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新薬の登場で変わる? GIST治療【消化器がんインタビュー】第13回

第13回 新薬の登場で変わる? GIST治療出演:北海道大学病院 腫瘍センター化学療法部 CancerBoard部 小松 嘉人氏発見が難しく、予後不良な消化管間質腫瘍(GIST)。近年、新たな薬剤が登場し、治療が変化している。GIST治療の最新情報を、北海道大学の小松 嘉人氏に紹介いただいた。

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胃がん患者向けGLが19年ぶり改訂、2023年3月発表のエビデンスも反映

 2023年3月に「患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版」が発刊された。2004年版以来、19年ぶりの改訂となる。そこで、金原出版は2023年3月31日に、本ガイドラインの作成委員長を務めた寺島 雅典氏(静岡県立静岡がんセンター胃外科/副院長)を講師に迎え「胃がんの標準治療の今-開発の歴史と今後確立が予想されるエビデンス」をテーマにセミナーを開催した。患者さんに正しい情報へアクセスしてもらいたい 胃がんについては、2004年版を最後に患者さん向けのガイドラインが作成されていなかった。しかし、寺島氏は「患者さんがインターネットなどで目にする情報には不適切なものが多く、正しい情報にたどりつけない方も多い」と言う。そこで、「正しい情報を提供するには、患者さん向けのガイドラインが必要だと感じ、胃癌治療ガイドライン 第6版1)の内容を基に作成することにした」と述べた。 「患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版」は、第1章では「胃はどこにあるのか」といった基本的なことから、「胃がんはどのようながんか」「胃がんはどのように進展するか」といった内容まで、胃がんのことが総合的にわかるように作成されている。寺島氏は「この部分が患者さんへの説明に非常に役立つと考えている」と話した。第2章では、医師向けの「胃癌治療ガイドライン 第6版」の内容を患者さんがわかるように平易な言葉で説明されている。第3章では、患者さんが疑問に感じることについて、多くのQ&Aが用意されている。 本ガイドラインは患者団体からの意見も取り入れて作成されており、用語の解説を豊富に取り入れるなど、患者さんにとって理解しやすいように作成されているのも特徴である。胃がんの最新のエビデンスを反映 胃がんの外科的治療は目覚ましい進歩を遂げている。以前は、開腹手術が一般的で、進行がんの一部では拡大手術が推奨されていた。しかし、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)胃がんグループの進行胃がんに対する臨床試験2-5)において、進行胃がんに対する外科手術の意義が見直され、侵襲を減らすことの重要性が注目されるようになった。そしてStageIの胃がんでは、腹腔鏡下胃切除が開腹胃切除と比べて、無再発生存期間に関して非劣性であるというエビデンス(JCOG0912)6)などを基に、腹腔鏡下胃切除が標準治療の1つとして推奨されるようになった1)。さらに、2023年3月にはStageII/IIIの胃がん患者を対象とした幽門側胃切除術に関する臨床試験(JLSSG0901)において、腹腔鏡下胃切除は開腹胃切除と比べて無再発生存期間が非劣性であったという結果が報告された7)。「患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版」では、この2023年3月発表のエビデンスも盛り込まれ、腹腔鏡下胃切除術の解説が掲載されている。また、さらに進歩したロボット支援手術も推奨される時代になっており、これについても本ガイドラインで解説されている。 薬物治療についても進歩が著しく、抗PD-L1抗体薬の使用が推奨され、今後も新しい分子標的治療薬が登場する予定である。そこで本ガイドラインでは、2021年発刊の「胃癌治療ガイドライン 第6版」の情報だけでなく、WEB速報版8)の内容も取り入れられている。具体的には「図30 推奨されるがん薬物療法」において、「HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発胃がん/胃食道接合部がんにおけるニボルマブと化学療法を含む治療」が、1次化学療法の選択肢に追加されている。 そのような背景を踏まえて、「Q3 HER2、CPS、MSIって何ですか?」など、用語の解説も多く掲載されている。寺島氏は「患者さんが治療を理解・納得したうえで、医療者と治療方法を決めていく、Shared Decision Making(SDM)が極めて重要である」と述べ、本ガイドラインを活用してほしいと語った。ガイドライン普及のために 本ガイドラインの患者さんへの普及のために医療者に期待することを聞くと、寺島氏は、「看護師をはじめとするコメディカルの方も手に取って、理解を深めてほしい。そうすることで患者さんの説明もよくわかるようになるため、日々の業務に活用できると考えている。そして、コメディカルの方からも患者さんへこのガイドラインを紹介していただけるとありがたい」と述べた。 なお、金原出版では国立がん研究センター中央病院に、本邦初の医学書の自動販売機を設置し、がん患者さん向けのガイドラインを販売する取り組みを行っている。書籍紹介『患者さんのための胃がん治療ガイドライン 2023年版』■参考文献1)日本胃癌学会編集. 胃癌治療ガイドライン 医師用 2021年7月改訂 第6版. 金原出版;2021.2)Sasako M, et al. N Engl J Med. 2008;359:453-462.3)Sasako M, et al. Lancet Oncol. 2006;7:644-651.4)Sano T, et al. Ann Surg. 2017;265:277-283.5)Kurokawa Y, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2018;3:460-468.6)Katai H, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2020;5:142-151.7)Etoh T, et al. JAMA Surg. 2023 Mar 15. [Epub ahead of print]8)日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン 医師用 第6版 学会WEB速報

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オランザピンに食欲亢進・体重増加効果、肺がん・上部消化器がん患者で/JCO

