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第58回 ワクチン接種50回/日以上の病院に日額10万円交付/厚労省

<先週の動き>1.ワクチン接種50回/日以上の病院に日額10万円交付/厚労省2.オンライン診療、初診でも条件付きで抗がん剤など処方可能に3.骨太方針2021原案、コロナ対策を最優先に4つの原動力を推進4.医学部「地域枠」定員増の延長など、医師確保を目指す知事の会が提言5.全国推計2万人、医療的ケア児の支援法が今秋にも施行へ1.ワクチン接種50回/日以上の病院に日額10万円交付/厚労省厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチン接種を担う医療機関への支援策として、個別接種を1日50回以上実施した病院に対して1日当たり10万円の交付を行うことを明らかにした。さらに、人員体制を整えた上で、1週間のうち1日でも条件を満たした週が7月末までに4週間を超えた病院に対しては、医師1人につき7,550円/時、看護師ら1人当たり2,760円/時を上乗せで補助する。また、診療所に対しては、7月末までに(1)1週間で100回以上の接種を4週以上実施した場合2,000円/回、(2)1週間で150回以上の接種を4週以上実施した場合3,000円/回を交付する。なお、いずれの要件も満たさない週に限り、診療所が1日当たり50回以上接種すれば、1日につき10万円を定額で交付する。(参考)資料「新型コロナワクチンをめぐる主な課題と対応・支援策(個別接種を行う医療機関の皆さまへ)」について(厚労省)1日50回超の接種、病院に1日当たり10万円交付 診療所にも手厚く支援、厚労省(CBnewsマネジメント)2.オンライン診療、初診でも条件付きで抗がん剤など処方可能に厚労省は、新型コロナウイルス感染により自宅療養している患者などについては、オンライン診療の初診でも、診療報酬における薬剤管理指導料「1」の対象となる薬剤(抗悪性腫瘍薬、免疫抑制薬、抗不整脈薬、抗てんかん薬など)の処方を、条件付きで認めることを通知した。初診でそれらの薬剤を処方するには、対面診療が原則である。ただし、自宅療養中などを理由に対面診療を実施できない場合には、看護師が患者の側に同席した上で、医師が処方の必要性を判断し、対面診療を含めて必要なフォローアップを行うことを前提に、当該薬剤のうち緊急的に必要な薬剤の処方を実施できることとなった。(参考)資料「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いに関するQ&A」の改定について(日本病院会)オンライン診療 抗がん剤など 初診から条件付きで処方 厚労省(NHK)3.骨太方針2021原案、コロナ対策を最優先に4つの原動力を推進9日に開催された内閣府の経済財政諮問会議では、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)の原案がまとめられた。今回の方針は、新型コロナ対策に最優先で取り組みつつ、1.グリーン社会の実現、2.官民挙げたデジタル化の加速、3.日本全体を元気にする活力ある地方創り~新たな地方創生の展開と分散型国づくり~、4.少子化の克服・子供を産み育てやすい社会の実現と、4つの課題に重点的な投資を行うことが発表された。社会保障制度改革については、(1)感染症を機に進める新たな仕組みの構築、(2)団塊の世代の後期高齢者入りを見据えた基盤強化・全世代型社会保障改革が示され、今回のコロナウイルス対応の検証や、救急医療・高度医療の確保の観点を踏まえ、病院の連携強化や機能強化・集約化の促進を通じて、将来の医療需要に沿った病床機能の分化・連携により地域医療構想を推進する。(参考)経済財政運営と改革の基本方針 2021(仮称)(原案)(内閣府)「医療資源の散財」が課題、地域医療構想の推進、診療報酬の包括化等で「病院の集約化」進めよ―骨太方針2021・原案(GemMed)4.医学部「地域枠」定員増の延長など、医師確保を目指す知事の会が提言医師不足に悩む岩手県、新潟県など12県の知事で組織する「地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会」は、9日にWeb会議を開き、医師の養成体制強化のために、医学部の教育体制充実に対する財政支援や大学医学部の入学定員のうち「地域枠」の臨時定員増の延長などを国に求める提言を決議した。今後、国や厚労省に対して、さらなる実効性のある医師不足・偏在対策の働きかけを行なっていくだろう。(参考)医学部定員増、延長を 医師不足の12県知事会提言(茨城新聞)医学教育充実へ財政支援など提言 知事の会が決議(日経新聞)5.全国推計2万人、医療的ケア児の支援法が今秋にも施行へ医療的ケア児に対して、国や自治体による支援を義務づける「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が11日に参議院本会議にて全会一致で可決、成立した。全国に人工呼吸器など医療的な援助が必要な医療的ケア児は2万人いると推計されるが、医療的ケア児が適切な支援を受けられるように、学校や保育所に喀痰吸引が可能な看護師や保育士を配置することなどを自治体や国に対して求める。今年の9月から施行される見通し。(参考)「医療的ケア児」支援する法律が成立 秋にも施行へ(NHK)「医療的ケア児支援法」が可決 全国医療的ケア児者支援協議会が提言活動を行ってきた医療的ケア児支援が自治体の責務に(認定NPO法人フローレンス)

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国内コロナ患者へのCT検査実施率とVTE発症の実態は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者での血栓症が世界的に報告されている。日本国内でもその状況を把握するために種々のアンケート1)2)が実施されてきたが、発症率や未診断症例(under-diagnosis)に関する詳細は不明であった。そこで、京都大学の山下 侑吾氏らは画像診断症例を対象にCOVID-19症例の静脈血栓塞栓症(VTE)発症の実態を正確に調査するレジストリ研究を実施した。その結果、以下4点が明らかになった。1)国内の現実臨床では、COVID-19症例に造影CT検査が実施される事はかなり少数だった。2)VTE発症について、軽症例では一例も認めなかったが、重症例では比較的高率だった。3)VTE発症例では、肥満やCOVID-19重症例の割合が多かった。4)VTE発症例と非発症例の生存退院の割合には有意差を認めなかった。また、肺塞栓症の重症度はすべて軽症だった。 この報告はCirculation Journal誌2021年5月20日号オンライン版に掲載された。研究概要と結果 本研究は、日本静脈学会および肺塞栓症研究会の有志「日本でのVTEとCOVID-19の実態調査タスクフォース」によって実施された医師主導の多施設共同の後ろ向き観察研究である。対象者は2020年3~10月に参加施設22件において、PCR検査でCOVID-19と確定診断された症例の中から、胸部を含む造影CT検査が実施された患者1,236例。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19症例の中で、造影CT検査が実施されていたのは45例(3.6%)だった。・そのうちの28例(62%)では、VTE発症を疑い造影CTが撮像されたていたが、残りの症例は別目的での撮像であった。・45例のうちVTEを認めたのは10例だった。COVID-19の重症度別では、軽症は0%、中等症は11.8%、重症は40.0%だった。・VTE発症例は非発症例と比較して、過体重(81.6kg vs. 64.0kg、p=0.005)かつBMI高値(26.9 kg/m2 vs. 23.2kg/m2、p=0.04)であり、人工呼吸器やECMOを要するような重症例の割合が有意に高かった(80.0%vs. 34.3%)。・一方、VTE発症例と非発症例で、退院時の生存割合に有意な差は認められなかった(80.0%vs. 88.6%)。・45例のうち30例(66.7%)には抗凝固薬が投与されていた(予防用量の未分画ヘパリン:46.7%、治療用量の未分画ヘパリン:30.0%、低分子ヘパリン:13.3%)。・VTE発症例において、入院からVTE診断までの日数の中央値は18日であり、50.0%の患者はICU入室中に診断された。残り50%の患者は一般病棟入室中に診断されていた。・8例(17.8%)に肺塞栓症を認めたが、肺塞栓症の重症度はすべて軽症例であった。しかし、5例(11.1%)に大出血イベントを認めていた。 研究者らは、「海外では、予防的な抗凝固療法の実施に関して、適切な対象患者、抗凝固療法の種類と強度、および投与期間などを検討するさまざまな報告が相次いでいる。日本の現場でも、画像診断の可否を含めどのように対応すべきか議論を進めていくことが重要と考えられる」と考察している。

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COVID-19診療の手引きの第5版を公開/厚生労働省

 5月26日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第5版」を公開した。 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は2020年3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に、第4版は12月4日に公表され、細かい改訂など随時最新の内容に更新されている。 今回の改訂では、前版以降の知見の拡充を行い、とくに血栓対策の治療、投与すべきでない薬剤(ヒドロキシクロロキンなど)の記載、新しく追加承認されたバリシチニブの追加、ファビピラビルの観察研究結果の更新などが反映されている。今回の主な改訂点【病原体・疫学】・変異株について感染性や重篤度、ワクチンへの影響などの情報を更新【臨床像】・剖検の調査による報告を追加・重症化リスク因子に妊娠後期を追加・血栓塞栓症、小児家庭内感染、小児多系統炎症性症候群の国内データを追加【症例定義・診断・届出】・病原体診断を更新(新型コロナウイルス感染症病原体検査の指針・第3.1版に対応)・届出は原則としてHER-SYSを活用することと記載【重症度分類とマネジメント】・中等症IIにおけるネーザルハイフロー・CPAP使用回避の記述を削除・自宅療養者に対して行う治療プロトコールを追加・血栓症対策の治療内容を更新【薬物療法】・投与すべきでない薬剤(ヒドロキシクロロキン、リトナビル)について記載・国内で承認されている医薬品にバリシチニブ(2021年4月23日追加承認)を追加・ファビピラビルの国内での観察研究結果を更新【院内感染対策】・感染者の授乳について更新・ネーザルハイフロー使用時の感染対策を記載【退院基準・解除基準】・懸念される変異株(VOC)感染者も同様の退院基準であることを記載・人工呼吸器などによる治療を行った場合を追加

