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末梢動脈疾患ガイドライン、7年ぶりの改訂/日本循環器学会

 日本循環器学会と日本血管外科学会の合同ガイドライン『末梢動脈疾患ガイドライン(2022年改訂版)』が、7年ぶりの改訂となった。2度目の改訂となる今回は、末梢動脈疾患の疾病構造の変化と、それに伴う疾患概念の変遷、新たな診断アルゴリズムや分類法の登場、治療デバイスの進歩、患者背景にある生活習慣病管理やその治療薬の進歩などを踏まえた大幅な改訂となっている。第86回日本循環器学会学術集会(3月11~13日)で、末梢動脈疾患ガイドライン作成の合同研究班班長である東 信良氏(旭川医科大学外科学講座血管外科学分野)が、ガイドライン改訂のポイント、とくに第4章「慢性下肢動脈閉塞(下肢閉塞性動脈硬化症)」について重点的に解説した。末梢動脈疾患ガイドラインでは下肢閉塞性動脈疾患をLEADと区別 末梢動脈疾患ガイドラインで扱う末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease:PAD)は、冠動脈以外の末梢動脈である四肢動脈、頸動脈、腹部内臓動脈、腎動脈、および大動脈の閉塞性疾患を指す。同じくPADと称されている上下肢閉塞性動脈疾患(Peripheral Artery Disease:PAD)との混同を避けるため、末梢動脈疾患ガイドラインでは、下肢閉塞性動脈疾患についてはLEAD、上肢閉塞性動脈疾患についてはUEADと称し、区別している。 末梢動脈疾患ガイドラインは全20章で構成されており、各章・各節の冒頭で、診療の基本となるエッセンスや最も伝えたい概念を「ステートメント」として紹介している。また、Practical Question:PQとして、12個の臨床的話題を取り上げ、実臨床でいまだ明確な方針が示されていない臨床的課題について解説している。 PADの中で最も多くかつ重要な疾患がLEADである。LEADのリスクファクターや背景疾患の管理については、心血管イベントのリスクが高く、動脈硬化の4大因子である高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙の管理が基本となる。末梢動脈疾患ガイドラインでは、とくに脂質異常症について厳しい管理を推奨している。本邦では、腎不全・透析もLEAD発症の独立した危険因子として非常に頻度が高いため、今回の末梢動脈疾患ガイドラインより新たに追加された。LEADの抗血栓療法については、前回のガイドラインに記載されていた抗血小板療法に加え、DOACの登場によって抗凝固療法の項目が新たに追加された。末梢動脈疾患ガイドラインではLEADの症候別アプローチを記載 LEADは、症状や虚血の程度により治療方針が大きく変化する。そのため、末梢動脈疾患ガイドラインでは、無症候性LEAD、間歇性跛行、包括的高度慢性下肢虚血(Chronic Limb-Threatening Ischemia:CLTI)の3つに分類し、診断・治療の症候別アプローチを記載している。【無症候性LEAD】・無症候性LEADは、総じて下肢の予後が良好であるが、潜在的重症下肢虚血が一部含まれるため注意が必要である。下肢動脈病変の予防的血行再建術を行うべきではない(推奨クラスIII Harm)としている。【間歇性跛行】・間歇性跛行を訴える患者には、鑑別診断も兼ねた詳細な問診と身体診察を行う。下肢虚血の程度や間歇性跛行の機序を総合的に判断することが重要になる。病変評価には足関節上腕血圧比(ABI)の測定を行い、安静時のABIに異常を認めない場合は運動後のABI測定も推奨されている。・間歇性跛行の治療について、血行再建の要否は、日常生活で歩行機能の改善を見込めるか、運動を制限する合併疾患(狭心症、心不全、慢性呼吸器障害、筋骨格系の制限や神経障害など)の有無を評価したうえで決定する。保存的治療が優先され、末梢動脈疾患ガイドラインではとくに、運動療法の推奨が詳細に記載されている。・動脈硬化リスクファクターの是正、薬物療法、運動療法の検討を実施していない間歇性跛行患者には血行再建術は推奨されない。しかし、必要であれば次のとおり血行再建術を施行する。大動脈腸骨動脈領域はEVTを第1選択とする。総大腿動脈病変は血栓内膜摘除を第1選択とする。大腿膝窩動脈病変領域は、25cm未満の短~中区域病変はEVT、長区域病変は外科的血行再建を第1選択とする。膝下動脈病変領域では、EVTは推奨されない(推奨クラスIII No benefit)、同様に、人工血管による大腿-下腿動脈バイパスも行うべきではない(推奨クラスIII Harm)としている。【CLTI】・包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)は、下肢虚血、組織欠損、神経障害、感染などの肢切断リスクがあり、治療介入が必要な下肢を総称する概念だ。これまでは、「重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia:CLI)」という用語が使われていたが、背景にある生活習慣病、とくに糖尿病や腎不全の増加といった疾病構造の変化から、高度虚血だけでなく、感染等が原因で肢切断になることもありうるため、近年の実臨床を反映したCLTIという用語が使われている。・CLTIの治療方針を決定する際は、全身のリスク評価、WIfI分類での局所評価、解剖学的評価の3点について、PLANコンセプトに基づくアルゴリズムで総合的に検討する。CLTIへの血行再建を施行する際は、全身リスクと創傷範囲の評価が重要だ。血行再建の推奨は次のとおり。総大腿動脈病変は血栓内膜摘除術を第1選択とする。下腿足部動脈病変は、2年以上の生命予後が期待され、使用可能な自家静脈がある場合は、自家静脈バイパスを行うとしている。・末梢動脈疾患ガイドラインの今回の改訂で、創傷治癒、リハビリテーション、大切断、血行再建術後の薬物療法、血行再建術後の予後と二次予防といった項目が新たに追加された。末梢動脈疾患ガイドラインに動脈硬化症以外のさまざまな疾患 末梢動脈疾患ガイドラインの第6~19章には、動脈硬化症以外の原因によるPADについて、診断や治療に関する解説がなされている。東氏は「欧米のガイドラインではあまり記載されていないものも多く含んでおり、PADには動脈硬化症以外のさまざまな病因・疾患が潜んでいることを今一度振り返っていただき、治療法を誤らないためにも、ぜひ参考にしていただきたい」と、末梢動脈疾患ガイドラインの第4章以外の章の重要性についても強調。 PADは、冠動脈疾患や脳血管疾患に比べてはるかに国民の認知度が低く、予防や早期発見が遅れている。そのため、一般市民への啓発を目的として、末梢動脈疾患ガイドラインには第20章「市民・患者への情報提供」が、今回の改訂で新たに設けられた。本章では、とくに生活習慣病に伴うLEADを中心に概説している。 東氏は、今回の末梢動脈疾患ガイドライン改訂の要点として「主軸は欧米のガイドラインと呼応するように改訂したが、本邦のエビデンスをより多く取り入れ、実情に合う治療方針を目指した。本ガイドラインの英語版も作成中で、とくに民族性や文化が似ているアジア諸国の診断に役立つことを期待している」と発表を締めくくった。