 食欲減退は進行がん患者の30~80%にみられ、化学療法により悪化することがある。そこで、インド・Jawaharlal Institute of Postgraduate Medical Education and ResearchのLakshmi Sandhya氏らは、がん患者の化学療法に伴う消化器症状の改善に用いられるオランザピンについて、食欲亢進・体重増加効果を検討した。肺がん患者、上部消化器がん患者に対して、化学療法中に低用量のオランザピンを毎日投与することで、食欲亢進および体重増加が認められた。本研究結果は、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年3月28日号に掲載された。オランザピン群は食欲改善が認められた患者の割合が有意に高率 18歳以上で、未治療の進行または転移を有する胃がん患者(68例)、肺がん患者(43例)、肝がん・膵がん・胆道がん患者(13例)計124例を対象とした。対象患者を化学療法とともに低用量オランザピン(2.5g/日)を投与する群(オランザピン群)またはプラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付け、12週間投与した。両群とも、標準的な栄養評価と食事のアドバイスを受けた。主要評価項目は、5%以上の体重増加が認められた患者の割合と食欲改善であった。食欲については、VAS(visual analog scale)およびFAACT ACS(Functional Assessment of Chronic Illness Therapy system of Quality-of-Life questionnaires Anorexia Cachexia subscale)で評価した。副次評価項目は、栄養状態の変化、QOL、化学療法の毒性であった。 オランザピンの食欲亢進・体重増加効果を検討した主な結果は以下のとおり。・対象患者124例(年齢中央値:55歳[範囲:18~78]、オランザピン群63例、プラセボ群61例)のうち、112例(オランザピン群58例、プラセボ群54例)が解析可能であった。・5%以上の体重増加が認められた患者の割合は、プラセボ群が9%(5/54例)であったのに対し、オランザピン群は60%(35/58例)であり、オランザピン群で有意に高率であった(p<0.001)。・VASに基づく食欲改善が認められた患者の割合は、プラセボ群が13%(7/54例)であったのに対し、オランザピン群は43%(25/58例)であり、オランザピン群で有意に高率であった(p<0.001)。・FAACT ACSに基づく食欲改善(37点以上)が認められた患者の割合は、プラセボ群が4%(2/54例)であったのに対し、オランザピン群は22%(13/58例)であり、オランザピン群で有意に高率であった(p=0.004)。・オランザピン群では、栄養状態、QOLが良好であり、化学毒性も少なかった。 著者らは、「低用量オランザピンは、未治療患者におけるがん化学療法中の食欲と体重を改善する、安価かつ忍容性の高い治療である。低用量オランザピンには、栄養状態の改善やQOLの改善、化学療法の毒性の低減といった副次的なベネフィットもみられた」とまとめた。

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MMR正常を含む進行・再発子宮体がん、dostarlimab追加でPFS延長(RUBY)/NEJM

 原発性の進行または再発子宮体がんの治療において、標準化学療法+免疫チェックポイント阻害薬dostarlimabの併用は、標準化学療法単独と比較して、2年後の無増悪生存率が有意に高く、安全性プロファイルは個々の薬剤の既知のものと全般的に一致することが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMansoor R. Mirza氏らが実施した「RUBY試験」で示された。研究結果は、NEJM誌オンライン版2023年3月27日号で報告された。19ヵ国113施設の無作為化プラセボ対照第III相試験 RUBY試験は、19ヵ国113施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年7月18日~2021年2月23日に患者のスクリーニングが行われた(GSKの助成を受けた)。 年齢18歳以上で、原発性のStageIII/IVまたは初回再発の子宮体がんの患者が、カルボプラチン+パクリタキセルによる標準化学療法に加え、dostarlimab(500mg)またはプラセボを3週ごとに6サイクル静脈内投与した後、dostarlimab(1,000mg)またはプラセボを単独で6週ごとに最長3年間投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、担当医判定(RECIST ver1.1に基づく)による無増悪生存と、全生存であった。全生存率も、dMMR-MSI-H集団、全患者集団の双方で良好 494例が登録され、dostarlimab群に245例(年齢中央値64歳[四分位範囲[IQR]:41~81])、プラセボ群に249例(65歳[28~85])が割り付けられた。118例(23.9%)がミスマッチ修復機能欠損型(dMMR)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の腫瘍であり、dostarlimab群に53例(61歳[45~81])、プラセボ群に65例(66歳[39~85])が含まれた。 dMMR-MSI-H集団では、24ヵ月の時点における推定無増悪生存率は、dostarlimab群が61.4%(95%信頼区間[CI]:46.3~73.4)と、プラセボ群の15.7%(7.2~27.0)に比べ有意に優れた(ハザード比[HR]:0.28、95%CI:0.16~0.50、p<0.001)。 全患者集団における24ヵ月時の推定無増悪生存率は、dostarlimab群が36.1%(95%CI:29.3~42.9)であり、プラセボ群の18.1%(13.0~23.9)よりも有意に良好だった(HR:0.64、95%CI:0.51~0.80、p<0.001)。 また、dMMR-MSI-H集団の24ヵ月時の全生存率は、dostarlimab群が83.3%(95%CI:66.8~92.0)、プラセボ群は58.7%(43.4~71.2)であり、dostarlimab群で優れた(HR:0.30、95%CI:0.13~0.70)。 全患者集団の24ヵ月時の全生存率は、dostarlimab群が71.3%(95%CI:64.5~77.1)、プラセボ群は56.0%(48.9~62.5)と、dostarlimab群で高かった(HR:0.64、95%CI:0.46~0.87、p=0.0021)が、中止基準の有意水準(p=0.00177)は満たさなかった。 試験期間中に発現または悪化した有害事象のうち最も頻度が高かったのは、悪心(dostarlimab群53.9%、プラセボ群45.9%)、脱毛(53.5%、50.0%)、倦怠感(51.9%、54.5%)であった。Grade3以上の有害事象(70.5%、59.8%)、重篤な有害事象(37.8%、27.6%)の頻度は、プラセボ群よりもdostarlimab群で約10ポイント高かった。 著者は、「MMRとMSIの状態の検査は、子宮体がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の使用の可能性について、予後因子と効果予測因子の双方で考慮されるため重要であり、本研究では、dMMR-MSI-H集団においてdostarlimab群で良好な無増悪生存率が得られた」と指摘している。

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進行・再発子宮体がん、ペムブロリズマブ追加でMMRによらずPFS延長(NRG-GY018)/NEJM

