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乾癬、生物学的製剤との併用療法についてレビュー

 米国・コロラドデンバー大学のApril W. Armstrong氏らは、乾癬患者の生物学的製剤を用いた治療について、他の全身性治療法との併用に関して、エビデンスに基づくガイダンス勧告を示すため、レビューを行った。その結果、推奨される組み合わせは推奨度が高い順に、メトトレキサートとの併用、アシトレチンとの併用、そして光線療法との併用であることなどを報告した。なおレビューの結果を踏まえて著者は「適切に選択された患者においては、慎重に組み合わせを選ぶことで、より大きな効果をもたらすことになり、毒性も最小限にすることができる」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。 多くの乾癬患者にとって生物学的製剤の単独療法は有効であるが、一部の患者は併用療法を必要とする。 研究グループは、エビデンスに基づく、生物学的製剤とその他の全身性治療の併用療法について最適治療の勧告を示すことを目的とした。検討した全身性療法は、光線療法、経口薬療法、他の生物学的製剤であった。 1946年1月1日~2013年6月18日の研究についてMEDLINEデータベースを検索し、Medical Board of the National Psoriasis Foundationが、ディスカッションと投票(voting)によって最適治療として推奨することに至っていたものをレビューした。 主な結果は以下のとおり。・中等度から重度の乾癬において、併用療法の有効性、安全性を評価した試験はほとんどなかった。・エタネルセプトやアダリムマブのような生物学的製剤を光線療法と併用することは、単独療法よりも疾患重症度のより大きな改善に結び付くようであった。・エタネルセプトとメトトレキサートの併用は、それぞれの単独療法よりも効果的であった。・インフリキシマブとメトトレキサートの併用は、インフリキシマブ単独よりもより大きな改善に結び付いた。・アシトレチンとの併用で、エタネルセプトは、より少ない用量で有効性を得ることができた。・短期使用のシクロスポリンについて、エタネルセプトまたはアダリムマブとの併用は、乾癬フレアをコントロールした。・Medical Board of the National Psoriasis Foundationの専門家の意見に基づき、好ましい第2療法としての併用療法の順位は、生物学的製剤とメトトレキサートの併用、生物学的製剤とアシトレチンの併用、そして生物学的製剤と光線療法の順であった。

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イクセキズマブの慢性尋常性乾癬への長期有効・安全性確認

 中等度~重度の慢性尋常性乾癬患者に対し、開発中のイクセキズマブ(ixekizumab:国内未承認)の長期有効性および安全性が確認された。米国・ノースウェスタン大学のKenneth B. Gordon氏らが、52週間の非盲検無作為化試験の結果、報告した。イクセキズマブは抗IL-17Aモノクローナル抗体で、先行して行われた第II相無作為化プラセボ対照試験で、良好な反応が得られたことが示されていた。Journal of American Academy of Dermatology誌2014年12月号(オンライン版2014年9月19日号)の掲載報告。 検討は、無作為化プラセボ対照試験中に、オープンラベルでイクセキズマブを10、25、75、150mgまたはプラセボを受けた後、ベースラインからのPASIスコア改善が75%未満であった患者(PASI75)をオープンラベルの延長試験期(OLE)に組み込んで行われた。PASI75以上の患者には治療を中止し(20~32週)、その後に適格基準に達してからOLEに組み込んだ。OLE中、患者はイクセキズマブ120mgを4週ごとに皮下注投与された。 主な結果は以下のとおり。・120例の患者がOLEに組み込まれた。103例が52週間超の治療を完了した。・全体で、52週時点のPASI75達成患者は77%であった。・無作為化プラセボ対照試験で治療に反応した患者は、OLEの52週時点まで高値の反応性を維持した。・PASI75患者は95%、ベースラインからのPASIスコア90%改善患者は94%、同100%改善患者は82%であった。・無作為化プラセボ対照試験期の投与量にかかわらず、各投与量群ともOLEの52週時点の反応率は同程度であった。・OLEにおける曝露補正後の有害事象発生率は、患者年当たり0.47であり、重篤有害事象の発生率は0.06であった。・患者の多くでイクセキズマブ治療に対する反応が認められ、1年超治療の有効性が持続し、予測不可の安全性シグナルはみられなかった。

