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抗核抗体陽性肺がんへのPD-1阻害薬治療、安全性と有効性

 肺がん患者へのPD-1阻害薬治療において、抗核抗体(ANA)発現の有無は生存に影響するのか。九州大学病院 呼吸器科の米嶋 康臣氏らが、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者83例を対象に安全性と有効性の検討を行った結果、自己免疫疾患の明らかな増悪はみられなかったが、ANA陽性患者生存予後は、ANA陰性患者と比べて有意に不良であったという。Lung Cancer誌2019年4月号掲載の報告。 研究グループは、進行NSCLC患者へのPD-1阻害薬の安全性および有効性に対するANAの潜在的影響を調べるため、PD-1阻害薬単独療法を受けた進行NSCLC患者について、ANAなど臨床データを後ろ向きに検討した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は83例で、そのうち18例(21.7%)がANA陽性であった。・免疫関連の有害事象(irAEs)の発現頻度は、ANA陽性群33.3%(6/18例)、ANA陰性群32.2%(21/65例)と、両群間で差はみられなかった。・ANA力価は、投与によって上昇する傾向がみられた。・無増悪生存期間はANA陽性群2.9ヵ月、ANA陰性群3.8ヵ月(p=0.03)、全生存期間はANA陽性群11.6ヵ月、ANA陰性群15.8ヵ月(p=0.03)と、どちらもANA陽性群で有意に不良であった。 著者は「ANA陽性の患者への投与は安全に行われたが、抗体価の上昇もあることから、厳密なモニタリングが必要である」とまとめている。

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第107回 日本泌尿器科学会総会 会長インタビュー【Oncologyインタビュー】第4回

2019年4月18~21日、名古屋において第107回 日本泌尿器科学会総会が開催される。メインテーマは「技術と心の調和:次世代への胎動」である。会長の千葉大学大学院医学研究院 泌尿器科学 教授 市川 智彦氏に総会の趣旨と見どころについて聞いた。第107回大会のメインテーマ「技術と心の調和:次世代への胎動」にはどのような意味が込められているのでしょうか。生殖医療、ゲノム医療、ロボット手術など泌尿器の分野でも医療技術が進歩しています。しかし、ただ新しいことをやればよいということではなく心も伴っていること、技術と心の調和が必要です。今はそれが混沌として生まれる前の状態、つまり胎動している段階です。技術と心の調和をしっかり理解して、次の世代につなぐ、という意味を込めてこのテーマとしました。今総会の見どころを教えていただきたいと思います。初日の基調講演はゲノムのトピックですね。初日の午前中は、基調講演1として中村 祐輔先生(公益財団法人がん研究会がんプレシジョン医療研究センター 所長)に「がんプレシジョン医療の現状と展望」、基調講演2として福嶋 義光先生(信州大学医学部 遺伝医学教室 特任教授)に「ゲノム医療と遺伝カウンセリング」と題してお話しいただきます。総会テーマの趣旨をプログラムにも反映させ、中村先生にはゲノム医療の技術進歩について、福嶋先生にはゲノム分析が患者さんの心にもたらす部分も含めてご講演いただきます。会長指定企画「最先端と次世代へのメッセージ」は2日間にわたるセッションですが、その内容について教えていただけますか。ここでは今注目されている11の領域・テーマを、初日の午後と2日目の午前・午後の3回にわたり取り上げます(会長指定企画1:生殖医療における技術の進歩・心の変化、腎移植の将来展望、地域医療と泌尿器科、2:癌と泌尿器科、泌尿器癌に対するゲノム医療の実現に向けて、前立腺癌とAR axis、泌尿器癌を対象とした臨床研究、3:エンドウロロジーによる泌尿器科手術の進歩、尿路結石診療における研究の未来、LUTS治療、小児泌尿器科手術の現況と明日)。どのテーマも日本の指導的な立場の先生が話されますので、このセッションを聞いていただければ、泌尿器科の最先端の情報がご理解いただけると思います。シンポジウムについてはいかがですか。泌尿器科で注目されているがん免疫療法、そして去勢抵抗性前立腺がんについてもシンポジウムで取り上げます。初日の午後には、シンポジウム1「泌尿器がんに対する免疫療法」を行います。今総会は理解を深めるために、教育講演、海外招請講演など関連テーマとシンポジウムを連続して行いますが、ここでも教育講演1「最新の基礎研究成果から読み解くがん免疫療法」、海外招請講演1 「Immunotherapy for the treatment of urological cancers」をシンポジウムの前に開催し、基礎研究、世界的なトピック、そして日本の先生の総括という流れで理解を深めていただきます。2日目の午後は、去勢抵抗性前立腺がんについて、シンポジウム11「前立腺癌薬物治療のパラダイムシフト」で取り上げます。こちらも同様に、シンポジウムの前に海外招請講演6「Update in metastatic hormone naive prostate cancer treatment」で、先行する海外の状況をお話しいただいたうえで、薬物療法に理解を深めていただきます。Late-breaking & Encore Sessionについて教えていただけますか。Late-breaking & Encore Sessionは、最新の研究成果をお届けするために行います。当総会の演題締め切り後に結果が出た研究、EAUやASCO-GUといった直近の泌尿器科の学会での発表などを紹介します。今回は初めてweb上で公募する試みを行い、集まった演題の中から9演題を採用しました。そのほかのセッションについてはいかがですか。3日目は土曜日ということもあり、市民も入れるセッションを2つ用意しました。1つは、招請講演1「チバニアンと地磁気逆転」です。千葉大学として千葉に関する話題を岡田 誠先生(茨城大学理学部 教授)にご講演いただきます。もう1つは、会長指定企画4 鼎談「長寿社会の医療を考える」です。1週間後に同じ会場で、第30回 日本医学会総会が、「医学と医療の深化と広がり~健康長寿社会の実現をめざして~」というテーマで開催されますので、それにつなげる意味で企画しました。愛知県の2つの医学部の学長、郡 健二郎先生(名古屋市立大学 学長)と星長 清隆先生(学校法人藤田学園 理事長)に、小出 宣昭氏(中日新聞・東京新聞 顧問)を加え議論していただきます。3日目の午後の招請講演3では「これからの日本の経済社会構造の変化と泌尿器科診療」と題し、医師であり弁護士であり参議院議員でもある古川 俊治先生に、医療経済などと絡めた泌尿器科診療についてお話しいただきます。ケアネット会員の先生方(泌尿器科以外の方も含め)にメッセージをお願いします。泌尿器科領域でも、ゲノム医療、それに伴う遺伝カウンセリングが必要になりつつあります。今回の総会でも、基調講演の2つはゲノム医療と遺伝カウンセリングというテーマで、そこに光を当てています。泌尿器科の先生には総会への参加をお願いするとともに、泌尿器科以外の先生方もプログラムなどで泌尿器科学会に興味を持っていただければと思います。1)第107回 日本泌尿器科学会総会