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続・人は病気になってから予防する【Dr. 中島の 新・徒然草】(419)

四百十九の段 続・人は病気になってから予防する禁煙を諦めた女性の話は、第四百十六の段で紹介しました。今回はその続きです。簡単に前回のあらすじを述べておきましょう。慢性咳嗽で紹介された50代の女性。念のために撮影した胸部単純レントゲンで、直径2センチくらいの円形らしい陰影が!肺がんかもしれないと思い、胸部CTを予約しました。もちろん女性は顔面蒼白。「人は病気になってから予防する」と言われますが、今度こそ禁煙できるかな。翌日、たまたま会議の時に隣になった放射線科医に、ちょっと尋ねてみました。会議の時にはつまらなそうな顔をしていましたが、読影には興味津々。放科「どれどれ、ちょっとモニターで確認しましょうか」中島「この右肺の丸く見えるものなんですけどね」モニター画面で示します。放科「ああ、これは肋軟骨の石灰化ですね」ほとんど指さした瞬間に言われました。中島「実は、胸部CTをオーダーしたのですけど」放科「以前の胸部レントゲンはありますか?」中島「いや、ウチではこれが初めてなんです」放科「じゃあ、CTを撮っておいたほうが無難ですね。左側は石灰化していないし」今度はモニターすら見ずに言われてしまいました。実際のところ、後日撮影した胸部CTもそれを裏付けています。放射線科所見には「肋軟骨の石灰化」と書かれていました。さて、検査結果を患者さんに告げる日になりました。診察室に入ってきた女性は、すでに半泣きです。中島「結果から申し上げると、肺がんではありませんでした」女性「ありがとう、先生。ありがとう!」もう彼女は大泣き。中島「ところでタバコのほうは?」女性「吸ってません。もう1本も吸ってません」どうやら、肺がんの恐怖が、喫煙の誘惑に勝ったみたいです。中島「じゃあ、この機会にタバコはやめておきましょうか?」女性「もう、残っていたタバコもライターも、全部捨ててしまいました」もちろん、50代になってからの禁煙も、健康上の御利益があると思います。肺がんのほかに、動脈硬化やCOPDの予防にもなることでしょう。でも、ほかにも大切なことがあったのではないでしょうか。それは、彼女が自分の人生を、真剣に見つめ直したであろうことです。これまでの後悔、残された日々、やり残したあれこれ。本当はどういう人生を送りたかったのか。中島「神様が、1回だけチャンスをくれたんだと思いましょう」女性は泣きながら、何度も私に礼を言いました。今日が第2の誕生日。生まれ変わって、新たな人生を歩んで欲しいですね。最後に1句彼岸すぎ モニター見ながら 泣き笑い

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がん患者でのブレークスルー感染リスクと転帰/JCO

 米国で最大のCOVID-19症例と対照の全国コホートを運営するNational COVID Cohort Collaborative Consortiumが、ワクチン接種を受けたがん患者のブレークスルー感染リスクと転帰について調査した結果が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2022年3月14日号で報告された。がん患者、とくに血液腫瘍患者はブレークスルー感染と重篤な転帰のリスクが高かったが、ワクチン接種患者ではブレークスルー感染リスクが著明に低下することが示唆された。 本研究では、新型コロナウイルス感染の記録がなく、mRNAワクチンを1回もしくは2回接種し、2020年12月1日~2021年5月31日にブレークスルー感染した患者をNational COVID Cohort Collaborativeを用いて特定した。ブレークスルー感染リスクと転帰について、ロジスティック回帰を使用して分析した。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種集団においてブレークスルー感染を6,860例に認め、うち1,460例(21.3%)ががん患者だった。・固形腫瘍および血液腫瘍患者は、がん患者以外と比較して、ブレークスルー感染(オッズ比[OR]:1.12、95%CI:1.01〜1.23およびOR:4.64、95%CI:3.98〜5.38)および重篤な転帰(OR:1.33、95%CI:1.09〜1.62およびOR:1.45、95%CI:1.08〜1.95)のリスクが有意に高かった(年齢、性別、人種/民族、喫煙状況、ワクチンの種類、ワクチン接種日を調整)。・血液腫瘍患者は、固形腫瘍患者に比べてブレークスルー感染リスクが高かった(調整ORはリンパ腫の2.07からリンパ性白血病の7.25の間)。・ブレークスルー感染リスクはワクチン2回目接種後、すべてのがん患者で低かった(OR:0.04、95%CI:0.04〜0.05)。また、BNT162b2ワクチン(ファイザー製)よりmRNA-1273ワクチン(モデルナ製)でリスクが低く(OR:0.66、95%CI:0.62〜0.70)、とくに多発性骨髄腫患者で低かった(OR:0.35、95%CI:0.15〜0.72)。・免疫抑制が強く、骨髄移植を伴う薬物療法は、ワクチン接種集団のブレークスルー感染リスクと強く関連していた。

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腹痛患者、波があれば“管”を疑おう!【Dr.山中の攻める!問診3step】第12回