 進行または再発子宮体がん患者において、標準化学療法+免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブの併用療法は、標準化学療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)が有意に延長し、有害事象の発現状況は両群とも予想どおりであったことが、米国・カリフォルニア大学のRamez N. Eskander氏らが実施した「NRG-GY018試験」で示された。研究結果は、NEJM誌オンライン版2023年3月27日号に掲載された。dMMRとpMMRで層別化した無作為化プラセボ対照試験 NRG-GY018試験は、4ヵ国(米国、カナダ、日本、韓国)の395施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年7月~2022年12月に患者の登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]などの助成を受けた)。 年齢18歳以上で、測定可能なStageIII/IVA、または測定可能病変の有無を問わずStageIVBあるいは再発病変を有し、新規に診断された子宮体がん患者が、標準化学療法であるパクリタキセル+カルボプラチンに加え、ペムブロリズマブまたはプラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。なお、前回化学療法からの期間が12ヵ月以上の場合は組み入れ可能とした。 ペムブロリズマブとプラセボは、化学療法と併用で3週ごとに6サイクルを静脈内投与したのち、維持療法として単剤で6週ごとに最大14サイクルが投与された。被験者は、ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)とミスマッチ修復機能正常(pMMR)の2つのコホートに層別化された。 主要評価項目は、2つのMMRコホートにおけるPFSとされた。中間解析は、dMMRコホートで少なくとも84件の死亡または進行のイベントが発生、およびpMMRコホートで少なくとも196件のイベントが発生した後に行うことが計画された。dMMRコホートでの無増悪生存率:74% vs.38% 816例が登録され、このうち225例がdMMRコホート、591例がpMMRコホートであり、有効性の解析には、それぞれ225例(ペムブロリズマブ群112例、プラセボ群113例)、588例(293例、295例)が含まれた。年齢中央値はdMMRコホートが66歳、pMMRコホートは65.5歳であり、前治療として化学療法を受けた患者がそれぞれ5.8%、25.3%、放射線治療が42.7%、39.6%、手術が90.2%、86.1%であった。 dMMRコホートでは、追跡期間中央値12ヵ月時点でのPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が未到達(95%信頼区間[CI]:30.6~未到達)、プラセボ群は7.6ヵ月(6.4~9.9)であり、ペムブロリズマブ群で有意に長かった。Kaplan-Meier法により推定した無増悪生存率は、それぞれ74%、38%であり、病勢進行または死亡のリスクは、ペムブロリズマブ群がプラセボ群より70%低かった(ハザード比[HR]:0.30、95%CI:0.19~0.48、p<0.001)。 同様に、pMMRコホートの追跡期間中央値7.9ヵ月時点のPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が13.1ヵ月(95%CI:10.5~18.8)、プラセボ群は8.7ヵ月(8.4~10.7)と、有意な差が認められた(HR:0.54、95%CI:0.41~0.71、p<0.001)。 有害事象の発現状況は、ペムブロリズマブ群、プラセボ群とも予想どおりであった。dMMRコホートでは、ペムブロリズマブ群98.2%、プラセボ群99.1%で有害事象が発現し、pMMRコホートではそれぞれ93.5%、93.4%で認められた。Grade3以上の有害事象は、dMMRコホートではペムブロリズマブ群63.3%、プラセボ群47.2%、pMMRコホートではそれぞれ55.1%、45.3%で発現した。 注目すべき有害事象(インフュージョンリアクション、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、大腸炎、肺臓炎など)は、dMMRコホートではペムブロリズマブ群38.5%、プラセボ群26.4%、pMMRコホートではそれぞれ33.3%、19.7%で発現し、Grade3以上はdMMRコホートではペムブロリズマブ群8.3%、プラセボ群5.7%、pMMRコホートではそれぞれ3.6%、2.6%でみられた。 著者は、「これらのデータは、進行・再発子宮体がん患者の1次治療への免疫療法の導入が、MMRの状態や組織学的所見にかかわらず、腫瘍学的アウトカムの改善につながることを示唆するものである」としている。

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ペムブロリズマブ+化学療法、悪性胸膜中皮腫1次治療のOSを改善/MSD

 2023年3月10日、Merck社は切除不能な進行または転移のある悪性胸膜中皮腫の1次治療においてペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価する第II/III相CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験で、主要評価項目の全生存期間(OS)を達成したことを発表した。 IND.227/KEYNOTE-483試験は、Canadian Cancer Trials Group(CCTG)が実施医療機関となり、National Cancer Institute of Naples(NCIN)およびIntergroupe Francophone de Cancerologie Thoracique(IFCT)と共同で実施する非盲検無作為化第II/III相試験である。同試験では切除不能な進行悪性胸膜中皮腫の治療においてペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価した。主要評価項目はOSで、副次評価項目は盲検下独立判定機関(BICR)が評価した無増悪生存期間(PFS)および客観的奏効率(ORR)のほか、安全性、生活の質(QoL)であった。 同試験の最終解析でペムブロリズマブと化学療法の併用療法群は、化学療法単独群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるOSの改善が認められた。本試験におけるペムブロリズマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験の結果と一貫していた。 悪性中皮腫は胸部、腹部、心臓、精巣など体の特定の部位を覆う膜に発生するがんで、2020年には世界で3万人以上が新たに診断され、2万6,000人以上が死亡したと推定されている。胸膜中皮腫は、悪性中皮腫の中で最も多く、約75%を占めている。悪性胸膜中皮腫は多くの場合進行が速く、5年生存率はわずか12%とされる。 この結果は、今後さまざまな腫瘍関連学会で発表するとともに、世界各国の規制当局へ承認申請する予定である。

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初回化学療法反応後の維持療法としてのCDK4/6阻害薬の有用性/日本臨床腫瘍学会