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NSCLC:ニボルマブ治療後のドセタキセル・ラムシルマブ併用の有効性

 肺がんへの免疫療法後の化学療法による有効性を評価した論文が、国内で報告された。 今回、埼玉医科大学国際医療センターの塩野 文子氏らによる後ろ向き研究で、非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、抗PD-1抗体ニボルマブによる治療に病勢増悪後、ドセタキセルとラムシルマブを併用投与した場合、ニボルマブ投与なしのレジメンと比較して高い奏効率が得られた。Thoracic Cancer誌オンライン版2019年2月27日号に掲載。 本試験では、2016年2月~2017年12月に当施設でニボルマブを投与されたNSCLC患者152例から、ニボルマブ治療後にドセタキセルとラムシルマブを投与された20例について、全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)を調査した。 患者の年齢中央値は70歳(範囲:55~77歳)で、男性12例、女性8例だった。そのうち、16例が腺がん、3例が扁平上皮がん、1例がその他であった。 主な結果は以下のとおり。・18例(90%)に予防的なG-CSF製剤の投与が行われた。・20例の患者のうち、12例が部分奏効(PR)を達成し、ORRは60%だった。・6例が安定(SD)を示し、病勢コントロール率は90%だった。・PFSは169日、OSは343日だった。・消化器系の有害事象が19例の患者で観察された。

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NSCLC1次治療のニボルマブ+低用量イピリムマブにおけるORR:PD-L1 1%以上 vs.1%未満(CheckMate-568)/JCO

 転移のある進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療として、ニボルマブと低用量イピリムマブ併用の効果と安全性を評価した、オープンラベル第II相CheckMate-568試験。 今回、米国・Duke University Medical CenterのNeal Ready氏らによる結果が、Journal of clinical oncology誌オンライン版2019年2月20日号に掲載された。ニボルマブ+低用量イピリムマブは、転移のある進行NSCLCの1次治療として有効かつ忍容性が高いことが示唆された。 本試験では、未治療StageIVまたは再発StageIIIBのNSCLC患者288例を対象として、ニボルマブ3mg/kgを2週間ごと、イピリムマブ1mg/kgを6週間ごとに投与した。主要評価項目は、PD-L1の発現率が1%以上の患者および1%未満の患者における客観的奏効率(ORR)。副次的評価項目として、腫瘍変異負荷(TMB)に基づく有効性についても検討された。 主な結果は以下のとおり。・対象の患者群のうち、288例中252例(88%)でPD-L1が評価され、120例中98例(82%)でTMBが評価された。・PD-L1レベル別のORRは、PD-L1 1%以上群で41%、PD-L1 1%未満群で15%であり、PD-L1の発現レベルは、ORRに関与した。・TMB別でみると、TMB10mut/mB未満の群と比較して、TMB10mut/mB以上の群では、PD-L1の発現レベルにかかわらずORRが高かった(12% vs.44%)。・無増悪生存期間(PFS)も、TMB10mut/mB未満の群に対し、TMB10mut/mB以上の群でより延長がみられた(2.6ヵ月 vs.7.1ヵ月)。・Grade3~4の治療に関連する有害事象は、患者の29.2%に認められた。