第12回 腹痛患者、波があれば“管”を疑おう!―Key Point―肋間神経の前皮枝が腹直筋を貫く部位で絞扼されることがある前皮神経絞扼症候群は慢性腹痛のかなり多い原因と考えられているリドカインの局所注射で劇的に痛みが改善する症例:72歳 女性主訴)増悪する左下腹部痛現病歴)5ヵ月前に頻尿となり、近くの診療所で膀胱炎と診断、抗菌薬を処方された。膀胱炎の症状は良くなったが、しばらくして尿道の先端にツーンとする痛みが出現した。左下腹部の異常知覚もある。その後、徐々に左下腹部に耐え難い痛みが出現した。総合病院の泌尿器科と婦人科の診察では異常なしと言われた。食欲あり。体重変化なし。排便は規則的。帯下はない。既往歴)虫垂炎(20歳)、左卵管筋腫摘出術(33歳)薬剤歴)漢方[猪苓湯]、アセトアミノフェン生活歴)飲酒:なし 喫煙:なし身体所見)体温35.9℃、血圧197/116mmHg、心拍数96回/分、呼吸回数18回/分、意識清明腹部:恥骨左上方(腹直筋外縁)にピンポイントで圧痛あり。カーネット徴候陽性。tapping painなし。圧痛点周囲の皮膚3×3cmの領域に異常知覚あり。この部位をつまむと対側と異なり強く痛みを感じる直腸診:活動性出血なし、黒色便なし、骨盤内腹膜に圧痛なし経過)症状と身体所見から前皮神経絞扼症候群:ACNES(anterior cutaneous nerve entrapment syndrome)を疑った1)疼痛部位に1%リドカイン10mLを皮下注射した注射の5分後から左下腹部痛は3/10に減少した。腹痛が悪化しため、2ヵ月後に追加の注射を行い、その後は軽快している◆上記の患者背景を『痛みのOPQRST』に当てはめてみると…Onset(発症様式)突然痛くなるPalliative/Provocative factor(寛解/増悪因子)前かがみ、足を組む、下肢を伸ばす時、左側臥位で痛みがひどくなる。歩きまわると痛みがまぎれる。楽になる姿勢はないQuality(症状の性質)焼けるような痛み。痛みがゼロになることはない。疼痛のある所に何かが張りついているような異常感覚ありRegion(部位)いつも左下腹部が痛む。尿道のほうに放散するような感じがするSeverity(強さ)死にたくなるくらいズキンという激しい痛みTime course(時間的経過)5ヵ月前から痛みはあるが、最近3ヵ月間はとくにひどい。痛みは毎日数回襲ってくる。持続時間は1~10分くらい。余波のような軽い痛みは一日中ある◆今回おさえておくべき臨床背景はコチラ!急性腹症は年齢により疾患頻度が異なる。50歳以下なら虫垂炎、50歳以上ならば腸閉塞、胆嚢炎/胆管炎、虫垂炎を第一に考える 虫垂炎と鑑別が必要な疾患は、カンピロバクター感染症と憩室炎である前皮神経絞扼症候群は慢性腹痛の原因として多い【STEP1】患者の症状に関する理解不足を解消させよう【STEP2】間欠痛か持続痛か腹痛に波があるかどうかを確認する。波がある腹痛は管(くだ)の痛みである。消化管や尿管由来の痛みであり、内臓痛とも呼ばれる内臓痛では、どこの部位に問題があるのかはっきり自覚できない尿管結石の痛みは非常に激しい。痛みが楽になった時も7/10程度の痛みは持続する。患者はベッドで七転八倒する。尿管に詰まった石が落ちると、痛みは嘘のようになくなる持続的に痛む場合には膜(まく)の痛みである。体性痛と呼ばれる。腹膜炎の痛みである痛みは限局し、振動によって痛みが響くことが特徴である。患者は腹部に振動を与えないようにそろりと歩き、寝返りをうたないようにじっとベッドに横たわっている胆嚢炎では胆嚢周囲に限局性の腹膜炎が起こるため、ピークに達した痛みは持続する(表1)内臓痛と体性痛(図)疝痛パターン2)画像を拡大する【STEP3-1】痛みの原因となっている層を明らかにする●皮膚ピリピリする、皮疹は数日後に出現することもある●筋骨格/皮神経体動時に痛みがひどくなる、カーネット徴候*が陽性である*カーネット徴候(Carnett’s sign)では、両手を胸の前で組み、臍を見るように頭部を前屈させ腹筋を緊張させる。この状態で疼痛部位を押し、痛みの軽減がなければ陽性●腹膜筋性防御あり。tapping painあり●内臓交感神経の緊張から嘔気、嘔吐、冷汗、徐脈を引き起こす【STEP3-2】虫垂炎の可能性を考える手術が必要な急性腹症の場合、50歳以下では虫垂炎が20%と最も頻度が高い。50歳以上では胆嚢炎/胆管炎、腸閉塞、虫垂炎が多い3)急性虫垂炎の典型的な症状経過は、(1)心窩部または臍周囲の痛み[間欠痛](2)嘔気/嘔吐または食欲低下(3)右下腹部へ痛みが移動[持続痛](4)振動で右下腹部が響く(5)発熱、が一般的である「アッペもどき」と呼ばれるカンピロバクター感染症では、腸間膜リンパ節炎を起こすので右下腹部痛となることがある。頻度の高い食中毒であるカンピロバクター感染症では、初期から発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛を起こす点が虫垂炎の典型的な症状とは異なる。急性憩室炎は右下腹部に痛みがあることが多く虫垂炎と紛らわしいが、虫垂炎が3日くらいで状態がかなり悪くなるのに対し、憩室炎では1週間以上状態は安定し食欲もあることが多い(表2)4)画像を拡大する<参考文献・資料>1)Waldman SD, et al. Atlas of Uncommon Pain Syndromes 3rd edition. Saunders. 2013.2)Silen W, et al. Cope's Early Diagnosis of the Acute Abdomen 22nd edition. OXFORD UNIVERSITY PRESS, INC. 2010.3)de Dombal FT, et al. J Clin Gastroenterol. 1994;19:331-335.4)窪田忠夫. ブラッシュアップ急性腹症. 中外医学社. 2014. p19.

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高血圧:脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q6

高血圧:脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子Q6高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)とJSH2019で、脳心血管疾患のリスク層別化に用いる予後影響因子に変更があった。JSH2019で示された予後影響因子に含まれないのは、下記危険因子のうちどれか。高齢(65歳以上)男性喫煙肥満(BMI≧25kg/m2) とくに内臓脂肪型肥満若年(50歳未満)発症の脳心血管疾患の家族歴脂質異常症糖尿病

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治療抵抗性統合失調症の酸化ストレスバイオマーカー

 統合失調症は、世界で約2,000万人が罹患している精神疾患である。統合失調症の病態生理には、酸化ストレス(酸化促進作用と抗酸化作用の不均衡)などさまざまな因子が関与している。ブラジル・Faculdade de Medicina de Sao Jose do Rio PretoのPatrick Buosi氏らは、統合失調症患者の臨床情報、人口統計学的データ、ライフスタイルを用いて、酸化ストレスのバイオマーカーと薬物治療反応との関連を評価した。Trends in Psychiatry and Psychotherapy誌2021年10~12月号の報告。 治療反応性統合失調症患者26例、治療抵抗性統合失調症患者27例、健康対照者36例を対象に、末梢血サンプル、質問票を用いて臨床および人口統計学的データを収集した。分光光度法を用いて分析した酸化ストレスマーカーは、カタラーゼ(CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、総グルタチオン(GSH-t)、マロンジアルデヒド(MDA)、トロロックス等価抗酸化能(TEAC、p<0.05)であった。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、対照者と比較し、SOD(p<0.0001)レベルが低く、MDA(p<0.0001)、CAT(p=0.0191)レベルが高かった。・その他のマーカーについては、3群間で差は認められなかった(p>0.05)。 著者らは「統合失調症患者では、薬理学的治療反応とは無関係に、低SOD、高MDA、高CATレベルが認められた。喫煙は酸化ストレスと関連していることに加え、統合失調症では家族歴と関連していることが示唆された。このことは、統合失調症の遺伝的関連性を反映している可能性がある」としている。

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人は病気になってから予防する【Dr. 中島の 新・徒然草】(416)