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働き盛りを襲う難渋する腰痛の正体

 12月3日、アッヴィ合同会社とエーザイ株式会社は、都内で「長引く腰痛を見過ごさない!」をテーマに共催でプレスセミナーを開催した。セミナーでは、「“怠け病”ともみられがちな男性若年層に潜む難病『強直性脊椎炎』とは?」と題し、疾患に関するレクチャーが行われた。国民病である腰痛を分析する はじめに「国民病の腰痛と知られていない強直性脊椎炎について」と題し、織田 弘美氏(埼玉医科大学医学部整形外科学 教授)より、いわゆる「腰痛」に関する概要と「強直性脊椎炎」に関する説明が行われた。 「腰痛」は、厚生労働省の調査によると、男性では有訴者率の1位、女性では「肩こり」に続く2位となっており、身近な疾患として知られている。ただ、その定義については、確立したものはなく、主に疼痛部位(解剖的な位置)、有症期間(急性、亜急性、慢性)、原因などから総合して診断される。たとえば、原因別分類であれば、脊椎由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性、その他に分類され、整形外科をはじめとしてさまざまな専門領域で診療されているとのことである。 そして、鑑別診断では、動作に関係ない痛みであれば整形外科以外の疾患が考えられること、動作に関係のある痛みの場合、安静でも痛みがあれば炎症や腫瘍が、動作時だけ痛めば腰痛症、骨粗鬆症、腰椎分離・すべり症などが考えられると説明した。 次に、腰痛を起こす整形外科疾患として、腰痛症、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症・腰椎すべり症、骨粗鬆症などを紹介、その原因と症状を述べた。そのうえで、腰痛を呈するその他の疾患として、脊椎関節炎、乾癬性関節炎、急性ぶどう膜炎、反応性関節炎などを挙げ、これらを網羅する形で強直性脊椎炎が存在すると解説した。 強直性脊椎炎の診断では、(1)発症年齢40歳未満、(2)潜行性に発症、(3)体操で改善、(4)安静では改善しない、(5)夜間疼痛(起き上がると改善する)の5項目のうち、4項目に該当する場合は本症が疑われる。とくに動作を行うと軽快するのは、他の腰痛と異なるポイントとのことである。 織田氏は「腰痛患者の中に慢性で長引く患者がいた場合、本症も疑ってもらいたい」とレクチャーを終えた。痛みを我慢して仕事を続ける患者像 続いて「長引く腰痛に関連する強直性脊椎炎について」と題し、門野 夕峰氏(東京大学医学部整形外科・脊椎外科 講師)が、強直性脊椎炎の具体的な診療内容や、本症がQOLに及ぼす影響について説明を行った。 強直性脊椎炎は、社会的に広く知られていないことから、初発から確定診断まで9年程度要している現状を紹介。患者は、症状が進行すると外見的に問題が無いようでも脊椎のこわばりから動作が不自然になったり(たとえば首の可動ができないなど)、周囲の期待する動きができなかったりすることで、誤解を受けているといった状況を説明した。 強直性脊椎炎の具体的な症状については、背部痛、関節炎などのほか、画像所見はMRIでの仙腸関節炎陽性やX線での仙腸関節炎が観察されると解説。 また、3ヵ月以上続く腰痛を有する人(n=1,236)へのアンケート調査を紹介し、約8割の人が痛みの程度を「かなりつらい」「つらい」と感じているにもかかわらず、現在、医療機関を受診している人は10%にとどまり、多くの人が「痛み」を我慢しているという状況を指摘した。また、その「痛み」により、約60%の人が仕事のモチベーションが低下したとしており、休職などで労働生産性が低下している現状が明らかになった。 強直性脊椎炎の治療では、痛みにはNSAIDsを使用した対症療法と脊椎病変への運動療法、理学療法が行われているが、近年ではTNF阻害薬も使用されていると説明。CRP正常値群と高値群におけるNSAIDsの効果を比較した試験では、NSAIDs治療継続群のほうが同間欠群よりも予後良好との報告や、TNF阻害薬とNSAIDsの比較では、TNF阻害薬処方群のほうがmSASSS変化で4年目以降に効果発現することなどが報告された。 最後に門野氏は、強直性脊椎炎を疑ったら、まずはリウマチや整形外科の専門医を探すこと、WEBなどで情報を収集することを勧め、早期に治療を受けてもらいたいとレクチャーを終えた。

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ウステキヌマブ、日本人高齢患者の長期治療に有用

 ウステキヌマブ(UST、商品名:ステラーラ)の長期1年間の治療は、日本人65歳以上の重症感染症を有していない乾癬患者について十分な効果が期待できるものであるようだ。東京慈恵会医科大学 皮膚科学講座の林 光葉氏、同教授の中川 秀己氏らがレトロスペクティブな検討の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「所見は、USTが高齢乾癬患者にとって選択肢として望ましい治療薬であることを示すものであった」とまとめている。Journal of Dermatology誌2014年11月号の掲載報告。 乾癬患者は高齢患者の占める割合が増大している。しかし、高齢乾癬患者について満足のいく長期的な治療は、若い患者と比べて共存疾患の頻度が高く、また全身性の治療薬は有害事象リスクが高く困難なものとなっている。 研究グループは、USTは他の全身性治療薬よりも有害事象の頻度が少なく通院頻度もわずかで済むことから、長期治療としての有効性および安全性をレトロスペクティブに評価した。評価はPASIおよびDLQIにて行い、有効性についてはPASIスコア75以上(PASI 75)達成患者の割合で評価した。 主な結果は以下のとおり。・65歳以上の24例を検討対象に含んだ(年齢範囲:65~88歳、平均73.1歳)。乾癬の重症度は中等度~重症であり、QOLに障害を来していた。・PASI 75達成患者は、16週時点で56.5%、28週時点で59.1%、52週時点で60.0%であった。・1年間にあらゆる重症感染症を発生した患者は報告されていなかった。・DLQIスコアの平均値は、0週時点7.8±6.0、16週時点2.5±3.4、28週時点1.4±1.7、52週時点1.2±1.7であった。