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最新鋭のがん患者用手引きHPで公開-静岡がんセンター

 近年、がん治療の分野では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新薬が次々に発売されている。また、多剤併用による治療、外来患者の増加により、治療・副作用対策の指導が複雑なものになりつつある。そんな折、2019年2月25日に静岡県立静岡がんセンターは、これらの問題を解決するべく、「処方別がん薬物療法説明書【患者さん向け】」をホームページ上に公表した。 この説明書は、抗がん剤治療の全貌がわかるように作成されている。そして、これを患者に渡すのは医師であり、がん薬物療法の決定後、治療前に患者へ手渡しされる。その後、薬剤師や看護師がその冊子を用いて、必要に応じて説明を行うそうだ。 今回作成されたのは、同センターにおいて使用頻度が高い70療法91冊(消化器、呼吸器、皮膚科)。ニボルマブなど新薬との併用療法についても公開されており、そのほかのがん種の冊子については、順次拡大を予定しているとのこと。<特長>◆その1:病気の種類別、使用する薬の組み合わせ別に冊子が作成されているこれからがん薬物療法を受ける、または、すでに受けている患者やその家族向けに、がん薬物療法の理解を深め副作用の対処が行えるよう、病気の種類・使用する薬の組み合わせ別に治療スケジュールや注意事項、副作用とその対処法、医療者に報告する目安などが1冊にまとめられている。◆その2:がん薬物療法を受ける際に患者・家族が心構えできる治療の概要、どんな副作用がいつ現れるのかなどを治療前に理解してもらえるよう、主な副作用の現れやすい時期や頻度が一覧表になっている。◆その3:副作用の対処法がわかる 副作用の対処と工夫(病院への連絡の目安、予防を含めた具体的対処法)が写真を交えて記載されているため、治療を行う前に、生活の見通しや副作用対策を患者自らが立てやすくなっている。◆その4:地域の医療関係者が患者への指導の参考として活用できるすべての冊子は同じ構成で作られているため、患者・家族、そして医療者が効率よく利用できるようになっている。 同センターの広報担当者によると、「これまでこのような類の手引きは存在していない。医師、看護師、薬剤師などの医療従事者が共通して使用することで、患者さんの抗がん剤治療の副作用に対する理解が深まるのではと考えている」。■参考静岡県立静岡がんセンター:処方別がん薬物療法説明書【患者さん向け】

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日本人の進行NSCLC患者に対するニボルマブ治療における転移臓器が治療奏効に与える影響

 これまで、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるニボルマブの効果予測因子として、臨床的に有意な転移部位についての詳細はわかっていなかった。今回、大阪国際がんセンターの田宮 基裕氏らにより、わが国の3施設において、2015年12月17日~2016年7月31日(フォロー期間は2017年3月31日まで)にニボルマブで治療された全症例が後ろ向きに抽出され、効果予測因子の検討が行われた。 その結果、ニボルマブによる治療を受けた進行NSCLC患者では、肝および肺への転移と全身状態(PS)不良の状態が、無増悪生存期間(PFS)中央値の短縮と関連していることが示唆された。PLoS ONE誌2018年2月22日号に掲載。 本試験では、大阪国際がんセンター、大阪はびきの医療センター、近畿中央胸部疾患センターから合計201例の患者が登録された。ニボルマブ投与時の年齢の中央値は68歳(27~87歳)で、135例が男性だった。全症例のうち、157例で喫煙歴があり、153例でPSが0か1、42例が扁平上皮がんで、37例がEGFR変異を有していた。この試験の追跡期間中央値は12.2ヵ月だった。 主な結果は以下のとおり。・全患者におけるPFS中央値は2.86ヵ月(95%信頼区間[CI]:2.01〜3.62)だった。性別、喫煙状況、扁平上皮/非扁平上皮、胸部リンパ節・脳・骨転移の状況、および悪性胸水の状況による差はなかった。・ECOG PS 0〜1でのPFS中央値は3.25ヵ月(95%CI:2.47~4.64)、PS2以上では1.48ヵ月(同:1.12~3.12)だった(p<0.001)。・肝転移なし群でのPFS中央値は3.25ヵ月(95%CI:2.66~4.50)、肝転移群では1.15ヵ月(同:1.05~1.51)だった(p<0.001)。・肺転移なし群でのPFS中央値は3.52ヵ月(95%CI:2.47~5.92)、肺転移あり群では2.27ヵ月(同:1.61~3.32)だった(p<0.01)。・多変量解析の結果、PS2以上におけるハザード比[HR]は1.54(95%CI:1.05~2.25;p<0.05)、肝転移のHRは1.90(95%CI:1.21~2.98;p<0.01)、肺転移のHRは1.41(95%CI:1.00~1.99;p<0.05)であり、それぞれの因子は、統計学的に有意に短いPFSと、独立した相関が認められた。 以上の結果より、肝転移・肺転移・PS不良は、進行NSCLCがんに対するニボルマブ治療において、独立した効果予測因子である可能性が示唆された。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用療法、去勢抵抗性前立腺がんに奏効を示す(CheckMate-650)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2019年2月14日、転移のある去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者におけるニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法を評価した第II相CheckMate-650試験の中間解析データを発表した。 CheckMate-650試験は、mCRPC患者を対象に、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の安全性と有効性を評価する進行中の非盲検第II相臨床試験。試験は2つのコホートで構成されている。コホート1は、化学療法による治療歴がなく、第2世代ホルモン療法による治療後に病勢進行した無症候性または症候がほとんどない患者。コホート2はタキサン系抗がん剤による化学療法後に病勢進行した患者。患者は、ニボルマブ1mg/kgおよびイピリムマブ3mg/kgを計4回投与され、その後、ニボルマブ480mgを4週間ごとに投与された。主要評価項目は、奏効率(ORR)および画像診断による無増悪生存期間など。 中央値11.9ヵ月の追跡期間において、コホート1の患者32例のORRは25%であった。 また、中央値13.5ヵ月の追跡期間において、コホート2の患者30例のORRは10%であった。両コホートにおいて、腫瘍遺伝子変異量が高レベル(中央値以上)の患者や相同組換え修復異常の患者など、特定の患者のサブグループでより高いORRが示された。 全体的な安全性プロファイルは、これまでに報告されているニボルマブ・イピリムマブ併用療法の同じ投与スケジュールの試験と一貫していた。Grade3~5の治療関連有害事象は、コホート1の患者群の42%、コホート2の患者群の53%で発現した。 データは、2019年米国臨床腫瘍学会、泌尿器がんシンポジウムにおいて発表されている。