四百十六の段 人は病気になってから予防する皆さん、禁煙指導にはいろいろな工夫をしておられることと思います。私は最近、「タバコをやめろ」とガミガミ言っておりません。あまり効果を感じられないからです。それに結局は個人の自由でもありますから。さて、今回来院されたのは50代の女性、主訴は慢性咳嗽。「咳が続くので下気道のほうに原因はないでしょうか?」という近所の耳鼻科からの紹介です。彼女の登場とともにモワッとしたタバコの臭いに気づきました。中島「かなり吸うほうですか?」患者「1日に1箱半ぐらいかな」中島「そうすると1日15本か」患者「いや1箱半なので30本です」中島「ああ、1箱は20本でしたね、すみません」タバコの本数をきかれると〇箱と答える喫煙者が多いですね。でも、ブリンクマン指数を計算するには本数に換算しなくてはなりません。1箱が何本だったか、ちゃんと覚えておかないと。中島「二十歳からだとすると、30年以上吸っておられるのですね」患者「途中何回も禁煙したんで、30年になるかならんかぐらい」中島「やっぱりやめるのは難しいですか?」患者「うーん、もう諦めた」中島「とりあえず胸のレントゲンを撮ってみましょう」何の気なしに撮影した胸部レントゲン。よく見ると、直径2センチくらいの円形のようなものが見えます。果たして結節影と呼ぶべきか否か、ぬぬぬ。見れば見るほど怪しい気がします。疑心が暗鬼を生むとはこのことでしょうか。以前の胸部レントゲンもありません。あったら今回のものと比較できるのですけど。患者「何かありますか?」中島「ここのところがね、なんか丸く見えるでしょ?」患者「あーっ! ホンマや」中島「もうちょっと詳しく調べたほうが良さそうに思うんですよ」患者「何か悪いものができてるってこと?」中島「いや、まだそうと決まったわけではないのですけど」患者「あかん、頭の中が真っ白になってもた」決着をつけるために胸部CT撮影の手配をしました。中島「今さらですけど、禁煙しましょうか」患者「うん、もうやめるわ」ということで胸部CT撮影後の再診時のテーマは、円形に見えたものは何らかの病変か正常構造物か?本当にタバコをやめることができたのか?といったところです。もし、胸部CTで異常がなかった場合、これで安心だとタバコを吸うのか?もうタバコはやめてしまうのか?どちらになるのかも確認しておきたいです。そういえば1990年代出版の『医療の大法則』という本に、「人は病気になってから予防する」というのがあったような気がします。確かに、肺がんと診断されたとたん禁煙する人は沢山見ました。しばらく彼女の経過を見守りたいと思います。最後に1句 禁煙し ふっと気がつく 沈丁花 

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高血圧:脳心血管疾患の危険因子【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q5

高血圧:脳心血管疾患の危険因子Q5血圧レベル以外の脳心血管疾患の危険因子として、高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)で新たに追記されたのは次のうちどれか?男性喫煙アルコール多飲メタボリックシンドローム不眠症

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精神科入院患者へのベンゾジアゼピン使用に対するCOVID-19の影響

 オーストラリア・Cumberland HospitalのNancy Zaki氏らは、COVID-19が急性期精神医学においてベンゾジアゼピンの使用増加に影響を及ぼすかについて、検討を行った。Australasian Psychiatry誌オンライン版2022年2月10日号の報告。 2019~20年の2年間にわたり、2つの急性期精神科入院患者ユニットにおけるベンゾジアゼピン使用率を評価した。同時期における経口アトルバスタチン使用率を比較対象として使用した。 主な結果は以下のとおり。・2020年の総入院患者数は減少したものの、2020年4月~12月のベンゾジアゼピン使用量は、2019年の同時期と比較し、有意な増加が認められた。・パンデミックの制限が緩和された後、使用量はさらにピークを迎えていた。これは、救急でのメンタルヘルス症状および急性期精神科入院の割合の高さによるものであると考えられる。・COVID-19による退院制限も、喫煙のさらなる制限につながっていた。 著者らは「COVID-19パンデミックにより、ベンゾジアゼピン使用は増加した。パンデミックが急性の精神医学的症状に及ぼす影響を理解するためには、より多くの研究が求められる」としている。

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KRAS G12C変異陽性肺がんの新しい治療選択肢、ソトラシブ/日本臨床腫瘍学会

 2022年、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する2次治療の新たな選択肢として承認されたソトラシブについて、日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにて、愛知県がんセンターの藤原 豊氏が解説した。 肺がん、とくに肺腺がんには多くの遺伝子変異がある。今回ソトラシブが適応となるKRAS G12C変異は日本における扁平上皮非小細胞肺がんの4.1%程度であり、男性、喫煙者に多いことがわかっている。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する従来の初回標準治療は、免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤の併用である。しかし、KRAS変異陽性の場合、陰性に比べて細胞障害性抗がん剤の効果が乏しく、とくに2次治療での効果は限定的であり、新しい治療選択肢が望まれていた。KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験成績 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験、CodeBreaK100試験の概要は以下の通り。・対象:KRAS G12C変異陽性進行非小細胞肺がんで抗PD-1/PD-L1免疫治療および/またはプラチナ製剤を含む化学治療の前治療歴があり(前治療数は3つ以下)、RECIST1.1に基づく測定可能病変を有し、ESOG PS 0、1・方法:ソトラシブ960mgを1日1回経口投与(増悪、治療不耐性、同意撤回などまで投与を継続)・評価項目:[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、奏効までの期間(TTR)、安全性 患者背景は男女同等、アジアからは19名が参加している。前治療で化学療法、免疫療法を受けていた割合はどちらも9割を超えていた。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験主な結果は以下の通り。・主要評価項目であるORRは37.1%(95%信頼区間:28.6~46.2)であり、副次評価項目のDCRは80.6%(95%信頼区間:72.6~87.2)であった。DORの中央値は11.1ヵ月(95%信頼区間:6.9~NE)。・安全性については、全Gradeの副作用が69.8%、Grade3が19.8%、Grade4が0.8%であった。多く見られた副作用は下痢、悪心、ALT・AST増加などであった。KRAS G12C変異陽性肺がんの2次治療はどう変わるか 肺がん診療ガイドラインでは2021年の段階で、すでにソトラシブがKRAS G12C変異陽性に2次治療以降でソトラシブ単剤療法を推奨すると記載されている。 藤原氏は今後の治療戦略について、「1次治療開始時にKRAS G12C遺伝子変異検査を実施し、結果を把握しておけば、2次治療が必要になった場合にすぐにソトラシブを使えると考えている。初回の検査でKRAS G12C変異を確認しておくことが重要」と述べた。