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重症乾癬患者は血圧コントロールに注意

 高血圧患者において、乾癬罹患と血圧コントロールの不十分さは関連があり、その関連は乾癬の重症度が上がるほど増大することが、ペンシルベニア大学 医学大学院の竹下氏らにより報告された。 これまで、乾癬患者では高血圧症はよくみられたが、乾癬の重症度と血圧コントロールについては不明であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年10月15日掲載報告。調査の目的 高血圧と診断された患者において、乾癬の重症度と血圧コントロールの関連を明らかにするため調査を行った。 なお、コントロール不十分の高血圧症は、乾癬の評価を行った直近の記録において収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上と定義した。方法 英国の電子カルテの医療記録データベースであるThe Health Improvement Network(THIN)を用いて、人口ベースの前向き横断的研究。対象 THINに医療記録があり、健康アウトカムと乾癬イベントの前向きコホートに登録していて、乾癬を発症している25~64歳の高血圧患者1,322例を無作為に抽出した。乾癬の診断と重症度の判断は、かかりつけの開業医によって行われた。 対照群として、年齢、治療歴で適合させた乾癬の既往のない高血圧患者(1万1,977例)が抽出された。結果 コントロール不十分な高血圧と、罹患部位の面積で評価した乾癬の重症度には、明らかな関連がみられた。 この関連は年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒歴、合併症、高血圧治療薬・NSAIDsの服用による補正の有無に関わらず示された。・軽度乾癬患者の調整後オッズ比[aOR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.82~1.14・中等度乾癬患者のaOR:1.20、95%CI:0.99~1.45・重症乾癬患者のaOR:1.48、95%CI:1.08~2.04・それぞれp=0.01 なお、乾癬患者全体では血圧コントロール不十分は増えたものの、有意差は示されなかった(aOR:1.10、95%CI:0.98~1.24)。結論 高血圧患者が乾癬を罹患している場合、乾癬が重症となるほど血圧コントロールが不十分となりやすい。本調査の結果より、重症の乾癬患者では、より効果的な血圧コントロールが必要となることが示された。

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brodalumab、中等度~重度乾癬への長期効果確認

 尋常性乾癬に対する、ヒト抗インターロイキン17受容体Aモノクローナル抗体brodalumabの、長期(120週)安全性と有効性の検討結果が報告された。中等度~重度の同患者に対し試験期間中、持続的な臨床効果と良好な安全性プロファイルが示されたという。カナダ・Probity Medical ResearchのKim Papp氏らが報告した。中等度~重度尋常性乾癬に対するbrodalumabの有効性は、同氏らが行った12週間の用量範囲探索のためのプラセボ対照試験で示されていた。本検討は、同試験の延長試験として行われた。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2014年10月10日号の掲載報告。 本検討において被験者は、brodalumab 210mgを2週間ごとに投与されていた。また、プロトコルについて、体重100kg以下の患者については、用量を140mgに減量し、その後、効果が不十分な患者については210mgに増量すると改められていた。 有効性は、静的総合評価指標(sPGA)を用いて測定し、PASIスコアで75%以上(PASI-75)、90%以上(PASI-90)、100%改善(PASI-100)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・患者181例のうち、144例が120週の治療を完了した。・sPGA評価スコアの達成が「明らか/ほぼ明らか」および「明らか」であった患者は、12週時点ではそれぞれ90%、63%であり、120週時点では72%、51%であった。・12週時点の各奏効率、PASI-75(95%)、PASI-90(85%)、PASI-100(63%)は、120週時点まで持続していた(それぞれ86%、70%、51%)。・最も頻度が高かった有害事象は、鼻咽腔炎(26.5%)、上気道感染症(19.9%)、関節痛(16.0%)、腰痛(11.0%)であった。・4例の患者で、グレード2の好中球減少症が報告された。・なお、本検討は非盲検下での延長で対照群が設定されず、結果は限定的であった。

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乾癬で痛みを感じる患者の実態は?

 乾癬で痛みのある人の割合と特徴が、イタリア・フェデリコ2世大学のCataldo Patruno氏らにより報告された。また、それらの患者の病変皮膚において、IL-33の発現が確認された。 本調査の結果を踏まえ「尋常性乾癬のコントロールにおいては、皮膚の痛みの症状を考慮すべきである」と述べている。目的:乾癬による痛みのある人の割合と発現要因の解明 乾癬による痛みの発現率や、その発現要因はこれまで不明であった。そこで、尋常性乾癬の臨床的重症度別にみた痛みの主観的/客観的評価を比較し、乾癬と痛みの発現に関与するIL-33の役割を検討した。方法:主観的/客観的評価とIL-33発現を検討痛みの主観的/客観的評価●対象:尋常性乾癬患者163例(男性98例、女性65例、年齢18~81歳)●臨床的評価:患者自身の全般評価、臨床医による全般評価(PGA)、疼痛閾値を測定するための圧痛計測定と触覚/熱感受性試験IL-33遺伝子発現●対象:患者皮膚(in vivo、12例)およびex vivoの痛覚モデル●刺激条件:ドデシル硫酸ナトリウム結果:病変部では痛みを感じやすく、IL-33も発現●被験者の43.6%が前週の皮膚の痛みを報告●痛み:かゆみ、不快感、痛み、過敏性、熱感/灼熱感、圧痛、痙攣が多い●疼痛閾値:PGAと痛みの強度が大きくなるほど低下●触覚/熱感受性の感度:病変部はそれ以外の部分よりも低い●IL-33発現:患者が痛みを申告する病変部の皮膚およびex vivoモデルで増加