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ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用、腎細胞がんで継続的な生存ベネフィット示す(CheckMate-214)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2019年2月14日、第III相CheckMate-214試験の最新の結果を発表した。同データでは、未治療の進行または転移のある腎細胞がん(RCC)患者において、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と低用量イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法が、引き続き長期生存ベネフィットを示した。 CheckMate-214試験は、未治療の進行または転移のあるRCC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検試験。併用療法群の患者は、ニボルマブ3mg/kgおよびイピリムマブ1mg/kgを3週間間隔で計4回投与され、その後ニボルマブ3mg/kgを2週間間隔で投与された。対照群の患者は、スニチニブ50mg/日を4週間投与後2週間休薬を病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続した。試験の主要評価項目は、中~高リスク患者における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、および奏効率(ORR)。 最短30ヵ月の追跡調査において、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群に無作為に割り付けられた中~高リスクの患者は、スニチニブ群と比較して、引き続き有意なOSの延長を示した。また、30ヵ月時点で、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法を受けた中~高リスクの患者における治験担当医によるORRは、最短17.5ヵ月時点での前回の解析結果と比較して、改善が示された。・OS:中~高リスクの患者の30ヵ月生存率は、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で60%、スニチニブ群では47%であった(HR:0.66、95%CI:0.54~0.80、p<0.0001)。・ORR:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で42%、スニチニブ群で29%であった(p=0.0001)。・完全奏効(CR)率:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で11%、スニチニブ群で1%であった。 ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法を受けたIntention-To-Treat(ITT、すべて無作為化)集団においても同様の結果が示され、有意な改善が認められた。・OS:ITT集団の30ヵ月生存率は、ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で64%、スニチニブ群では56%であった(HR:0.71、95%CI:0.59~0.86、p=0.0003)。・ORR:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で41%、スニチニブ群で34%であった(p=0.015)。・CR率:ニボルマブ・低用量イピリムマブ併用療法群で11%、スニチニブ群で2%であった。 併用療法の全体的な安全性は、最短17.5ヵ月の追跡調査の解析結果および両剤のRCC患者におけるこれまでに報告された試験と一貫しており、長期の追跡調査でも新たな安全性シグナルや薬剤に関連する死亡例は発生しなかった。 データは、2019年米国臨床腫瘍学会、泌尿器がんシンポジウムにおいて発表されている。■関連記事進行性腎細胞がんの1次治療、ニボルマブとイピリムマブ併用が有効/NEJM

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膀胱がん、BCG投与後のPD-L1発現誘導【Oncologyインタビュー】第2回

出演:神奈川県立がんセンター臨床研究所 がん免疫療法研究開発学部 部長 笹田 哲朗氏筋層非浸潤性膀胱がん(non-muscle-invasive bladder cancer)で行われるBCG療法。このBCG投与後にPD-L1の発現が誘導されるという研究結果がOncotarget誌に発表された。神奈川県立がんセンター笹田哲朗氏に、同研究の結果とPD-1/L1阻害薬の可能性など今後の応用について聞いた。Hashizume A, et al.Enhanced expression of PD-L1 in non-muscle-invasive bladder cancer after treatment with Bacillus Calmette-Guerin.Oncotarget.2018;9:34066-34078.