 切除不能または転移のある乳がん患者(MBC)患者に対する初回化学療法反応後の維持療法としての内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用療法が、有望な有効性と管理可能な安全性プロファイルを示したことを、大阪国際がんセンターの藤澤 文絵氏が第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で発表した。 MBC乳がんに対するベバシズマブ+パクリタキセル導入化学療法後の維持療法として、内分泌療法(+カペシタビンあるいはベバシズマブ併用)の有用性が国内多施設無作為化第II相試験(KBCSG-TR12141)、BOOSTER試験2))で報告されている。しかし、内分泌療法+CDK4/6阻害薬併用維持療法の有効性と安全性に関するデータは十分ではない。そこで、藤澤氏らはMBC患者における初回化学療法反応後の維持療法としての内分泌療法+CDK4/6阻害薬の安全性と有効性を調査した。 本研究はパルボシクリブ(2017年12月)およびアベマシクリブ(2018年11月)が承認されてから2021年10月末までに、初回化学療法反応後の維持療法としてCDK4/6阻害薬が投与された症例を対象として、患者の背景、安全性、CDK4/6阻害薬の有効性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・CDK4/6阻害薬を投与された179例のうち、初回化学療法の治療効果がSD以上を得られていた26例を対象に解析が行われた。そのうち、初回化学療法でCR/PR/長期SDを得られた状態を維持したまま内分泌療法+CDK4/6阻害薬に変更になったのは12例(安定中切替群)、腫瘍マーカーの上昇または画像検査による若干の病勢進行がみられた後に内分泌療法+CDK4/6阻害薬に変更になったのは14例(増悪傾向切替群)であった。・安定中切替群と増悪傾向切替群の年齢中央値は65歳 vs.61.5歳、閉経後が10例 vs.7例、StageIVがそれぞれ5例、内臓転移あり9例 vs.13例であった。・治療成功期間(TTF)中央値は、全患者で8.6ヵ月(95%信頼区間:3.7~29.9)、安定中切替群で22.1ヵ月(3.6~NA)、増悪傾向切替群で7.2ヵ月(2.5~12.6)であった。・全生存期間(OS)中央値は、全患者で26.7ヵ月(17.8~NA)、安定中切替群で39.3ヵ月(17.8~NA)、増悪傾向切替群で18.3ヵ月(11.8~26.7)であった。・安定傾向切替群と増悪傾向切替群でみられたGrade3/4の有害事象は、好中球減少6例(50.0%) vs.6例(42.9%)、下痢1例(8.3%) vs.0例、AST/ALT上昇1例(8.3%) vs.1例(7.4%)で、安全性プロファイルは以前の報告と同様であった。 これらの結果より、藤澤氏は「MBC患者に対する初回化学療法反応後の維持療法としての内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用療法は有望な効果が示されたが、有用性を検証するにはさらに多くの症例と前向き臨床試験が必要である」とまとめた。

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リブタヨは進行または再発の子宮頸がんに対する初の単剤療法/サノフィ

 サノフィは3月30日付のプレスリリースで、「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌」を効能または効果として、リブタヨ点滴静注350mg(一般名:セミプリマブ、以下「リブタヨ」)の販売を同日より開始したことを発表した。リブタヨ群は化学療法群と比較して死亡リスクが31%低減 子宮頸がんは、世界では女性のがん死因の第4位に当たり、35~44歳での診断が最も多い疾患である。大部分はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を原因とし、約80%を扁平上皮がん(子宮頸部の外部を覆う細胞から発生)、残る患者の多くを腺がん(子宮頸部の内部にある腺細胞から発生)が占めている。進行または再発の子宮頸がんの治療選択肢は限られており、世界で毎年約57万人の女性が子宮頸がんと診断されていることから、新たな治療法の登場が望まれていた。 リブタヨは、T細胞の表面にある免疫チェックポイント受容体PD-1を標的とする完全ヒトモノクローナル抗体である。リブタヨは、2次治療の子宮頸がん患者が対象の第III相試験において、全生存期間の改善を単剤投与で初めて立証し、子宮頸がんの2次治療の前向き比較試験においても、全生存期間が改善された初めての薬剤である。 リブタヨの進行性子宮頸がんにおける無作為化試験である国際共同第III相試験(EMPOWER Cervical-1試験)は、再発・転移性の扁平上皮がんまたは腺がんで2次治療の女性患者(年齢中央値:51歳)を対象に実施された。患者は無作為化され、リブタヨ単剤投与群(350mgを3週間ごとに投与)または広く使われている化学療法(イリノテカン、トポテカン、ペメトレキセド、ビノレルビンまたはゲムシタビン※)から治験責任医師が選択する薬剤を投与する群のいずれかに割り付けられた。※ペメトレキセド、ビノレルビン、ゲムシタビンは国内で子宮頸がんの適応はない。 本試験の結果、リブタヨ群(304例)では化学療法群(304例)と比較して、死亡リスクが31%低減し、全生存期間は有意に延長した。全体集団における全生存期間の中央値は、リブタヨ群で12.0ヵ月、化学療法群で8.5ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.69、95%信頼区間[CI]:0.56~0.84、p<0.001)。 安全性は、治験薬の投与を1回以上受けた患者を対象に、リブタヨ群300例(投与期間の中央値:15週間、範囲:1~101週間)、化学療法群290例(10週間、1~82週間)で評価した。治験薬との因果関係が否定できない有害事象は、リブタヨ群で56.7%、化学療法群で81.4%に認められた。リブタヨ群における、発現割合5%以上の主な副作用は、疲労(10.7%)、悪心(9.3%)、貧血(7.3%)、無力症(7.3%)、食欲減退(7.3%)、下痢(6.7%)、甲状腺機能低下症(6.0%)、嘔吐(5.7%)、関節痛(5.7%)、発疹(5.0%)およびそう痒症(5.0%)であった。なお、リブタヨの新たな安全性シグナルは認められなかった。 リブタヨは、サノフィとRegeneronとのグローバル提携契約の下で共同開発された製品である。2022年7月1日現在、Regeneronはリブタヨの開発およびマーケティングをグローバルレベルで担っており、日本では、Regeneronに代わってサノフィがリブタヨを販売する。サノフィとRegeneronは、「引き続き子宮頸がんの日本人患者に希望を届けられるよう鋭意努力し、患者とその家族や医療関係者へさらなる貢献をしていく」としている。

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CDK4/6阻害薬+内分泌療法、HER2低発現乳がんでの有効性/日本臨床腫瘍学会