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アトピーの重症度・慢性度に関わるタンパク質

 横浜市立大学皮膚科学のK. Kou氏、教授・相原道子氏らは、アトピー性皮膚炎(AD)患者におけるペリオスチン値と疾患重症度および慢性度との関連を調べた。結果、ペリオスチンがADの重症度と慢性度に重大な役割を果たす可能性があることを明らかにした。British Journal of Dermatology誌2014年8月号(オンライン版2014年8月5日号)の掲載報告。 ペリオスチンは、Th2型サイトカインにより誘発される細胞外タンパク質である。最近の知見において、ADの重症度と慢性度に重大な役割を果たす可能性が示されていた。研究グループは、成人AD患者における臨床表現型と血清ペリオスチン値が関連しているかを調べた。 ELISA法でAD成人257例と、疾患対照群として尋常性乾癬(PV)患者66例、および健康対照25例の血清ペリオスチン値を調べた。 血清ペリオスチン値について、臨床特性およびTARC、LDH、好酸球数、総IgE値など検査値特性の両者で分析した。また、免疫組織化学的分析で、ペリオスチンの発現とADのさまざまな臨床表現型との関連を評価。血清ペリオスチン値における治療効果についても評価した。 主な結果は以下のとおり。・血清ペリオスチン値は、PV患者および健常対照よりもAD患者で、有意に高かった。・ペリオスチン値は、IgE値を除き、重症度、TARC値、LDH値、好酸球数と明らかな関連が認められた。・内因性AD患者と比較し、外因性AD患者において、より高値の血清ペリオスチン値が観察された。・重症度との正の相関性は、内因性AD患者でみられなかった。・ペリオスチンの発現は、紅皮症、苔蘚化、より小範囲では、うろこ状の紅斑を有したAD患者ほど強く検出された。・血清ペリオスチンの連続測定により、AD治療後のペリオスチン値は低下することが示された。

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乾癬治療へのセチリジン追加投与は有効か

 フマル酸エステル(FAE)治療を受ける乾癬患者への、経口抗ヒスタミン薬セチリジン(同:ジルテックほか)10mgの1日1回投与の追加は、治療開始12週間の有害事象を減少しなかったことが報告された。オランダ・エラスムス大学医療センターのD.M.W. Balak氏らが無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。FAEは乾癬の有効かつ安全な長期治療薬とみなされているが、30~40%の患者が耐え難い胃腸障害や潮紅などの有害事象のために服用を中断している。今回の結果を踏まえて著者は、「FAEが引き起こす胃腸障害や潮紅の発症機序には、ヒスタミン以外のメディエーターが関与していると思われる」とまとめている。British Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月17日号の掲載報告。 試験は、PASI 10以上の乾癬患者でFAE 720mg/日の治療を開始した患者を、無作為に、セチリジン1日1回10mg群とプラセボ群に割り付け、12週間投与した。無作為化と治療割付は試験病院の院内薬局で行われた。 主要アウトカムは、有害事象の発生と治療を中断した患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・50例の患者(男性33例、女性17例、年齢中央値44歳)が登録され、1対1の割合で各群に割り付けられた。・セチリジンの追加投与は、プラセボと比較して、有害事象を減少しなかった(84%vs. 84%、p=1.00)。・有害事象のタイプは、両群で異ならなかった。また、最も共通してみられたのは、胃腸障害(68%vs. 64%)、潮紅(60%vs. 48%)であった。・治療を中止した患者の割合も統計的有意差はみられなかった(24%vs. 32%、p=0.529)。

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乾癬を長く患っている人は骨密度に注意

 乾癬患者と骨密度の関連を調査した結果、骨減少症/骨粗鬆症の被験者では、乾癬の罹患期間が有意に長いことが、ローマ・ラ・サピエンツァ大学のSofia D'Epiro氏らによって報告された。本調査の結果を踏まえて筆者らは、「乾癬患者、とくに長期罹患者では、より早期から骨代謝の評価が必要である」とまとめた。The Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月3日掲載報告。 乾癬と骨粗鬆症の発症には、全身性炎症、乾癬治療薬の服用、乾癬性関節炎による関節機能不全といったいくつかの要因が関与していると考えられている。本研究の目的は、乾癬患者の骨密度を評価し、骨減少/骨粗鬆症の有病率や乾癬病変部位、重症度(PASIスコア)、平均罹患期間、乾癬性関節炎、乾癬治療歴との相関を調査することであった。 主な結果は以下のとおり。・調査には、乾癬を有している連続患者43例が登録された。うち19例は関節変形を来していた。・乾癬の重症度はPASIスコア、CASPAR診断基準、乾癬性関節炎の確定診断のための超音波検査、罹患期間の推定により判定した。・骨密度の測定には、腰椎と大腿骨頸部の二重エネルギーX線吸収法(DEXA法)が実施された。・骨減少/骨粗鬆症の被験者では、骨密度が成人若年者の平均値と同等の被験者に比べ、有意に乾癬罹患期間が長かった(17年vs. 8.8年、p=0.04)。・ロジスティック回帰分析の結果、乾癬の平均罹患期間と骨密度の変化には明らかな関連がみられた(p=0.04)。