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新型コロナ変異株感染者の特徴は?/国立国際医療研究センター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の変異株の勢いが止まらない。日々の報道でも変異株の置き換わりについて耳にしない日はなく、早急な対応がなされつつある。そんな状況の中で、臨床の場で疫学的にはどのような動きがあるのだろうか。 国立国際医療研究センターは、国立感染症研究所と共同調査した「新型コロナウイルス感染症(新規変異株)の積極的疫学調査(第1報)」を4月27日開催のメディアセミナーで報告を行った。 セミナーでは、COVID-19の届出がされた24万2,373例のうちゲノム解析で変異株と同定された380例から協力が得られた110例の結果が、大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター長)により報告された。置き換わりの変異株の大多数がVOC-202012/01 本調査は、厚生労働省の協力依頼として行われ、2021年4月15日時点の状況を報告している。調査対象は、「COVID-19の患者」「ゲノム検査で変異株確定者」「COVID-19等情報把握・管理支援システムで報告された患者」「国内の医療機関に入院した患者」の4つの条件をすべて満たす患者で、110例について検討が行われた。 その結果、男性は52例、女性は58例だった。年齢の中央値は42(27-63)歳、年齢分布では10歳未満(18.2%)、30代(16.4%)、40代(15.5%)の順で多かった。 確定したウイルス株の内訳としては、VOC-202012/01(いわゆる英国株)が105例、501Y.V2(いわゆる南アフリカ株)で4例、501Y.V3(いわゆるブラジル株)で1例だった。 BMIの中央値は21.5、曝露歴では家族が47例、職場と保育・教育関連施設がともに14例だった。 発症から初診までの期間の中央値は1(0-3)日、発症から診断までの期間も中央値は2(1-4)日、発症から入院までの期間の中央値は3(2-6)日であり、基礎疾患(高血圧、脂質異常症、肥満など)を有した症例は31症例だった。 入院時の有症状者は91例、主な症状では発熱(44例)、咳嗽(42例)、倦怠感(27例)などがみられ、入院時の画像検査では胸部X線検査所見ありが28例、胸部CT検査所見ありが49例だった。変異株重症化割合は5.5% 治療では、COVID-19への直接治療が40例で行われ、内訳としてステロイド24例、レムデシビル21例、ファビピラビル10例の順で多かった。また、抗血栓・抗凝固療法としては予防目的で13例、治療目的で2例が行われた。酸素投与などでは、鼻カニューレまたはマスクが一番多く21例、ネーザルハイフローが8例、人工呼吸器管理が3例、体外式膜型人工肺(ECMO)装着が1例だった。 ICU治療は5例で、滞在期間中央値は12(8-13)日、予後では自宅退院が98例、死亡が1例だった。 以上から調査対象の大多数がVOC-202012/01であり、年齢層の中心が比較的若年層であったこと、ICUでの治療や人工呼吸器などによる治療を行った重症例6例は、全例がVOC-202012/01であり、重症化割合は約5.5%だったことが説明された。 大曲氏は、今回の調査につき「調査対象が限定的であり、重症化割合に与える影響因子の調整を行っていないなどの理由から、重症化割合が従来株の症例より高いかどうかの結論付けは困難」と考察を述べ、説明を終えた。

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第55回 モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?

<先週の動き>1.モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?2.コロナ重症患者の急増で麻酔薬プロポフォールが供給不安定に3.改正医療法の成立で、救急医の「勤務間インターバル」など義務化4.骨太の方針へ声明「すべての病院に適切な支援を」/日本病院団体協議会5.地域医療構想で病院再編の支援を強化、外来機能報告制度の創設1.モデルナ、AZの新型コロナワクチン承認、その位置付けは?厚生労働省は、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会を21日に開催し、モデルナ製とアストラゼネカ製の新型コロナワクチンについて、製造販売を承認した。接種対象範囲や公的接種とするかどうかなどを検討した結果、モデルナ製ワクチンは公的接種の対象とされる一方で、AZ製ワクチンは海外で接種後にわずかながら血栓症が発症する事例が報告されていることから、現時点では公的接種の対象外となった。今回、審査を簡略化する「特例承認制度」を活用して行われたが、国内治験のため製造承認が遅れ、アメリカに比べると3ヵ月ほど発売までの時間を要した。政府は国産ワクチンの研究開発を後押しする基金を創設し、開発能力の向上を目指すことを明らかにしている。(参考)厚労省 モデルナとアストラゼネカの新型コロナワクチンを特例承認 モデルナ製のみ公的接種の対象(ミクスonline)国産ワクチン開発へ、大学や製薬会社に資金…政府が基金創設の方針(読売新聞)第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料(厚労省)2.コロナ重症患者の急増で麻酔薬プロポフォールが供給不安定に人工呼吸器を必要とする新型コロナ重症患者の増加に伴い、手術患者の鎮静に用いる「プロポフォール」の需要が高まったため、国内の製薬メーカーは今月から出荷調整を行なっている。これに対して厚労省は、14日に事務連絡を発出し、プロポフォール製剤およびその代替薬について、「返品が生じないよう必要量に見合う量のみの購入」「臨床上問題なければ麻酔の維持においては揮発性吸入麻酔薬の使用を考慮」など適正使用を呼び掛けている。(参考)コロナ重症治療の麻酔薬がピンチ 患者急増の影響で (朝日新聞)資料 プロポフォール製剤が安定供給されるまでの対応について(周知依頼)(厚労省)3.改正医療法の成立で、救急医の「勤務間インターバル」など義務化21日に開催された参議院本会議で、医師の働き方改革案が盛り込まれた改正医療法が可決・成立した。これにより、救急医療などを担う医師に一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」や、医師による面接指導による健康確保措置、医師労働時間短縮計画の作成が病院に義務づけられることになった。2024年4月から、医師の時間外労働の上限は原則「年960時間以内」となるが、3次救急医療機関、2次救急医療機関のうち年間救急車受入台数1,000台以上または年間の夜間・休日・時間外入院件数500件以上かつ、医療計画で5疾病5事業確保のために必要と位置付けられた医療機関や在宅医療においては、「年1,860時間」の範囲で規制される。なお、新型コロナウイルスの感染拡大で医療提供体制がひっ迫したことも踏まえて、都道府県が策定する医療計画に、新たに感染症対策を追加し、5疾病6事業として改められる見込み。(参考)勤務医らの働き方改革推進 改正医療法 参院本会議で可決・成立(NHK)改正医療法が成立、医師の健康確保を義務化 病院再編支援なども(CBnewsマネジメント)資料 良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等改正の趣旨の一部を改正する法律案の概要(厚労省)4.骨太の方針へ声明「すべての病院に適切な支援を」/日本病院団体協議会21日、財務省の財政制度等審議会は、社会保障費の伸びを2022年度から3年間、高齢化に伴う患者の分までに抑えるよう求める意見書(建議)を取りまとめており、さらに議論を経て7月に新たな骨太の方針としてまとめられる。中には、診療所の「かかりつけ医」機能の制度化、処方箋を繰り返し利用する「リフィル制度」の導入なども盛り込まれている。これに対し、国立大学附属病院長会議、独立行政法人 国立病院機構、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、全日本病院協会など15団体から構成される「日本病院団体協議会」は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、過去の実績に基づく診療報酬の補填のみでは十分ではなく、すべての病院を支援する対策を求めた。(参考)新型コロナ支援は診療報酬概算払いに、財政審 社保費の伸び引き続き「高齢化分」に(CBnewsマネジメント)民間病院にもっと支援を…コロナ患者受け入れで収入減 減収補填など使途拡大訴え(東京新聞)資料 社会保障改革~新型感染症を踏まえた当面の重点課題~(経済財政諮問会議)資料 経済財政諮問会議等の議論にかかる声明(日本病院団体協議会)5.地域医療構想で病院再編の支援を強化、外来機能報告制度の創設21日に参議院本会議で可決・成立した改正医療法では、地方で進む人口減少や高齢化に備え、必要な病床の数や機能を見直す「地域医療構想」の実現を後押しするため、医療機関の取り組み支援を地域医療介護総合確保基金に位置付けて、国が全額負担する税制優遇措置などを講じることが明らかになった。また、外来医療の機能の明確化・連携を強化するために、一般病床や療養病床を有する医療機関に対し、医療資源を重点的に活用する外来などについて報告を求める「外来機能報告制度」の創設などを行うことになっている。(参考)病院再編の支援恒久化 改正案、国会成立へ(中日新聞)外来機能報告の義務化、遅くとも22年度初めから(CBnewsマネジメント)

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RA系阻害薬は、COVID-19入院患者に継続してよい?

 COVID-19入院患者において、レニン-アンジオテンシン(RA)系阻害薬の継続有無による転帰の差はないことが、米国・ペンシルベニア大学のJordana B. Cohen氏によって明らかにされた。RA系阻害薬は、COVID-19入院患者でも安全に継続できるという。The Lancet. Respiratory Medicine誌2021年3月号の報告。 RA系阻害薬(ACE阻害薬またはARB)の服用は、COVID-19の重症度に影響を与える可能性が示唆されている。世界7ヵ国20の大規模な委託病院において、前向き無作為化非盲検試験REPLACE COVID試験(ClinicalTrials.gov:NCT04338009)を実施し、RA系阻害薬の継続と中止がCOVID-19入院患者の転帰に影響を与えるかどうか、検証した。 2020年3月31日~8月20日の期間、COVID-19で入院し、入院以前にRA系阻害薬を服用していた18歳以上の152例を登録し、RA系阻害薬による治療の継続群または中止群のいずれかにランダムに割り付けた(継続群75例、中止群77例)。主要評価項目は、4項目(死亡までの期間、人工呼吸器の持続時間、腎代替療法または昇圧剤療法の時間、および入院中の多臓器不全)のランク付けによる総合ランクスコア。intention-to-treat集団にて、1次分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・試験対象は、平均年齢62歳(SD12)、女性45%、平均BMI 33kg/m2(SD8)で、52%は糖尿病患者だった。・RA系阻害薬中止群と比較して、継続群は総合ランクスコアに影響を与えなかった(継続群:ランクスコア中央値73[IQR:40~110]、中止群:81[38~117]、β係数8[95%CI:-13~29])。・中止群の77例中14例(18%)に対して、継続群の75例中16例(21%)が集中治療室での治療または侵襲的人工呼吸を必要とした。・中止群の77例中10例(13%)に対して、継続群の75例中11例(15%)が死亡した。・中止群の28例(36%)と継続群の29例(39%)に、少なくとも1件の有害事象(各治療群間における有害事象のカイ二乗検定 p=0.77)があった。・フォローアップ中、2群間の血圧値、血清カリウム値、血清クレアチニン値に差は認められなかった。