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ASCO-GI2019レポート

レポーター紹介2019年1月17日~19日まで、米国・サンフランシスコにて米国臨床腫瘍学会消化器がん会議(ASCO-GI)が開かれた。今年は連日雨で、とくに1日目は風が強く、一部の国内線はキャンセルになるほど天候が良くなかった。そんな中、連日朝7時から始まるRapid-Fire Abstract Sessionには多くの聴衆が詰め掛けていた。本稿では、Oral Presentation、Rapid-Fire Abstract Session、Poster Presentationから注目すべき演題をいくつか紹介し、<マイコメント>として私見も述べさせていただく。KEYNOTE-181試験(abstract #2)進行性食道がんの2次治療として免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブが有効であるかを検証したKEYNOTE-181試験の結果が報告された。事前にプレスリリースされていたため、試験結果がpositiveであることはわかっていたが、詳細の発表について注目が集まった。1次治療後の進行性食道がん(扁平上皮がんまたは腺がん)628例が1:1にペムブロリズマブ群(200mg、3週ごと)と化学療法群(PTX、DTX、またはIRI)に分けられた。プライマリ・エンドポイントは3つ、PD-L1 CPS(combined positive score)≧10での全生存期間、扁平上皮がんでの全生存期間、全症例での全生存期間であった。扁平上皮がんの割合が、ペムブロリズマブ群63%、化学療法群65%、PD-L1 CPS≧10の症例は、それぞれ34%と37%であった。PD-L1 CPS≧10において、全生存期間中央値は9.3 vs.6.7ヵ月(HR:0.69、p=0.0074)で、ペムブロリズマブ群で有意に良好であった。一方、扁平上皮がんにおいては、8.2 vs.7.1ヵ月(HR:0.78、p=0.0095)とペムブロリズマブ群で中央値は良好であったが、事前に設定した統計解析上では統計学的に有意差がない結果となった。しかしながら、奏効率は良好で、PD-L1 CPS≧10で21.5% vs.6.1%、扁平上皮がんでも16.7% vs.7.4%とペムブロリズマブ群で高い奏効率であった。毒性評価においては、ペムブロリズマブ群においてこれまで同様の毒性がみられた程度であった。マイコメント統計学的にはPD-L1 CPS≧10症例だけにおいてペムブロリズマブの優越性が示されたが、扁平上皮がんにおいても臨床的有用性を認めるような結果であった。今後、本邦においてどのような対象に薬事承認がされるのかが注目される。PD-L1 CPS≧10であれば腺がんでもペムブロリズマブが有用であることになるが、CPS≧10におけるサブ解析では、腺がん症例におけるHRが1.0付近であり、有用であるかどうかには慎重な判断が必要であろう。CPS≧10かつ扁平上皮がん症例が確実な“responder”のようにみえる。ACTS-CC 02試験(abstract #484)本邦から大腸がん術後補助化学療法のレジメンを検証した第III相試験の結果が報告された。N2を有するHigh-risk StageIII結腸がんの症例を対象に、UFT/LV療法(5週ごと、5コース)とSOX(オキサリプラチン100mg/m2、3週ごと、8コース)療法が比較検証され、プライマリ・エンドポイントは無病生存期間であった。966例が1:1にランダム化され、UFT/LV群でStageIIIB/IIIC(TNM分類7th)が51%/48%、SOX群で49%/50%であった。フォローアップ期間中央値58.4ヵ月、396イベントが確認され、3年無病生存率は、それぞれ60.6% vs.62.7%でHR:0.90、p=0.278とSOXレジメンの優越性は証明されなかった。サブグループ解析では、Nファクター、Stageにおいて進行症例ほどSOX群が良好の傾向を認めたが、統計学的に有意な差は示されなかった。マイコメント本邦で汎用されているSOXレジメンが結腸がん術後補助化学療法レジメンとして加わるかを検証した重要な試験であった。残念ながらnegativeな結果となったが、StageIII結腸がんに対するオキサリプラチンの上乗せ効果が否定された結果ではないと判断する。オキサリプラチンの量が100mg/m2ではなく、130mg/m2であったらどうだったか? 『大腸癌治療ガイドライン』が2019年版に改訂されたが、補助療法のpreferredレジメンはCapeOXまたはFOLFOXである。TAS-102±Bev比較試験(abstract #637)デンマークからTAS-102にベバシズマブ(Bev)を上乗せする効果を検証した比較試験の結果が報告された。TAS-102+BevレジメンはC-TASK FORCE試験(Kuboki Y, et al. Lancet Oncol. 2017;1172-1181.)で有用性が示されているが、Bevの上乗せ効果に関してはこれまで比較試験がなく、エビデンスがない状態であった。80例の症例が、TAS-102群41例、TAS-102+Bev群39例にランダム化され、プライマリ・エンドポイントとして無増悪生存期間が評価された。両群とも約60%の症例が3次治療まで受けており、80~85%の症例で前治療までにBevが使用され、約60%がRAS変異型であった。無増悪生存期間中央値は、TAS-102群で2.6ヵ月、TAS-102+Bev群で5.6ヵ月、HR:0.51、p=0.01で統計学的有意にTAS-102+Bev併用群で良好であった。全生存期間中央値はそれぞれ6.7ヵ月、10.3ヵ月、奏効率は0%、3%であった。毒性評価では、TAS-102群に比べてTAS-102+Bev群で好中球減少、下痢、発熱性好中球減少症が多い傾向だった。この試験のほかに、TAS-102+Bevレジメンを評価した本邦の第II相試験の結果が2つ報告されていた。TAS-CC3試験(abstract #617)では奏効率6.3%、無増悪生存期間中央値4.5ヵ月、全生存期間中央値9.2ヵ月、BiTS試験(abstract #647)では奏効率0%、無増悪生存期間中央値4.3ヵ月、全生存期間中央値8.7ヵ月であった。マイコメントTAS-102+Bevレジメンは本邦のC-TASK FORCE試験で有効性が示されたものの、試験の症例数の少なさから施設によってはレジメン登録が難しいところもあったことであろう。Bev併用効果を検証した前向き試験が望まれていた中での大変貴重な試験結果である。少数例の第II相試験ではあるが、positiveな結果はTAS-102+Bevの日常臨床での使用を大きくサポートするものであり、本邦からの2つの第II相試験結果も既報と同様のものであることから、TAS-102+Bevはほぼ確立したレジメンとして考えてよいであろう。Prep-02/JSAP-05試験(abstract #189)切除可能膵がんにおける周術期治療に関する重要な試験結果が本邦より報告された。現在の標準治療である術後補助化学療法S-1に対して、術前ゲムシタビン+S-1(GS)併用療法(3週ごと)2コースの追加により予後延長効果が得られるかを検証した試験である。S-1治療群の2年生存率を35%、GS併用療法群の2年生存率を50%として、α-エラー0.05、パワー0.8で、両群で360症例が必要のところ、364症例が登録された。本試験は第II/III相試験であり、第II相試験パートでは切除率が検証され、S-1治療群(術前化学療法なし)82%のところGS併用療法群93%と良好な結果が示され、その後第III相パートに進んだ。S-1治療群180症例のうち129症例で治癒切除が施行され、GS併用療法群では182症例のうち140症例で治癒切除が施行された。プライマリ・エンドポイントの全生存期間中央値は、S-1治療群で26.65ヵ月、GS併用療法群で36.72ヵ月、HR:0.72(95%CI:0.55~0.94、p=0.015)で、術前GS併用療法の有用性が示された。手術に関するファクター(出血量、手術時間、合併症など)において両群に有意な差は認めなかった。病理学的評価では、pN1症例がS-1治療群で81.5%であったのに対し、GS併用療法群で59.6%と有意に低かった。また、再発形式では、肝転移再発が47.5% vs.30.0%とGS併用療法群で有意に低かった。マイコメント本邦の切除可能膵がんの標準治療を変えうる、とても重要な試験結果である。術前にGS療法2コースを行うことで、これほど大きな生存期間延長効果が得られたことは正直驚きであった。今後、日常臨床で本試験結果をどのように反映させるか、各施設での議論が必要になるが、試験結果の詳細・論文発表にも注目すべきである。まとめ今年は全体的に上部(1日目)や肝胆膵領域(2日目)に注目演題が集まっており、下部(3日目)の演題に話題性は乏しかったものの、日本からの臨床試験の発表もあり、蓋を開けてみれば連日面白い学会であった。食道がんの標準治療として今後免疫チェックポイント阻害薬が入ってくることや、本邦の膵がん診療の標準治療が変わりうる演題があり、これらの演題に関する今後の論文発表に注目すべきである。