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乾癬へのセクキヌマブの有効性/NEJM

 中等症~重症の局面型乾癬に対し、新規開発中のインターロイキン-17A阻害薬セクキヌマブ(secukinumab、国内承認申請中)を投与することで、12週間後に症状が75%以上改善した人は約7割に上ることが示された。カナダ・ダルハウジー大学のRichard G. Langley氏らが、2件の第III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験、「ERASURE」と「FIXTURE」の結果、報告したもので、著者は、「中等症~重症の局面型乾癬に対し、セクキヌマブは有効であることが示された」とまとめている。NEJM誌オンライン版2014年7月9日号掲載の報告より。12週間後のPASI 75の割合を比較 ERASURE(Efficacy of Response and Safety of Two Fixed Secukinumab Regimens in Psoriasis)試験では、中等症~重症の局面型乾癬の患者738例を無作為に3群に分け、それぞれセクキヌマブを300mg、150mgまたはプラセボ(5週間は週1回、その後は4週ごと)をそれぞれ投与した。FIXTURE(Full Year Investigative Examination of Secukinumab vs. Etanercept Using Two Dosing Regimens to Determine Efficacy in Psoriasis)試験では、1,306例を無作為に4群に分け、セクキヌマブ300mg、150mg、プラセボと、エタネルセプト(50mg、12週間は週2回、その後は週1回)をそれぞれ投与した。 主要評価項目は、PASI(psoriasis area-and-severity index)スコアがベースライン時から75%以上改善(PASI 75)した人と、5ポイント修正IGA(investigator’s global assessment、研究者による皮膚症状の重症度の包括的な評価尺度)のスコアが0(寛解)または1(ほぼ寛解)の割合だった。PASI 75達成患者、セクキヌマブ群7~8割、エタネルセプト群4割 結果、12週間後にPASI 75だった患者の割合は、セクキヌマブ群がプラセボ群、エタネルセプト群よりも有意に高率だった。具体的には、ERASURE試験では、セクキヌマブ300mg群が81.6%、同150mg群が71.6%に対し、プラセボ群が4.5%だった。FIXTURE試験では、セクキヌマブ300mg群が77.1%、150mg群が67.0%に対し、エタネルセプト群44.0%、プラセボ群4.9%だった(両試験ともセクキヌマブ群vs. 比較群のp<0.001)。 また、修正IGAスコアが0または1の人の割合も、セクキヌマブ群でプラセボ群やエタネルセプト群より有意に高率だった。各試験の結果は、ERASURE試験では、セクキヌマブ300mg群が65.3%、同150mg群が51.2%、プラセボ群は2.4%だった。FIXTURE試験では、セクキヌマブ300mg群が62.5%、150mg群が51.1%、エタネルセプト群が27.2%、プラセボ群が2.8%だった(同p

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β遮断薬長期服用の乾癬発症リスク

 米国・ブラウン大学のShaowei Wu氏らによる前向きコホート研究の結果、長期にわたる高血圧症は乾癬リスクを増大すること、またβ遮断薬の常用も乾癬リスクを増大する可能性があることを報告した。これまで高血圧症と乾癬の関連、および降圧薬、とくにβ遮断薬が乾癬発症に結び付くことは示唆されていたが、前向きデータを用いた検討は行われていなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年7月2日号の掲載報告。 検討は、1996年6月1日~2008年6月1日に米国で行われた看護師健康調査に参加し、高血圧症と降圧薬に関する2年ごとの更新データが入手できた7万7,728例の女性を対象とした。 主要評価項目は、医師に診断された乾癬であった。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ106万6,339人年において、乾癬を発症したのは843例であった。・正常血圧被験者と比べて高血圧症6年以上の被験者は、乾癬を発症するリスクが高率であった(ハザード比[HR]:1.27、95%信頼区間[CI]:1.03~1.57)。・層別化解析において乾癬リスクは、正常血圧・降圧薬非服用の患者と比較して、降圧薬非服用・高血圧症被験者(HR:1.49、95%CI:1.15~1.92)、降圧薬服用・高血圧症被験者(同:1.31、1.10~1.55)で高率であった。・β遮断薬非服用被験者と比較して、同常用被験者の多変量HRは、常用期間1~2年では1.11(95%CI:0.82~1.51)、3~5年では1.06(同:0.79~1.40)、6年以上では1.39(同:1.11~1.73)であった(傾向のp=0.009)。・その他の降圧薬使用と乾癬リスクとの関連は認められなかった。

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ラクトフェリンが乾癬の治療薬オプションになる?