 HER2低発現とHER2ゼロの進行乳がん患者において、CDK4/6阻害薬および内分泌療法の効果を比較した結果、両群の無増悪生存期間(PFS)中央値や内分泌療法の治療成功期間(TTF)中央値に有意差はなかったことを、大阪市立総合医療センターの大森 怜於氏が、第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で発表した。 内分泌療法とCDK4/6阻害薬の併用は、ホルモン受容体陽性/HER2陰性の進行・再発乳がんの標準治療となっている。HER2低発現(IHC1+またはIHC2+/ISH-)は新たに注目されている分類だが、HER2低発現乳がんに対する研究はまだ限られている。そこで、HER2ゼロ群とHER2低発現群におけるCDK4/6阻害薬および内分泌療法の効果の比較を行った。 本研究は、2017年12月~2022年5月にCDK4/6阻害薬を処方された進行乳がん患者の診療データを後方視的に解析するという手法で行われた。内分泌療法の前に化学療法を受けた患者、HER2スコアが不明な患者、初回の画像評価前にCDK4/6阻害薬を中止した患者は除外された。ログランク検定により、CDK4/6阻害薬と内分泌療法によるPFSとTTFの比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・解析対象となった98例のうち、HER2ゼロが21例、HER2低発現が77例であった。 -HER2ゼロ群:年齢中央値57歳、閉経後71%、過去の内分泌療法歴なし52%、内臓転移あり52% -HER2低発群:年齢中央値63歳、閉経後83%、過去の内分泌療法歴なし51%、内臓転移あり53%・PFS中央値は、HER2ゼロ群28.9ヵ月(95%信頼区間:12.2~NA)、HER2低発群21.4ヵ月(14.9~31.0)で、有意な差はみられなかった(p=0.555)。・前治療歴の有無別でもPFS中央値に有意差はみられず、前治療歴なしのHER2ゼロ群15.1ヵ月(7.8~NA)、HER2低発群31.0ヵ月(15.3~NA)であった(p=0.708)。前治療歴ありのHER2ゼロ群28.9ヵ月(2.1~NA)、HER2低発群15.4ヵ月(11.3~30.8)であった(p=0.26)。・内分泌療法のTTF中央値は、HER2ゼロ群77.6ヵ月(21.6~NA)、HER2低発群41.4ヵ月(31.0~58.3)であり、HER2ゼロ群で長い傾向はあるものの有意差はみられなかった(p=0.192)。・CDK4/6阻害薬を初回治療として処方されている患者の内分泌療法のTTF中央値は、HER2ゼロ群19.6ヵ月(7.8~NA)、HER2低発群31.0ヵ月(16.3~NA)であった(p=0.842)。2ライン目以降に処方されていた場合は、HER2ゼロ群で137ヵ月(21.6~NA)、HER2低発群(38例)で48ヵ月(34.0~70.4)であった(p=0.059)。・CDK4/6阻害薬開始後の内分泌療法のTTF中央値は、HER2ゼロ群29.2ヵ月(12.9~NA)、HER2低発群28.7ヵ月(23.2~35.2)であった。 これらの結果より、大森氏は「HER2ゼロ群とHER2低発現群において、CDK4/6阻害薬投与によるPFS中央値や内分泌療法のTTF中央値に差はみられなかった。しかし、TTF中央値はHER2低発現群で短い傾向にあり、さらなる研究が必要である」とまとめた。

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難治転移大腸がんへのfruquintinib、日本人患者にも有用/日本臨床腫瘍学会

 転移のある大腸がん患者に対する血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR) -1、2、3を標的とするfruquintinibの有効性を示したFRESCO-2試験。本試験における日本人サブグループの解析結果を、2023年3月16~18日に開催された第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)のPresidential Session 4(消化器)で、国立がん研究センター東病院の小谷 大輔氏が発表した。 FRESCO-2試験は米国、欧州、オーストラリア、日本で実施された国際共同第III相試験であり、fruquintinib+最善の支持療法(BSC)またはプラセボ+BSCに2:1で無作為に割り付けられた。fruquintinib(F群)またはプラセボ(P群)を1日1回投与(5mgを28日周期で3週間投与し、1週間休薬)した。主要な患者選択基準には、標準化学療法が不応または不耐であること、抗VEGF 療法歴を有すること、RAS野生型の場合は抗EGFR療法歴を有すること、適応がある場合は免疫チェックポイント阻害薬またはBRAF阻害薬治療歴を有すること、またトリフルリジン/チピラシルとレゴラフェニブの両方もしくはいずれかの治療歴を有することが含まれた。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次的評価項目は無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、安全性であった。全体集団におけるOS中央値はF群7.4ヵ月 vs.P群4.8ヵ月、ハザード比(HR):0.66 (95%信頼区間[CI]:0.55~0.80、p<0.001)、PFS中央値は3.7ヵ月 vs.1.8ヵ月、HR:0.32(95%CI:0.27~0.39、p<0.001)だった。 主な結果は以下のとおり。・691例が登録され、うち日本人は56例(8%、F群40例・P群16例/男性27例・女性39例)だった。追跡期間中央値はF群が9.2ヵ月、P群が8.6ヵ月だった。・日本人サブグループは、OS中央値(F群6.9ヵ月 vs.P群5.6ヵ月、HR=0.42、[95%CI:0.19~0.92]、p=0.055)およびPFS中央値(3.6ヵ月 vs.1.8ヵ月、HR=0.27[95%CI:0.13~0.56]、p=0.004)についてF群がP群と比較して良好な結果であった。DCRは62.5% vs.25.0%、ORRは2.5% vs.0%だった。・Grade3以上の有害事象はF群71.8% vs.P群29.4%で発生した。F群で5%以上発生した主な有害事象は高血圧(23.1% vs.0%)、手足症候群(17.9% vs.0%)、蛋白尿(7.7% vs.0%)で、いずれも非日本人と比較して発症率が高い傾向であった。 小谷氏は「fruquintinibは、日本人サブグループにおいて、OSおよびPFSが臨床的に意味のある改善を示し、安全性プロファイルはFRESCO-2の結果および確立された単剤治療のプロファイルと一致していた。有害事象も休薬・減量などでコントロール可能であった」とした。また、会場での質疑応答において、日本人で高血圧などの毒性が多く出た理由を問われ、「過去のレゴラフェニブのCORRECT試験サブグループにおいても日本人は非日本人よりと比較してこれらの有害事象発現頻度が高い傾向であったこと、また本試験においてレゴラフェニブ投与歴を持つ患者の割合が日本人集団では非日本人集団より高かったことが、有害事象発現頻度の違いにつながった可能性がある」と回答した。

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HER2低発現乳がんへのT-DXd、アジア人集団でも有効性・安全性を確認(DESTINY-Breast04)/日本臨床腫瘍学会