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AIが探索したCOVID-19の治療薬/日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による肺炎に対する治療薬として、適応追加承認を取得した経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤バリシチニブ(商品名:オルミエント)に関するプレスセミナーを開催した。バリシチニブは関節リウマチ、アトピー性皮膚炎の治療薬として承認されている薬剤。 今回のセミナーでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への適応拡大で行われた臨床試験の経過、使用上の詳細について説明が行われた。COVID-19のサイトカインストームを抑えるバリシチニブ はじめに齋藤 翔氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター 総合感染症科)が、「新型コロナウイルス感染症の病態、治療の現状と課題 JAK阻害剤の臨床的位置づけ」をテーマに、バリシチニブの臨床的な位置付けや使用上の注意点などを説明した。 COVID-19の病態はすでに広く知られているようにウイルス応答期と宿主炎症反応期に分けられる。そして、治療では、軽症から中等症では抗ウイルス薬のレムデシビルが使用され、病態の進行によっては抗炎症治療薬のデキサメタゾンが併用されているが、今回追加適応されたバリシチニブは中等症以上で顕著にみられるサイトカインストームへの治療として期待されている。 バシリニブの適応追加では、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)主導によるACTT試験が行われた。特にACTT-2試験は、他施設共同・アダプティブ・無作為化・二重盲検・プラセボ対照・並行群間比較検証試験で実施され、COVID-19と診断された成人入院患者を対象にバリシチニブとレムデシビル群(n=515)とプラセボとレムデシビル群(n=518)を比較し、有効性および安全性を評価した。その結果、有効性として回復までの期間はバリシチニブ群で7日に対し、プラセボ群で8日だった(ハザード比[95%CI]:1.15[1.00-1.31] p=0.047)。また、無作為化後14日時点の死亡率では、バリシチニブ群で8例に対し、プラセボ群で15例だった(ハザード比[95%CI]:0.55[0.23-1.29])。 安全性では、グレード3(高度)または4(生命を脅かす可能性のある事象)の有害事象はバリシチニブ群で41%、プラセボ群で47%であり、重篤な有害事象ではバリシチニブ群で15%、プラセボ群で20%だった。また、死亡に至った有害事象はバリシチニブ群で4%、プラセボ群で6%だった。 次に使用上の注意点として禁忌事項に触れ、「結核患者」、「妊婦または妊娠の可能性のある女性」、「敗血症患者」、「透析患者」などへは事前の問診、検査をしっかり実施して治療に臨んでもらいたいと説明した。AIが探索したバリシチニブの可能性 次に「オルミエント錠、SARS-CoV-2による肺炎への適応追加承認と適正使用について」をテーマに吉川 彰一氏(日本イーライリリー株式会社 バイスプレジデント・執行役員/研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部)が適応承認までの道程と適正使用について説明した。 もともと本剤は関節リウマチ、アトピー性皮膚炎の治療薬として使用されていたが、COVID-19の流行とともに治療薬の探索が急がれていた。その中で「Benevolent AI社が、バリシチニブがCOVID-19の治療薬になる可能性があるとLancetに発表1)、この報告後、in vitroでの薬理作用が確認され、2020年5月にACTT試験が開始された」と語った。 作用機序は、COVID-19による急性呼吸窮迫症候群について、JAK-STATサイトカインシグナル伝達を阻害することで、増加したサイトカイン濃度を低下させ、抗炎症作用を示すという。 追加された効能は、SARS-CoV-2による肺炎(ただし酸素吸入を要する患者に限る)。用法および用量は、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブ4mgを1日1回経口投与し、総投与期間は14日間。本剤は、酸素吸入、人工呼吸管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うものとされている。また、経口投与が困難な場合、懸濁させた上で経口、胃瘻、経鼻または経口胃管での投与も考慮できるとしている。 最後に吉川氏は同社の使命である「『世界中の人々のより豊かな人生のため、革新的医薬品に思いやりを込めて』を実現し、患者の豊かな人生へ貢献していきたい」と語り講演を終えた。●参考文献1)Richardson P, et al. Lancet. 2020;395:e30-e31.

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トシリズマブ、重症COVID-19肺炎患者の生存率改善/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による重症肺炎で入院した患者の治療において、IL-6受容体モノクローナル抗体のトシリズマブ(商品名:アテムクラ)を投与することで臨床状態が改善し、28日以内の退院率が向上する、という結果が報告された。無作為化非盲検対照プラットフォーム試験「RECOVERY」によるもので、Lancet誌2021年5月1日号に掲載された。ただし、別の研究においては、トシリズマブは臨床状態改善や死亡率低下に寄与しないとの結果も報告されており、今後の詳細な分析とさらなる試験結果が待たれる。 2020年4月23日~2021年1月24日の間に、RECOVERY試験に登録された2万1,550例のCOVID-19患者のうち、低酸素状態(空気中の酸素飽和度が92%未満、または要酸素療法)かつ全身性炎症(C反応性タンパク質[CRP]が75mg/L以上)が認められた成人患者4,116例を対象とし、トシリズマブ群と標準治療群に1対1で無作為に割り付けた。 ベースライン時点で、4,116例中562例(14%)が侵襲的人工呼吸器を装着し、1,686例(41%)が非侵襲的呼吸サポート(高流量経鼻酸素、CPAP、非侵襲的換気を含む)を受けており、1,868例(45%)が単純酸素吸入だけを受けていた。 CRPの中央値は143(IQR:107~204)mg/Lで、3,385例(82%)の患者が全身性コルチコステロイドを投与されていた。主要評価項目は28日後の全死亡率、 副次評価項目は退院日数、およびベースライン時点で侵襲的人工呼吸器未装着だった患者の人工呼吸器装着または死亡だった。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は63.6(SD:13.6)歳であった。・無作為化後28日以内に死亡したのはトシリズマブ群2,022例中621例(31%)、標準治療群2,094例中729例(35%)だった。(発生率比:0.85、95%CI:0.76~0.94、p=0.0028)。・トシリズマブ群は、標準治療群に比べて28日以内の退院率が高かった(57%対50%、発生率比:1.22、95%CI:1.12~1.33、p<0.0001)。・ベースライン時点で侵襲的人工呼吸器未装着の患者において、トシリズマブ群では人工呼吸器装着または死亡という複合エンドポイントに到達する可能性が低かった(35%対42%、リスク比:0.84、95%CI:0.77~0.92、p<0.0001)。・全身性コルチコステロイド投与患者を含む、事前に規定されたすべてのサブグループで一貫した結果が得られた。

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新型コロナ感染症に対する回復期血漿療法は無効(解説:山口佳寿博氏)-1384

 2021年2月11日の本サイト論評で新型コロナ感染症に対する回復期血漿療法の意義・有効性を2021年1月までに発表された論文をもとに中間報告した。しかしながら、2月から3月にかけて回復期血漿療法に関する重要な論文が相次いで発表され、本療法に対する世界的評価が定まった感がある。それ故、本論評では、回復期血漿療法を再度とり上げ、本療法が新型コロナ感染症におけるウイルス増殖の抑制、感染後の重症化阻止に対して有用であるか否かを再度議論するものとする。 本論評でとり上げたJaniaudらの論文(Janiaud P,et al. JAMA. 2021 Mar 23;325:1185-1195.)は、回復期血漿療法に関するメタ解析の結果を報告したもので、2021年1月29日までに報告された10個のランダム化対照試験(RCT)を解析対象とし、観察研究は除外された。RCTは、インド、アルゼンチン、バ-レ-ン、中国、オランダ、スペイン、英国で施行されたものを含む。これらの対象論文には4個の査読終了後の正式論文に加えPress releaseを含む6個の非査読論文が含まれる。4個の正式論文における総対象者数は1,060例(回復期血漿群:595例、対照群:465例)であった。非査読論文にあって最大のものは英国のRECOVERY Trial(Randomized Evaluation of COVID-19 therapy)で総対象者数は11,558例(回復期血漿群:5,795例、対照群:5,763例)であり、他の5個の非査読論文の総対象者数は316例(回復期血漿群:155例、対照群:161例)であった。すなわち、Janiaudらのメタ解析の対象者の89%はRECOVERY Trialに登録された症例であり、その解析結果はRECOVERY Trialの結果によって決定されたものと考えなければならない。それ故、本論評では、2021年3月10日に非査読論文としてmedRxivに掲載されたRECOVERY Trialの結果について解説する(The RECOVERY Collaborative Group. medRxiv.)。 RECOVERY Trialは、英国177の医療施設で施行されている非盲検RCTであり、現在までに、デキサメタゾン、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル、アジスロマイシン、トシリズマブに関する治験結果を報告している。RECOVERY Trialで使用された回復期血漿は、ELISA法によりS蛋白特異抗体が高くウイルスに対する中和抗体価が100倍以上の高力価のものであり、ランダム化から出来る限り早期に投与された(初回:137.5mL、2回目:初回より少なくとも12時間あけて翌日に137.5mLを投与)。対象者の8%で酸素投与なし、87%で酸素投与のみ、5%で侵襲的人工呼吸管理が導入されていた。すなわち、対象者の大部分はWHO分類による非重篤患者であった(WHO COVID-19 Clinical management (Ver.1.4) , 2021年1月25日)。Primary outcomeとして、ランダム化から28日目までの死亡率、Secondary outcomesとして、入院期間、ランダム化以降にECMOを含む侵襲的補助呼吸管理あるいは腎/腹膜透析が導入された症例の割合が評価された。興味深いPost-hoc analysisとして、従来株(D614G株)と英国変異株(B.1.1.7)に対する回復期血漿の効果が検討された。従来株感染者は、2020年12月1日までにランダム化された症例、英国株感染者は、それ以降にランダム化された症例と仮定された。 ランダム化から28日目における死亡率は、回復期血漿群、対照群で共に24%であり全く同一であった(Primary outcome)。従来株感染者と英国変異株感染者の死亡率も回復期血漿群と対照群で有意差を認めなかった(Post-hoc analysis)。すなわち、ウイルスの種類によらず回復期血漿療法は無効で新型コロナ感染症患者の死亡を抑制しなかった。Secondary outcomesの評価項目でも両群間で有意差を認めた指標は存在しなかった。以上の結果は、年齢、性、症状持続期間、対象患者のランダム化時のS蛋白に対するIgG抗体価、基礎治療としてのステロイド投与の有無、ランダム化時の呼吸管理の差異などの背景因子を補正しても変化せず、回復期血漿療法の臨床的有効性を全面的に否定するものであった。RECOVERY Trial以上の大規模試験を施行することは不可能、かつ、無意味であり、回復期血漿療法に関する最終結論として、本療法は無効と判断すべきである。 この大規模RECOVERY Trialの結果を受け、世界各国での回復期血漿療法に関する多くの治験は中止されつつある。RECOVERY TrialのPress releaseを受け、2021年2月4日、米国FDAは回復期血漿療法の適用を厳密化し、それを施行するにあたり以下の点を遵守することを臨床現場に要請した(New York Times, 2021年3月22日);(1) S蛋白に対する高力価の抗体を有する血漿のみを使用すること、(2) 主たる対象は免疫不全を有する感染者に限定すること、(3) 免疫不全を認めない感染者に対しては感染早期の投与のみに限定すること。本邦にあっては、回復期血漿療法は保険適用外治療として去年の早い段階で承認されているが、RECOVERY Trialを中心とした世界の趨勢を鑑み、その適用に関し早急に見直す必要がある。2021年4月2日、武田薬品工業は、新型コロナ感染症患者血漿から精製した高濃度免疫グロブリン製剤(CoVIg-19 Plasma Alliance)の第III相ITAC試験(二重盲検化RCT)の結果をPress releaseで公表した(ミクスonline, 2021年4月5日)。ITAC試験は、世界10ヵ国、63施設が参加して施行されたものであり、発症12日以内の新型コロナ感染症患者600例が対象として登録された。治験計画として、抗ウイルス薬レムデシビルにCoVIg-19 Plasma Allianceを追加したレジメンが新型コロナ感染症の制御に有効であるかどうかが解析された。残念なことに、上記のレジメンの有効性は証明されず、ITAC試験の結果はRECOVERY Trialの結論を支持するものであった。 最後に、回復期血漿療法がまったく無意味な治療法であるかどうかについて考察してみたい。この考察のために、S蛋白に対するIgG monoclonal抗体であるCasirivimabとImdevimabの抗体カクテル(REGN-COV)に関する最新の第III相治験結果(REGN-2069 Trial)を紹介したい(Roche. Media & Investor Release, 2021年4月12日)。REGN-2069 Trialは、IgG monoclonal抗体カクテルREGN-COVの皮下投与が新型コロナ感染症患者との濃厚接触に起因する家族内感染リスクを81%、無症候性感染から有症候性感染への移行リスクを31%軽減させることを示した。回復期血漿療法はS蛋白を標的としたPolyclonal抗体治療と考えることができるので、家族内感染に関してREGN-COVカクテルと同様の効果を発揮する可能性がある。その意味で、新たな治験が必要ではあるが、回復期血漿療法を家族内感染に対する予防法の1つとして位置付けることが可能ではないかと論評者は考えている。しかしながら、REGN-COVカクテルは皮下投与で外来治療ができる簡便な方法であるのに対し、回復期血漿は入院で点滴投与が必要であり実際面で非常に制限が多く、REGN-COVカクテル療法を凌駕する方法ではないことを忘れてはならない。