 イタリアのローマ・トルヴェルガタ大学のSaraceno R. 氏らは、日本で機能性食品の素材の1つとして流通しているラクトフェリン(LF)について、乾癬への治療適用があり得るかを検討した。結果、素材を活かした外用薬が治療オプションとなりうる可能性が示唆されたという。LFは、非ヘム鉄結合プロテインで、生体が持つ免疫システムの抗菌特性を共有し、乾癬のプラーク発症に関連している炎症誘発性のサイトカイン放出に影響をもたらすことが明らかになっていた。Giornale Italiano di Dermatologia e Venereologia誌2014年6月号の掲載報告。 検討はオープンラベルにて、4週間にわたり行われた。被験者は、軽度~中等度の慢性尋常性乾癬患者30例であった。患者は全員、LF 100mgの経口投与を受けると同時に、2群に分けられ、15例(A群)は10%LF軟膏の外用塗布を、15例(B群)は、20%LF軟膏の外用塗布の投与を受けた。 患者内対照にて評価が行えるよう、全患者は、病変部の半分にのみ軟膏薬を塗布した。有効性の評価は、Target Lesion Scoreを用いて行われた。 主な結果は以下のとおり。・試験を完了したのは、30例のうち22例であった。・結果、LF軟膏塗布部では、隆起、発赤、落屑について、非塗布部の対照と比較して有意な改善が観察された(p<0.05)。・LF含有10% vs. 20%で、有効性に差はみられなかった。・経口単独での服用は、外用薬塗布群でみられた改善がまったくみられなかった。・著者は、本検討によりLFには安全な局所治療薬となりうる可能性があり乾癬治療のオプションとなり得ることが示唆されたとまとめている。

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海水温泉浴+ナローバンドUVBが乾癬治療に有用

 乾癬治療として、アイスランド大学のJenna Huld Eysteinsdottir氏らは、海水温泉浴+ナローバンドUVB(NB-UVB)療法とNB-UVB単独療法を比較する無作為化試験を行った。同治療として、海水浴+NB-UVB療法はすでに知られている。今回の検討では、海水温泉浴併用について標準療法と強化療法を設定し、NB-UVB単独を含め3つのUVB療法について比較することが目的であった。Photodermatology Photoimmunology & Photomedicine誌2014年2月号(オンライン版2013年12月10日号)の掲載報告。 研究グループは、乾癬外来患者を、海水温泉浴+NB-UVB標準療法、海水温泉浴+NB-UVB強化療法、NB-UVB単独療法の3群に無作為化し、6週間にわたり治療を行い、その効果について比較する検討を行った。標準療法群は週3回、強化療法群は毎日、NB-UVB単独群は週3回治療を行った。 疾患重症度(PASI、Lattice System Physician's Global Assessmentスコア)、QOL(皮膚状態に関連する生活の質:DLQI)、治療前・中・後に評価した組織学的変化を評価した。主要エンドポイントは、6週時点のPASI 75達成患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者は68例であった。・6週時点のPASI 75およびPASI 90の達成患者の割合は、海水温泉浴併用療法の標準療法(週3回)群で68.1%と18.2%、強化療法(毎日)群で73.1%と42.3%と、いずれもNB-UVB単独群の16.7%と0%と比べて有意に多かった(すべての比較についてp<0.05)。・臨床的改善は、QOLの改善、組織学的スコア、NB-UVB用量の減少と連動していた。・これらの結果を踏まえて著者は、「乾癬患者について、NB-UVBと海水温泉浴の組み合わせは、速やかな臨床的および組織学的改善をもたらし、寛解期を長期に維持し、NB-UVB単独療法よりも低用量のNB-UVB治療を可能とする」とまとめている。

175.

高齢の乾癬患者、非アルコール性脂肪性肝疾患併発が1.7倍

 高齢の乾癬患者は、非乾癬患者と比べて非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を有する割合が1.7倍高いことが、オランダ・エラスムス大学医療センターのElla A.M. van der Voort氏らによる住民ベースのコホート研究の結果、明らかにされた。最近のケースコントロール試験で、乾癬患者でNAFLDの有病率が上昇していることが観察されていた。研究グループは、NAFLDを伴うことは乾癬の至適治療の選択に関連することから、住民ベースコホートで、その実態を明らかにする検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年12月24日号の掲載報告。 本検討は、大規模前向き住民ベースコホート研究「Rotterdam Study」の参加者である、55歳超の高齢者を登録して行われた。 NAFLDは、ほかの肝疾患を有しておらず、超音波検査で脂肪肝と診断された場合と定義し、規定アルゴリズムを用いて乾癬を有する被験者を特定した。 多変量ロジスティック回帰モデルを用いて、人口統計学的因子、ライフスタイルの特徴および検査所見で補正後、乾癬とNAFLDに関連が認められるかどうかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・合計2,292例の被験者が分析に組み込まれた。平均年齢は76.2±6.0歳、女性58.7%、BMI:27.4±4.2であった。・被験者のうち、乾癬を有していた人は118例(5.1%)であった。・NAFLDの有病率は、乾癬患者46.2%に対し、乾癬を有していなかった参照群は33.3%であった(p=0.005)。・乾癬は、NAFLDと有意に関連していた。アルコール消費量、喫煙量(パック/年)、喫煙状態、メタボリック症候群の有無、アラニンアミノ基転移酵素(ALT)値で補正後も、乾癬はNAFLD発症の有意な予測因子のままであった(補正後オッズ比:1.7、95%CI:1.1~2.6)。・今回の調査は、断面調査であった点において限界があるが、以上のように、高齢の乾癬患者でNAFLDを有している人は、非乾癬患者と比べて70%多いとみられた。そのリスクは、一般的なNAFLDリスクとは独立していた。