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国内オミクロン株感染者139例の臨床的特徴/感染研

 国立感染症研究所は、国内におけるオミクロン株の疫学的・臨床的特徴を迅速に把握することを目的として、検疫および国内にて初期に探知されたオミクロン株症例について、積極的疫学調査を行った。18日、第5報として収集されたすべての結果が報告された。【対象症例】 2021年11月29日~2022年1月12日までに本調査の協力医療機関に入院し診療を行った新型コロナウイルス感染者の中から、ゲノム解析によりオミクロン株感染が確定した139例。【調査方法】 退院後に調査票を用いて、基本情報、渡航情報、ワクチン接種歴、基礎疾患、入院時のバイタルサイン・臨床症状、入院期間中に観察された臨床症状、合併症、入院中の治療、入院経過・退院時転帰などの情報を収集し、疫学的記述を行った。【主な結果】・調査対象139例の内訳は、男性91例(65.5%)、女性48例(34.5%)であり、年齢の中央値は33歳(0-81)。20~50代が7割を占め、10代以下が2割、60代以上は1割だった。・BMIの中央値(四分位範囲)は22.3kg/m2(19.1-25.3)で、33例(23.7%)に喫煙歴、73例(52.5%)に飲酒歴を認めた。・5例(3.6%)に過去のSARS-CoV-2感染歴が認められた。発症から入院までの期間の中央値(四分位範囲)は3日(2-4)であった。・ワクチン接種歴は3回が3例(2.2%)、2回が86例(61.9%)、1回が4例(2.9%)、接種なしが46例(33.1%)。未接種者(1回接種・接種なし)50例は10歳未満が32%と多くを占めた。・何らかの基礎疾患を有した症例は30例(21.6%)であり、高血圧(12.2%)、脂質異常症(7.9%)、肥満(4.3%)の頻度が高かった。・入院時の体温、脈拍数、呼吸数の中央値(四分位範囲)は、それぞれ36.8℃(36.5-37.2)、86回/分(77-98)、18回/分(16-20)だった。酸素飽和度の中央値(範囲)は98%(95-100)で、1例が酸素2L/分の投与を必要とした(基礎疾患を有する80代のワクチン未接種者)。・入院時、106例(76.3%)が何らかの症状を認めていた一方、無症状者は33例(23.7%)で、うち5例が入院後に何らかの症状を認めた。・COVID-19診断による入院時の主な症状は、咳嗽(46.0%)、咽頭痛(33.8%)、37.5℃以上の発熱(30.9%)、鼻汁(18.0%)で、味覚障害・嗅覚障害はそれぞれ1例(0.7%)に認められた。・入院時、139例中124例が胸部X線検査もしくはCT検査を受け、7例(5.6%)に肺炎像を認めた(X線:3/108例、CT:5/45例)。血液検査所見は概ね正常範囲内だった。・139例中26例(18.7%)にCOVID-19への直接的な効果を期待して治療介入が行われ、113例(81.3%)が対症療法のみであった。ICUでの加療や、人工呼吸器、体外式膜型人工肺(ECMO)の使用といった重症治療を受けた者は認めなかった。・全入院期間の中央値(四分位範囲)は11日(9-14)で、細菌性肺炎や急性呼吸切迫症候群(ARDS)の合併例は認めなかった。・発症から退院までの期間に観察された主な症状は、咳嗽(56.8%)、37.5℃以上の発熱(56.1%)、咽頭痛(41.7%)、鼻汁(32.4%)、味覚障害(7.2%)、嗅覚障害(5.8%)だった。・28例(20.1%)が退院まで無症状で経過し、133例(95.7%)が自宅退院した。残りのうち4例(2.9%)は医療機関へ転院し、2例(1.4%)が医療機関以外の施設へ入所した。・ワクチン接種者、未接種者ともに死亡例は認めなかった。 なお、本調査結果はワクチン接種者と未接種者の比較を目的としたものではない。

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片頭痛に対するアルコール、コーヒー、喫煙の影響

 アルコール、コーヒーの摂取および喫煙が片頭痛の発症リスク因子であるかを評価するため、スウェーデン・カロリンスカ研究所のShuai Yuan氏らは、メンデルランダム化研究を実施した。Pain誌2022年2月1日号の報告。 大規模ゲノムワイド関連解析におけるP<5×10-8の潜在的なリスク因子に関連する独立した一塩基多型を操作変数として用いた。選択した一塩基多型と片頭痛との関連についてのサマリーレベルのデータを、FinnGenコンソーシアム(片頭痛患者:6,687例、対照群:14万4,780例)およびUKバイオバンク研究(片頭痛患者:1,072例、対照群:36万122例)のデータより抽出した。FinnGenおよびUKバイオバンクのコホートより得られた推定値は、固定効果メタ解析を用いて組み合わせた。 主な結果は以下のとおり。・遺伝的に予測されたアルコール摂取、コーヒー摂取、喫煙開始との関連性を示すエビデンスが認められた。【アルコール摂取】オッズ比(OR):0.54/1週間当たりの対数変換アルコール飲料のSD増加、95%信頼区間[CI]:0.35~0.82、p=0.004【コーヒー摂取】OR:0.56/コーヒー摂取量50%増加、95%CI:0.45~0.70、p<0.001【喫煙開始】OR:1.15/喫煙開始の1SD増加、95%CI:1.01~1.31、p=0.038・多変数メンデルランダム化解析での相互調整を含む感度分析においても、これらの関連性は変わらなかった。・メンデルの逆ランダム化解析では、片頭痛に対する遺伝的な影響は、アルコール摂取と逆相関が認められたが、コーヒー摂取および喫煙開始との関連は認められなかった。 著者らは「片頭痛に対する適度なコーヒー摂取の保護的影響と喫煙の有害な影響を示唆する遺伝的証拠が発見された。アルコール摂取と片頭痛リスクとの逆相関は、因果関係の逆転が影響している可能性がある」としている。

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小声の患者さん、実は“ふるえ”が潜んでる!?【Dr.山中の攻める!問診3step】第11回