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ケアネットDVD 2021年6月以降のお取り扱い商品につきまして【2024年3月14日 更新】

DVDインデックスページへ戻る日頃よりケアネットDVDをご愛顧いただきありがとうございます。このたび弊社では、ケアネットDVDの個人向けの販売方法を変更する運びとなりました。2021年6月以降につきましては、Amazon.co.jpにて販売させていただきます。なお、一部商品につきましてはDVD販売が終了となるものもございますので、詳細は下記をご参照ください。DVD販売が終了した商品も、臨床医学チャンネル『CareNeTV』にて引き続きオンデマンド配信(有料)を行っておりますので、こちらをぜひご利用ください。今後ともCareNeTV、ケアネットDVDをご愛顧のほどお願い申し上げます。本件に関する問い合わせは、お問い合わせフォーム までお願いいたします。※下記の一覧は、2024年3月14日時点のものです。※販売を継続するタイトル一覧にある商品でも、弊社の在庫がなくなりしだい販売終了となる場合がございます。何卒ご了承ください。販売を継続するタイトル  販売を終了するタイトル販売を継続するタイトルCND0002 平本式 皮膚科虎の巻<上巻>CND0003 平本式 皮膚科虎の巻<下巻>CND0008 Dr.東田の今さら聞けない病態生理<上巻>CND0009 Dr.東田の今さら聞けない病態生理<下巻>CND0010 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第1巻>CND0011 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第2巻>CND0012 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第3巻>CND0013 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第4巻>CND0014 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第5巻>CND0015 明解!Dr.浅岡の楽しく漢方 <第6巻>CND0019 チャレンジ!超音波走査<上巻>CND0020 チャレンジ!超音波走査<下巻>CND0028 マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<上巻>CND0030 マッシー池田の神経内科快刀乱麻!<下巻>CND0033 骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科<下巻>CND0039 Dr.林の笑劇的救急問答 1 <上巻>CND0044 もう迷わない!好きになる心電図<下巻>CND0045 Dr.岩田の感染症アップグレード<第1巻>CND0046 Dr.岩田の感染症アップグレード<第2巻>CND0047 Dr.岩田の感染症アップグレード<第3巻>CND0048 Dr.岩田の感染症アップグレード<第4巻>CND0049 Dr.さわやまの心音道場<上巻>CND0052 Step By Step!初期診療アプローチ<第1巻>/疼痛(前編)CND0053 Step By Step!初期診療アプローチ<第2巻>/疼痛(後編)CND0054 Dr.古谷の実践!ザ・診察教室<上巻>CND0055 Dr.古谷の実践!ザ・診察教室<下巻>CND0056 Dr.林の笑劇的救急問答 2 <上巻>CND0057 Dr.林の笑劇的救急問答 2 <下巻>CND0058 Dr.林の笑劇的救急問答 3 <上巻>CND0059 Dr.林の笑劇的救急問答 3 <下巻>CND0060 "の"の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則<第1巻>CND0061 "の"の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則<第2巻>CND0063 mの字走査法で出来る!乳腺超音波手技大原則CND0064 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第1巻>CND0065 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第2巻>CND0066 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第3巻>CND0067 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第4巻>CND0068 Dr.浅岡のもっと楽しく漢方!<第5巻>CND0071 Step By Step!初期診療アプローチ<第3巻>/神経(前編)CND0072 Step By Step!初期診療アプローチ<第4巻>/神経(後編)CND0082 Dr.夏井の創傷治療大革命CND0088 Dr.岸本の関節ワザ大全<第1巻>CND0089 Dr.岸本の関節ワザ大全<第2巻>CND0090 Dr.岸本の関節ワザ大全<第3巻>CND0101 Dr.須藤のやりなおし輸液塾<上巻>CND0102 Dr.須藤のやりなおし輸液塾<下巻>CND0103 Step By Step!初期診療アプローチ<第5巻>/呼吸器CND0104 Step By Step!初期診療アプローチ<第6巻>/消化器CND0105 Dr.林の笑劇的救急問答 4 <上巻>CND0106 Dr.林の笑劇的救急問答 4 <下巻>CND0107 Dr.鈴木の眼底検査完全マスターCND0114 内科医のための精神科的対応“自由自在”<上巻>CND0115 内科医のための精神科的対応“自由自在”<下巻>CND0123 Step By Step!初期診療アプローチ<第7巻>/マイナー症候CND0129 Dr.林の笑劇的救急問答 5 <上巻>CND0130 Dr.林の笑劇的救急問答 5 <下巻>CND0134 出直し看護塾<第1巻>CND0135 出直し看護塾<第2巻>CND0140 Dr.坂根のなるほど!納得!ダイエット!CND0143 ワクワク ! 臨床英会話<上巻>CND0144 ワクワク ! 臨床英会話<下巻>CND0150 Dr.林の笑劇的救急問答 6 <上巻>CND0151 Dr.林の笑劇的救急問答 6 <下巻>CND0154 聖路加GENERAL 【心療内科】CND0155 聖路加GENERAL 【神経内科】CND0156 聖路加GENERAL 【がん検診】CND0157 聖路加GENERAL 【一般診療に役立つ腫瘍内科学】CND0158 聖路加GENERAL 【内分泌疾患】<上巻>CND0159 聖路加GENERAL 【内分泌疾患】<下巻>CND0161 人のハいで読める! 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骨形成不全症〔Osteogenesis imperfecta〕