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肺がんのニボルマブ治療、スタチン使用者で効果高い

 既治療進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるニボルマブの臨床的な効果予測因子の報告は多いが、ニボルマブの有効性を予測できる単一の因子を決定する十分なエビデンスはない。今回、がん・感染症センター都立駒込病院/日本医科大学の大森 美和子氏らによる前向き調査の結果、既治療進行NSCLCに対してニボルマブを受けた患者において、スタチン使用群で奏効割合が高く、治療成功期間(TTF)の延長も示された。なお、全生存期間(OS)の有意な延長は示されなかった。Molecular and Clinical Oncology誌2019年1月号に掲載。 2016~17年にニボルマブを受けた計67例の既治療進行NSCLC患者を前向きに観察調査した。臨床的因子として、年齢、性別、ECOG PS、組織型、EGFR変異、化学療法歴、喫煙状態、スタチン使用、フィブラート使用、DPP-4阻害薬使用、メトホルミン使用について検討した。統計分析はKaplan-Meier法およびリスク因子を調整したCox回帰を用いた。ニボルマブの奏効はRECIST version1.1により評価した。 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は67歳(範囲:36~87歳)で、男性46例、女性21例が登録された。PS0/1は59例であった。・腺がん(41例)、扁平上皮がん(17例)、その他(9例)に分類され、EGFR変異は13例(19.4%)に認められた。・検討した臨床的因子に関して、OSで統計学的に有意な因子はなかった。・奏効割合は、スタチンを使用した患者群について統計学的に有意であった(p=0.02)。・TTFは、スタチン使用群が未達(95%信頼区間[CI]:1.9~NR)、スタチン非使用群が4.0ヵ月(95%CI:2.0~5.4)であった(p=0.039)。・OS中央値は、スタチン使用群が未達(95%CI:8.7~NR)、スタチン非使用群が16.5ヵ月(95%CI:7.5~NR)であった(p=0.058)。・本研究の限界として、スタチン投与患者が少数(10例)であること、スタチン投与量と期間、末梢血中のコレステロール値が不明なこと、治療前の腫瘍細胞のPD-L1発現が不明なことが挙げられる。

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膵がん死を減らせるか? 膵がん切除後の補助療法:mFOLFIRINOXかゲムシタビンか(解説:上村直実氏)-998