第11回 小声の患者さん、実は“ふるえ”が潜んでる!?―Key Point―安静時の振戦はパーキンソン病でみられる両上肢を前方に挙上するときに観察される姿勢時振戦は本態性振戦で起こる治療可能なふるえを見逃さない症例:75歳 男性主訴)右手がふるえる現病歴)3年前から両手のふるえを自覚するようになった。1年前から次第に手のふるえがひどくなっている。2週間前、役所で書類にサインを求められたが、手がふるえて字がうまく書けなかった。既往歴)高血圧症薬剤歴)アムロジピン生活歴)焼酎1合を週に2回、喫煙なし身体所見)体温:36.7℃ 血圧:128/62mmHg 脈拍:86回/分 呼吸回数:16回/分 SpO2:96%(室内気)安静時振戦なし。両上肢を前方に挙上させると両手に振戦を認める。自分の名前を書かせると、右手に振戦が出現し字が大きく乱れる。経過)パーキンソン症候群を疑う症状と身体所見なし。本体性振戦と診断しプロプラノロールを処方した。◆今回おさえておくべき臨床背景はコチラ!病的振戦では本態性振戦が最も多く、次にパーキンソン病が多い書字やコップを使用して飲水する時に起こる運動時振戦は、日常生活に支障をきたすリチウム、バルプロ酸Na、テオフィリン、カフェイン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などは薬剤性振戦を起こす1)【STEP1】患者の症状に関する理解不足を解消させよう【STEP2】振戦を分類する2)(1)安静時振戦安静時にみられる。左右差が見られることが多い。動作により振戦は消失する。姿勢保持後、10秒くらいして振戦が再出現することがある(re-emergent tremor)。暗算負荷などの精神的緊張で増悪する。パーキンソン病、パーキンソン症候群が代表疾患(2)動作時振戦(a)姿勢時振戦両上肢を前方に挙上するときに観察される。重力に抗した姿勢で出現しやすい。代表疾患は本態性振戦、生理的振戦、甲状腺機能亢進症で、薬剤性やアルコール離脱などが原因で生じることもある。(b)運動時振戦書字やコップで水を飲む時に起こる。日常生活に支障をきたす。本態性振戦、小脳疾患、脳血管障害で起こる(c)企図振戦 目標に近づくほど振戦が増大する。小脳障害、多発性硬化症、ウィルソン病でみられる*本態性振戦とパーキンソン病の患者ビデオ(Stanford Medicine 25)【STEP3-1】本態性振戦とパーキンソン病の特徴的症状があるかを確かめる2)病的な振戦では本態性振戦(有病率:2.5~10%)とパーキンソン病(有病率:0.1%)が多い。画像を拡大するパーキンソン病の安静時振戦は逆N字型(またはN字型)に進行する。たとえば、右手→右足→左手→左足(下図参照)(図)パーキンソン病では無動、固縮(歯車現象、鉛管様固縮)を認める。非運動症状(レム睡眠行動異常、うつ症状、嗅覚低下、倦怠感、起立性低血圧)がある3)本態性振戦は小脳失調を合併することがある本態性振戦からパーキンソン病に進展するケースもある【STEP3-2】ほかの鑑別診断を考える徐々に発症するときは生理的振戦、本態性振戦を考える●生理的振戦緊張すると姿勢時振戦を起こす。低振幅、高振動数。カフェイン、β刺激薬で悪化●ジストニア特定の姿勢や動作で誘発される。書痙●心因性振戦突然発症する。気をそらせると消失●二次性振戦甲状腺機能亢進症、低血糖、尿毒症、薬剤(リチウム、バルプロ酸Na、テオフィリン、カフェイン、SSRI)、中毒(マンガン、鉛、水銀)●アルコールやベンゾジアゼピンの離脱症状としても振戦が起こる【治療】ストレスを軽減させる生活指導振戦のため書字が困難なら、できるだけ太いペンを使用する本態性振戦にはアロチノロール、プロプラノロール(商品名:インデラル)、プリミドンを処方するパーキンソン病には抗コリン薬が有効なことがあるが、幻覚や認知機能障害が出現する場合があるMRガイド下集束超音波治療(FUS)<参考文献>1)Elias WJ, et al. JAMA. 2014;311:948-954. 2)望月秀樹. 日本内科学会雑誌. 2017;107: 464-468.3)Kalia LV, et al. Lancet. 2015;386:896-912.

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多疾患罹患、中年期の発症で認知症リスク増加 /BMJ

 多疾患罹患(multimorbidity)は、高年期よりも中年期の発症で認知症との関連が強く、併存する慢性疾患の数が多いほど認知症のリスクが高くなることが、フランス・パリ大学のCeline Ben Hassen氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月2日号で報告された。Whitehall II研究のデータを用いた前向きコホート研究 研究グループは、中年期および高年期の多疾患罹患と、認知症の新規発症との関連を評価する目的で、前向きコホート研究を実施した(米国国立老化研究所[NIA]などの助成を受けた)。 解析には、進行中のWhitehall II研究のデータが用いられた。Whitehall II研究には、ベースライン時(1985~88年)に35~55歳のロンドン市の公務員が登録され、約4~5年ごとにフォローアップの調査が行われている。 主要アウトカムは、1985~2019年におけるフォローアップ時の新規発症の認知症とされた。原因別Cox比例ハザード回帰を用い、死亡の競合リスクを考慮したうえで、全体、55歳、60歳、65歳、70歳の時点での多疾患罹患とその後の認知症との関連が評価された。55歳時の多疾患罹患で、認知症リスクが2.44倍に 1万95例が解析に含まれた。多疾患罹患(13の慢性疾患のうち2つ以上)の有病率は、55歳時が6.6%(655/9,937例)、70歳時は31.7%(2,464/7,783例)であった。フォローアップ期間中央値31.7年の時点で、639例(平均年齢49.9[SD 4.9]歳、男性58.5%)が新規の認知症に罹患した。 認知症罹患者で最も頻度の高い慢性疾患は高血圧症(77.9%)で、次いで冠動脈疾患(27.7%)、抑うつ(27.2%)、糖尿病(24.7%)の順であった。がんを除く12の慢性疾患は、認知症罹患と関連が認められた。 社会人口学的因子と健康行動(喫煙、身体活動、飲酒、果物/野菜摂取)で補正すると、慢性疾患がないまたは1つの集団と比較して、55歳時の多疾患罹患はその後の認知症のリスクと関連が認められた(1,000人年当たりの罹患率の差:1.56、95%信頼区間[CI]:0.62~2.77、ハザード比[HR]:2.44、95%CI:1.82~3.26)。 この関連性は、多疾患罹患の発症年齢が高くなるに従って徐々に弱くなった。たとえば、55歳以前に多疾患罹患を発症した場合は、65歳時の1,000人年当たりの認知症罹患率の、慢性疾患がないまたは1つの集団との差は3.86(95%CI:1.80~6.52)であった(HR:2.46、95%CI:1.80~3.36)のに対し、60~65歳時に発症した場合は、65歳時の1,000人年当たりの認知症罹患率の同差は1.85(95%CI:0.64~3.39)であった(HR:1.51、1.16~1.97)。 70歳時の多疾患罹患の状態の解析では、多疾患罹患の発症年齢が5歳若くなるごとに、認知症リスクは18%ずつ高くなった(HR:1.18、95%CI:1.04~1.34)。 また、55歳時に3つ以上の慢性疾患を有する多疾患罹患の場合は、1,000人年当たりの認知症罹患率の、慢性疾患がないまたは1つの集団との差は5.22(95%CI:1.14~11.95)であった(HR:4.96、95%CI:2.54~9.67)。一方で70歳時の同様の解析では、1,000人年当たりの認知症罹患率の同差は4.49(95%CI:2.33~7.19)であり(HR:1.65、95%CI:1.25~2.18)、多疾患罹患の発症年齢が高くなるに従って関連性が徐々に弱くなった。 著者は、「多疾患罹患は発症年齢の若年化が進んでいるため、初発の慢性疾患を有する集団における多疾患罹患の予防が重要である」としている。