1 疾患概要■ 概念・定義骨形成不全症は先天的に骨が脆弱な疾患である。易骨折性や骨の変形といった症状が特徴的であり、そのほか青色強膜や歯牙形成不全、伝音性難聴、低身長などを認めることがある。遺伝性疾患であり、いずれも1型コラーゲンの異常による結合組織の症状である。骨形成不全症は、胎児期から骨の変形が著明で出生後に死亡する重症型と、出生後に易骨折性や低身長などで診断される軽症型の大きく2つに分かれるが、実際には症状は非常に多彩であり両者には連続性がある。■ 疫学有病率は最近の集団研究から約1万人に1人と言われている。ただし、最重症例の新生児早期死亡例から、歯牙の異常のみの軽症例、あるいは無症状の人まで多様に存在するので、真の発生頻度はわからないところがある。■ 病因結合組織の主要な成分である1型コラーゲン分子の異常によって発症する。90%以上が1型コラーゲンの遺伝子変異(COL1A1、 COL1A2)が原因であるが、近年それ以外の複数の遺伝異常が原因となっている骨形成不全症がみつかっている。■ 症状骨形成不全症は、症状やX線所見、自然歴などから4つの型に分類される(Sillence分類)。出生直後に死亡したり、重度の骨格変形を来す2型は、出生時にはすべての症状が明らかである。胎齢に比べて体重も身長も小さく、頭蓋骨は軟らかい。眼瞼強膜は濃い青色で、結合組織は非常に脆弱である。四肢は短く彎曲している。肋骨も多発骨折によりベル状に変形していて、呼吸不全を呈することが多い。これまでは罹患児の半数以上が出生当日に、80%が1週間以内に死亡し、1年を超えて生存する例は少ないと言われてきたが、近年の人工呼吸管理の進歩のより予後はすこしずつ改善している。2型の中で太い長管骨と細い肋骨を示す2B型は、症状のやや軽い3型と連続的なスペクトラムをもつ疾患である。2B~3型では、肋骨骨折の重症度によって生後数週間または数ヵ月で呼吸不全によって死亡となるが、この期間を生き残った児も骨の脆弱性と顕著な骨変形のため将来的にも車いすなどに頼らなければならない。徐々に骨変形が進むために成長は遅れ、成人身長が1m未満ということもめずらしくない。脳内出血といった合併症がない限り知的には正常である。1型および4型のほとんどは出生時に所見を認めず、成長にともなってさまざまな症状を呈するものである。青色強膜を認めるものを1型、認めないものを4型とするが、判定困難な例も多い。また、乳幼児期には明らかであっても、成長にともない軽減する例もあって、その有無の判定には慎重にならなければならない。1型および4型は正常な身長と易骨折性によって特徴付けられる。最初の骨折は出生後のおむつの交換で起ったり、あるいは乳児期に歩行転倒したときに起こるときもある。骨折は一般的に年に1〜数回の割合で起こり、思春期以降になると頻度が減少する。骨折は一般に変形なしで正常に治癒する。関節の過可動性を認め、変形性関節疾患を早期に発症することがある。難聴は小児期から発症し、成人の半数近くに認められる。中耳骨の骨折による拘縮および瘢痕化によって起こるとされ、基本的には伝音性難聴であるが、年齢とともに混合性難聴となっていく。■ 予後2型では一般に生命予後は良好ではなく、1歳までの間に多くがさまざまな原因で亡くなる。3型では重症度によるが、一部の患者(児)は成長して成人までいたるが、骨の短縮変形のために運動機能は不良である。また、重度の側弯症となると拘束性肺疾患による心不全が余命を短縮させる可能性がある。1型あるいは4型では平均寿命は正常と変わらない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)骨形成不全症の診断は骨X線所見が基本である。出生時から症状を呈する2型、3型では、長管骨、肋骨とも多数の骨折のため著しい変形を来しており、胸骨もベル型になっている。頭蓋冠の骨化はほとんど認めない。1型、4型では長管骨はovermodelingのために細く軽く彎曲している。頭蓋骨に特徴的なWormian boneを認めることがある。ただし、1型、4型の表現型は非常に幅広く、ほとんど症状がないこともめずらしくない。小児慢性特定疾患や指定難病の申請のための診断基準が定められている。表の項目の中で、除外項目を除いた上で、Aの症状が認められれば診断される。Bのうちのいくつかの症状を伴っていることが多く、Cのいずれかを認めることが診断の参考になる。診断に苦慮する症例では遺伝子診断を行う。表1 骨形成不全症の診断基準(指定難病)画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)内科的治療と外科的治療に大きく分けられる。■ 内科的治療骨強度を増加させる治療としては骨吸収の抑制と骨形成の促進がある。骨吸収抑制作用をもつ代表的な薬剤としては、ビスホスホネート製剤であるパミドロン酸がある。骨折回数の減少、骨密度の増加、骨痛の改善などが認められている。また、椎体の圧迫骨折を減らし、側弯症の進行を遅くさせるが、発熱や低カルシウム血症などの副作用がある。現在、わが国で小児の骨形成不全症に対して保険適応があるのはパミドロン酸のみである。そのほかの治療薬としては、骨吸収抑制の作用がある抗RANKL抗体(denosumab)、骨形成促進作用があるテリパラチド(TPTD)、抗sclerostin抗体(romosozumab、 sestrusumab)などがあるが、ランダム化比較試験(RCT)によって効果が示されておらず、いまだ研究段階といえる。■ 外科的治療骨折したときの一般的な観血的骨整復術のほか、四肢変形に対する骨切り術、長管骨の骨折変形予防を目的とした髄内釘挿入などが行われる。長管骨の易骨折性・変形に対する手術治療は、繰り返す骨折、歩行や装具装着の妨げになる変形がある場合に適応となり、矯正骨切り・髄内釘治療が主に行われている。骨成熟までの期間が長い小児の場合には、伸張性の髄内釘を用いることで髄内釘を入れ替える間隔を長くすることができる4 今後の展望先に述べたように骨形成不全症の原因の90%は1型コラーゲン遺伝子(COL1A1、 COL1A2)の異常であるが、残り10%の原因として20種類を超える遺伝子が報告されているのが最近のトピックスである。1型コラーゲン遺伝子異常による骨形成不全症は常染色体優性であるが、10%のさまざまな遺伝子異常による場合は常染色体劣性の遺伝形式をとる。これらの遺伝子異常による骨形成不全症は、ほとんどが2B型の表現型をとることが知られている。産科的には同胞再発に注意する必要がある。骨形成不全症の病態解析や新薬の開発などは現在活発に行われており、今後の発展が期待される。5 主たる診療科産科、小児科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター 骨形成不全症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 骨形成不全症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報NPO法人骨形成不全症協会ホームページ(患者とその家族および支援者の会)骨形成不全友の会(患者とその家族および支援者の会)1)市橋洋輔ほか.小児科臨床. 2020;73:660-663.2)大園恵一. 新薬と臨床. 2018;67:75-80.3)田中弘之ほか. 日本小児科学会雑誌. 2006;110:1468-1471.公開履歴初回2021年5月6日

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添付文書改訂:オルミエント錠に新型コロナ肺炎追加/イグザレルトがDOACで初の小児適応追加/オキシコンチンTR錠に慢性疼痛追加【下平博士のDIノート】第73回

オルミエント錠に新型コロナ肺炎の適応追加<対象薬剤>バリシチニブ錠(商品名:オルミエント錠2mg/4mg、製造販売元:日本イーライリリー)<承認年月>2021年4月<改訂項目>[追加]効能または効果SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)<Shimo's eyes>ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬バリシチニブ(商品名:オルミエント錠)の効能または効果に、新型コロナウイルスによる肺炎が追加されました。わが国では、レムデシビル、デキサメタゾンに続いて3剤目の新型コロナウイルス感染症治療薬となります。現在、新型コロナウイルス感染症に係る入院加療は全額公費負担となっており、本剤もその対象となります。投与対象は、入院下で酸素吸入、人工呼吸管理、体外式膜型人工肺(ECMO)の導入が必要な中等症から重症の患者で、レムデシビルとの併用で最長14日間投与することができます。経口投与ができない患者には、同剤を粉砕・懸濁して、胃ろうや経鼻移管などの方法で投与します。使用にあたっては、RMP資材である、「適正使用ガイド SARS-CoV-2による肺炎」を参照してください。バリシチニブの主な排泄経路は腎臓のため、透析患者または末期腎不全の患者は禁忌です。また、リンパ球数が200/mm3未満の患者にも禁忌となっています。治療成績としては、1,033人の患者が登録された国際共同第III相試験で回復までの期間を比較した結果、バリシチニブ+レムデシビルの併用群(バリシチニブ群)は7日、レムデシビル単独群(対照群)は8日と有意差がありました。また、重症患者216人に絞って評価したところ、回復までの期間は、バリシチニブ群で10日、対照群は18日とより大きな差が見られました。なお、本剤は2020年12月にアトピー性皮膚炎の追加適応も得ています。参考日本イーライリリー プレスリリースイグザレルトがDOACで初の小児適応追加<対象薬剤>リバーロキサバン(商品名:イグザレルト錠・OD錠・細粒分包10mg/15mg、製造販売元:バイエル薬品)<改訂年月>2021年1月<改訂項目>[追加]効能または効果小児:静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制<Shimo's eyes>抗凝固薬のリバーロキサバン(商品名:イグザレルト錠・OD錠・細粒分包)の効能または効果に、小児に対する「静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制」が追加され、小児適応を持つ唯一の直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)となりました。また、新生児や乳幼児の服用にも適した剤型であるドライシロップ(同:イグザレルトドライシロップ小児用51.7mg/103.4mg)も承認されました。本剤は、エドキサバン(同:リクシアナ錠・OD錠)、アピキサバン(同:エリキュース錠)とともに経口活性化凝固第Xa因子阻害薬に分類されます。血液凝固系におけるXa因子の活性化部位を直接的に阻害することで、トロンビンの生成を阻害して抗凝固作用を発揮します。近年の疾患に関する認知や診断技術の向上により、静脈血栓塞栓症(VTE)と診断される小児患者数は増加しています。小児における従来のVTE治療では、ワルファリンのみが適応を持っていたため、採血による定期的な凝固系のモニタリングだけでなく、薬物相互作用や食事など多方面で配慮が必要でしたが、本剤の適応追加により、患児および介助者の負担を軽減できることが期待されています。参考バイエル薬品 プレスリリース同 イグザレルト.jp 小児:静脈血栓塞栓症の治療および再発抑制(小児VTE)オキシコンチンTR錠の適応に慢性疼痛<対象薬剤>オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠(商品名:オキシコンチンTR錠5mg/10mg/20mg/40mg、製造販売元:シオノギファーマ)<改訂年月>2020年10月<改訂項目>[追加]警告慢性疼痛に対しては、本剤は、慢性疼痛の診断、治療に精通した医師のみが処方・使用するとともに、本剤のリスクなどについても十分に管理・説明できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ用いること。また、それら薬局においては、調剤前に当該医師・医療機関を確認したうえで調剤を行うこと。[追加]効能・効果非オピオイド鎮痛薬またはほかのオピオイド鎮痛薬で治療困難な中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛[追加]用法・用量慢性疼痛に用いる場合:通常、成人にはオキシコドン塩酸塩(無水物)として1日10~60mgを2回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。<Shimo's eyes>オピオイド鎮痛薬のオキシコドン塩酸塩水和物徐放錠(商品名:オキシコンチンTR錠)の効能・効果に、慢性疼痛が追加されました。本剤は容易に砕けない硬さと、水分を含むとゲル化するという乱用防止特性を有する徐放性製剤です。本剤は、依存や不適正使用につながる潜在的なリスクがあるため、今回の適応追加に際しては、医薬品リスク管理計画を策定して適切に実施するなどの承認条件が付され、医療機関・医師・薬剤師による厳重な管理が求められています。【オキシコンチンTR錠を慢性疼痛で使用する際の確認事項】<処方する医師>1.製造販売業者が提供するeラーニングを受講し、確認テストに合格し、確認書をダウンロードする。2.処方時に確認書の内容を患者に説明し、医師・患者ともに署名をして確認書を患者に交付する。3.確認書の控えを医療機関で保管する。<調剤する薬剤師>1.患者が持参した麻薬処方箋と確認書について、処方医名、施設名、交付日が一致していることを確認する。なお、患者が確認書を持参しておらず、がん疼痛か慢性疼痛か判断できない場合は、処方医に患者の適応を問い合わせる。2.確認書の患者確認事項を説明し、患者の理解を確認し、確認書にチェックを入れ、調剤する。近年、がん患者だけでなく、非がん患者の痛みに関する身体的症状と精神症状のケアが課題となっています。このような背景から、非がん性疼痛に適応を持つオピオイド鎮痛薬が増えてきました。すでに、トラマドール、コデインリン酸塩、ブプレノルフィン貼付薬、モルヒネ塩酸塩、フェンタニル貼付薬がありますが、今回、オキシコドン製剤として初めて本剤が慢性疼痛への適応を取得しました。参考PMDA「オキシコドン塩酸塩水和物徐放製剤の使用に当たっての留意事項について」同「確認書を用いた管理体制の全体図」シオノギ製薬「オキシコンチンTR錠で慢性疼痛の治療を受けられる患者さまへ」