 消化器領域のがんでは感染症である肝がんと胃がんによる死亡者が激減し、著明な増加を示していた大腸がん死亡者数も肺がんと同様にプラトーに達し減少に転じている。その中で早期発見が困難でかつ発見時には手術不能例が多い膵がんによる死亡者数のみが年間3万人を超えて増加の一途をたどっている。膵がん死を防ぐ方法としては、完治できる外科的手術が理想的であるが、早期に発見された切除可能膵がんでも手術単独の5年生存率はわずか10%とされており、生存率の向上を目的として、術前・術後の補助療法が模索されているが、とくに局所病変が切除可能で転移に乏しい患者に対する術後の補助療法は必須となっている。 このたび、フランスとカナダで施行された第III相試験(RCT)の結果として、切除可能膵がん患者に対する術後補助療法として、毒性の強いFOLFIRINOX(フルオロウラシル/ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチン併用)の用量を調整したmodified FOLFIRINOXと欧米における標準治療であるゲムシタビン(GEM)を比較した結果、前者がより有効であることがNEJM誌に報告された。mFOLFIRINOX群の無病3年生存率39.7%がGEM群の21.4%に比べて有意に延長した結果は今後に期待を持てる数字といえる。一方、日本では欧米の評価と異なりGEMとともに標準治療とされているS-1の評価が必要であると考えられる。 いずれにせよ、わが国における今後の膵がん対策として、実地医家など第一線の診療現場と専門医を有する中核施設の協力体制による早期発見システム(尾道方式など)の構築が必要であり、一方、補助化学療法としては、GEMとS-1を標準治療として有効性を示す新規薬剤の模索が進行中であるが、今後、MSI-highの膵がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の有用性が早急に検討されることが期待される。

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高齢者に対するICIは効きが悪い?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第4回

第4回 高齢者に対するICIは効きが悪い?1)Lichtenstein MRL, et al. Impact of Age on Outcomes with Immunotherapy in Patients with Non-Small Cell Lung Cancer(NSCLC). J Thorac Oncol. 2018 Nov 23. [Epub ahead of print]2)Grossi F, et al. Use of nivolumab in elderly patients with advanced squamous non-small-cell lung cancer: results from the Italian cohort of an expanded access programme. Eur J Cancer. 2018;100:126-134.NSCLCのみならず、今後SCLCでも初回治療に導入が進むと期待される免疫チェックポイント阻害剤(ICI)。一方で、治験データからは見えてこない高齢者やPS不良例に対する効果についてはしばしば議論がなされてきた。今回、高齢者に対する2つのレトロ解析を紹介する。1)について2013~17年まで、MGH(マサチューセッツ総合病院)でPD-1/L1単剤治療を受けた245例。31.0%が70代、11.4%が80代。PD-L1免疫染色はE1L3N cloneで実施。PFSは70代までは年齢が上がるごとに延長(70代のmPFS 3.8ヵ月)、しかし80代のmPFSは1.6ヵ月と短かった。OSは60歳未満、60代、70代で同等(12~14ヵ月)であったが、80代で3.6ヵ月と短かった。有害事象は年代によって大きな差はなし。2)について欧州におけるexpanded access programmeをまとめたもの。2015年に欧州にある96の病院で治療を受けた、扁平上皮がん371例が対象。75歳以上は19%、80歳以上の割合は不明。ORRは年代で差はなし。PFSについても3.2~4.2ヵ月と同様。OSは75歳以上で5.8ヵ月と、そのほか(7.9~8.6ヵ月)に比して短かった。有害事象は年代によって大きな差はなし。解説高齢者に対する化学療法は本邦でも重要な課題だが、これまでの治験のサブセットは多くが65歳や70歳などで区切られており、われわれが実臨床で考える高齢者とはかけ離れているという問題がある。また、免疫応答が異なる集団でICIの効果が異なるかについてはいろいろ興味深い検討がなされており、最近のJAMA Oncol誌にも男女間でICIの効果に差はなさそうだ、というメタアナリシスが報告されている(Wallis CJD, et al. JAMA Oncol. 2019 Jan 3. [Epub ahead of print])。高齢者については、「免疫応答が落ちているのでICIの効果が劣る」という意見と「高齢者にできる腫瘍はTMBが高い可能性があるのでICIの効果は高いのでは」という、相反する意見があった。今回紹介した論文について、前者では80歳以上の高齢者で効果が低そう、という知見だが、この集団の患者背景を見てみると脳転移を有する患者の割合が他よりも有意に多く(約30%)、PS2の患者も35%を占めるなど、予後不良な因子を有する集団である。PFSは1.6ヵ月と非常に短く、OSも3.6ヵ月と同様に短いこともこれを反映していると思われる。一方、EJC誌のレトロ解析では、ORR、PFSはいずれの年代でも同様であった。こちらは逆に75歳以上の集団でのみ脳転移の頻度が少ないので解釈が悩ましいところだが、全体、高齢者集団とも過去の第III相試験における有効性データと近い結果であり、サンプルサイズもより多く、信頼性はやや高いと思われる。なお、双方の研究ともに高齢者ではOSが非常に短くなっているが、何らかの予後不良因子が隠れているのか、もしくはICI後の治療割合が本邦に比して低いのかなど、まだ不明な点は多いといえる。有害事象については、いずれの報告でも年齢による差はない、つまり細胞障害性薬剤より軽い、ということであるので、結局のところ、これらの報告から「高齢者だからといってICIの使用を躊躇する必要はなさそうだ」、というのが自分の考えである。PD-L1高発現など選別した集団において年齢によって効果の違いがあるのか、今後の研究が望まれる。