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中等度~重度乾癬患者はCKDに注意/BMJ

 米・ペンシルベニア大学のJoy Wan氏らは、英国でコホート内断面研究を行い、乾癬患者の慢性腎臓病(CKD)発症リスクについて調査した。その結果、乾癬の重症度が高いほど、CKD発症リスクが増加することが示された。 これまでの研究で乾癬は、糖尿病、メタボリックシンドローム、心血管疾患の発症と関連することが報告されていたが、腎臓疾患の発症との関連については検討が十分ではなかった。BMJ誌2013年10月15日掲載報告。 著者らは、英国の電子カルテデータベースを用いて、人口ベースのコホート研究を行った。被験者は18~90歳の乾癬患者14万3,883例で、そのうち軽度は13万6,529例、重度は7,354例であった。対照群は、乾癬罹患の記録がなく、年齢、治療、来院時期で適合させた68万9,702例であった。メインアウトカムは、中等度から高度(ステージ3~5)のCKD発症であった。 その後、コホート内断面研究であるiHOPE試験(Incident Health Outcomes and Psoriasis Events study)を実施した。被験者は25~64歳の乾癬患者8,731例で重症度別に登録され、対照群は乾癬罹患の記録がなく、年齢と治療で適合させた8万7,310例であった。メインアウトカムは、ベースラインでのCKDの有病率であった。 主な結果は以下のとおり。・コホート研究において、性別、年齢、心血管疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症、NSAIDsの使用、BMIで補正後、重度乾癬群ではCKD発症リスクが高かった(全患者のハザード比[HR] :1.05、95%信頼区間[CI] :1.02~1.07、軽度乾癬群のHR:0.99、95%CI:0.97~1.02、重度乾癬群のHR:1.93、95%CI:1.79~2.08)。・重度乾癬群を年齢別にみたところ、若年であるほどCKD発症リスクが増加していた(30歳のHR:3.82、95%CI:3.15~4.64、60歳のHR:2.00、95%CI:1.86~2.17)。・iHOPE試験において、性別、年齢、心血管疾患、糖尿病、高血圧、脂質異常症、NSAIDsの使用、BMI、観察期間で補正後、CKDの発症リスクは乾癬の重症度が高いほど増加していた(軽度乾癬群のオッズ比[OR]:0.89、95%CI:0.72~1.10、中等度乾癬群のOR:1.36、95%CI:1.06~1.74、重度乾癬群のOR:1.58、95%CI:1.07~2.34)。

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乾癬、にきびへのパルスダイレーザー治療はどこまで有効か

 オランダ・Amphia Hospital BredaのAngelina Erceg氏らは、炎症性皮膚疾患に対するパルスダイレーザー(PDL)治療の有効性について、系統的レビューを行った。その結果、PDL治療は、限局性慢性尋常性乾癬とざ瘡について有効かつ安全な治療であると推奨できること(推奨グレードB)、その他の炎症性皮膚疾患については、勧告レベルがレベルCを上回らなかったが、治療は有望と思われることを報告した。炎症性皮膚疾患へのPDL治療の位置づけは明らかとなっておらず、エビデンスに基づく勧告が不足していた。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年10月号(オンライン版2013年5月24日号)の掲載報告。 研究グループは、PubMedデータベースにおいて1992年1月~2011年8月に発表された文献を検索し評価する系統的レビューを行った。 炎症性皮膚疾患に対するPDL治療について報告している試験報告を入手し、エビデンスレベルを評価した。 主な結果は以下のとおり。・文献検索の結果、52件の論文を本検討に組み込んだ。・PDL治療が行われた炎症性皮膚疾患は、乾癬、ざ瘡、エリテマトーデス、顔面肉芽腫、サルコイドーシス、湿疹性病変、丘疹・膿疱を伴う酒さ、硬化性苔癬、環状肉芽腫、ジェスナー皮膚リンパ球浸潤症、網状紅斑性ムチン沈着症であった。・上記疾患について、PDL治療の有効性が示されており、評価がされていた。しかし、大半の評価の結論は、無作為化試験に基づいてはいなかった。・以上の結果を踏まえ、PDL治療は、限局性慢性尋常性乾癬とざ瘡について有効かつ安全な治療であると推奨可能であった(推奨グレードB)。その他の上記炎症性皮膚疾患については、勧告レベルがレベルCを上回らなかったが、治療は有望と思われた。

178.