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第55回 コロナで“焼け太り”病院続出? 厚労省通知、財務省資料から見えてくるもの(前編)

奈良県、感染症法で50床確保へこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。ゴールデンウイークがやって来ます。私は、去年に断念した南会津の登山を計画していたのですが、再びの4都府県に対する緊急事態宣言で都道府県をまたぐ不要不急の移動の抑制が求められたことで、今年もどうやら行けそうにありません。「緊急事態宣言 3度目発令」を報じた4月24日付の日本経済新聞は朝刊一面で、論説委員が「1年間何をしていたのか」と国の医療提供体制の施策を厳しく批判していましたが、本当に1年間何をしていたのでしょう。今回の宣言発令でも、国の真剣さが感じられないのが気になります。「オリンピック止めます。だから…」くらいは言ってほしかった、と思う今日このごろです。前回(第54回 なぜ奈良県で?「県内全75病院に病床確保要請」をうがった見方をしてみれば…)で書いた奈良県の改正感染症法に基づく病床確保要請ですが、4月23日付の毎日新聞によれば、約15病院で計50数床確保できる見通しになった、とのことです。感染症法にも相応の効果があったということで、こうした要請は他の都道府県にも広がるかもしれません。さて、今回は厚労省が都道府県知事宛に発出していた通知について書いてみたいと思います。最近、複数の医療関係者と話していると、補助金がらみのややきな臭い話を聞くことがあります。曰く、「某大学病院はコロナの補助金で過去最高益になったらしい」「コロナ患者を受け入れていないのに、コロナで焼け太りしている病院がある」…。世の中、コロナ対応で医療現場は崩壊寸前という趣旨の報道が大半です。1年ほど前は、医療機関の患者が激減し、経営が大変だという報道もありました。しかし、ここに来て、あまり「経営が大変だ」という声が聞こえなくなってきたところに、この手の話です。現場は大変ですが、経営は良好なのでしょうか…。と首を傾げていたら、こんな厚労省通知に関する報道がありました。コロナ患者受け入れへ聴取、医療機関の状況確認へ4月20日付の産経新聞は、「コロナ患者受け入れへ聴取 医療機関の状況確認へ 厚労省が通知」という記事を掲載しました。それによれば、「厚生労働省が、正当な理由なく新型コロナウイルス感染症患者の入院を断っている医療機関に対し聴取を行い、受け入れを要請するよう求める通知を各都道府県に出したことが20日、分かった」とのことです。通知が発出されているのに「分かった」というのも変な話ですが、「感染拡大地域で病床が逼迫する中、すぐに受け入れが可能な『即応病床』を確保するのが狙い」と記事は書いています。なお、後追いする形で朝日新聞も4月23日付の朝刊で同内容の記事を掲載しています。今回取り上げられたのは、いったいどの通知だろうと調べてみました。コロナ関係の通知はそれこそ膨大にあるのと、通知したい内容とタイトルが微妙にズレているので、なかなか見つけ出すのが大変です。受け入れ困難と判断した場合は即応病床数見直しそんな中、多分、これだろうという通知が見つかりました。それは、2021年4月1日付けで、厚生労働省の医政局長 、健康局長、医薬・生活衛生局長連名で発せられた「令和3年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施について」です。内容的にはコロナ対策の支援事業の実施の概要を通知するものです。その中の病床確保料の補助対象について記述した部分がニュースになっていたのです。1日に発出され、20日に「分かった」と報道されたのは、記者たちは最初その意味が把握できなかったのかもしれません。「コロナ患者受け入れへ聴取、医療機関の状況確認対象」となる医療機関は、病床確保料の補助対象となる新型コロナウイルス感染症患者等入院医療機関です。具体的には、病棟単位で新型コロナ感染症患者、または、その疑いのある患者用の病床を確保している「重点医療機関」と、新型コロナ感染症の疑いのある患者専用の個室を持っている「協力医療機関」とのことです。通知では、各都道府県に対し、医療機関の稼働状況、病床や医療スタッフの状況、人工呼吸器などの医療機器の確保状況を一元的に把握する情報システム「G-MIS(ジーミス)」などを使って、患者の受け入れ状況を確認するよう求めています。その上でさらに、「適切に受入れを行っていない」「受入要請を正当な理由なく断っている」などの場合は、受け入れ体制について聴取し、受け入れるよう要請する。聴取の結果、受け入れるのが困難と判断した場合は、その医療機関の即応病床数(つまり、病床確保料の補助)を見直すと明記しています。厚労省によると、4月7日時点で全国に重点医療機関は1,058機関、協力医療機関は986機関あるとのことです。「手を挙げても受け入れない」病院の存在この通知の意味するところは明らかです。「コロナ病床確保します」と手を挙げて確保料をもらいながら、コロナ患者を受け入れていない病院が存在する、ということです。病床確保料の補助を見直す通知をわざわざ出すということは、そうした病院が相当数あるからでしょう。この連載でも、これまでに進まないコロナ患者受け入れ体制の原因として、コロナ受け入れに手を挙げない民間病院の消極性について書いてきましたが、「手を挙げても受け入れない」病院があるとは…。まさにコロナで“焼け太り”病院です。1床当たり最高1日43万6,000円現在、コロナ病床に対する診療報酬上の対応や国の補助は相当な金額となっています。病床に対する補助に限って言えば、病床が逼迫する都道府県において新型コロナの受入病床を割り当てられている医療機関に、重症者病床1床当たり1,500万円、その他の病床、および協力医療機関の疑い患者病床は1床当たり450万円を上限に補助が行われています。さらに、2020年12月25日~2021年2月28日に新たに割り当てられた確保病床については、緊急事態宣言が発令された都道府県では1床当たり450万円、それ以外の都道府県でも300万円が補助上限額に加算されています。つまり、最大で1床当たり1,950万円の補助を受けることができるのです。病床確保料はこれとは別に、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ態勢を確保するための確保病床および休止病床について補助されるものです。補助額の上限は、「重点医療機関」は1床当たり1日7万1,000円~43万6,000円、「協力医療機関」の疑い患者病床は5万2,000円~30万1,000円、「その他の医療機関」は1万6,000円~9万7,000円などとなっています。たとえば重点医療機関である一般病院でICU内の病床を1床確保すると、患者が入っているかどうかにかかわらず、1日30万1,000円が補助されます。「入院率」導入の意味そう考えてくると、感染状況を示す指標として4月16日から「入院率」が新たに加わったことにも納得が行きます。「入院率」とは、療養中の全感染者に対する入院者の割合です。これまで重視してきた「病床使用率」は各都道府県が確保した病床に占める入院患者の割合を示すものです。ただ、病床を(病院の都合等で)コロナに使用していないケースや、本来は入院の必要がない軽症者が入院しているケースなどを除外できず、病床の逼迫度を計るには不十分との指摘がありました。入院率という指標によって、国は病床数ではなく、無症状者も含む療養中の全感染者数に対する入院者数に着目することにしたわけです。数値が低くなるほど、入院できない人が増えている(病床が逼迫している)ことになります。入院率が25%以下だと最も深刻な「ステージ4」(感染爆発)、40%以下だと2番目に深刻な「ステージ3」(感染急増)に相当するとしています。ちなみに、4月23日更新のデータでは大阪府の入院率は12.0%、東京都は30.9%でした。「即応病床」として病床確保料をもらいながら、コロナ患者を避けてきた病院の存在は、税金の無駄遣いであるばかりでなく、病床逼迫度を推し量る上でも邪魔で困った存在だったわけです。今回の通知によって、そこにメスが入ることになったわけです。それにしても、ジャブジャブとも言われる医療機関に対するコロナ補助金を、国の財政を司る財務省はどう見ているのでしょう。次回は、それについて少し考えてみます(この項続く)。

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COVID-19の第3の治療薬、バリシチニブ承認/日本リリー・インサイト

 2021年4月23日、日本イーライリリー株式会社とインサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社は、経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤バリシチニブ(商品名:オルミエント)がSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)に対する治療薬として、適応追加の承認を取得したと発表した。 現在、バリシチニブは関節リウマチ、アトピー性皮膚炎の治療薬として承認されている。今回の適応追加では、通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブ4mgを1日1回経口投与し、総投与期間は14日間まで。本剤は、酸素吸入、人工呼吸管理または体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うことで承認された。 バリシチニブのSARS-CoV-2による肺炎に対する有効性および安全性は、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)主導による、SARS-CoV-2による肺炎の成人入院患者1,033例を対象とした国際共同第III相臨床試験「ACTT-2試験」で確認されている。「ACTT-2試験」は、レムデシビル併用下におけるプラセボ対照二重盲検比較試験で、レムデシビル単独療法と比較し、本剤投与群では、回復までの期間を短縮するという主要評価項目を達成した。また、投与開始から15日時点の患者の転帰を完全な回復から死亡までを8段階で評価するスケールを用いて比較した主要な副次的評価項目もそれぞれ達成した。バリシチニブの概要(下線部分が今回の追加箇所)商品名:オルミエント錠(4mg/2mg)一般名:バリシチニブ効能または効果:既存治療で効果不十分な下記疾患 関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)/アトピー性皮膚炎 SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)用法および用量:<関節リウマチ、アトピー性皮膚炎>通常、成人にはバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて2mgに減量すること。<SARS-CoV-2による肺炎>通常、成人にはレムデシビルとの併用においてバリシチニブとして4mgを1日1回経口投与する。なお、総投与期間は14日間までとする。薬価:オルミエント錠4mg 5,274.90円/2mg 2,705.90円(2021年4月時点)製造販売元:日本イーライリリー株式会社

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新型コロナ、第4波の大阪は「これまでとは別世界」~呼吸器科医・倉原優氏の緊急寄稿(2)