 化学療法歴を有するHER2低発現の切除不能または転移のある乳がん患者(MBC)に対して、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)と治験医師選択の化学療法(TPC)を比較した第III相DESTINY-Breast04試験のアジア人サブグループ解析において、T-DXd群では全体集団と同様にアジア人集団でも有意に無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が延長し、管理可能な安全性プロファイルであったことを、昭和大学の鶴谷 純司氏が第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で発表した。 ASCO2022のプレナリーセッションで、HER2低発現のMBC患者に対するDESTINY-Breast04試験の結果が報告されており、T-DXd群ではTPC群と比較してPFSおよびOSを有意に延長し、安全性プロファイルも管理可能であったことが示された。一方、HER2陽性のMBC患者を対象としたDESTINY-Breast03試験のアジア人サブグループ解析では、アジア人においてもT-Dxdの有用性が示され安全性プロファイルも全体集団と一致していたものの、日本人集団においては全体集団およびアジア人集団と比較して薬剤性肺障害(ILD)の報告が多い傾向がみられていた。[DESTINY-Breast04試験]・対象:1~2ラインの化学療法歴があり、HER2低発現(IHCスコア1+またはIHCスコア2+かつISH-)のMBC患者557例(うちアジアの国または地域からの登録は213例[38%])。・試験群(T-DXd群):T-DXdを3週間間隔で5.4mg/kg投与 373例・対照群(TPC群):カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、nab-パクリタキセルから選択 184例・評価項目:[主要評価項目]HR+患者の盲検下独立中央評価委員会(BICR)によるPFS[副次評価項目]全患者のBICRによるPFS、HR+患者および全患者のOSなど 今回のサブグループ解析における主な結果は以下のとおり。・2022年1月11日までに557例が無作為化され、うち213例(38%)がアジアからの参加者であった(日本85例、中国62例、韓国57例、台湾9例)。・アジア人集団における追跡期間中央値は、T-DXd群16.8ヵ月、TPC群15.4ヵ月であった(全体集団はそれぞれ16.1ヵ月、13.5ヵ月)。・アジア人集団のベースライン時の患者特性は両群でバランスがとれていた(括弧内は全体集団)。 -T-DXd群:年齢中央値56.6歳(57.5歳)、IHCスコア1+が61.2%(57.4%)、IHCスコア2+かつISH-が38.8%(42.6%)、HR+が87.1%(89.3%)、HR-が12.9%(10.7%)、中枢神経系転移あり10.2%(6.4%)、肝転移あり68.0%(71.3%)、肺転移あり36.1%(32.2%) -TPC群:年齢中央値55.3歳(55.9歳)、IHCスコア1+が57.6%(58.2%)、IHCスコア2+かつISH-が42.4%(41.8%)、HR+が91.0%(90.2%)、HR-が9.1%(9.8%)、中枢神経系転移あり4.5%(4.3%)、肝転移あり59.1%(66.8%)、肺転移あり36.4%(34.2%)・主要評価項目であるHR+患者のPFS中央値は、アジア人集団ではT-Dxd群10.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:8.4~14.7) vs.TPC群5.3ヵ月(4.2~6.8)、ハザード比[HR]:0.41(0.28~0.58)であった(全体集団では10.1ヵ月[9.5~11.5] vs.5.4ヵ月[4.4~7.1]、HR:0.51[0.40~0.64]、p<0.0001)。・全患者(HR+およびHR-)のPFS中央値は、アジア人集団ではT-Dxd群10.9ヵ月(95%CI:9.0~13.8) vs.TPC群4.6ヵ月(2.8~6.4)、HR:0.38(0.27~0.53)であった(全体集団では9.9ヵ月(9.0~11.3) vs.5.1ヵ月[4.2~6.8]、HR:0.50[0.40~0.63]、p<0.0001)。・HR+患者のOS中央値は、アジア人集団ではT-Dxd群NE(95%CI:20.8~NE) vs.TPC群19.9ヵ月(16.7~NE)、HR:0.69(0.42~1.11)であった(全体集団では23.9ヵ月[20.8~24.8] vs.17.5ヵ月[15.2~22.4]、HR:0.64[0.48~0.86]、p=0.0028)。・全患者(HR+およびHR-)のOS中央値は、アジア人集団ではT-Dxd群NE(95%CI:21.7~NE) vs.TPC群19.9ヵ月(15.7~NE)、HR:0.61(0.39~0.95)であった(全体集団では23.4ヵ月[20.0~24.8] vs.16.8ヵ月[14.5~20.0]、HR:0.64[0.49~0.84]、p=0.0010)。・T-Dxd群の治療中に発現したGrade3以上の有害事象は、全体集団で52.6%、アジア人集団で59.2%であった。アジア人集団で多かったものは、好中球減少症16.3%、貧血12.9%、白血球減少症11.6%などであった(全体集団ではそれぞれ13.7%、8.1%、6.5%)。・T-Dxd群におけるILDは、全体集団で45例(12.1%)、アジア人集団で21例(14.3%)、日本人集団で15例(26.8%)報告された。アジア人集団においてはGrade4/5の報告はなく、日本人集団においてはGrade3以上の報告はなかった。 これらの結果より、鶴谷氏は「HER2低発現の乳がん患者を対象としたDESTINY-Breast04試験のアジア人サブグループ解析において、全体集団と同様にT-DXd群ではTPC群と比較して臨床的に意義のあるPFSおよびOSの延長が認められた」としたうえで、安全性については「両群の安全性プロファイルも全体集団と一致していた。ILDはアジア人集団ではGrade4/5の報告はなかったものの、日本人集団では頻度が高い傾向にあり、注意深いモニタリングが必要」とまとめた。

712.

T-DXd、HER2低発現乳がんに適応拡大/第一三共

 第一三共は2023年3月27日、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、商品名:エンハーツ)について、「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌」の効能又は効果に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。 本適応は、2022年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO2022)で発表された、化学療法による前治療を受けたHER2低発現の乳がん患者を対象としたグローバル第III相試験(DESTINY-Breast04)の結果に基づくもので、2022年6月に国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、優先審査品目に指定されていた。国内において初めてHER2低発現の乳がんを対象に承認された抗HER2療法となる。 なお、ロシュ・ダイアグノスティックスは、がん組織または細胞中のHER2タンパク検出に用いる組織検査用腫瘍マーカーキット「ベンタナ ultraView パスウェーHER2 (4B5)」の一部変更承認を2023年3月3日に取得している。HER2低発現の乳がん患者を対象としたT-DXdのコンパニオン診断薬として使用することができる。

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切除可能非小細胞肺がんに対する 術前・後ペムブロリズマブ、無イベント生存期間を改善(KEYNOTE-671)/MSD