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ニボルマブ、食道がん第III相試験でOS延長(ATTRACTION-3)/小野薬品

 小野薬品工業株式会社は、2019年1月9日、ニボルマブ(商品名: オプジーボ)について、フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった切除不能な進行または再発食道がん患者を対象に実施した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(ATTRACTION-3:ONO-4538-24/CA209-473)の最終解析において、ニボルマブ群が化学療法群(ドセタキセルまたはパクリタキセル)と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示したと発表。 ニボルマブは、切除不能な進行または再発食道がんにおいて、腫瘍細胞のPD-L1発現を問わない集団全体においてOSの有意な延長を示した世界で初めての免疫チェックポイント阻害薬となる。なお、本試験の結果については、今後、関連学会にて公表する予定とのこと。

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アテゾリズマブ、NSCLCの4剤併用、小細胞がんの1次治療【侍オンコロジスト奮闘記】第69回

第69回:アテゾリズマブ、NSCLCの4剤併用、小細胞がんの1次治療キーワードIMpower133IMpower150アテゾリズマブ動画書き起こしはこちら音声だけをお聞きになりたい方はこちら //playstopmutemax volumeUpdate RequiredTo play the media you will need to either update your browser to a recent version or update your Flash plugin.こんにちは。ダートマス大学腫瘍内科の白井敬祐です。こちら、今年は11月の中旬ぐらいから雪が降って、かなり寒くなりました(このビデオは2018年12月に収録されたものです)。華氏で2度ですから、摂氏にするとマイナス10度以下、もう12月に入って早々にそういう時期があって、相変わらずフロントガラスの内側に張ってる氷を削って帰るとようなことをしています。IMpower、アテゾリズマブのグループで、カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ+アテゾリズマブが、12月6日、FDAで認可になりました(わが国でも2018年12月に承認となりました)。4剤併用でしかもタキソールはまだ3時間かけての点滴がスタンダードになっているので、かなり長時間になると思うんですけども、1つオプションができたかと。どういうときに使えるのか考えたんですけど、例えば腎機能が悪くてペメトレキセドが使えないとか、そういう方には使える可能性があると思います。あと、パクリタキセルは薬自体が安いので、4剤になるといくらなのか計算したことないのですが、そういう方にもオプションはあるのかなと思いました。この4剤はサブセット解析でEGFR陽性あるいはALK陽性肺がんで2ndラインに使ったときにアテゾリズマブを加えた群の方が、加えない群よりも差があったということが報告されたんですけど、EGFR陽性群あるいはALK陽性群に、どのような形でチェックポイントインヒビターが使えるかというのは、今後も興味があるところです。頻度は低いですけれども、効く人もいるので、その効く方をどのようにして選択しいくかというのが課題になると思います。小細胞がんの話題なんですけども、プラチナとエトポシドの組み合わせが、長い間スタンダードになっていたんですが、プラチナ+エトポシド+アテゾリズマブですね、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブを加えた群がOverall Survivalを有意に延長するということが、ニューイングランドジャーナルに報告になりました。Overall Survivalは、12.3ヵ月vs.10.3ヵ月と比較的メリットになる期間は短めなんですけれども、ここ20~30年で初めてSmall Cellの1stラインの治療が変わるかもしれないということで、非常に注目を集めています。興味のあるところは、効いた患者さんが、どの程度効果が持続するのか、チェックポイントインヒビターのSustainabilityに興味がありますが、まだ長期の結果は報告されていないようです。いずれにしても10ヵ月から12.3ヵ月になったというのは、画期的なことです。僕は使ったことはないんですけれども、ほかの大きながんセンターの友人に聞くと、1stラインで使いだした、と言っていました。また実際使った時の経験なども報告できれば良いかなと思っています。Socinski MA, et al. Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC.N Engl J Med. 2018;378:2288-2301.FDA approves atezolizumab with chemotherapy and bevacizumab for first-line treatment of metastatic non-squamous NSCLCアテゾリズマブ、NSCLCへの1次治療に国内承認Leora Horn, et al.First-Line Atezolizumab plus Chemotherapy in Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer.N Engl J Med.2018;379:2220-2229.vvvv

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NSCLCにおけるPD-1阻害薬の潜在的バイオマーカー【肺がんインタビュー】 第22回

第22回 NSCLCにおけるPD-1阻害薬の潜在的バイオマーカー(Investigatorインタビュー)出演:神奈川県立がんセンター臨床研究所 がん免疫療法研究開発学部 部長 笹田 哲朗氏NSCLCにおけるPD-1阻害薬治療前後のCXCL2とMMP2の変化は、治療効果の予測因子となる可能性が示唆された。この研究について、神奈川県立がんセンター笹田哲朗氏に聞いた。Matsuo N, et al. Association between soluble immune mediators and tumor responses in patients with non-small cell lung cancer treated with anti-PD-1 inhibitor. Int J Cancer.2018 Oct 11.[Epub ahead of print]

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