 「新型コロナウイルスの感染状況は第4波に入った」。変異株を含め、全国的に感染者が再び急増している現状について、識者らは相次いで明言した。なかでも、1日の新規感染者数が1,000人超を記録している大阪府はとりわけ深刻だ。渦中の医療現場は今、どうなっているのか。CareNet.com連載執筆者の倉原 優氏(近畿中央呼吸器センター呼吸器内科)が緊急寄稿でその詳細を明らかにした。大阪府コロナ第4波の現状 以前、大阪府コロナ第3波についての現状をお伝えしましたが1)、あれからいったん落ち着いたものの、現在第4波が到来しています。大阪府は1日の新規感染者数が過去最大規模になっており、医療現場は災害級に混乱しています。第3波と異なるのは、(1)年齢層(2)重症度(3)速度です。(1)年齢層 大阪府フォローアップセンターから入院要請のあるCOVID-19患者さんの年齢が、15歳ほど下押しされています。当院に入院した第1波~3波までの平均年齢(±標準偏差)は68(±17)歳、第4波の平均年齢は53(±19)歳です。直近のデータで、感染者が40代未満である割合が5割弱と引き続き高く、若い世代を中心に感染が広がっていることがわかります。(2)重症度 この第4波、来院して最初に撮影した胸部画像検査で背筋がゾっとすることが多くなりました。糖尿病コントロールが不良で高度肥満があり、SpO2が90%未満の場合、ある程度の覚悟を持って診療に当たることができますが、そこまでの基礎疾患がなく、SpO2が92~93%程度であるにもかかわらず、「エッ!」と声を上げてしまうほど両肺のすべての葉に肺炎が見られるケースが増えています。このパンデミックで、自分より年下のARDSを経験するなんて思いもしませんでした。基本的に中等症IIがメインで、中等症Iならホっとするくらいです。(3)速度 大阪府は、保健所および入院フォローアップセンターが連携して入院病床の管理を行っており、どの病院に入院してもらうかはフォローアップセンターの少数精鋭部隊が担っています(図1)。 第3波の時点で重症病床を約230床確保していましたが、第4波に入る前はかなり病床数を減らしていました。第3波の後半で、すでに重症病床が約60床埋まっている状態がスタートだったため、第4波で軽症中等症病床が埋まるより先に重症病床がパンクしてしまいました。 そのため、緊急増床に踏み切った大阪府の施策は間に合わず、あっという間に第4波の確保病床を超えてしまい、軽症中等症病床で挿管・人工呼吸管理のCOVID-19患者さんを診療する状態になってしまいました。当院でもすでにそういった患者さんが発生しており、重症病床が増えない限り、これが常態化するかもしれません。 「N501Y変異株」の症例が増えているのは確かですが、この病床逼迫の最たる原因なのかはわかりません。緊急事態宣言が緩和され、卒業・入学シーズンで人出が増えた影響もあり、相加相乗的に作用した可能性はあります。ただ、大阪府新型コロナウイルス対策本部会議の公開資料によると、この病床逼迫速度は第3波の約3倍とされており2)、きわめて想定外の事態であったことは間違いありません。また、「N501Y変異株」陽性者の発症から重症化までの日数は従来株よりも約1日早いとされており(表)、これが先述の状況に拍車をかけたのかもしれません。第4波を乗り越えたとしても… 第4波のCOVID-19、第3波までと実はまったく別の疾患なのではないかというくらい、ARDSの頻度が高いです。大阪に続いて東京にも第4波が到来する可能性は十分にあります。 とはいえ、ゴールデンウイークに向けて徐々に減ってくることに期待したいものです。4月5日からの「まん延防止等重点措置」が始まって2週間後にあたる4月19日以降、新規陽性者数が減ってくれば第4波は落ち着くかもしれません(図2)。 しかしながら、第4波を乗り越えたとしても遅滞なくワクチン施策が進まなければ、また7月頃に第5波がやってくる可能性はあります。そうなれば、オリンピック開催時期と完全に被ってしまうことになるでしょう。多方面へのシビアな調整が必要になるため、オリンピックを中止あるいは延期するという選択肢はないのだと思いますが、ハンマー・アンド・ダンスで時間稼ぎをするにも現場の疲弊は限界を迎えつつあり、もはやワクチンに希望を託すしかなさそうです。【倉原 優氏プロフィール】2006年滋賀医大卒。洛和会音羽病院を経て、08年より現職。CareNet.comでは、「Dr. 倉原の“おどろき”医学論文」「Dr.倉原の“俺の本棚”」連載掲載中。

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ワクチン接種完了率の高い高齢者、重症者が大幅減/CDC

 新型コロナワクチン接種を世界でいち早く進めたイスラエルにおいて、ワクチン2回接種の完了者が多い70歳以上で、人工呼吸器を必要とする重症者数がワクチン接種開始前と比べて大幅に減ったことがわかった。米国疾病対策センター(CDC)が発行するMorbidity and Mortality Weekly Report3月5日号掲載の報告。 イスラエルではファイザー社製ワクチンを使用し、60歳以上、医療従事者、基礎疾患を持つ人を優先して接種するキャンペーンを展開。2021年2月9日までに計360万6,858人が初回接種を受け、そのうち222万3,176人(62%)が2回目の接種を完了した。年代別に見た2回目接種完了率は70歳以上、60〜69歳、50〜59歳、50歳未満で、それぞれ84.3%、69.0%、50.2%、9.9%だった。 COVID-19の重症判定を人工呼吸器の使用とし、2回接種の完了率が最も高い70歳以上(84.3%)と最も低い50歳未満(9.9%)との間で、人工呼吸器を必要とした患者数を比較した。 主な結果は以下のとおり。・2020年10月2日~2021年2月9日に、人工呼吸器を必要とした1日当たり患者数の中央値は、50歳未満で15(範囲:6~63)、70歳以上で84(範囲:45~127)だった。 ・2020年10月8日~12月30日において、70歳以上と50歳未満の人工呼吸器装着患者の比率の平均は5.8:1だった(99%信頼区間[CI]:5.5~6.1、範囲:4.2~8.5)。・2021年1月の最終週に、70歳以上の1日当たり人工呼吸器装着患者数が減少しはじめたが、50歳未満は依然として増加していた。・2021年2月9日時点での人工呼吸器装着患者の7日間移動平均数において、70代以上は109例、50歳未満は57.7例、両者の比率は1.9:1となり、70歳以上の比率は10月~12月時点から67%減となった。 レポートは、この結果は新型コロナワクチンには、COVID-19重症化予防効果もあることを示すものだとしている。

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米国コロナ治療の今:重症コロナ患者へ実施する緩和医療とは【臨床留学通信 from NY】第18回

第18回:米国コロナ治療の今:重症コロナ患者へ実施する緩和医療とはコロナの最大の関心事は、いまワクチンにあると思います。日本でも医療従事者への接種が始まりましたが、こちらアメリカでは2月25日現時点で6,500万人ほどが1回目の接種をしているようです。しかしながら、米国の総患者数はおよそ人口の10%に相当する2,800万人。そして、ついに50万人の死亡が確認されています。ニューヨーク州は、2,000万人ほどの人口で一時期は1日の新規患者数が2万人にのぼる日もありましたが、現在は1万人以下に減っています。しかし、わたしが所属するMount Sinai Beth Israelでは、残念ながらまだコロナの患者さんの数が減っている気配を感じません。マンハッタン郊外にあたるクイーンズ地区やブルックリン地区にはMount Sinaiの関連病院があり、そこで収容できなかった患者さんがひっきりなしに転院搬送されてきます。日本では、大学病院と大学関連病院といっても経営母体が一緒であることはあまりないと思いますが、Mount Sinai Health SystemにはMount Sinai Hospitalという大学病院を中心に6つほどの病院を有しており、グループ間の転院搬送も専用の救急車でスムーズに行われます。病院としても利益をある程度求めなければならず、グループ間での転院搬送であれば問題はないという考えだと思います。電子カルテも統一されているため、受け入れる側も先方のカルテが閲覧できるため、二重の検査は不要で合理的です。そのようなシステムのため、レジデントがグループ内の病院で、2週間単位で研修を受けるということも可能です。さて、このところコロナ治療の最前線にいることが多かったのですが、緩和医療という日本ではあまり馴染みのない科のローテートをすることになりました。緩和というと、日本では主にがん患者さんに対する医療という意味が強いと思いますが、米国ではそれに限らず、集中治療をいくら施しても回復が難しい場合に、患者さんのcomfortを中心に行うことがあります。実は、そのようなケースが、コロナ患者さんで非常にたくさんおり、患者家族とのやりとりを経て、場合によってはpalliative extubationといって、人工呼吸器がないと生きていけない患者さんの気管内チューブを抜くことがあります。そのような、尊厳死と捉えられてもおかしくないような医療行為には賛否両論があると思いますが、国が違えば考えも違う、法律も違う(米国内でも、州ごとに仕組みが異なります)ということなんだと思います。Column3月21日(日)20時~(日本時間)zoomでウェブセミナーを行います。テーマは「米国循環器グループで行う戦略的メタアナリシス」です。ウェブセミナー「米国循環器グループで行う戦略的メタアナリシス」もしよければ覗いてみてください。