 Merck社は2023年3月1日、Stage II、IIIA、IIIB(T3-4N2)の切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法としてのペムブロリズマブを評価する第III相KEYNOTE-671試験において、2つの主要評価項目のうち無イベント生存期間(EFS)を達成したことを発表した。周術期療法レジメンには術前補助療法(ネオアジュバント療法)とそれに続く術後補助療法(アジュバント療法)が含まれる。 KEYNOTE-671試験は、上記NSCLC患者を対象とした、無作為化二重盲検第III相試験。786例の登録患者を以下のいずれかの群に、1:1に無作為に割り付けた。・試験群:術前補助療法としてペムブロリズマブ(200mgを3週ごと最大4サイクル)+化学療法(シスプラチン+ゲムシタビンまたはペメトレキセド)、その後術後補助療法としてペムブロリズマブ(200mgを3週ごと最大13サイクル)・対照群:術前補助療法としてプラセボ(3週ごと最大4サイクル)+化学療法(シスプラチン+ゲムシタビンまたはペメトレキセド)、その後術後補助療法としてプラセボ(3週ごと最大13サイクル) 主要評価項目はEFS、全生存期間(OS)、副次評価項目は病理学的完全奏効(pCR)、主要な病理学的奏効(mPR)などであった。 試験の結果、プラセボ群と比較して、ペムブロリズマブ群で統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるEFSの改善が認められた。副次評価項目であるpCRおよびmPRについても統計学的に有意な改善が認められている。この結果は今後の医学学会で発表する予定。 この試験データに基づき、Stage II、IIIA、IIIB(T3-4N2)の切除可能NSCLCのプラチナ化学療法との併用による術前補助療法と、その後の単独療法による術後補助療法として、ペムブロリズマブの生物製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)に受理された。審査完了予定日は2023年10月16日。

714.

ニボルマブのNSCLCネオアジュバント、国内承認/小野薬品・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2023年3月27日、ニボルマブについて、化学療法との併用療法で非小細胞肺癌における術前補助療法に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の取得を発表した。 今回の承認は、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、ニボルマブと化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相試験であるCheckMate 816試験の結果に基づいている。 同試験では、ニボルマブと化学療法の併用療法の3回投与は、化学療法単独と比較して、本試験の主要評価項目である盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無イベント生存期間(EFS)および盲検下独立病理委員会(BIPR)の評価による病理学的完全奏効(pCR)で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。本試験におけるニボルマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、NSCLC患者を対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していた。

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FGFR2融合/遺伝子再構成陽性肝内胆管がんに対するfutibatinib、日本人でも有効(FOENIX-CCA2)/日本臨床腫瘍学会

 新規FGFR阻害薬futibatinib(開発コード:TAS-120)による既治療のFGFR2融合/再構成遺伝子陽性肝内胆管がん(CCA)に対する治療は、日本人でもグローバルと同等の有効性を示した。第20回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2023)で、国立がん研究センター中央病院の森實 千種氏が発表した、futibatinibの国際第II相FOENIX-CCA2試験の日本人サブグループ解析の結果である。・対象:プラチナ化学療法+ゲムシタビンで進行したFGFR2融合/再構成遺伝子陽性CCA患者・介入:futibatinib 20mg/日 3週ごとを病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与・評価項目:[主要評価項目]奏効率(ORR)[副次評価項目]無病生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢制御率(DCR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・全体集団103例中、日本人患者は14例であった。・日本人患者は全体集団と比べ、男性およびPS0が多く、放射線の前治療を受けた割合が少なかった。・日本人患者のORRは28.6%、全体では41.7%、DCRは日本人92.9%、全体では82.5%であった。・日本人患者のPFS中央値は全体と同様、9.0ヵ月であった。・日本人患者のOS中央値は14.6ヵ月、全体では21.7ヵ月であった。・安全性についても日本人集団と全体で大きな差はなかった。 発表者は、全体集団と比較した日本人集団の治療成績は同程度であり、標準的な化学療法より高い治療効果を示したと述べた。

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手術前後デュルバルマブ、非小細胞肺がんの無イベント生存を有意に延長(AEGEAN)/AZ

 アストラゼネカ社は2023年3月9日、第III相AEGEAN試験の中間解析の結果を発表した。切除可能な早期(IIA~IIIB期)非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした同試験の中間解析において、術前での化学療法とデュルバルマブの併用および術後デュルバルマブ単剤治療は、術前化学療法単独と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無イベント生存期間(EFS)延長を示している。 病理学的完全奏効(pCR)および主要な病理学的奏効(MPR)の最終的な解析結果は、これまでに報告された中間解析における良好な結果と一致していた。同試験は、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)を含む主要な副次評価項目を評価するため、予定通り継続する。 世界で肺がんと診断される患者は年間220万人と推定されており、その80〜85%がNSCLCと診断されている。NSCLCの約25〜30%が、根治が期待される切除可能な早期NSCLCと診断されるが、StageIIの5年生存率は56~65%、StageIIIaでは41%、StageIIIbでは24%にまで低下することから、依然として高いアンメットニーズが存在していることがうかがえる。 これらのデータは、近く開催される医学学会で発表され、世界の規制当局と共有される。

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ペムブロリズマブの去勢抵抗性前立腺がんおよびEGFR陽性非小細胞がんの第III相試験/MSD

 Merck社は2023年2月28日、第III相試験KEYNOTE-641およびKEYNOTE-789の最新情報を公開。転移のある去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)において、ペムブロリズマブとエンザルタミドおよびアンドロゲン除去療法(ADT)との併用を評価する第III相KEYNOTE-641試験については、独立データモニタリング委員会の勧告に基づき中止する。中間解析において、ペムブロリズマブとエンザルタミドおよびADTの併用療法では、プラセボ+エンザルタミドおよびADTと比較して、2つの主要評価項目である画像上の無増悪生存期間(rPFS)または全生存期間(OS)の改善が確認されず、OSについては事前に設定した無益性の境界(futility boundary)を超えた。 また、オシメルチニブを含むEGFR‐TK治療後に進行した転移を有するEGFR変異陽性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の治療においてペムブロリズマブとペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法の併用療法を評価する第III相KEYNOTE-789試験について、2つの主要評価項目のうちOSを達成しなかったことを発表した。同試験の最終解析で、ペムブロリズマブ+ペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法を受けた患者では、ペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法のみを受けた患者と比較してOSの改善がみられたが、事前に設定した統計学的有意性の基準を満たさなかった。もう1つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)について、この前に実施した中間解析でペムブロリズマブ群では化学療法単独群と比較して改善がみられたが、統計学的有意性の基準を満たさなかった。 KEYNOTE-641試験およびKEYNOTE-789試験においてペムブロリズマブの安全性プロファイルはこれまでの試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されなかった。

