平均PHQ-9スコアが有意に高かった(4.54 [5.7] vs.3.22 [4.3]、p<0.001)。・性別、年齢、人種、BMI、身体活動、喫煙歴、アルコール摂取、心筋梗塞(MI)の既往、脳梗塞の既往、糖尿病の既往の調整後においても、乾癬と大うつ病との間に有意な関連性があることが認められた(オッズ比[OR] 2.09 [95%CI:1.41~3.11]、p<0.001)。・乾癬の既往と心血管イベントの既往(とくにMIまたは脳梗塞)を有する患者との相互作用項を含む解析においては、相乗的な大うつ病のリスク上昇は示されなかった(乾癬とMI: OR 1.09 [95 % CI:0.28~3.60]、p=0.91;乾癬と脳卒中:OR 0.67 [95%CI:0.12~3.66]、p=0.63)。・多変量調整モデルにおける大うつ病のリスクは、限局型の乾癬と汎発型の乾癬の患者間で有意差は認められなかった(OR 0.66 [95%CI:0.18~2.44]、p=0.53)。 以上の結果より、自己申告に基づく乾癬の既往は、併存疾患による差の調整後においても、評価ツール(PHQ-9)による大うつ病の診断との間に独立した相関関係が認められた。ただし、心血管イベントの既往は乾癬患者の大うつ病リスクを増加させなかった。また、乾癬の重症度は、大うつ病のリスクとは無関係であった。したがって重症度に関係なく、乾癬を有するすべての患者は、大うつ病のリスクを有する可能性があると考えられる。

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喫煙者は被害者!?

喫煙者は被害者?! 禁煙化が進む欧米では、喫煙者をタバコの被害者と見なし、その救済に社会全体で取り組む姿勢を見せています。 ニコチン依存症は、社会が責任を持って治療支援すべき疾患であるという考えの下、政府が無料の電話相談窓口、クイットライン(Quitline)を設け、禁煙の支援を受けるよう促しています。タバコ販売店舗ではクイットラインの案内板表示が義務付けられている(オーストラリア)禁煙は治療です。積極的に支援を受け、禁煙に取り組みましょう!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニック 清水 隆裕氏Copyright © 2016 CareNet, Inc. All rights reserved.

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