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コロナ感染の抑制、政府・対人信頼度と関連/Lancet

 パンデミックの発生以来、各国の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)死亡率は大きく変動している。それらの変動の要因を検証したところ、パンデミックへの事前対策指標の高低とは関連が認められなかった一方で、政府への信頼度や対人信頼度が高いこと、また政府内の汚職が少ないことが、同感染率の低下と関連していたことを、米国・ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)のJoseph L. Dieleman氏らCOVID-19 National Preparedness Collaboratorsが、177の国と地域のデータを基に検証し明らかにした。本検討は、将来のパンデミックへのより効果的な準備と対応のために不可欠な取り組みを明らかにする目的で行われたものだが、著者は、「今回の結果は、主要な修正可能なリスクに関する健康増進は、個々人が公衆衛生ガイダンスに抱く信頼を高めるようなリスクコミュニーケションやコミュニティ戦略へ、より大きな投資をすることで、死亡抑制に結びつくことを示唆するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2022年2月1日号掲載の報告。12のパンデミック事前準備指標、7つの医療体制能力指標などとの関連を検証 研究グループは177の国と地域および181の行政区画について、IHMEモデリング・データベースを基に、SARS-CoV-2感染率とCOVID-19死亡率を抽出し、累積感染率や感染致死率(IFR)を予測し、環境要因、人口統計学的要因、生物学的要因、経済学的要因について標準化し検証した。 感染率については、季節環境(肺炎のリスク比で測定)、人口密度、1人当たり国内総生産(GDP)、標高100m未満の居住人口割合、その他のβコロナウイルス曝露の代理変数を因子として盛り込んだ。 IFRについては、人口年齢分布、平均BMI値、大気汚染曝露、喫煙率、他のβコロナウイルス曝露の代理変数、人口密度、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・がんの年齢標準化罹患率、1人当たりGDPを因子とした。 これらを、間接年齢標準化および多変量線形モデルを用いて標準化。標準化全国累積感染率とIFRについて線形回帰を用いて、12のパンデミック事前対策指標、7つの医療提供体制能力指標、その他10項目の人口統計学的・社会的・政治的状況との関連を検証した。 さらに、SARS-CoV-2感染率に影響を与える可能性のある重要な要因の経路を調べるため、対人信頼度、政府への信頼度や汚職の状況、人々の移動パターンの変化やCOVID-19ワクチン接種率との関連性についても検証した。デンマークレベルの対人信頼度に改善されれば世界の感染率は40.3%減少 2020年1月1日~2021年9月30日の、SARS-CoV-2累積感染率の変動の主な要因は、標高100m未満の居住人口割合(変動の5.4%[95%不確定区間[UI]:4.0~7.9])、1人当たりGDP(4.2%[1.8~6.6])、季節変化に起因する感染の割合(2.1%[1.7~2.7])だった。国別の累積感染率の変動については、その大部分が説明不能だった。 同期間のCOVID-19のIFRの変動に関する主な要因は、国の年齢構成(変動の46.7%[95%UI:18.4~67.6])、1人当たりGDP(3.1%[0.3~8.6])、国平均BMI(1.1%[0.2~2.6])だった。国別のIFR変動の44.4%(29.2~61.7)は、説明不能だった。 国の医療保障の目安となるパンデミック事前対策指標については、標準化感染率やIFRとの関連は認められなかった。 一方、政府への信頼度や対人信頼度、政府の汚職が少ないことと、低い標準化感染率について、強い統計的に有意な関連が認められた。これらの因子は、COVID-19ワクチンが広く普及する中~高所得国において、高いワクチン接種率とも関連していた。また、汚職が少ないことは移動の減少とも関連していた。  こうしたモデルの関連性に因果関係があると仮定した場合、すべての国の政府への信頼度または対人信頼度が、デンマークのレベル(全体の75パーセンタイルに相当)に達すれば、世界の感染率は、政府への信頼度の改善により12.9%(95%UI:5.7~17.8)、対人信頼度の改善では40.3%(24.3~51.4)、それぞれ減少できると予測された。同様に、すべての国のBMIが全体の25パーセンタイルに該当するよう抑制されれば、世界の標準化IFRは11.1%減少するとも予測された。

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トファシチニブ、心血管リスクの高いRA患者での安全性を検討/NEJM

 心血管リスクの高い関節リウマチ患者において、トファシチニブ5mgまたは10mgの1日2回投与は腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬と比較し、主要有害心血管イベント(MACE)および悪性腫瘍の発現率が高く、非劣性基準を満たさなかった。米国・メイヨー・クリニックのSteven R. Ytterberg氏らが30ヵ国323施設で実施した、無作為化非盲検非劣性第IIIb-IV相安全性評価試験「ORAL Surveillance試験」の結果、明らかとなった。日和見感染症、帯状疱疹および非黒色腫皮膚がんの発現率もトファシチニブ群が高率であることが示された。NEJM誌2022年1月27日号掲載の報告。トファシチニブ2用量の安全性をTNF阻害薬と比較 研究グループは、2014年3月~2020年7月に、メトトレキサート治療を受けているにもかかわらず活動性の関節リウマチであり、心血管リスク因子(現喫煙者、高血圧、HDLコレステロール値40mg/dL未満、糖尿病、早発性冠動脈疾患の家族歴、関節リウマチの関節外病変、冠動脈疾患の既往歴)を1つ以上有する50歳以上の患者を、トファシチニブ5mgの1日2回投与群、同10mgの1日2回投与群、TNF阻害薬投与群に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。TNF阻害薬の投与は、米国、プエルトリコ、カナダを含む北米ではアダリムマブ40mgを2週間ごと、それ以外の地域ではエタネルセプト50mgを週1回とした。 主要評価項目は、外部委員会判定によるMACEおよび悪性腫瘍(非黒色腫皮膚がんを除く)。TNF阻害薬群と比較して、トファシチニブ2用量統合群のハザード比の両側95%信頼区間(CI)の上限が1.8未満の場合、トファシチニブの非劣性を示すものとした。MACE、悪性腫瘍のいずれもトファシチニブで発現リスクが高い 解析対象は、トファシチニブ5mg群1,455例、トファシチニブ10mg群1,456例、TNF阻害薬群1,451例であった。 追跡期間中央値4.0年において、MACEおよび悪性腫瘍の発現率は、トファシチニブ統合群でそれぞれ3.4%(98例)、4.2%(122例)、TNF阻害薬群で2.5%(37例)、2.9%(42例)であり、トファシチニブ統合群で高率だった。ハザード比は、MACEが1.33(95%CI:0.91~1.94)、悪性腫瘍が1.48(95%CI:1.04~2.09)で、いずれもトファシチニブの非劣性は示されなかった。 また、日和見感染症(帯状疱疹、結核を含む)、すべての帯状疱疹(非重篤および重篤)、および非黒色腫皮膚がんの発現率も、TNF阻害薬群よりトファシチニブ5mg群および10mg群で高かった。 有効性は3群で同等であり、2ヵ月目から認められた改善は試験終了まで持続した。

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新型コロナ、スーパースプレッダーとなりうる人の特徴/東京医科歯科大