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EGFR陽性NSCLCの術後補助療法、オシメルチニブがOS延長(ADAURA試験)/AZ

 アストラゼネカは、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の第III相試験(ADAURA試験)において、EGFR遺伝子変異陽性の病理病期IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する完全切除後の補助療法としてのオシメルチニブの投与により、全生存期間(OS)が有意に改善したことを2023年3月10日のプレスリリースで発表した。 ADAURA試験でオシメルチニブがEGFR陽性NSCLC術後補助療法でOS改善 国際共同第III相比較試験ADAURA試験は、EGFR遺伝子変異陽性(ex19del/L858R)の病理病期IB~IIIAのNSCLC患者のうち、腫瘍が完全切除された患者を対象とした試験。術後補助療法として、オシメルチニブ80mg/日を投与する群(オシメルチニブ群)とプラセボを投与する群(プラセボ群)に1:1の割合で無作為に割り付け、最大3年間投与した(両群とも術後化学療法の使用は許容された)。なお、再発したプラセボ群の患者は非盲検下でオシメルチニブの投与を可能とした。主要評価項目は、病理病期II/IIIA患者の無病生存期間(DFS)であり、副次評価項目は、全集団(病理病期IB~IIIA)におけるDFS、OSなどであった。 本発表では、ADAURA試験の主要な副次評価項目であるOSがオシメルチニブ群においてプラセボ群と比べて有意な改善を示し、かつ臨床的意義のある改善であったことが示されたとしている。なお、主解析においてDFSが統計学的有意かつ臨床的意義のある改善を示したことが報告されており、追跡調査ではDFSの中央値が約5.5年であったことが報告されている。ADAURA試験の結果詳細は、今後学会で発表される予定とのことである。 肺癌診療ガイドライン2022年版では、「CQ30. EGFR遺伝子変異陽性の術後病理病期II~IIIA期(第8版)完全切除例に対して、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬は勧められるか?」について、EGFRチロシンキナーゼ(EGFR-TKI)による術後化学療法がOSの延長を示した試験結果は報告されていないことなどを理由として、推奨度決定不能としていた。■関連記事高リスク早期乳がんでの術後内分泌療法+アベマシクリブ、高齢患者でも有用(monarchE)/ASCO2023

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化学療法、女性は午後に受けると効果が高い

 体内時計機能を勘案し、投薬時間を調節するクロノセラピー(時間治療)の考え方は以前より提唱されており、大腸がんなどにおいて一定の効果が報告されている1)。しかし、その後の試験に一貫性がないため、日常臨床を変えるには至っていない。今回、造血器腫瘍の成人患者におけるクロノセラピーの効果を検討した、韓国科学技術院のDae Wook Kim氏らによる研究結果がJCI Insight誌2022年12月号に掲載された。 研究者らは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を2つのコホートに分け、午前または午後に化学療法を行った。DLBCLを対象としたのは、1)リツキシマブ+シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン(R-CHOP療法)が唯一の治療選択肢であるために交絡因子が無視でき、治療結果はほとんど免疫化学療法の有効性と毒性に依存する、2)患者の3割が再発しており、より優れた治療戦術が必要、3)ヒトまたは動物実験においてシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンの忍容性および抗腫瘍効果に概日変化があるとの報告がある、などの理由による。 2015年1月~2017年8月の間にソウル大学病院およびソウル大学盆唐病院の化学療法センターでR-CHOP療法を受けた成人337例を対象とし、午前または午後にR-CHOP療法を行った。その後、治療終了時に完全寛解を達成した生存コホート129例を対象に有害事象の解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ECOG performance-status(PS)、R-IPIスコア、診断時年齢中央値(61歳[四分位範囲:27~77])に群間差はなかった。全例がPS<2の比較的良好な状態に分類され、約半数がStageIII~IVで、その構成も各群同様であった。・無増悪生存期間(PFS)は、女性患者において、午前投与群は午後投与群に比べ有意に短かった(ハザード比[HR]:0.357、p=0.033)。女性患者において、午前投与群は午後投与群に比べ病勢進行の頻度が高かった(33.3% vs.13.9%、p=0.040)。・同様に、女性患者において、午前投与群では午後投与群より多くの死亡が認められた(19.6% vs.2.8%、p=0.020)。最も一般的な死因は病勢進行であった。その結果、午前投与群は午後投与群と比較して全生存期間(OS)が短かった(HR:0.141、p=0.032)。・午前群の女性患者では、投与量が減少した(シクロホスファミド10%、p=0.002、ドキソルビシン8%、p=0.002、リツキシマブ7%、p=0.003)。これは主に感染症と好中球減少症に起因するもので、午前群は午後群と比較して、感染症(16.7% vs.2.4%)と発熱性好中球減少症(20.8% vs.9.8%)の発生率が高かった。 研究者らは「クロノセラピーの効果に性差があることは、循環白血球と好中球の日内変動が男性より女性のほうが大きいことで説明できる」としている。

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3月6日 世界リンパ浮腫の日【今日は何の日?】

【3月6日 世界リンパ浮腫の日】〔由来〕2016(平成28)年にアメリカ・上院でリンパ浮腫の認識を高めるために3月6日を「World Lymphedema Day」(世界リンパ浮腫の日)と制定。そして、同じくリンパ浮腫の正しい知識と情報を共有し、治療環境の発展などを目的に患者と医療者の会である「リンパカフェ」が2018(平成30)年に制定。関連コンテンツ浮腫の見分け方、発症形式と部位を押さえよう!【Dr.山中の攻める!問診3step】リンパ節が腫れたときの症状チェック【患者説明用スライド】浮腫による蜂窩織炎の再発予防、圧迫療法は有効か/NEJM乳がん関連リンパ浮腫、リンパ節照射より腋窩手術の種類が影響/JCO術前化学療法を受けた乳がん患者の術後上肢リンパ浮腫、リスク因子は?/JAMA Surgery

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