乾癬患児でもメタボのリスクは高い

 アメリカ・タフツ大学のAri M. Goldminz氏らによって、乾癬性疾患を有する患児において、メタボリックシンドロームの有病率が高いことが示された。Goldminz氏は、小児でのメタボリックシンドロームのリスク因子の評価が、将来の心疾患の罹患と死亡を防ぐために重要であると報告している。pediatric dermatology誌オンライン版2013年9月9日掲載の報告。 これまで、乾癬の成人患者において、メタボリックシンドロームや心疾患リスクが高いことが報告されていたが、小児における十分な検討はなかった。そこで、著者は小児・若年者における評価者盲検試験を実施した。対象は、現在または過去に体表面の5%以上に乾癬の症状、または乾癬性関節炎を有する患児20例(9~17歳)であった。対照群は、良性の母斑、イボ、にきびを有している、年齢と性別を適合させた20例とした。 主な結果は以下のとおり。・主要エンドポイントは、トリグリセリド、HDLコレステロール、空腹時血糖値、ウエスト周囲径、血圧のうち、3つ以上の検査値の異常であった。2次エンドポイントは、高感度CRP、総コレステロール、LDLコレステロールの異常値であった。・メタボリックシンドロームの基準を満たしたのは、乾癬患児群の30%(6例)であった一方、対照群では5%(1例)であった(p<0.05)。・乾癬患児群の平均空腹時血糖値は91.1mg/dLで、対照群(82.9mg/dL)より高値であった(p=0.01)。・その他のメタボリックシンドロームのリスク因子(BMI、高感度CRP、総コレステロール、LDLコレステロール)には有意差はみられなかった。

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乾癬が就業に与えるリアルな影響

 イタリア・ナポリ大学のAyala.F氏らによって、中等症~重症乾癬患者における、就業への影響が調査された。それによると、乾癬の罹患が患者の就業に対して深刻な影響を及ぼし、雇用の機会、就業日数、将来への期待、収入を得る機会に影響することが報告された。乾癬が及ぼす身体的、心理社会的な影響のため、患者さんは充実した生活を送るのが難しいことがあるが、これまで就業関連への影響については、調査が十分とはいえなかった。J Eur Acad Dermatol Venereolオンライン版2013年8月21日掲載報告。 調査はイタリアの29施設の皮膚科で行われ、787例の被験者が登録された。被験者情報は、来院時の調査票により収集された。 主な結果は以下のとおり。・被験者787例は平均年齢50歳、64%が男性であった。なお、最も多く見られた病型は、尋常性乾癬であった(91.2%)。・調査時点の平均PASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコアは10点、平均罹病期間は19年であった。・喫煙者は非喫煙者に比べ、PASIスコアが高かった(10.8 vs 9.4、p=0.02)・55%の被験者ではキャリアアップへの期待が少なかった。・42%の被験者が雇用状態改善の見込みが少なく、35%の被験者が収入を得る機会が減少していると回答した。・約60%の被験者が、乾癬の症状が手足に存在すると、就業が制限されると回答した一方で、実際に退職したのは約25%であった。・約37%の被験者が、検査や治療のために過去3ヵ月間で3~10日仕事を休んだ。・ロジスティック回帰分析によると、就業制限の有意な予測因子は性別、低学歴、病変の数、羞恥心、怒り、自尊心であった。

180.

国内初、乾癬治療の配合外用剤を承認申請

 レオ ファーマは23日、乾癬治療剤として、活性型ビタミンD3であるカルシポトリオールと副腎皮質ホルモン剤(以下、ステロイド)であるベタメタゾンジプロピオン酸エステルの配合外用剤の承認申請を行ったと発表した。 今回の申請は、主に日本における安全性試験ならびに尋常性乾癬患者を対象とした第III相試験の結果に基づいて同社が行ったもの。 乾癬は慢性かつ難治性の皮膚疾患で、日本における有病率は1,000人中1~2人と報告がある。乾癬の治療法には活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用療法、光線療法、内服療法があり、近年は生物学的製剤による治療法が重症例に提供されるようになった。しかし、患者の大半を占める軽症から中等症に対しては、従来より活性型ビタミンD3やステロイドなどの外用剤による治療が主として行われており、単剤のみならず、多くの両剤併用、混合調製がされており、乾癬治療に用いられる外用剤には、より高い有用性ならびに投与の簡便性が求められているという。 今回申請した配合外用剤は、上記の課題を解決すべく開発したもので、2001年に尋常性乾癬に対する外用剤としてデンマークで上市されて以来、米国を含め世界97ヵ国で承認、販売されている薬剤で、尋常性乾癬治療の第一選択薬として世界的に汎用されているものである。日本では初めての活性型ビタミンD3とステロイドの配合外用剤(1日1回塗布)になる。 詳細はプレスリリースへhttp://www.leo-pharma.jp/ホーム/プレスリリース.aspx

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