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、すべての患者が等しく感染を広げるのではなく、高いウイルスコピー数をもつ特定の患者がとくに感染を広げていくことが知られる。東京医科歯科大学の藤原 武男氏らによるRT-PCR検査によるウイルスコピー数を用いたCOVID-19入院患者の後ろ向き解析の結果、3つ以上の疾患の既往歴および、糖尿病、関節リウマチ、脳卒中の既往がスーパースプレッダーのリスク因子となることが示唆された。Journal of Infection誌オンライン版2021年12月30日号にレターとして掲載の報告より。 2020年3月~2021年6月に、中等症から重症のCOVID-19で東京医科歯科大学病院に入院し、少なくとも1回以上RT-PCR検査が行われた患者が解析対象とされた。入院患者の電子カルテの情報を基に、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・関節リウマチ・がん・慢性腎不全・脳卒中・心疾患・呼吸器疾患・アレルギーといった基礎疾患の有無とウイルスコピー数について関連が調査された。 主な結果は以下の通り。・計379例が適格となり、解析対象とされた。年齢中央値は59歳で、約33%が女性だった。・PCRテスト回数の中央値は2(1~26)回。複数回PCRテストを実施した患者の90%以上で、ウイルス量は1回目または2回目でその個人の最大値を示した。・約59%に基礎疾患があり、約21%に3つ以上の基礎疾患があった。・基礎疾患について詳細は、高血圧症が38.5%、糖尿病が21.6%、がんが18.7%、脂質異常症が18.5%、呼吸器疾患が10.8%、心疾患が9.0%、高尿酸血症が7.7%、慢性腎臓病が6.6%、脳卒中が5.0%、関節リウマチが2.1%だった。・1人を除きワクチンは未接種だった。・性別、年齢、喫煙状況について調整後の多変量回帰分析の結果、上記基礎疾患を3つ以上重複して有する患者では、基礎疾患のない患者と比較して、ウイルスコピー数が87.1倍(95%信頼区間[CI]:5.5~1380.1)高く、ウイルスコピー数の多さと有意に関連していた。・また、関節リウマチ患者では1659.6倍(95%CI:1.4~2041737.9)、脳卒中患者では234.4倍(95%CI:2.2~25704.0)倍、糖尿病患者では17.8倍(95%CI:1.4~ 223.9)ウイルスコピー数が高く、ウイルスコピー数の多さと有意に関連していた。・入院時の血液検査結果における血小板数とCRPレベルの低さも、ウイルスコピー数の多さと関連していた。 著者らは、軽症患者が解析に含まれていない点、変異株による影響が不明な点等の本研究の限界を挙げたうえで、基礎疾患の有無や検査値などの入院時に得られる情報に基づき、スーパースプレッダーとなる可能性の高い患者に対しては、とくに感染の初期において注意深い感染管理措置が必要なことが示されたとまとめている。

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コロナ疑似症患者の扱いは?感染状況に応じた外来診療の考え方/厚労省

 オミクロン株への急速な置き換わりが進み、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が急拡大する中、一部地域ではすでに発熱外来の電話がつながらない、予約が取れないといった状況が生じている。そのような状況を鑑み、厚生労働省では1月24日に事務連絡1)を発出。「診療・検査医療機関への受診に一定の時間を要する状況となっている等の場合」および「外来医療のひっ迫が想定される場合」に分けて、自治体(都道府県又は保健所設置市)の判断で行うことができる対応について示した。診療・検査医療機関への受診に一定の時間を要する状況となっている等の場合 上記に該当する場合には、自治体の判断で、以下(1)~(3)の対応を行うことが可能。(1)発熱等の症状がある場合でも、重症化リスクが低いと考えられる方(※1)については、医療機関の受診前に、抗原定性検査キット(※2)等で自ら検査していただいた上で受診することを呼びかけること。この場合に、医師の判断で、受診時に再度の検査を行うことなく、本人が提示する検査結果を用いて確定診断を行って差し支えない。 ただし、本人が希望する場合には検査前でも医療機関への受診は可能であることや、症状が重い場合や急変時等には速やかに医療機関を受診するよう、併せて呼びかけること。また、重症化リスクが高い方については、これまでどおり医療機関を受診していただき、適切な医療が受けられるようにすること。※1:たとえば、40歳未満で危険因子(基礎疾患・肥満等(注))を持たない、ワクチン2回接種済みの方を対象とすることが考えられる。臨床データ等を踏まえ、自治体において対象を変更することは差し支えない。(注)「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第6.1版」において、新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、基礎疾患等のある方として慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満のある方、喫煙、一部の妊娠後期の方があげられている。※2:抗原定性検査キットを用いる場合、検査結果が陰性であっても、症状が継続する場合等は医療機関を受診することや、検査結果が陽性の場合は、受診時に医師に提示できるよう、スマートフォン等を用いて画像として保存しておく等検査結果が分かるものを手元に残しておくことを併せて呼びかけるとともに、(2)の電話診療・オンライン診療をできるだけ活用すること。 抗原定性検査キットについては、有症状者が対象となりうることを踏まえ、下記を参考に自治体において対応をお願いする。なお、事業者等への委託を行う場合は、行政検査として、配布に当たって生じる委託料を感染症予防事業費負担金の対象とすることが可能である。・自治体等から有症状者に抗原定性検査キットを事前に配付する・医療機関で対象者に検査キットのみを配布する・事業者等に委託して「抗原定性検査キットセンター」等を設置して、当該センターで検査キットを配布する・自治体の庁舎等に検査キット配布窓口を設置して、検査キットを配布する この他、従前より、本人が薬局から購入し自宅に備え付けているものや自治体等から配布されたものがあれば、それを活用することが考えられるところ、地域の状況を踏まえた対応をしていただきたい。(2)地域の診療・検査医療機関以外の医療機関の協力も得て、電話診療・オンライン診療の遠隔診療を積極的に活用すること。 (3)同居家族などの感染者の濃厚接触者が有症状となった場合には、医師の判断により検査を行わなくとも、臨床症状で診断すること(※3)。 こうした場合でも、経口薬など治療薬の投与が必要となる場合等は、医師の判断で検査を行うことが可能であること。※3:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」)第12条第1項に基づく医師の届出に当たっては、疑似症患者として届け出ること。また、疑似症患者の場合には、入院を要すると認められる場合に限り当該届出を行うこととされているが、本対応を行う場合には、入院以外の場合であっても、届出をお願いすること。この場合、「B.1.1.529系統(オミクロン株)の感染が確認された患者等に係る入退院及び濃厚接触者並びに公表等の取扱いについて」(令和3年11月30日付け(令和4年1月24日一部改正)厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡2))Vの取扱いに従って届け出ること。外来医療のひっ迫が想定される場合 地域において外来医療のひっ迫が想定される場合には、自治体の判断で、以下の対応を行うことが可能。・症状が軽く重症化リスクが低いと考えられる方について、自らが検査した結果を、行政が設置し医師を配置する健康フォローアップセンターに連絡し、医療機関の受診を待つことなく健康観察(※)を受けること。※ITを活用した双方向による健康観察を行うことを想定(症状が悪化した場合、患者が入力した情報からその状況をシステム上で把握)。さらに、体調悪化時には必ず繋がる連絡先を伝えること。また、この場合、同センター等の医師が感染症法第12条第1項に基づく届出を行うこととなる。

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