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COVID-19への回復期患者血漿による治療、アウトカム改善効果なし/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者に対する、回復期患者血漿による治療は、プラセボまたは標準的治療と比べて全死因死亡や入院期間、人工呼吸器の使用といった臨床アウトカムのあらゆる有益性と関連しない。スイス・バーゼル大学のPerrine Janiaud氏らが、これまでに発表された10試験についてメタ解析を行い明らかにした。エビデンスの確実性は、全死因死亡については低~中程度で、その他のアウトカムについては低いものだったという。JAMA誌オンライン版2021年2月26日号掲載の報告。ピアレビュー前・後のRCTを対象にメタ解析 研究グループは、ピアレビュー、出版前あるいはプレスリリースされた無作為化試験(RCT)で、回復期患者血漿による治療vs.プラセボまたは標準的治療の臨床アウトカムを評価する検討を行った。 PubMed、Cochrane COVID-19試験レジストリ、LOVE(Living Overview of Evidence)を2021年1月29日時点で検索し、システマティック・レビューを実施。COVID-19の疑いまたは確定診断を受けた患者を対象に、回復期患者血漿による治療とプラセボまたは標準的治療を比較したRCTを特定しメタ解析を行った。 主要解析はピアレビュー済みのRCTのみを対象に行い、2次解析は、出版前やプレスリリースを含む、公表されたあらゆる試験結果を対象に行った。 主要アウトカムは、全死因死亡、入院期間、臨床的改善、臨床的増悪、人工呼吸器の使用、重篤な有害事象だった。レビュー済み4試験とレビュー前6試験を対象に分析 解析には、ピアレビュー済みの4つのRCT(被験者総数1,060例)と、ピアレビュー前の6つのRCT(被験者総数1万722例)が含まれた。 ピアレビュー済み4 RCTの解析において、回復期患者血漿による治療の、全死因死亡に関する要約リスク比(RR)は0.93(95%信頼区間[CI]:0.63~1.38)、絶対リスク差は-1.21%(95%CI:-5.29~2.88)で、データの不正確性によりエビデンスの確実性は低かった。 ピアレビュー前の6 RCTを含めた10 RCTの解析において、全死因死亡に関する要約RRは1.02(95%CI:0.92~1.12)で、非公表データを包含したエビデンスの確実性は中程度だった。 また、ピアレビュー済み4 RCTにおいて、入院期間に関する要約ハザード比は1.17(95%CI:0.07~20.34)、人工呼吸器の使用の要約RRは0.76(0.20~2.87)であり(絶対リスク差-2.56%[95%CI:-13.16~8.05])、両アウトカムに関するデータの不正確性によりエビデンスの確実性は低かった。 臨床的改善、臨床的増悪、重篤な有害事象に関するデータは限定的で、有意差はなかった。

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第47回 「発症10日したらもう他人に感染させない」エビデンス明示で、回復患者受け入れは進むか?

全国医学部長病院長会議がコロナ重症症例診療で見解こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。春本番、プロ野球のキャンプも日米で本番を迎えています。春の沖縄キャンプ地巡りが大好きな知人がいて、ある時、スポーツニュースを観ていたらバックネット裏にスカウトのように陣取る姿が映り、驚いたことがあります。今年のキャンプは無観客なので、そういった楽しみや驚きもなく、寂しいものです。そんな中、景気のいい話もあります。2月25日、東北楽天ゴールデンイーグルスは田中将大投手に特化したファンクラブの申し込みを同日開始したところ、10人限定の年会費180万円のコースが14分で完売した、と発表しました。また、1,000人限定の1万8,000円のコースも4時間余りで完売したそうです。楽天ファンでもない私でも1万8,000円なら安い、と思いエントリーしようと考えたくらいです。ことほど左様に私を含めた誰もがスポーツ観戦など外に出かけたくうずうずしている今日このごろですが、首都圏以外の6府県の緊急事態宣言が28日で解除されました。各府県は飲食店への営業時間の短縮要請などを徐々に緩和するとのことですが、暖かさに誘われ、飲み会も増えていきそうです。英国型の変異株は実行再生産数を0.4〜0.7引き上げるとの報告もあります。第4波到来の可能性は割と高いのでは、と思いますが、皆さんいかがでしょう。少々状況が落ち着いてきた中、全国医学部長病院長会議は2月24日、「新型コロナウイルス重症症例診療を担う医療施設に関する見解」を、会長の湯澤 由紀夫氏(藤田医科大学病院 院長)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる課題対応委員会委員長の瀬戸 泰之氏(東京大学医学部附属病院 院長)の連名で公表しました。前回、「第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が『大学病院に重症患者を受け入れさせよ』と都道府県に事務連絡」では、大学病院、中でも国立大学病院の動きが鈍い、と書きましたが、全国医学部長病院長会議が自ら、今後の大学病院の役割について対外的に見解を公表したのは大きな意味がある、と言えるでしょう。「今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべき」見解では、「今後、また未曾有の感染症が襲ってくるときに備えるためにも、わが国の緊急時医療体制の構築を再考する絶好の機会ととらえている。このような重症症例診療を行いうる医療体制の構築に相応の時間を要するのは自明であり、平時よりの備えが肝要である」として、今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべきだと訴えました。具体的には、コロナの重症者の治療は「高度かつ統制のとれたチームワークのもと治療を行なわなければならない」として、「重症症例の診療は大学病院、救命救急センターなど、従来より高度な集中治療を行ってきた医療施設が中心的に担うべき」としました。一方で、大学病院や救命救急センターなどでは、「新型コロナウイルス感染症の重症患者への診療」と共に「新型コロナウイルス感染症以外の高度医療」を提供しなければならならず、「通常診療の維持を前提とした新型コロナウィルス重症症例診療に必要な医療体制確保について、実態ニーズを踏まえたものとなるよう検討いただきたい」としています。その上で、「新型コロナウィルス重症治療は これまでにない総合的かつ統合的な加療であり、通常の重症肺炎診療とは異なるものでもあり、施行するにあたり相応の診療報酬が病院運営上必須である」と、報酬上の手当も国に求めました。端的に言えば、「コロナの重症者には通常診療と並行して取り組むが、相応のお手当はお願いします」ということのようです。「後方病床あるなら大学病院も頑張る」私自身がとくに重要だと思ったのは、後半の連携に関するくだりです。見解では、「円滑な重症症例病床運用のためには、重症症例を診る施設がその治療に集中するため、軽快ないしは改善した場合の後方病床確保も重要な課題となる」と指摘、「特に、重症から回復した高齢者が退院基準を満たしても、そのまま自宅退院できることはまれであり、後方病床に移送できなければ重症病床の活用に支障が生じる。医療状況が逼迫している折、そのような医療提供体制の役割分担を推進することは医療効率化のためにも極めて重要」と、回復した患者の受け入れる後方病床の整備を強く求めています。「後方病床を整備してくれるなら、大学病院も頑張るよ」とも読めるのですが、確かに回復した患者の引き受け手がなく、いつまでも大学病院に入院させていては、新規入院を受け入れることができないわけで、その体制をつくっておくことは重要です。ちなみに、見解では、後方病床の確保を“下り”の流れと表現しています。退院基準の見直し案と感染可能期間のエビデンス明示ちょうど第3波が収まり、比較的余裕が出てきた今こそ、それぞれの地域において後方病床の役割を果たす病院をきちんと決めておくべきです。ただ、地域のよっては、「コロナ回復患者引き受けます」と手を挙げる病院はまだまだ多くはないようです。“流れ”づくりの主役となるべきは、日本医師会、四病院団体協議会、全国自治体病院協議会によってつくられた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」だと思うのですが、これについては前回書いたので今回は触れません。実は、先々週にも回復患者引き受けに関連した動きがありました。厚生労働省は2月18日の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田 隆字・国立感染症研究所所長)の第24回会合に対し、新型コロナウイルス感染症の退院基準の見直し案を提示、あわせて発症からの感染可能期間などのエビデンスも提示したのです。退院基準見直し案では、有症状者については人工呼吸器等による治療の有無別に分け、治療を行った場合には発症日から15日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合に退院可能とするが、「発症日から20日間経過するまでの間は、適切な管理を行う」などの条件を付けました。他方、人工呼吸器等治療を行わない場合(軽症・中等症)については現行通り(1.発症日から10日間経過し、かつ症状軽快72時間経過した場合に退院可能とする。2.症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ 2回のPCR検査又は抗原定量検査で陰性を確認できれば、退院可能とする)としました。軽症・中等症は「現行通り」でも大丈夫な理由・エビデンスについては、「軽症・中等症において、感染性のあるウイルス粒子の分離報告は 10 日目以降では稀であり、これら の症例において、症状が消失してからも長期的にウイルス RNA が検出される例からの二次感染を認める報告は現時点では見つからなかった」とし、「退院後のPCR 再陽性例における感染性や、再陽性例からの二次感染を認める報告も現時点では見つからなかった」としています。医療機関だけでなく一般にもアピールすべきでは要するに、「発症日から10日したらもう他人に感染させない」「症状軽快後、PCR陽性が続く場合も他人に感染させない」というわけです。厚労省としては、この見直し案とエビデンスによって、一般病院や介護施設での回復患者の受け入れが進み、重症病床の回転が良くなることを期待しているわけですが、本当に地域でそうした“流れ”が普通に構築されることを期待したいと思います。ところで、なぜこの事実(エビデンス)を、医療機関だけでなく一般にももっと広く、強くアピールしないのでしょう。何かまた、「国民があらぬ誤解する」とでも国は考えているのでしょうか(新型コロナウイルス感染症は発症の数日前から感染力が高まることを、国は昨年の感染拡大当初、国民に知らせるのをためらっていた、と聞いています)。少々、謎です。このエビデンスがしっかり世の中に浸透すれば、それこそ報酬さえ手厚くすれば後方病院は回復患者受け入れに手を挙げるでしょうし、問題となっている職場における理不尽な感染者差別(復職後に陰性証明を要求されたり、在宅勤務を強制されたり人が出ているそうです)なども減ると思うのですが…。

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新型コロナ、医療者の転帰不良リスクはあるか?

 医療従事者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクが高いが、感染後の転帰不良リスクはあるのか。北米の医療者127例を対象として後ろ向き観察コホート研究の結果が発表された。JAMA Network Open誌2021年1月28日号掲載の報告。 2020年4月15日~6月5日までに北米の36施設で確認された、1,992例のCOVID-19成人患者が対象に含まれた。データ解析は2020年9月10日~10月1日に行われ、患者のベースライン時の特性、併存疾患、症状、治療法および転帰に関するデータが収集された。 主要評価項目は人工呼吸器の利用または死亡の複合エンドポイントだった。 主な結果は以下のとおり。・解析されたのは1,790例で、内訳は医療従事者127例と非医療従事者1,663例だった。3:1の傾向スコアマッチングが行われ、122例の医療従事者と366例の非医療従事者がマッチングされた。・女性は医療従事者で71例(58.2%)、非医療従事者で214例(58.5%)、平均年齢(SD)は医療従事者で52(13)歳、非医療従事者で57(17)歳だった。・複合エンドポイントについて、両者の間に有意差はなかった(補正後オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.34~1.04)。・医療従事者は集中治療室への入院を必要とする可能性が低く(0.56、0.34~0.92)、7日以上の入院を必要とする可能性も低かった(0.53、0.34~0.83)。・人工呼吸器の利用(0.66、0.37~1.17)、死亡(0.47、0.18~1.27)、昇圧薬の利用(0.68、0.37~1.24)についても、両者の間に有意差はなかった。

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